(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】交換可能な装飾面付きの適応型ホイールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60B 7/00 20060101AFI20241216BHJP
B60B 7/01 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B60B7/00 H
B60B7/01
(21)【出願番号】P 2023524491
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 US2021039989
(87)【国際公開番号】W WO2022006338
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-03-13
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521285849
【氏名又は名称】ラベロ,マイケル
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラベロ,マイケル
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-080901(JP,A)
【文献】特開平11-011102(JP,A)
【文献】特開2016-037061(JP,A)
【文献】欧州特許第02726302(EP,B1)
【文献】特表2014-518363(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0278398(US,A1)
【文献】国際公開第2015/104213(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0283494(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102010032429(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0179311(US,A1)
【文献】米国特許第05845972(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0046146(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0026832(US,A1)
【文献】中国実用新案第204149763(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第102014000089(DE,A1)
【文献】特開2003-159901(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0043803(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0282642(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0319209(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 7/00
B60B 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンポーネントを有する車両で使用されるホイールアセンブリであって、
各装飾スポークが内部側を有する複数の装飾スポークを有する複数の装飾面プレートと、
第1端部および第2端部を有する内部を囲む側壁を有する胴と、
前記胴に取り付けられ、前記胴の前記内部で径方向内側に延びる複数の胴スポークであって、前記複数の胴スポークの各スポークは、上端および対向する側面を有し、各胴スポークは、前記装飾面プレートからの各装飾スポークの前記内部側が対応する胴スポーク上にスナップして着脱可能に取り付けられ、各胴スポークの前記上端および前記対向する側面をカバーすることができるように、前記装飾面プレートからの対応する装飾スポークを収容する構造とされている、複数の胴スポークと、
前記胴の前記内部に配置され、車両重量の少なくとも一部を支持するために前記胴を前記車両に連結可能なハブであって、前記ハブは、車両コンポーネントの冷却および前記車両上のコンポーネントの可視化のうちの1つ以上を可能にするために窓または空間を前記胴に形成する前記複数の
胴スポークへのアタッチメントにより前記胴に連結され、前記ハブは、取付けポイントまたは前記装飾面プレートがいかなる車両重量も支持することなく前記複数の装飾面プレートのうちの少なくとも1つの装飾面プレートを収容し、前記装飾面プレートと前記胴の側壁との間の凹面の深さを変更可能にするために、前記ハブの長手軸に沿って形成された少なくとも1つのねじ付きの前記取付けポイントをさらに有するハブと、を備え、
前記ハブは、前記長手軸に沿って前記胴の前記第2端部よりも前記胴の前記第1端部のより近くにオフセットされており、
前記ねじ付きの取付けポイントは、前記ハブから延びているポストを備え、前記ポストは、外部を有し、内部軸方向ボアおよび1つ以上の装飾面プレートを前記ポストに固定する手段
、ならびに雄ねじ付きカラーをさらに有し、
前記
雄ねじ付きカラーは、前記ポストの前記外部上に収容されるようなサイズおよび形状とされている壁、前記壁の複数の横開口部、および前記壁の各横開口部に係合する複数の止めねじを有する
ホイールアセンブリ。
【請求項2】
前記複数の装飾面プレートは、胴スポークの数よりも多い数の装飾スポークを有する少なくとも1つの装飾面プレートを備える、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項3】
前記胴は遠位リム部を含み、
前記ホイールアセンブリは、前記胴の前記遠位リム部に取り付けられるようなサイズおよび形状とされている環状リングをさらに備える、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項4】
前記胴の前記遠位リム部は雄ねじを含み、前記環状リングは、前記
環状リングを前記胴に螺合可能に取り付けるために、前記胴の前記雄ねじと螺合可能に係合するようなサイズおよび形状とされている雌ねじを備える、請求項3に記載のホイールアセンブリ。
【請求項5】
前記装飾スポークは遠位端を有し、前記装飾スポークは、装飾スポークの各ペアを互いに接続するために装飾スポークの各ペアの前記遠位端に形成されたU字状の終端により対で互いに連結され、各U字状の終端は開口部を有し、
前記環状リングは、前記
環状リングの円周の周りに配置され、前記環状リングから延びている複数のタブを有し、各タブは、前記装飾面プレートの前記装飾スポークの前記遠位端で対応するU字状の終端の前記開口部にスライド可能に収容されるようなサイズおよび形状にされている、請求項3に記載のホイールアセンブリ。
【請求項6】
前記装飾スポークは遠位端を有し、さらに、前記環状リングは、前記
環状リングの円周の周りに形成された複数の放射状のスロットを有し、各放射状のスロットは、各装飾スポークの遠位端を収容するようなサイズおよび形状にされている、請求項3に記載のホイールアセンブリ。
【請求項7】
前記装飾面プレートの前記装飾スポークは、前記
環状リングおよび前記胴の前記遠位リム
部を越えて放射状に延びるようなサイズおよび形状にされている、請求項3に記載のホイールアセンブリ。
【請求項8】
前記環状リングは、ベースホイールに装着されたウェイトをカバーして隠すようなサイズおよび形状にされている、前記環状リングと前記ベースホイールとの間の空間を形成する段付きの環状面を有する、請求項3に記載のホイールアセンブリ。
【請求項9】
装飾面プレートを前記少なくとも1つのねじ付きの取付けポイント上に保持するために、前記少なくとも1つのねじ付きの取付けポイントに螺合可能に収容されるようなサイズおよび形状にされているキングナットをさらに備える、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項10】
前記キングナットは、キー結合されたロック装置により適切な位置に固定されている、請求項9に記載のホイールアセンブリ。
【請求項11】
前記複数の装飾面プレートは2つ以上の装飾面プレートを含み、前記2つ以上の装飾面プレートは、前記2つ以上の装飾面プレートのうちの他の装飾面プレートに対して前記2つ以上の装飾面プレートの全体形状の凹面の高さが異なる、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【請求項12】
前記複数の止めねじのそれぞれは、前記壁内に埋め込まれるような形状とされているヘッドを有し、前記ポストは、前記壁の前記複数の横開口部を通過する前記複数の止めねじに対応して前記複数の止めねじを受け入れるようなサイズ、形状、および配置とされている複数の開口部を有し、それにより、前記カラーを前記ポストに取り付ける、請求項1に記載のホイールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ホイールに関し、より具体的には、ベースホイールおよび交換可能な装飾ホイール面の適応型アタッチメントを提供する車両用ホイールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のホイール産業は、自動車のデザイン、機能性およびカスタマイズに不可欠な部分であり続けている。一体型ホイールのアイデアは、消費者による完全カスタマイズが可能なホイールを十二分に組み込もうという機会によって生み出された。自動車のホイール市場は、変化する消費者のスタイルトレンドおよび需要のバランスを取る中で、より厳しい政府の基準を満たさなければならない。現在のホイール市場は、数十億ドル規模の産業であり、アフターマーケットエンドユーザによって複合化されたOEMエンドユーザで占められている。この分野における技術革新は、所望される審美的な特性を保ちつつ、ばね下重量または回転質量を減らす必要性を鑑みると、ますます重要になってきている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、一体型ホイールデザインおよび構造を対象にする。このデザインおよび構造はホイールによるすべての態様における利点を最大限に活かすもので、オフセット、凹面、直径、および軽量化の最大化を可能にして、あるアプリケーションにおいて円速度の最大化をもたらす。本開示は、所望される装飾的な性質を犠牲にすることなく、製造コストを低減する。実際、装飾デザインの可能性を指数的に高め、OEMおよび消費者すなわちエンドユーザの双方は、費用のかさむ再投資をすることなくトレンドに追随することが可能になる。
【0004】
本開示の別の態様において、装飾面またはハブ自体の交換も可能にする適応型ハブアタッチメントを組み込んだマルチピースホイールアセンブリが提供される。このアセンブリにより、自動車愛好者は、各自の自動車のホイールの外観を容易に変更可能となる。適応型ハブアタッチメントは、センターロックホイールの外観をシミュレートしたり、ホイール自体のデザインに組み込んだりすることができる。アセンブリは、一実装形態において、装飾面を支持するように設計されたベースホイール、交換可能な装飾面プレート、および装飾面プレートをベースホイールに取り付けるためのアタッチメントアセンブリを有する。
【0005】
本開示の別の態様において、装飾センターハブアタッチメントの交換も可能にする、シミュレートされたセンターロックホイールの外観を提供するスリーピースタイプのホイールアセンブリが提供される。このアセンブリにより、自動車愛好者は、センターロックホイールの外観を維持しつつ、各自の自動車のホイールの外観を容易に変更することができる。
【0006】
アセンブリは、一実装形態において、ベースホイール、交換可能な装飾面プレート、および装飾面プレートをベースホイールに取り付けるためのアタッチメントアセンブリを有する。
【0007】
本開示の別の態様において、ホイールアセンブリは、3つのコンポーネントである、ベースホイール、センターラグコンバージョン(center lug conversion)、および少なくとも1つの(および好ましくは複数の)交換可能なセンターハブアタッチメント、すなわち装飾面プレートを有する。
【0008】
本開示の別の態様において、ベースホイールは、標準の5ラグアタッチメントを有するものの、4ラグまたは1ラグ構成であっても対応可能である。さらに、このベースホイールは、一実装形態においては、深いオフセットを有することが可能で、それにより様々なアタッチメント用に複数の外部スペースを提供している。ベースホイールは、軽量化のため、出来る限り少量の材料を有することになる。ベースホイールは、薄型のスポークおよびよりブレードに似た形状を有するスポークを含み、これらに限定されず、軽量で強度および安定性を主眼に構成される複数のデザインを取り入れることできる。
【0009】
本開示のさらなる態様において、適応型センターラグコンバージョンデバイスは、ベースホイールのセンターハブに後方から取り付けられて外向きに延びている。適応型ハブセンターラグコンバージョンデバイスは、外観のみのためであり、車両の重量は支持しない。
【0010】
本開示のさらに別の態様において、センターハブアタッチメントまたは装飾面プレートは、装飾面および取付けポイントを製作する従来の方式から離れているので、ハブキャップ、美装リム、またはホイールカバーとは異なる。装飾面は、ベースホイールと、所望のデザインを実現するために必要とされるだけをカバーするという、その特性の利点を活かしている。これにより、ブレーキシステムを露出する開放領域を保ちながら真のホイールの外観を維持するデザインが可能である。ハブキャップまたは美装リムは、また、ホイールに一つの平面で密着し、これは、複数の平面を横断するデザインを組み込む前述の面と大幅に異なる。それは、また、重量荷担面として端部装飾デザインを現在使用している典型的なホイールとも異なる。新しい装飾面は、ベースホイールに一体化され、装飾面に構造および一様性を提供している。装飾面をベースホイールに一体化することにより、複合材料のみではなく、金属面にも安定したアタッチメントを提供する。それが、堅固なロック機構を用いてセンターラグコンバージョンデバイスに取り付けられる。それが、ベースホイールに収まり、かつ、既存のスペースおよびラグナット等の構造を内部の安定点として利用することができる。
【0011】
本開示のさらに別の態様において、センターハブアタッチメントまたは装飾面プレートは、装飾用のみのハブキャップ、美装リム、またはホイールカバーと同様である。それが、堅固なロック機構を用いてセンターラグコンバージョンデバイスに取り付けられる。センターアタッチメントを可能にすることで、典型的なハブキャップまたは美装リングと比較して、装飾面の重量およびデザインを劇的に増やすことができる。ベースホイールのデザインは、より多くの重量を支持し、装飾面を安定させるために、このサポートシステムを提供する上で肝要なものである。ロック可能なセンターアタッチメントは、良好なクランプ力を有する確実なアタッチメントである。センターハブおよびベースホイール構造を用いることで移動を防止し、加えられる外向きの遠心力を支持する。確実なセンターアタッチメントを用いることで、(センターオフセットの変化と併せて)重量の大部分を胴の中心のより近くに維持し、ホイールにおける重量の乱れを軽減する。概して、センターハブが提供するアクセス性により、異なるデザインを有する装飾面の交換が可能になる。ホイールの凹面を生かしたデザインは、いかなるハブキャップや美装リングよりもずっと実現しやすく、より優れた美観、品質、および外観を供給する。
【0012】
上記から容易に理解されるように、様々なセンターハブアタッチメントは、ユーザに選択肢を与え、いつでもアタッチメントの交換を可能とする。センターラグコンバージョンデバイスとセンターハブアタッチメントとの組み合わせは、所望により車両のラグナットを隠すことによって真のセンターラグホイールアセンブリの外観を提供するが、これは必須ではなく、装飾面はラグを露出させるように設計することが可能である。
【0013】
ベースホイールとセンターハブとの組み合わせにより、ひいては端部デザインに影響を与える様々な調整を行うことが可能になり、中実の面を交換するか、またはセンターハブを制御して深さおよび角度の変更を可能にすることで、装飾面の深さを変更することができる。深さまたは角度を変更できることは、ひいては異なるデザイン特性を付与する。センターハブが異なる深さを受け付けることにより、軸方向移動が可能になる。独立した装飾面またはスポークを収容できるロックナットをセンターハブに追加することで、センターハブの回転軸に沿って装飾面を移動させることにより、深さ、したがってデザインを変更することができる。
【0014】
本明細書において開示される組込みホイール技術は、関係者双方の関心を統合したものである。このことは、現在の製造工程を簡便化および分割することにより達成される。ベースホイールデザインの核心は、ホイールのすべての観点からの利点を生かしている。組込みホイールのデザインは、端部装飾デザインに課される典型的な制限から脱することで進歩している。現在、端部デザインは、車両の重量を維持している。ベースホイールの一体化によって、車両の重量は支えられることになる。このことは、ひいては、もはや重量荷担要素に関係していないデザインをエンドユーザが自在に変更することを制限しないと考えられる。一体型ホイールのベースには、車両がもたらす重量および作用する力を安全に維持するために必要なだけの材料を組み込んでいる。これは、デザインの最小化、および、ホイールのハブ/センターをホイール胴に取り付ける材料を配分することにより遂行可能である。ハブ/センターの距離を変動させて、ネガティブオフセットを組み込むのであれば、これにより、ホイールの面上に、より使用可能な表面積が作られると考えられる。ホイールのセンターから複数の取付けポイントを製造することで、ホイールの重量支持能力を分配する。取付けポイントは、わずかに角度を有するといったような、複数のデザインおよびバリエーションを有することができ、プロペラのようなスポークを作って表面積を最大化し、また、ベースホイールの後部を隠す。様々な量の材料およびセンターの配分によって、また、異なる装飾デザインが完成品に適用可能ということになる。ベースホイールは、車両のハブに、従来の方式でマルチラグアタッチメントまたはセンターラグアタッチメントのどちらかを使用することで取り付ける。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の前述のおよび他の特徴および利点は、添付の図面と合わせて検討した場合に、以下の詳細な説明からより良く理解されるように、より容易に理解されるであろう。
【
図1】既存のブレーキロータおよびホイール軸受ハブアセンブリと組み合わせて本開示に従って形成されたホイールアセンブリの分解不等角投影図である。
【
図2】組立状態にある
図1のホイールアセンブリの不等角投影図である。
【
図3】本開示による異なるデザイン外観および品質を実現するために複数の円周に適応可能な装飾面のない
図1のホイールおよびハブアセンブリの代替実施形態における正面立面図である。
【
図4A】ホイールおよびハブアセンブリの分解断面図であり、本開示による装飾面の凹面の変化を可能にする、胴に対するハブの3つの異なる位置を示している。
【
図4B】ホイールおよびハブアセンブリの分解断面図であり、本開示による装飾面の凹面の変化を可能にする、胴に対するハブの3つの異なる位置を示している。
【
図4C】ホイールおよびハブアセンブリの分解断面図であり、本開示による装飾面の凹面の変化を可能にする、胴に対するハブの3つの異なる位置を示している。
【
図5】開放端スポークが2本1組で5組配置されている10本スポーク装飾面、10本スポークホイール、およびセンターロックアセンブリを有するホイールアセンブリの完全分解不等角投影図である。
【
図6】ロックアセンブリの分解図と共に示す、組み立てられた
図5のホイールおよび装飾面の部分分解図である。
【
図7】代替的なロックアセンブリの分解図と共に示す、組み立てられた
図6のホイールおよび装飾面の部分分解断面図である。
【
図8】オプションのリング、既存のホイールハブおよびインナフェンダを組み合わせた
図5のホイールアセンブリの分解不等角投影図である。
【
図9】ロックアセンブリの分解図と共に示す、
図8のホイール、装飾面、および装飾リングの部分組立図である。
【
図10】組み立てられた
図9のベースホイール、リング、および装飾面の不等角投影図であり、装飾面の下に段付きのリップが配置された深皿型の装飾リングを示す。
【
図11】組み立てられた
図5のベースホイールおよび装飾面の不等角投影図であり、ねじ付きスリーブを用いる分解されたセンターロックアセンブリの代替的な実装形態である。
【
図12】10本スポークベースホイール、20本スポーク皿状装飾面、およびセンターロックアセンブリの分解図である。
【
図13】後内部セットスリーブと共に後部からベースホイールの雌ねじ付きハブと係合する、隠された雄ねじ付きホイールハブの不等角投影分解断面図である。
【
図14】スライドインのセンターハブおよび保持ねじを有するベースホイールの後部不等角投影図である。
【
図15】らせん状コイルインサートおよびらせん状コイルインサートを受け入れるサイズおよび形状とされたセンターハブを有するベースホイールの分解図である。
【
図16】スポーク端部に取り付けられたリングにスポークが取り付けられた装飾面にボールピンロックシステムを利用する段付きのセンターハブを有する10本スポークベースホイールの分解図である。
【
図17】カラー壁の穴に係合する横止めねじを有する、ベースホイールハブの隣の雄ねじ付きカラーの分解図である。
【
図18】雄ねじ付きカラーおよびらせん状コイルインサートと組み合わせたベースホイールの分解図である。
【
図19】ベースホイール、非補強のスポークデザインを保持するためのタブを組み込んだベースホイールにクリップする装飾リング、およびセンターキーシリンダロック機構の分解図である。
【
図20】組み立てられた
図19のベースホイール、装飾リング、およびロックアセンブリの不等角投影図である。
【
図21】2本のスポークが5組配置された10本のスポークを有する深皿ベースホイールの不等角投影図である。
【
図22】2本のスポークが5組配置された10本のスポークを有する深皿ベースホイールの不等角投影図であり、面取り付け用の段付きの環状末端リップおよび段付き面を有する環状装飾リングがベースホイールに取り付けられた状態を示す。
【
図23】ウェイトを収容する包囲空間を示すための、リングおよびタイヤと共に組み立てられた
図22のベースホイールの断面図である。
【
図24】車両のサイズに基づいて方向性を有し得る、雄ねじ付き環状リップを有するベースホイールの部分側面図である。
【
図25A】ベースホイール、2本1組で5組配置された10本のスポーク付き装飾面、およびスポーク端部を受け入れるために交互に配置されたタブとペアスロットとを有する装飾リングの分解図である。
【
図25B】3つの装飾面プレートが単一のベースホイールに直列して取り付けられている代替的な実装形態の分解図である。
【
図26】ベースホイール、交互に配置されたペアスロットとタブとを有する装飾リング、および、リングのタブに取り付けられ、ペアスロットに収容されるスポークを有する第1の装飾面の上部で第2の装飾面を受け付けるように構成された10本スポーク装飾面中央部の分解図である。
【
図27】装飾リングがベースホイールの環状リップにクリップされた状態のベースホイールの断面の部分側面図である。
【
図28】タイヤと、対になったスポークが中実かつタイヤの一部に延在する共通の終端を有する20本スポーク装飾面と共に組み立てられたベースホイールの不等角投影図である。
【
図29】タイヤと、対になったスポークがタイヤの一部に延在する開口部を有する共通の終端を有する20本スポーク装飾面と共に組み立てられたベースホイールの不等角投影図である。
【
図30】ベースホイールのセンターハブ上に5本スポークの着脱自在なセンターポストが配置された、ベースホイールの不等角投影分解図である。
【
図31】代替的な外観のために、ホイールラグが通過する5つのラグ貫通穴を含む5本スポークの装飾面を有するベースホイールの不等角投影分解図である。
【
図32】代替的な方法において、ベースホイールから独立してセンターハブを作成する車両から距離を空けてベースホイールを配置するための、本開示に従って形成された車両およびホイールハブに取り付けるスペーサーの不等角投影図である。
【
図33A】本開示に従って形成された、異なる配備段階における深さ調整可能な装飾アセンブリを有するベースホイールの別の実装形態の断面図である。
【
図33B】本開示に従って形成された、異なる配備段階における深さ調整可能な装飾アセンブリを有するベースホイールの別の実装形態の断面図である。
【
図33C】本開示に従って形成された、異なる配備段階における深さ調整可能な装飾アセンブリを有するベースホイールの別の実装形態の断面図である。
【
図35】
図33Aの配備段階に対応するベースホイールおよび深さ調整可能なホイールアセンブリの全体の不等角投影図である。
【
図36】
図33Bの配備段階に対応するベースホイールおよび深さ調整可能なホイールアセンブリの全体の不等角投影図である。
【
図37】
図33Cの配備段階に対応するベースホイールおよび深さ調整可能なホイールアセンブリの全体の不等角投影図である。
【
図38】本開示に従って形成された、2つのレベルで深さ調整可能なホイールアセンブリを有するベースホイールの別の実施形態を示す不等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明では、ここに開示する様々な実装形態の態様の完全な理解を提供するために、幾つかの具体的な詳細事項について述べる。但し、本開示された実装形態は、これらの具体的な詳細事項の1つ以上を欠いても、または他の方法、コンポーネント、材料等によっても実施できることは、当業者にとって明らかである。他の例では、本開示の環境に関連した周知の構造またはコンポーネント、あるいはその両方は、これらの実装形態の不必要に不明瞭な説明を避けるために示されず、あるいは、説明されていない。たとえば、これら周知の構造またはコンポーネントは、車両上でホイールおよび関連付けられているタイヤが搭載されるホイールスピンドル、軸等の構造およびデザインを有する。同様に、本開示に従って形成されたホイールアセンブリの明瞭で遮るもののない図を提供するために、本開示のホイールアセンブリに搭載されるタイヤは、本明細書では図示されず、あるいは、説明されていない。
【0017】
明細書および以下の特許請求の範囲を通して、文脈において特段の要求がない限り、「comprise(備え)」という用語、およびその変形例、たとえば、「comprises」および「comprising」は、開放された包括的意味で解釈されるべきであり、「を含むが、~に限定されるものではない」という意味のものである。前述の記載は「including(含む)」および「having(有する)」という用語に等しく適用される。
【0018】
本明細書における「一実装形態」または「実装形態」の言及は、その実装形態に関連して記述される特定の特徴、構造または特性が少なくとも1つの実装形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所で見られる「一実装形態において」または「ある実装形態」という語句は、必ずしも全てが同じ実装形態を指すわけではない。
【0019】
「ホイール」という用語は、本明細書において使用される場合、センターハブと、それに付随し、タイヤ、典型的には、空気入りタイヤが搭載される少なくとも1つのリムとを有する胴を意味する。スポーク、これに限定されるものではないが、中間連結部材の使用といったような、胴、リムおよびハブ間の関連性に関する詳細については、以下でさらに詳しく説明する。一般的な説明によって、本明細書において記述されるホイール一体化技術は、現在の製造プロセスを簡略化および分割する。ベースホイールデザインの核心は、ホイールのすべての観点からの利点を生かしている。ベースホイールのデザインは、端部装飾デザインに課される典型的な制限から脱することで進歩している。現在、典型的な端部デザインは、車両の重量を維持している。本開示のベースホイールは、車両の重量を支える一方、エンドユーザが自在に装飾ホイール面デザインの変更が可能であることを制限しない。ベースホイールは、車両がもたらす重量および作用する力を安全に維持するのに必要とするだけの量の材料を利用する。これは、ベースホイールのデザインを最小化し、ホイール胴にホイールのハブまたはセンターを取り付ける材料を配分することにより遂行できる。ベースホイールは、装飾面デザインの様々な部位に適合して支える後面の表面を使用することにより、装飾面に一体的な支持を提供する。ベースホイールおよびセンターハブにより、支持されていないスポークまたは装飾面を有することが可能になる。支持されていない構造は車両の重量を負担しないため、所望のデザインを有するだけでよいので、これにより、ホイールの全体的な端部重量を大幅に減少させることができる。ハブまたはセンターの距離を動かして、ネガティブオフセットが得られるならば、これにより、ホイールの面上により使用可能な表面積を作ると考えられる。面またはスポークを迅速に取り外す機能と組み合わされているこの表面積により、エンドユーザは装飾面の全体的な端部デザインを大幅に変更することが可能になる。
【0020】
ホイールのセンターから複数の取付けポイントを製造することで、ホイールの重量支持能力を分配する。取付けポイントは、わずかに角を有するといったような、複数のデザインおよびバリエーションを有することができ、プロペラのようなスポークを作って表面積を最大化し、また、ベースホイールの後部を隠す。様々な量の材料およびセンターの配分によって、また、異なる装飾デザインが完成品に適用可能ということになる。一体型ホイールは、車両のホイールロータに、従来の方式でマルチラグアタッチメントまたはセンターラグアタッチメントのどちらかを使用して取り付ける。
【0021】
一体型ホイールのセンターは、固有の取付けポイントを使用する。それは、ホイールの初期製造プロセスに組み込み、または、ベースホイールへの統合が可能である。このセンター取付けポイントは、ベースホイールに不可欠な部分を生成する。センター取付けポイントにより、ベースホイールに異なる装飾面を取り付けるための確実な手法がもたらされる。これは、安全性と、装飾面プレートの迅速な解除および変更可能性の双方のための、締結具タイプのねじ式キャップおよびカップリングアタッチメントによって達成される。マルチラグハブの場合、ベースホイールの取り付けには、低背型のラグナットが利用される。この場合、装飾面は複数の異なる仕様にデザインすることができる。
【0022】
異なる装飾面プレートのデザインにおいては、所望によりラグを隠すことが可能で、それにより、センターラグホイールの外観が作られる。センターラグホイールは、ハブアタッチメント自体から(車両がセンターラグにハブタイプコンバージョンを使用する場合)もセンター取付けポイントを組み込み、または、装飾面プレートを固定するための同一の機能を生み出すセンターラグに固定される。センターキャップおよびアタッチメントコンポーネントによって、装飾面プレートおよびホイールを窃盗から保護するためのロック機構用の空間が与えられる。これにより、より一層の安全性も追加される。装飾面プレートは、ベースホイールにマッチするホイール胴にある軽微なリッジおよび端部の挿入ポイントが付いたバッキング(backing)を有することになる。端部のリッジまたは挿入は、高回転または風の干渉時に装飾面プレートを安定させる必要がある場合に利用することができる。これは、主として面(スポーク)の端部のエッジを適切に固定するためのものであり、特に、より可撓性を有する複合材料を使用する際に実装されるであろう。
【0023】
本開示の一態様は、ホイール胴の内部の装飾面および装飾スポークの深さを変更できることである。これは、ホイール胴の空間において異なる平面を横断可能な点で、典型的なハブキャップまたは美装リングとは異なる。これに加えて、従来のデザインはいずれも、それらが取り付けられているホイールに歪みがある場合、取り付けられた状態でいることができない。本開示の構造は、ベースホイールのセンター取付けポイントに固定して取り付けられており、つまり、ベースホイールのホイール胴のいかなる歪みも、ベースホイールへの装飾面の取り付けに影響を与えない。
【0024】
次に図面を参照すると、
図1は、本開示に従って形成されたホイールアセンブリ20の分解不等角投影図であり、車両ロータ23を備える既存の車両軸受ハブ22に隣接して配置されている。
【0025】
この実装形態において、ホイールアセンブリ20は、胴部26と胴部26内部の中心に配置されたホイールハブ28とで形成されるベースホイール24を備える。ホイールハブ28は、ねじ付き締結具34を使用して複数の異なる装飾面プレート32のうちの1つを取り付けることができるセンター取付けポイント30を備えており、これらを組み合わせるとホイールアセンブリ20が形成される。
【0026】
ベースホイール24の胴部26は円筒状の胴36を備え、円筒状の胴36は、その外側および内側の外周部の周りにそれぞれ形成される、環状の外側リム38および環状の内側リム40を有する。この実装形態におけるホイールハブ28は、外側リム38から、それがセンター取付けポイント30に達するポイントまでにおいて中実である。言い換えると、外観が皿状で、スロット等の開口部がなく、スポークまたはブレード等を有しない。ただし、軽量化のためのスポーク状、ブレード状、スロット状、およびそれらの変形例をはじめとする他の構成が、ホイールハブ28に利用できることも理解されたい(車両の重量を支え、ブレーキ部品の可視化および冷却を可能にする窓を形成するため)。同様の機構におけるサイズ、形状、および配置は、装飾デザインを考慮して、最新のスタイルおよびトレンドに基づき消費者へアピールするために決定される場合もある。ベースホイール24の重量は、可能な限り軽量であるのが好ましいものの、外観、美観、および最新の装飾トレンドならびに消費者の嗜好に追従するかしないかを問わず、軽量化を達成するための材料の除去は依然として行って構わない。
【0027】
センター取付けポイント30は、鍛造段階においてホイールハブ28と一体的に形成してもよく、または、製造中に適所へ溶接してもよく、または、容易に商業的利用が可能であり、本明細書においては詳細な説明を割愛する従来のアタッチメント方式を使用して、ホイールハブ28に着脱可能に取り付けてもよい。センター取付けポイント30は、車両ロータ23から突出している5つの搭載ラグ44を収容できるようなサイズおよび形状とされた5つの開口部42を有する。従来の方法において、車両ロータ23上の適所にベースホイール24を保持するために、5つの搭載ラグ44と螺合可能に係合するための5つのラグナット46が示されている。(5つのラグの構成が示されているが、1以上のラグが使用され得る。)センター取付けポイント30から延びているのは、雄ねじ50を有するねじ付きポスト48である。実装形態によっては、ポストは、滑らかな外面と共に中空の雌ねじ付軸方向ボアを有していてもよく、滑らかな内部ボアと共にねじ山を形成した外面を有していてもよく、または内部軸方向ボア上の雌ねじとの併用で外面にねじ山が形成されていてもよい。ねじ山は、車両に取り付けられた際のホイールアセンブリ20の回転方向に応じて、右巻き方向または左巻き方向のねじ山であってもよい。
【0028】
このポストは、ハブの中心に位置し、目的に応じて設計された構造になっているので、様々な量の重量をしっかりと安全に保持することができる。たとえば、より大きな重金属の面を保持することができるが、ハブキャップのような力によって屈曲せず、ねじれない。
【0029】
図1に示す装飾面プレート32は、センターアタッチメントデバイスの一形態であり、本実装形態において、多くの異なる装飾構成のうちの1つを有することを示す。この例に示されるように、装飾面プレート32は、5つの装飾放射状スポーク56を形成するために中央開口部54の周囲に形成される開口部52を有する。装飾面プレート32は、ベースホイール24の外側リム38内に嵌合するようなサイズおよび形状とされた円形平面形状を有するディスク形状を有する。中央開口部54はそれ自体が、センター取付けポイント30のねじ付きポスト48上にスライド可能に収容されるようなサイズおよび形状とされており、ねじ付き締結具34により適所に保持される。装飾プラグまたはカバー58は、ねじ付き締結具34の中央開口部60に挿通でき、仕上り外観を形成する。プラグまたはカバー58は、締り嵌めで適所に保持することができ、または、より確実には、ポスト48上に螺合することができる。
図2の組立図に示されるように、装飾面プレート32がポスト48に搭載される際、5つのラグナット46を覆い、それらが外部から見えないようにすることが好ましいであろう。
【0030】
図3は、本開示のホイールアセンブリ20を使用する第1のステップを示す。ここでは、従来の方法において、5つのラグナット46を使用して車両ロータ23(この図では図示せず)に取り付けられる、ベースホイール24を正面立面図で示す。次のステップでは、
図1および
図2に関連して上述した装飾面プレート32等の装飾面プレート32をベースホイール24へ搭載する。装飾面プレート32はポスト48上にスライドされ、ねじ付き締結具34により適所に保持される。カバー58が続いてねじ付き締結具34上に配置される。仕上ったアセンブリを
図2に示す。本実装形態は、本開示のホイールアセンブリ20の構造、機能、および外観における複数の変形態様のうちの1つであることを理解されたい。たとえば、大型トラックにあるような大径のハブまたは異なるデザイン品質を実現するためのより小さな円周を受け付けるためにポスト48に段差が付けられている場合、複数の円周に対応することができる。
【0031】
図4Aから
図4Cは、ホイールおよびハブアセンブリ80a、80b、80cの分解断面図であり、胴部86に対するセンターハブ82およびセンター取付けポイント84の3つの異なる位置を示す。
図4Aにおいて、センターハブ82およびセンター取付けポイント84は、胴86の左右方向中央より右へ、すなわち、外側リム88へ向けて配置され、ホイールアセンブリ20にネガティブオフセット(negative offset)を与える。
図4Cにおいて、センターハブ82およびセンター取付けポイント84は、胴部86の左右方向中央より左へ向けて、すなわち、外側リム88よりも内側リム90のより近くに配置され、ホイールアセンブリにポジティブオフセット(positive offset)を与える。この深いオフセットは、可変の凹面を有する様々なアタッチメントのための複数の外部スペースを提供する。
図4Bにおいて、センターハブ82およびセンター取付けポイント84は、胴部86の実質上、左右方向の中間点の位置に配置される。
【0032】
図4Aから
図4Cに示される実装形態において、センターポスト92は、環状の外部ショルダ94を有する。一方、装飾面プレート32は、センターポスト92上にスライド可能に収容され、ポスト92の環状の外部ショルダ94と嵌合接触するようなサイズおよび形状とされている環状の内部ショルダ96を有する。これは、ポスト92上に装飾面プレート32をセンタリングする助けとなり、装飾面プレート32をポスト92上に導くための確実なスライド式係合をもたらす。さらに、このショルダ機構は、特にホイールアセンブリ80a、80b、80cの高速回転時に、装飾面プレート32をポスト92上に安定させる助けとなる。ポスト92、ショルダ94、および環状のチャネル98(後述する)はすべて、装飾面プレート32の異なる変形例に対応するために、長さおよび円周を変えることができることを理解されたい。
【0033】
これに加えて、センター取付けポイント84は、ショルダ94の内部に環状のチャネル98を有し、これは、装飾面プレート32の内部側から延びている環状のカラー100を収容するようなサイズおよび形状とされている。装飾面プレート32がポスト92上に装着され、ショルダ94の上に滑着される際、環状のカラー100は、環状のチャネル98の内側にスライド可能に収容され、装着および利用する際の装飾面プレート32の位置決めにおいて、より安定性をもたらすことになる。
【0034】
上記から容易に理解されるように、ベースホイールは、現在の装飾ホイールよりも製造が容易であり、より簡単に再現可能である。これは、オフセット、直径および剛性の仕様のための工具の変更のみを必要とし、製造コストを削減する。また、製造プロセスの環境フットプリントも低減する。ベースホイールに適用される製造プロセスは、鍛造、鋳造、マルチピースおよびフローフォーミング等、複数のタイプがあり、とりわけ、所望の構造的性能を達成するものである。軽量化構造を生成するために、アルミニウム、マグネシウム、または、複合型炭素繊維等、異なるタイプの材料が同様に使用可能である。ベースホイール技術によって、利用される材料または工程にかかわらず、実質的にベースホイール全体の重量が削減される。このことは、ひいては、ホイールのばね下重量を減らし、性能/ハンドリング性を高め、燃費を向上させることになる。任意の時点において、ホイールをその最軽量で走行させたい場合に必要となるのは、エンドユーザによるオーナメントおよびセンターアタッチメントキャップの取り外しのみである。ベースホイールは、車両の重量を支えるのに実質的に最少量の材料を使用しているので、安全に製造することのできる最も軽量なものである。ベースホイールは、所望する装飾的な特徴を追加することができる一方で、現在のデザインに依然として従った、外観的に魅力的な軽量の最終製品を可能にする。ベースホイールは、ベースホイールの取付けポイント(スポーク)の間隔を取ることで、車両のキャリパおよびロータを可視化するといったような、これらの望ましいデザイン上の特徴を不朽のものにしているということで際立っている。このことは、カスタマイズの世界における美しさに加え、これらのコンポーネントの所望される可視化および性能領域におけるブレーキシステムの冷却を可能とするものである。
【0035】
ホイールのセンター取付けポイントによって、カスタマイズの可能性が新しいレベルへ推し進められる。ベースホイールをスプリングボードとして利用することで、ホイール全体を利用する方法論の新しい可能性がもたらされる。凹形(ネガティブ)の外観のオフセットからよりニュートラルへ、または、ポジティブの外観へ変更することは、本開示によって容易になる。ロック機構を取り外し、キャップを緩めて、装飾面プレートを取り換えることができる。自動車のホイール分野において、ホイールの外観を変更できることは、歓迎される、かつ、長い間待ち望まれていた技術革新である。この一体型ホイール技術は、容易に交換可能なホイール面を作成するコストの削減を促進する。これにより、まったく新しいホイールを製造するために要する廃棄物および製品の量を削減する。このことは、また、ホイールの面を備えるために、異なる仕上がりおよび色合いを得るために通常は多くの機械加工が必要とされる、複合材料または金属といったような異なるタイプの材料を使用することにもつながる。
【0036】
ホイール一体化技術は、自動車のホイール市場の複数の側面を革新する可能性を有している。ベースホイールは、面(フェース)や色合いを容易に取り換えおよび変更可能にし、ベースホイール上に複数のデザインを配置できる。このことは、耐荷重面を有することなく達成することができる。センターラグ/キャップにも異なるデザインおよび色を組み込んでカスタマイズを行うことができる。異なるタイプの材料は、仕上がりにフレアを加え、複合材料は、軽量化において極めて重要な役割を担う。この互換性というコンセプトは、ホイール産業に新しい動きを添える。このタイプのカスタマイズ性能は、OEMおよびエンドユーザの双方にとって有益となる。
【0037】
次に
図5から
図6を参照すると、ベースホイール102および着脱自在な装飾面プレート104を備えるように本開示に従って形成されたホイールアセンブリ101のベーシックでクリーンなデザインが示されており、この装飾面プレート104は、5組のスポークのペア108が装飾面プレート104の円周の周りに等間隔で配置された10本のスポーク106を備える。ホイール102は、同様に5組のペア112がホイール102の円周の周りに等間隔で配置された10本のマッチングスポーク110を有する。所望のベーススポークの幅は、異なる装飾面に対応し、または、異なる重量公差を許容するために変更することができる。
【0038】
図5は分解図、
図6は部分分解図であって、装飾面プレート104がホイール102のセンター取付けポイント116から延びるポスト114上に配置されている。本実装形態では、ポスト114は雄ねじ118を備える。面プレート104は、雄ねじ118と係合することなくポスト114上にスライド可能に収容されるようなサイズおよび形状にされている中央開口部120を有する。面プレート104は、面プレート104のスポーク106がホイール102のスポーク110と揃うように、センターロックアセンブリ122によりホイール102の適所に保持される。
【0039】
本実装形態では、センターロックアセンブリ122は、ホイールポスト114の雄ねじ118と係合するようなサイズおよび形状にされている雌ねじ126を有するキングナット124を備える。ナット124の外側の外周は、同様にキー付けされたソケット(図示せず)を受け付けて面プレート104のホイール102への取付けに確実性をもたらすために、突起128によりキー付けされている。
【0040】
センターロックアセンブリ122は、ナット124に収容されるようなサイズおよび形状にされているセンターキャップ130と、キャップ130の凹部134に収容されるようなサイズおよび形状にされているシーリングリング132とを備える。本実装形態の一態様において、キャップ130は、雄ねじ、好ましくは逆ねじ(車両の側に応じて)を有する環状の内部カラーを有しており、これは、ホイールポスト114の中空内部に形成された逆雌ねじと螺合可能に係合する。キャップ130の凹部134は、キャップ130がホイールポスト114に収容されている際に、キャップ130を旋回させるツールを受け付けるためにキー付けされている。シーリングリング132は、シーリングリング132が円環状の凹部134にぴったりと嵌合するように挿入できるように、柔軟な材料で形成されることが好ましい。
【0041】
図5は、ベースホイールへの異なる装飾デザインの追加を示す。1つの利点は、装飾面プレートに異なるデザインを追加できるが、所望の外観を実現するために必要な側面のみをカバーすることである。この繰り返しにより、スポークの間に開放空間または窓が存在し、これは中実のピースである前のデザインと異なる。装飾面プレート106は、外観や雰囲気を劇的に変える機能をもたらすために、任意の重量、材料、または色であってよく、ロックを解除して再び変更することができる。
図6は上述の内容をより詳細に示す。
図6に示される部分的に組み立てられた構造において、装飾面プレート104のスポーク106は、スポーク106がホイール102のスポークをスライド可能な係合で収容する内部チャネルを有するようなサイズおよび形状にされている。これは、
図6の組み立てられたホイール102および装飾面プレート104の部分分解断面図である
図7において、よりわかりやすく示されている。本実装形態では、スポーク106の長さは、スポーク106がホイール102まで延びながらも接触しないようなサイズになっている。
【0042】
図7は、キングナット124上に収容されるキー付きソケット136の分解図を表しており、キングナットの突起128がソケット136の嵌合スロット(図示せず)と係合した状態である。ソケット136もまた、従来のソケットツールのような、同様にキー付けされたツール(図示せず)を収容するためにキー付けされた突起138を備える。ソケット136はキングナット124上に留まらず、キングナット124の取付けおよび取外しのためにのみ使用される。キングナットはまた、装飾面アタッチメントの様々な厚みの素材を保持するハブを上下に移動することができる。キングナットは、独立した装飾スポーク用の別の取付けポイントを組み込み、センターハブのアクセスに沿って移動することができ、深さおよび凹面を変化させる(後の図で説明される)。
【0043】
図8は、オプションの装飾リング140、既存の車両ロータ142、および自動車のような車両のインナフェンダ144と組み合わせた、
図5のホイールアセンブリの分解不等角投影図である。ロータ142は従来の5ラグ配置を有しており、ホイール102は、ロータ142のラグ上をスライドして従来のラグナット(図示せず)によって適所に固定されるようなサイズおよび配置にされた5つの開口部(この図では見えない)を有する。
図8は、リング40の上部に対応するアタッチメントを追加し、続いて別のリングを取付け可能な点で重要であり、これは内部の内側およびホイールの胴の深さに沿った外観を変更する別の形態である。これにより、ベースを同じに保ちながらも、アウターリムがどのように見えるかを変えることが可能になる。
【0044】
図9は、
図8のホイール102、装飾面プレート104、および装飾リング140の部分組立図であり、
図10は、センターロックアセンブリがない状態の組立図である。図のように、リング140はホイール胴103の円周リム146の外側部分に配置され、続いて装飾面プレート104がホイールポスト114に載置され、これは上述のセンターロックアセンブリのうちの1つにより適所に固定される。リング140は段付きのショルダ148を有しており、これは、装飾面プレート104がホイールセンターポスト114に載置された際に、装飾面プレート104のスポーク106がリング140を支持するようなサイズおよび形状にされている。本開示の一実装形態では、リング140は、ショルダ148を支持する装飾面プレート104のスポーク106により適所に保持される。
【0045】
本開示の一態様において、以下でより詳細に説明するように、リング140は、ホイール102にスナップされていてもよいし、ホイール102のリムと螺合可能に係合していてもよい。
【0046】
図11では、代替的なセンターロックシステムを有する
図5および
図6のホイールアセンブリ101が示されており、このセンターロックシステムは、中空円筒形状であり、雄ねじ152と、スリーブ150の側壁に形成された1つ以上の止めねじ開口部154とを有するねじ付きスリーブ150を備える。スリーブ150は、スリーブ150の側壁の開口部154と螺合可能に係合する止めねじ(
図17に示す)により適所に保持される。理想的には、アルミニウムおよびその他のより軟質な金属よりも優れた強度のため、鋼鉄スリーブが好ましく、これにより装着時のキングナット124によるクロススレッディング(cross-threading)を防ぐ。キングナット124はスリーブ150の雄ねじ152に螺合され、キャップ130は、ホイールポスト114の中空内部156に形成された雌ねじと(好ましくは、ホイールの回転方向によって反時計方向に)係合する雄ねじを有する(
図18に示す)。
【0047】
次に
図12を参照すると、ここに示されているのは上述のベースホイール102およびセンターロックアセンブリ122を用いるホイールアセンブリ160であって、10組のペア166で配置された20本の放射状スポーク164を有する新規の装飾面プレート162と組み合わせたものである。図面が不必要に乱雑になることを回避するために、スポーク164のうちの3組のペア166のみに符号が付されている。面プレート162は、ベースホイール102のホイールポスト114上にスライド可能に収容されるようなサイズおよび形状とされている中央開口部168を備える。面プレート162は、スポーク164のそれぞれの遠位端172に接続する一体的な円周リング170を備える。リング170およびスポーク164は深皿状のデザインを呈し、スポーク164の10組のペア166のうち5組のペア166は、面プレート162がベースホイール102に組み付けられた際、ベースホイール102のスポーク110と位置合わせされ、それらをカバーする。残りの5組のスポークのペア166は、面プレート162の円周の周りに散らばって等間隔で配置される。このデザインにより、面プレート162およびスポーク164をベースホイールのスポークの間の空間上に追加し、その後方にベースホイールのスポークがない状態で支持する使用が可能になる。スポークは、下に位置するベースホイールのスポークがない空間上に配置することができる。これは、ベースホイールに元々存在しなかったデザイン特性を追加し、センター取付けポイントにより支持されるのみである。このデザイン特性は車両の重量から独立している。さらに、面プレート162は、ホイール自体を改造する必要なく、異なる外側デザイン、リップをホイールに作り出す。
【0048】
装飾面は重量を支持せず、したがってその事実により装飾面のデザインは限定されないことに留意されたい。ホイールのデザインをサポートするだけでなく、車両重量を保持するために余分な材料が必要とされるので、現在のホイールの美観は重量を保持することに縛られている。これは非効率的であり、一方で、本デザインはより少ない材料を使用しており、結果として重量がより少ない。
図12に見られるように、装飾スポークの後ろに何もないので、より重い設計になることなく、より装飾的である。美的な魅力は、従来の設計においては費用のかかる重量をもたらす。
【0049】
図13は、変更されたベースホイール178のホイールハブ176と係合する隠された雄ねじ付きホイールポスト174の不等角投影分解断面図である。ホイールポスト174は、中空で雌ねじも有し得る、雄ねじ付きのノーズ180を有する。ノーズ180は、装飾面プレートおよびセンターロックアセンブリを上述のように収容するようなサイズおよび形状にされている。隠されたホイールポスト174はまた、ベースホイール178のホイールハブ176の雌ねじ186とその後部から係合する雄ねじ184が付いた、より大径のベース182も有する。内部長手軸方向ボア190のショルダ188は、隠されたホイールハブ176のショルダ191と係合して、それがボア190にねじ込まれることでホイールハブ176の移動を止める。ホイールポスト174は、続いてベースホイール178に対する配置を調整することができ、これによりホイールポスト174に取り付けられた装飾面プレートのベースホイール178に対する配置の調整が可能になる。後内部セットスリーブ192は、ホイールポスト174の後ろで内部軸方向ボア190と螺合可能に係合して、ホイールポスト174がベースホイール178に対して移動することを防ぐ。基本的に、セットスリーブ192は、ホイールポスト174に対して締め付けられると、薄ナット(jam nut)の機能を果たす。
【0050】
図14は、滑らかな中央ボア196を有するベースホイール194の後部不等角投影断面図であり、中央ボア196は、スライド式係合でホイールポスト198を収容し、ホイールポスト198は、ベースホイール194と係合する保持ねじ199により適所に保持される。これは
図13に示される実装形態の代替手段である。
【0051】
次に
図15を参照すると、ここに示されているのは前述のベースホイール102およびらせん状ワイヤインサート200であり、らせん状ワイヤインサート200は、鋼鉄または類似の材料で作られており、滑らかな側壁204を有する中空の内部軸方向ボア202を有するホイールポスト48に挿入されるようなサイズおよび形状にされている。インサート200は、クロススレッディングを生じやすいアルミニウム製の雌ねじを有することに対する解決手段である。また、より強いらせん状コイルインサート200は、今後、必要に応じてねじインサートを交換することができることを説明する。
【0052】
本実装形態はまた、雌ねじおよび雄ねじ付きセンターポストを提供するために、
図18に関して後述する外側カラーと共に利用することもできる。
【0053】
図16は、装飾面212用にボールピンロックシステム210を利用した段付きのセンターポスト208を有する10本スポークのベースホイール206の分解図である。タイヤ214がベースホイール206に装着された状態で示されており、ベースホイール206の遠位リム216に対するタイヤ214の関係を示す。装飾面212は、遠位端220がリング222に取り付けられているスポーク218を有し、リング222は、本実装形態に示されるように単に支持するか、または、リム216にクリップする等のよりポジティブな係合方法によって、ホイール206の遠位リム216と係合するようなサイズおよび形状にされている。ばね式ボール戻り止め224が、段付きセンターポスト208の外面の2つの段付き面226、228のそれぞれに配置されており、段付きセンターポスト208は、装飾面プレート212の中央の環状カラー232に見られるマッチング開口部230と係合するサイズおよび形状にされている。
【0054】
装飾面プレート212は、ポスト208のボール戻り止め224がカラー234の各開口部230に係合するまでカラー232をポスト208上にスライドさせることにより、段付きのセンターポスト208に取り付けられる。ポスト208の段差のある特質は、ポスト208上における装飾面プレート212の軸方向の挿入に制限を設けて異なる挿入深さを提供し、異なる深さの面に対応する。さらに、段付きのポスト208は、ポスト208が直径の異なるカラーを有する装飾面プレートを受け付けることや、ポスト208上に積み重ねられた関係で2つの装飾面プレートを受け付けることを可能にする。2つの段付き面226、228が示されているが、追加の段付き面がポスト208に形成されていてもよいことが理解されたい。
【0055】
図17では、ベースホイール230の別の実装形態が示されており、カラー壁240の穴238に係合するための横止めねじ236を有する雄ねじ付きカラー234を受け付けるように変更されたセンターポスト232を有する。止めねじ236は、止めねじのヘッド237がカラー壁240内に確実に埋め込まれる長さを有する。止めねじ236を受け入れる開口部242をセンターポスト232に形成することができる。これらの開口部242は、止めねじのヘッド237が、カラー234の外部に螺合されている物体と干渉しない程度にカラー壁238に埋め込まれることを確実にするために、ねじ込まれた止めねじ236と螺合可能に係合する雌ねじを有していてもよいし、または、止めねじ236が開口部242を通過できるように滑らかなボアを有していてもよい。カラー234を固定するためにナットを用いることもできる。
【0056】
図18では、ベースホイール230のポスト232に載置された状態の雄ねじ付きカラー234が、ポスト232の内側に配置されたらせん状ワイヤインサート200と組み合わせて示されている。これはポスト232の外部および内部にねじ山を提供する。
【0057】
次に
図19を参照すると、そこには、上述のベースホイール102であり得るベースホイール244の分解図が、関連するタイヤ246、ベースホイール244にクリップする装飾用リング248、および装飾面プレートをベースホイールに取り付ける際に用いるセンターロック機構250と共に示されている。キャップ253およびリング255は、従来のシリンダキー(センター)ロック機構250と協働して、ベースホイール244に装飾面(図示せず)を保持する。
図20はベースホイール244、タイヤ246、および装飾リング248の組立不等角投影図である。この図は、この場合はホイールにクリップするリングを追加し、その後、センター取付けの装飾面プレートを独立してベースホイール244に追加できることを説明している。リング248は、リング248で保持されるデザインを組み込むための取付け構造を有する装飾面の構造を提供する。
【0058】
図21は、ホイール250の円周の周りに等間隔を空けた5組のペア254で配置された10本のスポーク252を有する深皿ベースホイール250の不等角投影図である。中心のホイールハブ256は、スポーク252と同様にホイール250内により深く凹んでおり、このことは、上述のデザインにおけるものより大きく、より深い面260を有する装飾リング258のためのより多くの空間を提供する。
【0059】
図22では、深皿ベースホイール250は、ベースホイール250に取り付けられた、段付き環状面264を有する装飾リング262と共に示されている。
図23の断面図に示されるように、タイヤ266、ホイール250、および装飾リング262の関係を表すために、タイヤ266が追加されている。図に示すように、装飾リング262の段付き環状面264は、装飾リング262とベースホイール250との間にスペース268を形成する。このスペース268はウェイトを保持または収容するために利用することができ、ウェイトは、ホイール250とタイヤ266とのバランスを調整した後に装飾リング262によって隠される。本実装形態において、装飾リング262は、リング262の内部に2つの環状段部270、272を有しており、これらは
図23において最もわかりやすく示されている。装飾リング262および環状段部270、272のサイズおよび形状は、機能によって決定づけられないデザイン上の選択事項である。異なる外観を呈示するために、より少ない、または、より多くの段差を、様々なサイズの装飾リング262に形成できることが理解されるであろう。
【0060】
次に
図24を参照すると、そこには、雄ねじ278が形成された環状の遠位リム276を有するベースホイール274が示されている。これらのねじ278は、装飾リング(図示せず)に形成されたねじ山を収容するようなサイズおよび形状にされており、このことは、装飾リングをホイール274に固定する1つの方法である。このデザインは、装飾美装リングとタイヤ側方との間の隙間を除去または縮小する。言い換えると、ねじ付きのリム276は、装飾リングをホイール274に締め付けて、ホイールとタイヤとの間の隙間を閉鎖することを可能にする。図示の容易さから最小のねじ山数が示されているが、任意のねじ山数を用いることができる。
【0061】
たとえば、
図25Aは、装飾リング280および対応する装飾面プレート282を有するベースホイール274の分解図を示している。装飾面プレート282は、面プレート282の円周の周りに等距離で10対に配置された20本のスポーク292を有する。リング280はホイール274にクリップすることができるが、ねじ278を使用して装飾リング280をベースホイール274に取り付けることが好ましい。本実装形態において、リング280はタイヤとホイール274との間の隙間を閉鎖するだけではなく、2つのアタッチメント方式で装飾面282をホイール274上に安定させる。装飾面は、ひいては外側のリップリングを安定させ、その回転を防止することができる。
【0062】
第1のアタッチメント方式では、リング280は中央開口部286を有するタブ284を有し、タブ284はそれぞれ、装飾面プレート282のスポーク292の遠位端290の間に形成された開口部288にスライド可能に収容されるようなサイズおよび形状にされている。スポーク292の各対を互いに接続するために、U字状の終端294が遠位端290に形成されている。終端294は、リング280の環状面296上に延び、支持するサイズおよび形状にされている。第2のアタッチメント方式は、面プレート282のスポーク292から垂れ下がる側壁299を収容するようなサイズおよび形状にされた、リング280の環状面296に形成された2つの雌スロット298を使用する。
【0063】
図25Aに示されるように、これらの2つの方法が交互に行われているが、各方法を単独で用いてもよい。たとえば、
図26では、装飾リング280のスロット298のペアのみが、5組のペア304で配置された10本のスポーク302を有する装飾面300と併せて使用されている。これにより、
図25Bに関連して後述するように、タブ284は、第1の装飾面300の上部に積み重ねることのできる第2の装飾面を支持するために利用可能な状態となる。タブ284およびスロット298はまた、ベースホイールがサポートを提供するための下に位置するスポークを持たない場合に、スポーク292に対するサポートを提供する。面プレート282は、リムまたはリング280の縁部を越えて延びてもよいことを理解されたい。これは、本開示の設計によってのみ達成することができる独自の態様であり、そうでない場合は、タイヤを装着することが不可能であると思われる。
【0064】
図25Bは、複数の装飾面プレートを直列に、または積み重ねた関係に配置する方法を示す。本実装形態では、3つの面プレート283、285、287がベースホイール274に取り付けられ、キングナット289により適所に保持されている。ホイール胴の内部の異なる深さにおいて1つ以上の面プレートの取付けを可能にするために、ホイールの回転軸に沿って積み重ねた関係にある、複数の開口部がセンター取付けポイントに示されている。面プレート283の戻り止めを使用して、センター取付けポイントの開口部にスナップ嵌めすることができる。
【0065】
図26は、装飾面プレート300と併せて使用されるホイール274およびリング280を示しており、装飾面プレート300は、面プレート300の円周の周りに等間隔を空けて5組のペア304で配置された10本のスポーク302のみを有する。ここで、スポーク302は、リング280のスロット298内に収容されるようなサイズおよび形状にされた側壁を有する。スロット298は、
図25Aに示されるスポーク282および294等のより長いデザインのスポークと共に使用される受入れポイントとして使用される。スポーク282の下面はスポーク298を受け付ける。
【0066】
図27は、リング314の外側端に形成されたタブ312を収容するようなサイズおよび形状にされているスロット310を有する、環状の遠位リム308を有するベースホイール306の一部の拡大断面図である。これは、ホイール306へのリング314の取付けの確実な形態を提供する。これは、上述のねじ付きアタッチメントの代替手段である。
【0067】
図28には、装着されたタイヤ320を備えるベースホイール318に配置された20本スポークの装飾面316が示されている。本実装形態では、装飾面は、10組のペア324で配置されたスポーク322を有しており、各ペア324は、その遠位端において末端コネクタ326により互いに接続されている。コネクタ326は、ホイール318のリム328を越えてタイヤ320上に重なるようなサイズおよび形状にされている。これは、サイズ、スポークの本数、スポークの配置、長さ、デザイン、さらには色(図示せず)に関して装飾面をどのように変更することができるかを説明する。これはまた、タイヤの装着後に追加されることを考慮すると、装飾面がリムを越えてタイヤ内に突き出すことができるということも説明する。
【0068】
図29は、新たな装飾面330を有する
図28のホイール318およびタイヤ320を示しており、装飾面330は、先と同様に、装飾面330の円周の周りに等間隔を空けた10組のペア334で配置された20本のスポーク332を有する。スポークの各ペアの先端部を接続しているのは、タイヤ320に重なるホイール318を越えて延びることができる開放フープコネクタ(open hoop connector)336であり、コネクタ336の開放空間338は、少なくとも部分的にタイヤ320に重なって、タイヤ320の一部がコネクタ336を通じて見える状態になっている。これは、全ての要素が一緒に取り付けられ、センターロックアセンブリ340で適所に保持されるときに異なる視覚効果を提示する。本実装形態は上述のリング314のようなリングと共に使用できることを理解されたい。
【0069】
図30では、ベースホイール342がホイール342のセンターハブ344にセンターポストがない状態で提示される本開示の代替的な実装形態が示されている。ポスト348と、センターハブ344に取り付けられるようなサイズおよび形状とされた複数の脚部350とを備える、着脱自在のセンターポスト346が提供される。より具体的には、5つの脚部350(代替的には、車両のラグごとに1つの脚部アタッチメント)があり、それぞれ、ホイール342のセンターハブ344に着脱自在のセンターポスト346を取り付ける締結具356を収容するようなサイズおよび形状とされた開口部354を有する足部352を有している。代替的には、ベースホイール342と着脱自在のセンターポスト346との両方をロータ(図示せず)に同時に取り付けるために、センターポスト346は、ベースホイール342を通って延びるロータラグに取り付けることができる。
【0070】
上述の様々な実装形態は結合させることが可能であり、更なる実装形態を提供する。たとえば、リングは、ホイールのコンポーネントを収容するようなサイズおよび形状にされたチャネルを有することができ、そこで、リングを回してホイールの適所に固定することができる。
図31は、5本スポークの装飾面402を有するベースホイール400の別の代替的な実施形態を示しており、装飾面402は、別の外観のために、ホイールラグ(図示せず)が貫通する5つのラグ貫通穴404を備える。
図32は、車両に取り付けるためのスペーサー420が提供され、本開示のベースホイール用のアタッチメントを提供する、さらに別の代替的な実施形態を示す。これにより、ベースホイールおよび任意のアタッチメントが車両からさらに間隔を空けて配置され、車両に異なる外観および操作性が提供される。一層更なる実装形態を提供するために、必要に応じて、様々な特許、出願および公報のコンセプトを採用し、実装形態の態様を変形することができる。
【0071】
たとえば、装飾面プレート32は、ポスト上の適所にロックをするロック機構(図示せず)を伴った一体として実現できる。これにより、装着および除去が容易なスナップ式バージョンを有することができる。
【0072】
図33Aから
図33Cは、異なる配備段階における、深さ調整可能な装飾アセンブリが取り付けられたベースホイール452を有するホイールアセンブリ450の別の実装形態の断面図である。本実装形態では、以下でより詳細に説明するように、ベースホイール452と装飾アセンブリとの間の凹面を変更するために、装飾アセンブリは、ベースホイール452に対して軸方向に移動させることができる。
【0073】
図33Aから
図33C、およびそれぞれに対応する
図35から
図37に示されるように、ベースホイール452は5本の放射状スポーク454を有しており、より多くの、またはより少ないスポークが使用されてもよいが、これらは、前述したベースホイールと同様または同一に、スポーク454の一端には胴部456が、スポーク454の他端には中心に配置されたホイールハブ458がある状態で、固定的に取り付けられるか、または一体に形成される。ホイールハブ458は、装飾アセンブリに係合し、装飾アセンブリをベースホイール452の回転軸X-Xに沿った軸方向に移動可能にする構造のセンター取付けポイントを有する。
【0074】
ベースホイール452の胴部456は、胴460のそれぞれ外側および内側の外周部の周りに形成される、環状の外側リム462および環状の内側リム464を有する円筒状の胴460を有する。この実装形態におけるホイールハブ458は、外側リム462から中実ではないが、上述のスポーク454を有する。ただし、(車両の重量を支えるために)軽量化のための中実皿状、ブレード状、スロット状、およびそれらの変形例をはじめとする他の構成が利用できることも理解されたい。これらの機構におけるサイズ、形状、および配置は、また、最新のスタイルおよびトレンドに基づく装飾デザインの検討事項および消費者に対するアピール力のある外観によって決定される。ベースホイール452の重量は、可能な限り軽量であるのが好ましいものの、外観、美観、および最新の装飾トレンドならびに消費者の嗜好に追従するかしないかを問わず、軽量化を達成するための材料の除去は依然として行って構わない。
【0075】
ホイールハブ458はセンター取付けポイント466を有し、これは、鍛造の実施などでホイールハブ458と一体的に形成されてもよく、または製造中に適所へ溶接されてもよく、または、容易に商業的利用が可能であり、本明細書においては詳細な説明を割愛する従来のアタッチメント方式を使用して、ホイールハブ458に着脱可能に取り付けてもよい。センター取付けポイント466は、
図1から
図4に関して上述したように、車両ロータから突出している5つの搭載ラグを収容できるようなサイズおよび形状とされた5つの開口部468を有する。
【0076】
深さ調整可能な装飾アセンブリは、センター取付けポイント468に取り付けて、ベースホイール452のX-X回転軸に沿った軸方向に移動する構造のセンターポスト470を備える。一実装形態において、センターポスト470は、センター取付けポイント468の雄ねじに係合するサイズおよび形状とされた雌ねじを有する中空円筒状の内部を有する。止めねじ(図示せず)は、センターポスト470の側壁と螺合可能に係合して、センター取付けポイント468を支持し、センター取付けポイント468に対するセンターポスト470の回転を防ぐことができる。センターポスト470をセンター取付けポイント468に時計回りにねじ込むと、ベースホイール452の内部のより深くに移動させることにより、ベースホイール452に対するセンターポスト470の位置が変更される(逆ねじを使用しない限り、逆になる)。同様に、センターポストを反時計回りに回転させると、センターポストが反対方向に移動し、ベースホイール452の内部でより浅くなるように移動する。
【0077】
放射状に間隔を空けたセンターポスト470の外部の取付けポイントにはアーム472が取り付けられており、各アーム472は、アーム472の先端部に形成されたヨーク474を有する。各ヨーク474には、ベースホイールのスポーク454の外面をカバーするようなサイズおよび形状とされたスポークカバー476が枢動可能に取り付けられており、ベースホイールのスポーク454に装飾的な外観を提供する。各スポークカバー476は、スポークカバー476の近位端にヨーク474と嵌合するボール478を備えており、締結具により適所に保持することができる。
図34は、ヨーク474がセンターポスト470に取り付けられたリング478から延びている、わずかに異なる実装形態を示す。ボール478は、各ヨーク474の2つの脚部482の間に配置され、スポークカバー476が枢動する軸としても機能する締結具484により適所に保持されていることがわかる(
図33Aおよび
図33Bのリング478も参照)。
【0078】
各スポークカバー476の下面は、スポークカバー476の長手軸に沿って配置され、概してスポークカバーの中央部に沿って延びるアライメントリブ486を備える。リブ486は、ベースホイールのスポーク454のそれぞれの表面の対応するアライメント突起490に外嵌するようなサイズおよび形状にされている、軸方向に間隔を空けた複数の半円のスロット488を備える。
図33Aから
図33Cに示されるように、3つのスロット490および3つの突起488があるが、使用する数は3つより多くても、または3つより少なくてもよいことを理解されたい。
【0079】
図33Aおよび
図35では、装飾アセンブリは、ベースホイール452の内部の浅い深さに配置されている。
図33Bおよび
図36では、装飾アセンブリは中間の深さに配置され、
図33Cおよび
図37では、装飾アセンブリは、ベースホイール452の内部の最も深い深さにある。
【0080】
図38は、2つのレベルで深さ調整可能なホイールアセンブリ492を有するベースホイールの別の実施形態を示す不等角投影図である。本実装形態では、別のセットの装飾スポーク494を、その第2のセットの装飾スポーク494を枢動可能に取り付けることができる追加のリング480を有するセンターポスト470と共に使用することができる。
【0081】
本開示の別の特徴および利点は、本明細書に記載されるように、装飾面プレートの使用の有無にかかわらず、ベースホイールの胴に開放窓または空間を残して、ブレーキコンポーネントの可視化および冷却、または単に車両コンポーネントの冷却を可能にできることである。
【0082】
これらおよび他の変更は、先に記載された記載に照らして本実装形態に行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、明細書および特許請求の範囲に開示されている特定の実装形態に特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきでなく、そのような特許請求の範囲に権利が与えられる等価物の全範囲と共に、可能な実装形態すべてを含むものと解釈すべきである。したがって、特許請求の範囲は、開示によって限定されない。