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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】地層中に掘削坑を構成するための方法
(51)【国際特許分類】
   E21B 43/00 20060101AFI20241216BHJP
   E21B 43/30 20060101ALI20241216BHJP
   F24T 10/10 20180101ALI20241216BHJP
【FI】
E21B43/00 C
E21B43/30
F24T10/10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023503005
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 CA2020000088
(87)【国際公開番号】W WO2022011444
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】518327729
【氏名又は名称】エバー・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・テーブス
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ケアンズ
(72)【発明者】
【氏名】デレク・リドル
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・カーティス-スミス
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ヘイル
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-007902(JP,A)
【文献】特表2018-537620(JP,A)
【文献】特表2019-513211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 43/00
E21B 43/30
F24T 10/20
F03G 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱生産力のある地層中に掘削坑を構成するための方法であって、
入口掘削坑および出口掘削坑を前記地層中に掘削するステップと、
前記入口掘削坑と前記出口掘削坑の間に第1相互接続区間及び第2相互接続区間を有する連続地熱回収井戸を形成するために、前記入口掘削坑と前記出口掘削坑の間を掘削するステップであって、前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間が前記地層内で前記入口掘削坑および前記出口掘削坑に対して予め規定された角度構成を有し、前記第1相互接続区間が、前記入口掘削坑のダウンホール端からダウンホール接合部まで延在する第1横方向掘削坑を含み、前記第2相互接続区間が、前記出口掘削坑のダウンホール端から前記ダウンホール接合部まで延在する第2横方向掘削坑を含み、前記第2横方向掘削坑が、前記第1横方向掘削坑の深度よりも深い深度に配置される、ステップと、
そこを通る作動流体流によって熱回収を容易にするために、前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間を封止することによって少なくとも前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間を調整するステップであって、前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間が少なくとも部分的に開放孔である、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
調整するステップが、前記地層に本来存在しない組成物を導入するか、又はユニット動作を実行するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記入口掘削坑および前記出口掘削坑の掘削中に取得される信号伝達データに応じて、前記調整するステップを動的に変化させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユニット動作が、掘削流体の温度を制御するステップと、掘削される前記地層中の岩石面を事前冷却するステップと、前記地層中の細孔空間を封止するステップとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記細孔空間を封止するステップが、i)前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間の少なくとも一部の中への地層流体の侵入または前記地層の中への前記作動流体の流出に対して前記細孔空間を不浸透性にすること、ii)連続動作における掘削中に前記細孔空間を封止すること、又はiii)不連続動作における掘削中に前記細孔空間を封止すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記入口掘削坑と前記出口掘削坑の間の信号伝達からの信号伝達データに基づいて変化を選択するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ユニット動作が、前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間の長手軸に対して前記地層中に、前記作動流体による熱回収を向上させるために前記地層と流体連通した導管を形成することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記導管が終端部を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記導管が、径方向孔区間、誘起された破砕、誘起された亀裂、又は誘起されたひび割れのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記作動流体の一部を前記導管の中へ流入させ、前記導管内の前記作動流体の前記一部が、前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間の内側の前記作動流体の一部を加熱できるようにすることによって前記導管による熱回収を向上させるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
別の井戸の前記第1相互接続区間の隣接する径方向孔区間と熱的接触する前記第2相互接続区間の径方向孔区間を位置決めするステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記連続地熱回収井戸は、側面視においてU形状の掘削坑を含み、別の井戸の隣接する相互接続区間の隣接する径方向孔区間と流体連通するために、相互接続区間の径方向孔区間同士を接続するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記地層内で、前記入口掘削坑の平面および前記出口掘削坑の平面に対して前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間を位置決めするステップをさらに含み、前記第1相相互接続区間の平面が、前記入口掘削坑前記平面に対して、直交面、鋭角面、鈍角面、同一平面、および平行面を含む群から選択される平面にあり、前記第2相相互接続区間の平面が、前記出口掘削坑の前記平面に対して、直交面、鋭角面、鈍角面、同一平面、および平行面を含む群から選択される平面にある、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第2横方向掘削坑が下向きに傾斜し、前記ダウンホール接合部が前記出口掘削坑の前記ダウンホール端の深度よりも深い深度に存在し、前記作動流体を前記入口掘削坑から前記ダウンホール接合部へ、且つ前記ダウンホール接合部から前記出口掘削坑へ流すように前記連続地熱回収井戸を構成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間のうちの少なくとも一方は、前記ダウンホール接合部からダウンロード端まで延在して前記地熱回収井戸の岩屑を蓄積するように構成された岩屑区間をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1相互接続区間及び前記第2相互接続区間は、i)前記入口掘削坑のダウンホール端から複数のダウンホール接合部へ延在する第1群の横方向掘削坑と、ii)前記出口掘削坑のダウンホール端から前記複数のダウンホール接合部へ延在する第2群の横方向掘削坑とを含み、前記第1群の横方向掘削坑のそれぞれが、前記複数のダウンホール接合部のそれぞれの接合部で前記第2群の横方向掘削坑のそれぞれに接続され、前記調整するステップが、前記作動流体を、前記入口掘削坑から前記複数のダウンホール接合部へ、且つ前記複数のダウンホール接合部から前記出口掘削坑へ流すことを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱生産力のある地層内に井戸を構成することに関し、より具体的には、本発明は、特定の地層の熱勾配からの熱エネルギーの回収を最大化する井戸の位置決めを容易にするために地層中の掘削を最適化することに関する。
【背景技術】
【0002】
地層中でより大深度に、より高い温度を許容して掘削するための改善された掘削技法の出現により、特定の井戸構成の地層を可能にするため多くの進歩が行われてきた。
【0003】
井戸の位置決めの効率を向上させるには、掘削技法の統一、作動流体の化学作用、掘削坑調整ユニット動作を、特に流量、順位付けと共に組み合わせて、所与の地層中の最も複雑で多様な熱勾配で、効率的な熱回収を達成しなければならない。
【0004】
本発明は、熱勾配の異常および複雑さにかかわらず、熱エネルギーを回収する能力を促進する。
【0005】
当技術分野の発展の点で、より早期に開発されたもののうちの1つは、2001年6月19日に発行されたMoeの米国特許第6,247,313号で実現されている。地熱地帯内に複数の熱吸収孔を含む掘削坑構成に関する開示がある。同開示は、ケーシングまたはライナに関しては言及していないが、破砕帯、互いに平行な熱吸収孔の角度配列の利用、およびさらなる制限に限定される。本教示は、具体的には以下を述べている。
「傾斜角度の大きさは、たとえば、岩石中の温度勾配、熱吸収孔の長さ、および流水量といったいくつかの要因に依存する。角度の計算は、当業者の能力の範囲内であり、したがって本明細書では詳述しない。角度は、通常は20°と50°の間であり、好ましくは約40°である。
さらに、所与の体積の岩石からの熱の抽出を最大化するために、熱吸収孔の少なくともかなりの部分は互いに平行に延びる。より好ましくは、熱吸収孔は、1つの層の中、必要な場合は複数の垂直に離間した層の中に配置される。垂直に離間した層の配列を条件として、複数の熱吸収孔を有する各層によって、広い区域にわたって孔を広げることなく、プラントの能力を向上させることが可能になる。このことは、開発に利用可能な土地の量が大きくない場合、かなり重要なことである。
【0006】
供給孔3および帰還孔4は、各々が10cmの直径を有し、約2000mの長さである、4つの熱吸収孔5によって相互接続される。これらの孔5間の間隔は、100~150mであってよい。それらは、供給孔3から開始して掘削されており、帰還孔4で、または帰還孔4の近くで終了する。熱吸収孔5を掘削するときに帰還孔4に直接当てるのは困難なため、破砕帯6をこの区域に確立して、孔4と5の間の流れの連通を実現してきた。」
【0007】
また、同教示は、強調されるように、入口と出口の接続に関する難点についても教示している。欠点として、Moeの配置は、その異常さにかかわらず、勾配への無制限なアクセスに関する十分な教示を提供せず、したがって、同開示は、特定のシナリオに限定される。
【0008】
Shulmanが、1996年5月14日に米国で特許第5,515,679号を発行した。同文書は、高温の様々な岩石タイプ中での閉ループ熱エネルギー回収配置を教示しており、そのうちの1つは、Shulmanの開示中で区別される固体岩石である。
「本発明は、閉じたパイプループシステム中の液体循環を採用する新規の方法および装置に関し、それによって、地下の熱い岩石中の熱エネルギーが抽出され、すなわち、採掘されて、利用のために地表に運ばれる。前記熱い岩石は、固体である、ひび割れている、または破砕されている、乾燥しているもしくは湿っている可能性があるが、基本的に移動する流体はない。この発明によって、熱エネルギーは、熱い岩石から、地表のマニホルドから熱い岩石中に下降し次いでライザの底で一緒に連結する複数の遠くに分離される熱伝導パイプループのうちの1つまたは複数を流れる比較的冷たい液体に伝達され、ライザを通って加熱された液体が地表に戻る。」
【0009】
掘削坑構成は、熱回収導管の複雑なパターンまたは配列とともに詳細には議論されていない。同配置は、地層からの熱回収用の配置を通る流体移送のための、掘削坑構成中の配管に依存する。別の欠点は、本質的に掘削坑の地面に掘った孔のネットワーク内にあるのではなく、地表上のマニホルドの位置決めに見られる。
【0010】
2003年12月30日に発行された米国特許第6,668,554号において、Brownは、熱く乾燥した岩石中に破砕帯を形成するための破砕プロセスを教示する。作動流体として超臨界CO2が使用されて、地熱地層から吸収したエネルギーを伝達する。閉じたループ中に流体連通はなく、閉じたループでは、入口井戸と出口井戸の間の流体連通中に相互接続区間があり、そこでは、作動流体が地層から分離される。Brownの配置では、地層自体が入口井戸および出口井戸と無差別に連通する。これは、Brownが以下を教示していることによってさらに明示される。
「最終的に、熱く乾燥した岩石の循環システムは、破砕した熱く乾燥した岩石の貯留層の形状を規定する微小地震事象の場所の「雲(cloud)」によって規定されるような細長い貯留層領域の各端部近くの貯留層を交差するため、2つ以上の生産井戸を掘削することによって完成する。すべての井戸は、地表へのケーシング、次いで、掘削流体および他の水ベース材料の除去を行い、再び気体の二酸化炭素を使用して適切に完成することになる。」
【0011】
この経過から、ケーシングの使用は、井戸の交差部として識別されるが、閉ループの中でのように互いにではなく、むしろ地層内の人工的貯留部との交差部として識別される。
【0012】
2019年4月16日に発行されたSonjuの米国特許第10,260,778号は、地熱プラントを開示している。同心状の入口/出口井戸配置に対する特定の配列にある構成の生産部分についての特定の要件に関して、同特許中に教示がある。同開示は、掘削期間もしくは掘削後の掘削坑の調整、または、制限なしで熱生産帯を利用するために区間を相互接続するための可能性がある方向に関しての指示を与えていない。
【0013】
2020年1月7日に発行されたMuirらの米国特許第10,527,026号は、井戸ケーシングから流体の中に熱を伝達するための、閉ループ熱回収配置を教示する。
同テキストは以下を示す。
「ここに開示される実施形態は、閉ループ設計の使用を介した、非浸透性地質学的リソースからのパワーの生産のための方法および装置に関しており、流体が閉ループ井戸中の地層から完全に分離され、熱が井戸ケーシングを通して流体へと伝達される。」
「上の背景技術セクションで記載したように、典型的な熱水システムならびに閉ループシステムは、浸透性地質学的リソースから熱を抽出することに焦点を当ててきており、そこでは破砕または多孔性が自然にまたは刺激を通して生じる。対照的に、ここに開示される実施形態は、塑性帯中の岩石などといった、低浸透性岩石からの熱を効率的で効果的に抽出することができる。より高温で低浸透性岩石を含む地層は、流体と岩石間の直接接触なしでリソースを通して流体を通過させることによって有利に使用され、それによって、熱は岩石から井戸ケーシングを通って流体の中に直接伝達される。」
「閉ループ地熱熱交換システムは、次いで、地下の地層の決定された温度プロファイルおよび決定された熱補充プロファイルに基づいて、地下の地層内に配設することができる。閉ループ地熱熱交換システムの据付けは、掘削ステップ、ケーシングステップ、穿孔ステップ、接着ステップ、破砕でケーシングされていない井戸壁を拡大するステップ、ケーシングされていない井戸壁を密封するステップ、ならびに、当業者に知られているような、掘削プロセスおよびそこに井戸ループを据え付けることに関連する他のステップを含むことができる。据付けは、いくつかの実施形態では、地層の塑性帯または脆性-延性遷移帯内に閉ループ井戸システムの熱交換帯を配設するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、据付けは、地層の脆性帯内に閉ループ井戸システムの熱交換帯を配設するステップ、ならびに、熱交換帯の近傍の脆性帯を刺激するステップを含むこと、または追加で含むことができる。」
【0014】
同テキストは、密封に関する一般的な教示を提供するが、掘削坑構成の熱回収セクション中でケーシングするステップを含む。同テキストは以下を示す。
「いくつかの実施形態によれば、ここで記載される地熱エネルギーを生成するための方法は、金属パイプでケーシングされない井戸の部分を含むことができるが、代わりに、そのような部分の井戸は、硬化した封止剤で封止されている地層岩石であってよく、そのような部分の井戸壁は、そのような硬化した封止剤の境界によって規定され、いくつかの実施形態では、このことによって、そのような部分の井戸の直径がより大きくなり、いくつかの場合には、そのような井戸の金属ケーシングされた部分よりはるかに大きくなる。」
【0015】
同参照は上のShulmanの教示をそのまま反映しているが、井戸の交差部、ケーシングおよび/もしくはライナがないこと、または、何らかの熱勾配パターンに対応するための掘削坑配置の熱回収区間の配列における幾何学的変化についての指示を与えていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】米国特許第6,247,313号
【文献】米国特許第5,515,679号
【文献】米国特許第6,668,554号
【文献】米国特許第10,260,778号
【文献】米国特許第10,527,026号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
熱エネルギーを回収するための既存の機器および方法の制限に適合された特定の掘削坑設計に制限されるのとは反対に、勾配パターンの異常に合わせてユーザが適合させることができる掘削坑構成を形成する方法を有することが望ましい。
【0018】
以下、本明細書で開示される本発明の方法は、言及した制限を改善し、熱生産力のある地層内から熱エネルギーを効率的に捕捉するための以前には見られなかった自由度を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の1つの実施形態の1つの目的は、その後使用するために、そこから熱エネルギーを回収するための、熱生産力のある地層中に井戸および井戸システムを構成するための改善した方法を提供することである。
【0020】
本発明の1つの実施形態の別の目的は、熱生産力のある地層中に掘削坑を構成するための方法を提供することであって、
入口井戸および出口井戸を有する井戸を前記地層中に独立して掘削するステップと、
前記入口井戸と前記出口井戸の間に相互接続区間を有する連続井戸を形成するため交差するように、掘削中に前記入口井戸と前記出口井戸の間で信号伝達するステップであって、前記相互接続区間が前記地層内で前記入口井戸および前記出口井戸に対して予め規定された角度構成を有する、ステップと、
前記相互接続区間中でケーシングまたはライナ材料を用いずにそこを通る作動流体流によって熱回収を容易にするために、少なくとも前記相互接続区間を調整するステップと
を含む。
【0021】
調整するステップは、入口井戸および出口井戸の掘削のうちの少なくとも一方の、連続的な掘削、不連続的な掘削、掘削期間、掘削後、および掘削の順序付けた組合せのうちの少なくとも1つによって実現される。
【0022】
より詳細には、調整するステップは、地層に本来存在しない少なくとも1つの組成物、ユニット動作、およびそれらの組合せを導入するステップを含むことができる。
【0023】
本方法の有効性を向上させるため、入口井戸の掘削動作および出口井戸の掘削動作のうちの少なくとも1つからの信号伝達データに応じて、調整動作を動的に変化させることができる。
【0024】
具体的な状況に依存して、ユニット動作は、掘削流体の温度を制御するステップと、掘削される地層中の岩石面を事前冷却するステップと、掘削装置を冷却するステップと、地層中の掘削から形成される掘削坑の細孔空間を変更するステップとを含むことができる。
【0025】
細孔空間の変更は、相互接続区間の中への地層流体の侵入または地層の中への作動流体の流出に対して細孔空間を不浸透性にする後続の処理のために細孔空間を活性化すること、連続動作における掘削中に細孔空間を封止すること、不連続動作における掘削中に細孔空間を封止すること、およびそれらの組合せを含むことができる。
【0026】
動作調整ステップの変更も、入口井戸と出口井戸の間の信号伝達からの信号伝達データに基づいてよい。
【0027】
任意選択で、別のユニット動作は、相互接続区間の長手軸に対して地層中に、作動流体による熱回収を向上させるために地層と流体連通した導管を形成することを含む。導管は、終端部を有することができ、相互接続区間の導管の位置は、別の井戸の隣接する相互接続区間の隣接する導管と熱的接触をしてよい。導管は、熱収集相互接続区間の有効半径を拡大して、岩石体積からの全体的な熱伝達を増加する自然な浮力駆動対流を含むことができる。
【0028】
導管は、相互接続区間から径方向に延びる破砕、単一の孔、補助区間、または複数の径方向孔であってよい。
【0029】
垂直の構成要素で配置されると、導管は対流セルとして働き、ここで、自然な浮力駆動対流が、熱収集相互接続区間の有効半径を拡大する。導管は、典型的には直径が0.5インチ(12.7mm)以上であり、8.5インチ(215.9mm)または相互接続区間自体の直径に等しくてよい。
【0030】
別のオプションとして、相互接続区間の導管は、別の井戸の隣接する相互接続区間の隣接する導管と流体連通用に接続することができる。
【0031】
本発明の1つの実施形態のさらなる目的は、そこを通る流体の循環を通して熱生産力のある地層から熱エネルギーを回収するのに好適な井戸構成を提供することであって、井戸構成は、
入口井戸と、
出口井戸と、
前記入口井戸および前記出口井戸と流体連通し、前記地層の熱生産力のある区域内に配設される相互接続区間と、
加熱された流体を貯蔵するために前記相互接続区間と選択的に流体循環連通する、選択的動作可能な補助区間と、
井戸の岩屑を集めるために、前記入口井戸、前記出口井戸、および前記相互接続区間のうちの少なくとも1つと流体連通する岩屑区間であって、
前記出口井戸が、前記入口井戸と同心であること、前記入口井戸に対して5°と175°の間にあることのうちの少なくとも1つであり、相互接続区間が前記入口井戸に対して5°と355°の間である、岩屑区間と
閉ループを形成して、前記流体から回収された熱エネルギーを変換用に集めるために、井戸と接続される変換デバイスと
を備える。
【0032】
1つの実施形態では、補助区間は、貯蔵した加熱された流体循環が相互接続区間にアクセスするのを可能にするための、選択的動作可能な弁を含み、変換デバイスおよび隣接する井戸構成のうちの少なくとも1つと流体連通する選択的動作可能な出口をさらに含むことができる。
【0033】
本構成は、同心かつ離間した関係の複数の井戸構成、離間して横方向にオフセットされた平行な平面関係の複数の井戸構成であってよく、共通の入口井戸と共通の出口井戸のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0034】
熱エネルギーの収集では、相互接続区間が利用され、本構成は、予め規定されたパターンで相互接続区間の複数の離間した配列を有する、入口井戸および出口井戸と流体連通する複数の相互接続区間を設けることができる。
【0035】
本発明の1つの実施形態のまたさらなる目的は、そこを通る流体の循環を通して熱生産力のある地層から熱エネルギーを回収するのに好適な井戸構成を形成する方法を提供することであって、方法は、
入口井戸および出口井戸を地層中の予め規定された場所に独立して掘削するステップと、
入口井戸と出口井戸の間で地層中の地層位置の予め規定された熱生産力のある区域に相互接続区間を形成するため、入口井戸および出口井戸から交差掘削するステップであって、出口井戸が、前記入口井戸と同心であること、前記入口井戸に対して5°と175°の間にあること、前記相互接続区間が前記入口井戸に対して5°と355°の間であることのうちの少なくとも1つである、ステップと、
加熱された流体を貯蔵するために前記相互接続区間と選択的流体循環連通する選択的動作可能な補助区間を形成するステップと、
井戸の岩屑を集めるために、前記入口井戸、前記出口井戸、および前記相互接続区間のうちの少なくとも1つと流体連通する岩屑区間を形成するステップと、
閉ループを形成して、前記流体から回収された熱エネルギーを変換用に集めるために、井戸と接続された変換デバイスを設けるステップと
を含む。
【0036】
交差部掘削のため、入口井戸と出口の間に相互接続区間を形成するために入口井戸および出口井戸から独立して掘削するステップは、電磁信号伝達によって実行される。
【0037】
電磁信号伝達デバイスは、信号伝達に利用され、入口井戸、出口井戸、岩屑区間、および相互接続区間の予め規定された場所の組合せに、選択的に配置される。
【0038】
本デバイスは、予め規定された順序で動作させることができる。
【0039】
さらに、本方法は、以前に形成された隣接する井戸からの信号伝達で、進行中の井戸に信号伝達するステップを含む。
【0040】
本方法は、40℃以上の温度を有する地熱地層からの熱エネルギーの回収によく適している。
【0041】
地層中での配備の効率および柔軟性のために、相互接続区間内の流体の循環は、ケーシングおよびライナなしで実施することができる。
【0042】
実施形態中の複数の相互接続区間は、入口井戸および出口井戸と流体連通することができ、本構成は、予め規定されたパターンで、相互接続区間の複数の離間した配列を有する。
【0043】
任意選択で、全配列に共通の出口井戸から放出する前に、1つの配列から、離間した第2の配列の入口点に流体をスリップストリームとして選択的に循環させるステップが存在してよい。この方法では、スリップストリームは、離間した第2の配列中に循環させる前に、入口井戸からの流体を事前加熱する。
【0044】
スリップストリームは、隣接する井戸の熱増大のために、隣接する井戸構成に分配することもできる。
【0045】
こうして本発明を概略的に説明してきたが、ここで好ましい実施形態を説明する添付図面への参照が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】閉ループエネルギー回収配置の概略図である。
図2】そこから熱エネルギーを回収させるための、地層の体積内の相互接続区間または区間グループの可能な位置を図示する座標系の図である。
図3】少なくとも2点の交差部を掘削することによって掘削坑構成を形成する際に含まれるステップを描くフローチャートである。
図4掘削坑の変形形態の断面図である。
図5図4の側面図である。
図6図5の代替実施形態の図である。
図7掘削坑構成の実施形態の図である。
図8掘削坑構成の代替実施形態の図である。
図9掘削坑構成のさらなる代替実施形態の図である。
図10掘削坑構成のさらなる代替実施形態の図である。
図11掘削坑構成のさらなる代替実施形態の図である。
図12掘削坑構成のさらなる代替実施形態の図である。
図13地層内の掘削坑構成のシステムの概略図である。
図14】分割された掘削坑構成のネットワークの概略図である。
図15】岩屑区域を図示する井戸システムの概略図である。
図16】モジュール形式で重ねられた井戸の概略図である。
図16A図16の代替実施形態の図である。
図17】補助区間の間に相互接続がある井戸システムの概略図である。
図18】電力網と一体化された井戸システムのネットワークの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図中で使用される同様の数字は同様の要素を示す。
【0048】
図1を参照すると、熱生産力のある地層12内に配設される閉ループ井戸システム10の概略図が示される。システム10は、地表Sに位置決めされるエネルギー処理デバイス20と閉ループ流体連通する、入口井戸14、相互接続井戸区間16、および出口井戸18を含む。出口井戸は、デバイス20において入口井戸と共設されても、または代わりの接続では点線22で示されるように遠方に配置されてもよい。地層12内から熱エネルギーを吸収するために、作動流体をシステム10内に循環させる。
【0049】
効率のために、相互接続井戸区間16は、ケーシングもライニングもされず、また他のパイプまたは関連する機械装置を含まない。出口井戸18および入口井戸16は、ケーシングされても、または他の方法で当業者に知られている容認された慣習に準拠するように作られてもよい。装置の使用で発生する岩屑があれば、区間19で集めることができる。
【0050】
エネルギー処理デバイス20は、数字24で広く示される他の使用のためにエネルギーを処理し、26で貯蔵し、または、任意の好適な組合せで太陽発電デバイス30および/もしくは風力発電デバイス32を任意選択で含むことができる電力網28に渡すことができる。
【0051】
熱生産力のある地層内の井戸の空間配向に関して、図2への参照を行うことができる。図では、明瞭にするために要素が取り除かれているが、図は、相互接続区間16の配列が、入口井戸14および出口井戸18の平面のうちの少なくとも1つに関していてよいことを伝えるためのものであることを理解されたい。
【0052】
図では、相互接続井戸区間16は、平面(X-Y)、(X-(-Y))、((-X)-Y)、((-X)-(-Y))、(X-Z)、(X-(-Z))、(Z-(-X))、((-X)-(-Z))、(Z-Y)、(Z-(-Y))、((-Z)-(-Y))、および((-Z)-Y)のいずれかに任意の角度で位置決めすることができ、交差平面配列について、X、Y、およびZ座標を有するように配設することもできる。説明のため、正のx軸は、入口井戸14を表すことになる。井戸は、井戸14の動作を妨げない範囲で、任意の角度αまたはβで配設することができる。このことは、出口井戸18にも等しく当てはまる。入口井戸14および出口井戸18は、図1に関して参照されるように、地表Sと連通する。
【0053】
説明される空間内に任意の数の相互接続区間16を配設することができる。他の井戸構成が、先の図中で説明される。量および空間位置は、地層12の熱勾配に依存することになる。
【0054】
有利なことに、掘削動作の調整をした相互接続区間内に、相互接続区間18をライナ、ケーシングなどなしで形成するための独立掘削動作によって入口井戸14と出口井戸16の間を交差部によって掘削するのを観察すると、熱エネルギーを最大限回収する構成の自由がもたらされている。
【0055】
図3は、形成した相互接続区間を通した交差のために、地層中の入口井戸および出口井戸をセンサ測距する際に含まれるステップの例を図示する。本例は相互接続区間を参照するが、本方法論は、図2に関して議論されるような任意のパターンでの複数の相互接続区間形成に関することを理解されよう。個別相互接続区間は、その間にセンサを通信させて、所与の井戸システムを有する後続の相互接続区間または地層内の近傍システム中に形成されるものの掘削を案内するのに、十分に利用可能である。
【0056】
井戸、入口、出口、および相互接続区間の間の相互連通を実現することによって、掘削される井戸の正確な交差を容易にするため、軌跡のドリフトが最小化される。センサは、岩屑捕捉区間19で利用することもできるが、図示されず、以下本明細書ではより詳細には説明されない。
【0057】
ここで図4を参照すると、相互接続区間16の断面が、地層12と共に配設されて示されている。区間16から延びるのは、地層12の中に延びる導管34である。導管34は、区間16の内部36と流体連通する、または、内部36と流体連通なしで封止される空隙であってよい。そこを通って作動流体が循環するとき、また休止の期間に、相互接続区間の熱回収能力を向上させるのに、導管34が有用であることが見いだされている。区間16の構造的/機械的妥協なしで熱回収を最大化するための、径方向の延長部の位置決めおよび量は、地層の特性によって規定される。適切な場合には、予め存在する、ひび割れ、亀裂、破砕または浸透性の含まれる区域に遭遇した場合、それらを、導管として機能させるために使用することができる。これらは、区間16の掘削中に行われてもよい。
【0058】
図5は、導管34が全体的にらせんパターンで配置される例を示し、黒点は、平面から外向きに延びるものを表し、xの点は、平面から離れて延びる反対面上の延長部を表している。これは例示であって、パターンは、他の密接なパラメータの中でも勾配データから確認される。
【0059】
図6は、複数の区間16が地層12内に配設されるさらなる例を図示する。本例では、隣接する区間の延長部34は、熱エネルギーを回収することができる勾配の体積を効果的に増加させるために、延長部で所与の区域38を満たすように近接して配置することができる。導管34は、熱エネルギーを区間16の内部34に向ける浮力駆動流の対流セルとして働く。延長部は、隣接する位置決めのために配置することができ、または他の導管34と互いに入り込むことができる。
【0060】
さらなる実施形態として、個別区間16は導管34によって接続することができ、接続は数字40によって全体が表される。
このようにすると、本配置は、透視法で見たときに、はしご状の外見を有する。
【0061】
ここで、井戸構成の可能性に目を向けると、図7は、地層12内に配設され、数字42によって全体的に示される、全体的に環状の井戸構成を図示する。
【0062】
この配置では、入口井戸14は、相互接続区間16の各々に接続される、主入口ハブ井戸44と流体連通する。(図示しないが、数字46で全体的に表される)好適なバルブデバイスを、流体流の出力先変更および他の制御のためにループ区間16の一部または全部に組み込むことができる。
【0063】
本配置42は、また、同様の弁動作の特徴(図示せず)を有する主入口ハブ井戸46について示されたのと同様にして接続される主出口ハブ井戸48を含む。
【0064】
本構造体内で、各ループ区間16は、熱エネルギーを回収するための単一のユニットとして動作することができる。
【0065】
動作上の代替として、最大の熱回収を可能にするために、配置42内の作動流体の流れを、休止の期間の順序付けを有する、全配置を通した全体的にらせんパターンで循環させることができる。そのような柔軟性によって、たとえば、エネルギー処理デバイス20への接続が可能になる。このことによって、エネルギーが電力に変換される際に、需要に応じた電力が容易になり、ベースロード電力ピーク時送出問題に関連する制限を克服する。
【0066】
図8は、数字50によって示される井戸構成のさらなる実施形態を図示する。全体的な形状は、鞍の形状であって、相互接続するループ区間は、アーチ形を呈して、互いに隣接する。入口井戸14は、ハブまたはマニホルド配置52中のループ区間16の各々に接続すること、または選択的動作のため54で弁調節することができる。同様にして、出口18を、同じ方式で接続することができる。
【0067】
図9は、全体的に逆パラボラの形状の、さらに別の可能な変形形態を図示する。
【0068】
図10は、入口14が、構成中で遠点から別々であってよい、または56で結合されてよい別の井戸システム構成を図示する。同様に、出口18は、58で連結されてよい。共同設置するため、出口58および入口56は、地理的に近接させるため延ばすことができる。
【0069】
図11は、出口井戸18が構成の底部または点線で示されるように頂部にあってよい、全体的に円錐形状の構成を図示する。ループ区間16の下部は、一緒に接続されても、または独立していてもよい。
【0070】
図12は、全体的に泡立て器の形状の、さらに別の構成を図示する。この実施形態では、区間のループ16は、同心の入口14および出口18を有することができ、入口からの流体は、矢印62の方向に流れ、出口流は64に流れる。この配置によって、構成の外側の地層12の中、および構成内の地層体積66の中の熱について、「採取」される地層のより大きい体積が可能になる。この構成に伴う利点の1つは、すべての交差が単一のさく孔または「マザー孔」で生じ、電磁信号伝達を簡略化することができ、固定デバイスをマザー孔中に配置することでまたは受動的に達成することさえできることである。別の利点は、入口と出口の流量の両方を収容するために、1つのみの垂直孔で済むことである。
【0071】
図13に目を向けると、数字68によって全体的に示される、掘削坑システムのセクタが概略的に描かれている。セクタ68は、熱生産力のある地層12内にあり、勾配のカバレッジを最大化するために、異なる掘削坑構成の位置決めは予め規定されたゾーンに位置決めされる。本例では、セクタ68は、共通の入口井戸14および共通の出口井戸18を共有するループ区間16を重ねて離間した配置を実現する。
【0072】
パラメータに応じて、流体の循環は、AからFで示されるパターンに従うことができる。このようにすると、頂部のループ区間70からの加熱された流体の少なくとも一部が、底部のループ区間72に入る流体を事前加熱することができる。あるいは、ループ区間70および72の各々が独立して動作することができる。
【0073】
残りの構成に関して、環状構成80は、点線74によって示されるように重ねられた配置70、72の出口18から加熱された流体を受け取ることができ、または単純に鎖線76によって示される独立した入口井戸14を有することができる。
【0074】
泡立て器構成は、独立した入口井戸14および底部に位置決めされる出口井戸18を有することができ、または入口井戸は、数字78によって示されるような環状構成のものと共通であってよい。
【0075】
最後に、鞍構成は、環状構成80と共通の出口井戸を含むことができる。
【0076】
すべての入口井戸14および出口井戸18は動作のために地表または変換デバイス20(図1)まで延びることを理解されよう。図13では、井戸14、18は、説明を明瞭にするために切断されている。
【0077】
セクタ68は、掘削坑構成、共通および独立した組合せと同様に、単に例示である。相互接続する指向性掘削、調整動作、およびセンサ誘導掘削で、任意のパターンまたは構成を同期させて、最も不規則で、異種のマルチゾーン勾配分布でさえ利用することができる。本技術が、熱回収相互接続区間内に配管ライナまたは他の機械装置を含まないという事と統合されると、これらの特徴はすべて、構成のための幾何学的制限を速やかに取り除き、したがって任意の岩石地層中の任意の勾配の採掘を可能にする。
【0078】
図14は、地層12の特定の体積から熱エネルギーを回収するための井戸配置82の別の例である。本例では、岩屑区間19がセンサ84を含むことで、岩屑の付着に関する情報を送信することができる。この様式では、作動流体は、井戸システムの損なわれた区域を低減/修復するために、化学添加物を組み込むように組成を変えることができる。
相互接続区間16の配置は、熱エネルギーを回収するため、示されるような離間した配列で配設することができる。
【0079】
さらに、図15に図示されるように、補助区間86は、それが取り付けられるそれぞれの区間16と流体連通してよく、選択的動作を可能にするために弁機構88を組み込んでもよい。補助区間88は、本例における井戸システムについての配置中の熱ドライバとして選択的に使用される加熱された作動流体を貯蔵するために使用すること、または、(この図に図示されない)別の井戸システムへの好適な相互接続を介して使用することができる。図示したように、補助区間86は、それが取り付けられる区間と共平面の配列に、または図中に点線で示されるような直交する平面に位置決めすることができる。これに対する好適な変形形態は、勾配の特徴に依存して想定される。
【0080】
図16および図16Aは、地層内の異なる角度配置でグループ化した井戸システム82を図示する。グループ化した構成では、システム82は、地層12の特定の体積内でモジュール化され、こうして、小さい占有面積で、入口井戸14と出口井戸18の好都合な全体的な共設が可能になる。モジュール内で、入口井戸14および出口井戸は、個別の井戸システムに対して共通であってよく、またはシステム82中のすべてのモジュールについて共通であってよい。
【0081】
図17は、90において隣接する井戸間の補助区間86を相互接続する可能性、または、1つの出口18から隣接する井戸の入口14へ熱の補充の可能性を提供する。
【0082】
図18において、描かれるネットワークは、任意の井戸システム82内で生成されるエネルギーが、数字96によって示されるように、1つのシステム82から別の82に連結される、または、量的需要にかかわらず、需要に応じた電力を提供するために、電力網28上で最終的に使用するため数字98によって示されるようなさらにグループ化されるシステム82に関連するエネルギー生成装置20を通じて他で使用するために直接取ることができる特徴を伝えることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本技術は、技術のうちの掘削坑形成、掘削、およびエネルギー回収領域に利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0084】
3 供給孔
4 帰還孔
5 熱吸収孔
6 破砕帯、相互接続区間
10 閉ループ井戸システム
12 熱生産力のある地層
14 入口井戸、入口
16 相互接続井戸区間、相互接続区間、ループ区間、区間のループ
18 出口井戸、出口
19 岩屑捕捉区間
20 エネルギー処理デバイス、変換デバイス、エネルギー生成装置
22 点線
24 他の使用
26 貯蔵
28 電力網
30 太陽発電デバイス
32 風力発電デバイス
34 導管、延長部
36 内部
38 区域
40 接続
42 環状の井戸構成
44 主入口ハブ井戸
46 バルブデバイス、主入口ハブ井戸
48 主出口ハブ井戸
50 井戸構成
52 マニホルド配置
54 弁調節
56 入口
58 出口
62 矢印
64 矢印
66 地層体積
68 セクタ
70 ループ区間、配置
72 ループ区間、配置
74 点線
76 鎖線
78 入口井戸
80 環状構成
82 井戸配置、井戸システム
84 センサ
86 補助区間
88 弁機構、補助区間
90 可能性
96 連結
98 グループ化
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図16A
図17
図18