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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】コンクリート養生用均一発熱システム
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/02 20060101AFI20241216BHJP
   E04G 9/10 20060101ALI20241216BHJP
   E01D 19/02 20060101ALI20241216BHJP
   B28B 11/24 20060101ALI20241216BHJP
   C04B 40/02 20060101ALI20241216BHJP
   B28B 7/42 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
E04G21/02 104
E04G9/10 101B
E01D19/02
B28B11/24
C04B40/02
B28B7/42
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023535434
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 KR2021018463
(87)【国際公開番号】W WO2022124763
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-06-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0173647
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514247908
【氏名又は名称】コリア レイルロード リサーチ インスティテュート
【住所又は居所原語表記】176, Cheoldobangmulgwan-ro, Uiwang-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】コウ,テ フン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ハン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュン ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム,チャン ジュ
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-293380(JP,A)
【文献】特開2015-200118(JP,A)
【文献】特開2002-352940(JP,A)
【文献】特開平11-042626(JP,A)
【文献】特開2001-123667(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0088756(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0014959(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/02
E04G 9/10
E01D 19/02
B28B 11/24
C04B 40/02
B28B 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート養生用均一発熱システムにおいて、
コンクリート製造用型枠の外部パネルにそれぞれ密着した状態で結合される複数の単位発熱装置;及び前記複数の単位発熱装置に電力を供給する電源供給部を含み、
前記単位発熱装置は、
型枠パネルの表面に付着し、所定の単位面積を有する本体ハウジング;
前記本体ハウジングの上部面に結合された把持部;及び
前記本体ハウジングの下部面に結合され、中央部に穿孔穴が形成された面状発熱ヒーターを含むことを特徴とするコンクリート養生用均一発熱システム。
【請求項2】
前記穿孔穴は、長方形または楕円形に形成されることを特徴とする請求項に記載のコンクリート養生用均一発熱システム。
【請求項3】
コンクリート養生用均一発熱システムにおいて、
コンクリート製造用型枠の外部パネルにそれぞれ密着した状態で結合される複数の単位発熱装置;及び前記複数の単位発熱装置に電力を供給する電源供給部を含み、
前記単位発熱装置は、
型枠パネルの表面に付着し、所定の単位面積を有する本体ハウジング;
前記本体ハウジングの上部面に結合された把持部;及び
前記本体ハウジングの下部面に結合された面状発熱ヒーターを含み、
前記面状発熱ヒーターは、
前記電源供給部から電力供給を受けるコンダクター;
所定の面積を有し、前記コンダクターから電力供給を受けて発熱する加熱部;
前記加熱部及び前記コンダクターを包むインシュレーション;及び
前記インシュレーションの下部に位置する加熱板を含み、
前記加熱部は、ドーナツ状に形成されることを特徴とするコンクリート養生用均一発熱システム。
【請求項4】
コンクリート養生用均一発熱システムにおいて、
コンクリート製造用型枠の外部パネルにそれぞれ密着した状態で結合される複数の単位発熱装置;及び前記複数の単位発熱装置に電力を供給する電源供給部を含み、
前記単位発熱装置は、
型枠パネルの表面に付着し、所定の単位面積を有する本体ハウジング;
前記本体ハウジングの上部面に結合された把持部;及び
前記本体ハウジングの下部面に結合された面状発熱ヒーターを含み、
前記面状発熱ヒーターは、
所定の面積を有し、耐熱性のPET(Polyethyleneterephthalate)素材で作製される下板;
前記下板の上部に配置され、前記電源供給部から電力供給を受けて発熱する発熱部;及び
前記発熱部の上部に位置し、前記下板と同じ材質を有する上板を含み、
前記発熱部は、STS(Stainless Steel)材質のワイヤを折り曲げてパターン化されて形成され、全体的な形状がドーナツ状に形成されることを特徴とするコンクリート養生用均一発熱システム。
【請求項5】
コンクリート養生用均一発熱システムにおいて、
コンクリート製造用型枠の外部パネルにそれぞれ密着した状態で結合される複数の単位発熱装置;及び前記複数の単位発熱装置に電力を供給する電源供給部を含み、
前記単位発熱装置は、
型枠パネルの表面に付着し、所定の単位面積を有する本体ハウジング;
前記本体ハウジングの上部面に結合された把持部;及び
前記本体ハウジングの下部面に結合された面状発熱ヒーターを含み、
前記本体ハウジングの左右側にそれぞれ結合され、前記型枠パネルのフレームと締結状態を持つようにする一つ以上の板状ばね締結部をさらに含むことを特徴とするコンクリート養生用均一発熱システム。
【請求項6】
前記本体ハウジングと前記面状発熱ヒーターとの間に位置する断熱部材をさらに含むことを特徴とする請求項1,3~5のいずれか1つに記載のコンクリート養生用均一発熱システム。
【請求項7】
前記本体ハウジングの下部面に位置し、互いに所定の距離離隔されて位置する複数の磁石部をさらに含むことを特徴とする請求項1,3~5のいずれか1つに記載のコンクリート養生用均一発熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート養生用均一発熱システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
型枠(form)は、コンクリート構造物を製造する過程におけるコンクリートが硬化するまで使用する仮設構造物をいう。型枠は、仮設構造物であるため、コンクリートの養生が完了されると、分離して再使用することが一般的である。コンクリート構造物は、その種類や必要に応じて工場で量産されたり、施工現場で製造されたりすることができるが、型枠は、コンクリート構造物が工場量産であれ現場作製であれ、コンクリート構造物の形状および寸法を正確に確保するため、必ず必要である。
【0003】
既存の型枠を用いたコンクリート構造物の製造方法は、一般的に製造しようとするコンクリート構造物の形態通り型枠を設置し、その内部に鉄筋組立体等を設置し、その後、コンクリートを打設した後、養生する過程を経る。
【0004】
このような型枠を用いたコンクリート構造物の製造過程における工事期間に最も重要な影響を及ぼす要因は、養生時間である。即ち、養生時間が長くかかるとそれだけ工事期間が長くなるため、工事費用が増加する原因となる。特に冬期や酷寒地域のように外気温度が低い場合には、養生時間が長くかかるため、工事期間が長くなって全体工事費用が増加し、工事による納期を満足しにくくなる問題が発生する。更に、冬期の場合、水和反応の遅延などでコンクリートの品質確保にも問題が発生して別途の添加剤などを使用したり、コンクリート打設自体を行わなかったりすることもある。
【0005】
橋脚や建物などの高い建築物の製造においては、床からコンクリート構造物を養生させるユーロフォーム(Euro form)、スリップフォーム(slip form)、またはクライミングフォーム(climbing form)形態の型枠方式を用いることが一般であり、その場合、1回打設時に養生時間が非常に長く掛かるので、全体工事期間が長くなる問題がある。特に冬期や酷寒地域のように外部温度が低い場合、このような問題がより大きく発生して従来は工事期間を短縮するため、電熱線を型枠に入れて加熱させる施工方法を行ったり、熱風機やストーブ、スチームなどを用いて型枠表面を加熱する方法を用いてきた。
【0006】
しかしながら、電熱線を用いた温度上昇方法は、電熱線を型枠に設けなければならないので、追加で複雑な電気工事が必要であり、また、電熱線に電気を持続的に供給しなければならないので、莫大な量の電気が消費される問題点があって、型枠作業後には、再び電熱線を解体しなければならないが、解体作業が複雑であるという問題がある。
【0007】
また、熱風機、ストーブ、スチームなどにより型枠表面を加熱するためには、熱風機、ストーブ、ボイラーなどを稼動させるためには、莫大な量の油、ガスおよび電気が消費され、有毒ガス発生により作業者の安全を保障することが困難であり、環境汚染の恐れがあるという問題点があった。したがって、このような問題により冬期には、初めてから橋脚や建物などのコンクリート構造物施工のためのコンクリート打設および養生を中断するなどの施工期間が長くなる原因となった。
【0008】
既存の方法は、上記のような問題があって使用が制限的であり、施工を行っても安全問題、環境問題及び過多な費用発生等の問題により、冬期のコンクリート構造物の施工工事は進行することに困難な面があった。
【0009】
このような従来技術の問題点を解決するために、本出願人は大韓民国特許出願第10-2011-0130015号(発明の名称:マイクロ波を用いたプレキャストコンクリート製造用発熱型枠)、第10-2011-0130016号(発明の名称:マイクロ波により発熱する発熱型枠を用いたコンクリート橋梁基礎の建設方法)、第10-2012-0031331号(発明の名称:マイクロ波により発熱する発熱型枠を用いた建物施工方法)、第10-2012-0031340号(発明の名称:マイクロ波により発熱する型枠を用いたトンネルコンクリートライニング施工用型枠構造及びそれを用いたトンネルコンクリートライニング施工方法)の出願を通じて冬期や酷寒地域のように外気温度が低い場合には、養生時間が長くかかる問題が発生し、養生に必要な温度上昇に莫大な量の石油、ガスなどの化石燃料を使用しなくてもマイクロ波により型枠の温度を上げることにより、コンクリート養生によるコンクリート構造物の施工期間および作製期間を短縮することができる新しい技術を提案した。
【0010】
上記特許技術を用いる場合、発熱効率とそれによるコンクリート促進養生効果に優れ、冬期コンクリート構造物の施工及び作製が効果的に進行できるが、発熱体へのマイクロ波の一定の伝達が容易ではなくて全体的に均一に発熱しない問題があって、マイクロ波の発生部の故障が発生する場合には、全体システムが作動せず、施工不良が発生される可能性があり、また、発熱システムの重量や体積が過度に大きくて実際の現場では、取扱性や作業性が良くない問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、橋脚、橋台のような橋梁基礎、アパートや住宅、事務用ビル等のような建物のスラブ、トンネルコンクリートライニング、及び橋梁床版、ガーダー、ボックス、ビーム、暗渠、擁壁、杭、軌道スラブ、コンクリート枕木などのような現場打設およびプレキャストコンクリートを施工および製造することにおいて、新しい構造の均一発熱システムを用いて型枠を加熱することにより、型枠の内部に打設されたコンクリートの初期水和(hydration)時間を短縮させ、特に冬期および酷寒地域などの外気温度の低い環境でのコンクリート構造物の施工期間を著しく短縮させることができ、施工不良及び作業性を画期的に改善できるコンクリート養生用均一発熱システムを提供することを目的とする。
【0012】
但し、本実施例が成し遂げようとする技術的課題は、上記したように技術的課題に限らず、他の技術的課題が存在することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した技術的課題を達成するための技術的手段として、本発明の一実施例によるコンクリート養生用均一発熱システムは、コンクリート製造用型枠の外部パネルにそれぞれ密着した状態で結合される複数の単位発熱装置;及び前記複数の単位発熱装置に電力を供給する電源供給部を含み、前記単位発熱装置は、型枠パネルの表面に付着し、所定の単位面積を有する本体ハウジング;前記本体ハウジングの上部面に結合された把持部;及び前記本体ハウジングの下部面に結合された面状発熱ヒーターを含む。
【発明の効果】
【0014】
上述した本願の課題解決手段によると、複数の単位発熱装置をコンクリート製造用型枠に付着して電源を供給するだけで設置が終わるので作業が非常に容易であり、別度に養生布や蒸気を供給しなくても発熱システムから発生する熱により、コンクリートの水和と養生が促進される効果がある。
【0015】
また、本発明によるコンクリート養生用均一発熱システムは、強度や耐久性などの養生したコンクリートの品質も所要品質の以上を満たすことができ、特に全体的に均一の発熱とこれによる均質の品質確保が可能である。
【0016】
併せて、本発明は、コンクリートの作製が完了された後に、発熱システムを型枠のパネルから分離するだけでよいので、分離解体のための複雑な作業が必要ではなく、発熱システムを再使用することも容易である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例によるコンクリート養生用均一発熱システムが型枠の外部パネルに取り付けられた図である。
図2】本発明の一実施例によるコンクリート養生用均一発熱システムの単位発熱装置の斜視図である。
図3】本発明の第1実施例による面状発熱ヒーターの斜視図である。
図4】従来の単位発熱装置と本発明の一実施例による単位発熱装置の熱分布図を示す図である。
図5】本発明の第2実施例による面状発熱ヒーターの断面図である。
図6】本発明の第3実施例による面状発熱ヒーターの平面図である。
図7】本発明の一実施例による単位発熱装置を型枠に固定する構成を説明するための図である。
図8】本発明の他の実施例による単位発熱装置を型枠に固定する構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下においては、添付の図面を参照して、本願の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本願の実施例を詳しく説明する。しかしながら、本願は、様々な相違する形態に具現でき、ここで説明する実施例に限らない。そして、図面において、本願を明らかに説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて類似部分に関しては類似図面符号を付けた。
【0019】
本願明細書全体におけるある部分が他の部分と「連結」されているとする際、これは「直接的に連結」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「電気的に連結」されている場合も含む。
【0020】
本願明細書全体におけるある部材が他の部材「上に」位置しているとする際、これはある部材が他の部材に接している場合のみならず、二つの部材の間に他の部材が存在する場合も含む。
【0021】
本願明細書全体におけるある部分がある構成要素を「含む」とする際、これは特に反対の記載のない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。本願明細書全体における使用される程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有の製造および物質許容誤差が提示される際、その数値でまたはその数値に近い意味として使用され、本発明の理解を助けるために、正確又は絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に用いることを防止するために使用される。本願明細書全体における使用される程度の用語「~(する)段階」または「~の段階」は、「~のための段階」を意味しない。
【0022】
本願は、コンクリート養生用均一発熱システムに関するものである。
【0023】
図1は、本発明の一実施例によるコンクリート養生用均一発熱システムが型枠の外部パネルに取り付けられた図であり、図2は、本発明の一実施例によるコンクリート養生用均一発熱システムの単位発熱装置の斜視図であって、図3は、本発明の第1実施例による面状発熱ヒーターの斜視図であり、図4は、従来の単位発熱装置と本発明の一実施例による単位発熱装置の熱分布図を示す図であって、図5は、本発明の第2実施例による面状発熱ヒーターの断面図であり、図6は、本発明の第3実施例による面状発熱ヒーターの平面図であって、図7は、本発明の一実施例による単位発熱装置を型枠に固定する構成を説明するための図であり、図8は、本発明の他の実施例による単位発熱装置を型枠に固定する構成を説明するための図である。
【0024】
以下、図1を参照して本発明の一実施例によるコンクリート養生用均一発熱システム(10)について説明する。
【0025】
図1を参照すると、コンクリート養生用均一発熱システム(10)は、アルミニウムやスチールのような金属から製造されたコンクリート製造用型枠(20)の表面にそれぞれ密着した状態で結合されて発熱する複数の単位発熱装置(100)および複数の単位発熱装置(100)に電力を供給する電源供給部(200)を含む。例示的に、図1に示すように、型枠(20)の表面に格子状に複数の単位発熱装置(100)を付着し、複数の単位発熱装置(100)に電源供給部(200)を通じて電力を供給することにより、型枠(20)が加熱されてコンクリートの水和と養生が促進されることができる。また、コンクリートの作製が完了された後には、型枠(20)から単位発熱装置(100)を分離するだけでよいので、分離解体のための複雑な作業が必要ではなく、コンクリート養生用均一発熱システム(10)を再使用することも容易である。
【0026】
以下、図2を参照して本発明の単位発熱装置(100)について説明する。
【0027】
単位発熱装置(100)は、図示のように、本体ハウジング(110)、把持部(111)及び面状発熱ヒーター(120)を含む。
【0028】
本体ハウジング(110)は、型枠(20)パネルの表面に付着し、所定の単位面積を有することができる。また、本体ハウジング(110)は、板状に形成され、下部に面状発熱ヒーター(120)が位置することができる。
【0029】
把持部(111)は、本体ハウジング(110)の上部面に結合されることができる。例示的に、図2に示すように、把持部(111)は、本体ハウジング(110)の上部面に左右側方向に所定の距離離隔されて位置することができ、これにより、型枠(20)の表面に単位発熱装置(100)を容易に着脱することができる。上述した左右側方向とは、図2の2時および8時の方向であり得る。
【0030】
面状発熱ヒーター(120)は、本体ハウジング(110)の下部面に結合され、型枠(20)の表面に密着することができる。また、面状発熱ヒーター(120)は、電源供給部(200)から電力供給を受けて発熱し、その際、発生された熱を用いて型枠(20)の表面に伝達して、型枠(20)の内部に位置するコンクリートに熱エネルギーを伝達することができる。これにより、コンクリートの水和と養生が促進されることができる。
【0031】
また、単位発熱装置(100)は、本体ハウジング(110)と面状発熱ヒーター(120)との間に位置する断熱部材(130)をさらに含むことができる。断熱部材(130)は、面状発熱ヒーター(120)から発生する熱エネルギーが本体ハウジング(110)に伝達されることを最小化し、型枠(20)の表面に熱エネルギーが効率的に伝達されるようにする役割を果たす。
【0032】
以下、図2乃至図6を参照して本発明の様々な実施例による面状発熱ヒーター(120)について説明する。
【0033】
図3を参照すると、面状発熱ヒーター(120)は、長方形板状に形成され、中央部の穿孔した穿孔穴(122)を含むことができる。その際、穿孔穴(122)は、図3に示すように、長方形または楕円形に形成されることができるが、これに限らない。
【0034】
図4は、従来の単位発熱装置と本発明の一実施例による単位発熱装置(100)の熱分布図を示す図である。
【0035】
図4を参照すると、従来の単位発熱装置は、中央部に熱が集中されて熱分布図が均一ではないことに反して、本発明の単位発熱装置(100)は、面状発熱ヒーター(120)の中央部に穿孔穴(122)が形成されて中央部に熱が集中されて伝達される現象を最小化することができ、これにより、熱を均一に型枠(20)に伝達することができる効果がある。
【0036】
他の実施例として、図5を参照すると、面状発熱ヒーター(150)は、コンダクター(154)、加熱部(156)、インシュレーション(158)および加熱板(152)を含むことができる。
【0037】
コンダクター(154)は、電源供給部(200)から電力供給を受けることができる。その際、コンダクター(154)は、銀(Silver)を主成分として用いて電気伝導度を高め、接触抵抗を下げることができる。
【0038】
加熱部(156)は,所定の面積を有し、コンダクター(154)から電力供給を受けて発熱することができる。また、加熱部(156)は、ドーナツ状の板状に形成されて加熱板(152)の中央部に熱が集中されることを最小化することができる。
【0039】
インシュレーション(158)は、加熱板(152)およびコンダクター(154)を包むように形成されることができる。例示的に、面状発熱ヒーター(150)は、インシュレーション(158)を加熱板(152)の上部に塗布し、塗布されたインシュレーション(158)の上部にコンダクター(154)及び加熱部(156)を実装した後、コンダクター(154)および加熱部(156)の上部に再びインシュレーション(158)を塗布して作製されることができる。
【0040】
その際、インシュレーション(158)は、電気的な伝熱性能を高め、物理的な外力により面状発熱ヒーター(150)が損傷および酸化することを防止する役割を果たす。このために、インシュレーション(158)は、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ガラス材(Glass)、ガラスセラミック(Glass-ceramic)、ホウケイ酸塩(Borosilcate)、アルミノケイ酸塩(Aluminosilicates)の中で少なくとも一つ以上を含むことができるが、これに限らない。
【0041】
また、インシュレーション(158)は、3回塗布及び焼成を行う場合、75umの厚さで1KV以上の絶縁耐圧を得ることができ、4回塗布および焼成を行う場合、100umの厚さで4.5KV以上の絶縁耐圧を得ることができるため、使用環境により塗布および所定の回数を選択的に使用することができる。
【0042】
加熱板(152)は、インシュレーション(158)の下部に位置し、板状に形成されることができる。その際、加熱板(152)は、アルミナ、ステンレス、SUS430、444系列、またはこれに類似の線膨張係数の材質を使用することができる。
【0043】
他の実施例における面状発熱ヒーター(160)は、図6を参照すると、下板(162)、発熱部(164)、上板(166)を含むことができる。
【0044】
下板(162)は、所定の面積を有する板状に形成され、耐熱性のPET(Polyethyleneterephthalate)素材で作製されることができる。また、下板(162)は、PETの中で柔軟であり、耐熱温度の高いPETを用いて高温の発熱を具現することができる。
【0045】
発熱部(164)は、下板(162)の上部に配置され、電源供給部(200)から電力供給を受けて発熱することができる。また、発熱部(164)は、STS(Stainless Steel)材質のワイヤ状に作製され、ワイヤ状の発熱部(164)を折り曲げてパターン化して下板の上部に実装することができる。その際、発熱部(164)の全体的な形状は、ドーナツ状に形成され、下板(162)の中央部に熱が集中されることを最小化することができる。
【0046】
上板(166)は、発熱部(164)の上部に位置し、下板(162)と同じ材質を有することができる。また、上板(166)は、下板(162)の上部に熱融着を通じて結合されることができるが、これに限らない。併せて、上板(166)および下板(162)は、発熱部(164)と外部に電気的な絶縁を構成して発熱部(164)を安全に保護する役割を果たすことができる。
【0047】
併せて、面状発熱ヒーター(160)は、柔軟なPET素材に炭素(Carbon)発熱体をコーティングして作製することもできる。
【0048】
以下、図7及び図8を参照して、本発明の一実施例による単位発熱装置(100)を型枠(20)に固定する構成について説明する。
【0049】
図7を参照すると、単位発熱装置(100)は、本体ハウジング(110)の左右側にそれぞれ結合され、型枠(20)の支持フレーム(21)と締結状態を持つようにする一つ以上の板状ばね締結部(112)をさらに含むことができる。例示的に、板状ばね締結部(112)は、本体ハウジング(110)の左右側にそれぞれ位置することができ、一端が本体ハウジング(110)の上部面に固定され、他端が外側の上部方向に延びるように位置することができる。
【0050】
板状ばね締結部(112)は、単位発熱装置(100)が型枠(20)に設けられた場合、端部が型枠(20)の支持フレーム(21)の下部面を加圧することにより、単位発熱装置(100)が型枠(20)の表面に密着するように位置することができる。これにより、面状発熱ヒーター(120)から発生する熱を型枠(20)の表面に効率的に伝達できる効果がある。
【0051】
他の実施例における図8を参照すると、単位発熱装置(100)は、本体ハウジング(110)の下部面に位置し、互いに所定の距離離隔されて位置する複数の磁石部(140)をさらに含むことができる。即ち、単位発熱装置(100)は、複数の磁石部(140)の磁力により型枠(20)の表面に固定されることができる。
【0052】
その際、複数の磁石部(140)は、図8に示すように、本体ハウジング(110)の前方及び後方縁の付近にそれぞれ3個ずつ位置することができるが、磁石部(140)の個数や位置は、これに限らない。
【0053】
上述した本願の説明は、例示のためのものであり、本願の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本願の技術的な思想や必須的な特徴を変更せず、他の具体的な形態に容易に変形可能であることを理解するはずである。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。例えば、単一形で説明されている各構成要素は、分散して実施されることができ、同様に分散したもので説明されている構成要素も結合された形態で実施されることができる。
【0054】
本願の範囲は、上記詳細な説明より特許請求の範囲により現れ、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本願の範囲に含まれるものとして解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0055】
10:コンクリート養生用均一発熱システム
100:単位発熱装置
110:本体ハウジング
111:把持部 112:板状ばね締結部
120、150、160:面状発熱ヒーター 121:穿孔穴
130:断熱部材 140:磁石部
200:電源供給部
20:型枠 21:支持フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8