(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】アプリケーションプログラム制御方法および装置、デバイス、並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 28/082 20230101AFI20241216BHJP
H04W 28/18 20090101ALI20241216BHJP
【FI】
H04W28/082
H04W28/18
(21)【出願番号】P 2023525508
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2022070546
(87)【国際公開番号】W WO2022179317
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】202110215376.4
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514187420
【氏名又は名称】テンセント・テクノロジー・(シェンジェン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シィオン,チュンシャン
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0112907(US,A1)
【文献】Ericsson,QoS - Continuation of stage 3 work[online],3GPP TSG RAN WG3 #97,3GPP,2018年08月25日,R3-173207,[検索日 2024.02.22],インターネット:<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_97/Docs/R3-173207.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Support for QoS Notification Control in EPC[online],3GPP TSG SA WG2 #135,3GPP,2019年10月18日,S2-1908881,[検索日 2024.02.22],インターネット:<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_135_Split/Docs/S2-1908881.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションエンティティによって、コアエンティティによって送信される通知メッセージを受信することであって、前記通知メッセージは、非保証ビットレート(GBR)ベアラフローのサービス品質通知制御(QNC)のパラメータ値における変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信することと、
前記アプリケーションエンティティによって、前記通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御することと、を含む、
アプリケーションプログラム制御方法。
【請求項2】
前記アプリケーションエンティティによって、前記通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御することは、
前記アプリケーションエンティティによって、前記通知メッセージに従って前記アプリケーションプログラムの計算ポリシーを制御すること、
および/または、
前記アプリケーションエンティティによって、前記通知メッセージに従って前記アプリケーションプログラムのトラフィックポリシーを制御すること
を含む、
請求項1に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項3】
前記アプリケーションエンティティによって、前記通知メッセージに従って前記アプリケーションプログラムの計算ポリシーを制御することは、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の劣化を示すために使用されていることに応答して、第1の計算ポリシーに従って実行されるように前記アプリケーションプログラムを制御することと、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の最適化を示すために使用されていることに応答して、第2の計算ポリシーに従って実行されるように前記アプリケーションプログラムを制御することと、を含み、
前記第1の計算ポリシーの下での同じ計算タスクの計算時間は、前記第2の計算ポリシーの下での同じ計算タスクの計算時間よりも少ない、
請求項2に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項4】
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の劣化を示すために使用されていることに応答して、第1の計算ポリシーに従って実行されるように前記アプリケーションプログラムを制御することは、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の劣化を示すために使用されていることに応答して、第1のエンコーディングおよびデコーディングモードにおいてエンコーディングおよびデコーディングを実行するように前記アプリケーションプログラムを制御することを含み、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の最適化を示すために使用されていることに応答して、第2の計算ポリシーに従って実行されるように前記アプリケーションプログラムを制御することは、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の最適化を示すために使用されていることに応答して、第2のエンコーディングおよびデコーディングモードにおいてエンコーディングおよびデコーディングを実行するように前記アプリケーションプログラムを制御することを含み、
前記第1のエンコーディングおよびデコーディングモードの下での同じ計算タスクの計算時間は、前記第2のエンコーディングおよびデコーディングモードの下での同じ計算タスクの計算時間よりも少ない、
請求項3に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項5】
前記アプリケーションエンティティによって、前記通知メッセージに従って前記アプリケーションプログラムのトラフィックポリシーを制御することは、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の劣化を示すために使用されていることに応答して、第1のトラフィックポリシーに従って実行されるように前記アプリケーションプログラムを制御することと、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の最適化を示すために使用されていることに応答して、第2のトラフィックポリシーに従って実行されるように前記アプリケーションプログラムを制御することと、を含み、
前記第1のトラフィックポリシーのトラフィックは、前記第2のトラフィックポリシーのトラフィックよりも少ない、
請求項2に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項6】
前記アプリケーションプログラムのトラフィックは、音声データパケットと、ビデオデータパケットとを含み、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の劣化を示すために使用されていることに応答して、第1のトラフィックポリシーに従って実行されるように前記アプリケーションプログラムを制御することは、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の劣化を示すために使用されていることに応答して、前記音声データパケットに対応する第1のトラフィックを保持し、前記ビデオデータパケットに対応する第2のトラフィックを低減させることを含み、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の最適化を示すために使用されていることに応答して、第2のトラフィックポリシーに従って実行されるように前記アプリケーションプログラムを制御することは、
前記通知メッセージが前記QNCの前記パラメータ値の最適化を示すために使用されていることに応答して、前記音声データパケットに対応する前記第1のトラフィックを保持し、前記ビデオデータパケットに対応する前記第2のトラフィックを増加させることを含む、
請求項5に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項7】
前記非GBRベアラフローの前記QNCのパラメータの前記変化が、前記報告条件を満たすことを検出することに応答して、前記通知メッセージは、アクセスネットワークデバイスエンティティによって前記コアエンティティに送信される、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項8】
前記通知メッセージは、
前記QNCの変化したパラメータ値、
または、
前記QNCの変化したパラメータ値の量子化された値を含む、
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項9】
前記アプリケーションエンティティによって、前記QNCの制御パラメータを前記コアエンティティに送信することを更に含み、前記QNCの前記制御パラメータは、前記QNCのパラメータおよび前記報告条件を示すために使用される、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項10】
前記アプリケーションエンティティによって、前記QNCの制御パラメータを前記コアエンティティに送信することは、
前記アプリケーションエンティティによって、ポリシー認可作成/更新メッセージを前記コアエンティティに送信することを含み、前記ポリシー認可作成/更新メッセージは、前記QNCの前記制御パラメータを含む、
請求項9に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項11】
前記通知メッセージの報告頻度が、頻度閾値よりも大きいか或いは小さい場合に、前記アプリケーションエンティティによって、前記QNCの変化した制御パラメータを前記コアエンティティに送信することを更に含む、請求項9に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項12】
前記QNCの前記パラメータ値は、
パケット遅延バジェット(PDB)、
パケット誤り率(PER)、および
現在のビットレート(CBR)
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項13】
前記QNCの少なくとも2つのパラメータ値があり、
前記少なくとも2つのパラメータ値は、同じ報告条件に対応し、
且つ/或いは
前記少なくとも2つのパラメータ値は、異なる報告条件に対応する、
請求項12に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項14】
前記報告条件は、
第1の時間内の前記QNCの前記パラメータ値の変化値が第1の閾値よりも大きいこと、
第2の時間内の前記QNCの前記パラメータ値の変化率が第2の閾値よりも大きいこと、
前記第1の時間内の前記QNCの前記パラメータ値の前記変化値が前記第1の閾値よりも大きく、第3の閾値のために連続的に保持されること、および
前記第2の時間内の前記QNCの前記パラメータ値の前記変化率が前記第2の閾値よりも大きく、第4の閾値のために連続的に保持されること
のうちの少なくとも1つを含み、
前記第3の閾値および前記第4の閾値は、保持時間を測定するための閾値である、
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項15】
前記非GBRベアラフローは、
非GBRサービス品質(QoS)フロー、または
非GBR進化パケットシステム(EPS)ベアラを含む、
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項16】
前記QNCは、アップリンクで定義され、或いは、
前記QNCは、ダウンリンクで定義され、或いは、
前記QNCは、アップリンクおよびダウンリンクで定義される、
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項17】
前記非GBRベアラフローは、ターゲットサービスフローに対して1対1の対応にあり、前記ターゲットサービスフローは、前記QNCを可能にし、前記QNCの前記パラメータ値を含む、サービスフローである、
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項18】
コアエンティティによって、アクセスネットワークデバイスによって送信される通知メッセージを受信することであって、前記通知メッセージは、非保証ビットレート(GBR)フローのサービス品質通知制御(QNC)のパラメータにおける変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信することと、
アプリケーションエンティティが、前記通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムのトラフィックを制御するように、前記コアエンティティによって、前記通知メッセージを前記アプリケーションエンティティに送信することと、を含む、
アプリケーションプログラム制御方法。
【請求項19】
前記コアエンティティによって、前記通知メッセージをアプリケーションエンティティに送信することは、
前記コアエンティティによって、イベント報告を前記アプリケーションエンティティに送信することを含み、前記イベント報告は、前記通知メッセージを含む、
請求項18に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項20】
前記通知メッセージは、
前記QNCの変化したパラメータ値、または
前記QNCの変化したパラメータ値の量子化された値を含む、
請求項18に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項21】
前記コアエンティティによって、前記QNCの制御パラメータに従ってQNCプロファイルを前記アクセスネットワークデバイスに送信することを更に含み、
前記QNCの前記制御パラメータは、前記QNCの前記パラメータおよび前記報告条件を示すために使用される、
請求項18~20のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項22】
前記コアエンティティは、第2のコアエンティティと、第3のコアエンティティとを含み、
当該アプリケーションプログラム制御方法は、
前記第3のコアエンティティによって、ポリシーおよび充電制御
(PCC
)ルールを前記第2のコアエンティティに送信することを含み、前記PCCルールは、前記QNCの前記制御パラメータを含み、
前記コアエンティティによって、前記QNCの制御パラメータに従ってQNCプロファイルを前記アクセスネットワークデバイスに送信することは、
前記第2のコアエンティティによって、前記QNCプロファイルを前記アクセスネットワークデバイスに送信することを含み、前記QNCプロファイルは、前記QNCの前記制御パラメータを含む、
請求項21に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項23】
前記第3のコアエンティティによって、PCCルールを前記第2のコアエンティティに送信することは、
前記第3のコアエンティティによって、セッションポリシー関連付け確立または開始ベースのポリシー関連付け修正メッセージを前記第2のコアエンティティに送信することを含み、前記セッションポリシー関連付け確立または開始ベースのポリシー関連付け修正メッセージは、前記PCCルールを含む、
請求項22に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項24】
前記第2のコアエンティティによって、前記QNCプロファイルを前記アクセスネットワークデバイスに送信することは、
前記第2のコアエンティティによって、第1のコアエンティティAMFを通じてNASメッセージを前記アクセスネットワークデバイスに送信することを含み、前記NASメッセージは、前記QNCプロファイルを含む、
請求項22に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項25】
前記コアエンティティによって、前記アプリケーションエンティティによって送信される前記QNCの前記制御パラメータを受信することを更に含む、請求項21に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項26】
前記コアエンティティは、第2のコアエンティティと、第3のコアエンティティとを含み、
前記コアエンティティによって、前記アプリケーションエンティティによって送信される前記QNCの前記制御パラメータを受信することは、
前記第3のコアエンティティによって、前記アプリケーションエンティティによって送信されるポリシー認可作成/更新メッセージを受信することを含み、前記ポリシー認可作成/更新メッセージは、前記QNCの前記制御パラメータを含む、
請求項25に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項27】
前記コアエンティティによって、前記QNCの加入データを取得することを更に含み、前記QNCの前記加入データは、前記QNCの前記制御パラメータを含む、請求項21に記載のアプリケーションプログラム制御方法。
【請求項28】
コアエンティティによって送信される通知メッセージを受信するように構成される受信モジュールであって、前記通知メッセージは、非保証ビットレート(GBR)ベアラフローのサービス品質通知制御(QNC)のパラメータ値における変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信モジュールと、
前記通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御するように構成される制御モジュールと、を含む、
アプリケーションプログラム制御装置。
【請求項29】
アクセスネットワークデバイスによって送信される通知メッセージを受信するように構成される受信モジュールであって、前記通知メッセージは、非保証ビットレート(GBR)フローのサービス品質通知制御(QNC)のパラメータにおける変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信モジュールと、
アプリケーションエンティティが、前記通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムのトラフィックを制御するように、前記通知メッセージを前記アプリケーションエンティティに送信するように構成される、送信モジュールと、を含む、
アプリケーションプログラム制御装置。
【請求項30】
プロセッサと、メモリとを含む、
ネットワーク要素デバイスであって、
前記メモリは、当該ネットワーク要素デバイスが請求項1~17のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法を実装することを可能にするように前記プロセッサによって作動されるコンピュータプログラムを格納する、
ネットワーク要素デバイス。
【請求項31】
コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項1~17のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法を実装するようにプロセッサによってロードされ且つ実行されるように構成される、
コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項32】
プログラム可能な論理回路を含むチップであって、
前記プログラム可能な論理回路は、作動するときに、請求項1~
17のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法を実装するように構成される、
チップ。
【請求項33】
コンピュータ命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータ命令は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納され、コンピュータデバイスのプロセッサが、前記コンピュータ読取可能な記憶媒体から前記コンピュータ命令を読み出し、前記プロセッサは、前記コンピュータ命令を実行して、前記コンピュータデバイスに請求項1~17のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法を実施させる、
コンピュータプログラム。
【請求項34】
プロセッサと、メモリとを含む、
ネットワーク要素デバイスであって、
前記メモリは、当該ネットワーク要素デバイスが請求項18~27のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法を実装することを可能にするように前記プロセッサによって作動されるコンピュータプログラムを格納する、
ネットワーク要素デバイス。
【請求項35】
コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項18~27のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法を実装するようにプロセッサによってロードされ且つ実行されるように構成される、
コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項36】
プログラム可能な論理回路を含むチップであって、
前記プログラム可能な論理回路は、作動するときに、請求項18~27のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法を実装するように構成される、
チップ。
【請求項37】
コンピュータ命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータ命令は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納され、コンピュータデバイスのプロセッサが、前記コンピュータ読取可能な記憶媒体から前記コンピュータ命令を読み出し、前記プロセッサは、前記コンピュータ命令を実行して、前記コンピュータデバイスに請求項18~27のうちのいずれか1項に記載のアプリケーションプログラム制御方法を実施させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2021年2月25日に出願された「APPLICATION PROGRAM CONTROL METHOD AND APPARATUS, DEVICE, AND STORAGE MEDIUM」という名称の中国特許出願第202110215376.4号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本出願の実施形態は、移動通信の分野に関し、特に、アプリケーションプログラム制御方法および装置、デバイス、並びに媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
第5世代(5G)移動通信技術では、QoS制御がQoSフローのユニットにおいて行われる。
【0004】
ベアラタイプに従って、QoSフローは、2つのタイプ、すなわち、保証ビットレート(GBR:guaranteed bit rate)および非保証ビットレート(非GBR:non-GBR)に分けられる。GBR QoSフローについて、対応するビットレートが、ネットワークリソースが不足している場合でも保証されることがある。非GRB QoSフローについて、ネットワークリソースが不足している場合には、レート削減のための要件を満たすことが必要である。
【0005】
現在、サービスフローの90%よりも多くが、一般的なオーディオおよびビデオ通話並びにオンライン会議のような、非GBRのQoSフローである。無線ネットワーク状態の変化は、しばしば、オーディオおよびビデオ通信の遅れを招くので、非GBR QoSフローのためのQoS制御を最適化することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、アプリケーションプログラム制御方法および装置、デバイス、並びに記憶媒体を提供する。QNCメカニズムが、非GBR QoSフローのために提供されるので、アプリケーションエンティティは、無線ネットワーク状態の変化を認識し、次に、変化に適応するためにアプリケーションプログラムの実行を能動的に制御する。技術的解決策は、以下の通りである。
【0007】
本出願の一態様によれば、以下を含むアプリケーションプログラム制御方法が提供される。
【0008】
アプリケーションエンティティによって、コアエンティティによって送信される通知メッセージを受信することであって、通知メッセージは、非保証ビットレート(GBR)ベアラフローのサービス品質通知制御(QNC)のパラメータ値における変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信すること、および
【0009】
アプリケーションエンティティによって、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御すること。
【0010】
本出願の別の態様によれば、以下を含むアプリケーションプログラム制御方法が提供される
【0011】
コアエンティティによって、アクセスネットワークデバイスによって送信される通知メッセージを受信することであって、通知メッセージは、非保証ビットレート(GBR)フローのサービス品質通知制御(QNC)のパラメータにおける変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信すること、および
【0012】
アプリケーションエンティティが、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムのトラフィックを制御するように、コアエンティティによって、通知メッセージをアプリケーションエンティティに送信すること。
【0013】
本出願の別の態様によれば、以下を含むアプリケーションプログラム制御装置が提供される。
【0014】
コアエンティティによって送信される通知メッセージを受信するように構成される受信モジュールであって、通知メッセージは、非保証ビットレート(GBR)ベアラフローのサービス品質通知制御(QNC)のパラメータ値における変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信モジュール、および
【0015】
通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御するように構成される制御モジュール。
【0016】
本出願の別の態様によれば、以下を含むアプリケーションプログラム制御装置が提供される。
【0017】
アクセスネットワークデバイスによって送信される通知メッセージを受信するように構成される受信モジュールであって、通知メッセージは、非保証ビットレート(GBR)フローのサービス品質通知制御(QNC)のパラメータにおける変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信モジュール、および
【0018】
アプリケーションエンティティが、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムのトラフィックを制御するように、通知メッセージをアプリケーションエンティティに送信するように構成される、送信モジュール。
【0019】
本出願の一態様によれば、プロセッサと、メモリとを含む、ネットワーク要素デバイスが提供され、メモリは、ネットワーク要素デバイスが上述のようなアプリケーションプログラム制御方法を実装することを可能にするようにプロセッサによって作動されるコンピュータプログラムを格納する。
【0020】
本出願の一態様によれば、プログラム可能な論理回路を含むチップが提供され、プログラム可能な論理回路は、作動するときに、上述のようなアプリケーションプログラム制御方法を実装するように構成される。
チップ。
【0021】
本出願の別の態様によれば、コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能な記憶媒体が提供され、コンピュータプログラムは、上述のようなアプリケーションプログラム制御方法を実装するようにプロセッサによってロードされ且つ実行されるように構成される。
【0022】
本出願の別の態様によれば、コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータ命令は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納される。コンピュータデバイスのプロセッサが、コンピュータ読取可能な記憶媒体からコンピュータ命令を読み出し、コンピュータ命令を実行して、コンピュータデバイスに上述のようなアプリケーションプログラム制御方法を実施させる。
【0023】
本出願の実施態様において提供される技術的解決策は、少なくとも以下の有益な効果を含む。
【0024】
非GBRベアラフローのQNCのパラメータの増加/減少が報告条件を満たすとき、コアエンティティは、アプリケーションエンティティに通知メッセージを送信し、通知メッセージの受信後、アプリケーションエンティティは、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御する。このようにして、QNCメカニズムが、非GBRベアラフローのために提供されるので、アプリケーションエンティティは、非GBRベアラフローの無線ネットワーク状態における変化を認識することがあり、次に、変化に適応するためにアプリケーションプログラムの実行を能動的に制御することがある。例えば、アプリケーションプログラムの計算ポリシーおよびトラフィックポリシーは制御されるので、QNCのパラメータが劣化するか或いは回復されるときに、アプリケーションエンティティは、このパラメータ変化の下でのネットワーク伝送に適応するようにアプリケーションプログラムを調整することがある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本出願の例示的な実施形態による移動通信システムの構造ブロック図である。
【0026】
【
図2】本出願の別の例示的な実施形態による移動通信システムの構造ブロック図である。
【0027】
【
図3】本出願の例示的な実施形態によるQoS変化通知方法のフローチャートである。
【0028】
【
図4】本出願の別の例示的な実施形態によるQoS変化通知方法のフローチャートである。
【0029】
【
図5】本出願の例示的な実施形態によるQNCの構成方法のフローチャートである。
【0030】
【
図6】本出願の別の例示的な実施形態によるQNCの構成方法のフローチャートである。
【0031】
【
図7】本出願の別の例示的な実施形態によるQNCの構成方法のフローチャートである。
【0032】
【
図8】本出願の例示的な実施形態によるQNCの最適化方法のフローチャートである。
【0033】
【
図9】本出願の別の例示的な実施形態によるQNCの最適化方法のフローチャートである。
【0034】
【
図10】本出願の例示的な実施形態によるUEまたはネットワークによって要求される(非ローミングおよびローカルブレイクアウトローミングのための)PDUセッション修正プロセスの概略図である。
【0035】
【
図11】本出願の例示的な実施形態によるSMポリシー関連付け変更プロセスの概略図である。
【0036】
【
図12】本出願の例示的な実施形態によるUEによって要求されるPDUセッション確立プロセスの概略図である。
【0037】
【
図13】本出願の例示的な実施形態によるホーム経路指定ローミングシナリオにおいてUEによって要求されるPDUセッション確立プロセスのフローチャートである。
【0038】
【
図14】本出願の例示的な実施形態による単一UEアドレスについてのAFの要求に応答して関連PCFに転送するプロセスの概略図である。
【0039】
【
図15】本出願の例示的な実施形態による非ローミングおよびローカルブレイクアウトローミングのためのUEまたはネットワークによって要求されるPDUセッション修正プロセスの概略図である。
【0040】
【
図16】本出願の例示的な実施形態によるホーム経路指定ローミングのためのUEまたはネットワークによって要求されるPDUセッション修正プロセスの概略図である。
【0041】
【
図17】本出願の例示的な実施形態によるアプリケーションプログラム制御装置を示している。
【0042】
【
図18】本出願の例示的な実施形態によるアプリケーションプログラム制御装置を示している。
【0043】
【
図19】本出願の例示的な実施形態によるネットワーク要素デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、本出願の例示的な実施形態による移動通信システムの概略的なアーキテクチャ図である。
図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、ユーザ機器(UE:user equipment)と、無線アクセスネットワーク(RAN:radio access network)と、コアと、データネットワーク(DN:data network)とを含むことがある。UE、RAN、およびコアは、アーキテクチャの主要なコンポーネント(構成要素)であり、それらの各々は、論理的に2つの部分、すなわち、ユーザプレーン(user plane)およびコントロールプレーン(control plane)に分割され、コントロールプレーンは、移動ネットワークの管理に関与し、ユーザプレーンは、サービスデータの送信に関与する。
図1において、基準点NG2は、RANコントロールプレーンとコアコントロールプレーンとの間に位置し、基準点NG3は、RANユーザプレーンとコアユーザプレーンとの間に位置し、基準点NG6は、コアユーザプレーンとデータネットワークとの間に位置する。
【0045】
UE:USは、モバイルユーザがネットワークと対話(相互作用)するためのポータルであり、基本的な計算能力および記憶容量を提供し、ユーザにサービスウィンドウを表示し、ユーザの操作入力を受け入れることがある。UEは、制御信号およびサービスデータをモバイルネットワークに送信するために、次世代エアインターフェース技術の使用によって、RANとのデータ接続および信号接続を確立することがある。
【0046】
RAN:従来のネットワークにおける基地局のように、RANは、セルの適用範囲(coverage)内で認可された(authorized)ユーザのためにネットワークアクセス機能を提供するためにUEに近接して配備され(deployed)、ユーザレベル、サービス要件などに従って、異なる品質の伝送トンネルを使用してユーザデータを送信することがある。RANは、それ自体のリソースを管理し且つ合理的に利用し、要求に応じてUEのためのアクセスサービスを提供し、UEとコアとの間で制御信号およびユーザデータを転送することがある。
【0047】
コア:コアは、モバイルネットワークの加入データ(サブスクリプション)データを保守すること、モバイルネットワークのネットワーク要素を管理すること、並びにセッション管理、モビリティ管理、ポリシー管理およびセキュリティ認証(authentication)のような、UEのための機能を提供することに関与する。コアは、UEが取り付けられるときに、UEにネットワークアクセス認証を提供し、UEがサービスリクエストを有するときに、UEにネットワークリソースを割り当て、UEが移動するときに、UEのためのネットワークリソースを更新し、UEがアイドルであるときに、UEのための高速回復メカニズムを提供し、UEが切り離されるときに、UEのためのネットワークリソースを解放し、そして、UEがサービスデータを有するときに、アップリンクデータをDNに転送すること、またはUEへの送信のためにUEのダウンリンクデータをDNから受信することおよびUEのダウンリンクデータをRNAに転送することのような、UEのためのデータルーティング機能(データ経路指定機能)を提供する。
【0048】
DN:DNは、ユーザのためにビジネスサービスを提供するためのデータネットワークである。一般に、クライアントは、UEに位置する一方で、サーバは、データネットワークに位置する。データネットワークは、ローカルエリアネットワークのようなプライベートネットワーク、インターネットのようなオペレータによって制御されない外部ネットワーク、または例えばIPマルチメディアネットワークサブシステム(IMS:IP multimedia network subsystem)サービスを構成するためにオペレータによって共配備される(co-deployed)専用ネットワークであることがある。
【0049】
図2は、
図1に基づいて決定された詳細なアーキテクチャである。コアユーザプレーンは、ユーザプレーン機能(UPF:user plane function)を含む。コアコントロールプレーンは、認証サーバ機能(AUSF:authentication server function)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF:access and mobility management function)、セッション管理機能(SMF:session management function)、ネットワークスライス選択機能(NSSF:network slice selection function)、ネットワーク露出機能(NEF:network exposure function)、NFリポジトリ機能(NRF:NF repository function)、統合データ管理(UDM:unified data management)、ポリシー制御機能(PCF:policy control function)、およびアプリケーション機能(AF:application function)を含む。(略して機能またはエンティティと称される)これらの機能エンティティの機能は、以下の通りである。
【0050】
UPF:SMFのルーティングルールに従ってユーザデータパケット転送を実行すること。
【0051】
AUSF:UEのセキュリティ認証を実行すること。
【0052】
AMF:UEのアクセスとモビリティ管理。
【0053】
SMF:UEのセッション管理。
【0054】
NSSF:UEのためのネットワークスライスを選択すること。
【0055】
NEF:APIによってネットワーク機能を第三者に露出すること。
【0056】
NRF:他のネットワーク要素のためのネットワーク機能エンティティ情報を格納および選択する機能を提供すること。
【0057】
UDM:ユーザ加入コンテキスト管理。
【0058】
PCF:ユーザポリシー管理。
【0059】
AF:ユーザアプリケーション管理。
【0060】
図2に示すアーキテクチャにおいて、N1インターフェースは、UEとAMFとの間の基準点(reference point)である。N2インターフェースは、NASメッセージの送信などのための、RANとAMFとの間の基準点である。N3インターフェースは、ユーザプレーンデータなどを送信するための、RANとUPFとの間の基準点である。N4インターフェースは、N3接続のトンネル識別情報、データキャッシュ表示情報、ダウンリンクデータ通知メッセージ、および他の情報を送信するための、SMFとUPFとの間の基準点である。N6インターフェースは、ユーザプレーンデータなどを送信するための、UPFとDNとの間の基準点である。次世代(NG)インターフェースは、無線アクセスネットワークデバイスと5Gコアとの間のインターフェースである。
【0061】
図1および
図2における様々なネットワーク要素の間のインターフェースの名称は、一例であるにすぎず、特定の実装では他の名前であることがある。本出願の実施態様では、それらに特定の制限はい。
図1および
図2における様々なネットワーク要素の名称(例えば、SMF、AF、およびUPF)も、一例であるにすぎず、ネットワーク要素の機能に対する制限を形成しない。5Gおよび他の将来のネットワークにおいて、上述のネットワーク要素の各々は、他の名称を有することもあり、本出願の実施形態では、それらに特定の制限はない。例えば、6Gネットワークでは、様々なネットワーク要素の一部または全部が、5Gにおける用語または他の名称などで称されることがあり、それらは、本明細書では集合的に記載され、以下では詳述されない。加えて、様々なネットワーク要素の間で送信されるメッセージ(または信号伝達)の名称も、一例であるにすぎず、メッセージの機能に対する如何なる制限も形成しないことが理解されるべきである。様々なネットワーク要素エンティティは、コンピュータデバイスまたはコンピュータデバイスにおいて動作する仮想コンピュータデバイスとして実装されることがある。
【0062】
本出願の実施形態では、高速変化QoS通知制御(QCQNC:quick change QoS notification control)メカニズムが、非GBR QoSフローについて定義される。QCQNCメカニズムは、QNCのタイプであり、略してQNCと称される。本出願の実施形態によって提供されるQCQNCメカニズムにおいて、アクセスネットワークデバイスは、非GBR QoSフローの少なくとも1つのQoSパラメータの高速変化を検出するときに、SMFに高速変化通知を送信する。SMFは、高速変化通知を、PCF、AF、およびUEに送信する。高速変化通知を受信した後に、AFおよびUEは、経験の質(QoE)に影響を与える遅れ(lagging)および他の現象を防止するために、アプリケーションプログラムを変化に適応させるように内側でアプリケーションプログラムを調整する。
【0063】
QoSフローは、PDUセッションにおける最小のQoS識別粒度(distinguishing granularity)である。QoSフローを区別するために、QoSフローID(QFI:QoS flow ID)が5Gシステムにおいて使用される。QoSフローは、SMFによって制御される。QoSフローは、PDUセッション確立プロセスにおいて予め構成または作成されることがあり、或いはPDUセッション修正プロセスにおいて修正されることがある。
【0064】
本出願の実施態様において、以下のQoS特徴(characteristics)は、非GBR QoSフローについて定義される。
【0065】
5G QoS識別子(5QI:5G QoS identifier)、割当および保持優先順位(ARP:allocation and retention priority)、並びに反射QoS属性(RQA:reflective QoS attribute)。
【0066】
非GBR QoSフローについての5QIに対応して、以下のQoS特徴のみが定義される。
【0067】
リソースタイプ。
【0068】
GBR、遅延クリティカル(delay critical)GBRまたは非GBRを含む。
【0069】
優先順位レベル。
【0070】
パケット遅延予算(PDB:packet delay budget)。
【0071】
パケットデータ遅延(予算)は、コアのパケット遅延を含む。
【0072】
パケットエラー率(PER:packet error rate)。
【0073】
4つのQoS特徴において、最初の2つのパラメータリソースタイプおよび優先度レベルは、5QIの特徴を定義する一方で、最後の2つのパラメータPDBおよびPERは、5QIの性能(パフォーマンス)を定義する。
【0074】
本出願の実施形態では、QNCプロファイルが、非GBR QoSフロー(NGBF)についての3つのパラメータ、すなわち、PDB、PER、および現在のビットレート(CBR:current bit rate)を含むことが提案されている。3つのパラメータのうちいずれか1つの値の増加または減少の変化率(または増加または減少の変化値)が、指定された閾値を超えることを検出するとき(異なるパラメータは、異なる性質を有するので、パラメータは、異なる変化率または変化値に対応する)、RANは、SMFに通知メッセージを送信し、全てのパラメータの変化率または変化値を通知する。SMFは、PCFに通知メッセージを送信し、PCFは、AFに通知メッセージを送信し、AFに対応するアプリケーションプログラムが、相応して調整される。一方、SMFは、NASメッセージを通じてUEに通知メッセージを送信し、UEに対応するアプリケーションプログラムも、相応して調整されることがある。よって、ネットワークとアプリケーションとの対話(相互作用)が実装され、サービス伝送が最適化され、ネットワーク混雑の場合における遅れの問題、またはネットワーク状態がより良くなるときに、アプリケーションプログラムが非常に低い伝送レートを依然として使用するので、ネットワークリソースが十分に使用されないことがあり且つユーザ体験が改良されないことがあるという問題が、解決される。
【0075】
一実施形態では、2つのタイプのパラメータ変化が定義される。
【0076】
1: 変化値
【0077】
パラメータ値がAからBに変化するとき、B-Aが変化値として定義される。AからBへのパラメータ値の変化値が第1の変化値である一方で、BからAへの変化値が第2の変化値であるならば、第1の変化値および第2の変化値の大きさは同じである(プラス記号またはマイナス記号は無視する)。
【0078】
2:変化率
【0079】
可能な設計において、(B-A)/Aは、パラメータ値がAからBに変化するときの変化率と定義される。AからBへのパラメータ値の変化率が第1の変化率(B-A)/Aである一方で、BからAへの変化率が第2の変化率(A-B)/Bであるならば、第1の変化率および第2の変化率の大きさは同じである(プラス記号またはマイナス記号は無視する)。
【0080】
すなわち、(B>A>0と仮定すると)、(B-A)/Aの大きさは、(A-B)/Bの大きさと等しくない。従って、上述の定義では、パラメータ値Aをパラメータ値Bに対して30%だけ増加させ、次に、パラメータ値Bを30%だけ減少させることによって、パラメータ値Aは復元されない。
【0081】
別の可能な設計では、先ず、同じパラメータ値を30%だけ増加させ、次に、それを30%だけ減少させることによって、同じパラメータ値を復元するために、変化率は、より小さい値へのパラメータ値の変化の前後の、より小さい値を差し引いたより大きい値の比として一様に定義されるか、或いは、変化率は、より大きい値へのパラメータ値の変化の前後の、より小さい値を差し引いたより大きい値の比として一様に定義されるか、或いは、変化率は、固定値へのパラメータ値の変化の前後の、より小さい値を差し引いたより大きい値の比として一様に定義される。より大きい値は、変化の前後でパラメータ値においてより大きい絶対値を持つものであり、より小さい値は、変化の前後でパラメータ値においてより小さい絶対値を持つものであり、固定値は、不変のままにある所定の値である。従って、パラメータ値Aが、先ず30%だけ増加し、次に、30%だけ減少するとき、元のパラメータ値Aは、復元される。
【0082】
一実施形態では、以下の通信プロトコルが提供される。
【0083】
QoSプロファイル
【0084】
QoSフローがGBRフローであるか或いは非GBRフローであるかは、そのQoSプロファイルによって決定される。QoSフローのQoSプロファイルは、以下のQoSパラメータを含む(R)ANに送信される(QoSパラメータの詳細情報は、通信プロトコルTS23.501のセクション5.7.2において定義される)。
【0085】
- 各QoSフローについて、QoSプロファイルは、以下のQoSパラメータを含む必要がある。
【0086】
- 5QI、および
【0087】
- ARP。
【0088】
- 各非GBR QoSフローのみについて、QoSプロファイルは、以下のQoSパラメータを更に含むことがある。
【0089】
- QCQNC、および
【0090】
- RQA。
【0091】
- 各GBR QoSフローのみについて、QoSプロファイルは、以下のQoSパラメータを更に含むことがある。
【0092】
- 保証フロービットレート(GFBR)-アップリンクおよびダウンリンク、および
【0093】
- 最大フロービットレート(MFBR)-アップリンクおよびダウンリンク。
【0094】
- GBR QoSフローのみについて、QoSプロファイルは、1つ以上のQoSパラメータを更に含むことがある。
【0095】
- 通知制御、および
【0096】
- 最大パケット損失レートアップリンクとダウンリンク。
【0097】
一実施形態では、QoS高速変化通知制御プロファイルが提供される。
【0098】
QoS高速変化通知制御プロファイルは、高速変化通知制御を可能にする非GBR QoSフローのために提供される。対応するPCCルールが(通信プロトコルTS23.503に記載される)関連情報を含むならば、SMFは、QoSプロファイルに加えて、NG-RANのための高速変化通知制御プロファイルも提供する必要がある。SMFがNG-RANのための高速変化通知制御プロファイルを提供するならば(対応するポリシーおよび充電制御(PCC:policy and charging control)ルールの情報が変化するならば)、NG-RANは、以前に格納されたプロファイルをそれに置き換えることがある。
【0099】
高速変化通知制御プロファイルは、任意のQoSパラメータ、すなわち、PDB、PER、検出される現在のビットレート(CBR)の高速変化を示し、それは、アプリケーションプログラムが、変更されたQoSパラメータに従ってトラフィックを制御するのを助ける。高速変化通知制御プロファイルは、短期間内の(PDB、PER、CBR)の高速変化(増加または減少)(20%、10%、30%)を示し、変化後の新しい値は、継続的に保持されることがある。すなわち、高速変化は、急激な衝撃干渉などに起因する短く急激なスパイクではない。
【0100】
高速変化通知制御プロファイルは、PDB、PER、およびCBRの任意の変化の組み合わせであってよいことに留意のこと。例えば、高速変化通知制御プロファイルは、PDBの増加(または減少)を20%に設定してよく、或いは、PDBおよびPERの増加(または減少)を20%に設定し、CBRの増加(または減少)を10%に設定してよく、或いは、CBRの増加(または減少)を30%に設定してよい。
【0101】
NG-RANが、QCQNCプロファイルを満足する高速変化通知をSMFに送信するならば、NG-RANは、現在のQoSパラメータ(PDB、PER)およびCBRを通知メッセージに含める必要もある。
【0102】
非GBRベアラフローのQNCメカニズムは、少なくとも以下のプロセスを含む。
【0103】
1:(AFのための)QNCの通知プロセス、
【0104】
2:QNCの構成プロセス、および
【0105】
3:QNCの最適化プロセス。
【0106】
上記プロセスは、以下に別途説明される。
【0107】
1.(AFのための)QNCの通知プロセス
【0108】
図3は、本出願の例示的な実施形態によるQoS変化通知方法のフローチャートである。本実施形態は、本方法が
図1または
図2に示す移動通信システムに適用される例を使用して説明される。本方法は、以下のステップを含む。
【0109】
ステップ320:アクセスネットワークデバイスは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータにおける変化が報告条件を満たす場合に、コアエンティティを通じてアプリケーションエンティティに通知メッセージを送信する。
【0110】
非GBRベアラフローとは、非GBRタイプのベアフローを指す。非GBRベアラフローは、非GBR QoSフロー、または非GBR EPSベアラを含む。例示的に、5Gシステムにおける非GBRベアラフローは、非GBRタイプのQoSフローである一方で、4Gシステムにおける非GBRベアラフローは、非GBRタイプのEPSベアラである。
【0111】
例示的に、QNC(またはQCQNC)のパラメータは、PDB、PER、およびCBRのうちの少なくとも1つを含む。QNCの少なくとも2つのパラメータがあるとき、少なくとも2つのパラメータは、同じ報告条件に対応し、且つ/或いは、少なくとも2つのパラメータは、異なる報告条件に対応する。
【0112】
例示的に、報告条件(または変化閾値または変化報告閾値)は、以下のうちの少なくとも1つを含む。
【0113】
第1の時間内のQNCのパラメータの変化値は、第1の閾値よりも大きい。
【0114】
ここで、第1の閾値は、0よりも大きく1よりも少ない分数であり、例えば、第1の閾値は、20%、30%および40%であり、第1の時間は、1秒および2秒のような変化値を計算するための期間または時間である。
【0115】
第2の時間内のQNCのパラメータの変化率は、第2の閾値よりも大きい。
【0116】
ここで、第2の閾値は、0よりも大きく1よりも少ない分数であり、例えば、第2の閾値は、20%、30%または40%であり、第2の時間は、1秒および2秒のような変化率を計算するための期間または時間である。
【0117】
第1の時間内のQNCのパラメータの変化値は、第1の閾値よりも大きく、第3の閾値のために継続的に保持される。
【0118】
ここで、第3の閾値は、2秒のような変化値の保持時間を測定する閾値である。
【0119】
第2の時間内のQNCのパラメータの変化率は、第2の閾値よりも大きく、第4の閾値のために継続的に保持される。
【0120】
ここで、第4の閾値は、2秒のような変化率の保持時間を測定するための閾値である。
【0121】
例示的に、通知メッセージは、QNCの変更されたパラメータ値、すなわち、QNCのパラメータの高速変化後のQNCのパラメータの現在のパラメータ値を更に含む。「現在(current)」は、絶対的ではなく相対的である。例えば、現在のパラメータ値は、報告条件がトリガされるときのパラメータ値であり、通知メッセージが送信された後のリアルタイムのパラメータ値と必ずしも等しくない。
【0122】
例示的に、QNCの変更されたパラメータ値は、QNCの変更されたパラメータ値の量子化された値によって表われることがある。例えば、QNCの値範囲は、16のオーバーラップしない部分間隔(subintervals)に分割される。16の部分間隔の各々は、4ビットで表される一意の量子化値に対応する。i番目の部分間隔に属するとき、QNCの変更されたパラメータ値は、4ビットのみを必要とするi番目の部分間隔に対応する量子化された値によって表される。従って、通知メッセージが必要とする伝送リソースは削減されることがある。
【0123】
ステップ340:アプリケーションエンティティは、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御する。
【0124】
通知メッセージ(または、高速変化通知、高速変化報告、通知報告)は、非GBRベアラフローのQoS通知制御(QNC)のパラメータにおける変化が報告条件を満たすことを示すために使用される。
【0125】
アプリケーションエンティティは、通知メッセージに従って、アプリケーションプログラムの実行パラメータ(running parameter)、実行ポリシー(running policy)およびトラフィックのうちの少なくとも1つを制御して、アプリケーションプログラムを非GBRベアラフローの関連パラメータにおける高速変化に適合させる。
【0126】
アプリケーションエンティティは、1つ以上のアプリケーションプログラムを実行し、同じアプリケーションプログラムは、少なくとも1つのサービスデータフロー(SDF)に対応する。異なるQoS要求を持つSDFは、それぞれ、独立したQoSフローにマッピングされる。例えば、第1のQoS要件を持つSDFは、第1のQoSフローにマッピングされ、第2のQoS要件を持つSDFは、第2のQoSフローにマッピングされる。任意に、同じQoS要件を持つSDFは、同じQoSフローにマッピングされてよい。
【0127】
本出願のこの実施形態では、アプリケーションプログラムに対応する1つ以上のQoSフローが、音声、ビデオ、テキスト、メッセージ、ファイル、制御情報などのうちの少なくとも1つのサービスのデータパケットを送信するための非GBR QoSフローを含むことが想定される。
【0128】
要約すると、この実施形態で提供される方法によれば、非GBRベアラフローのQNCのパラメータの増大/減少が報告条件を満たすとき、コアエンティティは、アプリケーションエンティティに通知メッセージを送信し、通知メッセージの受信後、アプリケーションエンティティは、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御する。このようにして、QNCメカニズムは、アプリケーションエンティティが、非GBRベアラフローの無線ネットワーク状態における変化を認識し、次に、変化に適応するようにアプリケーションプログラムの実行を能動的に制御することがあるように、非GBRベアラフローのために提供される。例えば、アプリケーションプログラムの計算(コンピューティング)ポリシーおよびトラフィックポリシーは、QNCのパラメータが劣化されるか或いは回復されるときに、アプリケーションエンティティが、このパラメータ変化の下でネットワーク伝送に適応させるようにアプリケーションプログラムを調整することがあるように、制御される。
【0129】
アクセスネットワークデバイスによって実行されるステップは、アクセスネットワークデバイス側の実施形態として別個に実装されることがある。アプリケーションエンティティによって実行されるステップは、アプリケーションエンティティ側の実施形態として別個に実装されることがある。本出願において、詳細は省略される。
【0130】
図4は、本出願の別の例示的な実施形態によるQoS変化通知方法のフローチャートである。この実施形態は、本方法が
図1または
図2に示す移動通信システムに適用される例を使用して説明される。方法は、以下のステップを含む。
【0131】
ステップ322:非GBRベアラフローのQNCパラメータにおける変化が報告条件を満たす場合、アクセスネットワークデバイスが、通知メッセージをコアエンティティに送信する。
【0132】
コアエンティティは、アクセスネットワークデバイスによって送信される通知メッセージを受信する。通知メッセージは、非GBRベアラフローのQoS通知制御(QNC:QoS notification control)のパラメータにおける変化が報告条件を満たすことを示すために使用される。
【0133】
例示的に、通知メッセージは、QNCの変更されたパラメータ値、すなわち、QNCのパラメータにおける高速変化後のQNCのパラメータの現在のパラメータ値を更に含む。「現在」とは、絶対的ではなく相対的である。例えば、現在のパラメータ値は、報告条件がトリガされるときのパラメータ値であり、通知メッセージが送信された後のリアルタイムのパラメータ値に必ずしも等しくない。
【0134】
例示的に、QNCの変更されたパラメータ値は、QNCの変更されたパラメータ値の量子化された値によって表されることがある。例えば、QNCの値範囲は、16の重複しない部分間隔に分割される。16の部分間隔の各々は、4ビットで表される一意の量子化された値に対応する。i番目の部分間隔に属するとき、QNCの変更されたパラメータ値は、4ビットのみを必要とするi番目の部分間隔に対応する量子化された値によって表される。従って、通知メッセージが必要とする伝送リソースは削減されることがある。
【0135】
ステップ324:コアエンティティは、通知メッセージをアプリケーションエンティティに送信する。
【0136】
1つ以上のコアエンティティがある。通知メッセージが、RANとAFとの間に位置する複数のコアエンティティを含むとき、複数のコアエンティティは、通知メッセージを順次式に送信する。異なるコアエンティティは、異なるタイプのメッセージに通知メッセージを含むことがある。例えば、コアエンティティは、モビリティ管理エンティティ(MME:mobility management entity)、サービスゲートウェイ(SGW:service gateway)、PDNゲートウェイ(PGW:PDN gateway)、およびPCFを含む。そのような場合、少なくとも通知メッセージの送信経路は、RAN→MME→SGW/PGW→PCF→AFを含む。別の例として、コアエンティティは、第1のコアエンティティAMF、第2のコアエンティティSMF、および第3のコアエンティティPCFを含む。そのような場合、少なくとも通知メッセージの送信経路は、RAN→AMF→SMF→PCF→AFを含む。
【0137】
例示的に、コアエンティティは、通知メッセージを含むイベント報告をアプリケーションエンティティに送信する。
【0138】
ステップ342:アプリケーションエンティティは、コアエンティティによって送信される通知メッセージを受信する。
【0139】
例示的に、アプリケーションエンティティは、コアエンティティによって送信されるイベント報告を受信する。
【0140】
ステップ344:アプリケーションエンティティは、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御する。
【0141】
アプリケーションエンティティは、ユーザのQoEを最大限に保証し、遅れおよび他の現象を避けるために、アプリケーションプログラムを非GBRベアラフローの関連パラメータにおける高速変化に適応させるように、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムの計算ポリシーおよびトラフィックポリシーのうちの少なくとも1つを制御する。
【0142】
オンライン会議のサーバ側でのアプリケーションプログラムを例にとると、アプリケーションプログラムは、4つのSDF、すなわち、音声SDF、ビデオSDF、テキストメッセージSDF、およびコントロールプレーンSDFに対応する。4つのSDFは、4つの非GBR QoSフローに対応する。QNCメカニズムは、4つの非GBR QoSフローの各々について有効にされる。
【0143】
第1の可能な実装
【0144】
アプリケーションプログラムは、QNCのパラメータ値の劣化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第1の計算ポリシーに従って実行されるように制御される。
【0145】
アプリケーションプログラムは、QNCのパラメータ値の最適化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第2の計算ポリシーに従って実行されるように制御される。
【0146】
第1の計算ポリシーの下での同じ計算タスクの計算時間は、第2の計算ポリシーの下での同じ計算タスクの計算時間よりも少ない。
【0147】
計算ポリシーは、アプリケーションプログラムの計算(computation)を実行することに関するポリシーである。計算ポリシーは、エンコーディング(符号化)およびデコーディング(復号化)モード選択ポリシー、エンコーディングおよびデコーディングモデル選択ポリシー、エンコーディングおよびデコーディングレベル選択ポリシー、圧縮レベル選択ポリシー、およびニューラルネットワークモデル選択ポリシーのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
【0148】
エンコーディングおよびデコーディングモード選択ポリシーである計算ポリシーを例にとると、アプリケーションプログラムは、QNCのパラメータ値の劣化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第1のエンコーディングおよびデコーディングモードにおいてエンコーディングおよびデコーディングを実行するように制御され、アプリケーションプログラムは、QNCのパラメータ値の最適化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第2のエンコーディングおよびデコーディングモードにおいてエンコーディングおよびデコーディングを実行するように制御される。本明細書において、「エンコーディング(encoding)およびデコーディング(decoding)」とは、エンコーディングおよびデコーディングのうちの少なくとも1つを指す。
【0149】
第1のエンコーディングおよびデコーディングモードの下での同じ計算タスクの計算時間は、第2のエンコーディングおよびデコーディングモードの下での同じ計算タスクの計算時間よりも短い。
【0150】
例えば、PDBが増加すると、ネットワーク遅延は増加するが、アプリケーションプログラムは、全体的な伝送遅延が変わらないままであるか或いは少し変化することを依然として保証するために、内部計算時間を削減することによってネットワーク遅延の劣化を補償することがある。例えば、ビデオに対応する非GBR QoSフローのPDBが劣化するならば、ビデオのエンコーディングレートは、ビデオデータパケットの数および/またはサイズを減少させるように減少される。
【0151】
第2の可能な実装
【0152】
アプリケーションプログラムは、QNCのパラメータ値の劣化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第1のトラフィックポリシーに従って実行されるように制御される。
【0153】
アプリケーションプログラムは、QNCのパラメータ値の最適化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第2のトラフィックポリシーに従って実行されるように制御される。
【0154】
第1のトラフィックポリシーのトラフィックは、第2のトラフィックポリシーのトラフィックよりも少ない。
【0155】
例示的に、アプリケーションプログラムのトラフィックは、音声データパケットおよびビデオデータパケットを含む。
【0156】
QNCのパラメータ値の劣化を示すために使用される通知メッセージに応答して、音声データパケットに対応する第1のトラフィックが保持され、ビデオデータパケットに対応する第2のトラフィックが減少される。QNCのパラメータ値の最適化を示すために使用される通知メッセージに応答して、音声データパケットに対応する第1のトラフィックが保持され、ビデオデータパケットに対応する第2のトラフィックは増加される。
【0157】
例えば、PDBが増加するとき、ビデオに対応する第1の非GBR QoSフローのトラフィックは減少され、音声に対応する第2の非GBR QoSフローのトラフィックは保持される。従って、全体的な無線リソース占有は、音声データパケットの伝送品質を改良し且つ干渉を削減するために減少される。
【0158】
これは、クラウドベースのアプリケーション(ビデオ会議、音声会議、遠隔学習)において、ビデオおよび音声の双方向の対話が通常必要とされるからである。ネットワーク伝送遅延には特定の要件がある(一般に、一方向伝送遅延は、150ms未満である)。しかしながら、特定の使用では、無線ネットワーク状態における変化は、無線ネットワークの伝送遅延を急激に悪化させて或いは、(5秒のような)時間期間内に伝送速度を急激に低下させて、オーディオおよびビデオの遅れ(lagging)を生じさせる。
【0159】
関連する研究は、ユーザがオーディオの遅れに非常には敏感であるが、(解像度の変化および明瞭性の変化のような)ビデオ品質の変化には然程敏感ではない(音声を保持したまま一時的にビデオをオフにすることは許容される)ことを示している。遅れは、オーディオについては頻繁に起こらない。何故ならば、その伝送データは、典型的には、小さいからである。しかしながら、オーディオが遅れているときには、ユーザ体験は、極めて不十分である。加えて、オーディオがCDの品質から非常に低い伝送レート(例えば、2G音声伝送品質)に低減されるとしても、ユーザは、遅れが生じない限り、極めて良い使用体験を依然として有する。
【0160】
要約すると、この実施形態の方法によれば、アプリケーションエンティティは、QNCの変更されたパラメータ値に従ってアプリケーションプログラムを調整するので、非GBRベアラフローの関連するパラメータが劣化するときに、または非GBRベアラフローの関連するパラメータが回復するときに、アプリケーションエンティティは、このパラメータ変化に適応するようにアプリケーションプログラムを内側で調整して、アプリケーションプログラムの動作を最適化することがある。
【0161】
この実施形態において提供される方法によれば、非GBRベアラフローの関連するパラメータが悪化したときに、アプリケーションプログラムの計算ポリシーは、アプリケーションプログラムの計算時間を減少させて、全体的な伝送遅延が変わらないままであるか或いは少し変化することを依然として保証することによって、ネットワーク遅延の悪化を補償するように、更に変更される。
【0162】
本実施形態で提供する実施形態によれば、非GBRベアラフローの関連パラメータが悪化するときには、アプリケーションプログラムのトラフィックポリシーが更に変更され、例えば、音声データパケットのトラフィックは保持される一方で、ビデオデータパケットのトラフィックが削減される。従って、ユーザ体験により影響を与えるオーディオの遅れは回避され、更に、オーディオおよびビデオプログラムを使用するときのユーザ体験は、可能な限り改良される。
【0163】
2.QNCの構成プロセス
【0164】
非GBRベアラフローの生成または修正プロセスにおいて、コアエンティティは、アクセスネットワークデバイスのためのQNCの構成プロセス(configuration process)を実行する。つまり、コアエンティティは、QNCプロファイルをアクセスネットワークデバイスに送信し、QNCプロファイルは、QNCのパラメータおよび報告条件(または、変化閾値、高速変化閾値、変化報告閾値、もしくは高速変化報告閾値)を構成するために使用される。
【0165】
図5は、本出願の例示的な実施形態によるQNCの構成方法のフローチャートである。本実施形態は、本方法が
図1または
図2に示す移動通信システムに適用される例を使用することによって説明される。本方法は、以下のステップを含む。
【0166】
ステップ420:第3のコアエンティティPCFが、QNCのパラメータおよび報告条件を第2のコアエンティティSMFに送信する。
【0167】
第3のコアエンティティは、コアにおけるポリシー管理に関与するエンティティである。
【0168】
第2のコアエンティティは、コアにおけるセッション管理に関与するエンティティである。
【0169】
例示的に、非GBRベアラフローの作成または修正プロセスにおいて、第3のコアエンティティPCFは、QNCのパラメータおよび報告条件を第2のコアエンティティSMFに送信する。
【0170】
例示的に、PDUセッション確立プロセスでは、(第1の)QoSフローが作成され、それはデフォルトQoSルールを持つQoSフローと称される。一般に、QoSフローは、非GBRタイプである。第3のコアエンティティは、第2のコアエンティティのためのQNCのパラメータおよび報告条件を提供することがある。
【0171】
例示的に、QNCのパラメータおよび報告条件は、それ自体で第3のコアエンティティPCFによって決定される。代替的に、QNCのパラメータおよび報告条件は、アプリケーションエンティティによって送信されるサービスフロー情報に基づいて、第3のコアエンティティPCFによって決定される。代替的に、QNCのパラメータおよび報告条件は、UEの加入データに基づいて、第3のコアエンティティPCFによって決定される。
【0172】
ステップ440:第2のコアのエンティティSMFは、第3のコアエンティティPCFによって送信されるPCCルールを受信する。
【0173】
ステップ460:第2のコアエンティティは、QNCプロファイルをアクセスネットワークデバイスに送信し、QNCプロファイルは、アクセスネットワークデバイスに対するQNCのパラメータおよび報告条件を構成するために使用される。
【0174】
要約すると、本実施形態に提供される方法によれば、第3のコアエンティティは、QNCのパラメータおよび報告条件を第2のコアエンティティに送信するので、第2のコアエンティティは、QNCの構成プロセスを完了するために、QNCのパラメータおよび非GBRベアラフローのための報告条件を構成するようにトリガされることがある。
【0175】
設計において、アプリケーションエンティティは、
図6に示すように、第3のコアエンティティのためのサービスフロー情報、QNCのパラメータを含むサービスフロー情報、およびアプリケーションエンティティによって必要とされる(或いは示唆される)報告条件を提供する。別の設計において、第3のコアエンティティは、
図7に示すように、QNCの加入データに基づいて、QNCのパラメータおよび報告条件を決定する。
【0176】
図6は、本出願の別の例示的な実施形態によるQNCの構成方法のフローチャートである。本実施形態は、本方法が
図1または
図2に示す移動通信システムに適用される例を使用することによって説明される。本方法は、以下のステップを含む。
【0177】
ステップ412:アプリケーションエンティティAFは、QNCの制御パラメータを第3のコアエンティティPCFに送信する。
【0178】
QNCの制御パラメータは、QNCを有効にするかどうか、QNCのパラメータ、および変化閾値のうちの少なくとも1つを含む。
【0179】
アプリケーションエンティティAFは、ポリシー認可作成/更新メッセージをコアエンティティに送信し、ポリシー認可作成/更新メッセージは、QNCの制御パラメータを含む。相応して、第3のコアエンティティPCFは、アプリケーションエンティティAFによって送信されるポリシー認可作成/更新メッセージを受信する。
【0180】
ステップ420:第3のコアエンティティPCFは、PCCルールを第2のコアエンティティSMFに送信し、PCCルールは、QNCの制御パラメータを含む。
【0181】
ステップ440:第2のコアエンティティSMFは、第3のコアのエンティティPCFによって送信されるPCCルールを受信する。
【0182】
ステップ460:第2のコアエンティティは、アクセスネットワークデバイスにQNCプロファイルを送信し、QNCプロファイルは、アクセスネットワークデバイスに対するQNCの制御パラメータを構成するために使用される。
【0183】
要約すると、本実施形態において提供される方法によれば、アプリケーションエンティティは、第3のコアエンティティのためのQNCの制御パラメータを提供するので、アプリケーションエンティティとコアエンティティとの間のアクティブな対話が実装されることがある。アプリケーションエンティティは、(5Gまたは4GのRANのような)無線アクセスネットワークデバイスを駆動して、非GBRベアラフローの高速変化を報告するので、無線アクセスネットワークデバイスは、そのネットワーク能力をアプリケーションエンティティに曝して、インターネットアプリケーションの革新のための新しい方法を提供する。
【0184】
図7は、本出願の別の例示的な実施形態によるQNCの構成方法のフローチャートである。本実施形態は、本方法が
図1または
図2に示す移動通信システムに適用される例を使用することによって説明される。本方法は、以下のステップを含む。
【0185】
ステップ414:第4のコアエンティティUDMは、QNCの加入データを第3のコアエンティティPCFに送信し、QNCの加入データは、QNCの制御パラメータを含む。
【0186】
デフォルト5QIが非GBRタイプであるならば、QNCの加入データが非GBRベアラフローのために追加される。第4のコアエンティティUDMは、QNCの加入データを第2のコアエンティティSMFに送信し、第2のコアエンティティSMFは、QNCの加入データを第3のコアエンティティPCFに送信する。
【0187】
ステップ420:第3のコアエンティティPCFは、デフォルトQoSルールを第2のコアエンティティSMFに送信し、デフォルトQoSルールは、QNCの制御パラメータを含む。
【0188】
ステップ440:第2のコアエンティティSMFは、第3のコアエンティティPCFによって送信されるデフォルトPCCルールを受信する。
【0189】
ステップ460:第2のコアエンティティは、QNCプロファイルをアクセスネットワークデバイスに送信し、QNCプロファイルは、アクセスネットワークデバイスに対するQNCの制御パラメータを構成するために使用される。
【0190】
要約すると、本実施形態において提供される方法によれば、第3のコアエンティティは、無線アクセスネットワークデバイスが、QNCの制御パラメータを提供するAFが存在しないときに、非GBRベアラフローの高速変化をUEに報告するために、UEの加入データに基づいて駆動されるように、UEの加入データに基づいて、QNCの制御パラメータを決定する。
【0191】
3.QNCの最適化プロセス
【0192】
第3のコアエンティティPCFまたはアプリケーションエンティティAFがQNCの通知メッセージをあまりにも頻繁に検出するとき、大量の信号伝達がシステムにもたらされる。そのような場合、第3のコアエンティティPCFまたはアプリケーションエンティティAFは、変化閾値を増加させることのように、QNCの報告条件を修正する必要がある。
【0193】
図8は、本出願の例示的な実施形態によるQNCの最適化方法のフローチャートである。本実施形態は、本方法が
図1または
図2に示す移動通信システムに適用される例を使用して説明される。本方法は、以下のステップを含む。
【0194】
ステップ520:第3のコアエンティティPCFは、通知メッセージの報告頻度(reporting frequency)が頻度閾値(frequency threshold)よりも大きいかまたは小さい場合に、QNCの更新された制御パラメータを第2のコアエンティティSMFに送信する。
【0195】
QNCの更新された制御パラメータは、QNCを有効にするかどうか、QNCの更新されたパラメータ、および更新された変化閾値のうちの少なくとも1つを含む。すなわち、QNCの更新された制御パラメータは、QNCを有効にすること、QNCのパラメータ、および変化閾値のうちの少なくとも1つを更新することがある。
【0196】
例えば、第3のコアエンティティPCFは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい場合に、QNCを無効にする指示を第2のコアエンティティSMFに送信する。別の例について、第3のコアエンティティPCFは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい場合に、QNCの低減されたパラメータを第2のコアエンティティSMFに送信する。別の例について、第3のコアエンティティPCFは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい場合に、増加された変化閾値を第2のコアエンティティSMFに送信する。
【0197】
ステップ540:第2のコアエンティティSMFは、QNCプロファイルをアクセスネットワークデバイスに送信し、QNCプロファイルは、QNCの更新された制御パラメータを含む。
【0198】
要約すると、本実施形態において提供される方法によれば、QNCの更新された制御パラメータは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きいかまたは小さい場合に、第2のコアエンティティSMFおよびアクセスネットワークデバイスに送信される。従って、システムは、比較的高い信号伝達オーバヘッドから予防されることがあり、或いは、QNCメカニズムは合理的に使用される。
【0199】
図9は、本出願の別の例示的な実施形態によるQNCの最適化方法のフローチャートである。本実施形態は、本方法が
図1または
図2に示す移動通信システムに適用される例を使用することによって説明される。本方法は、以下のステップを含む。
【0200】
ステップ510:アプリケーションエンティティは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きいかまたは小さい場合に、QNCの更新された制御パラメータを第3のコアエンティティPCFに送信する。
【0201】
QNCの更新された制御パラメータは、QNCを有効にするかどうか、QNCの更新されたパラメータ、および更新された変化閾値のうちの少なくとも1つを含む。すなわち、QNCの更新された制御パラメータは、QNCを有効にすること、QNCのパラメータ、および変化閾値のうちの少なくとも1つを更新することがある。
【0202】
例えば、AFは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい場合に、QNCを無効にする指示を第3のコアエンティティPCFに送信する。別の例について、AFは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい場合に、QNCの低減されたパラメータを第3のコアエンティティPCFに送信する。別の例について、AFは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きい場合に、増加した変化閾値を第3のコアエンティティPCFに送信する。
【0203】
ステップ520:第3のコアエンティティPCFは、QNCの更新された制御パラメータを第2のコアエンティティSMFに送信する。
【0204】
ステップ540:第2のコアエンティティSMFは、QNCプロファイルをアクセスネットワークデバイスに送信し、QNCプロファイルは、QNCの更新された制御パラメータを含む。
【0205】
要約すると、本実施形態において提供される方法によれば、AFは、通知メッセージの報告頻度が頻度閾値よりも大きいかまたは小さい場合に、PCFをトリガして、QNCの更新された制御パラメータを第2のコアエンティティSMFおよびアクセスネットワークデバイスに送信する。従って、システムは、比較的高い信号伝達オーバヘッドから予防されることがあり、或いは、QNCメカニズムは、合理的に使用される。
【0206】
上記プロセスは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)通信プロトコル(TS23.502)に関連して以下により詳細に説明される。以下の図面におけるネットワーク要素の名前、ステップフロー、およびステップに関する詳細は、TS23.502中の関連記録(https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.502)が参照されてよい。スペースによって制限されて、この文書は、本出願の実施形態とTS23.502プロトコルとの間の相違を強調する。
【0207】
1.QNCの通知プロセス
【0208】
UEが位置するネットワークが変化するときに、すなわち、基地局が無線リソースにおける(より良くなる或いはより不十分になる)高速変化を検出するときに、この変化がQNCによって定義される変化閾値に達するならば、RANは、QNCの通知プロセスをトリガし、AFに通知メッセージを送信する。任意で、通知メッセージは、QNCの変更されたパラメータのパラメータ値(現在のパラメータ値)を含む。基地局は、先ず、SMFに通知メッセージを送信し、次に、SMFは、PCFに通知メッセージを送信し、次に、PCFは、AFに通知メッセージを送信する。
【0209】
非ローミングおよびローカルブレイクアウトローミングシナリオ
【0210】
図10は、本出願の例示的な実施形態によるUEまたはネットワークによって要求される(非ローミング(non-roaming)およびローカルブレイクアウトローミング(local breakout roaming)のための)PDUセッション修正プロセスの概略図である。
【0211】
ステップ1eにおいて、RANは、N2メッセージ(PDUセッションID、SM情報)をAMFに送信し、AMFは、Namf_PDUSsion_UpdateSMContextメッセージをSMFに送信する。
【0212】
2つのメッセージは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータが報告条件を満たすときに、通知メッセージを含む。任意で、通知メッセージは、QNCの変更されたパラメータ値を更に含む。
【0213】
ステップ2において、SMFは、セッション管理(SM:session management)ポリシー関連付け修正プロセス(policy association modification process)を開始し、PCFおよびAFに通知メッセージを送信する。
【0214】
ステップ5において、SMFは、QNCの変更されたパラメータ値をUEに送信するために、PDUセッション修正コマンドをUEに送信する。
【0215】
例示的に、SMが通知メッセージを受信した後のある時間期間の後に、SMFがPCFから如何なる新しいPCCルールも受信しないか或いは受信したPCCルール内のQNCに対応するSDFのPCCルール内のQoSについての修正がないならば、SMFは、UEに対するPDUセッション修正コマンドを開始して、現在のQNCに対応するQFIのQNCの現在のパラメータ値(PDB、PER、CBR)をUEに通知する。
【0216】
ステップ9において、UEは、PDUセッション修正確認で応答する。
【0217】
PDUセッション修正コマンドおよびPDUセッション修正確認は、RANを通じてUEとSMFの間で透過的に送信される。
【0218】
ステップ2において示されるSMポリシー関連付け修正プロセスは、
図11によって定義される。
【0219】
図11に示すように、ステップ1において、SMFは、Npcf_SMPolicyControl_Update要求をPCFに送信し、要求は、通知メッセージを含む。
【0220】
ステップ2において、PCFは、イベント報告Npcf_PolicyAuthorizationNotifyをAFに送信し、イベント報告は、通知メッセージを含む。
【0221】
2.QNCの構成プロセス
【0222】
2.1 非ローミングおよびローカルブレイクアウトローミングのためのPDUセッション確立シナリオ
【0223】
図12は、本出願の例示的な実施形態によるUEによって要求されるPDUセッション確立プロセスの概略図である。
【0224】
ステップ7bおよび9において、SMFは、新しいSMポリシー関連付け確立要求メッセージをPCFに送信し、PCFは、SMポリシー関連付け確立応答メッセージをSMFに送信し、メッセージは、QNCの制御パラメータを含む。代替的に、SMFは、SMポリシー関連付け修正要求メッセージをPCFに送信し、PCFは、SMポリシー関連付け修正応答メッセージをSMFに送信し、メッセージは、QNCの制御パラメータを含む。
【0225】
PDUセッション確立プロセスでは、(一般に第1の)QoSフローが作成され、それはデフォルトQoSルールを持つQoSフローと称される(4Gにおけるデフォルトベアラのように5GにおけるデフォルトQoSフローとは最早称されない)。
【0226】
一般に、デフォルトQoSルールを持つこのQoSフローは、非GBRタイプであり、その場合、PCFは、PCCルールにおいてQNCの制御パラメータを含むことがある。そのような場合、
図12のステップ7bまたは9において、PCFによって提供されるデフォルトQoSルールにおける5QIが非GBRタイプであるならば、PCFは、QCQNCの制御パラメータをSMFに提供することがある。
【0227】
ステップ11および12において、SMFは、Namf_Communication_N1N2情報変換メッセージをAMFに送信し、メッセージは、PCFによって提供されるQCQNCの制御パラメータに従ったQNCプロファイルを含む。
【0228】
任意で、UEの加入データは、デフォルト5QIと、デフォルトARPとを含む。デフォルト5QIが非GBRタイプであるならば、QNCの加入データが追加される。
【0229】
ステップ4、7bおよび9において、UDMは、QNCの加入データを含むメッセージをSMFに提供し、次に、SMFは、QNCの加入データをPCFに提供し、次に、PCFは、QNCの制御パラメータを含むデフォルトQoSルールを提供する。
【0230】
PDUセッション確立プロセスは、N3GPPから3GPPへのPDUセッションハンドオーバのために使用されてよい。PCFがステップ7bまたは9において任意の非GBR QoSフローについてQNCの制御パラメータを提供するならば、QNCの制御パラメータは、前述と同様に、ステップ11および12において追加される。
【0231】
処理されている複数の非GBR QoSフローがあることがある。
【0232】
ステップ12におけるN2メッセージ中のSM関連パラメータは、ステップ11に含まれるので、QNCの制御パラメータは、ステップ11に含まれる。
【0233】
2.2 ホーム経路指定ローミングシナリオ
【0234】
図13は、本実施形態の例示的な実施形態によるホーム経路指定ローミングシナリオ(home-routed roaming scenario)においてUEによって要求されるPDUセッション確立プロセスのフローチャートである。
【0235】
PDUセッション確立プロセスでは、(一般に第1の)QoSフローが作成され、それはデフォルトQoSルールを持つQoSフローと称される(4Gにおけるデフォルトベアラのように5GにおけるデフォルトQoSフローとは最早称されない)。
【0236】
一般に、デフォルトQoSルールを持つこのQoSフローは、非GBRタイプであり、その場合、PCFは、PCCルールにおけるQNCの制御パラメータを含むことがある。そのような場合、
図13のステップ9bまたは11におけるメッセージにおいてPCFによって提供されるデフォルトQoSルールにおける5QIが非GBRタイプであるならば、PCFは、QNCの制御パラメータを提供することがある。次に、QNCプロファイルが、ステップ13、14および15において、メッセージに追加される。
【0237】
任意で、UEの加入データは、デフォルトの5QIと、デフォルトのARPとを含む。デフォルト5QIが非GBRタイプであるならば、QNCの加入データが追加される。
【0238】
ステップ7、9bおよび11において、UDMは、QNCの加入データをSMFに提供し、SMFは、QNCの加入データをPCFに提供し、次に、PCFは、QNCの制御パラメータを含むデフォルトQoSルールを提供する。
【0239】
2.3 非ローミングおよびローカルブレイクアウトローミングシナリオのためにAFによってトリガされるQoSフロー作成プロセス
【0240】
図14は、本出願の例示的な実施形態による単一のUEアドレスについてのAFの要求に応答して関連PCFに転送するプロセスの概略図である。
図15は、本出願の例示的な実施形態による非ローミングおよびローカルブレイクアウトローミングのためにUEまたはネットワークによって要求されるPDUセッション修正プロセスの概略図である。
【0241】
図14のステップ4において、AFは、Npcf_PolicyAuthorization_Create/UpdateメッセージをPCFに送信し、QNCの制御パラメータが、メッセージ内の(1つ以上の)メディアコンポーネントの情報に追加される。上述のように、メディアコンポーネントがQNCの制御パラメータを含むならば、メディアコンポーネントは、NGBFで送信されるように要求される。メディアコンポーネントがQCQNCの如何なるパラメータも含まないならば、それはメディアコンポーネントがNGBFまたはGBR QoSフロー(GBF)で送信される場合があることを示す。
【0242】
図15のステップ1bにおいて、PCFは、Npcf_SMPolicyControlUpdateNotify要求メッセージを送信する。要求メッセージには、QNCの制御パラメータが、(1つ以上の)サービスデータフロー/フロー(SDF/SDF)についてのPCCルールに追加される(1つのSDFがAFによって提供される1つのメディアフローに対応する)。
【0243】
従って、
図15のステップ3bおよび4におけるメッセージは、QNCの制御パラメータを含む。
【0244】
2.4 ホーム経路指定ローミングシナリオのためにAFによってトリガされるQoSフロー作成プロセス
【0245】
図16は、本出願の例示的な実施形態によるホーム経路指定ローミングのためにUEまたはネットワークによって要求されるPDUセッション修正プロセスの概略図である。
【0246】
図16のステップ1b、3、4bおよび5において、1つ以上のQNC(すなわち、各々の可能なサービスフロー、SDF、およびQoSフロー)の制御パラメータが追加される。
【0247】
図16のステップ3は、
図15に記載されるシナリオに対する新しいステップである。すなわち、QNCの制御パラメータがl1つ以上のQoSフローのQoSパラメータに追加される。
【0248】
本出願に開示される技術は、4Gシステムに適用されることもある。4Gシステムに適用されるときには、NR-gNBが、eNBと置き換えられる。PCFとAFとの間の対話(相互作用)には変更がない。SMFとPCFとの間の対話は、PGWとPCFとの間の対話として修正される。5GにおけるQoSフローが、4GにおけるEPSベアラと置き換えられる。5Gにおける5QIが、4GにおけるQCIと置き換えられる。5GにおけるRANとAMF/SMFとの間の対話は、4GにおけるRANとMMEとの間の対話と置き換えられる。
【0249】
図17は、本出願の例示的な実施形態によるアプリケーションプログラム制御装置のブロック図である。装置は、以下を含む。
【0250】
アプリケーションエンティティによって、コアエンティティによって送信される通知メッセージを受信するように構成される受信モジュール1720であって、通知メッセージは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータ値における変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信モジュール。
【0251】
通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムを制御するように構成される制御モジュール1740。
【0252】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、制御モジュール1740は、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムの計算ポリシーを制御するように構成され、且つ/或いは、制御モジュール1740は、通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムのトラフィックポリシーを制御するように構成される。
【0253】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、制御モジュール1740は、QNCのパラメータ値の劣化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第1の計算ポリシーに従って実行されるべきアプリケーションプログラムを制御し、QNCのパラメータ値の最適化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第2の計算ポリシーに従って実行されるべきアプリケーションプログラムを制御する、ように構成される。
【0254】
第1の計算ポリシーの下での同じ計算タスクの計算時間は、第2の計算ポリシーの下での同じ計算タスクの計算時間よりも少ない。
【0255】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、制御モジュール1740は、QNCのパラメータ値の劣化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第1のエンコーディングおよびデコーディングモードにおいてエンコーディングおよびデコーディングを実行するアプリケーションプログラムを制御し、QNCのパラメータ値の最適化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第2のエンコーディングおよびデコーディングモードにおいてエンコーディングおよびデコーディングを実行するアプリケーションプログラムを制御する、ように構成される。
【0256】
第1のエンコーディングおよびデコーディングモードの下での同じ計算タスクの計算時間は、第2のエンコーディングおよびデコーディングモードの下での同じ計算タスクの計算時間よりも少ない。
【0257】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、制御モジュール1740は、QNCのパラメータ値の劣化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第1のトラフィックポリシーに従って実行されるべきアプリケーションプログラムを制御し、QNCのパラメータ値の最適化を示すために使用される通知メッセージに応答して、第2のトラフィックポリシーに従って実行されるべきアプリケーションプログラムを制御する、ように構成される。
【0258】
第1のトラフィックポリシーのトラフィックは、第2のトラフィックポリシーのトラフィックよりも少ない。
【0259】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、アプリケーションプログラムのトラフィックは、音声データパケットと、ビデオデータパケットとを含む。
【0260】
制御モジュール1740は、QNCのパラメータ値の劣化を示すために使用される通知メッセージに応答して、音声データパケットに対応する第1のトラフィックを保持し、ビデオデータパケットに対応する第2のトラフィックを低減し、QNCのパラメータ値の最適化を示すために使用される通知メッセージに応答して、音声データパケットに対応する第1のトラフィックを保持し、ビデオデータパケットに対応する第2のトラフィックを増加する、ように構成される。
【0261】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、通知メッセージは、非GBRベアラフローのQNCのパラメータの変化が報告条件を満たすことを検出することに応答して、アクセスネットワークデバイスエンティティによってコアエンティティに送信される。
【0262】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、通知メッセージは、以下を含む。
【0263】
QNCの変更されたパラメータ値、またはQNCの変更されたパラメータ値の量子化された値。
【0264】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、装置は、以下を更に含む。
【0265】
QNCの制御パラメータをコアエンティティに送信するように構成される送信モジュール1760であって、QNCの制御パラメータは、QNCのパラメータおよび報告条件を示すために使用される。
【0266】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、送信モジュール1760は、ポリシー認可作成/更新メッセージをコアエンティティに送信するように構成され、ポリシー認可作成/更新メッセージは、QNCの制御パラメータを含む。
【0267】
本出願のこの実施態様の可能な設計において、本方法は、以下を更に含む。
【0268】
アプリケーションエンティティは、通知メッセージの報告頻度(reporting frequency)が頻度閾値(frequency threshold)よりも大きいかまたは小さい場合に、QNCの変更された制御パラメータをコアエンティティに送信する。
【0269】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、QNCのパラメータ値は、以下の少なくとも1つを含む。
【0270】
PDB、PER、およびCBR。
【0271】
本出願のこの実施形態の可能な設計では、QNCの少なくとも2つのパラメータ値がある。
【0272】
少なくとも2つのパラメータ値は、同じ報告条件に対応し、且つ/或いは、少なくとも2つのタイプのパラメータ値は、異なる報告条件に対応する。
【0273】
本出願のこの実施態様の可能な設計において、報告条件は、以下の少なくとも1つを含む。
【0274】
第1の時間内のQNCのパラメータ値の変化値が、第1の閾値よりも大きい。
【0275】
第2の時間内のQNCのパラメータ値の変化率が、第2の閾値よりも大きい。
【0276】
第1の時間内のQNCのパラメータ値の変化値が、第1の閾値よりも大きく、第3の閾値について連続的に保持される。
【0277】
第2の時間内のQNCのパラメータ値の変化率が、第2の閾値よりも大きく、第4の閾値について連続的に保持される。
【0278】
第3の閾値および第4の閾値は、保持時間を測定するための閾値であり、第3の閾値は、変化値の保持時間を測定するための閾値であり、第4の閾値は、変化率の残り時間を測定するための閾値である。
【0279】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、非GBRベアリングフローは、以下を含む。
【0280】
非GBRサービス品質(QoS:quality of service)フロー、または非GBR進化パケットシステム(EPS:evolved packet system)ベアラ。
【0281】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、QNCは、アップリンクで定義される、或いは、QNCは、ダウンリンクで定義される、或いは、QNCは、アップリンクおよびダウンリンクで定義される。
【0282】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、非GBRベアラフローは、ターゲットサービスフローに対して1対1で対応し、ターゲットサービスフローは、QNCを有効にし、QNCのパラメータ値を含む、サービスフローである。
【0283】
図18は、本出願の実施例によるアプリケーションプログラム制御装置のブロック図である。装置は、以下を含む。
【0284】
アクセスネットワークデバイスによって送信される通知メッセージを、コアエンティティによって受信するように構成される。受信モジュール1820であって、通知メッセージは、非保証ビットレート(GBR:non-guaranteed bit rate)フローのサービス品質通知制御(QNC:quality of service notification control)のパラメータにおける変化が報告条件を満たすことを示すために使用される、受信モジュール1820。
【0285】
アプリケーションエンティティが通知メッセージに従ってアプリケーションプログラムのトラフィックを制御するように、通知メッセージをアプリケーションエンティティに送信するように構成される、送信モジュール1840。
【0286】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、送信モジュール1840は、コアエンティティによって、イベント報告をアプリケーションエンティティに送信するように構成され、イベント報告は、通知メッセージを含む。
【0287】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、通知メッセージは、以下を含む。
【0288】
QNCの変更されたパラメータ値、または、QNCの変更されたパラメータ値の量子化された値。
【0289】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、送信モジュール1840は、QNCの制御パラメータに従ってQNCプロファイルをアクセスネットワークデバイスに送信するように構成される。
【0290】
QNCの制御パラメータは、QNCのパラメータおよび報告条件を示すために使用される。
【0291】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、受信モジュール1820は、アプリケーションエンティティによって送信されるポリシー認可作成/更新メッセージを受信するように構成され、ポリシー認可作成/更新メッセージは、QNCの制御パラメータを含む。
【0292】
本出願のこの実施形態の可能な設計において、受信モジュール1820は、QNCの加入データを取得するように構成され、加入データは、QNCの制御パラメータを含む。
【0293】
図19は、本出願の一実施形態によるネットワーク要素デバイス1900(network element device)の概略的な構造図である。例えば、ネットワーク要素デバイスは、アプリケーションプログラム制御方法を実行するように構成されることがある。任意で、ネットワーク要素デバイス1900は、アプリケーションエンティティまたはコアエンティティである。具体的には、ネットワーク要素デバイス1900は、プロセッサ1901と、受信機1902と、送信機1903と、メモリ1904と、バス1905とを含むことがある。
【0294】
プロセッサ1901は、1つ以上の処理コアを含み、プロセッサ1901は、ソフトウェアプログラムおよびモジュールを実行することによって、様々な機能的アプリケーションおよび情報処理を実行する。
【0295】
受信機1902および送信機1903は、送受信機1906(トランシーバ)として実装されることがある。送受信機1906は、通信チップであることがある。
【0296】
メモリ1904は、バス1905を通じてプロセッサ1901に接続される。
【0297】
メモリ1904は、コンピュータプログラムを格納するように構成されることがあり、プロセッサ1901は、前述の方法の実施形態において、アプリケーションエンティティ、コアネットワーク要素またはコアエンティティによって実行される各ステップを実装するようにコンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0298】
加えて、メモリ1904は、任意のタイプの揮発性または不揮発性の記憶装置またはそれらの組み合わせによって実装されることがある。揮発性または不揮発性の記憶装置は、RAM、ROM、消去可能なプログラマブルROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他の固体メモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または別の光メモリ、テープカートリッジ、磁気カセット、磁気ディスクメモリ、または他の磁気記憶デバイスを含むが、これらに限定されない。
【0299】
本出願は、コンピュータ読取可能な記憶媒体を更に提供し、記憶媒体は、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたは命令セットを格納し、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたは命令セットは、前記方法の実施形態に従ってアプリケーションプログラム制御方法を実装するために、プロセッサによってロードされ且つ実行される。
【0300】
任意で、本出願は、コンピュータプログラム製品を更に提供し、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ命令を含み、コンピュータ命令は、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納される。コンピュータデバイスのプロセッサは、コンピュータ読取可能な記憶媒体からコンピュータ命令を読み取り、コンピュータ命令を実行して、コンピュータデバイスに上記態様に従ってアプリケーションプログラム制御方法を実行させる。