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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】電極組立体およびこれを含む電池セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20241217BHJP
   H01M 10/0583 20100101ALI20241217BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/466 20210101ALI20241217BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0583
H01M50/531
H01M50/466
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023539163
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 IB2022060187
(87)【国際公開番号】W WO2023062613
(87)【国際公開日】2023-04-20
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、ジョンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョウン クォン
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-017441(JP,A)
【文献】特開2014-035998(JP,A)
【文献】特表2018-535526(JP,A)
【文献】特開2011-138675(JP,A)
【文献】特表2016-511522(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102664285(CN,A)
【文献】中国実用新案第212783563(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/0583
H01M 50/531,50/538
H01M 50/466
H01M 10/12
H01M 10/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極、および分離膜を含む電極組立体において、
前記正極または負極は電極活物質が塗布されたコーティング部および前記電極活物質が塗布されていない無地部を含み、
前記正極または負極のうちの一つの電極は前記コーティング部および前記無地部が交互に形成された長方形シートが折り曲げられることによって形成されたジグザグ形態を有し、
前記正極または負極のうちの他の一つの電極は一つの無地部を挟んでいる二つのコーティング部が形成されたシートが折り曲げられることによって形成されたフォルダー形態を有し、
前記ジグザグ形態を有する電極の電極タブは両方向に形成され、
前記フォルダー形態を有する電極の電極タブは単方向に形成され、前記両方向に形成された電極タブと垂直に配置され
前記ジグザグ形態を有する電極および前記フォルダー形態を有する電極の前記無地部は、前記ジグザグ形態を有する電極および前記フォルダー形態を有する電極の前記電極タブであり、
前記分離膜は、長い分離膜シートが予め定められた単位長さに合わせて折り曲げられることによって形成されたジグザグ形態を有し、
前記ジグザグ形態を有する電極および前記分離膜は折り曲げられることによって形成された折り線を有し、
前記ジグザグ形態を有する電極の折り線は前記無地部に形成され、
前記ジグザグ形態を有する電極の折り線は前記分離膜の折り線と垂直に配置される、電極組立体。
【請求項2】
前記フォルダー形態を有する電極に形成された折り線は前記分離膜の折り線と平行に配置される、請求項に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記分離膜は折りたたまれることによって複数の単位分離膜に区分され、
前記ジグザグ形態を有する電極の二つのコーティング部の間には、二つの単位分離膜が位置し、前記ジグザグ形態を有する電極の他の二つのコーティング部の間には、他の二つの単位分離膜が位置し、
前記フォルダー形態を有する電極の二つのコーティング部のうちの一つは前記二つの単位分離膜の間に位置し、
前記フォルダー形態を有する電極の二つのコーティング部のうちの他の一つは前記他の二つの単位分離膜の間に位置する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記コーティング部は互いに対向する長辺と互いに対向する短辺を有し、
前記ジグザグ形態を有する電極の無地部は前記コーティング部の長辺の間に位置し、
前記フォルダー形態を有する電極の無地部は前記コーティング部の短辺の間に位置する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記コーティング部は互いに対向する長辺と互いに対向する短辺を有し、
前記ジグザグ形態を有する電極の無地部は前記コーティング部の長辺の間に位置する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記分離膜の折り曲げられた部分は前記分離膜の短辺の間に位置する、請求項に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記ジグザグ形態を有する電極は正極である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記フォルダー形態を有する電極は負極である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記電極のコーティング部は両面に形成された、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記電極のコーティング部は4辺の長さが同一な形態を有する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項11】
請求項1による電極組立体を含む電池セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は2021年10月15日付韓国特許出願第10-2021-0137261号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電極組立体およびこれを含む電池セルに関するものであって、より具体的に、新規な積層構造を有する電極組立体およびこれを含む電池セルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話機、ノートパソコン、キャムコーダー、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化するにつれて、前記のようなモバイル機器関連分野の技術に対する開発が活発になっている。また、充放電の可能な二次電池は化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案であって、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうちのリチウム二次電池は充放電が自由であり、自己放電率が低くエネルギー密度が高いという長所を有していて最も多くの注目を集めている。
【0005】
二次電池は、電池ケースの形状によって、電極組立体が円筒型または角型の金属缶に内装されている円筒型電池および角型電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内装されているパウチ型電池に分類される。
【0006】
また、二次電池は、正極、負極、および正極と負極の間に介される分離膜が積層された構造の電極組立体がいかなる構造からなっているかによって分類されることもある。代表的には、長いシート型の正極と負極を分離膜が介された状態で巻き取った構造のゼリーロール型(巻取り型)電極組立体、所定の大きさの単位で切り取った複数の正極と負極を分離膜が介された状態で順次に積層したスタック型(積層型)電極組立体などが挙げられる。最近は、前記ゼリーロール型電極組立体およびスタック型電極組立体が有する問題点を解決するために、前記ゼリーロール型とスタック型の混合形態であるスタック/フォールディング型電極組立体が開発されたこともある。
【0007】
一方、スタック/フォールディング型電極組立体を製造するのにおいて、主にワインディング-スタックフォールディング、ジグザグスタックフォールディング方法が用いられており、このようなスタックフォールディング電極組立体は多数枚の電極を並列構造に連結させるので、出力側面において大きな長所がある。通常、スタックフォールディング電極組立体はノッチング工程を通じて裁断されたシート電極が積層されることによって形成され、この時、電極タブ方向は一方向に固定接合される。
【0008】
従来は、スタックフォールディング型電極組立体の出力特性を改善し、工程単純化を達成するために電極タブ方向を多方向に配置する構成または電極を切断しない状態で積層する工程が考案されることもあった。
【0009】
これに関連して、特許文献1は、高電流使用に適した電極タブを構成するために各電極に複数の電極タブを多方向に配置したものである。しかし、このような電極構造は電極タブが異なる方向に配置されたシート電極を積層したものに過ぎないので連続工程が不可能であり、積層された電極同士が連結されていなくて別途の追加工程が要求される問題がある。
【0010】
また、特許文献2は、2つの電極がジグザグに折りたたまれて相互連結されることによって電極工程を単純化し、構造の変化を最少化し、高出力の電池セルに使用可能な電極組立体に関するものである。しかし、特許文献2の電極組立体は電極の一面が 全体地部から構成されて材料損失が大きく、少なくとも一つの電極タブが両方向に形成されない短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】韓国公開特許公報第10-2010-0135382号(2010年12月27日)
【文献】韓国公開特許公報第10-2016-0088303号(2016年7月25日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、工程性が改善され、高出力環境で使用可能な電極組立体およびこれを含む電池セルを提供することである。
【0013】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態による電極組立体は正極、負極、および分離膜を含み、前記正極または負極は電極活物質が塗布されたコーティング部および前記電極活物質が塗布されていない無地部を含み、前記正極または負極のうちの一つの電極は前記コーティング部および前記無地部が交互に形成された長方形シートが折り曲げられることによって形成されたジグザグ形態を有し、前記正極または負極のうちの他の一つの電極は一つの無地部を挟んでいる二つのコーティング部が形成されたシートが折り曲げられることによって形成されたフォルダー形態を有し、前記ジグザグ形態を有する電極の電極タブは両方向に形成され、前記フォルダー形態を有する電極の電極タブは単方向に形成され、前記両方向に形成された電極タブと垂直に配置される。
【0015】
また、前記分離膜は、長い分離膜シートが予め定められた単位長さに合わせて折り曲げられることによって形成されたジグザグ形態を有することができる。
【0016】
前記ジグザグ形態を有する電極および分離膜は折り曲げられることによって形成された折り線を有し、前記電極の折り線は前記無地部に形成され、前記電極の折り線は前記分離膜の折り線と垂直に配置できる。
【0017】
前記フォルダー形態を有する電極に形成された折り線は前記分離膜の折り線と平行に配置できる。
【0018】
前記ジグザグ形態を有する電極の二つのコーティング部の間には、二つの単位分離膜が位置し、前記ジグザグ形態を有する電極の他の二つのコーティング部の間には、他の二つの単位分離膜が位置し、前記フォルダー形態を有する電極の二つのコーティング部のうちの一つは前記二つの単位分離膜の間に位置し、前記フォルダー形態を有する電極の二つのコーティング部のうちの他の一つは前記他の二つの単位分離膜の間に配置することができる。
【0019】
前記コーティング部は互いに対向する長辺と互いに対向する短辺を有し、前記ジグザグ形態を有する電極の無地部は前記コーティング部の長辺の間に位置し、前記フォルダー形態を有する電極の無地部は前記コーティング部の短辺の間に配置することができる。
【0020】
前記コーティング部は互いに対向する長辺と互いに対向する短辺を有し、前記ジグザグ形態を有する電極の無地部は前記コーティング部の長辺の間に配置することができる。
【0021】
また、前記分離膜の折り曲げられた部分は前記分離膜の短辺の間に配置することができる。
【0022】
前記ジグザグ形態を有する電極は正極であってもよい。
【0023】
前記フォルダー形態を有する電極は負極であってもよい。
【0024】
前記電極のコーティング部は両面に形成できる。
【0025】
本発明の他の実施形態による電池セルは、前述の電極組立体を含む。
【発明の効果】
【0026】
実施形態によれば、本発明の電極組立体およびこれを含む電池セルは電極組立体に新規な積層構造を適用することによって製造工程が単純化され、両方向電極タブが形成されるようにすることができる。
【0027】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は請求範囲の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態による電極組立体を示した図である。
図2】本発明の一実施形態による電極組立体を示した図である。
図3図1に含まれている第1電極がフォールディングされる前の状態を示した図である。
図4図1に含まれている第2電極がフォールディングされる前の状態を示した図である。
図5図1に含まれている分離膜がフォールディングされる前の状態を示した図である。
図6図1の第1電極と分離膜が結合される過程を示した図である。
図7図1の第1電極と分離膜が結合される過程を示した他の図である。
図8図1の第1電極と分離膜が結合された積層体の一面を示した図である。
図9図1の第1電極、分離膜、および第2電極が結合される過程を示した図である。
図10】本発明の一実施形態による電極組立体の一面と他面を示した図である。
図11】本発明の一実施形態による電極組立体の一面と他面を示した他の図である。
図12】本発明の一実施形態による電極組立体の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は以下で説明したもの以外に様々の異なる形態に実現でき、本発明の範囲はここで説明する実施形態によって限定されない。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにする。
【0031】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に拡大するか縮小して示したものであるので、本発明の内容が図示されたところに限定されないのは自明である。以下の図面においては様々の層および領域を明確に表現するために各層の厚さを拡大して示した。そして以下の図面においては、説明の便宜のために、一部層および領域の厚さを誇張して示した。
【0032】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分"の上に"または"上に"あると説明する時、これは該当する層、膜、領域、板などの部分が他の部分"の直上に"ある場合だけでなく、その間にまた他の部分がある場合も含むと解釈されなければならない。これと反対に、該当する層、膜、領域、板などの部分が他の部分"の直上に"あると説明する時にはその間に他の部分がないのを意味することができる。また、基準となる部分"の上に"または"上に"あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって"の上に"または"上に"位置することを意味するのではない。一方、他の部分"の上に"または"上に"あると説明することと同様に、他の部分"の下に"または"下に"あると説明することも前述の内容を参照して理解されるはずである。
【0033】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を"含む"という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0034】
また、明細書全体で、"平面上"という時、これは該当部分を上から見た時を意味し、"断面上"という時、これは該当部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0035】
以下では本発明の一実施形態による電極組立体に関して説明する。
【0036】
図1および図2は、本発明の一実施形態による電極組立体を示した図である。図3は、図1に含まれている第1電極がフォールディングされる前の状態を示した図である。図4は、図1に含まれている第2電極がフォールディングされる前の状態を示した図である。図5は、図1に含まれている分離膜がフォールディングされる前の状態を示した図である。
【0037】
図1および図2を参照すれば、本実施形態の電極組立体100は、充放電の可能な発電素子であってもよい。電極組立体100に含まれている電極は第1電極110および第2電極120を含むことができ、電極の間に分離膜130が介されることによって電極組立体100は第1電極110/分離膜130/第2電極120が交互に積層された構造を有することができる。ここで、第1電極110は正極であり、第2電極120は負極であってもよい。しかし、必ずしもそうであるのではなく、設計によって第1電極110が負極であり、第2電極120が正極であってもよい。
【0038】
電極組立体100の縁には第1電極110または第2電極120の一部である第1無地部111および第2無地部121が配置できる。第1無地部111および第2無地部121は第1電極110および第2電極120の電極タブであってもよい。
【0039】
図1および図2に示されているように、本実施形態の電極組立体100において、第1電極110の電極タブは両方向に形成することができる。また、第2電極120の電極タブは単方向に形成することができる。第1電極110の電極タブと第2電極120の電極タブは互いに垂直に配置することができる。
【0040】
図3を参照すれば、本実施形態の第1電極110は、集電体上に活物質がコーティングされたものであってもよい。第1電極110は、活物質が塗布された第1コーティング部113および活物質が塗布されていない無地部である第1無地部111を含むことができる。ここで、第1コーティング部113は両面に形成することができる。
【0041】
第1電極110は、複数の第1コーティング部113および第1無地部111が交互に位置する長方形のシートとして提供できる。シート形態の第1電極110は、折り線(folding line)に沿って折りたたまれることによってジグザグ形態に形成できる。具体的に、第1電極110が上面と下面を有する時、隣接した二つの第1コーティング部113は互いの下面を相接することによって重ねられ、これと隣接した二つの第1コーティング部113は互いの上面を相接することによって重ねられる。
【0042】
第1コーティング部113は、電極組立体100の設計による単位大きさで製造できる。第1コーティング部113は、互いに対向する長辺a1と互いに対向する短辺b1を有することができる。第1無地部111は、互いに隣接の二つの第1コーティング部113の長辺a1の間に配置することができる。折り線は第1無地部111に形成され、長辺a1と対応できる。折り線は長辺a1と平行に配置できる。折り線は互いに対向する二つの第1コーティング部113の長辺a1の間に配置でき、折り線によって第1電極110がフォールディングされることによって二つの第1コーティング部113が重ねられる。
【0043】
ここで、折り線は予め形成されたものであってもよいが、電極組立体100を形成する過程で第1電極110がジグザグ形態に折りたたまれることによって形成されるものであってもよい。図3で長方形シート形態の第1電極110に折り線を表したことはジグザグ形態に形成される第1電極110を説明するためのことであるところ、必ずしも折り線が予め形成されなければならないことではないのを予め明らかにしておく。また、このような内容は第2電極120または分離膜130においても同一に適用できるはずである。
【0044】
またここで、折り線が第1電極110がジグザグ形態に折りたたまれることによって形成される場合には、折り線が図示されたものとは異なって多少傾斜を成すように形成されてもよい。したがって、本明細書で折り線が特定辺または他の折り線と対応するまたは平行であるということは折り線と特定辺または他の折り線が所定の角度を成す場合も含むと解釈されるのが好ましい。また、本明細書で折り線が特定辺または他の折り線と垂直であるということも、折り線と特定辺または他の折り線が所定の角度を成す場合も含むと解釈されるのが好ましい。ここで、所定の角度とは、10度(°)以下の角度であってもよい。このような内容は第1電極110にのみ適用されるのではなく、第2電極120または分離膜130にも同一に適用されるはずである。
【0045】
図4を参照すれば、本実施形態の第2電極120は集電体上に活物質がコーティングされたものであってもよい。第2電極120は、活物質が塗布された第2コーティング部123および活物質が塗布されていない無地部である第2無地部121を含むことができる。ここで、第2コーティング部123は、両面にコーティングできる。この時、第2コーティング部123の大きさは第1コーティング部113の大きさより大きくてもよい。
【0046】
第2電極120は複数の第2コーティング部123および第2無地部121が連結された長方形のシートとして提供されるが、切断線(cutting line)によって予め定められた大きさに切断できる。この時、長方形の電極シートには二つの第2コーティング部123および一つの第2無地部121が交互に位置し、切断線は第2無地部121なく互いに隣接した二つの第2コーティング部123の間に形成できる。
【0047】
切断線によって切断された第2電極120は、二つの第2コーティング部123およびその間に位置した一つの第2無地部121を含むことができる。第2無地部121には折り線が形成でき、折り線によって折りたたまれることによって第2電極120はフォルダー形態に形成できる。ここで、フォルダー形態とは、1度折りたたむことによって形成された折りたたまれた形態を称するものであってもよい。具体的に、第2電極120が上面と下面を有する時、切断された第2電極120は二つの第2コーティング部123の上面を相接することによって折りたたまれるか、下面を相接することによって折りたたまれることになる。
【0048】
ここで、折り線は予め形成されたものであってもよいが、電極組立体100を形成する過程で第2電極120がフォルダー形態に折りたたまれることによって形成されるものであってもよい。したがって、必ずしも折り線が予め形成されなければならないことではないのを明らかにしておく。
【0049】
第2コーティング部123それぞれは、電極組立体100の設計による単位大きさで製造できる。第2コーティング部123は、互いに対向する長辺a2と互いに対向する短辺b2を有することができる。第2コーティング部123の長辺a2および短辺b2は、第1コーティング部113の長辺a1および短辺b1とそれぞれ対応できる。第2無地部121は、互いに隣接した二つの第2コーティング部123の短辺b2の間に配置することができる。切断線および折り線は、第2コーティング部123の短辺b2と対応できる。切断線および折り線は、第2コーティング部123の短辺b2と平行であってもよい。
【0050】
図5を参照すれば、本実施形態の分離膜130は長方形のシート形態として提供され、折り線によって折りたたまれることによってジグザグ形態に形成できる。分離膜130は絶縁材質からなることによって、第1電極110と第2電極120の間を電気的に絶縁するためのものであってもよい。ここで、分離膜130はポリオレフィン系樹脂膜として提供でき、その例としてはポリエチレンまたはポリプロピレンなどが挙げられる。
【0051】
分離膜130は折りたたまれることによって複数の単位分離膜133に区分できる。単位分離膜133それぞれは、電極組立体100の設計による単位大きさで製造できる。単位分離膜133の大きさは一定であってもよい。単位分離膜133は、互いに対向する長辺a3と互いに対向する短辺b3を有することができる。単位分離膜133の長辺a3および短辺b3は、第1電極110の長辺a1および短辺b1、第2電極120の長辺a2および短辺b2とそれぞれ対応できる。ここで、単位分離膜133は、第1コーティング部113または第2コーティング部123より大きくてもよい。単位分離膜133の長辺a3は第1電極110の長辺a1および第2電極120の長辺a2より大きくてもよく、単位分離膜133の短辺b3は第1電極110の短辺b1および第2電極120の短辺b2より大きくてもよい。
【0052】
ここで、折り線は短辺b3と対応できる。折り線は、単位分離膜133の短辺b3と平行に形成できる。互いに対向する二つの単位分離膜133の短辺b3の間に折り線が配置でき、折り線によって二つの単位分離膜133が重ねられる。前述のように、折り線は予め形成されたものであってもよいが、ジグザグ形態に分離膜130を折りたたむことによって形成されるものであってもよい。
【0053】
分離膜130はジグザグ形態に折りたたまれる。具体的に、単位分離膜133が上面と下面を有する時、隣接した二つの単位分離膜133は互いの下面を相接することによって重ねられ、これと隣接した二つの単位分離膜133は互いの上面を相接することによって重ねられる。
【0054】
一方、以上の説明では第1コーティング部113、第2コーティング部123、および単位分離膜130が全て長辺a1、a2、a3および短辺b1、b2、b3を有すると説明されたが、第1コーティング部113、第2コーティング部123、および単位分離膜130が4辺の長さが同一な形態で提供されることも可能である。
【0055】
例えば、第1コーティング部113は互いに対向する第1辺a1と第2辺b1を含み、第2コーティング部123は互いに対向する第3辺a2と第4辺b2を含み、単位分離膜133は互いに対向する第5辺a3と第6辺b3を含むことと説明できる。第1辺a1は第2辺b1と、第3辺a2は第4辺b2と、第5辺a3は第6辺b3と同一であるか類似の長さを有することと説明できる。また、本実施形態の電極組立体100で、第1辺a1、第3辺a2および第5辺a3は互いに対応し、また、第2辺b1、第4辺b2および第6辺b3は互いに対応することと説明できる。
【0056】
より具体的に、第1無地部111は互いに隣接した第1コーティング部113の第1辺a1の間に配置でき、第1辺a1は第1電極110の折り線と対応する辺であってもよい。第2無地部121は互いに隣接した第2コーティング部123の第4辺b2の間に配置でき、第4辺b2は第2電極120の切断線および折り線と対応する辺であってもよい。単位分離膜133の第6辺b3は分離膜130の折り線と対応する辺であってもよい。
【0057】
一方、以上では説明の便宜のために、長辺および短辺を説明するのに使用された図面符号と同一な図面符号を第1辺~第6辺に付加したが、これは各辺と無地部111、121との関係または折り線および切断線との関係を説明するためのものに過ぎない。したがって、第1辺~第6辺の長さおよび比率が本明細書の図面に示されたものによって限定されるのではない。
【0058】
図6は、図1の第1電極と分離膜が結合される過程を示した図である。図7は、図1の第1電極と分離膜が結合される過程を示した他の図である。図8は、図1の第1電極と分離膜が結合された積層体の一面を示した図である。
【0059】
図6図8を参照すれば、本実施形態の電極組立体100で、第1電極110と分離膜130は第1コーティング部113の長辺a1と単位分離膜133の長辺a3が対応し、第1コーティング部113の短辺b1と単位分離膜133の短辺b3が対応するように互いに垂直に結合できる。第1電極110の折り線と分離膜130の折り線は電極組立体100で互いに垂直に配置できる。
【0060】
垂直に結合された第1電極110および分離膜130で、互いに相接する二つの第1コーティング部113の間には単位分離膜133が配置できる。この時、単位分離膜133は互いに対向する第1コーティング部113の間に2つずつ配置できる。2つの単位分離膜133は互いの上面または下面が相接するように折りたたまれた状態であってもよい。これにより、それぞれの単位分離膜133の一面は第1コーティング部113と接触し、他面は隣接した単位分離膜133と接触できる。具体的に、垂直に結合された第1電極110および分離膜130で、第1コーティング部113と単位分離膜133は図7に示されているように、第1コーティング部113、単位分離膜133、単位分離膜133、第1コーティング部113、単位分離膜133、単位分離膜133、第1コーティング部113...の順に配置できる。
【0061】
図9は、図1の第1電極、分離膜、および第2電極が結合される過程を示した図である。図10は、本発明の一実施形態による電極組立体の一面と他面を示した図である。図11は、本発明の一実施形態による電極組立体の一面と他面を示した他の図である。図10では説明の便宜のために第1コーティング部113および第2コーティング部123の形状は省略したことを予め明らかにする。
【0062】
図9図11を参照すれば、前述の図6図8の組立体で、互いに接触する二つの単位分離膜133の間に第2電極120の第2コーティング部123が配置されることによって電極組立体100が形成できる。互いに接触する二つの単位分離膜と、互いに接触する他の二つの単位分離膜の間には第1コーティング部113が位置するので、第2電極120の第2コーティング部123のうちの一つは前記接触する二つの単位分離膜の間に位置し、他の一つは前記接触する他の二つの単位分離膜の間に位置することになる。
【0063】
具体的に、第2電極120は、二つの第2コーティング部123を含むフォルダー形態を有することができる。前述の図8に示されているように、第1コーティング部113および単位分離膜133は、第1コーティング部113、単位分離膜133、単位分離膜133、第1コーティング部113、単位分離膜133、単位分離膜133、第1コーティング部113の順に積層される。ここで、第2電極120に含まれている第2コーティング部123は、互いに重ねられた二つの単位分離膜133の間にそれぞれ挿入できる。重ねられた二つの単位分離膜133の間に第2コーティング部123が配置されれば、第1コーティング部113、単位分離膜133、第2コーティング部123、単位分離膜133、第1コーティング部113、単位分離膜133、第2コーティング部123、単位分離膜133、第1コーティング部113の順に積層された電極組立体100が形成できる。
【0064】
電極組立体100で第2電極120の折り線と第1電極110の折り線は電極組立体100で互いに垂直に配置できる。また、第2電極120の折り線と分離膜130の折り線は電極組立体100で互いに平行に配置できる。第2電極120の折り線と分離膜130の折り線は対応できる。
【0065】
具体的に、第2電極120は、第2コーティング部123の長辺a2と第1コーティング部113の長辺a1および単位分離膜133の長辺a3が対応するように第1電極110および分離膜130と結合できる。第2電極120は、第2コーティング部123の短辺b2と第1コーティング部113の短辺b1および単位分離膜133の短辺b3が対応するように第1電極110および分離膜130と結合できる。
【0066】
第2電極120の第2コーティング部123は、第2無地部121を挟んで連結された状態であってもよい。連結された二つの第2コーティング部123の間には単位分離膜133、第1コーティング部113、単位分離膜133が位置するようになるので、電極組立体100の一面とそれと反対になる面である他面を示した図10および図11を参照すれば、第2無地部121は電極組立体100の一面を部分的に覆うこともできる。
【0067】
このように、本実施形態の電極組立体100は両方向に形成された電極タブを有する第1電極110を含むことによって高出力、高エネルギーを提供する電池セルに使用できる。また、第1電極110、第2電極120、および分離膜130を単位大きさに切断しないことによって全体工程を簡素化することができ、第1コーティング部113および第2コーティング部123が第1無地部111および第2無地部121を通じて連結されることによって高い出力を達成することができる。
【0068】
以下では本発明の一実施形態による電極組立体の製造方法に関して説明する。
【0069】
図12は、本発明の一実施形態による電極組立体の製造方法のフローチャートである。
【0070】
図12を参照すれば、本実施形態の電極組立体の製造方法(S1000)は、
第1電極110、第2電極120、および分離膜130を準備する段階(S1100)、
第1電極110と分離膜130を結合する段階(S1200)、および
第1電極110と分離膜130が結合された組立体に第2電極120を結合する段階(S1300)を含むことができる。
【0071】
前記準備する段階(S1100)は、第1電極110を長方形のシートとして準備する段階、分離膜130を長方形のシート形態で準備する段階、および第2電極120を予め定められた大きさに切断されたシート形態で準備する段階を含むことができる。
【0072】
ここで、第1電極110は複数の第1コーティング部113およびその間に形成された第1無地部111を含むことができ、第2電極120は二つの第2コーティング部123およびその間に形成された第2無地部121を含むことができる。分離膜130は、複数の単位分離膜133を含むことができる。前記準備する段階(S1100)を通じて準備される第1電極110、第2電極120、および分離膜130に関する説明は図3図5の図面を通じて説明できるので、詳しい説明を省略する。
【0073】
前記第1電極110と分離膜130を結合する段階(S1200)は、前述の図6図8の図面を通じて説明できる。ここで、前記結合する段階(S1200)は互いに重ねられた二つの第1コーティング部113の間に互いに重ねられた二つの単位分離膜130が配置される段階を含むことができ、前記段階を繰り返すことによって第1電極110と分離膜130が結合された組立体が形成できる。またここで、第1コーティング部113と単位分離膜133の長辺a1、a3と短辺b1、b3が相互対応するように、第1電極110と分離膜130は垂直に結合することができる。
【0074】
前記第1電極110と分離膜130が結合された組立体に第2電極120を結合する段階(S1300)は、前述の図9図11の図面を通じて説明できる。
【0075】
ここで、第2電極120を結合する段階(S1300)は互いに重ねられた二つの単位分離膜130の間に第2電極120の第2コーティング部123が配置される段階を含むことができ、前記段階を繰り返すことによって本発明の電極組立体100が形成できる。またここで、第1コーティング部113、第2コーティング部123と単位分離膜133の長辺a1、a2、a3と短辺b1、b2、b3が相互対応するように、第1電極110と第2電極120は垂直に結合することができる。
【0076】
このように、本実施形態の電極組立体100の製造方法は、第1電極110、第2電極120、および分離膜130を単位大きさに切断しないことによって全体工程を簡素化することができる。また、第1コーティング部113および第2コーティング部123が第1無地部111および第2無地部121を通じて連結されるようにすることによって高い出力を有する電極組立体100を製造することができる。
【0077】
一方、以上で説明した本実施形態の電極組立体100は電解液と共にセルケース内に収納されて電池セルとして提供できる。
【0078】
本発明の一実施形態による電池セルは、複数の電極および複数の分離膜が交互に積層された電極組立体100、複数の電極から延長される電極タブと連結された電極リードおよび電極リードの一端が突出した状態で電極組立体を密封するセルケースを含むことができる。
【0079】
また一方、前述の電池セルは、一方向に積層されて電池セル積層体を形成することができ、電池モジュールとしてモジュール化されて電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)および/または冷却装置などと共に電池パックを形成することができる。電池パックは多様なデバイスに適用できる。例えば、電池パックが適用されるデバイスは、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段であってもよい。しかし、前述のデバイスがこれに制限されるわけではなく、前述の例示以外にも多様なデバイスに本実施形態による電池パックが使用でき、これも本発明の権利範囲に属する。
【0080】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。
【符号の説明】
【0081】
100:電極組立体
110:第1電極
111:第1無地部
113:第1コーティング部
120:第2電極
121:第2無地部
123:第2コーティング部
130:分離膜
133:単位分離膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12