(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】ナビゲーション空間を介して自律エンティティをリアルタイムでナビゲートするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241216BHJP
G01C 21/04 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
G05D1/43
G01C21/04
(21)【出願番号】P 2023527987
(86)(22)【出願日】2021-10-30
(86)【国際出願番号】 IN2021051041
(87)【国際公開番号】W WO2022097169
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】202041048029
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】523165673
【氏名又は名称】ハチドリ ロボティクス プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HACHIDORI ROBOTICS PRIVATE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】ラマナサン ヴェンカタラマン
(72)【発明者】
【氏名】ジャナキラム アンナム
【審査官】渡邊 捷太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-102750(JP,A)
【文献】特開2008-143293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
G01C 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間的に変化する屋内ナビゲーション空間を介してエンティティ(200)をナビゲートするためのシステム(100)であって、
プリセットされた方法で配置された複数の位置決めセンサを有する、位置センシングユニット(102)と、
前記位置センシングユニット(102)からの出力に基づいて、前記エンティティ(200)の瞬時絶対位置を提供する、絶対位置ユニット(104)と、
前記位置センシングユニット(102)からの出力に基づいて、前記エンティティ(200)の絶対方位を提供する、絶対方位ユニット(106)と、
所望の目標位置に向かって前記エンティティ(200)をナビゲートするために、ナビゲーションエリアにおいて特定された所望のナビゲート可能なレイアウトに基づいて、固有の属性を提供する、ナビゲーションガイダンスユニット(108)と、
前記絶対位置ユニット(104)によって提供される前記エンティティ(200)の前記瞬時絶対位置、前記絶対方位ユニット(106)によって提供される前記エンティティ(200)の前記絶対方位、及び前記ナビゲーションガイダンスユニット(108)によって提供される複数のナビゲーション属性に基づいて、
前記時間的に変化する屋内ナビゲーション空間における任意の2点間で前記エンティティ(200)のナビゲーションを自律的に制御する/調整する、ナビゲーション制御ユニット(110)と、
前記ナビゲーション制御ユニット(110)に通信可能に結合され、瞬時角度補正を前記エンティティに適用することによって前記エンティティ(200)の複数の駆動車輪を制御するように構成されている、駆動車輪制御ユニット(112)であって、前記エンティティ(200)に適用される前記瞬時角度補正は、前記ナビゲーション制御ユニット(110)から取得され、駆動車輪パラメータに基づいて前記複数の車輪を駆動する瞬時差分速度に変換され、前記駆動車輪制御ユニット(112)は、ランプアップ及びランプダウンを含む完全なナビゲーション中、前記駆動車輪の前記速度を制御するために構成されている、前記駆動車輪制御ユニット(112)と
を含
み、
前記ナビゲーションガイダンスユニット(108)は、前記固有の属性を提供するように構成されており、前記固有の属性は、前記屋内ナビゲーション空間において特定された前記所望のナビゲート可能なレイアウトから抽出され、前記ナビゲーション制御ユニット(110)が前記所望のナビゲート可能なレイアウトのコンテキストと関連することを可能にし、1つ又は複数の前記固有の属性は、前記エンティティ(200)のナビゲーション履歴から取得された学習/フィードバックとして動的に更新され、前記所望のナビゲート可能なレイアウト全体は、絶対座標がマップに記録されているノードによって結ばれている複数のナビゲート可能な線分に分割され/分けられ、前記複数のナビゲート可能な線分は、有効経路のネットワークにつながる有効経路のセットの一部を形成し、前記有効経路のネットワークの属性は、前記マップに記録され、前記有効経路のネットワークの属性は、コスト、経路幅、速度制限、中間ノードの遷移角度、ノードの角度オフセット、及び特別な目的のためのノードフラグを含むグループから選択され、任意の2点間の所与のナビゲーションのための最適経路は、前記所望の目標位置に到達するためにノードの組み合わせを介してトラバースするコスト、前記エンティティ(200)とそのような最も近いノードの1つとの間の距離、及び訪問されたあらゆる中間ノードに対するペナルティコストを含む最小総コストに基づいて、リアルタイムで到着され、特定のノードでの前記エンティティ(200)の前記絶対方位の任意の測定誤差は、前記ノードから開始する前記ナビゲーションの過程で前記ナビゲーション制御ユニット(110)によって推定され、前記推定された誤差は、前記それぞれの目標ノードに向かって方向付ける間、そのような各ノードで既知の角度オフセットとして前記マップに記録され、前記記録された既知の角度オフセットは、同じ開始ノードから前記同じ目標ノードへの後続のナビゲーション中、前記エンティティ(200)の前記絶対方位に適用され、このプロセスは、各線分のナビゲーションプロセス中に繰り返され、開始ノード及び終了ノードの所与のペアに関する前記角度オフセットは、前記マップにおいて連続的に改善され、動的に更新されている、システム(100)。
【請求項2】
前記位置センシングユニット(102)は、プリセットされた方法で前記エンティティ(200)上の多次元空間内における複数の予め定義された点上に設置された複数の位置決めセンサを含み、それによって、前記位置センシングユニット(102)の各センサによって提供される位置情報に基づいて、前記エンティティ(200)のジオメトリ的推論を可能にする、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記絶対位置ユニット(104)は、前記位置センシングユニット(102)から受け取った入力と、前記位置センシングユニット(102)における前記複数のセンサ間の予め定義されたジオメトリ的関係とに基づいて、前記エンティティ(200)の精密な瞬時絶対位置を提供するように構成されており、前記エンティティ(200)の複数の予め定義された点の位置情報は、前記位置センシングユニット(102)から取得され/判定され
る、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記絶対方位ユニット(106)は、前記エンティティ(200)の前記絶対方位の精密な表現を提供するように構成されており、前記エンティティ(200)の前記絶対方位の精密な表現は、予め定義された点、及び前記エンティティ(200)の前記絶対方位とそれらの既知の関係の組み合わせを使用して構築される固有ベクトルのセットの前記絶対方位を基づいて、前記位置センシングユニット(102)によって提供される前記予め定義された点の個々の位置を使用して導出され、前記エンティティ(200)の所与の軸と既知の角度関係を有する前記固有ベクトルのセットは、前記エンティティ(200)の前記予め定義された点の時間平均された位置情報を使用して構築され、前記エンティティ(200)の前記予め定義された点の前記時間平均された位置情報は、前記位置センシングユニット(102)を使用して取得され、前記エンティティ(200)の所与の軸と前記既知の角度関係を有する前記固有ベクトルのセットは、既知の角度オフセットを有する前記エンティティの方向又は前記絶対方位を表し、そのような各ベクトルは、任意の2つの前記予め定義された点、又はそのような予め定義された点の組み合わせを表す任意の2点を結ぶことによって構築され、方向と共にそのような各ベクトルの絶対方位は、既知の角度オフセットを有する前記エンティティ(200)の所望の絶対方位の尺度を提供し、前記それぞれの既知のオフセットは、そのような各ベクトルの方位に適用され、前記エンティティ(200)の前記絶対方位の固有表現を提供し、全てのそのような角度の加重平均は、前記エンティティ(200)の前記絶対方位の精密な表現を提供する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記ナビゲーション制御ユニット(110)は、所望の目標に到達するように、前記ナビゲーションガイダンスユニット(108)によってガイドされた戦略に基づいて、前記
屋内ナビゲーション空間における任意の2点間で前記エンティティ(200)のナビゲーションを実行するように構成されており、ナビゲーションプロセスは、前記所望の目標に最適に到達するために、関与する線分の数に基づいて、複数のステップに分割され/分けられ、そのような各線分は、前記線分によって定義された経路に沿って前記エンティティ(200)の前記ナビゲーションを維持するために、多段階ナビゲーション機構を使用してナビゲートされ、前記多段階ナビゲーション機構は、前記絶対方位ユニット(106)によって提供される前記絶対方位に基づいて、前記エンティティを許容限界内で前記線分の目的地点に向かって最初に方向付けることと、その後複数の段階/サブプロセスを介した前記エンティティのナビゲーションとを含み、前記複数の段階/サブプロセスは、前記エンティティ(200)の速度をランプアップすることと、最大速度に到達すると、前記エンティティ(200)を予め定められた経路に沿って方向付けるために前記エンティティ(200)にコース修正を実行し、残差角を補償することと、前記予め定められた経路から逸脱限界内に前記エンティティ(200)を位置合わせするために前記エンティティ(200)のナビゲーションの安定化を実行することと、前記線分の目的地点からの前記エンティティ(200)の距離が目標位置から予め定められた限界に到達すると、前記エンティティ(200)の前記速度をランプダウンし、ナビゲーションを停止することとを含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項6】
ランプアップ段階/プロセスのステップは、マルチパス反射に起因して、前記エンティティの前記絶対方位に生じた残差角を判定するために、予め定められた周期間隔で反復して、bot位置を開始点と結ぶ線の傾きを平均化することによって、前記エンティティの前記速度をランプアップすることに加えて、前記エンティティ(200)の前記方位のより良い表現を推定することであって、前記残差角は、ナビゲーションの開始中、前記平均化された傾き値を、前記絶対方位ユニット(106)から取得された前記エンティティ(200)の前記絶対方位から減算することによって判定され、前記残差角は、特定の目標ノードに向かって方向付けられるとき、所与の開始ノードに起因され、前記残差角は、ランプアップ前の後続の/新しいナビゲーションプロセスに説明されるノードの角度オフセットとして前記ナビゲーションガイダンスユニット(108)において動的に更新され、前記推定された残差角は、後続の段階における前記エンティティ(200)の角度補正に使用され、前記エンティティの速度のランプアップは、所望の最大速度に到達するまで、或いは理想経路からの逸脱が許容限界を超えるときのうちのいずれか早い方で、直線において継続され、必要とされる角度補正と共に残りのランプアッププロセスは、前記所望の最大速度に到達しないとき、逸脱を最小化するために継続される、前記推定することを含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
コース修正段階/プロセスのステップは、前記エンティティを、
前記線分を表す予め定義された経路に近づけるように、前記エンティティのコースを変更するための角度補正を適用することであって、前記角度補正は、前記駆動車輪制御ユニット(112)によって作用され、或いは実装され、前記駆動車輪制御ユニット(112)は、前記角度補正を差分駆動車輪速度に変換する、前記適用することを含む、請求項
5に記載のシステム(100)。
【請求項8】
安定化段階/プロセスのステップは、前記エンティティを予め定義された経路の軌道と位置合わせするように強制し/移動し、コース修正プロセスの継続と共に前記予め定義された経路の反対側への前記エンティティ(200)のクロスオーバーを回避するために、反転補正を適用することと、それによって、線分の目的地点に到着するために前記エンティティを徐々に安定化することとを含み、前記エンティティ(200)の前記軌道の傾向は、前記安定化プロセス中、追跡され/監視され、前記エンティティを前記予め定められた経路のいずれかの側で逸脱限界内に維持するように、角度補正ファクタの符号を変更し、前記エンティティの位置が、床の欠陥、機械的欠陥、測定の不正確さを含む任意の制御不可能な非線形ファクタに起因して、前記安定化プロセス中、許容閾値レベルを超えて前記予め定められた経路(311)から逸脱されるとき、前記コース修正プロセスは、逸脱を修正するために繰り返され、前記安定化プロセスは、継続される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
ランプダウン段階/プロセスのステップは、前記速度をランプダウンすることと、前記エンティティが線分の目的地点から予め定められた限界内にある点に到達するまで、前記エンティティの前記方位を維持することとを含み、駆動車輪速度は、前記ランプダウンプロセス中、前記エンティティが許容誤差限界内で前記
線分の目的地点の付近に到着するまで、必要とされる補正と共に徐々にランプダウンする、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記ナビゲーション制御ユニット(110)は、前記エンティティ(200)の前記方位と固定角度オフセットを有する前記エンティティ(200)の前記駆動車輪を結ぶ線分の
角度を追跡し、或いは監視することによって、前記エンティティ(200)の瞬時方位を導出するように構成されており、前記線分の開始角度は、前記絶対方位ユニット(106)によって提供される前記ナビゲーションの開始時に前記エンティティの前記絶対方位から導出され、前記線分の前記瞬時方位は、前記駆動車輪制御ユニット(112)によって提供される前記駆動車輪の絶対位置を使用して前記ナビゲーションの過程で導出され/推定され、前記エンティティの前記瞬時方位は、前記固定角度オフセットを前記線分の前記瞬時方位に適用することによって、取得される/推定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記ナビゲーション制御ユニット(110)は、予め定められた経路に沿って前記エンティティ(200)の滑らかで完璧な位置合わせを実現するために、多段階ナビゲーションの各段階中、予め定められた周期間隔で反復して前記エンティティ(200)に角度補正を計算し、適用し、前記角度補正は、(1)予め定義されたナビゲーション経路に
対する開始点からの前記エンティティの角度位置と、(2)前記予め定義されたナビゲーション経路に
対する終了点からの前記エンティティの前記角度位置と、(3)前記エンティティの瞬時方位と、(4)前記エンティティの前記瞬時絶対位置と、(5)前記予め定義されたナビゲーション経路からの前記エンティティ(200)の垂直距離によって表される前記エンティティの逸脱とを含む様々なパラメータの加重組み合わせに基づいて計算され、前記多段階ナビゲーションの限界の各段階で適用される角度補正ファクタは、前記パラメータの前記加重組み合わせに基づいて、導出され、或いは推定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記ナビゲーション制御ユニット(110)は、予め定められた周期間隔で反復して前記エンティティの前記瞬時絶対位置及び軌道を連続的に監視し、進行中のナビゲーションのコースを継続するか、或いは所与の線分に関する多段階ナビゲーションの方位修正、その後新しいサイクルを実行するかのいずれかによって、ナビゲーション戦略を動的に決定するように構成されており、車輪滑りにつながる凹凸の床面、信号劣化につながるマルチパス反射に起因して、許容限界を超えた前記エンティティ(200)の任意の逸脱は、多段階ナビゲーションの方位修正及び新しいサイクルの開始をトリガし、多段階ナビゲーションの前記方位修正及び新しいサイクルの開始は、実際の逸脱が許容限界内にあるときでさえ、将来の軌道を考慮することによって、予防措置としてトリガされ、前記エンティティ(200)は、マルチパス反射に起因して、前記絶対方位ユニット(104)によって適切に報告されず、それによって、所望の経路から逸れ、ナビゲーション経路に隣接する壁を含む障害物に向かって移動することにつながる、大きい残差角を伴う方位を有するナビゲーションサイクルを開始
する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項13】
前記駆動車輪制御ユニット(112)は、前記エンティティ(200)の前記角度補正を物理的に実現するために、前記エンティティ(200)の物理的特性に基づく複数のパラメータを使用して、前記ナビゲーション制御ユニット(110)によって提供される前記瞬時角度補正を瞬時
差分駆動車輪速度に変換し、或いはコンバートするように構成されており、前記駆動車輪制御ユニット(112)は、ナビゲーションプロセス全体を通して、前記駆動車輪の前記絶対位置を監視し、前記駆動車輪の前記監視された絶対位置を前記ナビゲーション制御ユニット(110)に入力し、前記ナビゲーション制御ユニット(110)は、前記瞬時角度補正を前記駆動車輪制御ユニット(112)に提供し、次の反復のために前記
瞬時差分駆動車輪速度を導出し、前記駆動車輪の前記絶対位置は、前記絶対位置ユニット(104)によって提供される前記エンティティの前記瞬時絶対位置と、前記絶対方位ユニット(106)によって提供される前記エンティティの前記絶対方位とから前記ナビゲーションの開始時に導出され、前記ナビゲーション
の経過中に、前記駆動車輪の前記絶対位置は、現在の絶対駆動車輪位置と、前記エンティティの現在の最大速度と、反復の期間と、前記エンティティ(200)の幅と、前記反復中に実現する前記角度補正とに基づいて、予測され、或いは判定され、前記
瞬時差分駆動車輪速度は、前記エンティティが前記現在の位置から推定された位置に移動するとき、2つの駆動車輪間の推定された角変位の差異から導出され、或いは推定され、前記エンティティの回転の方向に応じて、外輪は、前記現在の最大速度で適用され、内輪は、前記2つの駆動車輪間の予測された角変位の前記差異のファクタだけ、前記現在の最大速度よりも小さい速度を適用され、前記駆動車輪制御ユニット(112)は、前記2つの車輪間の速度差の急上昇に起因した車両の任意の望ましくない不安定な移動を避けるために、前記ナビゲーション制御ユニット(110)からの前記次の反復信号の到着の前に、滑らかな遷移を実現し、所望の角度補正を前記エンティティ(200)に効果的に適用するように、前記車輪を介して、適用される前記
瞬時差分
駆動車輪速度をタイムスライスし、ステップにおいて前記差異を適用することによって、前記車輪を制御する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項14】
ナビゲーション空間を介してエンティティ(200)をナビゲートする方法であって、
前記エンティティ(200)の瞬時絶対位置及び絶対方位のうちの少なくとも1つを判定し(402)、
ナビゲーションガイダンスユニット(108)によって提供される戦略に基づいて、開始から終了までナビゲートする線分を特定し(403)、
そのような各線分に関して、前記エンティティ(200)の前記瞬時絶対位置及び前記絶対方位に基づいて、前記エンティティの多段階ナビゲーションを実行する(404)ことであって、前記多段階ナビゲーションは、
a)前記エンティティのナビゲーションを開始し(404a)、前記エンティティの速度をランプアップすることと、
b)最大速度に到達すると、前記エンティティを予め定められた経路に沿って方向付けるために前記エンティティにコース修正を実行し(404b)、残差角を補償することと、
c)前記予め定められた経路から逸脱限界内に前記エンティティを位置合わせするために前記エンティティのナビゲーションの安定化を実行する(404c)ことと、
d)前記エンティティの距離が前記線分の目的地点から予め定められた限界内に到達すると、前記エンティティの前記速度をランプダウンし(404d)、ナビゲーションを停止することと、
e)全ての線分がナビゲートされ、目標に到達するまで、(403)において特定された各線分に関して、ステップ404aから404dを繰り返すことと
を含む、前記実行する
ステップを含
み、
前記ナビゲーションガイダンスユニット(108)は、所望の目標位置に向かって前記エンティティ(200)をナビゲートするために、ナビゲーションエリアにおいて特定された所望のナビゲート可能なレイアウトに基づいて、固有の属性を提供するように構成されており、前記固有の属性は、前記ナビゲーション空間において特定された前記所望のナビゲート可能なレイアウトから抽出され、1つ又は複数の前記固有の属性は、前記エンティティ(200)のナビゲーション履歴から取得された学習/フィードバックとして動的に更新され、前記所望のナビゲート可能なレイアウト全体は、絶対座標がマップに記録されているノードによって結ばれている複数のナビゲート可能な線分に分割され/分けられ、前記複数のナビゲート可能な線分は、有効経路のネットワークにつながる有効経路のセットの一部を形成し、前記有効経路のネットワークの属性は、前記マップに記録され、前記有効経路のネットワークの属性は、コスト、経路幅、速度制限、中間ノードの遷移角度、ノードの角度オフセット、及び特別な目的のためのノードフラグを含むグループから選択され、任意の2点間の所与のナビゲーションのための最適経路は、前記所望の目標位置に到達するためにノードの組み合わせを介してトラバースするコスト、前記エンティティ(200)とそのような最も近いノードの1つとの間の距離、及び訪問されたあらゆる中間ノードに対するペナルティコストを含む最小総コストに基づいて、リアルタイムで到着され、特定のノードでの前記エンティティ(200)の前記絶対方位の任意の測定誤差は、前記ノードから開始する前記ナビゲーションの過程で推定され、前記推定された誤差は、前記それぞれの目標ノードに向かって方向付ける間、そのような各ノードで既知の角度オフセットとして前記マップに記録され、前記記録された既知の角度オフセットは、同じ開始ノードから前記同じ目標ノードへの後続のナビゲーション中、前記エンティティ(200)の前記絶対方位に適用され、このプロセスは、各線分のナビゲーションプロセス中に繰り返され、開始ノード及び終了ノードの所与のペアに関する前記角度オフセットは、前記マップにおいて連続的に改善され、動的に更新されている、方法。
【請求項15】
前記ナビゲーションを開始する前記ステップは、
前記エンティティ(200)のナビゲーションを開始すると、前記エンティティ(200)の方位が、前記エンティティ(200)の前記絶対方位に基づいて、予め定められた誤差マージン内で線分の目標に位置合わせされることを保証するために判定し、微調整することと、
予め定められた経路(311)からの前記エンティティ(200)の逸脱が予め定められた逸脱限界内にないと、前記エンティティ(200)の前記速度をランプアップし、残差角によって逸脱修正を前記エンティティ(200)に適用することを実行すること、又は、
前記予め定められた経路(311)からの前記エンティティ(200)の逸脱が予め定められた逸脱限界内にあると、前記逸脱修正を適用することなく、前記エンティティ(200)の前記速度をランプアップすることを実行することと
を含む、請求項1
4に記載の方法。
【請求項16】
前記コース修正を実行することは、
最大ランプアップ速度に到達するか否かを判定することと、
前記エンティティを、前記線分を表す
予め定義された経路に近づけるように、前記エンティティのコースを変更するための角度補正を適用することと、
第1の終了条件が満たされない限り、同じ方向で角度補正を適用し続けることと
を含む、請求項1
4に記載の方法。
【請求項17】
前記安定化を実行することは、
第1の終了条件が満たされるか否かを判定することであって、前記第1の終了条件は、θ2<k θ1である特定の点として定義され、kは、正確な遷移点を決定する予め定められたファクタであり、θ1は、前記線分に
対する開始点からの前記エンティティの初期角度であり、θ2は、前記線分に
対する前記開始点からの前記エンティティの
角度であり、前記エンティティが前記線分を表す
予め定義された経路に向かって移動するとき、コース修正中に変化し続ける、前記判定することと、
前記第1の終了条件が満たされると、安定化プロセスを実行することであって、前記安定化は、
前記予め定められた経路(311)に平行な且つ逸脱限界内の前記エンティティ(200)を位置合わせしつつ、前記コース修正を反転することと、
前記予め定められた経路(311)からの前記エンティティ(200)の逸脱が逸脱限界内にあるか否かを判定することと、
前記エンティティ(200)を、前記予め定められた経路(311)に沿って、前記予め定められた経路(311)からの前記逸脱限界内に位置合わせすることと、
前記第1の終了条件が満たされないと、前記コース修正を繰り返すことと
を含む、前記実行することと
を含む、請求項1
4に記載の方法。
【請求項18】
前記ランプダウンすることは、
前記予め定められた経路からの前記エンティティ(200)の逸脱が逸脱限界内にあるか否かを判定することと、
前記逸脱が前記逸脱限界内にあると、第2の終了条件が満たされるか否かを判定すること、又は、前記逸脱が前記逸脱限界を超えると、前記コース修正を繰り返すことであって、前記第2の終了条件は、前記線分の前記目的地点までの残りの距離が予め定められた限界内にある点として定義される、前記判定すること又は前記繰り返すことと、
前記第2の終了条件が満たされると、前記予め定められた経路(311)に沿って前記エンティティ(200)を維持するために、逸脱修正と共に前記エンティティ(200)の前記速度のランプダウンするプロセスを実行すること、又は、前記第2の終了条件が満たされないと、前記安定化を繰り返すことと、
前記線分の前記目的地点までの前記エンティティ(200)の距離が、前記エンティティ(200)の前記瞬時絶対位置に基づいて、予め定められた限界内にあるか否かを判定することと、
目標位置からの前記エンティティ(200)の前記距離が予め定められた限界内にないと、ランプダウンすることを繰り返すことと、
前記線分の前記目的地点からの前記エンティティ(200)の前記距離が前記予め定められた限界に到達すると、前記エンティティ(200)のナビゲーションを停止することと
を含む、請求項1
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、タイトル「SYSTEM AND METHOD FOR NAVIGATING AN AUTONOMOUS ENTITY THROUGH A NAVIGATION SPACE IN REAL TIME」で2020年11月3日に出願されたシリアル番号202041048029のインド仮特許出願(PPA)の優先権を主張する。上記PPAの内容は、その全文が参照により本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
概して、本発明の実施形態は、エンティティの自律ナビゲーションに関する。具体的に、本発明の実施形態は、時間的に変化する屋内ナビゲーション空間においてロボット(BOT)などの自律エンティティをナビゲートするためのシステム及び方法に関する。より具体的に、本発明の実施形態は、費用効果がある方法で、ナビゲーションの所望の経路に沿って安定化制御を提供することによって、ナビゲーション空間における任意の2点間でロボット(BOT)などの自律エンティティを自律的に成功裏にナビゲートするためのシステム及び方法に関する。
【0003】
(関連技術の説明)
例示的なシナリオによれば、時間的に変化するナビゲーション空間において自律エンティティ(移動オブジェクト)をナビゲートすることは、ナビゲーション経路から遠ざけ、所望の経路に隣接するオブジェクトと衝突することを避けるように、予め定義された経路(理想経路)に近いようにエンティティを維持することを必要とする。予め定義された経路に沿ってエンティティを維持するために、数センチメートルの誤差を有するエンティティの位置と、数度の誤差を有するエンティティの方位(orientation)との正確な情報は、絶対不可欠である。エンティティを理想経路及び方向に維持するために、エンティティの現在の位置及び方位は、所望の誤差限界内で正確に把握される必要がある。
【0004】
エンティティが狭い通路を介してナビゲートするとき、いくつかのファクタは、重要な役割を果たす。例えば、エンティティの信号(予め定められた経路に関する角度又は方位)は、予め定められた(理想)経路からのエンティティの初期逸脱を決定することにおいて大きな役割を果たす。開始角度が大きいほど、逸脱は大きくなる。したがって、ナビゲーションの開始時に開始角度を最小化することが重要である。所望の軌道からの、より大きい初期角度は、大きい逸脱につながる。ナビゲーションが開始されるとき、開始角度の補正にもかかわらず、我々が基本的な方法でそれを補正しようとするとき、激しい変動につながる残差角のままであることがある。典型的に、残差角を有するナビゲーションは、ジグザグ移動につながる。
【0005】
所望の経路から初期角度の逸脱を伴って狭い空間を介してナビゲートする自律エンティティは、エンティティのナビゲーションの途中に存在する、所望の経路に隣接する壁などの、静的な障害物に直面し得る。これは、自律エンティティのコースを修正し、軌道に戻るように、リアルタイムの意思決定及びナビゲーション戦略の動的変更を必要とし得る。
【0006】
凹凸の表面、床面の摩擦、動的な測定誤差などのような、動的に経験された障害を伴う制約された時間的に変化するナビゲーション空間における動作は、ナビゲーション経路に影響を与え、変化の理解、それによって、是正措置をとることを必要とする。
【0007】
典型的に、特定の機能を有する様々なセンサは、必要とされるインテリジェンスを自律エンティティに提供し、状況を評価し、決定を行うことにおいて重要な役割を果たす。位置、方位、速度、移動距離、ビジョン、及びマッピングなどを測定するための専用センサの使用は、コストを増加させ、それによって、自律エンティティを非常に高価なものにする。
【0008】
所望の目標に到達するために、ナビゲーション空間の複数のセクションを介した特定の目標へのナビゲーションのケースでは、所与のナビゲーションレイアウトのための最適経路の特定は、必要とされる。
【0009】
したがって、(機構の精度によってのみ制限される)許容レベルの誤差で正確に成功裏に目標に到達するように、時間的に変化する屋内ナビゲーション空間において自律エンティティ(以下、BOTと呼ぶ)を確実にナビゲートする費用効果があるシステム及び方法の必要性がある。さらに、目標に成功裏に到達するように、時間的に変化する障害に基づいて、エンティティ(移動オブジェクト又はロボット又はBOT)のナビゲーション戦略を動的に変更する効率的な方法及びシステムの必要性がある。
【0010】
上記の欠点、不利な点及び問題は、本明細書で対処され、以下の明細書を読み、研究することによって理解されよう。
【0011】
(実施形態の目的)
本明細書の実施形態の主要な目的は、UWB(超広帯域)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、超音波などの、複数の絶対位置センサを使用して、費用効果がある方法で、時間的に変化する屋内ナビゲーション空間における任意の2点間で自律移動エンティティを確実にナビゲートするシステム及び方法を提供し、それによって、方位、速度、移動距離、ビジョン及びマッピングなどを特定し、測定するための高価な専用センサの必要性を取り除くことである。
【0012】
本明細書の実施形態の別の目的は、エンティティのコース上の多次元空間に配置された絶対位置センサのセットを使用して、天体又は移動エンティティの改善された瞬時絶対位置及び絶対方位を見つけるシステム及び方法を提供することである。
【0013】
本明細書の実施形態のさらに別の目的は、ナビゲーション空間の静的特性の予め記録されたガイダンスに基づいて、ナビゲートすべき全てのセクションと、関連付けられた理想経路との完全な理解と共に目標に到達するために、最適経路を特定するシステム及び方法を提供することである。
【0014】
本明細書の実施形態のさらに別の目的は、前記エンティティ上の多次元空間に配置された絶対位置センサのセットを使用して導出される、エンティティの絶対方位に基づいて、予め定められた経路との滑らかで優雅な位置合わせを実現するシステム及び方法を提供し、それによって、エンティティを予め定められた経路から遠ざける任意の制御不可能な激しい変動を取り除き、ナビゲーション経路に隣接するオブジェクトとの衝突の脆弱性を低減することである。
【0015】
本明細書の実施形態のさらに別の目的は、多段階ナビゲーションプロセスを介してナビゲーション空間においてエンティティをナビゲートするシステム及び方法を提供し、理想経路からの逸脱を低減することと、最も早いコース修正を提供することと、予め定められた経路に沿ってナビゲーションを介して追従することと、許容誤差限界内で目標に到達することとのうちのの少なくとも1つを実現することである。
【0016】
本明細書の実施形態のさらに別の目的は、多段階ナビゲーションプロセス全体を通して、補正角度を特定することと、対応する差分速度信号を駆動車輪に適用することと、瞬時絶対位置及び方位条件の測定/推定に影響を与える、凹凸の床面、床の摩擦条件/レベル、マルチパス無線信号劣化などのような動的に経験された条件の評価に基づいて、多段階ナビゲーションのコース修正及び新しいサイクルの開始を判定することとによって、ナビゲーション軌道の自己修正を実行するシステム及び方法を提供することである。
【0017】
本明細書の実施形態のさらに別の目的は、BOTが、エンティティのナビゲーション中、角度を伴って所望の経路から逸脱し、所望の経路に隣接して存在する壁のような、障害物と相互作用し、多段階ナビゲーションのコース修正又は新しいサイクルの開始さえもが必要とされるとき、ナビゲーション戦略を動的に変更するシステム及び方法を提供することである。
【0018】
本明細書の実施形態のさらに別の目的は、ナビゲーション空間の静的特性の予め記録されたガイダンスに基づいて、マルチセクションナビゲーションの各セクションに対して多段階ナビゲーションプロセスを繰り返し実行するシステム及び方法を提供することである。
【0019】
本明細書の実施形態のこれら及び他の目的及び利点は、添付の図面と併用された以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0020】
以下の詳細は、本明細書の実施形態の簡略化された発明の概要を提示し、本明細書の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供する。本発明の概要は、本明細書の実施形態の広範な概要ではない。本明細書の実施形態の主要な/重要な要素を特定し、或いは本明細書の実施形態の範囲を画定することを意図されない。その唯一の目的は、後に提示される、より詳細な説明の前置きとして、簡略化された形式で本明細書の実施形態の概念を提示することである。
【0021】
本明細書の実施形態の他の目的及び利点は、添付の図面と併用された以下の説明から容易に明らかになるであろう。しかしながら、以下の説明が、好ましい実施形態及びその多数の特定の詳細を示す一方で、例示として与えられ、限定として与えられるものではないことを理解されたい。多くの変更及び修正は、その趣旨から逸脱することなく、本明細書の実施形態の範囲内で行われてもよく、本明細書の実施形態は、全てのそのような修正を含む。
【0022】
本発明の概要は、詳細な説明において以下にさらに説明される概念の選択を、簡略化された形式で紹介するために提供される。本発明の概要は、主張される主題の主要な或いは本質的な特徴を特定することを意図されず、主張される主題の範囲を判定するときの補助として使用されることも意図されない。
【0023】
本明細書の一実施形態によれば、ナビゲーション空間を介してエンティティをナビゲートするためのシステムは、開示される。システムは、エンティティのジオメトリ的推論を可能にするために、戦略的な或いはプリセットされた位置に設けられた複数の位置決めセンサを含む位置センシングユニットと、エンティティの瞬時絶対位置の高度に精密な表現を判定するように構成されている絶対位置ユニットと、エンティティの絶対方位を判定するように構成されている絶対方位ユニットと、ナビゲーションレイアウトの固有の属性を提供するように構成されているナビゲーションガイダンスユニットと、ナビゲーション全体を通してエンティティの安定化制御を保証するエンティティのナビゲーションを制御するナビゲーション制御ユニットと、ナビゲーション制御ユニットによって提供される制御信号を、駆動車輪に適用される差分速度に変換する駆動車輪制御ユニットとを含む。
【0024】
本明細書の一実施形態によれば、位置センシングユニットは、エンティティ上の多次元空間における複数の予め定義された点上に配置された複数の位置決めセンサを含む。エンティティ上のこれらの予め定義された点は、前記エンティティ上のこれらの位置のジオメトリ的推論を可能にする。既知のジオメトリ的関係と共にこれらの個々のセンサの位置の収集は、絶対位置及び絶対方位の高度に精密な表現を導出することを可能にし、エンティティの、絶対位置及び絶対方位は、自律ナビゲーションを実現するための2つの重要なパラメータである。
【0025】
本明細書の一実施形態によれば、絶対位置ユニットは、位置センシングユニットによって提供される複数のセンサの個々の位置情報を使用し、個々の位置の既知のジオメトリ的関係及びそれらの多次元空間の多様性に基づいて、エンティティの瞬時絶対位置の精密な表現を導出する。
【0026】
本明細書の一実施形態によれば、絶対方位ユニットは、固有ベクトルのセットを構築するために、位置センシングユニットによって提供される複数のセンサの時間平均された個々の位置情報と、エンティティの特定の予め定義された点とを使用し、エンティティの方位を導出する。固有ベクトルのセットは、これらの予め定義された点の組み合わせを使用して構築され、これらの予め定義された点の組み合わせは、エンティティの絶対値とプリセットされた角度関係を有する。
【0027】
本明細書の一実施形態によれば、ナビゲーションガイダンスユニットは、屋内ナビゲーション空間において特定された所望のナビゲート可能なレイアウトから抽出された固有の属性を捕捉する。ナビゲーション制御ユニットをガイドし、ナビゲーションレイアウトのコンテキストと関連し、ナビゲーションを戦略化することに加えて、ナビゲーションガイダンスユニットはまた、エンティティの過去のナビゲーションエクスペリエンス/履歴に基づく学習として、属性を動的に更新する。ナビゲーションガイダンスユニットは、有効なナビゲーション経路を複数の線分に分割し/分け、これらの線分の最適な組み合わせを選択し/決定し、ナビゲーション空間における任意の2点間でナビゲートする。
【0028】
本明細書の一実施形態によれば、ナビゲーション制御ユニットは、ナビゲーションガイダンスユニットによって提供されるナビゲーション経路/戦略に基づいて、任意の2点間でナビゲーションを実行する。2点間の特定のナビゲーション経路が複数の線分を介してトラバースすることを必要とするとき、ナビゲーション制御ユニットは、ナビゲーションプロセスを、線分の数に対応する複数のステップに分割する。そのような各線分に関して、ナビゲーション制御ユニットは、多段階ナビゲーション機構を使用し、エンティティの安定化制御を保証し、線分を定義された理想/予め定義された経路に沿ってエンティティの軌道を維持する。
【0029】
本明細書の一実施形態によれば、線分における多段階ナビゲーションプロセスは、a)エンティティのナビゲーションを開始し、エンティティの速度をランプアップし、残差角を導出するためのランプアップ段階と、b)エンティティを予め定められた経路に沿って方向付けるためにエンティティにコース修正を実行し、残差角を補償するためのコース修正段階と、c)予め定められた経路から逸脱限界内にエンティティを位置合わせするためにエンティティのナビゲーションの安定化を実行するための安定化段階と、d)エンティティの距離が線分の目的地点から予め定められた限界内に到達すると、エンティティの速度をランプダウンし、ナビゲーションを停止するためのランプダウン段階とを含む。
【0030】
本明細書の一実施形態によれば、システムはまた、ナビゲーション制御ユニットに通信可能に結合され、多段階ナビゲーションに基づいてエンティティの駆動車輪を制御するように構成されている駆動車輪制御ユニットを含む。駆動車輪制御ユニットは、左モータ及び右モータのうちの少なくとも1つと通信可能に関連付けられ、エンティティのナビゲーションの速度を制御する。
【0031】
本明細書の一実施形態によれば、線分において多段階ナビゲーションプロセスを開始するステップは、1)エンティティの方位が、エンティティの絶対方位に基づいて、予め定められた目標の方位範囲内で位置合わせされるか否かを判定することと、2)理想経路からのエンティティの逸脱が許容限界内にある限り、逸脱修正を適用することなく、エンティティの速度をランプアップすることと、3)理想経路からのエンティティの逸脱が許容限界を超えている場合、残差角によって逸脱修正を適用すると共に、エンティティの速度をランプアップすることと、4)所望の最大速度に到達するまで、ステップ2のみ、又はステップ2とステップ3との組み合わせのいずれかを実行することとを含む。
【0032】
本明細書の一実施形態によれば、コース修正を実行するステップ/プロセスは、前記線分を表す予め定義された経路に近づけるように、ランプアップ段階中に推定された残差角を使用することと、エンティティのコースを変更するための必要とされる角度補正を適用することとを含む。
【0033】
本明細書の一実施形態によれば、安定化を実行するステップ/プロセスは、1)第1の終了条件が満たされるか否かを判定することであって、第1の終了条件は、θ2<k θ1である特定の点として定義され、kは、正確な遷移点を決定する予め定められたファクタであり、θ1は、線分に関する開始点からのエンティティの初期角度であり、θ2は、線分に関する開始点からのエンティティの角度であり、エンティティが線分を表す予め定義された経路に向かって移動するとき、コース修正中に変化し続ける、判定することと、第1の終了条件が満たされるとき、安定化を実行すること、又は、第1の終了条件が満たされないとき、コース修正を繰り返す/継続することとを含む。安定化は、予め定められた経路に平行な且つ逸脱限界内のエンティティを位置合わせしつつ、コース修正を反転することと、予め定められた経路からのエンティティの逸脱が逸脱限界内にあるか否かを判定することと、エンティティが予め定められた経路からの逸脱限界内にいるとき、予め定められた経路に沿ってエンティティを位置合わせすることとを含む。安定化プロセスの過程で、角度補正ファクタの符号は、エンティティを予め定められた経路のいずれかの側で逸脱限界内に維持するように、判定される。エンティティの逸脱がプリセットされた逸脱限界を超えるケースでは、コース修正プロセスは、繰り返される。
【0034】
本明細書の一実施形態によれば、ランプダウンするステップ又はプロセスは、1)予め定められた経路からのエンティティの逸脱が逸脱限界内にあるか否かを判定することと、2)逸脱がプリセットされた逸脱限界内にあるとき、第2の終了条件が満たされるか否かを判定することであって、第2の終了条件は、線分の目的地点までの残りの距離が予め定められた限界内にある点として定義される、判定することと、3)第2の終了条件が満たされるとき、予め定められた経路に沿ってエンティティを維持するために、逸脱修正と共にエンティティの速度をランプダウンするプロセスを実行すること、又は、第2の終了条件が満たされないとき、安定化プロセスを繰り返すことと、4)線分の目的地点までのエンティティの距離が、エンティティの瞬時絶対位置に基づいて、予め定められた限界/制限内にあるか否かを判定することと、5)目標位置からのエンティティの距離が予め定められた限界内にないとき、ランプダウンするプロセスを継続し、或いは繰り返し、線分の目的地点からのエンティティの距離が予め定められた限界内にあるとき、エンティティのナビゲーションを停止することとを含む。
【0035】
本明細書の一実施形態によれば、ナビゲーション空間を介してエンティティをナビゲートする方法は、開示される。方法は、エンティティの瞬時絶対位置及び絶対方位のうちの少なくとも1つを最初に判定することと、ナビゲーションガイダンスユニットによって提供されるナビゲーション戦略を決定することと、ナビゲーション戦略の一部として特定された線分の組み合わせに基づいて、ナビゲーションを複数のステップに分割することと、エンティティの瞬時絶対位置及び絶対方位に基づいて、それらの線分の各々に関してエンティティの多段階ナビゲーションを実行することとを含む。線分に関する多段階ナビゲーションプロセスは、a)エンティティのナビゲーションを開始し、エンティティの速度をランプアップすることと、b)最大速度に到達すると、エンティティを予め定められた経路に沿って方向付けるためにエンティティにコース修正を実行し、残差角を補償することと、c)予め定められた経路から逸脱限界内にエンティティを位置合わせするためにエンティティのナビゲーションの安定化を実行することと、d)線分の目的地点から予め定められた限界に到達すると、エンティティの距離に応じてエンティティの速度をランプダウンし、ナビゲーションを停止することとを含む。
【0036】
本明細書の一実施形態によれば、線分において多段階ナビゲーションを開始するステップ又はプロセスは、1)エンティティのナビゲーションを開始すると、エンティティの方位が、エンティティの絶対方位に基づいて、予め定められた目標方位範囲内に位置合わせされるか否かを判定することと、2)理想経路からのエンティティの逸脱が許容限界内にある限り、逸脱修正を適用することなく、エンティティの速度のランプアップを実行することと、3)理想経路からのエンティティの逸脱が許容限界を超える場合、残差角によって逸脱修正を適用すると共に、エンティティの速度のランプアップを実行することと、4)所望の最大速度に到達するまで、ステップ2のみ、又はステップ2とステップ3との組み合わせのいずれかを実行することと、5)bot位置を開始点と結ぶ線の傾きを平均化することによって、エンティティの方位のより良い表現を見つけることとを含む。
【0037】
本明細書の一実施形態によれば、コース修正のステップ又はプロセスは、ランプアップ段階中に推定された残差角を使用して、前記線分を表す予め定義された経路に近づけるように、エンティティのコースを変更することと、必要とされる角度補正を適用することとを含む。
【0038】
本明細書の一実施形態によれば、安定化のステップ又はプロセスは、第1の終了条件が満たされるか否かを判定することと、第1の終了条件が満たされるとき、安定化を実行することであって、第1の終了条件は、θ2<k θ1である特定の点として定義され、kは、正確な遷移点を決定する予め定められたファクタであり、θ1は、線分に関する開始点からのエンティティの初期角度であり、θ2は、線分に関する開始点からのエンティティの角度であり、エンティティが線分を表す予め定義された経路に向かって移動するとき、コース修正中に変化し続ける、実行すること、又は、第1の終了条件が満たされないとき、コース修正を繰り返す/継続することとを含む。安定化は、予め定められた経路に平行な且つ逸脱限界内のエンティティを位置合わせしつつ、コース修正を反転することと、予め定められた経路からのエンティティの逸脱が逸脱限界内にあるか否かを判定することと、エンティティが予め定められた経路からの逸脱限界内にいるとき、予め定められた経路に沿ってエンティティを位置合わせすることとを含む。安定化の過程で、角度補正ファクタの符号は、エンティティを予め定められた経路のいずれかの側で逸脱限界内に維持するように、判定される。エンティティの逸脱がプリセットされた逸脱限界を超えるケースでは、コース修正段階/プロセスは、繰り返される。
【0039】
本明細書の一実施形態によれば、ランプダウンするステップは、1)予め定められた経路からのエンティティの逸脱が逸脱限界内にあるか否かを判定することと、2)逸脱がプリセットされた逸脱限界内にあるとき、第2の終了条件が満たされるか否かを判定することであって、第2の終了条件は、線分の目的地点までの残りの距離が予め定められた限界内にある点として定義される、判定することと、3)第2の終了条件が満たされるとき、予め定められた経路に沿ってエンティティを維持するために、逸脱修正と共にエンティティの速度をランプダウンするプロセスを実行すること、又は、第2の終了条件が満たされないとき、安定化プロセスを繰り返すことと、4)線分の目的地点までのエンティティの距離が、エンティティの瞬時絶対位置に基づいて、予め定められた限界内にあるか否かを判定することと、5)線分の目的地点からのエンティティの距離が予め定められた限界内にないとき、ランプダウンするプロセスを継続し、或いは繰り返し、目標位置からのエンティティの距離が予め定められた限界内にあるとき、エンティティのナビゲーションを停止することとを含む。
【0040】
本明細書の一実施形態によれば、瞬時位置を判定するステップ又はプロセスは、個々の位置の既知のジオメトリ的関係及びそれらの多次元空間の多様性を利用することに基づいて、位置センシングユニットによって提供される複数のセンサの個々の位置情報を使用して、エンティティの瞬時絶対位置の精密な表現を導出することを含む。
【0041】
本明細書の一実施形態によれば、絶対方位を見つけるステップ又はプロセスは、位置センシングユニットによって提供される複数のセンサの時間平均された個々の位置情報と、エンティティの特定の予め定義された点の組み合わせとを使用して、エンティティの方位を導出する固有ベクトルのセットを構築することであって、これらの予め定義された点の組み合わせは、エンティティの絶対値と既知の/プリセットされた角度関係を有する、構築することを含む。
【0042】
本発明の実施形態のこれら及び他の態様は、以下の説明及び添付の図面と併用して考慮されるとき、より良く認識され、理解されよう。しかしながら、以下の説明が、好ましい実施形態及びその多数の特定の詳細を示す一方で、例示として与えられ、限定として与えられるものではないことを理解されたい。多くの変更及び修正は、その趣旨から逸脱することなく、本明細書の実施形態の範囲内で行われてもよく、本発明の実施形態は、全てのそのような修正を含む。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の実施形態は、図面を参照して以下の詳細な説明から、より良く理解されよう。
【
図1】
図1は、本明細書の一実施形態による、屋内ナビゲーション空間における任意の2点間でエンティティを自律的にナビゲートするための費用効果があるシステムのブロックダイアグラムを示す。
【
図2A】
図2Aは、本明細書の一実施形態による、複数の位置に位置センサのセットを設置したエンティティ(ロボット)の透視図を示す。
【
図2B】
図2Bは、本明細書の一実施形態による、複数の位置に位置センサのセットを設置したエンティティ(ロボット)の上面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、本明細書の一実施形態による、ナビゲーションプロセスのシステムによって実行される多段階ナビゲーションプロセスを示す。
【
図3B】
図3Bは、本明細書の一実施形態による、ナビゲーションプロセスのシステムによって実行される多段階ナビゲーションプロセスを示す。
【
図3C】
図3Cは、本明細書の一実施形態による、ナビゲーションプロセスのシステムによって実行される多段階ナビゲーションプロセスを示す。
【
図3D】
図3Dは、本明細書の一実施形態による、多段階ナビゲーションプロセスのプロセスを説明するフローチャートを示す。
【
図3E】
図3Eは、本明細書の一実施形態による、多段階ナビゲーションプロセスのプロセスを説明するフローチャートを示す。
【
図3F】
図3Fは、本明細書の一実施形態による、シミュレートされた多段階ナビゲーションプロセスを示す。
【
図3G】
図3Gは、本明細書の一実施形態による、多段階ナビゲーションプロセスに基づいて、線分の2点間で自律的に駆動されるエンティティの実際の軌道を示すチャートを示す。
【
図4】
図4は、本明細書の一実施形態による、ナビゲーション空間における複数の線分に及ぶ任意の2点間でエンティティを自律的にナビゲートする方法を説明するフローチャートを示す。
【
図5】
図5は、本明細書の一実施形態による、角度補正を、駆動車輪に適用される差分速度に変換する方法を示す。
【
図6】
図6は、本明細書の一実施形態による、ナビゲーション中、エンティティを制御する一部として角度補正ファクタを計算するために使用される様々なパラメータの重要性を示す。
【0044】
しかしながら、本発明の実施形態の特定の特徴は、いくつかの図面に示され、他の図面には示されない。これは、各特徴が本発明の実施形態に従って任意の或いは全ての他の特徴と組み合わされてもよいので、便宜上のみ行われる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下の詳細な説明では、言及は、本明細書の一部を形成し、実施され得る特定の実施形態が例示として示される添付の図面に行われる。これらの実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にするために十分な詳細で説明され、他の変更が、実施形態の範囲から逸脱することなく、行われてもよいことを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で取られるべきではない。
【0046】
本発明の実施形態と、その様々な特徴及び有利な詳細とは、添付の図面に示され、以下の説明で詳述される非限定的な実施形態を参照して、より完全に説明される。周知のコンポーネント及びプロセシング技術の説明は、本明細書の実施形態を不必要に不明瞭にしないように、省略される。本明細書で使用される実施例は、単に、本発明の実施形態が実施され得る方法の理解を容易にし、当業者が本発明の実施形態を実施することをさらに可能にすることを意図される。したがって、実施例は、本発明の実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0047】
本明細書の様々な実施形態は、屋内位置決めセンサを使用するだけによって、費用効果がある自律ナビゲーションエンティティ(200)を実現し、時間的に変化する屋内ナビゲーション空間を介して自律的にナビゲートする方法及びシステム(100)を提供する。様々な実施形態では、本明細書に開示された方法及びシステムは、絶対位置ユニット(104)及び絶対方位ユニット(106)からそれぞれ取得されたエンティティの瞬時絶対位置及び絶対方位を使用し、ナビゲーション空間における任意の2点間でエンティティ(200)の自律ナビゲーションを確実に実行する。様々な実施形態では、本明細書に開示された方法及びシステムは、エンティティが予め定められた経路から逸れ、したがって、衝突の脆弱性を高める高い確率につながり得る任意の制御不可能な激しい変動を避けるように、ナビゲーションガイダンスユニット(108)によってガイドされたナビゲーション戦略に基づいて、2点間のナビゲーション経路を複数の線分に分割し、そのような各線分に関して、多段階ナビゲーション機構を適用し、予め定められた経路との滑らかで優雅な位置合わせを実現する。様々な実施形態では、本明細書に開示された方法及びシステムは、絶対位置ユニット(104)から取得されたエンティティの瞬時絶対位置と、駆動車輪制御ユニット(112)から取得された駆動車輪の瞬時絶対位置から導出されたエンティティの瞬時絶対方位とに基づいて、多段階ナビゲーションを実行する。多段階ナビゲーションプロセスは、a)理想経路からの逸脱を最小化することと、2)最も早いコース修正、及び直線においてナビゲーションを介した追従と、3)予め定められた(理想)経路に平行な直線における目標への優雅な到着とのうちの少なくとも1つを実現する。
【0048】
本明細書の一実施形態によれば、ナビゲーション空間を介してエンティティをナビゲートするためのシステムは、開示される。システムは、意味のある方法で前記エンティティ(200)上の多次元空間における複数の予め定義された点上に配置された複数の位置決めセンサを含み、したがって、前記エンティティ(200)のジオメトリ的推論を可能にする位置センシングユニット(102)と、エンティティの瞬時位置を判定するように構成されている絶対位置ユニット(104)と、概して線分において目標に向かうエンティティの初期位置合わせ中に使用されるエンティティの絶対方位を判定するように構成されている絶対方位ユニット(106)と、ナビゲーションエリアにおいて特定されたナビゲート可能なレイアウトの固有の属性を提供するナビゲーションガイダンスユニット(108)と、所望の目標に成功裏に到達するように、ナビゲーションガイダンスユニット(108)によってガイドされた戦略に基づいて、ナビゲーション空間における任意の2点間で前記エンティティ(200)のナビゲーションを実行するナビゲーション制御ユニット(110)と、ナビゲーション制御ユニット(110)から受け取った瞬時角度補正入力に基づいて、エンティティ(200)の駆動車輪を制御する駆動車輪制御ユニット(112)とを含む。
【0049】
本明細書の一実施形態によれば、位置センシングユニット(102)は、意味のある方法で配置され、マルチパス反射及び非視線(NLOS)ファクタを含む既知の不正確さ及び変動を有するUWB(超広帯域)、Bluetooth、Zigbee、超音波技術などに基づく個々のセンサの位置の近似表現を提供するために構成されている、複数の位置決めセンサを含む。それらの既知のジオメトリ的関係と共に複数のセンサの位置は、我々がエンティティ(200)の、絶対位置及び絶対方位、自律ナビゲーションを実現するために必要とされる2つの重要なパラメータの、高度に精密な表現を導出することを可能にする。
【0050】
本明細書の一実施形態によれば、絶対位置ユニット(104)は、エンティティを自律的にナビゲートすることにおいて重要な役割を果たす様々な導出されたパラメータを抽出することが可能である精度で、前記エンティティ(200)の瞬時絶対位置を提供する。前記エンティティ(200)の瞬時絶対位置は、それらの既知のジオメトリ的関係及びそれらの多次元空間の多様性を利用することに基づいて、位置センシングユニット(102)によって提供される個々のセンサの位置から導出される。
【0051】
本明細書の一実施形態によれば、絶対方位ユニット(106)は、位置センシングユニット(102)を使用するだけによって、前記エンティティ(200)の絶対方位を提供し、周囲の磁場に非常に影響されやすい従来の方位センサの欠点を克服するのに役立つ。位置センシングユニット(102)によって提供される複数のセンサによって表されるエンティティ上の予め定義された点の時間平均された個々の位置情報を使用して、固有ベクトルのセットは、これらの予め定義された点のうちの任意の2点、又はそのような予め定義された点の組み合わせを表す任意の2点のいずれかを結ぶことによって構築される。これらの固有ベクトルの各々が、エンティティの針路又は絶対方位として知られる前記エンティティ(200)の所与の軸との既知の角度関係を有するので、それぞれのオフセットを適用し、その後加重平均することによってこれらのベクトルの角度回転を実行することは、エンティティの信頼できる絶対方位を提供する。
図2Bは、そのような一実施形態の上面図表現を示し、太い矢印は、エンティティの絶対方位を示し、複数のセンサ(202A-202H)は、ジオメトリ的関係を有する予め定義された点の表現を示す。
【0052】
本明細書の一実施形態によれば、ナビゲーションガイダンスユニット(108)は、ナビゲーション制御ユニット(110)を可能にする屋内ナビゲーション空間において特定された所望のナビゲート可能なレイアウトから抽出された固有の属性を提供する。ナビゲーションレイアウトのコンテキストを提供することに加えて、それはまた、最近の過去におけるエンティティ(200)のナビゲーションエクスペリエンスに基づいて、それ自体の属性のいくつかを動的に更新する。ナビゲーションレイアウト全体は、絶対座標がマップに記録されているノードによって結ばれているナビゲート可能な線分に分割される。全てのそのような線分は、コスト、経路幅、速度制限、中間ノードの遷移角度、ノードの角度オフセット、特別な目的のためのノードフラグなどのような属性がマップに記録されている有効経路のネットワークにつながる有効経路のセットの一部を形成する。ナビゲーション中、それは、ナビゲーション制御ユニット(110)が、エンティティ(200)の現在の瞬時絶対位置及び所望の目標目的地に基づいて、リアルタイムで最適経路を決定することによって、ナビゲーション戦略を決定するのを助ける。ナビゲーション中に特定された任意の測定オフセットは、将来のナビゲーションのために捕捉され、マップに記録される。例えば、絶対方位ユニット(106)を介して最初に取得されたエンティティ(200)の絶対方位は、コースナビゲーション中、精密な表現を得る。2つの表現間の差異は、絶対方位ユニット(106)の角度オフセット誤差を提供する。そのような誤差は、それぞれの目標に向かって方向付ける間、そのような各ノードで既知の角度オフセットとしてマップに記録される。同じ開始ノードから同じ目標への後続のナビゲーション中、この記録された既知のオフセットは、エンティティ(200)の前記絶対方位に適用される。このステップは、各線分のあらゆるナビゲーション中に反復され、開始ノード及び終了ノードの所与のセットに関する角度オフセットは、マップにおいて連続的に改善され、動的に更新される。ナビゲーションガイダンスユニット(108)は、ナビゲーションエクスペリエンスを向上するのに役立ち得る複数のそのような属性を効果的に記録し、共有し、同様に更新し得る。そのような属性のリストは、設計者の想像力によってのみ限定される。
【0053】
本明細書の一実施形態によれば、ナビゲーション制御ユニット(110)は、様々な他のユニットからの入力を使用して、エンティティ(200)を自律的に駆動することにおいて重要な役割を果たす。ナビゲーション制御ユニット(108)によってガイドされたナビゲーション戦略に基づいて、ナビゲーション制御ユニットは、移動する線分に基づいて、前記ナビゲーションを複数のステップに分割する。そのような各線分に関して、ナビゲーション制御ユニット(110)は、エンティティが予め定められた経路から逸れ、したがって、衝突の脆弱性を高める高い確率につながり得る任意の制御不可能な激しい変動を避けるように、多段階ナビゲーション機構を適用し、予め定められた経路との滑らかで優雅な位置合わせを実現する。そのような線分における多段階ナビゲーション中、システムのサイクルタイムによって定義されるナビゲーションの各最小ステップでは、ナビゲーション制御ユニットは、1)予め定義されたナビゲーション経路に関する開始点からのエンティティの角度位置と、2)予め定義されたナビゲーション経路に関する終了点からのエンティティの角度位置と、3)エンティティの瞬時方位と、4)エンティティの瞬時絶対位置と、5)予め定義されたナビゲーション経路からのエンティティ(200)の垂直距離によって表されるエンティティの逸脱となどを含む様々なファクタの加重組み合わせに基づいて、角度補正を判定し、適用する。
【0054】
本明細書の一実施形態によれば、システムはまた、ナビゲーション制御ユニットに通信可能に結合され、多段階ナビゲーションに基づいてエンティティの駆動車輪を制御するように構成されている駆動車輪制御ユニット(112)を含む。駆動車輪制御ユニットは、左モータ及び右モータのうちの少なくとも1つと通信可能に関連付けられ、エンティティのナビゲーションの速度を制御する。駆動車輪制御ユニット(112)は、エンティティ(200)の角度補正を物理的に実現するために、エンティティ(200)の物理的特性に基づく様々なパラメータを使用して、ナビゲーション制御ユニット(110)によって提供される瞬時角度補正を、瞬時駆動車輪差分速度に変換する。駆動車輪制御ユニット(112)は、全体のナビゲーションプロセス中、駆動車輪の絶対位置を監視し、監視されたデータをナビゲーション制御ユニット(110)に入力し、ナビゲーション制御ユニット(110)は、瞬時角度補正を駆動車輪制御ユニット(112)に提供し、次の反復のために差分駆動車輪速度を導出する。ナビゲーション過程で、駆動車輪の絶対位置は、1)現在の絶対駆動車輪位置と、2)エンティティの現在の最大速度と、3)システム(100)のサイクルタイムと、4)エンティティ(200)の幅と、5)反復中に実現する角度補正とに基づいて予測される。エンティティが現在の位置からに予測された位置に移動する場合、差分駆動車輪速度は、2つの駆動車輪間の予測された角変位の差異から導出される。必要とされる補正を適用するために、エンティティの回転の方向に応じて、外輪は、現在の最大速度で適用され、内輪は、2つの駆動車輪間の予測された角変位の差異のファクタだけ、現在の最大速度よりも小さい速度を適用される。角度補正の差分駆動車輪速度への変換の図は、
図5に与えられる。また、2つの車輪間の速度差の急上昇に起因した車両の任意の望ましくない不安定な移動を避けるために、駆動車輪制御ユニット(112)は、ナビゲーション制御ユニット(110)からの次の反復信号の到着の前に、滑らかな遷移を実現し、所望の角度補正をエンティティ(200)に効果的に適用するように、車輪を介して適用される差分速度をタイムスライスすることによって、より高い精度で、例えば、システム(100)のサイクルタイムの10分の1で、車輪を制御する。
【0055】
本明細書の一実施形態によれば、線分における多段階ナビゲーションのステップは、a)エンティティのナビゲーションを開始し、エンティティの速度をアンプアップすることと、b)最大速度に達すると、エンティティを予め定められた経路に沿って方向付けるためにエンティティにコース修正を実行し、残差角を補償することと、c)予め定められた経路から逸脱限界内にエンティティを位置合わせするためにエンティティのナビゲーションの安定化を実行することと、d)エンティティの距離が線分の目的地点から予め定められた限界内に到達すると、エンティティの速度をランプダウンし、ナビゲーションを停止することとを含む。
【0056】
本明細書の一実施形態によれば、ナビゲーションを開始するステップ又はプロセスは、a)エンティティの方位が絶対方位ユニット(106)から取得されたエンティティ(200)の絶対方位に基づいて、予め定められた目標方位範囲内に位置合わせされるか否かを判定することと、b)理想経路からのエンティティの逸脱が許容限界内にある限り、逸脱修正を適用することなく、エンティティの速度をランプアップすることと、c)理想経路からのエンティティの逸脱が許容(予め定められた)限界を上回る(超える)とき、残差角を導出し、次いで、残差角によって逸脱修正を適用すると共に、エンティティの速度をランプアップし続けることと、d)所望の最大速度に到達するまで、ステップ2のみを実行すること、又は、ステップbとステップcとの組み合わせを実行することのいずれかを実行することとを含む。
【0057】
本明細書の一実施形態によれば、ランプアップ中、残差角を導出するステップ/プロセスは、bot位置を開始点と結ぶ線の傾き値を予め定められた周期間隔で反復して見つけること/判定することと、傾き値を平均化することと、ナビゲーションプロセスを開始しつつ、平均化された傾き値を絶対方位ユニット(106)から取得されたエンティティ(200)の絶対方位から減算することとを含む。
【0058】
本明細書の一実施形態によれば、コース修正を実行するステップ/プロセスは、前記線分を表す予め定義された経路に近づけるように、ランプアップ段階中に推定された残差角を使用することと、エンティティ(200)のコースを変更するための必要とされる角度補正を適用することとを含む。
【0059】
本明細書の一実施形態によれば、安定化を実行するステップ/プロセスは、第1の終了条件が満たされるか否かを判定することと、第1の終了条件が満たされるとき、安定化を実行することであって、第1の終了条件は、θ2<k θ1である特定の点として定義され、kは、正確な遷移点を決定する予め定められたファクタであり、θ1は、線分に関する開始点からのエンティティの初期角度であり、θ2は、線分に関する開始点からのエンティティの角度であり、エンティティが線分を表す予め定義された経路に向かって移動するとき、コース修正中に変化し続ける、実行すること、又は、第1の終了条件が満たされないとき、コース修正を繰り返す/継続することとを含む。安定化は、予め定められた経路に平行な且つ逸脱限界内のエンティティを位置合わせしつつ、コース修正を反転することと、予め定められた経路からのエンティティの逸脱が逸脱限界内にあるか否かを判定することと、エンティティが予め定められた経路からの逸脱限界内にいるとき、予め定められた経路に沿ってエンティティを位置合わせすることとを含む。安定化の過程で、角度補正ファクタの符号は、エンティティを予め定められた経路のいずれかの側で逸脱限界内に維持するように、判定される。エンティティの逸脱がプリセットされた逸脱限界を上回るケースでは、コース修正段階を繰り返す。
【0060】
本明細書の一実施形態によれば、ランプダウンするステップ又はプロセスは、1)予め定められた経路からのエンティティの逸脱が逸脱限界内にあるか否かを判定することと、2)逸脱がプリセットされた逸脱限界内にあるとき、第2の終了条件が満たされるか否かを判定することであって、第2の終了条件は、線分の目的地点までの残りの距離が予め定められた限界内にある点として定義される、判定することと、3)第2の終了条件が満たされるとき、予め定められた経路に沿ってエンティティを維持するために、逸脱修正と共にエンティティの速度をランプダウンするプロセスを実行すること、又は、第2の終了条件が満たされないとき、安定化プロセスを繰り返すことと、4)線分の目的地点までのエンティティの距離が、エンティティの瞬時絶対位置に基づいて、予め定められた限界内にあるか否かを判定することと、5)目標位置からのエンティティの距離が予め定められた限界内にないとき、ランプダウンするプロセスを継続し、或いは繰り返し、目標位置からのエンティティの距離が予め定められた限界内にあるとき、エンティティのナビゲーションを停止することとを含む。
【0061】
本明細書の一実施形態によれば、ナビゲーション空間を介して任意の2点間でエンティティをナビゲートする方法は、開示される。方法は、エンティティ(200)の瞬時絶対位置及び絶対方位のうちの少なくとも1つを判定することと、最終目標に到達するためにトラバースする線分の組み合わせを提供するナビゲーション戦略を決定することと、そのような各線分に関して、エンティティの瞬時絶対位置及び絶対方位に基づいて、エンティティの多段階ナビゲーションを判定し、実行することとを含む。線分における多段階ナビゲーションプロセスは、a)エンティティのナビゲーションを開始し、エンティティの速度をランプアップすることと、b)最大速度に到達すると、エンティティを予め定められた経路に沿って方向付けるためにエンティティにコース修正を実行し、残差角を補償することと、c)予め定められた経路から逸脱限界内にエンティティを位置合わせするためにエンティティのナビゲーションの安定化を実行することと、d)エンティティの距離が線分の目的地点から予め定められた限界に到達すると、エンティティの速度をランプダウンし、ナビゲーションを停止することとを含む。
【0062】
本明細書の一実施形態によれば、
図1は、ナビゲーション空間においてエンティティをナビゲートするためのシステムのブロックダイアグラムを示す。
図1に示されるように、システム100は、位置センシングユニット102と、絶対位置ユニット104と、絶対方位ユニット106と、ナビゲーションガイダンスユニット108と、ナビゲーション制御ユニット110と、駆動車輪制御ユニット112とを含む。例えば、エンティティは、静止オブジェクト又は移動オブジェクト(例えば、移動式工場設備又は車両など)を含んでもよい。例えば、ナビゲーション空間は、工場ユニットの内部の空間などの、予め定義された境界を有する囲まれた空間を含んでもよい。位置センシングユニット102は、意味のある方法でエンティティに配置され、UWB(超広帯域)、Bluetooth、Zigbee、超音波などに基づいて、エンティティ上の複数の位置に配置された複数のセンサを含み(
図2A-
図2Bと共に詳細に説明されるように)、そのような個々のセンサの位置の近似表現を提供する。絶対位置ユニット104は、瞬時絶対位置を判定するように構成されており、絶対方位ユニット106は、エンティティの絶対方位を判定するように構成されている。本発明の一実施形態によれば、ナビゲーションガイダンスユニット108のコースは、属性のセットを提供し、所与のナビゲーション空間において成功裏のナビゲーションを可能にする。実施形態のうちの1つによれば、ナビゲーション制御ユニット110は、ナビゲーションガイダンスユニット108によって与えられた属性を使用し、所与のナビゲーション空間における任意の2点間でナビゲーションを実行する。ナビゲーションを実行するために、前記ナビゲーション経路は、複数の線分に分割され、そのような各線分上のナビゲーションは、多段階ナビゲーション機構を使用して実行される。全てのそのような線分のナビゲーションを完了し、許容限界内で所望の目標に到達すると、前記ナビゲーションは、成功裏に完了されると見なされる。本発明の一実施形態によれば、線分における多段階ナビゲーションは、a)エンティティのナビゲーションを開始し、エンティティの速度をランプアップすることと、b)最大速度に到達すると、エンティティを予め定められた経路に沿って方向付けるためにエンティティにコース修正を実行し、残差角を補償することと、c)予め定められた経路から逸脱限界内にエンティティを位置合わせするためにエンティティのナビゲーションの安定化を実行することと、d)エンティティの距離が線分の目的地点から予め定められた限界に到達すると、エンティティの速度をランプダウンし、ナビゲーションを停止することとを含む。本発明の一実施形態によれば、物理的に、駆動車輪制御ユニット112は、ナビゲーション制御ユニット110によって提供される角度補正を、駆動車輪に適用される差分速度に変換する。
【0063】
本明細書の一実施形態によれば、
図2Aは、複数の位置にセンサのセットを設置したエンティティ(ロボット)の透視図を示す。
図2Aに示されるように、エンティティ200は、前端部201及び後端部205を含む。センサのセット202A-202Hは、例示的なエンティティ200の、前端部201に配置されたセンサの前方セット202A-202Dと、後端部205に配置されたセンサの後方セット202E-202Hとを含む。
【0064】
本明細書の一実施形態によれば、
図2Bは、複数の位置にセンサのセットを設置したエンティティ(ロボット)の上面図を示す。
図2Bは、X-Y平面208における例示的なエンティティ200上のセンサのセット202A-202Hの位置決めの上面図表現を示す。
図2Bに描写されるように、点F1-F4及び点B1-B4は、それぞれ、センサ202A-202D及び202E-202Hの位置決めを表す。センサ202A-202Hは、3次元空間の多様性を実現するために、
図2Aに示されるような方法で位置決めされる。センサ202A-202Hは、これらのセンサの各々が物理的に配置される予め定義された各位置の位置情報を提供する。位置センシングユニット(102)を使用して取得された前記エンティティ(200)の前記予め定義された点の時間平均された位置情報を使用して、我々は、固有ベクトルの組み合わせを構築でき、その各々は、XY平面208におけるエンティティの針路又は絶対方位を表す前記エンティティ(200)の所与の軸との角度関係を把握している。
【0065】
本明細書の一実施形態によれば、絶対方位ユニット(106)は、ベクトルの組み合わせを構築し、
図2Bに示されるように、その各々は、エンティティの針路又は絶対方位である、太い矢印によって表される前記エンティティ(200)の所与の軸と既知の角度関係を有する。そのような各ベクトルは、任意の2つの前記予め定義された点、又はそのような予め定義された点の組み合わせを表す任意の2点を結ぶことによって構築される。例示のベクトル構築と、エンティティの絶対方位に関するそれらの関連付けられた角度オフセットとは、以下に与えられる。
a)ベクトルB1B4及びF1F4は、90度の角度オフセットを有する。
b)ベクトルB1F1及びB4F4は、90度の角度オフセットを有する。
c)ベクトルB1F4及びB4F1は、対角線と同じ角度オフセットを有するが、それらを平均化することは、オフセットを無効化し、エンティティ(200)の絶対方位の直接的な表現を与える。
d)ベクトルはまた、2点を結ぶことによって形成されることができ、一方は、B1B2B3B4の平均位置表現であり、他方は、F1F2F3F4の平均位置表現であり得る。このベクトルは、ゼロの角度オフセットを有し得る。
エンティティの絶対方位と角度関係を有するベクトルの無数のそのような組み合わせは、構築され得る。その方向感覚と共に、そのような各ベクトルの絶対方位は、エンティティ(200)の所望の絶対方位の尺度に既知の角度オフセットを提供する。それぞれの既知のオフセットをそのような各ベクトルの方位に適用することは、エンティティ(200)の絶対方位の固有表現を提供する。全てのそのような角度の加重平均は、エンティティ(200)の信頼できる絶対方位を提供する。
【0066】
本明細書の一実施形態によれば、
図3A-
図3Cのコースは、ナビゲーションプロセスのシステムによって実行される多段階ナビゲーションプロセスを示す。より具体的に、
図3Aは、本技術のシステム100によって実行される多段階ナビゲーションを表す曲線300を描写する。本発明の一実施形態によれば、多段階ナビゲーションは、ランプアップ段階302と、コース修正段階304と、安定化段階306と、ランプダウン段階308とを含む。ランプアップ段階302では、エンティティ200のナビゲーションは、開始される。エンティティ200の方位が予め定められた目標方位範囲内に位置合わせされるか否かが判定される。エンティティの速度をランプアップすることは、理想経路からのエンティティの逸脱が許容限界内にある限り、逸脱修正を適用することなく、最初に開始される。理想経路からのエンティティの逸脱が許容限界を上回る場合、逸脱修正は、残差角(θ)310に基づいて、ランプアップと共に適用される。コース修正段階304中、ランプアップ段階のハンドオフ点からのエンティティの方位のより良い理解と共に、予め定義された経路311に近づけるように、エンティティのコースを変更するための角度補正を適用する。
【0067】
図3Bは、残差角が、コース修正の結果として、θ
1312からθ
2314に変更するコース修正段階304を描写する曲線を示す。コース修正は、第1の終了条件で停止される。第1の終了条件は、θ2<k θ1である特定の点として定義され、kは、正確な遷移点を決定する予め定められたファクタであり、θ1は、線分に関する開始点からのエンティティの初期角度であり、θ2は、線分に関する開始点からのエンティティの角度であり、エンティティが線分を表す予め定義された経路に向かって移動するとき、コース修正中に変化し続ける。安定化段階306中、安定化は、予め定められた経路311に平行な且つ逸脱限界内のエンティティ200を位置合わせしつつ、コース修正を反転することによって実行される。予め定められた経路311からのエンティティ200の逸脱が逸脱限界内にあるか否かが判定され、エンティティ200が予め定められた経路311に沿って、予め定められた経路311から逸脱限界内に位置合わせされる。安定化段階306の過程で、エンティティ(200)の軌道傾向を追跡し、エンティティを予め定められた経路のいずれかの側で逸脱限界内に維持するように、角度補正ファクタの符号を変更する。
【0068】
図3Cは、安定化段階306を描写する曲線を示す。
図3Cに描写されるように、残差角は、θ
2314からゼロの傾向があり、エンティティ200は、安定化の結果として、予め定められた経路311に、より近づく。ランプダウン段階308中、エンティティ200の速度は、予め定められた経路に沿ってエンティティを維持するために、逸脱修正と共にランプダウンされる。
図3Cは、ランプダウン段階308を描写する曲線を示す。多段階ナビゲーションプロセスは、
図3D及び
図3Eと共にさらに説明される。
【0069】
本明細書の一実施形態によれば、
図3D-
図3Eは、線分における多段階ナビゲーションプロセスのプロセスを説明するフローチャートを示す。一実施形態によれば、
図3D-
図3Eは、システム100によって実行される多段階ナビゲーションのプロセスを示すプロセスフローダイアグラムを描写する。一実施形態では、ステップ320では、エンティティ200のナビゲーションは、開始される。ステップ322では、エンティティ200の絶対方位は、絶対方位ユニット106を使用して判定される。ステップ324では、エンティティ200の方位が予め定められた誤差限界内で位置合わせされるか否かが判定される。ステップ326では、方位が予め定められた誤差限界内にないと、エンティティは、回転され、その方位を線分の目的地点に向かって修正し、したがって、誤差を低減する。エンティティが予め定められた誤差限界内で目標に向かって方向付けられるまで、ステップ322からステップ324は、繰り返される。ステップ328では、予め定められた経路311からのエンティティ200の逸脱が予め定められた逸脱限界内にあるとき、エンティティの速度は、逸脱修正を適用することなく、ランプアップされる。ステップ330では、最大速度が実現されるか否かが判定される。最大速度が実現されないと、ステップ332では、逸脱が限界内にあるか否かが判定される。逸脱が限界内にあると、ステップ328から332は、繰り返される。逸脱が限界内にないと、ステップ334では、エンティティの速度は、逸脱修正と共にランプアップされる。ステップ336では、最大速度が実現されるか否かが判定される。最大速度が実現されないと、ステップ334と336とは、繰り返される。最大速度が実現されると、ステップ338では、コース修正は、残差角を補償しつつ、エンティティを予め定められた経路311に沿って方向付けるために実行される。ステップ340では、第1の終了条件が満たされるか否かが判定され、第1の終了条件は、θ2<k θ1である特定の点として定義され、kは、正確な遷移点を決定する予め定められたファクタであり、θ1は、線分に関する開始点からのエンティティの初期角度である。θ2は、線分に関する開始点からのエンティティの角度であり、エンティティが線分を表す予め定義された経路に向かって移動するとき、コース修正中に変化し続ける。ステップ340で、第1の終了条件が満たされないと、ステップ338は、繰り返される。ステップ340で、第1の終了条件が満たされると、安定化は、エンティティに実行される。安定化中、コース修正は、エンティティを予め定められた経路311に平行な且つ逸脱限界内のエンティティを位置合わせしつつ、反転され、予め定められた経路311からのエンティティの逸脱が逸脱限界内にあるか否かが判定され、エンティティは、予め定められた経路311に沿って、予め定められた経路311から逸脱限界内に位置合わせされる。
【0070】
ステップ344では、逸脱が逸脱限界内にあるか否かが判定される。逸脱が限界内にあると、ステップ346では、第2の終了条件が満たされるか否かが判定され、第2の終了条件は、線分の目的地点までの残りの距離が予め定められた限界内である点として定義される。逸脱が限界内にないと、ステップ338から344は、繰り返される。ステップ346で、第2の終了条件が満たされると、ステップ348では、エンティティの速度は、逸脱修正と共にランプダウンされる。さもなければ、ステップ346で、第2の終了条件が満たされないと、ステップ342から346は、繰り返される。ステップ350では、目的地に到達するか否かが判定される。ステップ350で、目的地に到達すると、ステップ352では、ナビゲーションは、停止する。さもなければ、最大速度を実現しないと、ステップ348から350は、繰り返される。
【0071】
本明細書の一実施形態によれば、
図3Fは、多段階ナビゲーションプロセスを示すチャートを示す。
図3Fに描写されるように、シミュレートされた軌道352は、X軸354に沿ったエンティティの移動の距離(ミリメートル単位)を、Y軸356に沿った予め定められた経路311からの逸脱(ミリメートル単位)に対してプロットすることによって取得されたグラフである。シミュレートされた軌道352は、ランプアップ段階360と、コース修正段階362と、安定化段階364と、ランプダウン段階366とを含む。シミュレートされた軌道322から観察され得るように、このケースでの最大逸脱は、20センチメートル未満に含まれ、エンティティは、反対側にトラバースすることを許されない。
【0072】
本明細書の一実施形態によれば、
図3Gは、線分における多段階ナビゲーションプロセスのための絶対位置ユニット104に基づいて、実際のbotの軌道を示すチャートを示す。軌道368は、理想経路370と、残差角θを有する初期方向372とを含む。また、線分の目的地点に向かうコース修正後の安定化経路は、374によって表される。
【0073】
本明細書の一実施形態によれば、
図4は、ナビゲーション空間における予め定められた経路に沿ってエンティティをナビゲートする方法を説明するフローチャートを示す。ステップ402では、エンティティの瞬時絶対位置及び絶対方位のうちの少なくとも1つは、判定され、任意の2点間のナビゲーションは、開始される。ステップ403では、開始から最終目標までに最適に到達するように、ナビゲートする全ての線分は、特定される。ステップ404では、線分に関するエンティティの多段階ナビゲーションは、エンティティの瞬時絶対位置及び瞬時絶対方位に基づいて、実行される。多段階ナビゲーションのサブステップ404aでは、エンティティのナビゲーションは、開始され、エンティティの速度は、ランプアップされる。サブステップ404bでは、コース修正は、最大速度に到達すると、エンティティを予め定められた経路に沿って方向付けるためにエンティティに実行され、残差角を補償する。サブステップ404cでは、エンティティのナビゲーションの安定化は、予め定められた経路から逸脱限界内にエンティティを位置合わせするために実行される。サブステップ404dでは、エンティティの距離が線分の目的地点から予め定められた限界内に到達すると、エンティティの速度は、ランプダウンされ、エンティティのナビゲーションは、停止される。403で特定された各線分に関する404aから404dのステップは、全ての線分がナビゲートされ、目標に到達するまで繰り返される。
【0074】
図5は、エンティティ(200)の角度補正を物理的に実現するために、エンティティ(200)の物理的特性に基づく様々なパラメータを使用して、ナビゲーション制御ユニット(110)によって提供される瞬時角度補正を、瞬時差分駆動車輪速度に変換する駆動車輪制御ユニットによって使用される機構を示す。駆動車輪制御ユニット(112)は、ナビゲーション制御ユニット(110)から受け取った瞬時角度補正に基づいて次の反復のための差分駆動車輪速度を導出するために、ナビゲーション全体を通して駆動車輪の絶対位置を監視する。
図5では、エンティティ(200)の初期位置501から、角度補正θと共に、エンティティは、更新位置502に到達し得る。この角度補正θは、外輪503と内輪504との間の差分角変位を導き、差分角変位は、θ及びエンティティの幅´w´の関数である。
図5に示されるように、内輪の速度は、外輪の速度からw*θを減算することによって取得される。エンティティの現在の最大速度を外輪に適用すると、内輪の減速された速度は、導出され得る。
【0075】
本明細書の一実施形態によれば、
図6は、ナビゲーション中、エンティティを制御する一部として角度補正ファクタを計算するために使用される様々なパラメータの重要性を示す。エンティティの多段階ナビゲーションの異なる段階中のこれらのパラメータの組み合わせの典型的な使用法は、同様に示される。
【0076】
本明細書で開示された時間的に変化する屋内ナビゲーション空間において費用効果がある自律エンティティを実現し、ナビゲートするシステム及びプロセスの様々な実施形態は、ナビゲーション経路を複数の線分に分割することと、ナビゲートするそのような各線分に関して、例えば、5度の精度の限界内でエンティティの開始角度を方向付けることと、その後エンティティの安定化制御を保証するために多段階ナビゲーション機構を開始することと、線分の目的地点に到達するまで線分を定義された理想経路に沿ってエンティティの軌道を維持することと、あらゆるそのような線分が最終目標に到達するまで同じことを繰り返されることとによって、前記ナビゲーション空間における任意の2点間でナビゲートすることを容易にする。さらに、本技術の多段階ナビゲーションプロセスは、1)理想経路からの逸脱を最小化することと、2)最も早いコース修正、及び直線におけるナビゲーションを介した追従と、3)理想経路に平行な直線における目標への優雅な到着とのうちの少なくとも1つを実現することを容易にする。ナビゲーションの過程で、許容限界を超えたエンティティの逸脱につながる、凹凸の床面、床の摩擦、マルチパス無線信号劣化などのような任意の外的ファクタは、注意深く監視され、ナビゲーション戦略は、動的に経験される条件の評価、ひいてはエンティティの瞬時絶対位置及び絶対方位に基づいて、多段階ナビゲーションのコース修正及び新しいサイクルの開始を決定することを含めて、目標に成功裏に到達するように、動的に変更される。
【0077】
特定の実施形態の前述の説明は、本明細書の実施形態の一般的な性質を十分に明らかにし得るので、他人は、現在の知識を適用することによって、上位概念から逸脱することなく、特定の実施形態のような様々な用途を容易に修正し、且つ/或いは適合することができ、したがって、そのような適合及び修正は、開示された実施形態の意味及び均等範囲内で理解されるべきであり、意図される。本明細書で採用された言葉遣い又は用語は、説明のためであり、限定を目的としないことが理解されるべきである。したがって、本明細書の実施形態は、好ましい実施形態の観点から説明されており、当業者は、本明細書の実施形態が、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で修正と共に実施され得ることを認識されよう。
【0078】
本明細書の実施形態は、様々な特定の実施形態で説明されているが、当業者にとって、本明細書の実施形態を修正と共に実施することは明らかであろう。