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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】車両駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/031 20120101AFI20241216BHJP
   F16H 57/021 20120101ALI20241216BHJP
   F16H 57/04 20100101ALI20241216BHJP
   F16H 7/02 20060101ALI20241216BHJP
   B60K 17/06 20060101ALI20241216BHJP
   B60K 17/12 20060101ALI20241216BHJP
   B60K 1/02 20060101ALI20241216BHJP
   H02K 7/10 20060101ALI20241216BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
F16H57/031
F16H57/021
F16H57/04 C
F16H7/02
B60K17/06 E
B60K17/12
B60K1/02
H02K7/10 D
B60L15/20 K
B60L15/20 S
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023147822
(22)【出願日】2023-09-12
【審査請求日】2024-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 祐一
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-097237(JP,A)
【文献】特開2018-154191(JP,A)
【文献】特開2010-235056(JP,A)
【文献】実開昭59-188342(JP,U)
【文献】国際公開第2021/144355(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0132039(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/031
F16H 57/021
F16H 57/04
F16H 7/02
B60K 17/06
B60K 17/12
B60K 1/02
H02K 7/10
B60L 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行駆動源である電動機と、
トルクが入力される入力軸と、前記入力軸の回転を変速する変速機構と、前記入力軸と前記変速機構とを収容する変速機ケースと、を有する変速機と、
前記変速機ケースの外部において前記入力軸と同軸上に延在し、前記入力軸に連結された回転軸と、
前記変速機ケースに取り付けられ、前記回転軸を回転可能に支持する第1支持部と、
前記第1支持部に取り付けられ、前記電動機を支持する第2支持部と、
前記電動機のトルクを前記回転軸に伝達する動力伝達部と、を備えることを特徴とする車両駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両駆動装置において、
前記電動機は、第1電動機と第2電動機とを含み、
前記動力伝達部は、前記第1電動機のトルクを前記回転軸の第1部位に伝達する第1動力伝達部と、前記第2電動機のトルクを、前記第1部位よりも前記入力軸までの距離が短い前記回転軸の第2部位に伝達する第2動力伝達部と、を含むことを特徴とする車両駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両駆動装置において、
前記第1動力伝達部は、前記第1電動機のトルクが出力される第1出力部と前記回転軸の前記第1部位との間に掛け回された無端式の第1帯状部材を有し、
前記第2動力伝達部は、前記第2電動機のトルクが出力される第2出力部と前記回転軸の前記第2部位との間に掛け回された無端式の第2帯状部材を有し、
前記第1支持部は、前記第1帯状部材が通過するように形成された第1通過部と、前記第2帯状部材が通過するように形成された第2通過部と、を有することを特徴とする車両駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両駆動装置において、
前記第1通過部および前記第2通過部は、それぞれ前記第1支持部の端部に設けられた切り欠きにより構成されることを特徴とする車両駆動装置。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載の車両駆動装置において、
前記第1支持部と前記回転軸との間に介装され、前記回転軸を前記第1支持部から回転可能に支持する単一の回転軸支持部をさらに備え、
前記変速機は、前記入力軸を回転可能に支持する軸方向複数の入力軸支持部をさらに有し、
前記回転軸の軸方向一端部は、前記入力軸の軸方向一端部にトルク伝達可能に嵌合され、
前記回転軸支持部は、前記回転軸の軸方向一端部と前記第2部位との間に設けられることを特徴とする車両駆動装置。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の車両駆動装置において、
前記第2支持部と車体との間に介装され、前記第2支持部に取り付けられる第1取付部と前記車体に取り付けられる第2取付部とを有する第3支持部をさらに備えることを特徴とする車両駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行駆動源として電動機を有する車両駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、従来、変速機ケースに収容された変速機構にモータのトルクが入力されるようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1記載の装置では、変速機ケースに上方に膨出する膨出部が設けられ、膨出部の側方にモータが配置されるとともに、膨出部を介してモータのトルクが変速機構に入力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7238386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コストの低下を図るためには、装置の汎用性を高めることが好ましい。しかしながら、上記特許文献1記載の装置は、変速機ケースに膨出部を設けて変速機ケースを構成するため、装置の汎用性が低く、コストの増加を招く。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様である車両駆動装置は、車両の走行駆動源である電動機と、トルクが入力される入力軸と、入力軸の回転を変速する変速機構と、入力軸と変速機構とを収容する変速機ケースと、を有する変速機と、変速機ケースの外部において入力軸と同軸上に延在し、入力軸に連結された回転軸と、変速機ケースに取り付けられ、回転軸を回転可能に支持する第1支持部と、第1支持部に取り付けられ、電動機を支持する第2支持部と、電動機のトルクを回転軸に伝達する動力伝達部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、車両駆動装置の汎用性を高めることができ、コストの低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る車両駆動装置が適用される車両の側面図。
図2図1の矢視II図。
図3】本発明の実施形態に係る車両駆動装置の全体構成を示す斜視図。
図4】本発明の実施形態に係る車両駆動装置の全体構成を示す側面図。
図5】本発明の実施形態に係る車両駆動装置の一部である駆動ユニットの分解斜視図。
図6図5の駆動ユニットの要部断面図。
図7A図5の駆動ユニットを構成するケースの斜視図。
図7B図7Aとは異なる方向から見たケースの斜視図。
図8図5の駆動ユニットを構成するホルダの斜視図。
図9図5の駆動ユニットを構成するブラケットの斜視図。
図10図5の駆動ユニットの回転軸と変速機の入力軸との連結部の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1図10を参照して本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る車両駆動装置は、車両を走行駆動するための装置であり、乗用車、トラック、作業車両等、各種車両に適用することができる。以下では、一例として、四輪のトラックに車両駆動装置を適用する例を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る車両駆動装置100が搭載された車両(トラック)200の側面図であり、図2は、車両駆動装置100の概略構成を示す車両200の底面図(図1の矢視II図)である。なお、図1,2には、車両200の前後方向(長さ方向)、左右方向(幅方向)および上下方向(高さ方向)を矢印で示す。
【0010】
図1に示すように、車両200は、左右一対の前輪201と、左右一対の後輪202と、前輪201の上方に配置されたキャビン203と、車両200の骨格を形成するシャーシ(車体フレーム)204と、シャーシ204の上方に配置された荷台205と、を有する。車両200は、前輪201を従動輪、後輪202を駆動輪として構成された後輪駆動車であり、車両駆動装置100により後輪202が駆動される。車両駆動装置100は、シャーシ204の下方、かつ、後輪202の近傍に配置される。
【0011】
図2では、便宜上、後輪202と、後輪202に接続される左右のドライブシャフト206とを、それぞれ二点鎖線で示す。シャーシ204については、最も外側の輪郭のみを実線で示す。図2に示すように、車両駆動装置100は、左右の後輪202の間に配置される。車両駆動装置100の前端部は、後輪202の前端よりも前方に位置し、後端部は、ドライブシャフト206よりも後方かつ後輪202の後端よりも前方に位置する。
【0012】
車両駆動装置100は、駆動ユニット1と、変速機2と、差動機構3とを有する。駆動ユニット1は、変速機2の左端部に取り付けられ、駆動ユニット1から出力されたトルクが変速機2の入力軸に入力される。変速機2は、入力軸の回転を所定の変速比で変速する。差動機構3は、変速機2の後部に設けられ、変速機2から出力されたトルクを左右に分配し、左右のドライブシャフト206に伝達する。これによりドライブシャフト206が回転し、左右の後輪202が駆動される。
【0013】
車両駆動装置100は、シャーシ204の底部に設けられた複数の支持部211~213によって支持される。具体的には、車両駆動装置100の右前方に設けられた支持部211、左前方に設けられた支持部212、左右方向中央かつ後方に設けられた支持部213によって、周知のマウント機構を介して支持される。
【0014】
変速機2にもともとエンジンが接続されており、エンジンに代えて駆動ユニット1が接続される場合を想定すると、駆動ユニット1は全体がエンジンとほぼ同一の大きさに構成される。このため、エンジンの設置スペースにそのまま駆動ユニット1を配置することができ、エンジンのマウントを、車両駆動装置100の支持部としてそのまま流用することができる。これにより、走行駆動源としてエンジンを有するエンジン車両を、駆動ユニット1を有する電気自動車に、容易かつ安価に変更することができる。
【0015】
図3は、車両駆動装置100の全体構成を示す斜視図(左斜め前方かつ上方から見た図)である。図2,3に示すように、変速機2は、変速機ケース20と、変速機ケース20に収容された変速機構21と、を有する。図示は省略するが、変速機構21は、変速機ケース20に回転可能に支持されて左右方向に互いに平行に延在する入力軸および出力軸と、入力軸の回転を出力軸に伝達する複数段のギヤと、を有する。変速機ケース20は、これら入力軸、出力軸および複数段のギヤを収容するように左右方向に延在する軸線CL1(図4参照)を中心とした略円筒形状に構成される。
【0016】
図4は、車両駆動装置100を左方から見た側面図(図1の要部拡大図)である。図4に示すように、差動機構3は、変速機2から後方に膨出して設けられる。差動機構3の底面と変速機2の底面とは、同一ないしほぼ同一の水平面上に位置する。変速機2の後方において、差動機構3の左右両端面から左右方向にドライブシャフト206が突出する。
【0017】
本実施形態の車両駆動装置100は、駆動ユニット1の構成に特徴がある。図5は、駆動ユニット1の分解斜視図である。図3~5に示すように、駆動ユニット1は、前後一対のモータ11,12と、モータ11,12を支持するホルダ13と、ホルダ13を支持するケース14と、ケース14の内部に回転可能に支持された回転軸15と、モータ11,12のトルクをそれぞれ回転軸15に伝達する一対の動力伝達部16,17と、駆動ユニット1をシャーシ204に取り付けるためのブラケット18と、を有する。
【0018】
回転軸15は、回転軸15の中心を通る軸線CL1に沿って左右方向に延在する。なお、以下では、軸線CL1に平行な方向を軸方向、軸線CL1から放射状に延びる方向(軸線CL1に垂直な方向)を径方向、軸線CL1を中心とした円の延びる方向を周方向と呼ぶことがある。
【0019】
モータ11,12は、互いに同一構成の電動モータであり、例えば三相交流同期電動機により構成される。図1に示すように、車両駆動装置100の前方かつシャーシ204の下方にはバッテリ250が搭載される。バッテリ250の直流電力は、不図示の電力変換回路により三相交流電力に変換され、モータ11,12に供給される。これにより一対のモータ11,12が同時に駆動される。なお、車両走行時にモータ11,12から出力されるトルクは互いに同一である。2つのモータ11,12を走行駆動源として用いることで、大型のモータを用いることなく、大きな走行駆動トルクを発生することができる。
【0020】
図4に示すように、一方のモータ11は、回転軸15の前方かつ回転軸15よりも下方に配置される。モータ11の底面は変速機2の底面と同一水平面上に位置する。他方のモータ12は、回転軸15の後方かつドライブシャフト206とシャーシ204との間に配置される。このように本実施形態では、一対のモータ11,12が、回転軸15を対称軸として回転軸15に対し略対称に配置される。これにより、図1に示すように、回転軸15の中心(軸線CL1)からモータ11,12の中心にそれぞれ延ばした一対の線分のなす角(交差角と呼ぶ)θが大きくなる。ここで略対称とは、交差角θが所定角度θ1(例えば135°)以上の場合であり、厳密な意味での対称(つまり交差角θが180°)の場合も含まれる。
【0021】
仮に、ドライブシャフト206の上方に後側のモータ12が配置されたまま、交差角θが180°になるように前側のモータ11を配置すると、モータ11の底面が変速機2の底面よりも下方に位置し、路面からモータ11までの距離(最低地上高)が短くなる。一方、前側のモータ11が図4の位置に配置されたまま、交差角θが180°になるようにモータ12を配置すると、モータ12とドライブシャフト206とが干渉するおそれがある。そこで、前側のモータ11の十分な地上高を確保しつつ、後側のモータ12がドライブシャフト206と干渉せずに配置されるように、交差角θが所定角度θ1以上の値に設定される。好ましくは、交差角θは180°にできるだけ近い値(可能であれば180°)に設定される。
【0022】
図5に示すように、モータ11,12の出力軸は、軸線CL1と平行に左右方向に延在し、その先端部(右端部)に互いに同一構成の駆動プーリ111,121が設けられる。後側のモータ12は前側のモータ11よりも所定長さだけ右方に配置され、駆動プーリ121は駆動プーリ111よりも所定長さだけ右方に位置する。軸線CL1からモータ11,12の出力軸までの距離は互いに等しい。
【0023】
動力伝達部16,17は、互いに左右方向に位置をずらして配置される。左側の動力伝達部16は、駆動プーリ111よりも大径の従動プーリ161と無端式のベルト162とを有する。ベルト162は、従動プーリ161とその前方の駆動プーリ111との間に掛け回され、駆動プーリ111の回転はベルト162を介して減速されて従動プーリ161に伝達される。右側の動力伝達部17は、駆動プーリ121よりも大径の従動プーリ171と無端式のベルト172とを有する。ベルト172は、従動プーリ171とその後方の駆動プーリ121との間に掛け回され、駆動プーリ121の回転はベルト172を介して減速されて従動プーリ171に伝達される。従動プーリ161,171の構成(径や幅)は同一であり、ベルト162,172の構成(長さや幅)も同一である。
【0024】
従動プーリ161,171は、回転軸15と一体に回転するように回転軸15に取り付けられる。図6は、軸線CL1に沿って切断した駆動ユニット1の要部断面図である。図5,6に示すように、回転軸15は、外周面が段付き状に構成され、大径部151と、大径部151から右方に延在する小径部152と、大径部151の左側の連結部153とを有する。図6に示すように、大径部151の外周面にはボールベアリング41の内輪が取り付けられる。ボールベアリング41の外輪は、ケース14に設けられた軸線CL1を中心とした略リング状のベアリング支持部141の内周面に取り付けられる。これにより、ボールベアリング41を介して回転軸15がケース14に回転可能に支持される。
【0025】
小径部152の外周面には、右側から順番にワッシャー42、従動プーリ171、カラー43および従動プーリ161が、それぞれ嵌合される。回転軸15の左端部にはねじ孔154が設けられ、ねじ孔154にボルト44が螺合される。ワッシャー42、従動プーリ171、カラー43および従動プーリ161は、ボルト44の座面と大径部151の左端面との間に挟まれて固定される。ベアリング41の内輪は、大径部151の外周面に設けられた段部151aの端面とワッシャー42との間に挟まれて固定される。ベアリング41の外輪は、ベアリング支持部141の左端部から径方向内側に延在する側壁部142と、ベアリング支持部141の内周面の溝に嵌合されたサークリップ(スナップリング)45と、の間に挟まれて固定される。
【0026】
ケース14は、回転軸15と従動プーリ161,171などの周囲を覆うように全体が略筒状に構成される。図5に示すように、ケース14は、右端に設けられた基部143と、左端に設けられたフランジ部144と、左右方向に延在し、基部143とフランジ部144とを接続する側壁部145とを有する。
【0027】
側壁部145は、左方に向かうに従い軸線CL1に接近するように傾斜し、軸線CL1を中心としたフランジ部144の大きさ、つまり軸線CL1に直交する平面上でのフランジ部144の全体の大きさは、軸線CL1を中心とした基部143の全体の大きさよりも小さい。図3に示すように、基部143は、変速機ケース20の左端部の周囲を覆うように断面略L字状に形成され、これにより変速機ケース20に対しケース14を精度よく位置決めできる。
【0028】
図7Aは、ケース14を左斜め前方かつやや上方から見たケース14の単体の斜視図であり、図7Bは、ケース14を左斜め後方かつやや下方から見たケース14の単体の斜視図である。図7Aに示すように、基部143には、周方向複数の貫通孔143aおよびねじ孔143bが設けられる。ケース14は、貫通孔143aを貫通したボルトが変速機ケース20のフランジ部のねじ孔に螺合することにより、および、変速機ケース20のフランジ部を貫通したボルトがねじ孔143bに螺合することにより、変速機ケース20の左端面に締結される。なお、基部143に貫通孔143aとねじ孔143bのいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
【0029】
ケース14は、軸線CL1を中心として全周にわたって設けられるのではなく、周方向の一部が切断して設けられる。すなわち、ケース14は、図4の軸線CL1の後方の参照線CL2を通り左右方向に延在する仮想平面によって切断された端面146を有する。図7Bに示すように、端面146(便宜上、ハッチングで示す)は、ベアリング支持部141よりも径方向外側に位置し、基部143と側壁部145とフランジ部144の一部がそれぞれ端面146を介して切断される。端面146には複数のねじ孔146aが設けられる。
【0030】
図4に示すように、端面146には、ねじ孔146aに螺合されるボルト147を介してカバー140が締結される。ケース14の端面146にカバー140が締結されると、回転軸15や従動プーリ161,171(図6)などが全周にわたって包囲される。このようにカバー140は、ケース14と一体に回転軸15や従動プーリ161,171などを包囲するものであり、カバー140をケースの一部として扱うこともある。すなわち、ケース14を第1ケース(主ケース)、カバー140を第2ケース(副ケース)として扱うこともある。
【0031】
図5に示すように、ベルト162は従動プーリ161から前方に延在し、ベルト172は従動プーリ171から後方に延在する。図7A,7Bに示すように、ケース14の側壁部145には、ベルト162の位置に対応して、フランジ部144の左端面から右方に所定深さの上下一対の切り欠き148が設けられる。切り欠き148の深さはベルト162の幅に相当する。これにより、図3に示すように、切り欠き148を介してベルト162がケース14を通過し、ケース14と干渉せずにベルト162を駆動することができる。
【0032】
図7A,7Bに示すように、ケース14の側壁部145には、ベルト172の位置に対応して、端面146から上方に向けて所定深さの切り欠き149が設けられる。より詳しくは、図5に示すようにベルト172がベルト162よりも右方に位置することに対応し、切り欠き149は切り欠き148よりも右方に位置する。切り欠き149の深さは、ベルト172の幅に相当する。これにより、図3に示すように切り欠き149を介してベルト172がケース14を通過し、ケース14と干渉せずにベルト172を駆動することができる。なお、切り欠き149の深さをベルト172の幅よりも短くするとともに、切り欠き149に連なるようにカバー140(図4)に切り欠きを設けるようにしてもよい。切り欠き149は、フランジ部144の左端面ではなく端面146に設けられるので、切り欠き149の深さを短くすることができる。
【0033】
カバー140は、ベルト172が切り欠き149を通過して配置された後に、ケース14の端面146に取り付けられる。ケース14にカバー140が取り付けられると、切り欠き149の入口(下端部)がカバー140で塞がれ、切り欠き149は略矩形状の開口部となる。
【0034】
図7Bに示すように、フランジ部144の左端面には、複数のねじ孔144aが設けられる。これらねじ孔144aにボルト181(図4)が螺合することにより、フランジ部144の左端面にホルダ13が締結される。図8は、ホルダ13を左斜め後方かつやや上方から見たホルダ13の単体の斜視図である。図8に示すように、ホルダ13は、フランジ部131と、フランジ部131の前端部および後端部からそれぞれ前方および後方に延設された前後一対のモータ支持部132,133と、を有する。
【0035】
フランジ部131は、ケース14のフランジ部144と同様、軸線CL1を中心として略円弧状に形成され、フランジ部131の右端面はフランジ部144の左端面に当接する。モータ支持部132、133は、モータ11,12の外周面の形状に対応してそれぞれ略C字状に構成される。後側のモータ支持部133は、フランジ部131の周縁から後方に延在するのに対し、前側のモータ支持部132は、ベルト162,172の左右方向の位置ずれに対応してフランジ部131の左方に膨出して設けられる。
【0036】
モータ支持部132の上下方向両端部には、一対の貫通孔134が開口され、貫通孔134に挿通されたボルト135(図3)により、モータ支持部132にモータ11が固定される。モータ支持部133の上下方向両端部には、一対の貫通孔136が開口され、貫通孔136に挿通されたボルト137(図3)により、モータ支持部133にモータ12が固定される。
【0037】
フランジ部131およびフランジ部131に重なるモータ支持部132には、ケース14のフランジ部144のねじ孔144a(図7B)の位置に対応して複数の貫通孔131aが開口される。図4に示すように、ホルダ13の左端面には、ブラケット18が取り付けられる。図9は、ブラケット18を右斜め前方から見たブラケット18の単体の斜視図である。図9に示すように、ブラケット18は、ホルダ13に取り付けられる取付部182と、シャーシ204に取り付けられる取付部183と、取付部182と取付部183とを接続するアーム部184とを有する。アーム部184は、取付部182から前方かつ左方かつ上方に向けて斜めに延在する。
【0038】
取付部182は、周方向に2つに分割して設けられ、一方の右端面がホルダ13のフランジ部131の左端面に当接し、他方の右端面がモータ支持部132の左端面に当接する。取付部182には、ホルダ13の貫通孔131aの位置に対応して複数の貫通孔182aが開口される。図4に示すように、ブラケット18の貫通孔182aおよびホルダ13の貫通孔131aに挿通されたボルト181がケース14のねじ孔144a(図7B)に螺合することで、ブラケット18とホルダ13とが一度にケース14に固定される。
【0039】
図10は、駆動ユニット1の回転軸15と変速機2との連結部における構成を示す断面図である。変速機2の一部は、便宜上、仮想線(二点鎖線)で示す。図10に示すように、変速機2は、回転軸15と同軸上に左右方向に延在する入力軸23を有する。図示は省略するが、変速機ケース20内には、入力軸23だけでなく、入力軸23と平行に左右方向に延在する出力軸が配置される。入力軸23の外周面には、図示しない複数段のギヤが設けられ、ギヤが、出力軸の外周面に設けられたギヤと噛合することで、入力軸23から出力軸にトルクが伝達される。
【0040】
入力軸23の左端部は、変速機ケース20から左方に突出する。入力軸23は、左右一対のベアリング(ボールベアリング)25,26を介して変速機ケース20に回転可能に支持される。より詳しくは、入力軸23の左端部よりも所定長さだけ右側の部位と、入力軸23の右端部とが、ベアリング25,26により支持される。入力軸23の左端部(先端部)には、円柱形状の軸部27が設けられ、軸部27の右側に軸部27よりも大径の軸部28が設けられる。軸部28の外周面にはスプラインが形成される。
【0041】
回転軸15の右端の連結部153には、回転軸15の右端面から左方にかけて軸線CL1を中心とした略円筒形状の所定深さの有底孔155が設けられる。有底孔155は、有底孔155の奥側の孔部156と、孔部156よりも大径であり、孔部156の右側の孔部157とを有する。孔部156の径は軸部27の径と等しく(またはほぼ等しく)、軸部27は孔部156に隙間なく(またはほぼ隙間なく)嵌合される。孔部157の内周面にはスプラインが形成され、孔部157のスプラインに軸部28のスプラインが噛合する。これにより回転軸15から入力軸23にトルクが伝達される。
【0042】
孔部156に軸部27が嵌合される部位を嵌合部FPと呼ぶ。回転軸15は、ベアリング41と嵌合部FTとにより軸方向2箇所で支持される。これにより、ベアリング41を大型化することなく、回転軸15にトルクが作用した場合の回転軸15の振れ(倒れ)を抑制することができる。その結果、ベアリング支持部141を有するケース14を、コンパクトに構成することができる。
【0043】
回転軸15の小径部152は、従動プーリ161が取り付けられるプーリ支持部152Aと、従動プーリ171が取り付けられるプーリ支持部152Bとを有する。プーリ支持部152Aには、従動プーリ161およびベルト162を介して、図10の矢印方向(前方)に引張力F1が作用する。プーリ支持部152Bには、従動プーリ171およびベルト172を介して、図10の矢印方向(後方)に引張力F2が作用する。引張力F1の作用する方向と引張力F2の作用する方向とは、ほぼ反対である。これにより、回転軸15に作用する引張力F1,F2が相殺され、ベアリング41に作用するラジアル荷重を低減することができる。
【0044】
図5,6を参照して駆動ユニット1の組立手順を説明する。まず、回転軸15にベアリング41を取り付けた状態で、ケース14のベアリング支持部141に、右方から回転軸15を挿入する。そして、ベアリング支持部141の内周面の溝にサークリップ45を取り付け、回転軸15をケース14に回転可能に取り付ける。次いで、左方から回転軸15の外周面に、ワッシャー42,従動プーリ171、カラー43および従動プーリ161を順次嵌合した後、回転軸15のねじ孔154にボルト44を螺合し、回転軸15にワッシャー42,従動プーリ171、カラー43および従動プーリ161を固定する。このとき、従動プーリ161,171に予めベルト162,172を掛け回し、切り欠き148,149(図7B)を介してベルト162,172をケース14の外側に取り出した状態で、従動プーリ161,171を回転軸15に組み付ける。
【0045】
次いで、一対のモータ11,12を、ホルダ13のモータ支持部132,133(図8)に固定する。さらに、ボルト181(図4)を介してホルダ13をケース14のフランジ部144(図7B)に取り付ける。このとき、ブラケット18を同時に取り付ける。次いで、モータ11,12の駆動プーリ111,121にそれぞれベルト162,172を掛け回した後、ベルト162,172に所定の張力をかける。最後に、ケース14の端面146(図4)にカバー140を取り付け、駆動ユニット1の組立が完了する。
【0046】
駆動ユニット1の組立完了後、変速機ケース20の左端部に、ボルトを用いてケース14の基部143が締結される。このとき、断面略L字形状である基部143は、変速機2に対し位置決めされるため、入力軸23と回転軸15とを精度よく同軸上に位置させることができる。その結果、入力軸23を回転軸15の有底孔155に容易に嵌合できる。
【0047】
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両駆動装置100は、車両200の走行駆動源であるモータ11,12(電動機)と、トルクが入力される入力軸23、入力軸23の回転を変速する変速機構21および入力軸23と変速機構21とを収容する変速機ケース20を有する変速機2と、変速機ケース20の外部において入力軸23と同軸上に延在し、入力軸23に連結された回転軸15と、変速機ケース20に取り付けられ、回転軸15を回転可能に支持するケース14と、ケース14に取り付けられ、モータ11,12を支持するホルダ13と、モータ11,12のトルクを回転軸15に伝達する動力伝達部16,17と、を備える(図1,5,10)。
【0048】
これにより、ケース14とホルダ13とを介して変速機2にモータ11,12が取り付けられるとともに、モータ11,12のトルクは動力伝達部16,17と回転軸15とを介して変速機2の入力軸23に伝達されるようになる。このため、変速機2の入力軸23の側方に駆動ユニット1の設置スペースがあれば、変速機2に駆動ユニット1を容易に接続することができ、駆動ユニット1の取付に対する制約が小さい。したがって、変速機ケース20を特殊な形状にすることなく、種々の車両の変速機2に、モータ11,12、ケース14、ホルダ13、回転軸15等からなる駆動ユニット1を適用することができる。これにより、車両駆動装置100の汎用性を高めることができ、コストの低下を図ることができる。変速機2を変更せずに、モータ11,12の個数や大きさを容易に変更することもできる。
【0049】
(2)動力伝達部16は、モータ11のトルクを回転軸15のプーリ支持部152Aに伝達し、動力伝達部17は、モータ12のトルクを、プーリ支持部152Aよりも入力軸23までの距離が短い回転軸15のプーリ支持部152Bに伝達する(図5,10)。これにより一対のモータ11,12のトルクが回転軸15に伝達されるため、大型のモータを用いることなく、車両200の走行駆動トルクを大きくすることができる。
【0050】
(3)動力伝達部16は、モータ11のトルクが出力される駆動プーリ111と回転軸15のプーリ支持部152A(従動プーリ161)との間に掛け回された無端式のベルト162を有し、動力伝達部17は、モータ12のトルクが出力される駆動プーリ121と回転軸15のプーリ支持部152B(従動プーリ171)との間に掛け回された無端式のベルト172を有する(図5,10)。ケース14は、ベルト162、172が通過するように構成される(図7A,7B)。これにより、ベルト162,172がケース14に干渉することなく、ケース14の外部に配置されたモータ11,12のトルクを、ベルト162,172を介してケース内の回転軸15に良好に伝達することができる。
【0051】
(4)ケース14は、ベルト162が通過するようにケース14の端部に形成された切り欠き148と、ベルト172が通過するようにケース14の端部に形成された切り欠き149と、を有する(図7A,7B)。これにより、ケース14の外側に配置されたモータ11,12のトルクを、簡易な構成でケース内の回転軸15に伝達することができる。
【0052】
(5)車両駆動装置100は、ケース14のベアリング支持部141と回転軸15との間に介装され、回転軸15をケース14から回転可能に支持する単一のベアリング41をさらに備える(図5,6)。変速機2は、入力軸23を回転可能に支持する左右一対のベアリング25,26をさらに有する(図10)。回転軸15の右端部は、入力軸23の左端部にトルク伝達可能に嵌合される(図10)。ベアリング41は、回転軸15の右端部(嵌合部FP)とプーリ支持部152Bとの間に設けられる(図10)。これにより回転軸15が、嵌合部FPとベアリング41とにより左右方向2箇所で支持される。このため、ベアリング41を大型化することなく回転軸15の振れを抑えることができ、ベアリング41が設けられるケース14を、コンパクトに構成することができる。
【0053】
(6)ホルダ13とシャーシ(車体)204との間に介装されたブラケット18をさらに備え、ブラケット18は、ホルダ13に取り付けられる取付部182と、シャーシ204に取り付けられる取付部183と、を有する(図4,9)。ホルダ13の外側(回転軸15の左方)には余剰の空間があり、ここにブラケット18が設けられるため、シャーシ204の底部に設けられた支持部211(図2)の位置に応じた種々の形状にブラケット18を構成することができる。これにより、車両駆動装置100を種々の車両に容易に搭載することができる。
【0054】
本実施形態は種々の形態に変形することができる。以下、いくつか変形例について説明する。車両駆動源として前後一対のモータ11,12(第1電動機、第2電動機)を設けたが、単一の電動機を設けるようにしてもよい。上記実施形態では、動力伝達部16(第1動力伝達部)を介してモータ11のトルクを回転軸15のプーリ支持部152A(第1部位)に伝達するとともに、動力伝達部17(第2動力伝達部)を介してモータ12のトルクを回転軸15のプーリ支持部152B(第2部位)に伝達するようにしたが、単一の電動機を設けることに対応して単一の動力伝達部を設けるようにしてもよい。
【0055】
上記実施形態では、モータ11のトルクが出力される駆動プーリ111(第1出力部)と回転軸15のプーリ支持部152Aに設けられる従動プーリ161との間にベルト162(第1帯状部材)を掛け回し、モータ12のトルクが出力される駆動プーリ121(第2出力部)と回転軸15のプーリ支持部152Bに設けられた従動プーリ171との間にベルト172(第2帯状部材)を掛け回すようにした。ここで、無端式の帯状部材はベルト以外(例えばチェーン)により構成することもできる。
【0056】
上記実施形態では、変速機ケース20に取り付けられるケース14に、ベルト162が通過する切り欠き148(第1通過部)を設けるとともに、ベルト172が通過する切り欠き149(第2通過部)を設けるようにしたが、第1通過部および第2通過部を切り欠き以外(例えば矩形状の孔)により構成することもできる。したがって、変速機ケース20に取り付けられて回転軸15を回転可能に支持するように構成されるのであれば、第1支持部としてのケース14の構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、第2支持部としてのホルダ13により一対のモータ11,12を支持するようにしたが、第1支持部に取り付けられてモータを支持するように構成されるのであれば、第2支持部の構成は上述したものに限らない。
【0057】
上記実施形態では、ケース14と回転軸15との間に、回転軸15を回転可能に支持する単一のベアリング41を介装したが、回転軸支持部の構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、左右一対のベアリング25,26を介して変速機2の入力軸23を変速機ケース20から回転可能に支持するようにしたが、より多くの入力軸支持部を介して入力軸23を回転可能に支持するようにしてもよい。上記実施形態では、ホルダ13の端部に取付部182(第1取付部)を介してブラケット18を取り付けるとともに、取付部183(第2取付部)を介してシャーシ204にブラケット18を取り付けるようにしたが、第3支持部の構成は上述したものに限らない。
【0058】
上記実施形態では、回転軸15の孔部156,157と入力軸23の軸部27,28とを、スプラインを介しトルク伝達可能に嵌合するようにした。すなわち、回転軸15と入力軸23とをインローで結合するようにしたが、孔部を入力軸23に、軸部を回転軸15に設けて両者を嵌合するようにしてもよい。したがって、入力軸23の軸方向一端部と回転軸15の軸方向一端部とを嵌合する嵌合部FPの構成は上述したものに限らない。
【0059】
上記実施形態では、トラックのシャーシ204の底部に車両駆動装置100が搭載されるとともに、車両駆動装置100により後輪202を駆動するようにしたが、車両駆動装置が搭載される車両の構成は上述したものに限らない。車両駆動装置により車両の後輪ではなく前輪を駆動するようにしてもよい。前輪と後輪の両方を駆動するようにしてもよい。車両駆動装置を車両に複数設けるようにしてもよい。
【0060】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 駆動ユニット、2 変速機、11,12 モータ、13 ホルダ、14 ケース、15 回転軸、16,17 動力伝達部、18 ブラケット、20 変速機ケース、21 変速機構、23 入力軸、25,26 ベアリング、41 ベアリング、100 車両駆動装置、111,121 駆動プーリ、148,149 切り欠き、152A,152B プーリ支持部、161,171 従動プーリ、162,172 ベルト、200 車両、FP 嵌合部
【要約】
【課題】種々の車両に適用可能な車両駆動装置を提供する。
【解決手段】車両駆動装置100は、走行駆動源であるモータ11,12と、トルクが入力される入力軸、入力軸の回転を変速する変速機構21および入力軸と変速機構21とを収容する変速機ケース20を有する変速機2と、変速機ケース20の外部において入力軸と同軸上に延在し、入力軸に連結された回転軸15と、変速機ケース20に取り付けられ、回転軸15を回転可能に支持するケース14と、ケース14に取り付けられ、モータ11,12を支持するホルダ13と、モータ11,12のトルクを回転軸15に伝達する動力伝達部と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10