IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤマザキマザック株式会社の特許一覧

特許7604707カートリッジ、テーブル回転装置、および、工作機械
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】カートリッジ、テーブル回転装置、および、工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/01 20060101AFI20241216BHJP
   B23Q 1/54 20060101ALI20241216BHJP
   B23Q 16/02 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
B23Q1/01 T
B23Q1/54
B23Q16/02 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024104507
(22)【出願日】2024-06-28
【審査請求日】2024-10-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114787
【氏名又は名称】ヤマザキマザック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】坂井 宣博
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-160642(JP,A)
【文献】特開2022-190452(JP,A)
【文献】特開2005-138275(JP,A)
【文献】特開2006-110682(JP,A)
【文献】特開2022-090594(JP,A)
【文献】特開2022-066979(JP,A)
【文献】中国実用新案第208231290(CN,U)
【文献】特開2003-266275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/01、48、54
B23Q 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを支持するテーブルが取り付けられる取付部と、ベアリングとを含み、第1軸まわりに回転可能な回転体と、
前記ベアリングに駆動力を伝達し、前記回転体を前記第1軸まわりに回転させるローラギアカムと、
前記ローラギアカムを駆動させる第1モータと、
前記回転体と、前記ローラギアカムと、前記第1モータとを支持している状態で、傾動軸まわりに傾動可能なチルトベースに取り付け可能な支持部材と
を含む
カートリッジ。
【請求項2】
前記支持部材は、オイルを貯留するオイル室を備え、
前記ローラギアカムは、
第2軸に沿って延在するギアシャフトと、
前記ギアシャフトの外周面に螺旋状に配置され、前記ベアリングを押圧する突条部と
を備え、
前記突条部、および、前記ベアリングのうちの少なくとも一つは、前記オイル室に配置される
請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
カートリッジと、
傾動軸まわりに傾動可能なチルトベースと
を含み、
前記カートリッジは、
ワークを支持するテーブルが取り付けられる取付部と、ベアリングとを含み、第1軸まわりに回転可能な回転体と、
前記ベアリングに駆動力を伝達し、前記回転体を前記第1軸まわりに回転させるローラギアカムと、
前記ローラギアカムを駆動させる第1モータと、
前記回転体と、前記ローラギアカムと、前記第1モータとを支持している状態で、前記チルトベースに取り付け可能な支持部材と
を含み、
前記チルトベースは、前記ローラギアカム、前記第1モータ、および、前記回転体を受容する凹み部を備え、
前記凹み部への前記ローラギアカムの挿入方向を第1方向と定義するとき、前記第1方向に沿う方向に見て、前記支持部材の外周縁の内側に、前記回転体、前記ローラギアカム、および、前記第1モータが配置されている
テーブル回転装置。
【請求項4】
前記第1軸に沿う方向に見て、前記支持部材の前記外周縁の内側に、前記回転体、前記ローラギアカム、および、前記第1モータが配置されている
請求項3に記載のテーブル回転装置。
【請求項5】
前記カートリッジは、
前記第1モータの動力を前記ローラギアカムに伝達する歯車と、
前記歯車の位置を調整する調整部材と、
前記ローラギアカムの回転をロックするロック部材と
を含み、
前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記主開口部とは別の副開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記副開口部を覆うカバーを含み、
前記カバーが前記副開口部から取り外された状態において、前記チルトベースの外から前記副開口部を介して、前記第1モータ、前記歯車、前記調整部材、および、前記ロック部材のうちの少なくとも一つを視認可能である
請求項3または4に記載のテーブル回転装置。
【請求項6】
前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記第1モータが通過可能なサイズを有し、前記第1モータへのアクセスを許容する第1開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記第1開口部を覆う第1カバーを含む
請求項3または4に記載のテーブル回転装置。
【請求項7】
前記回転体は、流体が通過する流路が設けられた回転シャフトを含み、
前記カートリッジは、前記支持部材の底壁に形成された開口部を閉鎖する閉鎖部を含み、
前記閉鎖部には、前記流路に流体的に連通するポートが配置され、
前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記閉鎖部へのアクセスを許容する第2開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記第2開口部を覆う第2カバーを含む
請求項3または4に記載のテーブル回転装置。
【請求項8】
前記カートリッジは、前記第1モータの動力を前記ローラギアカムに伝達する歯車を含み、
前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記歯車へのアクセスを許容する第3開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記第3開口部を覆う第3カバーを含む
請求項3または4に記載のテーブル回転装置。
【請求項9】
前記支持部材は、オイルを貯留するオイル室を備え、
前記ローラギアカムは、
第2軸に沿って延在するギアシャフトと、
前記ギアシャフトの外周面に螺旋状に配置され、前記ベアリングを押圧する突条部と
を備え、
前記突条部、前記ベアリング、および、前記歯車のうちの少なくとも一つは、前記オイル室に配置される
請求項8に記載のテーブル回転装置。
【請求項10】
前記カートリッジは、前記ローラギアカムの回転をロックするロック部材を含み、
前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記ロック部材へのアクセスを許容する第4開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記第4開口部を覆う第4カバーを含む
請求項3または4に記載のテーブル回転装置。
【請求項11】
前記支持部材は、
前記チルトベースに取り付けられる板部と、
前記板部から前記チルトベースの底部に向かって突出し、前記ローラギアカムを支持する第1支持部と、
前記板部から前記チルトベースの前記底部に向かって突出し、前記第1モータを支持する第2支持部と、
前記板部から前記チルトベースの前記底部に向かって突出し、前記回転体を支持する第3支持部と
を備える
請求項3または4に記載のテーブル回転装置。
【請求項12】
前記第1軸に平行な方向に見て、前記カートリッジは、略長方形形状を備える
請求項3または4に記載のテーブル回転装置。
【請求項13】
第1閉鎖部材を更に含み、
前記ローラギアカムは、
第2軸に沿って延在するギアシャフトと、
前記ギアシャフトの外周面に螺旋状に配置され、前記ベアリングを押圧する突条部と
を備え、
前記支持部材は、
オイルを貯留するオイル室と、
前記オイル室と流体的に連通する第1貫通孔部と
を備え、
前記チルトベースは、第2貫通孔部を備え、
前記第1閉鎖部材は、前記第2貫通孔部に挿入され、前記第1貫通孔部を塞ぐ
請求項3または4に記載のテーブル回転装置。
【請求項14】
前記第1閉鎖部材の少なくとも一部は、前記オイルを視認可能なように透明部材によって構成される
請求項13に記載のテーブル回転装置。
【請求項15】
ワークを加工する工具を支持し、前記工具を回転させる回転駆動装置を含む加工ヘッドと、
前記加工ヘッドを前記ワークに対して相対移動させる移動装置と、
前記ワークを支持するテーブルと、第1モータを含むカートリッジと、チルトベースと、前記チルトベースを傾動可能に支持する支持台と、前記チルトベースを前記支持台に対して傾動軸まわりに傾動させる第2モータと、を含むテーブル回転装置と、
前記回転駆動装置と、前記移動装置と、前記第1モータと、前記第2モータとを制御する制御装置と
を含み、
前記カートリッジは、
前記テーブルが取り付けられる取付部と、ベアリングとを含み、第1軸まわりに回転可能な回転体と、
前記ベアリングに駆動力を伝達し、前記回転体を前記第1軸まわりに回転させるローラギアカムと、
前記ローラギアカムを駆動させる前記第1モータと、
前記回転体と、前記ローラギアカムと、前記第1モータとを支持している状態で、前記チルトベースに取り付け可能な支持部材と
を含み、
前記チルトベースは、前記ローラギアカム、前記第1モータ、および、前記回転体を受容する凹み部を備え、
前記凹み部への前記ローラギアカムの挿入方向を第1方向と定義するとき、前記第1方向に沿う方向に見て、前記支持部材の外周縁の内側に、前記回転体、前記ローラギアカム、および、前記第1モータが配置されている
工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ、テーブル回転装置、および、工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークを支持する回転テーブルを回転させる回転テーブル装置が知られている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、傾斜回転テーブル装置が開示されている。特許文献1に記載の傾斜回転テーブル装置は、回転テーブル装置を備える。回転テーブル装置は、第1モータによって回転駆動される被駆動回転軸と、被駆動回転軸によって回転駆動される回転テーブルと、回転テーブルを回転自在に支持する支持台と、を備える。また、被駆動回転軸は、ローラギアカムを備え、回転テーブルは、カムフォロアを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-138275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、テーブル回転装置の組み立てを容易にするカートリッジ、テーブル回転装置、および、工作機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、以下に示すカートリッジ、テーブル回転装置、および、工作機械に関する。
【0007】
(1)ワークを支持するテーブルが取り付けられる取付部と、ベアリングとを含み、第1軸まわりに回転可能な回転体と、
前記ベアリングに駆動力を伝達し、前記回転体を前記第1軸まわりに回転させるローラギアカムと、
前記ローラギアカムを駆動させる第1モータと、
前記回転体と、前記ローラギアカムと、前記第1モータとを支持している状態で、傾動軸まわりに傾動可能なチルトベースに取り付け可能な支持部材と
を含む
カートリッジ。
(2)前記支持部材は、オイルを貯留するオイル室を備え、
前記ローラギアカムは、
第2軸に沿って延在するギアシャフトと、
前記ギアシャフトの外周面に螺旋状に配置され、前記ベアリングを押圧する突条部と
を備え、
前記突条部、および、前記ベアリングのうちの少なくとも一つは、前記オイル室に配置される
上記(1)に記載のカートリッジ。
(3)カートリッジと、
傾動軸まわりに傾動可能なチルトベースと
を含み、
前記カートリッジは、
ワークを支持するテーブルが取り付けられる取付部と、ベアリングとを含み、第1軸まわりに回転可能な回転体と、
前記ベアリングに駆動力を伝達し、前記回転体を前記第1軸まわりに回転させるローラギアカムと、
前記ローラギアカムを駆動させる第1モータと、
前記回転体と、前記ローラギアカムと、前記第1モータとを支持している状態で、前記チルトベースに取り付け可能な支持部材と
を含み、
前記チルトベースは、前記ローラギアカム、前記第1モータ、および、前記回転体を受容する凹み部を備え、
前記凹み部への前記ローラギアカムの挿入方向を第1方向と定義するとき、前記第1方向に沿う方向に見て、前記支持部材の外周縁の内側に、前記回転体、前記ローラギアカム、および、前記第1モータが配置されている
テーブル回転装置。
(4)前記第1軸に沿う方向に見て、前記支持部材の前記外周縁の内側に、前記回転体、前記ローラギアカム、および、前記第1モータが配置されている
上記(3)に記載のテーブル回転装置。
(5)前記カートリッジは、
前記第1モータの動力を前記ローラギアカムに伝達する歯車と、
前記歯車の位置を調整する調整部材と、
前記ローラギアカムの回転をロックするロック部材と
を含み、
前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記主開口部とは別の副開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記副開口部を覆うカバーを含み、
前記カバーが前記副開口部から取り外された状態において、前記チルトベースの外から前記副開口部を介して、前記第1モータ、前記歯車、前記調整部材、および、前記ロック部材のうちの少なくとも一つを視認可能である
上記(3)または(4)に記載のテーブル回転装置。
(6)前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記第1モータが通過可能なサイズを有する第1開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記第1開口部を覆う第1カバーを含む
上記(3)または(4)に記載のテーブル回転装置。
(7)前記回転体は、流体が通過する流路が設けられた回転シャフトを含み、
前記カートリッジは、前記支持部材の底壁に形成された開口部を閉鎖する閉鎖部を含み、
前記閉鎖部には、前記流路に流体的に連通するポートが配置され、
前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記閉鎖部へのアクセスを許容する第2開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記第2開口部を覆う第2カバーを含む
上記(3)または(4)に記載のテーブル回転装置。
(8)前記カートリッジは、前記第1モータの動力を前記ローラギアカムに伝達する歯車を含み、
前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記歯車へのアクセスを許容する第3開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記第3開口部を覆う第3カバーを含む
上記(3)または(4)に記載のテーブル回転装置。
(9)前記支持部材は、オイルを貯留するオイル室を備え、
前記ローラギアカムは、
第2軸に沿って延在するギアシャフトと、
前記ギアシャフトの外周面に螺旋状に配置され、前記ベアリングを押圧する突条部と
を備え、
前記突条部、前記ベアリング、および、前記歯車のうちの少なくとも一つは、前記オイル室に配置される
上記(8)に記載のテーブル回転装置。
(10)前記カートリッジは、前記ローラギアカムの回転をロックするロック部材を含み、
前記チルトベースは、
前記カートリッジによって塞がれる主開口部と、
前記ロック部材へのアクセスを許容する第4開口部と
を備え、
前記チルトベースは、前記第4開口部を覆う第4カバーを含む
上記(3)または(4)に記載のテーブル回転装置。
(11)前記支持部材は、
前記チルトベースに取り付けられる板部と、
前記板部から前記チルトベースの底部に向かって突出し、前記ローラギアカムを支持する第1支持部と、
前記板部から前記チルトベースの前記底部に向かって突出し、前記第1モータを支持する第2支持部と、
前記板部から前記チルトベースの前記底部に向かって突出し、前記回転体を支持する第3支持部と
を備える
上記(3)乃至(10)のいずれか一つに記載のテーブル回転装置。
(12)前記第1軸に平行な方向に見て、前記カートリッジは、略長方形形状を備える
上記(3)乃至(11)のいずれか一つに記載のテーブル回転装置。
(13)第1閉鎖部材を更に含み、
前記ローラギアカムは、
第2軸に沿って延在するギアシャフトと、
前記ギアシャフトの外周面に螺旋状に配置され、前記ベアリングを押圧する突条部と
を備え、
前記支持部材は、
オイルを貯留するオイル室と、
前記オイル室と流体的に連通する第1貫通孔部と
を備え、
前記チルトベースは、第2貫通孔部を備え、
前記第1閉鎖部材は、前記第2貫通孔部に挿入され、前記第1貫通孔部を塞ぐ
上記(3)乃至(8)のいずれか一つに記載のテーブル回転装置。
(14)前記第1閉鎖部材の少なくとも一部は、前記オイルを視認可能なように透明部材によって構成される
上記(13)に記載のテーブル回転装置。
(15)ワークを加工する工具を支持し、前記工具を回転させる回転駆動装置を含む加工ヘッドと、
前記加工ヘッドを前記ワークに対して相対移動させる移動装置と、
前記ワークを支持するテーブルと、第1モータを含むカートリッジと、チルトベースと、前記チルトベースを傾動可能に支持する支持台と、前記チルトベースを前記支持台に対して傾動軸まわりに傾動させる第2モータと、を含むテーブル回転装置と、
前記回転駆動装置と、前記移動装置と、前記第1モータと、前記第2モータとを制御する制御装置と
を含み、
前記カートリッジは、
前記テーブルが取り付けられる取付部と、ベアリングとを含み、第1軸まわりに回転可能な回転体と、
前記ベアリングに駆動力を伝達し、前記回転体を前記第1軸まわりに回転させるローラギアカムと、
前記ローラギアカムを駆動させる前記第1モータと、
前記回転体と、前記ローラギアカムと、前記第1モータとを支持している状態で、前記チルトベースに取り付け可能な支持部材と
を含み、
前記チルトベースは、前記ローラギアカム、前記第1モータ、および、前記回転体を受容する凹み部を備え、
前記凹み部への前記ローラギアカムの挿入方向を第1方向と定義するとき、前記第1方向に沿う方向に見て、前記支持部材の外周縁の内側に、前記回転体、前記ローラギアカム、および、前記第1モータが配置されている
工作機械。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、テーブル回転装置の組み立てを容易にするカートリッジ、テーブル回転装置、および、工作機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態におけるカートリッジを模式的に示す概略斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態におけるカートリッジを模式的に示す概略断面図である。
図3図3は、第1の実施形態におけるカートリッジが、チルトベースに取り付けられる様子を模式的に示す概略斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態におけるカートリッジが、チルトベースに取り付けられた状態を模式的に示す概略斜視図である。
図5図5は、第1の実施形態におけるカートリッジを模式的に示す概略平面図である。
図6図6は、ローラギアカムとベアリングとの間の配置関係を模式的に示す図である。
図7図7は、第1の実施形態におけるカートリッジの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図8図8は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置を模式的に示す概略断面図である。
図9図9は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
図10図10は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置の一部分を模式的に示す概略斜視図である。
図11図11は、第1の実施形態の第1変形例におけるカートリッジを模式的に示す概略断面図である。
図12図12は、第1の実施形態におけるカートリッジを模式的に示す概略断面図である。
図13図13は、第1の実施形態におけるカートリッジの一部分を模式的に示す概略斜視図である。
図14図14は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置を模式的に示す概略斜視図である。
図15図15は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置を模式的に示す概略斜視図である。
図16図16は、複数のカバーが取り外された状態のチルトベースを模式的に示す概略斜視図である。
図17図17は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置の一部分を模式的に示す概略斜視図である。
図18図18は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置を模式的に示す概略斜視図である。
図19図19は、テーブル回転装置から第3カバーおよび閉鎖板が取り外された様子を模式的に示す概略斜視図である。
図20図20は、テーブル回転装置から第3カバーが取り外された様子を模式的に示す概略斜視図である。
図21図21は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置を模式的に示す概略斜視図である。
図22図22は、テーブル回転装置から第4カバーおよび蓋部材が取り外された様子を模式的に示す概略斜視図である。
図23図23は、テーブル回転装置から第4カバーが取り外された様子を模式的に示す概略斜視図である。
図24図24は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置を模式的に示す概略斜視図である。
図25図25は、図8において円Aで囲まれた領域の拡大図である。
図26図26は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
図27図27は、第2の実施形態におけるカートリッジが、チルトベースに取り付けられる様子を模式的に示す概略斜視図である。
図28図28は、第2の実施形態におけるカートリッジが、チルトベースに取り付けられる様子を模式的に示す概略斜視図である。
図29図29は、第2の実施形態におけるカートリッジが、チルトベースに取り付けられた状態を模式的に示す概略斜視図である。
図30図30は、第2の実施形態におけるカートリッジを模式的に示す概略平面図である。
図31図31は、第3の実施形態における工作機械を模式的に示す概略斜視図である。
図32図32は、第3の実施形態における工作機械を模式的に示す概略斜視図である。
図33図33は、制御装置が複数の制御対象機器を制御可能な様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態におけるカートリッジ10、テーブル回転装置1、および、工作機械100について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1乃至図26を参照して、第1の実施形態におけるカートリッジ10A、および、テーブル回転装置1Aについて説明する。図1は、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aを模式的に示す概略斜視図である。図2は、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aを模式的に示す概略断面図である。なお、図面の複雑化を避けるために、図2において、第1モータ31の内部構造の記載は省略されている。また、図2において、ローラギアカム21の突条部25の形状、および、ベアリング14の形状を把握し易くするために、突条部25およびベアリング14が概略平面図の形式で示されている。図3は、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aが、チルトベース61に取り付けられる様子を模式的に示す概略斜視図である。図4は、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aが、チルトベース61に取り付けられた状態を模式的に示す概略斜視図である。図5は、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aを模式的に示す概略平面図である。なお、図5において、第1モータ31、ローラギアカム21、および、ベアリング14の位置を把握し易くするために、第1モータ31、ローラギアカム21、および、ベアリング14が破線によって模式的に示されている。図6は、ローラギアカム21とベアリング14との間の配置関係を模式的に示す図である。図7は、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。図8は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aを模式的に示す概略断面図である。図9は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。図10は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aの一部分を模式的に示す概略斜視図である。図11は、第1の実施形態の第1変形例におけるカートリッジ10Aを模式的に示す概略断面図である。なお、図面の複雑化を避けるために、図11において、第1モータ31の内部構造の記載は省略されている。また、図11において、ローラギアカム21の突条部25の形状、および、ベアリング14の形状を把握し易くするために、突条部25およびベアリング14が概略底面図の形式で示されている。図12は、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aを模式的に示す概略断面図である。なお、図面の複雑化を避けるために、図12において、第1モータ31の内部構造の記載は省略されている。また、図12において、ローラギアカム21の突条部25の形状、および、ベアリング14の形状を把握し易くするために、突条部25およびベアリング14が概略平面図の形式で示されている。図13は、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aの一部分を模式的に示す概略斜視図である。図14は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。図15は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。図16は、複数のカバーが取り外された状態のチルトベース61を模式的に示す概略斜視図である。図17は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aの一部分を模式的に示す概略斜視図である。図18は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。図19は、テーブル回転装置1Aから第3カバーおよび閉鎖板が取り外された様子を模式的に示す概略斜視図である。図20は、テーブル回転装置1Aから第3カバーが取り外された様子を模式的に示す概略斜視図である。図21は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。図22は、テーブル回転装置1Aから第4カバーおよび蓋部材が取り外された様子を模式的に示す概略斜視図である。図23は、テーブル回転装置1Aから第4カバーが取り外された様子を模式的に示す概略斜視図である。図24は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。図25は、図8において円Aで囲まれた領域の拡大図である。図26は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
【0012】
図1および図2に例示されるように、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aは、回転体11と、ローラギアカム21と、第1モータ31と、支持部材41と、を含む。
【0013】
回転体11は、第1軸AX1まわりに回転可能である。回転体11は、ワークを支持するテーブルが取り付けられる取付部12(図1を参照。)と、ベアリング14(図2を参照。)と、を含む。図1に記載の例では、取付部12は、回転体11の頂部11uに配置されている。取付部12は、ボルトの軸部を受容する穴部12hを有していてもよい。図2に記載の例では、ベアリング14は、回転体11の側部に配置されている。
【0014】
図2に例示されるように、ローラギアカム21は、ベアリング14に駆動力を伝達する。また、ローラギアカム21は、回転体11を第1軸AX1まわりに回転させる。より具体的には、ローラギアカム21は、ベアリング14に駆動力を伝達することにより、回転体11を第1軸AX1まわりに回転させる。
【0015】
第1モータ31は、ローラギアカム21を駆動させる。より具体的には、第1モータ31は、ローラギアカム21を第2軸AX2(図2を参照。)まわりに回転駆動させる。
【0016】
図1に例示されるように、支持部材41は、回転体11と、ローラギアカム21と、第1モータ31と、を支持する。図3および図4に例示されるように、支持部材41は、傾動軸ATまわりに傾動可能なチルトベース61に取り付けられる。
【0017】
図3および図4に記載の例では、支持部材41が、回転体11と、ローラギアカム21と、第1モータ31とを支持している状態で、支持部材41をチルトベース61に取り付け可能である。
【0018】
第1の実施形態におけるカートリッジ10Aは、ベアリング14を含む回転体11と、ローラギアカム21と、第1モータ31と、これらを支持する支持部材41とを含む。よって、ローラギアカム、第1モータ、および、ベアリングを有する回転体を直接チルトベースに取り付ける場合と比較して、テーブル回転装置を容易に組み立てることができる。また、支持部材41はチルトベースよりも小さくて軽いため、その取り扱いが容易である。
【0019】
カートリッジ10Aは、チルトベース61よりも小型である。よって、ローラギアカム21等をカートリッジ10Aに取り付ける際に要する組立スペースは、ローラギアカム等をチルトベースに直接的に取り付ける際に要する組立スペースと比較して、小さくて済む。
【0020】
ダイレクトドライブモータを用いて回転体を回転させる場合には、ダイレクトドライブモータは、回転体と同心的に配置される。このため、回転体とダイレクトドライブモータとを一体化することに困難性はない。また、回転体とダイレクトドライブモータとが一体化されたユニットをチルトベースの円柱状の空間(すなわち、回転体の形状に概ね対応する空間)に挿入することに困難性はない。
【0021】
これに対して、ローラギアカム、および、ローラギアカムを駆動する第1モータは、ベアリングを含む回転体に対して偏心した位置に配置されるため、チルトベースの円柱状の空間への回転体の挿入と、チルトベースの上板の下方の空間へのローラギアカムおよび第1モータの挿入とを同時に実行することは不可能である。
【0022】
よって、従来、ローラギアカム、第1モータ、および、ベアリングを含む回転体のチルトベースへの取り付けは、それぞれ、独立して行われていた。これに対し、第1の実施形態では、ベアリング14を含む回転体11と、ローラギアカム21と、第1モータ31と、これらを支持する支持部材41とがカートリッジ化されている。この場合、テーブル回転装置の組み立てが容易化され、テーブル回転装置の組み立てが効率化される。
【0023】
図3および図4に例示されるように、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aは、上述のカートリッジ10Aと、傾動軸ATまわりに傾動可能なチルトベース61と、を含む。カートリッジ10Aについては説明済みであるため、カートリッジ10Aについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0024】
図3に記載の例では、チルトベース61は、ローラギアカム21、第1モータ31、および、回転体11を受容する凹み部63(より具体的には、ハウジング64)を備える。
【0025】
本明細書において、凹み部63へのローラギアカム21の挿入方向(より具体的には、ハウジング64の内部空間へのローラギアカム21の挿入方向)を第1方向DR1と定義する。図5に記載の例では、第1方向DR1に沿う方向に見て、支持部材41の外周縁41eの内側に、回転体11、ローラギアカム21、および、第1モータ31が配置されている。図5に例示されるように、第1方向DR1に沿う方向に見て、支持部材41の外周縁41eは、略長方形形状を有していてもよい。
【0026】
第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aでは、ベアリング14を含む回転体11と、ローラギアカム21と、第1モータ31と、これらを支持する支持部材41とを備えるカートリッジ10Aをチルトベース61に取り付けることにより、テーブル回転装置1Aを容易に組み立てることができる。
【0027】
第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aでは、第1方向DR1に沿う方向に見て、支持部材41の外周縁41eの内側に、回転体11、ローラギアカム21、および、第1モータ31が配置されている。よって、カートリッジ10Aを第1方向DR1に移動させることにより、ローラギアカム21と、第1モータ31と、回転体11の大部分とを、チルトベース61の凹み部63(より具体的には、ハウジング64の内部空間)に容易に挿入することができる。例えば、ローラギアカム21および第1モータ31を、チルトベース61の凹み部63に挿入する際に、支持部材41を傾動させなくてもよい。また、カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられた後、支持部材41そのものがローラギアカム21および第1モータ31を覆う部材として機能する。
【0028】
図5に記載の例では、第1軸AX1に沿う方向に見て、支持部材41の外周縁41eの内側に、回転体11、ローラギアカム21、および、第1モータ31が配置されている。この場合、カートリッジ10Aを第1軸AX1に沿う方向に移動させることにより、ローラギアカム21と、第1モータ31と、回転体11の大部分とを、チルトベース61の凹み部63(より具体的には、ハウジング64の内部空間)に容易に挿入することができる。例えば、ローラギアカム21および第1モータ31を、チルトベース61の凹み部63に挿入する際に、支持部材41を傾動させなくてもよい。また、カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられた後、支持部材41そのものがローラギアカム21および第1モータ31を覆う部材として機能する。図3、および、図4に記載の例では、第1軸AX1に沿う方向と、第1方向DR1とが実質的に平行である。
【0029】
回転体11を支持する部分、および、ローラギアカム21を支持する部分は高精度に作製されることが好ましい。図3および図4に記載の例では、カートリッジ10Aの支持部材41のサイズは、チルトベース61のサイズよりも小さいため、当該支持部材41を高精度に作製することが比較的容易である。また、図3および図4に記載の例では、チルトベース61は、ローラギアカム21等を間接的に支持するに過ぎないため、チルトベース61の作製に過度な精度が要求されない。よって、チルトベース61を作製する加工機に求められる要件が緩和される。これに対し、チルトベースがローラギアカムを直接的に支持する従来のテーブル回転装置の場合、チルトベースを、大型且つ高精度な加工機を用いて作製する必要があり、チルトベースを作製可能な加工機が限定される。
【0030】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図26を参照して、第1の実施形態(あるいは、後述の第2の実施形態)において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0031】
(ローラギアカム21、および、ベアリング14)
図2に記載の例では、ローラギアカム21は、第2軸AX2まわりに回転可能である。図6に例示されるように、ローラギアカム21は、第2軸AX2に沿って延在するギアシャフト23と、ギアシャフト23の外周面に螺旋状に配置される突条部25とを備える。突条部25は、ベアリング14を押圧する。図6に記載の例では、ギアシャフト23と突条部25とは一体的に形成されている。換言すれば、ギアシャフト23と突条部25とは、一体的に形成された1つの部品によって構成されている。ローラギアカム21は、ギアシャフト23と共に第2軸AX2まわりに回転するロータ26(図2を参照。)を含んでいてもよい。
【0032】
図6に記載の例では、ギアシャフト23の中央部23m(より具体的には、第2軸AX2に沿う方向におけるギアシャフト23の中央部23m)からギアシャフト23の一端部23aに向かうにつれて、突条部25のサイズが拡大する。より具体的には、ギアシャフト23の中央部23mからギアシャフト23の一端部23aに向かうにつれて、第2軸AX2と突条部25の外縁との間の距離が増加する。
【0033】
図6に記載の例では、ギアシャフト23の中央部23mからギアシャフト23の他端部23bに向かうにつれて、突条部25のサイズが拡大する。より具体的には、ギアシャフト23の中央部23mからギアシャフト23の他端部23bに向かうにつれて、第2軸AX2と突条部25の外縁との間の距離が増加する。
【0034】
図6に例示されるように、ギアシャフト23の一端部23aからギアシャフト23の他端部23bに向かう方向を第2方向DR2と定義し、第2方向DR2とは反対の方向を第5方向DR5と定義する。図6に記載の例では、突条部25は、ベアリング14を第2方向DR2に押圧する第1押圧面25aを有する。ギアシャフト23が第2軸AX2まわりに第1回転方向R1に回転するとき、第1押圧面25aは、ベアリング14(より具体的には、ベアリング14のローラ14r)を第2方向DR2に押圧する。図6に記載の例では、突条部25は、ベアリング14を第5方向DR5に押圧する第2押圧面25bを有する。ギアシャフト23が第2軸AX2まわりに第2回転方向R2(換言すれば、第1回転方向R1とは反対の方向)に回転するとき、第2押圧面25bは、ベアリング14(より具体的には、ベアリング14のローラ14r)を第5方向DR5に押圧する。
【0035】
図6に記載の例では、回転体11は、複数のベアリング14を含む。複数のベアリング14は、第1軸AX1まわりに、等角度間隔で配置されている。複数のベアリング14の各々は、ローラ14rを有する。ベアリング14のローラ14rは、ローラギアカム21の突条部25によって押圧され、当該ローラ14rは、突条部25(より具体的には、第1押圧面25a、または、第2押圧面25b)に対して転動する。図6に例示されるように、ベアリング14の各々は、ローラ14rと、ローラ14rを回転可能なように支持する軸部14aとを含んでいてもよい。図6に記載の例では、回転体11の一部を構成する内リング13が、ベアリング14を支持している。より具体的には、回転体11の一部を構成する内リング13が、軸部14aを介して、ローラ14rを支持している。代替的に、軸部14aはローラ14rと一体的に軸部14aの中心軸まわりに回転可能であってもよい。図6に記載の例では、ローラ14rの回転軸(より具体的には、軸部14aの延在方向)が、第1軸AX1と実質的に垂直である。
【0036】
図7に記載の例では、カートリッジ10Aは、ローラギアカム21の回転をロックするロック部材27を含む。ロック部材27は、油圧または空圧を用いてローラギアカム21の回転をロックしてもよい。
【0037】
図7に記載の例では、ロック部材27は、クランプ部材270を含む。クランプ部材270は、ローラギアカム21(より具体的には、ロータ26)に押圧力を作用させることにより(より具体的には、摩擦力を作用させることにより)、ローラギアカム21の回転をロックする。クランプ部材270は、オイルを受容するチャンバ271と、チャンバ271内の圧力が増加することに応じてローラギアカム21(より具体的には、ロータ26)を押圧する押圧面273とを備えていてもよい。
【0038】
(回転体11、および、外リング51)
図8に記載の例では、カートリッジ10Aは、回転体11と、回転体11を第1軸AX1まわりに回転可能に支持する外リング51と、を含む。また、カートリッジ10Aは、軸受53を含む。外リング51は、軸受53を介して、回転体11を第1軸AX1まわりに回転可能に支持する。
【0039】
図8に記載の例では、回転体11は、内リング13と、第1軸AX1に沿って延在する回転シャフト16と、を含む。内リング13は、外リング51の内側において、外リング51と同心的に配置される。内リング13は、テーブル95が取り付けられる取付部12を備える。内リング13と外リング51との間には、上述の軸受53が介在する。図8に記載の例では、外リング51は、支持部材41に固定されている。
【0040】
図8に記載の例では、回転シャフト16は、内リング13に固定されている。回転体11の回転シャフト16には、エア、オイル、あるいは、クーラント液等の流体が通過する流路17が設けられていてもよい。図9に記載の例では、回転シャフト16に、ワークを把持するチャックを作動させる作動流体(例えば、オイル)が通過する第1流路17aが設けられている。また、図9に記載の例では、回転シャフト16に、ワークに向けて放出されることとなるクーラント液が通過する第2流路17bが形成されている。
【0041】
図8に例示されるように、カートリッジ10Aは、固定シャフト55を含んでいてもよい。固定シャフト55は、上述の流体(例えば、エア、オイル、あるいは、クーラント液等)が流れる流路を備えていてもよい。より具体的には、固定シャフト55は、回転シャフト16に設けられた第1流路17a等の流路17に流体を供給する流路を備えていてもよい。図8に記載の例では、固定シャフト55の上端部が、内リング13と回転シャフト16との間に配置されている。図8に記載の例では、内リング13および回転シャフト16は、固定シャフト55に対して、第1軸AX1まわりに相対回転する。図8に記載の例では、内リング13が外リング51によって回転可能に支持され、回転シャフト16が、固定シャフト55によってガイドされる。このため、内リング13および回転シャフト16は、第1軸AX1まわりに安定的に回転することができる。固定シャフト55は、支持部材41に固定されていてもよい。
【0042】
図9に記載の例では、カートリッジ10Aは、支持部材41の底壁49wに配置される閉鎖部57を含む。閉鎖部57は、支持部材41の底壁49w(より具体的には、後述の第3支持部49の底壁49w)に形成された開口部49hを閉鎖する。閉鎖部57は、回転シャフト16の鉛直下方に配置される端板58を含んでいてもよい。
【0043】
図9に記載の例では、閉鎖部57は、固定シャフト55の底部55wと、固定シャフト55の底部55wに固定される端板58とによって構成されている。
【0044】
図9に記載の例では、閉鎖部57に、流路17に流体的に連通するポート18が配置されている。
【0045】
より具体的には、図9に記載の例では、閉鎖部57に、第1流路17aに流体的に連通する第1ポート18aが配置されている。代替的に、あるいは、付加的に、閉鎖部57に、第2流路17bに流体的に連通する第2ポート18bが配置されていてもよい。図10に例示されるように、第1ポート18aには、第1流路17aに作動流体を供給する第1管91aが接続される。第1管91aは、例えば、可撓管である。図10に例示されるように、第2ポート18bには、第2流路17bにクーラント液を供給する第2管91bが接続される。第2管91bは、例えば、可撓管である。
【0046】
第1モータ31は、出力軸31aを有する。図2に記載の例では、第1モータ31の出力軸31aは、第2軸AX2と平行である。代替的に、図11に例示されるように、第1モータ31の出力軸31aは、第2軸AX2と同軸であってもよい。更に代替的に、第1モータ31の出力軸が、傘歯車等を介して、ローラギアカム21に動力を伝達するように構成されていてもよい。この場合、第1モータ31の出力軸と、ローラギアカム21の回転軸(第2軸AX2)との間のなす角度が所定角度(例えば、90度)に設定される。
【0047】
図2に記載の例では、カートリッジ10Aは、第1歯車15aおよび第2歯車15bを含む複数の歯車15を備える。複数の歯車15は、第1モータ31の出力軸31aとローラギアカム21との間に介在される。より具体的には、複数の歯車15は、第1モータ31の出力軸31aから受け取る動力を、ローラギアカム21に伝達する。
【0048】
カートリッジ10Aは、歯車15(より具体的には、第1歯車15a)の位置を調整する調整部材32を含んでいてもよい。図2に記載の例では、調整部材32は、第1歯車15aの位置を調整することにより、第1歯車15aと第2歯車15bとの間のバックラッシュの大きさを調整する。例えば、調整部材32は偏心リング32rを含む。この場合、偏心リング32rが第1モータ31の出力軸31aまわりに回転されることにより、第1歯車15aの位置が調整される。こうして、第1歯車15aと第2歯車15bとの間のバックラッシュの大きさが調整される。
【0049】
カートリッジ10Aは、第1歯車15a等の歯車15を収容するギアボックス47gを含んでいてもよい。ギアボックス47gは、第1歯車15aおよび第2歯車15bを含む複数の歯車15を収容してもよい。図2に例示されるように、ギアボックス47g(あるいは、後述の第2支持部47)は、調整部材32へのアクセスを許容する開口部47hを有していてもよい。また、カートリッジ10Aは、当該開口部47hを覆う閉鎖板48を有していてもよい。
【0050】
(支持部材41)
図12に記載の例では、支持部材41は、オイルを貯留するオイル室41cを備える。オイル室41cには、ローラギアカム21の突条部25、および、ベアリング14のうちの少なくとも一つが配置される。オイル室41cには、ローラギアカム21の突条部25、ベアリング14、および、歯車15のうちの少なくとも一つが配置されてもよい。図12に記載の例では、ローラギアカム21の突条部25、および、ベアリング14が、当該オイル室41cに配置されている。また、歯車15が当該オイル室41cに配置されている。図12に記載の例では、カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられる前に、オイル室41cにオイルを注入することができる。よって、カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられる前に、オイル室41cからのオイル漏れの有無を検査することができる。カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられる前に、オイル室41cにオイルが注入され、且つ、ローラギアカム21が第1モータ31によって駆動されてもよい。この場合、カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられる前に、ローラギアカム21を含む機構の動作テストを行うことができる。
【0051】
図12に記載の例では、オイル室41cは、ローラギアカム21の突条部25、および、ベアリング14が配置される第1室411cを含む。また、オイル室41cは、歯車15が配置される第2室412cを含む。図12に記載の例では、第1室411cと第2室412cとが、支持部材41に形成された連通穴410hを介して、流体的に接続されている。図12に記載の例では、第1室411cは、後述の第1支持部45および第3支持部49によって規定されている。また、図12に記載の例では、第2室412cは、後述の第2支持部47(より具体的には、ギアボックス47g)によって規定されている。
【0052】
図12に記載の例では、第1室411cと第2室412cとが流体的に連通し、第1室411cおよび第2室412cの各々は、オイル室41cの一部を構成する。代替的に、第1室411cと第2室412cとが流体的に隔離され、第1室411cおよび第2室412cのうちの一方のみにオイルが貯留されてもよい。例えば、ローラギアカム21の突条部25、ベアリング14、および、歯車15のうち、ローラギアカム21の突条部25、および、ベアリング14のみがオイル室41cに配置されてもよい。代替的に、ローラギアカム21の突条部25、ベアリング14、および、歯車15のうち、歯車15のみがオイル室41cに配置されてもよい。
【0053】
図11に例示されるように、第2室は省略されてもよい。図11に記載の例では、オイル室41cに、ローラギアカム21の突条部25、および、ベアリング14が配置されているが、当該オイル室41cに、歯車は配置されていない。
【0054】
図3に記載の例では、支持部材41は板部42を備える。板部42は、チルトベース61に取り付けられる。図3に記載の例では、板部42は、第1軸AX1に略垂直な方向に延在する。また、板部42の厚さ方向は、第1軸AX1に実質的に平行である。本明細書において、第1軸AX1に垂直、且つ、板部42の長手方向に沿う方向を第3方向DR3と定義する。図5に記載の例では、第3方向DR3は、第1軸AX1に垂直、且つ、第1軸AX1から後述のウイング部44に向かう方向と一致する。また、図5に記載の例では、第3方向DR3は、第1軸AX1に垂直、且つ、第1軸AX1からローラギアカム21の中央部(より具体的には、ギアシャフト23の中央部23m)に向かう方向と一致する。本明細書において、第3方向DR3とは反対の方向を第4方向DR4と定義する。
【0055】
図5に記載の例では、板部42の幅方向は、第2方向DR2(換言すれば、ギアシャフト23の一端部23aからギアシャフト23の他端部23bに向かう方向)に実質的に平行である。
【0056】
図5に記載の例では、カートリッジ10A(より具体的には、板部42)は、第1軸AX1に平行な方向に見て、細長形状(より具体的には、略長方形形状)を備える。図5に記載の例では、板部42の長さ寸法L1を板部42の幅寸法W1で除して得られる値(すなわち、L1/W1)が、1.2以上、1.3以上、あるいは、1.4以上である。また、板部42の長さ寸法L1を板部42の幅寸法W1で除して得られる値(すなわち、L1/W1)が、1.5以下、2以下、あるいは、2.5以下である。
【0057】
図5に記載の例では、第1軸AX1から板部42の第3方向DR3側の端までの距離L2は、第1軸AX1から板部42の第4方向DR4側の端までの距離L3よりも大きい。第1軸AX1から板部42の第3方向DR3側の端までの距離L2を、第1軸AX1から板部42の第4方向DR4側の端までの距離L3で除して得られる値(すなわち、L2/L3)は、例えば、1.5以上、2以上、あるいは、2.5以上である。距離L2が大きいことにより、板部42の第3方向DR3側の部分(後述のウイング部44)の下方に、第1モータ31等を配置することができる。また、距離L3が小さいことにより、板部42のサイズが過大とならない。
【0058】
図13に記載の例では、板部42は、回転体11が内挿される孔部43hを規定する主部43と、第1モータ31を覆うウイング部44とを備える。図13に記載の例では、ウイング部44は、主部43よりも第3方向DR3側に配置されている。図13に記載の例では、板部42は、回転体11が内挿される円形の孔部43hを備える。
【0059】
図3および図4に記載の例において、板部42の外周縁部は、ハウジング64の縁部641に載置される。より具体的には、板部42の矩形状の外周縁部が、ハウジング64の矩形状の縁部641に載置される。図13に記載の例では、板部42は、四方に自由端部42fを有し、これらの自由端部42fがハウジング64の縁部641(図3を参照。)に載置される。
【0060】
図3に記載の例では、支持部材41は、板部42から下方に突出する第1支持部45を備える。より具体的には、支持部材41は、板部42から第1方向DR1に突出する第1支持部45を備える。第1支持部45は、ローラギアカム21を支持する。第1支持部45は、板部42からチルトベース61の底部61wに向かって突出する。
【0061】
第1支持部45と板部42とが、一体成形により連結されていてもよい。この場合、板部42と第1支持部45との連結部に隙間が形成されず、オイル室41cから当該連結部を介してオイルが漏出しない。代替的に、第1支持部45は、固定具を介して、板部42に固定されてもよい。
【0062】
図3に記載の例では、第1支持部45は、第2軸AX2に沿って延在する筒形状を有する。第1支持部45の内部空間には、ローラギアカム21が配置される。
【0063】
図7に記載の例では、第1支持部45の第2方向DR2側の端部に、開口部45hが形成されている。当該開口部45hは、蓋部材461を含む閉鎖アセンブリ46によって閉鎖されている。図7に記載の例では、閉鎖アセンブリ46は、蓋部材461と上述のロック部材27とを含む。図7に記載の例では、開口部45hからロック部材27を含む閉鎖アセンブリ46を取り外すことが可能である。また、図7に記載の例では、ロック部材27を含む閉鎖アセンブリ46から蓋部材461を取り外すことも可能である。
【0064】
図3に記載の例では、支持部材41は、板部42(より具体的には、ウイング部44)から下方に突出する第2支持部47を備える。より具体的には、支持部材41は、板部42(より具体的には、ウイング部44)から第1方向DR1に突出する第2支持部47を備える。第2支持部47は、第1モータ31を支持する。第2支持部47は、板部42(より具体的には、ウイング部44)からチルトベース61の底部61wに向かって突出する。
【0065】
第2支持部47と板部42とが、一体成形により連結されていてもよい。この場合、板部42と第2支持部47との連結部に隙間が形成されず、オイル室41cから当該連結部を介してオイルが漏出しない。代替的に、第2支持部47は、固定具を介して、板部42に固定されてもよい。
【0066】
第2支持部47は、第1歯車15a等の歯車15を収容するギアボックス47gの少なくとも一部を含んでいてもよい。
【0067】
図3に記載の例では、支持部材41は、板部42(より具体的には、主部43)から下方に突出する第3支持部49を備える。より具体的には、支持部材41は、板部42(より具体的には、主部43)から第1方向DR1に突出する第3支持部49を備える。第3支持部49は、回転体11を支持する。第3支持部49は、板部42(より具体的には、主部43)からチルトベース61の底部61wに向かって突出する。
【0068】
第3支持部49と板部42とが、一体成形により連結されていてもよい。この場合、板部42と第3支持部49との連結部に隙間が形成されず、オイル室41cから当該連結部を介してオイルが漏出しない。代替的に、第3支持部49は、固定具を介して、板部42に固定されてもよい。
【0069】
図13に記載の例では、第3支持部49は、第1軸AX1に沿って延在する筒形状を有する。図13に記載の例では、第3支持部49は、筒状側壁49sと、底壁49wとを備える。筒状側壁49sは、上側筒状側壁491sと、下側筒状側壁492sと、上側筒状側壁491sと下側筒状側壁492sとを接続する段差部493sとを備えていてもよい。図8に記載の例では、段差部493sの直上に外リング51が配置され、段差部493sは、外リング51を支持する。
【0070】
筒状側壁49sと底壁49wとによって規定される空間SPに、回転体11の大部分が配置される。図13に記載の例では、第3支持部49の底壁49wに開口部49hが形成されている。開口部49hは、上述の閉鎖部57(図9を参照。)によって閉鎖される。
【0071】
(テーブル回転装置1A)
図14に記載の例では、テーブル回転装置1Aは、カートリッジ10A、および、チルトベース61に加えて、ワークを支持するテーブル95を含む。図15に記載の例では、テーブル回転装置1Aは、チルトベース61を傾動軸ATまわりに傾動可能に支持する支持台71と、チルトベース61を傾動させる第2モータ73と、を含む。図15に記載の例では、傾動軸ATは、水平面に実質的に平行である。また、傾動軸ATは、第3方向DR3に実質的に平行である。図15に記載の例では、支持台71は、チルトベース61の第1端部62aを支持する第1支持台71aと、チルトベース61の第2端部62b(図14を参照。)を支持する第2支持台71bと、を含む。
【0072】
図15に例示されるように、チルトベース61の第1端部62aは、第1支持台71aによって傾動軸ATまわりに傾動可能に支持され、チルトベース61の第2端部62b(図14を参照。)は、第2支持台71bによって傾動軸ATまわりに傾動可能に支持される。図15に記載の例では、第1軸AX1が鉛直方向に実質的に平行な状態において、カートリッジ10Aの全体が傾動軸ATよりも下方に配置されている。チルトベース61は、全体として、舟形状を有していてもよい。
【0073】
図3に記載の例では、チルトベース61は、第1端部62aと、第2端部62bと、ハウジング64と、を備える。ハウジング64は、上述の凹み部63を規定する。ハウジング64は、傾動軸ATに沿う方向において、第1端部62aと第2端部62bとの間に配置されている。
【0074】
図3および図4に記載の例において、チルトベース61の凹み部63(より具体的には、ハウジング64)は、ローラギアカム21と、第1モータ31と、回転体11とを受容する。より具体的には、チルトベース61の凹み部63(より具体的には、ハウジング64)には、ローラギアカム21の全体と、第1モータ31の全体と、回転体11の大部分(より具体的には、回転体11のうちの取付部12を除く部分)とが挿入される。図3および図4に記載の例において、チルトベース61の凹み部63(より具体的には、ハウジング64)は、支持部材41の第1支持部45と、支持部材41の第2支持部47と、支持部材41の第3支持部49とを受容する。
【0075】
図3に記載の例では、チルトベース61(より具体的には、ハウジング64)は、カートリッジ10Aによって塞がれる主開口部64hを備える。図3および図4に記載の例では、チルトベース61にカートリッジ10Aが取り付けられることにより、支持部材41の板部42は、主開口部64hを塞ぐ天板となる。当該天板の下方には、少なくとも第1モータ31が配置される。
【0076】
図3に記載の例では、主開口部64hは、ハウジング64の縁部641(より具体的には、矩形状の縁部641)によって規定されている。縁部641は、カートリッジ10Aの下面(より具体的には、板部42の下面)に接触する。カートリッジ10Aの外周縁部(より具体的には、板部42の外周縁部)は、ハウジング64の縁部641に嵌合してもよい。図3に記載の例では、ハウジング64の縁部641に、凸部641pが配置されており、当該凸部641pが板部42の外周縁部に形成された凹部42d(図5を参照。)と嵌合する。代替的に、ハウジング64の縁部641に形成された凹部と、板部42の外周縁部に形成された凸部とが嵌合してもよい。
【0077】
図3に記載の例では、縁部641が、段差面642を介して、ハウジング64の頂面64uに接続されている。当該段差面642は、カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられた状態において、カートリッジ10Aの板部42の外周面に対向する。
【0078】
図4に例示されるように、カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられた状態において、板部42の上面42uとハウジング64の頂面64uとは、実質的に面一であってもよい。
【0079】
(副開口部OP)
図16に記載の例では、チルトベース61(より具体的には、ハウジング64)は、主開口部64hとは別の副開口部OPを備える。より具体的には、チルトベース61(より具体的には、ハウジング64)は、第1開口部OP1、第2開口部OP2、第3開口部OP3、および/または、第4開口部OP4を備える。
【0080】
図16に記載の例では、副開口部OPは、第1開口部OP1を含む。図17に例示されるように、第1開口部OP1は、第1モータ31へのアクセスを許容する。第1開口部OP1は、第1モータ31が通過可能なサイズを有する。この場合、第1モータ31が故障したとき、作業者(例えば、保守技術者)は、第1開口部OP1を介して、第1モータ31を他の第1モータに交換することができる。よって、第1モータ31が故障したときに、チルトベース61からカートリッジ10Aの全体を取り外す必要がない。
【0081】
図17に記載の例では、第1開口部OP1は、チルトベース61(より具体的には、ハウジング64)の底部64wに設けられている。図18に例示されるように、チルトベース61は、第1開口部OP1を覆う第1カバーCA1を含むことが好ましい。第1開口部OP1が第1カバーCA1によって覆われる場合、第1開口部OP1を介して、ハウジング64の内部に、塵埃あるいはクーラント等の液体が進入することが防止または抑制される。なお、第1カバーCA1に、オイル交換用のドレンが設けられていてもよい。図17および図18に記載の例では、第1カバーCA1がハウジング64に取り付けられた状態において、第1カバーCA1は、第1モータ31に正対するように配置される。また、ハウジング64から第1カバーCA1を取り外すだけで、作業者が第1モータ31を視認可能なように第1モータ31を露出させることができる。
【0082】
第1開口部OP1のサイズは、カートリッジ10Aによって塞がれる主開口部64hのサイズよりも小さいことが好ましい。第1開口部OP1のサイズが小さいことにより、ハウジング64の剛性の低下が抑制される。
【0083】
図10に記載の例では、第1モータ31には、給電ケーブルCB1が接続されている。また、第1モータ31の第1エンコーダ31nには、信号ケーブルCB2が接続されている。給電ケーブルCB1、および/または、信号ケーブルCB2は、チルトベース61の第1端部62aに形成された孔部62hを通過するように配置されている。
【0084】
給電ケーブルCB1、および/または、信号ケーブルCB2を第1モータ31接続することは、例えば、チルトベース61にカートリッジ10Aが載置された後に実行される(より具体的には、チルトベース61にカートリッジ10Aが取り付けられた後に実行される。)。換言すれば、ハウジング64の内部に配置された第1モータ31に、給電ケーブルCB1、および/または、信号ケーブルCB2が取り付けられる。給電ケーブルCB1、および/または、信号ケーブルCB2を第1モータ31に接続する作業は、第1開口部OP1を介して実行可能である。換言すれば、作業者は、第1開口部OP1を横切るように手をハウジング64内に挿入した状態で、チルトベース61の第1端部62aに形成された孔部62hを通過する給電ケーブルCB1、および/または、信号ケーブルCB2を第1モータ31に接続することができる。給電ケーブルCB1、および/または、信号ケーブルCB2を第1モータ31に接続する作業は、チルトベース61の底部64wが横を向くように、チルトベース61が支持台71に対して傾動された状態で実行されてもよい。
【0085】
図16に記載の例では、副開口部OPは、第2開口部OP2を含む。図17に例示されるように、第2開口部OP2は、支持部材41の底壁49wに形成された開口部49hを閉鎖する閉鎖部57へのアクセスを許容する。図17に記載の例では、閉鎖部57に、第1流路17a(図9を参照。)に流体的に連通する第1ポート18aが配置されている。作業者(例えば、保守技術者)は、第2開口部OP2を介して、第1ポート18aにアクセスすることができ、第2開口部OP2を介して、第1ポート18aに第1管91a(図10を参照。)を接続する作業を行うことができる。図17に記載の例では、閉鎖部57に、第2流路17bに流体的に連通する第2ポート18bが配置されている。作業者(例えば、保守技術者)は、第2開口部OP2を介して、第2ポート18bにアクセスすることができ、第2開口部OP2を介して、第2ポート18bに第2管91b(図10を参照。)を接続する作業を行うことができる。第1ポート18aに第1管91aを接続する作業、および/または、第2ポート18bに第2管91bを接続する作業は、チルトベース61の底部64wが横を向くように、チルトベース61が支持台71に対して傾動された状態で実行されてもよい。
【0086】
図17に記載の例では、第2開口部OP2は、チルトベース61(より具体的には、ハウジング64)の底部64wに設けられている。図18に例示されるように、チルトベース61は、第2開口部OP2を覆う第2カバーCA2を含むことが好ましい。第2開口部OP2が第2カバーCA2によって覆われる場合、第2開口部OP2を介して、ハウジング64の内部に、塵埃あるいはクーラント等の液体が進入することが防止または抑制される。なお、第2カバーCA2に、オイル交換用のドレンが設けられていてもよい。図17および図18に記載の例では、第2カバーCA2がハウジング64に取り付けられた状態において、第2カバーCA2は、閉鎖部57に正対するように配置される。
【0087】
第2開口部OP2のサイズは、主開口部64hのサイズよりも小さいことが好ましい。第2開口部OP2のサイズが小さいことにより、ハウジング64の剛性の低下が抑制される。図16に記載の例では、第2開口部OP2が、第1開口部OP1とは独立して設けられている。この場合、大きな1つの開口部が設けられる場合と比較して、ハウジング64の剛性の低下が抑制される。図16に記載の例では、第2開口部OP2と第1開口部OP1とが、ブリッジ部69bによって隔てられている。ブリッジ部69bは、ハウジング64の第1側壁645aと、第1側壁645aに対向配置されるハウジング64の第2側壁645bとを連結する。チルトベース61の底部64wは、第1開口部OP1および第2開口部OP2を含む複数の開口部を規定する枠体69によって構成されていてもよい。図16に記載の例では、枠体69の一部が、ブリッジ部69bを構成する。
【0088】
図16に記載の例では、第2開口部OP2が第1開口部OP1に隣接配置されている。この場合、第1カバーCA1および第2カバーCA2がハウジング64から取り外されることにより、作業者(例えば、保守技術者)は、第1開口部OP1および第2開口部OP2の両方を介して、ハウジング64の内部空間にアクセスすることができる。よって、図17に記載の例において、チルトベース61の第1端部62aに形成された孔部62hを通過する第1管91a(あるいは、第2管91b)を、第1ポート18a(あるいは、第2ポート18b)に向けて容易に移動させることができる。
【0089】
ハウジング64の底部64wには、第2開口部OP2に隣接配置された他の開口部OP5が設けられていてもよい。
【0090】
図2に記載の例では、カートリッジ10Aは、第1モータ31の動力をローラギアカム21に伝達する歯車15(より具体的には、第1歯車15a、第2歯車15b)を含む。図16に記載の例では、副開口部OPは、第3開口部OP3を含む。図19に記載の例では、第3開口部OP3は、上述の歯車15(より具体的には、第1歯車15a、第2歯車15b)へのアクセスを許容する。この場合、作業者(例えば、保守技術者)は、第3開口部OP3を介して、歯車間のバックラッシュの大きさ(より具体的には、第1歯車15aと第2歯車15bとの間のバックラッシュの大きさ)をチェックすることができる。また、作業者(例えば、保守技術者)は、第3開口部OP3を介して、歯車15を他の歯車に交換することができる。よって、バックラッシュの大きさのチェックのために(あるいは、歯車15の交換のために)、チルトベース61からカートリッジ10Aの全体を取り外す必要がない。
【0091】
図19に記載の例では、第3開口部OP3は、上述の歯車15(より具体的には、第1歯車15a)の位置を調整する調整部材32へのアクセスを許容する。この場合、作業者(例えば、保守技術者)は、第3開口部OP3を介して、調整部材32を操作することにより、歯車15(より具体的には、第1歯車15a)の位置を調整することができる。よって、歯車15の位置を調整するために(より具体的には、第1歯車15aと第2歯車15bとの間のバックラッシュの大きさを調整するために)、チルトベース61からカートリッジ10Aの全体を取り外す必要がない。
【0092】
図20に記載の例では、第3開口部OP3は、ギアボックス47gの開口部47hを覆う閉鎖板48へのアクセスを許容する。図20、および、図21に記載の例では、チルトベース61は、第3開口部OP3を覆う第3カバーCA3を含む。また、第3カバーCA3がハウジング64に取り付けられた状態において、第3カバーCA3は、閉鎖板48に正対するように配置される。図19乃至図21に記載の例において、歯車15の位置を調整する場合、作業者は、第3カバーCA3および閉鎖板48を取り外す。その後、作業者は、調整部材32を操作することにより、歯車15の位置を調整することができる。より具体的には、作業者は、調整部材32を操作することにより、第1モータ31の出力軸31aに垂直な方向における歯車15の位置を調整することができる。
【0093】
図20に記載の例では、第3開口部OP3は、チルトベース61(より具体的には、ハウジング64)の側壁645(より具体的には、第1側壁645a)に設けられている。図21に例示されるように、第3カバーCA3は、当該側壁645(より具体的には、第1側壁645a)に取り付け可能である。第3開口部OP3が第3カバーCA3によって覆われる場合、第3開口部OP3を介して、ハウジング64の内部に、塵埃あるいはクーラント等の液体が進入することが防止または抑制される。第3カバーCA3は、例えば、略円形状を有する。
【0094】
第3開口部OP3のサイズは、主開口部64hのサイズよりも小さいことが好ましい。第3開口部OP3のサイズが小さいことにより、ハウジング64の剛性の低下が抑制される。
【0095】
図2に記載の例では、カートリッジ10Aは、ローラギアカム21の回転をロックするロック部材27を含む。図16に記載の例では、副開口部OPは、第4開口部OP4を含む。図22に記載の例では、第4開口部OP4は、上述のロック部材27へのアクセスを許容する。ロック部材27が故障したとき、作業者(例えば、保守技術者)は、第4開口部OP4を介して、ロック部材27を他のロック部材に交換することができる。よって、ロック部材27が故障したときに、チルトベース61からカートリッジ10Aの全体を取り外す必要がない。
【0096】
図23に記載の例では、第4開口部OP4は、第1支持部45の端部に形成された開口部45h(図7を参照。)を閉鎖する閉鎖アセンブリ46へのアクセスを許容する。閉鎖アセンブリ46は、蓋部材461を含む。図23および図24に記載の例では、チルトベース61は、第4開口部OP4を覆う第4カバーCA4を含む。また、第4カバーCA4がハウジング64に取り付けられた状態において、第4カバーCA4は、閉鎖アセンブリ46(より具体的には、蓋部材461)に正対するように配置される。図22乃至図24に記載の例において、ロック部材27を交換する場合、作業者は、第4カバーCA4を取り外す。その後、作業者は、ロック部材27を他のロック部材に交換することができる。図11および図12に記載の例では、ロック部材27は、オイル室41cの外側に配置されている。よって、オイル室41cからオイルを排出することなく(より具体的には、オイル室41cにオイルが貯留されている状態で)、ロック部材27を他のロック部材に交換することができる。また、ロック部材27がオイル室41cの外側に配置されているため、ロック部材27を他のロック部材に交換する際のチルトベース61の姿勢の自由度が高い。換言すれば、チルトベース61の姿勢が、交換作業を行い易い任意の姿勢となるように、チルトベース61を傾動させ、その後、作業者は、容易に、ロック部材27の交換作業を行うことができる。
【0097】
図23に記載の例では、第4開口部OP4は、チルトベース61(より具体的には、ハウジング64)の側壁645(より具体的には、第2側壁645b)に設けられている。図24に例示されるように、第4カバーCA4は、当該側壁645(より具体的には、第2側壁645b)に取り付け可能である。第4開口部OP4が第4カバーCA4によって覆われる場合、第4開口部OP4を介して、ハウジング64の内部に、塵埃あるいはクーラント等の液体が進入することが防止または抑制される。第4カバーCA4は、例えば、略円形状を有する。
【0098】
第4開口部OP4のサイズは、主開口部64hのサイズよりも小さいことが好ましい。第4開口部OP4のサイズが小さいことにより、ハウジング64の剛性の低下が抑制される。
【0099】
図2に記載の例では、カートリッジ10Aは、上述の歯車15と、上述の調整部材32と、上述のロック部材27と、を含む。図16乃至図24に記載の例では、チルトベース61(より具体的には、ハウジング64)は、副開口部OPを覆うカバーCAを含む。また、カバーCAが副開口部OPから取り外された状態において、チルトベース61の外から副開口部OPを介して、上述の第1モータ31、上述の歯車15、上述の調整部材32、および、上述のロック部材27のうちの少なくとも一つを視認可能である。よって、作業者は、チルトベース61の外から副開口部OPを介して、これらの構成要素の状態を確認することができる。また、必要に応じて、これらの構成要素のメンテナンスを行うことができる。
【0100】
図16乃至図24に記載の例では、複数の副開口部OPは、第1モータ31、第1モータ31の動力をローラギアカム21に伝達する歯車15、当該歯車15の位置を調整する調整部材32、および、ローラギアカム21の回転をロックするロック部材27へのアクセスを許容する。よって、作業者は、複数の副開口部OPを介して、これらの構成要素のメンテナンスを行うことができる。例えば、カバーCAをハウジング64から取り外すことにより、第1モータ31の交換、歯車15の交換、歯車15の位置調整、あるいは、ロック部材27の交換を実施することができる。この場合、第1モータ31の交換、歯車15の交換、歯車15の位置調整、あるいは、ロック部材27の交換のために、チルトベース61からカートリッジ10Aの全体を取り外す必要がない。
【0101】
(オイルの確認)
図25に記載の例では、カートリッジ10A(より具体的には、支持部材41)は、オイル室41cと流体的に連通する第1貫通孔部41hを備える。チルトベース61(より具体的には、チルトベース61の側壁645)は、第2貫通孔部645hを備えていてもよい。カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられた状態において、第1貫通孔部41hは、第2貫通孔部645hに整合する位置に配置される。テーブル回転装置1Aは、第2貫通孔部645hに挿入され、第1貫通孔部41hを塞ぐ第1閉鎖部材93aを含んでいてもよい。
【0102】
図25に例示されるように、第1閉鎖部材93aの少なくとも一部は、オイルを視認可能なように透明部材931aによって構成されていてもよい。より具体的には、第1閉鎖部材93aの少なくとも一部は、オイル室41c内に十分なオイルが収容されているか否かを視認可能なように透明部材931aによって構成されていてもよい。この場合、作業者は、チルトベース61の外側から第1閉鎖部材93aを見ることにより、オイル室41cに十分なオイルが収容されているか否かを確認することができる。
【0103】
カートリッジ10Aのローラギアカム21をチルトベース61の凹み部63に挿入するとき、第1閉鎖部材93aは、カートリッジ10Aに取り付けられていない。カートリッジ10Aのローラギアカム21をチルトベース61の凹み部63に挿入するとき、第1閉鎖部材93aとは異なる第2閉鎖部材93b(図26を参照。)によって第1貫通孔部41hが塞がれていることが好ましい。換言すれば、カートリッジ10Aは、第1貫通孔部41hを塞ぐ第2閉鎖部材93bを含むことが好ましい。
【0104】
オイル室41cにオイルが収容されている状態で、カートリッジ10Aのローラギアカム21がチルトベース61の凹み部63に挿入されてもよい。第1貫通孔部41hが第2閉鎖部材93bによって塞がれる場合、当該挿入に際して、第1貫通孔部41hを介して、オイル室41c内のオイルがカートリッジ10A外に漏出することが防止される。
【0105】
カートリッジ10Aがチルトベース61に取り付けられた後、第2閉鎖部材93bは、第1閉鎖部材93aに交換される。当該交換は、第1貫通孔部41hの位置および第2貫通孔部645hの位置が、オイル室41cよりも高い状態で実行されることが好ましい。より具体的には、(1)第1貫通孔部41hの位置および第2貫通孔部645hの位置が、オイル室41cよりも高くなるように、チルトベース61が支持台71に対して傾動軸ATまわりに傾動され、(2)第2閉鎖部材93bがカートリッジ10Aから取り外され、(3)第1閉鎖部材93aが第2貫通孔部645hに挿入され、(4)第1閉鎖部材93aが第1貫通孔部41hを閉鎖するように第1閉鎖部材93aがカートリッジ10Aに取り付けられる。
【0106】
第1貫通孔部41hは、オイル室41cにオイルを注入するための注入口、および/または、オイル室41cからオイルを排出するための排出口として機能してもよい。代替的に、カートリッジ10Aは、第1貫通孔部41hとは別に、オイル室41cにオイルを注入するための注入口を有していてもよい。また、カートリッジ10Aは、第1貫通孔部41hとは別に、オイル室41cからオイルを排出するための排出口を有していてもよい。
【0107】
図4に記載の例では、カートリッジ10Aをチルトベース61から取り外し可能である。より具体的には、回転体11と、ローラギアカム21と、第1モータ31とが支持部材41によって支持された状態で、カートリッジ10Aを、チルトベース61から取り外し可能である。よって、例えば、ローラギアカム21が損傷した際に、カートリッジ10Aを他のカートリッジに交換するのが容易である。また、カートリッジ10を他のカートリッジに交換する際に、チルトベース61を支持台71(図15を参照。)から取り外す必要がない。
【0108】
(第2の実施形態)
図27乃至図30を参照して、第2の実施形態におけるカートリッジ10B、および、テーブル回転装置1Bについて説明する。図27および図28は、第2の実施形態におけるカートリッジ10Bが、チルトベース61に取り付けられる様子を模式的に示す概略斜視図である。図29は、第2の実施形態におけるカートリッジ10Bが、チルトベース61に取り付けられた状態を模式的に示す概略斜視図である。図30は、第2の実施形態におけるカートリッジ10Bを模式的に示す概略平面図である。なお、図30において、第1モータ31、ローラギアカム21、および、ベアリング14の位置を把握し易くするために、第1モータ31、ローラギアカム21、および、ベアリング14が破線によって模式的に示されている。
【0109】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0110】
図27および図30に例示されるように、第2の実施形態におけるカートリッジ10Bは、(1)ワークを支持するテーブルが取り付けられる取付部12と、ベアリング14とを含み、第1軸AX1まわりに回転可能な回転体11と、(2)ベアリング14に駆動力を伝達し、回転体11を第1軸AX1まわりに回転させるローラギアカム21(図30を参照。)と、(3)ローラギアカム21を駆動させる第1モータ31と、(4)回転体11と、ローラギアカム21と、第1モータ31とを支持している状態で、傾動軸ATまわりに傾動可能なチルトベース61に取り付け可能な支持部材41と、を含む。
【0111】
図29に例示されるように、第2の実施形態におけるテーブル回転装置1Bは、上述のカートリッジ10Bと、傾動軸ATまわりに傾動可能なチルトベース61と、を含む。図27に例示されるように、チルトベース61は、ローラギアカム21、第1モータ31、および、回転体11を受容する凹み部63を備える。また、凹み部63へのローラギアカム21の挿入方向を第1方向DR1と定義するとき、第1方向DR1に沿う方向に見て、支持部材41の外周縁41eの内側に、回転体11、ローラギアカム21、および、第1モータ31が配置されている。
【0112】
よって、第2の実施形態におけるカートリッジ10B、および、テーブル回転装置1Bは、第1の実施形態におけるカートリッジ10A、および、テーブル回転装置1Aと同様の効果を奏する。
【0113】
図27、および、図28に記載の例では、第1方向DR1は、第1軸AX1に実質的に垂直な方向である。図27に記載の例では、カートリッジ10Bによって塞がれるチルトベース61の主開口部64hが、ハウジング64の上部644と、ハウジング64の側壁645とに跨って形成されている。また、カートリッジ10Bの支持部材41は、ハウジング64の上部644に取り付けられる第1板部424と、ハウジング64の側壁645に取り付けられる第2板部425と、を備える。
【0114】
(第3の実施形態)
図1乃至図33を参照して、第3の実施形態における工作機械100について説明する。図31および図32は、第3の実施形態における工作機械100を模式的に示す概略斜視図である。図33は、制御装置8が複数の制御対象機器を制御可能な様子を模式的に示す図である。
【0115】
第3の実施形態では、第1の実施形態および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第3の実施形態では、第1の実施形態または第2の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第3の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態または第2の実施形態において説明済みの事項を第3の実施形態に適用できることは言うまでもない。逆に、第3の実施形態で説明される全ての事項は、第1の実施形態および第2の実施形態に適用可能である。
【0116】
図31に例示されるように、第3の実施形態における工作機械100は、加工ヘッド101と、移動装置103と、テーブル回転装置1と、制御装置8と、を含む。
【0117】
図32に例示されるように、加工ヘッド101は、ワークWを加工する工具Tを支持する。また、加工ヘッド101は、工具Tを回転させる回転駆動装置102を含む。より具体的には、回転駆動装置102は、工具Tを工具長手方向に沿う第3軸AX3(図31を参照。)まわりに回転させる。
【0118】
移動装置103は、加工ヘッド101をワークに対して相対移動させる。移動装置103は、加工ヘッド101を1次元的、2次元的、または、3次元的に移動させることが可能な装置であってもよい。
【0119】
テーブル回転装置1は、第1の実施形態におけるテーブル回転装置1Aであってもよいし、第2の実施形態におけるテーブル回転装置1Bであってもよいし、その他のテーブル回転装置であってもよい。
【0120】
テーブル回転装置1は、(1)ワークWを支持するテーブル95と、(2)第1モータ31を含むカートリッジ10と、(3)チルトベース61と、(4)チルトベース61を傾動可能に支持する支持台71と、(5)チルトベース61を支持台71に対して傾動軸ATまわりに傾動させる第2モータ73と、を含む。カートリッジ10は、第1の実施形態におけるカートリッジ10Aであってもよいし、第2の実施形態におけるカートリッジ10Bであってもよいし、その他のカートリッジであってもよい。テーブル95、カートリッジ10、チルトベース61、支持台71、第2モータ73については、第1の実施形態または第2の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0121】
図1および図2に例示されるように、カートリッジ10は、(1)テーブル95が取り付けられる取付部12と、ベアリング14とを含み、第1軸AX1まわりに回転可能な回転体11と、(2)ベアリング14に駆動力を伝達し、回転体11を第1軸AX1まわりに回転させるローラギアカム21と、(3)ローラギアカム21を駆動させる第1モータ31と、(4)回転体11と、ローラギアカム21と、第1モータ31とを支持している状態で、チルトベース61に取り付け可能な支持部材41と、を含む。
【0122】
図3に例示されるように、チルトベース61は、ローラギアカム21、第1モータ31、および、回転体11を受容する凹み部63を備える。図3乃至図5に例示されるように、凹み部63へのローラギアカム21の挿入方向を第1方向DR1と定義するとき、第1方向DR1に沿う方向に見て、支持部材41の外周縁41eの内側に(より具体的には、第1方向DR1に沿う方向に見て、板部42の外周縁41eの内側に)、回転体11、ローラギアカム21、および、第1モータ31が配置される。図5に記載の例では、第1軸AX1に沿う方向に見て、支持部材41の外周縁41eの内側に(より具体的には、第1軸AX1に沿う方向に見て、板部42の外周縁41eの内側に)、回転体11、ローラギアカム21、および、第1モータ31が配置されている。
【0123】
制御装置8は、回転駆動装置102と、移動装置103と、第1モータ31と、第2モータ73とを制御する。
【0124】
第3の実施形態における工作機械100は、第1の実施形態におけるカートリッジ10A、および、テーブル回転装置1A、あるいは、第2の実施形態におけるカートリッジ10B、および、テーブル回転装置1Bと同様の効果を奏する。
【0125】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図33を参照して、第3の実施形態(あるいは、上述の第1の実施形態または上述の第2の実施形態)において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0126】
(移動装置103)
図31に記載の例では、加工ヘッド101を移動させる移動装置103は、水平面に平行なX軸に沿う方向に加工ヘッド101を移動させる第1移動装置103aと、水平面に平行なY軸に沿う方向に加工ヘッド101を移動させる第2移動装置103bと、水平面に垂直なZ軸に沿う方向に加工ヘッド101を移動させる第3移動装置103cとを含む。図3に記載の例では、X軸は、傾動軸ATと平行であり、Y軸は、X軸方向と垂直である。
【0127】
図31に記載の例では、加工ヘッド101を移動させる移動装置103は、第1部材104a(例えば、サドル)と、第2部材105a(例えば、コラム)と、第3部材106aと、を有する。第1部材104aは、X軸に沿う方向に移動可能なようにベース構造体70によって支持されている。第1移動装置103aは、第1部材104aを、ベース構造体70に対してX軸に沿う方向に相対移動させる。第2部材105aは、Y軸に沿う方向に移動可能なように第1部材104aによって支持されている。第2移動装置103bは、第2部材105aを、第1部材104aに対してY軸に沿う方向に相対移動させる。第3部材106aは、Z軸に沿う方向に移動可能なように第2部材105aによって支持されている。第3移動装置103cは、第3部材106aを、第2部材105aに対してZ軸に沿う方向に相対移動させる。第3部材106aは加工ヘッド101を含む(換言すれば、加工ヘッド101は第3部材106aと一体的に移動する。)。
【0128】
図31に記載の例では、移動装置103は、加工ヘッド101を3次元的に移動させることができる。代替的に、移動装置103は、加工ヘッド101を2次元的または1次元的に移動させる装置であってもよい。代替的に、あるいは、付加的に、移動装置103は、テーブル95(より具体的には、ワークを支持するテーブル95)を、1次元的、2次元的、または、3次元的に移動させることが可能であってもよい。
【0129】
(ベース構造体70)
図31に記載の例では、工作機械100は、ベース構造体70を含む。ベース構造体70には、支持台71(より具体的には、第1支持台71a、および、第2支持台71b)が固定される。
【0130】
(テーブル95)
図32に例示されるように、テーブル95は、ワークWを支持する。テーブル95は、ワークWを固定する治具、および/または、ワークWを把持するチャック96(例えば、電動チャック、油圧チャック、あるいは、空圧チャック)を含んでいてもよい。チャック96は、ワークWを把持する複数の把持片96pを含んでいてもよい。
【0131】
複数の把持片96pのうちの少なくとも1つの把持片は、上述の第1流路17a(図9を参照。)からチャック96に作動流体(例えば、オイル)が供給されることに応じて動作するように構成されてもよい。図33に記載の例では、工作機械100は、作動流体供給装置107を含む。作動流体供給装置107は、第1管91a、第1流路17aを介して、チャック96に作動流体を供給する。チャック96に供給される作動流体は、複数の把持片96pによってワークWが把持されるよう、少なくとも1つの把持片96pを駆動する。なお、作動流体がオイルである場合には、作動流体供給装置107は、ポンプを含むことが好ましい。代替的に、作動流体がエアである場合には、作動流体供給装置107は、エアコンプレッサを含むことが好ましい。作動流体供給装置107は、制御装置8によって制御される第1バルブ107vを含んでいてもよい。第1バルブ107vは、第1管91aに作動流体を供給する流路を開閉する。
【0132】
なお、チャック96が電動チャックである場合には、チャック96と電源とが給電ケーブルを介して接続される。また、複数の把持片96pのうちの少なくとも1つの把持片は、給電ケーブルを介して供給される電力によって動作する。
【0133】
回転体11、あるいは、回転体11に取り付けられるテーブル95は、ワークWに向けてクーラント液を放出する放出口97(図31を参照。)を有していてもよい。図33に記載の例では、工作機械100は、クーラント液供給装置108を備える。クーラント液供給装置108は、第2管91b、第2流路17bを介して、放出口97にクーラント液を供給する。クーラント液供給装置108は、ポンプを含むことが好ましい。クーラント液供給装置108は、制御装置8によって制御される第2バルブ108vを含んでいてもよい。第2バルブ108vは、第2管91bにクーラント液を供給する流路を開閉する。
【0134】
(制御装置8)
図33に記載の例において、制御装置8は、加工ヘッド101の回転駆動装置102と、移動装置103(例えば、第1移動装置103a、第2移動装置103b、および、第3移動装置103c)と、第1モータ31と、第2モータ73と、を制御する。付加的に、制御装置8は、チャック96の動作を制御してもよい。より具体的には、制御装置8は、作動流体供給装置107を制御することにより、チャック96の動作を制御してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、制御装置8は、クーラント液供給装置108を制御することにより、放出口97からのクーラント液の放出を制御してもよい。
【0135】
例えば、制御装置8は、工具Tが第3軸AX3まわりに回転されるよう、回転駆動装置102に第1制御指令E1を送信する。第1制御指令E1を受け取る回転駆動装置102は、工具Tを第3軸AX3まわりに回転させる。
【0136】
例えば、制御装置8は、工具TによってワークWが加工されるよう、移動装置103に第2制御指令E2を送信する。第2制御指令E2を受け取る移動装置103は、加工ヘッド101をワークWに対して相対移動させることにより、第3軸AX3まわりに回転している状態の工具TをワークWに接触させる。こうして、工具TによってワークWが加工される。
【0137】
例えば、制御装置8は、テーブル95に支持されたワークWの第1軸AX1まわりの角度位置が変更されるよう、第1モータ31に第3制御指令E3を送信する。第3制御指令E3を受け取る第1モータ31は、ワークWを支持するテーブル95を第1軸AX1まわりに回転させる。なお、制御装置8は、加工プログラム822が実行されることにより生成される回転角指令値と、第1エンコーダ31nが出力する信号が示す回転角とに基づいて、第3制御指令E3を生成してもよい。
【0138】
例えば、制御装置8は、テーブル95に支持されたワークWの姿勢が変更されるよう、第2モータ73に第4制御指令E4を送信する。第4制御指令E4を受け取る第2モータ73は、ワークWを支持するテーブル95と、カートリッジ10と、チルトベース61とを傾動軸ATまわりに傾動させる。なお、制御装置8は、加工プログラム822が実行されることにより生成される傾斜角指令値と、第2モータ73の第2エンコーダ73nが出力する信号が示す傾斜角とに基づいて、第4制御指令E4を生成してもよい。
【0139】
例えば、制御装置8は、チャック96によってワークWが把持されるよう、作動流体供給装置107(または、チャック96の電動モータ)に第5制御指令E5を送信する。第5制御指令E5を受け取る作動流体供給装置107(または、チャック96の電動モータ)は、チャック96を動作させることにより、チャック96にワークWを把持させる。
【0140】
例えば、制御装置8は、工具Tによって加工されているワークWに向けてクーラント液が放出されるよう、クーラント液供給装置108に第6制御指令E6を送信する。第6制御指令E6を受け取るクーラント液供給装置108は、第2管91bおよび第2流路17bを介して放出口97にクーラント液を送り、放出口97は、工具Tによって加工されているワークWに向けてクーラント液を放出する。
【0141】
制御装置8は、1つのコンピュータによって構成されていてもよく、複数のコンピュータによって構成されていてもよい。図33に例示されるように、制御装置8は、ハードウェアプロセッサ80(以下、「プロセッサ80」という。)と、メモリ82と、通信回路84と、入力装置86(例えば、タッチパネル付きディスプレイ862)と、を含む。プロセッサ80と、メモリ82と、通信回路84と、入力装置86とは、バス88を介して互いに接続されている。ワークWの加工に必要なデータ(例えば、ワークWの形状データおよびワークWの加工位置データを含むワークデータ826等)は、入力装置86を介して制御装置8に入力されてもよいし、他のコンピュータから通信回路84を介して制御装置8に入力されてもよい。なお、入力装置86は、タッチパネル付きディスプレイ862に限定されない。例えば、制御装置8は、ボタン、スイッチ、レバー、ポインティングデバイス、キーボード等の入力装置86と、当該入力装置86に入力されたデータ、あるいは、その他の情報を表示するディスプレイと、を含んでいてもよい。
【0142】
制御装置8は、メモリ82に記憶された加工プログラム822を実行することにより、複数の制御指令(例えば、上述の第1制御指令E1、第2制御指令E2、第3制御指令E3、第4制御指令E4、第5制御指令E5、第6制御指令E6)を生成する。また、通信回路84は、制御装置8によって生成された複数の制御指令を、複数の制御対象機器(例えば、回転駆動装置102、移動装置103、第1モータ31、第2モータ73、作動流体供給装置107、クーラント液供給装置108等)に送信する。こうして、制御装置8は、複数の制御対象機器を制御することができる。
【0143】
図31および図32に記載の例では、工作機械100は、立形マシニングセンタである。代替的に、工作機械100は、横形マシニングセンタであってもよい。また、工作機械100は、複数種類の加工を実行可能な複合加工機であってもよい。
【0144】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0145】
1、1A、1B…テーブル回転装置、8…制御装置、10、10A、10B…カートリッジ、11…回転体、11u…回転体の頂部、12…取付部、12h…穴部、13…内リング、14…ベアリング、14a…軸部、14r…ローラ、15…歯車、15a…第1歯車、15b…第2歯車、16…回転シャフト、17…流路、17a…第1流路、17b…第2流路、18…ポート、18a…第1ポート、18b…第2ポート、21…ローラギアカム、23…ギアシャフト、23a…ギアシャフトの一端部、23b…ギアシャフトの他端部、23m…ギアシャフトの中央部、25…突条部、25a…第1押圧面、25b…第2押圧面、26…ロータ、27…ロック部材、31…第1モータ、31a…出力軸、31n…第1エンコーダ、32…調整部材、32r…偏心リング、41…支持部材、41c…オイル室、41e…外周縁、41h…第1貫通孔部、42…板部、42d…凹部、42f…板部の自由端部、42u…板部の上面、43…主部、43h…孔部、44…ウイング部、45…第1支持部、45h…開口部、46…閉鎖アセンブリ、47…第2支持部、47g…ギアボックス、47h…開口部、48…閉鎖板、49…第3支持部、49h…開口部、49s…筒状側壁、49w…底壁、51…外リング、53…軸受、55…固定シャフト、55w…底部、57…閉鎖部、58…端板、61…チルトベース、61w…底部、62a…第1端部、62b…第2端部、62h…孔部、63…凹み部、64…ハウジング、64h…主開口部、64u…ハウジングの頂面、64w…底部、69…枠体、69b…ブリッジ部、70…ベース構造体、71…支持台、71a…第1支持台、71b…第2支持台、73…第2モータ、73n…第2エンコーダ、80…ハードウェアプロセッサ、82…メモリ、84…通信回路、86…入力装置、88…バス、91a…第1管、91b…第2管、93a…第1閉鎖部材、93b…第2閉鎖部材、95…テーブル、96…チャック、96p…把持片、97…放出口、100…工作機械、101…加工ヘッド、102…回転駆動装置、103…移動装置、103a…第1移動装置、103b…第2移動装置、103c…第3移動装置、104a…第1部材、105a…第2部材、106a…第3部材、107…作動流体供給装置、107v…第1バルブ、108…クーラント液供給装置、108v…第2バルブ、270…クランプ部材、271…チャンバ、273…押圧面、410h…連通穴、411c…第1室、412c…第2室、424…第1板部、425…第2板部、461…蓋部材、491s…上側筒状側壁、492s…下側筒状側壁、493s…段差部、641…縁部、641p…凸部、642…段差面、644…ハウジングの上部、645…側壁、645a…第1側壁、645b…第2側壁、645h…第2貫通孔部、822…加工プログラム、826…ワークデータ、862…タッチパネル付きディスプレイ、931a…透明部材、AT…傾動軸、AX1…第1軸、AX2…第2軸、AX3…第3軸、CA…カバー、CA1…第1カバー、CA2…第2カバー、CA3…第3カバー、CA4…第4カバー、CB1…給電ケーブル、CB2…信号ケーブル、DR1…第1方向、DR2…第2方向、DR3…第3方向、DR4…第4方向、DR5…第5方向、E1…第1制御指令、E2…第2制御指令、E3…第3制御指令、E4…第4制御指令、E5…第5制御指令、E6…第6制御指令、OP…副開口部、OP1…第1開口部、OP2…第2開口部、OP3…第3開口部、OP4…第4開口部、OP5…他の開口部、R1…第1回転方向、R2…第2回転方向、SP…空間、T…工具、W…ワーク
【要約】
【課題】テーブル回転装置の組み立てを容易にするカートリッジ、テーブル回転装置、および、工作機械を提供する。
【解決手段】カートリッジは、回転体と、ローラギアカムと、第1モータと、支持部材とを含む。回転体は、ワークを支持するテーブルが取り付けられる取付部と、ベアリングとを含み、第1軸まわりに回転可能である。ローラギアカムは、ベアリングに駆動力を伝達し、回転体を第1軸まわりに回転させる。第1モータは、ローラギアカムを駆動させる。支持部材が、回転体と、ローラギアカムと、第1モータとを支持している状態で、支持部材を、傾動軸まわりに傾動可能なチルトベースに取り付け可能である。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33