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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】供試魚保持装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/95 20170101AFI20241216BHJP
   A01K 29/00 20060101ALI20241216BHJP
   A01K 61/10 20170101ALI20241216BHJP
【FI】
A01K61/95
A01K29/00 C
A01K61/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023159101
(22)【出願日】2023-09-22
【審査請求日】2024-04-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】藤原 尚美
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 友希子
(72)【発明者】
【氏名】豊久 志朗
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-173037(JP,A)
【文献】特開昭62-083836(JP,A)
【文献】実開平05-037063(JP,U)
【文献】国際公開第2022/210397(WO,A1)
【文献】特表平8-509856(JP,A)
【文献】特開平4-179420(JP,A)
【文献】実開平7-002322(JP,U)
【文献】特開平3-072201(JP,A)
【文献】特開平1-243934(JP,A)
【文献】Naomi Fujiwara,Improvement of a fish holding device for oral administration to zebrafish,Fundamental Toxicological Sciences,2021年09月09日,Vol.8 No.6,Page.183-187
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/95
A01K 29/00
A01K 61/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有する材料からなり、上面側で開放されて前後方向に沿って延在する保持用溝が形成された保持具と、
前記保持具が設置される保持具設置部と、を備え、
前記保持用溝が、前記保持具を前記保持具設置部に設置した保持具設置状態において上面側の開放部である溝上開放部から水と共に投入された供試魚を内部に保持するものである供試魚保持装置であって、
前記保持具設置部が、前記保持具設置状態の前記保持具において前記保持用溝の内部に水を滞留させる水滞留手段を有し、
前記保持具設置部が、前記保持具設置状態の前記保持具における前記保持用溝の前後側夫々の開放部である溝端開放部を塞ぐ一対の溝端塞ぎ壁部を有し、
前記一対の溝端塞ぎ壁部が、前記水滞留手段として機能し、
前記保持具設置部が、前記保持具設置状態において前記保持具の両側面夫々に沿って延在する一対の側壁部と前記一対の溝端塞ぎ壁部とからなる筒状の外周壁部を有して、前記保持具を前記外周壁部の内部に収容し、
前記保持具設置部が、前記外周壁部の底部が底板部で塞がれて、前記外周壁部の内部に水を貯留すると共に前記保持具設置状態において前記保持具を内部の貯留水に浸漬させた状態で前記外周壁部の内部に収容する保持具収容貯水部として構成されており、
前記外周壁部において、前記一対の側壁部の上端部分において最も低い少なくとも一部の最低上端部分の高さが、前記一対の溝端塞ぎ壁部の上端部分の高さよりも低く設定されて、前記一対の溝端塞ぎ壁部の上端部分では貯留水のオーバーフローが発生せずに、前記一対の側壁部の最低上端部分で貯留水のオーバーフローが発生するように構成されており、
前記保持具収容貯水部が、貯留水を前記一対の側壁部の最低上端部分から外部にオーバーフローさせる形態で内部に水を貯留する供試魚保持装置。
【請求項2】
記保持具設置状態において、前記保持具収容貯水部の貯留水の水位を、前記保持具収容貯水部に収容された前記保持具における前記保持用溝の底面超の設定水位に保つ水位維持手段を備え、
前記水位維持手段が、前記水滞留手段として機能する請求項1に記載の供試魚保持装置。
【請求項3】
前記設定水位が、前記保持具収容貯水部に収容された前記保持具における前記溝上開放部付近以下の水位に設定されている請求項に記載の供試魚保持装置。
【請求項4】
一対の側壁部の最低上端部分が、前記設定水位の高さに位置して前記水位維持手段として機能する請求項又はに記載の供試魚保持装置。
【請求項5】
下向きに延出する筒状の排出シュートを有して、上方に開口された投入口に投入された供試魚を水と共に前記排出シュートの下端の排出口から排出する投入具を備え、
前記保持具が、前記保持具設置状態において、上方から前記排出シュートが挿入されるシュート挿入凹部を有すると共に、当該シュート挿入凹部の底部に前記保持用溝が形成されている請求項1又は2に記載の供試魚保持装置。
【請求項6】
前記保持具設置部が、前記保持具設置状態において、前記シュート挿入凹部に対する前記排出シュートの挿入深さが所定の設定挿入深さ超となることを阻止する挿入深さ規制部を有する請求項に記載の供試魚保持装置。
【請求項7】
前記投入具を支持する投入具支持部を備え、
前記投入具支持部が、前記排出シュートを前記シュート挿入凹部に挿入した排出シュート挿入姿勢と、前記排出シュートを前記シュート挿入凹部から抜去した排出シュート抜去姿勢との間で、前記投入具の姿勢を変更可能に構成されている請求項に記載の供試魚保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟性を有する材料からなり、上面側で開放されて前後方向に沿って延在する保持用溝が形成された保持具と、前記保持具が着脱自在に設置される保持具設置部と、を備え、前記保持用溝が、前記保持具を前記保持具設置部に設置した保持具設置状態において上面側の開放部である溝上開放部から水と共に投入された供試魚を内部に保持するものである供試魚保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゼブラフィッシュが実験対象動物として非常に注目されている。ゼブラフィッシュのような供試魚を用いた動物実験では、例えば、腹腔内投与などの所定の処置を供試魚に施す際に供試魚を保持するにあたり、供試魚に対するダメージを最小限に抑えて、つまり、体表面などに損傷を与えず、火傷の症状を引き起こすこともなく、できるだけ優しく供試魚を保持することが重要な課題となる。
そこで、供試魚に対するダメージを極力抑制して、供試魚を所定の姿勢で確実に保持することができる供試魚保持装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1記載の供試魚保持装置では、柔軟性を有する材料からなる保持具に形成された保持用溝の内部に、上面側の開放部である溝上開放部から水と共に投入された供試魚が保持されるので、当該供試魚を柔軟性を有する素材によって優しく保持することができ、供試魚に対するダメージを抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2022/210397号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の供試魚保持装置では、供試魚と共に保持用溝に投入された水は、保持用溝の内部に滞留することなく、その前後側夫々の開放部である溝端開放部等から瞬時に排出される。
よって、保持用溝の内部に保持された供試魚は、水に浸かっていない状態となるので暴れて姿勢が安定しなくなる場合がある。
また、供試魚が暴れるのを抑制するために、麻酔を施して供試魚を保持することが考えられるが、その場合には、実験結果が供試魚に投与した目的物質の影響であるか麻酔の影響であるかが不明となり、さらには、目的物質の反復投与を行う実験の場合には、投与の都度麻酔を施すとその影響が繰り返されることから、反復投与を行う実験ができないことになる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、ダメージを極力抑制して供試魚を所定の姿勢で安定させて保持用溝に保持することができる供試魚保持装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、柔軟性を有する材料からなり、上面側で開放されて前後方向に沿って延在する保持用溝が形成された保持具と、
前記保持具が設置される保持具設置部と、を備え、
前記保持用溝が、前記保持具を前記保持具設置部に設置した保持具設置状態において上面側の開放部である溝上開放部から水と共に投入された供試魚を内部に保持するものである供試魚保持装置であって、
前記保持具設置部が、前記保持具設置状態の前記保持具において前記保持用溝の内部に水を滞留させる水滞留手段を有する点にある。
【0006】
本構成によれば、保持具設置部が有する水滞留手段により、保持具設置状態の保持具において保持用溝の内部には適度に水が滞留している状態となる。そして、水が適度に滞留する保持用溝の内部に対して水と共に供試魚が投入されて、供試魚は常に水に浸かった状態となるので、供試魚を暴れさせることなく姿勢を安定させた状態で保持用溝の内部に留まらせることができる。よって、供試魚を保持用溝に投入する前の段階において、例えば傾斜姿勢のパイプ内に供試魚をスライドさせて姿勢を整える必要がなくなるので、当該スライドによる供試魚の負担や損傷の増加を回避することができる。更に、保持用溝の内部に供試魚を保持した保持具を保持具収容貯水部から取り出す際にも、保持用溝の内部に適度に水が滞留させて供試魚を安定させることができる。
従って、本発明により、ダメージを極力抑制して供試魚を所定の姿勢で安定させて保持用溝に保持することができる供試魚保持装置を提供することができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記保持具設置部が、前記保持具設置状態の前記保持具における前記保持用溝の前後側夫々の開放部である溝端開放部を塞ぐ一対の溝端塞ぎ壁部を有し、
前記一対の溝端塞ぎ壁部が、前記水滞留手段として機能する点にある。
【0008】
本構成によれば、一対の溝端塞ぎ壁部で保持具における保持用溝の前後側夫々の溝端開放部を塞ぐことで、当該一対の溝端塞ぎ壁部を上述した水滞留手段として機能させて、保持用溝の内部に適度に水を滞留させることができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記保持具設置部が、前記保持具設置状態において前記保持具の両側面夫々に沿って延在する一対の側壁部と前記一対の溝端塞ぎ壁部とからなる筒状の外周壁部を有して、前記保持具を前記外周壁部の内部に収容する点にある。
【0010】
本構成によれば、保持具を、一対の側壁部と一対の溝端塞ぎ壁部とからなる筒状の外周壁部の内部に収容する状態で安定且つ確実に保持具設置部に設置することができると共に、上方側に抜き出す状態で保持具設置部から容易に取り出すことができる。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、前記保持具設置部が、前記外周壁部の底部が底板部で塞がれて、前記外周壁部の内部に水を貯留すると共に前記保持具設置状態において前記保持具を内部の貯留水に浸漬させた状態で前記外周壁部の内部に収容する保持具収容貯水部として構成されており、
前記外周壁部において、前記一対の側壁部の少なくとも一部の最低上端部分の高さが、前記一対の溝端塞ぎ壁部の少なくとも一部の最低上端部分の高さよりも低く設定されており、
前記保持具収容貯水部が、貯留水を前記一対の側壁部の最低上端部分から外部にオーバーフローさせる形態で内部に水を貯留する点にある。
【0012】
本構成によれば、保持具設置状態において、保持具が保持具収容貯水部の貯留水に浸漬した状態で設置することができる。更に、保持具収容貯水部の貯留水が、外周壁部における一対の側壁部の少なくとも一部の最低上端部分からオーバーフローすることから、当該最低上端部分の高さを例えば保持用溝の底面超の設定水位に位置させることで、保持具収容貯水部の貯留水の水位を当該設定水位に維持することができ、保持用溝の内部に確実に水を滞留させることができる。
更に、保持具収容貯水部の外周壁において、保持用溝の前後側夫々の溝端開放部を塞ぐ一対の溝端塞ぎ壁部の最低上端部分の高さを十分に高くして、貯留水のオーバーフローが、保持用溝に隣接する溝端塞ぎ壁部の最低上端部分では貯留水のオーバーフローを発生させずに、保持用溝に隣接しない側壁部の最低上端部分で貯留水のオーバーフローが発生するので、保持用溝の内部に保持された供試魚が貯留水のオーバーフローに誘導されて溝端塞ぎ壁部の最低上端部分から逃げ出すことを防止できる。
【0013】
本発明の第5特徴構成は、前記保持具設置部が、筒状の外周壁部の内部に水を貯留すると共に前記保持具設置状態において前記保持具を内部の貯留水に浸漬させた状態で前記外周壁部の内部に収容する保持具収容貯水部として構成されており、
前記保持具設置状態において、前記保持具収容貯水部の貯留水の水位を、前記保持具収容貯水部に収容された前記保持具における前記保持用溝の底面超の設定水位に保つ水位維持手段を備え、
前記水位維持手段が、前記水滞留手段として機能する点にある。
【0014】
本構成によれば、保持具設置状態において、保持具が保持具収容貯水部の貯留水に浸漬した状態で設置され、その保持具収容貯水部の貯留水の水位が水位維持手段により保持用溝の底面超の設定水位に保たれるので、当該水位維持手段を上述した水滞留手段として機能させて、保持用溝の内部に適度に水を滞留させることができる。
【0015】
本発明の第6特徴構成は、前記設定水位が、前記保持具収容貯水部に収容された前記保持具における前記溝上開放部付近以下の水位に設定されている点にある。
【0016】
本構成によれば、保持具収容貯水部の貯留水の水位が溝上開放部付近以下の設定水位に保たれるので、保持具収容貯水部に収容された保持具の保持用溝の内部に保持された供試魚が溝上開放部から上方に逃げ出すことを抑制できる。
【0017】
本発明の第7特徴構成は、前記保持具収容貯水部が、貯留水を前記外周壁部の少なくとも一部の最低上端部分から外部にオーバーフローさせる形態で内部に水を貯留し、
前記外周壁部の最低上端部分が、前記設定水位の高さに位置して前記水位維持手段として機能する点にある。
【0018】
本構成によれば、保持具収容貯水部の貯留水が、外周壁部における最低上端部分からオーバーフローすることから、当該最低上端部分の高さを設定水位に位置させることで、保持具収容貯水部の貯留水の水位を設定水位に維持することができる。
【0019】
本発明の第8特徴構成は、下向きに延出する筒状の排出シュートを有して、上方に開口された投入口に投入された供試魚を水と共に前記排出シュートの下端の排出口から排出する投入具を備え、
前記保持具が、前記保持具設置状態において、上方から前記排出シュートが挿入されるシュート挿入凹部を有すると共に、当該シュート挿入凹部の底部に前記保持用溝が形成されている点にある。
【0020】
本構成によれば、投入具が有する筒状の排出シュートが保持具に形成されたシュート挿入凹部に挿入される。このことで、排出シュート内を通じて下端の排出口から排出された供試魚を、保持具から外方へ脱落することをシュート挿入凹部により防止することができる。そして、排出シュートをシュート挿入凹部に挿入するだけで簡単に保持具を適切な位置に配置することができ、排出シュートの下端の排出口から排出された供試魚をシュート挿入凹部の底部に形成された保持用溝に対して確実に進入させることができる。
更に、投入具において、投入口から排出シュートに向けて供試魚を傾斜姿勢のパイプ内にスライドさせる構成を省略して、排出シュートの上方に投入口を設けて投入口から直接排出シュート内へ供試魚を誘導するように構成すれば、供試魚の負担や損傷を軽減しながら安定して供試魚を保持用溝に投入することができる。
【0021】
本発明の第9特徴構成は、前記保持具設置部が、前記保持具設置状態において、前記シュート挿入凹部に対する前記排出シュートの挿入深さが所定の設定挿入深さ超となることを阻止する挿入深さ規制部を有する点にある。
【0022】
本構成によれば、投入具の排出シュートを保持具のシュート挿入凹部に挿入するにあたり、その挿入深さが挿入深さ規制部により設定挿入深さ超となることが阻止されるので、投入具の排出シュートを保持具のシュート挿入凹部にしっかりと挿入した場合であっても、排出シュートの下端により保持具のシュート挿入凹部の底面が押し付けられることを抑制して、当該底面に溝上開放部が開放された保持用溝の状態を適切なものに保つことができる。
【0023】
本発明の第10特徴構成は、前記投入具を支持する投入具支持部を備え、
前記投入具支持部が、前記排出シュートを前記シュート挿入凹部に挿入した排出シュート挿入姿勢と、前記排出シュートを前記シュート挿入凹部から抜去した排出シュート抜去姿勢との間で、前記投入具の姿勢を変更可能に構成されている点にある。
【0024】
本構成によれば、投入具支持部により支持される投入具の姿勢を、容易に排出シュート挿入姿勢と排出シュート抜去姿勢との間で変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】供試魚保持装置の分解状態を示す斜視図
図2図1に示す状態の正面図
図3図1に示す状態の左側面図
図4】投入具の平面図
図5】投入具の底面図
図6】保持具設置ケースの平面図
図7】保持具設置ケースの底面図
図8】保持具設置状態の供試魚保持装置において供試魚を保持用溝の内部に投入する状態を示す正面視の断面図
図9図8に示す状態の左側面視の断面図
図10】保持具設置状態の供試魚保持装置において投入具を排出シュート抜去姿勢とした状態を示す正面視の断面図
図11】保持用溝の内部に供試魚を保持した保持具を保持具設置ケースから取り出す状態を示す正面視の断面図
図12】保持具に保持された供試魚に対する経口投与の実施状態を示す図
図13】投入具支持装置を用いて投入具を排出シュート抜去姿勢とした状態を示す図
図14】投入具支持装置を用いて投入具を排出シュート挿入姿勢とした状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る供試魚保持装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態の供試魚保持装置(以下「本保持装置」と呼ぶ)は、例えば図11に示すように、供試魚Fを保持して各種の生体観察又は生体実験などに供するための設備において、観察又は実験対象の比較的小さな供試魚Fを、ダメージを極力抑制して所定の姿勢で確実に、保持具10の保持用溝12に保持するものとして構成されている。保持具10の保持用溝12に保持された供試魚Fに対して、所定の処置を施すことができ、例えば図12に示すように、シリンジ61からなる投与具60を用いて、例えば被験物質を直接経口投与することができる。
【0027】
本保持装置は、図8図9図10及び図11に示すように、保持具10、保持具設置ケース30、及び投入具40等とからなる。
詳細については後述するが、保持具10は、柔軟性を有する材料からなり、上面10a側で開放されて前後方向Xに沿って延在する保持用溝12が形成されている。一方、保持具設置ケース30は、保持具10を内部に収容する容器状の保持具設置部として構成されている。
そして、保持具10を保持具設置ケース30に設置した保持具設置状態(例えば図8及び図9に示す状態)において、保持用溝12が、上面10a側の開放部である溝上開放部12aから水Wと共に投入された供試魚Fを内部に保持するものとして構成されている。
尚、本実施形態において、供試魚Fとしては、ゼブラフィッシュ(Zebrafish)を想定しているが、生体実験に用いる小型の魚であればよく、例えば、ファットヘッドミノー(Fathead minnow)、メダカ(Ricefish)、グッピー(Guppy)などを供試魚Fとすることができる。
【0028】
保持具10は、柔軟性、透水性、および、保水性を有する材料、例えばスポンジで構成されている。尚、本実施形態では保持具10全体をスポンジで構成するが、柔軟性、透水性、および、保水性を備えた他の材料、例えば、不織布などで構成することもできる。
保持具10は、図1図2図3図8及び図9に示すように、上面10a側で開放されて前後方向Xに沿って延在する保持用溝12が形成されている。即ち、保持具10の形状は平面視で矩形に形成されており、主に図2及び図8に示すように、正面視にて、上側部分の幅が下側部分の幅よりも小さくなる略凸状に形成されている。そして、保持具10の上面10a側には、前後方向Xに延びる溝であって、上方が略直線状の溝上開放部12aにより開放され、その下方の空間が供試魚Fを収容する収容部となる保持用溝12が形成されている。
【0029】
保持具10において、保持用溝12は、前後方向Xに沿った長さが供試魚Fの全長(口の先端から尾びれの後端までの長さ)よりも長くなるように、保持具10の後端から前端に至るまでの全長に亘って設けられる。例えば、供試魚Fが全長40mm程度のゼブラフィッシュである場合、保持用溝12の長さは約50mmに設定することが望ましい。
保持用溝12の深さは、供試魚Fの鉛直方向の高さよりも若干大きくなっており、例えば、供試魚Fが全長40mm程度のゼブラフィッシュである場合、保持用溝12の深さは、5~25mmの範囲内に設定することが望ましい。
尚、上述の保持用溝12に関する寸法値については適宜変更してもよく、例えば3割程度の範囲で増減させても構わない。
【0030】
保持具10の保持用溝12への供試魚Fの投入は、例えばビーカー等から直接行うことができるが、供試魚Fに与えるダメージをできるだけ軽減するために、所定の投入具40が用いられる。
投入具40は、図1図2図3図4及び図5にも示すように、下向きに延出する筒状の排出シュート42を有して、上方に開口された投入口41に投入された供試魚Fを水Wと共に排出シュート42の下端の排出口42aから排出するように構成されている。即ち、投入具40は、投入口41から排出シュート42に向けて供試魚Fを傾斜姿勢のパイプ内にスライドさせる構成を採用せずに、排出シュート42の上方に投入口41を設けて投入口41から直接排出シュート42内へ供試魚Fを誘導するように構成されている。よって、図8及び図9に示すように、投入口41に対してビーカー55等により水Wと共に投入された供試魚Fは、傾斜姿勢のパイプ内をスライドすることなく、水Wと共に直接排出シュート42内に誘導された後に、その排出シュート42の下端の排出口42aから保持具10の保持用溝12に向けて排出される。このことで、供試魚Fの負担や損傷が軽減されると共に、供試魚Fが安定して保持用溝12に投入されることになる。
【0031】
保持具10の上面10a側には、上方から投入具40の排出シュート42が挿入されるシュート挿入凹部15が形成されており、シュート挿入凹部15の底部15aに保持用溝12が形成されている。即ち、図8及び図9に示すように、投入具40において下方に延出する筒状の排出シュート42が、保持具10に形成されたシュート挿入凹部15に挿入されて、シュート挿入凹部15の底部15aに排出シュート42の下端開口部が当接する。このようにシュート挿入凹部15に排出シュート42が挿入されることにより、排出シュート42の下端の排出口42aから排出された供試魚Fの保持具10外方への脱落が防止される。更に、排出シュート42をシュート挿入凹部15に挿入するだけで簡単に保持具10が投入具40に対して適切な位置に配置される。これらの構成により、排出シュート42内から排出された供試魚Fが、シュート挿入凹部15の底部15aに形成された保持用溝12に対して確実に進入することになる。
【0032】
平面視で前後方向Xに対して直交する左右方向Yに沿ったシュート挿入凹部15の幅は、図2に示すように、同左右方向Yに沿った排出シュート42の幅よりも若干小さめに設定されている。よって、図8に示すように、シュート挿入凹部15に対して若干幅が大きい排出シュート42が挿入されると、保持具10における保持用溝12の左右両側の側壁12dが左右に押し広げられて、それら側壁12dの間に形成されている保持用溝12の幅が左右に若干押し広げられることになる。すると、この状態では、排出シュート42内を通じて排出された供試魚Fをスムーズに保持具10の保持用溝12に進入させることができる。
【0033】
本実施形態における保持具10の全体の大きさは、図2に示す正面図及び図3に示す左側面図を参照して、上下方向の高さが約50mmとされており、左右方向Yの幅が約100mmとされており、前後方向Xの厚さが約50mmとされている。また、保持具10の上面10a側に形成されたシュート挿入凹部15の大きさは、上下方向の深さが約15mmとされており、左右方向Yの幅が約15mmとされている。
【0034】
保持具10において、保持用溝12は、図2等に示すように、上方のシュート挿入凹部15の底部15aに開放された溝上開放部12aを頂点とした略二等辺三角形の断面形状を有するものとして形成されている。この保持用溝12の大きさは、上下方向の高さが約15mmで、底辺の左右方向Yの幅が約10mmで、上記溝上開放部12aの幅は約2mmとされている。
溝上開放部12aを頂点とした略二等辺三角形の断面形状を有する保持用溝12の内部に供試魚Fを保持した状態では、比較的広い幅の空間にて供試魚Fを優しく保持しながら、上面10a側の溝上開放部12aの幅が当該空間の幅よりも狭くなることで、当該溝上開放部12aからの供試魚Fの脱落が好適に防止される。更に、図11に示すように、保持用溝12の左右両側にある側壁12dを利用者が外側から指Dで摘まむようにすれば、当該保持用溝12からの供試魚Fの脱落を一層好適に防止できる。
【0035】
図1及び図2に示すように、保持具10には、保持用溝12が形成された溝形成部分18と、その当該溝形成部分18の左右両側部の下部から両側方に延出する一対の側翼部分19とを有して形成されている。詳しくは、幅が約50mmの溝形成部分18の左右両側部夫々の下部側から、幅が約25mmの側翼部分19が左右両側方に延出しており、これら溝形成部分18の下面と一対の側翼部分19の下面とが同一平面状に形成されている。更に、溝形成部分18の下端面から高さ約20mmまでの領域に側翼部分19が位置する。
尚、上述の保持具10に関する寸法値については適宜変更してもよく、例えば3割程度の範囲で増減させても構わない。
【0036】
保持具設置ケース30は、図1図2図3図6及び図7に示すように、保持具10が内部に収容される状態で着脱自在に設置される容器状の保持具設置部として構成されている。即ち、保持具設置ケース30は、図8及び図9にも示すように、角筒状の外周壁部31の底部が底板部34で塞がれて、外周壁部31の内部に水Wを貯留すると共に、保持具10を保持具設置ケース30に設置した保持具設置状態において、上方側から挿入された保持具10を内部の貯留水Wに浸漬させた状態で外周壁部31の内部に収容する保持具収容貯水部として構成されている。
保持具10を保持具設置ケース30内に収容するにあたり、外周壁部31の内寸の大きさは、保持具10の外寸の大きさに対して、略同じに設定したり、若干小さくしたり、若干大きくしたりなどのように、外周壁部31に対する保持具10の支持安定性や着脱のし易さなどを考慮して適宜設定することができる。
【0037】
保持具設置ケース30は、保持具設置状態の保持具10における保持用溝12の前後側夫々の開放部である溝端開放部12bを塞ぐ一対の溝端塞ぎ壁部32と、保持具設置状態において保持具10の両側面10b夫々に沿って延在する一対の側壁部33とを有しており、これら一対の側壁部33と一対の溝端塞ぎ壁部32とで外周壁部31が構成されている。
図8及び図9に示すように、一対の溝端塞ぎ壁部32で保持具10における保持用溝12の前後側夫々の溝端開放部12bを塞ぐことで、保持用溝12の内部には適度に水Wが滞留している状態となる。即ち、一対の溝端塞ぎ壁部32は、保持具設置状態の保持具10において保持用溝12の内部に水を滞留させる水滞留手段Aとして機能する。そして、水Wが適度に滞留する保持用溝12の内部に対して水Wと共に供試魚Fが投入されて、供試魚Fは常に水Wに浸かった状態となるので、供試魚Fは暴れることなく姿勢を安定させた状態で保持用溝12の内部に留まることになる。
また、保持用溝12の内部に水が滞留しているので、当該保持用溝12の内部に投入された供試魚Fは当該保持用溝12の延在方向に移動して、前後側何れかの溝端開放部12bの方に頭から近づくので、図12に示す経口投与において保持用溝12に保持された供試魚Fの位置調整が容易になる。
【0038】
本実施形態において、保持具設置ケース30の外周壁部31全体が透明材料で構成されている。即ち、溝端塞ぎ壁部32が透明材料で構成されているので、溝端塞ぎ壁部32及びそれで塞がれた溝端開放部12bを通じて、外部から保持用溝12の内部に留まる供試魚Fの状態が観察可能となる。尚、本実施形態では、外周壁部31全体を透明材料としているが、当該外周壁部31を非透明材料で構成した場合であっても、上方側から溝上開放部12aを通じて保持用溝12の内部に留まる供試魚Fの状態が観察することができる。また、供試魚Fに対する処置等の種類毎に、外周壁部31等の色が異なる複数種の保持具設置ケース30を用意して、各処理間のコンタミネーションを抑制することもできる。
【0039】
外周壁部31において、一対の側壁部33の少なくとも一部の最低上端高さ(上端部分33aの高さ)が、一対の溝端塞ぎ壁部32の少なくとも一部の最低上端高さ(上端部分32aの高さ)よりも低く設定されている。具体的には、一対の溝端塞ぎ壁部32及び一対の側壁部33の夫々の上端部分32a,33aは全体が同じ高さの水平な直線状とされている。更に、一対の側壁部33の上端部分33aが、一対の溝端塞ぎ壁部32の上端部分32aよりも低く設定されている。
よって、保持具設置ケース30は、図8に示すように、貯留水Wを一対の側壁部33の上端部分33a全体から外部にオーバーフローさせる形態で、内部に水Wを貯留するものとされている。即ち、保持具設置ケース30内の貯留水Wが、一対の側壁部33の上端部分33a全体からオーバーフローすることから、当該上端部分33aの高さを所定の設定水位WLに位置させることで、保持具設置ケース30内の貯留水Wの水位を当該設定水位WLに維持することができる。
そして、上記外周壁部31の少なくとも一部の最低上端部分となる一対の側壁部33の上端部分33aは、上記設定水位WLの高さに位置されることで、保持具設置ケース30内の貯留水Wの水位を所定の設定水位WLに保つ水位維持手段Bとして機能する。
【0040】
更に、内部に保持具10を収容した保持具設置ケース30において、一対の溝端塞ぎ壁部32の上端部分32aの高さが一対の側壁部33の上端部分33aの高さよりも高いことから、当該一対の側壁部33の上端部分33aでは貯留水Wのオーバーフローが発生し、当該一対の溝端塞ぎ壁部32の上端部分32aでは貯留水Wのオーバーフローが発生しない。このことから、保持用溝12の内部に保持された供試魚Fが貯留水Wのオーバーフローに誘導されて溝端塞ぎ壁部32の上端部分32aから逃げ出すことが防止されている。
【0041】
上記設定水位WLは、保持具設置ケース30内に収容された保持具10における保持用溝12の底面12c超の水位であり、且つ、保持具設置ケース30内に収容された保持具10における溝上開放部12a付近以下の水位に設定されている。
図8及び図9に示す保持具設置状態において、保持具10が保持具設置ケース30内の貯留水Wに浸漬した状態で設置され、その保持具設置ケース30内の貯留水Wの水位が保持用溝12の底面12c超の設定水位WLに保たれて、保持用溝12の内部には適度に水Wが滞留している状態となる。即ち、一対の側壁部33の上端部分33aが機能する水位維持手段Bは、保持具設置状態の保持具10において保持用溝12の内部に水を滞留させる水滞留手段Aとして機能する。そして、水Wが適度に滞留する保持用溝12の内部に対して水Wと共に供試魚Fが投入されて、供試魚Fは常に水Wに浸かった状態となる。すると、保持用溝12の内部に投入された供試魚Fは、暴れることなく姿勢を安定させた状態となって、保持用溝12の内部に留まることになる。
【0042】
更に、図8及び図9に示す保持具設置状態において、保持具設置ケース30内の貯留水Wの水位が溝上開放部12a付近以下の設定水位WLに保たれる。よって、溝上開放部12a付近の上方には水Wが存在しないことから、保持具設置ケース30内に収容された保持具10の保持用溝12の内部に保持された供試魚Fが、溝上開放部12aから上方に逃げ出すことが抑制される。
尚、上記設定水位WLは、溝上開放部12aの若干上の高さから若干下の高さまでの範囲を含む溝上開放部12a付近に設定することが好ましく、溝上開放部12aと同じ高さに設定することが更に好ましい。
【0043】
保持具設置ケース30は、図8及び図9に示す保持具設置状態において、シュート挿入凹部15に対する排出シュート42の挿入深さが所定の設定挿入深さ超となることを阻止する挿入深さ規制部Cを有する。即ち、投入具40は、排出シュート42の上端側部分から外方に向けて水平に延出する鍔部43を有する。そして、投入具40の排出シュート42を保持具10のシュート挿入凹部15に挿入するにあたり、外周壁部31において一対の側壁部33よりも上方に突出する一対の溝端塞ぎ壁部32の上端部分32aが、投入具40の鍔部43の下面に当接することにより、上記挿入深さ規制部Cとして機能して、シュート挿入凹部15に対する排出シュート42の挿入深さが、所望の挿入深さを超えることが阻止される。よって、投入具40の排出シュート42を保持具10のシュート挿入凹部15にしっかりと挿入した場合であっても、排出シュート42の下端により保持具10のシュート挿入凹部15の底部15aが押し付けられることが抑制されるので、当該底部15aに溝上開放部12aが開放された保持用溝12の状態を適切なものに保つことができる。
【0044】
本保持装置には、図13及び図14に示すように、投入具40を支持する投入具支持部として機能する投入具支持装置50が設けられている。
投入具支持装置50は、投入具40の鍔部43に先端側が接合されたアーム部51と、当該アーム部51を上下に揺動自在な状態で当該アーム部51の基端側を軸支する揺動軸部52と、当該揺動軸部52を支持する支柱53と、を備えて構成されている。
そして、投入具支持装置50は、アーム部51を上下に揺動させて、当該アーム部51の先端側に接合された投入具40を上下に変位させることにより、排出シュート42をシュート挿入凹部15に挿入した排出シュート挿入姿勢(図10及び図13参照)と、排出シュート42をシュート挿入凹部15から抜去した排出シュート抜去姿勢(図8図9及び図14参照)との間で、投入具40の姿勢を容易に変更可能に構成されている。
また、保持具設置ケース30において、揺動軸部52に近い側の溝端塞ぎ壁部32の上縁部分は、上方ほど揺動軸部52に向けて傾倒する外広がり上縁部分32bとして形成されている。このことで、投入具支持装置50によりアーム部51を揺動させて投入具40の姿勢を変更するにあたり、特に投入具40の排出シュート42と溝端塞ぎ壁部32の外広がり上縁部分32bとの干渉が回避されている。
【0045】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0046】
(1)上記実施形態の保持具10では、保持用溝12が形成された溝形成部分18の左右両側部の下部側から両側方に延出する一対の側翼部分19を設けたが、保持具10の形状については適宜変更することができ、例えば側翼部分19を省略しても構わない。
【0047】
(2)上記実施形態の保持具10では、溝上開放部12aを頂点とした略二等辺三角形の断面形状を有する保持用溝12を設けたが、保持用溝12の形状については適宜変更することができ、例えば楕円や矩形などの別の形状の断面形状を有するものとしても構わない。
【0048】
(3)上記実施形態では、保持具10を設置するための保持具設置部として保持具設置ケース30を設けたが、この保持具設置ケース30の構成については適宜変更することができる。例えば、保持具設置ケース30の外周壁部31の上端部分を全て同じ高さに設定して、その上端部分全体から内部の貯留水Wを外部にオーバーフローさせるように構成することもできる。また、上記実施形態では、保持具設置ケース30が有する一対の溝端塞ぎ壁部32により、保持具設置ケース30内に収容された保持具10における保持用溝12の前後側夫々の溝端開放部12bを塞ぐように構成したが、一対の溝端塞ぎ壁部32を保持具設置ケース30とは別に設けたり、保持具設置ケース30を省略して一対の溝端塞ぎ壁部32を単独で設置するなど、一対の溝端塞ぎ壁部32の構成については適宜変更することができる。
【0049】
(4)上記実施形態では、投入具40を用いて、供試魚Fを水Wと共に保持具10の保持用溝12に投入したが、投入具40の構成については適宜変更することができ、またこのような投入具40を用いることなく別の手段で供試魚Fを水Wと共に保持具10の保持用溝12に投入しても構わない。
【0050】
(5)上記本実施形態では、投入具支持装置50を設けたが、このような投入具支持装置50を設けることなく、投入具40を手で把持して、上記排出シュート挿入姿勢(図10参照)と排出シュート抜去姿勢(図8及び図9参照)との間で、投入具40の姿勢を変更しても構わない。
【0051】
(6)上記実施形態では、一対の溝端塞ぎ壁部32や水位維持手段Bを、保持具設置状態の保持具10において保持用溝12の内部に水を滞留させる水滞留手段Aとして機能させるように構成したが、これらとは別の構成により保持用溝12の内部に水を滞留させるように構成しても構わない。
【符号の説明】
【0052】
10 保持具
10a 上面
10b 側面
12 保持用溝
12a 溝上開放部
12b 溝端開放部
12c 底面
12d 側壁
15 シュート挿入凹部
15a 底部
30 保持具設置ケース(保持具設置部、保持具収容貯水部)
31 外周壁部
32 溝端塞ぎ壁部(水滞留手段)
32a 上端部分(挿入深さ規制部)
33 側壁部
33a 上端部分(水滞留手段、水位維持手段)
34 底板部
40 投入具
41 投入口
42 排出シュート
42a 排出口
50 投入具支持装置(投入具支持部)
A 水滞留手段
B 水位維持手段
C 挿入深さ規制部
F 供試魚
W 水、貯留水
WL 設定水位
X 前後方向
【要約】
【課題】ダメージを極力抑制して供試魚を所定の姿勢で安定させて保持用溝に保持することができる供試魚保持装置を提供する。
【解決手段】保持用溝12が、柔軟性を有する保持具10を保持具設置部30に設置した保持具設置状態において上面10a側の開放部である溝上開放部12aから水Wと共に投入された供試魚Fを内部に保持するものである供試魚保持装置において、保持具設置部30が、保持具設置状態の保持具10において保持用溝12の内部に水Wを滞留させる水滞留手段Aを有する。
【選択図】図8

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14