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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】管理装置、および管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/00 20090101AFI20241217BHJP
   H04W 48/08 20090101ALI20241217BHJP
   H04W 48/06 20090101ALI20241217BHJP
【FI】
H04W48/00 110
H04W48/08
H04W48/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020183233
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022073317
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高宮 和貴
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-298677(JP,A)
【文献】特開2009-060565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼び出し情報を検知する呼び出し情報検知部と、
前記呼び出し情報に基づき呼び出し対象となる端末装置を特定する呼び出し対象特定部と、
前記端末装置と通信を行う基地局装置を特定する基地局特定部と、
前記端末装置を呼び出すよう前記基地局装置に対して指示を行う呼び出し制御部と、
前記端末装置に対して、前記基地局装置が所定条件である場合に異なる基地局装置に位置登録の変更を指示する位置登録変更要請部と、
前記端末装置から送信される位置登録の申請を検出する位置登録検出部と、
前記端末装置の通話の終了を少なくとも検出する通話検出部と、
を備え、
前記基地局特定部は、特定された第1基地局装置の通信チャネルに空きがない場合に、前記第1基地局装置に隣接しかつ通信チャネルに空きがある第2基地局装置を特定し、
前記位置登録変更要請部は、前記端末装置に対して前記第1基地局装置から前記第2基地局装置に位置登録の変更を指示し、
前記位置登録検出部は、前記位置登録の変更の指示により前記端末装置からの位置登録の申請を検出し、
前記呼び出し制御部は、前記位置登録の申請を検出した場合に、前記第2基地局装置から前記端末装置を呼び出すよう前記第2基地局装置に対して指示を行い、
前記通話検出部が前記端末装置の通話の終了を検出した場合に、前記位置登録変更要請部は、前記第2基地局装置から前記端末装置に対して前記第1基地局装置への位置登録を指示する、
管理装置。
【請求項2】
前記端末装置は、自位置を検出する位置検出部を有し、
前記管理装置は、前記端末装置が基地局への位置登録時に前記端末装置から送信される自位置に関する位置情報を記憶する記憶部を備え、
前記基地局特定部は、前記端末装置の位置情報に基づき前記第2基地局装置を特定する、
請求項に記載の管理装置。
【請求項3】
呼び出し情報を検知するステップと、
前記呼び出し情報に基づき呼び出し対象となる端末装置を特定するステップと、
前記端末装置と通信を行う基地局装置を特定し、特定された第1基地局装置の通信チャネルに空きがない場合に、前記第1基地局装置に隣接しかつ通信チャネルに空きがある第2基地局装置を特定するステップと、
前記端末装置を呼び出すよう前記基地局装置に対して指示を行うステップと、
前記端末装置に対して前記第1基地局装置から前記第2基地局装置に位置登録の変更を指示するステップと、
前記端末装置から送信される前記位置登録の変更の指示により前記端末装置からの位置登録の申請を検出するステップと、
前記位置登録の申請を検出した場合に、前記第2基地局装置から前記端末装置を呼び出すよう前記第2基地局装置に対して指示を行うステップと、
前記端末装置の通話の終了を少なくとも検出するステップと、
前記端末装置の通話の終了を検出した場合に、前記第2基地局装置から前記端末装置に対して前記第1基地局装置への位置登録を指示するステップと、
を含む、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、および管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局の通信状況などに応じて、レジストレーションする基地局を切り替える技術が知られている。例えば、特許文献1には、基地局がビジー状態時に、他の基地局をサーチして交信可能な基地局に切り替えて通信する移動端末が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-163428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術文献に記載の技術では、発呼側の発呼端末が通話を開始した場合に、着呼側の着呼端末を位置登録している基地局がビジー状態の場合には、着呼端末は適切に着信動作を開始することができない可能性がある。
【0005】
本発明は、着呼端末に適切に着信動作を開始させることのできる管理装置、および管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る管理装置は、呼び出し情報を検知する呼び出し情報検知部と、前記呼び出し情報に基づき呼び出し対象となる端末装置を特定する呼び出し対象特定部と、前記端末装置と通信を行う基地局装置を特定する基地局特定部と、前記端末装置を呼び出すよう前記基地局装置に対して指示を行う呼び出し制御部と、前記端末装置に対して、前記基地局装置が所定条件である場合に異なる基地局装置に位置登録の変更を指示する位置登録変更要請部と、前記端末装置から送信される位置登録の申請を検出する位置登録検出部と、を備える。
【0007】
本発明に係る管理方法は、呼び出し情報を検知するステップと、前記呼び出し情報に基づき呼び出し対象となる端末装置を特定するステップと、前記端末装置と通信を行う基地局装置を特定するステップと、前記端末装置を呼び出すよう前記基地局装置に対して指示を行うステップと、前記端末装置に対して、前記基地局装置が所定条件である場合に異なる基地局装置に位置登録の変更を指示するステップと、前記端末装置から送信される位置登録の申請を検出するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、着呼端末に適切に着信動作を開始させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る無線通信システムの通信方法の概略を説明するための図である。
図3図3は、実施形態に係る無線通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図4図4は、登録情報を説明するための図である。
図5図5は、基地局情報を説明するための図である。
図6図6は、登録情報を説明するための図である。
図7図7は、実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
図9図9は、実施形態に係る管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10図10は、位置情報を説明するための図である。
図11図11は、実施形態に係る端末装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態の第1変形例に係る無線通信システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図13図13は、実施形態の第1変形例に係る管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14図14は、実施形態の第2変形例に係る無線通信システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図15図15は、実施形態の第2変形例に係る管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16図16は、実施形態の第3変形例に係る無線通信システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[実施形態]
<無線通信システム>
図1を用いて、実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。図1は、実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、無線通信システム1は、管理装置10と、基地局装置12aと、基地局装置12bと、基地局装置12cと、端末装置14aと、端末装置14bと、端末装置14cと、を含む。基地局装置12aと、基地局装置12bと、基地局装置12cとは、基地局装置12または基地局装置と総称することもある。端末装置14aと、端末装置14bと、端末装置14cとは、端末装置14または端末装置と総称することもある。実施形態では、基地局装置12の数は3であるものとして説明するが、これに限定されない。基地局装置12の数は3よりも多くても少なくてもよい。また、実施形態では、端末装置14の数は3であるものとして説明するが、これに限定されない。端末装置14の数は3よりも多くても少なくてもよい。無線通信システム1は、例えば、業務用無線通信システムであるが、これに限定されない。
【0013】
管理装置10と、基地局装置12とは、無線または有線のネットワークNを介して、互いに通信可能に接続されている。管理装置10は、基地局装置12を制御する。管理装置10は、基地局装置12を制御して、端末装置14aから端末装置14cの間で行われる音声通信を含む各種の通信を制御する。本実施形態では、管理装置10は、基地局装置12を制御することで、端末装置14aから端末装置14cのうち他の端末装置から音声信号を着呼した着呼端末に適切に着信動作を開始させる。
【0014】
図2を用いて、実施形態に係る無線通信システムの通信方法の概略について説明する。図2は、実施形態に係る無線通信システムの通信方法の概略を説明するための図である。図2では、管理装置10を省略して示している。
【0015】
図2に示すように、基地局装置12aの通信範囲は範囲Ra、基地局装置12bの通信範囲は範囲Rb、基地局装置12cの通信範囲は範囲Rcであるものとする。範囲Raと範囲Rbとの共通の範囲は範囲Rab、範囲Rbと範囲Rcの共通の範囲は範囲Rbcであるものとする。端末装置14aは、範囲Ra内に位置している。端末装置14bは、範囲Rb内に位置している。端末装置14cは、範囲Rc内に位置している。端末装置14cは、範囲Rbと範囲Rcとの重複領域である範囲Rbc内に位置している。
【0016】
基地局装置12aと、基地局装置12bと、基地局装置12cとは、マルチサイトを構成している。無線通信システム1において、管理装置10は、基地局装置12aと、基地局装置12bと、基地局装置12cとを制御可能に構成されている。
【0017】
図2において、端末装置14aは、基地局装置12aに位置登録している。端末装置14bは、基地局装置12bに位置登録している。端末装置14cは、基地局装置12cに位置登録している。端末装置14aは、基地局装置12aを用いて、端末装置14bおよび端末装置14cとの間でグループ通信を実行する。端末装置14bは、基地局装置12bを用いて、端末装置14aおよび端末装置14cとの間でグループ通信を実行する。端末装置14cは、基地局装置12cを用いて、端末装置14aおよび端末装置14bとの間でグループ通信を実行する。
【0018】
[無線通信システムの処理]
図3を用いて、実施形態に係る無線通信システムの処理の流れについて説明する。図3は、実施形態に係る無線通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0019】
端末装置14aは基地局装置12aに位置登録の申請を行い、基地局装置12aは端末装置14aの位置登録を行う(ステップS2)。端末装置14bは基地局装置12bに位置登録の申請を行い、基地局装置12bは端末装置14bの位置登録を行う(ステップS4)。端末装置14cは基地局装置12cに位置登録の申請を行い、基地局装置12cは端末装置14cの位置登録を行う(ステップS6)。管理装置10は、端末装置からの申請により基地局装置に位置登録している端末装置を検出し記憶する。ここでは、基地局装置12cは、通話に使用される通信チャネルが全て使用中、つまりビジー状態であるとする(ステップS8)。この場合、管理装置10は、基地局装置12cがビジー状態であると判定する。
【0020】
図4は、登録情報を説明するための図である。図4は、ステップS2からステップS6の処理により、端末装置14に登録された基地局装置12の登録情報26Aを示している。図4に示すように、端末装置14aには、基地局装置12aが登録されている。端末装置14bには、基地局装置12bが登録されている。端末装置14cには、基地局装置12cが登録されている。管理装置10は、図4に示すような、登録情報26Aを記憶部26に記憶している。すなわち、管理装置10は、登録情報26Aに基づいて、無線通信システム1に含まれる各端末装置14が登録している基地局装置12を把握することができる。
【0021】
図5は、基地局情報を説明するための図である。図5は、ステップS8の処理により基地局装置12の通信チャネルに関する基地局情報26Bを示している。図5に示すように、基地局装置12aには、通信チャネルに空きがあることが示されている。基地局装置12bには、通信チャネルに空きがあることが示されている。基地局装置12cには、通信チャネルに空きがないことが示されている。すなわち、基地局装置12cは、ビジー状態であることが示されている。管理装置10は、図5に示すような、基地局情報26Bを記憶部26に記憶している。すなわち、管理装置10は、基地局情報26Bに基づいて、無線通信システム1に含まれる基地局装置12の通信チャネルの状態を把握することができる。
【0022】
図3に戻る。端末装置14aは、基地局装置12aに対して呼制御要求を送信する(ステップS10)。すなわち、端末装置14aは、グループ通信の開始の要求を送信する。基地局装置12aは、呼制御要求を受信する。管理装置10は、基地局装置12aより端末装置14aの呼制御要求を受信し、呼び出し対象となる端末装置14cを特定する。管理装置10は、端末装置14cを位置登録している基地局装置12cを特定する。管理装置10は、基地局装置12cに、位置登録中の端末装置14cに対して位置登録変更要求を出すよう指示する。
【0023】
基地局装置12cは、位置登録変更要求を端末装置14cに送信する(ステップS12)。すなわち、基地局装置12cは、ビジー状態であるため端末装置14cへ呼制御要求を送信することができないので、位置登録を変更する旨の要求を端末装置14cに送信する。
【0024】
端末装置14cは、基地局装置12bに位置登録を行う(ステップS14)。端末装置14cは、基地局装置12cの隣接の基地局装置である基地局装置12bに位置登録を行う。
【0025】
図6は、登録情報を説明するための図である。図6は、ステップS14の処理により、端末装置14に登録された基地局装置12の登録情報26Aaを示している。図6に示すように、端末装置14aには、基地局装置12aが登録されている。端末装置14bには、基地局装置12bが登録されている。端末装置14cには、基地局装置12bが登録されている。すなわち、端末装置14cは、位置登録する基地局を基地局装置12cから基地局装置12bに変更する。なお、管理装置10は、変更後の登録情報26Aaについても記憶している。
【0026】
図3に戻る。基地局装置12bは、端末装置14cに呼制御要求を送信する(ステップS16)。端末装置14cは、呼制御要求に従い、基地局装置12bからの信号受信を開始する。端末装置14aは、グループ通話を開始するために、音声信号を基地局装置12aに送信する(ステップS18)。基地局装置12aは、端末装置14aから受信した音声信号を基地局装置12bに送信する(ステップS20)。基地局装置12bは、基地局装置12aから受信した音声信号を端末装置14bおよび端末装置14cに送信する(ステップS22)。ステップS18からステップS22の処理により、グループ通信が開始される。この場合、端末装置14aは発呼端末と呼ばれ、端末装置14bおよび端末装置14cは着呼端末と呼ばれる。なお、グループ通信の開始は、管理装置10により検出される。
【0027】
端末装置14bまたは端末装置14cからグループ通信を開始する場合には、ステップS18からステップS22の処理の、逆の処理となる。
【0028】
端末装置14aと、端末装置14bと、端末装置14cは、グループ通話を終了する(ステップS24)。言い換えれば、管理装置10は、グループ通話の終了を検出する。
【0029】
端末装置14cは、基地局装置12cに位置登録する(ステップS26)。すなわち、端末装置14cは、グループ通信の際に登録を変更した基地局装置12bからグループ通信を開始する前に登録していた基地局装置12cに位置登録する。本実施形態では、端末装置14がグループ通信を開始する前に位置登録していた基地局装置12を第1基地局装置と呼び、グーループ通信を開始する際に変更して位置登録した基地局装置12を第2基地局装置と呼ぶこともある。
【0030】
[管理装置の構成]
図7を用いて、実施形態に係る管理装置の構成例について説明する。図7は、実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0031】
図7に示すように、管理装置10は、通信部20と、操作部22と、表示部24と、記憶部26と、制御部28と、を備える。
【0032】
通信部20は、無線または有線のネットワークを介して外部の装置と通信する。通信部20は、例えば、基地局装置12と通信を実行する。
【0033】
操作部22は、端末装置14に対する各種の操作を受け付ける。操作部22は、例えば、他の無線通信装置などとの間の通信を開始したり、通信を終了したりする操作を受け付ける。操作部22は、例えば、マウス、キーボード、ボタン、スイッチ、レバー、テンキー、タッチパネルなどを含む。
【0034】
表示部24は、各種の情報を表示する。表示部24は、例えば、基地局装置12の状態に関する情報を表示する。表示部24は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイを含む。表示部24は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光部を含む。なお、表示部24は、操作部22としてタッチパネル等を用いて、操作部52を一体的に構成してもよい。
【0035】
記憶部26は、各種の情報を記憶するメモリである。記憶部26は、例えば、制御部28の演算内容およびプログラムなどの情報を記憶する。記憶部26は、例えば、無線通信システム1に含まれる各端末装置14が位置登録している基地局装置12に関する情報を記憶している。記憶部26は、例えば、無線通信システム1に含まれる各端末装置14が位置登録している基地局装置12に隣接している、基地局装置12に関する情報を記憶する。記憶部26は、例えば、無線通信システム1に含まれる各基地局装置12のチャネルの使用状況に関する情報を記憶する。記憶部26は、例えば、無線通信システム1に含まれる各基地局装置12のうち、ビジー状態の基地局装置12に関する情報を記憶する。記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0036】
制御部28は、管理装置10の各部の動作を制御する。制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部26などに記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部28は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部28は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0037】
制御部28は、呼び出し情報検知部30と、呼び出し対象特定部32と、基地局特定部34(第1基地局特定部34aおよび第2基地局特定部34b)と、位置登録変更要請部36と、位置登録検出部38と、呼び出し制御部40と、通話検出部42と、を備える。
【0038】
呼び出し情報検知部30は、発呼側の端末装置14からの呼び出し情報を検知する。呼び出し情報検知部30は、例えば、発呼側の端末装置14からのグループ通話の開始を検知する。
【0039】
呼び出し対象特定部32は、発呼側の端末装置14の呼び出し対象を特定する。呼び出し対象特定部32は、例えば、発呼側の端末装置14からの呼び出し情報に基づいて、グループ通話の対象となる着呼側の端末装置14を特定する。
【0040】
基地局特定部34は、端末装置と通信を行う基地局装置を特定する。基地局特定部34の第1基地局特定部34aは、端末装置14を位置登録している基地局装置12を第1基地局装置として特定する。第1基地局特定部34aは、例えば、呼び出し対象特定部32により特定された端末装置14が位置登録済の基地局装置12を第1基地局装置として特定する。第1基地局特定部34aは、特定した第1基地局装置の通信チャネルに空きがあるか否かを判定してもよい。第1基地局装置の通話チャネルに空きがあれば第1基地局装置から端末装置14を呼び出す指示(呼制御要求)を行うよう第1基地局装置に指示する。
【0041】
基地局特定部34の第2基地局特定部34bは、第1基地局装置とは異なり端末装置14を、位置登録をしていない第2基地局装置を特定する。第2基地局特定部34bは、例えば、第1基地局特定部34aにより特定された第1基地局装置の通信チャネルに空きがない場合に、第1基地局装置に隣接し、かつ通信チャネルに空きがある基地局装置12を第2基地局装置として特定する。
【0042】
位置登録変更要請部36は、第2基地局特定部34bにより第2基地局装置が特定された場合、第1基地局装置から第1基地局装置に位置登録している端末装置14に対して、第2基地局装置への位置登録の変更の要求を送信させる。位置登録の変更の要求は、第2基地局装置への一時的な変更の指示であってもよい、第2基地局装置への位置登録の変更を維持させる指示であってもよい。
【0043】
位置登録検出部38は、位置登録変更要請部36による位置登録の変更の要求に対する、端末装置14からの位置登録の申請を検出する。
【0044】
呼び出し制御部40は、位置登録検出部38により端末装置14の位置登録の申請を検出した場合に、第2基地局装置から端末装置14を呼び出す指示(呼制御要求)を行うよう第2基地局装置に対して指示する。
【0045】
通話検出部42は、無線通信システム1に含まれる端末装置14間の通話に関する各種情報を検出する。通話検出部42は、例えば、端末装置14間の通話の開始を検出する。通話検出部42は、例えば、端末装置14間の通話の終了を検出する。通話検出部42は、例えば、少なくとも端末装置14間の通話の終了を検出するようにしてもよい。
【0046】
[端末装置の構成]
図8を用いて、実施形態に係る端末装置の構成例について説明する。図8は、実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【0047】
図8に示すように、端末装置14は、通信部50と、操作部52と、マイク54と、スピーカ56と、表示部58と、位置検出部60と、記憶部62と、制御部64と、を備える。端末装置14は、例えば、携帯型の無線通信装置、スマートフォン、タブレット端末などを含むが、これらに限定されない。
【0048】
通信部50は、遠距離無線通信を実行する機能を有する。遠距離無線通信としては、例えば、APCO-P25(Association of Public safety Communications Officials international Project 25)およびNXDN(登録商標)といったデジタル業務無線が挙げられる。遠距離無線通信は、携帯電話網等による通信であってもよい。
【0049】
操作部52は、端末装置14に対する各種の操作を受け付ける。操作部52は、例えば、他の端末装置14との間のグループ通信を開始したり、グループ通信を終了したりする操作を受け付ける。操作部52は、例えば、ボタン、スイッチ、レバー、テンキー、タッチパネル、およびPTT(Push to Talk)ボタンなどを含む。
【0050】
マイク54は、端末装置14の周囲の音声を収音する。マイク120は、例えば、ユーザの音声を収音して電気信号に変換する。マイク54は、電気信号に変換された音声を音声通話信号として制御部64に出力する。スピーカ56は、種々の音声を出力する。スピーカ56は、例えば他の端末装置14から受信した音声信号を、音声として出力する。
【0051】
表示部58は、各種の情報を表示する。表示部58は、例えば、端末装置14の状態、および通信状況などに関する各種の情報を表示する。表示部58は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどを含むディスプレイを含む。表示部58は、例えば、LEDなどの発光部を含む。なお、表示部58は、操作部52としてタッチパネル等を用いて、操作部52を一体的に構成してもよい。
【0052】
位置検出部60は、図示しないGNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号を受信する。位置検出部60は、受信したGNSS信号(位置情報を特定するための情報)を制御部64に出力する。位置検出部60は、例えば、GNSS受信回路またはGNSS受信装置で実現することができる。
【0053】
記憶部62は、各種の情報を記憶するメモリである。記憶部62は、例えば、制御部64の演算内容およびプログラムなどの情報を記憶する。記憶部62は、例えば、端末装置14が位置登録している基地局装置12に関する情報を記憶している。記憶部62は、例えば、端末装置14が位置登録している基地局装置12に隣接している、基地局装置12に関する情報を記憶する。記憶部62は、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0054】
制御部64は、端末装置14の各部の動作を制御する。制御部64は、例えば、CPUやMPU等によって、記憶部62などに記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部64は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部64は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0055】
制御部64は、例えば、位置検出部60が受信したGNSS信号に基づいて、端末装置14の現在位置を、周知の方法を用いて算出する。制御部64は、例えば、端末装置14の現在位置を地球座標で算出する。制御部64は、通信部50を介して、算出した端末装置14の現在位置に関する位置情報を管理装置10に送信する。
【0056】
[管理装置の処理]
図9を用いて、実施形態に係る管理装置の処理について説明する。図9は、実施形態に係る管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0057】
呼び出し情報検知部30は、呼び出し情報を検知する(ステップS100)。具体的には、呼び出し情報検知部30は、発呼側の端末装置14が送信した呼制御要求に含まれる呼び出し情報に基づいて、グループ通話の開始の旨の情報を検知する。そして、ステップS102に進む。
【0058】
呼び出し対象特定部32は、呼び出し対象となる端末装置14を特定する(ステップS102)。具体的には、呼び出し対象特定部32は、発呼側の端末装置14が送信した呼び出し情報に基づいて、呼び出し対象となる着呼側の端末装置14を特定する。そして、ステップS104に進む。
【0059】
第1基地局特定部34aは、第1基地局装置を特定する(ステップS104)。第1基地局特定部34aは、呼び出し対象特定部32により特定された着呼側の端末装置14が位置登録している基地局装置12を特定する。具体的には、第1基地局特定部34aは、記憶部26に記憶された登録情報26Aなどに基づいて、着呼側の端末装置14が位置登録している基地局装置12を特定する。そして、ステップS106に進む。
【0060】
第1基地局特定部34aは、特定された着呼側の端末装置14が位置登録している第1基地局装置がビジー状態であるか否かを判定する(ステップS106)。第1基地局特定部34aは、第1基地局装置に空いている通信チャネルがあるか否かに基づいて、第1基地局装置がビジー状態であるか否かを判定する。具体的には、第1基地局特定部34aは、第1基地局装置に空いている通信チャネルがない場合に、その第1基地局装置をビジー状態であると判定する。第1基地局装置がビジー状態であると判定された場合(ステップS106;Yes)、ステップS108に進む。第1基地局装置がビジー状態でないと判定された場合(ステップS106;No)、ステップS118に進む。
【0061】
ステップS106でYesと判定された場合、第2基地局特定部34bは、第2基地局装置を特定する(ステップS108)。第2基地局特定部34bは、ステップS106でビジー状態であると判定された第1基地局装置に隣接している基地局装置12を第2基地局装置として特定する。第2基地局特定部34bは、例えば、各端末装置14の位置情報に基づいて、第2基地局を特定するようにしてもよい。
【0062】
図10は、位置情報を説明するための図である。図10は、各端末装置14の現在の位置情報26Cを示している。各端末装置14の位置情報は、例えば、(緯度、経度)のように地球座標で示され得る。端末装置14aの位置情報は、例えば、(La1、Lo1)である。端末装置14bの位置情報は、例えば、(La2、Lo2)である。端末装置14cの位置情報は、例えば、(La3、Lo3)である。管理装置10は、図10に示すような、位置情報26Cを記憶部26に記憶している。各端末装置14の位置情報は、例えば、基地局装置12への位置登録の際に各端末装置14から送信される。第2基地局特定部34bは、例えば、位置情報26Cに基づいて、第2基地局装置を特定する。第2基地局特定部34bは、例えば、現在位置から最も近い位置の基地局装置12を第2基地局装置として特定する。なお、図10では緯度と経度とを(La1、Lo1)から(La3、Lo3)のように概念的に示しているが、実際には、緯度と経度との座標が数値で示される。
【0063】
図9に戻る。ステップS108の後、第2基地局特定部34bは、特定された第2基地局装置がビジー状態であるか否かを判定する(ステップS110)。第2基地局特定部34bは、基地局情報26Bを参照し、第2基地局装置に空いている通信チャネルがあるか否かに基づいて、第2基地局装置がビジー状態であるか否かを判定する。具体的には、第2基地局特定部34bは、第2基地局装置に空いている通信チャネルがない場合に、その第2基地局装置をビジー状態であると判定する。第2基地局装置がビジー状態でないと判定された場合(ステップS110;No)、ステップS112に進む。第2基地局装置がビジー状態であると判定された場合(ステップS110;Yes)、ステップS126に進む。
【0064】
ステップS110でNoと判定された場合、位置登録変更要請部36は、ビジー状態の第1基地局装置を登録している端末装置14に対し、位置登録の変更を示す指示に関する情報を送信する(ステップS112)。位置登録変更要請部36は、例えば、第1基地局装置から第1基地局装置に位置登録している端末装置14に対して、位置登録を変更する指示に関する情報を送信する。そして、ステップS114に進む。
【0065】
位置登録検出部38は、端末装置14からの位置登録の申請を検出したか否かを判定する(ステップS114)。具体的には、位置登録検出部38は、端末装置14から第2基地局装置への位置登録の申請を検出したか否かを判定する。端末装置14からの位置登録の申請を検出したと判定された場合(ステップS114;Yes)、ステップS116に進む。端末装置14からの位置登録の申請を検出していないと判定された場合(ステップS114;No)、ステップS130に進む。
【0066】
ステップS114でYesと判定された場合、端末装置14は、第2基地局装置に位置登録される。これにより、呼び出し制御部40は、第2基地局装置から端末装置14を呼び出す(ステップS116)。そして、ステップS118に進む。
【0067】
通話検出部42は、端末装置14間の通話の開始を検出する(ステップS118)。通話検出部42は、例えば、端末装置14間で送受信される音声信号に基づいて、グループ通話などの通話の開始を検出する。そして、ステップS120に進む。
【0068】
通話検出部42は、端末装置14間の通話の終了を検出する(ステップS120)。通話検出部42は、例えば、端末装置14間で音声信号の送受信がなくなった場合に、通話が終了したと判定する。そして、ステップS122に進む。
【0069】
位置登録検出部38は、端末装置14が位置登録を変更したか否かを判定する(ステップS122)。具体的には、位置登録検出部38は、通話を開始する際に、端末装置14が第1基地局装置から第2基地局装置へ位置登録を変更したか否かを判定する。位置登録を変更したと判定された場合(ステップS122;Yes)、ステップS124に進む。位置登録を変更してないと判定された場合(ステップS122;No)、図9の処理を終了する。
【0070】
ステップS122でYesと判定された場合、位置登録変更要請部36は、端末装置14に対し、第2基地局装置から第1基地局装置へ位置登録を変更する旨の指示に関する情報を送信する(ステップS124)。すなわち、位置登録変更要請部36は、端末装置14に通話を開始する前に位置登録していた第1基地局装置に位置登録させる。そして、図9の処理は終了する。
【0071】
ステップS110でYesと判定された場合、位置登録変更要請部36は、待機する旨の情報を端末装置14に送信する(ステップS126)。具体的には、位置登録変更要請部36は、端末装置14に対しビジー状態である第1基地局装置への位置登録を継続させる。そして、ステップS128に進む。
【0072】
制御部28は、所定時間経過したか否かを判定する(ステップS128)。具体的には、制御部28は、端末装置14が待機してから予め定められたタイムアウトするまでの時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したと判定された場合(ステップS128;Yes)、図9の処理を終了する。所定時間が経過していないと判定された場合(ステップS128;No)、ステップS110に進む。
【0073】
ステップS114でNoと判定された場合、制御部28は所定時間経過したか否かを判定する(ステップS130)。具体的には、制御部28は、端末装置14に位置登録の変更を指示してから予め定められたタイムアウトするまでの時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したと判定された場合(ステップS130;Yes)、図9の処理を終了する。所定時間が経過していないと判定された場合(ステップS130;No)、ステップS114に進む。
【0074】
[端末装置の処理]
図11を用いて、実施形態に係る端末装置の処理の流れについて説明する。図11は、実施形態に係る端末装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0075】
端末装置14の制御部64は、第1基地局装置に位置登録する(ステップS200)。具体的には、制御部64は、通信部50を介して、基地局装置12のうち通信範囲内に位置する第1基地局装置に位置登録する。そして、ステップS202に進む。
【0076】
制御部64は、位置登録の変更の要求を受信したか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、制御部64は、他の端末装置14がグループ通話の開始を要求し、ビジー状態である第1基地局装置から位置登録の変更の要求を受信したか否かを判定する。位置登録の変更の要求を受信したと判定された場合(ステップS202;Yes)、ステップS204に進む。位置登録の変更の要求を受信していないと判定された場合(ステップS202;No)、ステップS208に進む。
【0077】
ステップS202でYesと判定された場合、制御部64は、位置登録可能な第2基地局装置があるか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、第1基地局装置に隣接し、通信チャネルに空きがある第2基地局装置があるか否かを判定する。位置登録可能な第2基地局装置があると判定された場合(ステップS204;Yes)、ステップS206に進む。位置登録可能な第2基地局装置がないと判定された場合(ステップS204;No)、ステップS216に進む。
【0078】
ステップS204でYesと判定された場合、制御部64は、第2基地局装置に位置登録する(ステップS206)。具体的には、制御部64は、通信部50を介して、第2基地局装置に位置登録する。そして、ステップS208に進む。
【0079】
制御部64は、通話の開始を検知する(ステップS208)。制御部64は、例えば、第2基地局装置から送信される音声信号に基づいて、グループ通話の開始を検知する。そして、ステップS210に進む。
【0080】
制御部64は、通話の終了を検知する(ステップS210)。制御部64は、例えば、第2基地局装置から音声信号を所定時間受信しなかった場合に、グループ通話の終了を検知する。そして、ステップS212に進む。
【0081】
制御部64は、位置登録を変更したか否かを判定する(ステップS212)。具体的には、制御部64は、通話を開始する際に、登録している基地局装置を第1基地局装置から第2基地局装置に変更したか否かを判定する。位置登録を変更したと判定された場合(ステップS212;Yes)、ステップS214に進む。位置登録を変更していないと判定された場合(ステップS212;No)、図11の処理を終了する。
【0082】
ステップS212でYesと判定された場合、制御部64は、第1基地局装置に位置登録する(ステップS214)。具体的には、制御部64は、通話の際に位置登録していた第2基地局装置から通話の前に位置登録していた第1基地局装置に位置登録する。そして、図11の処理を終了する。
【0083】
ステップS204でNoと判定された場合、制御部64は、待機する(ステップS216)。具体的には、制御部64は、第1基地局装置に位置登録をしたままの状態で、待機する。そして、ステップS218に進む。
【0084】
制御部64は、所定時間経過したか否かを判定する(ステップS218)。具体的には、制御部64は、第1基地局装置に位置登録したままの状態で待機してから予め定められたタイムアウトするまでの時間が経過したか否かを判定する。所定時間経過したと判定された場合(ステップS218;Yes)、図11の処理を終了する。所定時間経過していないと判定された場合(ステップS218;No)、ステップS216に進む。
【0085】
上述のとおり、本実施形態は、グループ通信を開始する際に、ビジー状態の基地局装置12に位置登録をしている端末装置14に対して、位置登録の変更の要求を送信する。位置登録の変更の要求を受信した端末装置14は、位置登録していた基地局装置12に隣接し、かつ通信チャネルに空きのある基地局装置12に位置登録する。これにより、本実施形態は、着呼側の端末装置14に対して、グループ通話などの通信の際に適切に着信動作を行わせることができる。
【0086】
また、本実施形態は、グループ通信が終了すると、位置登録を変更した端末装置14の位置登録する基地局装置12を、グループ通信を開始する前の基地局装置12に変更する。これにより、本実施形態では、端末装置14は、より電波環境のよい基地局装置12に位置登録することができる。
【0087】
[無線通信システムの処理の第1変形例]
図12を用いて、実施形態の第1変形例に係る無線通信システムの処理について説明する。図12は、実施形態の第1変形例に係る無線通信システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0088】
図12に示す実施形態の第1変形例に係る処理では、端末装置14間のグループ通話が終了した後、基地局装置に対する位置登録の変更を行った端末装置14の処理が、実施形態に係る無線通信システムの処理とは異なっている。
【0089】
図12に示すように、ステップS24の後、端末装置14cは、位置登録を維持する(ステップS28)。具体的には、端末装置14cは、グループ通信が終了した後、基地局装置12cへの位置登録をせずに、グループ通信の際に位置登録した基地局装置12bへの位置登録を維持する。
【0090】
図13を用いて、実施形態の第1変形例に係る管理装置の処理の流れについて説明する。図13は、実施形態の第1変形例に係る管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13の処理は、ステップS122でYesと判定された場合の処理が、図9に示す処理とは異なる。
【0091】
ステップS122でYesと判定された場合、位置登録変更要請部36は、第2基地局装置への位置登録を維持する(ステップS132)。すなわち、位置登録変更要請部36は、グループ通話の終了が検出された場合に、端末装置14に第2基地局装置への登録を維持させる。そして、図13の処理を終了する。
【0092】
上述のとおり、実施形態の第1変形例では、グループ通信が終了すると、位置登録を変更した端末装置14の位置登録する基地局装置12を、グループ通信が終了した後も変更せずに維持する。これにより、実施形態の第1変形例では、通信チャネルが空いている基地局装置12への位置登録を継続させることができるので、続けてグループ通信がされた場合などに適切に、着信動作を行わせることができる。
【0093】
[無線通信システムの処理の第2変形例]
図14を用いて、実施形態の第2変形例に係る無線通信システムの処理について説明する。図14は、実施形態の第2変形例に係る無線通信システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0094】
図14に示す実施形態の第2変形例に係る処理では、端末装置14間のグループ通話が終了した後、基地局装置に対する位置登録の変更を行った端末装置14の処理が、実施形態に係る無線通信システムの処理とは異なっている。
【0095】
図14に示すように、ステップS24の後、端末装置14cは、基地局装置を検索する(ステップS30)。具体的には、端末装置14cは、グループ通信が終了した後、新たな位置登録先としての基地局装置12を検索する。
【0096】
図15を用いて、実施形態の第2変形例に係る管理装置の処理の流れについて説明する。図15は、実施形態の第2変形例に係る管理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図15の処理は、ステップS122でYesと判定された場合の処理が、図9に示す処理とは異なる。
【0097】
ステップS122でYesと判定された場合、第2基地局特定部34bは、新たな第2基地局装置を特定する(ステップS134)。具体的には、第2基地局特定部34bは、例えば、記憶部26に記憶された位置情報26Cなどに基づいて、端末装置14の現在位置から最も近い基地局装置12または最も電波強度の強い基地局装置12を新たな第2基地局装置として特定する。すなわち、第2基地局特定部34bは、より通信が行いやすい条件の基地局装置12を新たな第2基地局装置として特定する。そして、ステップS136にすすむ。
【0098】
第2基地局特定部34bは、より通信が行いやすい条件の新たな第2基地局装置があるか否かを判定する(ステップS136)。具体的には、第2基地局特定部34bは、基地局情報26Bに基づいて、新たな第2基地局装置があるか否かを判定する。新たな第2基地局装置があると判定された場合(ステップS136;Yes)、ステップS138に進む。新たな第2基地局装置がないと判定された場合(ステップS136;No)、ステップS140に進む。
【0099】
ステップS136でYesと判定された場合、位置登録変更要請部36は、端末装置14に対し、第2基地局装置から新たな第2基地局装置へ位置登録を変更する旨の指示に関する情報を送信する(ステップS138)。すなわち、位置登録変更要請部36は、端末装置14により通信が行いやすい条件の新たな第2基地局装置に位置登録させる。そして、図15の処理は終了する。
【0100】
ステップS136でNoと判定された場合、位置登録変更要請部36は、端末装置14に対し、第2基地局装置から第1基地局装置へ位置登録を変更する旨の指示に関する情報を送信する(ステップS140)。すなわち、位置登録変更要請部36は、端末装置14に通話を開始する前に位置登録していた第1基地局装置に位置登録させる。なお、位置登録変更要請部138は、ステップS140では、端末装置14に第2基地局装置への登録を維持させるようにしてもよい。そして、図15の処理は終了する。
【0101】
上述のとおり、実施形態の第2変形例では、グループ通信が終了すると、より通信が行いやすい条件の基地局装置12を検索する。実施形態の第2変形例は、より通信が行いやすい条件の基地局装置12が存在する場合にはその基地局装置12を新たな第2基地局装置として位置登録する。これにより、実施形態の第2変形例では、例えば、ユーザが移動しながら端末装置14を用いてグループ通話をしていた際に、グループ通話が終了した地点でより通信が行いやすい条件の基地局装置12に位置登録することができる。
【0102】
[無線通信システムの処理の第3変形例]
図16を用いて、実施形態の第3変形例に係る無線通信システムの処理について説明する。図16は、実施形態の第3変形例に係る無線通信システムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0103】
図16に示す実施形態の第3変形例に係る処理は、第1基地局装置から第2基地局装置に位置登録する際に、第2基地局装置がビジー状態であった場合に端末装置14に待機させる処理の一例を示している。この場合、ステップS18の後の処理が、図3の処理と異なる。
【0104】
図16に示すように、ステップS14の後、基地局装置12bは、端末装置14cに対して、待機要求を送信する(ステップS32)。具体的には、基地局装置12bは、ビジー状態であるため、端末装置14cからの位置登録に対して、待機の指示に関する情報を含む待機要求を端末装置14cに送信する。そして、ステップS34に進む。
【0105】
端末装置14cは、待機する(ステップS34)。具体的には、端末装置14cは、待機要求に従って、基地局装置12cから位置登録する基地局装置12を変更せずに待機する。端末装置14cは、基地局装置12bへの位置登録が完了するまでの間、ステップS14と、ステップS34との処理を繰り返す。そして、ステップS36に進む。
【0106】
端末装置14cは、タイムアウトする(ステップS36)。具体的には、端末装置14cは、所定時間の間、基地局装置12bへ位置登録ができなかった場合には、基地局装置12cへの位置登録を維持した状態で、タイムアウトする。そして、図16の処理を終了する。
【0107】
なお、図16に示す処理では、端末装置14cは、位置登録の変更先の基地局装置12bから待機供給を直接受信しているが、本発明はこれに限られない。例えば、本発明では、各基地局装置12が通信チャネルの使用状況を含む基地局情報を定期的にブロードキャスト送信していてもよい。この場合、端末装置14cは、基地局装置12bからブロードキャスト送信された基地局情報に基づいて、基地局装置12bがビジー状態であることを判定して待機するようにしてもよい。
【0108】
上述のとおり、実施形態の第3変形例では、グループ通信などを行うために端末装置14が位置登録する基地局装置12を変更する際に、位置登録の変更先の基地局装置12がビジー状態となって場合に、端末装置14を待機させることができる。
【0109】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0110】
1 無線通信システム
10 管理装置
12 基地局装置
14 端末装置
20,50 通信部
22,52 操作部
24,58 表示部
26,62 記憶部
28,64 制御部
30 呼び出し情報検知部
32 呼び出し対象特定部
34 基地局特定部
34a 第1基地局特定部
34b 第2基地局特定部
36 位置登録変更要請部
38 位置登録検出部
40 呼び出し制御部
42 通話検出部
54 マイク
56 スピーカ
60 位置検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16