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特許7604552情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/00 20180101AFI20241216BHJP
【FI】
G16H30/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023070598
(22)【出願日】2023-04-24
(62)【分割の表示】P 2018201985の分割
【原出願日】2018-10-26
(65)【公開番号】P2023089277
(43)【公開日】2023-06-27
【審査請求日】2023-05-17
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、医療機器開発推進研究事業「非線形位置合わせに基づく経時差分画像を用いた骨転移検出支援を行うためのソフトウェアの開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】八上 全弘
(72)【発明者】
【氏名】久保 武
(72)【発明者】
【氏名】西尾 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】石川 亮
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-198723(JP,A)
【文献】特開2018-147387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像と、前記第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日および前記第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日と、を取得する取得手段と、
前記第一の検査日と前記第二の検査日との間の期間内に前記被検体に対して行われた診療に関する診療情報を、該診療情報に含まれる診療日を参照することにより、記憶部から検索する検索手段と、
前記比較画像と前記検索された診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記検索手段は、前記比較画像に対して描出された部位を検出し、該部位の情報を含む診療情報を、前記診療情報に含まれる診療内容を参照することにより、検索することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記診療情報は診療内容の項目を含んで前記記憶部に記憶されており、
前記検索手段は、前記診療内容の項目を参照することにより、前記診療内容に薬物治療および外科治療の少なくとも1つを含む診療情報を、前記記憶部から検索することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記比較画像は、前記第一の検査日および前記第二の検査日が関連付けられて前記記憶部に記憶されており、
前記取得手段は、前記比較画像に基づいて前記記憶部を参照し、前記比較画像に関連づけられた前記第一の検査日と前記第二の検査日とを取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第一の検査日及び前記第二の検査日に関する入力を受け付ける受付手段
を更に有し、
前記取得手段は、前記入力を受け付けた第一の検査日に基づいて特定される前記第一の検査画像と、前記入力を受け付けた第二の検査日に基づいて特定される前記第二の検査画像とを用いて生成される前記比較画像を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記比較画像は、前記第一の検査画像と前記第二の検査画像との間の差分を示す画像であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記比較画像と前記検索された診療情報とを関連付けて記録する記録手段
を更に有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、複数の被検体の診療情報が記憶されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記検索手段は、前記記憶部に記憶された前記診療情報のうち、前記第一の検査日と前記第二の検査日との間の検査日を有する診療情報を検索することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像と、前記第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日および前記第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日と、前記被検体に対して行われた診療に関する診療情報と、を取得する取得手段と、
前記比較画像と前記診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段と、
前記第一の検査日と前記第二の検査日との間の期間内に前記診療情報に関する診療が行われたか否かを、前記診療情報に含まれる診療日を参照することにより判定する判定手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記判定手段により、前記期間内に診療が行われたと判定された診療情報を他の診療情報とは識別可能な形態で前記表示部に表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
診療日を含む複数の診療情報を取得する第一の取得手段と、
複数の診療情報の診療日を包含する期間を用いて、記憶部に記憶されている複数の検査画像に付帯する検査日の情報を参照することにより特定した、前記記憶部から前記期間より前の検査日を付帯する第一の検査画像と、前記期間より後の検査日を付帯する第二の検査画像と、を取得する第二の取得手段と、
前記第一の検査画像と前記第二の検査画像とを比較するための比較画像を生成する処理を実行し、前記第一の検査画像と前記第二の検査画像との間の変化を表す画像を前記比較画像として生成する比較画像生成手段と、
前記比較画像と前記複数の診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
診療日を含む複数の診療情報を取得する第一の取得手段と、
複数の診療情報の診療日を包含する期間を用いて、記憶部に記憶されている複数の検査画像に付帯する検査日の情報を参照することにより特定した、前記記憶部から前記期間より前の第一の検査日と前記期間より後の第二の検査日と、を取得する第三の取得手段と、
前記第一の検査日と前記第二の検査日とを用いて、前記記憶部から前記第一の検査日に対応する第一の検査画像と前記第二の検査日に対応する第二の検査画像との間の変化を表す画像である比較画像を取得する比較画像取得手段と、
前記比較画像と前記複数の診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
前記複数の診療情報は、特定の患者IDおよび患者名の少なくともいずれかに関連づけられており、前記第一の取得手段は、ユーザにより指定された前記特定の患者IDおよび患者名の少なくともいずれかを参照することで、前記記憶部から前記複数の診療情報を取得する請求項11または12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記比較画像は、前記第一の検査画像と、前記第二の検査画像と、の差分を示す差分画像であることを特徴とする請求項11~13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像と、前記第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日および前記第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日と、を取得する取得ステップと、
前記第一の検査日と前記第二の検査日との間の期間内に前記被検体に対して行われた診療に関する診療情報を、該診療情報に含まれる診療日を参照することにより、記憶部から検索する検索ステップと、
前記比較画像と前記検索された診療情報とを表示部に表示させる表示制御ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像と、前記第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日および前記第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日と、前記被検体に対して行われた診療に関する診療情報とを取得する取得ステップと、
前記比較画像と前記診療情報とを表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記第一の検査日と前記第二の検査日との間の期間内に前記診療情報に関する診療が行われたか否かを、前記診療情報に含まれる診療日を参照することにより判定する判定ステップと、
を有し、
前記表示制御ステップは、前記期間内に診療が行われたと判定された診療情報を他の診療情報とは識別可能な形態で前記表示部に表示させることを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
診療日を含む複数の診療情報を取得する第一の取得ステップと、
複数の診療情報の診療日を包含する期間を用いて、記憶部に記憶されている複数の検査画像に付帯する検査日の情報を参照することにより特定した、前記記憶部から前記期間より前の検査日を付帯する第一の検査画像と前記期間より後の検査日を付帯する第二の検査画像と、を取得する第二の取得ステップと、
前記第一の検査画像と前記第二の検査画像とを比較するための比較画像を生成する処理を実行し、前記第一の検査画像と前記第二の検査画像との間の変化を表す画像を前記比較画像として生成する比較画像生成ステップと、
前記比較画像と前記複数の診療情報とを表示部に表示させる表示制御ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
診療日を含む複数の診療情報を取得する第一の取得ステップと、
複数の診療情報の診療日を包含する期間を用いて、記憶部に記憶されている複数の検査画像に付帯する検査日の情報を参照することにより特定した前記記憶部から前記期間より前の第一の検査日と前記期間より後の第二の検査日とを取得する第三の取得ステップと、
前記第一の検査日と前記第二の検査日とを用いて、前記記憶部から前記第一の検査日に対応する第一の検査画像と前記第二の検査日に対応する第二の検査画像との間の変化を表す画像である比較画像を取得する比較画像取得ステップと、
前記比較画像と前記複数の診療情報とを表示部に表示させる表示制御ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項19】
前記複数の診療情報は、特定の患者IDおよび患者名の少なくともいずれかに関連づけられており、前記第一の取得ステップは、ユーザにより指定された前記特定の患者IDおよび患者名の少なくともいずれかを参照することで、前記記憶部から前記複数の診療情報を取得するように実行される請求項17または18に記載の情報処理方法。
【請求項20】
請求項15~19のいずれか1項に記載の情報処理方法が有する各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野において、医師は、種々のモダリティで撮影した医用画像を用いて診断を行う。特に、被検体の状態の経過観察のため、異なる時刻に同一のモダリティで撮影された複数の画像を医師が対比して被検体の経時的な変化の観察が行われている。被検体の経時的な変化を医師が観察するのを支援する方法として、特許文献1では、基準画像から他方の比較画像の差分をとった差分画像を提示することで、病変等の経時変化を可視化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-126575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、実診療において、経時変化を画像で確認するとともに、関連する診療情報を同時に参照するためには、診療情報の検索操作を行うなどの煩わしさがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像と、前記第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日および前記第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日と、を取得する取得手段と、前記第一の検査日と前記第二の検査日との間の期間内に前記被検体に対して行われた診療に関する診療情報を、該診療情報に含まれる診療日を参照することにより、記憶部から検索する検索手段と、前記比較画像と前記検索された診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像と、前記第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日および前記第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日と、前記被検体に対して行われた診療に関する診療情報と、を取得する取得手段と、前記比較画像と前記診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段と、前記第一の検査日と前記第二の検査日との間の期間内に前記診療情報に関する診療が行われたか否かを、前記診療情報に含まれる診療日を参照することにより判定する判定手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記判定手段により、前記期間内に診療が行われたと判定された診療情報を他の診療情報とは識別可能な形態で前記表示部に表示させることを特徴とする。
さらにまた、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、診療日を含む複数の診療情報を取得する第一の取得手段と、複数の診療情報の診療日を包含する期間を用いて、記憶部に記憶されている複数の検査画像に付帯する検査日の情報を参照することにより特定した、前記記憶部から前記期間より前の検査日を付帯する第一の検査画像と、前記期間より後の検査日を付帯する第二の検査画像と、を取得する第二の取得手段と、前記第一の検査画像と前記第二の検査画像とを比較するための比較画像を生成する処理を実行し、前記第一の検査画像と前記第二の検査画像との間の変化を表す画像を前記比較画像として生成する比較画像生成手段と、
前記比較画像と前記複数の診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の実施形態に関わる情報処理装置は、診療日を含む複数の診療情報を取得する第一の取得手段と、
複数の診療情報の診療日を包含する期間を用いて、記憶部に記憶されている複数の検査画像に付帯する検査日の情報を参照することにより特定した、前記記憶部から前記期間より前の第一の検査日と前記期間より後の第二の検査日とを取得する第三の取得手段と、
前記第一の検査日と前記第二の検査日とを用いて、前記記憶部から前記第一の検査日に対応する第一の検査画像と前記第二の検査日に対応する第二の検査画像との間の変化を表す画像である比較画像を取得する比較画像取得手段と、
前記比較画像と前記複数の診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る情報処理方法は、被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像と、前記第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日および前記第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日と、を取得する取得ステップと、前記第一の検査日と前記第二の検査日との間の期間内に前記被検体に対して行われた診療に関する診療情報を、該診療情報に含まれる診療日を参照することにより、記憶部から検索する検索ステップと、前記比較画像と前記検索された診療情報とを表示部に表示させる表示制御ステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る情報処理方法は、被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像と、前記第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日および前記第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日と、前記被検体に対して行われた診療に関する診療情報とを取得する取得ステップと、前記比較画像と前記診療情報とを表示部に表示させる表示制御ステップと、前記第一の検査日と前記第二の検査日との間の期間内に前記診療情報に関する診療が行われたか否かを、前記診療情報に含まれる診療日を参照することにより判定する判定ステップと、を有し、前記表示制御ステップは、前記期間内に診療が行われたと判定された診療情報を他の診療情報とは識別可能な形態で前記表示部に表示させることを特徴とする。
さらにまた、本発明の実施形態に係る情報処理方法は、診療日を含む複数の診療情報を取得する第一の取得ステップと、
複数の診療情報の診療日を包含する期間を用いて、記憶部に記憶されている複数の検査画像に付帯する検査日の情報を参照することにより特定した、前記記憶部から前記期間より前の検査日を付帯する第一の検査画像と前記期間より後の検査日を付帯する第二の検査画像と、を取得する第二の取得ステップと、
前記第一の検査画像と前記第二の検査画像とを比較するための比較画像を生成する処理を実行し、前記第一の検査画像と前記第二の検査画像との間の変化を表す画像を前記比較画像として生成する比較画像生成ステップと、
前記比較画像と前記複数の診療情報とを表示部に表示させる表示制御ステップと、
を有することを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る情報処理方法は、診療日を含む複数の診療情報を取得する第一の取得ステップと、
複数の診療情報の診療日を包含する期間を用いて、記憶部に記憶されている複数の検査画像に付帯する検査日の情報を参照することにより特定した前記記憶部から前記期間より前の第一の検査日と前記期間より後の第二の検査日とを取得する第三の取得ステップと、
前記第一の検査日と前記第二の検査日とを用いて、前記記憶部から前記第一の検査日に対応する第一の検査画像と前記第二の検査日に対応する第二の検査画像との間の変化を表す画像である比較画像を取得する比較画像取得ステップと、
前記比較画像と前記複数の診療情報とを表示部に表示させる表示制御ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、異なる検査日に撮影された検査画像の比較と、それに関連する診療情報とを効率的にユーザに提示できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一の実施形態に係る医療情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2】第一の実施形態における全体の処理手順を示すフロー図である。
図3】第一の実施形態におけるステップS1010の処理を詳しく説明する図である。
図4】第一の実施形態におけるステップS1050の処理を詳しく説明する図である。
図5】第二の実施形態に係る医療情報処理システムの全体構成を示す図である。
図6】第二の実施形態における全体の処理手順を示すフロー図である。
図7】第三の実施形態に係る医療情報処理システムの全体構成を示す図である。
図8】第三の実施形態における全体の処理手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0009】
[第一の実施形態]
第一の実施形態に係る医療情報処理システムは医療機関における医師や技師などのユーザに対して以下の機能を提供する。すなわち、医療情報処理システムは、ユーザが医療的な処置を行おうとする対象患者(注目被検体)に関する過去の検査画像と、診療情報とを観察および参照可能にする。さらに、ユーザが過去の検査画像として、異なる複数の日時に夫々撮影された検査画像を選択した際に、その複数の検査画像を比較して観察するのに好適な比較画像を生成して表示する。さらに、その比較画像と医学的に関係の深い診療情報を参照可能にする。ここで、複数の検査画像を比較して観察するのに好適な比較画像とは、例えば経時差分画像(以下、差分画像と称する。)である。また、比較画像と医学的に関係の深い診療情報とは、例えば比較画像を生成する際に用いた複数の検査画像の検査日の期間内の診療情報である。つまり、比較画像の生成・表示により、その検査の期間内に当該患者に生じた検査画像上の変化をユーザが視認し易くすると共に、その変化と医学的な因果関係になりうる関連性の高い診療情報を参照可能にする。これによりユーザの作業効率が高められる。
【0010】
図1は、第一の実施形態に係る医療情報処理システムの全体構成を示す図である。医療情報処理システムは、医療情報処理装置10(情報処理装置)、診療情報データベース22、検査画像データベース23を含み、これらの装置は、通信手段を介して互いに通信可能に接続されている。本実施形態においては、通信手段はLAN(Local AreaNetwork)21で構成されるが、WAN(Wide Area Network)であってもよい。また、接続方法は、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
【0011】
診療情報データベース22は、複数の患者に関する過去の複数の診療情報を保持する。各診療情報には、患者名(患者ID)、診療日(診療日時であってもよい)、診療内容(検査名・検査結果、診断名、読影レポート情報、投薬情報、治療情報、患者主訴など)が含まれる。なお、診療情報に含まれるこれらの情報はあくまで一例であり、これに限定されない。また各診療情報には他の診療情報と識別可能とするための固有番号(診療情報ID)が付され、それに基づいて医療情報処理装置10よる情報の読み出しが行える。前記の情報の読み出し以外にも診療情報データベース22は医療情報処理装置10と連携して、一覧表示やサマリ表示、検索、書き込みなどの機能が提供される。
【0012】
検査画像データベース23は、複数の患者に関する複数の検査画像とその付帯情報を保持する。検査画像とは、例えばCTやMRI等の画像診断装置(モダリティ)で撮影した医用画像であり、二次元や三次元、モノクロームやカラーなどの様々な画像が対象となりうる。また検査画像の付帯情報とは、患者名(患者ID)や検査日情報(検査画像を撮影した日付)、検査画像の撮影モダリティ名などである。検査日情報は検査画像を撮影した日付だけでなく撮影した時刻が含まれていても良い。すなわち、検査日時であってもよい。なお、付帯情報の具体例は、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)規格により定められた、検査画像内のDICOMタグであるが、これに限らない。検査画像に基づいて特定可能な情報であればよい。また、付帯情報に含まれるこれらの情報はあくまで一例であり、これに限定されない。また、各々の検査画像およびその付帯情報には、他との識別を可能にするために、固有の番号(検査画像ID)が付され、それに基づいて医療情報処理装置10による情報の読み出しが行える。検査画像が複数の二次元断層画像によって構成される三次元ボリューム画像の場合には、各二次元断層画像および、それらの集合である三次元ボリューム画像の夫々に対して検査画像IDが付されている。検査画像データベース23は、前記の情報の読み出し以外にも、医療情報処理装置10と連携して検査画像の一覧表示や、サムネイル表示、検索、情報の書き込み等の機能が提供される。
【0013】
医療情報処理装置10は、診療情報データベース22や検査画像データベース23が保持する情報を、LAN21を介して取得する。医療情報処理装置10は、その機能的な構成として、通信IF31、ROM32、RAM33、記憶部34、操作部35、表示部36、制御部37を具備する。
【0014】
通信IF(Interface)31は、例えば、LANカード等で実現され、LAN21を介した外部装置(例えば、診療情報データベース22及び検査画像データベース23)と医療情報処理装置10との間の通信を司る。ROM(Read Only Memory)32は、不揮発性のメモリ等で実現され、各種プログラム等を記憶する。RAM(Random Access Memory)33は、揮発性のメモリ等で実現され、各種情報を一時的に記憶する。記憶部34は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等で実現され、各種情報を記憶する。操作部35は、例えば、キーボードやマウス等で実現され、ユーザからの指示を装置内に入力する。表示部36は、例えば、ディスプレイ等で実現され、各種情報をユーザ(例えば、医師)に向けて表示する。操作部35や表示部36は制御部37からの制御によりグラフィカルユーザインターフェース(GUI)としての機能が提供される。
【0015】
制御部37は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等で実現され、医療情報処理装置10における処理を統括制御する。制御部37には、その機能的な構成として、検査画像取得部41、検査日取得部42、診療情報取得部43、比較画像生成部44、表示処理部45を具備する。
【0016】
検査画像取得部41は、操作部35によって入力されるユーザの操作に従って、通信IF31とLAN21を介して検査画像データベース23から当該患者の検査画像を取得する。そして、検査画像取得部41は、取得した検査画像を検査日取得部42、比較画像生成部44へ出力する。
【0017】
検査日取得部42は、検査画像取得部41が取得した検査画像の検査日の情報を取得する。そして、検査日取得部42は、取得した検査日の情報を診療情報取得部43へ出力する。
【0018】
診療情報取得部43は、検査日取得部42が取得した検査日の情報に基づいて後述する処理を行い、ユーザに提示する診療情報を通信IF31とLAN21を介して診療情報データベース22から読み出す。そして、診療情報取得部43は、読み出した診療情報を表示処理部45へ出力する。
【0019】
比較画像生成部44は、検査画像取得部41が取得した検査画像に基づいて後述する処理を行い、比較画像を生成する。なお、あらかじめ生成された比較画像を取得してもよい。そして、比較画像生成部44は、生成した比較画像を表示処理部45へ出力する。
【0020】
表示処理部45は、比較画像生成部44が生成した比較画像と、診療情報取得部43が取得した診療情報とを表示部36に表示する。
【0021】
なお、制御部37が具備する各部の少なくとも一部は独立した装置として実現してもよい。また、夫々が機能を実現するソフトウェアとして実現してもよい。この場合、機能を実現するソフトウェアは、クラウドをはじめとするネットワークを介したサーバ上で動作してもよい。本実施形態では各部はローカル環境におけるソフトウェアにより夫々実現されているものとする。
【0022】
次に図2を用いて、本実施形態における医療情報処理装置10による全体の処理手順を詳細に説明する。また、以下では、検査画像としてCT画像を用いる場合を例として説明するが、本発明の実施はこれに限定されるものではない。
【0023】
(ステップS1010)<検査画像の取得>
ステップS1010において、検査画像取得部41は、処理の対象とする検査画像を検査画像データベース23から取得する処理を実行する。この処理は、操作部35や表示部36により提供されるGUIによりユーザから操作を受け付けることで実行される。例えば図3(A)に示すような画面を表示部36に表示し、操作部35を介してユーザからの入力を受け付けるGUIにより実現できる。この時、ユーザが図3(A)の患者ID入力欄110に観察対象とする患者のIDを入力したうえで検索ボタン115を押すことで、制御部37は、検査画像取得部41を介して検査画像データベース23と情報の送受信を行う。そして、検査画像データベース23内に存在する当該患者の検査画像を検索し、その結果を図3(B)に示すように検査画像のサムネイル一覧120として表示することでユーザに提示する。この時、サムネイル一覧120には当該患者に関する過去の複数の検査における検査画像がサムネイルの状態で一覧表示される。この時、各サムネイルに検査画像の付帯情報を付記するように表示しても良い。例えば、各検査画像の検査日をサムネイル画像の近くやサムネイル画像に重畳して表示しても良い。
【0024】
上記の例では患者IDを用いて観察対象とする患者を検索する場合を例として説明したが本発明の実施はこれに限らず、患者名で検索できるようにしても良い。この場合、観察対象の患者の姓、名の何れか一方を条件として検索できるようにしても良い。検索の結果、複数の患者が該当する場合には、該当する複数の患者のリストをポップアップ画面などに表示した上で、そのポップアップ画面上のリストの中から観察対象とする患者を選択できるGUIを備えても良い。
【0025】
このGUIはさらにユーザの操作によりサムネイル一覧120から所望の2個の検査画像(第一の検査画像および第二の検査画像)の選択を受け付けることができる。具体的には操作部35であるマウス操作により、サムネイル一覧120から各サムネイル画像の選択、非選択を切り替えられるようにする。そして、選択完了ボタン125をマウスでクリックした際のサムネイル画像の選択状態からユーザが観察対象とする患者の第一の検査画像および第二の検査画像を取得する。この時、ユーザの選択が所定の条件を満たしていない場合には警告等を表示するとともに、ユーザに選択をやり直すことを促す表示を行う。この所定の条件とは、例えば選択した画像の個数が2個でない場合や、選択した2個の画像の撮影装置の種類が異なる場合などである。それ以外にも、選択した2個の画像の検査日に関して、検査日が同一ではない、検査日の間隔が所定の範囲以内である、などの条件を用いても良い。また、サムネイル一覧120からユーザが1個の検査画像を選択した場合に、前記条件を満たすような組となる検査画像だけを追加して選択できるようにしても良い。また、他の何れの画像とも検査画像の組としての条件を満たさない検査画像はサムネイル一覧120に表示しないようにしても良い。
【0026】
また本発明の実施は上述の例に限定されない。例えば、観察対象の患者に関する検査画像の検査日の一覧を表示し、その検査日の一覧から処理の対象とする検査画像の検査日(第一の検査日と第二の検査日)をユーザが指定できるように、検査日に関する入力を受け付ける受付手段を持つようにしても良い。この場合、受け付けた検査日の検査画像を処理の対象とする。そして、後述するステップS1020では、第一の検査日に基づいて特定される第一の検査画像と、第二の検査日に基づいて特定される第二の検査画像とを用いて生成される比較画像を取得する。また、後述するステップS1030で行う検査画像の検査日の取得処理は省略でき、上記の処理で受け付けたユーザが指定する検査日に基づいてステップS1040以降の処理を実行する。
【0027】
上記に説明した処理により検査画像取得部41は第一の検査画像および第二の検査画像の情報(画像データ、付帯情報)を検査画像データベース23から読み出し、医療情報処理装置10はROM32、RAM33、記憶部34などを用いてこれを保持する。
【0028】
(ステップS1020)<比較画像の生成>
ステップS1020において、比較画像生成部44は、ステップS1010で取得した第一の検査画像と第二の検査画像とを比較するための比較画像を生成する処理を実行する。すなわち、比較画像生成部44は、被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像を取得する取得手段の一例に相当する。比較画像を生成する方法としては、例えば第一の検査画像と第二の検査画像の間の差分を示す差分画像を比較画像として生成するようにできる。この場合、第一の検査画像と第二の検査画像の夫々に描出される被検体の位置・形状の違い(変形)や、画像間の画質の差異などを吸収した上で差分処理を行うことが望ましい。画像間の変形の補正や画質の差異の吸収は公知のいかなる手法を用いて実行しても良く、ここでは詳細な説明は省略する。
【0029】
比較画像を生成する方法はこれに限らず、例えば、第一の検査画像と第二の検査画像を重ね合わせた重畳画像を比較画像として生成しても良い。この場合、第一の検査画像と第二の検査画像に異なる色チャンネルを割り当て、それらを混合したカラー画像として重畳画像を生成するようにできる。また、比較画像を生成する方法はこれに限らず、例えば第一の検査画像と第二の検査画像とを並べた画像を比較画像として生成しても良い。
【0030】
以上の処理により比較画像生成部44は比較画像を生成し、医療情報処理装置10はそれを保持する。なお、本実施形態では、ステップS1010でユーザから検査画像に対する選択を受け付けた後に、比較画像を生成する処理を説明したが、あらかじめ比較画像が生成されているのであれば、新たに比較画像を生成せずに、生成済みの比較画像を取得してもよい。
【0031】
(ステップS1030)<検査日の取得>
ステップS1030において、検査日取得部42は、ステップS1010で取得した第一の検査画像と第二の検査画像の夫々の検査日を取得する処理を実行する。前述のとおり、第一の検査画像および第二の検査画像の夫々には、付帯情報として、各画像の検査日(画像の撮影日)が記録されており、本処理ステップでは、第一の検査画像および第二の検査画像の夫々の検査日を付帯情報から取得する。なお、本実施形態では検査日を用いるが、検査日時や撮影日時であってもよい。第一の検査画像から取得した検査日を第一の検査日、第二の検査画像から取得した検査日を第二の検査日と称する。
【0032】
本実施形態では第一の検査日が2010/04/25、第二の検査日が2014/08/21の場合を例として、以後の説明を行う。
【0033】
(ステップS1040)<診療情報の検索>
ステップS1040において、診療情報取得部43は、ステップS1030で取得した第一の検査日および第二の検査日に基づき、比較画像と共に参照するのに好適な診療情報を診療情報データベース22から取得する処理を実行する。具体的には以下の手順で処理を実行する。
【0034】
まず、診療情報取得部43は、診療情報データベース22に記録されている複数の診療情報の中から、ステップS1010で取得した検査画像の対象の患者と、同一患者の診療情報だけを検索により取得する。この処理はステップS1010で取得した検査画像の付帯情報である患者IDを参照し、それと同一の患者IDが付された診療情報を検索することで実行される。
【0035】
次に、診療情報取得部43は、前記検索結果の中から、ステップS1030で取得した第一の検査日および第二の検査日に基づき、第一の検査日と第二の検査日との間の期間内に行われた診療に関する診療情報を抽出する。すなわち、診療情報取得部43は、第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日と第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日とに基づいて定められる期間内に被検体に対して行われた診療に関する診療情報を検索する検索手段の一例に相当する。この処理は、各診療情報の付帯情報である診療日と第一の検査日および第二の検査日の前後関係を計算することで実行される。この時、第一の検査日と同一の日付の診療情報や、第二の検査日と同一の日付の診療情報も検索の結果に含めるようにしても良いし、それを除外するようにしても良い。すなわち、前記期間とは、第一の検査日と第二の検査日とを含む、第一の検査日から第二の検査日までの期間であってもよいし、第一の検査日と第二の検査日とを含まない、第一の検査日から第二の検査日までの期間であってもよい。
【0036】
診療情報取得部43は、上記の手順によって最終的に抽出された診療情報を記録する。具体的には抽出された診療情報の診療情報IDを記録する。抽出された診療情報が複数ある場合にはそれぞれの診療情報IDを記録する。
【0037】
上記の例では診療情報データベース22に記録されている複数の診療情報の中から、患者IDと診療日に基づいて対象とする診療情報を抽出する場合について説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、検査画像に変化をもたらす可能性の高い処置内容が記載された診療情報に限定して抽出を行うようにしても良い。例えば、がん患者などに対して病巣を縮小させる効果のある薬物治療を行った事が記載された診療情報は、当該患者の検査画像の変化と医学的な関係性が高い。また、患者に対する外科的な治療(外科治療)や放射線治療を施した事が記載された診療情報は、当該患者の検査画像の変化と関連性が高い。上記のように検査画像の変化と関係性の高い診療情報に限定して抽出するようにしても良い。例えば、比較画像の中で差異が大きく現れている患者の人体上の部位を検出し、当該部位に関する処置に関する情報を含む診療情報を抽出するようにできる。すなわち、この処理は、期間に基づいて検索される診療情報のうち、第一の検査画像と第二の検査画像との間の変化に影響を与えた可能性のある診療内容を示す診療情報を検索することを特徴とする検索手段の一例に相当する。
【0038】
本実施形態では、ステップS1040において第一の検査日(2010/04/25)と第二の検査日(2014/08/21)の間の期間内の診療情報として、2010/10/20、2011/07/15、2012/03/08、2013/12/20の四日分の診療情報が検索により抽出された場合を例として以後の説明を行う。
【0039】
(ステップS1050)<表示>
ステップS1050において、表示処理部45は、ステップS1020で生成した比較画像と、ステップS1040で取得した診療情報を表示部36に表示する。すなわち、表示処理部45は、比較画像と検索された診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段の一例に相当する。表示部36への具体的な表示方法の例を図4に示す。ここでは、比較画像と診療情報とを並べて表示する場合を例として説明する。図4の比較画像表示ウィンドウ130はステップS1020で生成した比較画像および関連情報を表示するためのウィンドウである。このウィンドウ内には、さらに画像ウィンドウ132が配置され、比較画像が表示される。比較画像が三次元画像である場合には、当該画像のスライス画像を画像ウィンドウ132に表示し、操作部35から得られるユーザの操作によってスライス画像を切り替えて表示できるようにする。比較画像表示ウィンドウ130の右側にはステップS1040で取得した診療情報を表示する診療情報表示ウィンドウ140を配置する。ここではステップS1040での検索により抽出された各診療情報の診療日を一覧表示する。各診療日の右側には、当該診療情報の参照するための参照ボタン141~144を表示する。ユーザが参照したい診療情報の右側のボタンを押すことにより、当該診療情報を別画面に展開して参照できるようにして表示する。例えば、ユーザは診療情報の一覧の中から、2011/07/15の診療情報を参照したい場合には、その診療日の右側にある参照ボタン142を押すことで、当該診療情報を参照できるようにして表示する。なお、比較画像表示ウィンドウ130と診療情報表示ウィンドウ140を表示する例について説明したが、同一のウィンドウ内に、比較画像と診療情報を表示してもよい。また、比較画像表示ウィンドウ130と診療情報表示ウィンドウ140の位置関係は、図4に示す位置関係に限らない。比較画像表示ウィンドウ130の左側に診療情報表示ウィンドウ140を表示してもよいし、比較画像表示ウィンドウ130の上側または下側に表示してもよい。比較画像と診療情報とが比較可能なように表示されればよい。
【0040】
以上のようにすることで、被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像をユーザに対して比較可能なように観察させることができ、且つ比較画像に関連する診療情報をユーザに提供することが可能となる。また別の効果として、比較画像に関連する診療情報を手作業で検索すると入力間違いが発生し、不要な検索により各種装置に処理負荷がかかってしまうが、以上のようにすることで、こうした問題点も解決することができる。
【0041】
(変形例1-1)
本実施形態ではステップS1050において、比較画像と診療情報の表示を行い、これにより一連の処理を終了する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、ステップS1050に続いて、前記比較画像や診療情報に基づいてユーザが行う比較読影の結果を医療情報処理装置10が受け付け、それを記録するようにしても良い。具体的には、図4の画像ウィンドウ132上に表示される比較画像に対して、ユーザが注目する部位(例えば比較画像上で検査画像間の差異が認められる部位)にアノテーションを追記できるようにする。さらには、当該アノテーションに関連付けて当該部位に関する所見をテキスト等の形式で記録できるようにする。この時、ステップS1050で表示した診療情報の中で前記検査画像の差異と特に関係の深い診療情報をユーザが選択し、その診療情報へのリンクを所見の関連情報として追加できるようにできる。前記比較画像に関する所見と、前記診療情報との両方へのリンクを含む新しい診療情報を生成するようにしても良い。これによれば、比較画像で確認した検査画像間の差異と、その差異の要因となった過去の診療情報とを関連付けて記録することができる。そのため、例えば、当該患者に対する過去の薬の投与の記録と、検査画像上に現れた疾病の改善の様子とを関連付けて記録でき、後にこの情報を再度参照できるようになる。すなわち、この処理は、比較画像と検索された診療情報とを関連付けて記録する記録手段の一例に相当する。
【0042】
以上の方法によれば、表示された比較画像と診療情報に基づいてユーザが行った読影の結果を効率的に記録することができる効果がある。
【0043】
(変形例1-2)
本実施形態ではステップS1050において、比較画像の表示と共に、ステップS1040で検索により取得した診療情報を表示する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、ステップS1050において表示する診療情報は、当該患者の過去の全ての診療情報であっても良い。その場合、ステップS1040で検索により取得した診療情報に関して、それ以外の診療情報と識別可能な態様で表示するようにしても良い。
【0044】
具体的には、ステップS1020で比較画像生成部44が比較画像を取得し、ステップS1040で患者の過去の全ての診療情報を取得する。そして、取得した比較画像と診療情報とを表示部36に表示させる場合に、各診療情報の診療日が第一の検査日から第二の検査日までの期間内であるか否かを判定する。当該期間内に診療が行われた診療情報は診療情報を赤文字で表示し、それ以外の診療情報を黒文字で表示する。なお、診療情報の表示形態はこれに限らない。文字の太さを変更してもよいし、診療情報の周囲を囲む枠線の色を変更してもよい。また、診療情報の近傍にアイコンや画像を表示してもよい。前記期間内に行われた診療に関する診療情報が、他の診療情報と識別可能な形態で表示されればよい。
【0045】
すなわち、この変形例は、被検体を互いに異なる日時に撮影することで得られた第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて生成される比較画像と、前記被検体に対して行われた診療に関する診療情報とを取得する取得手段と、前記比較画像と前記診療情報とを表示部に表示させる表示制御手段と、前記第一の検査画像が得られた検査の検査日である第一の検査日と前記第二の検査画像が得られた検査の検査日である第二の検査日とに基づいて定められる期間内に前記診療情報に関する診療が行われたか否かを判定する判定手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記判定の結果に応じて、前記診療情報を他の診療情報とは識別可能な形態で前記表示部に表示させることを特徴とする情報処理装置の一例に相当する。
【0046】
これによれば、当該患者の過去の全ての診療情報が参照でき、かつ比較画像と関係の深い診療情報がその中の何れなのかをユーザに把握させることができる効果がある。
【0047】
(変形例1-3)
本実施形態では、ステップS1050において、比較画像の表示と共に、診療情報を表示する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、比較画像の表示は行わず、診療情報を表示するだけでも良い。この場合、ステップS1020での比較画像の生成処理は省略するようにしても良い。これによれば、ユーザによる異なる検査日の検査画像の選択により、その検査画像の間の検査の期間に関係する診療情報を参照できるようにする仕組みを提供できる。また、比較画像の生成や表示を行うか否かをユーザが設定する仕組みを持ち、その設定に応じて処理を切り替えるようにしても良い。
【0048】
(変形例1-4)
本実施形態では、ステップS1040において、第一の検査日から第二の検査日までの期間内に行われた診療に関する診療情報を検索する例を説明したが、これに限らない。例えば、第一の検査日よりも前に患者に対して投薬や治療を施した場合、その効果が前記期間内に現れる場合がある。こうした場合には、前記期間内に行われた診療内容だけではなく、前記期間より前に行われた一部の診療内容もユーザに提示したほうがよい。
【0049】
そこで、ステップS1040では、診療情報取得部43は、第一の検査日から所定日数を減算し、第一の検査日よりも前の日を算出する。そして、診療情報取得部43は、算出された日から第二の検査日までの期間内に行われた診療に関する診療情報を検索する。所定日数は、記憶部34にあらかじめ記憶された日数を用いてもよいし、ユーザから入力を受け付けた日数を用いてもよい。
【0050】
これ以外にも、例えば、診療情報取得部43は、第一の検査日よりも前の診療情報について、第一の検査日と第二の検査日の間の期間の患者に影響を与えうる診療情報の有無を調べるようにしても良い。そして、そのような診療情報が存在した場合に、当該診療を施した日から第二の検査日との間の診療情報を検索するようにできる。
【0051】
このようにすることで、前記期間より前に行われた一部の診療内容もユーザに提示することが可能となる。
【0052】
[第二の実施形態]
第一の実施形態では、ユーザから第一の検査画像と第二の検査画像の選択を受け付ける医療情報処理装置の一例を説明した。第二の実施形態では、ユーザから比較画像の選択を受け付けて、選択された比較画像の生成で用いられた第一の検査画像の検査日から第二の検査画像の検査日までの期間に基づいて、比較画像と関連する診療情報を検索する医療情報処理装置について説明する。
【0053】
図5は、第二の実施形態に係わる医療情報処理システムの全体構成を示す図である。医療情報処理システムは、医療情報処理装置50、診療情報データベース22、検査画像データベース23、比較画像データベース24を含み、これらの装置は、通信手段を介して互いに通信可能に接続されている。なお、第一の実施形態で説明した構成と同一の機能を有する構成には同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0054】
比較画像データベース24は、後述する医療情報処理装置50が生成する比較画像および比較画像の付帯情報を記録するデータベースである。比較画像データベース24には、複数の情報が記録され、各情報には固有番号(比較画像ID)が付与される。比較画像データベース24は、医療情報処理装置50と連携して情報の読み込み、書き込み、一覧の表示、サムネイル画像の表示、検索などの機能が提供される。
【0055】
医療情報処理装置50は、診療情報データベース22、検査画像データベース23、比較画像データベース24が保持する情報を、LAN21を介して取得する。医療情報処理装置50は、その機能的な構成として、通信IF31、ROM32、RAM33、記憶部34、操作部35、表示部36、比較画像生成制御部38、比較表示制御部39を具備する。
【0056】
比較画像生成制御部38は、例えば、CPU(Central ProcessingUnit)等で実現され、医療情報処理装置50が行う、比較画像生成処理を統括制御する。比較画像生成処理については後に詳述する。比較画像生成制御部38には、その機能的な構成として、検査画像取得部41、比較画像生成部44、検査日取得部42、検査画像対生成部51を具備する。
【0057】
検査画像対生成部51は、検査画像取得部41が取得した検査画像と、検査日取得部42が取得した検査日とに基づき、後述する比較画像生成部44が生成する比較画像の元となる検査画像の対を生成する。そして、検査画像対生成部51は、生成した検査画像対の情報を比較画像生成部44へ出力する。
【0058】
比較表示制御部39は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等で実現され、医療情報処理装置50が行う、比較表示処理を統括制御する。比較表示処理については、後に詳述する。比較表示制御部39は、その機能的な構成として、比較画像取得部52、検査期間取得部54、診療情報取得部43、表示処理部45を具備する。
【0059】
比較画像取得部52は、操作部35によって入力されるユーザの操作に従って、通信IF31とLAN21を介して比較画像データベース24から当該患者の比較画像および比較画像の付帯情報を取得する。そして、比較画像取得部52は、取得した比較画像および比較画像の付帯情報を検査期間得部54、表示処理部45へ出力する。
【0060】
検査期間取得部54は、比較画像取得部52が取得した比較画像の付帯情報から検査日の情報を取得する。そして、検査期間取得部54は、取得した検査日の情報を診療情報取得部43へ出力する。
【0061】
なお、比較画像生成制御部38および比較表示制御部39が具備する各部の少なくとも一部は独立した装置として実現してもよい。また、比較画像生成制御部38および比較表示制御部39が具備する各部を、1つの制御部が具備する形態であってもよい。また、夫々が機能を実現するソフトウェアとして実現してもよい。この場合、機能を実現するソフトウェアは、クラウドをはじめとするネットワークを介したサーバ上で動作してもよい。本実施形態では各部はローカル環境におけるソフトウェアにより夫々実現されているものとする。
【0062】
次に図6を用いて、本実施形態における医療情報処理装置50による全体の処理手順を詳細に説明する。本実施形態における医療情報処理装置50は、比較画像生成処理および比較表示処理の2つの処理を実行する。比較画像生成処理は、検査画像データベース23に記録されている検査画像群等に基づいて、複数の比較画像を生成する処理である。比較表示処理は、前記比較画像生成処理で生成した比較画像と、それに関連する診療情報をユーザが観察、参照できるように表示する処理である。比較画像生成処理は、比較表示処理に先立って実行されるものとする。
【0063】
図6(A)は、医療情報処理装置50が実行する比較画像生成処理のフローチャートである。以下、このフローチャートに示す順に沿って、医療情報処理装置50が比較画像生成処理として実行する処理の手順を詳しく説明する。
【0064】
(ステップS2110)<検査画像群の取得>
ステップS2110において、比較画像生成制御部38は、検査画像取得部41を制御して、検査画像データベース23に記録されている検査画像群から注目する被検体に関する検査画像を取得する。本実施形態では、検査画像データベース23には注目する被検体に関する複数の検査日の検査画像が記録されている場合を例として説明する。本処理ステップでは、これらの全ての検査画像を取得する。
【0065】
(ステップS2120)<検査日の取得>
ステップS2120において、比較画像生成制御部38は、ステップS2110で取得した複数の検査画像の夫々に関して、検査日取得部42を制御して、検査日を取得する処理を実行する。各検査画像に関する検査日を取得する処理は、第一の実施形態のステップS1030と同様の処理を実行する。この処理をステップS2110で取得した複数の検査画像の夫々に対して実行し、これらの検査画像の夫々の検査日を取得する。
【0066】
(ステップS2130)<検査画像対の生成>
ステップS2130において、比較画像生成制御部38は、検査画像対生成部51を制御して、後述する処理で比較画像の生成で用いる検査画像の対を生成する処理を実行する。この処理の具体例を説明する。まず、検査画像対生成部51は、ステップS2110で取得した全ての検査画像のユニークな組み合わせの全てを検査画像の対の候補として生成する。さらに、その対の候補の中から、複数の条件に合致する対を検査画像対として生成する。前記条件とは、例えば、対を構成する検査画像同士が同一モダリティで撮影されたものであること、取得された各検査日が互いに異なる検査日の検査画像であること、取得された各検査日の間隔が所定の範囲(例えば、1か月以上3年以内など)である、などが考えられる。以上の処理により検査画像の対が生成される。
【0067】
(ステップS2140)<比較画像の生成>
ステップS2140において、比較画像生成制御部38は、ステップS2130で生成した検査画像対の夫々について、比較画像生成部44を制御して比較画像を生成する処理を実行する。本処理では、個々の検査画像対に対して、第一の実施形態のステップS1010からステップS1020の処理と同様の処理を実行する。ここでは詳細な説明を省略する。さらに、比較画像生成部44は、生成された比較画像の付帯情報に、比較画像の生成で用いられた各検査画像の検査日の情報を記録する。
【0068】
(ステップS2150)<比較画像の記録>
ステップS2150において、比較画像生成制御部38は、ステップS2140で生成した比較画像に関する情報を比較画像データベース24に記録する。ここで比較画像データベース24には、ステップS2140で生成した比較画像の画像情報に加えて、比較画像の元となる各検査画像の情報(例えば検査画像ID、検査日などの付帯情報)も記録する。これにより、後に実行する比較表示処理において、医療情報処理装置50は、比較画像データベース24から、比較画像と、その元となった検査画像の情報の両方を取得できるようにする。
【0069】
以上に説明したステップS2110からステップS2150により、本実施形態における比較画像生成処理が実行される。
【0070】
次に、本実施形態における医療情報処理装置50が実行する比較表示処理について詳しく説明する。図6(B)は、本実施形態における医療情報処理装置50が比較表示処理として実行する処理手順を表すフローチャートである。以下、このフローチャートに示す順に沿って、医療情報処理装置50が比較表示処理として実行する処理の手順を詳しく説明する。
【0071】
(ステップS2210)<比較画像の取得>
ステップS2210において、比較表示制御部39は、比較画像取得部52を制御して、処理の対象とする比較画像を比較画像データベース24から取得する処理を実行する。この時、比較画像取得部52は、表示部36に対して、比較画像生成処理で生成した比較画像の一覧を比較画像データベース24から取得して表示部36に表示する。そして、操作部35を介してユーザからの操作を受け付け、比較画像の一覧からユーザが注目する比較画像を取得する。具体的には、選択された比較画像の付帯情報に含まれる比較画像IDを記憶部34等を介して次の処理ステップに引き継ぐ。
【0072】
(ステップS2220)<検査期間の取得>
ステップS2220において、比較表示制御部39は、ステップS2210で取得した比較画像の検査期間を、検査期間取得部54を制御して取得する処理を実行する。ここで比較画像の検査期間とは、比較画像生成処理において当該比較画像を生成する際に用いられた二つの検査画像のうち、古い方の検査画像の検査日から、新しい方の検査画像の検査日までの期間である。比較画像を生成する際に用いられた検査画像は、比較画像の付帯情報として記録された情報から取得できる。
【0073】
(ステップS2230)<診療情報の検索>
ステップS2230において、比較表示制御部39は、診療情報取得部43を制御して、ステップS2210で取得した比較画像に関係する診療情報を診療情報データベース22から検索して取得する処理を実行する。この処理は、ステップS2220で取得した検査期間に基づいて関係の有無を判断する仕組みにより実現する。具体的な処理内容は、第一の実施形態のステップS1040と同様である。ここでは詳細な説明は省略する。
【0074】
(ステップS2240)<表示>
ステップS2240において、比較表示制御部39は、表示処理部45を制御して、ステップS2210で取得した比較画像と、ステップS2230で取得した診療情報とを参照できるように画面表示を制御する処理を実行する。具体的な処理は、第一の実施形態におけるステップS1050と同様である。ここでは説明を省略する。
【0075】
以上に説明した手順により本実施形態における医療情報処理装置50は、ユーザが任意に比較画像を選択でき、その比較画像の元となる各検査画像の検査日に基づいて、前記比較画像と関係する診療情報を検索する。そして、検索された診療情報を前記比較画像と共に参照できるようにして表示する処理を実行する。第一の実施形態と比べて、本実施形態は、ユーザに比較表示を提示するための比較表示処理に先立って比較画像を生成しておくことができる。そのため、ユーザは比較表示処理の最中に、比較画像を生成する処理の完了を待つ必要がない。これにより、ユーザにとって時間的な拘束の少ない医療情報処理システムを提供できる効果がある。
【0076】
(変形例2-1)
本実施形態では、比較表示処理のステップS2230の処理として比較画像に関係する診療情報を検索して取得する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、比較画像生成処理のステップS2140の後に、比較画像生成部44は、当該ステップS2140で生成した複数の比較画像の夫々についてステップS2230と同様の処理を実行して、夫々に関係する診療情報を取得するようにできる。そして、ステップS2150で、比較画像を記録する際に、前記関係する診療情報も付帯情報として記録するようにできる。この場合、比較表示処理のステップS2230では、診療情報取得部43は、前記比較画像の付帯情報として記録した診療情報を読み出すことで関係する診療情報を取得できる。これにより、診療情報の検索処理を、比較表示処理に先立って済ませることができるため、ユーザにとってより拘束時間の少ない利便性の高いシステムを提供できる効果がある。特に診療情報の検索に複雑な条件(例えば診療内容に関する高度な認識処理などを要するような条件)を用いる場合には、検索に要する時間が長時間に渡ることがあるため、その処理を事前に済ませておける効果は大きい。
【0077】
[第三の実施形態]
第一の実施形態では、ユーザから第一の検査画像と第二の検査画像の選択を受け付ける医療情報処理装置の一例を説明した。第二の実施形態では、ユーザから比較画像の選択を受け付ける医療情報処理装置の一例を説明した。第三の実施形態では、ユーザから診療情報の選択を受け付けて、選択された診療情報に基づいて特定される第一の検査画像と第二の検査画像とを用いて、比較画像を取得する医療情報処理装置について説明する。
【0078】
図7は、第三の実施形態に係わる医療情報処理システムの全体構成を示す図である。医療情報処理システムは、医療情報処理装置60、診療情報データベース22、検査画像データベース23、比較画像データベース24を含み、これらの装置は、通信手段を介して互いに通信可能に接続されている。なお、第一の実施形態または第二の実施形態で説明した構成と同一の機能を有する構成には同一の番号を付し、ここでは詳細な説明は省略する。以下、第一の実施形態および第二の実施形態との相違点について説明する。
【0079】
医療情報処理装置60は、診療情報データベース22、検査画像データベース23、比較画像データベース24が保持する情報を、LAN21を介して取得する。医療情報処理装置60は、その機能的な構成として、通信IF31、ROM32、RAM33、記憶部34、操作部35、表示部36、比較画像生成制御部38、比較表示制御部40を具備する。
【0080】
比較表示制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等で実現され、医療情報処理装置60が行う、比較表示を統括制御する。比較表示制御部40は、その機能的な構成として、診療情報取得部56、診療日取得部57、比較画像取得部58、表示処理部45を具備する。
【0081】
診療情報取得部56は、操作部35によって入力されるユーザの操作に従って、通信IF31とLAN21を介して診療情報データベース22から患者の診療情報のうち、注目する診療情報を取得する。そして、診療情報取得部56は、取得した診療情報を診療日取得部57、表示処理部45へ出力する。
【0082】
診療日取得部57は、診療情報取得部56が取得した診療情報の診療日の情報を取得する。そして、診療日取得部57は、取得した診療日の情報を比較画像取得部58へ出力する。
【0083】
比較画像取得部58は、診療日取得部57が取得した診療日の情報に基づいて後述する処理を行い、ユーザに提示する比較画像を通信IF31とLAN21を介して比較画像データベース24から読み出す。そして、読み出した比較画像を表示処理部45へ出力する。
【0084】
本実施形態における医療情報処理装置60による全体の処理手順を詳細に説明する。本実施形態における医療情報処理装置60は、比較画像生成処理および比較表示処理の2つの処理を実行する。比較画像生成処理は、検査画像データベース23に記録されている検査画像群等に基づいて、複数の比較画像を生成する処理である。比較表示処理は、前記比較画像生成処理で生成した比較画像と、それに関連する診療情報をユーザが観察、参照できるように表示する処理である。比較画像生成処理は、比較表示処理に先立って実行されるものとする。
【0085】
比較画像生成処理は、比較画像生成制御部38が、第二の実施形態のステップS2110からステップS2150で説明した処理と同様の処理を実行する。ここでは詳細な説明は省略する。
【0086】
図8は、医療情報処理装置60が実行する比較表示処理のフローチャートである。以下、このフローチャートに示す順に沿って、医療情報処理装置60が比較表示処理として実行する処理の手順を詳しく説明する。
【0087】
(ステップS3210)<注目する診療情報の取得>
ステップS3210において、比較表示制御部40は、診療情報取得部56を制御して、診療情報データベース22からユーザが注目する診療情報を取得する処理を実行する。すなわち、診療情報取得部56は、診療情報を取得する第一の取得手段の一例に相当する。具体例としては、処理対象の患者に関する過去の全ての診療情報の一覧を診療情報データベース22から取得し、それを表示部36に表示し、その中からユーザが注目する診療情報(注目診療情報)を操作部35を介して取得する。
【0088】
(ステップS3220)<診療日の取得>
ステップS3220において、比較表示制御部40は、診療日取得部57を制御して、ステップS3210で取得した診療情報に含まれる診療日を取得する処理を実行する。
【0089】
(ステップS3230)<比較画像の検索>
ステップS3230において、比較表示制御部40は、比較画像取得部58を制御して、ステップS3210で取得した診療情報に関連する比較画像を比較画像データベース24から取得する処理を実行する。具体的には、検査日が前記診療日以前の検査画像と、検査日が前記診療日以後の検査画像とから生成された比較画像を検索して取得する。すなわち、比較画像取得部58は、診療情報に関する診療より前に行われた検査で得られた第一の検査画像と、診療より後に行われた検査で得られた第二の検査画像とを用いて生成される比較画像を取得する第二の取得手段の一例に相当する。これにより、検査日および診療日の関係から、ステップS3210で取得した診療情報と関係する比較画像を取得する。
【0090】
(ステップS3240)<表示>
ステップS3240において、比較表示制御部40は、表示処理部45を制御して、ステップS3210で取得した診療情報と、ステップS3230で取得した比較画像とを参照できるように表示する処理を実行する。本ステップで表示処理部45が実行する処理は、第二の実施形態のステップS2240と同様である。ここでは説明を省略する。
【0091】
以上に説明した手順により本実施形態における医療情報処理装置60は、ユーザが選択した診療情報の診療日を検査の期間に含む比較画像を検索し、前記診療情報と共に参照できるようにして表示する。これにより、ユーザが選択した診療情報と関係の深い比較画像を容易な操作で参照できる仕組みを提供できる。
【0092】
(変形例3-1)
本実施形態では比較表示処理に先立って、比較画像生成処理を実行する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、比較表示処理のステップS3220に続いて、比較画像生成処理を実行するようにしても良い。この場合、ステップS3220で取得した診療日に基づき、検査日が前記診療日以前の検査画像と、検査日が前記診療日以後の検査画像とを特定する。そして、特定された検査画像対を用いて比較画像を生成する。つまり、当該診療日を検査期間に含む検査画像対に限って比較画像を生成するようにできる。これによれば、比較表示処理に先立って比較画像生成処理を実行する必要はなく、また限定された少数の比較画像だけを生成するようにできるため、比較画像データベース24の容量の節約や、演算処理の省力化が行える効果がある。
【0093】
(変形例3-2)
本実施形態では、ステップS3210で一つの診療情報を取得する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、ステップS3210で複数の診療情報を取得し、ステップS3220でそれらの診療情報の夫々の診療日を取得するようにしても良い。この時、ステップS3230では、前記複数の診療情報の夫々の診療日を包含する期間を検査の期間とする比較画像を比較画像データベース24から検索するようにできる。これによれば、手術や投薬などが複数の日に渡って行われた場合に、それら一連の診療と関係する比較画像を検索して観察できる仕組みを提供できる。
【0094】
前記の説明では複数の診療日を包含する期間を検査期間とする比較画像を取得する場合を例として説明したが、複数の診療日の少なくとも1つを検査期間に含む比較画像を取得するようにしても良い。これによれば、複数の診療日に渡る診療の少なくとも1つに関係する比較画像を検索して観察できる仕組みを提供できる。
【0095】
[その他の実施形態]
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、医療情報処理装置の機能を分散させることで複数の機器から構成されるシステムに本発明を適用してもよいし、一つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明の機能および処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。また、本発明の範囲には、上述の実施形態に示す機能および処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合には、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。なお本発明の範囲は上述した実施形態に限定されるものではない。上述した複数の変形例のうち少なくとも二つを組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0096】
10 医療情報処理装置
22 診療情報データベース
23 検査画像データベース
41 検査画像取得部
42 検査日取得部
43 診療情報取得部
44 比較画像生成部
45 表示処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8