(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】発光素子パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/00 20100101AFI20241216BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20241216BHJP
H01L 33/54 20100101ALI20241216BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241216BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
H01L33/00 H
H01L33/62
H01L33/54
G09F9/30 309
G09F9/33
(21)【出願番号】P 2023188292
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2022004387の分割
【原出願日】2022-01-14
【審査請求日】2023-11-02
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】310014779
【氏名又は名称】隆達電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】林志豪
(72)【発明者】
【氏名】馬維遠
(72)【発明者】
【氏名】陳若翔
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110710003(CN,A)
【文献】特開2020-181971(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111462651(CN,A)
【文献】特開平06-005926(JP,A)
【文献】特開平06-350206(JP,A)
【文献】特開2020-025034(JP,A)
【文献】特開2018-109736(JP,A)
【文献】特開2005-353802(JP,A)
【文献】特開2013-182955(JP,A)
【文献】特開2014-045098(JP,A)
【文献】特開2016-149386(JP,A)
【文献】特表2019-521380(JP,A)
【文献】特開2018-061017(JP,A)
【文献】特開2018-078279(JP,A)
【文献】特開2002-093824(JP,A)
【文献】特開2010-114403(JP,A)
【文献】特開2009-130097(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0103289(US,A1)
【文献】特開2016-212310(JP,A)
【文献】特表2020-525836(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0182769(US,A1)
【文献】特開2014-160742(JP,A)
【文献】特開2016-152309(JP,A)
【文献】特開2014-135322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
G09F 9/00
G09F 9/30
G09F 9/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する上面及び下面を有し、前記下面のエッジにノッチを有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記上面に設けられ、正極及び負極を有する複数の発光素子と、
前記発光素子を覆う封止層と、
前記封止層に設けられたピラーであって、前記封止層のうち前記発光素子を挟んで前記第1の基板とは反対側の面に接しかつ前記第1の基板とは隔離する方向に伸びるように設けられ、発光素子パッケージを第2の基板の溝に設置するように構成さ
れ、前記第2の基板が、前記溝と、前記溝の側壁から延出した突出部と、を有し、前記第1の基板は前記溝に設置され、前記第2の基板の前記突出部は、前記発光素子パッケージが前記第2の基板の前記溝に設置された後に、前記第1の基板のノッチ内に位置し、
前記第1の基板の前記下面に設けられ、且つ前記発光素子の前記正極及び前記負極にそれぞれ電気的に接続され、
前記発光素子パッケージが前記第2の基板の前記溝に設置された後に、前記第2の基板の前記溝の底面に設けられた複数の導電性接続面に電気的に接続されるように構成された複数の導電パッドと、
を備える発光素子パッケージ。
【請求項2】
複数の前記発光素子は、赤色発光素子と、緑色発光素子と、青色発光素子とを含み、前記赤色発光素子、前記緑色発光素子及び前記青色発光素子の各々が正極及び負極を有する請求項1に記載の発光素子パッケージ。
【請求項3】
複数の前記導電パッドは、それぞれ、前記赤色発光素子、前記緑色発光素子及び前記青色発光素子の前記正極及び前記負極に電気的に接続される請求項2に記載の発光素子パッケージ。
【請求項4】
複数の前記導電パッドは、第1の導電パッドと、第2の導電パッドと、第3の導電パッドと、第4の導電パッドとを含み、前記第1の導電パッドが前記赤色発光素子の前記正極に電気的に接続され、前記第2の導電パッドが前記緑色発光素子の前記正極に電気的に接続され、前記第3の導電パッドが前記青色発光素子の前記正極に電気的に接続され、前記第4の導電パッドと前記赤色発光素子、前記緑色発光素子及び前記青色発光素子の前記負極が電気的に接続される請求項3に記載の発光素子パッケージ。
【請求項5】
複数の前記導電パッドの下面は、それぞれ多角形である請求項1~4のいずれか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項6】
複数の前記導電パッドの下面は、実質的に面一となる請求項1~5のいずれか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項7】
前記発光素子パッケージは、平面視における輪郭が多角形である請求項1~6のいずれか1項に記載の発光素子パッケージ。
【請求項8】
前記発光素子パッケージは、平面視における輪郭が四角形である請求項7に記載の発光素子パッケージ。
【請求項9】
前記ピラーと前記封止層との間に設けられた接着層をさらに備える請求項1に記載の発光素子パッケージ。
【請求項10】
前記接着層は、シリカである請求項9に記載の発光素子パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、発光素子パッケージと表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーディスプレイは、一般に、赤色光、緑色光及び青色光の3色の光を発する画素から構成されている。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、又はマイクロ発光ダイオード(Light-emitting diode,LED)ディスプレイである。マイクロLEDディスプレイは、マイクロLEDを利用して光を発するものである。マイクロLEDディスプレイを製造する最大の課題は、どのようにして、画素アレイを形成するようにディスプレイの基板上の正確な位置に多数のマイクロLEDを載置するかということである。マイクロLEDの載置方法としては、例えば、ピックアップ部材によって供給基板からマイクロLEDを1つずつピックアップし、その後、ディスプレイの基板上にマイクロLEDを順次載置する。あるいは、大量転送方法を用いて、補助基板をスタンパとして、その上にマイクロLEDを充填し、スタンパによってマイクロLEDをディスプレイの基板上に置くこともできる。しかしながら、画素の密度の増加やディスプレイの小型化に伴い、上述した技術の複雑化やコストの向上は急速に進んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述に鑑みて、現在、上記問題を克服するための新たな製造方法が強く望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示内容は、第1の基板と、少なくとも一つの発光素子と、封止層と、複数の導電パッドと、を備える発光素子パッケージを提供する。第1の基板は、対向する上面及び下面を有し、下面のエッジにノッチを有する。少なくとも一つの発光素子は、第1の基板の上面に設けられ、正極及び負極を有する。封止層は、発光素子を覆う。複数の導電パッドは、第1の基板の下面に設けられ、且つ発光素子の正極及び負極にそれぞれ電気的に接続される。
【0005】
いくつかの実施形態において、これらの発光素子は、赤色発光素子と、緑色発光素子と、青色発光素子とを含み、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子の各々が正極及び負極を有する。
【0006】
いくつかの実施形態において、これらの導電パッドは、それぞれ、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子のこれらの正極及びこれらの負極に電気的に接続される。
【0007】
いくつかの実施形態において、これらの導電パッドは、赤色発光素子の正極に電気的に接続される第1の導電パッドと、緑色発光素子の正極に電気的に接続される第2の導電パッドと、青色発光素子の正極に電気的に接続される第3の導電パッドと、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子のこれらの負極に電気的に接続される第4の導電パッドと、を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、これらの導電パッドの下面は、それぞれ多角形である。
【0009】
いくつかの実施形態において、これらの導電パッドの下面は、実質的に面一となる。
【0010】
いくつかの実施形態において、発光素子パッケージは、平面視における輪郭が多角形である。
【0011】
いくつかの実施形態において、発光素子パッケージは、平面視における輪郭が四角形である。
【0012】
いくつかの実施形態において、発光素子パッケージは、封止層に設けられたピラーをさらに備える。
【0013】
いくつかの実施形態において、発光素子パッケージは、ピラーと封止層との間に設けられた接着層をさらに備える。
【0014】
本開示内容は、前記のいずれか1項の実施形態に記載の発光素子パッケージと、第2の基板と、複数の導電性接続面と、を備える。第2の基板は、溝と、溝の側壁から延出した突出部と、を有する。複数の導電性接続面は、溝の底面に設けられる。発光素子パッケージは、溝の中に設けられ、第2の基板の突出部は、発光素子パッケージの第1の基板のノッチ内に位置し、発光素子パッケージのこれらの導電パッドは、これらの導電性接続面にそれぞれ電気的に接続される。
【0015】
いくつかの実施形態において、これらの発光素子は、赤色発光素子と、緑色発光素子と、青色発光素子とを含み、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子の各々が正極及び負極を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、これらの導電パッドは、赤色光発光素子の正極に電気的に接続される第1の導電パッドと、緑色光発光素子の正極に電気的に接続される第2の導電パッドと、青色光発光素子の正極に電気的に接続される第3の導電パッドと、赤色光発光素子、緑色光発光素子及び青色光発光素子の複数の負極に電気的に接続される第4の導電パッドと、を含み、これらの導電性接続面は、数が4つであり、それぞれ第1の導電パッド、第2の導電パッド、第3の導電パッド及び第4の導電パッドに電気的に接続される。
【0017】
いくつかの実施形態において、突出部はノッチの形状と実質的に一致する。
【0018】
いくつかの実施形態において、溝は、平面視における輪郭が多角形である。
【0019】
本開示内容は、(a)溝と溝の側壁から延出した突出部とを有する第1の基板と、溝の底面に設けられる複数の導電性接続面とを提供するステップと、(b)対向する上面及び下面を有し、下面のエッジにノッチを有する第2の基板と、第2の基板の上面に設けられ、正極及び負極を有する少なくとも一つの発光素子と、発光素子を覆う封止層と、封止層に設けられるピラーと、第2の基板の下面に設けられ、且つ発光素子の正極及び負極にそれぞれ電気的に接続される複数の導電パッドと、を備える発光素子パッケージを含有する液体懸濁液を、第1の基板の上面に流すステップと、(c)第1の基板の突出部が第2の基板のノッチ内に位置するように、発光素子パッケージを溝の中に設置するステップと、を備える表示装置の製造方法を提供する。
【0020】
いくつかの実施形態において、表示装置の製造方法は、発光素子パッケージを溝の中に設置した後、ピラーを封止層から除去することをさらに備える。
【0021】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、単に例示的かつ説明的なものであり、請求される本開示のさらなる説明を提供することを意図していることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の上記内容と他の態様、特徴及び他のメリットは、添付図面と併せて、明細書を参照してより明確に理解される。
【
図1A】本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージの断面模式図である。
【
図1B】本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージ内の発光素子の平面視における構造模式図である。
【
図1C】本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージの断面模式図である。
【
図2A】本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージの断面模式図である。
【
図2B】本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージ内の発光素子の平面視における構造模式図である。
【
図3】本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージの基板の配線を示す模式図である。
【
図4】本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージの基板の配線を示す模式図である。
【
図5】本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージの断面模式図である。
【
図6】本発明内容の各種の実施形態による表示装置の断面模式図である。
【
図7】本開示内容の各種の実施形態による基板と導電性接続面の断面模式図である。
【
図8】本開示内容の各種の実施形態による基板と導電性接続面の平面模式図である。
【
図9】本開示内容の各種の実施形態による表示装置の製造中の模式図である。
【
図10】本開示内容の各種の実施形態による表示装置の製造中の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示内容の複数の実施形態が図面を用いて開示され、説明を明確にするために、多くの実務上の細部を以下の説明において併せて説明する。しかしながら、これらの実務上の細部は、本開示内容を制限するために適用されないことを理解されたい。すなわち、本開示内容の一部の実施形態において、これらの実務上の細部は、必要ではない。また、図面を簡略化するために、いくつかの従来の慣用の構造及びアセンブリが図面において簡単かつ概略的に示される。図面中の同一の番号は、同一又は類似の構成要素を表す。
【0024】
本明細書に開示された方法は、一連の操作又はステップを用いて以下に例示されるが、これらの操作又はステップによって示される順序は、本開示を限定するものと解釈されるべきではない。例えば、ある操作又はステップは、異なる順序で及び/又は他のステップと同時に行われ得る。さらに、本開示内容の実施形態を実現するために、示された操作、ステップ及び/又は特徴のすべてが実行される必要はない。さらに、本明細書に記載される各操作又はステップは、いくつかのサブステップ又は操作を含んでもよい。
【0025】
本開示内容は、発光素子パッケージを提供する。
図1A及び
図1Bを参照されたい。
図1Aは、本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージの断面模式図である。
図1Bは、本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージ内の発光素子の平面視における構造模式図である。
【0026】
図1Aに示すように、発光素子パッケージ100は、基板110、少なくとも一つの発光素子L、封止層120、導電パッド140、150及びピラー130を含む。基板110は、対向する上面S1及び下面S2を有し、下面S2のエッジEはノッチNを有する。発光素子Lは、基板110の上面S1に設けられている。封止層120は、発光素子Lを覆う。ピラー130は、封止層120に設けられる。複数の導電パッド140、150は、基板110の下面S2に設けられている。
図1Bに示すように、発光素子Lは、正極L1及び負極L2を有する。
図1Aに示す導電パッド140、150は、
図1Bに示す発光素子Lの正極L1及び負極L2にそれぞれ電気的に接続され、例えば、導電パッド140、150は、基板110内の配線(図示せず)を介して、正極L1及び負極L2にそれぞれ電気的に接続されてもよい。換言すれば、基板110には、発光素子Lと対象基板とを互いに接続させるための配線レイアウトが設けられている。
【0027】
本開示内容の発光素子パッケージ100は、流体自己組織化により基板の溝の中に取り付けられて、表示装置を形成することができる。注意すべきなのは、流体自己組織化を行う過程において、封止層120は発光素子Lを液体から隔離して、発光素子Lを保護し、且つ液体が流動する際の発光素子パッケージ100の衝突による発光素子Lへの損傷を回避することができる。取り付けの後、ピラー130は封止層120から除去される。他の実施形態において、発光素子パッケージ100は、ピラー130と封止層120との間に設けられた接着層(図示せず)をさらに含む。流体自己組織化で取り付ける流れの詳細については後述する。
【0028】
図1Aは、1つの発光素子Lを例としたが、発光素子の数はこれに限定されず、例えば、2つ、3つ、4つなど、設計のニーズに応じて発光素子の数を調整してもよく、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、発光素子Lは、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子であるが、これらに限定されない。
図1Aは、2つの導電パッド140、150を例としたが、導電パッドの数はこれに限定されず、例えば、2つ、3つ、4つなど、設計のニーズ又は発光素子の数に応じて導電パッドの数を調整してもよく、これらに限定されない。
【0029】
いくつかの実施形態において、
図1Aに示すように、導電パッド140、150の下面は実質的に面一となるが、これに限定されない。他の実施形態において、導電パッド140の厚さは導電パッド150の厚さよりも大きい。更に他の実施形態において、導電パッド140の厚さは導電パッド150の厚さよりも小さい。
【0030】
いくつかの実施形態において、導電パッド140、150の下面は、それぞれ多角形、例えば、三角形、四角形、五角形又は六角形であるが、これらに限定されない。他の実施形態において、導電パッド140、150の下面はそれぞれ、円形、楕円形、又は他の任意の形状である。
【0031】
いくつかの実施形態において、発光素子パッケージ100の平面視における輪郭は、多角形、例えば、三角形、四角形、五角形又は六角形であるが、これらに限定されない。他の実施形態において、発光素子パッケージ100の平面視における輪郭は、円形、楕円形、又はその他の任意の形状である。
【0032】
いくつかの実施形態において、発光素子パッケージ100は、ピラー130を含まない。
図1Cに示すように、
図1Cは、本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージ100Aの断面模式図である。発光素子パッケージ100Aと発光素子パッケージ100との違いは、発光素子パッケージ100Aの封止層120にピラーが設けられていないことにある。
【0033】
本開示内容は、別の発光素子パッケージを提供する。
図2A及び
図2Bを参照されたい。
図2Aは、本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージの断面模式図である。
図2Bは、本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージ内の発光素子の平面視における構造模式図である。
【0034】
図2Aに示すように、発光素子パッケージ200は、基板110、赤色光発光素子R、緑色光発光素子G、青色光発光素子B、封止層220、導電パッド420、430及びピラー130を含む。基板110は、対向する上面S1及び下面S2を有し、下面S2のエッジEはノッチNを有する。赤色発光素子R、緑色発光素子G及び青色発光素子Bは、基板110の上面S1に設けられている。封止層220は、赤色発光素子R、緑色発光素子G及び青色発光素子Bを覆う。ピラー130は、封止層220に設けられる。導電パッド420、430は、基板110の下面S2に設けられている。
図2Bに示すように、赤色発光素子Rは正極R1及び負極R2を有し、緑色発光素子Gは正極G1及び負極G2を有し、青色発光素子Bは正極B1及び負極B2を有する。
図2Aに示す導電パッド420、430は、
図2Bに示す赤色光発光素子R、緑色光発光素子G及び青色光発光素子Bのそれぞれの正極R1、G1、B1及び負極R2、G2、B2にそれぞれ電気的に接続される。例えば、導電パッド420、430は、基板110内の配線(図示せず)を介して、それぞれ正極R1、G1、B1及び負極R2、G2、B2に電気的に接続されてもよい。換言すれば、基板110には、赤色発光素子R、緑色発光素子G及び青色発光素子Bと対象基板とを互いに接続させるための配線レイアウトが設けられている。
【0035】
図2B、
図3及び
図4を参照されたい。
図3及び
図4は、本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージ200の基板110の配線模式図である。赤色発光素子Rの正極R1は、その下の配線310に接続され、配線310はその下のガイド穴312に接続され、ガイド穴312はその下の導電パッド410に接続されている。緑色発光素子Gの正極G1は、その下の配線320に接続され、配線320は、その下のガイド穴322に接続され、ガイド穴322は、その下の導電パッド420に接続される。青色発光素子Bの正極B1は、その下の配線330に接続され、配線330はその下のガイド穴332に接続され、ガイド穴332はその下の導電パッド430に接続される。そして、赤色発光素子R、緑色発光素子G及び青色発光素子Bの負極R2、G2、B2は、これらの負極R2、G2、B2の下の配線340に接続され、配線340はその下のガイド穴342に接続され、ガイド穴342はその下の導電パッド440に接続される。
【0036】
上記配線の構造設計により、導電パッド410は、赤色光発光素子Rの正極R1に電気的に接続され、導電パッド420は、緑色光発光素子Gの正極G1に電気的に接続され、導電パッド430は、青色光発光素子Bの正極B1に電気的に接続され、導電パッド440は、赤色光発光素子R、緑色光発光素子G及び青色光発光素子Bの負極R2、G2、B2に電気的に接続される。
図4は、4つの導電パッド410、420、430、440を例としたが、導電パッドの数はこれに限定されず、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つなど、設計のニーズ又は発光素子の数に応じて導電パッドの数を調整してもよく、これらに限定されない。
【0037】
本開示内容の発光素子パッケージ200は、流体自己組織化により基板の溝の中に取り付けられて、表示装置を形成することができる。注意すべきなのは、流体自己組織化を行う過程において、封止層220は赤色光発光素子R、緑色光発光素子G及び青色光発光素子Bを液体から隔離して、上記発光素子を保護し、且つ液体が流動する際の発光素子パッケージ200の衝突による上記発光素子への損傷を回避することができる。取り付けの後、ピラー130は封止層220から除去される。換言すれば、他の実施形態において、発光素子パッケージ200は、ピラー130を含まない。発光素子パッケージ200を流体自己組織化で取り付ける流れの詳細については後述する。
【0038】
図2Aの発光素子パッケージ200の実施形態は、
図1Aの発光素子パッケージ100の実施形態を参照することができる。いくつかの実施形態において、導電パッド410、420、430、440の下面は、実質的に面一となるが、これに限定されない。他の実施形態において、導電パッド410、420、430、440の厚さは異なる。例えば、導電パッド440の厚さは、導電パッド410、420、430の厚さよりも大きいか、又は導電パッド410、420、430の厚さよりも小さいが、これに限定されない。
【0039】
いくつかの実施形態において、導電パッド410、420、430、440の下面はそれぞれ、多角形、例えば、三角形、四角形、五角形又は六角形であるが、これらに限定されない。他の実施形態において、導電パッド410、420、430、440の下面はそれぞれ、円形、楕円形、又は他の任意の形状である。
【0040】
いくつかの実施形態において、発光素子パッケージ200の平面視における輪郭は、多角形、例えば、三角形、四角形、五角形又は六角形であるが、これらに限定されない。他の実施形態において、発光素子パッケージ200の平面視における輪郭は、円形、楕円形、又はその他の任意の形状である。
【0041】
図5は、本開示内容の各種の実施形態による発光素子パッケージ500の断面模式図である。
図5の発光素子パッケージ500と
図2Aの発光素子パッケージ200との違いは、発光素子パッケージ500がピラー130と封止層220との間に設けられる接着層510をさらに含むことにある。接着層510は、ピラー130を封止層220に容易に付着させることができる。接着層510は、例えばシリカであるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、ピラー130を除去するように接着層510に対してウェットエッチングを行ってもよい。
【0042】
図6は、本開示内容の各種の実施形態による表示装置600の断面模式図である。表示装置600は、
図2に示す発光素子パッケージ200、基板610及び導電性接続面612、614を含む。基板610は、溝Tと、溝Tの側壁SWから延出した突出部TPとを有する。導電性接続面612、614は、溝Tの底面BSに設けられる。発光素子パッケージ200は、溝の中に設けられ、基板610の突出部TPは、発光素子パッケージ200の基板110のノッチN内に位置する。
【0043】
図6には1つの溝Tのみが示されているが、溝Tの数はこれに限定されず、設計のニーズに応じて溝の数を調整してもよく、基板610は複数の溝を含んでもよい。
【0044】
表示装置600の構造をより明確に理解するために、
図4、
図6、
図7及び
図8を同時に参照されたい。
図7は、本開示の各種の実施形態による基板610及び導電性接続面612、614の断面模式図である。
図8は、本開示内容の各種の実施形態による基板610及び導電性接続面612、614、616、618の平面模式図である。発光素子パッケージ200は、溝Tの中に設けられ、発光素子パッケージ200の導電パッド410、420、430、440は、それぞれ導電性接続面618、612、614、616に電気的に接続される。
図8は、4つの導電性接続面612、614、616、618を例としたが、導電性接続面の数はこれに限定されず、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つなど、導電パッドの設計及び数に合わせて導電性接続面の数を調整してもよく、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、導電性接続面612、614、616、618は、発光素子パッケージ200の発光をコントロールするように、基板610内の配線(図示せず)に接続される。
【0045】
図8に示すように、いくつかの実施形態において、溝Tの平面視における輪郭は、多角形、例えば、三角形、四角形、五角形又は六角形であるが、これらに限定されない。他の実施形態において、溝Tの平面視における輪郭は、円形、楕円形、又は他の任意の形状である。いくつかの実施形態において、溝Tは、発光素子パッケージ200の形状と実質的に一致する。
【0046】
図4及び
図8を同時に参照されたい。いくつかの実施形態において、突出部TPは、ノッチNの形状と実質的に一致する。いくつかの実施形態において、突出部TPの体積は、ノッチNの体積と実質的に等しい。他の実施形態において、突起部TPの体積はノッチNの体積よりも小さい。発光素子パッケージ200を基板610の溝Tに設置しようとする場合、基板610の突出部TPが基板110のノッチNに位置合わせされた時のみ、発光素子パッケージ200が溝T内に設けられ、これにより、発光素子パッケージ200の導電パッド410、420、430、440が正確な方向及び極性で導電性接続面612、614、616、618と当接することを確保する。
【0047】
本開示内容は、表示装置の製造方法を提供する。
図2A、
図2B及び
図6乃至
図9を参照されたい。
図9は、本開示内容の各種の実施形態による表示装置600の製造中の模式図である。方法は以下の操作を含む。(a)
図7~
図8に示すように、溝Tと溝Tの側壁SWから延出した突出部TPとを有する基板610と、溝Tの底面BSに設けられる複数の導電性接続面612、614、616、618とを提供するステップと、(b)
図9に示すように、発光素子パッケージ200を含有する液体懸濁液を基板610の上面S3に流す。発光素子パッケージ200がピラー130を有するため、ピラー130が基板610の上面S3に接触すると、液体の流れによって、溝Tの中に落ち込むまで基板610の上で反転する。例えば、
図2A及び
図4に示すように、発光素子パッケージ200は、基板110、赤色発光素子R、緑色発光素子G、青色発光素子B、封止層220、導電パッド410、420、430、440及びピラー130を含む。基板110は、対向する上面S1及び下面S2を有し、下面S2のエッジEはノッチNを有する。赤色発光素子R、緑色発光素子G及び青色発光素子Bは、基板110の上面S1に設けられている。封止層220は、赤色発光素子R、緑色発光素子G及び青色発光素子Bを覆う。ピラー130は、封止層220に設けられる。導電パッド410、420、430、440は、基板110の下面S2に設けられている。
図2Bに示すように、赤色発光素子Rは正極R1及び負極R2を有し、緑色発光素子Gは正極G1及び負極G2を有し、青色発光素子Bは正極B1及び負極B2を有する。導電パッド410、420、430、440は、それぞれ、赤色発光素子R、緑色発光素子G及び青色発光素子Bの正極R1、G1、B1及び負極R2、G2、B2に電気的に接続される。(c)
図6に示すように、発光素子パッケージ200は、溝Tの中に設けられ、基板610の突出部TPが基板110のノッチN内に位置する。詳細には、発光素子パッケージ200が基板610の溝Tまで転がる時、溝Tの中内に落ち、且つ、基板610の突出部TPが基板110のノッチNに位置合わせされた時のみ、発光素子パッケージ200が溝Tの中に設けられ、これにより、発光素子パッケージ200の導電パッド410、420、430、440が正確な方向及び極性で導電性接続面612、614、616、618と当接することを確保する。
【0048】
いくつかの実施形態において、発光素子パッケージ200を溝Tに設置した後、ピラー130を封止層220から除去する。
【0049】
図10は、本開示内容の各種の実施形態による表示装置600の製造中の模式図である。
図10に示すように、発光素子パッケージ200が溝Tに落ちる時、発光素子パッケージ200の導電パッド410、420、430、440は、下向きに溝Tに落ちず、従って、発光素子パッケージ200は、溝Tの中に設置できず、液体懸濁液によって溝Tから離れ、基板610の上で転動し続け、他の溝の中に落ちる可能性がある。類似的に、発光素子パッケージ200の導電パッド410、420、430、440が下向きに溝Tに落ちるが、基板610の突出部TPが基板110の凹部Nに位置合わされない場合、発光素子パッケージ200は溝Tに設置できず、液体懸濁液によって溝Tから離れることもあり、本開示内容の突出部TP及びノッチNの設計により、発光素子パッケージ200と導電接続面との不正確な当接の発生を回避し、製造の歩留まりを向上させることができる。
【0050】
表示装置を製造する場合、複数の溝を有する基板に、発光色の異なる発光素子パッケージを、上記した流体自己組織化により段階的に取り付けてもよく、例えば、赤色光を発する発光素子パッケージを基板の一部の溝に取り付け、緑色光を発する発光素子パッケージを基板の他の一部の溝に取り付け、その後、緑色光を発する発光素子パッケージを基板の残りの溝に取り付けて、表示装置を形成する。従って、上記の流れで表示装置を製造するには、3回の転送を行う必要がある。なお、表示装置を製造する際には、上記した流体自己組織化により、3色の異なる色の発光素子を備える発光素子パッケージ200を転送単位として基板の溝内に一度に取り付けてもよい。従って、上記の流れで表示装置を製造する場合、1回の転送のみで済む。発光素子パッケージ200は、白色光を発することのできる発光単位であるため、段階的取り付けに比べて、本開示内容の発光素子パッケージ200は、取り付けに要する時間が段階的取り付けに要する時間の1/3だけであり、従って、本開示内容の発光素子パッケージ200の構造設計により、製造コストを大幅に減少させ、且つ製造時間を大幅に節約し、組立速度を向上させることができる。例えば、1時間当たりの組立速度は、5000万転送単位を超える場合もある。本開示内容の製造方法は、ピッチが小さく又は1インチ当たりの画素(pixels per inch,PPI)値が高いLEDディスプレイを製造するために使用することができる。
【0051】
まとめると、本開示内容に係る発光素子パッケージにおける突出部及びノッチの構造設計により、発光素子パッケージの導電パッドが正確な方向及び極性で導電性接続面と当接することを確保して、製造の歩留まりを向上させることができる。また、本開示内容の表示装置の製造方法は、流体自己組織化により、パッケージを基板に大量転送することを可能にして、製造コストを大幅に低減させるとともに、製造時間を大幅に節約し、表示装置の生産に大いに寄与することができる。
【0052】
本開示内容は、いくつかの実施形態を参照してかなり詳細に説明されたが、他の実施形態も可能である。従って、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲は、本明細書に含まれる実施形態の記載に限定されるべきではない。
【0053】
本開示内容の範囲又は精神から逸脱しない場合、本開示内容の構造に対する様々な修正及び変更を行うことができることは、当業者には明らかである。前述内容に鑑み、本開示内容は、添付の特許請求の範囲内に入る本開示内容の修正及び変更を包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0054】
100、100A、200、500 発光素子パッケージ
110、610 基板
120、220 封止層
130:ピラー
140、150 導電パッド
310、320、330、340 配線
312、322、332、342 ガイド穴
410、420、430、440 導電パッド
510 接着層
600 表示装置
612、614、616、618 導電性接続面
B 青色発光素子
B1 正極
B2 負極
BS 底面
E エッジ
G 緑色発光素子
G1 正極
G2 負極
L 発光素子
L1 正極
L2 負極
N ノッチ
R 赤色発光素子
R1 正極
R2 負極
S1 上面
S2 下面
S3 上面
SW 側壁
T 溝
TP 突出部