(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】エネルギー伝達のための内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A61B18/18 100
(21)【出願番号】P 2021529793
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(86)【国際出願番号】 IB2019060186
(87)【国際公開番号】W WO2020109999
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-25
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512023166
【氏名又は名称】ニューウェーブ メディカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NEUWAVE MEDICAL,INC.
【住所又は居所原語表記】3529 Anderson Street,Madison,Wisconsin 53704,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トム・マーク
(72)【発明者】
【氏名】シール・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ミンジョーネ・ルイ
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-240011(JP,A)
【文献】特開2017-213316(JP,A)
【文献】特表2003-501197(JP,A)
【文献】特開2017-195961(JP,A)
【文献】特開平8-280694(JP,A)
【文献】国際公開第2017/075067(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00― 1/32
A61B 17/00―18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡処置で使用するための可撓性シースであって、前記可撓性シースは、細長い管状本体近位端及び細長い管状本体遠位端を有する細長い管状本体と、編組本体部分と、を備え、前記編組本体部分は、前記細長い管状本体遠位端から前記細長い管状本体近位端まで延在し、前記編組本体部分の組成物は、50℃に耐えることができる合成繊維であり、前記可撓性シースの直径は、5mm未満であり、
前記可撓性シースは、一次カテーテル内を通って被検体内に挿入されることができ、治療ツールが、前記可撓性シース内を通って被検体内に挿入されることができ、
前記編組本体部分は、前記細長い管状本体の外面に沿って位置付けられ、前記細長い管状本体の内面に位置付けられない、可撓性シース。
【請求項2】
前記合成繊維は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ケブラー、アラミド繊維、ノメックス、及び/又はテクノーラである、請求項1に記載の可撓性シース。
【請求項3】
前記可撓性シースは、被検体を通って迂回ルートにアクセスするために十分な可撓性を有する、請求項1に記載の可撓性シース。
【請求項4】
前記細長い管状本体の前記組成物は、ポリマー材料である、請求項1に記載の可撓性シース。
【請求項5】
前記細長い管状本体の前記組成物は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)又は熱可塑性コポリエステルである、請求項4に記載の可撓性シース。
【請求項6】
前記細長い管状本体の前記組成物は、フルオロポリマーである、請求項4に記載の可撓性シース。
【請求項7】
前記フルオロポリマーは、ペルフルオロメチルアルコキシアルカン(MFA)又はペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)である、請求項6に記載の可撓性シース。
【請求項8】
前記細長い管状本体遠位端に配置されたマーカー領域を更に備える、請求項1に記載の可撓性シース。
【請求項9】
前記マーカー領域の前記組成物は、セラミックである、請求項8に記載の可撓性シース。
【請求項10】
前記マーカー領域の前記組成物は、プラスチック基材である、請求項8に記載の可撓性シース。
【請求項11】
前記マーカー領域の前記組成物は、セラミックコーティングを有するプラスチック基材である、請求項8に記載の可撓性シース。
【請求項12】
前記一次カテーテルと、請求項1に記載の可撓性シースと、
前記治療ツールと、を備えるシステム。
【請求項13】
前記一次カテーテルは、内視鏡である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記治療ツールは、マイクロ波エネルギー伝達デバイスである、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
ユーザが前記可撓性シースを任意の所望の様態で操縦することを可能にするように構成された、操縦可能なプルリングを更に備える、請求項1に記載の可撓性シース。
【請求項16】
前記操縦可能なプルリングは、前記細長い管状本体遠位端の外周に巻き付けられたリング部分、及び、前記リング部分に接続され、前記リング部分から近位方向に延びる複数のワイヤを備え、前記複数のワイヤは、前記リング部分の周方向において、互いに離間して配置される、請求項15に記載の可撓性シース。
【請求項17】
前記可撓性シースは、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーンに関連する損傷を被ることなく、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーン内で動作可能であるように設計されている、請求項1に記載の可撓性シース。
【請求項18】
前記可撓性シースは、被検体の組織領域内で動作可能であるように設計されている、請求項1に記載の可撓性シース。
【請求項19】
前記マーカー領域は、前記細長い管状本体の前記外面の周方向全体に位置付けられている、請求項8に記載の可撓性シース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐えるように構成された可撓性シースアセンブリ、並びに関連するシステム及び使用方法に関する。具体的には、本発明は、耐熱性ポリマー及び/又は耐熱性編組材料で設計された可撓性の細長い管状本体を有するシースアセンブリを提供する。このようなシースアセンブリは、任意の種類の内視鏡エネルギー伝達処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血管血栓症、心不整脈及び不整脈の治療、電気手術、組織採取など)で使用するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
可撓性シースは、内視鏡が提供することができるよりも、より正確な標的位置へのアクセスを提供するために、治療内視鏡検査処置(例えば、内視鏡切除処置)において使用される。現在の又は典型的な可撓性シース(例えば、ポリマー材料(例えば、ポリエーテルブロックアミド(Pebax))及び金属編組(例えば、ステンレス鋼の金属編組)を有する)は、そのようなシースが、切除エネルギー(例えば、マイクロ波切除エネルギー)に関連付けられた高温を取り扱うことができないため、そのような内視鏡切除処置では後退させなければならない。実際には、このようなシースは、エネルギー伝達(例えば、マイクロ波エネルギー伝達から生じるマイクロ波場)からのシースへの損傷を防止するために、切除エネルギーを伝達する前に後退させなければならない。しかしながら、そのような必要な可撓性シースの後退は、多くの場合、例えば、標的位置を誤って調整すること、及び/又はエネルギー伝達デバイスの位置決めを誤って調整することを通して、内視鏡切除処置を危険にさらすことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
切除エネルギー(例えば、マイクロ波切除エネルギー)に関連付けられた高温に耐えることができる新しい可撓性シースが必要である。
【0004】
本発明は、このニーズに対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐えるように構成された可撓性シースアセンブリ、並びに関連するシステム及び使用方法に関する。具体的には、本発明は、耐熱性ポリマー及び/又は耐熱性編組材料で設計された可撓性の細長い管状本体を有するシースアセンブリを提供する。このようなシースアセンブリは、任意の種類の内視鏡エネルギー伝達処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血管血栓症、心不整脈及び不整脈の治療、電気手術、組織採取など)で使用するように構成されている。
【0006】
特定の実施形態では、本発明は、内視鏡処置で使用するための可撓性シースを提供する。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、細長い管状本体近位端及び細長い管状本体遠位端を有する細長い管状本体と、編組本体部分とを備え、編組本体部分は、細長い管状本体遠位端から細長い管状本体近位端まで延在し、編組本体部分の組成物は、耐熱性合成繊維であり、可撓性シースの直径は5mm未満である。
【0007】
いくつかの実施形態では、可撓性シースは、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度(例えば、約50℃~150℃)に耐えることができる。可撓性シースは、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーンに関連する損傷を被ることなく、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーン内で動作可能であるように設計されている(例えば、可撓性シースは、マイクロ波適合性である)。可撓性シースは、高温に関連する損傷を被ることなく、高温にさらされている組織領域内で動作可能であるように設計されている(例えば、可撓性シースは、熱耐性である)。
【0008】
いくつかの実施形態では、耐熱性合成繊維は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ケブラー、アラミド繊維、ノメックス、及び/又はテクノーラである。
【0009】
いくつかの実施形態では、編組本体部分は、細長い管状本体外部の外部に沿って、細長い管状本体内で、細長い管状本体の内部に沿って、又は細長い管状本体の内部と外部の混合に沿って延在する。
【0010】
いくつかの実施形態では、可撓性シースは、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐える能力を保持しながら、被験体を通って迂回ルートにアクセスするために(例えば、分岐構造を通って、気管支樹を通って、身体の任意の領域を通って、所望の位置に到達するために)十分な可撓性を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、細長い管状本体の組成物は、高温定格ポリマー材料である。いくつかの実施形態では、細長い管状本体の組成物は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)である。いくつかの実施形態では、高温定格ポリマー材料は、熱可塑性コポリエステルである。いくつかの実施形態では、熱可塑性コポリエステルは、アーニテルである。いくつかの実施形態では、細長い管状本体の組成物は、フルオロポリマーである。いくつかの実施形態では、フルオロポリマーは、ペルフルオロメチルアルコキシアルカン(MFA)又はペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)である。
【0012】
いくつかの実施形態では、可撓性シースは、細長い管状本体遠位端に位置付けられたマーカー領域を更に備える。いくつかの実施形態では、マーカー領域の組成物は、高密度セラミックである。いくつかの実施形態では、マーカー領域の組成物は、高温耐熱プラスチック基材である。いくつかの実施形態では、マーカー領域の組成物は、高密度セラミックコーティングを有する高温耐熱プラスチック基材である。
【0013】
いくつかの実施形態では、可撓性シースは、ユーザが可撓性シースを任意の所望の様態で操縦することを可能にするように構成された、操縦可能なプルリングを更に備える。
【0014】
特定の実施形態では、本発明は、一次カテーテルと、本明細書に記載の可撓性シースと、エネルギー伝達デバイスと、を備えるシステムを提供する。いくつかの実施形態では、一次カテーテルは、内視鏡である。いくつかの実施形態では、エネルギー伝達デバイスは、マイクロ波エネルギー伝達デバイスである。
【0015】
特定の実施形態では、本発明は、一次カテーテルと、本明細書に記載の可撓性シースと、エネルギー伝達デバイスと、を備えるシステムを提供することと、一次カテーテルを、組織領域内に挿入することと、可撓性シースを、一次カテーテルを通して治療すべき所望の組織領域に挿入することと、エネルギー伝達デバイスを、可撓性シースを通して治療すべき所望の組織領域に挿入することと、エネルギー伝達デバイスにより治療すべき組織領域を治療することと、を含む、組織領域を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療される組織領域は、被験体内にある。いくつかの実施形態では、被験体はヒト被験体である。
【0016】
追加の実施形態を本明細書に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】治療内視鏡検査処置中に高温へ曝すことを回避する目的で、標準的な可撓性シースを切除エネルギーデバイス(プローブ)から分離する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
治療内視鏡検査又は介入内視鏡検査は、内視鏡を介して治療(例えば、組織切除)(例えば、組織収集)が行われる内視鏡処置に関係する。このことは、処置の目的が、診断を支援するために、純粋に身体の内部(例えば、胃腸領域、呼吸領域、尿路領域など)を視覚化することである診断内視鏡検査とは対照的である。実際には、診断内視鏡検査として開始する処置は、所見に応じて治療内視鏡検査になり得る。
【0019】
一般に、治療内視鏡検査は、自然な停止位置に達するまで(例えば、身体領域の周囲が内視鏡の更なる前進を妨げるまで)身体領域への内視鏡(「一次カテーテル」)の投与を伴う。次に、内視鏡の外周よりも小さい外周を有する可撓性シースを、内視鏡を通して所望の身体領域の位置まで前進させる。次に、可撓性シースの直径よりも小さい外周を有する治療ツール(例えば、切除エネルギー伝達ツール)(例えば、組織収集ツール)を、可撓性シースを通って所望の身体領域の位置まで前進させる。次に、切除エネルギー伝達処置では、可撓性シースは、切除エネルギー伝達ツールからの潜在的な高温に曝すことを回避するように引き抜かれる。次に、切除エネルギーが所望の身体領域の位置に伝達される。治療内視鏡検査が完了すると、切除エネルギー伝達ツールが可撓性シースを通して引き抜かれ、可撓性シースが内視鏡を通して引き抜かれ、内視鏡が被験体から引き抜かれる。
【0020】
現在の又は典型的な可撓性シースは、ポリマー材料(例えば、ポリエーテルブロックアミド(Pebax))及び金属編組(例えば、ステンレス鋼金属編組)を用いて構築される。Pebaxのようなこのようなポリマー材料は、その生体適合性及び可撓性のために使用される。加えて、Pebaxのようなこのようなポリマー材料は、製造中に有益であるその低い融解温度のために使用される。ステンレス鋼金属編組のようなこのような金属編組は、ねじり剛性を有する可撓性シースを提供し、ユーザ(例えば、臨床医)が、それ自体が崩壊することなく可撓性シースを自由に方向転換し、回転させることを可能にする。
【0021】
上述のように、このような可撓性シースは、内視鏡が提供することができるよりもより正確な標的位置へのアクセスを提供するために、治療内視鏡検査処置(例えば、内視鏡切除処置)において使用される。現在の又は典型的な可撓性シース(例えば、ポリマー材料(例えば、ポリエーテルブロックアミド(Pebax))及び金属編組(例えば、ステンレス鋼の金属編組)を有する)は、そのようなシースが、切除エネルギー(例えば、マイクロ波切除エネルギー)に関連付けられた高温を取り扱うことができないため、そのような内視鏡切除処置では後退させなければならない。実際には、このようなシースは、エネルギー伝達(例えば、マイクロ波エネルギー伝達から生じるマイクロ波場)からのシースへの損傷を防止するために、切除エネルギーを伝達する前に後退させなければならない。
図1は、高温に曝すことを回避する目的で、そのような標準的なシースを切除エネルギーデバイス(プローブ)から分離する方法を示す。しかしながら、そのような必要な可撓性シースの後退は、多くの場合、例えば、標的位置を誤って調整すること、及び/又はエネルギー伝達デバイスの位置決めを誤って調整することを通して、内視鏡切除処置を危険にさらすことが多い。
【0022】
切除エネルギー(例えば、マイクロ波切除エネルギー)に関連付けられた高温に耐えることができる新しい可撓性シースが必要である。
【0023】
本発明は、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度(例えば、約50℃~150℃)に耐えることができる可撓性シースを提供することを通して、この必要性に対処する。可撓性シースは、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーンに関連する損傷を被ることなく、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーン内で動作可能であるように設計されている(例えば、可撓性シースは、マイクロ波適合性である)。可撓性シースは、高温に関連する損傷を被ることなく、高温にさらされている組織領域内で動作可能であるように設計されている(例えば、可撓性シースは、熱耐性である)。
【0024】
実際には、本発明は、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐えるように構成された可撓性シースアセンブリ、並びに関連するシステム及び使用方法に関する。具体的には、本発明は、耐熱性ポリマー及び/又は耐熱性編組材料で設計された可撓性の細長い管状本体を有するシースアセンブリを提供する。このようなシースアセンブリは、任意の種類の内視鏡エネルギー伝達処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血管血栓症、心不整脈及び不整脈の治療、電気手術、組織採取など)で使用するように構成されている。
【0025】
したがって、本明細書で提供されるのは、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐えるように設計された可撓性シースである。
【0026】
本発明の可撓性シースは、特定のサイズ寸法に限定されない。実際には、いくつかの実施形態では、可撓性シースのサイズ寸法は、それが一次カテーテル(例えば、内視鏡)の管腔内に適合し、これを通過することができるようなものである。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、1つ又は2つ以上の好適なツール(例えば、エネルギー伝達デバイス、操縦可能なナビゲーションカテーテル)をその内部内、かつそれを通して収容するのに十分な直径(例えば、1mm...2mm...3mm...4mm...5mm)である。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、挿入部位(例えば、口、被検体の身体内への切開など)から生体内の所望の標的領域まで延在するのに十分な長さ(例えば、50℃m...75℃m...1m....1.5m...2m...10m...25mなど)である。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、一次カテーテル(例えば、内視鏡)の到達範囲を通って、かつ超えて延在し、治療部位(例えば、末梢肺組織、心臓組織、胃腸組織など)(例えば、生体内の任意の所望の位置)に到達するのに十分な長さである。いくつかの実施形態では、可撓性シースのサイズ寸法は、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐える能力を保持しながら、一次カテーテル(例えば、内視鏡)の管腔内に適合し、それを通過することができるようなものである。
【0027】
本発明の可撓性シースは、一次カテーテルを通る及び/又は身体領域を通る特定のナビゲーションの様態に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、ナビゲーション及び/又は操縦機構を備える。いくつかの実施形態では、可撓性シースには、ナビゲーション、位置認識、又は操縦の独立した手段がない。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、配置について一次カテーテル(例えば、内視鏡)又は操縦可能なナビゲーションカテーテルに依存している。
【0028】
図2は、本発明の可撓性シース1の実施形態を示す。可撓性シース1は、特定の設計又は構成に限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性シース1の設計又は構成は、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐えることができるようなものである。
【0029】
特定の実施形態では、
図2に示すように、可撓性シース1は、細長い管状本体近位端3及び細長い管状本体遠位端4を有する細長い管状本体2、編組本体部分5、及び(任意選択で)マーカー領域6を有する。このような実施形態は、可撓性シース1内の細長い管状本体2、編組本体部分5、及び(任意選択で)マーカー領域6の特定の位置決めに限定されない。いくつかの実施形態では、細長い管状本体2、編組本体部分5、及び(任意選択で)マーカー領域6は、結果として得られる実施形態が、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐えることができることを可能にする任意の様態で、可撓性シース1内に位置付けられる。
【0030】
引き続き
図2を参照すると、細長い管状本体2は、特定の組成物に限定されない。いくつかの実施形態では、細長い管状本体2の組成物は、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に可撓性シース1を高温度に耐えることができるようにする任意の組成物である。いくつかの実施形態では、細長い管状本体2の組成物は、高温定格ポリマー材料である。このような実施形態は、特定の高温定格ポリマー材料に限定されない。いくつかの実施形態では、高温定格ポリマー材料は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)である。いくつかの実施形態では、高温定格ポリマー材料は、熱可塑性コポリエステルである。いくつかの実施形態では、熱可塑性コポリエステルは、アーニテルである。いくつかの実施形態では、高温定格ポリマー材料はフルオロポリマーである。このような実施形態は、特定のフルオロポリマーに限定されない。いくつかの実施形態では、フルオロポリマーは、ペルフルオロメチルアルコキシアルカン(MFA)である。いくつかの実施形態では、フルオロポリマーは、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)である。いくつかの実施形態では、細長い管状本体2の一部分のみ(5%、10%、25%、50%、75%、77%、79%、85%、88%、90%、94%、98%、99%、99.999%)が、高温定格ポリマー材料の組成物を有する。いくつかの実施形態では、細長い管状本体遠位端4から始まる一部分のみ(5%、10%、25%、50%、75%、77%、79%、85%、88%、90%、94%、98%、99%、99.999%)が、高温定格ポリマー材料の組成物を有する。いくつかの実施形態では、細長い管状本体2全体が、高温定格ポリマー材料の組成物を有する。
【0031】
引き続き
図2を参照すると、細長い管状本体2は、その近位端に位置付けられた細長い管状本体近位端3と、その遠位端に位置付けられた細長い管状本体遠位端4とを有する。図から分かるように、細長い管状本体近位端3及び細長い管状本体遠位端4の両方は、細長い管状本体2及び可撓性シース1の開口部として機能し、それは、好適なツール(例えば、エネルギー伝達デバイス、操縦可能なナビゲーションカテーテル)を可撓性シース1内に収容し、可撓性シース1を通過させ、可撓性シース1の外側に位置付けることができる自然な開口部を表す。
【0032】
引き続き
図2を参照すると、編組本体部分5は、特定の組成物に限定されない。上述のように、可撓性シースの現在の設計は、シースに可撓性を提供するために、金属ベースの編組を利用する。しかしながら、このような金属ベースの編組は、高エネルギー場(例えば、マイクロ波場)に曝されると、温度が急速に上昇し、それによってシース組成物を損傷する(例えば、シースを溶かす)。そのため、本発明の可撓性シース1の編組本体部分5の組成物は、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に可撓性シース1を高温度に耐えることができるようにする任意の組成物である。いくつかの実施形態では、編組本体部分5の組成物は、耐熱性合成繊維である。このような実施形態は、特定の耐熱性合成繊維に限定されない。いくつかの実施形態では、耐熱性合成繊維は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ケブラー、アラミド繊維、ノメックス、及び/又はテクノーラである。
【0033】
引き続き
図2を参照すると、編組本体部分5は、可撓性シース1内の特定の位置決めに限定されない。いくつかの実施形態では、編組本体部分5は、細長い管状本体近位端3から細長い管状本体遠位端4までの細長い管状本体2の長さに沿って位置付けられる。いくつかの実施形態では、編組本体部分5は、細長い管状本体2の内部内に位置付けられる(可撓性シース1の外部又は内部から見えないように)。いくつかの実施形態では、編組本体部分5は、細長い管状本体2の外部に沿って位置付けられる(可撓性シース1の内部ではなく外部から見えるように)。いくつかの実施形態では、編組本体部分5は、細長い管状本体2の外部内に、かつ外部に沿って位置付けられる(可撓性シース1の内部ではなく外部から見えるように)。いくつかの実施形態では、編組本体部分5は、細長い管状本体2の内部に沿って位置付けられる(可撓性シース1の外部ではなく内部から見えるように)。いくつかの実施形態では、編組本体部分5は、細長い管状本体2の内部内に、かつ内部に沿って位置付けられる(可撓性シース1の外部ではなく内部から見えるように)。いくつかの実施形態では、編組本体部分5は、細長い管状本体2の内部及び外部内に、かつ内部及び外部に沿って位置付けられる(可撓性シース1の内部及び外部から見えるように)。
【0034】
引き続き
図2を参照すると、編組本体部分5は、特定の編組設計に限定されない。いくつかの実施形態では、編組本体部分5の設計は、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐えることができる。
【0035】
図3は、可撓性シース1の編組本体部分5の標準的な編組設計を示す。見て分かるように、編組本体部分5は、細長い管状本体2の内部内に、かつ内部に沿って位置付けられている。
【0036】
再び
図2を参照すると、可撓性シース1は、編組本体部分5によって提供される特定の量の可撓性を有することに限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性シース1は、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐える能力を保持しながら、被験体を通って迂回ルートにアクセスするために(例えば、分岐構造を通って、気管支樹を通って、身体の任意の領域を通って、所望の位置に到達するために)十分な可撓性を有する。
【0037】
再び
図2を参照すると、可撓性シース1は、その中にマーカー領域6を有する。内視鏡処置において使用される可撓性シースが、その遠位端に「マーカー」を有することが一般的であり、これは、ユーザ(例えば、臨床医)に、処置中に(例えば、任意の撮像技術を介して)(例えば、X線を介して)シースの遠位端を視覚化する能力を提供する。一般に、このようなシースは、そのようなメーカーのために高密度材料の放射線不透過性材料を利用する。高温に耐えることができないポリマー組成物及び編組部分と同様に、高密度材料の放射線不透過性材料は、エネルギー切除場(例えば、マイクロ波切除場)に曝されたときに、温度上昇を受けやすい。
図1に示すように、本発明の可撓性シース1は、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐えることができるマーカー領域6を提供することを通してこの制限を克服する。
【0038】
引き続き
図2を参照すると、マーカー領域6は、特定の組成物に限定されない。いくつかの実施形態では、マーカー領域6の組成物は、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中にその領域が高温度に耐えることができるようにするものである。いくつかの実施形態では、マーカー領域6の組成物はセラミックである。このような実施形態は、特定のタイプのセラミックに限定されない。いくつかの実施形態では、セラミックは高密度セラミックである。いくつかの実施形態では、マーカー領域6は、高温耐熱プラスチック基材である。いくつかの実施形態では、マーカー領域6は、セラミックコーティング(例えば、高密度セラミックコーティング)を有する高温耐熱プラスチック基材である。
【0039】
引き続き
図2を参照すると、マーカー領域6は、可撓性シース1内の特定の位置に限定されない。いくつかの実施形態では、メーカー領域6は、細長い管状本体遠位端4に位置付けられる。いくつかの実施形態では、マーカー領域6は、細長い管状本体遠位端4の外周全体に沿って延在する。いくつかの実施形態では、マーカー領域6は、細長い管状本体遠位端4の全外周の一部分のみ(例えば、1%、2%、5%、25%、50%、75%、77%、78%、82%、95%、99%、99.9999%)に沿って延在する。いくつかの実施形態では、マーカー領域6は、可撓性シース1の内部ではなく外部から見えるように、細長い管状本体遠位端6の外部に沿って位置付けられる。いくつかの実施形態では、マーカー領域6は、可撓性シース1の外部ではなく内部から見えるように、細長い管状本体遠位端6の内部に沿って位置付けられる。いくつかの実施形態では、マーカー領域6は、可撓性シース1の内部又は外部から見えないように、細長い管状本体遠位端6内に位置付けられる。
【0040】
図4を参照すると、細長い管状本体2の細長い管状本体遠位端4を通して見た可撓性シース1の実施形態が示されている。図示のように、メーカー領域6は、細長い管状本体遠位端4の内部に沿って位置付けられている。図示のように、編組本体部分5は、細長い管状本体2内に位置付けられている。
【0041】
図5を参照すると、可撓性シース1の実施形態は、上から下向き角度の斜視図で示されている。図から分かるように、マーカー領域6は、細長い管状本体遠位端4の外部に沿って位置付けられている。見て分かるように、編組本体部分5は、細長い管状本体2の外部に沿って位置付けられている。
【0042】
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、可撓性シース1は、操縦可能なプルリング7を更に含む。
図6に示すように、可撓性シース1は、細長い管状本体遠位端4に位置付けられた操縦可能なプルリング7を備えて示されている。このような実施形態は、操縦可能なプルリング7の特定の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、ユーザが操縦可能なプルリング7の操作を介して可撓性シース1を手動で操縦することを可能にする任意の構成を有する(例えば、ワイヤの一方又は両方の操作が、シースの湾曲又は操縦をもたらす)。
【0043】
いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望の様態で又は方向に操縦されることを可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望の曲線角度(例えば、1~180度)で操縦されることを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望の曲げ角度(例えば、1~360度)で操縦されることを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望の曲げ半径(例えば、1~360度)で操縦されることを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望の曲線直径で操縦されることを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望の到達範囲(例えば、.1~100mm)で操縦されることを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望のカールで操縦されることを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望の掃引で操縦されることを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望の曲線(例えば、対称又は非対称)(例えば、マルチ曲線又は複合曲線)で操縦されることを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望のループで操縦されることを可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なプルリング7は、可撓性シース1が任意の所望のたわみ(例えば、面内たわみ、面外たわみ)で操縦されることを可能にする。
【0044】
引き続き
図6を参照すると、操縦可能なプルリング7は、リング部分8及び2本のワイヤ9を有する。図示のように、リング部分8は、細長い管状本体遠位端4の周囲に完全に巻き付けられ、2本のワイヤ9のてこ作用点として機能する。2本のワイヤ9は、細長い管状本体遠位端4から細長い管状本体近位端4まで、可撓性シース1の全長に沿って延在するように位置付けられ、2本のワイヤ9は、ユーザによって操作され得、それによって、可撓性シース1の操縦をもたらす。いくつかの実施形態では、リング部分8は、高温(例えば、切除エネルギーから生じる温度)に対して耐性がある。いくつかの実施形態では、リング部分8の組成物は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ケブラー、アラミド繊維、ノメックス、及び/又はテクノーラである。いくつかの実施形態では、リング部分8の組成物はセラミックである。いくつかの実施形態では、リング部分8の組成物は非金属である。いくつかの実施形態では、2本のワイヤ9の一方又は両方を引っ張っても2本のワイヤ9がリング部分8から外れないように、2本のワイヤがリング部分8に取り付けられている。いくつかの実施形態では、2本のワイヤ9は、リング部分9の外部に取り付けられている。いくつかの実施形態では、2本のワイヤ9は、リング部分9の内部に取り付けられている。いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、2本のワイヤ9は、対向する様態で(例えば、互いに直接向かい合って)位置付けられる。いくつかの実施形態では、3本以上のワイヤが提供される(例えば、3、4、5、6、10、15、20,など)。いくつかの実施形態では、1本のワイヤのみが提供される(例えば、3、4、5、6、10、15、20,など)。いくつかの実施形態では、2本のワイヤ9は、高温(例えば、切除エネルギーから生じる温度)に対して耐性がある。いくつかの実施形態では、2本のワイヤ9の組成物は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ケブラー、アラミド繊維、ノメックス、及び/又はテクノーラである。いくつかの実施形態では、2本のワイヤ9の組成物は、セラミックである。いくつかの実施形態では、2本のワイヤ9の組成物は、非金属である。
【0045】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載される可撓性シース、一次カテーテル、及び1つ又は2つ以上の好適なツール(例えば、エネルギー伝達デバイス、操縦可能なナビゲーションカテーテル)が提供される、治療内視鏡処置のためのシステムを提供する。
【0046】
このような実施形態は、特定のタイプ又は種類の一次カテーテルに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の一次カテーテルは内視鏡である。いくつかの実施形態では、当業者に周知の任意の好適な内視鏡は、本発明において一次カテーテルとしての用途を見出す。いくつかの実施形態では、一次カテーテルは、当該技術分野において周知の1つ又は2つ以上の内視鏡及び/又は気管支鏡の特性、並びに本明細書に記載される特性を帯びている。従来の可撓性気管支鏡の1つのタイプは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,880,015号に記載されている。気管支鏡は、長さが790mmあり、作業ヘッド及び挿入チューブという2つの主要部分を有する。作業ヘッドは、アイピースと、視度調節リングを有する接眼レンズと、吸引管、吸引弁、及び光源用の取付け具と、様々なデバイス及び流体を作業チャネルの中に通し、気管支鏡の遠位端の外から出すことができるアクセスポート又は生検入口と、を含む。作業ヘッドは、通常長さが580mmあり、直径が6.3mmある挿入チューブに取り付けられる。挿入チューブは、遠位先端において対物レンズで終わる光ファイバーの束、導光板、及び作業チャネルを含む。本発明の実施形態において用途を見出し得る他の内視鏡及び気管支鏡、又は本発明との用途を見出し得る部分は、米国特許第7,473,219号、同第6,086,529号、同第4,586,491号、同第7,263,997号、同第7,233,820号、及び同第6,174,307号に記載されている。
【0047】
このような実施形態は、特定のタイプ又は種類の操縦可能なナビゲーションカテーテルに限定されない。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルは、一次カテーテル(例えば、内視鏡)及び可撓性シースの管腔内に適合するように構成されている。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルは、挿入部位(例えば、口、被験体の身体内への切開など)から治療部位まで延在するのに十分な長さ(例えば、50cm...75cm...1m...1.5m...2m...5m...15m)である。いくつかの実施形態では、チャネルカテーテルは、一次カテーテル(例えば、内視鏡)の届く距離を超えて延在し、治療部位(例えば、末梢肺組織)に達するのに十分な長さである。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルの動きが可撓性シースの同期的な動きをもたらすように、操縦可能なナビゲーションカテーテルは、可撓性シースに係合する。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルが被験体内の経路に沿って挿入されるとき、操縦可能なナビゲーションカテーテルを取り巻く可撓性シースは、操縦可能なナビゲーションカテーテルとともに動く。いくつかの実施形態では、可撓性シースは、操縦可能なナビゲーションカテーテルによって被験体内部に配置される。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルを可撓性シースから係合解除することができる。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルと可撓性シースとの係合解除は、可撓性シースが移動することなく、更に経路に沿って、操縦可能なナビゲーションカテーテルの移動を可能にする。いくつかの実施形態では、操縦可能なナビゲーションカテーテルと可撓性シースとの係合解除は、可撓性シースが移動することなく、可撓性シースを通して、操縦可能なナビゲーションカテーテルの後退を可能にする。
【0048】
このような実施形態は、特定のタイプ又は種類のエネルギー伝達デバイス(例えば、切除デバイス、外科用デバイス等)に限定されない(例えば、米国特許第7,101,369号、同第7,033,352号、同第6,893,436号、同第6,878,147号、同第6,823,218号、同第6,817,999号、同第6,635,055号、同第6,471,696号、同第6,383,182号、同第6,312,427号、同第6,287,302号、同第6,277,113号、同第6,251,128号、同第6,245,062号、同第6,026,331号、同第6,016,811号、同第5,810,803号、同第5,800,494号、同第5,788,692号、同第5,405,346号、同第4,494,539号、米国特許出願第11/728,460号、同第11/728,457号、同第11/728,428号、同第11/237,136号、同第11/236,985号、同第10/980,699号、同第10/961,994号、同第10/961,761号、同第10/834,802号、同第10/370,179号、同第09/847,181号、英国特許出願第2,406,521号、同第2,388,039号、欧州特許第1395190号、及び国際公開第06/008481号、同第06/002943号、同第05/034783号、同第04/112628号、同第04/033039号、同第04/026122号、同第03/088858号、同第03/039385号、同第95/04385号を参照されたい。)を利用する。このようなエネルギー伝達デバイスは、特定の種類のエネルギーを放出することに限定されない。いくつかの実施形態では、エネルギー伝達デバイスは、高周波エネルギーを放出することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー伝達デバイスは、マイクロ波エネルギーを放出することができる。そのようなデバイスは、エネルギー放出のために構成されたありとあらゆる医学的、獣医学、及び研究用のアプリケーションデバイス、並びに農業設定、製造設定、機械的設定、又はエネルギーが伝達される任意の他の用途において使用されるデバイスを含む。
【0049】
本発明の治療内視鏡処置のためのシステムは、特定の用途に限定されない。実際には、本発明のこのようなシステムは、エネルギーの放出が適用可能である任意の設定において使用するために設計される。そのような使用としては、ありとあらゆる医学的、獣医学的、及び研究用途が挙げられる。加えて、本発明のシステム及びデバイスは、農業設定、製造設定、機械的設定、又はエネルギーが伝達される任意の他の用途において使用され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、システムは、本明細書に記載の可撓性シースが用途を見出すことができる任意のタイプの処置で構成される。例えば、システムは、観血手術、経皮、血管内、心臓内、管腔内、内視鏡、腹腔鏡、又は外科的エネルギー伝達に対して用途を見出す。
【0051】
本発明は、標的組織又は領域の性質によって限定されない。用途としては、心不整脈の治療、腫瘍切除(良性及び悪性)、手術中、外傷後、出血の任意の他の制御のための出血の制御、軟組織の除去、組織摘出及び採取、静脈瘤の治療、腔内組織切除(例えば、バレット食道及び食道腺癌などの食道病理を治療する)、骨性腫瘍、正常な骨、及び良性骨性病態の治療、眼内用途、整形手術における用途、脳腫瘍及び電気的じょう乱を含む中枢神経系の病理の治療、避妊手術(例えば、卵管の切除)、並びに任意の目的のための血管又は組織の焼灼が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、外科的用途は、切除療法(例えば、凝固壊死を達成する)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、例えば、転移性腫瘍を標的とする腫瘍切除を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の可撓性シースを含むシステムは、肺、脳、首、胸、腹、及び骨盤が挙げられるがこれらに限定されない任意の所望の位置における、組織又は有機体に対する最小の損傷での移動及び位置決定のために構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、コンピュータトモグラフィー、超音波、磁気共鳴撮像、蛍光透視などによる誘導伝達のために構成されている。実際には、いくつかの実施形態では、そのようなシステムの全ての挿入された構成要素は、被験体を通って(例えば、分岐構造を通って、気管支樹を通ってなど)狭くかつ迂回する経路に沿って移動するために構成されている。
【0052】
特定の実施形態では、本発明は、組織領域及び本明細書に記載のシステム(例えば、一次カテーテル(例えば、内視鏡)、本明細書に記載の可撓性シース、及びエネルギー伝達デバイス(例えば、マイクロ波切除カテーテル)、並びに、次の構成要素:プロセッサ、電源、温度モニタ、撮像装置、調整システム、温度低減システム、及び/又はデバイス配置システム、のうちの少なくとも1つ)を提供することと、組織領域付近にエネルギー伝達デバイスの一部を位置決定することと、デバイスで一定量のエネルギーを組織領域に伝達することと、を含む、組織領域の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、エネルギー伝達により、例えば、組織領域及び/若しくは血管の血栓症のアブレーション、並びに/又は組織領域の電気穿孔法が行われる。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、組織領域は、肺、心臓、肝臓、生殖器、胃、肺、大腸、小腸、脳、首、骨、腎臓、筋肉、腱、血管、前立腺、膀胱、及び脊髄のうちの1つ又は2つ以上を含む。
【0053】
上記明細書に記した全ての刊行物及び特許は、それらの全体が完全に本明細書において参照により組み込まれる。記載された本技術の範囲及び主旨から逸脱することなく、本技術の記載されたコンポジション、方法及び使用の様々な修正及び変更が、当業者には明らかとなるであろう。本技術は、特定の例示的な実施形態に関連して説明されてきたが、特許請求される発明はそのような特定の実施形態に過度に制限されるべきではないことを理解されたい。実際には、当業者に明らかである、本発明を実行するための記載された方法の様々な修正は、以下の「特許請求の範囲」の範囲内であることが意図される。
【0054】
〔実施の態様〕
(1) 内視鏡処置で使用するための可撓性シースであって、前記可撓性シースは、細長い管状本体近位端及び細長い管状本体遠位端を有する細長い管状本体と、編組本体部分と、を備え、前記編組本体部分は、前記細長い管状本体遠位端から前記細長い管状本体近位端まで延在し、前記編組本体部分の組成物は、耐熱性合成繊維であり、前記可撓性シースの直径は、5mm未満である、可撓性シース。
(2) 前記耐熱性合成繊維は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ケブラー、アラミド繊維、ノメックス、及び/又はテクノーラである、実施態様1に記載の可撓性シース。
(3) 前記編組本体部分は、前記細長い管状本体外部の外部に沿って、前記細長い管状本体内に、前記細長い管状本体の内部に沿って、又は前記細長い管状本体の前記内部と前記外部の混合に沿って延在する、実施態様1に記載の可撓性シース。
(4) 前記可撓性シースは、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、高温度(例えば、約50℃~150℃)に耐えることができる、実施態様1に記載の可撓性シース。
(5) 前記可撓性シースは、損傷(例えば、構造的損傷)を被ることなく、内視鏡エネルギー伝達処置中に高温度に耐える能力を保持しながら、被検体を通って迂回ルートにアクセスするために(例えば、分岐構造を通って、気管支樹を通って、身体の任意の領域を通って、所望の位置に到達するために)十分な可撓性を有する、実施態様1に記載の可撓性シース。
【0055】
(6) 前記細長い管状本体の前記組成物は、高温定格ポリマー材料である、実施態様1に記載の可撓性シース。
(7) 前記細長い管状本体の前記組成物は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)又は熱可塑性コポリエステル(例えば、アーニテル)である、実施態様6に記載の可撓性シース。
(8) 前記細長い管状本体の前記組成物は、フルオロポリマーである、実施態様6に記載の可撓性シース。
(9) 前記フルオロポリマーは、ペルフルオロメチルアルコキシアルカン(MFA)又はペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)である、実施態様8に記載の可撓性シース。
(10) 前記細長い管状本体遠位端に配置されたマーカー領域を更に備える、実施態様1に記載の可撓性シース。
【0056】
(11) 前記マーカー領域の前記組成物は、高密度セラミックである、実施態様10に記載の可撓性シース。
(12) 前記マーカー領域の前記組成物は、高温耐熱プラスチック基材(例えば、50℃~150℃の温度に耐えることができる)である、実施態様10に記載の可撓性シース。
(13) 前記マーカー領域の前記組成物は、高密度セラミックコーティング(例えば、50℃~150℃の温度に耐えることができる)を有する高温耐熱プラスチック基材である、実施態様10に記載の可撓性シース。
(14) 一次カテーテルと、実施態様1に記載の可撓性シースと、エネルギー伝達デバイスと、を備えるシステム。
(15) 前記一次カテーテルは、内視鏡である、実施態様14に記載のシステム。
【0057】
(16) 前記エネルギー伝達デバイスは、マイクロ波エネルギー伝達デバイスである、実施態様14に記載のシステム。
(17) 組織領域を治療する方法であって、実施態様14のシステムを提供することと、前記一次カテーテルを、組織領域内に挿入することと、前記可撓性シースを、前記一次カテーテルを通して治療すべき所望の組織領域に挿入することと、前記エネルギー伝達デバイスを、前記可撓性シースを通して前記治療すべき所望の組織領域に挿入することと、前記エネルギー伝達デバイスにより治療すべき前記組織領域を治療することと、を含む方法。
(18) 前記治療すべき組織領域は、被験体内にある、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記被験体は、ヒト被験体である、実施態様18に記載の方法。
(20) ユーザが前記可撓性シースを任意の所望の様態で操縦することを可能にするように構成された、操縦可能なプルリングを更に備える、実施態様1に記載の可撓性シース。
【0058】
(21) 前記可撓性シースは、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーンに関連する損傷を被ることなく、マイクロ波場又はマイクロ波ゾーン内で動作可能であるように設計されている(例えば、前記可撓性シースは、マイクロ波適合性である)、実施態様1に記載の可撓性シース。
(22) 前記可撓性シースは、高温に関連する損傷を被ることなく、高温にさらされている組織領域内で動作可能であるように設計されている(例えば、前記可撓性シースは、耐熱性である)、実施態様1に記載の可撓性シース。