(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】スプレー回転体
(51)【国際特許分類】
B08B 9/093 20060101AFI20241216BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20241216BHJP
B05B 3/02 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B08B9/093
B08B3/02 G
B08B3/02 F
B05B3/02 G
(21)【出願番号】P 2023140227
(22)【出願日】2023-08-30
【審査請求日】2024-07-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000229564
【氏名又は名称】株式会社バルカー
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 貴大
(72)【発明者】
【氏名】横田 雄二
(72)【発明者】
【氏名】滑川 聖
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-157214(JP,A)
【文献】米国特許第05497799(US,A)
【文献】特開昭63-077561(JP,A)
【文献】実公昭50-001582(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 9/093
B08B 3/02~ 3/06
B05B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク内に配置され、前記タンク内を洗浄するためのスプレー回転体であって、
回転する回転体本体に形成された複数の洗浄用噴射孔を備え、
複数の前記洗浄用噴射孔の一部または全部は、仰角方向に異なる噴射角度を有し、
前記洗浄用噴射孔には、
高角域に水柱を噴射するための複数の高角噴射孔と、
中角域に水柱を噴射するための複数の中角噴射孔と、
低角域に水柱を噴射するための複数の低角噴射孔と
が含まれ、
前記回転体本体の回転軸と直交する赤道を基準として、
前記高角噴射孔から噴射される水柱のなす角度が、60°より大きく85°以下であり、
前記中角噴射孔から噴出される水柱のなす角度が、30°より大きく60°以下であり、
前記低角噴射孔から噴出される水柱のなす角度が、0°以上30°以下であり、
前記洗浄用噴射孔は、さらに、回転軸を中心とする平面において、前記回転軸と直交する直線に対して、所定の角度回転方向に傾斜して前記回転体本体の側壁に穿孔され、
該スプレー回転体を回転させながら洗浄を行った際に、各
前記洗浄用噴射孔から噴射される複数の水柱が前記タンク内の北半球の仰角方向に散水されることを特徴とするスプレー回転体。
【請求項2】
タンク内に配置され、前記タンク内を洗浄するためのスプレー回転体であって、
回転する回転体本体に形成された複数の洗浄用噴射孔を備え、
複数の前記洗浄用噴射孔の一部または全部は、仰角方向に異なる噴射角度を有し、
前記回転体本体の側壁上には、前記回転体本体の回転方向と直交する方向に噴射孔群が列状に形成された噴射孔域が複数配置され、
前記噴射孔域には、
高角域に水柱を噴射するための高角噴射孔域と、
中角域に水柱を噴射するための中角噴射孔域と、
低角域に水柱を噴射するための低角噴射孔域と
が含まれ、
各々の前記噴射孔域に含まれる各噴射孔群から噴射される水柱の角度がそれぞれ相違
し、
前記高角噴射孔域には、複数の前記洗浄用噴射孔から構成された高角噴射孔群が含まれ、
前記高角噴射孔群の最も赤道側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は50°以上、前記高角噴射孔群の最も極側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は、85°以下の範囲であり、
前記中角噴射孔域には、複数の前記洗浄用噴射孔から構成された中角噴射孔群が含まれ、
前記中角噴射孔群の最も赤道側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は10°以上、前記中角噴射孔群の最も極側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は55°以下の範囲であり、
前記低角噴射孔域には、複数の前記洗浄用噴射孔から構成された低角噴射孔群が含まれ、
前記低角噴射孔群の最も赤道側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は0°以上、前記低角噴射孔群の最も極側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は30°以下の範囲であり、
前記洗浄用噴射孔は、さらに、回転軸を中心とする平面において、前記回転軸と直交する直線に対して、所定の角度回転方向に傾斜して前記回転体本体の側壁に穿孔され、
該スプレー回転体を回転させながら洗浄を行った際に、各前記洗浄用噴射孔から噴射される複数の水柱が前記タンク内の北半球の仰角方向に散水されることを特徴とするスプレー回転体。
【請求項3】
前記噴射孔群には、それぞれ2個~10個の前記洗浄用噴射孔が含まれることを特徴とする請求項
2に記載のスプレー回転体。
【請求項4】
タンク内に配置され、前記タンク内を洗浄するためのスプレー回転体であって、
回転する回転体本体に形成された複数の洗浄用噴射孔を備え、
複数の前記洗浄用噴射孔の一部または全部は、仰角方向に異なる噴射角度を有し、
前記洗浄用噴射孔は、さらに、回転軸を中心とする平面において、前記回転軸と直交する直線に対して、所定の角度回転方向に傾斜して前記回転体本体の側壁に穿孔され、
前記回転体本体は、高角噴射孔、中角噴射孔、および低角噴射孔、または高角噴射孔域、中角噴射孔域、および低角噴射孔域を有する上部回転体と、前記上部回転体と順方向・逆方向に回転する下部回転体とを備え、前記上部回転体と前記下部回転体とで球状に構成され
、
前記下部回転体には、前記下部回転体を回転させるために接線方向に洗浄液を噴射する回転用噴射孔がさらに形成され、
前記下部回転体に形成された前記洗浄用噴射孔の孔数と前記回転用噴射孔の孔数の合計孔数は、前記上部回転体に形成された前記洗浄用噴射孔の孔数よりも少なく、
該スプレー回転体を回転させながら洗浄を行った際に、各前記洗浄用噴射孔から噴射される複数の水柱が前記タンク内の北半球の仰角方向に散水されることを特徴とす
るスプレー回転体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクの内壁面を洗浄するタンク洗浄用のスプレー回転体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、食品業界や医薬品業界等では、製品の貯蔵、調合、殺菌などさまざまな用途にサニタリータンクなどのタンクが使用されている。このタンクは、内部を清浄状態に維持する必要があるため、専用の洗浄装置としてスプレー回転体が用いられる。
【0003】
具体的には、スプレー回転体は、
図12に示すように、タンク102の上蓋部102aに形成されたノズル102bからタンク102内に挿し込まれている。スプレー回転体104には、たとえば、
図13に示すように、互いに反対方向に回転する上部回転体106と下部回転体108を備えたものが用いられる。また、上部回転体106および下部回転体108のそれぞれには、回転用噴射孔110、および洗浄用噴射孔112がそれぞれ二つずつ設けられている。回転用噴射孔110は、上部回転体106または下部回転体108を回転させるために接線方向に洗浄液を噴射する噴射孔であり、洗浄用噴射孔112は洗浄液を噴射する噴射孔である。
【0004】
このスプレー回転体104によれば、場所を取らずにタンク102内を洗浄することが可能である。
しかしながら、上述のスプレー回転体104においては、タンク102内において洗浄用噴射孔112から噴射された水柱が当たる箇所は洗浄されるものの、水柱が当たらない箇所は直接洗浄されないという問題があった。このため、水柱が当たらない箇所の洗浄は、水柱が当たった場所から流れ落ちる洗浄液による伝い流れによる洗浄に委ねざるを得なかった。
【0005】
また、洗浄用噴射孔112は全部で4個しかないため、水柱で洗浄できる箇所が少なく洗浄ムラが目立つという問題もあった。特に、ノズル102cの内部などは洗浄が困難であるという問題があった。
【0006】
このような問題を解決するべく、上部回転体および下部回転体に、噴射角度の異なる第1噴射孔群と第2噴射孔群を隣接して形成したスプレー回転体が開発された(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、
図14に示す、特許文献1に記載されているスプレー回転体114(以下、従来品という)は、洗浄を行った際に、およそ15°~45°の噴射角度においては高い洗浄性を発揮するが、それ以外の特に低角度側の噴射角度(
図14の符号136参照)では、未だ伝い流れによる洗浄に委ねざるを得なかった。
【0009】
特に大型の洗浄用タンクなどでは、噴流が直接当たり難いエリアにノズルが位置することが多く、洗浄残しが生じることも多いという問題があった。
このような洗浄残しが生じた場合、長時間洗浄を行うことにより洗浄残しが生じないようにするため、多量の洗浄液が必要になるが、洗浄液を節約したいニーズがある。
【0010】
本発明の目的は、タンク内を短時間でムラなく洗浄でき、かつ洗浄液を節約することができるスプレー回転体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のスプレー回転体は、
タンク内に配置され、前記タンク内を洗浄するためのスプレー回転体であって、
回転する回転体本体に形成された複数の洗浄用噴射孔を備え、
複数の前記洗浄用噴射孔の一部または全部は、仰角方向に異なる噴射角度を有し、
前記洗浄用噴射孔は、さらに、回転軸を中心とする平面において、前記回転軸と直交する直線に対して、所定の角度回転方向に傾斜して前記回転体本体の側壁に穿孔され、
該スプレー回転体を回転させながら洗浄を行った際に、各洗浄用噴射孔から噴射される複数の水柱が前記タンク内の北半球の仰角方向に散水されることを特徴とする。
【0012】
このように、洗浄用噴射孔が仰角方向に異なる噴射角度を有するようにすることにより、タンク内を短時間でムラなく洗浄でき、かつ洗浄液を節約することができる。
【0013】
また、本発明のスプレー回転体は、
前記洗浄用噴射孔には、
高角域に水柱を噴射するための複数の高角噴射孔と、
中角域に水柱を噴射するための複数の中角噴射孔と、
低角域に水柱を噴射するための複数の低角噴射孔と
が含まれ、
前記回転体本体の回転軸と直交する赤道を基準として、
前記高角噴射孔から噴射される水柱のなす角度が、60°より大きく85°以下であり、
前記中角噴射孔から噴出される水柱のなす角度が、30°より大きく60°以下であり、
前記低角噴射孔から噴出される水柱のなす角度が、0°以上30°以下であることを特徴とする。
【0014】
このように、回転体本体に、高角噴射孔、中角噴射孔、低角噴射孔を形成することにより、広範囲にタンク内壁面を洗浄することができる。よって、タンク内を短時間でムラなく洗浄でき、かつ洗浄液を節約することができる。
【0015】
また、本発明のスプレー回転体は、
前記回転体本体の側壁上には、前記回転体本体の回転方向と直交する方向に噴射孔群が列状に形成された噴射孔域が複数配置され、
前記噴射孔域には、
高角域に水柱を噴射するための高角噴射孔域と、
中角域に水柱を噴射するための中角噴射孔域と、
低角域に水柱を噴射するための低角噴射孔域と
が含まれ、
各々の前記噴射孔域に含まれる各噴射孔群から噴射される水柱の角度がそれぞれ相違することを特徴とする。
【0016】
このように、回転体本体に、高角噴射孔域、中角噴射孔域、低角噴射孔域を形成することにより、広範囲にタンク内壁面を洗浄することができる。よって、タンク内を短時間でムラなく洗浄でき、かつ洗浄液を節約することができる。
【0017】
また、本発明のスプレー回転体は、
前記高角噴射孔域には、複数の前記洗浄用噴射孔から構成された高角噴射孔群が含まれ、
前記高角噴射孔群の最も赤道側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は50°以上、前記高角噴射孔群の最も極側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は、85°以下の範囲であり、
前記中角噴射孔域には、複数の前記洗浄用噴射孔から構成された中角噴射孔群が含まれ、
前記中角噴射孔群の最も赤道側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は10°以上、前記中角噴射孔群の最も極側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は55°以下の範囲であり、
前記低角噴射孔域には、複数の洗浄用噴射孔から構成された低角噴射孔群が含まれ、
前記低角噴射孔群の最も赤道側の前記洗浄用噴射孔から噴射される低角水柱と赤道のなす角度は0°以上、前記低角噴射孔群の最も極側の前記洗浄用噴射孔から噴射される水柱と赤道のなす角度は30°以下の範囲であることを特徴とする。
【0018】
このように、洗浄用噴射孔から噴射される各水柱のなす角度の範囲を設定することにより、的確に高角噴射孔域、中角噴射孔域、低角噴射孔域を形成することができる。
【0019】
また、本発明のスプレー回転体は、
前記噴射孔群には、それぞれ2個~10個の前記洗浄用噴射孔が含まれることを特徴とする。
【0020】
すなわち、各噴射孔群に上述の個数の洗浄用噴射孔が含まれることで、広範囲にタンク内壁面を洗浄することができる。
【0021】
また、本発明のスプレー回転体は、
前記回転体本体は、高角噴射孔、中角噴射孔、および低角噴射孔、または高角噴射孔域、中角噴射孔域、および低角噴射孔域を有する上部回転体と、前記上部回転体と順方向・逆方向に回転する下部回転体とを備え、前記上部回転体と前記下部回転体とで球状に構成されていることを特徴とする。
【0022】
このように、上部回転体の回転速度を抑制することができ、タンク内の洗浄箇所を的確に洗浄することができる。また、スプレー回転体を球状にすることで、洗浄用噴射孔から噴射される水柱の角度を適度に仰角方向に散水させることができ、広範囲にタンク内壁面を洗浄することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、タンク内を短時間でムラなく洗浄でき、かつ洗浄液を節約することができるスプレー回転体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施の形態に係るスプレー回転体を上方から視た斜視図である。
【
図2】実施の形態に係るスプレー回転体を正面から視た図である。
【
図3】実施の形態に係る上部回転体を所定の高さで切断した平面を上方から視た状態を示す断面図である。
【
図4】実施の形態に係る上部回転体を
図3に示すA―A線で切断した第1噴射孔群の断面図、およびB―B線で切断した第2噴射孔群の断面図である。
【
図5】実施の形態に係る上部回転体を
図3に示すC―C線で切断した第3噴射孔群の断面図、およびD―D線で切断した第4噴射孔群の断面図である。
【
図6】実施の形態に係る上部回転体を
図3に示すE―E線で切断した第5噴射孔群の断面図、およびF―F線で切断した第6噴射孔群の断面図である。
【
図7】実施の形態に係る下部回転体を所定の高さで切断した平面を上方から視た状態を示す断面図である。
【
図8】実施の形態に係る上部回転体に形成された全噴射孔域の各噴射孔群から噴射された水柱がタンクの内壁面に当たる状況を示す図である。
【
図9】実施品によるタンク内およびノズル内の洗浄率と従来品によるタンク内およびノズル内の洗浄率を棒グラフで表した図である。
【
図10】実施品によるタンク内およびノズル内の洗浄効率と従来品によるタンク内およびノズル内の洗浄効率を棒グラフで表した図である。
【
図11】他の実施の形態に係るスプレー回転体を正面から視た図である。
【
図12】従来のスプレー回転体を用いてタンク内を洗浄する状況を示す図である。
【
図13】従来のスプレー回転体を正面から視た図である。
【
図14】従来品で洗浄用タンク内を洗浄した状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るスプレー回転体について、スプレー回転体が球状である場合を例示して説明する。
図1は、実施の形態に係るスプレー回転体を上方から視た斜視図であり、
図2は、これを正面から視た図である。
図1、2に示すように、スプレー回転体2は、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂で形成されており、ノズル部4、固定リング6、およびボール本体8(回転体本体)を備えている。
【0026】
スプレー回転体2の外径は、例えば、タンク34(
図8参照)に形成された内径80mmのノズル35から装着する場合、62mm~67mm程度が好ましい。なお、本明細書において、「上」あるいは「下」とは
図1、2の状態で規定したものである。
【0027】
ノズル部4は、洗浄液の流路4aが内部に形成された円筒形状を有し、下端に径を大きくした大径部4bが形成されている。また、ノズル部4の固定リング6が装着される部分の外周には、図示しないネジ溝が形成されている。さらに、ノズル部4のボール本体8に隠れた部分には、後述する噴射孔群12等から噴射される洗浄液が通過する図示しないポートが形成されている。
【0028】
固定リング6は、内周面に図示しないネジ溝が形成されており、ネジ螺合によって所定の位置に装着される。
【0029】
ボール本体8は、回転中心線Lを軸とし、ノズル部4を貫通させるための図示しない貫通孔が形成された球形状の回転体であり、上部回転体8aと下部回転体8bを備えている。ここで、下部回転体8bは、上部回転体8aと逆方向に回転することが可能であり、上部回転体8aと下部回転体8bとの間には間隙があってもよいが、上部回転体8aと下部回転体8bが接触していてもよい。
【0030】
このボール本体8は、まず下部回転体8bをノズル部4に貫通させて大径部4bに着底させ、次に、上部回転体8aをノズル部4に貫通させて下部回転体8bに当接させ、最後に固定リング6をノズル部4に装着することで所定の位置に回転可能に固定される。
【0031】
上部回転体8aの曲面上には、3タイプの噴射孔域10、すなわち、タンク34(
図8参照)の高角域に洗浄液の水柱を噴射するための高角噴射孔域10a、中角域に洗浄液の水柱を噴射するための中角噴射孔域10b、低角域に洗浄液の水柱を噴射するための低角噴射孔域10cが形成されている。
【0032】
かかる噴射孔域10には、ボール本体8の回転方向と直交する方向、すなわち、回転中心線L方向に列状に形成された複数の噴射孔群12が含まれている。すなわち、各噴射孔域10には、洗浄液を噴射する洗浄用噴射孔8eを複数包含する噴射孔群12がそれぞれ2か所ずつ設けられ、各噴射孔群12は、ボール本体8の回転中心線Lを軸として線対称に形成されている(
図3参照)。
【0033】
高角噴射孔域10aには、高角噴射孔群として第1噴射孔群12aおよび第2噴射孔群12bが含まれ、中角噴射孔域10bには、中角噴射孔群として第3噴射孔群12cおよび第4噴射孔群12dが含まれ、低角噴射孔域10cには、低角噴射孔群として第5噴射孔群12eおよび第6噴射孔群12fが含まれている。
【0034】
なお、第1噴射孔群12aおよび第2噴射孔群12bには、それぞれ3個の洗浄用噴射孔8eがそれぞれ穿孔され、第3噴射孔群12c、第4噴射孔群12d、第5噴射孔群12e、および第6噴射孔群12fにはそれぞれ4個の洗浄用噴射孔8eがそれぞれ穿孔されている。
【0035】
それぞれの噴射孔群12に含まれる洗浄用噴射孔8eの数は必ずしも上述の個数に限定されず、第1噴射孔群12a~第6噴射孔群12fに含まれる洗浄用噴射孔8eの数は2~10個の範囲であればよい。なお、洗浄用噴射孔8eの外径は、1.0mm~1.8mmの範囲であれば好ましく、1.2mm~1.5mmの範囲であればより好ましい。
【0036】
図3は、上部回転体8aを所定の高さで切断した平面を上方から視た状態を示す断面図である。
図3に示すように、噴射孔群12を構成する各洗浄用噴射孔8eは、回転中心線Lを中心とする平面において、回転中心線Lと直交する直線Xに対して、所定の角度θ1回転方向に傾斜して回転体本体の側壁に穿孔されている。ここで、角度θ1は5~25°である。これにより、上部回転体8aの回転を促進することができる。
【0037】
図4~6は、上部回転体8aに穿孔された各噴射孔群12の断面図である。
図4~6に示すように、各噴射孔群12は、回転中心線Lを軸として両側壁にそれぞれ2か所ずつ、線対称に形成され、各々の噴射孔域10に含まれる各噴射孔群12から噴射される水柱の角度がそれぞれ相違する。
【0038】
ここで、
図4(a)は、第1噴射孔群12aの断面(
図3に示すA―A線による断面)、
図4(b)は、第2噴射孔群12bの断面(
図3に示すB―B線による断面)、
図5(a)は、第3噴射孔群12cの断面(
図3に示すC―C線による断面)、
図5(b)は、第4噴射孔群12dの断面(
図3に示すD―D線による断面)、
図6(a)は、第5噴射孔群12eの断面(
図3に示すE―E線による断面)、
図6(b)は、第6噴射孔群12fの断面(
図3に示すF―F線による断面)を示している。
【0039】
図4(a)に示すように、高角域に洗浄液の水柱を噴射するための高角噴射孔域10aを形成する第1噴射孔群12aにおいては、最も極側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第1水柱14aと赤道16のなす角度α1が、60°以上80°以下の範囲であり、最も赤道側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第1水柱14a´と赤道16のなす角度β1が、50°以上70°以下の範囲である。また、第1水柱14aと第1水柱14a´のなす角度γ1は、10°以上30°以下の範囲である。
【0040】
図4(b)に示すように、高角域に洗浄液の水柱を噴射するための高角噴射孔域10aを形成する第2噴射孔群12bにおいては、最も極側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第2水柱14bと赤道16のなす角度α2が、65°以上85°以下の範囲であり、最も赤道側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第2水柱14b´と赤道16のなす角度β2が、55°以上75°以下の範囲である。また、第2水柱14bと第2水柱14b´のなす角度γ2は、10°以上30°以下の範囲である。
【0041】
すなわち、高角噴射孔群の最も赤道側の洗浄用噴射孔8e噴射される水柱と赤道のなす角度は50°以上、高角噴射孔群の最も極側の洗浄用噴射孔8eから噴射される水柱と赤道のなす角度は、85°以下の範囲となる。
【0042】
また、
図5(a)に示すように、中角域に洗浄液の水柱を噴射するための中角噴射孔域10bを形成する第3噴射孔群12cにおいては、最も極側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第3水柱14cと赤道16のなす角度α3が、25°以上50°以下の範囲であり、最も赤道側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第3水柱14c´と赤道16のなす角度β3が、10°以上35°以下の範囲である。また、第3水柱14cと第3水柱14c´のなす角度γ3は、15°以上40°以下の範囲である。
【0043】
また、
図5(b)に示すように、中角域に洗浄液の水柱を噴射するための中角噴射孔域10bを形成する第4噴射孔群12dにおいては、最も極側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第4水柱14dと赤道16のなす角度α4が、30°以上55°以下の範囲であり、最も赤道側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第4水柱14d´のなす角度β4が、10°以上45°以下の範囲である。また、第4水柱14dと第4水柱14d´のなす角度γ4は、10°以上45°以下の範囲である。
【0044】
すなわち、中角噴射孔群の最も赤道側の洗浄用噴射孔8eから噴射される水柱と赤道のなす角度は10°以上、中角噴射孔群の最も極側の洗浄用噴射孔8eから噴射される水柱と赤道のなす角度は55°以下の範囲となる。
【0045】
また、
図6(a)に示すように、低角域に洗浄液の水柱を噴射するための低角噴射孔域10cを形成する第5噴射孔群12eにおいては、最も極側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第5水柱14eと赤道16のなす角度α5が、10°以上25°以下の範囲であり、最も赤道側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第5水柱14e´と赤道16のなす角度β5が、0°以上15°以下の範囲である。また、第5水柱14eと第5水柱14e´のなす角度γ5は、10°以上25°以下の範囲である。
【0046】
また、
図6(b)に示すように、低角域に洗浄液の水柱を噴射するための低角噴射孔域10cを形成する第6噴射孔群12fにおいては、最も極側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第6水柱14fと赤道16のなす角度α6が、10°以上30°以下の範囲であり、最も赤道側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第6水柱14f´と赤道16のなす角度β6が、0°以上20°以下の範囲である。また、第6水柱14fと第6水柱14f´のなす角度γ6は、10°以上30°以下の範囲である。
【0047】
すなわち、低角噴射孔群の最も赤道側の洗浄用噴射孔8eから噴射される低角水柱と赤道のなす角度は0°以上、低角噴射孔群の最も極側の洗浄用噴射孔8eから噴射される第5水柱と赤道のなす角度は30°以下の範囲となる。
なお、上部回転体8aの回転速度は、5rpm以上60rpm以下であり、ゆっくりと回転するため、丁寧にタンク34(
図8参照)内を清浄することができる。
【0048】
図7は、下部回転体8bを所定の高さで切断した平面を上方から視た状態を示す断面図である。
図7に示すように、下部回転体8bの曲面には、下部回転体8bを回転させるために接線方向に洗浄液を噴射する回転用噴射孔8x、および洗浄液を噴射する洗浄用噴射孔8yがそれぞれ二つずつ穿孔されている。ここで、回転用噴射孔8x、洗浄用噴射孔8yは、回転中心線Lと直交する直線Xに対して、所定の角度θ2回転方向に傾斜して回転体本体の側壁に穿孔されている。ここで、角度θ2は5°~25°である。下部回転体8bは、上部回転体8aと接触し、上部回転体8aに摺動しながら回転することで、上部回転体8aがゆっくりと回転するように、上部回転体8aの回転速度を抑制することができる。
【0049】
このスプレー回転体2においては、ノズル部4の流路4aから供給された洗浄液がボール本体8内の図示しないポートを介して上部回転体8aと下部回転体8bに充填され、各洗浄用噴射孔8eから噴射されることで上部回転体8aの回転が促進され、一方で、洗浄液が下部回転体8bの回転用噴射孔8xから接線方向に噴射されることで、下部回転体8bが上部回転体8aと逆方向に回転し、上部回転体8aの回転速度が抑制される。そして、各洗浄用噴射孔8eから被洗浄部(たとえば、タンク34の内壁面)を目掛けて洗浄液が噴射される。
【0050】
図8は、上部回転体8aに形成された全噴射孔域10の各噴射孔群12から噴射された水柱がタンク34の内壁面に当たる状況を示す図である。
図8によれば、上部回転体8aに、高角噴射孔域10a、中角噴射孔域10b、低角噴射孔域10cを形成することにより、タンク34内の中角領域36bのみならず、高角領域36a、低角領域36cにも水柱を噴射することができる。また、各噴射孔域10に含まれる噴射孔群12から噴射される水柱の角度はそれぞれ相違するため、広範囲にタンク34の内壁面を洗浄することができる。
【実施例】
【0051】
[実施例1]
次に、実施の形態に係るスプレー回転体2(実施品)、特許文献1に記載されているスプレー回転体114(従来品)を用いて行った洗浄率の実験について説明する。まず、実験において、実施品を取り付けたタンク、および従来品を取り付けたタンクを準備した。ここで、それぞれに用いられるタンクは同様のものである。なお、実施品、従来品ともポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で形成され、実施品の外径は65mm、従来品の外径は70mmである。
タンクは、ステンレスで形成され、1200mmの内径を有し、内径に対する北半球の高さの比が2:1である。
【0052】
次に、疑似汚れである食紅等が塗布されたステンレス製の試験板を計13枚用意した。13枚の内8枚はタンクの内壁面に配置する試験板であり、5枚はタンクのノズル内に配置する試験板である。このタンクの内壁面に配置する8枚の試験板とノズル内に配置する5枚の試験板について、それぞれ重量を計測した。次に、双方のタンクの内壁面内に8枚の試験板、ノズル内に5枚の試験板をそれぞれ配置して、実施品、従来品を用いて所定の時間それぞれのタンクの洗浄を行った後、試験板を取り外して重量を計測した。
【0053】
なお、試験における実施品の流量は70(L/min)、洗浄水の噴出圧力は0.15(Mpa)であり、従来品の流量は90(L/min)、洗浄水の噴出圧力は0.15(Mpa)である。
【0054】
洗浄前後の試験板の重量に基づく洗浄率の計算式は以下のとおりである。
洗浄率=(洗浄前の試験板の重量―洗浄後の試験板の重量)/洗浄前の試験板の重量 …(数式1)
【0055】
図9(a)は、この数式1を用いて計算した実施品、従来品のそれぞれによるタンク内の洗浄率を棒グラフ(左に実施品、右に従来品を示す。以下同様)で表したものであり、
図9(b)は、この数式1を用いて計算した実施品、従来品のそれぞれによるノズル内の洗浄率を棒グラフで表したものである。
【0056】
なお、高_100Aは、高角領域36aに位置する内径100mmのノズル、中_50Aは、中角領域36bに位置する内径50mmのノズル、低_100Aは、低角領域36cに位置する内径100mmのノズルである。なお、実施品および従来品は、タンク34内において、高角領域36aに位置する内径80mmのノズル35(
図8参照)に取り付けられている。
【0057】
図9(a)によれば、従来品と比較して、実施品によるタンク内の洗浄率は、高角領域、低角領域で高いことがわかる。また、
図9(b)によれば、従来品と比較して、実施品によるタンクのノズル内の洗浄率は、中角領域、低角領域で高いことがわかる。
【0058】
なお、
図10(a)、(b)に実施品、従来品のそれぞれによる洗浄効率を示す。洗浄効率の計算式は、以下の通りである。
洗浄効率=洗浄率/流量 …(数式2)
【0059】
実施の形態に係るスプレー回転体2によれば、上部回転体8aに、高角噴射孔域10a、中角噴射孔域10b、低角噴射孔域10cを形成することにより、タンク34内の中角領域36bのみならず、高角領域36a、低角領域36cにも水柱を噴射することができる。また、各噴射孔域10に含まれる噴射孔群12から噴射される水柱の角度はそれぞれ相違するため、広範囲にタンク内壁面を洗浄することができる。
このため、タンク34内を短時間でムラなく洗浄でき、かつ洗浄液を節約することができる。
【0060】
また、上部回転体8aおよび下部回転体8bに、噴射角度の異なる第1噴射孔群12aと第2噴射孔群12bを隣接して形成することにより、タンク34内をムラなく洗浄することができる。また、洗浄対象となるタンク34ごとに噴射角度を調整する必要もなくどのタンク34にも容易に取り付けることができる。
【0061】
また、スプレー回転体2は、上部回転体8aと下部回転体8bを備えた二段構造を有するため、上部回転体8aから噴射される洗浄液によって洗い流された箇所の汚れは、さらに下部回転体8bから噴射される洗浄液によって洗い流されるため、入念にタンク34内の汚れを洗浄することができる。
【0062】
また、スプレー回転体2を球状にすることで、洗浄用噴射孔8eから噴射される水柱の角度を適度に仰角方向に散水させることができ、広範囲にタンク34の内壁面を洗浄することができる。
【0063】
なお、上述の実施の形態においては、スプレー回転体が上部回転体8aと下部回転体8bとを有するスプレー回転体2である場合を例示しているが、スプレー回転体は、必ずしも球状である必要はなく、下部回転体8bを有しなくてもよい。スプレー回転体2が球状でない場合、たとえば、台錐状であってもよい。
【0064】
また、上述の実施の形態においては、下部回転体8bが上部回転体8aと逆方向に回転する場合を例示しているが、下部回転体8bは、上部回転体8aと同じ順方向に回転してもよい。
【0065】
また、上述の実施の形態において、タンク34内を短時間でムラなく洗浄でき、かつ洗浄液を節約することができるのであれば、必ずしも上部回転体8aの曲面上に高角噴射孔域10a、中角噴射孔域10b、低角噴射孔域10c、および各噴射孔群が形成されていなくともよい。
【0066】
すなわち、ボール本体8の側壁上に仰角方向に異なる噴射角度を有するものが複数含まれ、スプレー回転体2のスプレー回転体を回転させながら洗浄を行った際に、各洗浄用噴射孔8eから噴射される複数の水柱がタンク34内の北半球の仰角方向に散水される機能を発揮することができればよい。
【0067】
具体的には、洗浄用噴射孔8eが、高角域に水柱を噴射するための複数の高角噴射孔、中角域に水柱を噴射するための複数の中角噴射孔、低角域に水柱を噴射するための複数の低角噴射孔の仰角方向に異なる角度を有する噴射孔を含むように構成することにより、各洗浄用噴射孔8eから噴射される複数の水柱がタンク34内の北半球の仰角方向に散水され、タンク内壁面の広範囲を洗浄する機能を実現することができる。
【0068】
たとえば、高角噴射孔は、噴射される水柱の赤道に対する角度が、60°より大きく85°以下であり、中角噴射孔は、噴出される水柱の赤道に対する角度が、30°より大きく60°以下であり、低角噴射孔は、噴出される水柱の赤道に対する角度が、0°以上30°以下となるように構成する。
【0069】
この場合、たとえば、
図11に示すスプレー回転体22のように、噴射孔群12を有さず、ボール本体8の曲面上に洗浄用噴射孔8eが螺旋状に形成されている場合でも、洗浄用噴射孔8eに、高角噴射孔、中角噴射孔、低角噴射孔を含めることにより、各洗浄用噴射孔8eから噴射される複数の水柱がタンク34内の北半球の仰角方向に散水される機能を実現することができる。
【0070】
また、上述の実施の形態において、高角噴射孔域10aに配置された洗浄用噴射孔8eが、高角噴射孔のみならず、中角噴射孔、低角噴射孔を含んでいてもよく、中角噴射孔域10bに配置された洗浄用噴射孔8eが、中角噴射孔のみならず、高角噴射孔、低角噴射孔を含んでいてもよく、低角噴射孔域10cに配置された洗浄用噴射孔8eが、低角噴射孔のみならず、高角噴射孔、中角噴射孔を含んでいてもよい。
【0071】
また、上述の実施の形態においては、仰角方向に同一の噴射角度を有する複数の洗浄用噴射孔8eが一部に含まれていてもよい。
また、上述の実施の形態において、スプレー回転体2に形成された各洗浄用噴射孔8eの穴径は必ずしも同一でなくてもよい。
【符号の説明】
【0072】
2 スプレー回転体
4 ノズル部
4a 流路
4b 大径部
6 固定リング
8 ボール本体
8a 上部回転体
8b 下部回転体
8e 洗浄用噴射孔
8x 回転用噴射孔
8y 洗浄用噴射孔
10 噴射孔域
10a 高角噴射孔域
10b 中角噴射孔域
10c 低角噴射孔域
12 噴射孔群
12a 第1噴射孔群
12b 第2噴射孔群
12c 第3噴射孔群
12d 第4噴射孔群
12e 第5噴射孔群
12f 第6噴射孔群
14a 第1水柱
14b 第2水柱
14c 第3水柱
14d 第4水柱
14e 第5水柱
14f 第6水柱
16 赤道
22 スプレー回転体
34 タンク
35 ノズル
36a 高角領域
36b 中角領域
36c 低角領域
102 タンク
102a 上蓋部
102b ノズル
102c ノズル
104 スプレー回転体
106 上部回転体
108 下部回転体
110 回転用噴射孔
112 洗浄用噴射孔
114 スプレー回転体
136 伝い流れによる洗浄に委ねざるを得ないエリア(水柱が当たり難い箇所)
L 回転中心線
X Lと直交する直線
【要約】
【課題】タンク内をムラなく洗浄でき、かつどのタンクにも容易に取り付けることができるスプレー回転体を提供する。
【解決手段】タンク内に配置され、前記タンク内を洗浄するためのスプレー回転体であって、回転する回転体本体に形成された複数の洗浄用噴射孔を備え、複数の前記洗浄用噴射孔の一部または全部は、仰角方向に異なる噴射角度を有し、前記洗浄用噴射孔は、さらに、回転軸を中心とする平面において、前記回転軸と直交する直線に対して、所定の角度回転方向に傾斜して前記回転体本体の側壁に穿孔され、該スプレー回転体を回転させながら洗浄を行った際に、各洗浄用噴射孔から噴射される複数の水柱が前記タンク内の北半球の仰角方向に散水される。
【選択図】
図1