(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】ジョブ処理装置、ジョブ理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241216BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20241216BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241216BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241216BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/0482
G03G21/00 386
B41J29/42 F
B41J29/38 201
(21)【出願番号】P 2024104687
(22)【出願日】2024-06-28
(62)【分割の表示】P 2024078437の分割
【原出願日】2018-11-16
【審査請求日】2024-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】吉田 廣義
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-064195(JP,A)
【文献】特開2002-152484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G06F 3/048- 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の機能を実行するためのボタンと、第二の機能を実行するためのボタンとを含む画面を表示部に表示する表示制御手段
を備え、
前記表示制御手段は、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブを示す第一のボタンと、前記第二の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブを示す第二のボタンとを所定の領域に表示し、
前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されたことに基づいて表示される前記第一の機能の設定に関する画面は、前記所定の領域を含む画面を表示可能な所定のボタンを含み、前記所定のボタンが操作された場合、前記所定の領域を含む画面を表示可能であり
、
前記所定の領域に表示された前記第一のボタンが操作された場合、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値が反映された画面が表示され
、前記所定の領域に表示された前記第二のボタンが操作された場合、前記第二の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値が反映された画面が表示され
、
前記第一の機能はコピー機能であり、前記第二の機能は前記コピー機能とは異なる機能である
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第一の機能を実行するためのボタンと、前記第二の機能を実行するためのボタンは異なるボタンである
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されて前記第一の機能が実行された場合、実行された前記第一の機能の設定値のうち少なくとも1つの設定値を含む前記第一のボタンを前記所定の領域に表示し、前記第二の機能を実行するためのボタンが操作されて前記第二の機能が実行された場合、実行された前記第二の機能のうち少なくとも1つの設定値を含む前記第二のボタンを前記第一のボタンが表示されている前記所定の領域に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記第一の機能を実行するためのボタンと、前記第二の機能を実行するためのボタンと、前記所定の領域に関する情報を含む画面を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の領域に表示された前記第
一のボタンが操作されて表示された
画面であって、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値が反映された画面において前記第一の機能の実行指示を受け付けた場合、前記反映された設定値に基づいて前記第一の機能が実行される
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の領域に表示された前記第
二のボタンが操作されて表示された
画面であって、前記第二の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値が反映された画面において前記第二の機能の実行指示を受け付けた場合、前記反映された設定値に基づいて前記第二の機能が実行される
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第二の機能は、原稿を読み取って生成された画像データを指定された宛先に送信する送信機能である
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第一のボタンは、前記第一の機能を示すアイテムと、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値のうち少なくとも1つの設定値を含み
、
前記第二のボタンは、前記第二の機能を示すアイテムと、前記第二の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値のうち少なくとも1つの設定値を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第一のボタンは、前記第一の機能を示すアイテムと、前記第一の機能のジョブが実行された時刻を示す情報を含み、
前記第二のボタンは、前記第二の機能を示すアイテムと、前記第二の機能のジョブが実行された時刻を示す情報を含む
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記第一の機能を実行するためのボタンと、前記第二の機能を実行するためのボタンと、前記所定の領域に関する情報と、ユーザによって設定済の設定値によって機能を実行するためのカスタムボタンを含む画面を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記カスタムボタンの機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブを示す第三のボタンを前記所定の領域に表示する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
第一の機能を実行するためのボタンと、第二の機能を実行するためのボタンとを含む画面を表示部に表示する表示制御ステップ
を有し、
前記表示制御ステップは、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブを示す第一のボタンと、前記第二の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブを示す第二のボタンとを所定の領域に表示し、
前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されたことに基づいて表示される前記第一の機能の設定に関する画面は、前記所定の領域を含む画面を表示可能な所定のボタンを含み、前記所定のボタンが操作された場合、前記所定の領域を含む画面を表示可能であり
、
前記所定の領域に表示された前記第一のボタンが操作された場合、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値が反映された画面が表示され
、前記所定の領域に表示された前記第二のボタンが操作された場合、前記第二の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値が反映された画面が表示され
、
前記第一の機能はコピー機能であり、前記第二の機能は前記コピー機能とは異なる機能である
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の情報処理装置を機能させるためのプログラム
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブ処理装置、ジョブ処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ジョブを実行し、実行したジョブの履歴を記憶するジョブ処理装置がある。
【0003】
例えば、このようなジョブの履歴を、コピー機能や送信機能を選択するホーム画面に表示するジョブ処理装置がある(特許文献1参照)。
【0004】
このように履歴の一覧を表示することによって、ユーザは最近実行したジョブの履歴を容易に確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、ホーム画面にジョブの実行履歴を表示するが、エラーが起きていることまでは確認できない。そのため、エラーが起きていることに気付かずにジョブの履歴を選択すると、エラーが起きているにも関わらず、選択したジョブの履歴が新たなジョブの設定として設定されてしまう。
【0007】
その状態で、ジョブの実行指示を受け付けても、エラーが原因でジョブの実行が中断されてしまう可能性がある。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、コピー機能や送信機能を選択可能な画面で、ジョブの履歴とともにエラーが発生していることを容易に確認することができるジョブ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第一の機能を実行するためのボタンと、第二の機能を実行するためのボタンとを含む画面を表示部に表示する表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブを示す第一のボタンと、前記第二の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブを示す第二のボタンとを所定の領域に表示し、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されたことに基づいて表示される前記第一の機能の設定に関する画面は、前記所定の領域を含む画面を表示可能な所定のボタンを含み、前記所定のボタンが操作された場合、前記所定の領域を含む画面を表示可能であり、前記所定の領域に表示された前記第一のボタンが操作された場合、前記第一の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値が反映された画面が表示され、前記所定の領域に表示された前記第二のボタンが操作された場合、前記第二の機能を実行するためのボタンが操作されて実行されたジョブの設定値が反映された画面が表示され、前記第一の機能はコピー機能であり、前記第二の機能は前記コピー機能とは異なる機能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
ユーザはコピー機能や送信機能を選択可能な画面で、ジョブの履歴とともにエラーが発生していることを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る画像処理装置の構成を説明するブロック図
【
図3】画像処理装置を起動してログインユーザの画面を表示するまでのフロー図
【
図9】アプリケーションを起動してジョブの実行を完了するまでのフロー図
【
図12】コピー機能のメモリ領域に保存されているデータテーブルを示す図
【
図13】統合履歴に表示する設定ボタンや状況情報ボタンの名称を生成するフロー図
【
図14】統合履歴用に保存されている設定データテーブルを示す図
【
図15】統合履歴用に保存されている設定データテーブルを示す図
【
図17】統合履歴側で履歴を表示するまでのフロー図
【
図18】統合履歴からアプリケーションを呼び出すフロー図
【
図19】状況種別から、状態種別と表示すべき説明文とを取得する状況説明テーブル
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものではない。また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0013】
[第一実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係るジョブ処理装置の一例である画像処理装置1の構成を説明するブロック図である。
【0014】
画像処理装置1は、制御部10と、表示/操作部12と、画像処理部13と、スキャナ120と、プリンタ121を備える。
【0015】
制御部10は、画像処理装置1の各ユニットの動作制御を行う。制御部10は、CPU100と、通信ユニット101と、RAM102と、HDD103と、ROM104と、タイマ105と、FAXユニット106と、スキャナI/F108、プリンタI/F109とを備えている。
【0016】
CPU100は、制御部10全体を制御する。RAM102は、CPU100のワークメモリとして機能する。HDD103は、アプリケーションプログラムや、画像データを記憶する。HDD103は、例えば、光学メディアやフラッシュメモリ等の記憶媒体であってもよい。ROM104は、ブートプログラム等、CPU100によって読み出されるプログラムを記憶する。また、HDD103は、外部記憶装置として、画像処理装置1に着脱可能に構成されていてもよい。
【0017】
タイマ105は、時計を管理し、CPU100によって参照され、時間情報が取得される。
【0018】
通信ユニット101は、LAN11に接続され、LAN11を介して行われるデータの送受信を制御する。FAXユニット106は、電話回線14に接続され、電話回線14を介して行われるデータの送受信を制御する。
【0019】
操作部12は、タッチパネルシートが貼り付けられた表示部120や、ハードウェアキー等の入力部121を有し、画面を表示したり、ユーザからの操作を受け付けたりする。本実施形態では、表示部120として、液晶ディスプレイを例に説明するが、他の方式のディスプレイであってもよい。本実施形態では、入力部121として、タッチパネルを例に説明するが、マウス、音声入力、キーボード等の他のインターフェースを通してユーザによる操作を受け付けてもよい。
【0020】
画像処理部13は、制御部10によって制御され、画像解析部130と、画像生成部131と、画像出力部132を有する。画像解析部130は、原稿画像の構造を解析し、解析結果から必要な情報を抽出する。画像生成部131は、スキャナ120によって原稿を読み取ることで、その原稿の画像をデジタル化して画像データを生成する。生成された画像データはHDD103に格納される。また、画像生成部131は、画像解析部130が解析した情報を用いて、別のフォーマットの原稿画像データを生成することもできる。
【0021】
画像処理装置1は、コピー機能や、スキャン機能、プリント機能を有する。コピー機能とは、スキャナ120によって原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データに基づいてシート上に画像をプリンタ121に印刷させるコピージョブを実行するための機能である。スキャン機能とは、スキャナ120によって原稿を読み取って生成された画像データを通信ユニット101によって送信する送信ジョブを実行するための機能である。プリント機能は、通信ユニット101を介して、外部のPC等の情報処理装置から受信した印刷データに基づいてシートに画像を印刷する印刷ジョブを実行するための機能である。
【0022】
【0023】
タッチパネル200は、ここでは液晶ディスプレイ上にタッチパネルシートが貼られており、操作画面やソフトキーを表示するとともに、表示してあるキーが選択されると、その位置情報をCPU100に伝える。従って、この場合のタッチパネル200は
図1の表示部120として機能するとともに、入力部121としても機能するといえる。
【0024】
次に、ユーザにより操作される各種キーやボタンについて説明する。スタートキー201は、スキャナ120による原稿の読み取り動作の開始を指示する時などに用いられる。スタートキー201の中央部には、緑と赤の2色のLED202があり、その色によってスタートキー201が使える状態にあるかどうかを示す。ストップキー203は、稼働中の動作を止めるために用いられる。テンキー204は、数字や記号のキーで構成されており、コピー部数の設定や、タッチパネル200の画面切り替えを指示するために用いられる。ユーザーモードキー205は、ユーザモードを呼び出すために用いられる。ユーザモードは、画像処理装置1の設定を行うためのモードである。
【0025】
図3は、本実施形態に係るユーザのログイン処理を説明するためのフローチャートである。
図3のフローチャートの処理は、CPU100がROM104に記憶されたプログラムをRAM102に読み出して実行することによって実現される。このフローチャートは、画像処理装置1の起動時に従って開始される。また、ユーザが画像処理装置1からログアウトすることに従って開始される。
【0026】
S301で、CPU100は、操作部12に認証画面を表示させる。
図4の画面200は、認証画面の一例である。
図4の画面には、ユーザ名入力欄401、パスワード入力欄402、OKボタンが含まれる。
【0027】
S302で、CPU100は、操作部12を介して、ユーザからユーザ名とパスワードを受け付ける。ユーザ名入力欄401にユーザ名が入力され、パスワード入力欄402にパスワードが入力された状態で、OK403が押されると、CPU100は、入力されたユーザ名とパスワードをHDD103に記憶し、S303に処理を進める。なお、ユーザによって入力されたユーザ名とパスワードを受け付ける形態に加えて、または代えて、カードからユーザ名とパスワードを読み取るようにしてもよい。
【0028】
S303で、CPU100は、ユーザごとに予めHDD103に登録してあるユーザ名とパスワードと、S302で受け付けたユーザ名とパスワードとを比較し、一致するか否かを判定する。
【0029】
S304で、CPU100は、一致したと判定すると、CPU100は認証OKと判定し、S306に処理を進め、一致しないと判定すると、S305に処理を進める。
【0030】
S305で、CPU100は、操作部12にエラー表示を実行させ、S301に処理を進める。
【0031】
S306で、CPU100は、S304で一致したと判定すると、S306に処理を進める。
【0032】
S307で、CPU100は、ユーザを画像処理装置1にログインさせる。
【0033】
S308で、CPU100は、現在ログイン中のユーザを記憶する。
【0034】
S309で、CPU100は、ログインユーザの画面を操作部12に表示させる。
【0035】
図5は、ユーザが画像処理装置1にログインしたことに従って表示されるコピー機能を選択するためのオブジェクトと、送信機能を選択するためオブジェクトを表示するためのホーム画面である。
【0036】
ホーム画面は、メニュー500と、ユーザ毎の統合履歴509とが含まれる。
【0037】
メニュー500には、各機能を選択するための機能選択ボタン(コピーボタン501、送信ボタン502、FAXボタン503)と、ユーザが予め設定した設定内容を呼び出すためのカスタムボタンが表示される。カスタムボタンには、例えば、契約書ボタン504、依頼書ボタン505、自分へ送信ボタン506がある。
【0038】
これらのボタンは、画像処理装置1にログインしたユーザの情報をもとに、ユーザがカスタマイズしたレイアウトで表示される。また、ボタンの中には、ユーザ個人のホーム画面にしか表示されないマイボタンと、他のユーザのホーム画面にも共通して表示される共有ボタンとがある。
【0039】
スライダーバー507は、一度に表示できないボタンを表示するために操作されるバーであり、このメニュー500がスライドして移動できることを示している。このスライダーバーをスライドするか、矢印を押すか、メニュー500がフリック操作されることで、CPU100はその操作を受けて、HDD103から、次の領域に登録されているアプリケーションボタンやカスタムボタンを呼び出して表示する。
【0040】
現在、画像処理装置1にログインしているユーザのユーザ名が、右上のユーザ名を表示する領域508に表示されている。
図5は、「ユーザA」が画像処理装置1にログインしている状態を示している。
【0041】
統合履歴509は後で詳しく説明するが、この画像処理装置1が実行した複数のアプリケーションのジョブの実行履歴をジョブの設定とともに自動的に登録し、履歴レコードとしてジョブを実行した時間順に表示する領域である。統合履歴509の下に行くほどジョブを実行した時間が古く、上に行くほどジョブを実行した時間が新しい。つまり、上に行くほど最近実行したジョブの履歴レコードが表示されるため、ユーザは、スライダーバー507を操作せずとも、最近実行したジョブの履歴レコードを確認しやすくなる。
【0042】
ユーザが画像処理装置1にログインすると、この統合履歴509の領域には、ログインしたユーザが過去に実行したジョブの履歴のみが表示される。ユーザが一度もジョブを実行していない場合、もしくは、統合履歴509上のレコードを削除した場合は、
図5(A)のように統合履歴509の領域の表示は空となる。
【0043】
これ以降の統合履歴509の表示の制御はHDD103に記憶された統合履歴を表示するためのアプリ(以降、統合履歴または統合履歴アプリと呼ぶ。)に基づいて、CPU100により実行されるものとする。また、統合履歴で利用するデータはHDD103に記憶されるものとする。
【0044】
図9は、本実施形態に係るジョブの実行時のフローチャートである。
図9のフローチャートの処理は、CPU100がROM104に記憶されたプログラムをRAM102に読み出して実行することによって実現される。このフローチャートは、画像処理装置1のコピーボタン501が選択されたことに従って開始される。
【0045】
S601で、CPU100は、操作部12にコピー画面を表示させる。ユーザはコピー画面を介して、コピーの部数の設定、モノクロ/カラー設定、片面/両面読み設定、倍率設定、印刷用紙の設定等を行う。CPU100は、受け付けた設定をHDD103に記憶する。
図10(A)は、コピー画面200である。コピー画面200は、カラー選択ボタン703、倍率設定ボタン704、用紙選択ボタン705、仕上げボタン706、両面ボタン707、濃度ボタン708、原稿の種類ボタン709、IDカードコピーボタン710を含む。また、コピー画面200は、その他の機能ボタン711、設定の履歴ボタン712、よく使う設定ボタン713がある。カラー選択ボタン703は、原稿をカラーで読み取るか、モノクロで読み取るかを設定するためのボタンである。倍率設定ボタン704は、原稿を読み取って原稿の画像を拡大、または縮小して印刷するための倍率設定を行うためのボタンである。用紙選択ボタン705は、印刷用紙を選択するためのボタンである。仕上げボタン706は、1ページ目から順にソートして印刷し、ステープルなしで出力するか、1ページ目から順にソートして印刷し、ステープルをして出力するかの設定を行うためのボタンである。両面ボタン707は、原稿の片面のみを読み取るか、原稿の両面を読み取るかを設定するためのボタンである。濃度ボタン708は、印刷される画像の濃度を設定するためのボタンである。原稿の種類ボタン709は、原稿の種類が文字か、文字/写真か、写真かを選択するためのボタンである。IDカードコピーボタン710は、原稿の表裏の画像を読み取って、1枚の印刷用紙の同じ面に並べて印刷するIDカードコピーモードを設定するためのボタンである。
【0046】
その他の機能ボタン711は、上述した機能以外の機能(例えば、パンチ機能や、地紋印刷機能等)を設定するためのボタンである。設定の履歴ボタン712は、過去に実行したコピーの設定の履歴を表示するためのボタンである。よく使う設定ボタン713は、ユーザがよく使う設定を予め登録し、編集し、呼び出すための画面を表示するためのボタンである。ホームボタン714は、ホーム画面に戻るためのボタンである。
【0047】
設定確認ボタン702は、現在設定されているコピーの設定内容を文字列で一覧表示させるためのボタンである。
【0048】
図10(A)の画面では、カラーが白黒、倍率が100%、用紙サイズが自動、部数が1部、ソートが設定されている状態であることが設定値を表示する領域701と、各ボタン上の表示でわかる。
【0049】
ユーザは、このようにコピーの設定を行い、スキャナ120に原稿を置いた状態で、スタートキー201を押す。
【0050】
S602で、CPU100は、スタートキー201が押されたか否かを判定する。
【0051】
S603で、CPU100は、
図10(A)のコピー画面を介して受け付けた設定をHDD103から読み出し、読み出した設定に従ってコピージョブを実行する。
【0052】
S604で、CPU100は、実行したコピージョブの設定内容をジョブの実行履歴としてHDD103に記憶する。ここで、CPU100は、タイマ105を参照して取得した時間情報をそのジョブの実行履歴として記憶する。
【0053】
図12(A)は、S604でHDD103のコピー機能のメモリ領域に保存されたデータの一例を表している。
図12(A)のデータテーブルのヘッダ801に示すように、このテーブルはアプリケーションの設定値を記録する。1行目のデフォルト設定802の行には、コピー機能のデフォルトの設定値が保存されており、2行目の今回の設定803の行には、今回実行したジョブの設定が追加で保存される。
【0054】
図13は、アプリケーション側で、統合履歴509に表示するボタンの名称を生成するフローである。
図13のフローチャートの処理は、CPU100がROM104に記憶されたプログラムをRAM102に読み出して実行することによって実現される。このフローチャートは、
図6のS604でジョブの実行が完了したことに従って実行される。
【0055】
図6のS604のジョブ終了後、S901で、CPU100はHDD103に記憶された統合履歴509のデータを取得する。
図14(A)が統合履歴509用に保存されているデータテーブルである。データテーブルのヘッダ1001に示すように、ボタンIDとアプリケーションID、データタイプが記憶されている。また、アプリケーションで設定した設定値のデータまたはアプリケーションで検知した装置自体またはジョブ個別の状況種別、日時と設定値または発生状況のテキストデータが記憶されている。
【0056】
ボタンIDは、統合履歴509に登録されている履歴を一意に識別するためのIDである。アプリケーションIDは統合履歴509に登録されている履歴が、どのアプリケーションで実行されたジョブかを識別するIDである。このアプリケーションIDは、装置自体の管理アプリなら「100」、コピーなら「101」、送信なら「201」など、アプリケーション毎にあらかじめ決められている。
【0057】
データタイプは、後述するデータ本体の種別を識別するものであり、「設定」はジョブ設定データを表し、「状況」は装置自体またはジョブ個別の状況情報データを表している。
【0058】
データはアプリケーションで実行されたジョブ設定のデータである。例えば、コピーのアプリケーションでは、部数や、カラー、用紙サイズなど、アプリケーションで設定する機能と設定値がすべて入っている。
【0059】
表示テキストは、日時と設定値からなる。設定値は、ジョブで使用された設定内容や、装置の状態をアプリケーションが管理するために必要な情報である。装置の状態として、装置自体の状況種別と、ジョブの状況種別とがある。装置自体の状況種別は、例えば
図15(A)の行1006のようなファクスの回線に障害がある場合などの装置自体の情報である。ジョブの状況種別は、例えば
図15(B)の行1007のような電子メールの送信でエラーが発生したなどの特定のジョブに関する状況種別である。
【0060】
これらの各種データの形式は、そのデータを登録したアプリケーションが読み取れる形式で記憶さている。表示テキストの日時はジョブを実行、またはアプリケーションが装置自体またはジョブ個別の状況を検知した日時で、統合履歴509のボタンに表示されるテキストデータである。表示テキストの設定値は実行したジョブの設定の中で特徴的な設定をピックアップしたテキストデータ、またはアプリケーションが検知した装置自体またはジョブ個別の状況を表す特徴的なメッセージで、これも統合履歴509のボタンに表示される。この日時と設定値のテキストは、ユーザが統合履歴509を見て、それぞれの履歴が、どのような設定で実行されたジョブの履歴であるかを思い出すことができる。
【0061】
S901で統合履歴509のデータを取得すると、S906で、CPU100は、画像処理装置1における状況が変化したかどうかを判断する。
【0062】
状況が変化したのではない判断すると、次に、S902で、CPU100は、取得したデータと今回実行したジョブ設定のデータを比較し、既に統合履歴509内に同じ設定データの履歴がないかのチェックを行う。統合履歴509のデータと今回実行した設定データを比較する理由は、履歴の重複を省くためである。重複があると、限られた統合履歴509の表示領域が、同じ設定で埋まってしまうことが考えられる。履歴を再利用するユーザにとっては、同じ設定が並ぶよりも、より多くのバリエーションの設定が並ぶほうが選択の幅が増える。今回は比較するデータがないため、CPU100は、既存の履歴データに今回の設定データはないと判断する。統合履歴509に同じ履歴のデータがなかった場合、S903でCPU100は履歴に表示する設定値のテキストを生成する処理を開始する。
【0063】
図16は設定値のテキストを生成するフローである。
図16のフローチャートの処理は、CPU100がROM104に記憶されたプログラムをRAM102に読み出して実行することによって実現される。
【0064】
まず、S1107で、CPU100はカスタムボタンの名称1802がメニュー500からアプリケーションに通知されているかの判断を行う。名称とは、カスタムボタンの動作で説明する、メニュー500で、カスタムボタン(504~506)のいずれかが選択され、ジョブが実行された際に、アプリケーションに通知する情報の一つである。名称1802が通知されているとCPU100が判断した場合に、CPU100は、S1109で、カスタム設定値と今回の設定値を比較する。差分がないと判断した場合、S1108で、CPU100はTXTデータを通知された名称1802で置き換えてフローを終了する。S1107で名称が通知されていないと判断した場合、または、S1109で名称は通知されているがジョブの設定内容がカスタム設定から変更されている場合、S1109に処理を進める。
【0065】
また、S1107からS1101に処理を進めた場合、CPU100は、今回実行したジョブの設定値とデフォルト設定の設定値を比較する。具体的に、CPU100は、
図12(A)の設定値の項目の左から順番に比較を行う。今回の例の場合、CPU100はコピー部数から比較する。比較した結果、1つ以上差分があった場合、CPU100は、S1102で、その設定値のテキストを取得する。デフォルト設定との差分をピックアップする理由は、ユーザが意図的に設定値を変更した項目の方が、印象に残っていると想定できるからである。今回の場合、まず、部数で差分があるので、CPU100が最初に取得する設定値のテキストは2部となる。次に、S1103で、CPU100はテキストの長さを取得する。統合履歴509に表示されるボタンは表示できる文字列に限界があるため、S1104で、表示上限に達していないかのチェックをCPU100が行う。もし、この時、CPU100が、表示上限を超えると判断した場合は、テキストデータは追加されずに表示テキスト生成の処理は終了となる。上限に達していない場合、S1105で、読み込んだテキストデータを、CPU100が統合履歴509に表示する設定値のテキストデータとして追加する。まだ設定の差分がある場合は、S1106からS1102に処理を進め、CPU100は、S1102~S1105の処理を繰り返す。表示上限に達する前に、差分の設定データがなくなった場合も、テキストデータの生成は終了となる。今回は両面設定までが差分なので、「2部、カラー、両面」までがテキストデータとして生成され、それ以上差分はないため、そこまでが設定値テキストのデータとなる。最後に、CPU100が実行するアプリケーション側のアプリケーションIDと
図6のS604でHDD103に保存した今回の設定データをdata1.xmlとして保存する。それと合わせて、生成した設定値テキスト、ジョブ実行日時のテキスト、既存データのあり/なしを、HDD103に保存し、S904でCPU100は、それらの内容を統合履歴509に送信する。既存データのあり/なしは、S902で比較した結果である。
【0066】
このようにして、統合履歴に表示されるオブジェクトが登録される。
【0067】
次に、S906の判定でS907に処理を進める場合について説明する。例えば、ファクス回線の障害を検知した場合にS906からS907に処理が進む。画像処理装置1は、自装置の状態を監視するための「状態監視アプリ」を有する。状態監視アプリは、HDD103に記憶され、CPU100によってRAM102に読み出され、実行される。
【0068】
S901で、CPU100は、HDD103に保存された統合履歴509のデータを取得する。統合履歴509用に保存されているデータテーブルは
図14(E)の状態である。
【0069】
S906で、CPU100が、画像処理装置1の状況が変化したと判断した場合、S907で、CPU100は、状況が新たに発生したのかどうかを判断する。回線の切断が新たに発生したと判断した場合、
図19(A)に示す状況説明テーブルに従って、検知された状況種別から、状態種別と表示すべき説明文とを取得する。CPU100は、状況種別=”回線”(1402)、状態=“切断”(1403)の状態種別=“警告”(1404)と説明ID=“MSG_ID_FAX_LINEOFF”(1405)を取得する。状態種別=“警告”は装置、またはそれに影響を受けるアプリの利用を停止する状態であることを表すものである。
【0070】
次に、CPU100は、状態監視アプリを実行することによって、
図20に示す説明IDと表示言語文字列の対応表を参照する。そして、CPU100は、取得した説明ID=“MSG_ID_FAX_LINEOFF”に従い、CPU100は、S908で、操作部12の表示言語にあわせて、状況TXT=“ファクス回線を確認してください。”(1503)を取得する。最後に、S909で、CPU100は、取得した状態種別=“警告”(1402)と表示文字列=“ファクス回線を確認してください。”(1503)を状況TXTとして、統合履歴に送付する。ここで、CPU100は、これらを、アプリケーションID、データタイプ、状況TXT、日時TXT、既存データなし、とともに状況種別、状態、を状況情報データ=“FAXLINE_ERROR.xml”として統合履歴に送付する。これにより、統合履歴509用に保存されているデータテーブルは
図15(A)の状態になり、画面は
図8(A)のようになる。
図8(A)では、エラーレコード517が、他の履歴レコード514~516より優先して、履歴レコード514~516より上に表示されている。また、エラーレコード517は、左部に注意を促すアイコンを含む。
【0071】
さらに、ここでファクス回線の抜けがなくなったことを検知した場合、CPU100は、状況種別として”回線”を、状態として”正常”を生成する。状況種別=”回線”がすでに統合履歴509内にあるため、状態監視アプリは新たに発生した状況ではないと判断し、S910で、CPU100は、その情報の削除を統合履歴509に要求し、S911で、次に状況が解消したかどうかを判断する。仮に判断S911で状態種別=“正常”以外の状況が解消したわけではない場合には、S908で前述した新たな状況が発生したのと同様の処理を行う。これにより新たな状態の状況情報が統合履歴509に表示されることになる。今回の状況種別=”回線”、状態=“正常”に相当する状態種別は“正常”であるため状況が解消したとCPU100はS911で判断し、そのまま処理を終了する。これにより統合履歴509に表示されていて状況表示も消える。
【0072】
上記は、CPU100が回線の抜けという状況を検知した場合で説明したが、同様にジョブを投入するアプリがユーザに通知すべき状態を検知した場合も同様に動作する。
【0073】
例えばコピーアプリが、装置でステープル可能な枚数の上限を超えるようなジョブをステープル設定で実行指示されたとする。ユーザがコピージョブを実行した場合の動作はすでに述べたとおりであるので、ここではコピージョブの実行に関して何らかのユーザに通知すべき状況が発生した場合のみの動作を説明する。
【0074】
まずコピーアプリはユーザにより設置された原稿を設定された条件で読み込み、出力すべき用紙の総枚数を計算する。この例では出力総枚数がステープル可能枚数の上限を超えたとコピーアプリが判断したものとする。コピーアプリはこの状況にしたがって、状況種別=”実行“、状態=”ステープル枚数オーバー“、状態種別=”注意“を生成する。状態種別=”注意”は実行を停止しないが、ユーザに注意喚起を行う状態種別である。これにより、S906で、CPU100によって実行されるコピーアプリは状況が変化したと判断する。コピーアプリは、次に、S907で状況が新たに発生したのかどうかを判断する。状況種別=“実行”が新たに発生した状況であると状態監視アプリが判断した場合、コピーアプリは
図19(B)に示す状況説明テーブルに従って、コピーアプリが検知した状況種別から、状態種別と表示すべき説明文とを取得する。コピーアプリは、状況種別=”実行”(1409)、状態=“ステープル枚数オーバー”(1406)の説明ID=“MSG_ID_COPY_STAPLEOVER”(1407)を取得する。次にコピーアプリは
図20に示す説明IDと表示言語文字列の対応表に基づいて、取得した説明ID=“MSG_ID_COPY_STAPLEOVER”(1504)に従い、操作パネルの表示言語にあわせて、状況TXT=“ステープル枚数オーバーでした。”(1505)を取得する(S908)。最後にコピーアプリは、S909で、取得した状態種別=“注意”と表示文字列=“ステープル枚数オーバーでした。”(1505)を状況TXTとして統合履歴に送付する。ここで、コピーアプリは、それらを、アプリケーションID、データタイプ、状況TXT、日時TXT、既存データなしという情報とともに状況種別、状態を状況情報データ=“STAPLEOVER.xml”として統合履歴に送付する(S909)。これにより、統合履歴509用に保存されているデータテーブルは
図15(B)の状態になり、画面は
図8(B)のようになる。
図8(B)では、エラーレコード518が、他の履歴レコード514~516より優先して、履歴レコード514~516より上に表示されている。また、エラーレコード517は、左部にエラーを示すアイコンを含む。
【0075】
図17は、上記設定情報データまたは状況情報データを受信した統合履歴509が履歴を表示するまでのフローである。
【0076】
S1201で、CPU100が実行するアプリケーション側から、CPU100が実行する統合履歴509は
図9のS904でHDD103に保存された値を受け取る。次に、S1202で、CPU100は受け取ったデータが設定データなのかの判断を行う。設定データだと判断すると、S1203で、CPU100は次に既存データのあり/なしをチェックする。今回は既存データなしなので、S1204で、CPU100は統合履歴509のデータテーブルにアプリケーション側から受け取ったデータを新規追加する。アプリケーション側から受け取ったデータは
図14(B)のようにデータテーブルに追加される。もし、既存データありであった場合は、S1205で、CPU100は日付のみの更新を行う。
【0077】
受取ったデータが設定データではないと判断した場合、S1206で、CPU100は次に既存データのあり/なしをチェックする。既存データなしと判断した場合には、S1207で、CPU100は統合履歴509のデータテーブルにアプリケーション側から受け取ったデータを新規追加する。アプリケーション側から受け取ったデータは
図14(E)のボタンID1003のようにデータテーブルに追加される。もし既存データありだった場合は、S1208で、CPU100は日付のみの更新を行う。
【0078】
操作部12の画面はまだコピー画面なので、ホームボタン714を選択すると、CPU100は
図5(B)のホーム画面を表示する。
図5(B)に示すように、統合履歴509に今回の履歴のボタン510が表示された状態でユーザAのホーム画面が表示される。今回の履歴510にはアプリケーションIDから識別されたアプリケーションのアイコン511とジョブ実行日時512とデフォルト設定からの差分を表したテキスト513が表示される。アプリケーションのアイコン511は、コピージョブのアイコンである。なお、送信ジョブのアイコンは
図6(B)の515の履歴レコードのアイコンのように表示される。この情報は、ユーザが今回の履歴510を見たときに、どんな設定だったかを思い出す手助けをする重要な情報となる。同じ設定で、ジョブを実行したい際には、この履歴510をユーザが押下すれば、CPU100が同じ設定を反映した状態でアプリケーションを呼び出す処理を行う。
【0079】
統合履歴509からアプリケーションを呼び出すフローを
図18で説明する。
図18のフローチャートは、CPU100が、ROM104に記憶されたプログラムをRAM102に読み出して実行することで実現される。
【0080】
図5(B)の統合履歴509の履歴レコード510(履歴レコード、またはオブジェクトとも呼ぶ。)をユーザが選択すると、S1301で、選択されたボタンIDの履歴のデータをHDD103に保存された統合履歴509のデータテーブルから読み取る。統合履歴509は読み取った履歴データのアプリケーションIDから対象のアプリケーションを判断し、S1302で、そのアプリケーションに設定データを送信する。今回はコピーなので、コピーのアプリケーションがCPU100によって呼び出される。S1303で、CPU100上で動作するコピーのアプリケーションは受け取ったデータから各種設定の設定値を読み込み、設定を反映した状態で操作部12にアプリケーションの画面を表示する。
図10(B)が履歴510の設定を反映して表示されたコピー画面である。
【0081】
このように、統合履歴509を用いれば、一度実行した設定をユーザはワンタッチで呼び出して利用することができる。
【0082】
次に、統合履歴509から呼び出した設定から、一部の設定を変更して、ジョブ実行した場合に関して説明する。
【0083】
今回は、先程の設定に対し、S602で、部数のみを5部に変更して、スタートキー201をユーザが押下したとする。S603で、CPU100上で動作するアプリケーションは設定の内容に従ってジョブを実行する。CPU100は、S604で、ジョブ実行時の設定を
図12(B)の2行目の今回の設定の行804に示すように上書き保存する。後は、前述したのと同様、
図13のフローで、既に統合履歴509にあるデータと今回の設定データの比較を行い、今回の設定も既存データにないため、
図16のフローで設定差分のテキストが生成されて、統合履歴509に各種データが送付される。その後、
図17のフローで新しい設定の履歴が追加される。
図14(C)は、行1003が新しくデータテーブルに追加された履歴を表している。
図6(A)は、履歴514がホームの統合履歴509に新しく表示された画面である。統合履歴509はジョブの実行日時で降順にソートされ、並べて表示されるため、
図6(A)のように新しく追加されたジョブの履歴がリストの1番目に追加される。
【0084】
このように、一度ユーザが使用したジョブ設定を流用することで、ユーザのジョブ設定の手間を軽減することができる。
【0085】
図6(A)において最初に実行したコピーの履歴510を選択し、設定を変更しないでジョブを実行した場合は、
図13のS902の、統合履歴509に既存データがあるかどうかの判断でありと判断される。そのため、テキストを生成するS903の処理は実行されない。従って、S905で、日時テキストと既存IDありの情報と、それが統合履歴509のどのボタンIDだったかのデータがアプリケーション側から統合履歴509に送付される。既存IDありなので、S1202の
図17の統合履歴509のデータに保存する処理の既存IDあり/なしを判断する処理で既存IDありと判断され、S1204で、
図14(D)でボタンIDが一致するデータの日付のみをCPU100が更新して保存する。
【0086】
図14(E)が、日付が更新されたデータ1005を示す。統合履歴509は、日付順に降順で履歴を表示するため、
図7(A)のように先程実行したコピーの履歴516が設定の履歴の1番目となる。
【0087】
次に、
図7(A)の送信の履歴515の選択によって、対応するジョブの設定内容を呼び出して、ジョブを実行しないで、ホーム画面に戻った場合について説明する。この場合、ジョブが実行されていないため、
図9のS604の設定の保存をする処理以降が行われない。そのため、特に履歴データの更新処理は行われず、
図7(A)のままの表示となる。
【0088】
次に統合履歴509からアプリケーションを呼び出すフローを
図18で説明する。
【0089】
画面は
図8(A)で、統合履歴509のデータは
図15(A)であるとする。
【0090】
統合履歴509のエラーレコード517をユーザが押下すると、CPU100上で動作する統合履歴509は押下されたボタンID=1004の履歴のデータをHDD103に保存された統合履歴509の
図15(A)に示すデータテーブルから読み取る。統合履歴509は読み取った履歴データのアプリケーションID=100から対象のアプリケーションが状態監視アプリであると判断し、S1302で、その状態監視アプリに状況情報データ=“FAXLINE_ERROR.xml”を送信する。CPU100上で動作する状態監視アプリは受け取った状況情報データ=“FAXLINE_ERROR.xml”から状況種別、状態を読み込む。そして、この状況種別=“回線”の今現在の状況を確認し、S1303で、その状況を解消するためのガイダンスを示す画面をタッチパネル200に表示する。
図21がエラーレコード517の状況を反映して表示された状態監視アプリ画面である。
【0091】
このように、統合履歴509はそのユーザが所望の状況をワンタッチボタンで表示することができる。
【0092】
同様に
図8(B)、
図15(B)の状態のコピーアプリの情報にもユーザはワンボタンで表示することが可能である。以下でそれを説明する。
【0093】
統合履歴509のエラーレコード518をユーザが押下すると、CPU100上で動作する統合履歴509は押下されたボタンID=1004の履歴のデータをHDD103に保存された統合履歴509の
図15(B)に示すデータテーブルから読み取る。統合履歴509は読み取った履歴データのアプリケーションID=101から対象のアプリケーションがコピーアプリであると判断し、S1302で、コピーアプリに状況情報データ=“STAPLEOVER.xml”を送信する。CPU100上で動作するコピーアプリは受け取った状況情報データ=“STAPLEOVER.xml”から状況種別、状態を読み込み、S1303で、この状況種別=“実行”、状態=“ステープル枚数オーバー”の状況にあった画面を操作部12に表示する。
図21がエラーレコード518の状況を反映して表示された状態監視アプリ画面である。
【0094】
仮に、コピージョブが用紙なし中断している場合は、コピーアプリは状況種別=”実行”、状態=“用紙なし”、状態種別=“中断”、を生成し(1408)、統合履歴データは
図15(C)のようになり、
図8(C)の表示になる。
図8(C)では、エラーレコード519が、他の履歴レコード514~516より優先して、履歴レコード514~516より上に表示されている。また、エラーレコード519は、左部にエラーを示すアイコンを含む。このエラーレコード519をユーザが選択すると、コピーアプリは
図11(B)のような給紙段選択画面を表示する。ここでユーザが用紙のある給紙段を指定するか、指定している給紙段に用紙を補給すると、コピーアプリは用紙なしの状態が解除されたと判断して中断していたコピージョブを開始する。それとともに、すでに説明したとおり、状況が用紙なしが解消したためこの変化をS907で検知したコピーアプリが、当該状況情報の削除を統合履歴509に要求し、状況が解消しているのでそのまま処理を終了する。
これにより統合履歴データは
図14(E)となり、ホーム画面は
図7(A)になって、ユーザには処理すべき状況は何も無いことが分かる。
【0095】
次に統合履歴509のメニューに登録、削除について説明する。
【0096】
統合履歴509に表示されるボタンは、ユーザによる履歴のボタンの長押し操作によって、
図7(B)に示すように、そのボタン自体に対する操作のコンテキストメニュー580を表示する。コンテキストメニュー580を表示するユーザ操作に関して、長押しを例に挙げたが、ダブルタップや呼出し用のボタンを配置するなど、コンテキストメニュー580の呼び出し方は長押しに限定しない。コンテキストメニュー580には統合履歴509のボタンに対する操作として、実行581、メニューに登録582、削除583といったコンテキストメニューがある。
【0097】
図7(B)で実行581を選択した場合は、すでに
図18を用いて説明した通り、CPU100がアプリケーションの呼出処理を行う。
図7(B)でメニューに登録582を選択した場合は、CPU100が左側のメニュー500内に新しいボタンとして、カスタムボタンを登録する処理を行う。ここで登録されるボタン位置はメニュー500の空白もしくはユーザに選択させるといった処理が考えられる。
【0098】
図7(B)で削除583をユーザが押下した場合は、選択された履歴を削除する処理がCPU100によって実行される。CPU100は、履歴の順序のデータテーブルと
図14の統合履歴509のデータテーブルから対象を削除し、残った履歴の日時でのソート処理を実行する。
【0099】
選択された履歴509のボタンが設定ではなく状況情報のボタンであるとCPU100が判断した場合には、メニューに登録582は表示せず実行581と削除583のみを表示する。
【0100】
次に、統合履歴509上の履歴レコードやエラーレコードが上限に達した場合について説明する。
【0101】
異なる設定のジョブ実行が繰り返し行われ、統合履歴509の保存数の上限に達すると、データテーブルの古い履歴から順番に削除する処理がCPU100によって行われる。この上限は記憶領域の上限であり、必ずしも表示領域の上限と同じとは限らない。表示領域の上限は、ボタンサイズやレイアウトといった設定や、スライダーバーやフリックでスクロール可能とするかどうかなどによって、可変であるためである。
【0102】
本実施形態によれば、ユーザはコピー機能や送信機能を選択可能な画面で、ジョブの履歴を履歴レコードで確認するとともにエラーレコードによってエラーが発生していることを容易に確認することができる。また、エラーレコードを履歴レコードより優先して、履歴レコードより上に表示するため、ユーザは、エラーが発生しているときに、エラーに気づきやすくなる。また、エラーレコードをエラーが発生した発生日時とともに表示するための、ユーザは、エラーレコードで、いつエラーが発生したかを確認しやすくなる。
【0103】
[第二実施形態]
第二実施形態では、画像処理装置間で上述した統合履歴データを共有する場合の処理について説明する。
【0104】
図22に画像処理装置間の関係を模式的に表している。
【0105】
画像処理装置1、画像処理装置2、画像処理装置3はそれぞれこれまで説明してきた機能を持つ、画像処理装置であって、図に示すとおりLANで相互に接続されている。
【0106】
図3で説明した認証も相互に連動しており画像処理装置1で認証可能なユーザは画像処理装置2や画像処理装置3でも同じユーザとして認証可能である。画像処理装置1が認証サーバ機能を兼ねているとする。
【0107】
ユーザAは画像処理装置1で
図8(A)を見ており、統合履歴データは
図15(A)の状態にあるとする。この状態でユーザAが画像処理装置2にログインすると、画像処理装置2はユーザを識別する設定がONになっている場合、画像処理装置2は本体起動後、CPU100はタッチパネル200に認証画面を表示する(S301)。
図4が画像処理装置2に表示される認証画面である。認証画面にはユーザ名401とパスワード402を入力する領域がある。画像処理装置2は認証画面表示後、ユーザ名とパスワードの入力待ち状態となる(S302)。ユーザがあらかじめ登録したユーザ名とパスワードをそれぞれ入力し、OKボタン403を押下すると、CPU100はこの情報を画像処理装置1に送信する。画像処理装置1はHDD103に保存されているユーザ名とパスワードと入力されたユーザとパスワードが一致するかの比較を行う(S303)。ユーザ名とパスワードが一致しなかった場合、画像処理装置1は認証エラーを画像処理装置2に返す(S304)。画像処理装置2のCPU100は認証エラーを受信するとタッチパネル200にエラーメッセージを表示し、再び認証画面を表示する(S305)。画像処理装置1がユーザ名とパスワードが一致すると判断した場合、画像処理装置1のCPU100は、HDD103に保存されたユーザに紐づく情報を呼び出して画像処理装置2に送信する(S306)。その際に、ほかの装置に履歴情報データを送信する際には、
図18に示すフローにしたがって送信データを生成する。まず、履歴情報データの読み出し位置[i]と、送信データの書き込み位置[j]を0に初期化する(S1801)。次に履歴情報データのデータ[i]が存在するかどうかの確認を行う(S1802)。データ[i]が存在する場合にはデータ[i]を読み出し(S1803)、そのデータタイプが“設定”かを確認する(S1804)。データタイプが“設定”であった場合には転送データ[j]に読み出したデータ[i]をセットし(S1805)、履歴情報データの読み出し位置[i]と、送信データの書き込み位置[j]をひとつずつ進める(S1806)。データタイプが“設定”ではなかった場合には、履歴情報データの読み出し位置[i]をひとつずつ進める(S1807)。その後、更新された履歴情報データの読み出し位置[i]に相当するデータ[i]が存在するかを確認し(S1802)、読み出すべきデータ[i]が存在しないを判断した場合には、送信データを送信する(S1808)。画像処理装置2はユーザに紐づく情報の呼び出しが完了すると、CPU100はユーザのログインを許可し(S307)、現在ログイン中のユーザとして、画像処理装置2のHDD103に保存する(S308)。その後、画像処理装置2のCPU100は呼び出したログインユーザの情報を反映したホーム画面をタッチパネル200に表示する(S309)。この時点での画像処理装置2のユーザAに関する履歴情報データは
図14(E)になっており、ユーザAのホーム画面は
図7(A)が表示される。
【0108】
画像処理装置2はユーザAがログアウトすると、ユーザ情報を画像処理装置1に送信しユーザ情報を更新する。
【0109】
本実施形態によれば、画像処理装置間で上述した統合履歴データを共有することができるので、別の画像処理装置を使う場合でも、履歴レコードや、エラーレコードを確認することができる。
【0110】
[第三実施形態]
上述した実施形態では、設定データも状況情報データも同様に管理し、それぞれをデータタイプで区別していた。第三の実施形態では、状況情報データをユーザログアウト時にすべて削除する例を示す。
【0111】
第一の実施形態に対する差分についてのみ説明する。
【0112】
ログアウト指示を受けるとCPU100は、まず、履歴情報データの読み出し位置[i]と、保存データの書き込み位置[j]を0に初期化する(S1901)。次に履歴情報データのデータ[i]が存在するかどうかの確認を行う(S1902)。データ[i]が存在する場合にはデータ[i]を読み出し(S1903)、そのデータタイプが“設定”かを確認する(S1904)。データタイプが“設定”であった場合には保存データ[j]に読み出したデータ[i]をセットし(S1905)、履歴情報データの読み出し位置[i]と、保存データの書き込み位置[j]をひとつずつ進める(S1906)。データタイプが“設定”ではなかった場合には、履歴情報データの読み出し位置[i]をひとつずつ進める(S1907)。その後、更新された履歴情報データの読み出し位置[i]に相当するデータ[i]が存在するかを確認し(S1902)、読み出すべきデータ[i]が存在しないを判断した場合には、保存データでデータを上書して保存する(S1908)。これにより、仮に履歴情報データが
図15(B)や
図15(C)の状態でログアウト時統合履歴データ処理を行うことにより、データタイプが設定以外であるデータ1006は保存されず、結果、履歴情報データは
図14(E)の状態で保存される。
【0113】
再度、ログインすると各アプリが管理する状況を統合履歴509に登録する。ログアウト前の履歴情報データが
図15(A)であり、その状況が変わっていない場合は、装置全体の状態監視アプリが第一の実施例で説明したのと同様に、その時点で新たに発生した状況としてデータ1006と同様のデータを登録する。しかし、その日時は新たな状況として検知した日時になっている。
【0114】
また、ログアウト前の履歴情報データが
図15(B)であった場合、コピージョブがステープル枚数オーバーになったことは発生していないため、コピーアプリは状況を登録しないため履歴情報データは
図15(B)の状態で開始する。
【0115】
本実施形態によれば、状況情報データをユーザログアウト時にすべて削除するので、ユーザが一度確認した状況については再表示をせずに済む。
【0116】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0117】
100 CPU
102 RAM
103 HDD