特許 7604825 印刷用カセット及び印刷装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-12-16

(45)【発行日】2024-12-24

(54)【発明の名称】印刷用カセット及び印刷装置

(51)【国際特許分類】

   B41J 17/32 20060101AFI20241217BHJP

   B41J 3/36 20060101ALN20241217BHJP

   B41J 15/04 20060101ALN20241217BHJP

   B41J 32/00 20060101ALN20241217BHJP

【ＦＩ】

B41J17/32 A

B41J3/36 T

B41J15/04

B41J32/00

【請求項の数】 11

(21)【出願番号】P 2020164212

(22)【出願日】2020-09-30

(65)【公開番号】P2022056432

(43)【公開日】2022-04-11

【審査請求日】2023-07-25

(73)【特許権者】

【識別番号】000005267

【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110000578

【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人

(72)【発明者】

【氏名】東 紘右

(72)【発明者】

【氏名】鵜飼 信次

【審査官】加藤 昌伸

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１７－１０９４６９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１８－１８３９４４（ＪＰ，Ａ）

【文献】国際公開第００／０３２４０６（ＷＯ，Ａ１）

【文献】特開２０００－２８０５８６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１２－２００９７０（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ４１Ｊ １７／００ － １７／４２

Ｂ４１Ｊ ２７／００ － ２７／２２

Ｂ４１Ｊ ３１／００ － ３５／３８

Ｂ４１Ｊ ３／３６

Ｂ４１Ｊ １５／０４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

互いに連結された第１ケース部及び第２ケース部と、第３ケース部とを有するケースと、
前記ケースに少なくとも一部が収容されると共に印刷に供されるテープと、
前記テープのロールと、
前記ケースに少なくとも一部が収容されるギアと、
アンテナを有するＲＦＩＤタグが配置されたラベルと、
を備え、
前記第３ケース部は、前記第１ケース部に連結され、
前記第１ケース部は、前記第２及び第３ケースの間に位置し、
前記ギアは、前記第１ケース部と前記第２ケース部との間に配置され、
前記ロールは、前記第１ケース部と前記第３ケース部との間に配置され、
前記ラベルは、前記第１ケース部と前記第２ケース部とに跨って貼られる、印刷用カセット。

【請求項2】

前記アンテナは、前記第１ケース部と前記第２ケース部とに跨って配置される、請求項１に記載の印刷用カセット。

【請求項3】

前記ラベルは、前記第１ケース部の外面と前記第２ケース部の外面とに跨って貼られる、請求項１又は請求項２に記載の印刷用カセット。

【請求項4】

前記ラベルは、前記第１ケース部と前記第２ケース部と前記第３ケース部とに跨って貼られる、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の印刷用カセット。

【請求項5】

前記ケースに少なくとも一部が収容されるギアをさらに備え、
前記第１ケース部は、前記ギアの回転軸心と平行な方向の移動を規制する第１規制面を有し、
前記第２ケース部は、前記ギアの回転軸心と平行な方向において前記第１規制面と共に前記ギアを挟み、前記ギアの回転軸心と平行な方向の移動を規制する第２規制面を有する、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の印刷用カセット。

【請求項6】

前記第１ケース部は、前記第１規制面から前記第２規制面に向かって突出すると共に、前記ギアに挿通されるギア軸を有する、請求項５に記載の印刷用カセット。

【請求項7】

前記ギアは、前記テープの搬送に供される駆動力を出力する出力ギアである、請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の印刷用カセット。

【請求項8】

前記ラベルは、前記ギアの回転軸心と直交する方向において、前記ギアと重なる、請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の印刷用カセット。

【請求項9】

カセット収納部を備える印刷装置本体に装着可能であり、
前記ケースは、前記ケースの前記カセット収納部への挿入方向と平行な側面を有し、
前記ラベルは、前記側面に貼られる、請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の印刷用カセット。

【請求項10】

前記テープのロールをさらに備え、
前記ケースは、前記ロールの巻回軸心と平行な側面を有し、
前記ラベルは、前記側面に貼られる、請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の印刷用カセット。

【請求項11】

請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載の印刷用カセットと、
前記印刷用カセットが装着される印刷装置本体と、
を備える、印刷装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、印刷用カセット及び印刷装置に関する。

【背景技術】

【0002】

印刷用テープに印刷を行う印刷装置では、印刷用テープを収容したカセットを印刷装置本体に着脱することで、印刷用テープの交換及び供給が行われる。印刷用テープを収容するカセットのケースは、一般に複数のパーツを組み合わせることで構成される。

【0003】

また、ケースには、カセットを識別するためのＲＦＩＤタグが配置される（特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開２０１９－２５８８９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

上述のカセットのケースにおいて、連結されたパーツ間にガタつきがあると、印刷用テープの引き出しに影響を与えるおそれがある。その結果、印刷装置における印刷品質が低下するおそれがある。

【0006】

本開示の一局面は、ケースのガタつきを抑制できる印刷用カセットを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本開示の一態様は、互いに連結された第１ケース部と第２ケース部とを有するケースと、ケースに少なくとも一部が収容されると共に印刷に供されるテープと、アンテナを有するＲＦＩＤタグが配置されたラベルと、を備える印刷用カセットである。ラベルは、第１ケース部と第２ケース部とに跨って貼られる。

【0008】

本開示の別の態様は、印刷用カセットと、印刷用カセットが装着される印刷装置本体と、を備える印刷装置である。

【0009】

これらのような構成によれば、ＲＦＩＤタグが配置されたラベルによって、第１ケース部と第２ケース部との間のガタつきが抑制できる。また、ＲＦＩＤタグをケースに取り付けるためのラベルがガタつきを抑制するための部品を兼ねることで、印刷用カセットの部品点数の増加を抑制できる。

【0010】

本開示の別の態様は、ケースと、ケースに少なくとも一部が収容されると共に印刷に供されるテープと、ケースに少なくとも一部が収容されると共に、テープの搬送に供される駆動力を出力する出力ギアと、アンテナを有するＲＦＩＤタグが配置されると共に、ケースに貼られたラベルと、を備える印刷用カセットである。ラベルは、出力ギアの回転軸心と直交する方向において出力ギアと重なる。

【0011】

このような構成によれば、ケースにおいてＲＦＩＤタグが配置されたラベルが貼られる面を小さくできる。その結果、印刷用カセットを小型化することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】図１Ａは、実施形態における印刷装置を示す模式的な斜視図であり、図１Ｂは、図１Ａの印刷装置本体を示す模式的な斜視図である。

【図2】図２は、図１ＡのＩＩ－ＩＩ線での模式的な断面図である。

【図3】図３Ａ、図３Ｂ及び図３Ｃは、図１Ａの印刷用カセットの模式的な斜視図である。

【図4】図４は、図３Ａの印刷用カセットの模式的な分解斜視図である。

【図5】図５は、図３ＣのＶ－Ｖ線での模式的な断面図である。

【図6】図６は、図３Ｃの印刷用カセットの第１蓋部を取り外した状態を示す模式的な斜視図である。

【図7】図７は、図３Ａの印刷用カセットにおける印刷用テープ及びインクリボンの経路を説明する模式図である。

【図8】図８は、図４の第２枠部の模式的な斜視図である。

【図9】図９Ａは、図３ＣのＩＸＡ－ＩＸＡ線での模式的な断面図であり、図９Ｂは、図３ＣのＩＸＢ－ＩＸＢ線での模式的な断面図であり、図９Ｃは、図３ＣのＩＸＣ－ＩＸＣ線での模式的な断面図であり、図９Ｄは、図３ＣのＩＸＤ－ＩＸＤ線での模式的な断面図である。

【図10】図１０Ａ、図１０Ｂ及び図１０Ｃは、図３Ａの印刷用カセットにおけるラベルの位置を示す模式図である。

【図11】図１１Ａ、図１１Ｂ及び図１１Ｃは、図１０Ａのラベルを示す模式図である。

【図12】図１２は、図１Ａの印刷装置における出力ギアとプラテンギアとの係合状態を示す模式図である。

【図13】図１３Ａ及び図１３Ｂは、図１Ａとは異なる実施形態における印刷装置において印刷用カセットを印刷装置本体から取り外した状態を示す模式的な斜視図である。

【図14】図１４は、図１３Ａの印刷用カセットの模式的な分解斜視図である。

【図15】図１５は、図１３Ａの印刷装置本体の模式的な平面図である。

【図16】図１６は、図１３Ａの印刷装置における出力ギアとプラテンギアとの係合状態を示す模式図である。

【図17】図１７Ａ及び図１７Ｂは、図１０Ａとは異なる実施形態におけるラベルの位置を示す模式図である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

［１．第１実施形態］
［１－１．構成］
図１Ａに示す印刷装置１は、印刷用カセット１０と、印刷装置本体１００とを備える。印刷装置１は、テープ状の印刷媒体に印刷を行う装置である。

【0014】

本実施形態では、出力ギア２１の軸方向を上下方向とし、上下方向と垂直な方向のうち出力ギア２１と入力スプール１６とが並ぶ方向を前後方向とし、上下方向と前後方向との双方に垂直な方向を左右方向とする。

【0015】

＜印刷装置本体＞
印刷装置本体１００は、図１Ｂに示すように、カセット収納部１０１と、印刷ヘッド１０２と、プラテンローラ１０３と、プラテンギア１０４と、駆動シャフト１０５と、駆動源１０７と、検出部１０８と、制御ユニット１０９と、筐体１１０とを備える。

【0016】

（カセット収納部）
カセット収納部１０１は、印刷用カセット１０が装着される凹部である。カセット収納部１０１は、印刷用カセット１０の位置決め機能を有する。カセット収納部１０１は、筐体１１０に設けられている。

【0017】

（印刷ヘッド）
印刷ヘッド１０２は、カセット収納部１０１の内部に配置されている。印刷ヘッド１０２は、個別に発熱が制御される複数の発熱素子を有する。

【0018】

（プラテンローラ）
プラテンローラ１０３は、カセット収納部１０１の内部において、印刷ヘッド１０２と対向するように印刷ヘッド１０２の近傍に配置されている。プラテンローラ１０３は、印刷ヘッド１０２に対し、近づく方向又は離れる方向に揺動可能である。プラテンローラ１０３の回転軸心Ｌ１は、上下方向と平行である。

【0019】

（プラテンギア）
プラテンギア１０４は、プラテンローラ１０３に連結されている。本実施形態では、プラテンギア１０４の回転軸心Ｌ２は、プラテンローラ１０３の回転軸心Ｌ１と同一線上に配置されている。プラテンギア１０４は、プラテンローラ１０３と共に揺動可能である。

【0020】

（駆動シャフト）
駆動シャフト１０５は、印刷用カセット１０の入力スプール１６と入力ギア２２とに挿入される。駆動シャフト１０５は、入力スプール１６と入力ギア２２とを回転させる。

【0021】

駆動シャフト１０５は、カセット収納部１０１の内部に配置されている。駆動シャフト１０５の回転軸心Ｌ３は、上下方向と平行である。駆動シャフト１０５は、駆動源１０７によって回転軸心Ｌ３を中心に回転する。

【0022】

（駆動源）
駆動源１０７は、駆動シャフト１０５を回転駆動させる。駆動源１０７としては、例えばモータとギアとを組み合わせた機構が使用できる。

【0023】

（検出部）
検出部１０８は、印刷用カセット１０に与えられた識別情報を印刷用カセット１０から検出する。

【0024】

具体的には、検出部１０８は、無線通信によって印刷用カセット１０のＲＦＩＤ（Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）タグから識別情報を読み取るリーダである。図２に示すように、検出部１０８は、印刷装置本体１００に装着された印刷用カセット１０と近接する位置に配置されている。

【0025】

（制御ユニット）
制御ユニット１０９は、検出部１０８が検出した識別情報に基づいて、印刷用テープ１１Ａへの印刷を制御する。

【0026】

制御ユニット１０９は、例えば、プロセッサと、ＲＡＭ、ＲＯＭ等の記憶媒体と、入出力部とを備えるコンピュータにより構成される。制御ユニット１０９は、予め記憶されたプログラムを実行することで、印刷ヘッド１０２及び駆動源１０７を制御する。

【0027】

＜印刷用カセット＞
印刷用カセット１０は、印刷媒体（つまり印刷用テープ１１Ａ）を格納している。印刷用カセット１０は、印刷装置本体１００に着脱可能である。印刷用カセット１０の交換により、印刷媒体の補給、及び印刷媒体の種類（例えば、サイズ、色、材質等）の変更ができる。

【0028】

印刷用カセット１０は、図３Ａ，３Ｂ，３Ｃに示すように、印刷に供される印刷用テープ１１Ａの少なくとも一部と、インクリボン１４Ａの少なくとも一部とが収容されるケース３５と、ケース３５に貼られたラベル５１とを備える。

【0029】

印刷用カセット１０の外形（つまり、ケース３５の形状）は、上下方向に平行な辺と、前後方向に平行な辺と、左右方向に平行な辺とを有する直方体状である。ケース３５は、下方に向かってカセット収納部１０１へ挿入される。ケース３５は、第１蓋部３１（第３ケース部の一例）と、第１枠部３２（第１ケース部の一例）と、第２枠部３３（第２ケース部の一例）と、第２蓋部３４とを有する。

【0030】

印刷用カセット１０は、図４に示すように、第１ロール１１と、第１供給スプール１２と、スペーサフィルム１３Ａ，１３Ｂと、第２ロール１４と、第２供給スプール１５と、入力スプール１６と、クラッチバネホルダ１７と、伝達機構２０とを備える。

【0031】

（第１ロール）
第１ロール１１は、印刷が行われる印刷用テープ１１Ａを第１供給スプール１２に巻回したものである。印刷用テープ１１Ａの表面には、印刷装置本体１００の印刷ヘッド１０２及びインクリボン１４Ａによって印刷が行われる。

【0032】

第１ロール１１の上下方向の外側には、第１ロール１１を挟むように２つのスペーサフィルム１３Ａ，１３Ｂが配置されている。スペーサフィルム１３Ａ，１３Ｂは、第１ロール１１と第１蓋部３１との間と、第１ロール１１と第１枠部３２との間とに配置されている。

【0033】

（第１供給スプール）
第１供給スプール１２は、回転軸心Ｌ４周りに回転可能である。第１供給スプール１２は、印刷装置本体１００のプラテンローラ１０３による印刷用テープ１１Ａの搬送に伴って回転することで、印刷用テープ１１Ａを印刷ヘッド１０２に供給する。第１供給スプール１２の回転軸心Ｌ４は、上下方向と平行である。

【0034】

（第２ロール）
第２ロール１４は、印刷用テープ１１Ａの印刷に用いられるインクリボン１４Ａを第２供給スプール１５に巻回したものである。

【0035】

インクリボン１４Ａは、ヘッド開口３３Ｂにおいて、印刷用テープ１１Ａと重ね合わされ、印刷ヘッド１０２による印刷に供される。印刷に使用されたインクリボン１４Ａは、入力スプール１６に巻き取られる。

【0036】

第２ロール１４には、クラッチバネホルダ１７に保持されたクラッチバネによって回転抵抗が付される。第２ロール１４の少なくとも一部は、上下方向において、第１ロール１１と重なる位置に配置されている。

【0037】

（第２供給スプール）
第２供給スプール１５は、回転軸心Ｌ５周りに回転可能である。第２供給スプール１５の回転軸心Ｌ５は、第１供給スプール１２の回転軸心Ｌ４と平行、つまり上下方向と平行である。第２供給スプール１５は、インクリボン１４Ａの入力スプール１６による巻き取りに伴って回転することで、インクリボン１４Ａを印刷ヘッド１０２に供給する。

【0038】

（入力スプール）
入力スプール１６は、回転軸心Ｌ６周りに回転可能である。入力スプール１６の回転軸心Ｌ６は、第２供給スプール１５の回転軸心Ｌ５と平行である。

【0039】

入力スプール１６は、円筒状であり、内周面１６Ａで規定される中空部を有する。入力スプール１６の内周面１６Ａにはスプライン歯１６Ｂが設けられている。スプライン歯１６Ｂには、印刷装置本体１００の駆動シャフト１０５が連結される。入力スプール１６は、駆動シャフト１０５によって回転され、インクリボン１４Ａを巻き取る。

【0040】

（伝達機構）
伝達機構２０は、印刷用カセット１０が印刷装置本体１００に装着された際に、駆動シャフト１０５から伝達される駆動源１０７の駆動力をプラテンローラ１０３に伝達すると共に、プラテンローラ１０３を印刷用カセット１０ごとに設定された回転速度で回転させる。伝達機構２０は、出力ギア２１と、入力ギア２２と、アイドルギア２３とを有する。

【0041】

図５に示すように、第１ロール１１、伝達機構２０、及び第２ロール１４は、上下方向において、第１ロール１１、伝達機構２０、及び第２ロール１４の順に並んで配置されている。つまり、伝達機構２０は、上下方向において、第１ロール１１と第２ロール１４との間に位置する。

【0042】

（出力ギア）
図４に示す出力ギア２１は、印刷用テープ１１Ａの搬送に供される駆動力を外部に出力するための外歯ギアである。具体的には、出力ギア２１は、印刷装置本体１００のプラテンギア１０４に駆動力を出力する。

【0043】

出力ギア２１は、回転軸心Ｌ７と垂直な第１側面及び第２側面を有するシングルギアである。出力ギア２１の回転軸心Ｌ７は、第２供給スプール１５の回転軸心Ｌ５と平行である。また、第２供給スプール１５の回転軸心Ｌ５と平行な方向（つまり上下方向）において、第１側面は、第２側面よりも第１ロール１１に近い位置に配置されている。第１側面の全領域は、上下方向においてカバー部３２Ｂと重なっている。

【0044】

出力ギア２１は、一部がケース３５に収容され、一部がヘッド開口３３Ｂに露出している。出力ギア２１は、印刷用カセット１０が印刷装置本体１００に装着された状態（つまり、ケース３５がカセット収納部１０１に収納された状態）で、ヘッド開口３３Ｂにおいてプラテンギア１０４に係合する。

【0045】

（入力ギア）
入力ギア２２は、アイドルギア２３を介して出力ギア２１と間接的に係合し、駆動力を出力ギア２１に伝達するためのギアである。

【0046】

入力ギア２２は、外歯ギア２２Ａと、外歯ギア２２Ａの一方の側面に固定されると共に、内周面にスプライン歯を有する円筒状の内歯ギアであるスプール２２Ｂとを有する。外歯ギア２２Ａは、スプール２２Ｂに入力された駆動源１０７の駆動力によってスプール２２Ｂと一体回転する。

【0047】

入力ギア２２の回転軸心Ｌ８（つまり、外歯ギア２２Ａの回転軸心、及びスプール２２Ｂの回転軸心）は、入力スプール１６の回転軸心Ｌ６と同一線上に配置されている。図５に示すように、入力スプール１６、入力ギア２２、及び第１ロール１１は、上下方向において、入力スプール１６、入力ギア２２、及び第１ロール１１の順に並んで配置されている。

【0048】

つまり、入力ギア２２は、上下方向において、入力スプール１６と第１ロール１１との間に位置する。また、入力ギア２２の少なくとも一部は、上下方向において、第１ロール１１と重なる位置に配置されている。

【0049】

入力ギア２２の回転軸心Ｌ８は、上下方向において、入力スプール１６の中空部と重なる。そのため、駆動シャフト１０５が入力スプール１６と入力ギア２２とに同時に挿通される。その結果、入力ギア２２は、入力スプール１６と直接連結はされていないが、入力スプール１６と共に駆動シャフト１０５によって回転される。

【0050】

（アイドルギア）
アイドルギア２３は、入力ギア２２と出力ギア２１とに駆動連結され（つまり係合し）、入力ギア２２に入力された駆動力を出力ギア２１に伝達する。アイドルギア２３は、回転軸心周りに回転すると共に、入力ギア２２から駆動力が伝達される回転伝達部である。

【0051】

アイドルギア２３は、入力ギア２２に係合した上流ギア２３Ａと、出力ギア２１に係合した下流ギア２３Ｂとが同軸上に並んで配置された段ギアである。下流ギア２３Ｂは、上流ギア２３Ａよりも径が小さい。また、下流ギア２３Ｂは、上下方向において、上流ギア２３Ａよりも第１ロール１１に近い位置（つまり上方）に配置されている。

【0052】

アイドルギア２３は、入力ギア２２に入力された駆動力の回転速度を減速して出力ギア２１に伝達する。つまり、伝達機構２０は、入力ギア２２の回転速度を出力ギア２１の回転速度で除した伝達比を減速比とする減速機構を含んでいる。

【0053】

（ケース）
図４に示すように、第１蓋部３１は、印刷用カセット１０の上端部を構成している。第１枠部３２は、第１蓋部３１の下側に配置され、第１蓋部３１と上下方向に連結されている。第２枠部３３は、第１枠部３２の下側に配置され、第１枠部３２と上下方向に連結されている。第２蓋部３４は、印刷用カセット１０の下端部を構成している。第２蓋部３４は、第２枠部３３と上下方向に連結されている。

【0054】

第１蓋部３１と第１枠部３２とは、第１ロール１１を収納する第１収容部４１を構成している。つまり、第１ロール１１は、第１蓋部３１と第１枠部３２との間の空間に配置されている。

【0055】

第２蓋部３４と第２枠部３３とは、第２ロール１４、第２供給スプール１５、及び入力スプール１６を収納する第２収容部４２を構成している。つまり、第２ロール１４、第２供給スプール１５、及び入力スプール１６は、第２蓋部３４と第２枠部３３との間の空間に配置されている。

【0056】

第１枠部３２と第２枠部３３とは、出力ギア２１の一部、入力ギア２２、及びアイドルギア２３が内部に配置された第３収容部４３を構成している。つまり、出力ギア２１の一部、入力ギア２２、及びアイドルギア２３は、第１枠部３２と第２枠部３３との間の空間に配置されている。第３収容部４３は、上下方向において、第１収容部４１と第２収容部４２との間に配置されている。

【0057】

第１枠部３２は、第１側壁３２Ａと、カバー部３２Ｂと、第１ガイド３２Ｃと、第１ギア支持部３２Ｄと、第２ギア支持部３２Ｅと、第３ギア支持部３２Ｆとを有する。
第１側壁３２Ａは、印刷用カセット１０の上下方向と平行な側面を構成する。

【0058】

カバー部３２Ｂは、上下方向と垂直な表面を有する部位である。カバー部３２Ｂは、上下方向において出力ギア２１と重なる位置に配置されている。本実施形態では、カバー部３２Ｂは、第１側壁３２Ａの下端部と連続して設けられ、第１枠部３２の右前方の角部に配置されている。カバー部３２Ｂの表面（第１規制面の一例）は、出力ギア２１と対向し、出力ギア２１の回転軸心Ｌ７と平行な方向（つまり上下方向）の移動を規制する。

【0059】

出力ギア２１、カバー部３２Ｂ、及び第１ロール１１は、上下方向において、出力ギア２１、カバー部３２Ｂ、及び第１ロール１１の順に並んで配置されている。また、上述のように、出力ギア２１の第１側面（つまり上側の側面）の全領域は、上下方向においてカバー部３２Ｂと重なっている。

【0060】

第１ガイド３２Ｃは、図６に示すように、第１ロール１１から引き出された印刷用テープ１１Ａが巻き掛けられる部位である。第１ガイド３２Ｃは、第１ロール１１の周方向に沿って離れて配置された複数の板状のリブを有する。複数のリブは、第１ロール１１の径方向に突出しており、下方に向かうほど突出量（つまり板幅）が大きくなっている。

【0061】

図４に示される第１ギア支持部３２Ｄは、出力ギア２１が挿通されるギア軸であり、出力ギア２１を回転可能に支持する。第２ギア支持部３２Ｅは、入力ギア２２が挿通されるギア軸であり、入力ギア２２を回転可能に支持する。第３ギア支持部３２Ｆは、アイドルギア２３が挿通されるギア軸であり、アイドルギア２３を回転可能に支持する。

【0062】

第２枠部３３は、第２側壁３３Ａと、ヘッド開口３３Ｂと、排出口３３Ｃと、第２ガイド３３Ｄと、係合部３３Ｅ（図８参照）とを有する。
第２側壁３３Ａは、印刷用カセット１０の上下方向と平行な側面を構成する。

【0063】

ヘッド開口３３Ｂは、第２側壁３３Ａの一部を切り欠いた部位である。ヘッド開口３３Ｂは、印刷用カセット１０が印刷装置本体１００に装着された状態で、内部に印刷ヘッド１０２が配置される空間である。

【0064】

ヘッド開口３３Ｂにおいて、印刷ヘッド１０２による印刷用テープ１１Ａの印刷が行われる。ヘッド開口３３Ｂは、印刷ヘッド１０２が下方から挿入可能なように、印刷用カセット１０の下方に開口している。

【0065】

図７に示すように、ヘッド開口３３Ｂにおいて、印刷用テープ１１Ａ及びインクリボン１４Ａが左右方向に架け渡される。印刷後の印刷用テープ１１Ａは、排出口３３Ｃから印刷装置１の外部に排出される。出力ギア２１の一部は、ヘッド開口３３Ｂ内に位置している。また、カバー部３２Ｂは、ヘッド開口３３Ｂ内に露出している。

【0066】

第２ガイド３３Ｄは、第１ガイド３２Ｃを通過した印刷用テープ１１Ａが巻き掛けられる部位である。第２ガイド３３Ｄは、第１ガイド３２Ｃと同様に、第２ロール１４の周方向に沿って離れて配置された複数の板状のリブを有する。複数のリブは、第２ロール１４の径方向に突出しており、下方に向かうほど突出量（つまり板幅）が小さくなる。

【0067】

図８に示す係合部３３Ｅは、第１枠部３２の第１ギア支持部３２Ｄが嵌合するように構成された凹状の部位である。具体的には、係合部３３Ｅは、上下方向と平行な周面と、第１ギア支持部３２Ｄの外径と概ね等しい内径とを有する円筒体である。

【0068】

係合部３３Ｅの上面３３Ｆ（第２規制面の一例）は、出力ギア２１の回転軸心Ｌ７と平行な方向（つまり上下方向）において、カバー部３２Ｂの表面と共に出力ギア２１を挟み、出力ギア２１の上下方向の移動を規制する。

【0069】

出力ギア２１に挿通される第１ギア支持部３２Ｄは、カバー部３２Ｂの表面から係合部３３Ｅの上面３３Ｆに向かって突出している。第１ギア支持部３２Ｄの先端は、上方から係合部３３Ｅの中空部に挿入される。

【0070】

図９Ａ，９Ｂ，９Ｃ，９Ｄに示すように、第１ガイド３２Ｃ及び第２ガイド３３Ｄは、第１ロール１１を構成する印刷用テープ１１Ａを第１収容部４１から第２収容部４２に送る通路を構成している。

【0071】

具体的には、図９Ａに示すように、第１ロール１１から引き出された印刷用テープ１１Ａは、螺旋を描くように第１ガイド３２Ｃに第１ロール１１の径方向外側から当接しながら第１収容部４１内で下後方に向かって搬送される。印刷用テープ１１Ａは、さらに図９Ｂに示すように、第３収容部４３を上下方向に跨ぎつつ、左下方に向かって搬送される。

【0072】

第２収容部４２に到達した印刷用テープ１１Ａは、図９Ｃに示すように、第２ガイド３３Ｄに径方向外側から当接しながら下前方に向かって搬送される。印刷用カセット１０の下端部に到達した印刷用テープ１１Ａは、図９Ｄに示すように、ヘッド開口３３Ｂを通過して排出口３３Ｃから排出される。

【0073】

（ラベル）
図１０Ａに示すラベル５１は、印刷用カセット１０を識別するための識別情報を外部装置（つまり印刷装置本体１００）に検出させる。

【0074】

図１１Ａに示すように、ラベル５１は、アンテナ５１ＡとＩＣチップ５１Ｂとを有するＲＦＩＤタグが粘着層の上に配置された円形のシートである。ラベル５１は、印刷装置本体１００の検出部１０８による非接触式のＲＦＩＤタグの読み取りによって、ＩＣチップ５１Ｂに記憶された識別情報を検出部１０８に検出させる。

【0075】

識別情報は、例えば、伝達機構２０に関する情報、印刷用テープ１１Ａに関する情報等を含む。伝達機構２０に関する情報は、例えば、入力ギア２２の回転速度を出力ギア２１の回転速度で除した伝達比に関連する情報、伝達機構２０が含む回転体（つまりギア）の数に関連する情報等を含む。印刷用テープ１１Ａに関する情報は、例えば、印刷用テープ１１Ａの幅、厚み、材質、色、層構成等を示す情報を含む。

【0076】

本実施形態では、ラベル５１は、第１枠部３２の外面と第２枠部３３の外面と第１蓋部３１の外面とに跨って貼られている。また、ラベル５１のアンテナ５１Ａ及びＩＣチップ５１Ｂは、第１枠部３２と第２枠部３３とに跨って配置されている。これにより、第１枠部３２と第２枠部３３との間のガタつきの抑制を促進できる。

【0077】

図３Ａに示すように、ラベル５１は、ケース３５の側面のうち、ケース３５のカセット収納部１０１への挿入方向（つまり上下方向）及び第１ロール１１の巻回軸心と平行な左側面３５Ａに貼られている。

【0078】

また、図５に示すように、ラベル５１は、出力ギア２１の回転軸心Ｌ７と直交する方向（つまり左右方向）において、出力ギア２１と重なる位置（具体的には出力ギア２１の左側）に配置されている。

【0079】

なお、図１０Ｂに示すように、ラベル５１は、第１枠部３２と第２枠部３３とのみに跨って貼られてもよい。また、図１０Ｃに示すように、ラベル５１は、第１枠部３２と第２枠部３３と第１蓋部３１と第２蓋部３４とに跨って貼られてもよい。

【0080】

さらに、図１１Ｂに示すように、アンテナ５１Ａ及びＩＣチップ５１Ｂは、必ずしも第１枠部３２と第２枠部３３とに跨って配置されなくてもよい。また、図１１Ｃに示すように、ラベル５１の形状は円形に限定されず、四角形であってもよい。

【0081】

＜印刷装置本体によるテープ搬送及び印刷＞
図７に示すように、印刷用カセット１０が印刷装置本体１００に装着された状態で、印刷ヘッド１０２は、ヘッド開口３３Ｂにおいて、印刷用テープ１１Ａ及びインクリボン１４Ａと前後方向に重なる位置に配置される。

【0082】

印刷用テープ１１Ａは、プラテンローラ１０３によってヘッド開口３３Ｂに搬送されると共に、プラテンローラ１０３によってインクリボン１４Ａを介して発熱素子が発熱した印刷ヘッド１０２に押し付けられる。これにより、インクリボン１４Ａの表面に配置されたインクの一部が印刷用テープ１１Ａに転写され、印刷用テープ１１Ａに文字、記号等が印刷される。

【0083】

プラテンローラ１０３は、印刷後の印刷用テープ１１Ａを印刷用カセット１０内から外部に向けて搬送する。プラテンローラ１０３は、出力ギア２１と係合されたプラテンギア１０４によって回転する。プラテンローラ１０３及びプラテンギア１０４は、印刷用カセット１０と離れた位置と、図１２に示すプラテンギア１０４が出力ギア２１に係合した位置との間で揺動可能である。

【0084】

印刷用カセット１０のケース３５がカセット収納部１０１に挿入された状態では、駆動シャフト１０５が入力ギア２２に係合すると共にプラテンギア１０４が出力ギア２１に係合する。

【0085】

具体的には、駆動シャフト１０５が印刷用カセット１０の入力スプール１６及び入力ギア２２に挿入された状態で、プラテンローラ１０３及びプラテンギア１０４が印刷用カセット１０のヘッド開口３３Ｂに向けて揺動することで、プラテンギア１０４が出力ギア２１に係合する。

【0086】

印刷用カセット１０が装着された状態で駆動シャフト１０５により入力ギア２２が回転されることで出力ギア２１が回転される。さらに、出力ギア２１の回転によりプラテンギア１０４が回転し、プラテンギア１０４の回転によりプラテンローラ１０３が回転する。

【0087】

つまり、駆動源１０７は、駆動シャフト１０５を介して入力ギア２２に駆動力を入力する。また、プラテンローラ１０３は、出力ギア２１から出力される駆動力によって印刷用テープ１１Ａを搬送する。

【0088】

検出部１０８は、カセット収納部１０１に装着された印刷用カセット１０のラベル５１から識別情報を検出する。検出部１０８が検出した識別情報は、制御ユニット１０９に送られる。

【0089】

制御ユニット１０９は、識別情報に基づいて印刷ヘッド１０２の印刷周期（つまり加熱のオンオフの切り替え周期）を制御する。具体的には、制御ユニット１０９は、伝達比が大きくなるほど印刷周期を長くする（つまり、伝達比が小さくなるほど印刷周期を短くする）。

【0090】

また、制御ユニット１０９は、識別情報に基づいて駆動源１０７の回転方向を制御する。具体的には、制御ユニット１０９は、回転体数情報に基づいて、プラテンローラ１０３の回転方向が印刷用テープ１１Ａの搬送方向となるように駆動源１０７の回転方向を決定する。

【0091】

［１－２．効果］
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
（１ａ）ＲＦＩＤタグが配置されたラベル５１によって、第１枠部３２と第２枠部３３との間のガタつきが抑制できる。また、ＲＦＩＤタグをケース３５に取り付けるためのラベル５１がガタつきを抑制するための部品を兼ねることで、印刷用カセット１０の部品点数の増加を抑制できる。

【0092】

（１ｂ）ラベル５１がケース３５の外面に貼られることで、検出部１０８による識別情報の検出精度を高めることができる。

【0093】

（１ｃ）出力ギア２１を収容及び支持する第１枠部３２と第２枠部３３との間のガタつきが抑制されることで、出力ギア２１の振動が低減できる。その結果、出力ギア２１とプラテンギア１０４との係合を安定させることができる。

【0094】

（１ｄ）ラベル５１が左右方向において出力ギア２１と重なる位置に配置されることで、ケース３５においてラベル５１が貼られる左側面３５Ａの面積を小さくできる。その結果、印刷用カセット１０を小型化することができる。

【0095】

（１ｅ）ラベル５１がケース３５の左側面３５Ａに貼られることで、印刷装置本体１００における検出部１０８と他の部材との干渉が抑制できる。その結果、印刷装置本体１００を小型化することができる。

【0096】

［２．第２実施形態］
［２－１．構成］
図１３Ａ，１３Ｂに示す印刷装置１Ａは、印刷用カセット１０Ａと、印刷装置本体１００Ａとを備える。

【0097】

＜印刷用カセット＞
印刷用カセット１０Ａは、第１実施形態の印刷用カセット１０に、図１４に示す第３ロール２４と、巻取スプール２５と、巻取ギア２６と、ピンチローラ２７とを追加すると共に、第１実施形態の入力スプール１６、第１蓋部３１、第１枠部３２、第２枠部３３及び第２蓋部３４を、入力スプール２８、第１蓋部３６、第１枠部３７、第２枠部３８及び第２蓋部３９に置き換えたものである。

【0098】

入力スプール２８は、スプライン歯１６Ｂを有しない点を除いて、入力スプール１６と同じものである。第１蓋部３６、第１枠部３７、第２枠部３８及び第２蓋部３９は、それぞれ、第１蓋部３１、第１枠部３２、第２枠部３３及び第２蓋部３４を左右方向に延伸させたものである。印刷用カセット１０Ａのその他の構成は、以下に説明する点を除き、第１実施形態の印刷用カセット１０と同じであるため、説明を省略する。

【0099】

本実施形態では、図１３Ａ，１３Ｂに示すように、ラベル５１は、ケース３５の前側面３５Ｂに貼られている。ラベル５１は、少なくとも第１枠部３７の外面と第２枠部３８の外面とに跨って貼られている。

【0100】

図１４に示す第３ロール２４は、印刷用テープ１１Ａの保護に用いられるラミネートテープを入力スプール２８に巻回したものである。ラミネートテープは、印刷ヘッド１０２によって印刷が行われた印刷用テープ１１Ａに貼り合わされる接着面を有する。

【0101】

巻取スプール２５は、回転軸心Ｌ９周りに回転可能である。巻取スプール２５の回転軸心Ｌ９は、第２供給スプール１５の回転軸心Ｌ５（つまり上下方向）と平行である。巻取スプール２５は、巻取ギア２６の回転によりインクリボン１４Ａを巻き取る。

【0102】

巻取ギア２６は、巻取スプール２５に連結されると共に、アイドルギア２３に係合している。巻取ギア２６は、入力ギア２２に入力された駆動力によって回転し、巻取スプール２５を回転させる。

【0103】

ピンチローラ２７は、押圧ローラ１０６と共に、ラミネートテープを印刷後の印刷用テープ１１Ａに押し付ける。ピンチローラ２７は、ヘッド開口３３Ｂよりも印刷用テープ１１Ａの搬送方向の下流に配置されている。

【0104】

＜印刷装置本体＞
図１３Ａに示すように、印刷装置本体１００Ａは、カセット収納部１０１と、印刷ヘッド１０２と、プラテンローラ１０３と、プラテンギア１０４と、駆動シャフト１０５と、押圧ローラ１０６（図１５参照）と、駆動源１０７と、検出部１０８と、制御ユニット１０９と、筐体１１０とを備える。

【0105】

印刷装置本体１００Ａは、筐体１１０の形状が第１実施形態の印刷装置本体１００と異なる点と、押圧ローラ１０６を備える点とを除き、第１実施形態の印刷装置本体１００と同じ構成を有する。

【0106】

押圧ローラ１０６は、プラテンローラ１０３及びプラテンギア１０４と共に揺動可能に構成されている。つまり、押圧ローラ１０６は、図１５に示す印刷用カセット１０Ａと離れた位置と、図１６に示すピンチローラ２７と共に印刷用テープ１１Ａ及びラミネートテープを押圧する位置との間で揺動可能である。

【0107】

［２－２．効果］
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
（２ａ）第１実施形態と同様の利点を有したまま、ラミネートテープによって印刷用テープ１１Ａの印刷内容を保護することができる。

【0108】

［３．他の実施形態］
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。

【0109】

（３ａ）上記実施形態の印刷用カセットにおいて、ＲＦＩＤタグを有するラベルは、必ずしも第１枠部と第２枠部とに跨って貼られなくてもよい。例えば、図１７Ａ，１７Ｂに示すように、ラベル５１は、ケース３５の第１枠部３２と第１蓋部３１とに跨って貼られてもよい。

【0110】

これらの実施形態では、第１枠部３２が第１ケース部に相当し、第１蓋部３１が第２ケース部に相当する。なお、図１７Ｂでは、第１枠部３２が第２枠部３３に向かって（つまり下方に）突出する凸部３２Ｇを有し、ラベル５１は凸部３２Ｇと第１蓋部３１とに跨って貼られている。

【0111】

（３ｂ）上記実施形態の印刷用カセットにおいて、ラベルは、必ずしもケースの外面に貼られる必要はない。例えば、ラベルは、第１ケース部の内面と第２ケース部の内面とに跨って貼られてもよい。

【0112】

（３ｃ）上記実施形態の印刷装置は、インクリボンを用いて印刷するものに限定されない。印刷装置は、第１実施形態における印刷用テープの代わりとして帯状の感熱紙を用いると共に、インクリボンの代わりとしてラミネートテープ（つまり保護テープ）を用いてもよい。

【0113】

また、印刷装置は、インクリボンに代えて、サーマルヘッドによって印刷パターンの穿孔が行われるステンシルテープを用いてもよい。この場合、ヘッド開口において、印刷用テープはステンシルテープよりも印刷ヘッドに近い位置で（つまり上層として）ステンシルテープに重ね合わせられてもよいし、印刷用テープはステンシルテープよりも印刷ヘッドから離れた位置で（つまり下層として）ステンシルテープに重ね合わせられてもよい。

【0114】

（３ｄ）上記実施形態の印刷用カセットにおいて、伝達機構は、２つ以上のアイドルギアを有してもよい。また、伝達機構は、必ずしもアイドルギアを有しなくてもよい。さらに、伝達機構は、ギア以外の回転体（例えばローラ又はベルト）を有してもよい。

【0115】

（３ｅ）第２実施形態の印刷用カセットは、巻取スプールに代えてラミネートテープが巻回された第３供給スプールを備えてもよい。また、第２実施形態の印刷用カセットにおいて、入力スプールは、インクリボンの巻取スプールとして使用されてもよい。

【0116】

（３ｆ）上記実施形態における１つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を１つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。

【符号の説明】

【0117】

１…印刷装置、１０…印刷用カセット、１１…第１ロール、１１Ａ…印刷用テープ、
１２…第１供給スプール、１４…第２ロール、１４Ａ…インクリボン、
１５…第２供給スプール、１６…入力スプール、２０…伝達機構、２１…出力ギア、
２２…入力ギア、２３…アイドルギア、３１…第１蓋部、３２…第１枠部、
３２Ｂ…カバー部、３２Ｄ…第１ギア支持部、３２Ｇ…凸部、３３…第２枠部、
３３Ｂ…ヘッド開口、３３Ｅ…係合部、３３Ｆ…上面、３４…第２蓋部、
３５…ケース、３５Ａ…左側面、３５Ｂ…前側面、５１…ラベル、５１Ａ…アンテナ、
５１Ｂ…ＩＣチップ、１００…印刷装置本体、１０１…カセット収納部、
１０２…印刷ヘッド、１０３…プラテンローラ、１０４…プラテンギア、
１０５…駆動シャフト、１０７…駆動源、１０８…検出部、１０９…制御ユニット。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】