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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】抵抗体ポジションセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/30 20060101AFI20241216BHJP
   G01D 5/165 20060101ALI20241216BHJP
   H01C 10/30 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
G01B7/30 G
G01D5/165 A
H01C10/30 M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023512863
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 JP2022008751
(87)【国際公開番号】W WO2022215391
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】P 2021065711
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】和賀 聡
(72)【発明者】
【氏名】猪股 智
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 靖
(72)【発明者】
【氏名】小松 寿
(72)【発明者】
【氏名】細越 順一
(72)【発明者】
【氏名】石井 裕伸
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 尚登
【審査官】大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-233904(JP,A)
【文献】特開2002-289411(JP,A)
【文献】特開平11-251113(JP,A)
【文献】特開平11-260606(JP,A)
【文献】国際公開第2020/195698(WO,A1)
【文献】特開2010-225998(JP,A)
【文献】特開2004-288924(JP,A)
【文献】「フッ素オイル デムナム TECHNICAL DATASHEET」,ダイキン工業株式会社,2019年07月,[2020年10月28日アーカイブ],[2024年8月30日検索],インターネット<URL:http://web.archive.org/web/20201028085228/https://www.daikinchemicals.com/library/pb_common/pdf/tds_jp/specialty/fluorinated-oil/tds-dms-J_ver03_Jul_2019.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00 - 7/34
G01D 5/00 - 5/252
H01C 10/00 - 10/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗体と、前記抵抗体上を摺動する摺動子と、を備え、前記摺動子が前記抵抗体に接触する位置により出力が変化する抵抗体ポジションセンサにおいて、
前記抵抗体は、バインダ樹脂と前記バインダ樹脂の中に分散されたカーボンファイバとを構成成分として含み、
前記カーボンファイバの硬度をHc、前記バインダ樹脂の硬度をHr、前記摺動子における前記抵抗体に接触する接触端の硬度をHb、としたときに、下記の式(1)
Hb≦2×Hc-Hr≦1.2×Hb ・・・(1)
に示す関係を満たし、
前記の式(1)で用いる各種の硬度は、ISO14577:2015で定められた試験法に基づいて、測定圧子として三角形圧子を取り付けた微小硬度計を用いて測定した平均値をヴィッカース硬度に換算したものであることを特徴とする、
抵抗体ポジションセンサ。
【請求項2】
前記カーボンファイバは粉砕カーボンファイバである、
請求項1に記載の抵抗体ポジションセンサ。
【請求項3】
前記摺動子と前記抵抗体との間に介在する潤滑剤を備え、
前記潤滑剤は、直鎖型のパーフルオロポリエーテルである、
請求項1または2に記載の抵抗体ポジションセンサ。
【請求項4】
前記潤滑剤は表面張力が20mN/m以下である、
請求項3に記載の抵抗体ポジションセンサ。
【請求項5】
前記抵抗体は、前記バインダ樹脂の含有量が、前記カーボンファイバの1体積部に対して、2体積部以上6体積部以下である、
請求項1または2に記載の抵抗体ポジションセンサ。
【請求項6】
前記抵抗体は、カーボンブラックをさらに含んでおり、
前記カーボンブラックの含有量が、前記カーボンファイバの1体積部に対して、0.2体積部以上2体積部以下である、
請求項5に記載の抵抗体ポジションセンサ。
【請求項7】
前記抵抗体は、前記バインダ樹脂の含有量が、前記カーボンファイバおよび/または前記カーボンブラックとの合計1体積部に対して、1体積部以上5体積部以下である、
請求項6に記載の抵抗体ポジションセンサ。
【請求項8】
前記カーボンファイバの硬度測定は、前記バインダ樹脂の表面付近に位置する前記カーボンファイバに対して行われる、
請求項1または2に記載の抵抗体ポジションセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車や四輪車の吸気を制御する開閉弁の開閉度の測定に用いられる抵抗体ポジションセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
燃費の向上および低公害化を実現するためには、エンジンのシリンダ内に取り込まれる空気とガソリンとの混合比を最適化して、ガソリンを完全燃焼させることが重要である。そこで、開閉弁の開閉度を正確に測定するためのスロットルバルブセンサ(Throttle Valve Sensor)を用いた吸気制御が必須となっている。例えば、特許文献1には、可変抵抗器に求められるリニアリティ特性と耐摩耗性を満足するため、抵抗体に含まれるカーボンブラックおよびカーボンファイバの体積比率を調整した抵抗体ポジションセンサが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-331806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、地球温暖化や環境対策の観点から、二輪車・四輪車ともに排気ガス規制が強化されてきている。例えば、ヨーロッパではEUROという排気ガス規制が設けられ、一酸化炭素や窒素酸化物の排出量の上限などが規定されている。2020年からは、Euro5規制がスタートし、二輪車の排気ガス規制が強化されている。また、車自身が自己の不調を診断して感知するシステムであるOBD(On Board Diagnosis)という自己診断機能も、閾値判断のOBD2に高度化されている。この結果スロットルバルブセンサにおいては、初期状態から耐久性試験後にわたって、リニアリティ特性変化やノイズ発生のないことが求められる。
【0005】
今後、二輪車の市場として拡大が見込まれる東南アジア、南アジア、アフリカ地域においても、環境対策としての排気ガス規制が厳しくなってきている。なお、スロットルバルブセンサには磁気センサを用いた非接触式センサと可変抵抗器を用いた接触式センサとがあり、これらの地域では、非接触式センサと比較して価格が安い接触式のスロットルバルブセンサに対する需要が高い。このため、接触式のスロットルバルブセンサに対する耐久性やリニアリティへの要求が高くなってきている。接触式のスロットルバルブセンサでは、ブラシ(摺動子)が抵抗体の表面に接触して摺動する。このため、使用に伴って、抵抗体の表面におけるブラシが摺動した部分およびブラシの接触端部が摩耗する。長期間の使用により摺動回数が多くなった場合には、摩耗によりスロットルバルブセンサの出力値に異常が発生するおそれがある。例えば、二輪車の場合、エンジンをかけたまま停止する場面が多い。そのような場面では、スロットルバルブが少し開いたアイドリングの位置のまま放置されることになる。このときスロットルバルブセンサにおいては微振動が加わった状態、つまり微小な範囲で抵抗体とブラシが摺動した状態で放置されることになる。このため、その微小な範囲において特に摩耗量が大きくなり、アイドリング位置の出力変動およびノイズが発生しやすいという問題があった。
本発明の目的は、アイドリング位置における出力変動や、ノイズ発生が抑制された抵抗体ポジションセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく提供される本発明の一態様に係る抵抗体ポジションセンサは、抵抗体と、前記抵抗体上を摺動する摺動子と、を備え、前記摺動子が前記抵抗体に接触する位置により出力が変化する抵抗体ポジションセンサにおいて、前記抵抗体は、カーボンファイバとバインダ樹脂とを構成成分として含み、前記カーボンファイバの硬度をHc、前記バインダ樹脂の硬度をHr、前記摺動子における前記抵抗体に接触する接触端の硬度をHb、としたときに、下記の式(1)に示す関係を満足することを特徴とする。
Hb≦2×Hc-H ≦1.2×Hb ・・・(1)
上記の構成により、抵抗体をほとんど摩耗させることなく、摺動子の摩耗量を小さくすることができる。このため、例えば、抵抗体ポジションセンサが二輪車のスロットルポジションセンサとして用いられた場合、アイドリング位置における偏摩耗を抑え、出力値の変動を抑制することができる。
【0007】
前記カーボンファイバは粉砕カーボンファイバであってもよい。粉砕カーボンファイバを用いることにより、抵抗体の耐摩耗性が向上する。
【0008】
前記抵抗体ポジションセンサは、前記摺動子と前記抵抗体との間に介在する潤滑剤を備え、前記潤滑剤は、直鎖型のパーフルオロポリエーテルであることが好ましい。
潤滑剤により、摺動子と抵抗体との間に、摺動子の摩耗により生じた摩耗粉溜まりができにくくなる。このため、長期間の使用により摺動回数が多くなったときの出力ノイズの発生を抑制することができる。
前記潤滑剤は、表面張力が20mN/m以下であることが好ましい。これにより、摺動子の周囲から摩耗粉が排除されやすくなるため、出力ノイズの発生をより効果的に抑制できる。
【0009】
前記抵抗体は、前記バインダ樹脂の含有量が、前記カーボンファイバの1体積部に対して、2体積部以上6体積部以下であることが好ましい。
前記抵抗体は、カーボンブラックをさらに含んでおり、前記カーボンブラックの含有量が、前記カーボンファイバの1体積部に対して、0.2体積部以上2体積部以下であることが好ましい。
前記抵抗体は、前記バインダ樹脂の含有量が、前記カーボンファイバおよび/または前記カーボンブラックとの合計1体積部に対して、1体積部以上5体積部以下であることが好ましい。
カーボンファイバ、バインダ樹脂およびカーボンブラックの体積比を上記範囲とすることで、抵抗体の耐摩耗性を調整して、式(1)の関係を満足させることが容易になる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、長期間の使用により摺動回数が多くなった後におけるアイドリング位置の出力変動やノイズ発生が抑制された抵抗体ポジションセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の抵抗体ポジションセンサの構造を模式的に示す断面図
図2】抵抗体ポジションセンサによる開閉弁の開放度測定を説明する模式図
図3】抵抗体ポジションセンサによる位置測定原理を説明する模式図
図4A】抵抗体、抵抗体の表面を摺動するブラシの位置、および開閉弁の回転角度の関係を示す模式図
図4B】開閉弁の回転角度と出力電圧とを示すグラフ
図5A】摺動回数の増加に伴う抵抗体の摩耗による出力電圧Viの変化を示すグラフ
図5B】摺動回数の増加に伴うブラシの摩耗粉層による出力電圧Viの変化を示すグラフ
図6A】粉砕前のカーボンファイバを示す模式図
図6B】粉砕カーボンファイバの微細構造を拡大して示す模式図
図7】粉砕カーボンファイバの硬度異方性を示すグラフ
図8A】摺動回数の増加に伴う出力電圧の変化と全抵抗変化率を示す実施例1のグラフ
図8B】摺動回数の増加に伴う出力電圧の変化と全抵抗変化率を示す比較例1のグラフ
図9A】耐久性試験後における抵抗体およびブラシの状態を示す実施例1の図面代用写真
図9B】耐久性試験後における抵抗体およびブラシの状態を示す比較例1の図面代用写真
図10A】ノイズ強度を示す実施例4のグラフ
図10B】ノイズ強度を示す比較例2のグラフ
図11】カーボンファイバの硬度測定を説明する模式図
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。同じ部材には各図面において同じ番号を付して、適宜、説明を省略する。
図2は抵抗体ポジションセンサ1を用いて開閉弁2の開放度を示す回転角度Xを測定する燃料噴射システムを説明する模式図である。同図に示すように、抵抗体ポジションセンサ1は、エンジン6に供給する混合気5における空気3とガソリン4との混合比を調整する開閉弁2の回転角度Xを測定する。
【0013】
図3は抵抗体ポジションセンサ1による位置測定原理を説明する模式図である。同図に示すように、抵抗体ポジションセンサ1は、抵抗体11の表面11S上を摺動する摺動子であるブラシ12と抵抗体11との接触位置に応じて変化する出力電圧を用いてブラシ12の位置を検知する。抵抗体11におけるブラシ12の位置が開閉弁2の回転角度X(図2参照)に応じて変化するようにすれば、出力電圧に基づいて開閉弁2の開閉度を測定することができる。なお、図3においては説明を容易にするために抵抗体11を直線状に描いているが、抵抗体11を円弧状に形成してもよい。
【0014】
図4Aは抵抗体11、その表面11Sを摺動するブラシ12の位置および回転角度Xの関係を示す模式図であり、図4Bは回転角度Xに応じた出力電圧の理想曲線からのずれを模式的に示すグラフである。
【0015】
図4Aに示すように、ブラシ12は、回転角度XiからXfの間の範囲において、抵抗体11の表面11Sを摺動する。摺動軌跡12Tは、ブラシ12が摺動する範囲を示している。すなわち、回転角度Xiにおける抵抗体11とブラシ12との接触位置は、ブラシ12が摺動する範囲における一端、すなわち検知する回転角度が最小値となる位置であり、抵抗体ポジションセンサ1としての回転角度0°の位置ともいえる。抵抗体11の抵抗Rは、回転角度XがXiからXfまでのブラシ12が摺動する部分の抵抗Rbと、回転角度Xが0°からXiのまでのブラシ12が摺動しない部分の抵抗Riと、に分けることができる。
【0016】
回転角度0からXiのまでの領域ではブラシ12が摺動しないことから、抵抗Riは抵抗体11およびブラシ12の摩耗の影響を受けない。このため、長期間使用した状態を評価する耐久性試験後における抵抗Riの値は、抵抗初期値から変化しない。これに対して、回転角度XiからXfのまでの領域ではブラシ12が摺動することから、耐久性試験後における抵抗Riの値は、抵抗体11およびブラシ12の摩耗の影響を受ける。このため、耐久性試験後における抵抗Rbの値は、抵抗体11およびブラシ12の摩耗が生じた場合、初期値から変化する。
【0017】
図4Bでは、初期における回転角度と出力電圧との関係を示す理想曲線を点線で示している。同図に示すように、初期においては回転角度と出力電圧との間のリニアリティ(直線性)が良好である。しかし、抵抗体ポジションセンサ1が繰り返し使用されることにより、出力電圧と理想曲線との間にずれが生じる。出力電圧が理想曲線からずれる理由として、抵抗体11が摩耗すること(第1のケース)と、ブラシ12が摩耗して摩耗粉層が形成されること(第2のケース)の2つが挙げられる。
【0018】
<第1のケース>
ブラシ12が抵抗体11を摺動することにより、摺動軌跡12Tにおける抵抗体11が摩耗すると、摺動軌跡12Tの部分の抵抗体11の断面積が小さくなるので、抵抗Rbの抵抗値が上昇する。この結果、出力電圧が初期値から減少する。アイドリング位置の回転角度Xiにおける、出力電圧Vi、抵抗Riおよび抵抗Rbの値をそれぞれVi、Ri、Rbとすると、Vi=Ri/(Ri+Rb)となる。このため、繰り返し使用されることによって抵抗体11が摩耗して抵抗Rbが大きくなると、アイドリング位置における出力電圧Viが小さくなる。そこで、抵抗体11の補強材としてカーボンファイバを含有させることにより、抵抗体11の摩耗を抑制することができる。
【0019】
図5Aは、摺動回数の増加に伴って抵抗体11が摩耗することによる、アイドリング位置における出力電圧Viの変化を模式的に示すグラフである。出力電圧Viは、第1のケースでは、繰り返しの使用による摺動回数の増加に伴って小さくなる。
【0020】
<第2のケース>
ブラシ12が抵抗体11を摺動することにより、ブラシ12が摩耗すると、ブラシ12の接触端12E(図3参照)の周囲にブラシ12の摩耗粉層が形成される。この摩耗粉層は、抵抗体11の表面11Sに接触する接触端12Eに加えて、ブラシ12と抵抗体11と間を流れる電流の通路となる。このため、抵抗Rbの抵抗値が初期値から低下し、出力電圧が初期値から増大する。したがって、アイドリング位置の出力電圧Vi=Ri/(Ri+Rb)は、ブラシ12が摩耗すると大きくなる。
【0021】
図5Bは、摺動回数の増加に伴ってブラシ12が摩耗することによる、アイドリング位置における出力電圧Viの変化を模式的に示すグラフである。アイドリング位置の出力電圧Viは、第2のケースでは、摺動回数の増加に伴って大きくなる。
【0022】
従来、抵抗体ポジションセンサ1を繰り返し作動させることにより、抵抗体11やブラシ12に摩耗が発生し、この摩耗が出力電圧のリニアリティを低下させる原因となっていた。これらのうち、抵抗体11が摩耗した場合(第1のケース)、抵抗Rbが大きくなることを抑えられない。これに対し、ブラシ12の摩耗は、接触端12Eの近傍から摩耗粉を排除できれば、抵抗Rbの変化を防ぐことができる。このため、抵抗体ポジションセンサ1の出力電圧のリニアリティに関する精度への影響は、抵抗体11の摩耗のほうがブラシ12の摩耗よりも大きいといえる。そこで、従来、主に抵抗体11を摩耗させないように、抵抗体11の硬度をブラシ12の硬度よりも大きくし、抵抗体11の摩耗量を極力小さくしていた。
【0023】
しかし、地球温暖化や環境対策の観点から、耐久性やリニアリティへの要求が高くなるにつれて、ブラシ12の摩耗の影響が無視できなくなってきた。例えば、可変抵抗式の二輪車用のスロットルバルブセンサでは、近年のバイクの電子制御などの進化に伴ってリニアリティに対する要求がさらに高まり、出力電圧のリニアリティ特性変化の問題が顕在化してきた。すなわち、リニアリティに対する要求が高くなってきたことで、ブラシ12の摩耗紛の金属膜が形成されることによる出力電圧のリニアリティの変動を抑制する必要性が高くなってきた。このため、従来用いられていた、抵抗体11の工夫・改善のみによって対応することが困難になってきた。
【0024】
そこで、本発明は、抵抗体11の硬度とブラシ12の硬度との関係を規定することにより、抵抗体11の摩耗およびブラシ12の摩耗の抑制を実現している。また、ブラシ12の摩耗粉を接触端12Eの周辺から排除する効果が高い潤滑剤を用いることにより、摩耗粉の影響をさらに抑えている。
【0025】
図1は、抵抗体ポジションセンサ1の構造を模式的に示す断面図である。同図に示すように、抵抗体ポジションセンサ1は、抵抗体11およびブラシ12を備えており、抵抗体11とブラシ12との間(界面)に潤滑剤13が介在している。
【0026】
抵抗体11は、例えば、カーボンブラック111とカーボンファイバ112とをバインダ樹脂113に混ぜ合わせたインクを、絶縁性基板上にスクリーン印刷などにより薄く塗布して焼き固めて製造する。カーボンブラック(以下、適宜CBとも記す)111は主に抵抗体11に電気伝導性を付与し、カーボンファイバ(以下、適宜CFとも記す)112は主に抵抗体11に耐摩耗性を付与する。
【0027】
CF112は、例えば、直径6~10μm程度の繊維状に延びるカーボンファイバを粉砕して製造した、粉砕カーボンファイバを好ましく用いることができる。CF112として粉砕CFを用いる場合、長手方向の平均長さが2.0~4.0μm程度のものが好ましく、2.5~3.5μm程度のものがさらに好ましい。なお、ここで言う長手方向とは粉砕される前のカーボンファイバが延びていた方向をいう。
【0028】
また、CF112として用いられるカーボンファイバは熱処理が施されており、長手方向に沿って箔状(薄層状)に形成されたグラファイトが積み重なってできている。図1では、CF112の長手方向に沿って形成されるグラファイト面に対する垂直な方向Vを矢印で示している。同図に示すように、個々のCF112は、そのグラファイト面に垂直な方向Vがランダムな状態(グラファイト面がランダムな方向を向いた状態)で、CB111が均一に分散したバインダ樹脂113中に分散されている。
【0029】
後述するように、CF112の硬度には異方性があり、グラファイト面に垂直な方向Vにおいて最も大きくなる。CF112の硬度は150~250[kgf/mm2]程度であり、熱処理によって調整することができる。
【0030】
CF112の硬度の測定は、CF112がバインダ樹脂113の中に分散された試料を用いて行う。CF112のV方向の硬度を直接測定することはできないが、実際に測定される硬度の最大値は、試料を押す方向(加圧方向)がCF112のV方向と一致した場合に得られる値と略等しいと推測される。そこで、実測値のうちの最大値がCF112のV方向の硬度に概略一致するとする。加圧方向とV方向との角度が大きくなりCF112の硬度が小さくなると、CF112を分散しているバインダ樹脂113の硬度が測定値に影響を及ぼす。そして、角度が直角に近くなるにつれ、CF112の硬度の測定値は徐々にバインダ樹脂113の硬度に近づき、最小値はバインダ樹脂硬度に概ね一致する。硬度の測定値の平均は、CF112のV方向と測定圧子の加圧方向との角度が約45度の状態で測定された結果に相当すると推定できる。
【0031】
本発明における硬度は、国際規格(ISO14577:2015)で定められた試験法(ナノインデンテーション法)に基づいて、ナノインデンターといわれる微小硬度計を用いて測定した値をいう。ナノインデンターは、測定圧子が三角形圧子である点において、測定圧子がひし形圧子であるヴィッカース硬度計とは異なる。ナノインデンターを用いて測定された硬度は、ヴィッカース硬度計を用いたヴィッカース硬度に換算することができる。
【0032】
図11は、カーボンファイバの硬度測定を説明する模式図である。CF112がバインダ樹脂113の中に分散された抵抗体11の硬度を測定する場合、測定圧子15の位置によって測定値が異なる。これは、抵抗体11の表面11Sにおける測定圧子15の位置によって、CF112のV方向と測定圧子15の加圧方向との角度θが変化するためである。
【0033】
図11ではθc<θb<θaであり、角度θが小さいほど硬度が大きくなることから、測定圧子15の位置15c>15b>15aの順に硬度が大きくなる。θが直角に近くなるにつれ、CF112の硬度はバインダ樹脂113の硬度に近づき、表面11SにCF112が存在しない位置15dにおけるバインダ樹脂113の硬度と概ね一致する。本発明では、測定値の平均をCF112のカーボンファイバの硬度Hcとする。
【0034】
バインダ樹脂113は、CBおよびCFを分散する分散媒である。バインダ樹脂113の硬度は、例えば、硬度が50~80[kgf/mm2]が好ましく、60~70[kgf/mm2]がさらに好ましい。例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステルなどをバインダ樹脂113として用いることができる。
【0035】
バインダ樹脂113の含有量は、CF112の1体積部に対して、2体積部以上6体積部以下が好ましく、3体積部以上5体積部以下がより好ましい。また、バインダ樹脂113の含有量は、CF112および/またはCB111との合計1体積部に対して、1体積部以上5体積部以下が好ましく、1.5体積部以上4体積部以下がより好ましい。
【0036】
抵抗体11は、例えば、フェノール樹脂60~80容量%と、CB111とCF112との合計(以下、適宜、カーボンという)20~40容量%とを混合したインクを用いて製造することができる。CB111とCF112との含有量の比率は、抵抗体11の抵抗値や硬度に応じて適宜調整すればよいが、例えば、CF112を1体積部(カーボンファイバを1体積部)に対してCB111を0.2~2体積部とする。
【0037】
抵抗体11の抵抗値を抵抗体ポジションセンサ1として適切な値にする観点から、フェノール樹脂60~70容量%と、カーボン30~40容量%とを混合したインクが好ましい。同様の観点から、CB111の含有量とCF112の含有量との体積比は、1:2~2:1が好ましい。
【0038】
ブラシ12は、導電性の金属により構成される。導電性の金属は、その硬度が280-340[kgf/mm2]程度のものが好ましい。なお、ブラシ12の板厚は、例えば、50~70ミクロン程度とする。この場合、CF112の好ましい直径2.5~3.5ミクロンの20倍程度の板厚となる。なお、図1は模式図であるため、抵抗体11中のCF112とブラシ12との実際のサイズを無視して示している。
【0039】
ブラシ12の荷重は、例えば、1~10gとすることができる。
【0040】
図6AはCF112の原料として用いるカーボンファイバを示す模式図であり、図6Bは粉砕して得られたCF112の微細構造を拡大して示す模式図である。前述及び図6Aに示すように、カーボンファイバは長手方向に沿って箔状(薄層状)に形成されたグラファイトが積み重なってできている。このため、カーボンファイバを粉砕すると、積層するグラファイト面に沿った方向Pが長手方向になるように砕ける。そして、CF112として用いられる粉砕CFの硬度は、グラファイト面に平行な方向Pと、グラファイト面に垂直な方向Vとで、大きく異なる。CF112の硬度は、方向Pにおける硬度に比べて、方向Vにおける硬度の方が大きくなる。
【0041】
図7はCF112の硬度の異方性を説明するグラフである。以下、同図を用いて、粉砕CFであるCF112の硬度について説明する。
CF112の硬度は、CF112のグラファイト面に垂直な方向Vにおいて硬度が最大になり、グラファイト面に並行な方向Pにおいて硬度が最小になる。硬度が最小となるCF112のグラファイト面の平行方向の硬度は、バインダ樹脂113の硬度と略等しくなる。
【0042】
CF112は、図1に示すように、グラファイト面に垂直な方向Vがランダムな方向となるように、三次元的に一様に分散されている。このため、実際に測定される抵抗体11の硬度(平均値)は、CF112の方向Vの硬度Hvと、バインダ樹脂113の硬度Hrとの中間の値をとる。すなわち、抵抗体11の測定値は、おおよそ方向Vから45°傾いた状態でCF112が分散されたCF112の硬度Hcと略同じ値になるといえる。
【0043】
したがって、抵抗体11において想定される部分的な硬度の最大値、すなわち、抵抗体11の表面11SにおいてCF112が方向Vを向いている部分の硬度は、2×(Hc-Hr)+Hr=2×Hc-Hrとなる。ブラシ12の摩耗は、CF112の硬度の平均値よりも、硬度が最も大きくなる状態で抵抗体11中に存在するCF112の硬度に影響される。
【0044】
そこで、この硬度2×Hc-Hrが、ブラシ12の硬度Hbよりも小さくならず、ブラシ12の硬度Hbと同等の値になるようにする。すなわち、以下の式(1)を満たすように、抵抗体11の硬度およびブラシ12の硬度を設定する。これにより、抵抗体11およびブラシ12の両方の摩耗を最小限にすることができる。
Hb≦2×Hc-Hr≦1.2×Hb ・・・(1)
Hb:ブラシ12の硬度を測定した平均値
Hc:CF112の硬度を測定した平均値
Hr:バインダ樹脂113の硬度を測定した平均値
【0045】
従来は、抵抗体11の摩耗がブラシ12の摩耗より重大な欠陥になるとの考え方から、抵抗体11の摩耗量ができるだけ小さくなるようにしていた。しかし、本発明は、抵抗体11およびブラシ12の摩耗をいずれも極力小さくするために、上記の式(1)の関係を満たすように、抵抗体11とブラシ12の硬度を設計する。なお、2×Hc-Hrは、熱処理によりCF112をグラファイト化して滑りやすくすることにより調整できる。
【0046】
抵抗体ポジションセンサ1は、式(1)を満たすように、抵抗体11の硬度およびブラシ12の硬度を設定して、抵抗体11上をブラシ12が摺動することによる摩耗粉の発生を抑制している。しかし、摩耗粉が発生して、摩耗粉が抵抗体11とブラシ12との界面に噛み込まれると、抵抗体の抵抗Rが変化する。これによって、抵抗体ポジションセンサ1の接触抵抗が増大したり低下したりすることで、出力電圧のノイズが発生する。そこで、元々抵抗体11およびブラシ12の摩耗低減のために抵抗体11とブラシ12との間に潤滑剤13が塗布されていたが、本願の抵抗体ポジションセンサ1においては、潤滑剤13に摩耗粉を排除する機能も持たせている。
【0047】
潤滑剤13としては、耐熱性や耐久性の観点から、蒸気圧の小さな、すなわち沸点の高いパーフルオロポリエーテル(以下、適宜、PFPEと記す)が好ましい。
【0048】
ブラシ12の近傍に摩耗粉溜りが形成されることを防ぐ観点から、PFPEの中でも、枝構造を持たないものが好ましい。また、同様の観点から、摩耗粉を絡める原因となる酸素結合の数が少ないものが好ましい。このため、酸素結合の少ない直鎖構造のPFPEが好ましい。好ましい直鎖構造のPFPEとして、以下の構造式を備えたフッ素系のPFPEが挙げられる。
F-(CF2CF2CF2O)n-CF2CF3
【0049】
また、ブラシ12の接触端12Eの近傍の摩耗粉を効率的に排除する観点から、潤滑剤13として用いられるPFPEの表面張力は20mN/m以下が好ましい。同様の観点から、潤滑剤13としては、官能基の数が少ないものが好ましい。
【0050】
すなわち、ブラシ12の摺動回数が多くなった場合において、出力電圧に出力ノイズが発生することを抑制する観点から、潤滑剤13としては、直鎖型のPFPEで、かつ表面張力が20mN/m以下のものが好ましい。このような好ましい性質を備えたPFPEの市販品として、例えば、デムナム(商品名、ダイキン工業株式会社製)が挙げられる。
【0051】
本明細書において開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【実施例
【0052】
[実施例1]
カーボンファイバとして粉砕カーボンファイバ、バインダ樹脂としてフェノール樹脂(硬度Hr=70)を用いて、表面の硬度Hc(粉砕カーボンファイバの硬度の平均値)が200の抵抗体を形成した。当該抵抗体と、硬度の測定値(Hb)が310のブラシとを用いて、抵抗体ポジションセンサを製造した。抵抗体ポジションセンサの潤滑剤として、デムナムS65(商品名、ダイキン工業株式会社製、パーフルオロポリエーテル、表面張力18.0mN/m)を用いた。
本実施例の抵抗体ポジションセンサにおけるカーボンファイバの硬度Hc、バインダ樹脂の硬度Hrおよびブラシ(摺動子)の接触端における硬度Hbの関係は以下の式に示すとおりである。
2×Hc-Hr=1.06Hb
粉砕カーボンファイバ、フェノール樹脂およびブラシの各硬度は、ナノインデンターの測定値をヴィッカース硬度に換算した値である。
【0053】
[実施例2]
表面の硬度Hcが190である抵抗体を用いた以外は、実施例1と同様にして、抵抗体ポジションセンサを製造した。本実施例の抵抗体ポジションセンサにおけるHc、HrおよびHbの関係は以下の式に示すとおりであった。
2×Hc-Hr=1.0Hb
【0054】
[実施例3]
表面の硬度Hcが210である抵抗体を用いた以外は、実施例1と同様にして、抵抗体ポジションセンサを製造した。本実施例の抵抗体ポジションセンサにおけるHc、HrおよびHbの関係は以下の式に示すとおりであった。
2×Hc-Hr=1.13Hb
【0055】
[比較例1]
表面の硬度Hcが250である抵抗体を用いた以外は、実施例1と同様にして、抵抗体ポジションセンサを製造した。本比較例の抵抗体ポジションセンサにおけるHc、HrおよびHbの関係は、以下の式に示すとおりであった。
2×Hc-Hr=1.39Hb
【0056】
図8Aおよび図8Bは、摺動回数の増加に伴う出力電圧と全抵抗値の変化を示すグラフであり、図8Aが実施例1の抵抗体ポジションセンサの結果を示し、図8Bが比較例1の抵抗体ポジションセンサの結果を示している。また、実施例2および3も、図8Aに示す実施例1同様に、摺動回数の増加に伴う出力電圧と全抵抗値の変化が極めて小さかった。このように、式(1)に示す関係を満たす硬度を備えた抵抗体およびブラシを用いることにより、アイドリング位置における出力電圧の変化(△Vi)と全抵抗変化率(R)が極めて小さい抵抗体ポジションセンサを製造することができた。対して、式(1)に示す関係を満たさない比較例1の抵抗体ポジションセンサは、図8Bに示すように、摺動回数の増加に伴う出力電圧と全抵抗値の変化率が大きかった。
【0057】
図9Aおよび図9Bは耐久性試験後における抵抗体11およびブラシ12の状態を示す図面代用写真であり、図9Aが実施例1の結果を示し、図9Bが比較例1の結果を示している。
図9Aに示す実施例1のように、式(1)に示す関係を満たす硬度を備えた抵抗体11およびブラシ12を用いることにより、ブラシ12の摩耗量を抑えて、接触端12Eへの摩耗粉の付着を防ぐことができた。そして、抵抗体11の表面11Sに付着する摩耗粉の金属層がほとんど認められない摺動軌跡12Tが形成された。また、実施例2および3においても、図9Aに示す実施例1と同様に、摩耗量が少なく、摩耗粉が接触端12Eに付着せず、摩耗粉の金属層がほとんど認められない摺動軌跡12Tが形成された。
対して、図9Bに示す比較例1のように、式(1)に示す関係を満たさない硬度を備えた抵抗体71およびブラシ72を用いた場合、ブラシ72の摩耗量が大きくなり、接触端72Eへの摩耗粉の付着が生じ、抵抗体71の表面71Sに摩耗粉の金属層が付着したブラシ摺動軌跡72Tが形成された。
【0058】
以上のように、抵抗体11およびブラシ12の硬度を式(1)に示す関係を満たすようにすることで、長期間の使用により摺動回数が多くなった後におけるアイドリング位置の出力変動やノイズ発生が抑制された抵抗体ポジションセンサ1が得られた。
【0059】
<実施例4>
実施例1の抵抗体ポジションセンサについて、抵抗体11の表面11S上において、ブラシ12を繰り返し摺動させながら雰囲気温度を-30℃から120℃の範囲で周期的に変化させたときに生じるノイズ強度を測定した。
【0060】
<比較例2>
実施例1におけるデムナムS65に代えて、フォンブリンM30(商品名、ソルベイ製、パーフルオロポリエーテル、表面張力25mN/m)を潤滑剤として用いた抵抗体ポジションセンサについて、実施例4と同様にノイズ強度を測定した。
【0061】
図10Aおよび図10Bはノイズ強度を示すグラフであり、図10Aが実施例4の測定結果であり、図10Bが比較例2の測定結果である。同図は、雰囲気温度の温度プロファイルを線グラフで示し、ノイズ強度を棒グラフで示している。ノイズの縦軸はノイズの強さを示しており、上に行くほど大きなノイズが発生したことを示す。
【0062】
図10Aに示すように、実施例4の抵抗体ポジションセンサは、繰り返し摺動回数700K(700000回)の時点において、ノイズの発生は認められなかった。対して、比較例2の抵抗体ポジションセンサは、繰り返し摺動回数150K(150000回)を超えたころから、ノイズの発生が認められた。この結果によれば、ノイズの発生を抑制する観点から、潤滑剤としては、表面張力が20mN/m以下のパーフルオロポリエーテルが好ましいといえる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、本発明の抵抗体ポジションセンサは、アイドリング位置における出力変動やノイズの発生が抑制されており、二輪車用のスロットルポジションセンサとして有用である。
【符号の説明】
【0064】
1 :抵抗体ポジションセンサ
2 :開閉弁
3 :空気
4 :ガソリン
5 :混合気
6 :エンジン
11 :抵抗体
11S :表面
111 :カーボンブラック
112 :カーボンファイバ
113 :バインダ樹脂
12 :ブラシ(摺動子)
12E :接触端
12T :摺動軌跡
13 :潤滑剤
15 :測定圧子
15a~15d:測定圧子の位置
71 :抵抗体
71S :表面
72 :ブラシ
72E :接触端
72T :ブラシ摺動軌跡
Hb、Hc、Hv、Hr:硬度
P、V :方向
R、Rb、Ri:抵抗
Vi :アイドリング位置における出力電圧
X、Xf :回転角度
Xi :アイドリング位置における回転角度
θ、θa~θc:カーボンファイバのV方向と測定圧子の加圧方向との角度
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11