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特許7604737エーテル/エステル複合ポリウレタンフォーム化粧品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】エーテル/エステル複合ポリウレタンフォーム化粧品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/87 20060101AFI20241217BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
A61K8/87
A61Q1/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020566285
(86)(22)【出願日】2018-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 KR2018014364
(87)【国際公開番号】W WO2020091132
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2020-11-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0130645
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517039760
【氏名又は名称】コスマックス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】オ、セ ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソン ミ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ファ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ノ、ミン チュ
(72)【発明者】
【氏名】イム、ヒョン テク
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヨン ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミョン サム
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】木村 敏康
【審判官】冨永 保
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-504681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料組成物を含浸したポリウレタンフォームを含む化粧品であって、
前記ポリウレタンフォームのポリウレタンは、エーテル基とエステル基をモル比で4:6~6:4の比率で含み、
前記化粧料組成物は、水含量が20~30wt%であり、貯蔵弾性率(G’)の曲線と損失弾性率(G’’)の曲線との交点における限界せん断応力値が3Pa~15Paであることを特徴とする化粧品。
【請求項2】
前記化粧料組成物は、1Paのせん断応力下で3≦G’/G’’≦10であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品。
【請求項3】
前記化粧料組成物は油相成分および水相成分を含み、
水相成分に対する油相成分の重量比は0.9~1.1の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品。
【請求項4】
前記化粧料組成物は主乳化剤および補助乳化剤を含み、前記主乳化剤および補助乳化剤は重量比で3:1~4:1の比率であり、前記主乳化剤は、ラウリルPEG-10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびセチルPEG/PPG-10/1ジメチコンからなる群より選択された少なくとも1種の物質を含み、前記補助乳化剤は、PEG-10ジメチコンおよびソルビタンイソステアレートのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1に記載の化粧品。
【請求項5】
前記ポリウレタンフォームの含浸後の硬度は20~35であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品。
【請求項6】
前記ポリウレタンフォームの含浸前を基準にした含浸前後の硬度変化率は45%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品に関し、より詳しくは、液状化粧料が含浸されたポリウレタンフォームを備える化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料は固体、液体などの様々な性状で存在し、液状化粧料の場合、液漏れを防止し排出を容易にするために、チューブのような伸縮性を有する容器に入れて使うのが一般的である。
【0003】
最近、低粘度または高粘度を有する液状化粧料をポリウレタンフォームのような含浸材に含浸した後、パフのような道具を利用して、ポリウレタンフォームを加圧して化粧料がパフに付いて排出されるようにする方式のクッション化粧品が使われている。
【0004】
従来、このような化粧品に用いられる含浸材としてはポリウレタンフォームを主に用いており、このようなポリウレタンフォームは高分子重合反応に用いられるポリオール種類に応じてエーテル系ポリウレタンフォーム、エステル系ポリウレタンフォームに区分される。エーテル系ポリウレタンフォームは、耐加水分解性に非常に優れ、弾性に優れ、安価な長所を有するが、耐油性が弱いという短所があるのに対し、エステル系ポリウレタンフォームは、気泡調整が容易であり、耐摩耗性、耐薬品性などに優れるという長所を有するが、加水分解を起こしやすいという短所を有する。よって、二つのポリオールの短所を補い、長所を浮かび上がらせるポリウレタンフォームの使用が求められる。
【0005】
また、従来のクッション化粧品は、フォームの材質、フォームの構造に関する考察や、それに適した化粧料組成物としての要求特性、それに基づいた化粧料組成物の設計は全くない実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の問題を解決するために、本発明は、特定比率のエーテル/エステル比率を有するエステル/エーテル複合ポリウレタンフォームを備える化粧品を提供することをその目的とする。
【0007】
また、本発明は、加圧使用に適した流動特性を有する化粧料組成物を備えるポリウレタンフォーム化粧品を提供することをその目的とする。
【0008】
より具体的には、本発明は、加圧使用に適した耐化学性および流動特性を有するエーテル/エステルポリウレタンフォーム化粧品を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を達成するために、本発明は、化粧料組成物を含浸したポリウレタンフォームを含む化粧品であって、前記ポリウレタンフォームのポリウレタンは、エーテル基とエステル基をモル比で4:6~6:4の比率で含み、前記化粧料組成物は、水含量が35wt%以下であり、貯蔵弾性率(G’)=損失弾性率(G’’)である限界せん断応力値が100Pa以下であることを特徴とする化粧品を提供する。
【0010】
本発明において、前記化粧料組成物の水含量は20~35wt%であってもよい。また、前記化粧料組成物の水含量は20~30wt%であってもよい。また、前記化粧料組成物の水含量は25~30wt%であってもよい。
【0011】
本発明において、前記化粧料組成物の前記限界せん断応力値は20Pa以下、10Pa以下または5Pa以下であってもよい。
【0012】
本発明において、前記化粧料組成物は、1Paのせん断応力下で3≦G’/G’’≦10の関係であることが好ましい。
【0013】
本発明は、前記化粧料組成物は油相成分および水相成分を含み、水相成分に対する油相成分の重量比は0.9~1.1の範囲であることが好ましい。
【0014】
また、前記化粧料組成物は主乳化剤および補助乳化剤を含み、前記主乳化剤および補助乳化剤は重量比で3:1~4:1の比率であることが好ましい。
【0015】
この時、前記主乳化剤は、ラウリルPEG-10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびセチルPEG/PPG-10/1ジメチコンからなる群より選択された少なくとも1種の物質を含み、前記補助乳化剤は、PEG-10ジメチコンおよびソルビタンイソステアレートのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0016】
本発明において、前記ポリウレタンフォームの含浸後の硬度は20~35であることが好ましい。この時、前記ポリウレタンフォームの含浸前を基準にした含浸前後の硬度変化率は45%以下であることがより好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、特定比率のエーテル/エステル比率を有するエステル/エーテル複合ポリウレタンフォームを備える化粧品を提供することができる。
【0018】
また、本発明によれば、担持状態で化粧料組成物が安定した状態で存在し、加圧時にフォーム内部に均一に再配置可能な複合ポリウレタンフォームを備えた化粧品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例による化粧品を概略的に示す図である。
図2】本発明の含浸材の構造を2次元上に概念的に示す図である。
図3】本発明において含浸材および化粧料組成物の挙動を説明するための模式図である。
図4】本発明の実施例による化粧料組成物の流動を説明するための模式図である。
図5】本発明の一実施例による化粧料組成物の流動特性を示すグラフである。
図6】本発明の他の実施例による化粧料組成物の流動特性を示すグラフである。
図7】本発明のまた他の実施例による化粧料組成物の流動特性を示すグラフである。
図8】本発明の一実施例により製造されたポリウレタンフォームの含浸前後の硬度測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明することによって本発明を詳述する。
【0021】
本発明の明細書において、エーテルポリウレタンフォームは、ポリエーテルポリオールとイソシアネート(-NCO)基を有した化合物と反応して形成されたポリウレタンを発泡フォームとして加工したものを含む。また、エステルポリウレタンフォームは、ポリエステルポリオールとイソシアネート(-NCO)基を有した化合物と反応して形成されたポリウレタンを発泡フォームとして加工したものを含む。また、本発明において、エーテル/エステルポリウレタンフォームとは、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールの混合物とイソシアネート(-NCO)基を有した化合物と反応して形成されたポリウレタンを発泡フォームとして加工したもの、またはポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールのハイブリッド共重合体とイソシアネート(-NCO)基を有した化合物と反応して形成されたポリウレタンを発泡フォームとして加工したものを含む。また、本発明において、エーテル:エステル比率は、エーテル/エステルポリウレタンフォーム内のエステル基およびエーテル基のモル比を意味する。例えば、エーテル:エステル=4:6は、ポリウレタン内のエーテル基とエステル基のモル比が4:6であることを意味する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例による化粧品を概略的に示す図である。
【0023】
図示されたように、化粧品10は、液状化粧料を収容するための容器本体11を備える。前記容器本体11には、液状化粧料が含浸材100に収容されている。前記化粧品は、前記フォーム100からの液状化粧料の漏れを防止するための内蓋13および/または外蓋15を含むことができる。また、図示していないが、前記3次元織物含浸材の離脱を防止するために、前記含浸材を固定するための固定具がさらに備えられてもよい。それについては後ほど説明する。
【0024】
本発明において、前記含浸材100は、好ましくは、エーテル-エステルポリウレタンフォームである。より好ましくは、前記エーテル-エステルポリウレタンフォームは、中間比率のエーテル-エステルポリウレタンフォームである。ここで、中間比率とはポリウレタン内のエステル基の比率が半分に近いものをいい、例示的にエーテル:エステルの比率は4:6~6:4であることが好ましい。
【0025】
例示的にエーテル:エステル比率は4:6~6:4、好ましくは4.5:5.5~5.5:4.5、より好ましくは4.3:5.7~5.7:4.3であってもよい。本発明の一部の実施例においては、エーテル:エステル比率が5:5のポリウレタンフォームを用いた。一部の文献の中でもポリウレタンフォームのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールの混合について開示している文献は存在するが、本発明のように原料物質中に従来の耐加水分解性に脆弱であると知られたポリエステルポリオールの比率がポリエーテルポリオールとほぼ類似した比率で用いられたポリウレタンフォームに関する特性を研究したり効果を確認したりした文献は公開されたことがない。
【0026】
本発明において、液状化粧料を含浸した含浸材の化粧料組成物の排出挙動は次のように説明することができる。
【0027】
含浸材は、多孔性フォームであって、セルまたは格子を単位として構成されている。一つのセルは骨格と骨格内部のポア(pore)と規定することができ、本発明において、セルの骨格は単位格子を構成するセル壁の少なくとも一部または全部が貫通状態であって、骨格のポアは互いに連結された状態にあり、これはオープンポア構造または網状構造と呼ばれる。
【0028】
図2は、本発明の含浸材20の構造を2次元上に概念的に示す図である。セルは、骨格12および骨格により規定される内部のポア14で構成される。図面上、骨格12は各セルを区分しているものとして示されているが、3次元的に見てみると、セルの骨格12は開放された壁面を備えており、隣接したセルは互いに連通している。
【0029】
図2のセル構造をベースにした本発明におけるフォーム化粧品の排出特性について図3を参照して概念的に説明する。但し、以下の説明は、本発明の理解のための補助的なものであって、本発明の技術的思想を限定するためのものではない。
【0030】
図3(a)に示すように、含浸材10には、液状化粧料組成物20が含浸されている。含浸材10の表面をパフや指で加圧すれば、含浸材10と化粧料組成物20には応力が加えられる。図3(b)に示すように、含浸材内の単位セルは加圧により変形され、その間の液状化粧料はセルの内部および隣接したセルの間を流動する。この時、セルの骨格は液状化粧料の流動に対する抵抗として作用し、それにより、垂直下方に作用する加圧力の一部または全部が含浸材内の液状化粧料に対してせん断応力として作用する。このように化粧料に作用するせん断応力は化粧料組成物の流動特性に影響を及ぼし、それについては後述することにする。
【0031】
含浸材を構成するポリウレタンフォームにおいて、原料物質としてポリエーテルポリオールを用いたフォームは、耐加水分解性に非常に優れ、弾性に優れ、安価な長所を有するが、耐油性が弱いという短所がある。その反面、ポリエステルポリオールを用いたフォームは、気泡調整が容易であり、耐摩耗性、耐薬品性などに優れた長所を有するが、加水分解を起こしやすく、高温で長期間の保管時に壊れる現象が発生する短所があると知られている。本発明において、エーテル-エステルポリウレタンフォームは、単一組成のポリエーテルフォームまたはポリエステルフォームが有する短所を補うことができる。さらに、ポリエステルポリウレタンフォームは、ポリエーテルポリウレタンに比べてセル大きさを容易に調節できるという長所を有し、より小さいセル大きさを有するポリウレタンフォームの製造に有利である。
【0032】
本発明のフォームにおけるポリウレタン内のエステル基の含量(モル比)はエーテル基の含量(モル比)に近接し、エーテル:エステルのモル比は好ましくは6:4~4:6の範囲であってもよい。例示的に、本発明において、エーテル:エステルのモル比は、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールの混合比により決定される。すなわち、エーテル:エステル=5:5のポリウレタンは、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールを5:5で混合して製造される。
【0033】
本発明において、前記ポリウレタンフォーム内のセル大きさはポア数で表すことができる。本発明において、前記ポア数は約70ppi~約250ppi、約80ppi~約250ppi、約90ppi~約250ppi、約100ppi~約250ppi、約110ppi~約250ppi、約120ppi~約250ppiまたは約150ppi~約250ppiであってもよいが、これらに制限されるものではない。好ましくは、前記ポア数は110ppi以下、150ppi以下または200ppi以下であってもよい。
【0034】
前記ポア数は、フォームの1インチ長さのサンプル内に存在するポアの個数に定義される。具体的には、気孔数はJIS K6400-1のような規格に準じて測定され、以下のとおりである。
【0035】
厚さ10mm、幅および長さ100mmの試片を採取し、倍率5~10倍の目盛りを取り付けした拡大鏡で試片を受け台の上に載せ、虫眼鏡を拡大鏡または試片を移動させながら直線に10mmの間のセルの個数をカウントする。この時、測定位置は3ヶ所にし、3ヶ所の測定値の平均値をセルの個数にして、次の数学式1により計算することができる。
【0036】
(数学式1)
N=n×2.54(ここで、Nはセル数(個/25.4mm)であり、nは10mmの間のセルの個数(平均))
【0037】
セル大きさは、ポアの大きさで表されることもできる。本発明において、前記ポアの大きさは約0.1mm~約0.6mm、約0.15mm~約0.6mm、約0.20mm~約0.6mm、約0.25mm~約0.60mmまたは約0.30mm~約0.60mmであってもよいが、これらに制限されるものではない。好ましくは、本発明において、前記ポア大きさは0.5mm以下であることが好ましい。例えば、前記ポア大きさは0.1mm~0.5mm、0.2mm~0.5mm、0.3mm~0.5mmであってもよい。
【0038】
また、本発明は、加圧により発生するフォームの変形程度が適切に制御されたフォームを用いることができる。一例として、本発明において、前記ポリウレタンフォームの弾性モジュラスまたは硬度は適切に制御されることができる。例えば、フォームの硬度は、ウレタン反応に参加するポリオールの分子量を制御することによって調節されることができる。
【0039】
本発明の他の側面によれば、ポリウレタンフォームは、低い硬度値を有し、且つ、良好な耐久性を提供することができる。
【0040】
本発明において、ポリウレタンフォームの硬度は、化粧料組成物の含浸前を基準にASKER硬度計F型(Type)を基準に、約30~約60、約35~約60、約40~約60の範囲であってもよい。また、本発明のポリウレタンフォームの硬度は55以下、50以下、45以下であってもよいが、これらに制限されるものではない。
【0041】
また、本発明において、ポリウレタンフォームの硬度は、化粧料組成物の含浸後を基準に約20~約40、約25~40、約30~40の範囲であってもよい。また、本発明のポリウレタンフォームの硬度は、20~35の範囲であってもよい。
【0042】
このような本発明のポリウレタンフォームの硬度値は、F型(Type)を基準にASKER硬度が含浸前に約70~90(含浸前)、含浸後に約40~45の値を示す一般的なポリウレタンフォームより相当に低い。しかし、本発明に係るポリウレタンフォームは、現在市販中の他のポリウレタンフォームに比べて、硬度が低く、且つ、耐久性は低下しない特性を有しており、前述したように耐加水分解性および耐油性も優れた特性を有している。
【0043】
一方、一般に含浸材に化粧料組成物を含浸する場合に含浸後の硬度が低くなるのが一般的であるが、全ての含浸材において同一な数値に硬度が落ちるのではないゆえ、含浸前後の硬度差が過度に大きい場合には、含浸材に含浸する化粧料組成物の設計が困難であり、含浸後の化粧品の使い心地に良くない影響を及ぼす。本発明者らは、化粧料組成物の含浸前後の硬度差を最大限に減らし、且つ、優れた使い心地および効果を有するポリウレタンフォームに関する研究を持続し、本発明を完成するに至った。
【0044】
本発明において、ポリウレタンフォームの化粧料含浸前の硬度に対する含浸後の硬度の減少率((含浸前の硬度-含浸後の硬度)/含浸前の硬度)は50%未満であってもよく、好ましくは45%未満であってもよい。前記減少率が50%以上である場合には、含浸後の含浸材の膨張(swelling)が過度に大きくなりうるため、含浸材の物性に影響を及ぼして使い心地が良くない。
【0045】
さらに、本発明のポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォームを含浸材として含む化粧品を使用するにおいて、重要な官能的特性のうちの一つである化粧品の「使い心地」において、後述する実験例から確認できるように、従来の異なるポリオール比率で含まれた化粧品に比べて遥かに高い評価を受けたのを実験的に確認した。これは、化粧料組成物の含浸後の硬度が約20~約35のポリウレタンフォームが、塗布具を用いて含浸された化粧料組成物を取る時、最も柔らかく塗布具に取られる化粧料組成物の量が適切であると判断された。
【0046】
本発明において、ポリウレタンフォームは、ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールの混合物とイソシアネート(-NCO)基を有した化合物と反応して製造される。
【0047】
ポリエーテルポリオールの単量体は、アルキレンオキシド(alkylene oxide)、ジオール(diol)、トリオール(triol)またはこれらの組み合わせからなる群より選択されたものを含み、前記ポリエステルポリオールの単量体は、カルボキシル基を2以上含む有機酸を含むものであってもよいが、これらに制限されるものではない。本願の一実現例において、前記ポリエーテルポリオールの単量体は、エチレンオキシド(etylene oxide)およびプロピレンオキシド(propylene oxide)からなる群より選択されるアルキレンオキシド;ジプロピレングリコール(dipropylene glycol、以下、「DPG」と称する)、モノエチレングリコール(mono-ethylene glycol、以下、「MEG」と称する)およびプロピレングリコール(propylene glycol、以下、「PG」と称する)からなる群より選択されるジオール;または、グリセリン(glycerin)およびトリメチロールプロパン(trimethylol propane、以下、「TMP」と称する)からなる群より選択されるトリオール;またはこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに制限されるものではない。本願の一実現例において、前記ポリエーテルポリオールは、活性化水素を有した開始剤にアルキレンオキシド(alkylene oxide)であるプロピレンオキシド(propylene oxide)やエチレンオキシド(ethylene oxide)を付加重合して得られるものを含むが、これに制限されるものではない。前記開始剤としては、官能基が2個のプロピレングリコール(propylene glycol)、ジプロピレングリコール(dipropylene glycol)、エチレングリコール(ethylene glycol)、ジエチレングリコール(diethylene glycol)、ジエタノールアミン(diethanol amine)、ビスフェノール(bisphenol)、水などや、官能基が3個のグリセリン(glycerine)、トリメチロールプロパン(trimethylol propane)、トリエタノールアミン(triethanol amine)、ヘキサントリオール(haxanetriol)などが主に用いられるが、これらに制限されるものではない。
【0048】
本発明において、前記ポリエステルポリオールの単量体は、カルボキシル基を2以上含む炭素数が約2~約20の多価有機酸を含み、例えば、高級脂肪酸、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸を含むことができるが、これらに制限されるものではない。例えば、前記多価有機酸の炭素数は約2~約20、約2~約18、約2~約16、約2~約14、約2~約12、約2~約10、約2~約8、約2~約6または約2~約4であってもよい。本願の一実現例において、前記カルボキシル基を2以上含む多価有機酸は、例えば、アジピン酸、シュウ酸およびコハク酸からなる群より選択されるものを含むことができるが、これらに制限されるものではない。本願の一実現例において、前記ポリエステルポリオールの単量体は、大豆油、ヒマシ油、クエン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸およびリノレン酸からなる群より選択されるものを含むことができるが、これらに制限されるものではない。
【0049】
本発明において、前記イソシアネート(-NCO)基を有した化合物は、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系などのポリイソシアネート、前記ポリイソシアネートの2以上の組み合わせおよびこれらを変成して得られる変性ポリイソシアネートからなる群より選択されるものを含むが、これらに制限されるものではない。本願の一実現例において、前記イソシアネート(-NCO)基を有した化合物は、メチレンジフェニルジイソシアネート(Methylene Diphenyl Diisocyanate、以下、「MDI」と称する)、トルエンジイソシアネート(Toluene Diisocyanate、以下、「TDI」と称する)、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、パラフェニレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4-または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)などの脂肪族ジイソシアネート;1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水素添加TDI)、1-イソシアネート-3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル-4,4’-ジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートまたはこれらの組み合わせからなることができる。但し、これらに制限されるものではない。
【0050】
以下では、前述した本発明のエーテル-エステルポリウレタンフォームに含浸されるのに適した化粧料組成物の特性について説明する。
【0051】
前述した高いエステル含量を有するポリウレタンフォームの加水分解特性を補うために、本発明における化粧料組成物は低い水含量(water content)を有する。好ましくは、前記化粧料組成物の水含量は35wt%以下、より好ましくは30wt%以下の水含量を有する。例示的に、前記化粧料組成物の水含量は、化粧料組成物中、約20~35wt%、20~30wt%、25~30wt%であってもよい。
【0052】
また、本発明において、化粧料組成物は次のような流動特性を有する。
【0053】
本発明の化粧料の流動特性は、組成物の弾性と粘性を示す貯蔵弾性率(storage modulus;G’)と損失弾性率(loss modulus;G’’)により表すことができる。
【0054】
図4は、本発明の実施例による化粧料組成物の流動を説明するための模式図である。図4を参照すれば、せん断応力が印加されない場合、組成物の貯蔵弾性率(storage modulus)は損失弾性率(loss modulus;G’’)より大きい値を有する。貯蔵弾性率は物質の弾性特性を示す指標であり、せん断応力が印加されなかった時、組成物は固体に近い挙動、すなわち、固体様挙動(solid like behavior)を示す。しかし、せん断応力が印加されて応力が増加すれば、貯蔵弾性率は順次減少し、その結果、貯蔵弾性率と損失弾性率値の逆転が発生する。この時、貯蔵弾性率(G’)の曲線と損失弾性率(G’’)の曲線との交点におけるせん断応力を限界せん断応力(threshold shear stress;σ)とし、せん断応力が閾値を超過すれば、組成物は、粘性特性が優越した状態、すなわち、G’’>G’の状態、すなわち、液体様挙動を示す。この時、液体様挙動の組成物は、液体に近い流動特性を有し、含浸材のセル間を容易に流動することができる。

【0055】
本発明の化粧料組成物は低い限界せん断応力を有する。例示的に、前記限界せん断応力(threshold shear stress;σ)は約100Pa以下、約90Pa以下、約80Pa以下、約70Pa以下、約60Pa以下、約50Pa以下、約40Pa以下、約30Pa以下、約20Pa以下、約10Pa以下、約9Pa以下、約8Pa以下、約7Pa以下、約6Pa以下、約5Pa以下、4Pa以下、3Pa以下、2Pa以下または1Pa以下であってもよい。好ましくは、前記組成物の限界せん断応力は1Pa~20Pa、2~20Pa、3~20Paの範囲であることが好ましい。前述した貯蔵弾性率と損失弾性率は、商用のレオメーターにより測定できる。
【0056】
前述したように、加圧されたポリウレタンフォームの内部で、化粧料組成物はせん断応力を受けるようになる。せん断応力により、本発明の組成物は液体のように挙動し、フォームの内部で難なく流動する。このような流動特性は、化粧料の均一な排出に有利な長所を提供することができる。例えば、数回の繰り返し使用時、本発明の組成物は、含浸材の内部を迅速に流動して再配置されることができる。使用時、含浸材内の組成物は、持続的に再配置され、使用期間の間より均一に排出可能である。また、加圧により組成物の流動特性が向上できるため、充填時、フォームを繰り返し加圧することによって化粧料組成物を容易に含浸できるという長所を有する。

【0057】
その反面、本発明の組成物は、せん断応力が印加されていない状態では固体様挙動をし、それにより、フォーム内でより安定した状態の組成物として存在できるようになる。応力の非印加状態での安定性を確保するために、化粧料組成物はG’>>G’’の関係、より具体的には、せん断応力1Paにおいて3≦G’/G’’≦10の関係にあることが好ましい。
【0058】
本発明の化粧料組成物は、油相成分、水相成分、増粘剤および粉体を含む。これらの成分およびその含量は、化粧料組成物の流動特性を決定する。
【0059】
本発明の組成物は、全体化粧料組成物中、38~43重量%の油相成分、38~43%の水相成分および15~20重量%のピグメント、1重量%未満の増粘剤を含むことができる。
【0060】
本発明において、油相成分は、オイル成分、被膜形成剤、紫外線遮断剤および乳化剤を含むことができる。
【0061】
また、本発明において、前記乳化剤は、主乳化剤および補助乳化剤を含むことができる。本発明において、前記乳化剤は、前記油相成分100重量部を基準に8~12重量部を用いることができる。
【0062】
本発明において、前記主乳化剤は、ラウリルPEG-10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびセチルPEG/PPG-10/1ジメチコンからなる群より選択された少なくとも1種の物質を含む。
【0063】
本発明において、前記補助乳化剤としては、PEG-10ジメチコンおよびソルビタンイソステアレートのうち少なくとも1種を用いることができる。
【0064】
本発明において、前記乳化剤中の主乳化剤と補助乳化剤は、重量比で3:1~4:1の比率で用いることが好ましい。前記主乳化剤と補助乳化剤の比率である3:1未満の場合には、長期剤形安定度が落ちる。
【0065】
また、本発明において、前記水相成分に対する油相成分の重量比は0.9~1.1、より好ましくは0.95~1.1の範囲であることが好ましい。水相成分の比率がこれより減少すれば、乳化安定度が急激に落ちる。
【実施例
【0066】
以下では、本発明の好ましい実施例を説明する。
【0067】
A.ポリウレタンフォーム
ポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールの比率を異にして製造された複合ポリウレタンフォームを準備した。比較のために、ポリエステルポリオール100%のポリウレタンフォームおよびポリエーテルポリオール100%のポリウレタンフォームを準備した。
【0068】
各ポリウレタンフォームの組成を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
製造されたポリウレタンフォームを発泡フォームの加水分解される特性を評価するために、10%塩酸および硝酸にポリエステルポリオールフォームおよびハイブリッド発泡フォームを常温で7日間含浸させた後、前記フォームの崩れ状態を確認した。加速条件下で実験を進行するために、酸触媒である塩酸および硝酸が各々10wt%濃度の水溶液で評価した。実験結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
化粧料組成物の構成原料に含まれるエステルオイル、極性有機紫外線遮断剤および揮発性シリコーンオイルを各々含浸させ、80℃で20分間維持した後、各々のウレタンフォームの大きさを測定して、含浸前の発泡フォームの体積と比較して発泡フォームの体積の膨張程度を確認し、その結果を表3に示す。エステルオイルとしては、セチルエチルヘキサノエート、ジイソステアリルマレート、ブチレングリコールジカプリレート/ジカプレート、炭酸ジカプリリル、ネオペンチルグリコールジヘプタノエートを用いた。極性有機紫外線遮断剤としては、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ヘキシルヘキシルサリシレート、イソアミル-P-メトキシシンナメートが用いられた。揮発性シリコーンオイルとしては、シクロヘキサシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロメチコンが用いられた。
【0073】
【表3】
【0074】
B.化粧料組成物
W/O型の化粧料組成物を製造した。紫外線遮断剤、被膜形成剤、乳化剤およびオイル成分を含む油相成分を混合し、80℃に加温攪拌して相を均一にした。そこに粉体を混合し再び攪拌して粉体成分を均一に分散させた油相成分を準備した。別途のビーカーに水相成分を混合し、80℃に加温攪拌し完全に溶解させて水相成分を準備した。準備した水相成分を上記のように準備した油相成分に徐々に投入し、ホモミキサーを利用して乳化させた。その後、30℃にまで冷却して表5~7の化粧料組成物を得た。
【0075】
化粧料組成物は、30重量%以下の水含量において低い限界せん断応力を有する組成に設計した。製造された化粧料組成物の成分および配合比(重量%)を表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】
製造例1~3の具体的な配合比を表5~表7に示す。
【0078】
【表5】
【0079】
【表6】
【0080】
【表7】
【0081】
製造例1~3の化粧料組成物の粘度および流動特性を測定した。粘度は、製造した各組成物100gをプラスチック容器に入れた後、粘度計(DV-E Viscometer、Brookfield)で測定した。この時、粘度の測定時にSpindle No.4を用い、Spindleを前記各組成物に浸した後に1分間12rpmで回転して表示された値を粘度として用いた。粘度の測定結果値を表6に示す。
【0082】
【表8】
【0083】
製造例1~3の組成物の流動特性をコーンプレート型レオメーター(MCR92、AntonPaar)で測定した。この時、測定周波数は10Hzにした。図5図7は、測定された貯蔵モジュラスおよび損失モジュラス値を示すグラフであり、表9は、図5図7の限界せん断応力値を整理した表である。
【0084】
【表9】
【0085】
C.化粧料組成物の再配置特性の評価
厚さ約10mm、直径約5cmのPU3フォームに製造例1~製造例3の組成物を各々含浸して含浸フォームを製造した。各フォームに含浸された組成物の重量は16gにした。含浸されたPU3フォームを下部PU3フォームにし、その上に非含浸状態の上部PU3フォームを載せ、PU3フォームの総厚さが15cmになるように加圧して10秒間維持した後、下部PU3フォームの重さ減少の相対的な大きさを比較した。重さの測定結果、減量の大きさは、製造例1、製造例2および製造例3の順であった。これは、含浸された組成物の限界せん断応力値が低いほど、上部PU3フォームへの組成物の流動が活発に発生し、下部PU3フォームの組成物の減量は増加することに起因すると見られる。
【0086】
以上の実験から、下部フォームに相当量の減量が発生して、加圧時に組成物の再配置が容易に発生することを確認することができた。また、限界せん断応力値が低い組成物を担持したフォームの場合、相対的に大きい減量が発生することが分かる。
【0087】
D.含浸前後の硬度の評価
厚さ約10mm、直径約5cmのPU1、PU3、PU6フォームの含浸前後の硬度を測定した。含浸組成物は製造例2の組成にし、含浸量は16gにした。比較のために、PU4フォームの含浸前後の硬度値を共に測定した。硬度値は、ASKER硬度計F型(Type)を基準に求めた。図8の(a)および(b)は、各々、含浸前後のPU3フォームの硬度測定過程を撮影した写真である。
【0088】
実験に用いられたPU2フォームの硬度の測定結果および硬度変化率を表10に示す。
【0089】
【表10】
【0090】
E.官能評価
PU1、PU3およびPU6ポリウレタンフォームに前記製造例1の化粧料組成物を含浸した後、化粧品分野の評価に才能のある20~30代の女性20人を対象に化粧料の含浸前後の硬度差に応じた効果上の差を確認するために官能評価を行った。本実験では、ポリウレタンフォームとして硬度評価対象のPU1、PU3およびPU6フォームを用い、前記3種のポリウレタンフォームは肉眼上では全て同一であり、官能評価対象者にポリウレタンフォームに対する背景説明なしに官能評価を行った。
【0091】
官能評価の項目としては、吐出感、接触感、使い心地の三つを評価し、5点尺度法に従い、5点(非常に優れる)、4点(優れる)、3点(普通)、2点(悪い)、1点(非常に悪い)に評価した後に平均値を導出した。各々の官能評価項目に関する説明は以下のとおりである。
【0092】
1)吐出感:塗布具(一般のNBRパフ)に含浸材から化粧料組成物を取る時に吐き出される量が適切であるか否かを評価し、1回の吐出時の吐出量が少なすぎる場合には何度も取らなければならないので含浸材の耐久性に影響を及ぼす。
【0093】
2)接触感:塗布具を含浸材に接触した時に感じられる官能的特性を評価する。
【0094】
3)使い心地:塗布具で含浸された化粧料組成物を取る時に感じられる全体的な使い心地を評価する。
【0095】
【表11】
【0096】
表11に示すように、本発明に係る実施例のポリウレタンフォームの官能的特性が比較例1および2に比べて優れるものとして評価された。注目すべき項目は吐出感であって、含浸前後の減少率が低い実施例の吐出感が減少率が高い比較例に比べて顕著に高い評価を受けたことを確認することができ、全体的な使い心地の側面でも実施例の優れた効果を確認することができた。
【0097】
以上、本発明の実施例を通じて本発明を詳述したが、以上の説明は本発明を例示したものであって、本発明がこれに限定されるものではない。添付された請求範囲と本発明の要旨を逸脱せずに、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有した者であれば、誰でも様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の範囲に属すると見なすべきであろう。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、化粧品に利用可能である。
(付記)
本開示に係る実施形態は以下のものも含む。
<1>
化粧料組成物を含浸したポリウレタンフォームを含む化粧品であって、
前記ポリウレタンフォームのポリウレタンは、エーテル基とエステル基をモル比で4:6~6:4の比率で含み、
前記化粧料組成物は、水含量が35wt%以下であり、貯蔵弾性率(G’)=損失弾性率(G’’)である限界せん断応力値が100Pa以下であることを特徴とする化粧品。
<2>
前記化粧料組成物の水含量は20~35wt%であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<3>
前記化粧料組成物の水含量は20~30wt%であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<4>
前記化粧料組成物の水含量は25~30wt%であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<5>
前記化粧料組成物の前記限界せん断応力値は20Pa以下であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<6>
前記化粧料組成物の前記限界せん断応力値は10Pa以下であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<7>
前記化粧料組成物の前記限界せん断応力値は5Pa以下であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<8>
前記化粧料組成物は、1Paのせん断応力下で3≦G’/G’’≦10であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<9>
前記化粧料組成物は油相成分および水相成分を含み、
水相成分に対する油相成分の重量比は0.9~1.1の範囲であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<10>
前記化粧料組成物は主乳化剤および補助乳化剤を含み、前記主乳化剤および補助乳化剤は重量比で3:1~4:1の比率であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<11>
前記主乳化剤は、ラウリルPEG-10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよびセチルPEG/PPG-10/1ジメチコンからなる群より選択された少なくとも1種の物質を含むことを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<12>
前記補助乳化剤は、PEG-10ジメチコンおよびソルビタンイソステアレートのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<13>
前記ポリウレタンフォームの含浸後の硬度は20~35であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
<14>
前記ポリウレタンフォームの含浸前を基準にした含浸前後の硬度変化率は45%以下であることを特徴とする、<1>に記載の化粧品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8