(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】太陽電池および光起電力モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
H01L31/04 262
(21)【出願番号】P 2023558126
(86)(22)【出願日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2023099494
(87)【国際公開番号】W WO2024001727
(87)【国際公開日】2024-01-04
【審査請求日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】202210784277.2
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
【氏名又は名称原語表記】JINKO SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1,Jinko Road, Shangrao Economic Development Zone Jiangxi 334100 CN
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】ハァォ グゥオ フェ
(72)【発明者】
【氏名】黄世亮
(72)【発明者】
【氏名】張寧波
(72)【発明者】
【氏名】張恒碩
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213460(JP,A)
【文献】特開2018-056563(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113972300(CN,A)
【文献】中国実用新案第212783469(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110444614(CN,A)
【文献】特許第7048808(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の前面に設けられた前面電極と、前記基板の裏面に設けられた裏面電極とを含み、
前記前面電極が複数本の前面メイングリッドと複数本の前面サブグリッドを備え、各前記前面サブグリッドが複数本の前記前面メイングリッドに電気的に接続され、前記前面メイングリッドの数が6~20本であり、
前記裏面電極が複数本の裏面メイングリッドと複数本の裏面サブグリッドを備え、各前記裏面サブグリッドが複数本の前記裏面メイングリッドに電気的に接続され、前記裏面メイングリッドの数が6~20本であり、
前記前面メイングリッドの端部と前記裏面メイングリッドの端部は分岐電極構造であ
り、
複数本の前記前面メイングリッドのうちの少なくとも1本が4~10個の第1スポット溶接部を有し、複数本の前記裏面メイングリッドのうちの少なくとも1本が、対応する4~10個の第2スポット溶接部を有し、前記第1スポット溶接部の面積が対応する前記第2スポット溶接部の面積より小さく、
複数の前記第1スポット溶接部は、前記前面メイングリッドの端部に位置する2つの第3スポット溶接部と、2つの前記第3スポット溶接部の間に位置する複数の第4スポット溶接部とを含み、前記第3スポット溶接部の面積が前記第4スポット溶接部の面積より大きく、
複数の前記第2スポット溶接部は、前記裏面メイングリッドの端部に位置する2つの第5スポット溶接部と、2つの前記第5スポット溶接部の間に位置する複数の第6スポット溶接部とを含み、前記第5スポット溶接部の面積が前記第6スポット溶接部の面積より大きく、
前記第3スポット溶接部の面積は、前記第5スポット溶接部の面積の2/3以下であり、
前記第3スポット溶接部と前記第5スポット溶接部は、いずれも矩形であり、前記第3スポット溶接部の長さと前記第5スポット溶接部の長さの比、および前記第3スポット溶接部の幅と前記第5スポット溶接部の幅の比は、いずれも2/3を超えかつ1未満であり、
前記第4スポット溶接部の面積は、前記第6スポット溶接部の面積の2/3以下である、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第3スポット溶接部と前記第4スポット溶接部は、いずれも矩形であり、前記第3スポット溶接部の長さ、幅は、それぞれ0.5mm~0.7mm、0.9mm~1.1mmであり、前記第4スポット溶接部の長さ、幅は、それぞれ0.3mm~0.5mm、0.7mm~0.9mmである、
ことを特徴とする請求項
1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第5スポット溶接部と前記第6スポット溶接部は、いずれも矩形であり、前記第5スポット溶接部の長さ、幅は、それぞれ0.7mm~0.9mm、1.1mm~1.3mmであり、前記第6スポット溶接部の長さ、幅は、それぞれ0.5mm~0.7mm、0.7mm~0.9mmである、
ことを特徴とする請求項
1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第1スポット溶接部の第1方向における長さは、対応する前記第2スポット溶接部の前記第1方向における長さの2/3以下であり、前記第1方向は、前記前面メイングリッドの延在方向に平行である、
ことを特徴とする請求項
1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記第1スポット溶接部の前記第1方向における長さは、前記前面メイングリッドの幅より大きく、前記第2スポット溶接部の前記第1方向における長さは、前記裏面メイングリッドの幅より大きい、
ことを特徴とする請求項
4に記載の太陽電池。
【請求項6】
隣接する前記第1スポット溶接部間のピッチと隣接する前記第2スポット溶接部間のピッチは、いずれも15mm~20mmである、
ことを特徴とする請求項
1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記前面サブグリッドの数は、35~100本であり、前記裏面サブグリッドの数は、38~120本である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記前面サブグリッドまたは前記裏面サブグリッドのいずれか一方の幅は、10μm~80μmである、
ことを特徴とする請求項1または
7に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記前面サブグリッドまたは前記裏面サブグリッドのいずれか一方の幅は、20μm~60μmである、
ことを特徴とする請求項1
または7に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記前面サブグリッドまたは前記裏面サブグリッドのいずれか一方の高さは、6μm~18μmである、
ことを特徴とする請求項1
または7に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記前面メイングリッドまたは前記裏面メイングリッドのいずれか一方の幅は、15μm~100μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項12】
前記前面メイングリッドまたは前記裏面メイングリッドのいずれか一方の幅は、18μm~80μmである、
ことを特徴とする請求項1または
11に記載の太陽電池。
【請求項13】
前記前面メイングリッドまたは前記裏面メイングリッドのいずれか一方の高さは、3μm~12μmである、
ことを特徴とする請求項1
または11に記載の太陽電池。
【請求項14】
電池ストリングと、封止用接着フィルムと、カバープレートとを含み、
前記電池ストリングが複数の太陽電池を接続することで形成され、各前記太陽電池は、基板と、前記基板の前面に設けられた前面電極と、前記基板の裏面に設けられた裏面電極とを含み、前記前面電極が、複数本の前面メイングリッドと、複数本の前面サブグリッドとを含み、各前記前面サブグリッドが複数本の前記前面メイングリッドに電気的に接続され、前記前面メイングリッドの数が6~20本であり、前記裏面電極が、複数本の裏面メイングリッドと複数本の裏面サブグリッドとを含み、各前記裏面サブグリッドが複数本の前記裏面メイングリッドに電気的に接続され、前記裏面メイングリッドの数が6~20本であり、前記前面メイングリッドの端部と前記裏面メイングリッドの端部は分岐電極構造であり、
複数本の前記前面メイングリッドのうちの少なくとも1本が4~10個の第1スポット溶接部を有し、複数本の前記裏面メイングリッドのうちの少なくとも1本が、対応する4~10個の第2スポット溶接部を有し、前記第1スポット溶接部の面積が対応する前記第2スポット溶接部の面積より小さく、
複数の前記第1スポット溶接部は、前記前面メイングリッドの端部に位置する2つの第3スポット溶接部と、2つの前記第3スポット溶接部の間に位置する複数の第4スポット溶接部とを含み、前記第3スポット溶接部の面積が前記第4スポット溶接部の面積より大きく、
複数の前記第2スポット溶接部は、前記裏面メイングリッドの端部に位置する2つの第5スポット溶接部と、2つの前記第5スポット溶接部の間に位置する複数の第6スポット溶接部とを含み、前記第5スポット溶接部の面積が前記第6スポット溶接部の面積より大きく、
前記第3スポット溶接部の面積は、前記第5スポット溶接部の面積の2/3以下であり、
前記第3スポット溶接部と前記第5スポット溶接部は、いずれも矩形であり、前記第3スポット溶接部の長さと前記第5スポット溶接部の長さの比、および前記第3スポット溶接部の幅と前記第5スポット溶接部の幅の比は、いずれも2/3を超えかつ1未満であり、
前記第4スポット溶接部の面積は、前記第6スポット溶接部の面積の2/3以下であり、
前記封止用接着フィルムが前記電池ストリングの表面を覆うために使われ、
前記カバープレートが前記封止用接着フィルムの電池ストリングから離れる表面を覆うために使われる、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2022年06月28日に出願された「太陽電池及び光起電力モジュール」という名称の中国特許出願202210784277.2に基づく優先権を主張し、その開示全体は援用により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
(発明の分野)
本発明の実施例は、太陽光発電の技術分野に関し、特に、太陽電池及び光起電力モジュール(photovoltaic module)に関するものである。
【背景技術】
【0003】
太陽光発電技術の発展に伴い、太陽電池の発電効率も絶えず向上している。特に両面発電太陽電池の登場によって、太陽電池の両面が同時に使われるようになり、太陽電池の前面に直接入射する光を利用して発電するだけでなく、太陽電池の裏面に散乱、屈折する光を利用して発電することができ、ひいては太陽電池の発電効率を効果的に高めることができる。
【0004】
太陽電池において、グリッド線電極はペーストで印刷して形成されている。印刷用ペーストのコストが高いため、太陽電池のコストを削減するには、印刷用ペーストの単位消費量を低減することが重要である。しかし、場合によって、太陽電池におけるグリッド線電極でのスポット溶接部の面積が大きいため、太陽電池の印刷用ペーストの単位消費量の低減に不利である。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施形態は、太陽電池及び光起電力モジュールを提供することを目的とする。
【0006】
本願の実施形態には、太陽電池が提供され、この太陽電池は、基板と、基板の前面に設けられた前面電極と、基板の裏面に設けられた裏面電極とを含み、前面電極が複数本の前面メイングリッドと複数本の前面サブグリッドを備え、各前面サブグリッドが複数本の前面メイングリッドに電気的に接続され、前面メイングリッドの数が6~20本であり、前面サブグリッドの数が45~75本であり、裏面電極が複数本の裏面メイングリッドと複数本の裏面サブグリッドを備え、各裏面サブグリッドが複数本の裏面メイングリッドに電気的に接続され、裏面メイングリッドの数が6~20本であり、裏面サブグリッドの数が50~80本であり、複数本の前面メイングリッドのうちの少なくとも1本が4~10個の第1スポット溶接部を有し、複数本の裏面メイングリッドのうちの少なくとも1本が、対応する4~10個の第2スポット溶接部を有し、第1スポット溶接部の面積が対応する第2スポット溶接部の面積より小さい。
【0007】
本願の実施形態には、光起電力モジュールがさらに提供され、この光起電力モジュールは、電池ストリングと、封止用接着フィルムと、カバープレートとを含み、電池ストリングが複数の太陽電池を接続することで形成され、各太陽電池は、基板と、基板の前面に設けられた前面電極と、基板の裏面に設けられた裏面電極とを含み、前面電極が、複数本の前面メイングリッドと、複数本の前面サブグリッドとを含み、各前面サブグリッドが複数本の前面メイングリッドに電気的に接続され、前面メイングリッドの数が6~20本であり、前面サブグリッドの数が45~75本であり、裏面電極が、複数本の裏面メイングリッドと複数本の裏面サブグリッドとを含み、各裏面サブグリッドが複数本の裏面メイングリッドに電気的に接続され、裏面メイングリッドの数が6~20本であり、裏面サブグリッドの数が50~80本であり、複数本の前面メイングリッドのうちの少なくとも1本が4~10個の第1スポット溶接部を有し、複数本の裏面メイングリッドのうちの少なくとも1本が、対応する4~10個の第2スポット溶接部を有し、第1スポット溶接部の面積が対応する第2スポット溶接部の面積より小さく、封止用接着フィルムが電池ストリングの表面を覆うために使われ、カバープレートが封止用接着フィルムの電池ストリングから離れる表面を覆うために使われる。
【0008】
いくつかの実施形態では、複数の第1スポット溶接部は、前面メイングリッドの端部に位置する2つの第3スポット溶接部と、2つの第3スポット溶接部の間に位置する複数の第4スポット溶接部とを含み、第3スポット溶接部の面積が第4スポット溶接部の面積より大きく、複数の第2スポット溶接部は、裏面メイングリッドの端部に位置する2つの第5スポット溶接部と、2つの第5スポット溶接部の間に位置する複数の第6スポット溶接部とを含み、第5スポット溶接部の面積が第6スポット溶接部の面積より大きい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第3スポット溶接部の面積は、第5スポット溶接部の面積の2/3以下である。
【0010】
いくつかの実施形態では、第3スポット溶接部と前記第5スポット溶接部は、いずれも矩形であり、第3スポット溶接部の長さと第5スポット溶接部の長さの比、および第3スポット溶接部の幅と第5スポット溶接部の幅の比は、いずれも2/3より大きくかつ1より小さい。
【0011】
いくつかの実施形態では、第4スポット溶接部の面積は、第6スポット溶接部の面積の2/3以下である。
【0012】
いくつかの実施形態では、第3スポット溶接部と第4スポット溶接部は、いずれも矩形であり、第3スポット溶接部の長さ、幅は、それぞれ0.5mm~0.7mm、0.9mm~1.1mmであり、第4スポット溶接部の長さ、幅は、それぞれ0.3mm~0.5mm、0.7mm~0.9mmである。
【0013】
いくつかの実施形態では、第5スポット溶接部と第6スポット溶接部は、いずれも矩形であり、第5スポット溶接部の長さ、幅は、それぞれ0.7mm~0.9mm、1.1mm~1.3mmであり、第6スポット溶接部の長さ、幅は、それぞれ0.5mm~0.7mm、0.7mm~0.9mmである。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1スポット溶接部の第1方向における長さは、対応する第2スポット溶接部の第1方向における長さの2/3以下であり、第1方向は、前面メイングリッドの延在方向に平行である。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1スポット溶接部の前記第1方向における長さは、前面メイングリッドの幅より大きく、第2スポット溶接部の第1方向における長さは、裏面メイングリッドの幅より大きい。
【0016】
いくつかの実施形態では、隣接する第1スポット溶接部間のピッチと隣接する第2スポット溶接部間のピッチは、いずれも15mm~20mmである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、添付の図面において同じ符号で示す部品は類似する部品であり、特に断りのない限り、添付の図面における図は縮尺に制限されない。
【
図1】
図1は、本願のいくつかの実施例に係る太陽電池の構造を示す図である。
【
図2】
図2は、本願のいくつかの実施例に係る太陽電池における前面電極の構造を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるA部分の拡大構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本願のいくつかの実施例に係る太陽電池における裏面電極の構造を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4におけるB部分の拡大構造を示す図である。
【
図6】
図6は、本願のいくつかの実施例に係る太陽電池がステップごとに印刷される時の前面電極のメイングリッドのパターンである。
【
図7】
図7は、本願のいくつかの実施例に係る太陽電池がステップごとに印刷される時の前面電極のサブグリッドのパターンである。
【
図8】
図8は、本願のいくつかの実施例に係る太陽電池がステップごとに印刷される時の裏面電極のメイングリッドのパターンである。
【
図9】
図9は、本願のいくつかの実施例に係る太陽電池がステップごとに印刷される時の裏面電極のサブグリッドのパターンである。
【
図10】
図10は、本願のいくつかの実施例に係る光起電力モジュールの断面構造を示す図である。
【
図11】
図11は、本願のいくつかの実施例に係る他の光起電力モジュールの断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の実施形態によって提供された太陽電池及び光起電力モジュールは、前面メイングリッドにおける第1スポット溶接部の面積を裏面メイングリッドにおける対応する第2スポット溶接部の面積より小さくすることで、太陽電池の製造時の印刷用ペーストの単位消費量を低減している。前面と裏面の対応するスポット溶接部の面積が一致する方式を取ることによって裏面スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力が前面の対応するスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力より明らかに小さいことを避けることができる。また、前面メイングリッドにおける第1スポット溶接部の面積を減らした後、依然として第1スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力に要求を満たさせることができる。したがって、前面メイングリッドにおける第1スポット溶接部の面積を減らすことで、基板の前面と裏面のスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力がいずれも要求を満たす上で、太陽電池の印刷用ペーストの単位消費量を減らすことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、複数の第1スポット溶接部には、前面メイングリッドの端部に位置する2つの第3スポット溶接部と、2つの第3スポット溶接部の間に位置する複数の第4スポット溶接部とが含まれ、第3スポット溶接部の面積が第4スポット溶接部の面積より大きい。複数の第2スポット溶接部には、裏面メイングリッドの端部に位置する2つの第5スポット溶接部と、2つの第5スポット溶接部の間に位置する複数の第6スポット溶接部が含まれ、第5スポット溶接部の面積が第6スポット溶接部の面積より大きい。このように、メイングリッド端部のスポット溶接部の面積をメイングリッドの中間位置に位置するスポット溶接部の面積より大きくすることで、メイングリッド端部のハンダ付け不良またはハンダ付けの位置ズレを効果的に防ぐことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、第3スポット溶接部の面積は第5スポット溶接部の面積の2/3以下である。このように、第3スポット溶接部の面積を第5スポット溶接部の面積の2/3以下にすることで、第3スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力を第5スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力に近い範囲内に保つことができる。これによって、前面と裏面のスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力がいずれも要求を満たす上で、太陽電池の印刷用ペーストの単位消費量を最大限に減らすことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、第3スポット溶接部と第5スポット溶接部はいずれも矩形であり、第3スポット溶接部の長さと第5スポット溶接部の長さの比、及び第3スポット溶接部の幅と第5スポット溶接部の幅の比は、いずれも2/3より大きくかつ1より小さい。これにより、第3スポット溶接部の長さの寸法と幅の寸法を同時に減らすことで、第3スポット溶接部の面積を第5スポット溶接部の面積の2/3以下に保つことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、第4スポット溶接部の面積は第6スポット溶接部の面積の2/3以下である。これにより、第4スポット溶接部の面積を第6スポット溶接部の面積の2/3以下にすることで、第4スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力を第6スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力に近い範囲内に保つことができる。これによって、前面と裏面のスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力が要求を満たす上で、太陽電池の印刷用ペーストの単位消費量を最小限に減らすことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1スポット溶接部の第1方向における長さは、対応する第2スポット溶接部の第1方向における長さの2/3以下であり、第1方向が前面メイングリッドの延在方向と平行である。これにより、第1スポット溶接部の第1方向における寸法を減らすことで、第1スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力を著しく下げることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1スポット溶接部の第1方向における長さは、前面メイングリッドの幅より大きく、第2スポット溶接部の第1方向における長さは、裏面メイングリッドの幅より大きい。これにより、スポット溶接部の第1方向における長さをメイングリッドの幅より大きくすることで、スポット溶接部をメイングリッドの延在方向にてメイングリッドの両側から突出させることができ、ひいてはPVリボンのハンダ付け時の位置決めに役立つ。
【0025】
いくつかの実施形態では、隣接する第1スポット溶接部間のピッチと隣接する第2スポット溶接部間のピッチは、いずれも15mm~20mmである。これにより、隣接するスポット溶接部間のピッチが小さすぎることによるハンダ付け工程への影響を避けるとともに、隣接するスポット溶接部間のピッチが大きすぎることによる太陽電池でのPVリボンの接続効果への影響を避けることができる。
【0026】
以下、本開示の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本開示の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本開示が保護を要求している技術案を実現することができる。
【0027】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の各実施形態について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本願の各実施形態において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施形態に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を要求している技術案を実現することができる。下記の各実施例の区分は説明の便宜上のためのものであり、本願の具体的な実施形態に対する限定を構成するものではない。各実施例は、食い違わない上で、互いに結合したり、互いに引用したりすることができる。
【0028】
両面発電の太陽電池では、基板の前面と裏面の両方にグリッド線電極が設けられている。そのうち、太陽電池の基板の前面と裏面のグリッド線電極は、いずれも交差する(通常、互いに垂直である)メイングリッドとサブグリッドを備え、メイングリッドとサブグリッドは一般的に金属ペースト(一般的に銀ペースト)を利用して印刷され、所望のパターンが得られ、さらに焼結によって形成される。グリッド線電極内のサブグリッドは電流を導くために使われ、グリッド線電極内のメイングリッドはサブグリッドにおける電流を集めて合流させるために使われる。太陽電池の発電効率を高め、コストを下げるため、通常、マルチバスバー技術(MBB、Multi-Busbar)を採用し、即ち、基板の前面と裏面に同時に複数本のメイングリッドを印刷し、通常、メイングリッドの数は9本以上であり、例えば、9本のメイングリッド、12本のメイングリッド、13本のメイングリッド、15本のメイングリッド、16本のメイングリッド、18本のメイングリッドまたは20本のメイングリッドを備える。マルチバスバー技術は、メイングリッド数を増やすことでサブグリッド数を減らしており、サブグリッド間のピッチを拡大し、コストを削減する。サブグリッド幅を減らすことで遮光面積と銀ペーストの単位消費量を低減する。また、メイングリッドにスポット溶接部を設置することで、太陽電池とPVリボンとのハンダ付け時のハンダ付け精度及びハンダ付け引張力などの信頼性を確保する。
【0029】
マルチバスバー技術を採用している太陽電池では、基板の前面と裏面のメイングリッドの設計がほぼ一致している。太陽電池とPVリボンとのハンダ付け時のハンダ付け引張力が要求を満たすことを確保するとともに、ハンダ付けの位置ズレ要因を総合的に考慮するために、メイングリッドにおけるスポット溶接部の面積は大きく設定されている。
【0030】
場合によって、太陽電池の基板の前面と裏面におけるスポット溶接部の面積はいずれも大きくて、ハンダ付け引張力の要求を満たすことができるため、基本的に前面と裏面の対応するスポット溶接部の面積が一致するように維持する方式を採用している。しかし、試験結果によると、基板の前面と裏面の対応するスポット溶接部の面積が一致している場合、基板の裏面のスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力は、前面の対応するスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力の70%程度しかないことが判明した。つまり、基板の前面と裏面の対応するスポット溶接部の面積が一致するように維持する方式を取る場合、基板の前面のスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力と、裏面の対応するスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力とは明らかに異なっている。このような顕著な違いを招く原因は、基板の前面と裏面で採用されたハンダ付け方式の違いと、基板の前面と裏面に印刷された電極ペーストの体系の違いである。実際に、太陽電池がハンダ付けステーションに移された後、基板の前面と裏面のPVリボンは赤外線ランプで加熱され、ハンダ付けが遂行される。ただし、熱損失を防ぐために、基板の裏面のハンダ付け基板には一定の保温温度があり、また、基板裏面の放熱が適時でないため、基板の裏面のPVリボンのハンダ付け中の冷却が適時ではなくなり、最終的に太陽電池の基板の裏面のPVリボンは引張力が低い現象を示すことを招く。さらに、実際には、基板前面と裏面の印刷用ペーストの種類が異なっており、印刷用ペーストの種類によってその組成成分に差異があるため、基板前面と裏面の異なるスポット溶接部におけるPVリボンのハンダ付け引張力が異なることを招いている
【0031】
なお、スポット溶接部の対応関係とは、基板の前面と裏面のメイングリッドにおけるスポット溶接部が基板に垂直な方向に持つ位置対応関係のことである。実際には、基板の前面と裏面のメイングリッドにおけるスポット溶接部は、基板に垂直な方向において厳密な位置対応(両者の基板に垂直な方向における投影が少なくとも部分的に重なっている)を保ってもよいし、一定の距離をずらしてもよいが、ずらして設けられる場合、基板におけるハンダ付け応力集中領域が重なることに起因して太陽電池に隠れクラック、破片が発生するのを避けることができる。また、基板の前面と裏面のメイングリッドにおけるスポット溶接部も数量的に厳密な対応関係を保ったり、一定の範囲内で異なったりすることができる。
【0032】
試験結果によると、基板の前面と裏面の対応するスポット溶接部とPVリボンのハンダ付け引張力が同時に要求を満たす場合、基板前面のスポット溶接部の面積を減らすことで、太陽電池の印刷用ペーストの単位消費量を低減できることが分かった。また、基板の前面におけるスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力と、裏面におけるスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力が同じように保たれた場合、裏面の対応するスポット溶接部の面積に対して、前面のスポット溶接部の面積の減少割合は1/3以上に達することができる。このように、前面のスポット溶接部の面積を減らした後、太陽電池の印刷用ペーストの単位消費量を低減できるだけでなく、前面のスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力が信頼性の要求を満たすことに影響しなく、即ち、前面のスポット溶接部とPVリボンのハンダ付け引張力は、依然として要求を満たすことができる。
【0033】
このゆえに、本願のいくつかの実施例には、基板10と、基板10の前面に設けられた前面電極20と、基板10の裏面に設けられた裏面電極30とを含み、前面電極20が複数本の前面メイングリッド21と複数本の前面サブグリッド22を備え、各前面サブグリッド22が複数本の前面メイングリッド21に電気的に接続され、前面メイングリッド21の数が6~20本であり、前面サブグリッド22の数が45~75本であり、裏面電極30が複数本の裏面メイングリッド31と複数本の裏面サブグリッド32を備え、各裏面サブグリッド32が複数本の裏面メイングリッド31に電気的に接続され、裏面メイングリッド31の数が6~20本であり、裏面サブグリッド32の数が50~80本であり、複数本の前面メイングリッド21のうちの少なくとも1本が4~10個の第1スポット溶接部211を有し、複数本の裏面メイングリッド31のうちの少なくとも1本が、対応する4~10個の第2スポット溶接部311を有し、第1スポット溶接部211の面積が対応する第2スポット溶接部311の面積より小さい太陽電池が提供される。
【0034】
前面サブグリッド22の数は、35~100本であり、裏面サブグリッド32の数は、38~120本である。前面サブグリッド22の数は、35本~46本、46本~58本、58本~69本、69本~81本、81本~90本または90本~100本であってもよい。裏面サブグリッド32の数は、38本~49本、49本~64本、64本~73本、73本~89本、89本~108本または108本~120本であってもよい。前面サブグリッド22の数は、35本、41本、45本、50本、55本、60本、65本、70本、75本、83本、91本または99本であってもよい。裏面サブグリッド32の数は、39本、44本、48本、50本、55本、60本、65本、70本、75本、83本、91本、99本、112本または120本であってもよい。
【0035】
基板10は、太陽電池のグリッド線電極を形成する基礎であり、通常、シリコン基板を使用している。基板10の前面と裏面に金属ペーストを印刷して、特定のパターンを持つグリッド線電極を形成することができる。基板10の前面に印刷されたグリッド線電極は前面電極20であり、基板10の裏面に印刷されたグリッド線電極は裏面電極30である。通常、基板10の前面は受光面であり、直接入射した光による太陽エネルギーを受け、基板10の裏面はバックライト面であり、散乱、屈折した光による太陽エネルギーを受る。実際に、前面メイングリッド21及び裏面メイングリッド31の数はいずれも9本、12本、13本、15本、16本、18本または20本であってもよい。前面サブグリッド22の数は、45本、50本、55本、60本、65本、70本または75本であってもよい。裏面サブグリッド32の数は、50本、55本、60本、65本、70本、75本または80本であってもよい。また、本願のいくつかの実施例によって提供された太陽電池は、一体化電池または半分分割電池の形態で構成されてもよい。半分分割電池は一体化電池をメイングリッドに垂直な方向に沿って2つに分割することで形成されるものである。
【0036】
前面サブグリッド22の幅は、10μm~80μmである。前面サブグリッド22の幅は、10μm~22μm、22μm~34μm、34μm~46μm、46μm~58μm、58μm~70μm、70μm~80μmまたは20μm~60μmであってもよい。前面サブグリッド22の幅は13μm、19μm、26μm、35μm、47μm、61μmまたは73μmであってもよい。
【0037】
前面サブグリッド22の高さは、6μm~18μmである。前面サブグリッド22の高さは6μm~9.3μm、9.3μm~12.4μm、12.4μm~15.1μmまたは15.1μm~18μmであってもよい。前面サブグリッド22の高さは、6.1μm、7.3μm、8.2μm、9.5μm、10.4μm、11.1μm、12.6μm、14.6μm、16.3μm、17.6μmまたは18μmであってもよい。
【0038】
裏面サブグリッド32の幅は、10μm~80μmである。裏面サブグリッド32の幅は、10μm~23μm、23μm~33μm、33μm~45μm、45μm~54μm、54μm~68μm、68μm~80μmまたは20μm~60μmであってもよい。裏面サブグリッド32の幅は、12μm、21μm、28μm、38μm、52μm、63μmまたは78μmであってもよい。
【0039】
裏面サブグリッド32の高さは、6μm~18μmである。裏面サブグリッド32の高さは、6μm~9.1μm、9.1μm~12.3μm、12.3μm~15.6μmまたは15.6μm~18μmであってもよい。裏面サブグリッド32の高さは、6.2μm、7.1μm、8.3μm、9.4μm、10.1μm、11.3μm、12.7μm、14.8μm、16.4μm、17.1μmまたは18μmであってもよい。
【0040】
前面メイングリッド21の幅は、15μm~100μmである。前面メイングリッド21の幅は、15μm~24μm、24μm~42μm、42μm~53m、53μm~65μm、65μm~82μm、82μm~100μmまたは18μm~80μmであってもよい。前面メイングリッド21の幅は、18μm、26μm、38μm、51μm、69μm、81μmまたは98μmであってもよい。
【0041】
前面メイングリッド21の高さは、3μm~12μmである。前面メイングリッド21の高さは、3μm~5.3μm、5.3μm~8.4μm、8.4μm~10.1μmまたは10.1μm~12μmであってもよい。前面メイングリッド21の高さは、3.1μm、4.3μm、5.2μm、6.5μm、7.4μm、8.1μm、9.6μm、10.6μm、11.3μm、11.6μmまたは12μmであってもよい。
【0042】
裏面メイングリッド31の幅は、15μm~100μmである。裏面メイングリッド31の幅は、15μm~26μm、26μm~43μm、43μm~54m、54μm~66μm、66μm~84μm、84μm~100μmまたは18μm~80μmであってもよい。裏面メイングリッド31の幅は、18μm、26μm、38μm、51μm、69μm、81μmまたは98μmであってもよい。
【0043】
裏面メイングリッド31の高さは、3μm~12μmである。裏面メイングリッド31の高さは、3μm~4.1μm、4.1μm~6.3μm、6.3μm~8.6μmまたは8.6μm~12μmであってもよい。裏面メイングリッド31の高さは、3.2μm、4.1μm、5.3μm、6.4μm、7.1μm、8.3μm、9.7μm、10.8μm、11.4μmまたは12μmであってもよい。
【0044】
なお、太陽電池では、スポット溶接部の数が多すぎてはいけない。スポット溶接部の数が多すぎると、印刷用ペーストの単位消費量が多すぎるようになり、遮光面積が大きすぎるようになってしまう。光起電力モジュールの封止過程において、スポット溶接部の数が多すぎると、ハンダ付け工程にも影響を与える。グリッド線電極に4~10個のスポット溶接部がある場合、印刷用ペーストの単位消費量を節約し、遮光面積が大きすぎることを避けることができる。実際に、前面メイングリッド21における第1スポット溶接部211は、4個、5個、7個、9個または10個あってもよく、裏面メイングリッド31における第2スポット溶接部311は、4個、5個、7個、9個または10個あってもよい。
【0045】
また、第1スポット溶接部211と第2スポット溶接部311との対応は、第1スポット溶接部211と第2スポット溶接部311の基板10に垂直な方向における投影が少なくとも部分的に重なっているか、または、第1スポット溶接部211と第2スポット溶接部311がグリッドの位置区画で同じ範囲、例えば、先頭と末尾スポット溶接部の所在範囲または中間スポット溶接部の所在範囲にあることを指す。先頭と末尾スポット溶接部の範囲は、メイングリッド端部からの距離が太陽電池の長さの10%の範囲内にあるスポット溶接部を含み、メイングリッド端部からの距離が太陽電池の長さの10%の範囲外にあるのは、中間スポット溶接部の所在位置である。
【0046】
本願のいくつかの実施例によって提供された太陽電池は、前面メイングリッド21における第1スポット溶接部211の面積が裏面メイングリッド31における対応する第2スポット溶接部311の面積より小さくなるようにすることで、太陽電池の製造時の印刷用ペーストの単位消費量を低減している。これによって、前面と裏面の対応するスポット溶接部の面積が一致するように維持する方式を取ることによって裏面スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力が前面の対応するスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力より明らかに小さいことを避けることができる。また、前面メイングリッド21における第1スポット溶接部211の面積を減らした後、第1スポット溶接部211とPVリボンとのハンダ付け引張力が依然として要求を満たしている。したがって、前面メイングリッド21における第1スポット溶接部211の面積を減らすことで、基板10の前面と裏面のスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力がいずれも要求を満たす上で、太陽電池の印刷用ペーストの単位消費量を減らすことができる。
【0047】
本願のいくつかの実施形態では、複数の第1スポット溶接部211は、前面メイングリッド21の端部に位置する2つの第3スポット溶接部2111と、2つの第3スポット溶接部2111の間に位置する複数の第4スポット溶接部2112とを含んでもよく、第3スポット溶接部2111の面積が第4スポット溶接部2112の面積より大きい。複数の第2スポット溶接部311は、裏面メイングリッド31の端部に位置する2つの第5スポット溶接部3111と、2つの第5スポット溶接部3111の間に位置する複数の第6スポット溶接部3112とを含んでもよく、第5スポット溶接部3111の面積が第6スポット溶接部3112の面積より大きい。
【0048】
図1~
図5に示すように、第3スポット溶接部2111と第5スポット溶接部3111は、即ちメイングリッド端部に位置するスポット溶接部であり、第4スポット溶接部2112と第6スポット溶接部3112は、即ちメイングリッドの両端部の中間位置に位置するスポット溶接部である。第3スポット溶接部2111の面積は、第4スポット溶接部2112の面積より大きく、第5スポット溶接部3111の面積は、第6スポット溶接部3112の面積より大きい。言い換えれば、同じメイングリッドの端部に位置する2つのスポット溶接部の面積は、端部の2つのスポット溶接部の間に位置する他のスポット溶接部の面積より大きい。
【0049】
前面メイングリッド21及び裏面メイングリッド31の端部に位置するスポット溶接部の面積が中間部に位置するスポット溶接部の面積より大きくなるようにすることで、前面メイングリッド21及び裏面メイングリッド31の端部のハンダ付け不良またはハンダ付けの位置ズレを効果的に防止し、前面メイングリッド21及び裏面メイングリッド31の端部とPVリボンとの間のハンダ付け効果を確保することができる。
【0050】
図3と
図5を引き続き参照すると、前面メイングリッド21の端部と裏面メイングリッド31の端部は、いずれも分岐電極構造であり、前面メイングリッド21の端部と裏面メイングリッド31の端部を分岐構造にすることで、外側に近くて切断された前面サブグリッド22と、外側に近くて切断された裏面サブグリッド32がPVリボンから回避するようになることができ、光起電力モジュールを封止するときに、グリッド線電極端部の隠れクラック及びハンダ付け不良のリスクを下げることができる。
【0051】
また、試験結果によると、基板10の前面と裏面の対応するスポット溶接部とPVリボンのハンダ付け引張力が一致するように維持した上で、裏面の対応するスポット溶接部の面積に対する前面スポット溶接部の面積の減少割合は1/3以上に達することができる。スポット溶接部には通常矩形を採用する実施形態では、基板10の裏面メイングリッド31における先頭と末尾スポット溶接部の面積は、0.70mm2~1.20mm2であってもよく、基板10の前面メイングリッド21における先頭と末尾スポット溶接部の面積は、0.40mm2~0.70mm2であってもよい。基板10の裏面メイングリッド31における中間スポット溶接部の面積は、0.35mm2~0.70mm2であってもよく、基板10の前面メイングリッド21における中間スポット溶接部の面積は、0.20mm2~0.45mm2であってもよい。
【0052】
したがって、本願のいくつかの実施形態では、第3スポット溶接部2111の面積は、第5スポット溶接部3111の面積の2/3以下であってもよい。
【0053】
つまり、前面メイングリッド21の端部に位置する先頭と末尾スポット溶接部の面積は、裏面メイングリッド31の端部に位置する先頭と末尾スポット溶接部の面積の2/3以下である。第3スポット溶接部2111の面積を第5スポット溶接部3111の面積の2/3以下に下げることで、基板10の前面と裏面の対応するスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力を近い範囲に保つことができ、前面と裏面スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力がいずれも要求を満たす上で、太陽電池の印刷用ペーストの単位消費量を最大限に低減することができる。
【0054】
図3と
図5に示すように、第3スポット溶接部2111と第5スポット溶接部3111は、いずれも矩形に設定されることができ、第3スポット溶接部2111の長さと第5スポット溶接部3111の長さの比、および第3スポット溶接部2111の幅と第5スポット溶接部3111の幅の比は、いずれも2/3より大きくかつ1より小さい。
【0055】
通常、スポット溶接部の形状は矩形であり、スポット溶接部の長さとは、スポット溶接部のメイングリッドの延在方向における寸法を指し、スポット溶接部の幅とは、スポット溶接部のサブグリッドの延在方向における寸法を指す。また、PVリボンと位置合わせるときの精度を確保するために、スポット溶接部の幅の寸法は長さの寸法より大きい。
【0056】
第3スポット溶接部2111の長さと第5スポット溶接部3111の長さとの比、および第3スポット溶接部2111の幅と第5スポット溶接部3111の幅との比を、いずれも2/3より大きくかつ1より小さいようにさせることで、第3スポット溶接部2111の面積を第5スポット溶接部3111の面積の2/3以下である範囲内に減らすことができる。
【0057】
他の実施例では、スポット溶接部の形状は、菱形または三角形であってもよく、前面と裏面のスポット溶接部の形状は、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0058】
また、第4スポット溶接部2112の面積は、第6スポット溶接部3112の面積の2/3以下であってもよい。
【0059】
つまり、前面メイングリッド21の中間位置に位置する中間スポット溶接部の面積は、裏面メイングリッド31の中間位置に位置する中間スポット溶接部の面積の2/3以下である。同様に、第4スポット溶接部2112の面積を第6スポット溶接部3112の面積の2/3以下であるようにさせることで、第4スポット溶接部2112とPVリボンとのハンダ付け引張力を第6スポット溶接部3112とPVリボンとのハンダ付け引張力に近い範囲に保つことができる。グリッド線電極の中間位置に位置するスポット溶接部の面積が小さいため、スポット溶接部のいずれか一方の方向における寸法を小さくするだけで、スポット溶接部の面積の低減を実現することができる。
【0060】
いくつかの実施例では、第3スポット溶接部2111と第4スポット溶接部2112は、いずれも矩形であってもよく、第3スポット溶接部2111の長さ(
図3のL1に示す寸法)、幅(
図3のW1に示す寸法)は、それぞれ0.5mm~0.7mm、0.9mm~1.1mmであり、第4スポット溶接部2112の長さ(
図3のL2に示す寸法)、幅(
図3のW2に示す寸法)は、それぞれ0.3mm~0.5mm、0.7mm~0.9mmである。
【0061】
また、第5スポット溶接部3111と第6スポット溶接部3112は、いずれも矩形であってもよく、第5スポット溶接部3111の長さ(
図5のL3に示す寸法)、幅(
図5のW3に示す寸法)は、それぞれ0.7mm~0.9mm、1.1mm~1.3mmであり、第6スポット溶接部3112の長さ(
図5のL4に示す寸法)、幅(
図5のW4に示す寸法)は、それぞれ0.5mm~0.7mm、0.7mm~0.9mmである。
【0062】
本願のいくつかの実施例では、第1スポット溶接部211の第1方向における長さは、対応する第2スポット溶接部311の第1方向における長さの2/3以下であり、第1方向は、前面メイングリッド21の延在方向に平行である。
【0063】
つまり、第1スポット溶接部211の前面メイングリッド21の延在方向における寸法は、対応する第2スポット溶接部311の前面メイングリッド21の延在方向における寸法よりも1/3以上小さくなる。なお、スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力に作用するのは、主にスポット溶接部のメイングリッドの延在方向における寸法である。したがって、重点的に第1スポット溶接部211のメイングリッドの延在方向における寸法を小さくすることで、第1スポット溶接部211とPVリボンとのハンダ付け引張力を下げる効果を顕著に果たすことができる。
【0064】
また、第1スポット溶接部211の第1方向における長さは、前面メイングリッド21の幅より大きくなってもよく、第2スポット溶接部311の第1方向における長さは、裏面メイングリッド31の幅より大きくなってもよい。
【0065】
スポット溶接部のメイングリッドの延在方向における寸法をメイングリッドの幅より大きくなるようにすることで、スポット溶接部をメイングリッドの延在方向に沿ってメイングリッドの両側から突出するようにすることができ、PVリボンの溶接時の位置決めに役立つ。
【0066】
本願のいくつかの実施例では、隣接する第1スポット溶接部211間のピッチと隣接する第2スポット溶接部311間のピッチは、いずれも15mm~20mmであってもよい。
【0067】
隣接するスポット溶接部間のピッチとは、隣接する2つのスポット溶接部間の距離を指し、隣接する第1スポット溶接部211間のピッチと隣接する第2スポット溶接部311間のピッチを15mm~20mmの範囲内に保つことで、隣接するスポット溶接部間のピッチが小さすぎることによってハンダ付け工程に影響することを避けることができるとともに、隣接するスポット溶接部間のピッチが大きすぎることによってPVリボンと太陽電池との接続効果に影響することを避けることができる。
【0068】
また、本願のいくつかの実施例によって提供された太陽電池は、半分分割電池の形態で製造されてもよい。つまり、グリッド線電極を印刷した太陽電池を、2つの前面電極20の対称軸に沿って2枚にカットしてから、2枚を接続して構成されたものである。グリッド線電極を印刷する時、ステップバイステップ印刷工程を採用することができる。前面電極20の製造を行う場合、まず、前面電極20の前面メイングリッド21の印刷を行い(
図6に示す)、前面メイングリッド21の本数は16本であってもよく、1本の前面メイングリッド21における第1スポット溶接部211の数は、6つであり(矩形を呈する2つの第3スポット溶接部2111と矩形を呈する4つの第4スポット溶接部2112を含む)、前面メイングリッド21の端部(分岐に近い箇所)の第3スポット溶接部2111は、その長さが0.6mm、幅が1.0mmであり、前面メイングリッド21の中間位置の第4スポット溶接部2112は、その長さが0.4mm、幅が0.8mmである。そして、前面電極20の前面サブグリッド22の印刷を行い(
図7に示す)、印刷後の基板10を焼結する。裏面電極30の製造は、前面電極20の製造と類似しており、まず、裏面電極30の裏面メイングリッド31の印刷を行い(
図8に示す)、裏面メイングリッド31の本数は16本であってもよく、1本の裏面メイングリッド31における第2スポット溶接部311の数は、6つ(矩形を呈する2つの第5スポット溶接部3111と矩形を呈する4つの第6スポット溶接部3112を含む)であり、裏面メイングリッド31の端部(分岐に近い箇所)の第5スポット溶接部3111は、その長さが0.8mm、幅が1.2mmであり、裏面メイングリッド31の中間位置の第6スポット溶接部は、その長さが0.6mm、幅が0.8mmである。そして、裏面電極30の裏面サブグリッド32の印刷を行い(
図9に示す)、印刷後の基板10を焼結する。
【0069】
下記の表1は、本願のいくつかの実施例による太陽電池基板10の前面のスポット溶接部の面積を下げた後の前面と裏面の各スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力の試験結果である。ここで、基板10の前面に位置する前面メイングリッド21の先頭と末尾スポット溶接部(即ち、第3スポット溶接部2111)の面積は、0.6mm2であり、基板10の前面に位置する前面メイングリッド21の中間スポット溶接部(即ち、第4スポット溶接部2112)の面積は、0.32mm2であり、基板10の裏面に位置する裏面メイングリッド31の先頭と末尾スポット溶接部(即ち、第5スポット溶接部3111)の面積は、0.96mm2であり、基板10の裏面に位置する裏面メイングリッド31の中間スポット溶接部(即ち、第6スポット溶接部3112)の面積は、0.48mm2である。先頭と末尾スポット溶接部は、第1スポット溶接部と第6スポット溶接部、中間スポット溶接部は、第2スポット溶接部~第5スポット溶接部である。単一の太陽電池の前面メイングリッド21と裏面メイングリッド31の数は、いずれも16本で、その中から3本の前面メイングリッド21と3本の裏面メイングリッド31を選択して引張力試験結果の説明を行う。なお、基板10の前面と裏面スポット溶接部の合格引張力値は、いずれも0.8Nである。スポット溶接部面積の許容最小値は、0.10mm2であり、スポット溶接部の長さの許容最小値は、0.2mmであり、スポット溶接部の幅の許容最小値は、0.5mmである。
【0070】
表1、本願の実施例に係る前面スポット溶接部面積低減後のハンダ付け引張力試験結果記録表
【0071】
同時に、下記の表2は、いくつかの比較例に係る基板の前面と裏面の対応するスポット溶接部の面積が一致するように保つ方式で行ったハンダ付け引張力の試験結果であり、基板の前面に位置する前面メイングリッドの先頭と末尾スポット溶接部および基板の裏面に位置する裏面メイングリッドの先頭と末尾スポット溶接部の面積は、いずれも0.96mm2であり、基板の前面に位置する前面メイングリッドの中間スポット溶接部および基板の裏面に位置する裏面メイングリッドの中間スポット溶接部の面積は、いずれも0.48mm2である。先頭と末尾スポット溶接部は、第1スポット溶接部と第6スポット溶接部であり、中間スポット溶接部は、第2スポット溶接部~第5スポット溶接部である。単一の太陽電池の裏面メイングリッドと前面メイングリッドの数は、いずれも16本で、その中から3本の前面メイングリッド21と3本の裏面メイングリッド31を選択して引張力試験結果の説明を行う。
【0072】
表2、比較例に係る前面と裏面の対応するスポット溶接部の面積が一致した場合のハンダ付け引張力試験結果記録表
【0073】
表1と表2の異なるスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果を比較すると、基板10の前面と裏面の対応するスポット溶接部の面積が一致した場合、前面メイングリッド21のスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果は、裏面メイングリッド31のスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果より明らかに大きいことがわかる。同時に、本願のいくつかの実施例では、前面メイングリッド21のスポット溶接部の面積を下げた後、前面メイングリッド21のスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果と裏面メイングリッド31のスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果を近い範囲に保つことができる。また、前面メイングリッド21のスポット溶接部の面積が裏面メイングリッド31の対応するスポット溶接部の面積に対して減少する割合は、1/3以上に達することができる。
【0074】
また、下記の表3は、本願のいくつかの実施例に係る太陽電池基板10の前面のスポット溶接部の面積を小さい範囲まで下げた後の前面と裏面各スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力の試験結果を示している。ここで、基板10の前面に位置する前面メイングリッド21の先頭と末尾スポット溶接部(即ち、第3スポット溶接部2111)と中間スポット溶接部(即ち、第4スポット溶接部2112)の面積は、いずれも0.15mm2であり、基板10の裏面に位置する裏面メイングリッド31の先頭と末尾スポット溶接部(即ち、第5スポット溶接部3111)と中間スポット溶接部(即ち、第6スポット溶接部3112)の面積は、いずれも0.25mm2ある。先頭と末尾スポット溶接部は、第1スポット溶接部と第6スポット溶接部であり、中間スポット溶接部は、第2スポット溶接部~第5スポット溶接部である。単一の太陽電池前面メイングリッド21と裏面メイングリッド31の数は、いずれも16本で、その中から3本の前面メイングリッド21と3本の裏面メイングリッド31を選択して引張力試験結果の説明を行う。
【0075】
表3、本願の実施例に係る前面スポット溶接部面積を下げた後のハンダ付け引張力試験結果記録表
【0076】
また、下記の表4および表5は、いくつかの比較例に係る電池基板10の前面と裏面スポット溶接部の面積が一致している場合の各スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力試験結果である。ここで、表4は、基板10の前面と裏面スポット溶接部(前面メイングリッド21の第1スポット溶接部211及び裏面メイングリッド31の第2スポット溶接部311を含む)の面積は、いずれも0.25mm2である場合に得られた引張力試験結果である。単一の太陽電池の前面メイングリッド21と裏面メイングリッド31の数は、いずれも16本であり、その中から3本の前面メイングリッド21と3本の裏面メイングリッド31を選択して引張力試験結果の説明を行う。表5は、基板10の前面と裏面スポット溶接部(前面メイングリッド21の第1スポット溶接部211及び裏面メイングリッド31における第2スポット溶接部311を含む)の面積は、いずれも0.15mm2である場合に得られた引張力試験結果である。単一の太陽電池の前面メイングリッド21と裏面メイングリッド31の数は、いずれも16本であり、その中から3本の前面メイングリッド21と3本の裏面メイングリッド31を選択して引張力試験結果の説明を行う。
【0077】
表4、比較例に係る前面と裏面スポット溶接部の面積がいずれも0.15mm
2である場合のハンダ付け引張力試験結果記録表
【0078】
表5、比較例に係る前面と裏面スポット溶接部面積がいずれも0.25mm
2である場合のハンダ付け引張力試験結果記録表
【0079】
表4の異なるスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果から、前面メイングリッド21のスポット溶接部面積が小さい値を取った時、前面メイングリッド21の異なるスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果は、依然として要求を満たすことができることがわかる。一方、裏面メイングリッド31のスポット溶接部面積が小さい値を取った時、裏面メイングリッド31の一部のスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果には要求を満たさない場合がある。
【0080】
また、表5は、いくつかの形態で、基板10の前面と裏面スポット溶接部の面積が一致している場合の異なるスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果を示している。表3、表4と表5の異なるスポット溶接部におけるPVリボンの引張力試験結果を比較すると、基板10の裏面スポット溶接部の面積が一定である場合、基板10の前面スポット溶接部の面積は、裏面スポット溶接部の面積に対して一定の割合で減少することができることがわかる。これは、実際に、基板10の前面スポット溶接部の面積を下げることで、印刷用ペーストの単位消費量を低減できることを示している。また、印刷用ペーストの単位消費量を低減すると同時に、基板10の前面と裏面の異なるスポット溶接部とPVリボンにおけるハンダ付け引張力はいずれも要求を満たすことに影響しない。
【0081】
図10及び
図11に示すように、本願のいくつかの実施例は、電池ストリング100と、封止用接着フィルム200と、カバープレート300とを含む光起電力モジュールをさらに提供し、電池ストリング100が複数の太陽電池110を接続することで形成され、各太陽電池110が上記実施例の太陽電池を採用し、つまり、各太陽電池110は、基板10と、基板10の前面に設けられた前面電極20と、基板10の裏面に設けられた裏面電極30とを含み、前面電極20が、複数本の前面メイングリッド21と、複数本の前面サブグリッド22とを含み、各前面サブグリッド22が複数本の前面メイングリッド21に電気的に接続され、前面メイングリッド21の数が6~20本であり、前面サブグリッド22の数が45~75本であり、裏面電極30が、複数本の裏面メイングリッド31と複数本の裏面サブグリッド32とを含み、各裏面サブグリッド32が複数本の裏面メイングリッド31に電気的に接続され、裏面メイングリッド31の数が6~20本であり、裏面サブグリッド32の数が50~80本であり、複数本の前面メイングリッド21のうちの少なくとも1本が4~10個の第1スポット溶接部211を有し、複数本の裏面メイングリッド31のうちの少なくとも1本が、対応する4~10個の第2スポット溶接部311を有し、第1スポット溶接部211の面積が対応する第2スポット溶接部311の面積より小さく、封止用接着フィルム200が電池ストリング100の表面を覆うために使われ、カバープレート300が封止用接着フィルム200の電池ストリング110から離れる表面を覆うために使われる。
【0082】
ここで、
図10中の太陽電池110は、カバープレート300に対して傾斜する方向に沿って配置されており、
図11中の太陽電池110は、カバープレート300に対して平行な方向に沿って配置されている。
【0083】
光起電力モジュールに採用される電池ストリング100では、各太陽電池110の前面メイングリッド21における第1スポット溶接部211の面積が裏面メイングリッド31の対応する第2スポット溶接部311の面積より小さいため、太陽電池の印刷用ペーストの単位消費量を低減することができる。これにより、前面と裏面の対応するスポット溶接部の面積が一致する方式を採用した場合に裏面スポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力が前面の対応するスポット溶接部とPVリボンとのハンダ付け引張力より明らかに小さいことを避けることができる。
【0084】
当業者であれば、前記の各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本願の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。