IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィの特許一覧

<>
  • 特許-一体型の固体光源及び蛍光体モジュール 図1
  • 特許-一体型の固体光源及び蛍光体モジュール 図2A
  • 特許-一体型の固体光源及び蛍光体モジュール 図2B
  • 特許-一体型の固体光源及び蛍光体モジュール 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】一体型の固体光源及び蛍光体モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21V 9/30 20180101AFI20241216BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20241216BHJP
   F21V 29/71 20150101ALI20241216BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20241216BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241216BHJP
【FI】
F21V9/30
F21V29/503
F21V29/71
F21Y115:30
F21Y115:10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023580475
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2022066732
(87)【国際公開番号】W WO2023274770
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】21183068.2
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0032878(US,A1)
【文献】特表2011-501865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0347773(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 9/30
F21V 29/503
F21V 29/71
F21Y 115/30
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光生成デバイス、第2の光生成デバイス、第1のルミネッセンス材料、窓要素、及び光混合チャンバを備える、光生成システムであって、
前記第1の光生成デバイスが、第1のデバイス光を供給するように構成されており、前記第1の光生成デバイスが、レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含み、
前記第2の光生成デバイスが、第2のデバイス光を生成するように構成されており、前記第2の光生成デバイスが、固体光源を含み、
前記光混合チャンバが、前記窓要素及び反射壁によって画定されており、前記反射壁が、少なくとも50%の、前記第2のデバイス光に対する平均反射率を有し、
前記窓要素が、前記第1のルミネッセンス材料を有する第1の窓要素部分であって、前記第1の光生成デバイスと受光関係にあるように構成されている、第1の窓要素部分と、第2の窓要素部分であって、前記第2のデバイス光に対して半透明であり、前記第2の光生成デバイスと受光関係にあるように構成されている、第2の窓要素部分とを含み、前記第1の窓要素部分と前記第2の窓要素部分とが、互いに熱接触するように構成されており、前記第1の窓要素部分と前記第2の窓要素部分とが、材料組成が異なっており、
前記第1のルミネッセンス材料が、前記第1のデバイス光の少なくとも一部を、第1のルミネッセンス材料光に変換するように構成されており、
前記第2の窓要素部分の反射率が、前記第2のデバイス光に対して30~70%の範囲から選択されており、
前記第2の窓要素部分が、前記第2のデバイス光を変換するように構成されているルミネッセンス材料を有さない、光生成システム。
【請求項2】
前記第2の光生成デバイスが、1つ以上のLEDを含む、請求項1に記載の光生成システム。
【請求項3】
前記第1の窓要素部分が、前記第1のデバイス光の一部を透過させるように構成されており、前記光生成システムの動作モードにおいて、前記第1の光生成デバイス及び第1のルミネッセンス材料が、前記第1の窓要素部分の下流側から発出する白色光を生成するように構成されており、前記白色光が、第1のルミネッセンス材料光及び透過された第1のデバイス光を含む、請求項1に記載の光生成システム。
【請求項4】
前記第1の光生成デバイスが、青色の第1のデバイス光を生成するように構成されており、前記第1のルミネッセンス材料が、前記第1のデバイス光の少なくとも一部を、530~750nmの波長範囲から選択される1つ以上の波長において強度を有する、第1のルミネッセンス材料光に変換するように構成されている、請求項3に記載の光生成システム。
【請求項5】
前記窓要素から抜け出る前記第2のデバイス光の少なくとも70%が、前記第2の窓要素部分を介して抜け出る、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項6】
前記第1の窓要素部分が、セラミック体を含み、前記第2の窓要素部分が、セラミック体を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項7】
前記第1の窓要素部分と前記第2の窓要素部分とが、反射要素によって少なくとも部分的に分離されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項8】
前記反射要素が、前記第1の窓要素部分及び/又は前記第2の窓要素部分よりも高い熱伝導率を有する、請求項7に記載の光生成システム。
【請求項9】
前記第1の窓要素部分が、第1の高さh1を有し、前記第2の窓要素部分が、第2の高さh2を有し、h1<h2であり、前記第2の窓要素部分が、前記第1の窓要素部分の下流側に構成されている第2の窓要素キャビティを画定している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項10】
前記第2の窓要素キャビティが、反射器キャビティとして構成されており、前記第2の窓要素キャビティの光入射側に、前記第1の窓要素部分の少なくとも一部が構成されている、請求項9に記載の光生成システム。
【請求項11】
前記第1の窓要素部分が、第1の断面積A1を有し、前記第2の窓要素部分が、第2の断面積A2を有し、0.001≦A1/A2≦0.1である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項12】
熱伝導要素を更に備え、前記光混合チャンバが、前記熱伝導要素によって部分的に画定されており、前記熱伝導要素が、ヒートシンク、ヒートパイプ、及びヒートスプレッダのうちの1つ以上を含むか、あるいは、ヒートシンク、ヒートパイプ、及びヒートスプレッダのうちの1つ以上に熱的に結合されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項13】
前記第1の光生成デバイス及び前記第2の光生成デバイスを制御することによって、前記光生成システムから発出するシステム光のビーム形状を制御するように構成されている、制御システムを更に備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システム。
【請求項14】
システム光のビームのビーム形状を制御するための方法であって、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システムの、前記第1の光生成デバイス及び前記第2の光生成デバイスを制御するステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光生成システムを備える、ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスの群から選択される、照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光生成システム、並びに、そのようなシステムを備える光生成デバイスに関する。本発明はまた、ビーム形状を制御するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
複数の光源を有する光生成デバイスが、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許出願公開第2018/0347773号は、第1の一次光を放出する半導体層を有し、かつ半導体層上に配置されている蛍光体層を有する、少なくとも1つの発光ダイオードと、蛍光体層を照射可能である、第2の一次光で構成されている少なくとも1つのレーザビームを生成するための、少なくとも1つのレーザとを備える、光生成デバイスであって、蛍光体層が、第1の一次光を少なくとも1つの第1の二次光に少なくとも部分的に変換し、第2の一次光を少なくとも1つの第2の二次光に少なくとも部分的に変換するように構成されている、光生成デバイスを説明している。米国特許出願公開第2018/0347773号の光生成デバイスは、第2の一次光によって蛍光体層を動的に照光するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
独国特許出願公開第102016201606(A1)号は、LED放射線を放出するためのLEDと、レーザ放射線を放出するためのレーザと、LED放射線及びレーザ放射線を変換光に少なくとも部分的に変換するための蛍光体要素とを有する、照明デバイスを開示している。照明デバイスの動作中、蛍光体要素の照射面上の、LED放射線で照射されるLED照射面と、蛍光体要素の照射面上の、レーザ放射線で照射されるレーザ照射面とが存在し、照射面内には少なくとも重複部分が存在している。
【0004】
高輝度光源は、投影、舞台照明、スポット照明、及び自動車照明などの用途において使用されることができる。この目的のために、レーザがレーザ光を供給し、例えば(遠隔の)蛍光体がレーザ光を変換光に変換する、レーザ-蛍光体技術が使用されることができる。蛍光体は、実施形態では、熱管理の改善、またそれゆえ、より高い輝度のために、ヒートシンク上に配置されてもよく、又はヒートシンク内に挿入されてもよい。
【0005】
高強度の光生成システム又はデバイス、並びに/あるいは、制御可能なスペクトルパワー分布を有する、光生成システム又はデバイス、並びに/あるいは、光生成システム又はデバイスによって生成される光の、制御可能な空間的パワー分布を有する、光生成システム又はデバイスが所望されている。更には、熱発生を低減することが所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
それゆえ、本発明の一態様は、好ましくは、上述の欠点のうちの1つ以上を更に少なくとも部分的に取り除く、代替的な光生成システムを提供することである。本発明は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することを、目的として有してもよい。
【0007】
一態様では、本発明は、第1の光生成デバイス、第2の光生成デバイス、及び第1のルミネッセンス材料を備える、光生成システム(「システム」)を提供する。更には、光生成システムは、窓要素を備える。また更には、光生成システムはまた、光混合チャンバを備えてもよい。第1の光生成デバイスは、光混合チャンバ内に第1のデバイス光を供給するように構成されている。第1の光生成デバイスは、レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含む。更には、特に第2の光生成デバイスは、光混合チャンバ内で第2のデバイス光を生成するように構成されている。第2の光生成デバイスは、固体光源を含む。更には、光混合チャンバは、窓要素及び反射壁によって画定されており、反射壁は、少なくとも50%の、第2のデバイス光に対する平均反射率を有する。窓要素は、(i)第1のルミネッセンス材料を有する第1の窓要素部分であって、第1の光生成デバイスと受光関係にあるように構成されている、第1の窓要素部分と、(ii)第2の窓要素部分であって、第2のデバイス光に対して半透明であり、第2のデバイス光を変換するためのルミネッセンス材料を有さず、第2の光生成デバイスと受光関係にあるように構成されている、第2の窓要素部分とを含んでもよい。第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とは、互いに熱接触するように構成されている。第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とは、材料組成が異なっている。第1のルミネッセンス材料は、第1のデバイス光の少なくとも一部を、第1のルミネッセンス材料光に変換するように構成されてもよい。第2の窓部分の反射率は、第2のデバイス光に対して30~70%の範囲から選択されている。それゆえ、本発明は、第1の光生成デバイス、第2の光生成デバイス、第1のルミネッセンス材料、窓要素、及び光混合チャンバを備える、光生成システムであって、(A)第1の光生成デバイスが、(光混合チャンバ内に)第1のデバイス光を供給するように構成されており、第1の光生成デバイスが、レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含み、(B)第2の光生成デバイスが、(光混合チャンバ内で)第2のデバイス光を生成するように構成されており、第2の光生成デバイスが、固体光源を含み、(C)光混合チャンバが、窓要素及び反射壁によって画定されており、反射壁が、少なくとも50%の、第2のデバイス光に対する平均反射率を有し、(D)窓要素が、(i)第1のルミネッセンス材料を有する第1の窓要素部分であって、第1の光生成デバイスと受光関係にあるように構成されている、第1の窓要素部分と、(ii)第2の窓要素部分であって、第2のデバイス光に対して半透明であり、第2の光生成デバイスと受光関係にあるように構成されている、第2の窓要素部分とを含み、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とが、互いに熱接触するように構成されており、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とが、材料組成が異なっており、(E)第1のルミネッセンス材料が、第1のデバイス光の少なくとも一部を、第1のルミネッセンス材料光に変換するように構成されている、光生成システムを提供する。第2の窓要素部分の反射率は、第2のデバイス光に対して30~70%の範囲から選択されており、第2の窓要素部分は、第2のデバイス光を変換するように構成されているルミネッセンス材料を有さない。
【0008】
そのような光生成システムの場合、システムから離れる方向に発出する光の、空間的パワー分布を制御することが可能であり得る。第1の光生成デバイスは、より狭いビーム、及び/又は、より中心的なビームを供給するために使用されてもよい。第2の光生成デバイスは、より広いビーム、及び/又は、より狭いビーム若しくはより中心的なビームを少なくとも部分的に取り囲むビームを供給するために使用されてもよい。更には、比較的強力なビームが供給されてもよい。また更には、熱を管理することが可能であり得る。更には、比較的小さい光パッケージを作り出すことが可能であり得る。また、本発明の場合、透過モードのソリューションが提供されることもできる。透過モードにおいては、光源光をルミネッセンス材料光内に混合させることは、比較的容易であり得、このことは、所望のスペクトルパワー分布を生成するために有用であり得る。
【0009】
上述のように、光生成システムは、第1の光生成デバイス及び第2の光生成デバイスを備えてもよい。第1の光生成デバイスは、第1のデバイス光を供給するように構成されてもよく、第2の光生成デバイスは、第2のデバイス光を生成するように構成されてもよい。特定の実施形態では、第1のデバイス光と第2のデバイス光とは、スペクトルパワー分布が異なっているが、このことは、必ずしも全ての実施形態に当てはまるものではない。それゆえ、特定の実施形態では、第1のデバイス光と第2のデバイス光とは、色点が異なり得る。特定の実施形態では、第1のタイプの光と第2のタイプの光とのそれぞれの色点が、u'に関して少なくとも0.01、及び/又はv'に関して少なくとも0.01、更により特定的には、u'に関して少なくとも0.02、及び/又はv'に関して少なくとも0.02異なる場合に、第1のタイプの光と第2のタイプの光との、色又は色点が異なり得る。更により特定の実施形態では、第1のタイプの光と第2のタイプの光とのそれぞれの色点は、u'に関して少なくとも0.03、及び/又はv'に関して少なくとも0.03異なり得る。ここで、u'及びv'は、CIE 1976 UCS(uniform chromaticity scale;均等色度)図における、光の色座標である。
【0010】
上述のように、第1のデバイス光と第2のデバイス光とは、必ずしも異なるものではない。しかしながら、窓要素から発出する光は、第1の光生成デバイスを使用する場合か、又は第2の光生成デバイスを使用する場合かで、異なり得る。第1の光生成デバイスを使用する場合、第1のデバイス光の少なくとも一部は、第1のルミネッセンス材料によって変換される。それゆえ、第1の光生成デバイス(のみ)を使用する場合、窓要素の下流では、第1のルミネッセンス材料光が観察され得る。しかしながら、第2の光生成デバイスを使用する場合、ルミネッセンス材料(又は、実質的に吸収性の材料)による第2のデバイス光の変換は、本質的に存在し得ない。それゆえ、第2の光生成デバイス(のみ)を使用する場合、窓要素の下流では、本質的にスペクトル変化されていない第2のデバイス光が観察され得る。
【0011】
用語「光生成デバイス」とは、1つ以上の光生成デバイスを指す場合がある。各光生成デバイスは、1つ以上の光源、特に1つ以上の固体光源を含んでもよい。
【0012】
用語「光源」は、原理的には、当該技術分野において既知の、任意の光源に関連し得る。光源は、従来の(タングステン)電球、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光ランプ、LED(light emissive diode;発光ダイオード)であってもよい。特定の実施形態では、光源は、固体LED光源(LED又はレーザダイオード(若しくは「ダイオードレーザ」)など)を含む。用語「光源」はまた、2~200個の(固体)LED光源などの、複数の光源に関連する場合もある。それゆえ、LEDという用語はまた、複数のLEDを指す場合もある。更には、用語「光源」は、実施形態ではまた、いわゆるチップオンボード(chips-on-board;COB)光源を指す場合もある。用語「COB」は特に、封入も接続もされることなく、PCBなどの基板上に直接実装されている、半導体チップの形態のLEDチップを指す。それゆえ、複数の光半導体光源が、同じ基板上に構成されてもよい。実施形態では、COBは、単一の照明モジュールとして一体に構成されている、マルチLEDチップである。
【0013】
光源は、光抜け出し面を有する。電球又は蛍光ランプなどの、従来の光源を参照すると、光抜け出し面は、ガラス又は石英の外囲器の外表面であってもよい。LEDに関しては、光抜け出し面は、例えばLEDダイであってもよく、又は、LEDダイに樹脂が適用されている場合、樹脂の外表面であってもよい。原理的には、光抜け出し面はまた、ファイバの終端部であってもよい。抜け出し面という用語は特に、光源から光が実際に出て行くか又は抜け出る、光源の当該部分に関連する。光源は、光のビームを供給するように構成されている。この光のビームは、(それゆえ)光源の光出射面から抜け出る。
【0014】
用語「光源」とは、発光ダイオード(light emitting diode;LED)、共振空洞発光ダイオード(resonant cavity light emitting diode;RCLED)、垂直共振器レーザダイオード(vertical cavity laser diode;VCSEL)、端面発光レーザなどの、半導体発光デバイスを指す場合がある。用語「光源」はまた、パッシブマトリクス(passive-matrix organic light-emitting diode;PMOLED)又はアクティブマトリクス(active-matrix organic light-emitting diode;AMOLED)などの、有機発光ダイオードを指す場合もある。特定の実施形態では、光源は、固体光源(LED又はレーザダイオードなど)を含む。一実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)を含む。用語「光源」又は「固体光源」はまた、スーパールミネッセントダイオード(superluminescent diode;SLED)を指す場合もある。
【0015】
LEDという用語はまた、複数のLEDを指す場合もある。更には、用語「光源」は、実施形態ではまた、いわゆるチップオンボード(COB)光源を指す場合もある。用語「COB」は特に、封入も接続もされることなく、PCBなどの基板上に直接実装されている、半導体チップの形態のLEDチップを指す。それゆえ、複数の半導体光源が、同じ基板上に構成されてもよい。実施形態では、COBは、単一の照明モジュールとして一体に構成されている、マルチLEDチップである。
【0016】
用語「光源」はまた、2~2000個の固体光源などの、複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関する場合もある。実施形態では、光源は、LEDなどの単一の固体光源の下流の、又は複数の固体光源の下流の(すなわち、例えば、複数のLEDによって共有されている)、1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を含んでもよい。実施形態では、光源は、オンチップ光学素子を有するLEDを含み得る。実施形態では、光源は、(実施形態では、オンチップビームステアリングを提供する)(光学素子を有する、又は有さない)画素化された単一のLEDを含む。
【0017】
実施形態では、光源は、例えば、青色LEDのような青色光源、又は緑色LEDなどの緑色光源、及び赤色LEDなどの赤色光源のように、それ自体で使用される一次放射線を供給するように構成されてもよい。ルミネッセンス材料(「蛍光体」)を含み得ない、そのようなLEDは、直接カラーLEDとして示される場合がある。
【0018】
しかしながら、他の実施形態では、光源は、一次放射線を供給するように構成されてもよく、一次放射線の一部は、二次放射線に変換される。二次放射線は、ルミネッセンス材料による変換に基づくものであってもよい。それゆえ、二次放射線はまた、ルミネッセンス材料放射線として示される場合もある。ルミネッセンス材料は、実施形態では、ルミネッセンス材料層又はルミネッセンス材料を含むドームを有するLEDのように、光源によって含まれてもよい。そのようなLEDは、蛍光体変換LED又はPC LED(phosphor converted LED)として示される場合がある。他の実施形態では、ルミネッセンス材料は、LEDのダイと物理的に接触していないルミネッセンス材料層を有するLEDのように、光源からある程度の距離を置いて(「遠隔に」)に構成されてもよい。それゆえ、特定の実施形態では、光源は、少なくとも380~470nmの範囲から選択される波長の光を動作中に放出する光源であってもよい。しかしながら、他の波長もまた可能であり得る。この光は、部分的に、ルミネッセンス材料によって使用されてもよい。
【0019】
実施形態では、光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を含んでもよい。実施形態では、光生成デバイスは、PC LEDを含んでもよい。他の実施形態では、光生成デバイスは、直接LED(すなわち、蛍光体を有さないもの)を含んでもよい。実施形態では、光生成デバイスは、レーザダイオードのような、レーザデバイスを含んでもよい。実施形態では、光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオードを含んでもよい。それゆえ、特定の実施形態では、光源は、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードの群から選択されてもよい。他の実施形態では、光源は、LEDを含んでもよい。
【0020】
光源は特に、光軸(O)、(或るビーム形状、)及び或るスペクトルパワー分布を有する、光源光を生成するように構成されてもよい。光源光は、実施形態では、レーザに関して既知であるような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有し得る。
【0021】
用語「光源」とは(それゆえ)、例えば固体光源のような、光生成要素自体を、あるいは、例えば、固体光源などの光生成要素と、ルミネッセンス材料を含む要素、及び、レンズ、コリメータのような(他の)光学素子のうちの1つ以上との、パッケージを指す場合がある。光変換器要素(「変換器要素」又は「変換器」)は、ルミネッセンス材料を含む要素を含み得る。例えば、青色LEDのような、固体光源自体が、光源である。青色LED及び光変換器要素などの、(光生成要素としての)固体光源と、固体光源に光学的に結合されている光変換器要素との組み合わせもまた、光源であってもよい。それゆえ、白色LEDが、光源である。
【0022】
本明細書における用語「光源」とはまた、LED又はレーザダイオード又はスーパールミネッセントダイオードなどの、固体光源を含む光源を指す場合もある。用語「光源」とは(それゆえ)、実施形態ではまた、ルミネッセンス変換器材料と組み合わせた光源などの、光の変換に(もまた)基づく光源を指す場合もある。それゆえ、用語「光源」とはまた、LEDと、LED放射線の少なくとも一部を変換するように構成されているルミネッセンス材料との組み合わせを、又は、(ダイオード)レーザと、(ダイオード)レーザ放射線の少なくとも一部を変換するように構成されているルミネッセンス材料との組み合わせを指す場合もある。
【0023】
語句「異なる光源」又は「複数の異なる光源」、及び同様の語句は、実施形態では、少なくとも2つの異なるビンから選択されている複数の固体光源を指す場合がある。同様に、語句「同一の光源」又は「複数の同じ光源」、及び同様の語句は、実施形態では、同じビンから選択されている複数の固体光源を指す場合がある。
【0024】
特定の実施形態では、光生成デバイスは、光源の2つ以上のサブセットなどの、複数の異なる光源を含んでもよく、各サブセットは、本質的に同じスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するように構成されている、1つ以上の光源を含むが、異なるサブセットの光源は、異なるスペクトル分布を有する光源光を生成するように構成されている。そのような実施形態では、制御システムが、複数の光源を制御するように構成されてもよい。特定の実施形態では、制御システムは、光源のサブセットを個別に制御してもよい。
【0025】
用語「レーザ光源」とは特に、レーザを指す。そのようなレーザは特に、UV、可視、又は赤外の1つ以上の波長を有する、特に、200~2000nm、例えば300~1500nmのスペクトル波長範囲から選択される波長を有する、レーザ光源光を生成するように構成されてもよい。用語「レーザ」とは特に、電磁放射線の誘導放出に基づく光増幅のプロセスを介して、光を放出するデバイスを指す。
【0026】
特に、実施形態では、用語「レーザ」は、固体レーザを指す場合がある。特定の実施形態では、用語「レーザ」若しくは「レーザ光源」、又は同様の用語は、レーザダイオード(又は、ダイオードレーザ)を指す。
【0027】
それゆえ、実施形態では、光源は、レーザ光源を含む。実施形態では、用語「レーザ」又は「固体レーザ」は、セリウムでドープされたリチウムストロンチウム(又は、カルシウム)フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、クロムでドープされたクリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、二価サマリウムでドープされたフッ化カルシウム(Sm:CaF)レーザ、Er:YAGレーザ、エルビウムでドープされたガラスレーザ及びエルビウム-イッテルビウムで共ドープされたガラスレーザ、F-中心レーザ、ホルミウムYAG(Ho:YAG)レーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、ネオジムでドープされたイットリウムカルシウムオキソボレートNd:YCaO(BO又はNd:YCOB、ネオジムでドープされたオルトバナジン酸イットリウム(Nd:YVO)レーザ、ネオジムガラス(Nd:ガラス)レーザ、ネオジムYLF(Nd:YLF)固体レーザ、プロメチウム147でドープされたリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)固体レーザ、ルビーレーザ(Al:Cr3+)、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、チタンサファイア(Ti:サファイア;Al:Ti3+)レーザ、三価ウラニウムでドープされたフッ化カルシウム(U:CaF)固体レーザ、イッテルビウムでドープされたガラスレーザ(ロッド、プレート/チップ、及びファイバ)、イッテルビウムYAG(Yb:YAG)レーザ、Yb(ガラス又はセラミック)レーザなどのうちの1つ以上を指す場合がある。
【0028】
例えば、第2及び第3高調波発生の実施形態を含む場合、光源は、F中心レーザ、オルトバナジン酸イットリウム(Nd:YVO)レーザ、プロメチウム147でドープされたリン酸ガラス(147Pm3+:ガラス)、及びチタンサファイア(Ti:サファイア;Al:Ti3+)レーザのうちの1つ以上を含み得る。例えば、第2及び第3高調波発生を考慮する場合、そのような光源は、青色光を生成するために使用されてもよい。更には、例えばInGaNレーザが適用されてもよい。
【0029】
実施形態では、用語「レーザ」又は「固体レーザ」は、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、鉛塩、垂直共振器面発光レーザ(vertical cavity surface emitting laser;VCSEL)、量子カスケードレーザ、ハイブリッドシリコンレーザなどの、半導体レーザダイオードのうちの1つ以上を指す場合がある。
【0030】
レーザは、より短い(レーザ)波長に到達するために、上方変換器と組み合わされてもよい。例えば、何らかの(三価)希土類イオンにより、上方変換が得られてもよく、又は、非線形結晶により、上方変換が得られることもできる。あるいは、レーザは、より長い(レーザ)波長に到達するために、色素レーザなどの下方変換器と組み合わされることもできる。
【0031】
以下から導出され得るように、用語「レーザ光源」はまた、複数の(異なる又は同一の)レーザ光源を指す場合もある。特定の実施形態では、用語「レーザ光源」は、複数N個の(同一の)レーザ光源を指す場合がある。実施形態では、N=2以上である。特定の実施形態では、Nは、特に少なくとも8などの、少なくとも5であってもよい。このようにして、より高い輝度が得られてもよい。実施形態では、レーザ光源は、レーザバンク内に配置されてもよい(上記もまた参照)。レーザバンクは、実施形態では、ヒートシンク、及び/又は光学素子、例えば、レーザ光をコリメートするためのレンズを含んでもよい。
【0032】
レーザ光源は、レーザ光源光(又は、「レーザ光」)を生成するように構成されている。光源光は、レーザ光源光から本質的に成るものであってもよい。光源光はまた、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光を含んでもよい。例えば、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光は、2つ以上の(異なる又は同一の)レーザ光源のレーザ光源光を含む単一の光ビームを供給するために、光ガイドにインカップルされてもよい。それゆえ、特定の実施形態では、光源光は特に、コリメートされた光源光である。また更なる実施形態では、光源光は特に、(コリメートされた)レーザ光源光である。
【0033】
レーザ光源光は、実施形態では、レーザに関して既知であるような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有し得る。特定の実施形態では、帯域は、10nm以下などの、室温において20nm未満の範囲の半値全幅(full width half maximum;FWHM)を有するものなどの、比較的明確な線であってもよい。それゆえ、光源光は、1つ以上の(狭)帯域を含み得るスペクトルパワー分布(波長の関数としての、エネルギー尺度上の強度)を有する。
【0034】
(光源光の)ビームは、集束された又はコリメートされた、(レーザ)光源光のビームであってもよい。用語「集束された」とは特に、小さいスポットに収束していることを指す場合がある。この小さいスポットは、個別の変換器領域にあってもよく、又は、変換器領域の(僅かに)上流に、若しくは変換器領域の(僅かに)下流にあってもよい。特に、集束及び/又はコリメーションは、(側面での)個別の変換器領域におけるビームの(光軸に対して垂直な)断面形状が、(光源光が個別の変換器領域を照射する場所での)個別の変換器領域の(光軸に対して垂直な)断面形状よりも、本質的に大きくはないようなものであってもよい。集束は、(集束)レンズのような、1つ以上の光学素子を使用して実行されてもよい。特に、レーザ光源光を集束させるために、2つのレンズが適用されてもよい。コリメーションは、レンズ及び/又は放物面ミラーなどの、コリメーション要素のような1つ以上の(他の)光学素子を使用して実行されてもよい。実施形態では、(レーザ)光源光のビームは、実施形態では≦2°(FWHM)、より特定的には≦1°(FWHM)、最も特定的には≦0.5°(FWHM)などの、比較的高度にコリメートされたものであってもよい。それゆえ、≦2°(FWHM)は、(高度に)コリメートされた光源光と見なされてもよい。(高度な)コリメーションをもたらすために、光学素子が使用されてもよい(上記もまた参照)。
【0035】
スーパールミネッセントダイオードは、当該技術分野において既知である。スーパールミネッセントダイオードは、レーザダイオード級の輝度を有しつつも、LEDのような広域スペクトルの低コヒーレンス光を放出することが可能であり得る、半導体デバイスとして示され得る。
【0036】
米国特許出願公開第2020192017号は、例えば、「現在の技術では、単一のSLEDが、十分なスペクトル平坦性及び十分な出力パワーを伴って、800~900nmの波長範囲において放出することが可能である帯域幅は、最大でも50~70nmである。ディスプレイ用途に関して使用される可視域、すなわち、450~650nmの波長範囲においては、単一のSLEDが放出することが可能な帯域幅は、現在の技術では最大でも10~30nmである。それらの発光帯域幅は、赤色(640nm)、緑色(520nm)、及び青色(450nm)、すなわちRGBの発光を必要とする、ディスプレイ又はプロジェクタの用途に関しては小さすぎる」ことを示している。更には、スーパールミネッセントダイオードは、とりわけ、「Edge Emitting Laser Diodes and Superluminescent diodes」(Szymon Stanczyk,Anna Kafar,Dario Schiavon,Stephen Najda,Thomas Slight,Piotr Perlin,Book Editor(s):Fabrizio Roccaforte,Mike Leszczynski,First published:03 August 2020 https://doi.org/10.1002/9783527825264.ch9 in chapter 9.3 superluminescent diodes)で説明されている。この書籍、特に第9.3章は、参照により本明細書に組み込まれる。とりわけ、書籍中では、スーパールミネッセントダイオード(superluminescent diode;SLD)「は、レーザダイオードの特徴と発光ダイオードの特徴とを兼ね備えるエミッタである。SLDエミッタは、誘導放出を利用しており、このことは、これらのデバイスが、レーザダイオードの電流密度と同様の電流密度で動作することを意味する。LDとSLDとの主な相違点は、後者の場合、定在波の形成及びレーザ発振を防止する特別な方式で、デバイス導波路を設計している点である。それにもかかわらず、導波路の存在により、光の空間的コヒーレンスが高い、高品質の光ビームの放出が確実となるが、その光は同時に、低い時間的コヒーレンスによって特徴付けられる」ことと、「現在のところ、窒化物SLDの最も成功した設計は、屈曲状、湾曲状、又は傾斜した導波路幾何学形状、並びに、傾斜したファセット幾何学形状であるが、全ての場合において、導波路の前端部は、図9図10に示されるように、傾斜方式でデバイスファセットと交わっている。傾斜型導波路は、デバイスチップの損失性非ポンピング領域の外側へと光を方向付けることによって、ファセットから導波路への光の反射を抑制する」こととが示されている。それゆえ、SLDは特に、デバイスの活性領域における誘導放出によって自然放出光が増幅される、半導体光源であり得る。そのような発光は、「スーパールミネッセンス」と呼ばれる。スーパールミネッセントダイオードは、レーザダイオードの高出力及び高輝度と、従来の発光ダイオードの低コヒーレンスとを兼ね備える。光源の低い(時間的)コヒーレンスは、スペックルが著しく低減されるか又は視認可能ではないという利点を有し、発光のスペクトル分布は、レーザダイオードと比較して遥かに広いことにより、照明用途に関して、より好適であり得る。
【0037】
特に、実施形態では、第1の光生成デバイスは、レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含む。更には、特に実施形態では、第2の光生成デバイスは(また)、固体光源、特にLEDを含んでもよい。更なる特定の実施形態では、第2の光生成デバイスは、1つ以上のLEDを含む。更に他の実施形態では、第2の光生成デバイスは、レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含まない。更には、特定の実施形態では、第1の光生成デバイスは、LEDを含まず、第2の光生成デバイスは、1つ以上のLEDを含む。特に、第1の光生成デバイスは、実施形態では、レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含んでもよく、LEDを含まず、第2の光生成デバイスは、実施形態では、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよく、レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含まない。
【0038】
光生成システムは、第1のルミネッセンス材料を更に備えてもよい。特に、第1のルミネッセンス材料は、第1のデバイス光の少なくとも一部を、第1のルミネッセンス材料光に変換するように構成されてもよい。特定の実施形態では、第2の光生成デバイスは、第2の光生成デバイスの(固体)光源の光の一部を変換するように構成されてもよい、第2のルミネッセンス材料を含んでもよい。そのような実施形態では、第2のデバイス光は、第2のルミネッセンス材料光を含んでもよい。実施形態では、第1のルミネッセンス材料と第2のルミネッセンス材料とは、異なるルミネッセンス材料であってもよい点に留意されたい。特に、第1のルミネッセンス材料光と第2のルミネッセンス材料光との、スペクトルパワー分布が異なる。例えば、実施形態では、第1のルミネッセンス材料光と第2のルミネッセンス材料光とは、異なる色点を有する。しかしながら、本明細書では、第1のルミネッセンス材料と第2のルミネッセンス材料とが、本質的に同じであってもよいことは排除されない。
【0039】
例えば、実施形態では、第2の光生成デバイスは、蛍光体変換LED(PC LED)を含む。そのようなLEDは、固体光源の一次光の少なくとも一部を第2のルミネッセンス材料光に変換するように構成されている、ルミネッセンス材料(すなわち、第2のルミネッセンス材料)を、発光ダイオードのダイ上に有する、発光ダイオードを含み得る。そのような第2の光生成デバイスは、白色の第2のデバイス光を供給するように構成されてもよい。第1の光生成デバイスは、遠隔の第1のルミネッセンス材料によって少なくとも部分的に変換され得る、実質的に同じタイプの光の一次光を生成するように構成されてもよい。そのような実施形態では、第1の窓要素部分の下流の光もまた、第1のルミネッセンス材料による第1のデバイス光の変換に基づく、白色光であってもよい。
【0040】
しかしながら、第1のルミネッセンス材料と第2のルミネッセンス材料とはまた、異なっていてもよい点に留意されたい。以下からもまた導出され得るように、用語「第1のルミネッセンス材料」はまた、種々の第1のルミネッセンス材料の(第1の)組み合わせを指す場合もある。同様に、用語「第2のルミネッセンス材料」はまた、種々の第2のルミネッセンス材料の(第2の)組み合わせを指す場合もある。これらの組み合わせは、異なる組み合わせであってもよい。以降では、ルミネッセンス材料の、いくつかの更なる説明及び実施形態が提供される。
【0041】
用語「ルミネッセンス材料」とは特に、第1の放射線、特にUV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、第2の放射線に変換することが可能な材料を指す。一般に、第1の放射線と第2の放射線とは、異なるスペクトルパワー分布を有する。それゆえ、用語「ルミネッセンス材料」の代わりに、用語「ルミネッセンス変換器」又は「変換器」もまた、適用されてもよい。一般に、第2の放射線は、第1の放射線よりも大きい波長におけるスペクトルパワー分布を有しており、これは、いわゆる下方変換の場合である。しかしながら、特定の実施形態では、第2の放射線は、第1の放射線よりも小さい波長において強度を有する、スペクトルパワー分布を有しており、これは、いわゆる上方変換の場合である。
【0042】
実施形態では、「ルミネッセンス材料」とは特に、放射線を、例えば可視光及び/又は赤外光に変換することが可能な材料を指す場合がある。例えば、実施形態では、ルミネッセンス材料は、UV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、可視光に変換することが可能であってもよい。ルミネッセンス材料は、特定の実施形態ではまた、放射線を赤外放射線(infrared radiation;IR)に変換してもよい。それゆえ、放射線で励起されると、ルミネッセンス材料は、放射線を放出する。一般に、ルミネッセンス材料は、下方変換器であり、すなわち、より小さい波長の放射線が、より大きい波長を有する放射線に変換されるが(λex<λem)、特定の実施形態では、ルミネッセンス材料は、上方変換器ルミネッセンス材料を含んでもよく、すなわち、より大きい波長の放射線が、より小さい波長を有する放射線に変換される(λex>λem)。
【0043】
実施形態では、用語「ルミネッセンス」は、リン光を指す場合がある。実施形態では、用語「ルミネッセンス」はまた、蛍光を指す場合もある。用語「ルミネッセンス」の代わりに、用語「発光」もまた適用されてもよい。それゆえ、用語「第1の放射線」及び「第2の放射線」は、それぞれ、励起放射線及び発光(放射線)を指す場合がある。同様に、用語「ルミネッセンス材料」は、実施形態では、リン光及び/又は蛍光を指す場合がある。
【0044】
用語「ルミネッセンス材料」はまた、複数の異なるルミネッセンス材料を指す場合もある。可能なルミネッセンス材料の例が、以下に示される。それゆえ、用語「ルミネッセンス材料」は、特定の実施形態ではまた、ルミネッセンス材料組成物を指す場合もある。
【0045】
実施形態では、ルミネッセンス材料は、特に三価セリウム又は二価ユーロピウムでそれぞれドープされている、ガーネット及び窒化物から選択される。用語「窒化物」はまた、酸窒化物又はニトリドシリケートなどを指す場合もある。
【0046】
特定の実施形態では、ルミネッセンス材料は、A12:Ce型のルミネッセンス材料を含み、Aは、実施形態では、Y、La、Gd、Tb、及びLuのうちの1つ以上、特に、Y、Gd、Tb、及びLuのうちの(少なくとも)1つ以上を含み、Bは、実施形態では、Al、Ga、In、及びScのうちの1つ以上を含む。特に、Aは、Y、Gd、及びLuのうちの1つ以上、特にY及びLuのうちの1つ以上などを含み得る。特に、Bは、Al及びGaのうちの1つ以上、より特定的には、少なくともAlを、例えば本質的に全体としてAlを含み得る。それゆえ、特に好適なルミネッセンス材料は、セリウム含有ガーネット材料である。ガーネットの実施形態は、特に、A12ガーネットを含み、Aは、少なくともイットリウム又はルテチウムを含み、Bは、少なくともアルミニウムを含む。そのようなガーネットは、セリウム(Ce)で、プラセオジム(Pr)で、又は、セリウムとプラセオジムとの組み合わせでドープされてもよいが、しかしながら、特にCeでドープされてもよい。特に、Bは、アルミニウム(Al)を含むが、しかしながら、Bはまた、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)も、部分的に、特に最大でAlの約20%、より特定的には最大でAlの約10%含んでもよい(すなわち、Bイオンは、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc、及びInのうちの1つ以上とから本質的に成る)。Bは特に、最大で約10%のガリウムを含んでもよい。別の変形例では、B及びOは、Si及びNによって少なくとも部分的に置換されてもよい。元素Aは特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)から成る群から選択されてもよい。更には、Gd及び/又はTbは特に、最大でAの約20%の量でのみ存在する。特定の実施形態では、ガーネットルミネッセンス材料は、(Y1-xLu12:Ceを含み、xは、0以上かつ1以下である。用語「:Ce」は、ルミネッセンス材料中の金属イオンの一部(すなわち、ガーネットでは、「A」イオンの一部)が、Ceによって置換されていることを示す。例えば、(Y1-xLuAl12:Ceの場合、Y及び/又はLuの一部が、Ceによって置換されている。このことは、当業者には既知である。Ceは、一般に10%以下でAを置換することになり、一般に、Ce濃度は、(Aに対して)0.1~4%、特に0.1~2%の範囲となる。1%のCe及び10%のYを想定すると、完全な正しい式は、(Y0.1Lu0.89Ce0.01Al12とすることが可能である。ガーネット中のCeは、当業者には既知であるように、実質的に三価の状態であるか、又は三価の状態のみである。
【0047】
実施形態では、ルミネッセンス材料は(それゆえ)、A12を含み、特定の実施形態では、B-Oの最大10%が、Si-Nによって置換されてもよい。
【0048】
特定の実施形態では、ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212を含み、式中、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2であり、A'は、ランタニド類から成る群から選択される1種以上の元素を含み、B'は、Ga、In、及びScから成る群から選択される1種以上の元素を含む。実施形態では、x3は、0.001~0.1の範囲から選択される。本発明では、特にx1>0、例えば、少なくとも0.8のような、>0.2である。Yを有するガーネットは、好適なスペクトルパワー分布をもたらし得る。
【0049】
特定の実施形態では、B-Oの最大10%が、Si-Nによって置換されてもよい。ここで、B-O中のBは、Al、Ga、In、及びScのうちの1つ以上を指し(及び、Oは酸素を指し)、特定の実施形態では、B-Oは、Al-Oを指す場合がある。上述のように、特定の実施形態では、x3は、0.001~0.04の範囲から選択されてもよい。特に、そのようなルミネッセンス材料は、好適なスペクトル分布を有し(しかしながら、以下も参照)、比較的高い効率を有し、比較的高い熱安定性を有し、(第1の光源光及び第2の光源光(及び光学フィルタ)と組み合わせて)高いCRIを可能にし得る。それゆえ、特定の実施形態では、Aは、Lu及びGdから成る群から選択されてもよい。あるいは、又は更に、Bは、Gaを含んでもよい。それゆえ、実施形態では、ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3(Lu,Gd)x2Cex3(Aly1-y2Gay212を含み、式中、Lu及び/又はGdが利用可能であってもよい。更により特定的には、x3は、0.001~0.1の範囲から選択され、0<x2+x3≦0.1であり、0≦y2≦0.1である。更には、特定の実施形態では、B-Oの最大1%が、Si-Nによって置換されてもよい。ここで、百分率は(当該技術分野において既知であるように)モルを指すものであり、例えば、欧州特許第3149108号もまた参照されたい。また更なる特定の実施形態では、ルミネッセンス材料は、(Yx1-x3Cex3Al12を含み、式中、x1+x3=1であり、0.001~0.1などの、0<x3≦0.2である。
【0050】
特定の実施形態では、光生成デバイスは、セリウム含有ガーネットのタイプから選択される、ルミネッセンス材料のみを含んでもよい。また更なる特定の実施形態では、光生成デバイスは、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212などの、単一のタイプのルミネッセンス材料を含む。それゆえ、特定の実施形態では、光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を含み、ルミネッセンス材料の少なくとも85重量%、更により特定的には少なくとも約90重量%、また更により特定的には少なくとも約95重量%などが、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3(Aly1-y2B'y212を含む。ここで、A'は、ランタニド類から成る群から選択される1種以上の元素を含み、B'は、Ga In、及びScから成る群から選択される1種以上の元素を含み、式中、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2である。特に、x3は、0.001~0.1の範囲から選択される。実施形態では、x2=0である点に留意されたい。あるいは、又は更に、実施形態では、y2=0である。
【0051】
特定の実施形態では、Aは特に、少なくともYを含んでもよく、Bは特に、少なくともAlを含んでもよい。
【0052】
あるいは、又は更に、ルミネッセンス材料は、ASi11:Ce3+型のルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、Y、La、Gd、Tb、及びLuのうちの1つ以上、例えば実施形態では、La及びYのうちの1つ以上を含む。
【0053】
実施形態では、ルミネッセンス材料は、あるいは、又は更に、MSi:Eu2+及び/又はMAlSiN:Eu2+及び/又はCaAlSi:Eu2+などのうちの1つ以上を含んでもよく、Mは、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上、特に実施形態では、少なくともSrを含む。それゆえ、実施形態では、ルミネッセントは、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu、及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euから成る群から選択される、1種以上の材料を含んでもよい。これらの化合物中、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価であるか、又は二価のみであり、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置換する。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在することがなく、その存在は、特に、置換するカチオンに対して、約0.5~10%の範囲、より特定的には、約0.5~5%の範囲となる。用語「:Eu」は、金属イオンの一部が、Euによって(これらの例では、Eu2+によって)置換されていることを示す。例えば、CaAlSiN:Eu中、2%のEuを想定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiNとすることが可能である。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオン、特にCa、Sr、又はBaなどの、二価カチオンを置換することになる。材料(Ba,Sr,Ca)S:Euはまた、MS:Euとしても示されることができ、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される、1種以上の元素であり、特に、Mは、この化合物において、カルシウム又はストロンチウム、あるいはカルシウム及びストロンチウム、より特定的にはカルシウムを含む。ここで、Euが導入され、M(すなわち、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置換する。更には、材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euはまた、MSi:Euとしても示されることができ、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される、1種以上の元素であり、特に、Mは、この化合物において、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態では、Mは、Sr及び/又はBaから成り(Euの存在を考慮せず)、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(すなわち、75%のBa;25%のSr)などの、特に50~100%、より特定的には50~90%のBaと、50~0%、特に50~10%のSrとから成る。ここで、Euが導入され、M(すなわち、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置換する。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euはまた、MAlSiN:Euとしても示されることができ、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される、1種以上の元素であり、特に、Mは、この化合物において、カルシウム又はストロンチウム、あるいはカルシウム及びストロンチウム、より特定的にはカルシウムを含む。ここで、Euが導入され、M(すなわち、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置換する。上述のルミネッセンス材料中のEuは、当業者には既知であるように、実質的に二価の状態であるか、又は二価の状態のみである。
【0054】
実施形態では、赤色ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu、及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euから成る群から選択される、1種以上の材料を含んでもよい。これらの化合物中、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価であるか、又は二価のみであり、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置換する。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在することがなく、その存在は、特に、置換するカチオンに対して、約0.5~10%の範囲、より特定的には、約0.5~5%の範囲となる。用語「:Eu」は、金属イオンの一部が、Euによって(これらの例では、Eu2+によって)置換されていることを示す。例えば、CaAlSiN:Eu中、2%のEuを想定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiNとすることが可能である。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオン、特にCa、Sr、又はBaなどの、二価カチオンを置換することになる。
【0055】
材料(Ba,Sr,Ca)S:Euはまた、MS:Euとしても示されることができ、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される、1種以上の元素であり、特に、Mは、この化合物において、カルシウム又はストロンチウム、あるいはカルシウム及びストロンチウム、より特定的にはカルシウムを含む。ここで、Euが導入され、M(すなわち、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置換する。
【0056】
更には、材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euはまた、MSi:Euとしても示されることができ、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される、1種以上の元素であり、特に、Mは、この化合物において、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態では、Mは、Sr及び/又はBaから成り(Euの存在を考慮せず)、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(すなわち、75%のBa;25%のSr)などの、特に50~100%、より特定的には50~90%のBaと、50~0%、特に50~10%のSrとから成る。ここで、Euが導入され、M(すなわち、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置換する。
【0057】
同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euはまた、MAlSiN:Euとしても示されることができ、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)から成る群から選択される、1種以上の元素であり、特に、Mは、この化合物において、カルシウム又はストロンチウム、あるいはカルシウム及びストロンチウム、より特定的にはカルシウムを含む。ここで、Euが導入され、M(すなわち、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置換する。
【0058】
上述のルミネッセンス材料中のEuは、当業者には既知であるように、実質的に二価の状態であるか、又は二価の状態のみである。
【0059】
青色ルミネッセンス材料は、YSO(YSiO:Ce3+)若しくは同様の化合物、又はBAM(BaMgAl1017:Eu2+)若しくは同様の化合物を含んでもよい。
【0060】
本明細書における用語「ルミネッセンス材料」とは特に、無機ルミネッセンス材料に関する。
【0061】
用語「ルミネッセンス材料」の代わりに、用語「蛍光体」。これらの用語は、当業者には既知である。
【0062】
あるいは、又は更に、他のルミネッセンス材料もまた適用されてもよい。例えば、量子ドット及び/又は有機染料が適用されてもよく、オプションとして、例えばPMMA又はポリシロキサンなどのようなポリマーのような、透過性マトリックス内に埋め込まれてもよい。
【0063】
量子ドットは、一般に数ナノメートルのみの幅又は直径を有する、半導体材料の小さい結晶である。入射光によって励起されると、量子ドットは、結晶のサイズ及び材料によって決定されている色の光を放出する。それゆえ、ドットのサイズを適合させることによって、特定の色の光が作り出されることができる。可視域で発光する既知の量子ドットの殆どは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)などのシェルを有する、セレン化カドミウム(CdSe)に基づく。リン化インジウム(InP)並びに硫化インジウム銅(CuInS)及び/又は硫化インジウム銀(AgInS)などの、カドミウムを含まない量子ドットもまた、使用されることができる。量子ドットは、極めて狭い発光帯域を示し、それゆえ、量子ドットは飽和色を示す。更には、発光色は、量子ドットのサイズを適合させることによって、容易に調整されることができる。本発明では、当該技術分野において既知の、任意のタイプの量子ドットが使用されてもよい。しかしながら、環境に関する安全性及び懸念の理由から、カドミウムを含まない量子ドット、又は、少なくともカドミウム含有量が極めて低い量子ドットを使用することが好ましい場合がある。
【0064】
量子ドットの代わりに、又は量子ドットに加えて、他の量子閉じ込め構造体もまた使用されてもよい。用語「量子閉じ込め構造体」は、本出願の文脈では、例えば、量子井戸、量子ドット、量子ロッド、トライポッド、テトラポッド、又はナノワイヤなどとして理解されるべきである。
【0065】
有機蛍光体も、同様に使用されることができる。好適な有機蛍光体材料の例は、ペリレン誘導体に基づく有機ルミネッセンス材料、例えば、BASFによってLumogen(登録商標)の名称で販売されている化合物である。好適な化合物の例としては、限定するものではないが、Lumogen(登録商標)Red F305、Lumogen(登録商標)Orange F240、Lumogen(登録商標)Yellow F083、及びLumogen(登録商標)F170が挙げられる。
【0066】
異なるルミネッセンス材料は、それぞれのルミネッセンス材料光の、異なるスペクトルパワー分布を有してもよい。あるいは、又は更に、そのような異なるルミネッセンス材料は特に、異なる色点(又は、主波長)を有してもよい。
【0067】
上述のように、他のルミネッセンス材料もまた可能であり得る。それゆえ、特定の実施形態では、ルミネッセンス材料は、二価ユーロピウム含有窒化物、二価ユーロピウム含有酸窒化物、二価ユーロピウム含有シリケート、セリウム含有ガーネット、及び量子構造体の群から選択される。量子構造体は、例えば、量子ドット又は量子ロッド(又は、他の量子型粒子)を含み得る(上記を参照)。量子構造体はまた、量子井戸も含み得る。量子構造体はまた、フォトニック結晶も含み得る。
【0068】
上述のように、光生成システムは、光混合チャンバを備えてもよい。このことは特に、第1の光生成デバイス及び/又は第2の光生成デバイス、特に第1のデバイス及び第2のデバイスの双方が、窓要素から遠隔に構成されてもよいことを意味し得る。特に、少なくとも第1の光生成デバイスは、窓要素から遠隔に、より特定的には少なくとも第1のルミネッセンス材料から遠隔に、例えば少なくとも1μm、より特定的には少なくとも10μm、また更により特定的には少なくとも約0.1mm、例えば少なくとも約0.5mm遠隔に構成されている。
【0069】
光混合チャンバは、第1の光生成デバイス及び/又は第2の光生成デバイスが、それらの対応のデバイス光を供給するキャビティであってもよい。それゆえ、ダイのような対応の発光領域が、光混合チャンバ内に構成されてもよい。それゆえ、実施形態では、第1の光生成デバイスは、光混合チャンバ内に第1のデバイス光を供給するように構成されてもよい。また更には、実施形態では、第2の光生成デバイスは、(光混合チャンバ内で)第2のデバイス光を生成するように構成されてもよい。
【0070】
光混合チャンバは、反射壁及び窓要素によって画定されている。用語「壁」とは、本質的に任意の面、例えば側壁及び底壁を指す場合がある。後者は、例えば、少なくとも部分的にプリント回路基板によって提供されてもよい。それゆえ、光混合チャンバ内に供給される光は、反射壁によって反射されるか、又は窓要素によって透過されるか、又は窓要素によって変換されてもよい(以下もまた参照)。特に、光混合チャンバ内に供給される光の一部は、窓によって透過され、すなわち、特に第2の窓要素部分を通って透過されることになり、光の一部は、第1の窓要素部分によって変換されてもよい(及び、少なくとも当該の光の一部はまた、光混合チャンバから出てもよい)。窓要素によって反射されないか、又は窓要素によって透過されないか、又は窓要素によって変換されない光は、再利用されてもよく、1回以上の反射の後に再び窓要素に到達してもよく、これにより、光混合チャンバから抜け出て透過又は変換される、更なる変化が可能となり得る。更には、混合チャンバ内での、光のある程度の混合は、第2の窓要素部分による、より均一な光出力を可能にする。それゆえ、光混合チャンバは、窓要素によって少なくとも部分的に画定されていてもよい。
【0071】
光混合チャンバは、光反射壁によって、及び窓要素によって画定されている。反射は、少なくとも第2のデバイス光に対して反射性であり、オプションとしてまた、第1のデバイス光に対しても反射性である。特に、反射壁は、第1のデバイス光及び第2のデバイス光の双方に対して反射性である。窓要素を考慮せずに光混合チャンバの内部表面積にわたって平均化すると、(垂直照射下での)第2のデバイス光に対する平均反射率は、少なくとも50%、更により特定的には少なくとも70%、また更により特定的には少なくとも85%、例えば少なくとも90%である。更には、特に、窓要素を考慮せずに光混合チャンバの内部表面積にわたって平均化すると、(垂直照射下での)第1のデバイス光に対する平均反射率もまた、少なくとも50%、更により特定的には少なくとも70%、また更により特定的には少なくとも85%、例えば少なくとも90%であってもよい。例えば、壁は、アルミナコーティング若しくはテフロン(商標)コーティングを有してもよく、又は、それ自体が反射性であってもよい(以下もまた参照)。本明細書では、反射率又は透過率は特に、垂直照射下において定義されている。このことは、要素の反射率又は透過率が定義される光が、垂直照射下で(のみ)当該要素に到達するということに、必ずしも当てはまるものではない点に留意されたい。
【0072】
特に、窓要素は、(i)第1のルミネッセンス材料を有する第1の窓要素部分を含み、第1の窓要素部分は、第1の光生成デバイスと受光関係にあるように構成されている。
【0073】
用語「受光関係(light-receiving relationship)」又は「受光関係(light receiving relationship)」、及び同様の用語は、(光生成デバイス、又は光生成要素、又は光生成システムのような)光供給源の動作中に、物品が、当該の光供給源からの光を受光し得ることを示し得る。それゆえ、物品は、当該の光供給源の下流に構成されてもよい。光供給源と物品との間に、光学素子が構成されてもよい。とりわけ、光学素子は、反射器、コリメータ、レンズ、レンズアレイ、屈折光学構成要素、回折光学構成要素、光散乱光学構成要素、又は、前述のもののうちの複数、又は、前述のもののうちの2つ以上の組み合わせなどを含み得る。
【0074】
光の伝搬の文脈などにおける、用語「上流」及び「下流」は、光生成要素(本明細書では特に、....)からの光の伝搬に対する、物品又は特徴部の配置に関するものであり、光生成要素からの光ビーム内での第1の位置に対して、光ビーム内での、光生成要素に(第1の位置よりも)近い第2の位置が、「上流」であり、光ビーム内での、光生成要素から(第1の位置よりも)遠く離れた第3の位置が、「下流」である。例えば、用語「光生成要素」の代わりに、用語「光生成手段」もまた適用されてもよい。
【0075】
用語「放射線的に結合されている」又は「光学的に結合されている」とは特に、(i)光源などの光生成要素と、(ii)別の物品又は材料とが、光生成要素によって放出される放射線の少なくとも一部が当該物品又は材料によって受け取られるように、互いに関連付けられていることを意味し得る。換言すれば、物品又は材料は、光生成要素と受光関係にあるように構成されている。光生成要素の放射線の少なくとも一部が、物品又は材料によって受け取られることになる。このことは、実施形態では、光生成要素(の発光面)と物理的に接触している物品又は材料などの、直接的なものであってもよい。このことは、実施形態では、空気、気体、又は、液体若しくは固体の光ガイド材料のような、媒体を介したものであってもよい。実施形態では、レンズ、反射器、光学フィルタのような1つ以上の光学素子もまた、光生成要素と物品又は材料との間の光路内に構成されてもよい。用語「受光関係にある」は、上述のように、レンズ、コリメータ、反射器、ダイクロイックミラーなどの中間光学要素の存在を排除するものではない。実施形態では、用語「受光関係」と「下流」とは、本質的に同義語であり得る。
【0076】
特に、第1の光生成デバイスによって生成される本質的に全ての光は、第1の窓要素(の上流面)を照射してもよい。例えば、このことはまた、光学素子を使用することによって容易にされてもよい。例えば、実施形態では、第1のデバイス光は、第1の窓要素上に集束されてもよい。第1のデバイス光の一部は、第1の窓要素によって反射され得るため、光混合チャンバの使用が有利であり得る。しかしながら、第1の光生成デバイス及びオプションの光学素子は、(第1のデバイス光のパワーに基づいて)少なくとも70%、また更により特定的には少なくとも85%、例えば少なくとも90%が第1の窓要素を照射するように構成されている場合に、有用であると思われる。それゆえ、第1のデバイス光は、第1の窓要素によって反射されて、光混合チャンバ内での1回以上の反射を介して第2の窓要素に到達しない限り、第2の窓要素に到達し得るのは、ごく一部のみであるか、又は、実質的に到達しない場合さえもある。
【0077】
実施形態では、第1の窓要素は、第1のデバイス光に対して透過性であってもよい。例えば、実施形態では、第1のデバイス光の(第1のデバイス光のパワーに基づいて)5~50%、例えば5~40%が、第1の窓要素によって透過されてもよく、第1のルミネッセンス材料光と共に第1の窓要素(の下流面)から離れる方向に伝搬してもよい。例えば、このことは、第1のデバイス光が青色光及び緑色光のうちの1つ以上、特に、青色光を放出する第1の光生成デバイス(例えば、青色LED)のように、青色光を含む場合に当てはまり得る。しかしながら、更に他の実施形態では、本質的に全ての第1のデバイス光が、第1の窓要素によって(特に、第1のルミネッセンス材料によって)吸収される。例えば、実施形態では、第1のデバイス光の(第1のデバイス光のパワーに基づいて)5%未満、更により特定的には最大1%、例えば最大約0.1%が、第1の窓要素によって透過されてもよく、第1のルミネッセンス材料光と共に第1の窓要素から離れる方向に伝搬してもよい。透過率は、例えば、第1のルミネッセンス材料の吸収強度、第1の窓要素内での第1のルミネッセンス材料の存在量、並びに第1の窓要素の厚さを制御することによって、制御されてもよい。第1の窓要素による、第1のデバイス光の低い透過率は、UVを放出する第1の光生成デバイスの場合などの、第1のデバイス光が紫色光のUV放射線を含む場合に、特に望ましいものであり得る。
【0078】
それゆえ、実施形態では、第1の窓要素は、第1のデバイス光に対して透過性(透明又は半透明)であってもよく、他の実施形態では、第1の窓要素は、第1のデバイス光に対して本質的に透過性でなくてもよい。
【0079】
上述のように、窓要素はまた、第2の窓要素部分を含んでもよい。特に、第2の窓要素部分は、第2のデバイス光に対して半透明である。それゆえ、第2の窓要素部分(の上流面)によって受光される(第2のデバイス)光は、第2の窓要素部分によって透過されてもよい。しかしながら、この透過は、第2の窓要素部分内での、及び/又は第2の窓要素部分の表面における、1回以上の散乱を含んでもよい。それゆえ、第2の窓要素部分の下流の第2のデバイス光は、比較的広いビームであってもよい。(第2のデバイス)光の散乱は、散乱要素によって得られてもよい。
【0080】
第2の窓要素部分は、散乱要素を有してもよい。この散乱要素は、光透過性材料によって埋め込まれている要素、及び、第2の窓要素部分の面(第1の面及び第2の面のうちの1つ以上など、以下もまた参照)における要素のうちの、1つ以上を含み得る。
【0081】
散乱要素は、第2の窓要素部分の光透過性材料内に埋め込まれている、粒子を含み得る。そのような粒子は、(例えば、Al、BaSO、及びTiOのうちの1つ以上を含むような)散乱粒子であってもよい。散乱要素は、第2の窓要素部分の1つ以上の面における、刻み目、擦過傷、溝、材料のドット、(面のうちの1つと光学的に接触している)光散乱構造体などのような要素を含み得る。散乱要素は、第2のデバイス光を散乱させるために使用されてもよい。散乱要素は、第2の窓要素の半透明特性をもたらし得る。例えば、第2の窓要素部分は、それ自体は第2のデバイス光に対して実質的に透明であるが、散乱要素の存在に起因して半透明である、結晶材料、セラミック材料、又はポリマー材料を含み得る。
【0082】
上述のように、第2の窓要素部分は、第2の光生成デバイスと受光関係にあるように構成されてもよい。
【0083】
特に、第2の光生成デバイスによって生成される光の実質的な部分は、第2の窓要素(の上流面)を照射してもよい。例えば、このことはまた、光学素子を使用することによって(及び/又は、第2の光生成デバイスの位置を選択することによって)容易にされてもよい。第2のデバイス光の一部は、第2の窓要素によって反射され得るため、光混合チャンバの使用が有利であり得る。しかしながら、第2の光生成デバイス及びオプションの光学素子は、(第2のデバイス光のパワーに基づいて)少なくとも50%、また更により特定的には少なくとも70%、例えば少なくとも85%が第2の窓要素を照射するように構成されている場合に、有用であると思われる。例えば、このことはまた、光学素子を使用することによって容易にされてもよい。例えば、実施形態では、第2のデバイス光は、第2の窓要素上に集束されてもよい。それゆえ、第2のデバイス光は、第2の窓要素によって反射されて、光混合チャンバ内での1回以上の反射を介して第2の窓要素に到達しない限り、第1の窓要素に到達し得るのは、一部又はごく一部のみである。
【0084】
実施形態では、第1の窓要素部分は、窓要素部分の中心に構成されてもよい。より特定の実施形態では、第1の窓要素部分は、第2の窓要素部分によって(オプションとして、間にオプションの反射器を有して)(横方向で)包囲されている。特定の実施形態では、第1の窓要素部分は、円盤のような円形の断面形状を有する。更なる特定の実施形態では、第2の窓要素もまた、(リングのような)円形であってもよい。更に他の実施形態では、第2の窓要素部分は、矩形の断面形状を有してもよい。
【0085】
第1の光生成デバイスの動作中、第1の窓要素部分は、例えば第1のルミネッセンス材料のストークス損失に起因して、加熱される場合がある。それゆえ、熱管理の観点から、第1の窓要素部分が、例えば第2の窓要素部分を介して、熱を放散し得ることが望ましい場合がある。それゆえ、実施形態では、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とは、互いに熱接触するように構成されてもよい。
【0086】
要素が別の要素と熱接触していると見なされ得るのは、当該要素が熱のプロセスを通してエネルギーを交換することができる場合である。それゆえ、要素は熱的に結合されていてもよい。実施形態では、熱接触は、物理的接触によって達成されることができる。実施形態では、熱接触は、熱伝導性接着剤(又は、熱伝導性粘着剤)などの、熱伝導性材料を介して達成されてもよい。熱接触はまた、2つの要素が互いに対して約10μm以下の距離で配置されている場合にも、2つの要素間で達成されてもよいが、最大で100μmなどの、より大きい距離も可能であり得る。距離が短いほど、熱接触は良好となる。特に、距離は、10μm以下、例えば5μm以下、例えば1μm以下である。距離は、それぞれの要素の、2つの対応の表面間の距離であってもよい。距離は、平均距離であってもよい。例えば、2つの要素は、複数の位置などの1つ以上の位置で、物理的に接触していてもよいが、1つ以上の他の位置、特に複数の他の位置では、要素は物理的に接触していない。例えば、このことは、一方又は双方の要素が粗面を有する場合に当てはまり得る。それゆえ、実施形態では、2つの要素間の距離は、平均して10μm以下であってもよい(ただし、最大で100μmなどの、より大きい平均距離も可能であり得る)。実施形態では、2つの要素の2つの表面は、1つ以上の距離ホルダにより、距離が保たれてもよい。2つの要素が熱接触している場合、それらは、物理的に接触していてもよく、又は、最大10μmのような、最大1mmなどの、互いに短い距離を置いて構成されていてもよい。2つの要素が互いに距離を置いて構成されている場合、中間材料が間に構成されてもよいが、他の実施形態では、2つの要素間の距離は、気体、液体で充填されてもよく、又は真空であってもよい。中間材料が利用可能である場合、距離が大きいほど、2つの要素間の熱接触のために有用な、熱伝導率が高くなり得る。しかしながら、距離が小さいほど、中間材料の熱伝導率が低くなり得る(当然ながら、より高い熱伝導率の材料もまた使用されてもよい)。
【0087】
熱伝導要素は特に、熱伝導性材料を含む。熱伝導性材料は特に、少なくとも約20W/(mK)の、例えば少なくとも約30W/(mK)の、少なくとも約100W/(mK)などの、特に少なくとも約200W/(mK)のような、熱伝導率を有してもよい。また更なる特定の実施形態では、熱伝導性材料は特に、少なくとも約10W/(mK)の熱伝導率を有してもよい。実施形態では、熱伝導性材料は、銅、アルミニウム、銀、金、シリコンカーバイド、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミニウムシリコンカーバイド、酸化ベリリウム、シリコンカーバイド複合材料、アルミニウムシリコンカーバイド、銅タングステン合金、銅モリブデンカーバイド、炭素、ダイヤモンド、及びグラファイトのうちの1つ以上を含んでもよい。あるいは、又は更に、熱伝導性材料は、酸化アルミニウムを含んでもよく、又は酸化アルミニウムから成るものであってもよい。
【0088】
上述のように、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とは、異なる機能を有してもよい。第1の窓要素部分は特に、第1のデバイス光の少なくとも一部を変換するように構成されてもよい。第1の窓要素部分は、第1のデバイス光に対して透過性であってもよいが、必ずしも第1のデバイス光に対して透過性であるとは限らない。第2の窓要素は特に、第2のデバイス光に対して透過性である。更には、第2の窓要素は、(一次光としての)第2のデバイス光の、二次光への変換を実質的に有さない。それゆえ、第2の窓は、第2のデバイス光を変換するように構成されている(第2の)ルミネッセンス材料を有さない。例えば、第2のデバイス光による垂直照射下では、(第2のデバイス光のパワーに基づいて)1%未満、例えば0.1%以下が、ルミネッセンス材料に変換され得る。例えば、実施形態では、第1の窓要素部分(すなわち、第1のルミネッセンス材料)による第1のデバイス光の変換は、第2の窓要素部分(すなわち、第2の窓要素部分によって含まれ得る(第2の)ルミネッセンス材料)による、第2のデバイス光の可能な変換よりも、少なくとも10倍高く、例えば少なくとも100倍高くてもよい。
【0089】
特に、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とは、材料組成が異なっている。例えば、組成は実質的に同じであってもよいが、第1の窓要素部分は、ルミネッセンス材料を有し、第2の窓要素部分は、(そのような)ルミネッセンス材料(及び/又は、他のルミネッセンス材料)を有さない。例えば、第1の窓要素部分及び第2の窓要素部分の双方が、ガーネット材料を有してもよいが、第1の窓要素部分は、賦活剤Ce3+を有する。又は、実施形態では、第1の窓要素部分及び第2の窓要素部分の双方が、(酸)窒化物材料を有してもよいが、第1の窓要素部分は、賦活剤Eu2+を有する。当然ながら、材料組成の相違はまた、第1の窓要素部分がセリウム含有ガーネットを有し、第2の窓要素部分がポリマー材料を含むような、より大きいものであってもよい。
【0090】
上記から導出され得るように、特定の実施形態では(限定するものではないが)、第2のデバイス光は、白色光であってもよく、及び/又は、第1の窓要素部分の下流の光は、第1のデバイス光による第1のルミネッセンス材料の照射に起因して、白色光である。
【0091】
本明細書における用語「白色光」は、当業者には既知である。白色光は特に、2000~20000K、特に2700~20000Kなどの、約1800K~20000K、一般照明に関しては特に約2700K~6500Kの範囲の相関色温度(correlated color temperature;CCT)を有する光に関する。実施形態では、バックライトの目的に関しては、相関色温度(CCT)は、特に約7000K~20000Kの範囲であってもよい。また更には、実施形態では、相関色温度(CCT)は特に、BBL(black body locus;黒体軌跡)から約15SDCM(standard deviation of color matching;等色標準偏差)以内、特にBBLから約10SDCM以内、更により特定的にはBBLから約5SDCM以内である。
【0092】
特定の実施形態では、第1の窓要素部分は、第1のデバイス光の一部を透過させるように構成されてもよく、光生成システムの動作モードにおいて、第1の光生成デバイス及び第1のルミネッセンス材料は、第1の窓要素部分の下流側から発出する白色光を生成するように構成されており、白色光は、第1のルミネッセンス材料光及び透過された第1のデバイス光を含む。例えば、実施形態では、第1の光生成デバイスは、青色の第1のデバイス光を生成するように構成されてもよく、第1のルミネッセンス材料は、第1のデバイス光の少なくとも一部を、530~750nmの波長範囲から選択される1つ以上の波長において強度を有する、第1のルミネッセンス材料光に変換するように構成されている。例えば、第1のルミネッセンス材料光は、黄色光、又は、黄色及び赤色光を含んでもよく、あるいは、第1のルミネッセンス材料光は、緑色光及び赤色光などを含んでもよい。
【0093】
あるいは、実施形態では、第1の窓要素部分は、第1の窓要素部分に到達する第1のデバイス光の1%未満を透過させるように構成されてもよく、光生成システムの動作モードにおいて、第1の光生成デバイス及び第1のルミネッセンス材料は、第1の窓要素部分の下流側から発出する白色光を生成するように構成されており、白色光は、第1のルミネッセンス材料光を含む。
【0094】
第1の窓要素の下流の光は、必ずしも白色光ではない点に留意されたい。実施形態では、第1の窓要素部分は、第1のデバイス光の一部を透過させるように構成されてもよく、光生成システムの動作モードにおいて、第1の光生成デバイス及び第1のルミネッセンス材料は、第1の窓要素部分の下流側から発出する有色光を生成するように構成されており、白く色付けたは、第1のルミネッセンス材料光及び透過された第1のデバイス光を含む。あるいは、実施形態では、第1の窓要素部分は、第1の窓要素部分に到達する第1のデバイス光の1%未満を透過させるように構成されてもよく、光生成システムの動作モードにおいて、第1の光生成デバイス及び第1のルミネッセンス材料は、第1の窓要素部分の下流側から発出する有色光を生成するように構成されており、有色光は、第1のルミネッセンス材料光を含む。同様に、第2の窓要素の下流の光は、必ずしも白色光ではない。そのような実施形態では、第2の光生成デバイスは、(動作モードにおいて)有色光を生成するように構成されてもよい。
【0095】
上述のように、特に第2の窓要素部分は、第2のデバイス光の一部を透過させてもよい。実施形態では、第2の窓要素部分は、第2のデバイス光の垂直放射下で、第2のデバイス光の少なくとも30%、例えば最大で約70%を透過させるように構成されている。更には、上述のように、特に第2の窓要素部分は、第2のデバイス光の一部を反射してもよい。それゆえ、特定の実施形態では、第2の窓要素部分は、第2のデバイス光の垂直放射下で、第2のデバイス光の少なくとも30%、例えば最大で約70%を透過させるように構成されており、第2のデバイス光の垂直放射下で、第2のデバイス光の少なくとも30%、例えば最大で約70%を反射するように構成されている。例えば、50%が反射されてもよく、50%が透過されてもよい。
【0096】
第2の窓部分の反射率は、第2のデバイス光に対して30~70%の範囲から選択されている。更には、特定の実施形態では、窓要素から抜け出る第2のデバイス光の少なくとも70%は、第2の窓要素を介して抜け出る。それゆえ、特定の実施形態では、第2の窓部分の反射率は、第2のデバイス光に対して30~70%の範囲から選択されており、窓要素から抜け出る第2のデバイス光の少なくとも70%、例えば少なくとも80%、更により特定的には少なくとも90%、例えば少なくとも約95%は、第2の窓要素を介して抜け出る。
【0097】
更には、窓要素から抜け出る第1のデバイス光の少なくとも70%、例えば少なくとも80%、更により特定的には少なくとも90%、例えば少なくとも約95%は、第1の窓要素を介して抜け出る。
【0098】
第1の窓要素部分及び第2の窓要素部分は、それぞれ個別に、セラミック体、結晶体、多結晶体(ガラス体又は多層体など)、及びポリマー体の群から選択されてもよい。特に、実施形態では、第1の窓要素部分は、セラミック体を含む。あるいは、又は更に、第2の窓要素部分は、セラミック体を含む。それゆえ、特定の実施形態では、第1の窓要素部分は、セラミック体を含み、第2の窓要素部分は、セラミック体を含む。セラミック体は、比較的安定であり得、及び/又は、比較的良好な熱伝導を有し得る。
【0099】
実施形態では、窓要素は、第1の窓要素部分及び第2の窓要素部分から本質的に成る。
【0100】
(第1の窓要素部分において生成される)第1のルミネッセンス材料光、あるいは、第1のデバイス光及び(第1の窓要素部分において生成される)第1のルミネッセンス材料光は、(例えば、第1の窓部分から第2の窓部分への導光によって)第2の窓要素部分に実質的に入射しないことが望ましい場合がある。例えば、第1のルミネッセンス材料光(及び、オプションとして第1のデバイス光)のビームは、第2のデバイス光のビームよりも狭いものであってもよい。しかしながら、第1のルミネッセンス材料光、あるいは第1のデバイス光及び第1のルミネッセンス材料光が、第2の窓要素部分を介して抜け出た場合には、光出力面が増大することになり、それゆえ、コリメーション性能が低下することになる。それゆえ、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とを、光学的に分離することが望ましい場合がある。光学的分離要素が、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分との間に、少なくとも部分的に配置されてもよい。間に光透過性材料が存在しない場合、又は、実質的により高い屈折率を有する光透過性材料のみが存在する場合には、約0.5μm超の、例えば少なくとも約1μmの距離が有用であり得る。しかしながら、別のソリューションは、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分との間に、反射器を使用することである。それゆえ、実施形態では、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とは、要素(本明細書ではまた、実施形態では「光学的分離要素」としても示されるもの)によって少なくとも部分的に(光学的に)分離されており、例えば特に、反射層などの反射要素によって(光学的に)分離されている。反射器などの光学的分離要素は、例えば、≧70%、特に≧75%、より特定的には≧80%、最も特定的には≧85%の反射率を有する、(高)反射性のものであってもよい。
【0101】
それゆえ、(他の)実施形態では、窓要素は、第1の窓要素部分、第2の窓要素部分、及びオプションの光学的分離要素から本質的に成る。
【0102】
特に、実施形態では、窓要素の外部面積の少なくとも80%、例えば少なくとも90%は、第1の窓要素部分及び第2の窓要素部分によって画定されていてもよい。
【0103】
上述のように、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分とが、熱的に結合されていることが望ましい場合がある。それゆえ、反射器は、第1の窓要素部分及び第2の窓要素部分のうちの1つ以上よりも高い熱伝導率、特に、第1の窓要素部分及び第2の窓要素部分の双方よりも高い熱伝導率を有するように選択されてもよい。更には、反射器は、最大約2mmのような、例えば最大約1mm、例えば最大約0.1mm、最大約10μmなどの、比較的小さい厚さを有してもよい。しかしながら、最大1μm、又は更に小さい、例えば最大0.1μmなどの、より薄い反射器もまた可能であり得る。例えば、第1の窓要素部分の縁部の一部分上に、反射器層が堆積されてもよく、及び/又は、第2の窓要素部分の縁部の一部分上に、反射器層が堆積されてもよい。それゆえ、反射器の層厚さは、例えば、少なくとも約5nm、例えば少なくとも約10nm、少なくとも約50nmなどであってもよい。特定の実施形態では、反射要素は、最大1μmの厚さ(d1)を有してもよく、反射要素は、第1の窓要素部分及び/又は第2の窓要素部分よりも高い熱伝導率を有してもよい。語句「第1の窓要素部分及び/又は第2の窓要素部分よりも高い熱伝導率」、及び同様の語句は、熱伝導率が、第1の窓要素部分よりも高いこと、及び/又は第2の窓要素部分よりも高いことを示し得る。特に、実施形態では、熱伝導率は、第1の窓要素部分及び第2の窓要素部分のそれぞれよりも、高いものであってもよい。特定の実施形態では、反射要素は、アルミニウム、銀、及び銅のうちの1つ以上を含み得る。しかしながら、他の反射性材料もまた可能であり得る。
【0104】
第2の窓要素部分は、実施形態では、第1の窓要素部分の下流側から離れる方向に発出する光を、ビーム成形するために使用されてもよい。例えば、第2の窓要素部分は、第1の窓要素部分の下流側の下流に構成されている、キャビティを有してもよい。このキャビティは、特定の実施形態では、中空コリメータなどの、反射器の形状を有してもよい。それゆえ、第2の窓要素部分は、実施形態では、第1の窓要素部分よりも厚いものであってもよい。それゆえ、実施形態では、第1の窓要素部分は、第1の高さ(h1)を有してもよく、第2の窓要素部分は、第2の高さ(h2)を有してもよく、h1<h2である。特に、実施形態では、第1の窓要素部分は、第1の高さ(h1)を有してもよく、第2の窓要素部分は、第2の高さ(h2)を有してもよく、h1<h2であり、第2の窓要素部分は、第1の窓要素部分の下流側に構成されている第2の窓要素キャビティを画定してもよい。
【0105】
実施形態では、h2≧1.1h1、特にh2≧1.3h1、より特定的にはh2≧1.5h1、最も特定的にはh2≧1.7h1である。実施形態では、h2≦7h1、特にh2≦5h1、より特定的にはh2≦4h1、最も特定的にはh2≦3h1である。キャビティは、深さh3を有してもよい。それゆえ、実施形態では、0.1h2≦h3≦0.9h2、特に0.2h2≦h3≦0.8h2、より特定的には0.3h2≦h3≦0.7h2、最も特定的には0.4h2≦h3≦0.6h2である。それゆえ、実施形態では、0.1h1≦h3≦5h1、特に0.3h1≦h3≦4h1、より特定的には0.4h1≦h3≦3h1、最も特定的には0.5h1≦h3≦2h1である。実施形態では、第1の窓要素部分は、第1の断面積A1を有する。特に、h3≧SQRT(A1)である。
【0106】
特に、キャビティの壁は傾斜している。それゆえ、第1の窓要素部分により近い、キャビティの断面積は、第1の窓要素部分からより遠い、キャビティの断面積よりも、大きいものであってもよい。特に、断面積は、第1の窓要素部分からの距離が増大するにつれて、増大している。
【0107】
特定の実施形態では、第2の窓要素キャビティは(それゆえ)、反射器キャビティとして構成されてもよく、第2の窓要素キャビティの光入射側に、第1の窓要素部分の少なくとも一部が構成されている。第2の窓要素キャビティの光入射側は、実施形態では、第1の窓要素の下流面と本質的に一致してもよい。
【0108】
上記から導出され得るように、キャビティは、第1の窓要素部分の下流側から発出する光を、ビーム成形するために使用されてもよい。
【0109】
上述のように、第1の窓要素部分は、第1の断面積A1を有し得る。更には、第2の窓要素部分は、第2の断面積A2を有し得る。特に、実施形態では、0.001≦A1/A2≦0.1、特に0.005≦A1/A2≦0.05である。それゆえ、実施形態では、第1の窓要素部分は、第1の断面積A1を有し、第2の窓要素部分は、第2の断面積A2を有し、0.001≦A1/A2≦0.1である。窓要素は、第3の断面積A3を有し得る。特に、A3≒A1+A2である。この(僅かな)差異は、第1の窓要素部分と第2の窓要素部分との間の、オプションの反射器の存在に起因し得る。しかしながら、特に、(A1+A2)/A3≧0.9である。
【0110】
それゆえ、実施形態では、窓要素の外部面積は、第2の窓要素部分によって実質的に決定されてもよく、より小さい部分に関しては、第1の窓要素部分によって(及び、(同じく第2の窓要素部分よりも)小さい部分に関しては、オプションの光学的分離要素によって)決定されてもよい。
【0111】
特に、実施形態では、第1の窓部分要素の下流面(の面積)は、第2の窓要素の下流面(の面積)よりも実質的に小さい。更には、第1の窓要素から発出する光を、実質的にコリメートすることが望ましい場合がある。この理由のために、第1の窓部分要素の下流面(の面積)は、比較的小さいものであってもよく、第2の窓要素部分の面積よりも、実質的に小さいものであってもよい。
【0112】
実施形態では、それゆえ、窓要素は、第3の断面積A3を有し得る。特に、A/A<A/Aである。例えば、実施形態では、A/A≦0.25/Aである。
【0113】
特定の実施形態では、A1は特に、約16mm以下、より特定的には≦9mm、最も好ましくは≦4mmであってもよく、例えば0.5~2mmの範囲から選択されてもよい。それゆえ、A1は、実施形態では、少なくとも0.5mmであってもよいが、特に、約16mm以下であってもよい。
【0114】
上述のように、第1のルミネッセンス材料光(及び、オプションとして第1のデバイス光)のビームは、第2のデバイス光のビームよりも狭いものであってもよい。特定の実施形態では、第1の窓要素からの光は、≦6°のFWHM(半値全幅)、好ましくは≦5°より好ましくは≦4°、最も好ましくは≦3°のFWHMにコリメートされてもよい。
【0115】
典型的には、第2の窓要素からの光は、≧7°のFWHM、例えば、特に≧10°、より好ましくは≧15°、最も好ましくは≧20°、例えば25°のFWHMなどにコリメートされてもよい。特定の実施形態では、第2の窓要素の下流の、第2のデバイス光の第2のビームの第2の半値全幅と、第1のルミネッセンス材料光及びオプションとして第1のデバイス光の、第1のビームの第1の半値全幅との差異は、FWHM2-FWHM1として示されてもよく、少なくとも5°、特に≧10°、より特定的には≧15°、また更により特定的には≧20°であってもよい。比較的狭いビームは、コリメート光学素子などの光学素子、例えば、レンズ、反射器、コリメータ、複合放物面集光型光学要素などを使用して得られてもよい。そのような光学素子は、窓要素の下流(すなわち、第1の窓要素及び第2の窓要素の双方の下流)に構成されてもよい。
【0116】
ルミネッセンス材料によって生成される熱、及び/又は、光生成デバイスによって生成される熱に関しては、そのような熱が放散され得ることが望ましい場合がある。この目的のために、光生成システムは、1つ以上の熱伝導要素を備えてもよい。特に、光生成システムは、ヒートシンク、ヒートパイプ、及びヒートスプレッダのうちの1つ以上を備えてもよい。熱は、そのような要素に、中間の熱伝導要素(上記もまた参照)を介して到達し得る。実施形態では、(中間の)熱伝導要素はまた、オプションとして、そのような熱伝導要素上の光反射層と組み合わせて、光混合チャンバを提供するために使用されてもよい。特に、そのような熱伝導要素は、第1の窓要素部分及び/又は第2の窓要素部分よりも高い熱伝導率を有する。それゆえ、実施形態では、本システムは、(第1の窓要素部分及び第2の窓要素部分よりも高い熱伝導率を有する)熱伝導要素を更に備えてもよく、光混合チャンバは、熱伝導要素によって部分的に画定されてもよく、熱伝導要素は、ヒートシンク、ヒートパイプ、及びヒートスプレッダのうちの1つ以上を含み得るか、あるいは、ヒートシンク、ヒートパイプ、及びヒートスプレッダのうちの1つ以上に熱的に結合されている。
【0117】
上述のように、第1の窓要素の下流側に向けて発出する光ビームは、第2の窓要素の下流側に向けて発出する光ビームよりも狭いものであってもよい。それゆえ、第1の光生成デバイス及び第2の光生成デバイスを制御することによって、システムから発出する光のビーム形状が制御されてもよい。この目的のために、本システムは、制御システムを備えてもよい。それゆえ、実施形態では、本システムは、第1の光生成デバイス及び第2の光生成デバイスを制御することによって、光生成システムから発出するシステム光のビーム形状を制御するように構成されている、制御システムを更に備えてもよい。
【0118】
用語「制御すること」及び同様の用語は特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理することを指す。それゆえ、本明細書では、「制御すること」及び同様の用語は、例えば、要素に対して、例えば、測定すること、表示すること、作動すること、開放すること、移行すること、温度を変更することなどの挙動を課すこと(要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理すること)などを指す場合がある。その他にも、用語「制御すること」及び同様の用語は、監視することを更に含んでもよい。それゆえ、用語「制御すること」及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、並びにまた、要素に挙動を課して、当該要素を監視することを含んでもよい。要素を制御することは、「コントローラ」としてもまた示され得る、制御システムにより行われることができる。それゆえ、制御システムと要素とは、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。要素は、制御システムを含んでもよい。実施形態では、制御システムと要素とは、物理的に結合されなくてもよい。制御は、有線制御及び/又は無線制御を介して行われることができる。用語「制御システム」はまた、特に機能的に結合されている複数の異なる制御システムを指す場合もあり、複数の異なる制御システムのうちの、例えば1つの制御システムが、マスター制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムが、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインタフェースを含んでもよく、又はユーザインタフェースに機能的に結合されてもよい。
【0119】
制御システムはまた、リモートコントローラからの命令を受信して実行するように構成されてもよい。実施形態では、制御システムは、スマートフォン又はI-phone、タブレットなどのような、ポータブルデバイスなどのデバイス上の、アプリを介して制御されてもよい。それゆえ、デバイスは、必ずしも照明システムに結合されてはおらず、(一時的に)照明システムに機能的に結合されてもよい。
【0120】
それゆえ、実施形態では、制御システムは(また)、リモートデバイス上のアプリによって制御されるように構成されてもよい。そのような実施形態では、照明システムの制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又は、スレーブモードにおいて制御してもよい。例えば、照明システムは、コード、特に対応の照明システムに関する固有コードにより、識別可能であってもよい。照明システムの制御システムは、(固有)コードの(光学センサ(例えば、QRコードリーダ)のユーザインタフェースによって入力された)知識に基づいて照明システムへのアクセスを有する、外部制御システムによって制御されるように構成されてもよい。照明システムはまた、Bluetooth、WIFI、LiFi、ZigBee、BLE、若しくはWiMax、又は別の無線技術などに基づいた、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を備えてもよい。
【0121】
システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード(operation mode)」又は「動作のモード」又は「動作モード(operational mode)」において、アクションを実行してもよい。用語「動作モード」はまた、「制御モード」として示される場合もある。同様に、方法においては、アクション、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード(operation mode)」又は「動作のモード」又は「動作モード(operational mode)」において実行されてもよい。このことは、システム、又は装置、又はデバイスがまた、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するように適合されてもよいことを排除するものではない。同様に、このことは、モードを実行する前に、及び/又はモードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行されてもよいことを排除し得ない。
【0122】
しかしながら、実施形態では、少なくとも制御モードを提供するように適合されている制御システムが、利用可能であってもよい。他のモードが利用可能である場合には、そのようなモードの選択は、特に、ユーザインタフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに応じてモードを実行することのような、他のオプションもまた可能であり得る。動作モードは、実施形態ではまた、単一の動作モード(すなわち、更なる調整可能性を有さない、「オン」)でのみ動作することが可能な、システム、又は装置、又はデバイスを指す場合もある。
【0123】
それゆえ、実施形態では、制御システムは、ユーザインタフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマーのうちの1つ以上に応じて制御してもよい。用語「タイマー」とは、クロック及び/又は所定の時間スキームを指す場合がある。
【0124】
窓要素の下流では、更なる光学素子が利用可能であってもよい。しかしながら、特定の実施形態では、更なる光学素子は、第1のルミネッセンス材料光及び第2のデバイス光の、それぞれのビームのビーム角に対して、実質的に影響を及ぼし得ない。しかしながら、他の実施形態では、更なる光学素子は、第1のルミネッセンス材料光及び第2のデバイス光の、それぞれのビームのビーム角に対して、影響を及ぼし得る。特定の実施形態では、レンズ、コリメータ、CPCなどのような、コリメート光学素子は、第1の窓要素の下流に構成されてもよい。上述のように、第2のデバイス光のビームは、第1のルミネッセンス材料光(及び、オプションとして第1のデバイス光)のビームよりも広いもの(より大きいFWHM)であってもよい。特定の実施形態では、単一の光学要素が、第1の窓要素及び第2の窓要素の双方の下流に構成されている。
【0125】
また更なる態様では、本発明はまた、システム光のビームのビーム形状を制御する方法であって、例えば上記で定義されたような光生成システムの、第1の光生成デバイス及び第2の光生成デバイスを制御するステップを含む、方法も提供する。
【0126】
光生成システムは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己点灯ディスプレイシステム、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータ標識システム、装飾用照明システム、ポータブルシステム、自動車用アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸用照明、デジタル投影、又はLCDバックライトの一部であってもよく、若しくは、それらに適用されてもよい。光生成システム(又は、照明器具)は、例えば光通信システム又は消毒システムの一部であってもよく、若しくはそれらに適用されてもよい。
【0127】
用語「可視」、「可視光」、又は「可視発光」、及び同様の用語は、約380~780nmの範囲の1つ以上の波長を有する光を指す。本明細書では、UVは特に、200~380nmの範囲から選択される波長を指す場合がある。
【0128】
用語「光」及び「放射線」は、本明細書では、用語「光」が可視光のみを指すことが文脈から明らかではない限り、互換的に使用される。それゆえ、用語「光」及び「放射線」は、UV放射線、可視光、及びIR放射線を指す場合がある。特に照明用途に関する、特定の実施形態では、用語「光」及び「放射線」は、(少なくとも)可視光を指す。
【0129】
用語「紫色光」又は「紫色発光」は、特に、約380~440nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「青色光」又は「青色発光」は、特に、約440~495nmの範囲の波長を有する(ある程度の紫色及びシアン色の色相を含む)光に関連する。用語「緑色光」又は「緑色発光」は、特に、約495~570nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「黄色光」又は「黄色発光」は、特に、約570~590nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「橙色光」又は「橙色発光」は、特に、約590~620nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「赤色光」又は「赤色発光」は、特に、約620~780nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「ピンク色光」又は「ピンク色発光」は、青色成分及び赤色成分を有する光を指す。用語「シアン色」は、約490~520nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指す場合がある。用語「琥珀色」は、約585~605nm、例えば約590~600nmの範囲から選択される1つ以上の波長を指す場合がある。語句「或る波長範囲の1つ以上の波長を有する光」及び同様の語句は特に、示されている光(又は、放射線)が、示されている波長範囲の、これらの1つ以上の波長において少なくとも強度を有する、スペクトルパワー分布を有することを示し得る。例えば、青色発光固体光源は、440~495nmの波長範囲の1つ以上の波長において強度を有する、スペクトルパワー分布を有することになる。
【0130】
また更なる態様では、本発明はまた、本明細書で定義されるような光生成システムを備える、ランプ又は照明器具も提供する。照明器具は、ハウジング、光学要素、ルーバーなどを更に備えてもよい。ランプ又は照明器具は、光生成システムを包囲するハウジングを更に備えてもよい。ランプ又は照明器具は、ハウジング内の光窓、又はハウジング開口部を備えてもよく、システム光は、それらを通ってハウジングから抜け出てもよい。また更なる態様では、本発明はまた、本明細書で定義されるような光生成システムを備える、投影デバイスも提供する。特に、投影デバイス又は「プロジェクタ」又は「画像プロジェクタ」は、例えば投影スクリーンなどの表面上に画像(又は、動画)を投影する、光学デバイスであってもよい。投影デバイスは、本明細書で説明されるような1つ以上の光生成システムを含んでもよい。それゆえ、一態様では、本発明はまた、本明細書で定義されるような光生成システムを備える、ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスの群から選択される照明デバイスも提供する。照明デバイスは、光生成システムの1つ以上の要素を収容若しくは支持するように構成されている、ハウジング又は支持体を備えてもよい。例えば、実施形態では、照明デバイスは、第1の光生成デバイス、第2の光生成デバイス、及び窓要素のうちの1つ以上を収容若しくは支持するように構成されている、ハウジング又は支持体を備えてもよい。
【0131】
照明デバイス又は照明システムは、デバイス光(又は「照明デバイス光」)又はシステム光(又は「照明システム光」)を生成するように構成されてもよい。上述のように、光及び放射線という用語は、互換的に使用される場合がある。
【0132】
照明システムは、光源を備えてもよい。システム光は、実施形態では、光源光及び(ルミネッセンス材料光などの)変換された光源光のうちの1つ以上を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0133】
ここで、本発明の実施形態が、添付の概略図面を参照して例としてのみ説明され、図面中、対応する参照記号は、対応する部分を示す。
図1】一実施形態を概略的に示す。
図2a】いくつかの態様を概略的に示す。
図2b】いくつかの態様を概略的に示す。
図3】いくつかの更なる実施形態を概略的に示す。
【0134】
概略図面は、必ずしも正しい縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0135】
図1は、第1の光生成デバイス110、第2の光生成デバイス120、第1のルミネッセンス材料210、窓要素400、及び光混合チャンバ500を備える、光生成システム1000の一実施形態を概略的に示す。
【0136】
第1の光生成デバイス110は、(光混合チャンバ500内に)第1のデバイス光111を供給するように構成されてもよい。第1の光生成デバイス110は、レーザ及びスーパールミネッセントダイオードのうちの1つ以上を含み得る。参照符号415は、第1のデバイス光の実質的な部分を第1のルミネッセンス材料210に供給するために使用されてもよい、光学素子を指す。それゆえ、第1のデバイス光211の実質的な部分は、中間反射することなく第1のルミネッセンス材料210によって受光されてもよい。
【0137】
第2の光生成デバイス120は、(光混合チャンバ500内で)第2のデバイス光121を生成するように構成されてもよい。第2の光生成デバイス120は、固体光源を含み得る。第2の光生成デバイス120は、1つ以上のLEDを含み得る。
【0138】
実施形態では、第2のデバイス光121は、白色光であってもよい。
【0139】
光混合チャンバ500は、窓要素400によって少なくとも部分的に画定されてもよい。
【0140】
窓要素400は、(i)第1のルミネッセンス材料210を有する第1の窓要素部分410を含んでもよい。第1の窓要素部分410は、第1の光生成デバイス110及び(ii)第2の窓要素部分420と、受光関係にあるように構成されてもよい。第2の窓要素部分420は、第2のデバイス光121に対して半透明であってもよい。第2の窓要素部分420は、第2の光生成デバイス120と受光関係にあるように構成されてもよい。第1の窓要素部分410と第2の窓要素部分420とは、互いに熱接触するように構成されてもよい。第1の窓要素部分410と第2の窓要素部分420とは、材料組成が異なっていてもよい。第2の窓要素部分420は、例えば、粒子又は粒界のような散乱要素425を有してもよい。それゆえ、第2の窓要素は、第2の窓要素部分に半透明特性をもたらし得る、何らかの散乱要素425を含む、本質的に透明な材料で構成されてもよい。
【0141】
参照符号401は、窓要素の上流面を示し、参照符号402は、窓要素の下流面を示す。参照符号411及び参照符号412は、それぞれ、第1の窓要素部分410の上流面及び下流面を示す。それらの面411、412間の距離は、参照符号h1で示され得る。実施形態では、第1の窓要素部分410の断面積A1の少なくとも50%、例えば少なくとも70%にわたって、上流面411と下流面412とは平行に構成されてもよい。
【0142】
参照符号W1は、第1の窓要素部分410の幅を示し、参照符号W2は、第2の窓要素部分420の幅を示す。断面積は、それぞれの幅に平行に(及び、それぞれの窓要素部分の法線に垂直に)構成されてもよい。参照符号Oは、システム1000の光軸を示す。法線は、光軸Oに平行に構成されてもよい。
【0143】
第1のルミネッセンス材料210は、第1のデバイス光111の少なくとも一部を、第1のルミネッセンス材料光211に変換するように構成されてもよい。
【0144】
第1の窓要素部分410は、第1のデバイス光111の一部を透過させるように構成されてもよい。
【0145】
光生成システム1000の動作モードにおいて、第1の光生成デバイス110及び第1のルミネッセンス材料210は、第1の窓要素部分410の下流側416から発出する白色光を生成するように構成されてもよい。白色光は、第1のルミネッセンス材料光211及び透過された第1のデバイス光111を含んでもよい。
【0146】
実施形態では、第1の光生成デバイス110は、青色の第1のデバイス光111を生成するように構成されてもよい。
【0147】
特定の実施形態では、第1のルミネッセンス材料210は、第1のデバイス光111の少なくとも一部を、530~750nmの波長範囲から選択される1つ以上の波長において強度を有する、第1のルミネッセンス材料光211に変換するように構成されてもよい。
【0148】
第1の窓要素部分410は、第1の窓要素部分410に到達する第1のデバイス光111の、1%未満を透過させるように構成されてもよい。光生成システム1000の動作モードにおいて、第1の光生成デバイス110及び第1のルミネッセンス材料210は、第1の窓要素部分410の下流側416から発出する白色光を生成するように構成されてもよい。特に、白色光は、第1のルミネッセンス材料光211を含んでもよい。
【0149】
実施形態では、第2の窓要素部分420は、(i)第2のデバイス光121の垂直放射下で、第2のデバイス光121の少なくとも30%を透過させるように構成されてもよく、及び/又は(ii)第2のデバイス光121の垂直放射下で、第2のデバイス光121の少なくとも30%を反射するように構成されてもよい。
【0150】
実施形態では、第1の窓要素部分410は、セラミック体を含んでもよく、及び/又は、第2の窓要素部分420は、セラミック体を含んでもよい。
【0151】
実施形態では、第1の窓要素部分410と第2の窓要素部分420とは、反射要素430によって少なくとも部分的に(光学的に)分離されている。
【0152】
実施形態では、反射要素430は、最大1μmの厚さ(d1)を有し得る。実施形態では、反射要素430は、第1の窓要素部分410及び/又は第2の窓要素部分420よりも高い熱伝導率を有してもよい。反射要素430は、光学的分離要素の一実施形態である。
【0153】
特定の実施形態では、反射要素430は、アルミニウム、銀、及び銅のうちの1つ以上を含み得る。
【0154】
実施形態では、第1の窓要素部分410は、第1の高さh1を有してもよく、第2の窓要素部分420は、第2の高さh2を有する。特定の実施形態では、h1<h2である。
【0155】
特に、第2の窓要素部分420は、第1の窓要素部分410の下流側416に構成されている第2の窓要素キャビティ440を画定してもよい。参照符号h3は、第2の窓要素キャビティ440の高さ又は深さを示す。
【0156】
特定の実施形態では、第2の窓要素キャビティ440は、反射器キャビティとして構成されてもよい。特に、第2の窓要素キャビティ440の光入射側441に、第1の窓要素部分410の少なくとも一部が構成されてもよい。概略的に示されているように、第2の窓要素キャビティの光入射側は、実施形態では、第1の窓要素410の下流面412と本質的に一致してもよい。
【0157】
実施形態では、第1の窓要素部分410は、第1の断面積A1を有し得る。更には、実施形態では、第2の窓要素部分420は、第2の断面積A2を有し得る。特に、0.001≦A1/A2≦0.1である。
【0158】
特定の実施形態では、光生成システム1000は、(第1の窓要素部分410及び/又は第2の窓要素部分420よりも高い熱伝導率を有する)熱伝導要素600を更に備えてもよい。特に、光混合チャンバ500は、熱伝導要素600によって部分的に画定されてもよい。更には、実施形態では、熱伝導要素600は、ヒートシンク、ヒートパイプ、及びヒートスプレッダのうちの1つ以上を含んでもよく、あるいは、ヒートシンク、ヒートパイプ、及びヒートスプレッダのうちの1つ以上に熱的に結合されてもよい。
【0159】
光生成システム1000は、単一のデバイス又はモジュール内に全ての要素が統合されている、光パッケージが提供されてもよい。
【0160】
概略的に示されているように、実施形態では、光生成システム1000は、制御システム300を更に備えてもよい。特に、制御システム300は、第1の光生成デバイス110及び第2の光生成デバイス120を制御することによって、光生成システムから発出するシステム光1001のビーム形状を制御するように構成されてもよい。
【0161】
一態様では、本発明はまた、システム光1001のビームのビーム形状を制御するための方法であって、光生成システム1000の、第1の光生成デバイス110及び第2の光生成デバイス120を制御するステップを含む、方法も提供する。
【0162】
それゆえ、そのような光生成システムの場合、制御可能な空間的パワー分布がもたらされ得る。
【0163】
図2aは、第1の窓要素部分410、第2の窓要素部分420、及び第1の窓要素部分410と第2の窓要素部分420とを光学的に分離するために使用されてもよいオプションの中間反射要素430を含む、窓要素400のいくつかの上面図を概略的に示す。それぞれの断面積A1及び断面積A2が示されている。窓要素400の総断面積は、A3として定義され得る。
【0164】
図2bは、第1のルミネッセンス材料光211のビームに関するビーム角α1と、第2のデバイス光のビームに関するビーム角α2とで示されている、ビーム幅が異なり得ること、特に、前者が後者よりも小さいことを概略的に示す。ビーム角は、半値全幅によって定義され得る。
【0165】
実施形態では、第1の窓要素からの光は、≦6°のFWHM(半値全幅)、好ましくは≦5°、より好ましくは≦4°、最も好ましくは≦3°のFWHMにコリメートされてもよい。それゆえ、α1は、最大6°であってもよい。典型的には、第2の窓要素からの光は、≧7°のFWHM、例えば、特に≧10°、より好ましくは≧15°、最も好ましくは≧20°、例えば25°のFWHMなどにコリメートされてもよい。それゆえ、α2は、最小6°であってもよい。コリメーションは、例えば、参照符号450で示されているレンズ又は他の光学要素を使用して達成されてもよい。光学素子450は、比較的狭いビームを供給するために使用されてもよい。光学素子は、実施形態では、レンズ、反射器、コリメータ、複合放物面集光型光学要素などの、コリメート光学素子を含み得る。上述のように、特定の実施形態では、単一の光学要素が、第1の窓要素及び第2の窓要素の双方の下流に構成されている。
【0166】
参照符号421及び参照符号422は、それぞれ、第2の窓要素部分420の上流面及び下流面を示す。それらの面421、422間の距離は、参照符号h2で示され得る。実施形態では、第2の窓要素部分420の断面積A2の少なくとも50%、例えば少なくとも70%にわたって、上流面421と下流面422とは平行に構成されてもよい。
【0167】
図3は、上述のような光生成システム1000を備える、照明器具2の一実施形態を概略的に示す。参照符号301は、光生成システム1000によって含まれているか又は光生成システム1000に機能的に結合されている制御システム300と機能的に結合されてもよい、ユーザインタフェースを示す。図3はまた、光生成システム1000を備えるランプ1の一実施形態も概略的に示す。参照符号3は、壁などに画像を投影するために使用されてもよい、プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムを示し、これもまた光生成システム1000を備えてもよい。それゆえ、図3は、本明細書で説明されるような光生成システム1000を備える、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス3、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスの群から選択される照明デバイス1200の実施形態を概略的に示している。実施形態では、そのような照明デバイスは、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス3、消毒デバイス、又は光無線通信デバイスであってもよい。照明デバイス1200から抜け出る照明デバイス光は、参照符号1201で示されている。照明デバイス光1201は、システム光1001から本質的に成るものであってもよく、それゆえ、特定の実施形態では、システム光1001であってもよい。
【0168】
用語「複数」は、2つ以上を指す。
【0169】
本明細書の用語「実質的に(substantially)」又は「本質的に(essentially)」、及び同様の用語は、当業者には理解されるであろう。用語「実質的に」又は「本質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態も含み得る。それゆえ、実施形態では、実質的に又は本質的にという形容詞はまた、削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」又は用語「本質的に」はまた、95%以上、特に99%以上、更により特定的には99.5%以上などの、100%を含めた90%以上にも関連し得る。
【0170】
用語「備える(comprise)」は、用語「備える(comprises)」が「から成る(consists of)」を意味する実施形態もまた含む。
【0171】
用語「及び/又は」は、特に、「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関連する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関連する場合もある。用語「含む(comprising)」は、一実施形態では、「から成る(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義されている種、及びオプションとして1つ以上の他の種を包含する」も指す場合がある。
【0172】
更には、明細書本文及び請求項での、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されるもの以外の、他の順序での動作が可能である点を理解されたい。
【0173】
本明細書では、デバイス、装置、又はシステムは、とりわけ、動作中について説明されてもよい。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法、又は動作中のデバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0174】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。
【0175】
請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0176】
動詞「備える、含む(to comprise)」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。文脈が明らかにそうではないことを必要としない限り、明細書本文及び請求項の全体を通して、単語「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」などは、排他的又は網羅的な意味ではなく包括的な意味で、すなわち、「含むが、限定されない」という意味で解釈されたい。
【0177】
要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。
【0178】
本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙する、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。また更なる態様では、本発明は(それゆえ)、コンピュータ上で実行されると、本明細書で説明されるような方法(の1つ以上の実施形態)を引き起こすことが可能な、ソフトウェア製品を提供する。
【0179】
本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得るか、又は、本明細書で説明される方法若しくはプロセスを実行し得る、制御システムも提供する。また更には、本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムに機能的に結合されているか、又は、デバイス、装置、若しくはシステムによって含まれている、コンピュータ上で実行されると、そのようなデバイス、装置、若しくはシステムの1つ以上の制御可能要素を制御する、コンピュータプログラム製品も提供する。
【0180】
本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイス、装置、若しくはシステムに適用される。本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0181】
本特許で論じられている様々な態様は、更なる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。更には、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。更には、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。
図1
図2A
図2B
図3