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特許7604711電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法、システム、設備および記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法、システム、設備および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20241216BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20241216BHJP
   G06Q 10/0633 20230101ALI20241216BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/06
G06Q10/0633
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2024114313
(22)【出願日】2024-07-17
【審査請求日】2024-07-17
(31)【優先権主張番号】202311363635.3
(32)【優先日】2023-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523295154
【氏名又は名称】杭州電力設備制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Electric Power Equipment Manufacturing Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 91, No. 11 Street, Qiantang New District, Hangzhou, Zhejiang Province, China
(73)【特許権者】
【識別番号】520230673
【氏名又は名称】国網浙江省電力有限公司杭州供電公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Electric Power Supply Company of State Grid Zhejiang Electric Power Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 59 East Jiefang Road, Shangcheng District, Hangzhou City, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朱 炯
(72)【発明者】
【氏名】王 峰渊
(72)【発明者】
【氏名】劉 偉浩
(72)【発明者】
【氏名】徐 越飛
(72)【発明者】
【氏名】樊 立波
(72)【発明者】
【氏名】張 欣
(72)【発明者】
【氏名】呉 小歓
(72)【発明者】
【氏名】張 静
(72)【発明者】
【氏名】戚 佳金
(72)【発明者】
【氏名】徐 帆
(72)【発明者】
【氏名】韓 栄杰
(72)【発明者】
【氏名】孫 智卿
(72)【発明者】
【氏名】来 益博
(72)【発明者】
【氏名】呉 望冰
(72)【発明者】
【氏名】兪 雋亜
(72)【発明者】
【氏名】陳 世▲ぢぅ▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 寅飛
(72)【発明者】
【氏名】沈 景貴
(72)【発明者】
【氏名】陳 云龍
(72)【発明者】
【氏名】孟 浩杰
(72)【発明者】
【氏名】胡 茵
(72)【発明者】
【氏名】劉 志強
(72)【発明者】
【氏名】▲しん▼ 志鋼
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-138395(JP,A)
【文献】特開2014-16801(JP,A)
【文献】特開2013-20571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備におけるプロセッサによって実行される電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法であって、
管理端末によって入力された検証および承認済み顧客データを受信し、予め設定された検査計画と前記顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成し、かつ前記タスク作業オーダーに対応するタスク発生場所、設備複雑度係数、タスク重要度係数、実行チーム要件係数、気象イベント係数、建物複雑度係数を取得するステップであって、前記管理端末は、前記顧客データにおける顧客の管理範囲、プロセスの複雑度、設計者の人数及び車両サイズに応じて、予め設定された顧客ラベルのデータベースを順次走査し、各顧客に対応する顧客ラベルを照合する、当該ステップと、
前記タスク発生場所とタスク実行端末との間の距離、および各タスク実行端末のチームレガシーファクター、グループ学習ファクター、現在タスク重要度の重みに基づいて、予め設定されたタスク近接実行条件を満たす複数のタスク実行端末を選択するステップであって、前記チームレガシーファクターと前記グループ学習ファクターは予め付与され、前記チームレガシーファクターが大きいほど、実行チームは、実行チーム自体が過去に訪れたタスク数の最も多い場所に行く傾向が強くなり、前記グループ学習ファクターが大きいほど、実行チームは、他の実行チームが過去に訪れたタスク数の最も多い場所に行く傾向が強くなる、当該ステップと、
タスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との予め設定された関係式に、前記複数のタスク実行端末のそれぞれのチーム人数の情報を含む前記タスク作業オーダーに対応する値を代入し、前記タスク作業オーダーをマッチング度の最も高いタスク実行端末に発行するステップと、を含み、
前記設備複雑度係数は次のとおりであり、
【請求項2】
前記タスク近接実行条件は
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下になることであり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計である、ことを特徴とする、請求項1に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法。
【請求項3】
前記タスク近接実行条件は
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下になることであり、
記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも大きい場合、前記タスク発生場所は、前記チームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計である、ことを特徴とする、請求項1に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法。
【請求項4】
前記タスク近接実行条件は
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下になることであり、
記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも小さい場合、前記タスク発生場所は、他のチームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計である、ことを特徴とする、請求項1に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法。
【請求項5】
記タスク実行端末がタスク実行中の状態にあり、かつ前記タスク実行端末のチームが現在タスクに対応するタスク発生場所に到着していない場合、前記現在タスクに対応するタスク重要度係数が、発行される前記タスク作業オーダーに対応するタスク重要度係数よりも小さければ、前記タスク近接実行条件を満たすことを含むことを特徴とする、請求項2~4のいずれか1項に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法。
【請求項6】
前記管理端末は、タスクマスターコア分配端末であり、前記タスクマスターコア分配端末は、演算コアとして幾何学演算能力チップを採用し、CPU Cortex-A7とCPU Cortex-M33の間の、メモリ共有周辺機器へのアクセスを同期するためのビーコンを、リアルタイム処理をし、CPU Cortex-M33へのアクセスを行う所定距離以内のバス上に構成し、前記CPU Cortex-A7は前記幾何学演算能力チップのAXIバス上に配置され、前記CPU Cortex-M33は前記幾何学演算能力チップのAHBバス上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法。
【請求項7】
予め設定された検査計画と前記顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成するステップ
前記顧客ラベルに基づいて対応する検査計画を生成し、顧客側に送信するステップと、
前記管理端末は、前記顧客側から返送された承認済み情報に応答して、前記顧客データ、前記検査計画に基づいて前記タスク作業オーダーを生成するステップと、含むことを特徴とする、請求項1に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法。
【請求項8】
管理端末によって入力された検証および承認済み顧客データを受信し、予め設定された検査計画と前記顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成し、かつ前記タスク作業オーダーに対応するタスク発生場所、設備複雑度係数、タスク重要度係数、実行チーム要件係数、気象イベント係数、建物複雑度係数を取得するために使用されるデータ収集・作業オーダー生成モジュールであって、前記管理端末は、前記顧客データにおける顧客の管理範囲、プロセスの複雑度、設計者の人数及び車両サイズに応じて、予め設定された顧客ラベルのデータベースを順次走査し、各顧客に対応する顧客ラベルを照合する、当該データ収集・作業オーダー生成モジュールと、
前記タスク発生場所とタスク実行端末との間の距離、および各タスク実行端末のチームレガシーファクター、グループ学習ファクター、現在タスク重要度の重みに基づいて、予め設定されたタスク近接実行条件を満たす複数のタスク実行端末を選択するために使用されるチーム検索・選別モジュールであって、前記チームレガシーファクターと前記グループ学習ファクターは予め付与され、前記チームレガシーファクターが大きいほど、実行チームは、実行チーム自体が過去に訪れたタスク数の最も多い場所に行く傾向が強くなり、前記グループ学習ファクターが大きいほど、実行チームは、他の実行チームが過去に訪れたタスク数の最も多い場所に行く傾向が強くなる、当該チーム検索・選別モジュールと、
タスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との予め設定された関係式に、前記複数のタスク実行端末のそれぞれのチーム人数の情報を含む前記タスク作業オーダーに対応する値を代入し、前記タスク作業オーダーをマッチング度の最も高いタスク実行端末に発行するために使用される作業オーダーマッチング・発行モジュールと、を含み、
前記設備複雑度係数は次のとおりであり、
【請求項9】
前記タスク近接実行条件は
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下になることであり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計である、ことを特徴とする、請求項8に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理システム。
【請求項10】
前記タスク近接実行条件は
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下になることであり、
記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも大きい場合、前記タスク発生場所は、前記チームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計である、ことを特徴とする、請求項8に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理システム。
【請求項11】
前記タスク近接実行条件は
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下になることであり、
記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも小さい場合、前記タスク発生場所は、他のチームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計である、ことを特徴とする、請求項8に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理システム。
【請求項12】
記タスク実行端末がタスク実行中の状態にあり、かつ前記タスク実行端末のチームが現在タスクに対応するタスク発生場所に到着していない場合、前記現在タスクに対応するタスク重要度係数が、発行される前記タスク作業オーダーに対応するタスク重要度係数よりも小さければ、前記タスク近接実行条件を満たすことを含むことを特徴とする、請求項8~11のいずれか1項に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理システム。
【請求項13】
前記管理端末は、タスクマスターコア分配端末であり、前記タスクマスターコア分配端末は、演算コアとして幾何学演算能力チップを採用し、CPU Cortex-A7とCPU Cortex-M33の間の、メモリ共有周辺機器へのアクセスを同期するためのビーコンを、リアルタイム処理をし、CPU Cortex-M33へのアクセスを行う所定距離以内のバス上に構成し、前記CPU Cortex-A7は前記幾何学演算能力チップのAXIバス上に配置され、前記CPU Cortex-M33は前記幾何学演算能力チップのAHBバス上に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理システム。
【請求項14】
前記データ収集・作業オーダー生成モジュールは
前記顧客ラベルに基づいて対応する検査計画を生成し、顧客側に送信することと、
前記管理端末は、前記顧客側から返送された承認済み情報に応答して、前記顧客データ、前記検査計画に基づいて前記タスク作業オーダーを生成することとのために使用されることを特徴とする、請求項8に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理システム。
【請求項15】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、かつ前記プロセッサによって実行されるように構成されたコンピュータプログラムとを備え、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時に、請求項1~4、6~7のいずれか1項に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法を実現することを特徴とする、電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備。
【請求項16】
記憶されたコンピュータプログラムを含むコンピュータ読取可能な記録媒体であって、前記コンピュータプログラムは、実行されると、前記コンピュータ読取可能な記録媒体が配置された設備に、請求項1~4、6~7のいずれか1項に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法を実行させるように制御することを特徴とする、コンピュータ読取可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力システムの技術分野に関し、具体的には電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法、システム、設備および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模イベントを成功裏に開催するためには、気象災害、地理災害、外部被害などによる広域的な停電に備え、重要な顧客、送配電網設備、支援資源、故障警報、隠れたリスク、活動の流れ、外部気象など様々な要素情報への全方位監視を実現し、指揮系統、資源の調達、全分野の点検・整備・修理作業、全レベルでの電力保全訓練の全面的な管理制御を行い、電力保全配置の常態化管理を支援する必要がある。
【0003】
従来の電力保全モードでは、人間の経験と組織管理活動に基づいて電気設備や外部気象など様々な情報を取得し、多くの場合、大量のスタッフを組織して現場設備の隠れたリスクを徹底的にチェックする必要があるため、効率が低く、過程追跡と管理制御を達成することが困難なだけでなく、また、人員管理の怠慢によるタスク投入のタイミングを逸したり、タスクが漏れてしまったりといった問題も起こりやすくなり、電力保全作業の円滑な実施に寄与しない。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法、システム、設備および記憶媒体を提供し、電力保全チームに電力保全タスク作業オーダーを自動的に発行し、現場設備の隠れたリスクの検査および電力消費作業内容のチェックを適時に通知することができる。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の実施例は、電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法を提供し、
管理端末によって入力された検証および承認済み顧客データを受信し、予め設定された検査計画と前記顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成し、かつ前記タスク作業オーダーに対応するタスク発生場所、設備複雑度係数、タスク重要度係数、実行チーム要件係数、気象イベント係数、建物複雑度係数を取得するステップと、
前記タスク発生場所とタスク実行端末との間の距離、および各タスク実行端末のチームレガシーファクター、グループ学習ファクター、現在タスク重要度の重みに基づいて、予め設定されたタスク近接実行条件を満たす複数のタスク実行端末を選択するステップと、
タスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との予め設定された関係式に、前記複数のタスク実行端末のそれぞれのチームパラメータを代入し、前記タスク作業オーダーをマッチング度の最も高いタスク実行端末に発行するステップと、を含む。
【0006】
上記解決手段の改良として、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
【0007】
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0008】
上記解決手段の改良として、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
【0009】
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
【0010】
かつ、前記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも大きい場合、前記タスク発生場所は、前記チームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
【0011】
ここで、前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0012】
上記解決手段の改良として、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
【0013】
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
かつ、前記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも小さい場合、前記タスク発生場所は、他のチームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
ここで、前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0014】
上記解決手段の改良として、前記タスク近接実行条件はさらに、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にあり、かつ前記タスク実行端末のチームが現在タスクに対応するタスク発生場所に到着していない場合、前記現在タスクに対応するタスク重要度係数が、発行される前記タスク作業オーダーに対応するタスク重要度係数よりも小さければ、タスク近接実行条件を満たすことを含む。
【0015】
上記解決手段の改良として、前記設備複雑度係数は次のとおりであり、
【0016】
上記解決手段の改良として、前記タスク重要度係数は次のとおりであり、
【0017】
上記解決手段の改良として、前記実行チーム要件係数は次のとおりであり、
【0018】
上記解決手段の改良として、前記気象イベント係数は次のとおりであり、
【0019】
上記解決手段の改良として、前記建物複雑度係数は次のとおりであり、
【0020】
上記解決手段の改良として、上述したタスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との間の関係式は次のとおりであり、
【0021】
上記解決手段の改良として、前記管理端末は、タスクマスターコア分配端末であり、前記タスクマスターコア分配端末は、演算コアとして701チップを採用し、CPU Cortex-A7とCPU Cortex-M33との間の、メモリ共有周辺機器へのアクセスを同期するためのビーコンを、リアルタイム処理をし、CPU Cortex-M33へのアクセスを行う所定距離以内のバス上に構成し、ここで、前記CPU Cortex-A7は前記701チップのAXIバス上に配置され、前記CPU Cortex-M33は前記701チップのAHBバス上に配置される。
【0022】
上記解決手段の改良として、前記管理端末は、前記顧客データにおける顧客の管理範囲、プロセスの複雑度、設計者の車両サイズに応じて、予め設定された顧客ラベルのデータベースをトラバースし、各顧客に対応する顧客ラベルを照合する。
【0023】
上記解決手段の改良として、予め設定された検査計画と前記顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成するステップの前に、前記方法はさらに、
前記顧客ラベルに基づいて対応する検査計画を生成し、顧客側に送信するステップと、
前記管理端末は、前記顧客側から返送された承認済み情報に応答して、前記顧客データ、前記検査計画に基づいて前記タスク作業オーダーを生成するステップとを含む。
【0024】
同じ技術的課題を解決するために、本発明は、電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理システムも提供し、
管理端末によって入力された検証および承認済み顧客データを受信し、予め設定された検査計画と前記顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成し、かつ前記タスク作業オーダーに対応するタスク発生場所、設備複雑度係数、タスク重要度係数、実行チーム要件係数、気象イベント係数、建物複雑度係数を取得するために使用されるデータ収集・作業オーダー生成モジュールと、
前記タスク発生場所とタスク実行端末との間の距離、および各タスク実行端末のチームレガシーファクター、グループ学習ファクター、現在タスク重要度の重みに基づいて、予め設定されたタスク近接実行条件を満たす複数のタスク実行端末を選択するために使用されるチーム検索・選別モジュールと、
タスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との予め設定された関係式に、前記複数のタスク実行端末のそれぞれのチームパラメータを代入し、前記タスク作業オーダーをマッチング度の最も高いタスク実行端末に発行するために使用される作業オーダーマッチング・発行モジュールと、を含む。
【0025】
上記解決手段の改良として、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
【0026】
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0027】
上記解決手段の改良として、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
【0028】
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
かつ、前記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも大きい場合、前記タスク発生場所は、前記チームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
ここで、前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0029】
上記解決手段の改良として、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
かつ、前記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも小さい場合、前記タスク発生場所は、他のチームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
ここで、前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0030】
上記解決手段の改良として、前記タスク近接実行条件はさらに、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にあり、かつ前記タスク実行端末のチームが現在タスクに対応するタスク発生場所に到着していない場合、前記現在タスクに対応するタスク重要度係数が、発行される前記タスク作業オーダーに対応するタスク重要度係数よりも小さければ、タスク近接実行条件を満たすことを含む。
【0031】
上記解決手段の改良として、前記設備複雑度係数は次のとおりであり、
【0032】
上記解決手段の改良として、前記タスク重要度係数は次のとおりであり、
【0033】
上記解決手段の改良として、前記実行チーム要件係数は次のとおりであり、
【0034】
上記解決手段の改良として、前記気象イベント係数は次のとおりであり、
【0035】
上記解決手段の改良として、前記建物複雑度係数は次のとおりであり、
【0036】
上記解決手段の改良として、上述したタスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との間の関係式は次のとおりであり、
【0037】
上記解決手段の改良として、前記管理端末は、タスクマスターコア分配端末であり、前記タスクマスターコア分配端末は、演算コアとして701チップを採用し、CPU Cortex-A7とCPU Cortex-M33との間の、メモリ共有周辺機器へのアクセスを同期するためのビーコンを、リアルタイム処理をし、CPU Cortex-M33へのアクセスを行う所定距離以内のバス上に構成し、ここで、前記CPU Cortex-A7は前記701チップのAXIバス上に配置され、前記CPU Cortex-M33は前記701チップのAHBバス上に配置される。
【0038】
上記解決手段の改良として、前記管理端末は、前記顧客データにおける顧客の管理範囲、プロセスの複雑度、設計者の車両サイズに応じて、予め設定された顧客ラベルのデータベースをトラバースし、各顧客に対応する顧客ラベルを照合する。
【0039】
上記解決手段の改良として、前記データ収集・作業オーダー生成モジュールはさらに、
前記顧客ラベルに基づいて対応する検査計画を生成し、顧客側に送信することと、
前記管理端末は、前記顧客側から返送された承認済み情報に応答して、前記顧客データ、前記検査計画に基づいて前記タスク作業オーダーを生成することとのために使用される。
【0040】
上記目的を達成するために、本発明の実施例は、電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備をさらに提供し、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、かつ前記プロセッサによって実行されるように構成されたコンピュータプログラムとを備え、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時に、上述した電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法を実現する。
【0041】
上記目的を達成するために、本発明の実施例は、コンピュータ読取可能な記録媒体をさらに提供し、前記コンピュータ読取可能な記録媒体は、記憶されたコンピュータプログラムを含み、ここで、前記コンピュータプログラムは、実行されると、前記コンピュータ読取可能な記録媒体が配置された設備に、上述した電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法を実行させるように制御する。
【0042】
従来技術と比較して、本発明の実施例によって開示された電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法、システム、設備および記憶媒体は、以下の有益な効果を有する。
1)顧客情報とタスク実行チームに対する分析、インテリジェントなマッチングに基づき、人間の経験による作業オーダーの割当に代わって、タスク作業オーダーを適切なチームに合理的、科学的かつ効率的に割り当てて実行させ、顧客管理作業の構造化、プロセス化、追跡可能な管理を実現し、重要顧客設備および管理上の問題をタイムリーかつ早期に発見することができ、これにより、電力設備の信頼性を向上させ、保全作業の過程追跡と管理制御を実現し、作業効率を向上させるとともに、割当遅れ、タスク漏れやその他の問題につながった人間の管理過失を回避し、電力保全作業の過程における全ての作業を確実に実行する。
2)顧客の階層化管理の要求に応じて、重要顧客のラベリング管理を実現し、現場設備の隠れたリスクチェックと電力消費検査作業内容の綿密な分析を行い、検査項目を最小単位まで細分化し、構造化・作業オーダー化の検査タスクリストをオンラインで作成し、計画-タスクの管理モデルに基づき、重要顧客のデジタル化管理システムを構築する。
3)構造化、プロセス化、追跡可能なデジタル化管理手段により、電力保全顧客、電力保全設備、支援資源、電力保全チームの維持を強化し、顧客ベースの個人化設定機能を実現することで、異なる指揮レベル、異なる職種・部門が、電力保全設備、支援力量、電力保全業務フローラインを監視・指揮するテーマページの個人化された業務ニーズを満たす。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の技術的解決手段をより明確に説明するために、実施形態で使用される図面を以下に簡単に紹介し、当然のことながら、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要せずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本発明の一実施例により提供される電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理システムのフローチャートである。
図2】本発明の一実施例により提供されるCPUとビーコンとの位置関係を示す図である。
図3】本発明の一実施例により提供される電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備の構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施例における図面と合わせて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、説明する実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要せずに得られる他の全ての実施例は、本発明の保護範囲内に属するものとする。
【0045】
重大なイベントや日常的電力保全活動の電力保全対象は、重要顧客の一部であり、それらに対する電力保全作業の能力と効果を確実に向上させるためには、重要顧客の基本情報、電気設備の状況、運転管理レベルに関する電力保全タスクの把握と追跡レベルを強化し、プロセス自動化に基づく電力保全タスク作業オーダー管理方法を確立する必要がある。顧客の階層化管理の要求に応じて、重要顧客のラベリング管理を実現し、現場設備の隠れたリスクチェックと電力消費検査作業内容の綿密な分析を行い、検査項目を最小単位まで細分化し、構造化・作業オーダー化の検査タスクリストをオンラインで作成し、計画-タスクの管理モデルに基づき、重要顧客のデジタル化管理システムを構築する。
【0046】
本発明の実施例により提供される電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法のフローチャートである図1を参照すると、以下のステップS1~S3を含む。
【0047】
S1では、管理端末によって入力された検証および承認済み顧客データを受信し、予め設定された検査計画と前記顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成し、かつ前記タスク作業オーダーに対応するタスク発生場所、設備複雑度係数、タスク重要度係数、実行チーム要件係数、気象イベント係数、建物複雑度係数を取得する。
【0048】
本実施例では、重要顧客のラベリング管理機能をサポートし、重大な電力保全作業には様々なタイプの異なる顧客が存在するため、システムは、顧客の管理範囲、プロセスの複雑度、設計者の車両サイズに応じて、公式的な手続きによる等級付けの形で顧客ラベルを追加する。各重要顧客の隠れたリスクチェック、電力消費検査、洪水防御上の隠れたリスクチェックなどの作業の柔軟的管理を満たすために、電力消費検査、隠れたリスクチェック、洪水防御上のリスクチェック項目を構造的に設計することをサポートし、新しいオーダー要件がある場合、等級付けアルゴリズムによりフィッティングを行ってから、要件の重要度レベルを業務担当者に出力し、これにより、担当者は設定をカスタマイズして、要件レベルを調整するための負帰還パラメータを選択することができる。
【0049】
顧客要件をプロファイリングして画像を自動的に作成し、作成された定期月次検査計画または特別検査計画に基づき、顧客の承認を得た上、管理担当者は、計画に従って電力消費検査タスクを策定し、下級作業者に割り当てることができる。システムは計画要件に基づいて隠れたリスク検査計画を自動的に作成し、計画に基づいて隠れたリスク検査タスクを策定し、また、システムは、タスクの割り当てを自動的に完了し、グループの実行組織内から指定された担当者に再分配する。計画やその他の業務スケジュールに従って、特別検査、定期検査、特殊検査など、様々な種類のタスクを割り当て、期限切れ間近および期限切れ後に提示する。
【0050】
モバイル機器と組み合わせて検査タスクを実行することで、作業オーダーの全プロセスの実行制御、および実行結果のAIによるインテリジェントな研究判断をサポートし、実行結果を戻して次のインテリジェントな割当制御のためのパラメータ調整の基礎を提供する。同時にタスク実行結果の通知フォームを自動的に生成し、見つかった問題を修正してクローズする。検査状況に関して多面的かつ多角的な調査と統計を行う。元々の電力保全解決策は専門部門が人員を組織し、多くの時間と労力を費やして、電力保全設備のために施設ごとに1冊作成する必要があったが、現在は過去の文書に対してビジネスルールの蓄積とモデルのトレーニングを行うことで、スマートに生成される。
【0051】
S2では、前記タスク発生場所とタスク実行端末との間の距離、および各タスク実行端末のチームレガシーファクター、グループ学習ファクター、現在タスク重要度の重みに基づいて、予め設定されたタスク近接実行条件を満たす複数のタスク実行端末を選択する。
【0052】
本実施例では、粒子群アルゴリズムに基づいて作業オーダー割当と管理作業を実行する目的は、現在の全てのタスクに関連するチームオブジェクトを1つの粒子群と見なし、全ての粒子を一定の電力保全範囲内で移動させることであり、全てのチームはタスクがどこで発生するかを知らない。しかし、タスクが発生すると、全ての粒子は自体の現在位置からタスク発生場所までの距離を知っており、同時に、システムでの比較によってタスク実行場所に最も近い粒子の位置を取得する。
【0053】
理解されるように、作業オーダーの粒子アルゴリズムの核となる考え方は、チームにおける個々の粒子による情報共有を利用して、チーム全体の移動のタスク実行空間における無秩序から秩序への進化プロセスを生み出し、それにより、問題に対するより効率的で実現可能な解決策を得ることである。本実施例では、チームにいくつかのパラメータを付与する。
【0054】
C1:チームレガシーファクター。このファクターが大きいほど、チームは、自体の過去に訪れたタスク数の最も多い場所に行く傾向が強くなる。
【0055】
C2:グループ学習ファクター。このファクターが大きいほど、チームは、他のチームが過去に訪れたタスク数の最も多い場所に行く傾向が強くなる。
【0056】
R1,R2:[0,1]上の乱数。現在の各チームのタスク実行状態をランダムにシミュレートし、0は実行タスク無しを表し、1はタスク終了を表し、中間状態は、タスク実行中とそれに対応する仕上がり具合を表す。
【0057】
W:タスク重要度重みで、この値が大きいほど、チームは、現在の目的地を変更する可能性が低くなり、既定のタスク発生場所に行く傾向が強くなる。
【0058】
選択可能な一実施形態では、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
【0059】
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0060】
選択可能な一実施形態では、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
【0061】
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
かつ、前記タスク実行端末のチームレガシーファクターC1がグループ学習ファクターC2よりも大きい場合、前記タスク発生場所は、前記チームレガシーファクターC1に対応するタスク数の最も多い場所であり、
ここで、前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0062】
選択可能な一実施形態では、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
【0063】
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
かつ、前記タスク実行端末のチームレガシーファクターC1がグループ学習ファクターC2よりも小さい場合、前記タスク発生場所は、他のチームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
ここで、前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0064】
選択可能な一実施形態では、前記タスク近接実行条件はさらに、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にあり、かつ前記タスク実行端末のチームが前記現在タスクに対応するタスク発生場所に到着していない場合、現在タスクに対応するタスク重要度係数が、発行される前記タスク作業オーダーに対応するタスク重要度係数よりも小さければ、タスク近接実行条件を満たすことを含む。
【0065】
S3では、タスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との予め設定された関係式に、前記複数のタスク実行端末のそれぞれのチームパラメータを代入し、前記タスク作業オーダーをマッチング度の最も高いタスク実行端末に発行する。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
位置PとQは、位置の実行ごとに変化し続け、最終的に最も多くのタスクが実行される位置に収束される。
【0072】
選択可能な一実施形態では、上述したタスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との間の関係式は次のとおりであり、
【0073】
本発明の実施例をよりよく理解するために、本発明の実施例を以下に詳しく説明する。
(一)作業オーダーの分配ロジック
本発明の実施例では、粒子群アルゴリズムに基づいて作業オーダー割当と管理作業を実行する目的は、現在の全てのタスクに関連するチームオブジェクトを1つの粒子群と見なし、全ての粒子を一定の電力保全範囲内で移動させることであり、全てのチームはタスクがどこで発生するかを知らない。しかし、タスクが発生すると、全ての粒子は自体の現在位置からタスク発生場所までの距離を知っており、同時に、システムでの比較によってタスク実行場所に最も近い粒子の位置を取得する。
【0074】
この場合、作業オーダー割当の計算方法に影響を与えるいくつかの要因は以下のとおりである。
1、 各チームは、それぞれの場所で発生すると予想されるタスク量に従い、保全ポイントの要件に応じて初期位置に到着し、それを起点Aとして記す。
【0075】
2、全てのチームは、1つの電力保全活動内で同期し、または共同でタスクを実行し、各領域のチームの集合場所を選択し、Gを粒子密集度の最も高いポイントGとして記すことができる。
【0076】
3、各チームは、自体が実行した過去のタスクを常に記録し、最も多くのタスクが実行された場所Pを見直し、更新する。
【0077】
4、各チームは、タスク無しまたはタスク終了状態になると、Gへ待機し、また、タスク量が急増した場合、または電力保全期間の重要度レベルが向上した場合、各チームは結集策略を変更し、P点へ待機する。
【0078】
5、タスクのための結集に参加しているチームは、タスク実行場所に到着する前にタスクが終了した場合、最も近い集合点Qに移動する。
【0079】
6、新しいタスクが発行されると、各チームは、Gを起点とし、2-3-4-5-6の順番でタスク作業オーダーを受ける。
【0080】
あるチームは、計画通りにPとGに向かって集合している間に、計画が変更されれば、新たな目的地Qを追加する可能性があり、最終的に1つの固定ポイントに留まらなければならないが、次のタスク割り当ての起点については、P/Qともに更新され続け、最終的にタスクの発生率が最も高い場所に収束される。
【0081】
ここで、タスクの分配プロセスでは、タスクマスターコア分配端末を使用してタスクの入力、チーム結集、タスク割当を完了する。タスクマスターコア分配端末は、高性能幾何学演算能力チップ701を演算コアとし、CPUアクセスのバス構成とバス上の同期ビーコン位置を変更することにより、周辺機器へのアクセス応答時間を短縮し、応答時間の確実性を確保し、図2を参照し、図2におけるCM33はCPU Cortex-M33の略称、CA7はCPU Cortex-A7の略称、AXIはAXIバス、AHBはAHBバスである。
【0082】
(二)作業オーダーの粒子アルゴリズム
作業オーダーの粒子アルゴリズムの核となる考え方は、チームにおける個々の粒子による情報共有を利用して、チーム全体の移動のタスク実行空間における無秩序から秩序への進化プロセスを生み出し、それにより、問題に対するより効率的で実現可能な解決策を得ることである。
【0083】
現在、チームにいくつかのパラメータを付与する。
C1:チームレガシーファクター。このファクターが大きいほど、チームは、自体の過去に訪れたタスク数の最も多い場所に行く傾向が強くなる。
【0084】
C2:グループ学習ファクター。このファクターが大きいほど、チームは、他のチームが過去に訪れたタスク数の最も多い場所に行く傾向が強くなる。
【0085】
R1,R2:[0,1]上の乱数。現在の各チームのタスク実行状態をランダムにシミュレートし、0は実行タスク無しを表し、1はタスク終了を表し、中間状態は、タスク実行中とそれに対応する仕上がり具合いを表す。
【0086】
W:タスク重要度重みで、この値が大きいほど、チームは、現在の目的地を変更する可能性が低くなり、既定のタスク発生場所に行く傾向が強くなる。
【0087】
【0088】
(三)チームへのタスク分配
現在チームのステップNでの位置=ステップN-1での位置+ステップN-1での位置タスク実行時間(各ステップの移動時間tは一般的に1とする)。
【0089】
このチームのステップNでのタスク実行位置=前ステップでのタスク実行位置+チームレガシーファクター+グループ学習ファクター。
【0090】
処する場合、まずタスク管理プールを確立する必要があり、タスク生産時間Tに基づいて、現在の全てのタスク作業オーダーを1からMまで並べ替え、次に、タスクを実行できる現在の全てのチームをタスク作業オーダーと1つずつマッチングさせ、各タスクについて、チームマッチング度を高い順でランク付けし、マッチング度が最も高いチームを選択して現在タスクを実行する。その後、割り当てを完了したチームとタスク作業オーダーをキューから削除し、引き続き次のタスクをマッチングさせる。シングルタスクのマッチングの例を以下の表1に示す。
【0091】
現在タスクに対応する各チームのタスクマッチングプロセスは、以下の6ステップで構成される。
(1) データの読み取りとマッチングファクターの計算:(二)作業オーダーの粒子アルゴリズムで述べたように、各環境パラメータを抽出し、設備複雑度係数、タスク重要度係数、実行チーム要件係数、気象イベント係数、建物複雑度係数を生成する。
【0092】
(2)マッチングモデルの構築:タスクマッチング度の計算方法に基づいて、計算にファクターを追加し、現在のマッチング対象となるタスクに対応する各チームのマッチング度を決定する。
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
(3)マッチングモデルのトレーニング:モデルをインスタンス化し、モデルトレーニングリソース(CPU)を選択し、モデル反復の計算方法を指定する。ここでは特に、701チップを集積したトレーニングモデルCPUを使用し、モデルの前期のファクター計算、中期のトレーニング、後期のマッチング度の並べ替え、および最終結果の校正と出力に関与する。
【0100】
(4)トレーニングモデルの保存:複数回のモデル計算を行い、現在タスクに対応する各チームのマッチング度を求め、保存する。
【0101】
(5)モデルの検証と評価:現在の全てのマッチング度を機械でスクリーニングし、マッチング度を中心として、高い順でチームの並べ替えを完了する。ここで、マッチング度の最も高いチームを最上位に、マッチング度の異なる各チームを高い順で並べ替える。
【0102】
【0103】
【0104】
各電力保全チームがある位置でタスクを実行できることは適応値で表すことができ、各チームは自体の過去のタスク発生位置を利用し、その中の最適な位置(局所最適、極値点に相当)を見つけ、グループ内の全チームの最適な位置は、チーム全体の最適なタスク待機ポイント(全体最適、最値点に相当)と見なすことができる。予見されるように、電力保全活動全体の電力保全タスクは、全体最適のタスク待機領域に向かって移動することが一般的であり、チームの実行タスク位置の連続的な移動、すなわち連続的な反復によって、タスクの進捗状況が更新され続け、全てのチームが一歩一歩最適な位置に近づいている。
【0105】
粒子:最適化問題の解候補、
位置:候補タスクがある位置、
速度:候補タスクが展開する速度、
適応度:粒子とタスクマッチング度を評価する値で、一般的に目的関数値として設定され、
チーム最適位置:1つの粒子がこれまでに見つけた最適位置、
グループ最適位置:全ての粒子がこれまでに見つけた最適位置。
【0106】
選択可能な一実施形態では、前記管理端末は、タスクマスターコア分配端末であり、前記タスクマスターコア分配端末は、演算コアとして701チップを採用し、CPU Cortex-A7とCPU Cortex-M33との間の、メモリ共有周辺機器へのアクセスを同期するためのビーコンを、リアルタイム処理をし、CPU Cortex-M33へのアクセスを行う所定距離内のバス上に構成し、ここで、前記CPU Cortex-A7は前記701チップのAXIバス上に配置され、前記CPU Cortex-M33は前記701チップのAHBバス上に配置される。
【0107】
701計算チップのAXIバスには、DDR SDRAMコントローラ、Giga-bitイーサネットコントローラ、USB OTGコントローラ、LCDコントローラなどが搭載されているため、高速相互接続には大きいバス帯域幅が必要となる。このAXIバス上に配置されたCPU Cortex-A7により低速周辺機器へのアクセスを行う場合、AXI、AHB、APBバスをそれぞれ経由して応答時間を改善する必要がある。ここで、バス共有リソースへのアクセスは、アクセス時間の不確実性につながる。
【0108】
701計算チップをタスクマスターコア分配端末として使用することには、以下の技術的利点がある。
利点1:
(1) 本発明の実施例では、CPU Cortex-M33がAHBバス上に配置されている。これにより、AXIバス上のリソース共有から適切に切り離すことができ、バス上のデバイスはシステム要求に対して迅速かつ即時に応答できるようになり、全体的な応答速度、ひいてはチップの性能が向上する。
【0109】
(2)等時性の応用では、決定論的な割り込み応答が即時応答の品質を保障し、プロセッサの処理能力と応答性をさらに高め、チップの性能と品質をある程度向上させる。
【0110】
(3)CPU Cortex-A7とCPU Cortex-M33との間のメモリ共有周辺機器へのアクセスを同期するためのビーコンは、リアルタイム処理を担当し、低い応答遅延を満足できるCPU Cortex-M33へのアクセスに近いバス上に構成される。これにより、アクセスの応答時間が短縮され、即時応答の品質が最適化される。
【0111】
革新点2:専用バスチャネルを確立し、バスリソースの共有を切り離すことで、DDR DRAMアクセス時の帯域幅を保証し、CPUとLCDの確実性を保証する。
【0112】
AXIバスには専用チャネルがあるため、CPU Cortex-A7がDDR DRAMにアクセスする際に、AXIバス上の他のバスマスタコントローラによるバスリソースの共有を切り離すことができる。これにより、CPUがメモリにアクセスする際の帯域幅と確実性が保証される。もう1つのAXIバス専用チャネルにより、LCDコントローラがDDR DRAMにアクセスする際のアクセス帯域幅と確実性が保証される。
【0113】
利点2:
(1) AXIバスには専用チャネルがあるため、バスのリソース共有を切り離し、CPU応用時の帯域幅が確実に保証され、帯域幅制限の問題を回避し、メモリのアクセス性能を向上させる。
【0114】
AXIバスにはLCDコントローラ専用のチャネルもあり、これにより、バス上のデバイスが高速で相互接続されている時にコントローラの帯域幅を保証し、メモリの全体的な性能を最適化する。
【0115】
選択可能な一実施形態では、前記管理端末は、前記顧客データにおける顧客の管理範囲、プロセスの複雑度、設計者の車両サイズに応じて、予め設定された顧客ラベルのデータベースをトラバースし、各顧客に対応する顧客ラベルを照合する。
【0116】
選択可能な一実施形態では、予め設定された検査計画と前記顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成するステップの前に、前記方法はさらに、
前記顧客ラベルに基づいて対応する検査計画を生成し、顧客側に送信するステップと、
前記管理端末は、前記顧客側から返送された承認済み情報に応答して、前記顧客データ、前記検査計画に基づいて前記タスク作業オーダーを生成するステップとを含む。
【0117】
重大なイベントの電力保全作業をよく行うために、電力保全用指揮系統では、電力保全作業計画およびタスクリストを指向的に作成することで、電力保全作業内容および進捗状況を容易に管理する。デジタル化手段と人工知能手段を通じて、電力保全作業のオンライン協調メカニズムを構築し、電力保全作業タスクリストを構造化し、活動電力保全計画をメインラインとし、保全作業タスクリストを駆動とする電力保全作業タスクオンライン制御モジュールを構築し、これにより、各級指揮系統、各段階の電力保全作業タスク、作業問題、作業計画のオンライン維持、動的追跡やオンライン制御などの機能を実現することができる。
【0118】
システムは、現在の顧客が収集したリアルタイムデータ、例えば、タスク重要度(今回のタスクの電力保全規模、電力保全オブジェクトの数に応じて、タスク重要度レベルを判定する)、設備複雑度(今回保全する設備の種類、設備の数、監視ノードの数に応じて、タスクに関わる保全設備の複雑度を判定する)、チーム(今回のタスクの実行に関わる人的要因に応じて、専門、人数、所在地からタスク発生位置までの距離、到着イベントなどを考慮し、このチームと今回の作業オーダーとのマッチング程度を判定する)、環境(タスクの実行時および実行場所の周辺環境要素、例えば気象、地形、高度などのパラメータに応じて、今回のタスクの複雑度を判定する)、緊急状況(今回のタスクの実行中に緊急要因が重畳しているかどうかに応じて、リアルタイム負帰還によってタスク複雑度パラメータを調整し、実行条件を満たす支援力量を追加する)に応じて、タスクを実行した後、システム側にフィードバックする。
【0119】
本発明では、重要顧客管理作業の構造化、プロセス化、追跡可能な管理を実現することにより、重要顧客設備および管理上の問題をタイムリーかつ早期に発見し、かつ問題の修正過程を動的に追跡し、電気設備の運転と保守管理を改善するよう顧客を指導し、これにより、電力設備の信頼性を向上させ、保全作業の過程追跡と管理制御を実現し、作業効率を向上させるとともに、割当遅れ、タスク漏れやその他の問題につながった人間の管理過失を回避し、電力保全作業の過程における全ての作業を確実に実行する。
【0120】
構造化、プロセス化、追跡可能なデジタル化管理手段により、電力保全顧客、電力保全設備、支援資源、電力保全チームの維持を強化し、顧客ベースの個人化設定機能を実現することで、異なる指揮レベル、異なる職種・部門が、電力保全設備、支援力量、電力保全業務フローラインを監視・指揮するテーマページの個人化された業務ニーズを満たす。
【0121】
同じ技術的課題を解決するために、本発明は、電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理システムも提供し、
管理端末によって入力された検証および承認済み顧客データを受信し、予め設定された検査計画と前記顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成し、かつ前記タスク作業オーダーに対応するタスク発生場所、設備複雑度係数、タスク重要度係数、実行チーム要件係数、気象イベント係数、建物複雑度係数を取得するために使用されるデータ収集・作業オーダー生成モジュールと、
前記タスク発生場所とタスク実行端末との間の距離、および各タスク実行端末のチームレガシーファクター、グループ学習ファクター、現在タスク重要度の重みに基づいて、予め設定されたタスク近接実行条件を満たす複数のタスク実行端末を選択するために使用されるチーム検索・選別モジュールと、
タスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との予め設定された関係式に、前記複数のタスク実行端末のそれぞれのチームパラメータを代入し、前記タスク作業オーダーをマッチング度の最も高いタスク実行端末に発行するために使用される作業オーダーマッチング・発行モジュールと、を含む。
【0122】
選択可能に、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0123】
選択可能に、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
かつ、前記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも大きい場合、前記タスク発生場所は、前記チームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
ここで、前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0124】
選択可能に、前記タスク近接実行条件は以下のとおりである。
前記タスク実行端末のタスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、予め設定された最大のタスク近接実行距離以下であり、
かつ、前記タスク実行端末のチームレガシーファクターがグループ学習ファクターよりも小さい場合、前記タスク発生場所は、他のチームレガシーファクターに対応するタスク数の最も多い場所であり、
ここで、前記タスク実行端末がタスク無し状態または前回タスク終了状態にある場合、前記タスク受信位置はタスク待ち集合位置であり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記タスク待ち集合位置と前記タスク発生場所との間の距離であり、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にある場合、前記タスク受信位置は現在タスク実行位置となり、前記タスク受信位置と前記タスク発生場所との間の距離は、前記現在タスク実行位置と前記タスク発生場所との間の距離と、タスク実行完了所要時間に、予め設定された単位時間あたりに対応する距離をかけた距離との合計となる。
【0125】
選択可能に、前記タスク近接実行条件はさらに、
前記タスク実行端末がタスク実行中の状態にあり、かつ前記タスク実行端末のチームが前記現在タスクに対応するタスク発生場所に到着していない場合、現在タスクに対応するタスク重要度係数が、発行される前記タスク作業オーダーに対応するタスク重要度係数よりも小さければ、タスク近接実行条件を満たすことを含む。
【0126】
選択可能に、前記設備複雑度係数は次のとおりであり、
【0127】
選択可能に、前記タスク重要度係数は次のとおりであり、
【0128】
選択可能に、前記実行チーム要件係数は次のとおりであり、
【0129】
選択可能に、前記気象イベント係数は次のとおりであり、
【0130】
選択可能に、前記建物複雑度係数は次のとおりであり、
【0131】
選択可能に、上述したタスクマッチング度と前記設備複雑度係数、前記タスク重要度係数、前記実行チーム要件係数、前記気象イベント係数、前記建物複雑度係数との間の関係式は次のとおりであり、
【0132】
選択可能に、前記管理端末は、タスクマスターコア分配端末であり、前記タスクマスターコア分配端末は、演算コアとして701チップを採用し、CPU Cortex-A7とCPU Cortex-M33との間の、メモリ共有周辺機器へのアクセスを同期するためのビーコンを、リアルタイム処理をし、CPU Cortex-M33へのアクセスを行う所定距離以内のバス上に構成し、ここで、前記CPU Cortex-A7は前記701チップのAXIバス上に配置され、前記CPU Cortex-M33は前記701チップのAHBバス上に配置される。
【0133】
選択可能に、前記管理端末は、前記顧客データにおける顧客の管理範囲、プロセスの複雑度、設計者の車両サイズに応じて、予め設定された顧客ラベルのデータベースをトラバースし、各顧客に対応する顧客ラベルを照合する。
【0134】
選択可能に、前記データ収集・作業オーダー生成モジュールはさらに、
前記顧客ラベルに基づいて対応する検査計画を生成し、顧客側に送信することと、
前記管理端末は、前記顧客側から返送された承認済み情報に応答して、前記顧客データ、前記検査計画に基づいて前記タスク作業オーダーを生成することとのために使用される。
【0135】
本発明の実施例は、コンピュータ読取可能な記録媒体をさらに提供し、前記コンピュータ読取可能な記録媒体は、記憶されたコンピュータプログラムを含み、ここで、前記コンピュータプログラムは、実行されると、前記コンピュータ読取可能な記録媒体が配置された設備に、上記のいずれか1つの実施例に記載の電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法を実行させるように制御する。
【0136】
本発明の実施例により提供される電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備の構造を示すブロック図である図3を参照すると、前記電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20は、プロセッサ21と、メモリ22と、前記メモリ22に記憶され、前記プロセッサ21上で実行可能なコンピュータプログラムとを備える。前記プロセッサ21は、前記コンピュータプログラムを実行する時に、上述した電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法の実施例におけるステップを実現する。または、前記プロセッサ21は、前記コンピュータプログラムを実行する時に、上述した各装置実施例における各モジュール/ユニットの機能を実現する。
【0137】
例示的に、前記コンピュータプログラムは、1つ以上のモジュール/ユニットに分割することができ、前記1つ以上のモジュール/ユニットは、前記メモリ22に記憶され、かつ前記プロセッサ21によって実行されることにより、本発明を完了する。前記1つ以上のモジュール/ユニットは、特定の機能を実行できる一連のコンピュータプログラム命令セグメントであってもよく、この命令セグメントは、前記電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20における前記コンピュータプログラムの実行プロセスを記述するために使用される。
【0138】
前記電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、携帯情報端末およびクラウドサーバなどの計算機器であってもよい。前記電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20は、プロセッサ21、メモリ22を含み得るが、これらに限定されない。当業者にとって理解されるように、前記概略図は、電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20の一例に過ぎず、電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20を限定するものではなく、図示されたものよりも多いもしくは少ない部品、または一部の部品の組み合わせ、または異なる部品を含んでもよく、例えば、前記電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20は、入出力設備、ネットワークアクセス機器、バスなどを含んでもよい。
【0139】
いわゆるプロセッサ21は、中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)であってもよく、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特殊用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)(Field-Programmable Gate Array、FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントなどであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の一般的なプロセッサなどであってもよく、前記プロセッサ21は、前記電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20の制御センターであり、各種インターフェースおよび回線により電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20全体の各部を接続するものである。
【0140】
前記メモリ22は、前記コンピュータプログラムおよび/またはモジュールを記憶するために使用することができ、前記プロセッサ21は、前記メモリ22に記憶されているコンピュータプログラムおよび/またはモジュールを運転または実行し、メモリ22に記憶されているデータを呼び出すことにより、前記電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20の様々な機能を実現する。前記メモリ22は主に、プログラム記憶領域およびデータ記憶領域を含み、ここで、プログラム記憶領域には、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーション(例えば、音声再生機能、画像再生機能)などが記憶され得、データ記憶領域には、携帯電話の使用状況に応じて作成されたデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などが記憶され得る。さらに、メモリ22は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、ハードディスク、内部メモリ、プラグインハードディスク、スマートメディアカード(Smart Media Card、SMC)、セキュアデジタル(Secure Digital、SD)カード、フラッシュカード(Flash Card)、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の揮発性ソリッドステートメモリデバイスなどの不揮発性メモリを含んでもよい。
【0141】
ここで、前記電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理設備20に統合されたモジュール/ユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、スタンドアロン製品として販売または使用される場合、コンピュータ読取可能な記録媒体に記憶され得る。この理解に基づき、本発明は、コンピュータプログラムによって関連するハードウェアに指示を出して、上記実施例の方法におけるプロセスの全部または一部を完了するようにしてもよく、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されてもよく、このコンピュータプログラムは、プロセッサ21によって実行されると、上記の各方法実施例のステップを実現することができる。ここで、前記コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムコードを含み、前記コンピュータプログラムコードは、ソースコードの形態、オブジェクトコードの形態、実行可能なファイルの形態、または何らかの中間形態などであってもよい。前記コンピュータ読取可能な記録媒体は、前記コンピュータプログラムコードを担持可能な任意の実体または装置、記録媒体、USBフラッシュディスク、モバイルハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、コンピュータメモリ、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、電気キャリア信号、電気通信信号およびソフトウェア配信媒体などを含んでよい。
【0142】
なお、上述した装置実施例は、例示的なものに過ぎず、その中の分離部品として記載されたユニットは、物理的に分離されていてもいなくてもよく、ユニットとして示された部品は、物理的なユニットであってもなくてもよく、すなわち、1つの場所に存在してもよく、または複数のネットワークユニットに分散されてもよい。実際のニーズに応じて、これらのモジュールの一部または全部を選択して本実施例の解決手段の目的を達成することができる。さらに、本発明によって提供される装置実施例の図面において、モジュール間の接続関係は、それらの間に通信接続があることを示し、具体的には、1つ以上の通信バスまたは信号線として実現することができる。当業者は、創造的な労力を要することなく、理解し実施することができる。
【0143】
上記は本発明の好ましい実施形態であり、当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、多くの改良および修飾を行うことができ、これらの改良および修飾も本発明の保護範囲内に含まれるものとすることに留意すべきである。
【要約】      (修正有)
【課題】電力保全チームに電力保全タスク作業オーダーを自動発行し、現場設備の隠れたリスクの検査および電力消費作業内容チェックを適時通知する電力保全用インテリジェントな作業オーダー管理方法、システム、設備および記憶媒体を提供する。
【解決手段】予め設定された検査計画と顧客データに基づいてタスク作業オーダーを生成し、かつ、タスク作業オーダーに対応するタスク発生場所、設備複雑度係数、タスク重要度係数、実行チーム要件係数、気象イベント係数、建物複雑度係数を取得し、タスク発生場所とタスク実行端末との間の距離に基づき、予め設定されたタスク近接実行条件を満たす複数のタスク実行端末のチームパラメータを、タスクマッチング度と設備複雑度係数、タスク重要度係数、実行チーム要件係数、気象イベント係数、建物複雑度係数との予め設定された関係式に代入し、タスク作業オーダーをマッチング度の最も高いタスク実行端末に発行する。
【選択図】図1
図1
図2
図3