(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】特徴表面投影システム及び特徴表面の投影方法
(51)【国際特許分類】
G03B 21/00 20060101AFI20241217BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G03B21/00 D
H04N5/74 Z
(21)【出願番号】P 2021034021
(22)【出願日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】202010149709.3
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 家典
(72)【発明者】
【氏名】鍾 文杰
(72)【発明者】
【氏名】陳 弘斌
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215374(JP,A)
【文献】特開2015-125448(JP,A)
【文献】特開平08-205197(JP,A)
【文献】特開昭56-080039(JP,A)
【文献】特開2015-018554(JP,A)
【文献】国際公開第2017/033565(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0292614(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0190035(US,A1)
【文献】米国特許第9049369(US,B2)
【文献】米国特許第7440590(US,B1)
【文献】米国特許第9261759(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第110852293(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106296571(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 21/00-21/10
21/12-21/30
21/56-21/64
33/00-33/16
H04N 5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特徴表面投影システムであって、
前記特徴表面投影システムは投影機、カメラと制御器を含み、
前記投影機が異なる時間に構造光と画像光束をそれぞれ特徴表面まで投射し、前記構造光が前記特徴表面上に構造光パターンを形成し、かつ前記画像光束が前記特徴表面に画像を形成し、
前記カメラが異なる時間に前記構造光パターンと前記画像をそれぞれ撮影し、
前記制御器が、前記投影機と前記カメラに電気的に接続され、前記構造光パターンに基づいて、
前記カメラによって撮影された前記特徴表面の特徴点位置を算出し、かつ、
前記カメラによって撮影された前記画像の特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の差を判断することによって、前記画像光束に対し調整を行うか否かを決定
し、
前記制御器が前記画像の前記特徴点位置と前記特徴表面の前記特徴点位置の差が予め設定された範囲内にあると判断した時であって、かつ前記制御器が前記投影機と前記特徴表面の相対位置または方位を調整しないとなった後、前記投影機が前記構造光の投射を停止するが、前記画像光束を投射し続け、かつ、前記カメラが撮影を停止することを特徴とする、特徴表面投影システム。
【請求項2】
前記制御器が前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の差が
前記予め設置された範囲を超えたと判断した時に、前記制御器が前記投影機を通して前記画像のコンテンツを調整し、前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の間の差を縮め、
前記制御器が前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の差が前記予め設定された範囲内にあると判断した時に、前記制御器が前記画像のコンテンツを調整しないことを特徴とする、請求項1に記載の特徴表面投影システム。
【請求項3】
前記制御器が前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の差が
前記予め設定された範囲を超えたと判断した時に、前記制御器がアクチュエータを通して前記投影機と前記特徴表面の相対位置または方位を調整し、前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の間の差を縮め
ることを特徴とする、請求項1に記載の特徴表面投影システム。
【請求項4】
前記特徴表面が人面またはマスクの表面であり、前記特徴表面と前記画像の特徴点が鼻先、眼角、口角、耳たぶのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の特徴表面投影システム。
【請求項5】
前記特徴表面が人面またはマスクの表面であり、前記制御器が先に中心特徴点を利用して前記特徴表面の位置を決定し、その後対称特徴点を利用して前記特徴表面の方位を決定し、
前記中心特徴点が鼻先を含み、前記対称特徴点が眼角、口角または耳たぶを含むことを特徴とする、請求項1に記載の特徴表面投影システム。
【請求項6】
前記構造光と前記画像光束の投射範囲が前記特徴表面の範囲より大きいことを特徴とする、請求項1に記載の特徴表面投影システム。
【請求項7】
前記構造光が赤外線であることを特徴とする、請求項1に記載の特徴表面投影システム。
【請求項8】
前記構造光が可視光であることを特徴とする、請求項1に記載の特徴表面投影システム。
【請求項9】
前記特徴表面が人面の表面であり、かつ、前記投影機と前記カメラが前記人面の外部に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の特徴表面投影システム。
【請求項10】
前記投影機が前記構造光と前記画像光束を交互に繰り返し投射し、前記カメラが前記構造光パターンと前記画像を交互に撮影し続け、かつ前記制御器が前記画像光束に対し調整を行うか否かを判断し続けることで、人面の動態移動に従って前記人面に正確な画像を投射し続けることを特徴とする、請求項9に記載の特徴表面投影システム。
【請求項11】
前記特徴表面がマスクの表面であり、かつ前記投影機と前記カメラが前記マスクの内部に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の特徴表面投影システム。
【請求項12】
特徴表面上に投射を行うための特徴表面の投影方法であって、
投影機によって異なる時間に構造光と画像光束をそれぞれ前記特徴表面に投射し、前記構造光が前記特徴表面上に構造光パターンを形成し、かつ前記画像光束が前記特徴表面に画像を形成するステップと、
カメラによって異なる時間に前記構造光パターンと前記画像をそれぞれ撮影するステップと、
前記カメラによって撮影された前記構造光パターンに基づいて前記特徴表面の特徴点位置を算出するステップと、
前記カメラによって撮影された前記画像の特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の差を判断することによって、前記画像光束に対し調整を行うか否かを決定するステップとを含
み、
前記画像の前記特徴点位置と前記特徴表面の前記特徴点位置の差が予め設定された範囲内にある時であって、かつ前記投影機と前記特徴表面の相対位置または方位を調整しないとなった後、前記投影機が前記構造光の投射を停止するが、前記画像光束を投射し続け、かつ、前記カメラが撮影を停止することを特徴とする、特徴表面の投影方法。
【請求項13】
前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の差が
前記予め設定された範囲を超えたと判断された時に、前記画像のコンテンツを調整し、前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の間の差を縮め、
前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の差が前記予め設定された範囲内にあると判断された時に、前記画像のコンテンツを調整しないことを特徴とする、請求項
12に記載の特徴表面の投影方法。
【請求項14】
前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の差が
前記予め設定された範囲を超えたと判断された時に、アクチュエータを通して、前記構造光及び前記画像光束を投射する投影機と前記特徴表面の相対位置または方位を調整し、前記画像の
前記特徴点位置と前記特徴表面の
前記特徴点位置の間の差を縮
める、請求項
12に記載の特徴表面の投影方法。
【請求項15】
前記特徴表面が人面またはマスクの表面であり、前記特徴表面と前記画像の特徴点が鼻先、眼角、口角、耳たぶのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項
12に記載の特徴表面の投影方法。
【請求項16】
前記特徴表面が人面またはマスクの表面であり、
前記構造光パターンに基づいて前記特徴表面の
前記特徴点位置を算出するステップが、先に中心特徴点を利用して前記特徴表面の位置を決定し、その後対称特徴点を利用して前記特徴表面の方位を決定することを含み、
前記中心特徴点が鼻先を含み、前記対称特徴点が眼角、口角または耳たぶを含むことを特徴とする、請求項
12に記載の特徴表面の投影方法。
【請求項17】
前記構造光と前記画像光束の投射範囲が前記特徴表面の範囲より大きいことを特徴とする、請求項
12に記載の特徴表面の投影方法。
【請求項18】
前記特徴表面が人面の表面であり、前記構造光と前記画像光束が前記人面の外表面に向けて投射され、かつ、カメラが前記人面の前記外表面に向けて撮影することを特徴とする、請求項
12に記載の特徴表面の投影方法。
【請求項19】
前記特徴表面がマスクの表面であり、前記構造光と前記画像光束が前記マスクの内表面に向けて投射され、かつ、カメラが前記マスクの前記内表面に向けて撮影することを特徴とする、請求項
12に記載の特徴表面の投影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投影システムに関し、特に特徴表面投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、投影機は顔投影に広く応用されており、例えば、サービス型ロボットのダイナミックな表情、映画デジタルメイクアップ、フェイスアート創作などがある。投射コンテンツを用いる方法によって、応用端の拡張性が大きく広げられ、ダイナミックな表情を作り出し、相互作用を高め、メイクリハーサルのプロセスを簡単化することができ、アート創作と歌唱演出に利用することもできる。
【0003】
顔投影の原理は、投影機を用いて投射コンテンツを人面またはマスク上に投射するものであり、フロント投影とバック投影の二種類に分けられ、スクリーンを境界に、観察者と投影機が同じ側にあるものがフロント投影で、異なる側にあるものがバック投影である。
【0004】
このような応用において、投射するコンテンツを正確に実体的な人面またはマスクに写し出す必要があり、投影機と人面またはマスクの相対位置が非常に重要である。フロント投影の応用において、人面が移動しまたは人体位置が変わると、投影モジュールの位置を再調整する必要があり、さもないとダイナミックな映像効果が得られない。フロント投影またはバック投影の何れにおいても、投影コンテンツを正確に人面またはマスクに映し出すために、調整機構が必要である。しかし、このような調整は時間がかかり、かつ、人体とマスクが移動した場合、改めて調整する必要あり、自動位置合わせの機能を実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が提供する特徴表面投影システムは、投影コンテンツと特徴表面の間の自動位置合わせ機能を有する。
【0006】
本発明が提供する特徴表面の投影方法は、投影コンテンツと特徴表面の位置を合わせることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例が提供する特徴表面投影システムは、投影機、カメラ及び制御器を含む。投影機は異なる時間に構造光と画像光束をそれぞれ特徴表面まで投射し、構造光が特徴表面上に構造光パターンを形成し、かつ、画像光束が特徴表面に画像を形成する。カメラは異なる時間に構造光パターンと画像をそれぞれ撮影する。制御器は投影機とカメラに電気的に接続され、構造光パターンに基づいて特徴表面の特徴点位置を算出し、かつ、画像の特徴点位置と特徴表面の特徴点位置の差を判断することによって、画像光束に対し調整を行うか否かを決定する。
【0008】
本発明の一実施例が提供する特徴表面の投影方法は、異なる時間に出構造光と画像光束をそれぞれ特徴表面まで投射し、構造光が特徴表面上に構造光パターンを形成し、かつ画像光束が特徴表面に画像を形成するステップと、異なる時間に構造光パターンと画像をそれぞれ撮影するステップと、構造光パターンに基づいて特徴表面の特徴点位置を算出するステップと、画像の特徴点位置と特徴表面の特徴点位置の差を判断することによって、画像光束に対し調整を行うか否かを決定するステップとを含む。
【0009】
本発明の実施例の特徴表面投影システムと特徴表面の投影方法において、異なる時間に構造光と画像光束をそれぞれ特徴表面まで投射し、かつ異なる時間に構造光パターンと画像をそれぞれ撮影することで、投影コンテンツと特徴表面の間の位置合わせを実現し、さらに投影画像の正確度と視覚効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例の特徴表面投影システムの概略図。
【
図2】本発明の別の実施例の特徴表面投影システムの概略図。
【
図3】
図1または
図2における構造光が赤外線である場合の投影機の光路の概略図。
【
図5】本発明の一実施例の特徴表面の投影方法を示すフローチャート。
【
図6】本発明の別の実施例の特徴表面の投影方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の一実施例の特徴表面投影システムの概略図である。
図1を参照すると、本実施例の特徴表面投影システム100は、投影機200、カメラ110及び制御器120を含む。投影機200は、異なる時間において構造光201と画像光束202をそれぞれ特徴表面50まで投射するものであり、構造光201が特徴表面50において構造光パターンを形成し、かつ画像光束202が特徴表面50において画像を形成する。つまり、一実施例において、投影機200は先に構造光201を特徴表面50まで投射し、その後画像光束202を特徴表面50まで投射する。本実施例において、特徴表面50は例えばマスクの表面であり、つまり、人面形状の殻体の表面であるが、これに限定されない。別の実施例において、特徴表面50として任意の非平面的な表面を用いてもよい。構造光201が平坦な表面に投射された場合、例えば、この平坦な表面に数組の点パターン、格子状パターン、縞状パターンまたはその他の各種可能なパターンを形成する。一方、構造光201が非平坦な特徴表面50に投射された場合、数組の点パターン、格子状パターン、縞状パターンまたはその他の各種可能なパターンが特徴表面50の凹凸起伏によって変形し、この変形の量と方向を特徴表面50上の位置の三次元座標の算出に用いることができる。また、画像光束202が特徴表面50に形成する画像は観客に見せたい画像であり、表示したいコンテンツが含まれている。
【0012】
カメラ110は異なる時間内に構造光パターンと画像光束202が特徴表面50に形成する画像をそれぞれ撮影する。つまり、構造光を投射した後に構造光パターンを撮影し、その後、画像光束202を投射した後に画像光束202が形成する画像を撮影する。制御器120は投影機200とカメラ110に電気的に接続され、制御器120は構造光パターンに基づいて特徴表面50の特徴点位置を算出し、かつ、画像光束202が特徴表面50において形成した画像の特徴点位置と特徴表面の特徴点位置の差を判断することによって、画像光束に対し調整を行うか否かを決定する。所謂調整とは、例えば、画像の表示形状(Shape)またはサイズ(Size)を変えるといった当業者が明確に理解できることである。
【0013】
本実施例において、制御器120が画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の差が予め設定された範囲を超えたと判断した時に(例えば、ある予め設定された距離値より大きい、または予め設定された距離値以上である時。例を挙げて言うと、予め設定された距離値が1(cm)であってもよいが、これに限定されない)、制御器120はアクチュエータ130を通して投影機200と特徴表面50の相対位置または方位(投射の方向)を調整し、画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の間の差を縮める。例を挙げて言うと、アクチュエータ130が投影機200の位置を調整することができる。一方、制御器120が画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の差が予め設定された範囲内にあると判断した時に(例えば、ある距離値以下である、またはある距離値より小さい時。例を挙げて言うと、予め設定された距離値が1(cm)であってもよいが、これに限定されない)、制御器120は投影機200と特徴表面50の相対位置または方位を調整しない。
【0014】
本実施例において、特徴表面50と画像の特徴点は鼻先52、眼角、口角、耳たぶのうちの少なくとも一つを含む。例を挙げて言うと、制御器120は先に中心特徴点を利用して特徴表面50の位置を決定し、その後、対称特徴点を利用して特徴表面50の方位を決定するが、中心特徴点が鼻先52を含み、対称特徴点が眼角、口角または耳たぶを含む。
【0015】
本実施例において、投影機200とカメラ110はマスクの内部に配置され、例えば、特徴表面50を有する人工頭部内に配置される。つまり、構造光201と画像光束202はマスクの内表面に向けて投射され、かつカメラ110がマスクの内表面に向けて撮影する。特徴表面50は透光材質であり、観客が特徴表面50の外部から画像光束202によって表示される画像を見ることができる。制御器120が画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の差が予め設定された範囲内にあると判断した時に、かつ制御器120が投影機200と特徴表面50の相対位置または方位を調整しないとなった後、投影機200は構造光201の投射を停止するが、画像光束202を投射し続け、かつ、カメラ110が撮影を停止する。この場合、構造光201が可視光であってもよく、制御器120が画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の差が予め設定された範囲内にあるといったん判断した時は、制御器120が位置合わせを完了したと判断した時でもあるため、構造光201がこれ以上投射する必要がなくなり、観客には画像が見えるが、構造光パターンが見えなくなる。また、投影機200とカメラ110が人工頭部内に固定されているため、位置合わせがいったん完了した時に、投影機200と特徴表面50の間の相対位置がこれ以上変わることなく、繰り返し校正する必要がない。なお、別の実施例において、構造光201が非可視光または赤外線であってもよい。
【0016】
本実施例において、構造光201と画像光束202の投射範囲が特徴表面50の面積範囲より大きく、これにより、投影機200と特徴表面50の間の位置合わせに不具合があった時に、良好にかつ効率よく校正を行う上で有利である。
【0017】
別の実施例において、アクチュエータ130を用いて投影機200と特徴表面50の間の相対位置を校正せず、制御器120を通して投影機200内のソフトウェア(software)により画像のコンテンツを調整してもよい。つまり、画像中の特徴点がこの画像における位置を直接変更して、画像の特徴点位置を特徴表面50の特徴点位置に合わせる。つまり、制御器120が画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の差が予め設定された範囲を超えたと判断した時に、制御器120が投影機200を通して画像のコンテンツを調整し、画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の間の差を縮め、かつ、制御器120が画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の差が予め設定された範囲内にあると判断した時に、制御器は画像のコンテンツを調整しない。
【0018】
図2は本発明の別の実施例の特徴表面投影システムの概略図である。
図2を参照すると、本実施例の特徴表面投影システム100aは
図1の特徴表面投影システム100に類似するが、両者の異なる点は投影機200とカメラ110が人面またはマスクの外部に配置され、その特徴表面50が人面の表面またはマスクの表面である。つまり、本実施例において、構造光201と画像光束202が人面の外表面に向けて投射し、かつ、カメラ110が人面の外表面に向けて撮影する。
【0019】
また、本実施例において、投影機200が構造光201と画像光束202を交互に繰り返し投射し、カメラ110が構造光パターンと画像を交互に撮影し続け、かつ、制御器120が画像光束202に対し調整を行うか否かを判断し続けることで、人面の動態移動に従って人面に正確な画像を投射し続ける。前記画像光束202に対する調整は、アクチュエータ130によって投影機200の位置と方位を調整して、画像光束202の投射位置と方位を変えてもよく、または制御器120を利用して投影機200で画像のコンテンツを調整して、画像の特徴点位置を特徴表面50の特徴点位置に合わせてもよい。これにより、人体または人面が絶えずに位置を変えても、投影機200は人面に正確な画像を投影することができる。また、この場合、構造光201が赤外線であってもよく、これにより、構造光201が繰り返し特徴表面50に投射されても、観客には画像が見えるが、構造光パターンが見えない。
【0020】
図3は
図1または
図2における構造光が赤外線である場合の投影機の光路の概略図であり、
図4は
図3における発光素子の駆動信号の概略図である。
図3と
図4を参照すると、投影機200は多種類の異なる発光波長の発光素子212、214、216及び218、複数のダイクロイックミラー(dichroic mirror)222、224及び226、複数のレンズ230及び240、少なくとも一つのライトバルブ260及び投影レンズユニット270を含んでもよい。本実施例において、発光素子212、214、216及び218は、例えば、赤色発光ダイオード(light-emitting diode、LED)、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード及び赤外線発光ダイオードであり、ダイクロイックミラー222、224及び226は発光素子212、214、216及び218が発した赤色光213、緑色光215、青色光217及び赤外線219を合わせて、かつ複数のレンズ240の均一化、伝達及び集合作用によって少なくとも一つのライトバルブ260上に集合させる。また、複数のレンズ230が赤色光213、緑色光215、青色光217及び赤外線219をダイクロイックミラー222、224及び226上まで伝達する。別の実施例において、発光素子212、214、216及び218の代わりに、異なる色の光を発するレーザー光源(laser light sources)を使用してもよい。
【0021】
本実施例において、発光素子212、214、216及び218は時間順に赤色光213、緑色光215、青色光217及び赤外線219を発し、ライトバルブ260が赤色光213、緑色光215、青色光217及び赤外線219を順に赤色画像光束、緑色画像光束、青色画像光束及び構造光201に変換し、かつ投影レンズユニット270によって赤色画像光束、緑色画像光束、青色画像光束及び構造光201を特徴表面50に投射し、赤色画像光束、緑色画像光束及び青色画像光束が時間軸に重なって画像光束202を合成し、特徴表面50においてカラー画像を形成する。
【0022】
また、投影機200はさらに全内反射プリズム(total internal reflection prism、TIR prism)250を含み、赤色光213、緑色光215、青色光217及び赤外線219をライトバルブ260まで伝達し、かつライトバルブ260からの赤色画像光束、緑色画像光束、青色画像光束及び構造光201を投影レンズユニット270まで伝達する。なお、別の実施例において、全内反射プリズム250の代わりにフィールドレンズ(field lens)または反射鏡を使用してもよい。また、本実施例において、ライトバルブ260は例えばデジタルマイクロミラーアセンブリ(digital micro-mirror device、 DMD)である。また、別の実施例において、ライトバルブ260がシリコン基板液晶パネル(liquid-crystal-on-silicon panel、LCOS panel)または透過型液晶パネルであってもよいが、これに限定されない。
【0023】
図4からわかるように、時間帯T1において、電流が発光素子212、214及び216を順に駆動して、発光素子212、214及び216から順に赤色光213、緑色光215及び青色光217が出射される、時間帯T2において、電流が発光素子218を駆動し、発光素子218から赤外線219が出射される。時間帯T1と時間帯T2を絶えずに交互に行ってもよい。
【0024】
前記実施例の特徴表面投影システム100は特徴表面の投影方法を実行することでき、以下のステップを含む。
【0025】
1.異なる時間に構造光201と画像光束202をそれぞれ特徴表面50まで投射し、構造光201が特徴表面上に構造光パターンを形成し、かつ画像光束202が特徴表面に画像を形成する。
【0026】
2.異なる時間に構造光パターンと画像をそれぞれ撮影する。
【0027】
3.構造光パターンに基づいて特徴表面50の特徴点位置を算出する。
【0028】
4.画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の差を判断することにより、画像光束202に対し調整を行うか否かを決定する。
【0029】
詳しい処理は、
図5または
図6のフローチャートのように実行することができる。
図5のフローチャートは
図1の特徴表面投影システム100に適用することができ、以下のステップを含む。まず、ステップS111を実行し、構造光201を投射して、構造光201を特徴表面50に照射する。続いて、ステップS112を実行し、カメラ110で構造光パターン撮影する。その後、ステップS113を実行し、制御器120が構造光パターンに基づいて特徴表面50の特徴点位置を算出する。そして、ステップS114を実行し、画像光束202を投射して、画像光束202を特徴表面50に投射し、特徴表面50上に画像を形成する。その後、ステップS115を実行し、カメラ110で画像撮影する。続いて、ステップS116を実行し、制御器120が画像の特徴点位置を判断し、かつ画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置との差を算出する。その後、ステップS117を実行し、制御器120が前記差が予め設定された範囲を超えたか否かを判断し、「いいえ」であれば、調整を終了し(ステップS130)、「はい」であれば、アクチュエータ130を起動して投影機200と特徴表面50の相対位置または方位を調子し、または、ソフトウェアで画像のコンテンツを調整し、かつステップS111に戻って循環し、引き続きステップS111以後のステップを実行する。
【0030】
図6のフローチャートは
図2の特徴表面投影システム100aに適用することができ、
図5のフローチャートと類似するが、両者の主な違いは以下の通りである。
図6のフローチャートにおいて、ステップS117で「いいえ」と判断された場合、ステップS141を実行し、構造光201を投射して、特徴表面50上に構造光パターンを投射する。続いて、ステップS142を実行し、カメラで構造光パターンを撮影する。その後、ステップS143を実行し、構造光パターンに基づいて特徴表面50の特徴点位置を算出し、かつ、先の画像の特徴点位置と特徴表面50の特徴点位置の差を算出し、その後ステップS117に戻って循環する。これにより、人面またはマスクの動態移動に従って、校正し続けることができ、人面またはマスク上に投影された画像を正確に維持することができる。
【0031】
一実施例において、前記制御器120は例えば中央処理装置(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、プログラマブルコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ(、programmable logic device、PLD)またはその他の類似する装置またはこれら装置の組み合わせであるが、本発明はこれについて限定しない。また、一実施例において、制御器120の各機能を複数のプログラムで実現することもできる。これらのプログラムが一つのメモリーに記憶され、制御器120によってこれらのプログラムが実行される。または、一実施例において、制御器120の各機能が一つまたは複数の回路で実現される。本発明は、ソフトウェアまたはハードウェアの方式で制御器120の各機能を実現することについて制限しない。また、
図5と
図6のフローチャート中の各ステップの実行は全て制御器120を用いて制御することができる。
【0032】
以上を纏めると、本発明の実施例の特徴表面投影システムと特徴表面の投影方法において、異なる時間に構造光と画像光束をそれぞれ特徴表面まで投射し、かつ、異なる時間に構造光パターンと画像をそれぞれ撮影するため、投影コンテンツと特徴表面との間の位置合わせを実現し、さらに投影画像の正確性と視覚効果を高めることができる。
【0033】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲がこれに制限されるべきではない。即ち、本発明の請求の範囲及び明細書の内容に基づいて行われた簡単かつ等価の変更と修正はすべて本発明の範囲内に属する。また、本発明の任意の実施例または請求項は、必ずしも本発明のすべての目的または利点または特徴を達成するものとは限らない。さらに、要約書と発明の名称は特許検索に利用されるものであり、本発明の権利範囲を制限するものではない。また、請求の範囲で言及される「第一」、「第二」等の用語は素子(element)の名称を示し、または異なる実施例及び範囲を区別するものであり、素子の数の上限または下限を制限するものではない。
【符号の説明】
【0034】
50 特徴表面
52 鼻先
100、100a 特徴表面投影システム
110 カメラ
120 制御器
130 アクチュエータ
200 投影機
201 構造光
202 画像光束
212、214、216、218 発光素子
213 赤色光
215 緑色光
217 青色光
219 赤外線
222、224、226 ダイクロイックミラー
230、240 レンズ
250 全内反射プリズム
260 ライトバルブ
270 投影レンズユニット
S111、S112、S113、S114、S115、S116、S117、S120、S130、S141、S142、S143 ステップ
T1、T2 時間帯