(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システム、応答通知方法及び応答通知プログラム
(51)【国際特許分類】
G10L 15/28 20130101AFI20241217BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20241217BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241217BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241217BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241217BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G10L15/28 230K
G10L15/00 200Z
B41J29/38 202
B41J29/42 F
B41J29/38 301
G03G21/00 388
H04N1/00 350
H04N1/00 127Z
(21)【出願番号】P 2020111551
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝田 長生
(72)【発明者】
【氏名】御子柴 祐介
【審査官】菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-256178(JP,A)
【文献】特開2020-087383(JP,A)
【文献】特開2020-096311(JP,A)
【文献】特開2014-232969(JP,A)
【文献】特開2008-158808(JP,A)
【文献】特開2008-026945(JP,A)
【文献】特開2006-352845(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0115845(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 15/00-15/34
G06F 1/00- 3/16,
13/00-15/82
B41J 2/00- 3/60,
29/00-29/70
G03G 13/00-21/20
H04Q 9/00- 9/16
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置を介して入力された画像形成条件の設定指示の受信後、前記設定指示に応じた
設定処理を実行する処理実行部と、
前記
設定処理の実行終了に応じた第1通知を前記外部装置に行う第1通知部と、
前記第1通知に関して前記外部装置に設定されるタイムアウト時間前に、前記
設定処理の実行が終了しないと推測される場合、前記第1通知とは異なる第2通知を前記外部装置に行う第2通知部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記処理実行部は、前記
設定処理
を実行する際に、前記設定指示の内容を前記画像形成装置の表示部に表示する処理を
実行する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記処理実行部は、前記
設定処理
を実行する際に、前記設定指示の内容に禁止された内容があるかどうかを判定する禁則処理を
実行する、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2通知部は、前記第2通知として、処理中である旨の通知を前記外部装置に行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2通知部は、前記
設定処理の実行開始からの処理時間を計測し、前記処理時間が前記タイムアウト時間より所定時間短く設定された待ち時間を超えるとき、前記第2通知を前記外部装置に行う、
請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2通知部は、前記第2通知を前記外部装置に行った後、前記処理時間を0にリセットし、前記リセットからの前記
設定処理の処理時間を計測し、計測された前記処理時間が前記待ち時間を超えるとき、前記第2通知を前記外部装置に行う、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1通知部は、前記
設定処理の実行終了後、前記第1通知を前記外部装置に行う、
請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成装置と、前記外部装置と、を備える画像形成システムにおいて、
前記外部装置は、ユーザーからの音声指示を入力するスマートスピーカーを有する、
画像形成システム。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成装置と、前記外部装置と、を備える画像形成システムにおいて、
前記外部装置は、
ユーザーからの音声指示を入力するスマートスピーカーと、
前記スマートスピーカーに入力された前記音声指示を前記画像形成装置に出力し、前記画像形成装置から通知された前記第1及び第2通知を前記スマートスピーカーに送信するサーバーと、
を有する、
画像形成システム。
【請求項10】
画像形成装置における応答通知方法であって、
外部装置を介して入力された画像形成条件の設定指示の受信後、前記設定指示に応じた
設定処理を実行するとき、前記
設定処理の実行終了に応じた第1通知を前記外部装置に行い、
前記第1通知に関して前記外部装置に設定されるタイムアウト時間前に、前記
設定処理の実行が終了しないと推測される場合、前記第1通知とは異なる第2通知を前記外部装置に行う、
応答通知方法。
【請求項11】
コンピューターに、
外部装置を介して入力された画像形成条件の設定指示の受信後、前記設定指示に応じた
設定処理を実行するとき、前記
設定処理の実行終了に応じた第1通知を前記外部装置に行う第1通知処理と、
前記第1通知に関して前記外部装置に設定されるタイムアウト時間前に、前記
設定処理の実行が終了しないと推測される場合、前記第1通知とは異なる第2通知を前記外部装置に行う第2通知処理と、
を実行させる応答通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム、応答通知方法及び応答通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーが音声を入力して指示することにより、コピー、スキャン、プリント、FAXなどの複数の機能を音声で操作することができるMFP(Multi-Function Peripheral)などの画像形成装置が知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
また、現在、多くの種類のスマートスピーカーが実用化されている。スマートスピーカーは、ユーザーの音声を取得し、取得した音声に対応する応答を音声として出力したり、取得した音声に対応する動作を、クラウドサーバーを介して、外部の機器などへ指示したりすることができる。
【0004】
上述した画像形成装置とスマートスピーカーとを接続する場合には、クラウドサーバーを介して、画像形成装置にユーザーの音声指示を送信して、画像形成装置を音声で操作することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、クラウドサーバーは、その応答動作のため、ユーザーの音声指示を画像形成装置に送信した後、画像形成装置からクラウドサーバーへ一定時間(例えば、5~7秒)応答がないと、タイムアウトになる仕様となっている場合あった。
【0007】
このような仕様の場合、ユーザーの音声指示を画像形成装置に送信したとき、画像形成装置で音声指示に対する処理に時間がかかり、画像形成装置からクラウドサーバーへ一定時間内に応答できないと、クラウドサーバーはタイムアウトとなってしまう。
【0008】
例えば、画像形成装置に画像形成の設定(例えば、用紙の選択など)を入力する場合、ユーザーが操作画面から直接入力する場合も、ユーザーがスマートスピーカーから音声入力する場合も、操作画面上で入力処理を行っている。そのため、スマートスピーカーから音声入力する場合は、操作画面上での設定の入力処理が終わるまで、画像形成装置からクラウドサーバーへの応答が遅れることになる。特に、入力された設定により、エラー(選択できない用紙を選択するなど)が発生したり、禁則処理(選択できない入力値かどうかの確認)が必要だったりする場合、その処理時間が長くなるため、画像形成装置からクラウドサーバーへの応答が遅れることになる。
【0009】
このように、スマートスピーカーから画像形成装置を音声操作する場合、音声操作により入力する設定の内容によっては、クラウドサーバーがタイムアウトとなってしまうことがある。このような場合、例えば、クラウドサーバーのタイムアウトにより、音声操作が中断して、その後の音声操作を継続できなくなるおそれがある。また、例えば、クラウドサーバーのタイムアウトにより、最初から操作し直すことになり、音声操作による操作性が悪化するおそれがある。
【0010】
本発明の目的は、外部装置から音声操作する場合において、外部装置のタイムアウトを回避可能な画像形成装置、画像形成システム、応答通知方法及び応答通知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、
外部装置を介して入力された画像形成条件の設定指示の受信後、前記設定指示に応じた設定処理を実行する処理実行部と、
前記設定処理の実行終了に応じた第1通知を前記外部装置に行う第1通知部と、
前記第1通知に関して前記外部装置に設定されるタイムアウト時間前に、前記設定処理の実行が終了しないと推測される場合、前記第1通知とは異なる第2通知を前記外部装置に行う第2通知部と、
を備える。
本発明に係る画像形成システムは、
上記の画像形成装置と、前記外部装置と、を備える画像形成システムにおいて、
前記外部装置は、ユーザーからの音声指示を入力するスマートスピーカーを有する、
画像形成システム。
本発明に係る画像形成システムは、
上記の画像形成装置と、前記外部装置と、を備える画像形成システムにおいて、
前記外部装置は、
ユーザーからの音声指示を入力するスマートスピーカーと、
前記スマートスピーカーに入力された前記音声指示を前記画像形成装置に出力し、前記画像形成装置から通知された前記第1及び第2通知を前記スマートスピーカーに送信するサーバーと、
を有する、
画像形成システム。
【0012】
本発明に係る応答通知方法は、
画像形成装置における応答通知方法であって、
外部装置を介して入力された画像形成条件の設定指示の受信後、前記設定指示に応じた設定処理を実行するとき、前記設定処理の実行終了に応じた第1通知を前記外部装置に行い、
前記第1通知に関して前記外部装置に設定されるタイムアウト時間前に、前記設定処理の実行が終了しないと推測される場合、前記第1通知とは異なる第2通知を前記外部装置に行う。
【0013】
本発明に係る応答通知プログラムは、
コンピューターに、
外部装置を介して入力された画像形成条件の設定指示の受信後、前記設定指示に応じた設定処理を実行するとき、前記設定処理の実行終了に応じた第1通知を前記外部装置に行う第1通知処理と、
前記第1通知に関して前記外部装置に設定されるタイムアウト時間前に、前記設定処理の実行が終了しないと推測される場合、前記第1通知とは異なる第2通知を前記外部装置に行う第2通知処理と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、外部装置から音声操作する場合において、外部装置のタイムアウトを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムの概略構成を説明するブロック図である。
【
図2】
図1に示した画像形成システムにおいて、操作パネルから直接指示する場合の手順を説明するシーケンス図である。
【
図3】
図1に示した画像形成システムにおいて、音声指示に対する応答遅れはないが、エラーがある場合の手順を説明するシーケンス図である。
【
図4】
図1に示した画像形成システムにおいて、音声指示に対する応答遅れがあり、エラーがある場合の手順を説明するシーケンス図である。
【
図5】
図1に示した画像形成システムにおいて、音声指示に対する応答遅れがあり、エラーがない場合の手順を説明するシーケンス図である。
【
図6】画像形成装置における制御手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態の画像形成システム1の概略構成を説明するブロック図である。画像形成システム1は、画像形成装置10と、ネットワーク20と、音声入出力装置30と、サーバー40とを備えている。画像形成装置10は、ネットワーク20を介して、音声入出力装置30やサーバー40と接続されている。
【0018】
画像形成装置10は、コピー、スキャン、プリント、FAXなどの複数の処理機能を備えたMFPであり、ネットワーク部11、スキャナ部12、プリンタ部13、FAX部14を備える。
【0019】
ネットワーク部11は、LAN(Local Area Network)や電話回線などのネットワーク20を介して、音声入出力装置30やサーバー40との間で各種の情報を送受信する通信処理を行う。ネットワーク20は、LANや電話回線に限らず、WAN(Wide Area Network)などでもよく、また、無線、有線を問わない。
【0020】
スキャナ部12は、原稿を光学的に読み取って画像データを作成し、画像のスキャン処理を行う。スキャナ部12は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置を備えていてもよい。その場合、ユーザーがADFの原稿トレイに多数枚の原稿をセットすると、原稿を1枚ずつ自動搬送し、原稿の画像を連続して一挙にスキャン処理することができる。
【0021】
プリンタ部13は、スキャナ部12で読み取った画像データや外部装置からの印刷用の画像データに基づいて、印刷用紙などのシート材に印刷し、画像のプリント処理を行う。例えば、コピーを行う場合には、スキャナ部12を用いて原稿をスキャンし、プリンタ部13を用いてシート材に印刷を行う。印刷方式としては、レーザー方式やインクジェット方式などの公知のどのような印刷方式も適用可能である。
【0022】
FAX部14は、電話回線などのネットワーク20を介して、スキャナ部12で読み取った画像データの送信や外部から送信された画像データの受信を行い、画像のFAX処理を行う。
【0023】
また、画像形成装置10は、制御部15(コンピューター)、操作パネル16(表示部)などを備える。
【0024】
制御部15は、詳細な図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーと、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリなどを備えている。この制御部15が、操作パネル16からの入力や音声入出力装置30及びサーバー40からの入力に基づいて、上述したネットワーク部11、スキャナ部12、プリンタ部13、FAX部14を制御する。また、この制御部15は、操作パネル16の制御も行っている。
【0025】
操作パネル16も、詳細な図示は省略するが、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置と表示装置の前面に取り付けられた透明なタッチパッドや入力ボタンなどを有する入力装置とから構成されている。タッチパッドや入力ボタンを用いて、操作パネル16に入力された操作指示情報(コマンド)が制御部15に入力される。
【0026】
音声入出力装置30は、音声を入出力する装置である。音声入出力装置30も、詳細な図示は省略するが、マイク、スピーカー、ネットワーク部、制御部などを有する。
【0027】
マイクは、外部から音声が入力されると、音声を電気信号として制御部へ出力する。スピーカーは、制御部から入力された電気信号を音声として外部に出力する。ネットワーク部は、ネットワーク20を介して、画像形成装置10やサーバー40との間で各種の情報を送受信する通信処理を行う。制御部は、マイクから入力された音声の電気信号を符号化して音声データとし、ネットワーク部を介して、サーバー40へ音声データを送信する。また、制御部は、ネットワーク部を介して、サーバー40から送信された音声データを受信し、音声データを電気信号に変換して、スピーカーへ出力する。
【0028】
サーバー40は、詳細な図示は省略するが、CPUなどのプロセッサーと、RAM、ROMなどのメモリなどを備えている。サーバー40は、ネットワーク部41、制御部42などを有する。
【0029】
ネットワーク部41は、ネットワーク20を介して、画像形成装置10や音声入出力装置30との間で各種の情報を送受信する通信処理を行う。
【0030】
制御部42は、音声入出力装置30から送信された音声データを操作指示情報(コマンド)に変換する音声認識処理を行う。制御部42における音声認識処理は、公知のどのような方法も適用可能である。また、制御部42は、音声認識処理により得られたコマンドに対応する処理、例えば、音声入出力装置30への応答処理や画像形成装置10へのコマンドの送信を行う。例えば、音声入出力装置30に画像形成装置10での処理を指示する音声が入力されると、その音声の音声データをコマンドに変換し、コマンドを画像形成装置10へ送信する。このような制御部42における処理は、例えば、サーバー40上のアプリケーションとして提供される。
【0031】
上述した音声入出力装置30は、所謂、スマートスピーカーとして機能し、また、サーバー40は、ユーザーが音声入出力装置30から入力した音声に応答したり、画像形成装置10への指示を行ったりするクラウドサーバーとして機能する。
【0032】
従って、ユーザーが音声による操作指示(音声指示)を音声入出力装置30から入力すると、サーバー40は、音声指示の音声データをコマンドに変換して、画像形成装置10へ送信する。そして、画像形成装置10は、サーバー40から送信されたコマンドに対応する処理を行うことになる。つまり、画像形成システム1においては、音声操作により、画像形成装置10を操作することができる。
【0033】
ところで、サーバー40は、その応答動作のため、ユーザーの音声指示を画像形成装置10に送信した後、画像形成装置10からサーバー40へ一定時間応答がないと、タイムアウトになる仕様となっている場合ある。
【0034】
このような仕様の場合、ユーザーの音声指示を画像形成装置10に送信したとき、画像形成装置10で音声指示に対する処理に時間がかかり、画像形成装置10からサーバー40へ一定時間内に応答できないと、サーバー40はタイムアウトとなってしまう。
【0035】
そこで、本実施の形態において、画像形成装置10は、外部装置を介して入力した指示(音声指示)に応じて処理を実行する処理実行部と、処理の実行終了に応じた第1通知を外部装置に行う第1通知部とを備えるようにしている。また、画像形成装置10は、第1通知に関して外部装置に設定されるタイムアウト時間前に、処理の実行が終了しないと推測される場合、第1通知とは異なる第2通知を外部装置に行う第2通知部を備えるようにしている。
【0036】
本実施の形態において、外部装置は、音声入出力装置30及びサーバー40である。なお、音声入出力装置30がサーバー40の機能を有する構成であれば、外部装置は、音声入出力装置30であってもよい。
【0037】
処理実行部、第1通知部及び第2通知部は、各々、制御部15の1つの機能として備えられている。例えば、処理実行部、第1通知部及び第2通知部は、制御部15で実行されるプログラムとして備えられている。
【0038】
処理実行部は、音声入出力装置30及びサーバー40を介して入力した音声指示に応じて画像形成装置10での処理を実行する。例えば、画像形成装置10に画像形成の設定(例えば、用紙の選択など)を音声指示により入力した場合、処理実行部は、操作パネル16の操作画面上で画像形成の設定の入力処理を実行する。
【0039】
また、第1通知部は、画像形成装置10での処理の実行終了に応じた第1通知を音声入出力装置30及びサーバー40に行う(第1通知処理)。例えば、上述したように、処理実行部が画像形成の設定の入力処理を実行し、その入力処理がエラーなく終了した場合には、その実行終了に応じて、「設定しました」との旨の第1通知を音声入出力装置30及びサーバー40に行う。
【0040】
また、第2通知部は、第1通知に関して音声入出力装置30及びサーバー40に設定されるタイムアウト時間前に、画像形成装置10での処理が終了するかどうかを推測する。そして、第2通知部は、画像形成装置10での処理がタイムアウト時間前に終了しないと推測される場合、第1通知とは異なる第2通知を音声入出力装置30及びサーバー40に行う(第2通知処理)。例えば、上述したように、処理実行部が画像形成の設定の入力処理を実行し、その入力処理がタイムアウト時間前に終了しないと推測される場合、「設定できません」との旨の第2通知を音声入出力装置30及びサーバー40に行う。
【0041】
ここで、まず、
図2を参照して、ユーザーが操作パネル16から直接指示する場合の応答の手順について説明する。
図2は、画像形成システム1において、操作パネル16から直接指示する場合の手順を説明するシーケンス図である。その後、上述した構成を有する画像形成装置10において、音声指示に対する応答の手順(応答通知方法及び応答通知プログラム)を
図3~
図5を参照して説明する。
【0042】
(ステップS1)
ユーザーは、操作パネル16において、操作画面から直接入力することにより、画像形成の設定として、「カラーモード」を選択する。
【0043】
(ステップS2)
操作パネル16は、ステップS1で「カラーモード」が選択されているので、「カラーモード」のコマンドを制御部15に入力する。
【0044】
(ステップS3)
制御部15は、画像形成装置10において、「カラーモード」を設定する処理を行う。
【0045】
(ステップS4)
制御部15は、画像形成装置10で「カラーモード」を設定できない場合、操作パネル16にエラーを出力する。例えば、画像形成装置10が、「カラーモード」に対応せず、「モノクロモード」に対応する装置である場合、制御部15は、画像形成装置10で「カラーモード」を設定できないと判定し、操作パネル16にエラーを出力する。
【0046】
(ステップS5)
操作パネル16は、制御部15から入力されたエラーを操作画面に表示する。例えば、操作画面に「設定できません」と表示する。
【0047】
(ステップS6)
操作パネル16は、操作画面に「設定できませんと」表示することで、この旨をユーザーに通知する。
【0048】
以上のように、ユーザーが画像形成の設定を操作パネル16の操作画面から直接入力する場合は、画像形成装置10での処理となるため、もし、設定処理に時間がかかる場合でも、操作が中断する訳ではない。
【0049】
次に、音声指示に対する応答の手順であって、応答遅れはないが、エラーがある場合の手順を、
図3を参照して説明する。
図3は、画像形成システム1において、音声指示に対する応答遅れはないが、エラーがある場合の手順を説明するシーケンス図である。
【0050】
(ステップS11)
ユーザーは、音声入出力装置30に向かって、「カラーモード」と音声で指示をする。このように、音声で指示する音声指示は、例えば、画像形成を行う条件の設定指示である。
【0051】
(ステップS12)
音声入出力装置30は、入力された音声を音声データに符号化して、サーバー40に送信する。
【0052】
(ステップS13)
サーバー40(制御部42)は、音声入出力装置30から送信された音声データの音声認識処理を行い、ステップS11で「カラーモード」と音声で指示されているので、「カラーモード」のコマンドを画像形成装置10の制御部15へ送信する。以降、サーバー40は、画像形成装置10と音声入出力装置30との間の応答制御を行うことになる。
【0053】
(ステップS14)
制御部15は、画像形成装置10において、「カラーモード」を設定する処理を行う。このとき、制御部15は、後述の
図6(ステップS64を参照)で説明するように、処理時間のタイマーT1の計測を開始する。また、制御部15は、この計測を開始するより前に、
図6(ステップS62を参照)で説明するように、サーバー40のタイムアウト時間に応じた応答待ち時間T0を設定している。応答待ち時間T0は、サーバー40のタイムアウト時間に応じて適宜に変更されるが、タイムアウト時間より短い時間が設定される。
【0054】
(ステップS15)
制御部15は、処理が終了し、画像形成装置10で「カラーモード」を設定できない場合、サーバー40にエラー(第1通知)を通知する。このときの処理時間のタイマーT1<T0である。つまり、応答待ち時間T0より前に、制御部15は、サーバー40にエラーを通知している。そのため、この場合、サーバー40はタイムアウトにはならない。また、ここでは、下記のステップS16よりも前に、つまり、処理終了の直後に、サーバー40にエラーを通知しており、処理開始からサーバー40にエラーを通知するまでの時間を短くして、タイムアウトにならないようにしている。
【0055】
(ステップS16)
制御部15は、画像形成装置10で「カラーモード」を設定できない場合、操作パネル16にエラーを出力する。
【0056】
(ステップS17)
操作パネル16は、制御部15から入力されたエラーを操作画面に表示する。例えば、操作画面に「設定できません」と表示する。
【0057】
(ステップS18)
サーバー40は、制御部15からのエラーの通知を受けて、「設定できません」との音声データを音声入出力装置30へ送信する。
【0058】
(ステップS19)
音声入出力装置30は、サーバー40から送信された「設定できません」との音声データを電気信号に変換し、音声入出力装置30のスピーカーへ出力し、そのスピーカーから「設定できません」との音声を出力させる。
【0059】
図3に示すように、サーバー40のタイムアウト時間が、画像形成装置10での処理時間より長ければ、タイムアウトの問題は起きない。しかしながら、タイムアウト時間は、サーバー40により異なることがあるため、タイムアウト時間内に画像形成装置10での処理が終わらない場合、後述の
図4、
図5で示すように、ダミーの応答を行って、タイムアウトを延長するようにする。
【0060】
次に、音声指示に対する応答の手順であって、応答遅れがあり、エラーがある場合の手順を、
図4を参照して説明する。
図4は、画像形成システム1において、音声指示に対する応答遅れがあり、エラーがある場合の手順を説明するシーケンス図である。
【0061】
(ステップS21~S24)
ステップS21~S24は、
図3で示したステップS11~S14と同じであるので、ここでは、重複する説明は省略する。
【0062】
(ステップS25)
制御部15は、画像形成装置10で「カラーモード」を設定する処理に時間がかかる場合、サーバー40にダミー(第2通知)を通知する。例えば、「処理中です」との旨をダミーとして通知する。また、制御部15は、処理にかかる時間を推測してもよいし、また、
図6(ステップS67を参照)で説明するように、計測している処理時間のタイマーT1が応答待ち時間T0を超えたら、処理に時間がかかると推測してもよい。つまり、制御部15は、サーバー40のタイムアウト時間の前に、サーバー40にダミーを通知して、サーバー40のタイムアウトを回避し、タイムアウトを延長するようにしている。
【0063】
また、このとき、制御部15は、
図6(ステップS69を参照)で説明するように、処理時間のタイマーT1をリセットし、T1=0とする。そして、タイマーT1の再計測を開始する。
【0064】
なお、制御部15において、設定指示に応じた処理としては、設定指示の内容を画像形成装置10の操作パネル16に表示する処理、設定指示の内容に禁止された内容があるかどうかを判定する禁則処理などが含まれる。例えば、画像データを送信する場合、その宛先指定には、禁則処理が必要であり、そのような処理を行う場合、設定処理に時間がかかる場合がある。
【0065】
また、ダミーとして、「処理中です」に代えて、「作業中です」、「しばらく、お待ちください」などの定型文を用いてもよいし、処理の残時間を用いてもよい。
【0066】
(ステップS26)
制御部15は、画像形成装置10で「カラーモード」を設定する処理に時間がかかる場合、操作パネル16にダミーを出力する。例えば、「処理中です」との旨をダミーとして出力する。
【0067】
(ステップS27)
操作パネル16は、制御部15から入力されたダミーを操作画面に表示する。例えば、操作画面に「処理中です」と表示する。
【0068】
(ステップS28)
サーバー40は、制御部15からのダミーの通知を受けて、「処理中です」との音声データを音声入出力装置30へ送信する。
【0069】
(ステップS29)
音声入出力装置30は、サーバー40から送信された「処理中です」との音声データを電気信号に変換し、音声入出力装置30のスピーカーへ出力し、そのスピーカーから「処理中です」との音声を出力させる。
【0070】
(ステップS30)
制御部15は、画像形成装置10で「カラーモード」を設定できない場合、サーバー40にエラー(第1通知)を通知する。ステップS25で、タイマーT1をリセットし、T1=0として、タイマーT1を再計測しており、このときの処理時間のタイマーT1<T0である。つまり、再計測後の応答待ち時間T0より前に、制御部15は、サーバー40にエラーを通知している。そのため、この場合、サーバー40はタイムアウトにはならない。また、ここでも、下記のステップS31よりも前に、つまり、処理終了の直後に、サーバー40にエラーを通知しており、再計測開始からサーバー40にエラーを通知するまでの時間を短くして、タイムアウトにならないようにしている。
【0071】
(ステップS31~S34)
ステップS31~S34は、
図3で示したステップS16~S19と同じであるので、ここでは、重複する説明は省略する。
【0072】
次に、音声指示に対する応答の手順であって、応答遅れがあり、エラーがない場合の手順を、
図5を参照して説明する。
図5は、画像形成システム1において、音声指示に対する応答遅れがあり、エラーがない場合の手順を説明するシーケンス図である。
【0073】
(ステップS41~S49)
ステップS41~S49は、
図4で示したステップS21~S29と同じであるので、ここでは、重複する説明は省略する。
【0074】
(ステップS50)
制御部15は、画像形成装置10で「カラーモード」を設定後、サーバー40に設定完了(第1通知)を通知する。ステップS45で、タイマーT1をリセットし、T1=0として、タイマーT1を再計測しており、このときの処理時間のタイマーT1<T0である。つまり、再計測後の応答待ち時間T0より前に、制御部15は、サーバー40に設定完了を通知している。そのため、この場合、サーバー40はタイムアウトにはならない。また、ここでも、下記のステップS51よりも前に、つまり、処理終了の直後に、サーバー40に設定完了を通知しており、再計測開始からサーバー40に設定完了を通知するまでの時間を短くして、タイムアウトにならないようにしている。
【0075】
(ステップS51)
制御部15は、画像形成装置10で「カラーモード」を設定後、操作パネル16に設定完了を出力する。
【0076】
(ステップS52)
操作パネル16は、制御部15から入力された設定完了を操作画面に表示する。例えば、操作画面に「設定完了」と表示する。
【0077】
(ステップS53)
サーバー40は、制御部15からの設定完了の通知を受けて、「設定しました」との音声データを音声入出力装置30へ送信する。
【0078】
(ステップS54)
音声入出力装置30は、サーバー40から送信された「設定しました」との音声データを電気信号に変換し、音声入出力装置30のスピーカーへ出力し、そのスピーカーから「設定しました」との音声を出力させる。
【0079】
以上のように、サーバー40のタイムアウト時間内に画像形成装置10での処理が終わらない場合、ダミーの応答を行って、タイムアウトを延長するようにしている。これにより、音声操作の中断や再操作を防止することができ、音声操作の操作性の悪化を防止することができる。
【0080】
次に、上述した
図3~
図5のシーケンスにおける画像形成装置10の制御部15での制御手順を、
図6を参照して説明する。
図6は、画像形成装置10における制御手順を説明するフローチャートである。
【0081】
(ステップS61)
制御部15は、音声操作サービスが選択されているかどうかを判断する。音声操作サービスが選択されている場合(YES)、ステップS62へ進み、選択されていない場合(NO)、ステップS70に進む。音声操作サービスが選択されていない場合、例えば、前述した
図2でのシーケンスが実施されることになる。また、音声操作サービスの選択は、例えば、ユーザーが予め操作パネル16を用いて設定する。
【0082】
(ステップS62)
制御部15は、サーバー40のタイムアウト時間に応じた応答待ち時間T0を設定する。この応答待ち時間T0は、タイムアウト時間より所定時間短く設定され、例えば、タイムアウト時間を7秒とすると、応答待ち時間T0を6秒とする。
【0083】
(ステップS63)
制御部15は、サーバー40からの音声指示があるかどうかを確認する。音声指示がある場合(YES)、ステップS64へ進み、ない場合(NO)、ステップS63を繰り返す。
【0084】
(ステップS64)
制御部15は、サーバー40からの音声指示があれば、処理時間のタイマーT1の計測を開始する。このタイマーT1により、音声指示に応じて画像形成装置10で実施される処理、例えば、上述した設定処理にかかる時間を計測する。
【0085】
(ステップS65)
制御部15は、音声指示に応じて画像形成装置10で実施される処理、例えば、上述した設定処理の実行を開始する。
【0086】
(ステップS66)
制御部15は、画像形成装置10で実施される処理が終了したかどうかを判断する。処理が終了した場合(YES)、ステップS70へ進み、終了していない場合(NO)、ステップS67に進む。つまり、制御部15は、処理が終了するまで、後述のステップS67~S69を繰り返す。なお、処理が長引かないように、タイムアウトの延長回数の上限の設け、その上限の回数まで、後述のステップS67~S69を繰り返すようにしてもよい。
【0087】
(ステップS67)
制御部15は、処理時間のタイマーT1と応答待ち時間T0とを比較し、T1>T0である場合(YES)、ステップS68へ進み、T1>T0でない場合(NO)、ステップS66に戻る。
【0088】
(ステップS68)
制御部15は、T1>T0である場合、つまり、処理時間のタイマーT1が応答待ち時間T0を超えたとき、ダミーをサーバー40に通知し、また、操作パネル16に画面表示する。例えば、「処理中です」との旨をダミーとしてサーバー40に通知し、また、「処理中です」と操作パネル16に画面表示する。これにより、サーバー40は、タイムアウトとはならない。
【0089】
(ステップS69)
制御部15は、処理時間のタイマーT1をリセットし、T1=0とする。そして、タイマーT1の再計測を開始し、ステップS66へ戻る。
【0090】
制御部15は、ステップS67~S69を繰り返す場合、ステップS67で、T1>T0である場合には、サーバー40にダミーを再通知し、また、操作パネル16にダミーを再表示することになる。
【0091】
(ステップS70)
制御部15は、処理が終了した場合、処理結果をサーバー40に通知し、また、操作パネル16に画面表示する。例えば、
図5の場合は、「設定しました」との旨をサーバー40に通知し、また、「設定しました」と操作パネル16に画面表示する。
【0092】
このように、画像形成装置10において、制御部15は、音声指示に応じた処理の処理時間であるタイマーT1を計測し、タイマーT1が予め設定した応答待ち時間T0を超える場合、サーバー40にダミーを通知している。応答待ち時間T0は、サーバー40のタイムアウト時間より短く設定されているので、T1>T0となったときに、サーバー40にダミーを通知することで、サーバー40のタイムアウトを確実に回避することができる。
【0093】
以上詳しく説明したように、本実施の形態の画像形成システム1において、画像形成装置10は、外部装置を介して入力した指示(音声指示)に応じて処理を実行する処理実行部と、処理の実行終了に応じた第1通知を外部装置に行う第1通知部とを備える。また、画像形成装置10は、第1通知に関して外部装置に設定されるタイムアウト時間前に、処理の実行が終了しないと推測される場合、第1通知とは異なる第2通知を外部装置に行う第2通知部を備える。
【0094】
このように構成した本実施の形態によれば、外部装置である音声入出力装置30及びサーバー40から音声操作する場合において、サーバー40のタイムアウトを回避することができる。
【0095】
従って、サーバー40のタイムアウトにより、音声操作が中断して、その後の音声操作を継続できなくなったり、最初から操作し直すことになったりすることがなくなり、音声操作の中断や音声操作の操作性の悪化を防止することができる。
【0096】
なお、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 画像形成システム
10 画像形成装置
11 ネットワーク部
12 スキャナ部
13 プリンタ部
14 FAX部
15 制御部
16 操作パネル
20 ネットワーク
30 音声入出力装置
40 サーバー
41 ネットワーク部
42 制御部