(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】生産管理システム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20241217BHJP
B29C 45/76 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B29C45/76
(21)【出願番号】P 2020191089
(22)【出願日】2020-11-17
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】美濃羽 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】土本 和彦
(72)【発明者】
【氏名】樋口 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 祐二
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-028281(JP,A)
【文献】特開昭61-098522(JP,A)
【文献】特開2000-343387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
B29C 45/00
B29C 45/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産管理システムであって、
成形品を生産する射出成形ユニットと、
制御装置と、を備え、
前記射出成形ユニットは、
射出成形によって前記成形品を成形する射出成形機と、
前記成形品を前記射出成形機から取り出す取出機と、
前記成形品の生産数が予め定められた生産単位に相当するか否か判定する判定部と、
前記生産数が前記予め定められた生産単位に相当すると判定された場合、前記射出成形ユニットの稼動情報を送信する稼動情報送信部と、を備え、
前記制御装置は、前記稼動情報送信部によって送信された前記稼動情報を受信する稼動情報受信部を備え
、
前記成形品は、前記射出成形機による成形と、前記取出機による取り出しとが行われることによって生産され、
前記稼動情報は、前記予め定められた生産単位の1単位分の前記成形品の生産が完了したことを表す情報を含み、
前記予め定められた生産単位は、第1の生産単位と、前記第1の生産単位よりも大きい第2の生産単位とを含み、
前記稼動情報送信部は、
前記生産数が前記第1の生産単位に相当すると判定された場合、前記稼動情報として、前記第1の生産単位の1単位分の生産の完了を表す情報を送信し、
前記生産数が前記第2の生産単位に相当すると判定された場合、前記稼動情報として、前記第2の生産単位の1単位分の生産の完了を表す情報を送信する、
生産管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生産管理システムであって、
前記射出成形ユニットは、生産条件に従って前記成形品を生産する成形制御部を備え、
前記予め定められた生産単位は、前記生産条件に基づいて決定される、生産管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の生産管理システムであって、
前記制御装置は、前記成形品の生産に先立って、前記生産条件を送信する生産条件送信部を備え、
前記射出成形ユニットは、前記生産条件送信部によって送信された前記生産条件を受信する生産条件受信部を備える、生産管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の生産管理システムであって、
前記成形制御部は、前記成形品の仕様を特定するための情報を取得し、取得した前記仕様を特定するための情報を前記制御装置に送信し、
前記生産条件送信部は、前記成形品の生産に先立って、受信した前記仕様を特定するための情報に基づいて前記生産条件を取得し、取得した前記生産条件を前記成形制御部に送信する、生産管理システム。
【請求項5】
請求項
1に記載の生産管理システムであって、
前記射出成形ユニットは、前記予め定められた生産単位を取得する取得部を備える、生産管理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の生産管理システムであって、
前記射出成形ユニットは、前記予め定められた生産単位の入力を受け付ける入力部を備え、
前記取得部は、前記入力部を介して入力された前記予め定められた生産単位を取得する、生産管理システム。
【請求項7】
請求項5に記載の生産管理システムであって、
前記取得部は、前記制御装置から前記予め定められた生産単位を取得する、生産管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形ユニットの生産管理システムについて、例えば、特許文献1には、射出成形機が、予め設定されたサンプリング間隔で、射出成形機の状態データや生産データ等を管理コンピューターへ送信する技術が開示されている。管理コンピューターは、射出成形機から受信したデータに基づいて、射出成形機による生産を管理できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、サンプリング間隔を長くすると、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握できない可能性が高かった。一方で、単にサンプリング間隔を短くすると、データ通信量や処理負荷が増大し、射出成形機や管理コンピューターの稼動に影響が及ぶ虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、生産管理システムが提供される。この生産管理システムは、成形品を生産する射出成形ユニットと、制御装置と、を備える。前記射出成形ユニットは、射出成形によって前記成形品を成形する射出成形機と、前記成形品の生産数が予め定められた生産単位に相当するか否か判定する判定部と、前記生産数が前記予め定められた生産単位に相当すると判定された場合、前記射出成形ユニットの稼動情報を送信する稼動情報送信部と、を備える。前記制御装置は、前記稼動情報送信部によって送信された前記稼動情報を受信する稼動情報受信部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の生産管理システムの構成を示す概略ブロック図。
【
図2】第1実施形態の成形品生産処理を示す工程図。
【
図3】第1実施形態の稼動情報の送信処理を説明する図。
【
図4】第2実施形態の生産管理システムの構成を示す概略ブロック図。
【
図5】第2実施形態の成形品生産処理を示す工程図。
【
図6】第3実施形態の成形品生産処理を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における生産管理システム10の構成を示す概略ブロック図である。生産管理システム10は、射出成形ユニット50と、制御装置500と、表示装置300とを備えている。本実施形態の生産管理システム10は、2つの射出成形ユニット50を備えている。なお、本実施形態では、2つの射出成形ユニット50の構成は、いずれも同様である。
【0008】
射出成形ユニット50は、成形品を生産する。本実施形態の射出成形ユニット50は、射出成形によって成形品を成形する射出成形機100と、成形品を取り出す取出機200とを備える。本実施形態において、「成形品の生産」とは、射出成形機100によって成形品を成形し、成形した成形品を取出機200によって取り出すことを指す。
【0009】
射出成形機100は、それぞれ図示しない、射出部と、キャビティーを有する型部と、型部を型締めする型締装置とを備える。また、本実施形態の射出成形機100は、成形制御部110と、入力部160とを備える。成形制御部110は、1つまたは複数のプロセッサーと、主記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェースとを備えるコンピューターによって構成されている。本実施形態の成形制御部110は、後述する射出成形を実行する機能や、判定部120としての機能、制御装置500と通信する機能等、種々の機能を発揮する。なお、成形制御部110は、複数のコンピューターによって構成されてもよい。
【0010】
成形制御部110は、射出成形機100の射出部と型部とを制御して射出成形を実行し、成形品を成形する。より具体的には、成形制御部110は、射出部を制御して溶融した材料を型部に射出し、型締装置を制御して型部を型締めすることによって、キャビティーの形状に応じた形状を有する成形品を成形する。なお、本実施形態では、型部のキャビティー数は1である。すなわち、1回の射出成形によって、1つの成形品が成形される。他の実施形態では、型部のキャビティー数は1でなくてもよく、2以上であってもよい。
【0011】
本実施形態の成形制御部110は、生産条件に従って成形品を生産する。本実施形態の生産条件は、成形品の仕様毎に予め作成されており、射出成形を実行するための成形プログラムと、生産する成形品の数量である予定数量とを含んでいる。また、本実施形態では、後述する基準生産単位が、生産条件に基づいて決定される。具体的には、本実施形態の生産条件は、上述した成形プログラムと予定数量とに加え、基準生産単位を含んでいる。なお、本実施形態では、成形品の仕様と生産条件との対応関係はデータベースに記録されている。このデータベースは、制御装置500に備えられた記憶装置に記憶されている。
【0012】
成形制御部110は、成形プログラムに従って射出成形を実行する。成形プログラムは、射出成形機100において射出成形を1回行うためのプログラムであり、射出部や型締装置等の制御値の変更タイミングや、制御値の大きさ等が指定されている。成形制御部110は、生産条件に含まれる予定数量に対応する回数分、成形プログラムを実行し、射出成形を行うことによって、予定数量の成形物を成形する。
【0013】
判定部120は、成形品の生産数が基準生産単位に相当するか否かを判定する判定処理を実行する。基準生産単位とは、判定処理に用いられる、予め定められた生産単位のことを指す。生産単位とは、生産管理システム10における生産管理の単位を表す。本実施形態では、生産単位として、ショットと、ボックスと、ロットと、ジョブとを用いる。1ジョブは、複数のロットによって構成される生産単位である。1ロットは、複数のボックスによって構成される生産単位である。1ボックスは、複数のショットによって構成される単位である。1ショットとは、射出成形機100による射出成形1回分を表す単位である。従って、生産単位は、ショット、ボックス、ロット、ジョブの順に大きくなる。なお、本実施形態のように、型部のキャビティー数が1である場合、1ショットは成形品1個と対応する。
【0014】
本実施形態の成形制御部110は、制御装置500とデータ通信可能に構成されている。成形制御部110は、稼動情報送信部130および生産条件受信部140として機能する。稼動情報送信部130は、射出成形ユニット50の稼動情報を、後述する制御装置500に備えられた稼動情報受信部530に送信する。生産条件受信部140は、後述する制御装置500に備えられた生産条件送信部540によって送信される生産条件を受信する。
【0015】
入力部160は、例えば、ユーザーからの情報の入力を受け付けるキーボードやマイク等の入力装置によって構成される。また、入力部160は、例えば、タッチ入力を受け付ける液晶パネル等のように、表示部としての機能を兼ねる入力部であってもよい。
【0016】
本実施形態の取出機200は、取出制御部210と、それぞれ図示しない取出ロボットと、切断機とによって構成される。取出ロボットは、射出成形機100の型部から成形品を取り出すロボットである。切断機は、型部で成形品とともに成形されるスプルーやランナーを、切断によって成形品から除去する機器である。本実施形態の取出ロボットは、射出成形機100のエジェクターピンによって型部から離型された成形品を、取出ロボットのアームの先端に取り付けられたエンドエフェクターによって直接把持して取り出す。その後、切断機によって、スプルーやランナーを成形品から除去する。他の実施形態では、取出ロボットは、例えば、成形品を吸引して把持するロボット等であってもよい。また、取出機200は、切断機を備えていなくてもよい。
【0017】
取出制御部210は、成形制御部110と同様に、コンピューター等によって構成される。本実施形態の取出制御部210は、取出ロボットおよび切断機の動作を制御して取出処理を行う機能や、制御装置500と通信する機能等、種々の機能を発揮する。
【0018】
制御装置500は、1つまたは複数のプロセッサーと、主記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェースとを備えるコンピューターによって構成されている。なお、制御装置500は、複数のコンピューターによって構成されてもよい。本実施形態の制御装置500は、成形制御部110や取出制御部210と通信する機能、表示装置300に情報を表示させる機能等、種々の機能を発揮する。制御装置500は、稼動情報受信部530および生産条件送信部540として機能する。稼動情報受信部530は、稼動情報送信部130によって送信される稼動情報等のデータをする。生産条件送信部540は、生産条件受信部140に生産条件を送信する。
【0019】
制御装置500は、射出成形ユニット50と通信可能に構成されている。
図1に示すように、本実施形態では、制御装置500と、成形制御部110と、取出制御部210とは、ネットワークNTを介して、相互に通信可能に構成されている。なお、ネットワークNTは、例えば、LANであってもよいし、WANであってもよいし、インターネットであってもよい。また、制御装置500と、射出成形ユニット50とは、ネットワークではなく、個別の通信線を介して、相互に通信可能に接続されていてもよい。同様に、射出成形ユニット50同士が、ネットワークではなく、個別の通信線を介して、相互に通信可能に接続されていてもよい。
【0020】
表示装置300は、制御装置500と電気的に接続される液晶ディスプレイ等によって構成される。制御装置500は、例えば、射出成形ユニット50の生産管理に関する情報を、表示装置300に表示させる。なお、表示装置300は、例えば、タッチ入力を受け付ける液晶パネル等のように、入力装置としての機能を兼ねていてもよい。
【0021】
図2は、本実施形態の成形品生産処理を示す工程図である。成形品生産処理とは、生産管理システム10において成形品を生産するために実行される処理である。
図2には、成形品生産処理において、射出成形ユニット50の射出成形機100に備えられた成形制御部110によって実行される処理と、制御装置500によって実行される処理とが併記されている。
【0022】
ステップS105にて、成形制御部110は、成形する成形品の仕様を特定するための情報を取得する。具体的には、成形制御部110は、成形する成形品の種類情報や、成形品を成形するための材料情報、金型情報等を取得する。なお、例えば、ジョブ番号によって成形品の仕様を分類できる場合、成形制御部110は、成形品の仕様を特定するための情報としてジョブ番号を取得してもよい。これらの成形品の情報は、例えば、ユーザーによって入力部160を介して入力される。ステップS110にて、成形制御部110は、ステップS105で取得した成形品の情報を制御装置500に送信する。制御装置500は、成形制御部110によって送信された成形品の情報を受信する。
【0023】
ステップS111にて、制御装置500は、成形制御部110によって送信された成形品の情報に基づいて、生産条件を取得する。本実施形態では、制御装置500は、ステップS111において、送信された成形品の情報に基づいて、その仕様の成形品を生産するための生産条件を制御装置500の記憶装置から読み込む。
【0024】
ステップS112にて、制御装置500は、ステップS111で取得した生産条件を、成形制御部110に送信する。成形制御部110は、制御装置500によって送信された生産条件を受信する。
【0025】
上述したように、本実施形態の生産条件には、基準生産単位と予定数量とが含まれている。本実施形態の基準生産単位は、1ジョブ、1ロット、および、1ボックスである。本実施形態では、1ジョブは10ロットによって構成され、1ロットは10ボックスによって構成され、1ボックスは10ショットによって構成される。すなわち、1ジョブ分の成形品を成形することは、そのジョブを構成する10ロット分の成形品を成形すること、そのジョブを構成する100ボックス分の成形品を成形すること、および、1000ショット分の成形品を成形することであると言い換えることもできる。なお、例えば、あるジョブの1ショット目の生産を開始することは、そのジョブの生産を開始すること、そのジョブに含まれる1ロット目の生産を開始すること、および、そのロットに含まれる1ボックス目の生産を開始することを意味する。また、本実施形態の予定数量は、10000ショットである。すなわち、本実施形態の予定数量は、10ジョブ分の生産に相当する。予定数量は、例えば、ショット以外の生産単位によって表されていてもよく、例えば、ジョブ数で表されていてもよい。
【0026】
ステップS115にて、成形制御部110は、生産開始情報の送信処理を実行する。生産開始情報の送信処理とは、稼動情報送信部130が、成形品の生産の開始に関する情報である生産開始情報を送信する処理である。成形制御部110は、ステップS115において、生産開始情報として、ジョブ番号1の成形品の生産を開始したことを表す情報と、ロット番号1の成形品の生産を開始したことを表す情報と、ボックス番号1の生産を開始したことを表す情報と、ショット番号1の生産を開始したことを表す情報とを、制御装置500に送信する。制御装置500は、成形制御部110によって送信された生産開始情報を受信する。
【0027】
ステップS120にて、成形制御部110は、生産条件に含まれる成形プログラムに従って、射出成形機100の射出部および型締装置を制御して、射出成形を行う。これによって、射出成形機100の型部に材料が射出され、型部内で成形品が成形される。ステップS120で成形された成形品は、取出機200によって取り出される。このように、成形品の射出成形と取り出しとが行われることによって、成形品が生産される。
【0028】
ステップS125からステップS155にて、成形制御部110は、稼動情報の送信処理を実行する。稼動情報の送信処理とは、稼動情報送信部130が、射出成形ユニットの稼動に関する情報である稼動情報を送信する処理である。まず、ステップS125にて、稼動情報送信部130として機能する成形制御部110は、稼動情報として、1ショット分の成形品の生産に関する情報であるショット情報を、稼動情報受信部530に送信する。具体的には、成形制御部110は、ステップS125において、ステップS120において実行された射出成形に対応するショット番号と、そのショット番号分の生産が完了したことを表す情報とを、ショット情報として、稼動情報受信部530として機能する制御装置500に送信する。制御装置500は、成形制御部110によって送信されたショット情報を受信する。
【0029】
次に、ステップS130からステップS155にて、稼動情報送信部130として機能する成形制御部110は、判定処理において成形品の生産数が基準生産単位に相当すると判定された場合に、稼動情報を、稼動情報受信部530として機能する制御装置500に送信する。
【0030】
ステップS130にて、判定部120として機能する成形制御部110は、ステップS130実行時点における成形品の生産数が、ボックス単位に相当するか否かを判定する。本実施形態では、成形制御部110は、ステップS130において、ステップS130実行時点における成形品のショット数の総数が、10の倍数となる場合に、成形品の生産数がボックス単位に相当すると判定する。
【0031】
なお、他の実施形態では、判定部120は、ステップS130において、例えば、ステップS130実行時点のボックス番号内における成形品のショット数が、10と等しい場合に、その成形品の生産数がボックス単位に相当すると判定してもよい。例えば、ステップS130実行時点における成形品のショット数の総数が20である場合、ボックス番号は2であり、ボックス番号2内のショット数は10である。従って、この場合、判定部120は、ステップS130において、成形品の生産数がボックス単位に相当すると判定する。
【0032】
ステップS130において成形品の生産数がボックス単位に相当すると判定された場合、ステップS135にて、稼動情報送信部130として機能する成形制御部110は、稼動情報として、1ボックス分の成形品の生産に関する情報であるボックス情報を、稼動情報受信部530として機能する制御装置500に送信する。具体的には、成形制御部110は、ステップS135において、生産が完了したボックスのボックス番号と、そのボックス分の成形品の生産が完了したことを表す情報とを、ボックス情報として、制御装置500に送信する。制御装置500は、成形制御部110によって送信されたボックス情報を受信する。
【0033】
次に、ステップS140にて、成形制御部110は、ステップS140実行時点の成形品の生産数がロット単位に相当するか否かを判定する。本実施形態では、成形制御部110は、ステップS140において、ステップS140実行時点における成形品のショット数の総数が、100の倍数となる場合に、成形品の生産数がロット単位に相当すると判定する。なお、他の実施形態では、判定部120は、ステップS140において、ステップS140実行時点のロット番号内における成形品のショット数が、100と等しい場合に、その成形品の生産数がロット単位に相当すると判定してもよい。
【0034】
ステップS140において成形品の生産数がロット単位に相当すると判定された場合、ステップS145にて、成形制御部110は、稼動情報として、1ロット分の成形品の生産に関する情報であるロット情報を、制御装置500に送信する。具体的には、成形制御部110は、ステップS145において、生産が完了したロットのロット番号と、そのロット分の成形品の生産が完了したことを表す情報を、制御装置500に送信する。制御装置500は、成形制御部110によって送信されたロット情報を受信する。
【0035】
次に、ステップS150にて、成形制御部110は、ステップS150実行時点の成形品の生産数がジョブ単位に相当するか否かを判定する。本実施形態では、成形制御部110は、ステップS150において、ステップS150実行時点における成形品のショット数の総数が、1000の倍数となる場合に、成形品の生産数がジョブ単位に相当すると判定する。なお、他の実施形態では、判定部120は、ステップS150において、ステップS150実行時点のジョブ番号内における成形品のショット数が、1000と等しい場合に、その成形品の生産数がジョブ単位に相当すると判定してもよい。
【0036】
ステップS150において成形品の生産数がジョブ単位に相当すると判定された場合、ステップS155にて、成形制御部110は、稼動情報として、1ジョブ分の成形品の生産に関する情報であるジョブ情報を、制御装置500に送信する。具体的には、成形制御部110は、ステップS155において、生産が完了したジョブのジョブ番号と、そのジョブ分の成形品の生産が完了したことを表す情報を、制御装置500に送信する。制御装置500は、成形制御部110によって送信されたジョブ情報を受信する。
【0037】
ステップS160にて、成形制御部110は、予定数量の成形品の生産が完了したか否かを判定する。成形制御部110は、予定数量の成形品の生産が完了していないと判定した場合、ステップS120に処理を戻し、次の成形品を生産する。
【0038】
図3は、本実施形態における稼動情報の送信処理を説明する図である。
図3では、成形品生産処理におけるショット数の総数Nと、
図2に示したステップS125からステップS155において成形制御部110から制御装置500へと送信される稼動情報との対応関係が示されている。例えば、ショット数の総数Nが1や2である場合、成形制御部110は、稼動情報の送信処理において、ショット情報Sのみを送信する。ショット数の総数Nが10の倍数である場合、成形制御部110は、ショット情報Sとボックス情報Bとを送信する。ショット数の総数Nが100の倍数である場合、成形制御部110は、ショット情報Sとボックス情報Bとロット情報Lとを送信する。ショット数の総数Nが1000の倍数である場合、成形制御部110は、ショット情報Sとボックス情報Bとロット情報Lとジョブ情報Jとを送信する。これによって、射出成形ユニット50において基準生産単位分の生産が完了するごとに、稼動情報が、制御装置500へと送信される。
【0039】
ステップS160において、予定数量の成形品の生産が完了したと判定された場合、ステップS165にて、成形制御部110は、生産完了情報の送信処理を実行する。生産完了情報の送信処理とは、稼動情報送信部130として機能する成形制御部110が、成形品の生産の完了に関する情報である生産完了情報を送信する処理である。本実施形態では、成形制御部110は、生産完了情報として、全ショット、全ボックス、全ロット、および、全ジョブの成形品の生産が完了したことを表す情報を、制御装置500に送信する。その後、成形制御部110は、成形制御部110における成形品生産処理を終了させる。制御装置500は、成形制御部110から送信された生産完了情報を受信し、その後、制御装置500における成形品生産処理を終了させる。
【0040】
なお、制御装置500は、成形品生産処理において、例えば、射出成形ユニット50ごとに、成形制御部110から受信した稼動情報や、目標生産数、目標生産時間、目標生産数や時間と現在の生産数や時間との差、稼動情報を分析して作成した生産状況のグラフ等を表示装置300に表示させてもよい。例えば、ユーザーは表示装置300に表示された情報を認識することによって、予め定められた生産目標数を達成するための生産計画に対する実際の生産の遅れ等を把握し、生産目標数を達成するために、生産計画の変更等を行うことができる。
【0041】
以上で説明した本実施形態の生産管理システム10では、射出成形ユニット50の判定部120は、成形品の生産数が基準生産単位に相当するか否か判定し、生産数が基準生産単位に相当すると判定された場合、稼動情報送信部130は、射出成形ユニット50の稼動情報を制御装置500に送信する。これによって、制御装置500の稼動情報受信部530は、予め定められた生産単位に相当する生産数の成形品が生産されたタイミングで、射出成形ユニット50の稼動情報を受信できる。そのため、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握でき、かつ、データ通信量や処理負荷の増大を抑制できる。
【0042】
また、本実施形態では、射出成形ユニット50は、取出機200を有する。そのため、射出成形ユニット50が、射出成形機100による成形品の成形、および、取出機200による取り出しを行うことによって成形品の生産を行う形態であっても、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握でき、かつ、データ通信量や処理負荷の増大を抑制できる。
【0043】
また、本実施形態では、基準生産単位は、生産条件に基づいて決定される。そのため、射出成形ユニット50は、生産条件に従って成形品を生産でき、かつ、別途、基準生産単位を取得することなく、生産条件に基づいて決定される基準生産単位を用いて判定部120による判定を行うことができる。そのため、より簡易な制御で、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握でき、かつ、データ通信量や処理負荷の増大を抑制できる。
【0044】
また、本実施形態では、制御装置500の生産条件送信部540は、成形品の生産に先立って生産条件を射出成形ユニット50の生産条件受信部140へ送信する。これによって、射出成形ユニット50において、制御装置500から送信される生産条件に従って成形品を生産することができ、かつ、この生産条件に基づいて決定される基準生産単位を用いて判定を行うことができる。
【0045】
なお、他の実施形態では、生産条件が基準生産単位を含んでいなくてもよい。この場合、基準生産単位は、例えば、生産条件に含まれる予定数量に基づいて決定されてもよい。より具体的には、例えば、成形制御部110の記憶装置に、成形品の数量と基準生産単位とが予め関連付けられて記録され、ステップS130からステップS155にて、成形制御部110は、制御装置500から送信された生産条件に含まれる予定数量に対応する数量と関連付けられた基準生産単位を自身の記憶装置から読み込み、その基準生産単位を判定に用いてもよい。また、成形制御部110は、例えば、制御装置500から送信された生産条件に含まれる予定数量に予め定められた係数を乗じることによって、基準生産単位を決定してもよい。この係数は、例えば、生産管理や品質管理を行うのに適した値として定められると好ましい。更に、生産条件は、例えば、生産する成形品の仕様を含んでいてもよく、基準生産単位が、生産条件に含まれる成形品の仕様に基づいて決定されてもよい。
【0046】
また、生産条件は、成形プログラムを含んでいなくてもよい。この場合、成形制御部110は、例えば、制御装置500から、生産条件とは別に成形プログラムを受信してもよい。更に、例えば、成形制御部110の記憶装置に成形プログラムが記録されていてもよく、この場合、成形制御部110は、制御装置500から受信した成形プログラムを含まない生産条件と、自身の記憶装置から読み込んだ成形プログラムとに従って、成形品を生産してもよい。
【0047】
また、第1実施形態では、制御装置500は、ステップS111において、成形制御部110によって送信された成形品の情報に基づいて生産条件を取得し、ステップS112において、取得した生産条件を成形制御部110に送信している。これに対して、制御装置500は、例えば、制御装置500は、生産目標や生産計画に応じて、成形制御部110に生産条件を送信し、成形制御部110に成形品を生産させてもよい。特に、本実施形態のように、生産管理システム10が複数の射出成形ユニット50を備えている場合、制御装置500から生産目標や生産計画に応じて各射出成形ユニット50へ生産条件を送信することによって、各射出成形ユニット50において効率的に成形品を生産することができ、かつ、生産管理システム10全体で計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握できる。
【0048】
B.第2実施形態:
図4は、第2実施形態における生産管理システム10bの構成を示す概略ブロック図である。本実施形態では、射出成形ユニット50bは、第1実施形態と異なり、取得部150を備える。また、判定処理に用いられる生産単位は、生産条件によって決定されるのではなく、取得部150によって、生産条件とは別に取得される。なお、本実施形態の生産管理システム10bの構成のうち、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様である。
【0049】
本実施形態の射出成形ユニット50bの射出成形機100bは、上述した取得部150を備える。具体的には、本実施形態では、成形制御部110bが取得部150として機能する。取得部150は、基準生産単位を取得する。本実施形態の取得部150は、入力部160bを介して入力された基準生産単位を取得する。本実施形態の入力部160bは、基準生産単位の入力を受け付ける。
【0050】
なお、本実施形態の射出成形ユニット50bは、第1実施形態と異なり、生産条件受信部140を備えていない。また、制御装置500bは、第2実施形態と異なり、生産条件送信部540を備えていない。
【0051】
成形制御部110bは、第1実施形態と同様に、生産条件に従って成形品を生産する。本実施形態の生産条件は、第1実施形態と同様に、成形プログラムと、予定数量とを含んでいる。一方で、本実施形態では、生産条件は、基準生産単位を含んでいない。また、上述したように、基準生産単位が、生産条件によって決定されない。
【0052】
図5は、第2実施形態における成形品生産処理を示す工程図である。
図5には、成形品生産処理において、成形制御部110bによって実行される処理が示されている。なお、
図5の各工程のうち、
図2の各工程と同様の工程には、
図2の各工程と同じ符号が付されている。
【0053】
ステップS106にて、取得部150として機能する成形制御部110bは、成形品の生産条件を取得する。本実施形態では、成形制御部110bは、ステップS106において、生産条件を取得する。成形制御部110bは、ステップS106において、例えば、入力部160bを介してユーザーによって入力された予定数量を取得する。また、成形制御部110bは、ステップS106において、例えば、成形制御部110bに備えられた記憶装置に予め記録された成形プログラムを取得する。これによって、成形制御部110bが制御装置500bから予定数量や成形プログラムを取得する場合と比較して、制御装置500bのデータ通信量や処理負荷を更に低減できる。
【0054】
ステップS113にて、取得部150として機能する成形制御部110bは、基準生産単位を取得する。本実施形態の取得部150は、上述したように、入力部160bを介して入力された基準生産単位を取得する。なお、例えば、射出成形ユニット50bが表示部を備える場合、成形制御部110bは、ステップS113において、ユーザーに基準生産単位の入力を促すダイアログ等を表示部に表示してもよい。
【0055】
以上で説明した第2実施形態の生産管理システム10bによっても、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握でき、かつ、データ通信量や処理負荷の増大を抑制できる。特に、本実施形態では、射出成形ユニット50bの取得部150が基準生産単位を取得する。そのため、射出成形ユニット50bにおいて、取得部150によって取得される基準生産単位を用いて、判定部120による判定処理を行うことができる。
【0056】
また、本実施形態では、取得部150は、射出成形ユニット50bの入力部160bを介して入力された基準生産単位を取得する。これによって、射出成形ユニット50bにおいて、制御装置500bとの通信等を行うことなく、基準生産単位を取得できる。そのため、制御装置500bのデータ通信量や処理負荷を更に低減できる。
【0057】
なお、他の実施形態では、取得部150は、制御装置500bから基準生産単位を取得してもよい。この場合、取得部150は、例えば、制御装置500bと通信することによって、制御装置500bから基準生産単位を取得できる。このような形態であれば、射出成形ユニット50bにおいて、制御装置500bから取得した基準生産単位を用いて、判定部120による判定を行うことができる。また、例えば、射出成形ユニット50bに入力部160bを設けない場合であっても基準生産単位を取得できるため、射出成形ユニット50bを小型化できる。更に、本実施形態のように、生産管理システム10bが複数の射出成形ユニット50bを備えている場合、各射出成形ユニット50bの取得部150に制御装置500bから基準生産単位を取得させることによって、各射出成形ユニット50bに対して、基準生産単位の入力等を直接行わなくてよいため、より効率よく成形品を生産でき、かつ、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握できる。
【0058】
C.第3実施形態:
図6は、第3実施形態における成形品生産処理を示す工程図である。
図6には、
図2と同様に、成形品生産処理において、射出成形ユニット50の射出成形機100に備えられた成形制御部110によって実行される処理と、制御装置500によって実行される処理とが併記されている。なお、
図6の各工程のうち、
図2の各工程と同様の工程には、
図2の符号と同じ符号が付されている。また、本実施形態の生産管理システム10の構成のうち、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様である。
【0059】
本実施形態では、稼動情報送信部130として機能する成形制御部110は、第1実施形態と異なり、基準生産単位に相当する生産単位の生産を開始する前に、次に基準生産単位相当する生産単位の生産を開始することを表す情報を、稼動情報受信部530として機能する制御装置500に送信する。
【0060】
図6に示すように、成形制御部110は、ステップS115の後、第1実施形態と異なり、射出成形を行うのではなく、ステップS125bにて、稼動情報としてショット情報を送信する。具体的には、成形制御部110は、ステップS125bにおいて、ステップS125b開始時のショット番号に1を加えた次ショット番号と、次ショット番号分の生産が開始することを表す情報とを、ショット情報として、制御装置500に送信する。例えば、ステップS125bにおいて、ステップS125b実行時点におけるショット番号が10であった場合、制御装置500は、ショット番号11と、ショット番号11の生産が開始することを表す情報とを送信する。稼動情報受信部530は、稼動情報送信部130によって送信されたショット情報を受信する。
【0061】
図6のステップS130は、
図2のステップS130と同様である。例えば、ステップS130実行時点におけるショット数の総数が10であった場合、ショット数の総数が10の倍数であるため、成形制御部110は、成形品の生産数がボックス単位に相当すると判定する。
【0062】
ステップS130において成形品の生産数がボックス単位に相当すると判定された場合、ステップS135bにて、成形制御部110は、稼動情報として、ステップS135bにおいて、ステップS135b開始時のボックス番号に1を加えた次ボックス番号と、次ボックス番号分の生産が開始することを表す情報とを、ボックス情報として、制御装置500に送信する。例えば、上述したステップS125bにおいて、ステップS125b実行時点におけるボックス番号が1であった場合、制御装置500は、ボックス番号2と、ボックス番号2の生産が開始することを表す情報とを送信する。
【0063】
ステップS135bと同様に、ステップS145bにて、成形制御部110は、稼動情報として、ステップS145b開始時のロット番号に1を加えた次ロット番号と、次ロット番号分の生産が開始することを表す情報とを、ロット情報として、制御装置500に送信する。また、ステップS155bにて、成形制御部110は、稼動情報として、ステップS155b開始時のジョブ番号に1を加えた次ジョブ番号と、次ジョブ番号分の生産が開始することを表す情報とを、ジョブ情報として、制御装置500に送信する。
【0064】
ステップS158にて、成形制御部110は、
図2のステップS120と同様に射出成形を行う。なお、例えば、ステップS158において実行される射出成形がショット番号11に相当する場合、ステップS158の前に実行されるステップS125bにおいて、ショット番号11の生産を開始する情報が制御装置500に送信され、また、ステップS158の前に実行されるステップS135bにおいて、ボックス番号2の生産を開始する情報が制御装置500に送信される。
【0065】
以上で説明した第3実施形態の生産管理システム10によっても、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握でき、かつ、データ通信量や処理負荷の増大を抑制できる。なお、他の実施形態では、稼動情報送信部130は、基準生産単位に相当する生産単位の生産を開始する前と、基準生産単位に相当する生産単位の生産が完了した後との両方のタイミングで、稼動情報受信部530に稼動情報を送信してもよい。この場合、計画通りに生産が進んでいるか否かを、より適切に把握できる。
【0066】
D.他の実施形態:
(D-1)上記実施形態では、判定部120や稼動情報送信部130は、射出成形ユニット50の射出成形機100に設けられている。これに対して、判定部120や稼動情報送信部130は、射出成形ユニット50の取出機200に設けられていてもよい。この場合、例えば、取出機200の取出制御部210が判定部120や稼動情報送信部130として機能してもよい。また、射出成形ユニット50が、例えば、射出成形機100と取出機200との一方または両方を制御する制御装置等を備える場合、その制御装置等に判定部120や稼動情報送信部130が設けられていてもよい。
【0067】
(D-2)上記実施形態では、射出成形ユニット50は、取出機200を備えている。これに対して、射出成形ユニット50は、取出機200を備えていなくてもよい。この場合、「成形品の生産」は、射出成形機100によって成形品を成形することのみを指してもよい。
【0068】
(D-3)上記実施形態では、射出成形ユニット50の射出成形機100が取得部150を備えている。これに対して、射出成形ユニット50の取出機200が取得部150を備えていてもよい。また、射出成形ユニット50が、例えば、射出成形機100と取出機200との一方または両方を制御する制御装置等を備える場合、その制御装置等が取得部150を備えていてもよい。
【0069】
(D-4)上記実施形態では、射出成形ユニット50の射出成形機100は、入力部160を備えている。これに対して、射出成形機100は、入力部160を備えていなくてもよい。例えば、取出機200が入力部160を備えていてもよい。また、射出成形ユニット50が、例えば、射出成形機100と取出機200との一方または両方を制御する制御装置等を備える場合、その制御装置等が入力部160を備えていてもよい。更に、射出成形ユニット50は、入力部160を備えていなくてもよい。
【0070】
(D-5)上記実施形態では、成形制御部110は、成形品生産処理において、生産開始情報の送信処理と、生産完了情報の送信処理とを実行している。これに対して、成形制御部110は、成形品生産処理において、生産開始情報の送信処理と、生産完了情報の送信処理とのいずれか一方のみを実行してもよいし、両方を実行しなくてもよい。
【0071】
(D-6)上記実施形態では、生産単位は、ショット、ボックス、ロット、および、ジョブである。これに対して、生産単位は、ショット、ボックス、ロット、および、ジョブでなくてもよく、各生産単位の名称や、各生産単位同士の個数の対応関係は、任意であってよい。この場合、各生産単位は、例えば、生産管理や品質管理を行うのに適した単位として定められると好ましい。
【0072】
(D-7)上記実施形態では、稼動情報送信部130は、1ショットごとに稼動情報を送信している。これに対して、稼動情報送信部130は、1ショットごとに稼動情報を送信しなくてもよい。例えば、基準生産単位が、上記実施形態と同様に、ボックス、ロット、および、ジョブである場合、稼動情報送信部130は、1ショットごとに稼動情報を送信することなく、判定処理において、成形品の生産数がボックス単位や、ロット単位、ジョブ単位に相当すると判定された場合に、ボックス情報や、ロット情報、ジョブ情報を送信してもよい。この場合、データ通信量や処理負荷の増大をより抑制できる。
【0073】
(D-8)上記実施形態では、稼動情報送信部130は、稼動情報として、生産が完了または開始した生産単位の番号と、その生産単位の成形品の生産が完了または開始したことを表す情報とを送信している。これに対して、稼動情報送信部130は、稼動情報として、例えば、生産が完了または開始した生産単位の番号のみを送信し、制御装置500は、稼動情報送信部130によって送信される生産単位の番号を受信した場合に、その生産単位の生産が完了または開始したと認定してもよい。また、稼動情報送信部130は、稼動情報として、生産単位の番号を送信せず、基準生産単位の生産が完了または開始したことを表す情報を送信し、制御装置500は、稼動情報送信部130によって送信される情報を受信した回数をカウントすることによって、生産が完了または開始した生産単位の番号を算出してもよい。また、稼動情報送信部130は、稼動情報と併せて、射出成形ユニット50の停止や再始動、メンテナンスの有無等の情報や、図示しないセンサー等によって取得される、射出成形機100の射出部や型部における温度や圧力等の各種データ、取出機200における取り出し時の振動データ等を送信してもよい。
【0074】
(D-9)上記実施形態では、生産管理システム10は、2つの射出成形ユニット50を備えている。これに対して、生産管理システム10は、1つの射出成形ユニット50のみを備えていてもよいし、3以上の射出成形ユニット50を備えていてもよい。
【0075】
E.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0076】
(1)本開示の第1の形態によれば、生産管理システムが提供される。この生産管理システムは、成形品を生産する射出成形ユニットと、制御装置と、を備える。前記射出成形ユニットは、射出成形によって前記成形品を成形する射出成形機と、前記成形品の生産数が予め定められた生産単位に相当するか否か判定する判定部と、前記生産数が前記予め定められた生産単位に相当すると判定された場合、前記射出成形ユニットの稼動情報を送信する稼動情報送信部と、を備える。前記制御装置は、前記稼動情報送信部によって送信された前記稼動情報を受信する稼動情報受信部を備える。
このような形態によれば、制御装置の稼動情報受信部は、予め定められた生産単位に相当する生産数の成形品が生産されたタイミングで、射出成形ユニットの稼動情報を受信できる。そのため、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握でき、かつ、データ通信量や処理負荷の増大を抑制できる。
【0077】
(2)上記形態では、前記射出成形ユニットは、前記成形品を前記射出成形機から取り出す取出機を有していてもよい。このような形態によれば、射出成形ユニットが、射出成形機による成形品の成形、および、取出機による取り出しを行うことによって成形品の生産を行う構成であっても、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握でき、かつ、データ通信量や処理負荷の増大を抑制できる。
【0078】
(3)上記形態では、前記射出成形ユニットは、生産条件に従って前記成形品を成形する成形制御部を備え、前記予め定められた生産単位は、前記生産条件に基づいて決定されてもよい。このような形態によれば、射出成形ユニットは、生産条件に従って成形品を生産でき、かつ、別途、判定部による判定に用いる生産単位を取得することなく、生産条件に基づいて決定される生産単位を用いて判定部による判定を行うことができる。そのため、より簡易な制御で、計画通りに生産が進んでいるか否かを適切に把握でき、かつ、データ通信量や処理負荷の増大を抑制できる。
【0079】
(4)上記形態では、前記制御装置は、前記成形品の生産に先立って、前記生産条件を送信する生産条件送信部を備え、前記射出成形ユニットは、前記生産条件送信部によって送信された前記生産条件を受信する生産条件受信部を備えていてもよい。このような形態によれば、射出成形ユニットにおいて、制御装置から送信される生産条件に従って成形品を生産することができ、かつ、この生産条件に基づいて決定される生産単位を用いて判定を行うことができる。
【0080】
(5)上記形態では、前記射出成形ユニットは、前記予め定められた生産単位を取得する取得部を備えていてもよい。このような形態によれば、射出成形ユニットにおいて、取得部によって取得される生産単位を用いて、判定部による判定処理を行うことができる。
【0081】
(6)上記形態では、前記射出成形ユニットは、前記予め定められた生産単位の入力を受け付ける入力部を備え、前記取得部は、前記入力部を介して入力された前記予め定められた生産単位を取得してもよい。このような形態によれば、射出成形ユニットにおいて、制御装置との通信等を行うことなく、判定に用いる生産単位を取得できる。そのため、制御装置のデータ通信量や処理負荷を更に低減できる。
【0082】
(7)上記形態では、前記取得部は、前記制御装置から前記予め定められた生産単位を取得してもよい。このような形態によれば、射出成形ユニットにおいて、取得部によって制御装置から取得される生産単位を用いて、判定部による判定を行うことができる。そのため、射出成形ユニットにおいて、例えば、予め定められた生産単位の入力を受け付ける入力部等が設けられていなくても、予め定められた生産単位を取得し、判定部による判定を行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
10,10b…生産管理システム、50,50b…射出成形ユニット、100,100b…射出成形機、110,110b…成形制御部、120…判定部、130…稼動情報送信部、140…生産条件受信部、150…取得部、160,160b…入力部、200…取出機、210…取出制御部、300…表示装置、500,500b…制御装置、530…稼動情報受信部、540…生産条件送信部