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特許7604774入場管理装置およびこれを備えた入場管理システム、入場管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】入場管理装置およびこれを備えた入場管理システム、入場管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019174316
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021049166
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-07-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】山口 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】河野 良輔
【審査官】東 芳隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-094122(JP,A)
【文献】特開2007-319175(JP,A)
【文献】特開2016-035675(JP,A)
【文献】特開2018-036909(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0211097(US,A1)
【文献】特開2018-057523(JP,A)
【文献】特開2018-036894(JP,A)
【文献】特開2009-246799(JP,A)
【文献】特開2013-211801(JP,A)
【文献】特開2018-019125(JP,A)
【文献】特開2015-054138(JP,A)
【文献】特開2020-081527(JP,A)
【文献】特開2013-196043(JP,A)
【文献】特開2018-190276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04,7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場へ入場後の入場者を管理する入場管理装置であって、
前記遊技場への入場前に第1撮像装置によって撮影された第1人物の顔を含む第1画像を取得するとともに、前記遊技場への入場後に前記遊技場内において第2撮像装置によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する画像取得部と、
前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔の部分を検出する顔検出部と、
前記顔検出部において検出された前記第1人物および前記第2人物の顔の向き所定の角度の範囲内、あるいは顔の器官の有無の条件が満たされているか否かを判定する顔品質評価部と、
前記顔検出部において検出され前記顔品質評価部において適正と判定された前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔を比較する顔照合部と、
前記顔照合部における比較の結果に基づいて、前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物が同一人物であるか否かを判定するとともに、発券機における抽選参加券または入場順番券の発券可否の判定を行う判定部と、
前記判定部における判定の結果、前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物が別人物であると判定されると、前記第1人物および前記第2人物を不正入場候補者として登録する登録部と、
を備えている入場管理装置。
【請求項2】
遊技場へ入場後の入場者を管理する入場管理装置であって、
過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像を取得するとともに、前記遊技場への入場後に前記遊技場内において第2撮像装置によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する画像取得部と、
前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔の部分を検出する顔検出部と、
前記顔検出部において検出された前記第1人物および前記第2人物の顔の向き所定の角度の範囲内、あるいは顔の器官の有無の条件が満たされているか否かを判定する顔品質評価部と、
前記顔検出部において検出され前記顔品質評価部において適正と判定された前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔を比較する顔照合部と、
前記顔照合部における比較の結果に基づいて、前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物が同一人物であるか否かを判定するとともに、発券機における抽選参加券または入場順番券の発券可否の判定を行う判定部と、
前記判定部における判定の結果、前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物が同一人物であると判定されると、前記第2人物を不正入場候補者として登録する登録部と、
を備えている入場管理装置。
【請求項3】
前記遊技場内の複数箇所に設置された複数の前記第2撮像装置によって撮影された複数の第2画像を用いて、前記第1画像に含まれる第1人物に対応する第2人物を特定する人物特定部を、
さらに備えている、
請求項1または2に記載の入場管理装置。
【請求項4】
前記画像取得部は、前記遊技場へ入場する際の入場順番を決定するための抽選に参加する整理券の配布時、および/または、前記抽選時、および/または前記遊技場への入場時に前記第1撮像装置によって撮影された前記第1画像を取得する、
請求項1に記載の入場管理装置。
【請求項5】
前記画像取得部は、前記遊技場の入口、前記遊技場に設置された遊技機、前記遊技機の間に設置された台間機の少なくとも1つに設置された前記第2撮像装置によって撮影された前記第2画像を取得する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の入場管理装置。
【請求項6】
前記画像取得部は、前記遊技場の開店時に第1遊技機の前に着座した人物を撮影した第3画像と、所定時間経過後に、前記第1遊技機の前に着座している人物を撮影した第4画像とを取得する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の入場管理装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記第4画像を、前記第2画像として用いて前記第1人物と前記第2人物とを判定する、
請求項6に記載の入場管理装置。
【請求項8】
前記第1画像および前記第2画像を保存する記憶部を、さらに備えている、
請求項1から7のいずれか1つに記載の入場管理装置。
【請求項9】
前記記憶部は、過去に前記不正入場候補者として登録された前記第1人物および前記第2人物と照合するための辞書データを保存する、
請求項8に記載の入場管理装置。
【請求項10】
前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔の部分から所定の顔器官を検出する顔器官検出部を、さらに備えている、
請求項1から9のいずれか1項に記載の入場管理装置。
【請求項11】
前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔の向きを検出する顔向き検出部を、さらに備えている、
請求項1から10のいずれか1項に記載の入場管理装置。
【請求項12】
前記不正入場候補者をリスト化して表示する表示部を、
さらに備えている、
請求項1から11のいずれか1項に記載の入場管理装置。
【請求項13】
前記登録部に登録された不正入場候補者が、前記判定部によって不正入場候補者として判定された回数が予め設定された所定の閾値を超えた場合に、管理者に対して不正入場者として報知する報知部を、さらに備えている、
請求項1から12のいずれか1項に記載の入場管理装置。
【請求項14】
前記不正入場候補者をリスト化して表示する表示部を、さらに備え、
前記報知部によって報知された前記不正入場者をリスト化して前記表示部に表示させる、
請求項13に記載の入場管理装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の入場管理装置と、
前記第1画像を撮影する第1撮像装置および前記第2画像を撮影する第2撮像装置と、
を備えた入場管理システム。
【請求項16】
前記第1撮像装置および第2撮像装置は、前記第1画像および前記第2画像として、静止画像あるいは動画を撮影する、
請求項15に記載の入場管理システム。
【請求項17】
前記入場管理装置と、前記第1撮像装置と、前記第2撮像装置とは、無線あるいは有線通信を介して、各種信号を送受信する、
請求項15または16に記載の入場管理システム。
【請求項18】
前記入場管理装置は、複数の前記遊技場ごとに設置された前記第1撮像装置および前記第2撮像装置から取得した前記第1画像および前記第2画像を用いて判定された前記不正入場候補者に関する情報を、複数の前記遊技場間で共有する、
請求項15から17のいずれか1項に記載の入場管理システム。
【請求項19】
遊技場へ入場後の入場者を管理する入場管理プログラムであって、
前記遊技場への入場前に第1撮像装置によって撮影された第1人物の顔を含む第1画像を取得する第1画像取得ステップと、
前記遊技場への入場後に前記遊技場内において第2撮像装置によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する第2画像取得ステップと、
前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔の部分を検出する顔検出ステップと、
前記顔検出ステップにおいて検出された前記第1人物および前記第2人物の顔の向き所定の角度の範囲内、あるいは顔の器官の有無の条件が満たされているか否かを判定する顔品質評価ステップと、
前記顔検出ステップにおいて検出され前記顔品質評価ステップにおいて適正と判定された前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔を比較する顔照合ステップと、
前記顔照合ステップにおける比較の結果に基づいて、前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物が同一人物であるか否かを判定するとともに、発券機における抽選参加券または入場順番券の発券可否の判定を行う判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定の結果、前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物が別人物であると判定されると、前記第1人物および前記第2人物を不正入場候補者として登録する登録ステップと、
を備えた入場管理方法をコンピュータに実行させる入場管理プログラム。
【請求項20】
遊技場へ入場後の入場者を管理する入場管理プログラムであって、
過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像を取得する第1画像取得ステップと、
前記遊技場への入場後に前記遊技場内において第2撮像装置によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する第2画像取得ステップと、
前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔の部分を検出する顔検出ステップと、
前記顔検出ステップにおいて検出された前記第1人物および前記第2人物の顔の向き所定の角度の範囲内、あるいは顔の器官の有無の条件が満たされているか否かを判定する顔品質評価ステップと、
前記顔検出ステップにおいて検出され前記顔品質評価ステップにおいて適正と判定された前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物の顔を比較する顔照合ステップと、
前記顔照合ステップにおける比較の結果に基づいて、前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物が同一人物であるか否かを判定するとともに、発券機における抽選参加券または入場順番券の発券可否の判定を行う判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定の結果、前記第1画像および前記第2画像に含まれる前記第1人物および前記第2人物が同一人物であると判定されると、前記第2人物を不正入場候補者として登録する登録ステップと、
を備えた入場管理方法をコンピュータに実行させる入場管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カメラによって撮影された人物の顔を含む画像を用いて、遊技場に入場する入場者を管理する入場管理装置およびこれを備えた入場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、遊技場等の施設において、遊技機の設定が遊技者に有利な遊技場の新規オープンの日や、設定が遊技者に有利な特定の遊技機が設置されたイベント開催日にのみ来場し、遊技を行う遊技者が存在する。その中には、遊技場に大人数で来場し、遊技者に有利に設定された複数の遊技機を大人数で確保してしまう集団がある。
集団で来場する遊技者は、通常営業日を含む安定的な来場が見込めない。このため、遊技場としては、このような集団で来場する遊技者が、設定が有利な多くの遊技機を獲得してしまうことを望んでいない。さらに、イベント開催日等に集団で来場した遊技者が、設定が有利な遊技機を独占的に確保して遊技を行うために、常連の遊技者や常連になり得る遊技者が、設定が有利な遊技機で遊技を行う機会を失い、常連の遊技者であった遊技者が来場しなくなる、あるいは常連になり得た遊技者が常連にならなくなる、という遊技場にとって望ましくない結果が生じるおそれがある。
【0003】
また、集団で来場する遊技者は、遊技者に有利に設定された遊技機を確保するために、イベント開催日等に実施される入場前の抽選において、整理券や抽選参加券、入場番号券を不正に入手して、早い入場順を集団で確保する行為が横行している。
例えば、特許文献1には、このような不正行為を抑止する目的で、整理券や抽選入場券発券時に顔を撮影する遊技場管理装置を用いて、スタッフが顔画像のリストと抽選時や入場時の人物の顔を目視で確認することについて開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された遊技場管理装置では、顔画像の撮影時に顔をそむけたり隠したりすると、入場時に入場者の顔と登録済みの顔画像との比較が困難になるという課題があった。
そこで、特許文献2には、入場者の顔の向き、表情または目瞑りを検出し、撮影した顔画像が顔認証の基準を満たすか否かを判定し、基準を満たしていないと判定した場合、再撮影を指示することで、適正な顔画像が撮影されたことを条件にチケットを発行するチケット発行装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-23770号公報
【文献】特許第6428212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示されたチケット発行装置では、入場者1人ずつ、登録済みの顔写真と実際の入場者の顔とを目視で確認するスタッフの負担が大きく、見間違いや見落とし等のヒューマンエラーが発生するおそれがある。
また、例えば、抽選時と入場時とで別人が来場したことを発見して、撮影された顔写真から転売者や不正購入者の顏が判明したとしても、その場限りでの確認しかできず、不正常習者であるか否か等、集団の全容を把握することが難しい。
【0007】
さらに、例えば、抽選時と入場時には同一人物であって入場が許可された人物が、遊技場に入場した後、確保した遊技機の座席を第三者へ譲るような行為を検出することは困難であった。
また、例えば、過去に不正入場候補者として登録された人物が、遊技場に入場している場合には再度、不正行為を行うおそれがあるが、一旦、入場してしまった特定の人物を店内で見つけて報知することは困難であった。
【0008】
本発明の課題は、遊技場へ入場した後の入場者の不正行為を適切に把握して管理することが可能な入場管理装置およびこれを備えた入場管理システム、入場管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る入場管理装置は、遊技場へ入場後の入場者を管理する入場管理装置であって、画像取得部と、顔検出部と、顔照合部と、判定部と、登録部とを備えている。画像取得部は、遊技場への入場前に第1撮像装置によって撮影された第1人物の顔を含む第1画像を取得するとともに、遊技場への入場後に遊技場内において第2撮像装置によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する。顔検出部は、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔の部分を検出する。顔照合部は、顔検出部において検出された第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔を比較する。判定部は、顔照合部における比較の結果に基づいて、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が同一人物であるか否かを判定する。登録部は、判定部における判定の結果、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が別人物であると判定されると、第1人物および第2人物を不正入場候補者として登録する。
【0010】
ここでは、遊技場への入場を入場前(例えば、整理券配布時、抽選時、入場時)の人物と、入場後の人物とが別人に入れ替わっていることを、入場前に撮影された顔を含む画像(第1画像)と入場後に遊技場内で撮影された顔を含む画像(第2画像)とを比較して検出し、入れ替わる前後の人物(第1人物および第2人物)を不正入場候補者として登録する。
【0011】
ここで、不正入場候補者には、例えば、遊技場への入場後に確保した設定が高い遊技機の座席を第三者へ譲渡した譲渡人(第1人物)と、少し遅れて入場してその座席を譲り受けた譲受人(第2人物)とが含まれる。このとき、譲渡人と譲受人とが家族関係である、知人である等の両者の関係性や、譲受人から譲渡人への金銭の受け渡しの有無は問わない。
【0012】
画像取得部は、例えば、整理券配布時、抽選時、入場時等に遊技場の場外に設置されたカメラ等の第1撮像装置によって撮影された人物の顔を含む画像を、第1撮像装置から有線または無線通信を介して取得する。同様に、画像取得部は、例えば、遊技場への入場後に場内に設置されたカメラ等の第2撮像装置によって撮影された人物の顔を含む画像を、第2撮像装置から有線または無線通信を介して取得する。
【0013】
なお、第1撮像装置および第2撮像装置から取得する画像データは、静止画のデータであってもよいし、動画から切り出された画像データであってもよい。また、取得された第1画像および第2画像は、装置内部の記憶部、あるいは装置外部のサーバ、クラウド空間等に保存される。
また、画像取得部において取得される第1画像は、整理券配布時、抽選時等に遊技場の前で撮影された画像に限らず、すでに別のタイミングで撮影され保存された画像も含まれる。
【0014】
顔照合部は、顔検出部によって検出された第1画像と第2画像とに含まれる顔らしき部分から、例えば、目、鼻、口、眉毛、輪郭等の人物を特定するために必要な特徴量として使用される顔器官を照合する。
判定部は、第1画像に含まれる第1人物の顔と第2画像に含まれる第2人物の顔との比較結果に基づいて、第1人物と第2人物とが同一人物であるか否かを判定する。
【0015】
登録部は、判定部が第1画像に含まれる第1人物と第2画像に含まれる第2人物とが別人物であると判定した場合に、第1人物および第2人物をともに、不正入場候補者として登録する。
これにより、遊技場への入場前(整理券配布時、抽選時、入場時)において撮影された第1画像と、入場後に遊技場内において撮影された第2画像とを比較して、別人に入れ替わっていることを検出し、入れ替わる前後の人物(第1人物および第2人物)を不正入場候補者として登録することで、不正入場者の可能性がある人物を管理することができる。
この結果、遊技場への入場後に、第1人物が確保した遊技機の座席を、第三者である第2人物へ譲る等の不正行為を行った可能性がある人物の常習性等を適切に把握して管理することができる。
【0016】
第2の発明に係る入場管理装置は、遊技場へ入場後の入場者を管理する入場管理装置であって、画像取得部と、顔検出部と、顔照合部と、判定部と、登録部とを備えている。画像取得部は、過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像を取得するとともに、遊技場への入場後に遊技場内において第2撮像装置によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する。顔検出部は、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔の部分を検出する。顔照合部は、顔検出部において検出された第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔を比較する。判定部は、顔照合部における比較の結果に基づいて、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が同一人物であるか否かを判定する。登録部は、判定部における判定の結果、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が同一人物であると判定されると、第2人物を不正入場候補者として登録する。
【0017】
ここでは、過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像と、遊技場へ入場後の不特定多数の第2人物の顔を含む第2画像とを照合し同一人物を判定した場合には、過去に不正入場候補者として登録された第1人物が、例えば、不特定多数の入場者に紛れて遊技場へ入場したと判断し、その人物を不正入場候補者として再度登録する。
【0018】
ここで、不正入場候補者には、例えば、過去に、遊技場への入場前に整理券や入場券等を第三者へ譲渡した譲渡人、整理券等を第三者から譲受した譲受人、遊技場への入場後に確保した設定が高い遊技機の座席を第三者へ譲渡した譲渡人(第1人物)、少し遅れて入場してその座席を譲り受けた譲受人(第2人物)等が含まれる。このとき、譲渡人と譲受人とが家族関係である、知人である等の両者の関係性や、譲受人から譲渡人への金銭の受け渡しの有無は問わない。
【0019】
画像取得部は、例えば、入場管理装置内に設けられた記憶部、あるいは外部のサーバ装置、クラウド空間等に保存された過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像を、各記憶手段から有線または無線通信を介して取得する。同様に、画像取得部は、例えば、遊技場への入場後に場内に設置されたカメラ等の第2撮像装置によって撮影された人物の顔を含む画像を、第2撮像装置から有線または無線通信を介して取得する。
【0020】
なお、各記憶手段および第2撮像装置から取得する画像データは、静止画のデータであってもよいし、動画から切り出された画像データであってもよい。また、取得された第1画像および第2画像は、装置内部の記憶部、あるいは装置外部のサーバ、クラウド空間等に保存される。
顔照合部は、顔検出部によって検出された第1画像と第2画像とに含まれる顔らしき部分から、例えば、目、鼻、口、眉毛、輪郭等の人物を特定するために必要な特徴量として使用される顔器官を照合する。
【0021】
判定部は、第1画像に含まれる第1人物の顔と第2画像に含まれる第2人物の顔との比較結果に基づいて、第1人物と第2人物とが同一人物であるか否かを判定する。
登録部は、判定部が第1画像に含まれる第1人物と第2画像に含まれる第2人物とが同一物であると判定した場合に、その人物を、不正入場候補者として再度登録する。
これにより、過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像と、遊技場へ入場した人物の顔を含む第2画像とを比較して、過去に不正入場候補者として登録された人物と同一人物を、遊技場への入場者の中から検出した場合には、その人物を不正入場候補者として再度登録することで、不正入場の常連者の可能性がある人物を管理することができる。
【0022】
この結果、遊技場への入場後に、不正入場の常連者である可能性がある人物の常習性等を適切に把握して管理することができる。
【0023】
第3の発明に係る入場管理装置は、第1または第2の発明に係る入場管理装置であって、遊技場内の複数箇所に設置された複数の第2撮像装置によって撮影された複数の第2画像を用いて、第1画像に含まれる第1人物に対応する第2人物を特定する人物特定部を、さらに備えている。
ここでは、例えば、入場券を入手して適性に入場した第1人物が遊技場への入場後に入場券を持たない第三者に対して設定が高い遊技機の座席を譲る等の不正行為を検出するために、遊技場内に設置された複数の第2撮像装置によって撮影された第2画像を用いて、人物特定部が第1人物と入れ替わった第2人物を特定する。
ここで、人物特定部によって特定される第2人物は、例えば、第1人物が遊技機の座席に着座した直後に、遊技機の周辺に設置された第2撮像装置によって撮影された第2画像を用いて別人に入れ替わったことを検出し、その入れ替わり後の人物を、第2人物として特定する。
これにより、遊技場への入場後に、設定が高い遊技機の座席を第三者へ譲る等の不正行為を行った不正入場候補者を効果的に検出することができる。
【0024】
第4の発明に係る入場管理装置は、第1の発明に係る入場管理装置であって、画像取得部は、遊技場へ入場する際の入場順番を決定するための抽選に参加する整理券の配布時、および/または、抽選時、および/または遊技場への入場時に第1撮像装置によって撮影された第1画像を取得する。
【0025】
ここでは、入場前に第1撮像装置によって撮影される第1画像を、入場順番を決定するための抽選に参加する整理券の配布時、抽選時、遊技場への入場時のうちの少なくとも1つにおいて撮影する。
これにより、イベント開催日等に遊技場へ入場する権利を持つ人物として特定される第1人物の顔を含む第1画像を、入場前に遊技場前等において撮影された画像として取得することができる。
【0026】
第5の発明に係る入場管理装置は、第4の発明に係る入場管理装置であって、画像取得部は、遊技場の入口、遊技場に設置された遊技機、遊技機の間に設置された台間機の少なくとも1つに設置された第2撮像装置によって撮影された第2画像を取得する。
ここでは、遊技場への入場後に撮影される第2画像を、遊技場の入口、遊技機、遊技機の間に設置された台間機の少なくとも1つに設置された第2撮像装置を用いて撮影する。
これにより、例えば、遊技場への入場時に入口付近で撮影された画像、遊技機に着座した際に撮影された画像、遊技機を操作した際に撮影された画像、台間機にお金を投入した際に撮影された画像等を、第2画像として取得することができる。
【0027】
第6の発明に係る入場管理装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る入場管理装置であって、画像取得部は、遊技場の開店時に第1遊技機の前に着座した人物を撮影した第3画像と、所定時間経過後に、第1遊技機の前に着座している人物を撮影した第4画像とを取得する。
【0028】
ここでは、遊技場への入場後に行われる不正行為を行う人物を特定するために、例えば、イベント開催日等で設定が高い特定の遊技機(第1遊技機)の前に着座している人物の顔を含む画像(第3画像)を撮影し、所定時間(例えば、5分)経過後に再度、画像(第4画像)を撮影する。
これにより、第3画像と第4画像とを比較して、別人物であると判定された場合には、不正行為を行った可能性が高いと判断し、第4画像の人物を不正入場候補者として登録することができる。
【0029】
第7の発明に係る入場管理装置は、第6の発明に係る入場管理装置であって、判定部は、第4画像を、第2画像として用いて第1人物と第2人物とを判定する。
ここでは、上記第3画像と第4画像とを比較して別人物であると判定した場合には、第4画像を第2画像として用いて、第1画像との比較を行う。
これにより、遊技場への入場後に不正行為によって遊技機の座席を第三者から譲渡された人物(第2人物)を、不正入場候補者として登録することができる。
【0030】
第8の発明に係る入場管理装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る入場管理装置であって、第1画像および第2画像を保存する記憶部を、さらに備えている。
ここでは、第1画像および第2画像を保存する記憶部が、装置内に設けられている。
これにより、第1画像および第2画像を装置内に保存することができる。よって、遊技場内に設置された第2撮像装置において撮影された第2画像を取得した際に、すぐに過去に撮影された第1画像を記憶部から読み出して、第1画像と照合することができる。
【0031】
第9の発明に係る入場管理装置は、第8の発明に係る入場管理装置であって、記憶部は、過去に不正入場候補者として登録された第1人物および第2人物と照合するための辞書データを保存する。
ここでは、例えば、第1画像および第2画像、人物を特定するために第1画像および第2画像から抽出された特徴量を、以降の不正入場者との照合用の辞書データとして記憶部に保存する。
これにより、過去に不正入場候補者として登録された人物の常習性等を適切に管理することができる。
【0032】
第10の発明に係る入場管理装置は、第1から第9の発明のいずれか1つに係る入場管理装置であって、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔の部分から所定の顔器官を検出する顔器官検出部を、さらに備えている。
【0033】
ここでは、第1画像に含まれる第1人物の顔および第2画像に含まれる第2人物の顔の器官を検出する。
ここで、検出される顔器官としては、例えば、目、鼻、口、眉毛等が含まれる。
これにより、第1画像および第2画像に含まれる人物の顔の所定の顔器官が全て画像に含まれていない場合、つまり、人物が自分の顔の器官の一部を隠して撮影された場合には、再撮影を促す等の措置を採ることができる。
【0034】
第11の発明に係る入場管理装置は、第1から第10の発明のいずれか1つに係る入場管理装置であって、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔の向きを検出する顔向き検出部を、さらに備えている。
ここでは、第1画像に含まれる第1人物の顔および第2画像に含まれる第2人物の顔の向きを検出する。
これにより、第1画像および第2画像に含まれる人物の顔の向きが正面を向いていない場合には、再撮影を促す等の措置を採ることができる。
【0035】
第12の発明に係る入場管理装置は、第1から第11の発明のいずれか1つに係る入場管理装置であって、不正入場候補者をリスト化して表示する表示部を、さらに備えている。
【0036】
ここでは、不正入場候補者として登録された人物をリスト化して表示する表示部が設けられている。
これにより、管理者は、登録された不正入場候補者の顔を含む画像(第1画像、第2画像)、撮影日時、不正行為の内容等がリスト化された表示画面を見ることで、不正入場の状況を容易に把握することができる。
【0037】
第13の発明に係る入場管理装置は、第1から第12の発明のいずれか1つに係る入場管理装置であって、登録部に登録された不正入場候補者が、判定部によって不正入場候補者として判定された回数が予め設定された所定の閾値を超えた場合に、管理者に対して不正入場者として報知する報知部を、さらに備えている。
ここでは、第1画像と第2画像とを比較して第1人物および第2人物が不正入場候補者と判定された場合でも、すぐに報知することなく、不正入場候補者として判定された回数が所定の閾値を越えた場合に、管理者(遊技場の管理者、店員等)に対して不正入場者の検出を報知する。
【0038】
ここで、判定に用いられる閾値は、例えば、1回に設定されていてもよいし、3回に設定されていてもよい。
これにより、不正入場の可能性がある不正入場候補者に常習性が確認された場合に、遊技場の管理者等へ報知することで、常習性のある不正入場候補者を不正入場者として登録し、管理することができる。
【0039】
第14の発明に係る入場管理装置は、第1から第13の発明のいずれか1つに係る入場管理装置であって、不正入場候補者をリスト化して表示する表示部を、さらに備えている。報知部によって報知された不正入場者をリスト化して表示部に表示させる。
ここでは、過去に報知部によって報知された不正入場者をリスト化して表示部に表示させる。
これにより、管理者は、不正入場候補者よりも実態を把握したい不正入場者の管理を適切に行うことができる。
【0040】
第15の発明に係る入場管理システムは、第1から第14の発明のいずれか1つに係る入場管理装置と、第1画像を撮影する第1撮像装置および第2画像を撮影する第2撮像装置と、を備えている。
【0041】
ここでは、上述した入場管理装置と、第1画像または第2画像を撮影して入場管理装置へ送信する第1撮像装置および第2撮像装置とによって、入場管理システムを構成する。
これにより、第1撮像装置および第2撮像装置によって撮影された第1画像および第2画像を用いて、入場管理装置において不正入場候補者を検出することができる。
よって、不正入場候補者の管理をシステムとして適切に実施することができる。
【0042】
第16の発明に係る入場管理システムは、第15の発明に係る入場管理システムであって、第1撮像装置および第2撮像装置は、第1画像および第2画像として、静止画像あるいは動画を撮影する。
ここでは、第1撮像装置または第2撮像装置が撮影した静止画像あるいは動画を用いて、不正入場候補者を検出するために使用される第1画像および第2画像を取得する。
これにより、例えば、人感センサを用いて人を検出した際、あるいは撮影ボタンを押されて撮影された静止画や、防犯カメラ等の動画から切り出された一部の静止画を用いて、不正入場候補者を適切に検出することができる。
【0043】
第17の発明に係る入場管理システムは、第15または第16の発明に係る入場管理システムであって、入場管理装置と、第1撮像装置と、第2撮像装置とは、無線あるいは有線通信を介して、各種信号を送受信する。
ここでは、入場管理装置、第1撮像装置、第2撮像装置の間が、無線あるいは有線での通信を介して接続されている。
これにより、例えば、入場管理装置と第1・第2撮像装置との間における第1画像および第2画像の送受信を適切に行うことができる。
【0044】
第18の発明に係る入場管理システムは、第15から第17の発明のいずれか1つに係る入場管理システムであって、入場管理装置は、複数の遊技場ごとに設置された第1撮像装置および第2撮像装置から取得した第1画像および第2画像を用いて判定された不正入場候補者に関する情報を、複数の遊技場間で共有する。
【0045】
ここでは、複数の遊技場への入場者の管理を行うために、複数の遊技場ごとに設置された第1撮像装置および第2撮像装置から取得した第1画像および第2画像を用いて検出された不正入場候補者に関する情報を、複数の遊技場間で共有する。
これにより、特定の地域、あるいは系列店の複数の遊技場等で不正入場候補者に関する情報を共有して、不正入場候補者による不正行為を適切に把握して対処することができる。
【0046】
第19の発明に係る入場管理プログラムは、遊技場へ入場後の入場者を管理する入場管理プログラムであって、第1画像取得ステップと、第2画像取得ステップと、顔検出ステップと、顔照合ステップと、判定ステップと、登録ステップと、を備えた入場管理方法をコンピュータに実行させる。第1画像取得ステップは、遊技場への入場前に第1撮像装置によって撮影された第1人物の顔を含む第1画像を取得する。第2画像取得ステップは、遊技場への入場後に遊技場内において第2撮像装置によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する。顔検出ステップは、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔の部分を検出する。顔照合ステップは、顔検出ステップにおいて検出された第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔を比較する。判定ステップは、顔照合ステップにおける比較の結果に基づいて、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が同一人物であるか否かを判定する。登録ステップは、判定ステップにおける判定の結果、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が別人物であると判定されると、第1人物および第2人物を不正入場候補者として登録する。
【0047】
ここでは、不正入場候補者には、例えば、遊技場への入場後に確保した設定が高い遊技機の座席を第三者へ譲渡した譲渡人(第1人物)と、少し遅れて入場してその座席を譲り受けた譲受人(第2人物)とが含まれる。このとき、譲渡人と譲受人とが家族関係である、知人である等の両者の関係性や、譲受人から譲渡人への金銭の受け渡しの有無は問わない。
【0048】
第1画像取得ステップでは、例えば、整理券配布時、抽選時、入場時等に遊技場の場外に設置されたカメラ等の第1撮像装置によって撮影された人物の顔を含む画像を、第1撮像装置から有線または無線通信を介して取得する。同様に、第2画像取得ステップでは、例えば、遊技場への入場後に場内に設置されたカメラ等の第2撮像装置によって撮影された人物の顔を含む画像を、第2撮像装置から有線または無線通信を介して取得する。
【0049】
なお、第1撮像装置および第2撮像装置から取得する画像データは、静止画のデータであってもよいし、動画から切り出された画像データであってもよい。また、取得された第1画像および第2画像は、装置内部の記憶部、あるいは装置外部のサーバ、クラウド空間等に保存される。
また、第1画像取得ステップにおいて取得される第1画像は、整理券配布時、抽選時等に遊技場の前で撮影された画像に限らず、すでに別のタイミングで撮影され保存された画像も含まれる。
【0050】
顔照合ステップでは、顔検出ステップにおいて検出された第1画像と第2画像とに含まれる顔らしき部分から、例えば、目、鼻、口、眉毛、輪郭等の人物を特定するために必要な特徴量として使用される顔器官を比較して、同一人物であるか否かを判定する。
判定ステップでは、第1画像に含まれる第1人物の顔と第2画像に含まれる第2人物の顔との比較結果に基づいて、第1人物と第2人物とが同一人物であるか否かを判定する。
【0051】
登録ステップでは、判定ステップにおいて第1画像に含まれる第1人物と第2画像に含まれる第2人物とが別人物であると判定された場合に、第1人物および第2人物をともに、不正入場候補者として登録する。
これにより、遊技場への入場前(整理券配布時、抽選時、入場時)において撮影された第1画像と、入場後に遊技場内において撮影された第2画像とを比較して、別人に入れ替わっていることを検出し、入れ替わる前後の人物(第1人物および第2人物)を不正入場候補者として登録することで、不正入場者の可能性がある人物を管理することができる。
この結果、遊技場への入場後に、第1人物が確保した遊技機の座席を、第三者である第2人物へ譲る等の不正行為を行った可能性がある人物の常習性等を適切に把握して管理することができる。
【0052】
第20の発明に係る入場管理プログラムは、遊技場へ入場後の入場者を管理する入場管理プログラムであって、第1画像取得ステップと、第2画像取得ステップと、顔検出ステップと、顔照合ステップと、判定ステップと、登録ステップと、を備えた入場管理方法をコンピュータに実行させる。第1画像取得ステップは、過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像を取得する。第2画像取得ステップは、遊技場への入場後に遊技場内において第2撮像装置によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する。顔検出ステップは、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔の部分を検出する。顔照合ステップは、顔検出ステップにおいて検出された第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔を比較する。判定ステップは、顔照合ステップにおける比較の結果に基づいて、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が同一人物であるか否かを判定する。登録ステップは、判定ステップにおける判定の結果、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が同一人物であると判定されると、第2人物を不正入場候補者として登録する。
【0053】
ここでは、過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像と、遊技場へ入場後の不特定多数の第2人物の顔を含む第2画像とを照合し同一人物を判定した場合には、過去に不正入場候補者として登録された第1人物が、例えば、不特定多数の入場者に紛れて遊技場へ入場したと判断し、その人物を不正入場候補者として再度登録する。
【0054】
ここで、過去に不正入場候補者として登録された第1人物には、例えば、過去に、遊技場への入場前に整理券や入場券等を第三者へ譲渡した譲渡人、整理券等を第三者から譲受した譲受人、遊技場への入場後に確保した設定が高い遊技機の座席を第三者へ譲渡した譲渡人(第1人物)、少し遅れて入場してその座席を譲り受けた譲受人(第2人物)等が含まれる。このとき、譲渡人と譲受人とが家族関係である、知人である等の両者の関係性や、譲受人から譲渡人への金銭の受け渡しの有無は問わない。
【0055】
画像取得ステップでは、例えば、入場管理装置内に設けられた記憶部、あるいは外部のサーバ装置、クラウド空間等に保存された過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像を、各記憶手段から有線または無線通信を介して取得する。同様に、画像取得部は、例えば、遊技場への入場後に場内に設置されたカメラ等の第2撮像装置によって撮影された人物の顔を含む画像を、第2撮像装置から有線または無線通信を介して取得する。
【0056】
なお、各記憶手段および第2撮像装置から取得する画像データは、静止画のデータであってもよいし、動画から切り出された画像データであってもよい。また、取得された第1画像および第2画像は、装置内部の記憶部、あるいは装置外部のサーバ、クラウド空間等に保存される。
顔照合ステップでは、顔検出ステップにおいて検出された第1画像と第2画像とに含まれる顔らしき部分から、例えば、目、鼻、口、眉毛、輪郭等の人物を特定するために必要な特徴量として使用される顔器官を照合する。
【0057】
判定ステップでは、第1画像に含まれる第1人物の顔と第2画像に含まれる第2人物の顔との比較結果に基づいて、第1人物と第2人物とが同一人物であるか否かを判定する。
登録ステップでは、判定ステップにおいて第1画像に含まれる第1人物と第2画像に含まれる第2人物とが同一物であると判定された場合に、その人物を、不正入場候補者として再度登録する。
【0058】
これにより、過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像と、遊技場へ入場した人物の顔を含む第2画像とを比較して、過去に不正入場候補者として登録された人物と同一人物を、遊技場への入場者の中から検出した場合には、その人物を不正入場候補者として再度登録することで、不正入場の常連者の可能性がある人物を管理することができる。
【0059】
この結果、遊技場への入場後に、不正入場の常連者である可能性がある人物の常習性等を適切に把握して管理することができる。
【発明の効果】
【0060】
本発明に係る入場管理装置によれば、遊技場へ入場した後の入場者の不正行為を適切に把握して管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明の一実施形態に係る入場管理装置を含む入場管理システムの構成を示す概略図。
図2図1の入場管理システムの構成を示すブロック図。
図3図1の入場管理システムにおける抽選から入場、遊技場内における処理の流れを示す図。
図4】遊技場内に設置されたカメラ配置の例を示す平面図。
図5図4の遊技場に設置された遊技機および台間機を示す斜視図。
図6図5の遊技機に設置されたカメラの配置例を示す側面図。
図7】(a)は、図5の遊技機に設置されたカメラの配置例を示す平面図。(b)は、図5の台間機に設置されたカメラの配置例を示す平面図。
図8図1の入場管理システムに含まれるカメラによって撮影された人物の顔画像、撮影日時、抽選参加番号、入場順番号等を含むリストを示す図。
図9図8のリストから検出された不正入場候補者のリストを示す図。
図10図9のリストから管理者等へ報知した不正入場候補者のリストを示す図。
図11図8のリストから作成された顔画像リストを示す図。
図12図1の入場管理システムによって作成された入場前および入場後に撮影された顔画像を含むリストを示す図。
図13図1の入場管理システムによって作成された入場前および入場後に撮影された顔画像を含むリストを示す図。
図14図1の入場管理システムによる辞書データを作成するまでの処理の全体フローを示す図。
図15図1の入場管理システムによる抽選前の処理の流れを示すフローチャート。
図16図1の入場管理システムによる抽選時の処理の流れを示すフローチャート。
図17図1の入場管理システムによる入場時の処理の流れを示すフローチャート。
図18図1の入場管理システムによる過去に登録された不正入場候補者との照合処理の流れを示すフローチャート。
図19図1の入場管理システムによる抽選前画像との照合処理の流れを示すフローチャート。
図20図1の入場管理システムによる抽選時画像との照合処理の流れを示すフローチャート。
図21】(a)は、図1の入場管理システムによる顔品質評価の処理の流れを示すフローチャート。(b)は、顔品質評価に用いられるYaw、Pitch,Roll方向を示す図。
図22図1の入場管理システムにおいて作成された不正入場候補者のリスト表示・印刷処理の流れを示すフローチャート。
図23図1の入場管理システムによる全体フローを示す図。
図24図1の入場管理システムによる登録済みの不正入場候補者の入場後の検出処理の流れを示すフローチャート。
図25図1の入場管理システムによる入場後のすり替わりの検出処理の流れを示すフローチャート。
図26図1の入場管理システムによる辞書データの更新処理の流れを示すフローチャート。
図27図1の入場管理システムによる辞書データの更新処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明の一実施形態に係る入場管理装置について、図1図27を用いて説明すれば以下の通りである。
(1)入場管理システム1の構成
本実施形態の入場管理システム1は、例えば、パチンコ店、パチスロ店、カジノ店等の遊技場へ入場する不特定多数の入場者の入場後に不正行為を行った人物の管理を行うシステムであって、主に、遊技場の新装開店日や特定の遊技機の設定を高くしたイベント日等に遊技場に入場する入場者の入場後の管理を行う。
【0063】
より具体的には、入場管理システム1は、遊技場における抽選参加券(整理券)配布、抽選、入場までの流れにおいて、抽選参加券配布時、抽選時、入場時にそれぞれ入場者の顔を含む画像(以下、顔画像)を撮影し、それらの顔画像から特定される人物が抽選参加券配布時、抽選時、入場時に一致するか否かを判定する。そして、判定の結果、不一致となった場合には、例えば、抽選参加券あるいは抽選券、入場順番券(入場券)を入手した第1人物が、第三者(第2人物)へ、抽選参加券あるいは抽選券、入場順番券を譲渡したものと判断し、第1人物および第2人物を、不正入場候補者として登録する。
【0064】
さらに、本実施形態の入場管理システム1では、不正入場候補者として登録された人物の顔画像と、入場した不特定多数の人物の顔画像とを照合して一致するか否かを判定し、過去に不正入場候補者として登録された人物を検出して登録するとともに、適正に入場した人物が入場後に第三者へ遊技機を譲る等の不正行為によって遊技を行う人物を検出し、不正入場候補者として登録する。
【0065】
入場管理システム1は、図1に示すように、入場管理装置10と、カメラ(第1撮像装置)21を備えたタブレット端末20と、発券機30と、バーコードリーダ40と、プリンタ50と、遊技機100に設けられたカメラ(第2撮像装置)102~104(図2参照)と、遊技場内に設置された複数のカメラ(第2撮像装置)60~62(図2参照)と、を備えている。そして、入場管理装置10と、タブレット端末20と、発券機30と、バーコードリーダ40と、プリンタ50と、カメラ60~62と、遊技機100(カメラ102,103)と、台間機110(カメラ104)とは、図2に示すように、例えば、無線LAN等の無線通信回線2を介して互いに接続されている。
【0066】
なお、図1に示すAは、遊技場の外部に設置された各装置、Bは、遊技場の管理室等に設置された各装置、Cは、遊技場の内部に設置された各装置を示している。
入場管理装置10は、例えば、遊技場の入場者の管理を行う管理者が使用するPC(Personal Computer)であって、入場前(抽選参加券(整理券)配布時、抽選時、および入場時)に、それぞれカメラ21によって撮影された遊技場への入場者の顔画像を取得する。さらに、入場管理装置10は、遊技場内に設置された複数のカメラ60~62,102~104によって撮影された入場後の入場者の顔画像を取得する。
【0067】
そして、入場管理装置10は、入場前に撮影された入場者と入場後に撮影された入場者とが同一人物であるか否かを判定し、前後の顔画像に不一致があると判定した場合には、その前後の顔画像の人物を不正入場候補者として登録する。
さらに、入場管理装置10は、入場後の入場者の顔画像を、過去に不正入場候補者として登録された人物の顔画像と比較して、一致すると判定した場合には、その入場者を不正入場候補者として再度登録する。
【0068】
なお、入場管理装置10の詳細な構成については、後段にて詳述する。
タブレット端末20は、入場前(例えば、抽選参加券(整理券)の配布時、抽選時、および入場時)に、店頭等に設置されており、入場者の顔画像を撮影するカメラ21を備えている。そして、タブレット端末20は、図1に示すように、カメラ21によって入場前に撮影された顔画像を、無線通信回線2(図2参照)を介して、入場管理装置10へ送信する。
【0069】
なお、顔画像を撮影する際のタブレット端末20の操作は、タブレット端末20の画面を見ながら入場者自身が行ってもよいし、店舗・イベントスタッフ等が行ってもよい。
カメラ(撮像装置)21は、タブレット端末20に搭載されたカメラ、あるいはタブレット端末20に接続されたカメラであって、抽選参加券(整理券)配布時、抽選時、入場時において、入場者の顔を含む画像(顔画像)を撮影する。
【0070】
なお、カメラ21によって撮影される顔画像は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。また、カメラ21によって撮影される画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
発券機30は、図1に示すように、入場者一人ずつに配布される上述した抽選参加券(整理券)および入場順番券(入場券)としてのレシート32を印刷して出力する装置であって、発券ボタン31を備えている。
【0071】
発券ボタン31は、タブレット端末20のカメラ21を用いて顔画像が撮影された後、入場者自身あるいは店舗スタッフ等によって操作されることによって、発券機30から上述した抽選参加券(整理券)および入場順番券のレシート32が発券される。
ここで、発券機30によって発券される抽選参加券(整理券)とは、整理番号を数字とバーコードで印刷したレシート32である。また、発券機30によって発券される入場順番券とは、入場順番号とバーコードを印刷したレシート32である。
【0072】
なお、発券機30によって抽選参加券、入場順番券が発券される日、実際に入場する日は、同じ日であってもよいし、別の日であってもよい。
また、発券機30は、後述する発券不可信号を入場管理装置10から受信すると、発券ボタン31が押下されても発券できないように制御される。
バーコードリーダ40は、レシート32に印刷されたバーコードを読み取って、無線通信回線2(図2参照)を介して、その識別信号等を入場管理装置10へ送信する。
【0073】
これにより、入場管理装置10は、受信した識別信号等に基づいて、バーコードが読み取られたレシート32に対応する顔画像を記憶部16から読み出すことができる。よって、入場管理装置10では、レシート32に印刷されたバーコードが読み取られてバーコードリーダ40から送信されてくる識別信号等を受信することで、例えば、抽選参加券(整理券)および/または入場順番券の配布時撮影された顔画像と、入場時に撮影された顔画像とを比較して、同一人物であるか否かを判定することができる。
【0074】
プリンタ50は、入場管理装置10として使用される管理者のPCに接続されており、例えば、不正入場候補者のリスト等を出力する。
複数の遊技機100が設置された遊技場内には、複数のカメラ60~62が、出入口120a~120c付近、計数機122a、貸出機122b、精算販売機122c付近、両面に複数の遊技機100が設置された島設備121a~121dの間の通路に設けられている(図4参照)。
【0075】
そして、遊技機100の近傍には、遊技機100で遊技を行う入場者の顔画像を撮影するカメラ102,103が設けられている。さらに、各遊技機100の左側に隣接配置された台間機110にも、遊技機100で遊技を行う入場者の顔画像を撮影するカメラ104が設けられている。
なお、カメラ60~62,102~104によって撮影される顔画像は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。また、カメラ60~62,102~104によって撮影される画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
【0076】
(2)入場管理装置10の構成
入場管理装置10は、図2に示すように、表示部10aと、画像取得部11と、人物特定部12と、顔検出部13と、顔向き器官検出部14aと、顔品質評価部14bと、顔照合部15と、記憶部16と、判定部17、登録部18と、報知部19と、を備えている。
ここで、入場管理装置10が備えている各構成(表示部10a、画像取得部11、人物特定部12、顔検出部13、顔向き器官検出部14a、顔品質評価部14b、顔照合部15、記憶部16、判定部17、登録部18、報知部19)は、入場管理装置10として使用されるPCに搭載されたメモリに保存された入場管理プログラムを、CPU(ハードウェア)が読み込んで構成される制御ブロックである。
【0077】
表示部10aは、入場管理装置10として使用されるPCに接続された表示装置であって、後述する入場前と入場後にそれぞれ撮影された顔画像を含むリスト、不正入場候補者等のリスト等を表示する。
画像取得部11は、タブレット端末20のカメラ21によって入場前に撮影された顔画像を、タブレット端末20から受信して取得する。さらに、画像取得部11は、遊技場内に設置された複数のカメラ60~62,102~104によって入場前に撮影された顔画像を受信して取得する。
【0078】
なお、画像取得部11において取得される画像は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。また、カメラ21およびカメラ60~62,102~104によって撮影された画像が動画である場合には、画像取得部11は、動画から切り出された入場者の顔を含む画像を取得してもよいし、動画のまま取得してもよい。
人物特定部12は、遊技場への入場後に、遊技場内に設置された複数のカメラ60~62,102~104によって撮影された画像、動画等を用いて、入場前に撮影された顔画像の第1人物に対応する人物を特定する。
【0079】
例えば、人物特定部12による人物の特定は、入場順番券の入場順に入場した人物の動きを複数のカメラ60~62,102~104によって撮影された動画等を用いて追跡して特定してもよい。
これにより、顔検出部13において顔検出処理を行う前の段階で、人物特定部12において入場前後で入れ替わる前の人物を特定することができる。
【0080】
顔検出部13は、画像取得部11において取得された顔画像の中から、顔らしき部分を検出する。なお、顔検出部13において検出される顔らしき部分とは、例えば、顔器官(目、鼻、口等)の配置と、顔特有の明暗パターン(画像の明部と暗部の輝度値の差(コントラスト))に対応するHaar-like特徴量を用いて顔画像から検出される領域を意味している。
【0081】
顔向き器官検出部14aは、顔検出部13において検出された顔画像に含まれる顔らしき部分の向きと顔らしき部分に含まれる各器官(目、鼻、口等)とを検出する。具体的には、顔向き器官検出部14aは、顔画像に含まれる顔らしき部分が正面を向いている適正な画像であるか否かを判定するために、顔の向きおよび顔の器官を検出する。
顔品質評価部14bは、顔向き器官検出部14aにおいて検出された顔の向きが正面から所定の角度以上それていないか、あるいは、顔向き器官検出部14aにおいて検出された所定の顔の器官が全て揃っているかを判定する。すなわち、顔品質評価部14bは、判定部17において同一人物であるか否かの判定が行われる顔画像に含まれる顔が、判定に必要な最低限の品質が確保されているか否かを判定する。
【0082】
よって、顔向き器官検出部14aにおいて検出された顔の向きが正面から所定の角度以上、それている場合には、顔品質評価部14bは、入場者を特定する顔画像として不適切であると判定し、後述する再撮影を促す、あるいは、発券不可、入場不可等の措置が採られる。さらに、顔向き器官検出部14aにおいて検出された顔の器官が全て揃っていない場合、つまり顔の器官の一部が隠されて撮影されている場合には、顔品質評価部14bは、入場者を特定する顔画像として不適切であると判定し、後述する再撮影を促す、あるいは、発券不可、入場不可等の措置が採られる。
【0083】
顔照合部15は、顔品質評価部14bにおいて適正と判定された顔画像について、入場前と入場後とに撮影された顔画像とを照合する。
記憶部16は、画像取得部11において取得された入場前(抽選参加券(整理券)配布時、抽選時、入場時)および入場後に遊技場内で撮影された顔画像を保存する。また、記憶部16は、過去の判定によって不正入場候補者として登録された人物、不正入場者として報知された人物等の情報をまとめたリストを、辞書データ16a(図2参照)として保存する。さらに、記憶部16は、後述する入場者管理方法をコンピュータに実行させるための各種プログラムを保存している。
【0084】
なお、記憶部16に辞書データ16aとして保存されたデータは、管理者等によって適宜、編集、削除等が行われる。また、辞書データ16aに保存される顔画像は、例えば、一度に複数枚撮影された顔画像を用いて算出された特徴量とともに、代表の顔画像1枚のみが保存されていればよい。
判定部17は、例えば、記憶部16に辞書データ16aとして保存された入場前(抽選参加券配布時、抽選時、入場時)の顔画像(第1画像)と、入場後にカメラ60~62,102~104によって撮影された顔画像(第2画像)とを比較して、顔画像が同一人物のものであるか否かを判定する。
【0085】
ここで、2つの顔画像に含まれる顔が一致するか否かの判定は、例えば、人物を識別するために抽出された顔の特徴量を2つの顔画像間で比較して類似度を算出し、算出された類似度が所定の閾値よりも大きい場合には、同一人物として判定し、所定の閾値以下である場合には、別人物として判定すればよい。
顔の特徴量とは、顔検出部13において検出された顔らしき部分に配置された複数の特徴点(例えば、目、鼻、鼻孔、口、眉、顎、額等の顔の器官)に基づいて算出され、例えば、ガボールフィルタ等を用いたフィルタ処理によって得られた値を用いて算出される。
【0086】
なお、特徴点の配置については、顔画像の人物の年齢や性別に応じて異なる配置が設定されてもよい。
また、判定部17は、過去に不正入場候補者として登録された人物(第1人物)の顔画像(第1画像)と、入場後にカメラ60~62,102~104によって撮影された人物(第2人物)の顔画像(第2画像)とを比較して、一致するか否かを判定する。これにより、過去に不正入場候補者として登録された人物が、再度、来場していること、あるいは不正入場の常習者であるか否かの判定を行うことができる。
【0087】
さらに、判定部17は、顔品質評価部14bにおける判定結果に基づいて、抽選参加券配布時、抽選時、入場時にカメラ21によって撮影された顔画像に含まれる顔画像が適正であるか否かを判定するとともに、発券機30における抽選参加券または入場順番券の発券可否の判定を行う。
すなわち、判定部17は、顔品質評価部14bにおいて、顔画像に含まれる顔の向きおよび器官の有無が所定の条件を満たしていないと判定された場合、または過去に登録された不正入場候補者と同一人物である可能性が高いと判定された場合、または照合した顔画像が不一致と判定され別人である可能性が高いと判定された場合には、顔画像を撮影した人物への抽選参加券または入場順番券の発券を不可とする発券不可信号を、発券機30へ送信する。
【0088】
これにより、発券機30では、入場管理装置10から発券不可信号を受信すると、発券ボタン31を操作しても、発券できないように制御される。この結果、例えば、意図的に適正な顔画像を撮影させない不正入場者の可能性がある人物、過去に不正入場候補者として登録済みの人物、抽選参加券を第三者から譲受した人物の入場を、発券の段階で阻止することができる。
【0089】
登録部18は、判定部17において、例えば、抽選参加券配布時および抽選時に撮影された顔画像と、入場時にカメラ21によって撮影された顔画像とを比較して、3つの顔画像が同一人物のものではないと判定された場合に、それらの人物の顔画像を、不正入場候補者として登録する。
具体的には、登録部18は、それらの人物の顔画像、撮影日時等の情報を、不正入場候補者として、記憶部16の辞書データ16aに保存させる。
【0090】
また、登録部18は、判定部17において、例えば、入場前に撮影された顔画像と入場後に遊技場内で撮影された顔画像とを比較して、対応する人物が入場後に別人に入れ替わっていること、つまり、適正な入場後に遊技機100を第三者へ譲ったことが検出されると、不正入場候補者として登録する。
さらに、登録部18は、判定部17において、過去に不正入場候補者として登録された人物と同日人物が遊技場内へ入場していることが検出されると、不正入場候補者として登録する。
【0091】
具体的には、登録部18は、不正入場候補者を、記憶部16の辞書データ16aとして保存する。
報知部19は、登録部18によって不正入場候補者として登録された人物が、予め設定された所定の閾値よりも多い回数、登録されている場合には、遊技場の管理者あるいは店舗のスタッフ等へ、不正入場者が来場していることを報知する。
【0092】
これにより、管理者、店舗スタッフ等は、不正入場候補者が入場していることを認識して、退場あるいは注意等の措置を採ることができる。
なお、報知部19による報知の方法としては、例えば、入場管理装置10の表示部10aへ「不正入場候補者の来場を検出しました」等のメッセージを表示する、あるいは、店舗スタッフ等へアラート音で知らせる等が考えられる。
【0093】
また、本実施形態の入場管理装置10では、報知部19による報知は、不正入場候補者として登録された回数が所定の回数を超えた場合に行われる。
これにより、不正入場の常習性が認められると判定された場合にのみ、その人物に対して退場勧告、通報、注意等の措置を採ることができる。
【0094】
<抽選参加券の配布から入場までの流れ>
本実施形態の入場管理システム1では、図3に示す流れに沿って、抽選参加券の配布から入場までの処理、および入場後の処理が行われる。
すなわち、抽選前の第1段階では、遊技場へ来場したお客は、入場順を決定する抽選に参加するために、遊技場前等に並ぶ。
このとき、カメラ21は、常時、入場者を撮影しており、撮影された画像に入場者の顔が検出され、かつ顔の向きおよび顔の器官が所定の条件を満たした状態で、遊技場の店舗スタッフあるいはイベント日に合わせて投入されたイベントスタッフが発券ボタン31を押下すると、抽選参加券の発券を許可する信号が発券機30へ送信され、店舗スタッフ等からお客へ、整理番号とバーコードとが付与された抽選参加券が配布される。
【0095】
これにより、人物の特定に必要な条件を満たす顔画像を取得可能な状態でのみ、抽選参加券の発行を許可することができる。また、発券ボタン31が押下されてから顔画像を撮影して顔検出等の処理を行う場合と比較して、必要な条件を満たさない顔画像が撮影されていた場合に何度も顔画像を取り直す等の対応が不要となるため、処理を効率化することができる。
【0096】
次に、抽選時の第2段階では、お客は、抽選参加券に付与された整理番号順に整列する。そして、店舗スタッフ等は、バーコードリーダ40を用いて抽選参加券に付与されたバーコードを読み取って得られた識別信号を入場管理装置10へ送信する。
そして、入場管理システム1では、第1段階と同様に、カメラ21は、常時、入場者を撮影しており、撮影された画像に入場者の顔が検出され、かつ顔の向きおよび顔の器官が所定の条件を満たした状態で、抽選時に来場したお客の顔画像を撮影して入場順を決める抽選を実施する。次に、入場管理装置10では、バーコードに基づく識別番号に紐付けされて記憶部16に保存された抽選前の顔画像を読み出して、抽選前の顔画像と抽選時の顔画像とを照合する。
【0097】
ここで、抽選前の顔画像と抽選時の顔画像とが一致した場合には、不正入場ではないと判定して、抽選によって決定された入場順とバーコードが付与された入場順番券が、店舗スタッフ等によってお客へ配布される。
一方、抽選前の顔画像と抽選時の顔画像とが不一致であった場合には、抽選参加券を受領した人物(譲受人))と抽選時の人物(譲渡人))とが別人となっている不正入場の可能性が高いと判定して、不正入場候補者として登録される、あるいは管理者等へアラート通知(報知)される。
【0098】
次に、入場時の第3段階では、お客は、入場順番券に付与された入場順に整列する。そして、店舗スタッフ等は、バーコードリーダ40を用いて入場順番券に付与されたバーコードを読み取って得られた識別信号を入場管理装置10へ送信する。
そして、入場管理装置10では、入場時に来場したお客の顔画像を撮影するとともに、バーコードに基づく識別番号に紐付けされて記憶部16に保存された抽選前および抽選時の顔画像を読み出して、抽選前および抽選時の顔画像と入場時の顔画像とを照合する。
【0099】
ここで、抽選前および抽選時の顔画像と入場時の顔画像とが一致した場合には、不正入場ではないと判定して、当該お客の入場が許可される。
一方、抽選前および抽選時の顔画像と入場時の顔画像とが不一致であった場合には、入場順番券を受領した人物と抽選前および抽選時の人物とが別人となっている不正入場の可能性が高いと判定して、不正入場候補者として登録される、あるいは管理者等へアラート通知(報知)される。
【0100】
そして、入場管理システム1では、不正入場候補者として登録された人物(譲渡人および譲受人)の顔画像、登録情報、放置履歴等をリスト化して、表示部10aまたはプリンタ50から出力する。ここで登録された情報は、遊技場内で撮影された顔画像との照合用の辞書データ16aとして、記憶部16に保存される。
次に、遊技場への入場後の処理では、遊技場の入口付近に設置されたカメラ60a,60b,60c(図4参照)、遊技機100の前に着座した入場者を撮影するカメラ102,103(図4参照)、入金時に入場者を撮影する台間機110に設置されたカメラ104(図4参照)、遊技機100において遊技を開始した入場者を撮影するカメラ102,103によって、入場者の顔画像(第2画像)を撮影する。
【0101】
遊技場には、図4で示すように、出入口120a~120cから入場してくる入場者、島設備121a~121dに含まれる遊技機100で遊技する入場者、計数機122a、貸出機122b、精算販売機122cを利用する入場者等、遊技場内における入場者の行動を監視するために、カメラ60a~60c,61a~61c,62a~62dが設置されている。
【0102】
計数機122aは、入場者が遊技機100を遊技することにより獲得した遊技媒体の数を計数し、計数結果を磁気カードやレシート等で出力する。
貸出機122bは、入場者が遊技機100で遊技する際に、現金やプリペイドカード等により所定の金額を受け付けると、金額に応じた個数の遊技媒体を貸し出す。
精算販売機122cは、遊技媒体を借りるための度数をつけてプリペイドカードを販売する。また、精算販売機122cは、プリペイドカード等の度数として貸し出した遊技媒体の残数に応じた現金を精算して払い出す。
【0103】
遊技機100は、島設備121a~121dごとに所定台数が設置されている。そして、遊技機100は、入場者によって操作されることにより、遊技が行われ、いわゆる小当たりや大当たりに応じて、遊技玉やメダル等の遊技媒体を払い出す。このとき、図5に示すように、遊技機100a~100cは、遊技中に大当たり等が発生すると、遊技機100a~100cの直上に設置された対応する台表示ランプ101a~101cが点灯、点滅する。
【0104】
台間機110a,110bは、図5に示すように、遊技機100a~100cの間に設置されており、貸出機122bと同様に、入場者が遊技機100で遊技する際に、現金やプリペイドカード等を投入することにより所定の金額を受け付けると、金額に応じた個数の遊技媒体を貸し出す。なお、台間機110は、図5に示す例では、3台の遊技機100a~100cの間にそれぞれ設けられているが、基本的には、各遊技機100の左側に1つずつ設けられているものとする。
【0105】
カメラ60a~60cは、図4に示すように、出入口120a~120cを遊技場内から撮影する位置に設置されており、入場者および退場者を撮影する。
カメラ61a~61cは、計数機122a、貸出機122b、および精算販売機122cを操作する入場者を撮影するために、それぞれの機器の近傍に配置されている。
カメラ62a~62dは、所定台数の遊技機100が両面に設置された島設備121a~121dの間の通路に沿って、この通路を移動する入場者を撮像するために、一列に設置されている。
【0106】
カメラ60a~60c,61a~61c,62a~62dは、いずれにおいてもパンチルトズーム機能を備えている。このため、これらのカメラ60a~60c,61a~61c,62a~62dを用いて、遊技場内において遊技機100で遊技する全ての入場者を撮影することができる。
さらに、各遊技機100には、図6に示すように、各遊技機100のそれぞれの上部に設けられた台表示ランプ101の下部に、遊技中の入場者P1の顔を撮影可能なカメラ102が設置されている。これにより、遊技場内を移動する入場者に加えて、遊技機100の前に着座して遊技を行う入場者P1の顔を撮影することができる。
【0107】
また、遊技中の入場者P1の顔を撮影するカメラとしては、図7(a)に示すように、遊技機100の内部に設置されたカメラ103を用いて、遊技中の入場者P1の顔を正面から撮影してもよい。あるいは、図7(b)に示すように、各遊技機100の左側にそれぞれ設置された台間機110に設けられたカメラ104を用いて、遊技中の入場者P1の顔をやや斜め方向から撮影してもよい。
【0108】
なお、遊技機100の直上あるいは内部に設けられたカメラ102,103は、例えば、各遊技機100の下部に設けられたアウト球カウンタ105において遊技媒体を検出することをトリガとして撮影を開始してもよい。
アウト球カウンタ105は、遊技が開始されて打ち出された遊技媒体のうち、入賞口に入賞せずに排出される遊技媒体の数をカウントするために、各遊技機100の内側下部に設けられている。そして、アウト球カウンタ105は、カウントした遊技媒体の数に関する情報を、図示しない島設備管理装置へ送信する。
【0109】
これにより、入場者P1が遊技機100の方を向いて遊技を行っている状態で撮影することができるため、入場者P1の顔を正面から撮影することができる。
また、遊技機100の左側に設けられた台間機110に設置されたカメラ104は、例えば、台間機110へ現金やプリペイドカードが投入されたことを入金検出部106によって検出したことをトリガとして、撮影を開始してもよい。
【0110】
これにより、入場者P1が台間機110の方を向いて入金操作をしている状態で撮影することができるため、入場者P1の顔を正面から撮影することができる。
そして、遊技場内部に設置された各カメラ60a~60c,61a~61c,62a~62d、102~104は、撮影した画像(静止画または動画)を、入場管理装置10へ送信する。
【0111】
なお、記憶部16に保存される顔画像は、例えば、図8に示すように、入場前(抽選前(抽選参加券配布時)、抽選時、入場時)に撮影された画像とともに、抽選参加番号、抽選前撮影日時、入場順番号、抽選時撮影日時、入場時撮影日時等のデータとともにリスト化されて保存される。
そして、判定部17は、記憶部16に保存された図8のリストを用いて、3段階(抽選前、抽選時、入場時)で撮影された顔画像を照合して、一致するか否かを判定する。
【0112】
例えば、図8の例では、抽選参加番号00002の人物は、抽選前と抽選時とで異なっており、抽選時と入場時とで一致している。このため、抽選前に抽選参加券を入手した人物が、第三者に抽選参加券を譲渡(転売も含む)し、抽選参加券を譲受(不正購入も含む)した人物が抽選に参加し、入場した可能性が高い。
このため、入場管理装置10では、登録部18が、抽選前の人物の顔画像(実線)と、抽選時(入場時)の人物の顔画像(破線)を、それぞれ不正入場候補者として登録し、記憶部16の辞書データ16aとして保存する。
【0113】
同様に、図8の例では、抽選参加番号00105の人物は、抽選前と抽選時とで一致しているが、抽選時と入場時とで不一致となっている。このため、抽選前に抽選参加券を入手し抽選に参加した人物が、第三者に入場順番券を譲渡(転売も含む)し、入場順番券を譲受(不正購入も含む)した人物が入場した可能性が高い。
このため、入場管理装置10では、登録部18が、抽選時(抽選前)の人物の顔画像(実線)と、入場時の人物の顔画像(破線)を、それぞれ不正入場候補者として登録し、記憶部16の辞書データ16aとして保存する。
【0114】
一方、図8の例では、抽選参加番号00001,00003,00106の人物は、抽選前、抽選時、入場時の顔画像が全て一致している。このため、入場管理装置10の判定部17は、これらの人物は、不正入場候補者ではないと判定する。
そして、記憶部16に辞書データ16aとして保存された不正入場候補者は、図9に示すように、顔画像とともに、辞書番号、登録日時、不正行為種別(譲渡、譲受)、報知回数、コメント(不正行為の内容)がリスト化されて保存される。
【0115】
例えば、辞書番号0001の人物は、2019/6/10の08:32に登録された不正入場候補者であって、抽選参加券を第三者へ譲渡した不正行為が登録されており、過去に、管理者等へ不正入場が疑われて報知された回数が3回と登録されている。よって、辞書番号0001の人物は、不正入場の常習者である可能性が高い。
一方、辞書番号0004の人物は、2019/6/10の08:45に登録された不正入場候補者であって、入場順番券を第三者から譲受した不正行為が登録されており、過去に、管理者等へ不正入場が疑われて報知された回数が1回と登録されている。よって、辞書番号0004の人物は、今後、不正入場の常習者になる可能性がある。
【0116】
また、過去に不正入場者として管理者等へ報知された履歴のある人物は、常習性のある要監視人物として、図10に示すように、顔画像とともに、報知辞書番号、不正行為種別(譲渡、譲受)、報知日時がリスト化されて保存される。
例えば、報知辞書番号0002の人物は、2019/6/10の08:32に登録された不正入場候補者であって、入場順番券を第三者から譲受した不正行為が登録されている。
【0117】
なお、判定部17における顔画像の一致・不一致の判定は、図11に示す顔画像リストを用いて行われてもよい。
具体的には、顔画像リストには、図11に示すように、抽選参加番号、抽選前顔画像、入場順番合、抽選時顔画像、入場時顔画像が含まれている。
これにより、入場管理装置10の判定部17は、抽選前、抽選時、入場時の3段階で撮影された顔画像を用いて、全て同一人物であるか否かを容易に判定することができる。
【0118】
そして、図11に示す不正入場候補者のリストは、後述する入場後の不正入場候補者を検出する判定を行う際に、照合される辞書データ(過去に登録された不正入場候補者のリスト)として使用される。
ここで、本実施形態の入場管理装置10では、入場前(入場時)にカメラ21によって撮影された顔画像(第1画像)と、この顔画像の人物に対応する入場後の人物の顔画像(第2画像)とを比較するために、図12に示すように、入場順番号、入場前(入場時)画像、入場後画像、不正行為種別を含むリストを作成し、記憶部16に保存される。
【0119】
例えば、図12に示す例では、入場順番号00008の人物が、入場前と入場後とで入れ替わっていることが分かる。
これにより、図12に示すリストを作成して、入場前後の顔画像を照合するだけで、入場順番号00008で入場した人物(第1人物)と、例えば、入場後に入れ替わって設定が高い遊技機100を譲った人物(第2人物)とを容易に検出して、この両者を不正入場候補者として登録することができる。
【0120】
さらに、本実施形態の入場管理装置10では、図13に示すリストを用いて、過去に不正入場候補者として登録されていた人物が遊技場へ入場していることを、入場後に撮影された顔画像を用いて検出し、不正入場候補者として再登録する。
図13に示すリストは、辞書番号、不正入場候補者の顔画像、登録された日時、不正行為種別、報知回数、遊技場内で検出された顔画像、場内で撮影された日時を含む。
【0121】
これにより、図13に示すように、過去に不正入場候補者として登録された人物が、遊技場内において撮影された顔画像を用いて検出されると、その登録日時、不正行為の種別(譲渡、譲受)、報知された回数とともにリスト化して再登録することができる。
この結果、例えば、管理者や店舗スタッフ等へ、不正入場候補者として登録されている人物の入場を報知して、退場や警告等の措置を採ることができる。
【0122】
<入場管理システム1による入場管理方法>
本実施形態の入場管理システム1では、まず、図14図22に示すフローチャートに従って、遊技場への入場前に、過去に不正入場候補者として登録された人物のリストを作成する等の入場管理方法を実施する。
すなわち、入場管理システム1では、図14に示すように、入場前の全体フローとして、主に、抽選前処理S1、抽選処理S2、入場処理S3、リスト表示・印刷処理S4を実行する。
【0123】
以下、各処理S1~S4の内容について、詳しく説明する。
<抽選前処理>
抽選前の処理S1は、図15に示すフローチャートに従って実施される。
まず、ステップS11では、抽選前の抽選参加券を入手するために並んでいる入場者がいなくなるまで、あるいは、所定枚数の抽選参加券を配布し終えるまで、処理を継続するか否かを判定し、全員に配布が完了するまであるいは所定枚数分の抽選参加券を配布するまで、繰り返し、処理継続の判定を行う。
【0124】
次に、ステップS12では、タブレット端末20のカメラ21を用いて、抽選参加券を配布する人物の顔画像を撮影する。そして、撮影された顔画像は、即座に、タブレット端末20から入場管理装置10へと送信され、入場管理装置10の画像取得部11がこれを受信する。
次に、ステップS13では、入場管理装置10の顔検出部13が、画像取得部11において取得された顔画像に含まれる顔らしき部分を検出する。
【0125】
次に、ステップS14では、顔検出部13によって顔らしき部分が検出されたか否かを判定する。ここで、顔らしき部分が検出されると、ステップS15へ進む。一方、顔らしき部分が検出されなかった場合には、ステップS12へ戻り、顔画像を再撮影するように促すメッセージをタブレット端末20等に表示させる。
次に、ステップS15では、入場管理装置10の顔向き器官検出部14aが、顔らしき部分から顔の向きおよび顔の器官を検出する。
【0126】
次に、ステップS16では、入場管理装置10の顔品質評価部14bが、顔向き器官検出部14aにおいて検出された顔の向きおよび器官の有無に応じて、その顔画像が判定部17による同一人物であるか否かの判定に耐え得る品質であるか否かを判定する。
なお、ステップS16における顔品質評価の処理については、後段にて詳述する。
次に、ステップS17では、顔品質評価部14bにおける判定が、顔品質OKであるか否かを判定する。ここで、顔品質OKの場合には、ステップS18へ進む。一方。顔品質がNGの場合には、ステップS12へ戻り、顔画像を再撮影するように促すメッセージをタブレット端末20等に表示させる。
【0127】
次に、ステップS18では、顔品質OKと判定された顔画像が、記憶部16の顔画像データベースに保存される。
次に、ステップS19では、顔照合部15が、記憶部16の辞書データ16aとして保存されている過去に登録された不正入場候補者の顔画像と、抽選前に撮影された顔画像とを照合する。なお、ステップS19の詳細な処理については、後段の登録済み不正入場候補者との照合処理において説明する。
【0128】
次に、ステップS20では、判定部17が、顔照合部15において、過去に登録された不正入場候補者の顔画像と、抽選前に撮影された顔画像とを照合した結果、一致したか否かを判定する。
ここで、一致した場合には、不正入場の常習者の可能性があるため、ステップS21へ進む。一方、一致しなかった場合には、不正入場の常習者ではないため、ステップS23へ進む。
【0129】
次に、ステップS21では、ステップS20の判定において一致しているため、不正入場行為者フラグをONにする。
次に、ステップS22では、不正入場候補者としての登録回数が所定の閾値Th1よりも多いか否かを判定する。
ここで、不正入場候補者として登録されている回数が、既に閾値Th1よりも多い場合には、ステップS26へ進み、入場管理装置10から発券機30に対して発券不可信号を送信するとともに、ステップS27において、管理者、遊技場の店舗スタッフ等へ報知を行う。
【0130】
これにより、過去に不正入場候補者として登録された履歴のある人物に対して、抽選参加券が配布されることを禁止して、不正入場候補者として登録された履歴のある人物の入場を事前に回避することができる。
さらに、管理者および店舗スタッフ等は、過去に不正入場候補者として登録された履歴のある人物を、不正入場行為の常習者として入店を拒否したり、不正入場行為を止めさせるように注意したりする等の対応を採ることができる。
【0131】
一方、所定の閾値Th1以下の回数である場合には、管理者および店舗スタッフ等への報知はせず、ステップS23へ進む。
次に、ステップS23では、不正入場候補者として登録された履歴のない人物、あるいは登録回数が所定の閾値Th1以下であった人物であるため、抽選参加番号を付与する。
次に、ステップS24では、発券機30が、抽選参加番号およびバーコードが付された抽選参加券を発券する。
【0132】
次に、ステップS25では、抽選参加券番号と紐付けされた顔画像を、記憶部16へ保存する。
抽選前の処理では、以上のステップS11からステップS26までの処理を、抽選前の抽選参加券を入手するために並んでいる入場者がいなくなるまで、あるいは、所定枚数の抽選参加券を配布し終えるまで、繰り返し実施する。
【0133】
<抽選処理>
次に、抽選処理S2は、図16に示すフローチャートに従って実施される。
まず、ステップS31では、抽選参加券を持って並んでいる入場者がいなくなるまで、処理を継続するか否かを判定し、全員の抽選が完了するまで繰り返し、処理継続の判定を行う。
【0134】
次に、ステップS32では、バーコードリーダ40が、抽選前に配布された抽選参加券に付されたバーコードを読み取って取得した識別情報を入場管理装置10へ送信し、入場管理装置10の判定部17が、抽選参加番号に紐付けされて記憶部16に保存された顔画像を読み出す。
次に、ステップS33では、タブレット端末20のカメラ21を用いて、抽選に参加する人物の顔画像を撮影する。そして、撮影された顔画像は、即座に、タブレット端末20から入場管理装置10へと送信され、入場管理装置10の画像取得部11がこれを受信する。
【0135】
次に、ステップS34では、入場管理装置10の顔検出部13が、画像取得部11において取得された顔画像に含まれる顔らしき部分を検出する。
次に、ステップS35では、顔検出部13によって顔らしき部分が検出されたか否かを判定する。ここで、顔らしき部分が検出されると、ステップS36へ進む。一方、顔らしき部分が検出されなかった場合には、ステップS33へ戻り、顔画像を再撮影するように促すメッセージをタブレット端末20等に表示させる。
【0136】
次に、ステップS36では、入場管理装置10の顔向き器官検出部14aが、顔らしき部分から顔の向きおよび顔の器官を検出する。
次に、ステップS37では、入場管理装置10の顔品質評価部14bが、顔向き器官検出部14aにおいて検出された顔の向きおよび器官の有無に応じて、その顔画像が判定部17による同一人物であるか否かの判定に耐え得る品質であるか否かを判定する。
【0137】
なお、ステップS37における顔品質評価の処理については、後段にて詳述する。
次に、ステップS38では、顔品質評価部14bにおける判定が、顔品質OKであるか否かを判定する。ここで、顔品質OKの場合には、ステップS39へ進む。一方。顔品質がNGの場合には、ステップS33へ戻り、顔画像を再撮影するように促すメッセージをタブレット端末20等に表示させる。
【0138】
次に、ステップS39では、顔品質OKと判定された顔画像が、記憶部16の顔画像データベースに保存される。
次に、ステップS40では、顔照合部15が、記憶部16の辞書データ16aとして保存されている過去に登録された不正入場候補者の顔画像と、抽選時に撮影された顔画像とを照合する。なお、ステップS40の詳細な処理については、後段の登録済み不正入場候補者との照合処理において説明する。
【0139】
次に、ステップS41aでは、判定部17が、顔照合部15において、過去に登録された不正入場候補者の顔画像と、抽選前に撮影された顔画像とを照合した結果、一致したか否かを判定する。
ここで、一致した場合には、不正入場の常習者の可能性があるため、ステップS42aへ進む。一方、一致しなかった場合には、不正入場の常習者ではないため、ステップS45へ進む。
【0140】
次に、ステップS42aでは、ステップS41aの判定において一致しているため、不正入場行為者フラグをONにする。
次に、ステップS43aでは、不正入場候補者としての登録回数が所定の閾値Th1よりも多いか否かを判定する。
ここで、不正入場候補者として登録されている回数が、既に閾値Th1よりも多い場合には、ステップS49へ進み、入場管理装置10から発券機30に対して発券不可信号を送信するとともに、ステップS50において、管理者、遊技場の店舗スタッフ等へ報知を行う。
【0141】
これにより、過去に不正入場候補者として登録された履歴のある人物に対して、入場順番券が配布されることを禁止して、不正入場候補者として登録された履歴のある人物の入場を事前に回避することができる。
さらに、管理者および店舗スタッフ等は、過去に不正入場候補者として登録された履歴のある人物を、不正入場行為の常習者として入店を拒否したり、不正入場行為を止めさせるように注意したりする等の対応を採ることができる。
【0142】
一方、所定の閾値Th1以下の回数である場合には、管理者および店舗スタッフ等への報知はせず、ステップS44へ進む。
次に、ステップS44では、不正入場候補者として登録された履歴のない人物、あるいは登録回数が所定の閾値Th1以下であった人物であるため、ステップS42aにおいてONにしたフラグをOFFにする。
【0143】
次に、ステップS45では、顔照合部15が、抽選前および抽選時にそれぞれ撮影された顔画像と照合する。なお、ステップS45における抽選前に撮影された顔画像と、抽選時に撮影された顔画像との照合処理については、後段にて詳述する。
次に、ステップS41bでは、判定部17が、顔照合部15において、抽選前に撮影された顔画像と、抽選時に撮影された顔画像とを照合した結果、一致したか否かを判定する。
【0144】
ここで、一致しなかった場合には、第三者へ抽選参加券が譲渡された可能性があるため、ステップS42bへ進む。一方、一致した場合には、不正入場の可能性はないため、ステップS46へ進む。
次に、ステップS42bでは、ステップS41bの判定において、抽選前と抽選時の顔画像が一致しなかったため、不正入場行為者フラグをONにする。
【0145】
次に、ステップS43bでは、不正入場候補者としての登録回数が所定の閾値Th1よりも多いか否かを判定する。
ここで、不正入場候補者として登録されている回数が、既に閾値Th1よりも多い場合には、ステップS49へ進み、入場管理装置10から発券機30に対して発券不可信号を送信するとともに、ステップS50において、管理者、遊技場の店舗スタッフ等へ報知を行う。
【0146】
これにより、過去に不正入場候補者として登録された履歴のある人物に対して、入場順番券が配布されることを禁止して、不正入場候補者として登録された履歴のある人物の入場を事前に回避することができる。
さらに、管理者および店舗スタッフ等は、過去に不正入場候補者として登録された履歴のある人物を、不正入場行為の常習者として入店を拒否したり、不正入場行為を止めさせるように注意したりする等の対応を採ることができる。
【0147】
一方、所定の閾値Th1以下の回数である場合には、管理者および店舗スタッフ等への報知はせず、ステップS46へ進む。
次に、ステップS46では、不正入場候補者として登録された履歴がなく、抽選前と抽選時とで顔画像が一致した人物、あるいは登録回数が所定の閾値Th1以下であった人物であるため、入場順番を付与する。
【0148】
次に、ステップS47では、発券機30が、入場順番およびバーコードが付された入場順番券を発券する。
次に、ステップS48では、抽選参加番号および入場順番と紐付けされた顔画像を、記憶部16へ保存する。
抽選時の処理では、以上のステップS31からステップS49までの処理を、抽選に参加する入場者がいなくなるまで、繰り返し実施する。
【0149】
<入場処理>
次に、入場処理S3は、図17に示すフローチャートに従って実施される。
まず、ステップS51では、入場順番券を持って並んでいる入場者がいなくなるまで、処理を継続するか否かを判定し、入場順番券を持っている全員の入場が完了するまで繰り返し、処理継続の判定を行う。
【0150】
次に、ステップS52では、バーコードリーダ40が、抽選時に配布された入場順番券に付されたバーコードを読み取って取得した識別情報を入場管理装置10へ送信し、入場管理装置10の判定部17が、入場順番に紐付けされて記憶部16に保存された抽選前および抽選時の顔画像を読み出す。
次に、ステップS53では、タブレット端末20のカメラ21を用いて、遊技場へ入場する人物の顔画像を撮影する。そして、撮影された顔画像は、即座に、タブレット端末20から入場管理装置10へと送信され、入場管理装置10の画像取得部11がこれを受信する。
【0151】
次に、ステップS54では、入場管理装置10の顔検出部13が、画像取得部11において取得された顔画像に含まれる顔らしき部分を検出する。
次に、ステップS55では、顔検出部13によって顔らしき部分が検出されたか否かを判定する。ここで、顔らしき部分が検出されると、ステップS56へ進む。一方、顔らしき部分が検出されなかった場合には、ステップS53へ戻り、顔画像を再撮影するように促すメッセージをタブレット端末20等に表示させる。
【0152】
次に、ステップS56では、入場管理装置10の顔向き器官検出部14aが、顔らしき部分から顔の向きおよび顔の器官を検出する。
次に、ステップS57では、入場管理装置10の顔品質評価部14bが、顔向き器官検出部14aにおいて検出された顔の向きおよび器官の有無に応じて、その顔画像が判定部17による同一人物であるか否かの判定に耐え得る品質であるか否かを判定する。
【0153】
なお、ステップS57における顔品質評価の処理については、後段にて詳述する。
次に、ステップS58では、顔品質評価部14bにおける判定が、顔品質OKであるか否かを判定する。ここで、顔品質OKの場合には、ステップS59へ進む。一方。顔品質がNGの場合には、ステップS53へ戻り、顔画像を再撮影するように促すメッセージをタブレット端末20等に表示させる。
【0154】
次に、ステップS59では、顔品質OKと判定された顔画像が、記憶部16の顔画像データベースに保存される。
次に、ステップS60では、顔照合部15が、記憶部16の辞書データ16aとして保存されている過去に登録された不正入場候補者の顔画像と、入場時に撮影された顔画像とを照合する。なお、ステップS60の詳細な処理については、後段の登録済み不正入場候補者との照合処理において説明する。
【0155】
次に、ステップS61では、判定部17が、顔照合部15において、過去に登録された不正入場候補者の顔画像と、抽選前に撮影された顔画像とを照合した結果、一致したか否かを判定する。
ここで、一致した場合には、不正入場の常習者の可能性があるため、ステップS62へ進む。一方、一致しなかった場合には、不正入場の常習者ではないため、ステップS64へ進む。
【0156】
次に、ステップS62では、ステップS61の判定において一致しているため、不正入場行為者フラグをONにする。
次に、ステップS63では、不正入場候補者としての登録回数が所定の閾値Th1よりも多いか否かを判定する。
ここで、不正入場候補者として登録されている回数が、既に閾値Th1よりも多い場合には、ステップS69へ進み、管理者、遊技場の店舗スタッフ等へ報知を行う。これにより、管理者および店舗スタッフ等は、過去に不正入場候補者として登録された履歴のある人物を、不正入場行為の常習者として入店を拒否したり、不正入場行為を止めさせるように注意したりする等の対応を採ることができる。
【0157】
一方、所定の閾値Th1以下の回数である場合には、管理者および店舗スタッフ等への報知はせず、ステップS64へ進む。
次に、ステップS64では、不正入場候補者として登録された履歴のない人物、あるいは登録回数が所定の閾値Th1以下であった人物であるため、ステップS62においてONにしたフラグをOFFにする。
【0158】
次に、ステップS65では、顔照合部15が、抽選前および抽選時にそれぞれ撮影された顔画像と照合する。
次に、ステップS66では、判定部17が、顔照合部15において、抽選時に撮影された顔画像と、入場時に撮影された顔画像とを照合した結果、一致したか否かを判定する。
ここで、一致しなかった場合には、入場順番券が第三者へ譲渡された可能性があるため、ステップS67へ進む。一方、一致した場合には、不正入場の可能性はないため、入場許可と判定され、入場者は遊技場内へ案内される。
【0159】
次に、ステップS67では、ステップS66の判定において、抽選時と入場時の顔画像が一致しなかったため、不正入場行為者フラグをONにする。
次に、ステップS68では、不正入場候補者としての登録回数が所定の閾値Th1よりも多いか否かを判定する。
ここで、不正入場候補者として登録されている回数が、既に閾値Th1よりも多い場合には、ステップS69へ進み、管理者、遊技場の店舗スタッフ等へ報知を行う。これにより、管理者および店舗スタッフ等は、過去に不正入場候補者として登録された履歴のある人物を、不正入場行為の常習者として入店を拒否したり、不正入場行為を止めさせるように注意したりする等の対応を採ることができる。
【0160】
一方、所定の閾値Th1以下の回数である場合には、管理者および店舗スタッフ等への報知はせず、入場許可と判定し、次の入場者の判定を行うために、ステップS51へ戻る。
入場時の処理では、以上のステップS51からステップS69までの処理を、入場順番券を持っている入場者がいなくなるまで、繰り返し実施する。
【0161】
<登録済み不正入場候補者との照合処理>
本実施形態の入場管理装置10では、抽選前(図15)のステップS19、抽選時(図16)のステップS40、および入場時(図17)のステップS60において実施される登録済みの不正入場候補者の顔画像と、各段階(抽選前、抽選時、入場時)において取得された顔画像との照合処理を、図18に示すフローチャートに従って実施する。
【0162】
なお、ここで照合される過去に登録された不正入場候補者は、当該遊技場の1店舗で蓄積されたデータであってもよいし、複数の遊技場において蓄積された不正入場候補者に関するデータを、複数の遊技場間で共有してもよい。
これにより、特定の地域、あるいは系列店の複数の遊技場等で不正入場候補者に関する情報を共有して、不正入場候補者による不正行為を適切に把握して対処することができる。
【0163】
すなわち、図18に示すように、ステップS71では、過去に登録された不正入場候補者の人数分の照合が完了したか否かを判定する。つまり、ステップS71では、抽選前、抽選時、入場時に撮影された顔画像と、過去に登録された不正入場候補者全員の顔画像との照合処理が完了するまで処理を繰り返す。
よって、ステップS71において、過去に登録された不正入場候補者の人数分の照合が完了すると、処理を終了し、完了していない場合にはステップS72へ進む。
【0164】
次に、ステップS72では、過去に登録された不正入場候補者の顔画像を、記憶部16の辞書データ16aから1人ずつ取り出して照合する。
次に、ステップS73では、辞書データ16aに保存された過去に登録済みの不正入場候補者の顔画像と、抽選前、抽選時、入場時に撮影された顔画像との類似度が、所定の閾値Th2よりも大きいか否か、すなわち、似ているか否かを判定する。
【0165】
ここで、所定の閾値Th2よりも大きい、すなわち、2つの顔画像が似ている場合には、ステップS74へ進む。一方、所定の閾値Th2以下、すなわち、2つの顔画像が似ていない場合には、次の辞書データとの照合を行うためS71へ戻る。
次に、ステップS74では、ステップS73において、過去に登録された不正入場候補者と似ていると判定されているため、同一人物と判断し、不正入場候補者フラグをONにする。
【0166】
次に、ステップS75では、この不正入場候補者の不正行為回数を+1として更新する。
次に、ステップS76では、この不正入場候補者に対して報知した場合には、報知履歴を更新して、ステップS71へ戻る。
過去に登録された不正入場候補者との照合処理では、以上のステップS71からステップS76までの処理を、抽選前、抽選時、入場時に撮影された顔画像と、過去に登録された不正入場候補者全員の顔画像との照合処理が完了するまで、繰り返し実施する。
【0167】
<抽選前および抽選時に撮影された顔画像との照合処理>
本実施形態の入場管理装置10では、抽選時(図16)のステップS45において実施される抽選前に取得された顔画像との照合処理を、図19に示すフローチャートに従って実施する。
すなわち、図19に示すように、ステップS81では、バーコードリーダ40によって抽選前に配布された抽選参加券に付されたバーコードが読み取られて、抽選参加番号に紐付けされた顔画像が記憶部16の辞書データ16aから読み出される。
【0168】
次に、ステップS82では、抽選時にカメラ21によって撮影された入場者の顔画像と、記憶部16から読み出された抽選前の顔画像とを照合する。
次に、ステップS83では、照合した2つの顔画像の類似度が所定の閾値Th3よりも小さいか否かを判定する。ここで、顔画像の類似度が閾値Th3よりも小さいと判定された場合には、別人である可能性が高いと判断し、ステップS84へ進む。一方、顔画像の類似度が閾値Th3以上である場合には、抽選前と抽選時の人物が同一人物である可能性が高く、不正入場候補者ではないと判断し、処理を終了する。
【0169】
次に、ステップS84では、ステップS83において顔画像の類似度が閾値Th3よりも小さい、つまり不正入場候補者の可能性があると判定されているため、不正入場候補者フラグをONにする。
次に、ステップS85では、ステップS83において別人の可能性があると判定された抽選前および抽選時の顔画像の2人の人物を、不正入場候補者として記憶部16の辞書データ16aに登録する。
【0170】
なお、この場合、抽選前の顔画像の人物は、抽選参加券を第三者に譲渡した譲渡人、抽選時の顔画像の人物は、抽選参加券を第三者から譲受した譲受人として、辞書データ16aに登録される。
次に、ステップS86では、不正入場候補者として辞書データ16aに登録された抽選前および抽選時の顔画像の2人の人物について、不正行為回数=1として登録する。
次に、ステップS87では、不正入場候補者として辞書データ16aに登録された抽選前および抽選時の顔画像の2人の人物について、管理者等へ報知履歴を更新して処理を終了する。
【0171】
<抽選時および入場時に撮影された顔画像との照合処理>
本実施形態の入場管理装置10では、入場時(図17)のステップS65において実施される抽選時に取得された顔画像との照合処理を、図20に示すフローチャートに従って実施する。
【0172】
すなわち、図20に示すように、ステップS91では、バーコードリーダ40によって抽選時に配布された入場順番券に付されたバーコードが読み取られて、入場順番に紐付けされた顔画像が記憶部16の辞書データ16aから読み出される。
次に、ステップS92では、入場時にカメラ21によって撮影された入場者の顔画像と、記憶部16から読み出された抽選時の顔画像とを照合する。
【0173】
次に、ステップS93では、照合した2つの顔画像の類似度が所定の閾値Th4よりも小さいか否かを判定する。ここで、顔画像の類似度が閾値Th4よりも小さいと判定された場合には、別人である可能性が高いと判断し、ステップS94へ進む。一方、顔画像の類似度が閾値Th4以上である場合には、抽選時と入場時の人物が同一人物である可能性が高く、不正入場候補者ではないと判断し、処理を終了する。
【0174】
次に、ステップS94では、ステップS93において顔画像の類似度が閾値Th4よりも小さい、つまり不正入場候補者の可能性があると判定されているため、不正入場候補者フラグをONにする。
次に、ステップS95では、ステップS93において別人の可能性があると判定された抽選時および入場時の顔画像の2人の人物を、不正入場候補者として記憶部16の辞書データ16aに登録する。
【0175】
なお、この場合、抽選時の顔画像の人物は、入場番号券を第三者に譲渡した譲渡人、入場時の顔画像の人物は、入場順番券を第三者から譲受した譲受人として、辞書データ16aに登録される。
次に、ステップS96では、不正入場候補者として辞書データ16aに登録された抽選時および入場時の顔画像の2人の人物について、不正行為回数=1として登録する。
次に、ステップS97では、不正入場候補者として辞書データ16aに登録された抽選時および入場時の顔画像の2人の人物について、管理者等へ報知履歴を更新して処理を終了する。
【0176】
<顔品質評価処理>
本実施形態の入場管理装置10では、抽選前(図15)のステップS16、抽選時(図16)のステップS37、入場時(図17)のステップS57において実施される顔品質評価の処理を、図21(a)に示すフローチャートに従って実施する。
【0177】
すなわち、図21(a)に示すように、ステップS101では、顔画像に含まれる顔の向きを示す左右角(Yaw角)(図21(b)参照)が所定の閾値Th5よりも小さいか否かを判定する。ここで、Yaw角が閾値Th5よりも小さい場合には、顔の左右の向きはOKと判断し、ステップS102へ進む。一方、Yaw角が閾値Th5以上である場合には、顔の左右の向きがNGと判断し、ステップS106へ進む。
【0178】
次に、ステップS102では、顔画像に含まれる顔の向きを示す上下角(Pitch角)(図21(b)参照)が所定の閾値Th6よりも小さいか否かを判定する。ここで、Pitch角が閾値Th6よりも小さい場合には、顔の上下の向きはOKと判断し、ステップS103へ進む。一方、Pitch角が閾値Th6以上である場合には、顔の上下の向きがNGと判断し、ステップS106へ進む。
【0179】
次に、ステップS103では、顔画像に含まれる顔の傾きを示す回転角(Roll角)(図21(b)参照)が所定の閾値Th7よりも小さいか否かを判定する。ここで、Roll角が閾値Th7よりも小さい場合には、顔の傾きはOKと判断し、ステップS104へ進む。一方、Roll角が閾値Th7以上である場合には、顔の傾きがNGと判断し、ステップS106へ進む。
【0180】
次に、ステップS104では、顔の向き(左右、上下、傾き)がOKと判定された顔画像について、目をつむった状態であるか否かを判定する。ここで、目をつむった状態ではないと判定されると、ステップS105へ進む。一方、目つむりがあると判定されると、ステップS106へ進む。
なお、ステップS104では、目つむりの有無の判定に加えて、例えば、意図的に、マスクで口元を隠している場合、サングラスで目元を隠している場合等、顔器官の一部が隠されていないかを判定してもよい。
【0181】
次に、ステップS105では、ステップS101~ステップS104の全ての判定をクリアしたため、品質OKと判定し、処理を終了する。
次に、ステップS106では、ステップS101~ステップS104の判定のいずれか1つがNGと判定されたため、品質NGと判定し、入場管理装置10から発券機30に対して発券不可信号を送信するとともに、処理を終了する。
【0182】
ここで、顔の照合に使用される顔画像の品質が顔照合部15における照合の基準を満たさない場合には、別人へのすり替わりのために意図的に顔を背ける等の対策をしている可能性がある。このため、適正な顔画像の撮影を拒む人物に対しては、ステップS24において発券ボタン31を押下しても抽選参加券の発行ができないように、あるいはステップS47において発券ボタン31を押下しても入場順番券の発行ができないように処理することができる。
【0183】
<リスト表示および印刷処理>
本実施形態の入場管理システム1では、以上のような処理によって、入場管理装置10の記憶部16に保存された顔画像、辞書データ、報知履歴のデータを、遊技場の管理者、店舗スタッフ等が管理するために、図22に示すフローチャートに従って処理を行う。
すなわち、図22に示すように、ステップS111では、管理者等が必要とするデータのリストの表示/印刷を行うために、機能を選択する。ここで選択される機能は、不正入場候補者として登録された顔画像を含むリストの表示/印刷、辞書データとして登録された顔画像を含むリストの表示/印刷、報知履歴のリストの表示/印刷が含まれる。
【0184】
ステップS111において管理者等が顔画像のリスト表示/印刷を選択した場合には、ステップS112において、記憶部16に保存された顔画像、抽選参加番号、入場順番のデータを含むリスト(図11参照)が読み出される。
次に、ステップS113では、図11に示す抽選参加番号、抽選前顔画像、入場順番、抽選時顔画像、入場時顔画像を含むリストが、入場管理装置10の表示部10aに表示される。さらに、必要に応じて、プリンタ50からそのリストが印刷出力される。
【0185】
ステップS111において管理者等が辞書データ16aのリスト表示/印刷を選択した場合には、ステップS114において、記憶部16に保存された辞書データ16aのリスト(図9参照)が読み出される。
次に、ステップS115では、図9に示す辞書番号、不正入場候補者として登録された顔画像、登録日時、不正行為種別、報知回数、コメントを含む辞書データのリストが、入場管理装置10の表示部10aに表示される。さらに、必要に応じて、プリンタ50からそのリストが印刷出力される。
【0186】
ステップS111において管理者等が報知履歴のリスト表示/印刷を選択した場合には、ステップS116において、記憶部16に保存された報知履歴のリスト(図10参照)が読み出される。
次に、ステップS117では、図10に示す報知履歴のある入場者の顔画像、報知辞書番号、不正行為種別、報知日時を含むリストが、入場管理装置10の表示部10aに表示される。さらに、必要に応じて、プリンタ50からそのリストが印刷出力される。
【0187】
<入場前の顔画像と入場後の顔画像との照合処理>
本実施形態の入場管理システム1では、まず、図23図26に示すフローチャートに従って、遊技場への入場前に撮影された顔画像と、入場後に遊技場内において撮影された顔画像とを照合して、不正入場候補者を検出して登録する入場管理方法を実施する。
すなわち、入場管理システム1では、図23に示すように、遊技場への入場後の全体フローとして、主に、入場時の顔認識処理S201、遊技機100の各台に設置されたカメラ102~104によって撮影された顔画像を用いた顔認識S202、登録済みの不正入場候補者の辞書データの辞書共有処理S203を実行する。
【0188】
以下、各処理S201~S203の内容について、詳しく説明する。
<登録済みの不正入場候補者の入場後の検出処理>
本実施形態の入場管理装置10では、過去に登録された不正入場候補者の顔画像と入場後の顔画像とを照合することで、入場後における不正入場の常連者の検出処理を、図24に示すフローチャートに従って実施する。
【0189】
図24に示すフローでは、遊技場への入場後、各遊技機100の前に着座した入場者を撮影した顔画像を用いた顔認識処理について説明する。
なお、顔画像を撮影するカメラは、各遊技機100の近傍に設置されたカメラ102~104に限らず、遊技場内に設置された他のカメラ60a~60c,61a~61c,62a~62dであってもよい。
【0190】
すなわち、ステップS211では、遊技場への入場後、例えば、設定が高い特定の遊技機100の前に着座した入場者全員の処理が完了するまで、処理を継続するか否かを判定する。
このとき、遊技機100の近傍に設置されたカメラ102~104を用いて顔画像が撮影される対象者は、例えば、入場後に遊技場内に設置された複数のカメラ60~62を用いて撮影された画像を用いて、人物特定部12によって特定された入場者であってもよい。これにより、入場時に目星をつけておいた入場者を追跡して顔画像を取得することで、不正入場候補者であるか否かを適切に判定することができる。
【0191】
また、遊技機100の近傍に設置されたカメラ102,103による顔画像の撮影は、例えば、遊技機100が操作してアウト球カウンタ105において遊技媒体を検出したことをトリガとして行われてもよい。その他、遊技機100の操作具を操作したこと、イン球カウンタにおいて遊技媒体を検出したこと、あるいは、遊技機100の座席に人が着座したことを、人感センサ等を用いて検知したこと等をトリガとして、顔画像の撮影が行われてもよい。
【0192】
さらに、台間機110に設置されたカメラ104による顔画像の撮影は、入場者が台間機110にお金あるいはプリペイドカード等を挿入したことを入金検出部106が検知したことをトリガとして行われてもよい。
以上の撮影タイミングで顔画像を撮影することにより、入場者の顔画像を略正面から撮影して、顔認証の精度を向上させることができる。
【0193】
次に、ステップS212では、例えば、各遊技機100の前に着座した入場者の顔画像を、カメラ102~104を用いて撮影する。そして、撮影された顔画像は、即座に、カメラ102~104から入場管理装置10へと送信され、入場管理装置10の画像取得部11がこれを受信する。
次に、ステップS213では、入場管理装置10の顔検出部13が、画像取得部11において取得された顔画像に含まれる顔らしき部分を検出する。
【0194】
次に、ステップS214では、顔検出部13によって顔らしき部分が検出されたか否かを判定する。ここで、顔らしき部分が検出されると、ステップS214へ進む。一方、顔らしき部分が検出されなかった場合には、ステップS212へ戻り、例えば、カメラ102~104を用いて顔画像を再撮影する。
次に、ステップS215では、入場管理装置10の顔向き器官検出部14aが、顔らしき部分から顔の向きおよび顔の器官を検出する。
【0195】
次に、ステップS216では、入場管理装置10の顔品質評価部14bが、顔向き器官検出部14aにおいて検出された顔の向きおよび器官の有無に応じて、その顔画像が判定部17による同一人物であるか否かの判定に耐え得る品質であるか否かを判定する。
次に、ステップS217では、顔品質評価部14bにおける評価が、顔品質OKであるか否かを判定する。ここで、顔品質OKの場合には、ステップS218へ進む。一方。顔品質がNGの場合には、ステップS212へ戻り、例えば、カメラ102~104を用いて顔画像を再撮影する。
【0196】
次に、ステップS218では、顔品質OKと判定された顔画像が、記憶部16の顔画像データベースに保存される。
次に、ステップS219では、顔照合部15が、記憶部16の辞書データ16aとして保存されている過去に登録された不正入場候補者の顔画像と、各遊技機100の前で撮影された入場者の顔画像とを照合する。
【0197】
次に、ステップS220では、ステップS219における顔画像の照合の結果、一致するか否か、すなわち、過去に登録された不正入場候補者の顔画像と、遊技場への入場後に遊技機100の前で撮影された入場者の顔画像とを照合して両者が同一人物であるか否かを判定する。ここで、一致すると判定された場合には、ステップS221へ進み、一致しないと判定された場合には、問題なしと判断され、次の入場者の顔認証処理に進むために、ステップS211へ戻る。
【0198】
次に、ステップS221では、ステップS220の判定において、過去に登録された不正入場候補者の顔画像と入場後に撮影された入場者の顔画像とが一致したため、不正入場行為者フラグをONにする。
次に、ステップS222では、不正入場候補者としての登録回数が所定の閾値Th1よりも多いか否かを判定する。
【0199】
ここで、不正入場候補者として登録されている回数が、既に閾値Th1よりも多い場合には、ステップS223へ進み、遊技場の管理者、店舗スタッフ等へ報知を行う。これにより、管理者および店舗スタッフ等は、過去に不正入場候補者として登録された履歴のある人物に対して、不正入場行為の常習者として退場を促す、注意する等の対応を採ることができる。
【0200】
一方、所定の閾値Th1以下の回数である場合には、管理者および店舗スタッフ等への報知はせず、不正入場候補者としてのフラグをONにしただけで処理を終了し、次の入場者の顔認証処理を行うためにステップS211へ戻る。
入場後の顔認証処理では、以上のように、ステップS211からステップS223までの処理を、例えば、設定が高い遊技機100の席に着座した入場者全員に対して繰り返し実施する。
【0201】
<入場後のすり替わりの検出処理>
さらに、本実施形態の入場管理装置10では、入場時には、抽選等を経た適正な入場であったにもかかわらず、例えば、入場後に確保した設定の高い遊技機100の座席を、遅れて入場した第三者に譲り渡す、いわゆる、すり替わりによる不正入場者を検出する処理について、図25に示すフローチャートに従って実施する。
【0202】
すなわち、ステップS311では、遊技場への入場後、例えば、設定が高い特定の遊技機100の前に着座した入場者全員の処理が完了するまで、処理を継続するか否かを判定する。
次に、ステップS312では、例えば、各遊技機100の前に着座した入場者の顔画像を、カメラ102~104を用いて撮影する。そして、撮影された顔画像は、即座に、カメラ102~104から入場管理装置10へと送信され、入場管理装置10の画像取得部11がこれを受信する。
【0203】
次に、ステップS313では、入場管理装置10の顔検出部13が、画像取得部11において取得された顔画像に含まれる顔らしき部分を検出する。
次に、ステップS314では、顔検出部13によって顔らしき部分が検出されたか否かを判定する。ここで、顔らしき部分が検出されると、ステップS314へ進む。一方、顔らしき部分が検出されなかった場合には、ステップS312へ戻り、例えば、設定が高い遊技機100の近傍に設置されたカメラ102~104を用いて顔画像を再撮影する。
【0204】
次に、ステップS315では、入場管理装置10の顔向き器官検出部14aが、顔らしき部分から顔の向きおよび顔の器官を検出する。
次に、ステップS316では、入場管理装置10の顔品質評価部14bが、顔向き器官検出部14aにおいて検出された顔の向きおよび器官の有無に応じて、その顔画像が判定部17による同一人物であるか否かの判定に耐え得る品質であるか否かを判定する。
【0205】
次に、ステップS317では、顔品質評価部14bにおける評価が、顔品質OKであるか否かを判定する。ここで、顔品質OKの場合には、ステップS318へ進む。一方。顔品質がNGの場合には、ステップS312へ戻り、例えば、設定が高い遊技機100の近傍に設置されたカメラ102~104を用いて顔画像を再撮影する。
次に、ステップS318では、顔品質OKと判定された顔画像が、記憶部16の顔画像データベースに保存される。
【0206】
次に、ステップS319では、特定の遊技機100の前に着座した入場者の顔画像を最初に取得してから所定時間が経過するまで待機する。
なお、予め設定される所定時間としては、例えば、5分~30分の範囲で管理者等によって自由に設定される。
次に、ステップS320では、ステップS319において所定時間が経過した後、同じ遊技機100に着座した入場者の顔画像を再撮影する。
【0207】
次に、ステップS321では、入場管理装置10の顔検出部13が、画像取得部11において取得された顔画像に含まれる顔らしき部分を検出する。
次に、ステップS322では、顔検出部13によって顔らしき部分が検出されたか否かを判定する。ここで、顔らしき部分が検出されると、ステップS323へ進む。一方、顔らしき部分が検出されなかった場合には、ステップS320へ戻り、再度、同じ遊技機100の近傍に設置されたカメラ102~104を用いて顔画像を再撮影する。
【0208】
次に、ステップS323では、入場管理装置10の顔向き器官検出部14aが、顔らしき部分から顔の向きおよび顔の器官を検出する。
次に、ステップS324では、入場管理装置10の顔品質評価部14bが、顔向き器官検出部14aにおいて検出された顔の向きおよび器官の有無に応じて、その顔画像が判定部17による同一人物であるか否かの判定に耐え得る品質であるか否かを判定する。
【0209】
次に、ステップS325では、顔品質評価部14bにおける評価が、顔品質OKであるか否かを判定する。ここで、顔品質OKの場合には、ステップS326へ進む。一方。顔品質がNGの場合には、ステップS320へ戻り、同じ遊技機100の近傍に設置されたカメラ102~104を用いて顔画像を再撮影する。
次に、ステップS326では、顔品質OKと判定された顔画像が、記憶部16の顔画像データベースに保存される。
【0210】
次に、ステップS327では、同じ遊技機100に着座した入場者の所定時間経過前(例えば、入場直後)に撮影された顔画像と、所定時間(例えば、15分)経過後に撮影された顔画像とを照合する。
次に、ステップS328では、ステップS327における顔画像の照合の結果、一致するか否か、すなわち、所定時間経過前と経過後に撮影された2つの顔画像を照合して両者が同一人物であるか否かを判定する。ここで、一致すると判定された場合には、問題なしと判断され、次の入場者の顔認証処理に進むために、ステップS311へ戻り、一致しないと判定された場合には、入場後に遅れて入場した入場者とすり替わりの可能性があると判断し、ステップS329へ進む。
【0211】
なお、ここで判定される所定時間経過前の顔画像は、抽選等を経て適正に入場した人物の顔画像であって、入場前にその適正に入場した人物を撮影された顔画像と一致する顔画像である。
次に、ステップS329では、ステップS328の判定において、所定時間経過前後における人物が別人物に入れ替わっているため、その前後の顔画像の人物について不正入場行為者フラグをONにする。
【0212】
次に、ステップS330では、不正入場候補者としての登録回数が所定の閾値Th1よりも多いか否かを判定する。
ここで、不正入場候補者として登録されている回数が、既に閾値Th1よりも多い場合には、ステップS331へ進み、遊技場の管理者、店舗スタッフ等へ報知を行う。これにより、管理者および店舗スタッフ等は、過去に不正入場候補者として登録された履歴があり、遅れて入場して設定の高い遊技機100を譲り受けた人物に対して、不正入場行為の常習者として退場を促す、注意する等の対応を採ることができる。
【0213】
一方、所定の閾値Th1以下の回数である場合には、管理者および店舗スタッフ等への報知はせず、不正入場候補者としてのフラグをONにしただけで処理を終了し、次の入場者の顔認証処理を行うためにステップS311へ戻る。
入場後の顔認証処理では、以上のように、ステップS311からステップS331までの処理を、例えば、設定が高い遊技機100の席に着座した入場者全員に対して繰り返し実施する。
【0214】
<辞書データの更新処理>
本実施形態の入場管理装置(第1入場管理装置)10では、以上のような処理によって記憶部16に保存された辞書データを、例えば、1つの遊技場内に設置された他の入場管理装置(第2入場管理装置)、あるいは複数の遊技場に設置された他の入場管理装置(第2入場管理装置)間で共有するために、図26および図27に示すフローチャートに従って辞書共有処理を行う。
【0215】
すなわち、図26に示すように、ステップS341では、記憶部16に保存された辞書データ16aを参照して、辞書データの追加の有無を確認する。
次に、ステップS342では、辞書データの追加の有無を判定する。ここで、追加ありと判定されるとステップS343へ進み、追加なしと判定されると処理を終了する。
次に、ステップS343では、ステップS342において辞書データの追加ありと判定されたため、追加された辞書データを、例えば、他の入場管理装置10あるいは他の遊技場の入場管理装置10へ送信する。
【0216】
次に、ステップS344では、追加された辞書データを記憶部16へ保存する。
次に、ステップS345では、追加された辞書データが全て記憶部16に保存されたか否かを判定する。ここで、全て保存されたと判定されると、処理を終了し、まだ未保存の辞書データがあると判定されると、ステップS344へ戻る。
そして、図26に示すフローを実施した入場管理装置(第1入場管理装置)10から追加された辞書データを送信された他の入場管理装置(第2入場管理装置)では、図27に示すフローチャートに従って辞書共有処理を行う。
【0217】
すなわち、ステップS351では、追加された辞書データ数を受信する。
次に、ステップS352では、辞書データの追加の有無を判定する。ここで、追加された辞書データがあると判定されると、ステップS352へ進み、追加された辞書データなしと判定されると処理を終了する。
次に、ステップS353では、入場管理装置(第1入場管理装置)10から、追加された辞書データを受信する。
【0218】
次に、ステップS354では、受信した追加された辞書データを記憶部16に保存する。
次に、ステップS355では、追加された辞書データを全て受信したか否かを判定する。ここで、全ての辞書データを受信したと判定されると、ステップS356へ進み、まだ未受信の辞書データがあると判定されると、ステップS354へ戻る。
次に、ステップS356では、追加された全ての辞書データを記憶部16に保存し、不正入場候補者のデータを登録する。
【0219】
<主な特徴>
本実施形態の入場管理装置10は、遊技場へ入場後の入場者を管理する装置であって、画像取得部11と、顔検出部13と、顔照合部15と、判定部17と、登録部18と、を備えている。画像取得部11は、遊技場への入場前にカメラ21等によって撮影された第1人物の顔を含む第1画像を取得するとともに、遊技場への入場後に遊技場内においてカメラ60~62,102~104によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する。顔検出部13は、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔の部分を検出する。顔照合部15は、顔検出部13において検出された第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔を比較する。判定部17は、顔照合部15における比較の結果に基づいて、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が同一人物であるか否かを判定する。登録部18は、判定部17における判定の結果、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が別人物であると判定されると、第1人物および第2人物を不正入場候補者として登録する。
【0220】
これにより、遊技場への入場前(整理券配布時、抽選時、入場時)において撮影された第1画像と、入場後に遊技場内において撮影された第2画像とを比較して、別人に入れ替わっていることを検出し、入れ替わる前後の人物(第1人物および第2人物)を不正入場候補者として登録することで、不正入場者の可能性がある人物を管理することができる。
この結果、遊技場への入場後に、第1人物が確保した遊技機100の座席を、第三者である第2人物へ譲る等の不正行為を行った可能性がある人物の常習性等を適切に把握して管理することができる。
【0221】
また、本実施形態の入場管理装置10は、遊技場へ入場後の入場者を管理する装置であって、画像取得部11と、顔検出部13と、顔照合部15と、判定部17と、登録部18とを備えている。画像取得部11は、過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像を取得するとともに、遊技場への入場後に遊技場内においてカメラ60~62,102~104によって撮影された第2人物の顔を含む第2画像を取得する。顔検出部13は、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔の部分を検出する。顔照合部15は、顔検出部13において検出された第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物の顔を比較する。判定部17は、顔照合部15における比較の結果に基づいて、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が同一人物であるか否かを判定する。登録部18は、判定部17における判定の結果、第1画像および第2画像に含まれる第1人物および第2人物が同一人物であると判定されると、第2人物を不正入場候補者として登録する。
【0222】
これにより、過去に不正入場候補者として登録された第1人物の顔を含む第1画像と、遊技場へ入場した人物の顔を含む第2画像とを比較して、過去に不正入場候補者として登録された人物と同一人物を、遊技場への入場者の中から検出した場合には、その人物を不正入場候補者として再度登録することで、不正入場の常連者の可能性がある人物を管理することができる。
この結果、遊技場への入場後に、不正入場の常連者である可能性がある人物の常習性等を適切に把握して管理することができる。
【0223】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0224】
(A)
上記実施形態では、入場管理装置10およびこれを備えた入場管理システム1として、本発明を実現した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図14図26のフローチャートに示した入場管理方法を、コンピュータに実行させる入場管理プログラムとして、本発明を実現してもよい。
【0225】
この入場管理プログラムは、入場管理装置に搭載されたメモリ(記憶部)に保存されており、CPUがメモリに保存された入場管理プログラムを読み込んで、ハードウェアに各ステップを実行させる。より具体的には、CPUが入場管理プログラムを読み込んで、上述した画像取得部、顔検出部、顔照合部、判定部、登録部等の各構成を形成することで、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、入場管理プログラムを保存した記録媒体として実現されてもよい。
【0226】
(B)
上記実施形態では、入場後の顔画像と照合される入場前の顔画像の情報を、遊技場に入場する前の抽選参加券配布時、抽選時、入場時にカメラ21によって撮影された顔画像を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、予め過去に不正入場候補者として登録された情報を入場前の情報として用いて、入場後に撮影された顔画像と照合してもよい。
【0227】
(C)
上記実施形態では、管理者が使用するPCを、入場管理装置10として用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図1に示すタブレット端末を、入場管理装置として用いてもよい。
この場合には、遊技場内に設置された複数のカメラによって撮影された顔画像を、タブレット端末が受信して入場前に撮影された画像と照合することで、タブレット端末を、入場管理装置として機能させることができる。
【0228】
(D)
上記実施形態では、遊技場への入場前に、3段階(抽選前、抽選時、入場時)で顔画像を取得して検出された不正入場候補者を登録する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0229】
例えば、遊技場への入場前に、2段階で顔画像を取得して、不正入場候補者であるか否かを判定してもよい。
具体的には、入場前に整理券を配布して、その整理券の番号順に入場させる場合には、整理券配布時と入場時とで撮影された顔画像を比較して、不正入場候補者であるか否かを判定してもよい。つまり、抽選のない入場時の管理にも、本発明を適用することができる。
【0230】
また、抽選前の抽選参加券の配布がなく、抽選によって決定した入場順で入場させる場合には、抽選時と入場時とで撮影された顔画像を比較して、不正入場候補者であるか否かを判定してもよい。
なお、遊技場への入場前に、4段階以上で顔画像を取得して、不正入場候補者であるか否かを判定してもよい。
【0231】
(E)
上記実施形態では、入場前に入場者の顔画像を取得して不正入場候補者の判定を行う入場管理装置10が、入場後に遊技場の内部において撮影された入場者の顔画像を取得して不正入場候補者の判定を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、入場前に入場者の顔画像を取得して不正入場候補者の判定を行う第1入場管理装置と、入場後に入場者の顔画像を取得して不正入場候補者の判定を行う第2入場管理装置とが別の装置として設けられてもよい。
【0232】
(F)
上記実施形態では、遊技機100に着座した入場者の顔画像を撮影するために、遊技機100の上部の台表示ランプ101に設置されたカメラ102、遊技機100の内部に設置されたカメラ103、台間機110に設置されたカメラ104を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、遊技機に着座した入場者の顔画像を撮影するためのカメラとして、上記カメラ102~104のいずれか1つあるいは2つを用いてもよい。
【0233】
(G)
上記実施形態では、入場前に配布される抽選参加券(整理券)および抽選時に付与される入場順番券に付されたバーコードを、バーコードリーダ40によって読み込むことで、抽選前および抽選時に撮影された顔画像を読み出して、入場時に撮影された顔画像と比較する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、バーコードの代わりに、数字、記号等の識別記号等が付された抽選参加券(整理券)および入場順番券を付与し、それを読み込む装置を用いてもよい。
【0234】
(H)
上記実施形態では、顔画像を用いて同一人物であるか否かを判定する際に、顔向き検出部および顔器官検出部が、それぞれ顔の向きおよび顔の器官を検出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、同一人物であるか否かの判定については、顔の向きおよび顔の器官の検出結果に基づく比較以外に、他の比較方法を用いてもよい。
【0235】
(I)
上記実施形態では、顔画像等を保存する記憶部16が、入場管理装置10内に設けられた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、カメラによって撮影された顔画像が、入場管理装置の外部に設けられたサーバ装置、クラウド空間等に保存されており、画像取得部が、サーバ装置やクラウド空間から顔画像を取得する構成であってもよい。
【0236】
(J)
上記実施形態では、入場管理装置10と、タブレット端末20(カメラ21)と、発券機30と、遊技場内に設置された遊技機100、台間機110、複数のカメラ60~62,102~104とが互いに無線LAN等の無線通信回線2を介して互いに接続されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、無線通信回線として、Wi-Fi(登録商標)等の無線LANの代わりに、Bluetooth(登録商標)等の他の無線通信手段を使用してもよい。あるいは、入場管理装置と撮像装置と発券機とが、有線通信を介して互いに接続された構成であってもよい。
【0237】
(K)
上記実施形態では、不正入場候補者として登録された回数が所定の閾値より大きくなると、施設の管理者あるいは店舗のスタッフ等へ不正入場者が来場していることを報知する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、不正入場候補者として登録されると、即座に、施設の管理者等へ不正入場者が来場していることを報知してもよい。
すなわち、不正入場候補者を管理者等へ報知する閾値が、“0”に設定されていてもよい。
【0238】
(L)
上記実施形態では、カメラ21、遊技場内に設置された複数のカメラ60~62,102~104によって撮影された顔画像に含まれる顔の部分が同一人物であるか否かを判定するために必要な品質を確保しているか否かを顔品質評価部14bが判定するために、顔向き器官検出部14aによって検出された顔の向きおよび顔の器官を用いる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0239】
例えば、顔画像中に顔の器官が全て揃っているか否かだけを判定して、顔画像の品質評価を行ってもよい。すなわち、本発明において、顔の向きおよび顔の器官の両方を顔品質の判定の条件とすることは必須ではなく、いずれか一方だけを用いて顔品質の評価を行ってもよい。
【0240】
(M)
上記実施形態では、顔向き器官検出部14aにおいて、顔画像に含まれる顔の向きおよび器官を検出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、顔の向きを検出する顔向き検出部と、顔の器官を検出する顔器官検出部とを別々の構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0241】
本発明の入場管理装置は、遊技場へ入場した後の入場者の不正行為を適切に把握して管理することができるという効果を奏することから、各種施設等への入場者の管理を行う装置およびシステムに対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0242】
1 入場管理システム
2 無線通信回線
10 入場管理装置
10a 表示部
11 画像取得部
12 人物特定部
13 顔検出部
14a 顔向き器官検出部
14b 顔品質評価部
15 顔照合部
16 記憶部
16a 辞書データ
17 判定部
18 登録部
19 報知部
20 タブレット端末
21 カメラ(第1撮像装置)
30 発券機
31 発券ボタン
32 レシート
40 バーコードリーダ
50 プリンタ
60,60a~60c カメラ(第2撮像装置)
61,61a~61c カメラ(第2撮像装置)
62,62a~62d カメラ(第2撮像装置)
100,100a~100c 遊技機
101,101a~101c 台表示ランプ
102~104 カメラ(第2撮像装置)
105 アウト球カウンタ
106 入金検出部
110,110a,110b 台間機
120a~120c 出入口
121a~121d 島設備
122a 計数機
122b 貸出機
122c 精算販売機
P1 入場者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
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