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特許7604653蛍光体及び光インカプラを備えるレーザSMDパッケージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】蛍光体及び光インカプラを備えるレーザSMDパッケージ
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241216BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20241216BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20241216BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20241216BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20241216BHJP
   H01S 5/02255 20210101ALI20241216BHJP
   H01S 5/02253 20210101ALI20241216BHJP
   H01S 5/024 20060101ALI20241216BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20241216BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241216BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241216BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21S2/00 311
F21V9/32
F21V7/28 230
F21V29/503
F21V29/70
H01S5/02255
H01S5/02253
H01S5/024
G02B5/20
F21Y115:30
F21Y115:10 300
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023534082
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2021083166
(87)【国際公開番号】W WO2022117455
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】20211784.2
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】コルネリッセン ヒューゴ ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0036303(US,A1)
【文献】特表2010-541221(JP,A)
【文献】特開2004-146835(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0227890(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 9/32
F21V 7/28
F21V 29/503
F21V 29/70
H01S 5/02255
H01S 5/02253
H01S 5/024
G02B 5/20
F21Y 115/30
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ユニットと、ルミネッセンス要素と、光学要素と、反射要素とを有する光生成システムであって、
前記照明ユニットが、ユニット光のビームを生成するよう構成され、
前記ルミネッセンス要素が、前記ユニット光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成されるルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス要素が、第1ルミネッセンス要素面と、第2ルミネッセンス要素面とを有し、前記ルミネッセンス材料の少なくとも一部が、前記第1ルミネッセンス要素面と前記第2ルミネッセンス要素面との間に構成され、
前記光学要素が、外面を有し、前記光学要素が、前記ルミネッセンス要素と前記反射要素との間に構成され、前記外面の第1部分が、前記第2ルミネッセンス要素面に向けられ、前記外面の第2部分が、前記反射要素に向けられ、前記外面の第3部分が、前記照明ユニットと受光関係にあるよう構成され、前記光学要素の前記外面の前記第1部分の第1面積が、前記光学要素の前記外面の前記第2部分の第2面積より小さく、前記光学要素が、前記ユニット光に対して透過性であり、
前記反射要素が、ユニット光を反射するよう構成され、
動作モードにおいて、前記照明ユニットが、前記光学要素を通る透過及び前記反射要素における反射を介して前記第1ルミネッセンス要素面を照らすよう構成されるような前記照明ユニットが構成される光生成システム。
【請求項2】
前記動作モードにおいて、前記照明ユニットが、前記光学要素を通る透過を介して前記第2部分の少なくとも20%を照らし、前記反射要素における反射を介して前記第2ルミネッセンス要素面の少なくとも70%を照らすよう構成されるような前記照明ユニットが構成され、前記反射要素が、鏡面反射性である請求項1に記載の光生成システム。
【請求項3】
前記光学要素が、前記第1部分を含む第1面と、前記第2部分を含む第2面と、前記第3部分を含む1つ以上の第3面とを有し、前記第1面と前記第2面とが、平行に構成され、前記第1面が、前記ルミネッセンス要素と物理的に接触しており、前記第2面が、前記反射要素と物理的に接触しており、前記第3面と前記第1面とが、第1相互角度α1,3を有し、前記第3面と前記第2面とが、第2相互角度α2,3を有し、100°≦α1,3≦175°であり、5°≦α2,3≦80°である請求項1乃至2のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項4】
前記第2部分に対して垂直な第1平面において、前記第1平面内に構成される、前記第2部分に対する第1法線に対して、前記ビームが、前記第3部分への最小入射角α1と、前記第3部分への最大入射角α2とを有し、前記第3部分が、前記第1法線に対して第3角度α3を有し、α3>α1であり、前記ユニット光のビームが、前記ユニット光のスペクトルパワーの最大値の少なくとも1/eによって規定される請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項5】
前記第3角度α3が、15乃至75°の範囲から選択される請求項4に記載の光生成システム。
【請求項6】
前記ユニット光のビームが、集束ビーム及びコリメートビームから成るグループから選択される請求項4乃至5のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項7】
前記照明ユニットが、光源光を生成するよう構成される光源を有し、前記ユニット光が、前記光源光の少なくとも一部を有し、前記光源が、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードから成るグループから選択される請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項8】
前記照明ユニットが、(i)前記ユニット光のビームの成形、及び(ii)前記ユニット光のビームの方向付けのうちの1つ以上をするよう構成される1つ以上の第2光学要素を更に有する請求項7に記載の光生成システム。
【請求項9】
前記光学要素が前記1つ以上の第3面によって画定される1つ以上の縁端部を備える錐体の形状を有する請求項に記載の光生成システム。
【請求項10】
第2反射要素を有し、前記第2反射要素が、前記1つ以上の第3面を介して前記光学要素から脱出するユニット光を反射して前記光学要素に戻すよう構成され、前記第3部分が、第3面積を有し、前記1つ以上の第3面が、第4面積を有し、前記第4面積の少なくとも50%が、前記第2反射要素に向けられ、前記第4面積の最大25%が、前記第3面積によって規定される請求項9に記載の光生成システム。
【請求項11】
熱伝導性要素を有し、前記反射要素が、前記熱伝導性要素によって画定され、又は前記熱伝導性要素上の反射層として構成され、前記熱伝導性要素が、ヒートシンクを有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項12】
前記光学要素が、セラミック体、単結晶、ガラス及び石英から成るグループから選択され、前記ルミネッセンス材料が、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aが、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bが、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項13】
前記外面の前記第3部分の異なる部分を照らすよう構成される複数の照明ユニットを有する請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光生成システムを有する一体型光源パッケージ。
【請求項15】
ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光生成システムを有する光生成デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光生成システム、前記光生成システムを有する一体型光源パッケージ(integrated light source package)、及び前記光生成システムを有する光生成デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野においては、レーザ光源などの光源が知られている。例えば、US20180316160は、ガリウム及び窒素を含有する材料を含み、励起源として構成されるレーザダイオードデバイスと、波長変換器及び放射体として構成され、前記レーザダイオードデバイスに結合される蛍光体部材と、前記レーザダイオードデバイス及び前記蛍光体部材を支持するよう構成される共通支持部材、並びに前記共通支持部材に熱的に結合されるヒートシンクであって、前記共通支持部材が、前記レーザダイオードデバイス及び前記蛍光体部材から前記ヒートシンクへ熱エネルギを運ぶよう構成される共通支持部材及びヒートシンクと、400nmから485nmまでの第1波長を持つ紫色及び/又は青色発光から選択される電磁放射線で構成されるレーザビームを出力するよう、前記レーザダイオードデバイスに構成される出力ファセットと、前記レーザダイオードデバイスから前記蛍光体部材の励起面に前記レーザビームを伝達することが可能な非案内特性(non-guided characteristic)を持つ、前記出力ファセットと前記蛍光体部材との間の自由空間と、前記レーザビームと前記蛍光体部材の前記励起面との間の入射角の範囲であって、平均すると、前記レーザビームが、前記励起面に対する非法線入射を有し、ビームスポットが、或る特定の幾何学的サイズ及び形状のために構成されるような入射角の範囲とを有する一体型白色光源であって、前記蛍光体部材が、前記第1波長を持つ前記レーザビームからの前記電磁放射線の一部を、前記第1波長より長い第2波長を持つ放射電磁放射線に変換し、前記一体型白色光源が、前記蛍光体部材に関連する複数の散乱中心であって、前記蛍光体部材に入射する前記レーザビームから前記第1波長を持つ電磁放射線を散乱させる複数の散乱中心と、前記レーザビームが前記蛍光体部材の前記励起面上のビームスポット領域に入射し、実質的に同じビームスポット領域から白色光放射が出力されるように前記蛍光体部材を特徴付ける反射モードであって、前記白色光放射が、前記蛍光体部材からの少なくとも前記第2波長の放射電磁放射線によって特徴付けられる波長の混合物で構成される反射モードと、前記一体型白色光源のパッケージを特徴付けるフォームファクタ(form factor)であって、長さ、幅及び高さの寸法を有するフォームファクタとを有する一体型白色光源について記載している。
【0003】
DE10201616A1は、一次放射線を生成するよう構成される少なくとも1つの半導体レーザと、前記一次放射線からより長い波の可視二次放射線を生成するよう構成される少なくとも1つの変換要素とを含む半導体照明デバイスであって、前記変換要素が、1つ以上の量子井戸層を有する半導体層シーケンスを含み、前記半導体層シーケンスが、前記一次放射線で一様に照らされる半導体照明デバイスを開示している。前記半導体層シーケンスの成長基板は、前記半導体層シーケンスと前記半導体レーザとの間に位置し、前記成長基板は、前記成長方向に対して垂直に向けられている。
【0004】
DE102008012316A1は、第1波長範囲内の電磁一次放射線を放射する一次放射線源を有し、前記一次放射線源によって放射された一次放射線が供給されるルミネッセンス変換モジュールを有する半導体光源を開示している。前記ルミネッセンス変換モジュールは、前記第1波長範囲からの一次放射線を吸収し、第2波長範囲内の電磁二次放射線を放射するルミネッセンス変換要素を含む。前記ルミネッセンス変換要素は、前記一次放射源から離れたヒートシンクに配設される。それは、前記ルミネッセンス変換要素を通過し、それによって吸収されない前記一次放射線を反射して前記ルミネッセンス変換要素に戻す、且つ/又は前記ルミネッセンス変換要素の光カップリングアウト面(light coupling-out surface)の方向に二次放射線を反射する反射面を有する。
【0005】
WO2019/008092A1は、細長い光透過体を含むルミネッセンス要素を有する照明デバイスであって、前記細長い光透過体が、側面を有し、前記細長い光透過体が、前記細長い光透過体によって受け取られるUV、可視光及びIRのうちの1つ以上から選択される光源光の少なくとも一部をルミネッセンス材料放射線に変換するよう構成されるルミネッセンス材料を有する照明デバイスを開示している。
【0006】
DE10349038A1は、青色一次放射線を放射するための少なくとも1つのLEDと、前記一次放射線を二次放射線に変換するための少なくとも1つのルミネッセンス材料を有する少なくとも1つのルミネッセンス変換体とを有する光源を開示している。前記ルミネッセンス変換体は、多結晶セラミック体である。前記セラミック体は、黄色の二次放射線を放射するセリウムドープイットリウムアルミニウムガーネットをベースとするルミネッセンス材料を有する。青色の一次放射線及び黄色の二次放射線は、前記ルミネッセンス変換体を貫通し、観察者によって白色光として知覚される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
白色LED光源は、例えば約300lm/mmまでの強度を与えることができるが、静的蛍光体変換レーザ白色光源は、約20.000lm/mmまでの強度さえ与えることができる。Ceドープガーネット(例えば、YAG、LuAG)は、ガーネット母材が非常に高い化学的安定性を有するので、青色レーザ光でポンピングする(pump)ために使用されることができる最も適切なルミネッセンス変換器であり得る。更に、(例えば、0.5%未満の)低いCe濃度では、温度消光は、約200℃超でしか生じない可能性がある。更に、Ceからの発光は、非常に速い減衰時間を持ち、故に、光飽和の発生が本質的に防止されることができる。例えば反射モード動作と仮定すると、青色レーザ光が、蛍光体に入射する可能性がある。これは、実施形態においては、変換光の発光をもたらす、青色光のほぼ完全な変換を実現する可能性がある。相対的に高い安定性及び熱伝導率を備えるガーネット蛍光体の使用が提案されるのは、この理由のためである。しかしながら、他の蛍光体も適用され得る。極めて高い出力密度が使用される場合、熱管理は依然として課題であり得る。
【0008】
高輝度光源は、投影、ステージ照明、スポット照明、自動車用照明などの用途において使用されることができる。この目的のために、レーザがレーザ光を供給し、例えば(遠隔)蛍光体がレーザ光を変換光に変換するレーザ・蛍光体技術が使用され得る。前記蛍光体は、実施形態においては、熱管理の改善のために、従って、より高い輝度のために、ヒートシンク上に配設されてもよく、又はヒートシンクに挿入されてもよい。
【0009】
このような(レーザ)光源に関連し得る問題のうちの1つは、セラミック蛍光体の熱管理である。このようなレーザ光源に関連する他の問題は、コンパクトな高出力デバイスを作成したいという要望であり得るが、これは、必ずしも相対的に容易ではないことがある。
【0010】
従って、代替光生成システムを提供することが、本発明の或る態様であり、前記代替光生成システムは、好ましくは、更に、上記の不利な点のうちの1つ以上を少なくとも部分的に取り除く。本発明は、従来技術の不利な点のうちの少なくとも1つを解消若しくは改善すること、又は有用な代替手段を提供することを目的とし得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
特に、或る態様においては、本発明は、照明ユニットと、ルミネッセンス要素(又は「ルミネッセンス材料要素」)と、光学要素と、反射要素とを有する光生成システムを提供する。実施形態においては、前記照明ユニットは、特に、ユニット光のビームを生成するよう構成されてもよい。更に、前記ルミネッセンス要素は、特に、ルミネッセンス材料を有する。実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、前記ユニット光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。特に、実施形態においては、前記ルミネッセンス要素は、第1ルミネッセンス要素面と、第2ルミネッセンス要素面とを有してもよい。特に、前記ルミネッセンス材料の少なくとも一部は、前記第1ルミネッセンス要素面と前記第2ルミネッセンス要素面との間に構成されてもよい。更に、実施形態においては、前記光学要素は、外面を有してもよい。特に、実施形態においては、前記光学要素は、前記ルミネッセンス要素と前記反射要素との間に構成されてもよい。更に、実施形態においては、前記光学要素の前記外面の第1部分は、前記第2ルミネッセンス面に向けられてもよい。更に、実施形態においては、前記光学要素の前記外面の第2部分は、前記反射要素に向けられてもよい。特に、実施形態においては、前記外面の第3部分は、前記照明ユニットと受光関係にあるよう構成されてもよい。特に、実施形態においては、前記光学要素の前記外面の前記第1部分の第1面積A1は、前記光学要素の前記外面の前記第2部分の第2面積A2より小さくてもよい。特に、実施形態においては、前記光学要素は、前記ユニット光に対して透過性であってもよい。実施形態においては、前記反射要素は、ユニット光を反射するよう構成されてもよい。特に、実施形態においては、動作モードにおいて、前記照明ユニットが、前記光学要素を通る透過及び前記反射要素における反射を介して前記第1ルミネッセンス要素面を照らすよう構成されるような前記照明ユニットが構成されてもよい。従って、特定の実施形態においては、本発明は、照明ユニットと、ルミネッセンス要素と、光学要素と、反射要素とを有する光生成システムであって、(a)前記照明ユニットが、ユニット光のビームを生成するよう構成され、(b)前記ルミネッセンス要素が、前記ユニット光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成されるルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス要素が、第1ルミネッセンス要素面と、第2ルミネッセンス要素面とを有し、前記ルミネッセンス材料の少なくとも一部が、前記第1ルミネッセンス要素面と前記第2ルミネッセンス要素面との間に構成され、(c)前記光学要素が、外面を有し、前記光学要素が、前記ルミネッセンス要素と前記反射要素との間に構成され、前記外面の第1部分が、前記第2ルミネッセンス要素面に向けられ、前記外面の第2部分が、前記反射要素に向けられ、前記外面の第3部分が、前記照明ユニットと受光関係にあるよう構成され、記第1部分の第1面積A1が、前記第2部分の第2面積A2より小さく、前記光学要素が、前記ユニット光に対して透過性であり、(d)前記反射要素が、ユニット光を反射するよう構成され、(e)動作モードにおいて、前記照明ユニットが、前記光学要素を通る透過及び前記反射要素における反射を介して前記第1ルミネッセンス要素面を照らすよう構成されるような前記照明ユニットが構成される光生成システムを提供する。従って、特定の実施形態においては、本発明は、レーザ、透過型ルミネッセンス要素を備えるSMD(表面実装型デバイス)パッケージなどの固体光源を提供する。
【0012】
このような光生成システムでは、前記光源からの光が前記ルミネッセンス要素の表面にわたって分散され得るので、熱管理がより容易であり得る。更に、熱は、前記光学要素を介して反射型ヒートシンクのような熱伝導性要素へ放散し得る。更に、前記光生成システムは、前記ルミネッセンス材料が複数の照明ユニットでポンピングされ得るので、相対的に高い強度を可能にし得る。
【0013】
上記のように、前記光生成システムは、特に、照明ユニットと、ルミネッセンス要素と、光学要素と、反射要素とを有してもよい。照明ユニット、ルミネッセンス要素、光学要素及び反射要素については、以下で説明する。更に、前記光生成システムの実施形態については、以下で説明する。
【0014】
更に、上記のように、前記光生成システムは、照明ユニットを有する。「照明ユニット」という用語は、実施形態においては、複数の照明ユニットを指すこともある。一般に、前記ルミネッセンス要素にユニット光を供給するよう構成され得る照明ユニットの数は、1乃至24個などの、実施形態においては2乃至16個のような、1乃至64個の範囲から選択されてもよい。しかしながら、4乃至50個の範囲から選択されるような、より多くの個数も可能であり得る。
【0015】
「光源」という用語は、原則として、当技術分野において知られている任意の光源に関し得る。それは、従来の(タングステン)電球、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光灯、LED(発光ダイオード)であってもよい。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオード(若しくは「ダイオードレーザ」)などの)固体LED光源を有する。「光源」という用語は、2乃至200個の(固体)LED光源などの複数の光源に関することもある。従って、LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の光半導体光源が同じ基板上に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0016】
前記光源は、光脱出面(light escape surface)を有する。電球又は蛍光灯のような従来の光源に関しては、前記光脱出面は、ガラス又は石英のエンベロープの外面であり得る。LEDの場合は、前記光脱出面は、例えば前記LEDダイであり得る、又は前記LEDダイに樹脂が塗布される場合、前記樹脂の外面であり得る。原理上、前記光脱出面は、ファイバの終端である可能性もある。脱出面という用語は、特に、前記光源の、光が実際に前記光源から出る又は脱出する部分に関する。前記光源は、光ビームを供給するよう構成される。(従って)前記光源の光出射面からこの光ビームが脱出する。
【0017】
「光源」という用語は、発光ダイオード(LED)、共振空洞発光ダイオード(RCLED)、垂直キャビティレーザダイオード(VCSEL)、端面発光レーザなどのような半導体発光デバイスを指し得る。「光源」という用語は、パッシブマトリクス(PMOLED)又はアクティブマトリクス(AMOLED)などの有機発光ダイオードを指すこともある。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオードなどの)固体光源を有する。実施形態においては、前記光源は、LED(発光ダイオード)を有する。「光源」又は「固体光源」という用語は、スーパールミネッセントダイオード(superluminescent diode)(SLED)を指すこともある。
【0018】
LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の半導体光源が同じ基板上に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0019】
「光源」という用語は、2乃至2000個の固体光源などの複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関することもある。実施形態においては、前記光源は、LEDなどの単一の固体光源の下流に、又は複数の固体光源の下流に(即ち、例えば複数のLEDによって共有される)、1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を有してもよい。実施形態においては、前記光源は、オンチップ光学系を備えるLEDを有してもよい。実施形態においては、前記光源は、(実施形態においては、オンチップビームステアリングを提供する)(光学系を備える又は備えない)ピクセル化された単一のLEDを有する。
【0020】
実施形態においては、例えば、青色LEDのような青色光源、又は緑色LEDのような緑色光源、及び赤色LEDのような赤色光源などの、前記光源は、その自体として使用される一次放射線を供給するよう構成されてもよい。ルミネッセンス材料(「蛍光体」)を含まないことがある、このようなLEDは、ダイレクトカラーLED(direct color LED)と示されることがある。
【0021】
しかしながら、他の実施形態においては、前記光源は、一次放射線を供給するよう構成されてもよく、前記一次放射線の一部は、二次放射線に変換される。二次放射線は、ルミネッセンス材料による変換に基づき得る。それ故、前記二次放射線は、ルミネッセンス材料放射線と示されることもある。前記ルミネッセンス材料は、実施形態においては、ルミネッセンス材料を含むルミネッセンス材料層又はドームを備えるLEDなどの、前記光源によって含まれてもよい。このようなLEDは、蛍光体変換LED又はPC LEDと示されることがある。他の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、前記LEDのダイと物理的に接触していないルミネッセンス材料層を備えるLEDのように、前記光源から幾らかの距離を置いて(「遠隔」に)構成されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源は、動作中、少なくとも、380乃至470nmの範囲から選択される波長において光を発する光源であり得る。しかしながら、他の波長も可能であり得る。この光は、部分的に、前記ルミネッセンス材料によって使用され得る。
【0022】
「レーザ光源」という用語は、特にレーザを指す。このようなレーザは、特に、UV、可視、又は赤外において1つ以上の波長を有する、特に、300乃至1500nmなどの、200乃至2000nmのスペクトル波長範囲から選択される波長を有するレーザ光源光を生成するよう構成されて得る。「レーザ」という用語は、特に、電磁放射線の誘導放出に基づく光増幅のプロセスを通して光を発するデバイスを指す。
【0023】
特に、実施形態においては、「レーザ」という用語は、固体レーザを指し得る。特定の実施形態においては、「レーザ」若しくは「レーザ光源」という用語、又は同様の用語は、レーザダイオード(又はダイオードレーザ)を指す。
【0024】
従って、実施形態においては、前記光源は、レーザ光源を有する。実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」という用語は、セリウムドープリチウムストロンチウム(又はカルシウム)フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、クロムドープクリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、二価サマリウムドープフッ化カルシウム(Sm:CaF)レーザ、Er:YAGレーザ、エルビウムドープ及びエルビウムイッテルビウムコドープガラスレーザ、F-センターレーザ、ホルミウム(Ho:YAG)レーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、ネオジウムドープイットリウムカルシウムオキソボレートNd:YCaO(BO又はNd:YCOB、ネオジウムドープオルトバナジウム酸イットリウム(Nd:YVO)レーザ、ネオジウムガラス(Nd:ガラス)レーザ、ネオジウムYLF(Nd:YLF)固体レーザ、プロメチウム147ドープリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)固体レーザ、ルビーレーザ(Al:Cr3+)、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、チタンサファイア(Ti:サファイア;Al:Ti3+)レーザ、三価ウランドープフッ化カルシウム(U:CaF)固体レーザ、イッテルビウムドープガラスレーザ(ロッド、プレート/チップ及びファイバ)、イッテルビウムYAG(Yb:YAG)レーザ、Yb(ガラス又はセラミックス)レーザなどのうちの1つ以上を指し得る。
【0025】
実施形態においては、「レーザ」又は「固体レーザ」という用語は、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、鉛塩、垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser)(VCSEL)、量子カスケードレーザ、ハイブリッドシリコンレーザなどの半導体レーザダイオードのうちの1つ以上を指し得る。
【0026】
レーザ(又は他の光源)は、より短い(レーザ)波長に達するために、アップコンバータ(upconverter)と組み合わされてもよい。例えば、何らかの(三価)希土類イオンで、アップコンバージョン(upconversion)が達成され得る、又は非線形結晶で、アップコンバージョンが達成され得る。他の例においては、色素レーザなどのレーザは、より長い(レーザ)波長に達するために、ダウンコンバータ(downconverter)と組み合わされ得る。
【0027】
以下から導き出され得るように、「レーザ光源」という用語は、複数の(異なる又は同一の)レーザ光源を指すこともある。特定の実施形態においては、「レーザ光源」という用語は、複数のN個の(同一の)レーザ光源を指し得る。実施形態においては、N=2以上である。特定の実施形態においては、Nは、特に少なくとも8などの、少なくとも5であり得る。このやり方においては、より高い輝度が得られ得る。実施形態においては、レーザ光源は、レーザバンク(laser bank)内に配設されてもよい(上記も参照)。前記レーザバンクは、実施形態においては、ヒートシンク、及び/又は光学系、例えば、レーザ光をコリメートするためのレンズを含んでもよい。
【0028】
前記レーザ光源は、レーザ光源光(又は「レーザ光」)を生成するよう構成される。前記光源光は、本質的に、前記レーザ光源光から成っていてもよい。前記光源光は、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光を有することもある。例えば、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光を有する単一の光ビームを供給するために、前記2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源の前記レーザ光源光が、光ガイドに結合されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源光は、特に、コリメート光源光である。更に他の実施形態においては、前記光源光は、特に、(コリメート)レーザ光源光である。
【0029】
「異なる光源」又は「複数の異なる光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、少なくとも2つの異なるビン(bin)から選択される複数の固体光源を指し得る。同様に、「同一の光源」又は「複数の同じ光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、同じビンから選択される複数の固体光源を指し得る。
【0030】
前記光源は、特に、光軸(O)、(ビーム形状、)及びスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成される。前記光源光は、実施形態においては、レーザについて知られているような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有し得る。特定の実施形態においては、前記帯域は、10nm以下などの、室温(RT)において20nm未満の範囲内の半値全幅(full width half maximum)(FWHM)を有するものなどの、相対的にシャープな(sharp)線であってもよい。従って、前記光源光は、1つ以上の(狭)帯域を含み得るスペクトルパワー分布(波長の関数としての、エネルギ尺度における強度)を有する。
【0031】
(光源光の)ビームは、(レーザ)光源光の、集束又はコリメートビームであってもよい。「集束」という用語は、特に、小さいスポットに収束していることを指し得る。この小さいスポットは、個別の変換器領域(discrete converter region)にあってもよく、又は前記個別の変換器領域の(わずかに)上流若しくは前記個別の変換器領域の(わずかに)下流にあってもよい。特に、集束及び/又はコリメーションは、(側面における)前記個別の変換器領域における前記ビームの(前記光軸に対して垂直な)断面形状が、(前記光源光が前記個別の変換器領域を照射する場所での)前記個別の変換器領域の(前記光軸に対して垂直な)断面形状よりも、本質的に大きくはないようなものであり得る。集束は、(集束)レンズのような1つ以上の光学系で実行され得る。特に、前記レーザ光源光を集束させるために、2つのレンズが適用されてもよい。コリメーションは、レンズ及び/又は放物面鏡などの、コリメーション要素のような1つ以上の(他の)光学系で実行され得る。実施形態においては、(レーザ)光源光のビームは、実施形態において、≦2°(FWHM)、より特に≦1°(FWHM)、最も特に≦0.5°(FWHM)のような、相対的に高度なコリメートをされてもよい。従って、≦2°(FWHM)は、(高度に)コリメートされた光源光とみなされ得る。(高度な)コリメーションを提供するために、光学系が使用されてもよい(上記も参照)。
【0032】
従って、前記照明ユニットは、光源を有してもよく、随意に、光学系を有してもよい。従って、実施形態においては、前記照明ユニットは、本質的に、光源から成ってもよい。しかしながら、他の実施形態においては、前記照明ユニットは、光学系を有する。実施形態においては、前記光源は、レーザダイオード及びスーパールミネッセントLEDのグループから選択されてもよい。
【0033】
前記照明ユニットは、特に、ユニット光のビームを生成するよう構成される。ダイオードレーザと仮定すると、このビームは、相対的に広いビームであることがある。従って、コリメート光学系又は集束光学系が使用されることがある。しかしながら、必ずしもそうとは限らない。
【0034】
前記光のビームは、前記ルミネッセンス材料を照らすために使用される。しかしながら、これは、前記光学要素及び前記反射器を介した間接的なやり方で行われる。まず、前記ルミネッセンス要素の幾つかの実施形態について以下に述べ、その後、前記光学要素及び前記反射器の幾つかの実施形態について述べる。
【0035】
前記ルミネッセンス要素は、ルミネッセンス材料を有する。前記ルミネッセンス要素は、層であってもよく、又は本体(body)であってもよい。前記ルミネッセンス要素は、単結晶、セラミック体又はガラス体を有してもよい。前記ルミネッセンス要素は、ポリマ体を有してもよい。前記ルミネッセンス材料は、前記本体を形成してもよく、又は前記本体に埋め込まれてもよい。前記層は、前記ルミネッセンス材料及び他の材料を有してもよいが、特に、本質的に、前記ルミネッセンス材料から成ってもよい。特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス要素は、ルミネッセンス本体を有する。
【0036】
前記ルミネッセンス要素は、実施形態においては、「タイル」又は「蛍光体タイル」と示されることがある。前記ルミネッセンス本体は、特に、(小さな)板の形状を有してもよい。実施形態においては、前記本体は、横寸法の幅若しくは長さ(W若しくはL)又は直径(D)及び厚さ又は高さ(H)を有する。実施形態においては、(i)D≧Hである、又は(ii)W≧H且つ/若しくはL≧Hである。ルミネッセンスタイルは、透明であってもよく、又は光散乱性であってもよい。実施形態においては、前記タイルは、セラミックルミネッセンス材料を有してもよい。特定の実施形態においては、特にL≦5mm、より特にL≦3mm、最も特にL≦2mmのような、L≦10mmである。特定の実施形態においては、特にW≦5mm、より特にW≦3mm、最も特にW≦2mmのような、W≦10mmである。特定の実施形態においては、特にH≦5mm、より特にH≦3mm、最も特にH≦2mmのような、H≦10mmである。特定の実施形態においては、特にD≦5mm、より特にD≦3mm、最も特にD≦2mmのような、D≦10mmである。特定の実施形態においては、前記本体は、実施形態において、50μm乃至1mmの範囲内の厚さを有してもよい。更に、前記本体は、100μm乃至10mmの範囲内の横寸法(幅/直径)を有してもよい。更に他の特定の実施形態においては、(i)D>Hである、又は(ii)W>H且つW>Hである。特に、長さ、幅及び直径のような前記横寸法は、前記高さより、少なくとも5倍のような、少なくとも2倍大きい。本明細書においては、前記ルミネッセンス本体の前記高さは、H1でも示される。
【0037】
前記ルミネッセンス要素は、第1ルミネッセンス要素面(又は第1要素面)と、第2ルミネッセンス要素面とを有してもよく、前記ルミネッセンス材料の少なくとも一部は、前記第1ルミネッセンス要素面と前記第2ルミネッセンス要素面との間に構成される。前記第1ルミネッセンス要素面及び前記第2ルミネッセンス要素面は、特に、平行に構成されてもよい。
【0038】
前記第1ルミネッセンス要素面は、上面と示されることもある。動作中、前記ルミネッセンス要素が、前記ユニット光を照射されるときには、ルミネッセンス(ルミネッセンス材料光)は、特に、前記第1ルミネッセンス要素面を介して前記ルミネッセンス要素から脱出し得る。前記第2ルミネッセンス要素面は、底面と示されることもある。動作中、前記ルミネッセンス要素が、前記光学要素を介して前記ユニット光を照射されるときには、前記光学要素から脱出する前記ユニット光の少なくとも一部は、前記第2ルミネッセンス要素面を介して前記ルミネッセンス要素に入射し得る。
【0039】
上記のように、前記ルミネッセンス要素は、前記ルミネッセンス材料から成っていてもよい。「ルミネッセンス材料」という用語は、特に、第1放射線、特にUV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、第2放射線に変換することができる材料を指す。一般に、前記第1放射線と前記第2放射線とは、異なるスペクトルパワー分布を有する。従って、「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「ルミネッセンス変換器」又は「変換器」という用語が適用されることもある。一般に、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも大きい波長の所にスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂ダウンコンバージョンの場合である。しかしながら、特定の実施形態においては、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも小さい波長の所に強度を持つスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂アップコンバージョンの場合である。
【0040】
実施形態においては、前記「ルミネッセンス材料」は、特に、放射線を、例えば可視光及び/又は赤外光に変換することができる材料を指す場合がある。例えば、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、UV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、可視光に変換することができる場合がある。前記ルミネッセンス材料は、特定の実施形態においては、放射線を赤外放射線(IR)に変換する場合もある。従って、前記ルミネッセンス材料は、放射線で励起されると、放射線を放出する。一般に、前記ルミネッセンス材料は、ダウンコンバータであり、即ち、より小さい波長の放射線が、より大きい波長(λex<λem)を持つ放射線に変換されるが、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、アップコンバータ・ルミネッセンス材料を有する場合があり、即ち、より大きい波長の放射線が、より小さい波長(λex>λem)を持つ放射線に変換される。
【0041】
実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、リン光を指すことがある。実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、蛍光を指すこともある。「ルミネッセンス」という用語の代わりに、「発光」という用語が適用されることもある。従って、「第1放射線」及び「第2放射線」という用語は、それぞれ、励起放射線及び発光(放射線)を指すことがある。同様に、「ルミネッセンス材料」という用語は、実施形態においては、リン光及び/又は蛍光を指すことがある。「ルミネッセンス材料」という用語は、複数の異なるルミネッセンス材料を指すこともある。可能なルミネッセンス材料の例を以下に示す。
【0042】
実施形態においては、ルミネッセンス材料は、それぞれ、特に三価セリウム又は二価ユーロピウムをドープした、ガーネット及び窒化物から選択される。「窒化物」という用語は、酸窒化物又はニトリドシリケートなどを指すこともある。
【0043】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、実施形態においては、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上、特に、Y、Gd、Tb及びLuのうちの(少なくとも)1つ以上を含み、Bは、実施形態においては、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。特に、Aは、特にY及びLuのうちの1つ以上のような、Y、Gd及びLuのうちの1つ以上を含み得る。特に、Bは、Al及びGaのうちの1つ以上、より特に、本質的にAlだけのような、少なくともAlを含み得る。従って、特に適切なルミネッセンス材料は、セリウムを含むガーネット材料である。ガーネットの実施形態は、特に、A12ガーネットを含み、Aは、少なくともイットリウム又はルテチウムを含み、Bは、少なくともアルミニウムを含む。このようなガーネットは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、又はセリウムとプラセオジムとの組み合わせをドープしている可能性があるが、特にCeをドープしている可能性がある。特に、Bは、アルミニウム(Al)を含むが、Bは、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)も、部分的に、特に最大でAlの約20%、より特に最大でAlの約10%含んでもよい(即ち、Bイオンは、本質的に、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc及びInのうちの1つ以上とから成る)。Bは、特に、最大で約10%のガリウムを含んでもよい。別の変形例においては、B及びOは、少なくとも部分的にSi及びNに置き換えられてもよい。元素Aは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)から成るグループから選択され得る。更に、Gd及び/又はTbは、特に、Aの約20%の量までしか存在しない。特定の実施形態においては、ガーネットルミネッセンス材料は、(Y1-xLu12:Ceを含み、xは、0以上且つ1以下である。「:Ce」という用語は、前記ルミネッセンス材料中の金属イオンの一部(即ち、ガーネットにおいては、「A」イオンの一部)が、Ceに置き換えられることを示している。例えば、(Y1-xLuAl12:Ceの場合には、Y及び/又はLuの一部が、Ceに置き換えられる。このことは、当業者には知られている。Ceは、Aを、一般に10%以下置き換え、一般に、Ce濃度は、(Aに対して)0.1乃至4%、特に0.1乃至2%の範囲内である。1%のCe及び10%のYと仮定すると、完全に正しい式は、(Y0.1Lu0.89Ce0.01Al12となり得る。ガーネットにおけるCeは、当業者には知られているように、実質的に三価状態にある、又は三価状態にしかない。
【0044】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(従って)A12を含み、特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nによって置き換えられ得る。
【0045】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2であり、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含む。実施形態においては、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。本発明においては、特に、x1>0.2などの、少なくとも0.8のような、x1>0である。Yを備えるガーネットは、適切なスペクトルパワー分布を提供し得る。
【0046】
特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここでは、B-OにおけるBは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を指し(且つOは、酸素を指し)、特定の実施形態においては、B-Oは、Al-Oを指す場合がある。上記のように、特定の実施形態においては、x3は、0.001乃至0.04の範囲から選択され得る。特に、このようなルミネッセンス材料は、適切なスペクトル分布を有し(但し、下記参照)、相対的に高い効率を有し、相対的に高い熱安定性を有し、(第1光源光及び第2光源光(並びに光学フィルタ)と組み合わせて)高いCRIを可能にし得る。従って、特定の実施形態においては、Aは、Lu及びGdから成るグループから選択され得る。その代わりに、又は加えて、Bは、Gaを含み得る。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3(Lu,Gd)x2Cex3(Aly1-y2Gay212を含み、Lu及び/又はGdが利用可能であってもよい。更により特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択され、0<x2+x3≦0.1であり、0≦y2≦0.1である。更に、特定の実施形態においては、B-Oの最大1%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここで、百分率は、(当技術分野において知られているように)モルを指し、例えば、EP3149108も参照されたい。更に他の特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Yx1-x3Cex3Al12を含み、x1+x3=1であり、0<x3≦0.2であり、0.001乃至0.1などである。
【0047】
特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、セリウムを含むガーネットのタイプから選択されるルミネッセンス材料しか含まないことがある。もっと他の特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212などの、単一のタイプのルミネッセンス材料を含む。従って、特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス材料の少なくとも85重量%、更により特に少なくとも約90重量%、例えば更にもっとより特に少なくとも約95重量%が、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212を含む。ここで、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2である。特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。実施形態においては、x2=0であることに留意されたい。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、y2=0である。
【0048】
特定の実施形態においては、Aは、特に、少なくともYを含んでもよく、Bは、特に、少なくともAlを含んでもよい。
【0049】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、その代わりに、又は加えて、MSi:Eu2+及び/又はMAlSiN:Eu2+及び/又はCaAlSi:Eu2+などのうちの1つ以上を含んでもよく、Mは、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上、特に実施形態においては、少なくともSrを含む。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiNとなり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。更に、材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euは、MSi:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euは、MAlSiN:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0050】
実施形態においては、赤色ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiNとなり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。
【0051】
材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0052】
更に、材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euは、MSi:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0053】
同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euは、MAlSiN:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0054】
上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0055】
青色ルミネッセンス材料は、YSO(YSiO:Ce3+)、若しくは同様の化合物、又はBAM(BaMgAl1017:Eu2+)、若しくは同様の化合物を含んでもよい。
【0056】
「ルミネッセンス材料」という用語は、本明細書においては、特に、無機ルミネッセンス材料に関する。
【0057】
「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「蛍光体」という用語が適用されることもある。これらの用語は、当業者には知られている。
【0058】
その代わりに、又は加えて、他のルミネッセンス材料が適用されることもある。例えば、量子ドット及び/又は有機色素が、適用されてもよく、随意に、例えばPMMA又はポリシロキサンなどのようなポリマのような、透過性マトリックスに埋め込まれてもよい。
【0059】
量子ドットは、一般にわずか数ナノメートルの幅又は直径を有する半導体材料の小さい結晶である。量子ドットは、入射光によって励起されるときに、前記結晶のサイズ及び材料によって決定されている色の光を発する。従って、ドットのサイズを適合させることによって、特定の色の光が生成されることができる。可視域で発光する、最も知られている量子ドットは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)などのシェルを備えるセレン化カドミウム(CdSe)をベースにしている。リン化インジウム(InP)、並びに硫化銅インジウム(CuInS)及び/又は硫化銀インジウム(AgInS)などの、カドミウムを含まない量子ドットも、使用されることができる。量子ドットは非常に狭い発光帯域を示し、従って、量子ドットは飽和色を示す。更には、発光色は、量子ドットのサイズを適合させることによって、容易に調整されることができる。本発明においては、当技術分野において知られている任意のタイプの量子ドットが使用され得る。しかしながら、環境に関する安全性及び懸念の理由で、カドミウムを含まない量子ドット、又は少なくともカドミウム含有量が非常に少ない量子ドットを使用することが好ましい場合がある。
【0060】
量子ドットの代わりに、又は量子ドットに加えて、他の量子閉じ込め構造が使用されることもある。「量子閉じ込め構造」は、本願との関連においては、例えば、量子井戸、量子ドット、量子ロッド、トライポッド、テトラポッド、又はナノワイヤなどとして理解されたい。
【0061】
有機蛍光体も使用されることができる。適切な有機蛍光体材料の例は、ペリレン誘導体をベースとした有機ルミネッセンス材料、例えば、BASFによってLumogen(登録商標)という名称で販売されている化合物である。適切な化合物の例は、Lumogen(登録商標)Red F305、Lumogen(登録商標)Orange F240、Lumogen(登録商標)Yellow F083、及びLumogen(登録商標)F170を含むが、これらに限定されない。
【0062】
異なるルミネッセンス材料は、異なるスペクトルパワー分布のそれぞれのルミネッセンス材料光を有し得る。その代わりに、又は加えて、このような異なるルミネッセンス材料は、特に、異なるカラーポイント(又は主波長)を有し得る。
【0063】
上記のように、他のルミネッセンス材料も可能であり得る。従って、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、二価ユーロピウム含有窒化物、二価ユーロピウム含有酸窒化物、二価ユーロピウム含有ケイ酸塩、セリウムを含むガーネット、及び量子構造のグループから選択される。量子構造は、例えば、量子ドット又は量子ロッド(又は他の量子型粒子)(上記参照)を含み得る。量子構造は、量子井戸も含み得る。量子構造は、フォトニック結晶も含み得る。
【0064】
上記のように、前記ルミネッセンス材料は、特に、前記ユニット光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するよう構成されてもよい。特定の実施形態においては(とりわけ上記も参照)、前記ユニット光は、青色光及び/又はUV放射線であってもよく、前記ルミネッセンス材料光は、可視光、特に、青色光、緑色光、黄色光、オレンジ色光及び赤色光のうちの1つ以上を含み得る。
【0065】
前記光学要素は、特に、前記ルミネッセンス要素において前記ユニット光を(再)分散させるために、前記反射要素と組み合わせて、使用されてもよい。
【0066】
従って、前記ルミネッセンス要素が、前記第2ルミネッセンス要素面において照らされることができ、前記ルミネッセンス材料光が、この第1ルミネッセンス要素面から脱出することができる反射モードを使用する代わりに、本発明においては、特に、前記ルミネッセンス材料(要素)が、透過モードで構成される。従って、前記ユニット光は、前記光学要素を介して、前記第2ルミネッセンス要素面に供給されてもよい。
【0067】
ルミネッセンス材料は、前記反射モードで構成されてもよく、又は前記透過モードで構成されてもよい。前記透過モードにおいては、前記光源光を前記ルミネッセンス材料光に混ぜることが相対的に容易であり得る。このことは、望ましいスペクトルパワー分布を生成するのに有用であり得る。前記反射モードにおいては、前記ルミネッセンス材料のかなりの部分が、ヒートシンク又はヒートスプレッダのような熱伝導性要素と熱的に接触し得るので、熱管理が改善され得る。前記反射モードにおいては、前記光源光の一部が、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料光によって反射され、前記ルミネッセンス材料光に混ざり得る。本明細書においては、前記ルミネッセンス要素は、特に、前記透過モードで構成される。
【0068】
本明細書においては、前記ルミネッセンス要素は、特に、前記透過モードで構成(又は動作)され得るという事実は、必ずしも、ユニット光も、前記ルミネッセンス要素によって透過されることを意味するわけではない。
【0069】
実施形態においては、前記ユニット光のスペクトルパワーの少なくとも一部が、前記ルミネッセンス材料によってルミネッセンス材料光に変換され、前記ユニット光の一部が、前記ルミネッセンス要素によって透過されてもよい。このような実施形態においては、動作モードにおいて、システム光は、ユニット光とルミネッセンス材料光との両方を含み得る。これは、例えば、前記ユニット光が、青色光などの可視光を有する場合に、特に関連し得る。従って、特定の実施形態においては、前記ユニット光は、可視光の1つ以上の波長、特に実施形態においては青色波長範囲内の1つ以上の波長を含み得る。前記システム光が白色光であり得る特定の実施形態においては、前記青色光の少なくとも一部のような、前記可視光の少なくとも一部が、前記ユニット光によって供給されてもよい。従って、このような実施形態においては、この第1ルミネッセンス要素面から、ルミネッセンス材料光及びユニット光が脱出し得る。
【0070】
他の実施形態においては、前記ユニット光のスペクトルパワーの少なくとも一部が、前記ルミネッセンス材料によってルミネッセンス材料光に変換され変換されてもよく、前記ユニット光は、前記ルミネッセンス要素によって実質的に透過されない。従って、このような実施形態においては、この第1ルミネッセンス要素面から、ルミネッセンス材料光が脱出し得る(が、本質的にユニット光が脱出することはない)。当然、このような実施形態において、前記システム光は、特定の実施形態において、白色光である場合もある(以下も参照)。
【0071】
「紫色光」又は「紫色発光」という用語は、特に、約380乃至440nmの範囲内に波長を有する光に関する。「青色光」又は「青色発光」という用語は、特に、(幾らか紫色及びシアンの色相を含む)約440乃至490nmの範囲内に波長を有する光に関する。「緑色光」又は「緑色発光」という用語は、特に、約490乃至560nmの範囲内に波長を有する光に関する。「黄色光」又は「黄色発光」という用語は、特に、約560至590nmの範囲内に波長を有する光に関する。「オレンジ色光」又は「オレンジ色発光」という用語は、特に、約590乃至620nmの範囲内に波長を有する光に関する。「赤色光」又は「赤色発光」という用語は、特に、約620乃至750nmの範囲内に波長を有する光に関する。「シアン」という用語は、約490乃至520nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。「琥珀色」という用語は、約590乃至600nmなどの、約585乃至605nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指すことがある。
【0072】
特に、前記光学要素は、外面を有する。「外面」という用語は、前記光学要素の外面全体を指すことがある。ほんの一例として、前記光学要素が立方体形状を有する場合、6つの面の表面が前記外面を形成し、6つの面の積算面積が前記外面の面積を規定する。
【0073】
特に、前記光学要素は、前記ルミネッセンス要素と前記反射要素との間に構成される。
【0074】
特に、前記光学要素の前記外面は、3つの部分を有してもよい。前記外面の第1部分は、前記第2ルミネッセンス面に向けられてもよく、前記外面の第2部分は、前記反射要素に向けられてもよい。特に、第3部分は、前記ルミネッセンス要素及び前記反射要素のいずれにも向けられず、それによって、前記ユニット光によってアクセス可能であり得る。従って、前記外面の前記第3部分は、前記照明ユニットと受光関係にあるよう構成されてもよい。このことは、特に、動作中、前記第3部分の少なくとも一部がユニット光を受け取り得ることを意味し得る。従って、前記光学要素の前記第3部分、又は前記第3部分の少なくとも一部は、前記照明ユニットの下流に構成されてもよい。
【0075】
「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特に、前記光源)からの光の伝搬に対するアイテム又は特徴の配置に関し、前記光生成手段からの光ビーム内の第1位置に対して、前記光生成手段により近い前記光ビーム内の第2位置は「上流」であり、前記光生成手段からより遠く離れた前記光ビーム内の第3位置は「下流」である。
【0076】
「放射結合される」又は「光学的に結合される」という用語は、特に、(i)光源などの光生成要素と、(ii)別のアイテム又は材料とが、前記光生成要素によって発せられる放射線の少なくとも一部が前記アイテム又は材料によって受け取られるように、互いに関連付けられることを意味し得る。換言すれば、前記アイテム又は材料は、前記光生成要素と受光関係にあるよう構成される。前記光生成要素の前記放射線の少なくとも一部は、前記アイテム又は材料によって受け取られる。これは、実施形態においては、前記光生成要素(の発光面)と物理的に接触している前記アイテム又は材料のような、直接的なものであってもよい。これは、実施形態においては、空気、気体、又は液体若しくは固体導光材料のような媒体を介するものであってもよい。実施形態においては、レンズ、反射器、光学フィルタのような1つ以上の光学系も、光生成要素とアイテム又は材料との間の光路内に構成されてもよい。「受光関係にある」という用語は、上記のように、レンズ、コリメータ、反射器、ダイクロイックミラーなどのような中間光学要素の存在を除外するものではない。実施形態においては、「受光関係」という用語及び「下流」という用語は、本質的に同義語であり得る。
【0077】
上記のように、前記ユニット光は、前記光学要素に入射し、前記反射要素において反射され、前記ルミネッセンス要素の位置において再び前記光学要素から出て行き得る。前記光学要素は、特に、前記ユニット光を前記ルミネッセンス要素にわたって分散させるために使用され得る。前記光学要素はまた、(更に、)前記照明ユニットの位置にある程度の自由を与える。
【0078】
それは、前記光学要素の底部が前記光学要素の頂部よりも大きくてもよい場合に有用と思われる。従って、特に実施形態においては、前記第1部分の第1面積A1は、前記第2部分の第2面積A2より小さくてもよい。実施形態においては、実施形態において1<A2/A1≦25であるような、1≦A2/A1≦25である。更により特には、2≦A2/A1≦16のような、1.5≦A2/A1≦25である。
【0079】
特に、前記光学要素は、前記ユニット光に対して透過性である。従って、前記光学要素は、光透過性材料、特に、光に対して透明な材料を有してもよい。
【0080】
前記光透過性材料は、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリウレタン(PU)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(プレキシガラス又はパースペックス)、ポリメタクリルイミド(PMI)、ポリメチルメタクリルイミド(PMMI)、スチレンアクリロニトリル樹脂(SAN)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、実施形態において(PETG)(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)を含むポリエチレンテレフタレート(PET)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、及びCOC(シクロオレフィンコポリマ)から成るグループから選択されるような、透過性有機材料から成るグループから選択される1つ以上の材料を有してもよい。特に、前記光透過性材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メチル)メタクリレート(P(M)MA)、ポリグリコリド又はポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシ吉草酸塩)(poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate))(PHBV)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のうちの1つ以上のような、芳香族ポリエステル、又はその共重合体を有してもよい。特に、前記光透過性材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を有してもよい。従って、前記光透過性材料は、特に、ポリマ光透過性材料である。
【0081】
しかしながら、別の実施形態においては、前記光透過性材料は、無機材料を有してもよい。特に、無機光透過性材料は、ガラス、(溶融)石英、透過性セラミック材料及びシリコーンから成るグループから選択されてもよい。無機部分と有機部分との両方を含むハイブリッド材料も適用され得る。特に、前記光透過性材料は、PMMA、透明なPC、又はガラスのうちの1つ以上を有する。
【0082】
例えば、前記光透過性要素は、ガーネットタイプの材料のような、セラミック体を有してもよい。代替実施形態においては、前記光透過性要素は、Alベースの材料のような、アルミナ材料を有してもよい。実施形態においては、前記光透過性材料は、例えば、サファイアを有してもよい。CaF、MgO、BaF、A12ガーネット、ALON(酸窒化アルミニウム)、MgAl及びMgFのうちの1つ以上のような他の材料も可能であり得る。
【0083】
特に、前記材料は、可視波長範囲から選択される波長を有する光に対して、50乃至100%の範囲内の、特に70乃至100%の範囲内の光透過率を有する。本明細書においては、「可視光」という用語は、特に、380乃至780nmの範囲から選択される波長を有する光に関する。
【0084】
前記透過率(又は光線透過率)は、光を特定の波長において第1輝度で前記光透過性材料に垂直放射の下で供給し、前記材料を通る透過後に測定されたその波長における光の輝度を、その特定の波長において前記材料に供給された光の前記第1輝度と関連付けることによって、決定されることができる(the CRC Handbook of Chemistry and Physics, 69th edition, 1088-1989のE-208及びE-406も参照)。
【0085】
特定の実施形態においては、材料は、或る波長における又は或る波長範囲内の、特に、本明細書において記載されているような放射線源によって生成される放射線の波長における又は波長範囲内の、放射線の、前記放射線の垂直照射下での、1mmの厚さの前記材料の層による、特に5mmの厚さの前記材料の層による透過率が、少なくとも40%などの、少なくとも60%のような、特に少なくとも80%などの、少なくとも約85%などの、更に少なくとも約90%などの、少なくとも約20%である場合に、透過性とみなされ得る。
【0086】
前記光透過性材料は、導光特性又は導波特性を有する。従って、前記光透過性材料は、本明細書においては、導波路材料又は導光材料とも示される。前記光透過性材料は、一般に、前記光透過性材料の長さに垂直な方向において、(N)UV放射線、可視放射線及び(N)IR放射線のうちの1つ以上の、実施形態においては少なくとも可視光などの(ある程度の)透過率を有する。3価セリウムのような活性剤(ドーパント)がなければ、可視放射線における内部透過率は100%に近いかもしれない。
【0087】
1つ以上のルミネッセンス波長(luminescence wavelength)に対する前記光透過性材料(それ自体)の透過率は、少なくとも90%/cm、更により特には少なくとも95%/cmなどの、少なくとも98%/cmなどの、少なくとも99%/cmなどの、少なくとも80%/cmであってもよい。これは、例えば、1cmの立方体状の光透過性材料が、(前記光透過性材料の前記ルミネッセンス材料の発光の発光極大に対応する波長などの)選択されたルミネッセンス波長を有する放射線の垂直照射下で、少なくとも95%の透過率を有することを意味する。
【0088】
本明細書においては、透過率の値は、特に、(例えば空気との)界面におけるフレネル損失を考慮に入れていない透過率を指す。従って、「透過率」という用語は、特に、内部透過率を指す。前記内部透過率は、例えば、異なる幅であって、前記異なる幅にわたって透過率が測定される異なる幅を有する2つ以上のボディの透過率を測定することによって決定されてもよい。その場合、このような測定に基づいて、フレネル反射損失の寄与が決定されることができ、(その結果として、)前記内部透過率が決定されることができる。従って、特に、本明細書において示される透過率の値は、フレネル損失を無視している。
【0089】
実施形態においては、(光インカップリングプロセス中の)フレネル反射損失を抑制するような反射防止コーティングが前記ルミネッセンス本体に施されてもよい。
【0090】
関心のある波長に対する透過率が高いのに加えて、前記波長に対する散乱が、特に低くてもよい。従って、散乱効果しか考慮に入れていない(従って、(高い透過率に鑑みていずれにしても低いはずである)あり得る吸収を考慮に入れていない)関心のある波長の平均自由行程は、前記ボディの長さの少なくとも2倍のような、前記ボディの長さの少なくとも0.5倍であってもよい。例えば、実施形態においては、散乱効果しか考慮に入れていない平均自由行程は、少なくとも10mmなどの、少なくとも5mmであってもよい。関心のある波長は、特に、前記ルミネッセンス材料の発光の発光極大における波長であってもよい。「平均自由行程」という用語は、特に、光線がその伝搬方向を変化させる散乱事象を経験する前に進む平均距離である。
【0091】
実施形態においては、前記光透過性材料を有する要素は、本質的に、前記光透過性材料から成っていてもよい。特定の実施形態においては、前記光透過性材料を有する要素は、光学透明要素(light transparent element)であってもよい。
【0092】
特に、前記光学透明要素などの前記光透過性要素は、実施形態においては、前記光透過性要素の長さの少なくとも2倍などの、少なくとも前記光透過性要素の長さ(又は厚さ)の吸収長及び/又は散乱長を有してもよい。前記吸収長は、長さであって、前記長さにわたる吸収により伝搬方向に沿った光の強度が1/eで低下する長さと定義され得る。同様に、前記散乱長は、伝搬方向に沿った長さであって、前記伝搬方向に沿った光が、散乱により失われ、それによって、係数1/eで低下する長さと定義され得る。従って、ここでは、前記長さは、特に、第1面と第2面との間に構成される前記光透過性材料を備える前記光透過性要素の前記第1面と前記第2面との間の距離を指し得る。
【0093】
特に、前記光学要素は、セラミック体、(例えばサファイアのような、アルミナなどの)単結晶、ガラス及び石英から成るグループから選択されてもよい。
【0094】
特に、前記反射要素は、ユニット光を反射するよう構成されてもよい。前記反射要素は、Al層のような反射層によって提供されてもよい。他の例においては、前記反射要素は、光反射ヒートシンク(下記も参照)のような、反射特性を有する本体によって提供されてもよい。
【0095】
このやり方においては、前記システムの動作中、ユニット光は、前記第3部分を介して前記光学要素に入射し、前記光学要素内を伝搬し、前記第2部分において前記光学要素から脱出する際に前記反射器において反射され、前記光学要素内を更に伝搬し、前記第1部分において前記光学要素から脱出し、前記ルミネッセンス要素によって含まれる前記ルミネッセンス材料を照らし、前記ルミネッセンス材料によって少なくとも部分的に変換され得る。特定の実施形態においては、前記ユニット光の一部が、前記ルミネッセンス要素内を伝搬することがあり、(ルミネッセンス材料光と一緒に)前記ルミネッセンス要素の前記第1ルミネッセンス要素面から脱出することもある。従って、実施形態においては、前記照明ユニットは、特に、動作モードにおいて、前記照明ユニットが、前記光学要素を通る透過及び前記反射要素における反射を介して前記第1要素面を照らすよう構成されるように、構成されてもよい。
【0096】
上記のように、動作中、前記ルミネッセンス要素は、前記第2ルミネッセンス要素面において照らされることができ、それによって、ルミネッセンス材料光が生成され得る。特に、前記ルミネッセンス要素は、この光の少なくとも一部が前記第1ルミネッセンス要素面から脱出するように、構成されてもよい。前記ユニット光の一部が前記ルミネッセンス要素によって透過され得ることは除外されない。
【0097】
従って、前記システムは、特に、動作モードにおいて、システム光を生成するよう構成されてもよく、(その動作モードにおいて)前記システム光は、少なくともルミネッセンス材料光を含み、随意にユニット光を含む。
【0098】
前記システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」又は「動作可能モード」で動作を実行し得る。同様に、方法においては、動作、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」又は「動作可能モード」で実行され得る。「モード」という用語は、「制御モード」と示されることもある。これは、前記システム、又は装置、又はデバイスが、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するよう適合されることもあることを除外しない。同様に、これは、前記モードを実行する前に及び/又は前記モードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行され得ることを除外しない場合がある。
【0099】
しかしながら、実施形態においては、少なくとも前記制御モードを提供するよう適合される制御システムが利用可能である場合がある。他のモードが利用可能である場合には、このようなモードの選択は、特には、ユーザインターフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに依存してモードを実行するような他の選択肢も可能であってもよい。前記動作モードは、実施形態においては、単一の動作モード(即ち、更なる調整可能性のない、「オン」)でしか動作することができないシステム、又は装置、又はデバイスを指すこともある。
【0100】
前記システムはまた、(更なる)光源光を生成するよう構成される1つ以上の更なる光源を有してもよく、前記((更なる)光源)光は、前記ルミネッセンス要素において透過されてもよく、且つ/又は前記((更なる)光源)光は、前記ルミネッセンス要素において反射されてもよく、且つ/又は前記((更なる)光源)光は、前記ルミネッセンス要素を迂回してもよい。この((更なる)光源)光が、動作モードにおいて、混ぜられて前記システム光になり、前記システム光が、前記ルミネッセンス材料光及び他の光源光を有し、随意にユニット光を有する動作モードをもたらしてもよい。実施形態においては、前記システム光のスペクトルパワー分布は、制御可能であってもよい(下記も参照)。
【0101】
上記のように、本発明は、前記ユニット光を前記第2要素面にわたって分散させるために使用され得る。このことは、特に前記ルミネッセンス要素の、より低い局所的な加熱及びより良い熱管理をもたらし得る。
【0102】
実施形態においては、前記照明ユニットは、前記動作モードにおいて、前記照明ユニットが、前記光学要素を通る透過及び前記反射要素における反射を介して前記第2要素面(の面積)の少なくとも20%を照らすよう構成されるように、構成されてもよい。
【0103】
前記第2要素面の照射の割合は、前記照明ユニットの光源、前記照明ユニットによって含まれ得る随意の光学系、前記照明ユニットが前記第3部分を照らす角度、並びに前記第1部分及び前記第2部分に対する前記第3部分の角度の選択によって制御され得る。
【0104】
特に、前記光学要素の前記第1部分の面積、即ち、A1は、前記第2ルミネッセンス要素面の面積と本質的に同じであってもよい。前記第2ルミネッセンス要素面の面積をA5と示すと、0.99≦A1/A5≦1.01のような、0.98≦A1/A5≦1.1が適用され得る。
【0105】
特に、実施形態においては、前記照明ユニットは、前記動作モードにおいて、前記照明ユニットが、(前記光学要素を通る透過及び前記反射要素における反射を介して)前記第2要素面(の面積)の少なくとも40%、更により特には、少なくとも70%などの、特定の実施形態においては少なくとも80%のような、少なくとも50%を照らすよう構成されるように、構成されてもよい。本明細書において使用される前記割合は、前記ユニット光のスペクトルパワーの最大値の少なくとも1/eによって規定される前記ユニット光を指すことがある(下記も参照)。
【0106】
従って、特定の実施形態においては、前記照明ユニットは、前記動作モードにおいて、前記照明ユニットが、(前記光学要素を通る透過を介して、及び(前記第2部分の下流の)前記反射要素における反射を介して)前記第2要素面の少なくとも70%を照らすよう構成されるように、構成される。
【0107】
更に、実施形態においては、前記照明ユニットは、特に、前記光学要素を通る透過を介して、前記第2部分の、少なくとも15%などの、少なくとも20%、又は更に少なくとも約30%のような、少なくとも10%を照らすよう構成されてもよい。
【0108】
従って、特定の実施形態においては、前記照明ユニットは、前記動作モードにおいて、前記照明ユニットが、前記光学要素を通る透過を介して前記第2部分の少なくとも20%を照らし、(前記第2部分の下流の)前記反射要素における反射を介して前記第2要素面の少なくとも70%を照らすよう構成されるように、構成されてもよい。
【0109】
実施形態においては、前記反射要素は、鏡面反射性であってもよい。特に、このような実施形態においては、前記照明ユニットは、特に、(前記光学要素を通る透過を介して)前記第2部分の少なくとも10%を照らすよう構成されてもよい。しかしながら、他の実施形態においては、前記反射要素は、拡散反射性であってもよい。鏡面反射要素を使用することで、効率はより高くなり得る。しかしながら、拡散反射要素を第2反射要素(下記参照)と組み合わせて使用する場合にも、効率は相対的に高くなり得る。しかしながら、特に、実施形態においては、前記反射要素は、鏡面反射性である。
【0110】
基本的に、前記光学要素は、任意の形状を有してもよい。しかしながら、特に、前記光学要素は、密閉(塊状)体(closed (massive) body)である。更に、特に、前記光学要素は、前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分によって画定されてもよく、前記第1部分は、特定の実施形態においては前記第2部分の第2面積A2よりも小さくてもよい第1面積A1を有する。前記第3部分の第3面積は、前記第1面積よりも小さくてもよく、又は前記第1面積よりも大きくてもよい。前記第3面積は、前記第2面積よりも小さくてもよく、又は前記第2面積よりも大きくてもよい。一般に、前記第3部分の面積は、前記第1部分の面積よりも大きくてもよいが、必ずしもそうとは限らない。
【0111】
実施形態においては、前記光学要素は、前記第1部分を含む第1面を有する。特に、実施形態においては、前記第1面が、前記第1部分である。更に、実施形態においては、前記光学要素は、前記第2部分を含む第2面を有する。特に、実施形態においては、前記第2面が、前記第1部分である。更に、実施形態においては、前記光学要素は、前記第3部分を含む1つ以上の第3面を有する。特に、実施形態においては、前記1つ以上の第3面が、前記第3部分を画定する。
【0112】
実施形態においては、前記第1部分は、湾曲していてもよく、又は平面状であってもよい。特定の実施形態においては、前記第1部分は、平坦であってもよい。従って、特に、実施形態においては、前記第1面は、平坦であってもよい。
【0113】
実施形態においては、前記第2部分は、湾曲していてもよく、又は平面状であってもよい。特定の実施形態においては、前記第2部分は、平坦であってもよい。従って、特に、実施形態においては、前記第2面は、平坦であってもよい。
【0114】
実施形態においては、前記第3部分は、湾曲していてもよい。他の実施例においては、前記第3部分は、ファセット化(facetted)されていてもよい。従って、実施形態においては、上記のように、前記第3部分は、少なくとも2つの面、更により特には少なくとも3つの面のような、複数の面によって画定されてもよい。前記第3部分が、2つの面によって画定される場合、これらの面は、湾曲していてもよい。前記第3部分が、少なくとも3つの面によって画定される場合、前記3つの面のうちの1つ以上が、湾曲していてもよく、前記3つの面のうちの1つ以上が、平面状であってもよい。特に、実施形態においては、前記少なくとも3つの面は、平坦であってもよい。従って、「第3面」という用語は、複数の第3面を指すこともある。
【0115】
特に、実施形態においては、前記第1面と前記第2面とが、平行に構成されてもよい。従って、実施形態においては、前記第3面が、前記第1面と前記第2面との橋渡しをしてもよい。
【0116】
実施形態においては、前記第3面と前記第1面とが、第1相互角度α1,3を有してもよい。特に、実施形態においては、110°≦α1,3≦170°などの、約150°以下のような、実施形態においては120乃至150°の範囲内のような、100°≦α1,3≦175°である。実施形態においては、前記第3面と前記第2面とが、第2相互角度α2,3を有してもよい。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、10°≦α2,3≦75°などの、特に約15°以上のような、実施形態においては15°≦α2,3≦75°などの、実施形態においては30乃至60°の範囲から選択されるような、5°≦α2,3≦80°である(下記も参照)。上記のように、前記光学要素は、複数の第3面を有してもよい。これらの面の各々に対して、前記第1相互角度及び前記第2相互角度に関するこれらの条件が(個別に)適用され得る。
【0117】
実施形態においては、前記第1面は、前記ルミネッセンス要素と光学的に接触していてもよく、特に実施形態においては、物理的に接触していてもよい。前記第2面は、特に、前記反射要素と熱的に接触していてもよく、特に実施形態においては、物理的に接触していてもよい。
【0118】
要素が、光学的に接触している、又は光学的に結合される場合、それらは、実施形態においては、互いに物理的に接触していてもよく、又は他の実施形態においては、例えば、約1mm未満、好ましくは100μm未満の厚さを有する、例えば、光学的接着剤などの光学材料、又は他の光学的に透明な界面材料の(薄い)層で互いに分離されてもよい。光学的に透明な界面材料が利用されない場合、光学的に接触している2つの要素間の(平均)距離は、特に、最大で、発光極大の波長のような、関連性のある波長程度であってもよい。可視波長の場合は、これは、0.7μm未満などの、1μm未満であってもよく、青色の場合は、更により小さくなる。従って、光結合が望まれる場合、光学的に透明な界面材料が利用されることがある。更に他の実施形態においては、光学的に透明な界面材料が利用されない場合、光学的に接触している2つの要素間の平均距離は、特に、最大で、発光極大の波長のような、関連性のある波長程度であってもよい。従って、光学的接触が望ましい場合には、物理的接触があってもよい。しかしながら、このような実施形態においてでさえ、ゼロではない平均距離があってもよいが、その場合、前記ルミネッセンス材料光の重心波長などの、関心波長以下の平均距離があり得る。
【0119】
λcとも示される「重心波長」という用語は、当技術分野において知られており、光エネルギの半分がより短い波長にあり、光エネルギの半分がより長い波長にある波長値を指し、値はナノメートル(nm)単位で示される。それは、式λc=Σλ*I(λ)/(ΣI(λ)によって表されるような、スペクトルパワー分布の積分を2等分に分ける波長であり、総和は、関心のある波長範囲にわたるものであり、I(λ)は、スペクトルエネルギ密度である(即ち、積分強度に正規化された発光帯域にわたる波長及び強度の積の積分である)。前記重心波長は、例えば、動作条件において決定されてもよい。
【0120】
要素は、前記要素が、熱の処理(process)を通してエネルギのやりとりをすることができる場合には、別の要素と熱的に接触しているとみなされ得る。従って、前記要素は、熱的に結合されてもよい。実施形態においては、熱的接触は、物理的接触によって達成されることができる。実施形態においては、熱的接触は、熱伝導性接着剤(又は熱伝導性粘着剤)などの熱伝導性材料を介して達成されてもよい。2つの要素が互いに対して約10μm以下の距離を置いて配設される場合にも、前記2つの要素間の熱的接触が達成され得るが、最大100μmなどのより大きな距離が可能であり得る。前記距離が短ければ短いほど、前記熱的接触は良好になる。特に、前記距離は、5μm以下などの、10μm以下である。前記距離は、それぞれの要素の2つのそれぞれの表面の間の距離であってもよい。前記距離は、平均距離であってもよい。例えば、前記2つの要素は、複数の位置などの、1つ以上の位置において物理的に接触していてもよいが、1つ以上の、特に複数の他の位置においては、前記要素は物理的に接触していない。例えば、一方又は両方の要素が粗い表面を有する場合、これが当てはまり得る。従って、実施形態においては、前記2つの要素間の距離は、平均において、10μm以下であり得る(が、最大100μmなどのより大きな平均距離が可能であり得る)。実施形態においては、前記2つの要素の2つの表面は、1つ以上の距離保持具(distance holder)によって或る距離を保たれ得る。
【0121】
それ故、特定の実施形態においては、前記光学要素は、前記第1部分を含む第1面と、前記第2部分を含む第2面と、前記第3部分を含む1つ以上の第3面とを有してもよく、前記第1面と前記第2面とが、平行に構成されてもよく、前記第1面が、前記ルミネッセンス要素と物理的に接触していてもよく、前記第2面が、前記反射要素と物理的に接触していてもよく、前記第3面と前記第1面とが、第1相互角度α1,3を有してもよく、前記第3面と前記第2面とが、第2相互角度α2,3を有してもよく、100°≦α1,3≦175°であり、5°≦α2,3≦80°である。
【0122】
特定の実施形態においては、前記光学要素は、前記1つ以上の第3面によって画定される1つ以上の縁端部を備える錐体の形状を有する。特に、錐台は、立体(通常は円錐又は角錐)のうちの、前記立体を切断する1つ又は2つの平行な平面の間にある部分として定義され得る。実施形態においては、前記錐台は、円錐台であってもよい。このような実施形態においては、前記第3面は、特に、曲面である。他の実施形態においては、前記錐台は、角錐台(pyramidal frustum)であってもよい。このような実施形態においては、前記第3面は、ファセット化されていてもよい(即ち、複数の第3面であってもよい)。特に、実施形態においては、前記光学要素は、直角錐台(right frustum)の形状を有する。直角錐台は、 平行切頭直角錐(a parallel truncation of a right pyramid)又は平行切頭直円錐(a parallel truncation of a right cone)として定義され得る。他の例においては、前記光学要素は、平行切頭4面体の形状を有してもよい。
【0123】
上記のように、特定の実施形態においては、前記光学要素は、切頭四面体、切頭直角錐などのような、3つ以上の第3面を有する、平行切頭(直)角錐の形状を有してもよい。実施形態においては、前記直角錐台は、4乃至8個の第3面などの、3乃至12個の第3面を有してもよい。特定の実施形態においては、各第3面が、特定の照明ユニットと受光関係にあるよう構成されてもよい(下記も参照)。
【0124】
これらの面の相互角度のような、これらの部分の相互角度、及び前記ユニット光のビームが前記第3面を照らす角度は、前記第2ルミネッセンス要素面にわたる前記ユニット光の望ましい分散が得られ得るように、選択されてもよい。更に、これらの角度は、前記光学要素における良好な光インカップリング、及び/又は前記反射要素における良好な反射、及び/又は前記ルミネッセンス要素における良好な光インカップリングが得られ得るように、選択されてもよい。
【0125】
前記光学要素に対する前記ビームの角度を規定するために、本明細書においては、前記第2面などの前記第2部分に対して垂直に構成され得る仮想平面が使用される。更に、特定の実施形態においては、この仮想平面は、前記第1面などの前記第1部分に対して垂直に構成されることもある。更に、前記第3面などの前記第3部分の少なくとも一部に対する前記ビームの角度を規定するために使用されるこの仮想平面は、前記1つ以上の第3面のうちの1つなどの前記第3部分に対して垂直に構成されることもある。
【0126】
更に、前記光学要素に対する前記ビームの角度を規定するために、前記第2部分に対する法線であって、従って、実施形態においては、前記第2面に対する法線であってもよい法線が使用されてもよい。更に、特定の実施形態においては、この法線は、実施形態においては前記第1面のような前記第1部分に対する法線であることもある。しかしながら、この法線は、実施形態においては、特に、前記第3面のうちの1つ以上のような前記第3部分に対する法線ではない。上記から導き出され得るように、実施形態においては、前記第3部分は、特に、(前記第1部分及び前記第2部分に対して)傾斜して構成されてもよい。更に、前記ビームは、最大値とその最大値の1/eの値との間の全てのスペクトルパワー強度によって規定されてもよい。これは、(傾斜した部分への)最小入射角及び最大入射角を提供し得るが、ユニット光の完全にコリメートされたビームの場合においては、これらの最小入射角及び最大入射角は同一であり得る。前記最小入射角が、前記法線に対する前記第3部分の角度より小さいことは、有用であると思われる。この後者の角度は、第3角度α3と示される。上述のα2,3に前記第3角度を加えたものは、合計で90°となり得ることに留意されたい。従って、実施形態においては、前記第2部分に対して垂直な第1平面(P1)において、前記第1平面(P1)内に構成される、前記第2部分に対する第1法線(N1)に対して、前記ビームは、前記第3部分への最小入射角(α1)と、前記第3部分への最大入射角(α2)とを有し、前記第3部分は、前記法線(N1)に対して第3角度(α3)を有し、α3>α1であり、前記ユニット光のビームは、前記ユニット光のスペクトルパワーの最大値の少なくとも1/eによって規定される。特定の実施形態においては、前記第3角度(α3)は、実施形態においては10乃至85°などの、特定の実施形態においては15乃至75°のような、10乃至85°の範囲から選択される(上記も参照)。
【0127】
前記照明ユニットによって供給される前記ビームは、発散ビームであってもよく、又は集束ビームであってもよく、又はコリメートビームであってもよい。従って、前記ユニット光のビームは、発散ビーム、集束ビーム及びコリメートビームから成るグループから選択されてもよい。ここで、この文脈においては、本質的にコリメートされている、即ち、実質的に発散されておらず、実質的に集束されていないビームについて言及する。特定の実施形態においては、前記ユニット光のビームは、集束ビーム及びコリメートビームから成るグループから選択される。集束ビーム又はコリメートビームでは、特に、前記第2ルミネッセンス要素面にわたる前記ユニット光の(再)分散が得られ得る。しかしながら、これは、発散ビームでも可能であり得る。第2反射要素(下記参照)を使用する場合、前記ビームは、集束ビーム又はコリメートビームであってもよく、特に実施形態においては集束ビームであってもよい。
【0128】
上記のように、前記照明ユニットは、光源を有してもよい。特定の実施形態においては、前記光源は、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードから成るグループから選択されてもよい。それ故、実施形態においては、前記照明ユニットは、光源光を生成するよう構成される光源を有してもよく、前記ユニット光は、前記光源光の少なくとも一部を有する。特に、前記光源は、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードから成るグループから選択されてもよい。特に、実施形態においては、前記ユニット光は、本質的に、レーザ光などの、前記光源光から成る場合がある。
【0129】
上記のように、更に、前記光源光を、集束させること、発散させること、又はコリメートすることが望ましい場合がある。更に、光ビームの方向付けをすることが望ましい場合がある。それ故、前記照明ユニットは、第2光学要素と示される光学要素を有してもよい。従って、実施形態においては、前記照明ユニットは、(i)前記ユニット光のビームの成形、及び(ii)前記ユニット光のビームの方向付けのうちの1つ以上をするよう構成される1つ以上の第2光学要素を更に有してもよい。「第2光学要素」という用語、及び同様の用語の代わりに、「光学系」という用語が適用されることもある。前記光学系は、ミラー、反射器、コリメータ、レンズ、プリズム、拡散器、位相板、偏光子、回折要素、回折格子、ダイクロイックのもの、前述のもののうちの1つ以上のアレイなどのうちの1つ以上を含み得る。
【0130】
特定の実施形態においては、前記集束光学系は、反射集束光学系を有する。特に、このような光学系は、良好な集束及びコンパクトな光生成デバイスを可能にする。特定の実施形態においては、前記反射集束光学系は、(従って)レーザ光源光を反射し、集束させて、前記レーザ光源光の集束ビームにするよう構成される。更に他の特定の実施形態においては、前記集束光学系は、放物面鏡及び楕円面鏡のグループから選択されてもよい。その代わりに、又は加えて、更なる特定の実施形態においては、前記集束光学系は、例えば、前記ルミネッセンス本体における焦点の精密な形状をカスタマイズするために、自由形状ミラーのグループから選択されてもよい。
【0131】
特定の実施形態においては、前記集束光学系は、楕円面鏡から選択されてもよい。楕円曲線は、デカルトの卵形線であり、2つの固定点からの距離の線形結合が同じである点の集合である。楕円面は、楕円曲線を空間内でその長軸の周りに回転させたものである。楕円面鏡は、特に、2つの焦点を持ち得る。第1焦点から出射する光は、第2焦点上に集束される。この場合には、前記第1焦点にレーザが配置され、レーザ光が、前記第2焦点にある蛍光体上に集束される。焦点の間の距離(焦点距離)は、前記楕円面の寸法によって選択されることができる。限られた放射角を持つレーザの場合には、全ての光を、反射し、前記蛍光体上に集束させるのに、前記楕円面のごく一部しか必要とされない場合がある。
【0132】
上記のように、実施形態においては、各レーザ光源が、そのそれぞれの集束光学系、特にそのそれぞれの反射集束光学系を有してもよい。このことは、前記レーザ光源及びそれぞれの光学系を単一のユニットとして提供することを可能にし得る。このような単一のユニットは、前記光源と光学系とが別々のユニットではないので、容易に交換されることができ、調節を容易にすることができる。従って、実施形態においては、前記光生成デバイスは、n個の前記照明ユニットを有し、前記n個の照明ユニットの各々が、(i)前記レーザ光源光を生成するよう構成される前記レーザ光源と、(ii)前記レーザ光源光を(反射し)集束してレーザ光源光の集束ビームにするよう構成される集束光学系を有する。
【0133】
集束光学系の数が、特に少なくとも8個のような、少なくとも4個である場合、前記集束光学系は、リング形状に構成され得る。一連の少なくとも4個の集束光学系は、前記ルミネッセンス本体の周りに構成されてもよいが、一般に、前記ルミネッセンス本体から幾らかの距離を置いて(即ち、前記ルミネッセンス本体の上に、随意に前記ルミネッセンス本体に対して幾らかの横方向変位を伴って)構成される。
【0134】
上記のように、実施形態においては、前記光生成デバイスは、2つ以上のレーザ光源を有する。従って、実施形態においては、n≧2である。しかしながら、特に、実施形態においては、n≧4である。実施形態においては、nは、2乃至50の範囲から選択されてもよい。しかしながら、50個より多くのレーザ光源が本明細書において除外されるわけではない。しかしながら、特に、nは、4乃至25などの、2乃至25の範囲から選択されてもよい。
【0135】
n≧4である場合、特にn≧8である場合、前記(レーザ)光源は、前記ルミネッセンス本体の周りにリング形状に構成され得る。
【0136】
特に、実施形態においては、前記レーザ光源は、同じカラーポイントを持つレーザ光源光を生成するよう構成される。特定の実施形態においては、第1タイプの光及び第2タイプの光の色又はカラーポイントは、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントが、u'に関して最大で0.03及び/又はv'に関して少なくとも0.03、更により特にu'に関して最大で0.02及び/又はv'に関して少なくとも0.02異なる場合に、本質的に同じであり得る。更により特定の実施形態においては、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントは、u'に関して最大で0.01及び/又はv'に関して少なくとも0.01異なり得る。ここで、u'及びv'は、CIE 1976 UCS(均等色度)図における光の色座標である。特定の実施形態においては、前記レーザ光源は、同じビンのものであってもよい。
【0137】
従って、特定の実施形態においては、前記光生成システムは、前記外面の前記第3部分の異なる部分を照らすよう構成される複数の照明ユニットを有してもよい。2つ以上の照明ユニットが、前記第3部分の同じ部分を照らすよう構成される場合もある。例えば、実施形態においては、前記光生成システムは、前記外面の前記第3部分の異なる部分を照らすよう構成される照明ユニットの複数のセットを有してもよく、各セットは、少なくとも単一の照明ユニットを有する。2つ以上の照明ユニットを有するセットが、前記第3部分の同じ部分を照らすよう構成されてもよい。例えば、2つ以上の照明ユニットを有するセットが、前記第3部分によって含まれるそれぞれの面を照らすよう構成されてもよい。
【0138】
特定の実施形態においては、前記光学要素は、前記ルミネッセンス要素、前記反射要素、及び前記第2反射要素によって囲まれてもよく、後者は、前記ユニット光のための入口があるように構成される。例えば、この入口は、前記第2反射器の孔であってもよい。前記第2反射器は、特に、前記ユニット光に対して反射性であってもよい。このやり方においては、前記光学要素内のユニット光は、本質的に、前記第3部分を介してしか脱出することができない。更に、実施形態においては、前記第2反射器は、前記ルミネッセンス材料光に対しても反射性であってよい。このやり方においては、前記第2ルミネッセンス要素面から脱出し得るルミネッセンス材料光は、前記ルミネッセンス要素内へ向け直されることがあり、前記第1ルミネッセンス要素面を介して前記ルミネッセンス要素から脱出する第2の機会を持つことがある。従って、特定の実施形態においては、前記光生成システムは、第2反射要素を有してもよく、前記第2反射要素は、前記1つ以上の第3面を介して前記光学要素から脱出するユニット光を反射して前記光学要素に戻すよう構成され、前記第3部分は、第3面積A3を有し、前記1つ以上の第3面は、第4面積A4を有し、前記第4面積A4の少なくとも25%は、前記第2反射要素に向けられ、前記第4面積A4の最大75%は、前記第3面積A3によって規定される。更により特には、前記第4面積A4の少なくとも50%は、前記第2反射要素に向けられ、前記第4面積の最大25%は、前記第3面積A3によって規定される。特定の実施形態においては、前記第4面積A4の、最大90%のような、最大95%は、前記第2反射要素に向けられる。異なる照明ユニットは、異なる面に光を供給する場合、前記面の各々は、前記ユニット光の入射のための例えば開口部を含むそれぞれの第2反射要素に向けられ得ることに留意されたい。これらの開口部の累積面積は、本質的に、A4-A3であり得る。第2反射要素がない場合、A4及びA3は本質的に同じであり得ることに留意されたい。実施形態においては、前記第2反射要素は、反射コーティングであってもよい。
【0139】
前記ルミネッセンス材料及び/又は前記光学要素が熱伝導性要素に熱エネルギを放散し得ることが望ましい場合がある。熱伝導性要素は、熱伝導性材料を有してもよい。熱伝導性材料は、特に、少なくとも約30W/(m*K)のような、少なくとも約100W/(m*K)などの、特に少なくとも約200W/(m*K)のような、少なくとも約20W/(m*K)の熱伝導率を有し得る。更に他の特定の実施形態においては、熱伝導性材料は、特に、少なくとも約10W/(m*K)の熱伝導率を有し得る。実施形態においては、前記熱伝導性材料は、銅、アルミニウム、銀、金、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミニウムケイ素炭化物、酸化ベリリウム、炭化ケイ素複合体、アルミニウムケイ素炭化物、銅タングステン合金、銅モリブデン炭化物、炭素、ダイヤモンド、及び黒鉛のうちの1つ以上を有してもよい。その代わりに、又は加えて、前記熱伝導性材料は、酸化アルミニウムを有してもよく、又は酸化アルミニウムから成ってもよい。
【0140】
前記熱伝導性要素は、ヒートスプレッダ又はヒートシンクを有してもよい。ヒートシンクは、当技術分野においては知られている。「ヒートシンク」という用語(又はヒートシンク)は、特に、電子デバイス又は機械デバイスなどのデバイスによって生成される熱を、流体(冷却)媒体、多くの場合、空気又は冷却液に伝達する受動熱交換器であってもよい。それによって、前記熱は、(少なくとも部分的に)前記デバイスから遠くに放散される。ヒートシンクは、特に、前記ヒートシンクを取り囲む前記流体冷却媒体と接触する前記ヒートシンクの表面積を最大にするよう設計される。従って、特に、ヒートシンクは、複数のフィンを有してもよい。例えば、前記ヒートシンクは、複数のフィンが延在する本体であってもよい。ヒートシンクは、特に、熱伝導性材料を有する(より特には、熱伝導性材料から成る)。「ヒートシンク」という用語は、複数の(異なる)ヒートシンクを指すこともある。
【0141】
ヒートスプレッダは、エネルギを熱として第1要素から第2要素に伝達するよう構成され得る。前記第2要素は、特に、ヒートシンク又は熱交換器であってもよい。ヒートスプレッダは、受動的なものであってもよく、又は能動的なものであってもよい。受動的ヒートスプレッダの実施形態は、銅、アルミニウム又はダイヤモンドなどの、高い熱伝導率を有する材料のプレート又はブロックを有してもよい。能動的ヒートスプレッダは、 外部供給源によって供給される仕事としてエネルギを消費することで熱伝達を速めるよう構成されてもよい。本明細書においては、前記ヒートスプレッダは、特に、受動的ヒートスプレッダであってもよい。その代わりに、又は加えて、前記ヒートスプレッダは、ヒートパイプ及びベーパーチャンバのグループから選択されるような、能動的ヒートスプレッダであってもよい。
【0142】
Alヒートシンクの場合にそうであり得るように、前記熱伝導性要素が反射性である場合、前記反射要素と前記熱伝導性要素とが同じ要素であってもよい。その代わりに、又は加えて、前記熱伝導性要素には、反射器、特に反射層が設けられてもよい。従って、実施形態においては、前記光生成システムは、熱伝導性要素を有してもよく、前記反射要素は、前記熱伝導性要素によって画定され、又は前記熱伝導性要素上の反射層として構成され、前記熱伝導性要素は、ヒートシンクを有する。
【0143】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む(上記も参照)。
【0144】
更に、特定の実施形態においては、前記光学要素は、セラミック体、(例えばサファイアのような、アルミナなどの)単結晶、ガラス及び石英から成るグループから選択されてもよい。
【0145】
前記システムは、動作モードにおいて白色光を供給するよう構成されてもよい。本明細書における「白色光」という用語は、当業者には知られている。前記白色光は、特に、約2000Kと20000Kとの間、特に2700K乃至20000K、全般照明の場合は特に約2700K乃至6500Kの範囲内のような、約1800Kと20000Kとの間の相関色温度(CCT)を有する光に関する。実施形態においては、バックライト用途の場合は、前記相関色温度(CCT)は、特に、約7000乃至20000Kの範囲内であり得る。更に他に、実施形態においては、前記相関色温度(CCT)は、特にBBL(黒体軌跡)から約15SDCM(カラーマッチングの標準偏差)内、特にBBLから約10SDCM内、更により特にBBLから約5SDCM内である。
【0146】
「可視」、「可視光」又は「可視発光」という用語、及び同様の用語は、約380乃至780nmの範囲内に1つ以上の波長を有する光を指す。本明細書においては、UVは、特に、200乃至380nmの範囲から選択される波長を指すことがある。
【0147】
本明細書においては、「光」という用語が可視光のみを指すことが文脈から明らかな場合を除き、「光」及び「放射線」という用語は交換可能に使用される。従って、「光」及び「放射線」という用語は、UV放射線、可視光、及びIR放射線を指すことがある。特に照明アプリケーションのための、特定の実施形態においては、「光」及び「放射線」という用語は、(少なくとも)可視光を指す。
【0148】
実施形態においては、前記システムは、制御システムを更に有してもよく、又は制御システムに機能的に結合されてもよい。例えば、前記システムが、複数の光源及び/又は更なる光源を有する場合、前記制御システムは、前記光源及び/又は更なる光源を制御するよう構成されてもよい。実施形態においては、前記制御システムは、例えばカラーポイント及び相関色温度のうちの1つ以上のような、前記システム光のスペクトル特性を制御するよう構成されてもよい。
【0149】
「制御する」という用語及び同様の用語は、特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理する(supervise)ことを指す。従って、本明細書においては、「制御する」という用語及び同様の用語は、例えば、測定する、表示する、作動する、開く、シフトする、温度を変更するなどのような、挙動を前記要素に課すこと(要素の挙動を決定すること又は要素の動作を管理すること)などを指すことがある。「制御する」という用語及び同様の用語は、その上、モニタすることを更に含むことがある。従って、「制御する」という用語及び同様の用語は、要素に挙動を課すことを含むことがあり、要素に挙動を課し、前記要素をモニタすることを含むこともある。前記要素の制御は、「コントローラ」と示されることもある制御システムで行われ得る。従って、前記制御システム及び前記要素は、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。前記要素が、前記制御システムを有してもよい。実施形態においては、前記制御システム及び前記要素は、物理的に結合されていなくてもよい。制御は、有線及び/又は無線制御を介して行われることができる。「制御システム」という用語は、特に機能的に結合されている、複数の異なる制御システムを指すこともあり、例えば、前記複数の異なる制御システムのうちの1つの制御システムは、マスタ制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムは、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインターフェースを有してもよく、又はユーザインターフェースに機能的に結合されてもよい。
【0150】
前記制御システムはまた、遠隔制御装置からの命令を受信し、実行するよう構成されてもよい。実施形態においては、前記制御システムは、スマートフォン又はiPhone、タブレットなどのようなポータブルデバイスなどのデバイスにおけるアプリを介して制御されてもよい。従って、前記デバイスは、必ずしも前記照明システムに結合されないが、前記照明システムに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0151】
従って、実施形態においては、前記制御システムは(また)、遠隔デバイスにおけるアプリによって制御されるよう構成されてもよい。このような実施形態においては、前記照明システムの前記制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又はスレーブモードで制御してもよい。例えば、前記照明システムは、コード、特にそれぞれの照明システムのための固有のコードで識別可能であってもよい。前記照明システムの前記制御システムは、(固有の)コードの光学センサ(例えばQRコードリーダ)を備えるユーザインターフェースによって入力される知識に基づいて前記照明システムにアクセスする外部の制御システムによって制御されるよう構成されてもよい。前記照明システムはまた、Bluetooth、WIFI、LiFi、ZigBee、BLE若しくはWiMAX、又は別の無線技術などに基づいて、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を有してもよい。
【0152】
従って、実施形態においては、前記制御システムは、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して制御してもよい。「タイマ」という用語は、クロック及び/又は所定の時間スキームを指すことがある。
【0153】
前記光生成システムは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム(self-lit display system)、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータサインシステム、装飾照明システム、携帯用システム、自動車アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸照明、デジタル投影、又はLCDバックライトの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。前記光生成システム(又は前記照明器具)は、例えば光通信システム又は消毒システムの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。
【0154】
更に他の態様においては、本発明は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光生成システムを有する一体型光源パッケージを提供する。
【0155】
前記一体型光源パッケージは、前記照明ユニット、又は少なくともその光源、及び前記光学要素を支持するよう構成される共通支持部材を有してもよい。前記共通支持部材は、前記光源及び前記ルミネッセンス要素、並びに前記光学要素から前記ヒートシンクへ熱エネルギを運ぶよう構成されてもよく、又は前記共通支持部材は、ヒートシンクであってもよい。実施形態においては、前記共通支持部材は、ヒートシンク又はヒートスプレッダであってもよい。
【0156】
前記システムの実施形態においては、前記システムは、前記照明ユニット、前記ルミネッセンス要素及び前記光学要素を含み、随意に前記反射要素も含むSMDパッケージを有する。特に、実施形態においては、前記システムは、前記照明ユニット、前記ルミネッセンス要素、前記光学要素及び前記反射要素を含むSMDパッケージを有する。
【0157】
更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有するランプ又は照明器具も提供する。前記照明器具は、ハウジング、光学要素、ルーバーなどなどを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記光生成システムを囲むハウジングを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記ハウジングにおける光窓(light window)、又はハウジング開口部を有してもよく、前記システム光は、前記光窓又は前記ハウジング開口部を通して、前記ハウジングから脱出し得る。更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有する投影デバイスも提供する。特に、投影デバイス又は「プロジェクタ」又は「画像プロジェクタ」は、例えば投影スクリーンなどの表面に画像(又は動画)を投影する光学デバイスであり得る。前記投影デバイスは、本明細書において記載されているような光生成システムを1つ以上含み得る。従って、本発明は、或る態様においては、ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される光生成デバイスであって、本明細書において規定されているような光生成システムを有する光生成デバイスも提供する。
【0158】
「照明デバイス」又は「照明システム」という用語、及び同様の用語の代わりに、「光生成デバイス」又は「光生成システム」という用語(、及び同様の用語)が適用されることもある。照明デバイス又は照明システムは、デバイス光(若しくは「照明デバイス光」)又はシステム光(若しくは「照明システム光」)を生成するよう構成されてもよい。上記のように、光及び放射線という用語は、交換可能に使用され得る。
【0159】
前記照明デバイスは、光源を有してもよい。前記デバイス光は、実施形態においては、光源光及び(ルミネッセンス材料光などの)変換光源光のうちの1つ以上を有してもよい。
【0160】
前記照明システムは、光源を有してもよい。前記システム光は、実施形態においては、光源光及び(ルミネッセンス材料光などの)変換光源光のうちの1つ以上を有してもよい。
【0161】
本明細書においては、「光」という用語が可視光のみを指すことが文脈から明らかな場合を除き、「光」及び「放射線」という用語は交換可能に使用される。従って、「光」及び「放射線」という用語は、UV放射線、可視光、及びIR放射線を指すことがある。特に照明アプリケーションのための、特定の実施形態においては、「光」及び「放射線」という用語は、可視光を指す。
【0162】
UV放射線という用語は、特定の実施形態においては、近UV放射線(NUV)を指すことがある。それ故、本明細書においては、一般にUVを指し、特定の実施形態においてはNUVを指すために、「(N)UV」という用語も適用される。IR放射線という用語は、特定の実施形態においては、近IR放射線(NIR)を指すことがある。それ故、本明細書においては、一般にIRを指し、特定の実施形態においてはNIRを指すために、「(N)IR」という用語も適用される。
【0163】
本明細書においては、「可視光」という用語は、特に、380乃至780nmの範囲から選択される波長を有する光に関する。
【0164】
本明細書においては、UV(紫外線)は、特に、190乃至380nmの範囲から選択される波長を指すことがあるが、特定の実施形態においては、他の波長もあり得ることがある。
【0165】
本明細書においては、IR(赤外線)は、特に、780乃至2000nmなどの、780乃至3000nmの範囲から選択される波長、例えば、少なくとも900nmの波長のような、約1500nmまでの波長を有する放射線を指すことがあるが、特定の実施形態においては、他の波長もあり得ることがある。従って、IRという用語は、本明細書においては、近赤外線(NIR(又はIR-A))及び短波長赤外線(SWIR(又はIR-B))のうちの1つ以上、特に、NIRを指すことがある。
【図面の簡単な説明】
【0166】
ここで、ほんの一例として、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略的な図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1a】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
図1b】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
図1c】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
図1d】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
図1e】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
図1f】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
図1g】幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示する。
図2】幾つか応用例を概略的に図示する。
【0167】
概略的な図面は、必ずしも縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0168】
2つのレーザダイオードなどの、レーザダイオードは、ホルダを介して担体に配設され、60°の角度をなして蛍光体タイルを照明し得る。レーザダイオードは、レーザ光の大部分が蛍光体に向けられるように、蛍光体の近くに配設されてもよい。このような発光デバイスは、(二次)ヒートシンクに取り付けられることができる。レーザ・蛍光体(表面実装デバイス)SMDは、アダプティブフロントライティングシステム、ステージ照明、投影、医療用照明などの高輝度照明用途で使用されることができる。レーザ・蛍光体SMDのスペクトル及び/又は空間光分布を改善することは望ましいと思われる。とりわけ、本明細書においては、実施形態において、集光効率及びスペクトル・空間光分布の改善のためにサファイア光インカプラ(sapphire light in-coupler)を使用し、透過型蛍光体を備えるレーザSMDパッケージを提案する。蛍光体(タイル)は、反射型ヒートシンクの上に配設され得る透明な形状の光インカプラの上に配設され得る。レーザが配設される角度、及び透明な形状の光インカプラの側面は、実施形態においては、レーザ光が効率的に蛍光体タイルの底面に向けられる(且つ集束される)ように設計され得る。直接ポンピングの代わりに、ミラーを介した間接的な蛍光体ポンピングも、蛍光体への光の集束を改善するために使用されることができる。更に、実施形態においては、透明な形状の光インカプラの側面は、効率を更に向上させるために、ピンホールを備える反射器を有してもよい。特定の実施形態においては、蛍光体タイルの底部は、複数の側面からポンピングされる。
【0169】
図1aは、光生成システム1000の実施形態を概略的に図示している。システム1000は、照明ユニット100と、ルミネッセンス要素210と、光学要素400と、反射要素510とを有する。ルミネッセンス要素210は、第1ルミネッセンス要素面211と、第2ルミネッセンス要素面212とを有する。
【0170】
照明ユニット100は、特に、ユニット光101のビーム102を生成するよう構成される。
【0171】
照明ユニット100は、光源光11を生成するよう構成される光源10を有してもよい。実施形態においては、ユニット光101は、光源光11の少なくとも一部を有してもよい。更に、実施形態においては、光源10は、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードから成るグループから選択されてもよい。
【0172】
図1aにおいて概略的に図示されている実施形態は、外面410の第3部分423の異なる部分を照らすよう構成される複数の照明ユニット100を有する光生成システム1000の実施形態である。
【0173】
更に、図1aは、光生成システム1000を有する一体型光源パッケージ10000の実施形態も概略的に図示している。一体型光源パッケージ10000は、光源100、光学要素400及びルミネッセンス要素210を、直接又は中間要素を介して、支持するよう構成される共通支持部材11000を有してもよい。共通支持部材11000は、実施形態においては、本質的に、反射要素510及び/又は熱伝導性要素500から成ることがある(下記も参照)。
【0174】
反射要素510は、ユニット光101を反射するよう構成される。実施形態においては、反射要素510は、鏡面反射性である。
【0175】
図1bも参照して、前記実施形態の更なる態様及び他の実施形態について説明する。図1bにおいて、第1実施形態Iは、照明ユニット100が発散ビーム102を供給する実施形態を概略的に図示しており、実施形態IIは、集束ビーム102を概略的に図示しており、実施形態IIIは、(完全)コリメートビーム102を概略的に図示している。
【0176】
ルミネッセンス要素210は、ユニット光101の少なくとも一部をルミネッセンス材料光201に変換するよう構成されるルミネッセンス材料200を有する。ルミネッセンス要素210は、第1ルミネッセンス要素面211と、第2ルミネッセンス要素面212とを有する。特に、ルミネッセンス材料200の少なくとも一部は、第1ルミネッセンス要素面211と第2ルミネッセンス要素面212との間に構成される。実施形態においては、ルミネッセンス材料200は、A12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含み、Bは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。
【0177】
光学要素400は、外面410を有する。特に、光学要素400は、ルミネッセンス要素210と反射要素510との間に構成される。
【0178】
外面410の第1部分421は、第2ルミネッセンス面212に向けられてもよく、外面410の第2部分422は、反射要素510に向けられてもよい。特に、外面410の第3部分423は、照明ユニット100と受光関係にあるよう構成される。従って、第3部分の少なくとも一部は、照明ユニット光101を受け取り得る。第1部分421の第1面積A1は、第2部分422の第2面積A2より小さくてもよい。従って、第1部分421の面積は、参照符号A1で示されており、第2部分422の面積は、参照符号A2で示されている。光学要素400は、ユニット光101に対して透過性である。光学要素400は、セラミック体、(例えばサファイアのような、アルミナなどの)単結晶、ガラス及び石英から成るグループから選択されてもよい。
【0179】
照明ユニット100は、動作モードにおいて、照明ユニット100が、特に光学要素400を通る透過及び反射要素510における反射を介して、第1要素面211を照らすよう構成されるように、構成される。
【0180】
実施形態においては、照明ユニット100は、動作モードにおいて、照明ユニット100が、光学要素400を通る透過及び反射要素510における反射を介して第2要素面212の少なくとも20%を照らすよう構成されるように、構成されてもよい。
【0181】
特定の実施形態においては、照明ユニット100は、動作モードにおいて、照明ユニット100が、光学要素400を通る透過を介して、及び(第2部分422の下流の)反射要素510における反射を介して、第2部分422の少なくとも20%を照らすよう構成されるように、構成されてもよい。更に、実施形態においては、照明ユニット100は、動作モードにおいて、照明ユニット100が、第2要素面212の少なくとも70%を照らすよう構成されるように、構成されてもよい。
【0182】
実施形態においては、光学要素400は、第1部分421を含む第1面411と、第2部分422を含む第2面412と、第3部分423を含む1つ以上の第3面413とを有し、第1面411と第2面412とが、平行に構成され、第1面411が、ルミネッセンス要素210と物理的に接触しており、第2面412が、反射要素510と物理的に接触している。
【0183】
参照番号440は、レンズなどの、ビーム成形要素のような、(更に)他の光学系の実施形態を指している。
【0184】
図1a及び1bは、更に、第3角度α3が、15乃至75°の範囲から選択される実施形態を概略的に図示している(特に図1b参照)。
【0185】
図1bを参照すると、ユニット光101のビーム102は、発散ビーム、集束ビーム及びコリメートビームから成るグループから選択される(それぞれ、実施形態I乃至III参照)。
【0186】
図1cを参照すると、照明ユニット100は、(i)ユニット光101のビーム102の成形、及び(ii)ユニット光101のビーム102の方向付けのうちの1つ以上をするよう構成される1つ以上の第2光学要素120を更に含み得る。特定の実施形態においては、1つ以上の第2光学要素120は、1つ以上の放物面鏡を有する。
【0187】
図1dは、第3面413と第1面411とが、第1相互角度α1,3を有し、第3面413と第2面412とが、第2相互角度α2,3を有し、100°≦α1,3≦175°であり、5°≦α2,3≦80°である実施形態を概略的に図示している。
【0188】
光学要素400は、1つ以上の第3面413によって画定される1つ以上の縁端部を備える錐体の形状を有してもよい。実施形態Iにおいては、円錐台が概略的に図示されており、実施形態IIにおいては、直角錐台(right pyramidal frustum)が概略的に図示されており、実施形態IIIにおいては、六角錐台(hexagonal pyramidal frustum)が概略的に図示されている。
【0189】
図1eは、(左側において)反射要素510と熱伝導性要素500とが同じ要素である実施形態を概略的に図示しており、(右側において)反射要素510が熱伝導性要素500上の層であり得る実施形態を概略的に図示している。従って、光生成システム1000は、熱伝導性要素500を有してもよく、反射要素510は、熱伝導性要素500によって画定され、又は熱伝導性要素500上の反射層として構成され、熱伝導性要素500は、ヒートシンクを有する。
【0190】
図1fは、第2反射要素420を有する光生成システム1000の実施形態を概略的に図示している。第2反射要素420は、1つ以上の第3面413を介して光学要素400から脱出するユニット光101を反射して光学要素400に戻すよう構成され得る。第3部分423は、第3面積A3を有し得る。1つ以上の第3面413は、第4面積A4を有し得る。第4面積A4の少なくとも50%は、第2反射要素420に向けられてもよい。実施形態においては、第4面積A4の最大25%は、第3面積A3によって規定され得る。
【0191】
図1gは、光軸O1を持つ、光ビームの断面図を概略的に図示している。光軸O1は、スペクトルパワー分布の最大値と一致し得る。内側の輪は、スペクトルパワーの100%(即ち、最大スペクトルパワー)と最大スペクトルパワーの1/e*100%との間の全ての強度を示している。最大の外側の輪は、例えば、スペクトルパワーの100%と最大スペクトルパワーの10%との間の全ての強度を示し得る。参照符号Mは、最大値を示している。
【0192】
図2は、上記のような光生成システム1000を含む照明器具2の実施形態を概略的に図示している。参照符号301は、光生成システム1000によって含まれる又は光生成システム1000に機能的に結合される制御システム300と機能的に結合され得るユーザインターフェースを示している。図2は、光生成システム1000を有するランプ1の実施形態も概略的に図示している。参照符号3は、壁などに、画像を投影するために使用され得る、プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムを示しており、前記プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムも、システム1000を含み得る。参照符号1200は、例えば、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス3のグループから選択され得る、照明デバイスを指している。照明デバイス1200は、光生成デバイス1000を有する。しかしながら、実施形態においては、照明デバイス1200は、(光生成デバイス1000を有する)光無線通信デバイス又は消毒デバイスを含むこともある。図2は、(特にウォールウォッシャなどの)壁面照明デバイスを含む照明デバイス1200の実施形態も概略的に図示している。照明デバイス1200は、(コーブ(cove)を照明するための)コーブ照明デバイスを含むこともある。
【0193】
「複数」という用語は、2つ以上を指す。本明細書における「実質的に」又は「本質的に」という用語、及び同様の用語は、当業者には理解されるだろう。「実質的に」又は「本質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「全て」などを備える実施形態も含み得る。従って、実施形態においては、実質的に又は本質的にという形容詞が取り除かれることもある。適用可能な場合には、「実質的に」という用語又は「本質的に」という用語は、100%を含む、95%以上、特に99%以上、更により特に99.5%以上などの、90%以上に関することもある。「有する」という用語は、「有する」という用語が「から成る」ことを意味する実施形態も含む。要素の単数形表記は、このような要素の複数の存在を除外するものではない。
【0194】
「及び/又は」という用語は、特に、「及び/又は」の前及び後で言及されている項目のうちの1つ以上に関する。例えば、「項目1及び/又は項目2」という語句、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関し得る。「有する」という用語は、或る実施形態においては、「から成る」ことを指す場合があるが、別の実施形態においては、「少なくとも規定されている種を含み、随意に、1つ以上の他の種を含む」ことを指す場合もある。
【0195】
更に、明細書及び特許請求の範囲における、第1、第2、第3などの用語は、同様の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、逐次的又は時間的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書において記載されている本発明の実施形態は、本明細書において記載又は図示されている順序以外の順序で動作が可能であることは理解されるべきである。
【0196】
特許請求の範囲において、括弧内に配置される如何なる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0197】
「有する」という動詞及びその語形変化の使用は、請求項において示されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。文脈から明らかに別の意味が必要とされない限り、明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「有する」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的な、包括的な意味で、即ち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【0198】
本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって実施されてもよく、又は適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。幾つかの手段を列挙している、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項においては、これらの手段のうちの幾つかは、ハードウェアの全く同一のアイテムによって実施されてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
【0199】
本発明は、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得る、又は本明細書において記載されている方法若しくはプロセスを実行し得る制御システムも提供する。更に他に、本発明は、デバイス、装置、又はシステムに機能的に結合される又は含まれるコンピュータにおいて実行するときに、このようなデバイス、装置、又はシステムの1つ以上の制御可能な要素を制御するコンピュータプログラム製品も提供する。
【0200】
本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有するデバイス、装置、又はシステムに当てはまる。本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有する方法又はプロセスに関する。
【0201】
この特許において説明されている様々な態様は、更なる利点を提供するために組み合わされることができる。更に、当業者は、実施形態は組み合わされることができること、及び3つ以上の実施形態も組み合わされることができることを理解するだろう。更に、特徴のうちの幾つかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成することができる。
【0202】
本発明は、特定の実施形態において、とりわけ、集光効率及びスペクトル・空間光分布の改善のためのサファイア(又は他の材料)の光インカプラを提案する。蛍光体(タイル)は、反射型ヒートシンクの上に配設され得る透明な形状の光インカプラの上に配設され得る。レーザが配設される角度、及び透明な形状の光インカプラの側面の角度は、特に、レーザ光が効率的に蛍光体タイルの底面に向けられる(且つ集束される)ように設計され得る。実施形態においては、直接ポンピングの代わりに、ミラーを介した間接的な蛍光体ポンピングも使用されることができ、このことは、蛍光体への光の集束を改善し得る。更に、透明な形状の光インカプラの側面は、特定の実施形態においては、効率を更に向上させるために、ピンホールを備える反射器を有してもよい。特定の実施形態においては、蛍光体タイルの底部は、複数の側面からポンピングされてもよい。
【0203】
光生成システムは、照明ユニットと、ルミネッセンス要素と、光学要素と、反射要素とを有してもよい。実施形態においては、光生成システムは、複数の照明ユニットと、単一のルミネッセンス要素と、単一の光学要素と、単一の反射要素とを有してもよい。実施形態においては、光生成システムは、1つ以上の照明ユニットと、2つ以上のルミネッセンス材料を含む単一のルミネッセンス要素と、単一の光学要素と、単一の反射要素とを有してもよい。実施形態においては、光生成システムは、(i)複数の装置であって、各々が、1つ以上の照明ユニット、(1つ以上のルミネッセンス材料を含む)ルミネッセンス要素、単一の光学要素、及び(ii)1つ以上の反射要素を含む複数の装置を有してもよい。
【0204】
実施形態においては、動作中、ユニット光は、第3部分を介して光学要素に入射し、第2部分の方向に伝搬し、第2部分から脱出することがあり、反射要素によって反射されて光学要素に戻り、第2部分を介して光学要素に再び入射し、第1部分へ伝搬し、第1部分を介して光学要素から脱出してルミネッセンス要素に入射することがある。そこでは、ユニット光の少なくとも一部が、ルミネッセンス材料光に変換され得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2