(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】計量投与気化器のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20241216BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
A61M15/06 A
(21)【出願番号】P 2022559942
(86)(22)【出願日】2021-03-06
(86)【国際出願番号】 US2021021262
(87)【国際公開番号】W WO2021202056
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-10-19
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】524034187
【氏名又は名称】カイバル ラブス、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ウッドバイン、ジョン ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】カトサロス、ステファン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】カルフィー、ピーター ウィリアム
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0360790(US,A1)
【文献】国際公開第2019/204812(WO,A1)
【文献】特表2018-504132(JP,A)
【文献】特表2015-528307(JP,A)
【文献】米国特許第09877521(US,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1820827(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/00
A61M 15/00-15/06
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部とその反対側の第2の端部とを備えるハウジングと、
前記第1の端部に近接して配置されるマウスピースであって、前記第1の端部の周りで回転するように構造化されて配置されるマウスピースと、
前記第2の端部に近接して配置される取付具であって、電源に取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される取付具と、
前記ハウジング内の液体濃縮物のリザーバと、
前記取付具に近接して配置され、前記リザーバから熱的に絶縁される気化器と、
ほぼ前記気化器から前記ハウジングを通じて前記マウスピースまで通過する蒸気導管と、
前記リザーバに所定の力を加えて前記リザーバから前記気化器に所定量の液体濃縮物を分配するように構造化されて配置される計量回転駆動ディスペンサであって、前記計量回転駆動ディスペンサが前記マウスピースに結合される、計量回転駆動ディスペンサと、
を備え
、
前記計量回転駆動ディスペンサは、
前記リザーバと前記気化器との間に配置される開口部と、
前記リザーバに所定の力を加えて前記開口部から前記気化器内に所定量の液体濃縮物を分配するように構造化されて配置されるスクリュープランジャであって、前記マウスピースの回転が前記スクリュープランジャに所定の回転度をもたらし、前記回転度が、前記スクリュープランジャを前記リザーバの液体濃縮物に対して前進させて所定量の液体濃縮物を分配するように予め選択される、スクリュープランジャと、
を備え、
前記スクリュープランジャは、前記スクリュープランジャが回転されるときに前記開口部を覆ったり露出させたりするように構造化されて配置される少なくとも1つのシャッタフィンを更に備える計量投与気化器システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシャッタフィンは、前記スクリュープランジャが回転されるときに前記開口部内に液体濃縮物を方向付けるための傾斜面を備える隆起した前縁部を有する、請求項
1に記載の計量投与気化器システム。
【請求項3】
前記開口部が一方向弁である、請求項1に記載の計量投与気化器システム。
【請求項4】
前記取付具が510バッテリコネクタである、請求項1に記載の計量投与気化器システム。
【請求項5】
前記マウスピースが一方向
のみに回転できるように構造化されて配置される、請求項1に記載の計量投与気化器システム。
【請求項6】
前記気化器と前記液体濃縮物のリザーバとの間に配置される断熱器を更に含む、請求項1に記載の計量投与気化器システム。
【請求項7】
前記マウスピースが所定量回転されたという可聴表示をもたらすように構造化されて配置される可聴
クリックを更に含む、請求項1に記載の計量投与気化器システム。
【請求項8】
前記投与気化器システムの固有の識別及び前記液体濃縮物の決定を可能にする固有の識別子を更に含む、請求項1に記載の計量投与気化器システム。
【請求項9】
第1の端部とその反対側の第2の端部とを備えるハウジングと、
前記第1の端部に近接して配置されるマウスピースであって、前記第1の端部の周りで回転するように構造化されて配置されるマウスピースと、
前記第2の端部に近接して配置される510バッテリコネクタであって、バッテリに取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される510バッテリコネクタと、
前記ハウジング内の液体濃縮物のリザーバと、
前記510バッテリコネクタに近接して配置され、前記リザーバから熱的に絶縁される気化器と、
ほぼ前記気化器から前記ハウジングを通じて前記マウスピースまで通過する中央蒸気導管と、
前記リザーバと前記気化器との間に配置される開口部と、
前記リザーバに所定の力を加えて前記開口部から前記気化器
内に所定量の液体濃縮物を分配するように構造化されて配置されるスクリュープランジャであって、前記マウスピースの回転が前記スクリュープランジャに所定の回転度をもたらし、前記回転度が、前記スクリュープランジャを前記リザーバの液体濃縮物に対して前進させて所定量の液体濃縮物を分配するように予め選択される、スクリュープランジャと、
を備え
、
前記スクリュープランジャは、前記スクリュープランジャが回転されるときに前記開口部を覆ったり露出させたりするように構造化されて配置される少なくとも1つのシャッタフィンを更に備える計量投与気化器システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのシャッタフィンは、前記スクリュープランジャが回転されるときに前記開口部内に液体濃縮物を方向付けるための傾斜面を備える隆起した前縁部を有する、請求項
9に記載の計量投与気化器システム。
【請求項11】
前記マウスピースが一方向
のみに回転できるように構造化されて配置される、請求項
9に記載の計量投与気化器システム。
【請求項12】
前記中央蒸気導管が前記スクリュープランジャを貫通して延在する、請求項
9に記載の計量投与気化器システム。
【請求項13】
前記気化器と前記液体濃縮物のリザーバとの間に配置される断熱器を更に含む、請求項
9に記載の計量投与気化器システム。
【請求項14】
前記マウスピースが所定量回転されたという可聴表示をもたらすように構造化されて配置される可聴
クリックを更に含む、請求項
9に記載の計量投与気化器システム。
【請求項15】
前記投与気化器システムの固有の識別及び前記液体濃縮物の決定を可能にする固有の識別子を更に含む、請求項
9に記載の計量投与気化器システム。
【請求項16】
第1の端部と、その反対側の第2の端部とを有し、前記第1の端部と前記第2の端部との間に縦軸を伴う手持ち式装置であって、
前記第1の端部が、前記縦軸を中心に一方向
のみに回転するように構造化されて配置されるマウスピースによって規定され、
前記第2の端部が、電源に取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される取付具によって規定される、
手持ち式装置と、
前記マウスピースと前記取付具との間に配置されるハウジングであって、
液体濃縮物のリザーバと、
前記取付具に近接して配置され、前記リザーバから熱的に絶縁される気化器と、
前記気化器を前記マウスピースに結合する蒸気導管と、
前記マウスピースの
所定の回転度で所定量の液体濃縮物を前記リザーバから前記気化器に分配するように構造化されて配置される計量ディスペンサと、
を少なくとも部分的に収容するハウジングと、
第1の期間にわたって前記気化器と前記電源との間の接続を可能にすることによって前記気化器を作動させるように構造化されて配置される作動器であって、前記電源により、前記気化器が熱を生成して分配された前記所定量の液体濃縮物を気化させることができる、作動器と、
を備え
、
前記計量ディスペンサは、
ほぼ縦軸の周りに配置される回転可能なシャフトであって、前記マウスピースと機械的に接続する第1の端部と、前記気化器とは反対側の液体濃縮物の前記リザーバの第1の端部として配置されるプランジャシールと機械的に接続する第2の部分とを有する回転可能なシャフトと、
前記プランジャシールの反対側にあって、前記リザーバと前記気化器との間に配置される開口部と、
を備え、
前記回転可能なシャフトは、前記プランジャシールを前記気化器に向けて移動させ、前記リザーバに所定の力を加えて前記開口部から前記気化器に前記所定量の液体を分配するように構造化されて配置され、
前記回転可能なシャフトは、前記回転可能なシャフトが回転されるときに前記開口部を覆ったり露出させたりするように構造化されて配置される少なくとも1つのシャッタフィンを更に備える計量投与気化器システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのシャッタフィンは、前記
回転可能なシャフトが回転されるときに前記開口部内に液体濃縮物を方向付けるための傾斜面を備える隆起した前縁部を有する、請求項
16に記載の計量投与気化器システム。
【請求項18】
前記蒸気導管は、前記回転可能なシャフトを通る中空通路によって少なくとも部分的に設けられる、請求項
16に記載の計量投与気化器システム。
【請求項19】
前記取付具が510バッテリコネクタである、請求項
16に記載の計量投与気化器システム。
【請求項20】
前記気化器は、液体濃縮物の前記リザーバから物理的に分離して配置される、請求項
16に記載の計量投与気化器システム。
【請求項21】
前記気化器と前記液体濃縮物のリザーバとの間に配置される断熱器を更に含む、請求項
16に記載の計量投与気化器システム。
【請求項22】
前記投与気化器システムの固有の識別及び前記液体濃縮物の決定を可能にする固有の識別子を更に含む、請求項
16に記載の計量投与気化器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2020年3月30日に出願されてSYSTEM AND METHOD FOR DOSING VAPORIZERと題される米国仮出願第63/002,131号の35 U.S.C.§119(e)の下での利益を主張し、この仮出願の開示内容は参照により本願に組み入れられる。
【0002】
更に、以下の特許出願及び特許、すなわち、SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING CONCENTRATE USAGE OF A USERと題される米国特許出願第15/391,829号明細書(以下、「’829出願」)、SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING CONCENTRATE USAGE OF A USERと題される米国特許出願第16/592,674号明細書(以下、「’674出願」)、SMART VAPORIZER AND SYSTEM FOR CONCENTRATE PRODUCTSと題される米国特許出願第62/660,974号明細書(以下、「’974出願」)、VAPORIZER CARTRIDGE SYSTEM AND METHOD OF USEと題される米国特許出願第62/721,699号明細書(以下、「’699出願」)、SYSTEM AND METHOD FOR VAPORIZING CARTRIDGE SYSTEM WITH DIFFUSERと題される米国特許出願第16/541,062号明細書(以下、「’062出願」)、SYSTEM AND METHOD FOR DETERMINING AN APPROPRIATE DOSE OF A PRODUCT」と題される米国特許出願第16/559,556号明細書(以下、「’556出願」)、及び、SYSTEM AND METHOD FOR MULTI-MODAL DOSING DEVICEと題される米国特許第10,888,665号(以下、「’665特許」)、SYSTEM AND METHOD FOR MULTI-MODAL DOSING DEVICE」と題される米国特許第10,888,666号(以下、「’666特許」)、及び、SYSTEM AND METHOD FOR MANAGING CONCENTRATE USAGE OF A USERと題される米国特許第10,834,967号(以下、「’967特許」)は、参照によりその全体が本願に組み入れられる。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、一般に、吸入可能な形態の所定用量の所定の製品をユーザに供給するように構造化されて配置される投与気化器システムに関する。製品は、一般に、液体又は油濃縮物であると理解される。特に、本発明は、自己完結型気化器、リザーバ、及び、投与システムを提供することによって、製品の正確な投与のためのシステムを提示する。
【背景技術】
【0004】
電子タバコ、手持ち式気化器、「ベープ」 などと呼ばれることが多い一般的な装置は、医療又はレクリエーション吸入のための蒸気をユーザに供給する手持ち式電子装置であると理解及び認識される。一般に、これらの装置は、一般に、マウスピースを備え、典型的には気化されるべき材料のカートリッジ又はリザーバを収容するハウジング内に、電気的に作動する気化器を備えると理解される。
【0005】
一部のモデルの場合、気化器に給電するバッテリが取り外し可能な場合があり、一方、他のモデルではバッテリが取り外し不能である。勿論、バッテリは充電可能であってもよい。
【0006】
パイプ、紙巻きタバコ又は葉巻のように、火を使用して材料を燃焼させて煙にする従来の喫煙装置では、ユーザによる吸入は、燃焼作用を促進する燃焼媒体を通じて空気を吸い込み、煙を吸い込む。
【0007】
気化器では、ユーザによる空気の吸引を使用して装置の動作を引き起こすことができるが、吸入された物質の初期状態から蒸気状態への移行は火によって達成されない。最も一般的には、気化されるべき材料は、吸入化合物を最初に貯蔵した後に液体がユーザによる吸入のために蒸気に変換されるように吸入化合物を気化器の要素に搬送するための輸送媒体として機能する、油ベースの液体などの液体形態で供給される。
【0008】
異なる製品特性に起因して、現在の気化器溶液は、付加的な薄化剤、すなわち、プロピレングリコール、植物性グリセリンなどを含んでも含まなくてもよい。より具体的には、気化器で利用される多くの製品は、気化のための溶液が堆積されるセラミック又は金属表面と接触している又はそれに近接している加熱コイルなど、気化器の要素に製品を効率的に輸送するために薄化剤に依存する。
【0009】
植物ベースの医薬品の増殖の増加に伴い、適切な投与量は、所定の状態又は疾患の一貫した信頼性の高い治療のための患者ケアの重要な部分である。実際に、場合によっては、同じ製品の異なる投与量は、異なる状態又は病気に適切となる場合があり、したがって、特定の状態又は病気に関する適切な製品投与の重要性を更に強調する。
【0010】
幾つかの気化器は、気化要素への濃縮物の容易な流れ又は吸い上げを容易にするために、リザーバ/カートリッジ内の濃縮物を意図的に加熱するように、気化器の加熱要素又は他の加熱要素の近くに濃縮物のリザーバを意図的に配置している。場合によっては、加熱コイルは、リザーバの少なくとも一部の中又は周囲に配置されてさえいる。
【0011】
これは最初は有用であると考えられていたが、この更なる繰り返しの加熱は、濃縮物の分解又は化学変化をもたらす濃縮物材料を劣化させる可能性があることが分かってきた。この分解は、気化濃縮物の有効性及び/又は楽しみの減少、並びに、気化業界内で今初めて実現されている他の問題をもたらす可能性がある。更に、芯材料、一般的には綿は、使用により分解し、蒸気の風味に悪影響を及ぼす。
【0012】
蒸気は燃焼生成物ではなく液体から供給されるため、吸入剤、ニコチン、CBD、又は、他の化合物の濃度は、液体において与えられる濃度、及び、その液体が分配されて気化される量に大きく依存することも理解される。実際に、正確な分配がなければ、ある気化から次の気化までの大きな変動が起こり得る。
【0013】
更に、あるバッチ又は製造業者から別のバッチ又は製造業者まで濃度の変動が存在し得るため、正確な分配又は投与は、信頼性が高く再現可能な気化器の使用における重要なファクタである。更に、気化可能な濃縮物又は製品の所定のカートリッジ又はリザーバに関して、使用する当事者が真に意図された利点を理解するためには、ユーザ又は他の当事者が投与量、気化温度、気化持続時間などの変更などの変化を意図的に指示しない限り又は指示するまで、気化システムがカートリッジ又はリザーバから投与される全ての用量に対して同じ気化効果を達成することが非常に望ましい。
【0014】
一部の装置は、従来の喫煙経験と同様に吸入に基づいて投与量及び気化をもたらそうとしてきたが、そのような装置は、ユーザが完全に意識しておらず、液体懸濁液内の製品の濃度を調整することができない場合があるため、激しい変動を受けやすい。
【0015】
したがって、上記で特定された課題のうちの1つ以上を克服することができる方法及びシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0016】
本発明者らの発明は、未だ使用されていない製品の完全性を安全且つ効果的に維持しながら、製品の制御された用量送達を行うための新規な投与気化器システムを提供することによって従来技術の問題を解決する。
【0017】
特に、ほんの一例として、少なくとも1つの実施形態によれば、第1の端部とその反対側の第2の端部とを備えるハウジングと、第1の端部に近接して配置されるマウスピースであって、第1の端部の周りで回転するように構造化されて配置されるマウスピースと、第2の端部に近接して配置される取付具であって、電源に取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される取付具と、ハウジング内の液体濃縮物のリザーバと、取付具に近接して配置され、リザーバから熱的に絶縁される気化器と、ほぼ気化器からハウジングを通じてマウスピースまで通過する蒸気導管と、リザーバに所定の力を加えてリザーバから気化器に所定量の液体濃縮物を分配するように構造化されて配置される計量回転駆動ディスペンサであって、計量回転駆動ディスペンサがマウスピースに結合される、計量回転駆動ディスペンサとを含む計量投与気化器システムが提供される。
【0018】
更に他の実施形態では、第1の端部とその反対側の第2の端部とを備えるハウジングと、第1の端部に近接して配置されるマウスピースであって、第1の端部の周りで回転するように構造化されて配置されるマウスピースと、第2の端部に近接して配置される510バッテリコネクタであって、バッテリに取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される510バッテリコネクタと、ハウジング内の液体濃縮物のリザーバと、510バッテリコネクタに近接して配置され、リザーバから熱的に絶縁される気化器と、ほぼ気化器からハウジングを通じてマウスピースまで通過する中央蒸気導管と、リザーバと気化器との間に配置される開口部と、リザーバに所定の力を加えて開口部から気化器に所定量の液体濃縮物を分配するように構造化されて配置されるスクリュープランジャであって、マウスピースの回転がスクリュープランジャに所定の回転度をもたらし、回転度が、プランジャをリザーバの液体濃縮物に対して前進させて所定量の液体濃縮物を分配するように予め選択される、スクリュープランジャとを含む計量投与気化器システムが提供される。
【0019】
更に他の実施形態に関しては、第1の端部と、その反対側の第2の端部とを有し、第1の端部と第2の端部との間に縦軸を伴う手持ち式装置であって、第1の端部が、縦軸を中心に一方向に回転するように構造化されて配置されるマウスピースによって規定され、第2の端部が、電源に取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される取付具によって規定される、手持ち式装置と、マウスピースと取付具との間に配置されるハウジングであって、液体濃縮物のリザーバと、取付具に近接して配置され、リザーバから熱的に絶縁される気化器と、気化器をマウスピースに結合する蒸気導管と、マウスピースの予め選択された回転度で所定量の液体濃縮物をリザーバから気化器に分配するように構造化されて配置される計量ディスペンサと、を少なくとも部分的に収容するハウジングと、第1の期間にわたって気化器と電源との間の接続を可能にすることによって気化器を作動させるように構造化されて配置される作動器であって、電源により、気化器が熱を生成して分配された所定量の液体濃縮物を気化させることができる、作動器とを含む計量投与気化器システムが提供される。
【0020】
更なる他の別の実施形態に関しては、第1の端部とその反対側の第2の端部とを備えるハウジングと、第1の端部に近接して配置されるマウスピースであって、第1の端部の周りで一方向に回転するように構造化されて配置されるマウスピースと、第2の端部に近接して配置される取り外し可能な電源と、ハウジング内の液体濃縮物のリザーバと、電源に近接して配置され、リザーバから熱的に絶縁される気化器と、ほぼ気化器からハウジングを通じてマウスピースまで通過する中央蒸気導管と、リザーバに所定の力を加えてリザーバから気化器に所定量の液体濃縮物を分配するように構造化されて配置される計量回転駆動ディスペンサであって、計量回転駆動ディスペンサがマウスピースに結合される、計量回転駆動ディスペンサとを含む計量投与気化器システムが提供される。
【0021】
更にまた、他の実施形態に関しては、計量された用量の製品を気化するための方法であって、第1の端部とその反対側の第2の端部とを備えるハウジングと、第1の端部に近接して配置されるマウスピースであって、第1の端部の周りで回転するように構造化されて配置されるマウスピースと、第2の端部に近接して配置される取付具であって、電源に取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される取付具と、ハウジング内の液体濃縮物のリザーバと、取付具に近接して配置され、リザーバから熱的に絶縁される気化器と、ほぼ気化器からハウジングを通じてマウスピースまで通過する蒸気導管と、リザーバに所定の力を加えてリザーバから気化器に所定量の液体濃縮物を分配するように構造化されて配置される計量回転駆動ディスペンサであって、マウスピースに結合される計量回転駆動ディスペンサとを用意するステップと、マウスピースを回転させて、計量回転駆動ディスペンサを作動させ、気化器内に所定量の液体濃縮物を分配するステップと、気化器を作動させて、分配された液体濃縮物を、マウスピースを介してユーザに供給される蒸気へと気化させるステップとを含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る初期状態の計量投与システム気化器の実施形態の斜視図を示す。
【
図1B】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る使い果たされた状態の計量投与システム気化器の実施形態の斜視図を示す。
【
図2A】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る初期状態の計量投与システム気化器の更に他の実施形態の斜視図を示す。
【
図2B】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る使い果たされた状態の計量投与システム気化器の更に他の実施形態の斜視図を示す。
【
図2C】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る
図2Aに示される計量投与システム気化器の側面図を示す。
【
図3】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る計量投与システム気化器、より具体的には、計量回転駆動ディスペンサ及び熱的に絶縁された気化チャンバの切断図を示す。
【
図4A】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る動作中のシャッタを更に示す
図2に示される計量投与システム気化器の部分的に切り取られた斜視断面を与える。
【
図4B】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る動作中のシャッタを更に示す
図2に示される計量投与システム気化器の部分的に切り取られた斜視断面を与える。
【
図4C】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る動作中のシャッタを更に示す
図2に示される計量投与システム気化器の部分的に切り取られた斜視断面を与える。
【
図5】本発明の少なくとも1つの実施形態に係るシャッタの代わりに弁を有する計量投与システム気化器の一実施形態の部分側斜視図を示す。
【
図6】
図3A-
図3Cに示される計量投与システム気化器の一実施形態の部分側斜視図を示し、本発明の少なくとも1つの実施形態にしたがってシャッタフィンの前縁部が隆起される。
【
図7】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る非円形断面を有する計量投与システム気化器の更に別の実施形態を示す。
【
図8】本発明の少なくとも1つの実施形態に係る
図6に示される計量投与システム気化器の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明に進む前に、本教示が単なる一例にすぎないものであって限定的ではないことを理解すべきである。本明細書の概念は、特定の投与気化器システムでの使用又は用途に限定されない。したがって、本明細書に記載の手段は、典型的な実施形態に関して示されて記載される説明の便宜のためのものであるが、本明細書の原理が投与気化器システムを含む他のタイプのシステムにも同様に適用され得ることが理解及び認識され得る。
【0024】
この発明は、図に関連する以下の説明において好ましい実施形態に関して記載され、図中、同様の番号は同一又は類似の要素を表す。更に、同じ又は類似の要素の番号付けに関して、先行する値は、要素が最初に識別及び説明される図を識別し、例えば、要素100が最初に
図1に現れることが理解され得る。
【0025】
ここで、計量投与システム気化器(以下、MDSV100)における少なくとも1つの実施形態の2つの斜視図を示す
図1A及び
図1Bを参照する。
図1Aの上面図はMDSV100の初期状態であり、
図1Bの下面図はMDSV100の最終的な/使い果たされた状態である。
【0026】
このMDSV100におけるシステム及び方法の説明を容易にするために、図に示されるようなMDSV100の向きは、
図1に示されるように互いに直交する3つの軸を有する座標系を基準とする。軸は、MDSV100の中心となるように選択される座標系の原点で互いに交差するが、全ての図に示される軸は、明確にするため及び説明を容易にするためにそれらの実際の位置からオフセットされる。
【0027】
図示のように、少なくとも1つの実施形態に関し、MDSV100は、少なくとも部分的に、第1の端部104及びその反対側の第2の端部106を備えるハウジング102によって提供される。マウスピース108が、第1の端部104に近接して配置されるとともに、第1の端部104の周りで回転するように構造化されて配置される。より具体的には、MDSV100が縦軸110を有するのが分かり、マウスピース108は縦軸110に対して第1の端部104の周りで回転する。
【0028】
取付具112が、第2の端部106に近接して配置されるとともに、図示されていないバッテリなどの電源に取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される。以下で更に説明するように、少なくとも1つの実施形態では、取付具112がねじ結合である。別の実施形態では、取付具112がスナップ式結合である。更に、それらの構造内に電源を組み込む装置とは対照的に、MDSV100の実施形態は、バッテリなどの遠隔電源、より具体的には幾つかの実施形態では510型バッテリに取り外し可能に結合されるようになっていることが分かる。MDSV100の内部の又は一体化された構成要素からのバッテリの取り外しは、製造コスト、出荷重量、及び、幾つかのタイプのバッテリの安全性及び輸送に関連し得る問題を含むがこれらに限定されない多くの要因を有利に単純化する。更に、MDSV100と電源とは別個の要素であるため、MDSV100が使い果たされただけでバッテリが浪費される可能性はなく、同様に、電源が使い果たされたためにMDSV100が浪費される可能性もない。
【0029】
ハウジング102内には、濃縮物116のリザーバ114が示される。本明細書で使用される「濃縮物」という用語は、化学物質、留出物、及び、単離物の形態の物質を含み得る。更に、本明細書で使用される「液体濃縮物」、「濃縮物」、「押出液体濃縮物」、「未分配濃縮物」、「異なる液体濃縮物」という用語及びそれらの変形は、単にリザーバ116に収容された流体を指し、したがって(殆どの場合)置き換え可能である。濃縮物の例としては、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テルペン、カンナビジオール(CBD)、及びカンナビノイドの他の成分などの気化可能な医薬品又は医薬品、並びにニコチンに基づく又はニコチンを含む物質が挙げられる。多くの場合、濃縮物116は、乾燥及び酸化を含むがこれらに限定されない様々な理由で空気への曝露が望ましくないタイプのものであり得る。したがって、本発明の少なくとも1つの実施形態の一態様は、その内部に液体濃縮物116を保存するようにリザーバ114のための気密シールを提供することである。
【0030】
例示及び説明を容易にするために、濃縮物116が点によって表されるが、点間の空間は、リザーバ114内の濃縮物116の欠如を示す又は示唆することを意図していない。少なくとも1つの実施形態において、濃縮物116は液体濃縮物であると理解及び認識される。液体濃縮物116は、非常に低い1以下のセンチポアズ(例えば、水)から、非常に高い10万以上のセンチポアズ(例えば、ペースト)の範囲の粘度を有し得ることが更に理解及び認識され得る。少なくとも一実施形態では、液体濃縮物116がニコチン液体濃縮物である。少なくとも一代替実施形態では、液体濃縮物116がCBD液体濃縮物である。更に別の実施形態では、液体濃縮物116が医薬品液体濃縮物である。
【0031】
図1A及び
図1Bに示されるように、気化器118も取付具112に近接して配置される。本明細書で使用されるように、「気化器」は、リザーバ114によって供給される液体を気化/霧化してマウスピース108を介した吸入用の蒸気にするように構造化されて配置される装置、構成要素、又は部品の集合であることが理解及び認識され得る。気化器118の実施形態は、
図2に関して以下でより完全に説明される。
【0032】
以下で更に説明するように、様々な実施形態において、気化器118は、加熱チャンバ又はプラットフォームとして構成されるセラミック又は他の熱材料であってもよい。少なくとも1つの実施形態に関して、加熱チャンバ又はプラットフォームは、その内部に配置された加熱コイルで構成されてもよい。また、加熱チャンバ又はプラットフォームは、液体濃縮物116が配置されて分散されるスクリーン、メッシュ又は他の熱伝導性多孔質材料を与える領域として構成されてもよい。
【0033】
液体濃縮物116が様々なチャンバ又はプラットフォーム要素の中に、その上に、又はそれを横切って分配/分散されるかどうかにかかわらず、一般的には熱の形態のエネルギーが、それに近接する電気ヒータ、又は分配された量の液体濃縮物116を蒸気に気化させるように構造化されて配置される他の要素によって印加され、その後、蒸気は、マウスピース108の開口部122まで存在する蒸気導管120を介してユーザに供給される。
【0034】
加熱要素自体は、分配された液体濃縮物を受ける同じ要素がその気化を達成することにも主に関与するように、加熱チャンバ又はプラットフォームの一体構成要素として組み込まれてもよいことが理解及び認識され得る。また、音波又は振動噴霧なども、様々な実施形態において適切な場合があり、赤外線エネルギーなども、これに限定されないが、ダイオードなどの光源から供給されてもよい。
【0035】
気化器118は、取付具112に近接してマウスピース108の反対側に示されているため、MDSV100内には、ほぼ気化器118からハウジング102を通じてマウスピース108まで通過する蒸気導管120があることが分かる。少なくとも1つの実施形態では、蒸気導管120が実質的に縦軸110に沿って配置される。更に他の実施形態において、蒸気導管120は、ハウジング102の内側の一方側に、又は、様々な組み合わせを成す一連の導管として、中央に及び/又は側面に沿って配置されてもよい。
【0036】
計量回転駆動ディスペンサ124も、示されており、ハウジング102内に配置され、リザーバ114に所定の力を加えてリザーバ114から気化器118に所定量の液体濃縮物116を分配するように構造化されて配置される。計量回転駆動ディスペンサ124は、マウスピース108の回転が計量回転駆動ディスペンサ124を駆動するように、マウスピース108に結合されることが分かる。図から、マウスピース108の回転がほぼ縦軸110を中心としていることも理解及び認識され得る。
【0037】
また、MDSV100は携帯型装置であり、人間のユーザによる手持ち式の使用及び操作を意図していることも分かる。本明細書で使用される「手持ち式」は、手で保持されて使用されるように設計されていると理解及び認識される。
【0038】
図1Aは、リザーバ114が液体濃縮物116で本質的に満たされているMDSV100の初期状態を表す。
図1Bでは、マウスピース108は何度も回転されており、ここでスクリューシャフト130が露出されて、スクリュープランジャのねじ付きシャフトが露出されるようにスクリュープランジャ126が下方に前進したことを更に示し、回転駆動ディスペンサが下方に前進し、液体濃縮物116の実質的に全てをリザーバ114から排出したことを更に示し、MDSV100は使い果たされた状態にある。
【0039】
マウスピース108の回転は一方向に制限され、すなわち、少なくとも1つの実施形態では、マウスピース108は時計回りにのみ回転することができ、それにより、計量回転駆動ディスペンサ124は後退することができないことが更に理解及び認識され得る。勿論、少なくとも1つの別の実施形態において、マウスピース108は、計量回転駆動ディスペンサ124を駆動するために反時計回りに回転するように構成することもできる。更に、回転は、時計回り又は反時計回りのいずれかであってもよいが、両方ではない。
【0040】
当業者であれば分かるように、計量回転駆動ディスペンサは、能動機械装置であるため、押出によってリザーバ114からの一貫して既知の量の液体濃縮物116の正確で反復可能な分配を能動的に行う。これは、毛細管作用によってリザーバから濃縮物を受動的に引き出すために芯の受動特性に依存する多くの従来のシステムとは対照的であり、非常に有利である。
【0041】
様々な実施形態において、MDSV100は、ユーザ、又はユーザが所有するスマートフォンなどのコンピュータ装置によって走査され、読み取られ、又は解釈され得る固有の識別子140を提供することができる。固有の識別子は、MDSV100を有利に識別するとともに、その中に含まれる液体濃縮物116を具体的に識別するために設けられてもよい。固有の識別子は、一般的な情報又はグループ情報、例えば企業又はDVS 100モデル、並びにMDSV100、ユーザ、液体濃縮物116、又は関連性があると考えられる他の情報を一意に識別するのに役立つことができる固有の構成要素を提供する複合要素であってもよい。少なくとも1つの実施形態において、固有の識別子140は、それに関連する情報のための少なくとも1つのデータベースに関連付けられる。
【0042】
図1A及び
図1Bに関連して、スクリューシャフト130のねじ山142は、ねじ山142がリザーバ114から取り外されたままとなり得るようにするべくスペーサ144を有するプランジャシール132と共にリザーバ114の上方に配置されることが分かる。
図1A及び
図1Bに示されるようなMDSV100の実施形態の場合、蒸気導管120はスクリューシャフト130を貫通する。少なくとも1つの実施形態に関し、リザーバ114(
図1A参照)を貫通して配置されるスクリューシャフト130の下部146は、マウスピース108が回転されるときに同様に回転し、これは、以下で更に詳細に説明するように、開口部128を交互に露出及びシールするためのシャッタの動作を促進することができる。更に別の実施形態に関して、スクリューシャフトの下部146として見えるものは、スクリューシャフト130と位置合わせされて流体結合される別個の管構造である。
【0043】
図2A及び
図2Bは、更に他の実施形態に係るMDSV100の斜視図を示す。前述した
図1A及び
図1Bと同様に、
図2Aは、リザーバ114が液体濃縮物116で本質的に満たされているMDSV100の初期状態を表す。
図2Bでは、マウスピース108は何度も回転されており、ここでスクリューシャフト130が露出されて、スクリュープランジャのねじ付きシャフトが露出されるようにスクリュープランジャ126が下方に前進したことを更に示し、回転駆動ディスペンサが下方に前進し、液体濃縮物116の実質的に全てをリザーバ114から排出したことを更に示し、MDSV100は使い果たされた状態にある。
【0044】
図2Aでは、スクリューシャフト130のねじ山200が見えてリザーバ114を通過することも分かる。
図1A及び
図1Bに示されるMDSV100の実施形態とは対照的に、
図2A及び
図2Bに示されるMSDV 100の別の実施形態はスペーサ144を有さない。また、
図1Aは、スクリューシャフト130の遠位端部204に配置されるシャッタ202も示す。
図3、
図4A~
図4C及び
図6に関連して以下により詳細に説明するように、シャッタ202は、少なくとも1つのシャッタフィン206を有し、シャッタフィンの下にあるように点状のレリーフで示されている開口部128を露出させてシールするように動作する。
【0045】
前述したように、マウスピース108の回転は一方向に制限され、すなわち、少なくとも1つの実施形態の場合、マウスピース108は時計回りにのみ回転することができ、それにより、計量回転駆動ディスペンサ124は後退することができないことが再び理解及び認識される。勿論、少なくとも1つの別の実施形態において、マウスピース108は、計量回転駆動ディスペンサ124を駆動するために反時計回りに回転するように構成することもできる。更に、回転は、時計回り又は反時計回りのいずれかであってもよいが、両方ではない。
【0046】
一方向回転/逆転回防止の保証は、好適には、意図された計量された用量の液体濃縮物116の一貫した繰り返し可能な分配を更に可能にする。当然のことながら、これに限定されないが、ラチェットなどの別の触知又は可聴インジケータ及び一方向回転要素を使用して、それぞれの適切な回転又はその一部をユーザに通知し、及び/又は一方向回転を保証することもできる。
【0047】
図2A及び
図2Bにおいても分かるように、図示のMDSV100の実施形態の場合、スクリューシャフト130に対するマウスピース108の係合は、マウスピース108と一般的なハウジング102との間に膨張力をもたらすためのばね208を更に伴う。少なくとも1つの実施形態の場合、投与気化器システムは、ユーザがマウスピースを所定量回転させたことをユーザに示すように構造化されて配置されるインジケータを含んでもよい。そのようなインジケータは、可聴クリック及び/又は触覚インジケータとしての振動を生成するクリッカであってもよい。
【0048】
少なくとも1つの実施形態では、ラチェット210を使用して一方向の回転を達成し、ハウジング102に対するマウスピース108の適切な回転のための触覚及び/又は可聴インジケータを提供することができる。
図2A及び
図2Bに示されるように、ラチェット210は、遠位端部にブロッキング要素214を伴う複数のばね要素212を有する。対応するブロッキング受け部216のセット(半矩形の窪みなどであるが、これに限定されない)がハウジングの内部側壁に形成される。
【0049】
回転が許容される方向に関して、ブロッキング要素214及びブロッキング受け部216のいずれか又は両方は、マウスピース108が回転されるときにブロッキング要素214が上方にスライドしてブロッキング受け部216から出ることができるようにするべく構造化されて配置される。回転が許容されない方向に関して、ブロッキング要素214及びブロッキング受け部216のいずれか又は両方は、ブロッキング要素214が上下にスライドするのを防止するように構造化されて配置される。例えば、マウスピース108とハウジング102との間に回転が生じることができるようにするために、ブロッキングペグ214及び/又はブロッキング受け部216の対応する側面は、ブロッキング要素214が上及び外にスライドすることができるようにするべく傾斜されてもよい。
【0050】
少なくとも1つの実施形態では、ブロッキング要素214が各ばね要素212の遠位端部である。更に他の実施形態では、ペグ、ブロック又は他の要素が、各ばね要素の遠位端部に更に形成されるか、そうでなければ接続されてもよい。
【0051】
更に他の実施形態の場合、マウスピース108及びハウジング102が互いに対して回転するように、ばね208の一端部に隣接して配置された1つ以上の内部隆起部又は隆起点があってもよく、コイルが隆起部上を摺動する際に回転の一部の間にばねが圧縮され、次いで端部が内部隆起部を通過する際にばねが解放され、計量された量の油/濃縮物の送達に対応して、回転間隔が達成されたというクリック及び/又は触感を与える。少なくとも1つの実施形態に関して、1つ以上の内部隆起部を通過するばねの上昇及び下降が一方向回転を確保することもでき、逆方向に回転が試みられる場合、ばねの端部は内部隆起部に当接して回転を停止する。
【0052】
少なくとも1つの別の実施形態に関して、そのようなクリッカは、マウスピース108とハウジング102の第1の端部104との間にクリックプレートを含むことによって設けられてもよく、クリックプレートに対するマウスピースの回転は、1つ以上のばね荷重ボール、又はばね付勢ピンを駆動し、それにより、相対的な回転がそれらをクリックプレートのタブ上にわたって置くときに他の表面をクリックし/打撃し/表面に衝撃を与える。そのようなクリックプレートは、
図7に提示された別の実施形態、及び
図7に示すようなMDSV100の別の実施形態に対応する
図8のその分解図に示される。
【0053】
図2Cは、
図2Aに示されるMDSV100の実施形態に対応する側面図である。
図3は、
図2Cに示されるMDSV100の断面図である。
図3~
図6、特にMDSV100の少なくとも1つの実施形態の断面図を示す
図3に関連して更に例示及び説明されるように、図示の計量回転駆動ディスペンサ124は、リザーバ114から少なくとも1つの開口部128又は弁を通じて気化器118内に液体濃縮物116を推し進めるように構造化されて配置されるスクリュープランジャ126として要約することができる。より具体的には、スクリュープランジャ126は、少なくともスクリューシャフト130とプランジャシール132とによって設けられる。
【0054】
更に、スクリュープランジャ126は、リザーバ114に所定の力を加えて、少なくとも1つの開口部128又は弁を介して所定量の液体濃縮物を気化器に分配するように動作可能であることが分かる。より具体的には、マウスピース108の回転は、スクリュープランジャ126、より具体的にはスクリューシャフト130に対して所定の回転度をもたらす。回転度は、プランジャシール132をリザーバ114の液体濃縮物116に対して前進させて所定量の液体濃縮物を分配するように予め決定される。少なくとも1つの別の実施形態に関して、スクリュープランジャ126は、プランジャの移動端部が液体濃縮物116に直接遭遇せず、むしろリザーバ114の外面を圧縮するように、バッグ又は他の折り畳み可能なハウジングの形態でリザーバ114に対して外圧を与えることができる。
【0055】
少なくとも1つの実施形態の場合、マウスピース108は、計量回転駆動ディスペンサ124に直接に結合される。より具体的には、少なくとも1つの実施形態に関して、マウスピース108に与えられる回転度は、スクリューシャフト130に与えられる回転度と同じである。更に別の実施形態に関して、マウスピース108の回転度及び結果として生じるスクリューシャフト130の回転の変換が存在するように、結合駆動システムを使用することができる。
【0056】
少なくとも1つの実施形態に関して、回転駆動ディスペンサ124は、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる’665特許及び’666特許に記載されて説明されるようなサイクロイドギアアセンブリである。更に、少なくとも1つの実施形態に関して、サイクロイドギアアセンブリは、プランジャシール132に横方向の動きを付与するために、好適には高いギア比(例えば、回転するマウスピース108とスクリューシャフト130の回転との間の旋回)をもたらし、低摩擦、高トルク、コンパクトなサイズ及び優れた耐摩耗性を伴い、一貫した計量投与のために液体濃縮物116の一貫した押出を容易にする望ましい特性を有する。
【0057】
当業者であれば分かるように、サイクロイドギアアセンブリが、別の円の外側又は内側を回転する円によって生成される外サイクロイド曲線及び低サイクロイド曲線に基づく歯付きギアアセンブリの形態である。2つの歯付きギアが噛合すると、それぞれのギア間の接触点を介していずれかのギアの中心の周りに仮想円(ピッチ円)を描くことができる。ピッチ円の外側の歯の曲線は歯先として知られており、ピッチ円の内側の歯の空間の曲線は歯元として知られている。更に、一方のギアの歯先は、他方のギアの歯元の内側にある。ホイール歯の歯先は凸状のエピサイクロイドであり、ピニオンの歯元は、同じ生成円によって生成される凹状の低サイクロイド曲線である。これにより、一方のギアの運動が局所的に一貫した角速度で他方に伝達されることが確保される。
【0058】
少なくとも1つの別の実施形態に関して、回転駆動ディスペンサ124は、(参照により組み入れられる「ディフューザを伴う気化カートリッジシステムのためのシステム及び方法に関して’062出願に記載されて説明されるようなディフューザを伴う気化カートリッジのスクリュープランジャ実施形態の1つ以上の実施形態から適合される。
【0059】
少なくとも1つの実施形態に関して、プランジャシール132は、第2の端部136の少なくとも1つの開口部128又は弁とは反対側のリザーバ114の上端部又は第1の端部134を形成する又は少なくとも部分的に画定する。更に、少なくとも1つの実施形態に関して、プランジャシール132は、スクリューシャフト130のねじ山202と嵌合するための対応するねじ山300(
図2を参照、
図1A及び
図1Bに示されない)を有する。
【0060】
マウスピース108の各1/4、半分、又は完全な回転がプランジャシール132の既知の意図された直線的な前進をもたらすように、ねじ山のピッチ、又は測定単位当たりのねじ山の数、すなわちインペリアル(インチ)又はメトリック(センチメートル)が予め選択されることが理解及び認識される。
【0061】
少なくとも1つの実施形態に関して、プランジャシール132は、スクリューシャフト130が回転されるときにプランジャシール132がハウジング内で回転しないように構造化されて配置されるアライメント要素を有する。更に、アライメント要素は、スクリューシャフト130がプランジャシール132を通じて回転するときに、プランジャシール132がリザーバ114の第2の端部136に向かって駆動されることを対応するねじ山300及び202が確保するようにする。少なくとも1つの実施形態に関して、アライメント要素は、プランジャシール132及びハウジング102(例えば、非円形)の断面形状である。より具体的には、プランジャシール132及びハウジング102の内側は、対応する楕円又は楕円形、例えば、プランジャシール132が自由に回転することなくハウジング102内で長手方向に移動することを可能にする対応する非円形形状で形成されてもよい。更に別の実施形態に関して、アライメント要素は、プランジャシール132とハウジング102との間のようなレール及び溝構成であってもよい。
【0062】
当業者であれば理解及び認識できるように、ねじピッチ/ねじ番手の変更がリザーバの寸法と調整されて、好適には正確な計量投与を提供することができる。より具体的には、同じスクリューシャフト130を複数のMDSV100システムで使用することができるが、異なる液体濃縮物を有する異なるMDSV100システム間の適切な製品投与に対応するために、各それぞれのリザーバ114の寸法は、プランジャシール132の同じ直線的な前進が、意図的に異なるが所定の量の異なる液体濃縮物の分配をもたらすように意図的に調整され得る。
【0063】
物理的空間又は断熱材料などの断熱器138などの物理的絶縁装置構成要素によって、気化器118が液体濃縮物116のリザーバ114から熱的にほぼ絶縁されることも理解されるべきである。したがって、分配された量の液体濃縮物116を気化させるプロセスは、液体濃縮物116に望ましくない劣化又は変化をもたらす可能性がある、リザーバ114内の液体濃縮物116への悪影響(例えば、熱)を与えない。換言すれば、液体濃縮物116は、分配された液体濃縮物に対して気化プロセスのために加えられる熱がリザーバ114に含まれる残りの液体濃縮物116に伝達されないように、気化器118から物理的に除去される及び/又は物理的に隔離されるリザーバ114に貯蔵/配置されることが理解及び認識される。
【0064】
そのような隔離は、物理的分離、熱遮蔽、断熱、又は材料の移行によって達成され得る。当然のことながら、投与気化器システムは小型で一体化された装置であるため、気化器118からリザーバ114へのある程度の熱伝達が起こり得ることが理解及び認識される。しかしながら、この開示及び本明細書で企図される実施形態の目的のために、リザーバ114と気化器118との間の断熱は、リザーバ114と気化器118(最も具体的には、
図2に示され説明された気化チャンバ)との間で発生する熱伝達がリザーバ114内の液体濃縮物116に実質的に無視できる影響を及ぼす条件であると理解及び認識される。
【0065】
上記の説明に関して、少なくとも1つの実施形態におけるDVS 100は、第1の端部104とその反対側の第2の端部106とを備えるハウジング102と、第1の端部104に近接して配置されるマウスピース108であって、第1の端部104の周りで回転するように構造化されて配置されるマウスピース108と、第2の端部106に近接して配置される取付具112であって、電源に取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される取付具112と、ハウジング102内の液体濃縮物116のリザーバ114と、取付具112に近接して配置され、リザーバ114から熱的に絶縁される気化器118と、ほぼ気化器からハウジング102を通じてマウスピース108まで通過する蒸気導管120と、リザーバ114に所定の力を加えてリザーバ114から気化器に所定量の液体濃縮物116を分配するように構造化されて配置される計量回転駆動ディスペンサであって、計量回転駆動ディスペンサがマウスピース108に結合される、計量回転駆動ディスペンサとを含むとして要約され得る。
【0066】
MDSV100の更に他の実施形態は、第1の端部104とその反対側の第2の端部106とを備えるハウジング102と、第1の端部104に近接して配置されるマウスピース108であって、第1の端部104の周りで回転するように構造化されて配置されるマウスピース108と、第2の端部106に近接して配置される510バッテリコネクタであって、バッテリに取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される510バッテリコネクタと、ハウジング102内の液体濃縮物116のリザーバ114と、510バッテリコネクタに近接して配置され、リザーバ114から熱的に絶縁される気化器118と、ほぼ気化器からハウジング102を通じてマウスピース108まで通過する中央蒸気導管120と、リザーバ114と気化器との間に配置される開口部128と、リザーバ114に所定の力を加えて開口部128から気化器に所定量の液体濃縮物116を分配するように構造化されて配置されるスクリュープランジャであって、マウスピース108の回転がスクリュープランジャに所定の回転度をもたらし、回転度が、スクリュープランジャ126をリザーバ114の液体濃縮物116に対して前進させて所定量の液体濃縮物116を分配するように予め選択される、スクリュープランジャとを含むものとして要約され得る。
【0067】
前述したように、開口部128には弁が配置されていてもよく、開口部128の代わりに弁が構造体として設けられていてもよい。弁が開口部128内に又は開口部128の代わりに設けられる少なくとも1つの実施形態の場合、弁は第1の一方向弁にある。様々な実施形態は、複数の弁、及び/又は並列又は直列配置の一方向弁を含むことができる。そのような構成は、製造を容易にするため、異なる液体粘度に良好に適応するため、エアレスポンプチャンバを提供するため、又は投与気化器システムの正確な動作に有益であると考えられる他の設計パラメータのために望ましい場合がある。
【0068】
少なくとも1つの実施形態に関して、開口部128は、開口部128を開閉するように構造化されて配置される機構又は要素であるシャッタ206によって開閉される。更に、シャッタ206は、開口部128が閉じられて液体濃縮物116の通過能力が停止される前に、液体濃縮物116が所定の期間にわたって開口部128を通過できるようにする。言い換えれば、シャッタ206は、開口部128を露出させ、次いで開口部128を覆うか、そうでなければシールする。露出されると、開口部128は、液体濃縮物116を気化チャンバ306に堆積されるように開口部を通じて押し出すことができるようにする。被覆又は閉鎖時、液体濃縮物116の偶発的又は不用意な漏れは、液体濃縮物116が投与事象に直接応答する場合を除いて不注意に気化チャンバ306に入らないように本質的に防止される。
【0069】
少なくとも1つの実施形態に関して、シャッタ206は、1つ以上のシャッタフィン208によって設けられる。少なくとも1つの実施形態に関して、スクリューシャフト130の遠位端部204は、1つ以上のシャッタフィン208を備えることができる。より具体的には、スクリューシャフト130が回転すると、各シャッタフィン208も回転し、その際に、少なくとも1つの開口部128又は弁のそれぞれを露出させ、次いでシールして、液体濃縮物116をリザーバから押し出すことができる。
【0070】
スクリューシャフト130の回転、より具体的にはシャッタフィン208の動きは、
図3B、
図3B及び
図3Cによって示されるMDSV100の部分斜視図に更に示される。
図3Bでは、シャッタフィン208Aが開口部128又は弁を覆うように示される。
図3Bでは、スクリューシャフト130は部分的に回転されているので、シャッタフィン208Aはここではカバー開口部128又は弁から取り外され、シャッタフィン208Bはまだ開口部128又は弁をカバーするように定位置に回転されていない。
図3Cでは、スクリューシャフト130は回転を続けており、シャッタフィン208Bは、ここでは開口部128又は弁を部分的に覆っている。スクリューシャフト130が部分回転を終了すると、シャッタフィン208Bは、
図3Bに示すように、開口部128又は弁を覆うシャッタフィン208Aの位置をとる。当然ながら、スクリューシャフト130から延在する1つ以上のシャッタフィン208に依存しない他のシャッタ206を様々な実施形態で使用することができる。
【0071】
また、
図3Bは、開口部128内に配置された弁400の別の実施形態の選択肢を提示する。様々な実施形態において、弁400は、マウスピース108の回転によってスクリューシャフト130に沿って前進するプランジャシール132によって圧力が加えられたとき及び加えられる際にリザーバ114内からの液体濃縮物116の押し出しを可能にするように動作する隔壁402又はより堅牢な一方向弁404として提供されてもよい。
【0072】
更に、スクリューシャフト130がシャッタフィン208を備えるMDSV100の一実施形態である、
図3B、
図3B及び
図3Cに示されるように、液体濃縮物116は、露出されたときに開口部128を通じて単に押し出されてもよい。しかしながら、弁400は、シャッタフィン208を備えるスクリューシャフト130と協働して又はシャッタフィンを備えないスクリューシャフト130を伴う別の実施形態で使用されてもよいことが理解及び認識される。
【0073】
図4は、スクリューシャフト130がシャッタフィンを備えず、開口部128が弁400、より具体的には隔壁402として強化されている、MDSV100の別の実施形態を示す。
【0074】
図5に示されるように、少なくとも1つの実施形態に関して、各シャッタフィン208の前縁部600は、後方部分が断熱器138などのリザーバ114の底部(第2の端部136)と平坦に接触するときに、寸法602で示すように、前縁部600がリザーバ114の底部(第2の端部136)の上方に持ち上げられるように、角度が付けられている。更に、シャッタフィン208が回転すると、隆起した前縁部は、液体濃縮物116の正確な分配を有利に支援することができる作用で、少なくとも1つの少なくとも1つの開口部128又は弁のそれぞれの中に液体濃縮物116をすくい、導く。
【0075】
図2、特にMDSV100の拡大部分302に関して、断熱器138の位置も少なくとも1つの実施形態に関して理解され得る。また、断熱器138は、各シャッタフィン208が少なくとも1つの少なくとも1つの開口部128又は弁のそれぞれを覆うように配置されるときにリザーバ114の第2の端部136をシールするなどの更なる機能を実行することができる。少なくとも1つの実施形態に関して、断熱器は、ゴム又はテフロン(登録商標)などであるがこれらに限定されない可撓性材料である。少なくとも1つの別の実施形態に関して、断熱器は、ガラス、セラミック、又は複合材料から形成されてもよいが、これらに限定されない。また、リザーバに露出した断熱器138の表面は、平滑化/スリッキング剤で被覆又は処理されてもよい。
【0076】
少なくとも1つの開口部128又は弁の下には、押し出された液体濃縮物116を気化チャンバ306、より具体的にはヒータ310と熱接触して配置されたディフューザ要素308に導くように構造化されて配置されるポート304があることも理解され得る。少なくとも1つの実施形態に関して、ポート304は、気化チャンバ306からリザーバ114を更に熱的に絶縁するように形成され得る又はそのように意図され得るステンレス鋼などの金属要素によって設けられる。
【0077】
拡大部分302にも示されているように、気化チャンバ306は、ディフューザ要素308などの気化要素をほぼ取り囲む外壁312によって画定された実質的に囲まれた空間であり、したがって、ヒータ310が作動して気化を達成するときにリザーバ114及びその中の液体濃縮物116を有害な熱曝露から実質的に絶縁する。より簡単に言えば、気化チャンバ306内で気化を達成する要素は、分配された液体濃縮物116の気化を適切且つ一貫して達成するように構成されているが、これらの要素はまた、特定の位置に配置され、高温に晒されてリザーバ114内に残っている分配されていない液体濃縮物116を不注意に劣化させないように隔離されている。少なくとも1つの実施形態に関して、気化チャンバ306は、510バッテリなどの取り付けられた電力支持部を不注意に加熱しないように、ヒータ310と取付具112との間に絶縁を有してもよい。
【0078】
少なくとも1つの実施形態に関して、ディフューザ要素308は、液体濃縮物116を受け取り、液体濃縮物116が気化され得るように、MDSV100によって提供される熱源の近くにそれを有するように構造化されて配置される。更に、少なくとも1つの実施形態に関して、ディフューザ要素308は熱伝導性多孔質材料である。液体濃縮物116の表面張力、及び金属、ガラス、セラミック又は複合スクリーン、有孔シート、又は織布構造体などであるがこれらに限定されない材料の選択は、ディフューザ要素308がディフューザ要素308を横切って/全体にわたって液体濃縮物を受け入れ、少なくとも1つの実施形態では、均一で実質的に一貫した気化を促進することを可能にする。実質的に完全な気化を有利に促進するための気化チャンバ内での毛細管現象の使用は、前述したように、計量された用量の既知量の液体濃縮物116の能動的押出とは全く異なり、無関係であることが理解及び認識され得る。
【0079】
少なくとも1つの実施形態に関して、ディフューザ要素308は、金、ステンレス鋼、真鍮、又はタングステン鋼などであるが、これらに限定されない金属である。別の実施形態に関して、ディフューザ要素308は、基板上への金属めっき/堆積によって設けられてもよい。更に別の実施形態に関して、ディフューザ要素308は、セラミック、ガラス又はガラス繊維である。更に別の他の実施形態に関して、ディフューザ要素308は合成繊維又は有機繊維である。MDSV100の異なる実施形態が異なる液体濃縮物を提供することができるので、異なる液体濃縮物116に最も適した異なるディフューザ要素308を特に選択することができることも理解及び認識される。
【0080】
したがって、MDSV100は、好適には、最も適切なディフューザ要素308を所定のMDSV100の液体濃縮物116と対にすることを可能にする。換言すれば、少なくとも1つの実施形態に関して、MDSV100の動作及び効率は、多くの液体濃縮物に適した一般的なディフューザ要素を提供する必要があるために改善されるが、各MDSV100がそれ自体の最適化されたディフューザ要素308を提供するため、1つの液体濃縮物に特に最適化されていないことが排除される。
【0081】
少なくとも1つの実施形態に関して、ディフューザ要素308は、気化のために押し出された液体濃縮物116の分散を更に助けるように、MDSV100の縦軸110に対して傾斜していることにも留意すべきである。様々な実施形態において、ディフューザ要素308は、多孔質インサートとして保護スリーブ内に少なくとも部分的に配置されてもよく、保護スリーブは、多孔質インサート内の細孔と組み合わせて、空気がディフューザ要素308を通って流れることを可能にし、それによって、結果として生じる蒸気を除去し、それをマウスピース108の開口部からユーザに送達するために蒸気導管120に導くのを助ける複数の開口部を有する。
【0082】
少なくとも1つの実施形態に関して、MDSV100は、気化チャンバ306に導かれる空気の吸気のための1つ以上の空気吸気ポート314を備えることが理解され得る。様々な実施形態において、空気は、気化チャンバ306の底部のポート及び/又は気化チャンバ306の側壁を通じて導かれてもよい。様々な実施形態において、吸気ポート314は、気化チャンバ及びディフューザ要素308の異物の浮遊微粒子による汚染の可能性を低減するために、メッシュ又はフィルタ材料で保護することができることも理解され得る。
【0083】
図2に関して、気化チャンバをマウスピース108の開口部122に流体的に相互接続する蒸気導管120は、実質的に真っ直ぐであり、方向転換、屈曲、又は方向転換の要素を備えないことも理解され得る。したがって、蒸気導管120を通じて移動する蒸気は、蒸気導管120の側壁との相互作用が最小限であることが理解される。このように、少なくとも1つの実施形態に関して、蒸気導管120はリザーバ114の中央を通過するが、通過する蒸気からリザーバ114内の残りの液体濃縮物116への熱の伝達は無視できる。少なくとも1つの実施形態に関して、蒸気導管120は、材料、二重壁構造、又はそれらの組み合わせの選択により、蒸気導管とリザーバとの間に断熱の何らかの尺度を与えるように構造化されて配置されてもよい。また、蒸気導管120は、絶縁材料で内部又は外部がコーティングされてもよい。
【0084】
図2の302の拡大部分に示されるように、空気(明るい点線320として表されている)が吸気ポート314を通って入ることが示されている。この空気は、ディフューザ308に近接して送達されるように内部通路を通過する。様々な実施形態では、これらの通路は、気化チャンバ306の外壁312又は底部を通ってもよい。少なくとも1つの実施形態に関して、空気320は、計量された用量の液体濃縮物116(この場合も点として表される)が分配されたディフューザ要素308を通過する。この液体濃縮物が気化すると、空気320は濃縮され(太い点線332として表される)、蒸気導管120を通ってマウスピース108まで続き、そこでユーザに提供される。
【0085】
図2に関して、MDSV100を510バッテリなどの電源に接続するための取付具112の性質も更に理解され得る。外部電源の使用は、各MDSV100の製造コスト及び複雑さを有利に低減することができ、また、単にリザーバが使い果たされたために外部電源が浪費されないこと、又は内部電源が使い果たされた際に残りの濃縮物が浪費されることを確保することができる。
【0086】
少なくとも1つの実施形態に関して、MDSV100は、気化チャンバ内に配置された計量された用量の液体濃縮物を気化させるためにMDSV100を作動させるためのリモート電源の構成要素として設けられたボタンなどの外部トリガに依存してもよい。少なくとも1つの実施形態に関して、MDSV100は、マウスピース108の回転及び計量回転駆動ディスペンサ124の作動と共にリセットされるトリガスイッチなどの係合部を更に含むことができ、そのようなトリガは、液体濃縮物が気化チャンバ内に配置されていないときに加熱要素の再作動を防止する。
【0087】
MDSV100の本明細書に記載される全ての実施形態では、MDSV100、より具体的にはヒータ310、又は所定量の押出液体濃縮物116と電源(510バッテリなど)との間の電気的接続を第1の期間にわたって可能にすることによってMDSV100を作動させるように構成及び設計された作動器が意図されており、電源は、MDSV100が熱を生成して所定量の押出液体濃縮物116を気化させることを可能にする。
【0088】
様々な実施形態において、作動器は、電源(510バッテリなど)の構成要素であってもよく、又は作動器は、押しボタン316などのMDSV100自体の構成要素であってもよい。
【0089】
本明細書に示され説明される投与気化器システムは、一般に、(電源に結合されたとき)スタンドアロン動作の実施形態を対象としているが、少なくとも1つの別の実施形態では、MDSV100システムは、気化チャンバ306に配置された計量された用量の液体濃縮物116の気化を達成するために、ヒータ310によって生成された熱エネルギーを制御するように構成及び/又は適合されたプロセッサを伴う電気回路を有する制御ユニット318などのコントローラによって更に強化されてもよい。
【0090】
少なくとも1つの実施形態に関して、制御ユニット318は、動作のための命令及び/又はパラメータを受信するために1つ以上の外部コンピュータ装置とインターフェースすることができるメモリ及び/又は無線通信回路、例えばトランシーバを更に含むことができる。更に、少なくとも1つの実施形態に関して、制御ユニット318のプロセッサは、限定はしないが、使用サイクル、デューティサイクル、残りの投与量、使用頻度などの動作特性を与えるために、ヒータ310又はネブライザなどの気化要素、並びにトランシーバとインターフェース接続するように動作可能である。プロセッサは、更に、トランシーバとインターフェース接続して、加熱持続時間及び加熱温度、又はユーザの場所、すなわち、乾燥気候対多湿気候によって影響され得る他の動作特性などの使用のためのパラメータを受信するように動作可能であり得る。
【0091】
また、プロセッサは、ユーザが気化器の使用を許可されていることを受信及び/又は確認するように動作可能であり得る。例えば、ユーザはアカウントを持っているか、適切な年齢であるか、処方箋を持っているか、最後の起動から十分な時間が経過しているかなどである。
【0092】
実際に、少なくとも1つの実施形態に関して、そのような更なる動作上の利点は、スマートフォン(すなわち、iPhone(登録商標)、Android(登録商標)、又は別のポータブルデバイス)などのユーザのモバイルデバイス上で動作するリモートアプリケーションによって促進され得る。そのような装置は、気化器及び/又はその中の液体濃縮物の固有の識別を行うために、固有の識別子140(
図1A及び
図1B参照)としてMDSV100によって又はその上に提供される固有のマーキング又は特性(例えば、QRコード(登録商標)、RFIDチップ、バーコード、シリアル番号など)を更に走査する、読み取る、又は取得することができる。少なくとも1つの実施形態に関して、固有の識別子140は、制御ユニットのメモリ内で符号化されてもよく、外部に設けられてもよい。また、固有の識別子140は、MDSV100の性能及び/又はそれとのユーザの相互作用を改善するために所望され得るように、ライフサイクル追跡、使用追跡、及び/又は他のデータ収集及び利用努力のための液体濃縮物のユーザ及び/又は提供者に関連付けられ得る。
【0093】
そのような固有の識別により、アプリケーションは、気化器の様々な動作パラメータを決定及び/又は指定することができ、及び/又は1つ以上の遠隔システム(データベースなど)と更に通信して、ユーザアカウント及び/又はローカル生体認証データ(写真、フィンガプリント等)、GPS位置及び投与気化器システムの使用が許可されている(又は禁止されていない)ことを確認するための比較、並びに気化システムでのユーザの経験及び有用性を改善及び向上させるための他のそのようなアクティビティ及び機能の検証を通じてユーザ識別を更に確認することができる。
【0094】
スマートフォン(すなわち、iPhone(登録商標)、Android(登録商標)、又は他のポータブルデバイス)などのリモートコンピュータ装置、制御ユニット318を有するMDSV100の実施形態を制御するのに適しており、適応可能なリモートアプリケーション、及びスマートフォンなどのユーザのコンピューティングデバイスによって決定され得るような一意の識別子に関する情報を提供するリモートデータベースは、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる’967特許、’674出願、’193出願、’665特許、及び’666特許に詳述されている。
【0095】
図6は、マウスピース108とハウジング102との間にクリッカ600が配置されたMDSV100の別の実施形態を示す。
図1A及び
図1Bに示される実施形態とは対照的に、
図4に示されるハウジング102及びマウスピース108は、異なる断面形状を有する。更に、マウスピース及びハウジングの断面は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる実施形態において変化してもよい。実際、少なくとも1つの実施形態に関して、ハウジング102及びマウスピース108が非円形断面を有することが望ましい場合があり、その結果、それらは、ユーザによってより容易に把持されて、ハウジング102に対するマウスピース108のユーザの回転を容易にし、計量回転駆動ディスペンサ124を駆動することができる。
【0096】
更に、
図6のMDSV100の向きは、
図1A及び
図1Bに示されたものとは逆である。この逆向きでは、510バッテリ用のスクリュー取付具としての取付具112の性質をより十分に理解することができる。
【0097】
図6は、
図4に示すMDSV100の実施形態の部分分解図を示す。
図6は、MDSV100を提供する要素及び構成要素の決定的な提示ではなく、むしろMDSV100の少なくとも1つの実施形態を提供する際に利用され得る一般的な要素及び構成要素の概要として理解及び認識されるべきである。更に、
図7では、510バッテリ取り付けベースのベースポスト800、絶縁グロメット802、及び金属製スクリューベース804が、開口部128/810を有する断熱器138/808上に配置されたスクリューシャフト130/806と同様に示されている。外側0リングシール814を有するプランジャシール132/812が、スクリューシャフト130/806の周りに係合される。
【0098】
スクリューベース804への適切な電気接続をもたらし、制御ユニット(図示せず)を組み込む絶縁された気化チャンバアセンブリ816は、絶縁スリーブ820内に配置され、MDSV100のハウジング822内の気化チャンバアセンブリをシールし、支持し、絶縁するために、1つ以上のOリング824と共に外側金属及び絶縁ハウジング102/826内に集合的に配置されたセラミックヒータ310/818を受け入れる。図示の実施形態に関して、気化器チャンバアセンブリ816に近接してハウジング102/626の周りに配置される任意の外部金属カラー828も設けられる。
【0099】
クリックプレート830は、ハウジング102/826とマウスピース108/832との間に配置される。クリックプレートは、ハウジング102/826に対するマウスピース108/832の一方向の回転のみを可能にするように更に構造化されて配置されてもよい。そのような一方向回転は、ばね、ばね歯もしくはアーム、ラチェット要素、又は1つ以上の実施形態において適切であると考えられ得るような他の要素の使用によって促進され得る。少なくとも1つの実施形態に関して、ハウジング102/826は、ユーザが組み立てられたMDSV100のリザーバ内の液体濃縮物の量を視覚的に観察することができるように、透明ではないにしても半透明である。
【0100】
図1~
図8に関連して前述したMDSV100における様々な実施形態を開示してきたが、液体濃縮物116などの生成物を気化させるための方法は、上記の実施形態のいずれかで実行することができることが理解及び認識される。
【0101】
より具体的には、少なくとも1つの実施形態によれば、第1の端部104とその反対側の第2の端部106とを備えるハウジング102と、第1の端部104に近接して配置されるマウスピース108であって、第1の端部104の周りで回転するように構造化されて配置されるマウスピース108と、第2の端部106に近接して配置される取付具112であって、電源に取り外し可能に取り付くように構造化されて配置される取付具112と、ハウジング102内の液体濃縮物116のリザーバ114と、取付具112に近接して配置され、リザーバ114から熱的に絶縁される気化器118と、ほぼ気化器からハウジング102を通じてマウスピース108まで通過する蒸気導管120と、リザーバ114に所定の力を加えてリザーバ114から気化器に所定量の液体濃縮物116を分配するように構造化されて配置される計量回転駆動ディスペンサであって、マウスピース108に結合される計量回転駆動ディスペンサとを用意するステップと、マウスピース108を回転させて、計量回転駆動ディスペンサを作動させ、気化器内に所定量の液体濃縮物116を分配するステップと、気化器を作動させて、分配された液体濃縮物116を、マウスピース108を介してユーザに供給される蒸気へと気化させるステップとによって製品を気化するための方法が提供される。
【0102】
本明細書の範囲から逸脱することなく、前述の方法、システム、及び、構造において変更を成すことができる。したがって、前述の説明に含まれる及び/又は添付図面に示される事柄が例示的なものとして限定的な意味でなく解釈されるべきであることに留意すべきである。実際に、当業者に明らかなように、多くの他の実施形態を実現できて想定できる。以下の特許請求の範囲は、本明細書中で論じられる実施形態によって限定されず又はこれらの実施形態に限定されず、それらの用語及び均等論のみによって限定される。