(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】宿泊価格算出方法及び宿泊価格算出プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20241216BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2024173111
(22)【出願日】2024-10-02
【審査請求日】2024-10-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500399219
【氏名又は名称】一般財団法人日本不動産研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】山田 耕司
(72)【発明者】
【氏名】福岡 雅啓
(72)【発明者】
【氏名】大溝 夏帆
(72)【発明者】
【氏名】奥田 宙央
(72)【発明者】
【氏名】長田 友哉
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-187525(JP,A)
【文献】特開2018-180719(JP,A)
【文献】特開2019-74988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の宿泊施設が複数のエリアごとに区分され、その複数エリアのうちの各エリアに前記複数の宿泊施設のうちの一部である複数の宿泊施設が含まれており、
前記複数のエリアの中から特定された1のエリアが特定エリアとして定義され、前記特定エリア内に所在する前記複数の宿泊施設の中から特定された1の宿泊施設が特定施設として定義された場合において、前記特定施設に関連する宿泊価格を算出する宿泊価格算出方法であって、
コンピュータにより、以下の(1)~(5)の工程を実行する宿泊価格算出方法。
(1)1年のうちの特定月における特定人数かつ特定条件での前記特定施設が備える部屋種ごとの月平均の宿泊価格を、複数の部屋種別平均特定宿泊価格として算出する工程。
(2)前記部屋種別平均特定宿泊価格を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の前記特定月における前記特定人数かつ前記特定条件での総部屋数の月平均の宿泊価格を、1つの総合平均特定宿泊価格として算出する工程。
(3)前記特定施設における前記部屋種と同伴係数とが相互に関連付けられた特定同伴係数データベースから、前記部屋種ごとの複数の同伴係数を、複数の部屋種別特定同伴係数として取得する工程。
(4)前記複数の部屋種別特定同伴係数を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の総部屋数の平均同伴係数を、1つの総合平均特定同伴係数として算出する工程。
(5)前記総合平均特定宿泊価格と前記総合平均特定同伴係数とに基づき、前記特定施設の前記特定月における前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第1特定宿泊価格として算出する工程。
【請求項2】
コンピュータにより、以下の(6)の工程を更に実行する請求項1に記載の宿泊価格算出方法。
(6)前記特定施設又は前記特定エリア内の宿泊施設の前記特定人数かつ前記特定条件での前記特定月の月平均の宿泊価格と当該特定月以外の月平均の宿泊価格とに基づいて、前記特定施設の前記特定月以外の月における前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第2特定宿泊価格として推定する工程。
【請求項3】
コンピュータにより、以下の(7)の工程を更に実行する請求項1に記載の宿泊価格算出方法。
(7)前記特定施設又は前記特定エリア内の宿泊施設の前記特定人数かつ前記特定条件での各月ごとの平均宿泊価格に基づいて、前記特定施設の前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の年平均の宿泊価格を、第3特定宿泊価格として推定する工程。
【請求項4】
コンピュータにより、以下の(8)の工程を更に実行する請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の宿泊価格算出方法。
(8)前記特定同伴係数データベースにおける前記部屋種に対応する前記同伴係数を、当該部屋種の宿泊実績に基づいて更新する工程。
【請求項5】
複数の宿泊施設が複数のエリアごとに区分され、その複数エリアのうちの各エリアに前記複数の宿泊施設のうちの一部である複数の宿泊施設が含まれており、
前記複数のエリアの中から特定された1のエリアが特定エリアとして定義され、前記特定エリア内に所在する前記複数の宿泊施設の中から特定された1の宿泊施設が特定施設として定義された場合において、前記特定施設に関連する宿泊価格を算出する宿泊価格算出プログラムであって、
コンピュータに、以下の(1)~(5)の工程を実行させる宿泊価格算出プログラム。
(1)1年のうちの特定月における特定人数かつ特定条件での前記特定施設が備える部屋種ごとの月平均の宿泊価格を、複数の部屋種別平均特定宿泊価格として算出する工程。
(2)前記部屋種別平均特定宿泊価格を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の前記特定月における前記特定人数かつ前記特定条件での総部屋数の月平均の宿泊価格を、1つの総合平均特定宿泊価格として算出する工程。
(3)前記特定施設における前記部屋種と同伴係数とが相互に関連付けられた特定同伴係数データベースから、前記部屋種ごとの複数の同伴係数を、複数の部屋種別特定同伴係数として取得する工程。
(4)前記複数の部屋種別特定同伴係数を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の総部屋数の平均同伴係数を、1つの総合平均特定同伴係数として算出する工程。
(5)前記総合平均特定宿泊価格と前記総合平均特定同伴係数とに基づき、前記特定施設の前記特定月における前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第1特定宿泊価格として算出する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宿泊価格算出方法及び宿泊価格算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホテルや旅館等の宿泊施設における経営の健全化や収益率の向上は重要な課題であり、その課題解決のために、宿泊施設における将来の売上額を予想(推定)することが行われる。宿泊施設においては、客室タイプごとにそれぞれ単価(宿泊価格)の設定がされる。したがって、客室タイプごとの単価、宿泊人数、宿泊施設が備える客室タイプごとの客室数等のファクターを用いれば、おおよその月間又は年間の宿泊施設の売上額を推定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実際には、客室のタイプや宿泊時期(シーズン)等の要因により、売上額は変動するので、単純に設定した単価に基づいて将来の売上額等を推定することは難しい。また、同じ客室タイプであっても宿泊施設の所在するエリア(地域)、同伴者の人数、食事の有無等によって、設定すべき単価も異なる。売上額を構成するファクターが多く、また、不確定な変動要因となり得るので、宿泊施設全体としての将来の売上額を推定することは非常に難しい。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、ホテルや旅館等の宿泊施設において、宿泊施設全体での将来の月間又は年間の売上額を高精度に推定することのできる宿泊価格算出方法及び宿泊価格算出プラグラムを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての宿泊価格算出方法は、以下の構成を有する。
【0007】
複数の宿泊施設が複数のエリアごとに区分され、その複数エリアのうちの各エリアに前記複数の宿泊施設のうちの一部である複数の宿泊施設が含まれており、
前記複数のエリアの中から特定された1のエリアが特定エリアとして定義され、前記特定エリア内に所在する前記複数の宿泊施設の中から特定された1の宿泊施設が特定施設として定義された場合において、前記特定施設に関連する宿泊価格を算出する宿泊価格算出方法であって、
コンピュータにより、以下の(1)~(5)の工程を実行する宿泊価格算出方法。
(1)1年のうちの特定月における特定人数かつ特定条件での前記特定施設が備える部屋種ごとの月平均の宿泊価格を、複数の部屋種別平均特定宿泊価格として算出する工程。
(2)前記部屋種別平均特定宿泊価格を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の前記特定月における前記特定人数かつ前記特定条件での総部屋数の月平均の宿泊価格を、1つの総合平均特定宿泊価格として算出する工程。
(3)前記特定施設における前記部屋種と同伴係数とが相互に関連付けられた特定同伴係数データベースから、前記部屋種ごとの複数の同伴係数を、複数の部屋種別特定同伴係数として取得する工程。
(4)前記複数の部屋種別特定同伴係数を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の総部屋数の平均同伴係数を、1つの総合平均特定同伴係数として算出する工程。
(5)前記総合平均特定宿泊価格と前記総合平均特定同伴係数とに基づき、前記特定施設の前記特定月における前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第1特定宿泊価格として算出する工程。
【0008】
また、本発明の他の例示的側面としての宿泊価格算出プログラムは、以下の構成を有する。
【0009】
複数の宿泊施設が複数のエリアごとに区分され、その複数エリアのうちの各エリアに前記複数の宿泊施設のうちの一部である複数の宿泊施設が含まれており、
前記複数のエリアの中から特定された1のエリアが特定エリアとして定義され、前記特定エリア内に所在する前記複数の宿泊施設の中から特定された1の宿泊施設が特定施設として定義された場合において、前記特定施設に関連する宿泊価格を算出する宿泊価格算出プログラムであって、
コンピュータに、以下の(1)~(5)の工程を実行させる宿泊価格算出プログラム。
(1)1年のうちの特定月における特定人数かつ特定条件での前記特定施設が備える部屋種ごとの月平均の宿泊価格を、複数の部屋種別平均特定宿泊価格として算出する工程。
(2)前記部屋種別平均特定宿泊価格を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の前記特定月における前記特定人数かつ前記特定条件での総部屋数の月平均の宿泊価格を、1つの総合平均特定宿泊価格として算出する工程。
(3)前記特定施設における前記部屋種と同伴係数とが相互に関連付けられた特定同伴係数データベースから、前記部屋種ごとの複数の同伴係数を、複数の部屋種別特定同伴係数として取得する工程。
(4)前記複数の部屋種別特定同伴係数を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の総部屋数の平均同伴係数を、1つの総合平均特定同伴係数として算出する工程。
(5)前記総合平均特定宿泊価格と前記総合平均特定均同伴係数とに基づき、前記特定施設の前記特定月における前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第1特定宿泊価格として算出する工程。
【0010】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホテルや旅館等の宿泊施設において、宿泊施設全体での将来の月間又は年間の売上額を高精度に推定することのできる宿泊価格算出方法及び宿泊価格算出プラグラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係る複数のホテルが複数のエリア内に所在する様子を示す概略図である。
【
図2】実施形態1に係るADR推定方法を実現するためのADR推定システムの全体構成の概略図である。
【
図3】実施形態1に係るADR推定方法を説明するためのフローチャートである。
【
図4】特定ホテルデータベースのデータ構造図である。
【
図5】特定同伴係数データベースのデータ構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0014】
[実施形態1]
<全体構成>
図1は、本発明の実施形態1に係る複数のホテル(宿泊施設)1~3が複数のエリア10~30内に所在する様子を示す概略図である。エリア10~30は、各々所定の地域ごとに区画された領域であり、それぞれエリア10内に複数のホテル1が所在し、エリア20内に複数のホテル2が所在し、エリア30内に複数のホテル3が所在している。
【0015】
エリア10~30のそれぞれの区画は、適宜の条件に基づき任意に設定されてよいが、一般的には、都市や地域ごとにエリアが設定されたり、観光地の周囲に存在するひとまとまりが1つのエリアとして設定される等、宿泊客層、利用目的、設定単価等がおおよそ共通する複数のホテル群ごとにエリアが設定されることが好ましい。また、都市や地域をある一定の長さの半径を有する円又はある一定の長さの辺を有する四角形(正方形又は長方形等)で領域ごとに区切り、区切られた各円領域又は矩形領域ごとにエリアが設定されてもよい。
【0016】
なお、本実施形態1においては、複数のエリア10~30のうちの特定エリア10a内に所在する複数のホテル1のうち、特定ホテル(特定施設)1aの宿泊価格算出方法及び宿泊価格算出プラグラムについて説明する。以下、宿泊価格算出方法をADR推定方法、そのADR推定方法を実現するシステムとしての宿泊価格算出システムをADR推定システム、宿泊価格算出プログラムをADR推定プログラムともいうこととする。ここで、ADRとは、客室平均単価(Average Daily Rate)として知られる価格情報であり、概括的には売上合計額/客室数で得られる数値であるが、他の種々のファクター(要因)を考慮することで、より詳細かつ高精度に推定が可能である。
【0017】
<システム構成>
図2は、この実施形態1に係るADR推定方法(宿泊価格算出方法)を実現するためのADR推定システムSの全体構成の概略図である。ADR推定システムSは、実質的には、コンピュータ5を有して構成され、そのコンピュータ5は、キーボードやマウス等の入力部6及びディスプレイ等の出力部7を有してもよい。コンピュータ5は、例えばインターネット等のネットワークWを介して、他のコンピュータ8やインターネットサイト9等に接続されていてもよい。
【0018】
コンピュータ5は、内部にCPU(演算処理装置)5a及びメモリ5bを有している。CPU5aは、コンピュータ5の主要部として機能し、後述するADR推定プログラムPが起動されることにより様々な演算処理に基づき各種工程を実行する。メモリ5bは、記憶装置として機能し、その内部にADR推定プログラムPが格納されている。また、CPU5aの演算処理に基づく中間的な各種パラメータを一時的に記憶したり、後述する各種のデータベース(特定ホテルデータベースDB1、特定同伴係数データベースDB2等)を格納するのにも利用されてよい。
【0019】
<動作説明>
以下、本実施形態1に係るADR推定プログラムPが起動されることにより実行されるADR推定方法の各工程について説明する。
図3は、ADR推定方法を説明するためのフローチャートである。なお、
図3においては、(S.8)まで記載しているが、実施形態1においては、(S.5)までで一連のプロセスが終了するので、ここでは(S.5)までのプロセスについて説明する。(S.6)~(S.8)までのプロセスについては、ADR推定方法として適宜別途追加可能である。
【0020】
まず、ADRを推定したい、つまり客室平均単価に相当する宿泊価格を算出したいホテルを、特定ホテル1aとして特定する(S.0)。特定ホテル1aは、複数のエリア10~30の中から特定された1のエリアである特定エリア10a内に含まれており、特定エリア10a内の複数のホテル1の中から特定されたホテル1aである。
【0021】
図4は、特定ホテル1aに関連するデータが相互に関連付けられて構築された特定ホテルデータベースDB1のデータ構造図である。特定ホテルデータベースDB1内には、特定ホテル1aの部屋種11、各部屋種ごとの部屋数12、各部屋種ごとに設定された宿泊価格13が互いに関連付けられている。なお、
図4では、1月、2月、3月(特定月)の宿泊価格13のみ示しているが、実際には、4月以降の宿泊価格13の情報も関連付けられて格納されていてもよい。
【0022】
ここで、部屋種11は、例えば、シングルルーム(1部屋にシングルベッドが1つ)、ダブルルーム(1部屋にダブルベッドが1つ)、ツインルーム(1部屋にシングルベッドが2つ)等の部屋ごとのタイプ分けを意味する。各部屋ごとに設定された宿泊価格13は、例えば、宿泊施設側で設定した部屋ごとの1泊の価格であってもよい。
【0023】
特定ホテル1aから宿泊価格13等の情報が直接的に得られる場合は、その情報が特定ホテルデータベースDB1内に格納されてもよく、特定ホテル1aから直接的に情報が得られない場合は、例えば特定ホテル1aのインターネットサイトのホームページから得られた情報に基づき宿泊価格13等が特定ホテルデータベースDB1内に格納されてもよい。また、例えば、特定ホテル1aが開業前である等、宿泊価格13等の情報が未設定である場合には、特定ホテル1aが存在するエリア10内の他のホテル1からの情報に基づいて想定される価格情報13等が特定ホテルデータベースDB1内に格納されてもよい。
【0024】
実施形態1においては、宿泊価格13は、いずれの部屋種11においても、「2名利用・1泊・素泊まり」の条件での宿泊価格とされる。もちろん、この条件は適宜他の条件に設定されてもよい。なお、ここで、宿泊価格13は、1ヶ月内で変動しない場合は、1つの価格情報でよいが、繁忙・閑散等に応じて1ヶ月内で変動する場合は、特定ホテルデータベースDB1内に日ごとの宿泊価格13が格納されてもよい。
【0025】
(第1工程)
特定ホテル1aが特定された後に、1年のうちの特定月における特定人数かつ特定条件での特定施設が備える部屋種11ごとの月平均の宿泊価格を、複数の部屋種別平均特定宿泊価格として算出する工程(以下、第1工程という。)が、コンピュータ5により実行される(S.1)。
【0026】
ここにおいて、本実施形態1では、「特定人数かつ特定条件」は、「「2名利用・1泊・素泊まり」の条件を意味する(ここにおいて、この「特定人数かつ特定条件」を「特定宿泊条件」と簡易的にいうこととする。)。「1年のうちの特定月」は、この第1工程を実行する基準となる任意の月である。
【0027】
例えば、特定ホテルデータベースDB1内の宿泊価格が3月のものであれば、特定月を3月と設定することができ、特定ホテルデータベースDB1内の宿泊価格が10月のものであれば、特定月を10月と設定することができる。後述するように、特定月のADRに基づき、特定月以外の月のADRを推定したり、年間の平均ADRを推定したりする場合において、特定月が何月であるかの情報が利用される。
【0028】
なお、第1工程における演算プロセスの具体例としては、以下のように説明することができる。特定ホテル1aにおける特定月(例えば、3月)の、特定宿泊条件における宿泊価格が、
シングルルームの宿泊価格:Ps
ダブルルームの宿泊価格:Pw
ツインルームの宿泊価格:Pt
であるとする。当該月の日ごと(3月1日~3月31日まで)の宿泊価格を添え字1~31で示すと、シングルルームの特定宿泊条件での特定月の日ごとの宿泊価格は、
1日:Ps1
2日:Ps2
・
・
15日:Ps15
・
・
30日:Ps30
31日:Ps31
となる。
【0029】
そうすると、特定月におけるシングルルームの部屋種別平均特定宿泊価格Psaveは、
Psave=Σ(Ps1~Ps31)/31
特定月におけるダブルルームの部屋種別平均特定宿泊価格Pwaveは、
Pwave=Σ(Pw1~Pw31)/31
特定月におけるツインルームの部屋種別平均特定宿泊価格Ptaveは、
Ptave=Σ(Pt1~Pt31)/31
となる。ここで、Σ(X1~X31)は、X1から順次X31までの数値の和(合計値)を意味する。この31という数字は、特定月の月内の日数に応じて変化し、特定月が2月の場合は28又は29となり、特定月が4月、6月、9月、11月の場合は30となる。
【0030】
(第2工程)
各部屋種11ごとの部屋種別平均特定宿泊価格Psave、Pwave、Ptaveを、特定ホテル1aが備える総部屋数のうち対応する部屋種11が占める割合に応じて按分して合計することにより、特定ホテル1aの特定月における特定宿泊条件での総部屋数の月平均の宿泊価格を、1つの総合平均特定宿泊価格として算出する工程(以下、第2工程という。)が、コンピュータ5により実行される(S.2)。
【0031】
第2工程においては、上記第1工程で演算された各部屋種11ごとの部屋種別平均特定宿泊価格を用いて、当該特定ホテル1aの特定月(3月)における特定宿泊条件での総部屋数全体での月平均の宿泊価格(総合平均特定宿泊価格)を算出する。特定ホテル1aの各部屋種11ごとの部屋数12が、
シングルルーム部屋数:Ns
ダブルルーム部屋数:Nw
ツインルーム部屋数:Nt
総部屋数:NT=Ns+Nw+Nt
である場合、特定ホテル1aの特定月における特定宿泊条件での総合平均特定宿泊価格PMaveは、
PMave={(Psave×Ns)+(Pwave×Nw)+(Ptave×Nt)}/NT
となる。
【0032】
(第3工程)
特定ホテル1aにおける部屋種11と同伴係数とが相互に関連付けられた特定同伴係数データベースDB2から、部屋種11ごとの複数の同伴係数を、複数の部屋種別特定同伴係数として取得する工程(以下、第3工程という。)が、コンピュータ5により実行される(S.3)。
【0033】
図5は、特定ホテル1aの特定同伴係数データベースDB2のデータ構造図である。特定同伴係数データベースDB2内には、特定ホテル1aが有する部屋種11ごとに同伴係数14が互いに関連付けられている。ここで、同伴係数14とは、対応する部屋種11が宿泊利用されるにあたって、実質的に何名での宿泊利用がされているかを指標する数値であり、所定期間(例えば、1ヶ月、6ヶ月、1年等)での1泊あたりの利用者数の平均値である。
【0034】
例えば、2名利用が前提でのダブルルームであっても、1名利用の日もあれば、エキストラベッドを使用しての3名利用の場合もあり得る。1名利用が前提でのシングルルームであっても、エキストラベッドを使用しての2名利用の場合もあり得る。このように、各部屋種11での1泊利用の利用者数が実質的に何名であるかを演算したものが同伴係数14である。
【0035】
仮に、10日間のうち、1名利用が3日間、2名利用が5日間、3名利用が2日間であった場合、同伴係数14は、{(1×3)+(2×5)+(3×2)}/10=1.9となる。また、10日間のうち、1名利用が2日間、2名利用が6日間、利用なしが2日間であった場合、同伴係数14は、{(1×2)+(2×6)+(0×2)}/10=1.4となる。
【0036】
このように、特定ホテル1aに関して構築された特定同伴係数データベースDB2内から、各部屋種11ごとの同伴係数14を、シングルルーム同伴係数s14、ダブルルーム同伴係数w14、ツインルーム同伴係数t14として部屋種11ごとに取得する。この特定ホテル1aのシングルルーム同伴係数s14、ダブルルーム同伴係数w14、ツインルーム同伴係数t14を総称して部屋種別特定同伴係数という。
【0037】
なお、この同伴係数14は、1ヶ月における平均値であってもよく、その場合は、特定月における同伴係数14(又は、特定月以外の月における同伴係数14)として概念することができる。もちろん、1年間を通しての平均値であってもよく、開業から現在に至るまでの累計データの平均値であってもよい。
【0038】
また、同伴係数14は、特定ホテル1a自身の実績に基づく数値であってもよいが、例えば特定ホテル1aが開業前である等、実績データを有さない場合には、近隣周辺の同種ホテルの同伴係数14を類推適用しても構わない。すなわち、エリア10内の複数のホテル1の一部又は全部、又はエリア10以外のエリア20、30等を含めた複数のホテル2、3の一部又は全部の実績データに基づいて同伴係数14が算出され、特定ホテル1aの部屋種別特定同伴係数s14、w14、t14の推定に用いられてもよい。
【0039】
(第4工程)
複数の部屋種別特定同伴係数s14、w14、t14を、特定ホテル1aが備える総部屋数のうち対応する部屋種11が占める割合に応じて按分して合計することにより、特定ホテル1aの総部屋数の平均同伴係数を、1つの総合平均特定同伴係数として算出する工程(以下、第4工程という。)が、コンピュータ5により実行される(S.4)。
【0040】
第4工程では、第3工程で取得した部屋種別特定同伴係数s14、w14、t14と、特定ホテル1aが有する部屋種11ごとの部屋数12の情報とに基づいて、特定ホテル1a全体の総部屋数の平均同伴係数を、総合平均特定同伴係数ave14として算出する。すなわち、ave14は、
ave14={(s14×Ns)+(w14×Nw)+(t14×Nt)}/NT
として算出される。この総合平均特定同伴係数ave14は、部屋種ごとの同伴係数14を総部屋数で平準化した数値であり、原則として、1つの特定ホテル1aに対し1つの数値となる。もちろん同伴係数14が月ごとに変動する場合であって、特定月の同伴係数14と特定月以外の同伴係数14とを第3工程において別に取得する場合には、特定ホテル1aに対して月ごとの総合平均特定同伴係数ave14が複数存在する場合もあり得る。
【0041】
(第5工程)
総合平均特定宿泊価格PMaveと総合平均特定同伴係数ave14とに基づき、特定ホテル1aの特定月(3月)における特定条件(特定宿泊条件のうち宿泊人数の条件(特定人数)以外の条件)での総合平均特定同伴係数ave14に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第1特定宿泊価格として算出する工程(以下、第5工程という。)が、コンピュータ5により実行される(S.5)。
【0042】
総合平均特定宿泊価格PMaveは、特定ホテル1aの特定月における特定宿泊条件での月平均の宿泊価格である。ここで、特定宿泊条件は、特定人数としての「2名利用」という条件を含む。第1特定宿泊価格Padr1は、総合平均特定同伴係数ave14が指標する宿泊人数に相応する宿泊価格であるので、特定宿泊条件における特定人数をMとしたときに、第1特定宿泊価格Padr1は、
Padr1=PMave×ave14/M
となる。なお、本実施形態1では、特定人数M=2である。
【0043】
上記説明したように、ADR推定プログラムPを起動することにより、コンピュータ5(すなわち、その主要部としてのCPU5a)が、メモリ5b内又は他のコンピュータ8等の内部に構成された記憶装置内に構築された特定ホテルデータベースDB1及び特定同伴係数データベースDB2を参照しつつ上記の5つの工程を実行する。それにより、特定ホテル1aの特定月における特定条件(1泊・素泊まり)での総合平均特定同伴係数ave14が指標する人数利用での第1特定宿泊価格Padr1が高い信頼性を有する数値データとして推定される。なお、この第1特定宿泊価格Padr1は、特定ホテル1aにおける、特定月かつ特定条件でのいわゆる単月の月次ADRといえる。
【0044】
[実施形態2]
実施形態2に係るADR推定プログラムPが起動されると、実施形態1にて説明した5つの工程に加え、以下の第6工程も実行される。
【0045】
(第6工程)
特定ホテル1a又は特定エリア10a内の特定ホテル1a以外の他のホテル1の特定宿泊条件での特定月(3月)の月平均の宿泊価格と特定月(3月)以外の月(例えば、10月)の月平均の宿泊価格とに基づいて、特定ホテル1aの特定月以外の月(例えば、10月)における特定条件での総合平均特定同伴係数ave14に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第2特定宿泊価格として算出する工程(以下、第6工程という。)が、コンピュータ5により実行される(S.6)。
【0046】
実施形態2においては、特定ホテル1aの月次変動データベースDB3がメモリ5b又は他のコンピュータ8等の内部の記憶装置に格納されている。なお、
図2では、月次変動データベースDB3が他のコンピュータ8内部に格納された例を示している。月次変動データベースDB3には、特定ホテル1aの特定宿泊条件での宿泊価格13が、1年間を通して月ごとに格納されている。なお、月次変動データベースDB3内の宿泊価格13は、実際の価格データであってもよいし、特定月を基準として標準化した比率の値であってもよい。また、部屋種11ごとの各月の宿泊価格13が格納されていてもよいし、特定ホテル1aの部屋数全体としての各月の総合平均特定宿泊価格PMaveが格納されていてもよい。更にいえば、月次変動データベースDB3は、必ずしも特定ホテル1aの宿泊価格13でなくてもよく、同種の他のホテル、例えば、特定エリア10a内の他の複数のホテル1の一部又は全部の月ごとの宿泊価格13の情報であってもよい。
【0047】
この月次変動データベースDB3内の宿泊価格13を用いて、特定ホテル1aの特定条件での特定月以外の月の第2特定宿泊価格Padr2を推定することができる。すなわち、第2特定宿泊価格Padr2は、
Padr2=Padr1×特定月以外の月の宿泊価格/特定月の宿泊価格
であり、この演算処理によって、簡便かつ高精度に特定月以外の月の第2特定宿泊価格Padr2を推定することができる。例えば、特定月が3月、特定月以外の月が10月である場合に、3月の第1特定宿泊価格Padr1に基づき、簡便かつ高精度に10月の第2特定宿泊価格Padr2を推定することができる。なお、月次変動データベースDB3内の宿泊価格13を部屋種11ごとの宿泊価格とするか、総合平均特定宿泊価格PMaveとするか、特定ホテル1aの情報を用いるか、特定ホテル1a以外のホテル1の情報を用いるかは、適宜選択可能であり、いずれの情報を用いるかに応じて演算処理の負荷や推定の精度が変動する。なお、この第2特定宿泊価格Padr2は、特定ホテル1aにおける、特定月以外の月における特定条件でのいわゆる単月の月次ADRといえる。
【0048】
[実施形態3]
実施形態3に係るADR推定プログラムPが起動されると、実施形態2にて説明した6つの工程に加え、以下の第7工程も実行される。
【0049】
(第7工程)
特定ホテル1a又は特定エリア10a内の特定ホテル1a以外のホテル1の特定宿泊条件での各月ごとの平均宿泊価格に基づいて、特定ホテル1aの特定条件での総合平均特定同伴係数ave14に対応する人数分の年平均の宿泊価格を、第3特定宿泊価格として算出する工程(以下、第7工程という。)が、コンピュータ5により実行される(S.7)。
【0050】
実施形態3においては、実施形態2における第2特定宿泊価格Padr2の推定を特定月以外の全ての月について実行する。その結果、特定月及び特定月以外の全ての月について、すなわち1年間の12ヶ月全ての月についての特定ホテル1aの特定条件での総合平均特定同伴係数ave14に対応する人数分の月平均の宿泊価格を推定する。そして、それら12個の宿泊価格を合計し平均値を算出することで、特定ホテル1aの特定条件での第3宿泊価格Padr3が高い信頼性を有する数値データとして推定される。なお、この第3宿泊価格Padr3は、特定ホテル1aにおける、年間平均ADRといえる。
【0051】
[変形例]
なお、ADR推定プログラムPの起動によって実行されるADR推定方法が、以下の第8工程を更に有してもよい。
【0052】
(第8工程)
特定同伴係数データベースDB2における部屋種11に対応する同伴係数14を、部屋種11の宿泊実績に基づいて更新する工程(以下、第8工程という。)が、コンピュータ5により実行される(S.8)。
【0053】
特定同伴係数データベースDB2内の同伴係数14は、特定ホテル1a又は特定ホテル1a以外の他のホテル1における宿泊実績から算出された固定値であってもよい。しかしながら、変形例においては、同伴係数14が過去の宿泊実績及び新たな宿泊実績に基づいて、定期的に又は常に更新されるものであってもよい。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、本発明は以下の趣旨を含むものとする。
【0055】
[趣旨1]
複数の宿泊施設が複数のエリアごとに区分され、その複数エリアのうちの各エリアに前記複数の宿泊施設のうちの一部である複数の宿泊施設が含まれており、
前記複数のエリアの中から特定された1のエリアが特定エリアとして定義され、前記特定エリア内に所在する前記複数の宿泊施設の中から特定された1の宿泊施設が特定施設として定義された場合において、前記特定施設に関連する宿泊価格を算出する宿泊価格算出方法であって、
コンピュータにより、以下の(1)~(5)の工程を実行する宿泊価格算出方法。
(1)1年のうちの特定月における特定人数かつ特定条件での前記特定施設が備える部屋種ごとの月平均の宿泊価格を、複数の部屋種別平均特定宿泊価格として算出する工程。
(2)前記部屋種別平均特定宿泊価格を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の前記特定月における前記特定人数かつ前記特定条件での総部屋数の月平均の宿泊価格を、1つの総合平均特定宿泊価格として算出する工程。
(3)前記特定施設における前記部屋種と同伴係数とが相互に関連付けられた特定同伴係数データベースから、前記部屋種ごとの複数の同伴係数を、複数の部屋種別特定同伴係数として取得する工程。
(4)前記複数の部屋種別特定同伴係数を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の総部屋数の平均同伴係数を、1つの総合平均特定同伴係数として算出する工程。
(5)前記総合平均特定宿泊価格と前記総合平均特定同伴係数とに基づき、前記特定施設の前記特定月における前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第1特定宿泊価格として算出する工程。
【0056】
[趣旨2]
上記の宿泊価格算出方法は、コンピュータにより、以下の(6)の工程を更に実行してもよい。
(6)前記特定施設又は前記特定エリア内の宿泊施設の前記特定人数かつ前記特定条件での前記特定月の月平均の宿泊価格と当該特定月以外の月平均の宿泊価格とに基づいて、前記特定施設の前記特定月以外の月における前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第2特定宿泊価格として推定する工程。
【0057】
[趣旨3]
上記の宿泊価格算出方法は、コンピュータにより、以下の(7)の工程を更に実行してもよい。
(7)前記特定施設又は前記特定エリア内の宿泊施設の前記特定人数かつ前記特定条件での各月ごとの平均宿泊価格に基づいて、前記特定施設の前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の年平均の宿泊価格を、第3特定宿泊価格として推定する工程。
【0058】
[趣旨4]
上記の宿泊価格算出方法は、コンピュータにより、以下の(8)の工程を更に実行してもよい。
(8)前記特定同伴係数データベースにおける前記部屋種に対応する前記同伴係数を、当該部屋種の宿泊実績に基づいて更新する工程。
【0059】
[趣旨5]
複数の宿泊施設が複数のエリアごとに区分され、その複数エリアのうちの各エリアに前記複数の宿泊施設のうちの一部である複数の宿泊施設が含まれており、
前記複数のエリアの中から特定された1のエリアが特定エリアとして定義され、前記特定エリア内に所在する前記複数の宿泊施設の中から特定された1の宿泊施設が特定施設として定義された場合において、前記特定施設に関連する宿泊価格を算出する宿泊価格算出プログラムであって、
コンピュータに、以下の(1)~(5)の工程を実行させる宿泊価格算出プログラム。
(1)1年のうちの特定月における特定人数かつ特定条件での前記特定施設が備える部屋種ごとの月平均の宿泊価格を、複数の部屋種別平均特定宿泊価格として算出する工程。
(2)前記部屋種別平均特定宿泊価格を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の前記特定月における前記特定人数かつ前記特定条件での総部屋数の月平均の宿泊価格を、1つの総合平均特定宿泊価格として算出する工程。
(3)前記特定施設における前記部屋種と同伴係数とが相互に関連付けられた特定同伴係数データベースから、前記部屋種ごとの複数の同伴係数を、複数の部屋種別特定同伴係数として取得する工程。
(4)前記複数の部屋種別特定同伴係数を、前記特定施設が備える総部屋数のうち対応する部屋種が占める割合に応じて按分して合計することにより、前記特定施設の総部屋数の平均同伴係数を、1つの総合平均特定同伴係数として算出する工程。
(5)前記総合平均特定宿泊価格と前記総合平均特定同伴係数とに基づき、前記特定施設の前記特定月における前記特定条件での前記総合平均特定同伴係数に対応する人数分の月平均の宿泊価格を、第1特定宿泊価格として算出する工程。
【符号の説明】
【0060】
ave14:総合平均特定同伴係数
DB1:特定ホテルデータベース
DB2:特定同伴係数データベース
DB3:月次変動データベース
M:特定人数
Ns:特定ホテルのシングルルームの部屋数
Nw:特定ホテルのダブルルームの部屋数
Nt:特定ホテルのツインルームの部屋数
NT:特定ホテルの総部屋数
P:ADR推定プログラム(宿泊価格算出プログラム)
Padr1:第1特定宿泊価格
Padr2:第2特定宿泊価格
PMave:特定ホテルの特定月における特定宿泊条件での総合平均特定宿泊価格
Ps:特定ホテルの特定月における特定宿泊条件でのシングルルームの宿泊価格
Psave:シングルルームの特定月における部屋種別平均特定宿泊価格
Pw:特定ホテルの特定月における特定宿泊条件でのダブルルームの宿泊価格
Pwave:ダブルルームの特定月における部屋種別平均特定宿泊価格
Pt:特定ホテルの特定月における特定宿泊条件でのツインルームの宿泊価格
Ptave:ツインルームの特定月における部屋種別平均特定宿泊価格
S:ADR推定システム(宿泊価格算出システム)
s14、w14、t14:部屋種別特定同伴係数
W:ネットワーク
1~3:ホテル(宿泊施設)
1a:特定ホテル(特定施設)
5:コンピュータ
5a:CPU(演算処理装置)
6:入力部
7:出力部
8:他のコンピュータ
10~30:エリア
10a:特定エリア
11:部屋種
12:部屋数
13:宿泊価格
14:同伴係数
【要約】
【課題】ホテルや旅館等の宿泊施設において、宿泊施設全体での将来の月間又は年間の売上額を高精度に推定することのできる宿泊価格算出方法及び宿泊価格算出プラグラムを提供すること。
【解決手段】コンピュータにより、以下の(1)~(5)の工程を実行する宿泊価格算出方法。(1)1年のうちの特定月における特定宿泊条件での特定ホテル1aが備える部屋種11ごとの月平均の宿泊価格Psave、Pwave、Ptaveを算出する工程。(2)特定ホテル1aの特定月における特定宿泊条件での総部屋数の月平均の宿泊価格PMaveを算出する工程。(3)特定同伴係数データベースDB2から、部屋種11ごとの同伴係数14を取得する工程。(4)特定ホテル1aの総部屋数の平均同伴係数ave14を算出する工程。(5)特定ホテル1aの特定月における特定条件での平均同伴係数ave14に対応する人数分の月平均の宿泊価格Padr1を算出する工程。
【選択図】
図3