(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】プログラム、及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241216BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20241216BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20241216BHJP
A63F 13/837 20140101ALI20241216BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20241216BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/80 B
A63F13/58
A63F13/837
A63F13/52
(21)【出願番号】P 2023023055
(22)【出願日】2023-02-17
【審査請求日】2023-09-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】礒邉 恭平
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 禄之
(72)【発明者】
【氏名】大岩 尚生
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-198182(JP,A)
【文献】これからプレイする方へ - その1 ゲームの流れを知ろう,三国志大戦セガ公式サイト [online],2019年07月10日,<URL:https://web.archive.org/web/20190710135333/http://www.sangokushi-taisen.com:80/playguide/beginners/flow.html>,[2023年11月10日検索]
【文献】これからプレイする方へ - その2 戦闘・操作方法を知ろう,三国志大戦セガ公式サイト [online],2019年06月10日,<URL:https:web.archive.org/web/20190610221214/http://www.sangokushi-taisen.com:80/playguide/beginners/battle.html>,[2023年11月10日検索]
【文献】[三国志大戦]文帝の覇道[もんぎゃはタイム],YouTube [online] [video],2019年11月08日,<URL:https://www.youtube.com/watch?v=MMWg-X91WYE>,[2023年11月10日検索]
【文献】完全プレイガイド(攻略情報)武将カード講座,三国志大戦セガ公式サイト [online],2019年07月10日,<URL:https://web.archive.org/web/20190710110623/http://www.sangokushi-taisen.com:80/playguide/perfects/card.html>,[2023年11月10日検索]
【文献】システム詳細,三国志大戦wiki [online],2021年09月23日,<URL:https://web.archive.org/web/20210923121848/https://www.wikihouse.com/sangokushi/index.php?%A5%B7%A5%B9%A5%C6%A5%E0%BE%DC%BA%D9>,[2023年11月10日検索]
【文献】[任天堂公式ガイドブック]スプラトゥーン2,第1版,株式会社小学館(縄田 正樹),2017年08月09日,p.10, 35, 239
【文献】[三国志大戦]完殺の計[全軍と突撃],YouTube [online] [video],2019年11月24日,<URL:https://www.youtube.com/watch?v=eTemIU-QxKw>,[2024年5月27日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,
9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ゲームに登場させるゲーム要素を登録するゲーム要素登録手段、
ゲーム要素の対戦可能な対戦可能状態及び対戦不可能な対戦不可能状態を管理する対戦管理手段、
ゲーム要素の通常状態と、ゲーム要素のアビリティが発動されたアビリティ発動状態と、を管理する状態管理手段、
対戦プレイヤのゲーム要素のうち指定されたゲーム要素を、アビリティ発動状態のゲーム要素の標的として自動追尾し、標的とされた対戦プレイヤのゲーム要素が前記アビリティ発動状態のゲーム要素の攻撃範囲内となると、標的とされた対戦プレイヤのゲーム要素に対して攻撃を行う攻撃手段、
前記アビリティ発動状態のゲーム要素の攻撃により、標的とされた対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態から前記対戦可能状態に遷移するのに要する遷移時間を管理する遷移時間管理手段、
として機能させ、
前記遷移時間管理手段は、プレイヤの前記アビリティ発動状態のゲーム要素が
標的とされた対戦プレイヤのゲーム要素を前記対戦不可能状態にした場合における前記対戦プレイヤのゲーム要素の前記遷移時間を、プレイヤの前記通常状態のゲーム要素が対戦プレイヤのゲーム要素を前記対戦不可能状態にした場合における前記対戦プレイヤのゲーム要素の前記遷移時間よりも長くする、
プログラム。
【請求項2】
前記攻撃範囲は、前記プレイヤのゲーム要素の種別によって異なる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記遷移時間管理手段は、
プレイヤの前記通常状態のゲーム要素により、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態から前記対戦可能状態に遷移するのに要する第1遷移時間が設定され、
プレイヤの前記アビリティ発動状態のゲーム要素により、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記第1遷移時間に第2遷移時間を加えた時間に前記遷移時間を変更する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2遷移時間は、一定時間である、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
プレイヤの前記アビリティ発動状態のゲーム要素により、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した旨と、前記遷移時間が変更された旨と、の通知を提示する提示手段として機能させる、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記遷移時間が変更されたことの通知は、前記遷移時間が延長された旨の通知である、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記提示手段は、前記第1遷移時間と前記第2遷移時間とが識別可能に、前記遷移時間の経過を提示する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記提示手段は、加えられる前記第2遷移時間を明示する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
前記提示手段は、前記通常状態のゲーム要素と前記
アビリティ発動状態のゲーム要素とを視覚的に区別して提示する、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、ゲーム要素を操作可能な操作手段として更に機能させ、
前記状態管理手段は、前記操作手段により、アビリティを発動するゲーム要素を指定する操作を条件として、指定されたゲーム要素を前記アビリティ発動状態に変更する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記対戦不可能状態は、前記操作手段により操作不可能な状態であり、
前記対戦可能状態は、前記操作手段により操作可能な状態である、
請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
ゲームに登場させるゲーム要素を登録するゲーム要素登録手段と、
ゲーム要素の対戦可能な対戦可能状態及び対戦不可能な対戦不可能状態を管理する対戦管理手段と、
ゲーム要素の通常状態と、ゲーム要素のアビリティが発動されたアビリティ発動状態と、を管理する状態管理手段と、
対戦プレイヤのゲーム要素のうち指定されたゲーム要素を、アビリティ発動状態のゲーム要素の標的として自動追尾し、標的とされた対戦プレイヤのゲーム要素が前記アビリティ発動状態のゲーム要素の攻撃範囲内となると、標的とされた対戦プレイヤのゲーム要素に対して攻撃を行う攻撃手段と、
前記アビリティ発動状態のゲーム要素の攻撃により、標的とされた対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態から前記対戦可能状態に遷移するのに要する遷移時間を管理する遷移時間管理手段と、
を備え、
前記遷移時間管理手段は、プレイヤの前記アビリティ発動状態のゲーム要素が
標的とされた対戦プレイヤのゲーム要素を前記対戦不可能状態にした場合における前記対戦プレイヤのゲーム要素の前記遷移時間を、プレイヤの前記通常状態のゲーム要素が対戦プレイヤのゲーム要素を前記対戦不可能状態にした場合における前記対戦プレイヤのゲーム要素の前記遷移時間よりも長くする、
ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム内のキャラクターに関するパラメータを変化させるゲームが存在する。(例えば、特許文献1)。このようなゲームにおいて、アビリティと呼ばれる特別な能力を持つキャラクターが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、アビリティと呼ばれる特別な能力を持つゲーム要素により、対戦不能となったゲーム要素の取り扱いによっては、プレイヤのゲームに対する興趣性が薄れてしまう場合があった。
【0005】
そこで、本発明は興趣性を薄れさせないゲームを提供するプログラム及びゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ゲームをコンピュータに実行させるプログラムであって、コンピュータを、ゲームに登場させるゲーム要素を登録するゲーム要素登録手段、登録されたゲーム要素の対戦可能な対戦可能状態及び対戦不可能な対戦不可能状態を管理する対戦管理手段、登録されたゲーム要素の通常状態及び特定状態を管理する状態管理手段、プレイヤの特定状態にあるゲーム要素により、対戦プレイヤのゲーム要素が対戦不可能状態に遷移した場合、対戦プレイヤのゲーム要素が対戦不可能状態から対戦可能状態に遷移するのに要する遷移時間を変更する遷移時間管理手段、として機能させるプログラムである。
【0007】
本発明の一態様は、ゲームに登場させるゲーム要素を登録するゲーム要素登録手段と、登録されたゲーム要素の対戦可能な対戦可能状態及び対戦不可能な対戦不可能状態を管理する対戦管理手段と、登録されたゲーム要素の通常状態及び特定状態を管理する状態管理手段と、プレイヤの特定状態にあるゲーム要素により、対戦プレイヤのゲーム要素が対戦不可能状態に遷移した場合、対戦プレイヤのゲーム要素が対戦不可能状態から対戦可能状態に遷移するのに要する遷移時間を変更する遷移時間管理手段と、を備えるゲーム装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、興趣性を薄れさせないゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図である。
【
図2】
図2は、第1ゲーム要素がパイロットであり、その種別が攻撃タイプのキャラクター情報を持つ場合のゲームカードP1の一例を示した図である。
【
図3】
図3は、第2ゲーム要素が搭乗機体であり、その種別が攻撃タイプのキャラクター情報を持つ場合のゲームカードM1の一例を示した図である。
【
図4】
図4は本実施形態の対戦ゲームにおけるゲームフィールドの一例を示した図である。
【
図5】
図5は本発明の実施形態に係るゲーム装置1の正面の外観図である。
【
図6】
図6は本発明の実施形態に係るゲーム装置1の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7はゲーム要素データベース190の一例を示した図である。
【
図8】
図8はアビリティの例を説明するための図である。
【
図9】
図9は対戦不可能状態から対戦可能状態に遷移するまでの遷移時間を説明するための図である。
【
図10】
図10は本発明の実施形態に係るサーバ2の機能構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11はプレイヤデータベース211の一例を示した図である。
【
図13】
図13はゲーム要素登録画面の一例を示した図である。
【
図14】
図14はアビリティの発動処理の動作のフローチャートである。
【
図15】
図15はアビリティが発動可能であることを告知する一例を示した図である。
【
図16】
図16はアビリティの発動させる操作の一例を示す図である。
【
図17】
図17はアビリティ発動時の演出画像の一例を示した図である。
【
図18】
図18は標的ユニットの指定する一例を示す図である。
【
図21】
図21は遷移時間の管理の動作のフローチャートである。
【
図22】
図22はアビリティ「破砕」によって対戦不可能状態になった対戦プレイヤのユニットの修理演出画像の一例を示す図である。
【
図23】
図23は遷移時間Tに応じた修理演出画像の一例を示した図である。
【
図24】
図24は第2の実施の形態のアビリティ発動処理の動作のフローチャートである。
【
図25】
図25は第2の実施の形態における遷移時間の管理の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を説明する。
<第1の実施の形態>
【0011】
<全体構成>
図1は本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図である。
図1に示すように、ゲームシステムは、1以上のゲーム装置1とサーバ2とを備えて構成される。1以上のゲーム装置1とサーバ2とは、通信回線Nに接続可能で、相互に通信可能である。通信回線Nは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含み、通信方法については有線/無線を問わない。
【0012】
ゲーム装置1は、ゲームプログラムを実行することのできるコンピュータであり、無線通信基地局等を介して通信回線Nに接続し、サーバ2とデータ通信を行うことができる。ゲーム装置1は、例えば、業務用ゲーム装置(アーケードゲーム装置)、スマートフォンや、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ等である。ゲーム装置1は、基本的には、複数存在し、各プレイヤにより操作される。
【0013】
サーバ2は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムである。サーバ2は、本実施形態のゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲームの運営に必要なデータの管理や、ゲーム装置1でのゲームの実行に必要なゲームプログラムやデータの配信等を行うことができる。また、詳細は後述するが、サーバ2は、ゲーム装置1の利用に際してプレイヤが識別された場合、即ち、いずれのプレイヤであるかが識別された状態で、対戦ゲームのサービス提供が行われた場合に、その利用内容(ゲームのプレイ履歴)に基づいて各プレイヤについて管理する情報を更新する。
【0014】
本実施形態では、このようなシステム構成により、サーバ2及び通信回線Nを介して、複数のゲーム装置1を利用するプレイヤ間での対戦ゲームが実現可能に構成されるものであるが、プレイヤ間(対人間)での対戦ゲームに限られるものではなく、プレイヤの一方がサーバ2により提供されるノンプレイヤキャラクターである場合も含む。また、ゲーム装置1においてプレイ体験が提供されるゲームは、プレイヤ間の対戦ゲームに限られるものではなく、1人用に構成されたゲームを含むものであってよい。
【0015】
以下に説明する実施の形態において、ゲーム装置の一例としての、ゲームフィールドにゲーム要素を配置した画面を表示させて進行する対戦ゲームを実行するゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲームフィールドにゲーム要素を配置した画面を表示して進行するゲームを実行することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0016】
<ゲーム要素及び対戦ゲームの概要>
以下の本実施形態における構成などの理解を容易にするために、本実施の形態に係る対戦ゲームに使用されるゲーム要素及び対戦ゲームの概要について説明する。
【0017】
本実施の形態に係る対戦ゲームは、複数種別のゲーム要素が登場する。ゲーム要素はキャラクター(キャラクター、搭乗物、アイテム等)であり、画像、仮想的又は実体のある物品等に化体して表現される。画像は、静止画及び動画を含む。仮想的又は実体のある物品の一例としては、例えば、物理的な体積を有する物品(現実物品)であるゲームカードである。尚、物品は、ゲームカードに限られることなく、物品に対応付けられたゲーム要素を特定可能に構成された物品であれば、ゲームカードに限られるものではない。物品は、例えばゲーム要素の外観を有するフィギュア等の造形物であってもよい。
【0018】
本実施形態では、複数の種別の物品はいずれも有体物であるゲームカードであり、それぞれ、ゲーム装置1においてプレイ体験が提供される対戦ゲームに登場する1つのゲーム要素が対応付けられているものとして説明する。ゲームカードがいずれのゲーム要素に対応付けられているかは、該ゲームカードに付されたゲーム要素を特定するための識別情報(要素ID)を後述するゲーム要素読取部が取得することで特定できる。ゲームカードへの識別情報(要素ID)の付加は、例えば、ゲーム要素を特定するための識別情報を変換して得られた1次元あるいは多次元のコードがゲームカードに印刷等で付されることにより実現されるものであってもよいし、ゲームカードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグやICチップに記録される等、他の方式で実現されるものであってもよい。
【0019】
対戦ゲームでは、各プレイヤは複数のゲーム要素を使用することが可能であり、ゲームの開始に先立って(実際にゲーム要素を操作して進行するシーケンスが開始する前に)、ゲームカードから情報取得をさせることで、該ゲームカードに対応付けられたゲーム要素をゲームに登場させる(プレイヤが使用する)ゲーム要素として登録することができる。
【0020】
本実施形態では、プレイヤがゲームに登場させるゲーム要素は複数あるが、主に、第1ゲーム要素と第2ゲーム要素との二つがある。そして、第1ゲーム要素はパイロットであり、第2ゲーム要素はパイロットが操作する搭乗機体である。更に、第1ゲーム要素と第2ゲーム要素のそれぞれは、複数の種別に分かれている。
【0021】
第1ゲーム要素であるパイロットの種別としては、例えば、攻撃タイプ(第1種別)と、防御タイプ(第2種別)がある。攻撃タイプは、対戦プレイヤのゲーム要素を攻撃することを主目的とし、プレイヤの他のゲーム要素を守ることなく対戦プレイヤのゲーム要素を攻撃するタイプである。防御タイプは、プレイヤの他のゲーム要素を防御することを主目的とし、プレイヤの他のゲーム要素を守るために対戦プレイヤのゲーム要素を攻撃する。尚、種別やその数は一例であり、これらの種別、数に限られない。例えば、対戦プレイヤのX種別のゲーム要素にのみ攻撃できる攻撃タイプ、対戦プレイヤのY種別のゲーム要素にのみ攻撃できる攻撃タイプのように、対戦プレイヤのゲーム要素の種別に応じて攻撃できるタイプを複数設けても良い。
【0022】
第2ゲーム要素として搭乗機体の種別としては、例えば、攻撃タイプ(第1種別)と、防御タイプ(第2種別)がある。攻撃タイプは、対戦プレイヤのゲーム要素を攻撃することを主目的とし、プレイヤの他のゲーム要素を守ることなく対戦プレイヤのゲーム要素を攻撃するタイプである。防御タイプは、プレイヤの他のゲーム要素を防御することを主目的とし、プレイヤの他のゲーム要素を守るために対戦プレイヤのゲーム要素を攻撃する。更なる種別として、搭乗機体が使用できる武器の射程(攻撃)距離に応じた射程(攻撃)タイプ(第3種別)を設けても良い。例えば、使用できる武器が遠距離用の武器である場合は遠距離タイプ、使用できる武器が近距離用の武器である場合は近距離タイプ等である。尚、種別やその数は一例であり、これらの種別、数に限られない。
【0023】
これらの種別は、各ゲーム要素と各種別とが一対一にかならずしも対応している必要はなく、一対多であっても良い。例えば、第2ゲーム要素である搭乗機体は、防御タイプと遠距離タイプとの二つの種別を持つようにしても良い。このようなタイプを持つ搭乗機体は、プレイヤの他のゲーム要素を守るために、対戦プレイヤの遠くに位置するゲーム要素を射程の長い武器を使用して攻撃することができる。
【0024】
また、第1ゲーム要素と第2ゲーム要素とは、第1ゲーム要素又は第2ゲーム要素の種類やタイプのキャラクター情報以外に、そのタイプに適した各種のパラメータ(レベル、ヒットポイント、攻撃力、防御力、地形適正、使用武器等)を持つ。例えば、攻撃タイプならば、攻撃に特化したパラメータとなる。これらの各種のパラメータは、対戦ゲームの進行に伴って変化させても良い。
【0025】
更に、第1ゲーム要素又は第2ゲーム要素の中には、アビリティと呼ばれる特殊能力を持つものがある。そのアビリティは、ゲームの進行を有利に展開するために発揮する能力であり、ゲーム要素を強化する能力である。例えば、ある発動条件を満たした場合、対戦プレイヤのゲーム要素に対する攻撃力を、所定の期間、上昇することができる能力等である。アビリティの発動は、発動条件を満たした場合に自動的に発動するものと、発動条件を満たした場合にプレイヤの操作により任意に発動するものと、がある。また、このアビリティは、対戦中に1度しか発動できないものや、複数回発動できるものある。また、このアビリティを発動後、対戦プレイヤのゲーム要素からの攻撃等により対戦不可能状態(撃破)となった場合であっても、所定時間(遷移時間)が経ることにより、再び対戦可能状態に戻る(遷移する)ことが可能である。尚、その遷移時間は、通常のアビリティを発動しないゲーム要素の遷移時間に比べて長いものとなる場合がある。
【0026】
図2は、第1ゲーム要素がパイロットであり、その種別が攻撃タイプのキャラクター情報を持つ場合のゲームカードP1の一例を示した図である。ゲームカードP1に記載さている識別情報等をゲーム要素読取部が読み取ることで、ゲーム装置1は、そのゲームカードP1のキャラクター情報やアビリティを取得可能である。
図3は、第2ゲーム要素が搭乗機体であり、その種別が攻撃タイプであり、アビリティとして破砕(ロックオン中の敵ユニットが攻撃範囲内に進入すると攻撃する)のキャラクター情報を持つ場合のゲームカードM1の一例を示した図である。ゲームカードM1に記載さている識別情報等をゲーム要素読取部が読み取ることで、ゲーム装置1は、そのゲームカードM1のキャラクター情報やアビリティを取得可能である。
【0027】
更に、本実施形態の対戦ゲームでは、ユニット(以下、部隊と記載する場合がある)と称するゲーム要素が登場する。このユニットは、第1ゲーム要素であるパイロットと第2ゲーム要素である搭乗機体とを構成要素とし、その組み合わせにより構成されるものである。すなわち、プレイヤは、対戦ゲームにおいて該搭乗機体を作動させる要素としてパイロットを関連付けて登録することができる。これにより、プレイヤは、搭乗機体とパイロットとを一組とするユニットを対戦ゲームに登場させることができる。
【0028】
ユニットの能力は、例えば、ユニットを構成する第1ゲーム要素であるパイロットのキャラクター情報(各種パラメータ)と、第2ゲーム要素である搭乗機体のキャラクター情報(各種パラメータ)と、の合計値とすることができる。更に、ユニットは、対戦ゲームの対戦において、どのような行動を取ることができるかを規定(又は行動の制限)する行動特性を持つ。そのユニットの行動特性は、構成要素である、第1ゲーム要素であるパイロットのタイプ(種別)又は第2ゲーム要素である搭乗機体のタイプ(種別)の少なくともいずれかに従属(依存)する。
【0029】
ユニットの行動特性を第1ゲーム要素であるパイロットのタイプ(種別)のみに従属させる場合は、搭乗機体のタイプ(種別)が反映されず、パイロットのタイプが反映された行動特性となる。例えば、ユニットを構成するパイロットのタイプが防御タイプであり、ユニットを構成する搭乗機体のタイプが攻撃タイプである場合、搭乗機体のタイプは反映されず、ユニットの行動特性は、プレイヤのゲーム要素を守ることを主目的とし、対戦プレイヤのゲーム要素への攻撃がプレイヤの他のゲーム要素を守るために限定されるような行動特性となる。また、ユニットの行動特性を第2ゲーム要素である搭乗機体のタイプ(種別)のみに従属させる場合は、パイロットのタイプ(種別)が反映されず、搭乗機体のタイプが反映された行動特性となる。
【0030】
このように、ユニットの行動特性をゲーム要素の一方の種別のみに従属させる場合、プレイヤはパイロット及び搭乗機体のタイプを考慮し、ユニットを構成するパイロット及び搭乗機体を選択する必要がある。何故なら、ユニットの能力は、例えば、構成要素となるゲーム要素(パイロットと搭乗機体)のキャラクター情報の合計値であるため、タイプを誤って選択すると、ユニットの能力を発揮することができないからである。一方、構成要素となるゲーム要素(パイロットと搭乗機体)のタイプを適正に選択した場合、例えば、パイロットのタイプと搭乗機体のタイプとが同一の防御タイプのような場合は、そのユニットの行動特性に合致した能力を発揮することができる。
【0031】
一方、ユニットの行動特性を、構成要素である、第1ゲーム要素であるパイロットのタイプ(種別)と第2ゲーム要素である搭乗機体のタイプ(種別)との双方に従属(依存)させる場合は、第1ゲーム要素であるパイロットのタイプ(種別)と第2ゲーム要素である搭乗機体のタイプ(種別)とが全く異なるような場合に有効である。例えば、第1ゲーム要素であるパイロットのタイプに攻撃タイプと防御タイプとが存在し、第2ゲーム要素である搭乗機体のタイプが射程(攻撃)タイプである場合などである。このような場合、防御タイプのパイロットと遠距離タイプの搭乗機体との組み合わせのユニットの行動特性は、プレイヤの他のゲーム要素を防御するために、射程(攻撃距離)の長い武器を使用して遠くの対戦プレイヤのゲーム要素を攻撃するような行動特性となる。このようにすることで、高い戦略性を持つゲームをプレイヤに提供することができる。
【0032】
更に、ユニットの能力として、第1ゲーム要素又は第2ゲーム要素が持つアビリティを加えることができる。例えば、第2ゲーム要素の搭乗機体がアビリティを持つ場合、その第2ゲーム要素の搭乗機体を構成要素とするユニットは、第2ゲーム要素の搭乗機体のアビリティを持つことができる。例えば、
図2のゲームカードP1(パイロット)と
図3のゲームカードM1(搭乗機体)とを構成要素とするユニットは、ゲームカードM1(搭乗機体)のアビリティを持つことができる。
【0033】
次に、対戦ゲームの概略を説明する。
【0034】
本実施形態の対戦ゲームは、各プレイヤについて登録されたユニット(部隊)を所定の広さのゲームフィールドに展開(配置)させながら、移動・攻撃行動を行う(これら行動の実施は後述する操作入力部が受け付ける)ことで進行する。
【0035】
図4は本実施形態の対戦ゲームにおけるゲームフィールドの一例を示した図である。以下に示す1つの態様では、ゲームフィールドには、出撃ユニット領域30と、第1領域31と、第2領域32と、が存在する。出撃ユニット領域30は、出撃(登場)可能なユニットが配置される。第1領域31は、自プレイヤの領域であり、自プレイヤの基地等の拠点(ゲーム要素)が配置される。第2領域32は、対戦プレイヤの領域であり、対戦プレイヤの基地等の拠点(ゲーム要素)が配置される。他のゲーム要素として、各領域間を移動できる戦艦のような拠点もある。そして、いずれかのユニットによる攻撃行動の結果として相手プレイヤの拠点を破壊させた(耐久値を0にさせた)プレイヤが、対戦ゲームの勝者となる。
【0036】
故に、各プレイヤは、自身に対応付けられた拠点に対して攻撃行動を行おうとする対戦プレイヤのユニットに対して、当該攻撃行動を妨害するためにユニットを配置して迎撃行動(防御行動)を行う、あるいは、対戦プレイヤのユニットよりも早く対戦プレイヤの拠点を破壊するためにユニットの攻撃行動を制御することが必要になる。
【0037】
ここで、重要なことは、ユニットのタイプによって移動できる領域が異なるという点である。例えば、ユニットのタイプが防御タイプである場合、そのユニットはプレイヤの基地等の拠点を防衛するためのユニットであり、プレイヤの基地等の拠点は第1領域31に配置されるため、結果として、防御タイプのユニットは第1領域31内のみ移動可能である。一方、ユニットのタイプが攻撃タイプである場合、そのユニットは、対戦プレイヤの基地や自プレイヤの基地の拠点を攻撃してくる対戦プレイヤの戦艦等の拠点を攻撃するユニットであり、対戦プレイヤの基地の拠点は第2領域32に配置され、対戦プレイヤの戦艦等の拠点は第1領域31に侵入可能(配置可能)であるため、結果として、攻撃タイプのユニットは第1領域31と第2領域32との双方の領域を移動可能である。
【0038】
対戦ゲームの開始時点では、対戦プレイヤの登録したユニットの情報は判明していない状態となっている。プレイヤは、対戦ゲームの開始後の任意のタイミングで、自身について登録したユニットのそれぞれをゲームフィールドに展開可能であり、対戦プレイヤにはゲームフィールドへのユニットの展開がなされた時点で、当該ユニットがどのようなゲーム要素(搭乗機体及びパイロット)で構成されているかが通知される。このように構成することで、対戦プレイヤのユニットや行動を見極めながら戦略的にゲームを展開させる興趣性をプレイヤに提供することができる。
【0039】
<ゲーム装置1の構成>
図5は本発明の実施形態に係るゲーム装置1の正面の外観図である。
ゲーム装置1は、メニュー等のゲームに進行に必要な情報やゲームフィールド等が表示される表示部11(ディスプレイ11)と、プレイヤが保有するゲームカードから、対戦ゲームに登場させる第1ゲーム要素(パイロット)を登録するための第1ゲーム要素読取部12
1~12
5と、プレイヤが保有するゲームカードから、対戦ゲームに登場させる第2ゲーム要素(搭乗機体)を登録するための第2ゲーム要素読取部13
1~13
5と、を備えている。
【0040】
第1ゲーム要素読取部121~125は、ゲームカードからゲームに登場させる第1ゲーム要素であるパイロットのキャラクター情報を読み取るリーダである。本実施形態のゲーム装置1は、最大(上限)5体までのパイロットを使用ゲーム要素として登録可能とするため、5つの第1ゲーム要素読取部121~125が設置されている。プレイヤは、保有するゲームカードから対戦ゲームに登場させるパイロット(第1ゲーム要素)のゲームカードPを、第1ゲーム要素読取部121~125にセット(配置)することによって、第1ゲーム要素読取部121~125はパイロット(第1ゲーム要素)のゲームカードの識別情報等を読み取ることができる。
【0041】
第2ゲーム要素読取部131~135は、ゲームカードからゲームに登場させる第2ゲーム要素である搭乗機体のキャラクター情報を読み取るリーダである。本実施形態のゲーム装置1は、最大(上限)5体までの搭乗機体を使用ゲーム要素として登録可能とするため、5つの第2ゲーム要素読取部131~135が設置されている。プレイヤは、保有するゲームカードから対戦ゲームに登場させる搭乗機体(第2ゲーム要素)のゲームカードを、第2ゲーム要素読取部131~135にセット(配置)することによって、第2ゲーム要素読取部131~135は搭乗機体(第2ゲーム要素)のゲームカードの識別情報等を読み取ることができる。
【0042】
そして、登録されたパイロット1体と搭乗機体1体とを一組とする使用ゲーム要素であるユニット(部隊)を最大5組編成して、対戦ゲームを開始することができる。即ち、ユニット(部隊)について、搭乗機体の登録可能な最大数とパイロットの登録可能な最大数(上限数)とは同数であり、5に設定されている。
【0043】
なお、例えば、プレイヤがゲーム装置1の利用を開始して間もない場合やプレイヤがゲームカードを携行していなかった場合等、情報取得可能なゲームカードの数が搭乗機体やパイロットそれぞれの最大数(上限数)に満たない場合には、ユニット(部隊)を構成するゲーム要素のそれぞれは必ずしもゲームカードからの情報取得に基づいて登録されるものである必要はない。この場合、ゲーム装置1側で用意したゲーム要素が追加で登録され、搭乗機体とパイロットのいずれも最大数登録され、5組の部隊が構成されればよい。また、例えば登録に際してコスト等の概念が導入される態様では、登録されるユニット(部隊)数が最大数より少ない複数に設定されるものであってもよい。
【0044】
また、本実施形態では1体の搭乗機体に対して、1人のパイロットを関連付けて1ユニットとして登録するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、1ユニットを構成するゲーム要素は、1体の搭乗機体に対して複数人のパイロットが、あるいは、複数体の搭乗機体に対して1人のパイロットが関連付けられるものであってもよい。
【0045】
図6は本発明の実施形態に係るゲーム装置1の機能構成を示すブロック図である。
ゲーム装置1は、処理部10と、表示部11と、第1ゲーム要素読取部12
1~12
5と、第2ゲーム要素読取部13
1~13
5と、操作入力部14と、代価検出部15と、ユーザ情報読取部16と、音出力部17と、通信部18と、記憶部19と、を備える。
【0046】
処理部10は、記憶部19に格納されるプログラムやデータ、第1ゲーム要素読取部12、第2ゲーム要素読取部13、操作入力部14からの操作入力信号等に基づいてゲーム装置1の動作を統括的に制御する。処理部10の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。具体的には制御部10は、例えば記録部19に記録されている各部の動作プログラムを読み出し、メモリに展開して実行することにより各部の動作を制御する。処理部10は、主な機能部として、ゲーム要素取得部110と、ユニット構成部111と、ゲーム実行部112と、状態管理部113と、遷移時間管理部114と、を備える。これらの部については後述する。
【0047】
表示部11は、処理部10から出力される画像信号に基づいて各種ゲーム画面を表示する。表示部11の機能は、例えば、液晶などのフラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった表示装置によって実現できる。
図5では、表示部11は、ディスプレイ11に該当する。
【0048】
第1ゲーム要素読取部121~125は、上述した通り、第1ゲーム要素の登録数の上限である五つの第1ゲーム要素読取部であり、プレイヤが保有するゲームカードからゲームに登場させる第1ゲーム要素であるパイロットのキャラクター情報を読み取るリーダである。ゲームカードから第1ゲーム要素の読み取りは、例えば、ゲームカードの識別情報等を変換して得られた1次元又は多次元のコードがゲームカードに印刷等され、その1次元又は多次元のコードを読み取ることにより可能である。また、ゲームカードの識別情報等がゲームカードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグやICチップに記録されている場合は、それらのタグやICチップから読み取る。読み取った情報は、自装置の識別情報である読取部ID(例えば、読取部ID=121等)とともに処理部10に出力される。
【0049】
第2ゲーム要素読取部131~135は、上述した通り、第2ゲーム要素の登録数の上限である五つの第2ゲーム要素読取部であり、プレイヤが保有するゲームカードからゲームに登場させる第2ゲーム要素である搭乗機体のキャラクター情報を読み取るリーダである。ゲームカードから第2ゲーム要素の読み取りは、例えば、ゲームカードの識別情報等を変換して得られた1次元又は多次元のコードがゲームカードに印刷等され、その1次元又は多次元のコードを読み取ることにより可能である。また、ゲームカードの識別情報等がゲームカードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグやICチップに記録されている場合は、それらのタグやICチップから読み取る。読み取った情報は、自装置の識別情報である読取部ID(例えば、読取部ID=131等)とともに処理部10に出力される。
【0050】
第1ゲーム要素読取部121~125が読み取った第1ゲーム要素と第2ゲーム要素読取部131~135が読み取った第2ゲーム要素とからユニットが構成されるのであるが、上述したしたように、一つのユニットは一つの第1ゲーム要素であるパイロットと一つの第2ゲーム要素である搭乗機体との組み合わせである。そこで、ユニットを構成する第1ゲーム要素であるパイロットと第2ゲーム要素である搭乗機体との組み合わせが、プレイヤに対して識別し易いように、第1ゲーム要素読取部121~125と第2ゲーム要素読取部131~135とは、組となる第1ゲーム要素読取部121~125の一辺と第2ゲーム要素読取部131~135の一辺とが少なくとも隣接するように配置される。例えば、第1ゲーム要素読取部121の下辺と第2ゲーム要素読取部131の上辺とが隣接して上下で一組となるように配置されている。これにより、第1ゲーム要素読取部121により読み取られたゲームカードのパイロットと第2ゲーム要素読取部131により読み取られたゲームカードの搭乗機体とが一つ組となり、ユニットが構成されることが、プレイヤに容易に理解できる。他の第1ゲーム要素読取部122~125と第2ゲーム要素読取部132~135との組み合わせも同様である。
【0051】
操作入力部14は、プレイヤがゲームに関する各種操作を入力するためのものであり、操作入力に応じた操作入力信号を処理部10に出力する。操作入力部14の機能は、例えば、タッチパネル、タッチ操作パッド、ホームボタン、ボタンスイッチや、ジョイスティック、トラックボールといった直接プレイヤが指で操作する素子はもちろん、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサといった、運動や姿勢を検知する素子等によっても実現できる。本実施形態では、表示部11に添えつけられたタッチ操作パネルがこれに該当する。
【0052】
代価検出部15は、ゲーム装置1において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えばゲーム装置1が有する不図示の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置1は、サービス提供開始に係る代価の支払いに基づいて、一連のゲームのプレイ体験の提供を含むサービスの提供を開始するものとして説明する。また代価の支払いは、サービス提供の開始後も検出可能に構成される。
【0053】
ユーザ情報読取部16は、ゲーム装置1を利用するプレイヤを識別するために、プレイヤID(プレイヤ識別情報)を記録した物品からの情報取得を行う。本実施形態ではプレイヤIDを記録した物品は、カードの態様で構成されたプレイヤカードである。
【0054】
音出力部17は、処理部10から出力される音信号に基づいてゲームに関する効果音等を音出力するためのスピーカ等である。
【0055】
通信部18は、外部装置との通信インタフェースである。通信部18は、通信回線N(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部18は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、通信回線Nを介してサーバ2等の外部装置に送信する。また通信部18は、例えば通信回線Nを介して外部装置から情報を受信する。
【0056】
記録媒体19は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、データを保持可能な記録装置である。記録媒体19は、ゲーム装置1が有する各部の動作プログラムに加え、各部の動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置1が実行する対戦ゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。
【0057】
また、記録媒体19には、ゲーム要素データベース190(ゲーム要素DB190)が格納されている。ゲーム要素DB190は、ゲームに登場するゲーム要素の各々についての情報(要素情報)を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置1では、プレイヤはゲームプレイ時にゲームカードを、第1ゲーム要素読取部12
1~12
5及び第2ゲーム要素読取部13
2~13
5に配置して情報の取得を行わせることで、該ゲームカードに対応付けられたゲーム要素をゲームに登場させることができる。1体のゲーム要素について管理される要素情報は、例えば
図7に示されるように、ゲーム要素を一意に特定する要素ID(識別情報)191に関連付けて、該ゲーム要素に対して割り当てられたゲームにおける種別(タイプ)を示す種別情報192、該ゲーム要素をゲームに登場させる際の画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報193、及び該ゲーム要素の名称、属性等に加え、該ゲーム要素の要素レベルごとに定められたパラメータ等を記述したパラメータ情報(キャラクター情報)194と、発動条件及び発動する効果等を記述したアビリティ情報195と、を含む。パラメータ情報194及びアビリティ情報195は、ゲーム要素を登場させるゲームにおいて参照される情報であり、該ゲームの進行制御に関与する。
【0058】
尚、本実施形態ではゲーム要素DB190に、グラフィックスデータ、パラメータ情報、アビリティ情報等が格納され、要素情報がこれらのデータを含むものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。要素情報には、各情報のデータの格納場所を示す情報が含まれるものであってもよい。
【0059】
次に、処理部10の主な機能部である、ゲーム要素取得部110と、ユニット構成部111と、ゲーム実行部112と、状態管理部113と、遷移時間管理部114と、について説明する。
【0060】
ゲーム要素取得部110は、第1ゲーム要素読取部121~125及び第2ゲーム要素読取部131~135が読み取ったゲームカードの要素ID191を取得する。このとき、ゲームカードの要素ID191を読み取った第1ゲーム要素読取部121~125及び第2ゲーム要素読取部131~135を識別する読取部ID(以下、第1ゲーム要素読取部121~125の読取部IDを121~125とし、第2ゲーム要素読取部131~135の読取部IDを131~135として説明する)も取得する。ゲーム要素取得部110は、取得したゲームカードの要素ID191に関連付けられている種別情報192、描画用情報193、パラメータ情報194及びアビリティ情報195を、ゲーム要素DB190から取得する。そして、ゲーム要素取得部110は、読取部IDと、ゲーム要素ID191、種別情報192、描画用情報193、パラメータ情報194及びアビリティ情報195と、を関連付けて、ユニット構成部111及びゲーム実行部112に出力する。尚、第1ゲーム要素読取部121~125とゲーム要素取得部110とにより、第1ゲーム要素登録手段として機能を発揮する。また、第2ゲーム要素読取部131~135とゲーム要素取得部110とにより、第2ゲーム要素登録手段として機能を発揮する。
【0061】
ユニット構成部111は、ゲーム要素取得部110から、読取部ID、要素ID191、種別情報192、描画用情報193及びパラメータ情報194を受信し、組となる第1ゲーム要素であるパイロットと第2ゲーム要素である搭乗機体とから一つのユニット(部隊)を構成する。ユニット構成部111は、読取部IDから組となる第1ゲーム要素と第2ゲーム要素とを特定する。本実施形態においては、(読取部ID:121,読取部ID:131)、(読取部ID:122,読取部ID:132)、(読取部ID:123,読取部ID:133)、(読取部ID:124,読取部ID:134)、(読取部ID:125,読取部ID:135)の読取部IDの組合せが、一つのユニットを構成するゲーム要素に対応する。ユニット構成部111は、各組の読取部IDに関連付けられた要素ID191を特定することによって、組となる第1ゲーム要素と第2ゲーム要素とを特定する。そして、ユニット構成部111は、その要素ID191に関連付けられた種別情報192、描画用情報193、パラメータ情報194及びアビリティ情報195を用いて、ユニットを構成する。ユニットの能力は、例えば、ユニットを構成する第1ゲーム要素であるパイロットのキャラクター情報(各種パラメータ)と、第2ゲーム要素である搭乗機体のキャラクター情報(各種パラメータ)と、の合計値となる。更に、ユーザ情報読取部16によりプレイヤカードから読み出されたプレイヤIDに関連付けられている他の情報、例えば、プレイヤのレベル、各ゲーム要素の補正パラメータ等を、ユニットの能力に反映させるようにしても良い。これらのユニットに反映されるパラメータを初期パラメータと記載する場合がある。また、ユニットの行動特性は、構成要素である、第1ゲーム要素であるパイロットのタイプ(種別)又は第2ゲーム要素である搭乗機体のタイプ(種別)の少なくともいずれかに従属(依存)させる。
【0062】
更に、ユニット構成部111は、ユニットの能力として、第1ゲーム要素又は第2ゲーム要素が持つアビリティを加えることができる。例えば、第2ゲーム要素の搭乗機体がアビリティを持つ場合、その第2ゲーム要素の搭乗機体を構成要素とするユニットは、第2ゲーム要素の搭乗機体のアビリティを持つことができる。
【0063】
ゲーム実行部112は、対戦ゲームの開始から終了までの一連のゲーム(ゲーム画像の表示も含む)を制御するものであり、代価検出部15が代価の支払いを検出すると、対戦ゲームを開始する。対戦ゲームの対戦は、ユニット構成部111が構成したユニット(部隊)をゲームフィールドに配置し、プレイヤがユニット(部隊)に対してなされた操作入力に応じて、対戦の進行を制御する。また、ゲーム実行部112は、対戦において、各ユニットの各種パラメータを用いて、攻撃、防御の計算を行い、ユニットの対戦可能状態及び対戦不可能状態を判定する。そして、ユニットが対戦不可能状態と判定されると、そのユニットを識別する識別情報を状態管理部113及び遷移時間管理部114に通知する。尚、対戦可能状態とはプレイヤがユニットを操作できる状態であり、対戦不可能状態とはプレイヤがユニットを操作できない状態である。また、ゲーム管理部112は、ユニットの対戦可能状態及び対戦不可能状態や、アビリティの発動、他の状態を識別可能な各種演出画像も表示する。
【0064】
状態管理部113は、ユニット構成部111により設定されたユニットの状態を管理する部である。ユニットの状態には、そのユニットが対戦可否の状態を示す対戦可能状態又は対戦不可能状態以外に、ユニットが持つアビリティの発動の有無の状態を示す通常状態及びアビリティ発動状態がある。通常状態はアビリティが発動していない状態であり、アビリティ発動状態はアビリティが発動している状態である。状態管理部113は、各ユニットについて、通常状態であるか、又は、アビリティ発動状態であるかを管理する。尚、以下の記載において、通常状態のユニットを通常ユニットと記載し、アビリティ発動状態のユニットをアビリティ発動ユニットと記載する。
【0065】
アビリティの発動は、発動条件を満たした場合に自動的に発動するもの(自動発動)と、発動条件を満たした場合にプレイヤの操作により任意に発動するもの(任意発動)と、がある。状態管理部113は、ユニットが発動条件を満たすか否かを判定する。自動発動のアビリティの場合は、ユニットが発動条件を満たすと、アビリティを発動させ、ユニットを通常状態からアビリティ発動状態に遷移させる。そして、そのアビリティ発動ユニットについて、そのアビリティの内容の効果を持たせるようにそのアビリティ発動ユニットのパラメータ等を変更する。一方、任意発動のアビリティの場合は、ユニットが発動条件を満たしてもアビリティを即時に発動せず、プレイヤのユニットに対する操作(ユニットを指定し、アビリティの発動させる操作)を待ち、その操作が行われると、アビリティを発動させ、そのアビリティ発動ユニットについて、そのアビリティの内容の効果を持たせるようにそのアビリティ発動ユニットのパラメータ等を変更する。尚、パラメータの変更は、例えば、ユニットの攻撃力や防御力のパラメータを上昇させるものであるが、これらに限られない。例えば、特殊な効果を発動させるパラメータを付加するものであっても良い。
【0066】
図8はアビリティの例を説明するための図である。
図8の例は破砕と呼ばれるアビリティの例を示している。このアビリティは発動されると、プレイヤに指定された対戦プレイヤのユニットを標的(標的ユニット)とし、その標的ユニットを自動追尾するものである(ロックオン)。そして、アビリティ発動ユニットの攻撃範囲(射程範囲)内に標的ユニットが侵入すると、自動的に標的ユニットに攻撃(ダメージ)を与えるものである。攻撃範囲はアビリティ発動ユニットのタイプによって異なる。アビリティ発動ユニットが近距離攻撃タイプの場合には攻撃範囲は狭くなり、アビリティ発動ユニットが遠距離攻撃タイプの場合には攻撃範囲は広くなる。
【0067】
また、状態管理部113は、ゲーム実行部112から通知を受け、ユニットの状態をアビリティ発動状態から通常状態に遷移させる処理も行う。
【0068】
遷移時間管理部114は、ユニットの対戦不可能状態から対戦可能状態への遷移に要する遷移時間を管理する。ユニットは、ゲーム開始時には対戦可能状態であるが、対戦プレイヤのユニット等と対戦を行うにつれて破壊や撃破等により対戦不可能状態となる。これらのユニットの対戦不可能状態から対戦可能状態に戻すためには、対戦不可能状態となったユニットの修理が必要となる。そこで、本実施の形態では、ユニットの修理を演出するために、ユニットが再び対戦可能状態に戻るまでに所定時間を要するものとする。このユニットが再び対戦可能状態に戻るまで要する時間を遷移時間Tと称する。
【0069】
遷移時間Tは、以下のようにユニットの状態によって異ならせることが可能である。
(1)プレイヤの通常ユニットが対戦プレイヤのユニットを対戦不可能状態にした場合
対戦プレイヤのユニットの遷移時間Tは、時間T1を基準時間とし、遷移時間Tを時間T1とする(遷移時間T=時間T1)。
(2)プレイヤのアビリティ発動ユニットが対戦プレイヤのユニットを対戦不可能状態にした場合
対戦プレイヤのユニットの遷移時間Tは、時間T1に延長する時間T2を加えて、(時間T1+時間T2)とする(遷移時間T=時間T1+時間T2)。
(3)プレイヤのアビリティ発動ユニットが対戦不可能状態になった場合
プレイヤのアビリティ発動ユニットの遷移時間Tは、時間T1に延長する時間T2を加えて、(時間T1+時間T2)とする(遷移時間T=時間T1+時間T2)。
上記は一例であり、他の方法でもかまわない。また、時間T2は予め定めた一定の時間でも良いが、アビリティの種類に応じて可変の時間でも良い。
【0070】
図9は対戦不可能状態から対戦可能状態に遷移するまでの遷移時間の一例を説明するための図である。通常ユニットとアビリティ発動ユニットとは、撃破されると対戦不可能状態となる。この状態はプレイヤによる操作ができない状態である。遷移時間管理部114は、対戦不可能状態となったユニットの遷移時間Tを計算する。
【0071】
通常ユニットによって対戦不可能状態になったユニットの遷移時間Tは時間T1である。遷移時間管理部114は、遷移時間T(時間T1)が経過すると、対戦不可能状態となったユニットを対戦可能状態とするようにゲーム実行部112に通知する。
【0072】
また、
図8の例で説明した「破砕」と呼ばれるアビリティは、このアビリティを発動しているアビリティ発動ユニットにより対戦不可能状態にされた標的ユニットの修理時間を、通常ユニットの修理時間よりも長くする効果を持つ。従って、「破砕」を発動しているアビリティ発動ユニットにより対戦不可能状態にされた標的ユニットの遷移時間Tは、時間T1に延長する時間T2を加えて、時間(T1+T2)となる。遷移時間管理部114は、遷移時間T(=時間(T1+T2))が経過すると、対戦不可能状態となった標的ユニットを対戦可能状態とするようにゲーム実行部112に通知する。このようなアビリティもつユニットを導入することにより、修理時間(遷移時間)の短い通常ユニットを繰り返し出撃されるのを避けることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0073】
また、アビリティ発動ユニットが対戦不可能状態になった場合、その遷移時間Tは、通常ユニットの遷移時間T1に加えて、アビリティ分の延長時間T2を加える。すなわち、アビリティ発動ユニットの遷移時間Tは、時間(T1+T2)である。遷移時間管理部114は、遷移時間T(=時間(T1+T2))が経過すると、対戦不可能状態となった標的ユニットを対戦可能状態とするようにゲーム実行部112に通知する。このように、アビリティ発動ユニットの遷移時間(修理時間)を通常ユニットの遷移時間(修理時間)よりも長くすることにより、強力なアビリティを持つユニットが長い間登場することによるゲームバランスの崩れを防止するとともに、プレイヤはいかにアビリティを持つユニットを生かしながら対戦するか戦略を考えなければならず、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0074】
次に、本実施形態に係るサーバ2について説明する。
図10は本発明の実施形態に係るサーバ2の機能構成を示すブロック図である。サーバ2は、処理部20と、記憶部21と、通信部22と、を備える。
【0075】
処理部20は、例えばCPUであり、サーバ2が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には処理部20は、例えば、記録部21に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリに展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。処理部20は、主な機能部として、マッチング処理部201と、管理部202と、を備える。
【0076】
マッチング処理部201は、本実施形態のゲームシステムにおいて提供されるプレイヤ間の対戦ゲーム(対人対戦)について、マッチングの処理を行う。マッチングの処理により、サーバ2に接続中のゲーム装置1のうち、例えば同時期にマッチング要求を送信した2台のゲーム装置1についてセッションを設けられ、対戦ゲームに係る情報通信が可能な状態に遷移される。
【0077】
管理部202は、ゲーム装置1において行われたゲームのプレイ内容に基づいて、ゲームに係るプレイヤの評価を管理する。より詳しくは、管理部202は、1回の対戦ゲームプレイごとにプレイ内容に基づいてプレイヤの評価を行い、後述する該プレイヤに係るプレイヤ情報の評価情報を生成または更新する。
【0078】
記録部21は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、データを保持可能な記録装置である。記録部21は、サーバ2が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。また、記録部21は、プレイヤデータベース210(プレイヤDB210)を記憶している。
【0079】
プレイヤDB210は、本実施形態のゲームシステムにおいて、ゲーム装置1でプレイ体験が提供されるゲームについて、各利用者(プレイヤ)に対応付けられたゲームに係る利用状況を示す情報(プレイヤ情報)を管理するデータベースである。プレイヤ情報は、各プレイヤについて、ゲームプレイの機能の利用履歴や、該プレイヤについて使用可能となっている各種ゲーム要素を管理するための情報である。プレイヤ情報は、ゲーム装置1においてプレイヤカードを使用した上で行われたゲームのプレイ結果に応じて順次更新され、該プレイヤカードが再度使用される際にはゲーム装置1に提供される。これにより、当該ゲーム装置1において、先のゲームプレイを反映した状態でのゲームプレイが提供可能となる。
【0080】
本実施形態ではプレイヤ情報は、例えば、
図11に示されるように、プレイヤを識別するプレイヤID211に関連付けて、該プレイヤのゲームプレイの進行状況を示す進行状況情報212、該プレイヤについてゲームで使用可能となっているゲーム要素を示す所有情報213、使用可能となっているゲーム要素各々の強化状況を示す強化状況情報214、及び、該プレイヤに対して付与された報酬(他の種別のゲーム要素であってもよい)を示す報酬情報215を含むものであってよい。
【0081】
ここで、進行状況情報212は、所定のストーリーのいずれの段階まで進行したかを示す進行情報、対戦ゲームの戦績を示す戦績情報等に加え、プレイヤのプレイ状況を評価した評価情報を含むものであってよい。所有情報213は、プレイヤがゲームプレイに際して使用したゲームカードに対応付けられたゲーム要素、即ち、該プレイヤが使用可能な状態にあるゲーム要素の要素ID191が順次追加されて構成され、強化状況情報214は、少なくとも強化が行われている(初期状態からの変更がなされている)ゲーム要素について、該ゲーム要素の要素ID191に関連付けて、強化により変動したパラメータを示す指標としての要素レベルを管理するように構成されるものであってよい。強化状況情報214は、本実施形態では発明の理解を容易にならしめるべく、ゲーム装置1において行われたゲームのプレイ結果が得られた場合に、内容の更新がなされるものとして説明するが、例えばゲーム装置1に際して育成に係る機能が利用されたことによる育成結果の情報が得られたこと等に応じて更新がなされるものであってよい。
【0082】
通信部22は、外部装置との通信インタフェースである。通信部22は、通信回線N(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部22は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、通信回線Nを介してゲーム装置1等の外部装置に送信する。また通信部22は、例えば通信回線Nを介して外部装置から情報を受信する。
【0083】
<ゲーム装置1の動作>
ゲーム装置1の動作を説明する。
図12はゲーム装置1の動作フローチャートである。尚、以下の説明において、対戦ゲームに登録できるカードの最大枚数(上限数)は、パイロットカード(第1ゲーム要素)、搭乗機体カード(第2ゲーム要素)ともに、5枚とする。
【0084】
プレイヤは、対戦ゲームの開始にあたり、ゲーム装置1が有する投入口に、対戦ゲームのサービス実行の代価となる所定の金額の硬貨や相当するコインを投入する。代価検出部15が代価を検出すると(Step 100)、ゲーム実行部113が対戦ゲームのサービスの実行を開始する(Step 101)。
【0085】
続いて、プレイヤはプレイヤカードを、ユーザ情報読取部16に読み取らせる(Step 102)。ユーザ情報読取部16は、プレイヤのプレイヤカードから、プレイヤID211を読み取り、プレイヤID211をサーバ2に送信することにより、サーバ2から、プレイヤID311に関連付けられている進行状況情報212、所有情報213、強化状況情報214、報酬情報215等を受信する。これらの情報は、処理部10に渡される。
【0086】
ゲーム実行部112は、ゲーム要素登録画面を表示する(Step 102)。
図12はゲーム要素登録画面の一例を示した図である。
図13のゲーム要素登録画面では、プレイヤXXXXが保有するゲームカードのうち、パイロットカード、搭乗機体カードを、それぞれ最大5枚まで、第1ゲーム要素読取部12
1~12
5及び第2ゲーム要素読取部13
1~13
5にセット(配置)できること、セット(配置)が完了した場合にセット完了ボタンを押下することを通知するダイアログボックスと、が表示されている。プレイヤは、自己が保有するゲームカードのうち、対戦ゲームに登場させたいパイロットのパイロットカードを第1ゲーム要素読取部12
1~12
5にセット(配置)し、対戦ゲームに登場させたい搭乗機体の搭乗機体カードを第2ゲーム要素読取部13
1~13
5にセット(配置)する。そして、プレイヤは、ゲームカードのセット(配置)が完了すると、セット完了ボタンを押下する。
【0087】
セット完了ボタンが押下されると(Step 104)、第1ゲーム要素読取部121~125及び第2ゲーム要素読取部131~135はゲームカードに印刷された要素IDを読み取り、読み取った要素IDはその第1ゲーム要素読取部121~125及び第2ゲーム要素読取部131~135の読取部IDとともにゲーム要素取得部110に出力される(Step 105)
【0088】
ゲーム要素取得部110はセット(配置)されたゲームカードの要素ID及び読取部IDを取得する。そして、ゲーム要素取得部110は、取得したゲームカードの要素ID191に関連付けられている種別情報192、描画用情報193、パラメータ情報194及びアビリティ情報195を、ゲーム要素DB190から取得し、読取部IDと、要素ID191と、種別情報192と、描画用情報193と、パラメータ情報194と、アビリティ情報195と、を関連付けて、ゲーム実行部112とユニット構成部111に出力する(Step 106)。
【0089】
ゲーム実行部112は、読取部IDのうち第1ゲーム要素読取部121~125の読取部IDの個数をカウントし、第1ゲーム要素が登録可能な最大数(上限数)に達しているかを判定する(Step 107)。例えば、プレイヤは全ての第1ゲーム要素読取部121~125にパイロットカードがセット(配置)されたものとすると、読取部IDは121~125の5個であり、登録可能な最大数(上限数)に達している。
【0090】
ゲーム実行部112は、第1ゲーム要素読取部の読取部IDの個数が登録可能な最大数(上限数)に達している場合、読取部IDのうち第2ゲーム要素読取部131~135の読取部IDの個数をカウントし、第2ゲーム要素が登録可能な最大数(上限数)に達しているかを判定する(Step 108)。例えば、プレイヤは全ての第2ゲーム要素読取部131~135に搭乗機体カードがセット(配置)されたものとすると、読取部IDは131~135の5個であり、登録可能な最大数(上限数)に達している。
【0091】
ゲーム実行部112は、第2ゲーム要素が登録可能な最大数(上限数)に達している場合、対戦承認ボタンを表示し(Step 109)、プレイヤによる対戦の承認が得られると、ユニット構成部111は、ゲーム要素取得部110から取得した、読取部ID、要素ID191、種別情報192、描画用情報193、パラメータ情報194及びアビリティ情報195を用いて、組となる第1ゲーム要素であるパイロットと第2ゲーム要素である搭乗機体とから一つのユニット(部隊)を構成する(Step 110)。
【0092】
尚、第1ゲーム要素又は第2ゲーム要素の登録数が登録最大数(本例では5)に達していない場合(Step 107、Step 108)、ゲーム実行部112により、適時、プレイヤのレベル等に応じたゲーム要素を補充する処理を行い(Step 112)、ユニットを構成する(Step 110)。
【0093】
ユニット構成部111によりユニットの構成が完了すると、ゲーム実行部112は対戦処理を開始する(Step 111)。
【0094】
次に、アビリティを持つユニットのアビリティの発動処理の動作を説明する。
図14はアビリティの発動処理の動作のフローチャートである。以下の説明では、一部の第2ゲーム要素がアビリティを持ち、その第2ゲーム要素を構成要素とするユニットもそのアビリティを持つ例を説明する。そして、そのアビリティは、発動条件を満たした場合にプレイヤの操作により任意に発動するものとする。また、そのアビリティは、プレイヤに指定された対戦プレイヤのユニットを標的(標的ユニット)とし、その標的ユニットを自動追尾し、アビリティ発動ユニットの攻撃範囲内に標的ユニットが侵入すると、自動的に標的ユニットに攻撃(ダメージ)を与えるものである。更に、そのアビリティは、その攻撃(ダメージ)により、標的ユニットを対戦不可能状態にした場合、標的ユニットの修理時間(遷移時間)を長くする効果を有するものとして説明する。以下、このアビリティを「破砕」と記載する。「破砕」の発動は、対戦中に1度しか発動できないものとして説明するが、複数回発動できるようにしても良い。
【0095】
状態管理部113は、アビリティを持つユニットのアビリティの発動条件の判定を行う(Step 200)。アビリティの発動条件は、例えば、プレイヤが保有するコスト、対戦開始からの経過時間などが一定の容量を満たすことである。尚、アビリティの発動条件は、アビリティの種別毎に異なるものであって良い。
【0096】
アビリティを持つユニットがアビリティの発動条件を満たす場合(Step 201)、状態管理部113は、そのユニットがアビリティを発動可能であることを表示する(Step 202)。
図15はアビリティが発動可能であることを告知する一例を示した図である。
図15の例では、アビリティが発動可能であるユニット300を示すようにアビリティ発動告知301を表示している。
【0097】
状態管理部113は、アビリティが発動可能であるユニットに対してアビリティ発動の操作があるかを判定する(Step 203)。
図16はアビリティの発動させる操作の一例を示す図である。
図16の例では、アビリティを発動させるユニット300のアイコンを、プレイヤが上にドラッグ(操作)することにより、アビリティを発動させるユニットとアビリティの発動を指定する。
【0098】
アビリティ発動の操作がある場合(Step 204)、状態管理部113は、アビリティが発動されたユニットを、通常状態からアビリティ発動状態に遷移させる(Step 205)。本例では発動されるアビリティは「破砕」である。そして、状態管理部113はアビリティ「破砕」が発動されたことを、ゲーム実行部112に通知する(Step 206)。
【0099】
アビリティ「破砕」の発動の通知を受けたゲーム実行部112は、アビリティが発動したユニットに対して、アビリティ発動の演出画像を表示する(Step 207)。
図17はアビリティ発動時の演出画像の一例を示した図である。
図17の例では、アビリティ(破砕)が発動したこと、標的ユニットとなる対戦プレイヤのユニットを指定することを告知する演出画像302である。
【0100】
ゲーム実行部112は、アビリティ発動ユニットの標的ユニットの指定を判定する(Step 208)。
図18は標的ユニットの指定する一例を示す図である。
図18の例では、所望する対戦プレイヤのユニットをプレイヤがタッチ操作をすることにより、標的ユニットを指定する例である。ゲーム実行部112は、指定されたユニットが標的ユニット303であること識別可能にターゲットマーク304を付する。また、ゲーム実行部112は、アビリティ発動中のアビリティ発動ユニット300に、他の通常ユニットと視覚的に区別がつくように、アビリティが発動している間、演出画像305を表示する。
【0101】
標的ユニットの指定が完了されると(Step 209)、ゲーム実行部112は、標的ユニットがアビリティ発動ユニットの攻撃範囲内に存在(侵入)しているかを判定する(Step 210)。尚、アビリティ発動ユニットの攻撃範囲の大きさは、
図8に示されるように、アビリティ発動ユニットの攻撃タイプ(近距離攻撃タイプ、遠距離攻撃タイプ)によって異なる。
【0102】
標的ユニットがアビリティ発動ユニットの攻撃範囲内に存在(侵入)している場合(Step 211)、ゲーム実行部112は、アビリティ発動ユニットの標的ユニットに対する攻撃処理を行い(Step 212)、標的ユニットのダメージ判定を行う(Step 213)。尚、ゲーム実行部112は、アビリティ発動ユニットの標的ユニットに対する攻撃処理を行った場合、標的ユニットの対戦可能状態又は対戦不可能状態にかかわらず、状態管理部113にその旨を通知する。
【0103】
ゲーム実行部112は、ダメージにより標的ユニットが対戦不可能状態になっている場合(Step 214)、標的ユニットを対戦不可能状態に遷移させ、標的ユニットが対戦不可能状態になったことを遷移時間管理部114に通知する(Step 215)。そして、ゲーム実行部112は、アビリティ発動ユニットの攻撃により、標的ユニットが対戦不可能状態になったことを理解させるため、撃破演出画像を表示する(Step 216)。
図19は撃破演出画像の一例を示す図である。
図19の例では、標的ユニットを撃破したこと、標的ユニットの修理時間が延長されることを通知する画像となっている。一方、対戦プレイヤ側のゲーム装置1のゲーム実行部112は、アビリティ発動ユニットから攻撃を受け、ユニットが対戦不可能状態になったことを理解させるため、撤退演出画像を表示する(Step 217)。
図20は撤退演出画像の一例を示す図である。
図20の例では、味方ユニットが大破されたこと、自ユニットの修理時間が延長されることを通知する画像となっている。
【0104】
ゲーム実行部112は、遷移時間管理部114から遷移時間の通知を受けて、標的ユニットの修理演出画像を表示する(Step 218)。標的ユニットの修理演出画像の詳細は、後述する。
【0105】
状態管理部113は、ゲーム実行部112からのアビリティ発動ユニットの攻撃処理の実行を受けて、アビリティ発動ユニットを通常ユニットに遷移させる(Step 219)。尚、アビリティ発動ユニットが標的ユニットを対戦不可能状態にすることができなかった場合(Step 214)も、ゲーム実行部112からのアビリティ発動ユニットの攻撃処理の実行を受けて、アビリティ発動ユニットを通常ユニットに遷移させる(Step 219)。
【0106】
次に、遷移時間の管理の動作について説明する。
図21は遷移時間の管理の動作のフローチャートである。
【0107】
遷移時間管理部114は、ゲーム実行部112により、対戦不可能状態となったユニットの報告を受信する(Step 300)。そして、遷移時間管理部114は、その対戦不可能状態の起因となったアビリティの効果の判定を行う(Step 301)。
【0108】
その対戦不可能状態の起因となったアビリティの効果が遷移時間の延長させるものでない場合(Step 302)、遷移時間管理部114は、対戦不可能状態から対戦可能状態に遷移するまでに要する遷移時間T(修理時間)をT1とする(Step 303)。一方、その対戦不可能状態の起因となったアビリティの効果が遷移時間の延長させるものである場合(Step 302)、遷移時間管理部114は、対戦不可能状態から対戦可能状態に復帰するまでに要する遷移時間T(修理時間)を長くするため、T1にT2を加えた(T1+T2)とする(Step 304)。
【0109】
このとき、遷移時間管理部114は、遷移時間Tをゲーム管理部112に通知し、ゲーム管理部112は、その遷移時間Tに応じた演出画像を表示しても良い。
図22はアビリティ「破砕」によって対戦不可能状態になった対戦プレイヤのユニットの修理演出画像の一例を示す図である。
図22の例では、対戦プレイヤのユニットの修理時間がT2時間延長(+T2延長)されていることを示している。これにより、プレイヤは、アビリティ「破砕」によって、対戦プレイヤのユニットの対戦不可能状態にし、修理時間を延長させたことを理解することができる。
【0110】
また、修理演出画像は、具体的に遷移時間(修理時間)の経過がわかるようにしても良い。
図23は遷移時間Tに応じた修理演出画像の一例を示した図である。
図23の例では、通常ユニットとアビリティ発動ユニットとを、修理時間の長短を区別できるように表示した例である。通常ユニットの場合は、修理時間T1であることを明示し、修理時間の経過を円形の矢印で表示し、矢印が他端に接すれば修理時間の終了となる。遷移時間(修理時間)が延長される場合は、修理時間T1と延長修理時間T2とを区別し、まず、延長修理時間T2であることを明示し、修理時間の経過を円形の矢印で表示し、矢印が他端に接して延長修理時間T2が終了すると、続いて、修理時間T1であることを明示し、修理時間の経過を円形の矢印で表示し、矢印が他端に接すれば修理時間の終了となる。このように表示することにより、現在のユニットの修理状況がわかり、また、他の対戦可能なユニットと区別ができ、プレイヤにとっては都合が良い。尚、修理時間T1の表示後に、延長修理時間T2を表示するようにしても良い。
【0111】
遷移時間管理部114は、ユニットの遷移時間Tと経過時間とを比較し(Step 305)、経過時間が遷移時間Tを超えると(Step 306)、その旨をゲーム実行部112に通知する(Step 307)。
ゲーム実行部112は、遷移時間Tが経過したユニットを対戦可能状態に遷移させる(Step 308)。
【0112】
以上で、ゲームの動作の説明を終了する。
【0113】
本実施の形態は、通常のユニット(ゲーム要素)がアビリティを発動することにより、アビリティの効果を有するアビリティ発動ユニットとして強化させる。そして、アビリティ発動ユニットが対戦相手のユニット(ゲーム要素)を撃破して対戦不可能な状態にさせた場合、その対戦相手のユニットの遷移時間(修理時間)を通常ユニットの遷移時間(修理時間)よりも長くしている。これにより、対戦プレイヤのユニットの対戦不可能状態を延ばし、対戦プレイヤの戦略を妨害することができる。また、遷移時間(修理時間)が短い通常ユニットが何度も出撃を繰り返すことを防止し、ゲームが単調になることも防止することができる。そして、プレイヤは、アビリティを持つユニットをいかに活用しながらゲームを進行するかを考える必要があるので、高い戦略性を持つゲームを提供することができる。結果として、本実施の形態によれば、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0114】
<第1の実施の形態の変形例1>
第1の実施の形態では、第1ゲーム要素と第2ゲーム要素とから構成されるユニットが攻撃又は防御の主体となるゲーム要素になる例を説明した。しかし、単体のゲーム要素が単独で攻撃又は防御の主体となるゲームでも適用可能である。
【0115】
<第1の実施の形態の変形例2>
上述した実施の形態では、アビリティ発動ユニットに撃破されたユニットの遷移時間の延長時間T2が固定である場合を説明した。しかし、延長時間T2を可変にしても良い。例えば、アビリティの種別によって異なる延長時間T2を設定しても良い。また、アビリティの発動によってユニットのパラメータが変更される場合、パラメータの変更に応じて延長時間T2を可変にしても良い。例えば、パラメータの上昇率と定数となる時間との乗算値を、延長時間T2としても良い。また、パラメータの上昇を段階的にし、それに対応する延長時間T2を複数設定し、パラメータの上昇に対応する延長時間T2を採用するようにしても良い。
【0116】
このような構成にすることにより、パラメータの上昇が大きいアビリティのユニット(ゲーム要素)は、多くの遷移時間(修理時間)を要することになるので、ゲームバランスの維持という点では好ましい。
【0117】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を説明する。
上述した第1の実施の形態では、アビリティ発動ユニットから対戦不可能状態(撃破)されたユニットの遷移時間(修理時間)を変更する例を説明した。しかし、ユニットがアビリティを発動すると、ユニットのパラメータを変更してアビリティ発動ユニットとして強化することになり、強力なアビリティを持つユニットが再び対戦可能状態になる時間を調整しないと、ゲームバランスを崩す場合がある。そこで、第2の実施の形態では、アビリティ発動ユニットが対戦不可能状態になった場合、そのユニットの遷移時間(修理時間)を変更する例を説明する。
【0118】
第1の実施の形態と異なる点は、アビリティ発動処理と遷移時間管理処理である。
図24は第2の実施の形態のアビリティ発動処理の動作のフローチャートである。尚、以下の説明では、一部の第2ゲーム要素がアビリティを持ち、その第2ゲーム要素を構成要素とするユニットもそのアビリティを持つ例を説明する。そして、そのアビリティは、発動条件を満たした場合にプレイヤの操作により任意に発動するものとし、発動(対戦可能状態)から対戦不可能な対戦不可能状態(撃破)になるまで、そのゲーム要素の攻撃力を2倍に上昇させるが、対戦プレイヤのユニット等の攻撃に対する防御行動又は回避行動をとれない能力である例を説明する。尚、このアビリティは、対戦中に1度しか発動できないものとして説明するが、複数回発動できるようにしても良い。
【0119】
状態管理部113は、アビリティを持つユニットのアビリティの発動条件の判定を行う(Step 400)。アビリティの発動条件は、例えば、プレイヤが保有するコスト、対戦開始からの経過時間などが一定の容量を満たすことである。尚、アビリティの発動条件は、アビリティの種別毎に異なるものであって良い。
【0120】
アビリティを持つユニットがアビリティの発動条件を満たす場合(Step 401)、状態管理部113は、そのユニットがアビリティを発動可能であることを表示する(Step 202)。ビリティを発動可能であることの表示は
図15と同様である。
【0121】
状態管理部113は、アビリティが発動可能であるユニットに対してアビリティ発動の操作があるかを判定する(Step 403)。アビリティの発動操作は
図16と同様である。
【0122】
アビリティ発動の操作がある場合(Step 404)、状態管理部113は、アビリティが発動されたユニットの初期パラメータを変更する(Step 405)。パラメータの変更はそのアビリティ毎に異なるが、例えば、本例では、ユニットの初期攻撃力のパラメータを2倍に変更する。そして、状態管理部113はゲーム実行部112にパラメータの変更を通知する(Step 406)。
【0123】
パラメータの変更の通知を受けたゲーム実行部112は、アビリティが発動したユニットに対して、アビリティ発動の演出画像を表示する(Step 407)。
【0124】
ゲーム実行部112は、ユニットの状態判定を行う(Step 408)。状態の判定は、アビリティ発動ユニットが対戦可能状態であるか、又は、対戦不可能状態であるかの判定である。
【0125】
ゲーム実行部112は、アビリティ発動ユニットが対戦可能状態である場合(Step 409)、その変更後のパラメータを維持し(Step 410)、状態判定を継続する(Step 408)。一方、アビリティ発動ユニットが対戦不可能状態である場合(Step 209)、状態管理部113及び遷移時間管理部114に通知する。状態管理部113は、パラメータを初期パラメータに変更し(Step 411)、ゲーム実行部112にパラメータの変更を通知する(Step 412)。
【0126】
パラメータの変更の通知を受けたゲーム実行部112は、ユニットに対して演出画像の表示を中止する(Step 413)。
続いて、遷移時間の管理の動作について説明する。
図25は第2の実施の形態における遷移時間の管理の動作のフローチャートである。
【0127】
遷移時間管理部114は、ゲーム実行部112により、対戦不可能状態となったユニットの報告を受信する(Step 500)。そして、遷移時間管理部114は、対戦不可能状態となったユニットがアビリティ発動ユニットであるかを判定する(Step 501)。
【0128】
対戦不可能状態となったユニットがアビリティ発動ユニットでない場合(Step 502)、遷移時間管理部114は、対戦不可能状態から対戦可能状態に遷移するまでに要する遷移時間T(修理時間)をT1とする(Step 503)。一方、対戦不可能状態となったユニットがアビリティ発動ユニットである場合(Step 502)、遷移時間管理部114は、対戦不可能状態から対戦可能状態に復帰するまでに要する遷移時間T(修理時間)を長くするため、T1にT2を加えた(T1+T2)とする(Step 504)。
【0129】
このとき、遷移時間管理部114は、遷移時間Tをゲーム管理部112に通知し、ゲーム管理部112は、その遷移時間Tに応じた演出画像を表示しても良い。例えば、
図23のような演出画像である。これにより、プレイヤは自己のユニットの修理時間が延長されたことを理解することができる。
【0130】
遷移時間管理部114は、ユニットの遷移時間Tと経過時間とを比較し(Step 505)、経過時間が遷移時間Tを超えると(Step 506)、その旨をゲーム実行部112に通知する(Step 507)。
ゲーム実行部112は、遷移時間Tが経過したユニットを対戦可能状態に遷移させる(Step 508)。
以上で、ゲームの動作の説明を終了する。
【0131】
第2の実施の形態は、通常のユニット(ゲーム要素)がアビリティを発動することにより、ユニット(ゲーム要素)のパラメータを変更してユニット(ゲーム要素)をアビリティ発動ユニットとして強化させるが、そのアビリティ発動ユニットが撃破されて対戦不可能な状態になった場合、対戦不可能状態から対戦可能状態に遷移させる遷移時間(修理時間)を通常ユニットの遷移時間(修理時間)よりも長くしている。これにより、強力なアビリティを持つユニットが再び対戦可能状態になるまでの時間を調整し、ゲームバランスの崩れを防止する。また、上述のように構成することにより、プレイヤはいかにアビリティを持つユニットを生かしながら対戦するかを考えなければならず、高い戦略性を持つゲームを提供することができる。結果として、本実施の形態によれば、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0132】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下には限られない。
【0133】
[付記1]
ゲームをコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ゲームに登場させるゲーム要素を登録するゲーム要素登録手段、
登録されたゲーム要素の対戦可能な対戦可能状態及び対戦不可能な対戦不可能状態を管理する対戦管理手段、
登録されたゲーム要素の通常状態及び特定状態を管理する状態管理手段、
プレイヤの前記特定状態にあるゲーム要素により、対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態から前記対戦可能状態に遷移するのに要する遷移時間を変更する遷移時間管理手段、
として機能させるプログラム。
【0134】
[付記2]
前記遷移時間管理手段は、前記プレイヤの前記通常状態にあるゲーム要素により、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記遷移時間を変更しない、
付記1に記載のプログラム。
【0135】
[付記3]
前記遷移時間の変更は、前記遷移時間を長くする変更である、
付記1又は付記2に記載のプログラム。
【0136】
[付記4]
前記特定状態は、前記プレイヤのゲーム要素が前記対戦プレイヤのゲーム要素を標的として追尾し、標的とされた前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記プレイヤのゲーム要素の攻撃範囲内に進入すると、前記プレイヤのゲーム要素が前記標的とされたゲーム要素に対して攻撃可能な状態である、
付記1から付記3のいずれかに記載のプログラム。
【0137】
[付記5]
前記攻撃範囲は、前記プレイヤのゲーム要素の種別によって異なる、
付記1から付記4のいずれかに記載のプログラム。
【0138】
[付記6]
前記遷移時間管理手段は、
前記プレイヤの前記通常状態にあるゲーム要素により、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態から前記対戦可能状態に遷移するのに要する第1遷移時間が設定され、
前記プレイヤの前記特定状態にあるゲーム要素により、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記第1遷移時間に第2遷移時間を加えた時間に前記遷移時間を変更する、
付記1から付記5のいずれかに記載のプログラム。
【0139】
[付記7]
前記第2遷移時間は、一定時間である、
付記1から付記6のいずれかに記載のプログラム。
【0140】
[付記8]
前記コンピュータを、
前記プレイヤの前記特定状態にあるゲーム要素により前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した旨と、前記遷移時間が変更された旨と、の通知を提示する提示手段として機能させる、
付記1から付記7のいずれかに記載のプログラム。
【0141】
[付記9]
前記遷移時間が変更されたことの通知は、前記遷移時間が延長された旨の通知である、
付記1から付記8のいずれかに記載のプログラム。
【0142】
[付記10]
前記提示手段は、前記第1遷移時間と前記第2遷移時間とが識別可能に、前記遷移時間の経過を提示する、
付記1から付記9のいずれかに記載のプログラム。
【0143】
[付記11]
前記提示手段は、加えられる前記第2遷移時間を明示する、
付記1から付記10のいずれかに記載のプログラム。
【0144】
[付記12]
前記提示手段は、前記通常状態のゲーム要素と前記特定状態のゲーム要素とを視覚的に区別して提示する、
付記1から付記11のいずれかに記載のプログラム。
【0145】
[付記13]
前記状態管理手段は、所定の発動条件を満たしたことを条件に、前記ゲーム要素を前記通常状態から前記特定状態に変更する、
付記1から付記12のいずれかに記載のプログラム。
【0146】
[付記14]
前記コンピュータを、ゲーム要素を操作可能な操作手段として更に機能させ、
前記状態管理手段は、前記操作手段により、前記特定状態に変更するゲーム要素を指定する操作を条件として、指定されたゲーム要素を前記特定状態に変更する、
付記1から付記13のいずれかに記載のプログラム。
【0147】
[付記15]
前記対戦不可能状態は、前記操作手段により操作不可能な状態であり、
前記対戦可能状態は、前記操作手段により操作可能な状態である、
付記1から付記14のいずれかに記載のプログラム。
【0148】
[付記16]
ゲームに登場させるゲーム要素を登録するゲーム要素登録手段と、
登録されたゲーム要素の対戦可能な対戦可能状態及び対戦不可能な対戦不可能状態を管理する対戦管理手段と、
登録されたゲーム要素の通常状態及び特定状態を管理する状態管理手段と、
プレイヤの前記特定状態にあるゲーム要素により、対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態に遷移した場合、前記対戦プレイヤのゲーム要素が前記対戦不可能状態から前記対戦可能状態に遷移するのに要する遷移時間を変更する遷移時間管理手段と、
を備えるゲーム装置。
【0149】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【符号の説明】
【0150】
1 ゲーム装置
2 サーバ
10 処理部
11 表示部
121~125 第1ゲーム要素読取部
131~135 第2ゲーム要素読取部
14 操作入力部
15 代価検出部
16 ユーザ情報読取部
17 音出力部
18 通信部
19 記憶部
110 ゲーム要素取得部
111 ユニット構成部
112 ゲーム実行部
113 状態管理部
114 遷移時間管理部