(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】売上データ処理装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20241217BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241217BHJP
G06Q 20/20 20120101ALI20241217BHJP
【FI】
G07G1/01 301C
G07G1/01 301Z
G07G1/00 311Z
G06Q20/20
(21)【出願番号】P 2020137205
(22)【出願日】2020-08-17
【審査請求日】2023-07-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 一快
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-186758(JP,A)
【文献】特開2012-256367(JP,A)
【文献】特開2019-168990(JP,A)
【文献】特開2018-170605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/01,
3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
売上登録処理を実行する第1の制御部と、
前記売上登録処理によって売上登録された商品または役務の取引に係る決済処理を実行する第2の制御部と、
一方の表示部が他方の表示部の上部に積層して設けられた第1の表示部および第2の表示部を有する表示画面と、
前記表示画面上に配設されたタッチパネルと、を備え、
前記第1の表示部および第2の表示部は、上方に設けられた前記一方の表示部を透過して下方に設けられた前記他方の表示部の表示内容が視認できるように設けられており、
前記第1の制御部は、前記売上登録処理を実行する場合、
前記表示画面に含まれる第1の表示部に売上登録画面を表示させた状態で前記タッチパネルを介した売上情報の入力操作を受け付け、
前記第2の制御部は、前記決済処理を実行する場合、
前記第1の表示部に前記売上登録画面が表示され、かつ、前記表示画面に含まれる第2の表示部に決済画面を表示させた状態
となり、前記売上登録画面に含まれる表示内容の少なくとも一部と、前記決済画面と、が同時に視認できる状態で前記タッチパネルを介した認証情報の入力操作を受け付
ける、
ことを特徴とする売上データ処理装置。
【請求項2】
前記表示内容の少なくとも一部は、前記売上登録処理において導出された支払金額情報である、
ことを特徴とする請求項
1に記載の売上データ処理装置。
【請求項3】
前記第2の制御部は、前記認証情報を入力させるための複数の入力キーを前記決済処理の度に配列順序が異なるようにして前記決済画面に表示させる、
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の売上データ処理装置。
【請求項4】
前記第1の制御部は、前記売上登録処理において導出された支払金額情報を第1の通信部を介して送信させ、
前記第2の制御部は、前記支払金額情報を第2の通信部に受信させるとともに、前記支払金額情報に基づいて前記決済処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1から
3のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
【請求項5】
前記第1の制御部は、第1の通信部を介して前記売上登録処理において導出された支払金額情報を送信するまで、前記売上情報の入力操作を受け付け、
前記第2の制御部は、第2の通信部を介して前記支払金額情報を受信させた後、前記認証情報の入力操作を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1から
3のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の売上登録を行うものとしてPOS(Point Of Sales)端末が知られている。このようなPOS端末では、決済端末としてのピンパッドを接続することにより顧客のクレジットカードのカード情報などを読み取るとともに、暗証番号の入力を受け付けることで決済処理を行うことが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような決済処理において、ピンパッドを外部装置として設けるのではなく、POS端末と一体型とすることで省スペース化を図り、操作の流れを一連化及び効率化することが望まれる。しかし、POS端末と決済端末の筐体の内部を共通化すると、POS部側のソフトウェアで決済部の入力情報が取得できる構成となる。この場合、決済部が受け付ける暗証番号の入力時に、POS部側から暗証番号が盗まれるという問題がある。
【0005】
本発明は、セキュリティ性を確保しつつ、省スペース化を実現することができる売上データ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の売上データ処理装置は、
売上登録処理を実行する第1の制御部と、
前記売上登録処理によって売上登録された商品または役務の取引に係る決済処理を実行する第2の制御部と、
一方の表示部が他方の表示部の上部に積層して設けられた第1の表示部および第2の表示部を有する表示画面と、
前記表示画面上に配設されたタッチパネルと、を備え、
前記第1の表示部および第2の表示部は、上方に設けられた前記一方の表示部を透過して下方に設けられた前記他方の表示部の表示内容が視認できるように設けられており、
前記第1の制御部は、前記売上登録処理を実行する場合、前記表示画面に含まれる第1の表示部に売上登録画面を表示させた状態で前記タッチパネルを介した売上情報の入力操作を受け付け、
前記第2の制御部は、前記決済処理を実行する場合、前記第1の表示部に前記売上登録画面が表示され、かつ、前記表示画面に含まれる第2の表示部に決済画面を表示させた状態となり、前記売上登録画面に含まれる表示内容の少なくとも一部と、前記決済画面と、が同時に視認できる状態で前記タッチパネルを介した認証情報の入力操作を受け付ける、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、セキュリティ性を確保しつつ、省スペース化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る売上データ処理装置の外観図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る売上データ処理装置の全体構成を表すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る売上データ処理装置の二層構造ディスプレイの概要図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る売上データ処理装置が実行する売上登録決済処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る売上データ処理装置が表示する売上登録画面の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る売上データ処理装置が表示する決済画面の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る売上データ処理装置が表示する決済画面の一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態の変形例に係る売上データ処理装置が表示する売上登録画面及び決済画面を同時に表示する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施形態や図面に記載されたものに限定されるものではない。
【0010】
まず、本実施形態に係る売上データ処理装置100の概要について説明する。売上データ処理装置100は、客が購入した商品の売上登録処理及びクレジットカード等のカードを使って決済処理を行う装置である。
図1は、売上データ処理装置の外観図である。
【0011】
[全体構成]
図1に示すように、売上データ処理装置100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末であり、タッチパネルである入力部31及び物理ボタン32を備える。
入力部31は、第1の表示部であるPOS側表示部14(
図2参照)及び第2の表示部である決済側表示部24(
図2参照)の表示画面上に設置されたタッチパネルであり、ユーザー操作による入力を受け付ける。入力部31は、例えば、客が購入した商品の金額の入力やクレジットカード等の暗証番号の入力を受け付ける。また、入力部31は入力に基づく制御信号を第1の制御部であるPOS側制御部11(
図2参照)又は第2の制御部である決済側制御部21(
図2参照)に出力する。
物理ボタン32は、電源ボタンや表示画面の輝度調整のためのボタンである。
【0012】
図2に、売上データ処理装置100の全体構成を表すブロック図を示す。
売上データ処理装置100は、売上登録処理を行うPOS部1及び決済処理を行う決済部2を備える。
入力部31及び物理ボタン32は、POS部1及び決済部2の両方に属する。
【0013】
[POS部]
POS部1は、入力部31及び物理ボタン32の他に、POS側制御部11と、POS側記憶部12と、POS側サウンド入出力部13と、POS側表示部14と、第1の通信部であるPOS側通信部15と、POS側外部通信部16と、を備えている。
これらは、バス等で電気的に接続されている。
【0014】
POS側制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。POS側制御部11のCPUは、POS側記憶部12に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、POS部1の各部の動作を統括制御するようになっている。
【0015】
例えば、POS側制御部11は、入力部31が入力を受け付けた客が購入した商品の金額をPOS側表示部14に表示する売上登録処理を行う。
また、POS側制御部11は、客が購入した商品の金額の合計を算出し、当該合計金額情報(支払金額情報)をPOS側通信部15を介して、決済部2に送信する。
また、POS側制御部11は、POS側通信部15を介して、決済部2から送信された決済情報を受信し、POS側外部通信部16を介して、受信した決済情報を外部の決済情報登録処理を行うサーバー等に送信する。
【0016】
POS側記憶部12は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、POS側制御部11が各種処理を実行するためのプログラム(後述する売上登録決済処理を含む)やプログラムの実行に必要なパラメーター等を記憶している。
【0017】
POS側サウンド入出力部13は、マイクなどを有し、当該マイクを介して音の入力を受け付け、当該音を電気信号に変換してPOS側制御部11に出力する。
また、POS側サウンド入出力部13は、アンプ、スピーカーなどを有し、POS側制御部11による制御下で、音声用の電気信号を生成して増幅し、音(音声信号)に変換して出力する。
【0018】
POS部表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、フルドットのカラーで表示し、POS側制御部11から入力される表示信号の指示に従って、各種画像や各種情報等を表示する。
【0019】
POS側通信部15は、有線通信モジュール又は無線通信モジュール等で構成され、決済部2の後述する決済側通信部25と各種信号や各種データを有線又は無線で送受信することが可能である。
【0020】
POS側外部通信部16は、有線通信モジュール又は無線通信モジュール等で構成され、通信ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等)を介して接続された外部装置との間で各種信号や各種データを有線又は無線で送受信することが可能である。例えば、外部装置とは、クレジットカード等のカード決済を行うサーバー等である。
【0021】
[決済部]
決済部2は、入力部31及び物理ボタン32の他に、決済側制御部21と、決済側記憶部22と、決済側サウンド入出力部23と、決済側表示部24と、第2の通信部である決済側通信部25と、決済側外部通信部26と、を備えている。
これらは、バス等で電気的に接続されている。
【0022】
決済側制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。決済側制御部21のCPUは、決済側記憶部22に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、決済部2の各部の動作を統括制御するようになっている。
【0023】
例えば、決済側制御部21は、決済側通信部25を介して、POS部1から送信された支払金額情報を受信する。続いて、決済側制御部21は、受信した支払金額情報の支払金額を決済側表示部24に表示し、入力部31を介して、支払方法の選択を受け付ける。
続いて、決済側制御部21は、決済側外部通信部26を介して、外部のカードリーダーで読み取ったカード情報を受信し、入力部31を介して、クレジットカード等のカードの認証情報である暗証番号の入力を受け付ける決済処理を行う。
続いて、決済側制御部21は、支払金額情報、カード情報及び暗証番号に基づいて決済情報を生成し、暗号化する。
続いて、決済側制御部21は、決済側通信部25を介して、暗号化した決済情報をPOS部1に送信する。
【0024】
決済側記憶部22は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、決済側制御部21が各種処理を実行するためのプログラム(後述する売上登録決済処理を含む)やプログラムの実行に必要なパラメーター等を記憶している。
【0025】
決済側サウンド入出力部23は、マイクなどを有し、当該マイクを介して音の入力を受け付け、当該音を電気信号に変換して決済側制御部21に出力する。
また、決済側サウンド入出力部23は、アンプ、スピーカーなどを有し、決済側制御部21による制御下で、音声用の電気信号を生成して増幅し、音(音声信号)に変換して出力する。
【0026】
決済側表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、モノクロのセグメントで表示し、決済側制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画像や各種情報等を表示する。
また、決済側表示部24は、POS側表示部14の上部に積層して設けられる。
図3に決済側表示部24及びPOS側表示部14によって構成される二層構造のディスプレイの概要図を示す。
また、決済側表示部24は、透過性を持ち、決済側表示部24の下部に設けられたPOS側表示部14の表示画面に表示を行った場合、決済側表示部24の表示画面を透過して、POS側表示部14の表示画面を視認することができる。
【0027】
決済側通信部25は、有線通信モジュール又は無線通信モジュール等で構成され、POS部1のPOS側通信部15と各種信号や各種データを有線又は無線で送受信することが可能である。
【0028】
決済側外部通信部26は、有線通信モジュール又は無線通信モジュール等で構成され、クレジットカード等のカードからカード情報を読み取る外部のカードリーダーと各種信号や各種データを有線又は無線で送受信することが可能である。
【0029】
[売上登録決済処理]
次に、本実施形態による売上データ処理装置100における動作を説明する。
図4は、売上データ処理装置100が実行する売上登録決済処理の流れを示すシーケンス図である。
【0030】
まず、POS側制御部11は、POS側表示部14に、
図5に示す売上登録画面141を表示し、入力部31を介して、売上情報である商品の商品名、個数及び金額の入力を受け付ける売上登録処理を実施する(ステップS1)。ここで、決済側表示部24には何も表示されておらず、ユーザーは決済側表示部24の画面を透過して、POS側表示部14に表示された売上登録画面141を視認する。POS側制御部11は、入力された情報を
図5に示す売上登録画面141の欄142に表示し、入力された商品の金額の合計を算出し、欄143に表示する。
次に、POS側制御部11は、POS側通信部15を介して、算出した合計金額情報(支払金額情報)を決済部2に送信する(ステップS2)。送信後、POS側制御部11は、POS側表示部14の表示を消去する。
【0031】
決済側制御部21は、決済側通信部25を介して、送信された合計金額情報を受信し、決済側表示部24に、
図6に示す決済画面241を表示する。ここで、POS側表示部14の表示は消去されているため、ユーザーは決済側表示部24に表示された決済画面241のみを視認する。決済側制御部21は、
図6に示す決済画面241の欄242に受信した合計金額(支払金額)を表示する(ステップS3)。
ここで、
図6に示す決済画面241のFnキー243には、カード会社や一括支払い等の決済方法が予め設定されている。決済側制御部21は、決済画面241のFnキー243から決済方法の選択を受け付ける(ステップS4)。
次に、決済側制御部21は、決済側外部通信部26を介して、外部のカードリーダーから読み取ったカード情報を受信する(ステップS5)。
【0032】
次に、決済側制御部21は、
図7に示すように決済画面241にカードの暗証番号(PINコード)を入力するための入力キー244を、キーの位置をランダムに表示する(ステップS6)。入力を受け付ける入力部31はPOS部1と決済部2で共有されており、通常は、POS側制御部11が決済画面241における入力部31の入力信号を受け付けない設定がされているが、当該設定がされていない場合、POS部1側で入力されたキーの位置を判別することができる。そのため、入力された暗証番号をPOS部1側で判別できないように、入力キー244の位置をランダムに表示することで、セキュリティ性を向上することができる。当該入力キー244の位置は、決済処理を実施する度に変更される。
次に、決済側制御部21は、入力部31を介して、暗証番号の入力を受け付ける(ステップS7)。決済側制御部21は、暗証番号の入力を受け付けると、
図7に示す決済画面241の欄245に「*」を表示する。
次に、決済側制御部21は、合計金額情報、ステップS5で受信したカード情報、及びステップS7で受け付けた暗証番号に基づいて決済情報を生成し、当該決済情報を暗号化する(ステップS8)。
次に、決済側制御部21は、決済側通信部25を介して、暗号化した決済情報をPOS部1に送信する。POS側制御部11は、POS側通信部15を介して、決済情報を受信し、POS側外部通信部16を介して、外部の決済情報登録処理を行うサーバー等に当該決済情報を送信して(ステップS9)、売上登録決済処理を終了する。
【0033】
以上、上記の実施形態に係る売上データ処理装置100は、売上登録処理を実行する第1の制御部(POS側制御部11)と、売上登録処理によって売上登録された商品または役務の取引に係る決済処理を実行する第2の制御部(決済側制御部21)と、を備え、第1の制御部は、売上登録処理を実行する場合、第1の表示部(POS側表示部14)及び第2の表示部(決済側表示部24)のうちいずれか一方の表示部に売上登録画面を表示させた状態でタッチパネル(入力部31)を介した売上情報の入力操作を受け付け、第2の制御部は、決済処理を実行する場合、第1の表示部及び第2の表示部のうちいずれか他方の表示部に決済画面を表示させた状態でタッチパネル(入力部31)を介した認証情報の入力操作を受け付ける。
従って、売上データ処理装置100によれば、セキュリティ性を確保しつつ、省スペース化を実現することができる。
【0034】
(変形例)
以下では、本変形例と上記実施形態の売上データ処理装置100の差異を中心に説明する。
【0035】
本変形例では、上記実施形態の売上登録決済処理において、POS側制御部11は、合計金額情報(支払金額情報)を決済部2に送信後、POS側表示部14の表示を消去しない。したがって、
図4に示す売上登録決済処理のシーケンス図のステップS3において、決済側制御部21が決済側表示部24に決済画面241を表示すると、ユーザーは売上登録画面141及び決済画面241を同時に視認することができる。
図8に売上登録画面141及び決済画面241を同時に表示する例を示す。
図8に示す売上登録画面141の欄143に合計金額(支払金額)が表示され、決済画面241の欄242に合計金額が表示されるため、ユーザーは決済画面241に表示された合計金額が正しいかを確認することができる。
【0036】
以上、上記の実施形態及び変形例に係る売上データ処理装置100において、第1の表示部(POS側表示部14)と、第2の表示部(決済側表示部24)と、タッチパネル(入力部31)と、は互いに重なり合うようにして設けられているので、省スペース化を実現することができる。
また、第1の表示部(POS側表示部14)は、第2の表示部(決済側表示部24)を透過して表示内容が視認できるように設けられているので、第1の表示部と第2の表示部が積層された構成によって省スペース化を実現することができる。
また、第2の制御部(決済側制御部21)は、認証情報を入力させるための複数の入力キーを決済処理の度に配列順序が異なるようにして決済画面に表示させる。そのため、入力された暗証番号をPOS部1側で判別することができない。したがって、上述の構成によって確保されたセキュリティ性をさらに向上することができる。
また、第1の制御部(POS側制御部11)は、第2の制御部(決済側制御部21)により決済処理が実行される場合、売上登録画面に含まれる表示内容の少なくとも一部を一方の表示部に表示させるので、ユーザーは決済画面241に表示された合計金額が正しいかを確認することができる。
また、第1の制御部(POS側制御部11)は、売上登録処理において導出された支払金額情報を第1の通信部(POS側通信部15)を介して送信させ、第2の制御部(決済側制御部21)は、支払金額情報を第2の通信部(決済側通信部25)に受信させるとともに支払金額情報に基づいて決済処理を実行するので、第1の通信部と第2の通信部間で行われる通信を行う部分とそれぞれの外部との通信を行う部分を分けることができ、セキュリティ性を向上することができる。
【0037】
以上、本発明は上記の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記の実施形態及び変形例では、売上データ処理装置100の物理ボタン32は、POS部1及び決済部2で共有するとしたが、これに限らない。POS部1と決済部2とで別々の物理ボタンを設けてもよい。
【0038】
また、上記の実施形態及び変形例おいて、POS側制御部11の制御から決済側制御部21の制御への切替を、POS部1から決済部2に合計金額情報(支払金額情報)を送信することによって行うとしたが、これに限らない。POS側制御部11の制御から決済側制御部21の制御への切替用の物理ボタンを設け、当該物理ボタンによって、切替を行ってもよい。
【0039】
また、上記実施形態及び変形例の売上登録決済処理のステップS2において、POS側制御部11は、合計金額情報(支払金額情報)を決済部2に送信しないとともに、POS側表示部14の表示を消去しないとしてもよい。この場合、POS側制御部11の制御から決済側制御部21の制御への切替は物理ボタン等で行い、売上登録画面141の欄143に表示された合計金額(支払金額)を確認し、入力部31を介して、決済画面241の欄242に合計金額を手動で入力する。
【0040】
また、上記実施形態及び変形例では、決済側表示部24は、POS側表示部14の上部に積層して設けられるとしたが、POS側表示部14が決済側表示部24の上部に積層して設けられるとしてもよい。この場合、POS側表示部14は、透過性を持ち、POS側表示部14の下部に設けられた決済側表示部24の表示画面に表示を行った場合、POS側表示部14の表示画面を透過して、決済側表示部24の表示画面を視認することができる。
【0041】
また、上記実施形態及び変形例では、決済側外部通信部26を介して外部のカードリーダーからカード情報を読み取るとしたがこれに限らない。売上データ処理装置100の内部にカードリーダーを設け、カード情報を読み取るとしても良い。
【0042】
また、上記実施形態及び変形例の売上登録決済処理のステップS6において、入力キー244をランダムに表示するとしたが、ランダム表示でなくてもよい。この場合、セキュリティ性を確保するため、POS側制御部11は、入力部31の入力信号を受け付けないようにすることが好ましい。
【0043】
また、上記実施形態及び変形例の売上登録決済処理のステップS9において、POS部1が外部の決済情報登録処理を行うサーバー等に決済情報を送信するとしたがこれに限らない。決済側外部通信部26が通信ネットワーク(LAN、WAN、インターネット等)を介して接続された外部装置との間で各種信号や各種データを有線又は無線で送受信することが可能であるとし、決済側制御部21が決済側外部通信部26を介して、決済情報を送信してもよい。
【0044】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
売上登録処理を実行する第1の制御部と、
前記売上登録処理によって売上登録された商品または役務の取引に係る決済処理を実行する第2の制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、前記売上登録処理を実行する場合、第1の表示部及び第2の表示部のうちいずれか一方の表示部に売上登録画面を表示させた状態でタッチパネルを介した売上情報の入力操作を受け付け、
前記第2の制御部は、前記決済処理を実行する場合、前記第1の表示部及び前記第2の表示部のうちいずれか他方の表示部に決済画面を表示させた状態で前記タッチパネルを介した認証情報の入力操作を受け付ける、
ことを特徴とする売上データ処理装置。
<請求項2>
前記第1の表示部と、前記第2の表示部と、前記タッチパネルと、は互いに重なり合うようにして設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
<請求項3>
前記第1の表示部は、前記第2の表示部を透過して表示内容が視認できるように設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の売上データ処理装置。
<請求項4>
前記第2の制御部は、前記認証情報を入力させるための複数の入力キーを前記決済処理の度に配列順序が異なるようにして前記決済画面に表示させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項5>
前記第1の制御部は、前記第2の制御部により前記決済処理が実行される場合、前記売上登録画面に含まれる表示内容の少なくとも一部を前記一方の表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
<請求項6>
前記第1の制御部は、前記売上登録処理において導出された支払金額情報を第1の通信部を介して送信させ、
前記第2に制御部は、前記支払金額情報を第2の通信部に受信させるとともに前記支払金額情報に基づいて前記決済処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の売上データ処理装置。
【符号の説明】
【0045】
100 売上データ処理装置
1 POS部
11 POS側制御部(第1の制御部)
12 POS側記憶部
13 POS側部サウンド入出力部
14 POS側表示部(第1の表示部)
15 POS側通信部(第1の通信部)
16 POS側外部通信部
2 決済部
21 決済側制御部(第2の制御部)
22 決済側記憶部
23 決済側サウンド入出力部
24 決済側表示部(第2の表示部)
25 決済側通信部(第2の通信部)
26 決済側外部通信部
31 入力部(タッチパネル)
32 物理ボタン
141 売上登録画面
241 決済画面