(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20241217BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20241217BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20241217BHJP
F24F 11/57 20180101ALI20241217BHJP
F24F 11/61 20180101ALI20241217BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20241217BHJP
【FI】
A61L9/00 Z
A61L9/20
A61L9/14
F24F11/57
F24F11/61
F24F7/003
(21)【出願番号】P 2020197540
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2020137022
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 衆
(72)【発明者】
【氏名】山下 勲一
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】木村 正道
(72)【発明者】
【氏名】中山 広太
(72)【発明者】
【氏名】河村 明嗣
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-079406(JP,A)
【文献】特許第6687214(JP,B1)
【文献】特公平03-006303(JP,B2)
【文献】特開2019-082290(JP,A)
【文献】特表2017-528258(JP,A)
【文献】特開2019-072476(JP,A)
【文献】特表2017-533810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00
G06Q 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ブースの予約についての情報である予約情報を取得し、
取得した予約情報に基づき、前記ブース内に設けられた空気環境を改善する改善手段による空気環境の改善についての決定を行う、
情報処理システム
であり、
前記プロセッサは、
先に行われている前記ブースの予約である先予約の予約終了時刻から、当該先予約の1つ後の予約である後予約の予約開始時刻までの経過時間に基づき、当該予約終了時刻から当該予約開始時刻までの間の時間帯である未利用時間帯に前記改善手段が行う空気環境の改善についての決定を行い、
前記経過時間が予め定められた時間を超える場合には、当該予め定められた時間を超えない場合に比べ、前記改善手段により行われる処理の種類が増えるようにする決定を行う、
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記ブースの予約が行われている時間帯である予約時間帯であっても、特定の条件が満たされている場合には、前記改善手段による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記予約時間帯であっても、前記ブースの利用者からの指示があった場合には、前記改善手段による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う請求項
2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記ブースの利用者からの指示に応じて前記改善手段による空気環境の改善が行われた後、当該ブースの解錠の指示を行う請求項
3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記予約時間帯であっても、前記ブース内に当該ブースの利用者がいない場合には、前記改善手段による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う請求項
2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
ブースの予約についての情報である予約情報を取得する機能と、
取得された予約情報に基づき、前記ブース内に設けられた空気環境を改善する改善手段による空気環境の改善についての決定を行う機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム
であり、
前記決定を行う機能は、
先に行われている前記ブースの予約である先予約の予約終了時刻から、当該先予約の1つ後の予約である後予約の予約開始時刻までの経過時間に基づき、当該予約終了時刻から当該予約開始時刻までの間の時間帯である未利用時間帯に前記改善手段が行う空気環境の改善についての決定を行い、
前記経過時間が予め定められた時間を超える場合には、当該予め定められた時間を超えない場合に比べ、前記改善手段により行われる処理の種類が増えるようにする決定を行う、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、プログラム、および、ブースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ケーシング内の空気入側に脱臭機能付きプレフイルタを、又空気排出側に消臭フィルタを各々に設けると共にケーシング内のプレフイルタと消臭フイルタとの間に特殊紫外線発光体、紫外線発光体を配置した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ブースの清掃にあたり、例えば、一定の時間毎に清掃を行うと、ブースが使用されていないにも関わらず頻繁に掃除が行われたり、ブースが頻繁に使用されているにも関わらず清掃が行われなかったりする。また、例えば、ブースの予約時間内に清掃が行われると、利用者がブース内にいるときに清掃が行われるおそれがある。
本発明の目的は、ブースの利用状況が考慮されてブースの空気環境の改善が行われるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ブースの予約についての情報である予約情報を取得し、取得した予約情報に基づき、前記ブース内に設けられた空気環境を改善する改善手段による空気環境の改善についての決定を行う、情報処理システムであり、前記プロセッサは、先に行われている前記ブースの予約である先予約の予約終了時刻から、当該先予約の1つ後の予約である後予約の予約開始時刻までの経過時間に基づき、当該予約終了時刻から当該予約開始時刻までの間の時間帯である未利用時間帯に前記改善手段が行う空気環境の改善についての決定を行い、前記経過時間が予め定められた時間を超える場合には、当該予め定められた時間を超えない場合に比べ、前記改善手段により行われる処理の種類が増えるようにする決定を行う、情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記ブースの予約が行われている時間帯である予約時間帯であっても、特定の条件が満たされている場合には、前記改善手段による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記予約時間帯であっても、前記ブースの利用者からの指示があった場合には、前記改善手段による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記ブースの利用者からの指示に応じて前記改善手段による空気環境の改善が行われた後、当該ブースの解錠の指示を行う請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記予約時間帯であっても、前記ブース内に当該ブースの利用者がいない場合には、前記改善手段による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、ブースの予約についての情報である予約情報を取得する機能と、取得された予約情報に基づき、前記ブース内に設けられた空気環境を改善する改善手段による空気環境の改善についての決定を行う機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムであり、前記決定を行う機能は、先に行われている前記ブースの予約である先予約の予約終了時刻から、当該先予約の1つ後の予約である後予約の予約開始時刻までの経過時間に基づき、当該予約終了時刻から当該予約開始時刻までの間の時間帯である未利用時間帯に前記改善手段が行う空気環境の改善についての決定を行い、前記経過時間が予め定められた時間を超える場合には、当該予め定められた時間を超えない場合に比べ、前記改善手段により行われる処理の種類が増えるようにする決定を行う、プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、ブースの利用状況が考慮されてブースの空気環境の改善が行われるようにすることができる。
請求項2の発明によれば、ブースの予約が行われている時間帯である予約時間帯であっても、改善手段による空気環境の改善が行われるようにすることができる。
請求項3の発明によれば、ブースの予約が行われている時間帯である予約時間帯であっても、ブースの利用者がブースの空気環境の改善を望む場合には、改善手段による空気環境の改善が行われるようにすることができる。
請求項4の発明によれば、改善手段による空気環境の改善が行われている最中に解錠されている場合に比べ、ブースの利用者が、改善手段による空気環境の改善が行われている最中にブースに入ることを抑制できる。
請求項5の発明によれば、ブースの予約が行われている時間帯である予約時間帯に、且つ、ブースに利用者がいない場合に、改善手段による空気環境の改善が行われるようにすることができる。
請求項6の発明によれば、ブースの利用状況が考慮されてブースの空気環境の改善が行われるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】情報処理システムの全体構成を概略的に示す図である。
【
図4】
図3の矢印IVで示す方向からブースの内部を見た場合の図である。
【
図5】空間管理サーバのハードウェア構成の一例を説明する図である。
【
図6】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図7】ブースの利用者がブースの予約を行う際に、この利用者のユーザ端末に表示される表示画面の一例を示した図である。
【
図8】ユーザ端末に表示される表示画面の他の一例を示した図である。
【
図9】空間管理サーバのハードディスクドライブに格納されている予約リストであって、利用者が予約を行ったブースの予約リストを示した図である。
【
図10】(A)、(B)は、プロセッサの一例であるCPUにより行われる処理の一例を説明する図である。
【
図11】ブースの利用者が空気環境の改善の指示を行う場合にユーザ端末に表示される表示画面の一例を示した図である。
【
図12】経過時間が予め定められた経過時間を超える場合の処理例を示した図である。
【
図14】
図13にて示した光源の部分を拡大した斜視図である。
【
図15】
図14の矢印XVで示す方向から、支持部材および光源を見た場合の図である。
【
図16】(A)、(B)は、支持部材の一端部および他端部を説明する図である。
【
図18】(A)、(B)は、ブースの他の構成を示した図である。
【
図19】
図18(B)の符号XIXで示す部分の拡大図である。
【
図20】(A)、(B)は、ブースの他の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を概略的に示す図である。
本実施形態では、利用者により予約されて使用される場所の一例である複数の空間2が設けられている。
本実施形態では、空間2の各々は、予約可能となっており、利用者は、空間2を予め予約したうえでこの空間2の利用を行えるようになっている。
【0009】
空間2は、ブース、宿泊施設等の客室、会社内等の会議室等を含む。これらは、壁や間仕切り等によって周囲から区切られている空間2の一例である。
また、本実施形態における空間2は、飲食店や理髪店等でサービスの提供を受けるテーブルや座席等を含む。これらは、周囲に開放された空間2の一例である。
【0010】
図1に示す情報処理システム1は、クラウドネットワーク3に接続された各種の端末で構成されている。
図1では、クラウドネットワーク3に接続される端末の例として、ユーザが操作するユーザ端末4、空間2を管理する空間管理サーバ5が示されている。また、クラウドネットワーク3には、空間2が接続されている。より具体的には、空間2には各種の機器が設けられ、この機器が、クラウドネットワーク3に接続されている。
【0011】
本実施形態では、空間2の扉に電子錠が取り付けられており、空間2の各々は、施錠可能となっている。本実施形態では、空間2の解錠権限を有する者が、この空間2の利用を行えるようになっている。
空間2の解錠にあたっては、解錠を行う者が、自身のユーザ端末4を操作して、解錠の指示をする。この指示は、空間管理サーバ5へ送られ、空間管理サーバ5は、この指示を受信する。そして、空間管理サーバ5は、解錠の指示があった空間2の解錠の指示を行う。これにより、この空間2に設置された電子錠が作動し、空間2の解錠が行われる。
【0012】
本実施形態では、ユーザ端末4として、携帯可能なスマートフォンを想定する。もっとも、携帯可能なユーザ端末4は、いわゆるウェアラブル端末でもよいし、ノート型のコンピュータやゲーム端末でもよい。
【0013】
空間管理サーバ5は、空間2に関連する各種の情報を管理する。空間管理サーバ5は、例えば、利用者を特定する情報、予約の対象である空間2を特定する情報、予約の開始日時、予約の終了日時等を管理する。
利用者を特定する情報には、例えば利用者の氏名、性別、年齢、アカウント、ユーザID、パスワード、個人に付された管理用の情報が含まれる。また、利用の対象である空間2を特定する情報には、例えば住所又は所在の場所を特定する情報、管理用の名称や番号が含まれる。
【0014】
また、空間管理サーバ5は、制御装置としても機能し、空間2に設置された各種の機器の制御を行う。
なお、制御装置は、空間2の各々に対応させて各空間2に設置してもよい。この場合、各空間2に設置された制御装置が、各空間2に設置された各種の機器の制御を行う。
【0015】
<空間2の外観構成>
図2は、ブース80を示した図である。
図2に示す例では、ブース80の内部が、空間2となっており、本実施形態では、このブース80の内部の空間2の予約を行えるようになっている。
本実施形態のブース80は、例えば駅の構内、空港、オフィスビル、飲食店やデパート等の商業施設、銀行、図書館、美術館、博物館、公共機関や施設、連絡通路、公園等、室内外を問わずに配置される。
【0016】
図2に示すブース80は、天井が取り付けられている閉鎖型のブース80である。
ここで、「閉鎖型」とは、密閉の意味ではなく、実用的な防音性能を備えている状態を指す。
また、「ブース80」とは、空間2と空間2の周囲に位置する他の空間とを仕切る仕切りが存在する構造をいう。ここで、空間2の四方の全てに仕切りが存在することは必須ではなく、一部に仕切りが存在しない構造であっても、ブース80に該当する。
例えば、利用者が座って利用する空間2において、この利用者の右側と左側の2箇所にのみ仕切りが存在する構成であっても、ブース80に該当する。
また、天井も必須ではなく、天井が無い構造であっても、ブース80に該当する。
【0017】
図2に示すブース80には、ブース80の主要部を構成する筐体81が設けられている。この筐体81は、直方体状に形成されている。
ブース80には、天井20Aと、床面20Bと、開閉可能な扉22が取り付けられている壁面20Cと、壁面20Cの両側に位置する2つの壁面20D及び20Eと、扉22の対面側に位置する壁面20Fとが設けられている。
本実施形態では、空間2が、壁面20C、扉22、壁面20D、壁面20E、壁面20Fにより囲まれており、この4つの壁面、扉22の内側に、空間2が設けられている。
言い換えると、本実施形態では、筐体81の内側に、空間2が設けられている。
【0018】
本実施形態では、扉22は、壁面20Cに沿って移動が可能な引き戸を想定する。
図2の場合、扉22は、一方向にスライドされる片引き扉22であるが、2枚以上の部材を行き違わせて開閉する引き違い扉22でも、2枚の部材を左右にスライドする引き分け扉22でもよい。
扉22には、開閉時にユーザが掴む取手22Aが取り付けられている。なお、この取手は、扉22の内側にも設けられている。
また、扉22には、扉22の解錠および施錠を可能にする電子錠22Cが取り付けられている。さらに、本実施形態では、扉22の開閉を検知する開閉センサS1が設けられている。
【0019】
ブース80の利用人数は、ブース80の容積によっておおよそ決まる。本実施の形態におけるブース80は、基本的に1人が使用する個室型を想定する。もっとも、ブース80は、多人数を収容可能な大型のブース80でもよい。
なお、個室型とは、1人しか利用できない意味ではなく、少人数、例えば2~3人の利用が可能な意味で使用する。
また、ブース80を構成する筐体81の形状や構造、提供される設備や性能は任意である。
【0020】
図3は、ブース80の内部を説明する図である。なお、この
図3では、ブース80を上方から見た場合の状態を示している。
本実施形態では、ブース80の内部に、机92と椅子91とが1つずつ配置されている。
また、ブース80内には、利用者が自身の荷物を置くための荷物用容器93が設置されている。付言すると、ブース80内には、利用者の荷物であって置かれた荷物を収容する荷物用容器93が設けられている。
【0021】
また、ブース80の内部には、備え付けの機器として、
図2、
図3に示すように、映像を映す表示装置であるモニタ32が設けられている。
また、本実施形態では、
図2、
図3に示すように、音を出力する音出力装置であるスピーカ30Aが設けられている。なお、スピーカ30Aを別途設けず、モニタ32に設けられたスピーカから音を出力するようにしてもよい。
また、本実施形態では、
図2、
図3に示すように、ブース80の内部の撮影を行う撮影装置24が設けられている。撮影装置24には、CCDやCMOSなどの撮像素子が設けられ、撮影装置24は、この撮像素子を用いて、ブース80内の撮影を行う。
【0022】
また、
図2に示すように、ブース80には、ブース80の内部の利用者を検出する人感センサ25が設けられている。また、本実施形態では、ブース80の内部の温度を検出する温度センサ26が設けられている。
また、
図3に示すように、ブース80内には、ブース80の内部を明るくするための照明機器40が設けられている。
さらに、本実施形態では、
図2に示すように、扉22に、窓42が設置され、本実施形態では、この窓42を通じて、空間2の外部から、空間2の内部の視認を行えるようになっている。
【0023】
さらに、
図2に示すように、ブース80の外表面には、ブース80を利用する利用者の個々の情報を取得するための情報取得装置29が設けられることもある。
この情報取得装置29は、例えば、翳されるIDカードを読み取るリーダにより構成される。また、その他に、情報取得装置29は、利用者の指紋や静脈の配置などを読み取るリーダなどであってもよい。
【0024】
図4は、
図3の矢印IVで示す方向からブース80の内部を見た場合の図である。
本実施形態では、ブース80の内部に、ブース80の内部の空気環境を改善する改善手段の一例としての改善機構500が設けられている。
言い換えると、本実施形態では、ブース80を構成する筐体81の内部に、筐体81の内部の空気環境の改善を行う改善機構500が設けられている。
【0025】
本実施形態では、改善機構500として、紫外線を含んだ光である紫外光を出射する光源510と、液体を霧状にして噴射する噴霧装置520と、ブース80の天井20Aに取り付けられ同じく紫外線を含んだ光である紫外光を出射する天井光源540とが設けられている。
本実施形態では、天井光源540を用い、ブース80の内部の全体に亘って紫外光を照射する。また、光源510は、天井光源540よりも机92に近い箇所に設置され、主に、机92に向けて紫外光を照射する。
本実施形態では、天井光源540だけでなく、光源510が設けられていることによって、ブース80の利用者がよく触れる机92の上や、この机92の上に置かれているキーボードなどの設置物に対して、より近くから、且つ、高い強度で、紫外光の照射を行える。
なお、光源510から机92への紫外光の照射のように、天井20Aよりも近い箇所から紫外光の照射を行う場合、天井20Aから紫外光を照射する場合に比べ、机92や、机92上に設置された設置物の劣化や退色を招きやすくなる。より具体的には、低波長の紫外光ほど、机92や設置物の劣化や退色を招きやすくなる。
このため、紫外光の照射にあたっては、例えば、夜間などのように時間がある場合(紫外光の照射時間が予め定められた閾値よりも長くなる場合)は、天井光源540のみを点灯させる処理が一例に考えられる。
また、紫外光の照射にあたり、予約時間の合間のように照射時間が確保しにくい状況にある場合(紫外光の照射時間が上記の予め定められた閾値よりも短くなる場合)には、光源510のみ、あるいは、光源510と天井光源540の両者を点灯させる処理を行ってもよい。
本実施形態の改善機構500は、天井光源540や光源510から紫外光を出射し、筐体81の内部に対して紫外光を照射することで、筐体81の内部の空気環境の改善を行う。また、改善機構500は、噴霧装置520を作動させ、霧状の液体を筺体81の内部に噴霧することで、筐体81の内部の空気環境の改善を行う。
【0026】
ここで、光源510は、ブース80の奥行方向に沿って配置されている。また、本実施形態では、紫外光を出射する光源510の横に、可視光を出射する照明用の光源600が設けられている。
噴霧装置520は、ブース80の天井20Aに設置され、天井20Aには、噴霧装置520により生成される霧状の液体が排出される排出口521が設けられている。改善機構500は、噴霧装置520を用い、排出口521から、霧状の液体を排出することで、筐体81の内部の空気環境の改善を行う。
【0027】
また、本実施形態では、
図2、
図3に示すように、改善機構500として、可動型の光源530(以下、「可動型光源530」)が設けられている。
この可動型光源530も、紫外光を出射する。さらに、本実施形態では、この可動型光源530の向きを変える光源駆動機構(不図示)が設けられている。
光源駆動機構は、特に制限されず、モータなどを有する公知の機構により構成される。
【0028】
本実施形態では、空間管理サーバ5からの指示に応じて、光源駆動機構が駆動され、可動型光源530の向きが変更される。これにより、筐体81内の複数箇所への紫外光の照射を行える。
ここで、本実施形態では、可動型光源530は、通常時には、例えば、椅子91(
図3参照)や机92に向けられている。
【0029】
なお、本実施形態では、紫外光の出射、液体の噴霧を行うことで空気環境の改善を行う場合を一例に説明するが、空気環境の改善の種類はこれに限られない。
例えば、自身で移動する可動型の掃除機がブース80内で移動するようにして、ブース80内の空気環境の改善が行われるようにしてもよい。
また、例えば、ブース80内の各部への空気の吹き付けを行って、各部に付着した埃を舞い上がらせるとともに、ブース80外への排気を行って、埃を含んだ空気をブース80の外部へ排出するようにしてもよい。
【0030】
ここで、本実施形態では、噴霧装置520は、酸化チタンを含んだ液体を噴霧する。次いで、本実施形態では、光源510、可動型光源530、天井光源540のうちの1つ以上の光源からの紫外光の出射が行われて、酸化チタンが付着した箇所を含む各部への紫外光の照射が行われる。これにより、ブース80内の空気を汚染する汚染物質が低減し、ブース80の空気環境の改善が行われる。
ここで、本実施形態の改善機構500では、液体の噴霧と紫外光の照射との2種類の処理を行えるようになっており、本実施形態では、複数種類の処理を行える。
なお、空気環境の改善にあたっては、液体の噴霧、紫外光の照射の両方が必ずしも必要ではなく、後述するように、紫外光の照射のみを行ってもよい。
【0031】
また、噴霧装置520から噴霧される液体は、酸化チタンを含んだ液体に限らず、薬液を含んだ液体であってもよい。
また、噴霧装置520から噴霧される液体は、酸化タングステン(WO3)をベースにした材料を含んだ液体であってもよい。この場合、この液体が付着した箇所に対して、可視光(波長400nm以上)を当てることで空気環境の改善を行える。
言い換えると、酸化チタンを含んだ液体の噴霧を行って空気環境の改善を行う場合は、紫外光の照射が必要になるが、酸化タングステンをベースにした材料を含んだ液体の噴霧を行う場合は、可視光の照射を行うことで空気環境の改善を行える。
【0032】
酸化タングステン(WO3)をベースにした材料は、酸化チタンに窒素などをドープしたり、異種金属をイオン注入したりすることで生成される。
酸化タングステン(WO3)をベースにした材料としては、例えば、以下の(1)~(3)が挙げられる。
(1)銅系化合物修飾酸化タングステン光触媒
(2)銅系化合物修飾酸化チタン光触媒
(3)鉄系化合物修飾酸化チタン光触媒
【0033】
また、本実施形態では、紫外光の照射箇所の変更を行える。
具体的には、本実施形態では、上記の通り、可動型光源530の向きの変更を行えるようになっており、可動型光源530の向きを変更することで、紫外光の照射箇所の変更を行える。
より具体的には、光源駆動機構(不図示)を駆動することで、紫外光の照射箇所が変更される。
【0034】
ここで、本実施形態では、空間管理サーバ5からの指示に応じて、改善機構500が作動し、改善機構500による空気環境の改善が行われる。
また、本実施形態では、ブース80の利用者が有する端末装置であるユーザ端末4や、清掃者が有する端末装置からの指示があった場合にも、改善機構500による空気環境の改善が行われる。言い換えると、本実施形態では、人が携帯する携帯端末からの指示があった場合にも、改善機構500による空気環境の改善が行われる。
【0035】
より具体的には、本実施形態では、清掃者やブース80の利用者が、端末装置を操作して、空気環境の改善の指示を行うと、この指示が空間管理サーバ5へ送信される。そして、この場合、空間管理サーバ5は、空気環境の改善の開始指示を出力する。これにより、改善機構500が作動し、ブース80内の空気環境の改善が行われる。
また、本実施形態では、後述するように、ブース80の予約についての情報である予約情報に基づき、空間管理サーバ5が、ブース80の空気環境の改善についての決定を行う
。そして、本実施形態では、この決定に基づき、改善機構500による空気環境の改善が行われる。
【0036】
なお、本実施形態では、ブース80の内部および外部には、改善機構500による空気環境の改善の開始を受け付けるためのハードスイッチが設けられていない。
言い換えると、本実施形態では、ブース80の内部および外部には、改善機構500による空気環境の改善の開始を受け付けるための受け付け部であってブース80の利用者が触れることが可能な受け付け部が設けられていない。
この場合、ブース80の利用者がブース80内の空気環境の改善用のスイッチを誤って触れることで空気環境の改善が行われることが抑制される。より具体的には、液体の噴射や紫外光の出射が誤って行われることが抑制される。
【0037】
図5は、空間管理サーバ5のハードウェア構成の一例を説明する図である。
情報処理装置の一例としての空間管理サーバ5は、装置全体の動作を制御する制御ユニット101と、管理データ等を記憶するハードディスクドライブ102と、LAN(=Local Area Network)ケーブル等を介した通信を実現するネットワークインターフェース103とを有している。
【0038】
制御ユニット101は、プロセッサの一例としてのCPU(=Central Processing Unit)111と、基本ソフトウェアやBIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)112と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)113とを有している。
CPU111はマルチコアでもよい。また、ROM112は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。制御ユニット101は、いわゆるコンピュータである。
【0039】
ハードディスクドライブ102は、円盤状の基板表面に磁性体を塗布した不揮発性の記憶媒体にデータを読み書きする装置である。もっとも、不揮発性の記憶媒体は、半導体メモリや磁気テープでもよい。
この他、空間管理サーバ5は、必要に応じ、キーボード、マウス等の入力デバイス、液晶ディスプレイ等の表示デバイスも備える。
制御ユニット101と、ハードディスクドライブ102と、ネットワークインターフェース103は、バス104や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0040】
ここで、CPU111によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、空間管理サーバ5へ提供しうる。また、CPU111によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、空間管理サーバ5へ提供してもよい。
【0041】
なお、本実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0042】
図6は、ユーザ端末4のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示す構成は、ユーザ端末4がスマートフォンの場合を想定する。
ユーザ端末4は、装置全体の動作を制御する制御ユニット201と、各種のデータを記憶するメモリカード202と、無線通信の規格に準拠する各種の通信インターフェース203と、タッチセンサ等の入力デバイス204と、液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイス205と、GPS(=Global Positioning System)センサ206を有している。
【0043】
制御ユニット201は、CPU211と、ファームウェアやBIOS等が記憶されたROM212と、ワークエリアとして用いられるRAM213とを有している。CPU211はマルチコアでもよい。また、ROM212は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0044】
通信インターフェース203は、例えば移動通信システムとの接続に使用されるインターフェース、無線LANとの接続に使用されるインターフェースである。
GPSセンサ206は、GPS衛星からの電波を受信してユーザ端末4の位置を測定するセンサである。GPSセンサ206から出力される緯度、経度、高度の情報は、ユーザ端末4の現在位置を与える。なお、GPSセンサ206は、屋内用の測位システムに対応してもよい。
【0045】
図7は、ブース80の利用者がブース80の予約を行う際に、この利用者のユーザ端末4に表示される表示画面の一例を示した図である。
図7に示すこの表示画面では、地図の表示が行われるとともに、この地図上に、ブース80の設置箇所が複数表示されている。
本実施形態では、ブース80の利用者は、ブース80の予約を行う際、まず、表示されている複数の設置箇所の中から設置箇所を選択する。
なお、このような表示形態に限らず、例えば、リスト形式で、複数の設置箇所を表示し、利用者が、リストの中から設置箇所を選択するようにしてもよい。
【0046】
設置箇所が選択されると、
図8(ユーザ端末4に表示される表示画面の他の一例を示した図)に示すように、選択された設置箇所における空室の状況が、時間毎に表示される。
利用者は、この表示画面に対する操作を行って、ブース80の予約時間を指定する。そして、利用者は、確定ボタン(不図示)を押圧する。
【0047】
これにより、空間管理サーバ5が予約の確定処理を行う。
具体的には、空間管理サーバ5は、ブース80の設置箇所および予約時間についての情報を受け付けたうえで、この設置箇所、予約時間についての情報をハードディスクドライブ102(
図5)に登録し、予約の確定処理を行う。
言い換えると、空間管理サーバ5は、ブース80の設置箇所および予約時間についての情報を受け付けたうえで、この設置箇所、予約時間についての情報をハードディスクドライブ102に登録し、予約の確定処理を行う。
そして、予約の確定結果が、ユーザ端末4へ送信され予約申込者に通知される。
【0048】
図9は、空間管理サーバ5のハードディスクドライブ102に格納されている予約リストであって、利用者が予約を行ったブース80の予約リストを示した図である。
本実施形態では、利用者によるブース80の予約が確定すると、
図9に示すように、予約リストに、この利用者が追加される。より具体的には、予約リストには、予約時間帯毎に、予約を行った者である利用者が登録される。
付言すると、本実施形態では、空間管理サーバ5のハードディスクドライブ102に、ブース80の予約についての情報(以下、「予約情報」と称する)が登録される。
【0049】
図9に示す例では、予約情報として、4月5日、予約時間07:00~07:30の時間帯が、利用者Fにより予約されたことを示す情報が登録されている。
また、詳細な説明は省略するが、他の予約帯についても、同様に、利用者により予約されたことを示す情報が登録されている。
【0050】
図10(A)、(B)は、プロセッサの一例であるCPU111(
図5参照)により行われる処理の一例を説明する図である。言い換えると、空間管理サーバ5に設けられたCPU111により行われる処理を説明する図である。
本実施形態のCPU111は、ブース80の予約についての情報である上記の予約情報を取得し、取得したこの予約情報に基づき、ブース80内に設けられた改善機構500により行われる空気環境の改善についての決定を行う。
【0051】
言い換えると、CPU111は、ハードディスクドライブ102に登録されている予約情報を取得し、取得したこの予約情報に基づき、ブース80内に設けられた改善機構500により行われる空気環境の改善についての決定を行う。
具体的には、CPU111は、取得した予約情報を基に、ブース80の予約が行われていない時間帯を特定し、ブース80の予約が行われていないこの時間帯に、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
言い換えると、CPU111は、改善機構500による空気環境の改善の実行の有無についての決定を行う。この決定にあたっては、CPU111は、取得した予約情報を基に、ブース80の予約が行われていない時間帯を特定する。そして、CPU111は、ブース80の予約が行われていないこの時間帯に、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
これにより、本実施形態では、ブース80の予約がなされている時間帯である予約時間帯以外の時間帯に、改善機構500による空気環境の改善が行われる。
【0052】
図10(A)に示す例では、7時から22時までの間に、複数回の予約が入っている場合を例示している。
CPU111が、ブース80の予約が行われていない時間帯に改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行うと、
図10(A)に示すように、予約が入っていない時間帯の各々にて、改善機構500による空気環境の改善が行われる。
より具体的には、
図10(A)に示す例では、符号10E、10F、10G、10Hで示す時間帯の各々が、予約が入っていない時間帯となっており、この時間帯の各々に、改善機構500による空気環境の改善が行われる。
【0053】
より具体的には、この場合、CPU111は、符号10E、10F、10G、10Hで示す時間帯の各々の時間帯となる度に、空気環境の改善を開始することを示す制御信号を改善機構500に出力する。
これにより、本実施形態では、符号10E、10F、10G、10Hで示す時間帯の各々に、改善機構500による空気環境の改善が行われる。
具体的には、この例では、光源510、可動型光源530、天井光源540のうちの1つ以上の光源による紫外光の照射が行われて、ブース80内の空気環境の改善が行われる。
なお、この例では、予約が行われていない時間帯に、紫外光の照射が行われる場合を説明したが、これに限らず、予約が行われていない時間帯に、且つ、ブース80内に人がいない場合に、紫外光の照射が行われるようにしてもよい。
より具体的には、予約が行われていない時間帯に、且つ、人感センサ25(
図2参照)からの出力が、人がいないことを示している場合に、紫外光の照射が行われるようにしてもよい。
言い換えると、予約が行われていない時間帯であっても、ブース80内に人がいる場合には、紫外光の照射が行われないようにしてもよい。
言い換えると、紫外光の照射についての決定は、ブース80の予約状況のみに基づかずに、ブース80内における人の有無も考慮して、この決定を行うようにしてもよい。
なお、紫外光として、例えば、波長が254nmの紫外光を用いる場合は、ブース80内の利用者への影響が大きいため、上記のように、予約が行われていない時間帯や、予約が行われていない時間帯であって且つブース80内に人がいない時間帯に、紫外光の照射が行われるようにすることが好ましい。言い換えると、波長が254nmの紫外光を用いる場合は、紫外光の照射を厳密に管理することが好ましい。
これに対し、紫外光として、例えば、222nmの紫外光を照射する場合は、人体への影響が小さいため、常時紫外光が照射されるようしてもよい。言い換えると、222nmの紫外光を照射する場合は、予約が入っている時間帯や、ブース80内に人がいる状況下において、この紫外光の照射を行ってもよい。言い換えると、222nmの紫外光を照射する場合は、紫外光の照射を厳密に管理せずにこの紫外光の照射を行ってもよい。
【0054】
また、本実施形態のCPU111は、その他に、例えば、ブース80の予約が行われている時間帯である予約時間帯であっても、特定の条件が満たされたら、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
具体的には、CPU111は、予約時間帯であっても、例えば、ブース80の利用者からの空気環境の改善の指示があった場合には、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
【0055】
具体的には、
図10(B)の符号10Kで示す時間帯は、ブース80の利用者による予約が行われている予約時間帯となっている。
本実施形態では、この予約時間帯であっても、ブース80の利用者からの空気環境の改善の指示があった場合、CPU111は、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
より具体的には、CPU111は、予約時間帯であっても、ブース80が空室であり、且つ、ブース80の利用者からの空気環境の改善の指示があった場合には、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
【0056】
より具体的には、CPU111は、予約時間帯であっても、ブース80が空室であり、且つ、ブース80の利用者が有するユーザ端末4からの指示があった場合には、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
なお、CPU111は、ブース80が空室であるか否かは、人感センサ25(
図2参照)からの出力に基づき判断する。
【0057】
図11は、ブース80の利用者が空気環境の改善の指示を行う場合にユーザ端末4に表示される表示画面の一例を示した図である。
図11に示す、ユーザ端末4の表示画面には、符号11Aで示すように、「消毒後解錠する」というボタンが表示されている。本実施形態では、ブース80の利用者が空気環境の改善の指示を行う場合、
図11に示す表示画面がユーザ端末4に表示される。
【0058】
そして、本実施形態では、利用者により「消毒後解錠する」というボタンが押圧され、且つ、ブース80が空室である場合、CPU111が、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
これにより、この場合、
図10(B)の符号10Mで示すように、光源510、可動型光源530、天井光源540のうちの1つ以上の光源による紫外光の照射が行われ、ブース80内への紫外光の照射が行われる。この場合、利用者がブース80の利用を開始する前に、改善機構500による空気環境の改善が行われる。
【0059】
その後、この処理例では、CPU111は、ブース80の解錠の指示を行う。言い換えると、CPU111は、改善機構500によるブース80の空気環境の改善が終了した後、ブース80の解錠の指示を行う。
言い換えると、CPU111は、ブース80の利用者からの指示に応じた空気環境の改善が終了し、光源510、可動型光源530、天井光源540が消灯した状態になった後、ブース80の解錠の指示を行う。
【0060】
これにより、電子錠22C(
図2参照)が作動し、ブース80の解錠が行われる。この場合、ブース80の利用者は、空気環境の改善が直前に行われた状態のブース80の利用を行える。
ここで、本実施形態では、改善機構500による空気環境の改善が行われている最中は、施錠された状態となっており、空気環境の改善が行われている最中に、利用者がブース80へ入ることが抑制される。
【0061】
他の処理として、CPU111は、例えば、予約時間帯であっても、ブース80内に、ブース80の利用者がいない場合には、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行ってもよい。
図10(A)にて示す処理例では、符号10Pで示す予約時間帯のときに、利用者がブース80から一時的に退出し、利用者がいない状況が生じている。言い換えると、ブース80が無人となった状況が生じている。
【0062】
この場合、CPU111は、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
より具体的には、CPU111は、人感センサ25(
図2参照)からの出力が、利用者がいないことを示している場合、ブース80内に利用者がいないと判断し、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
【0063】
これにより、ブース80では、改善機構500による空気環境の改善が開始される。より具体的には、この例では、光源510、可動型光源530、天井光源540のうちの1つ以上の光源による紫外光の照射が行われる。
なお、ブース80内に利用者がいない場合に行われるこの空気環境の改善は、利用者がブース80に戻るまで行ってもよい。より具体的には、利用者がブース80にいることを示す出力が人感センサ25から出力されるまで行ってもよい。
また、その他に、ブース80内に利用者がいない場合に行われるこの空気環境の改善は、利用者がブース80から退出してから、予め定められた時間が経過するまで行ってもよい。
【0064】
また、その他に、CPU111は、先に行われているブース80の予約である先予約の予約終了時刻から、この先予約の1つ後の予約である後予約の予約開始時刻までの経過時間に基づき、改善機構500が行う空気環境の改善についての決定を行ってもよい。
より具体的には、CPU111は、上記の経過時間に基づき、先予約の予約終了時刻から後予約の予約開始時刻までの間の時間帯である未利用時間帯に改善機構500が行う空気環境の改善についての決定を行ってもよい。
【0065】
より具体的には、CPU111は、例えば、上記の経過時間が予め定められた経過時間を超える場合、特定の処理が改善機構500により行われるようにする決定を行う。
言い換えると、CPU111は、上記の経過時間が予め定められた経過時間を超える場合には、予め定められた経過時間を超えない場合に比べ、改善機構500により行われる処理の種類が増えるようにする決定を行う。
【0066】
図12は、経過時間が予め定められた経過時間を超える場合の処理例を示した図である。
本実施形態のCPU111は、経過時間が予め定められた経過時間(例えば、2時間)を超える場合、紫外光の照射のみではなく、噴霧装置520による噴霧も行われるようにする決定を行う。
【0067】
言い換えると、CPU111は、経過時間が予め定められた経過時間を超える場合、光源510、可動型光源530、天井光源540などの光源のオンだけでなく、特定の処理の一例としての、噴霧装置520による噴霧も行われるようにする決定を行う。
言い換えると、CPU111は、経過時間が予め定められた経過時間を超える場合、紫外光の照射のみではなく、噴霧装置520による噴霧も行われるようにし、予め定められた経過時間を超えない場合に比べ、改善機構500により行われる処理の種類が増えるようにする決定を行う。
【0068】
ここで、改善機構500が行う処理のうちの一部の処理には、時間を要し、上記の経過時間が短い場合には、この一部の処理を行うことが難しくなる。
具体的には、噴霧装置520による噴霧は、紫外光の照射に比べ、時間を要し、上記の経過時間が短い場合には、噴霧装置520による噴霧を行うことが難しくなる。
これに対し、本実施形態のように経過時間を考慮して、空気環境の改善についての決定を行うと、噴霧装置520による噴霧も行えるようになり、より多くの種類の処理を行える。
また、その他の処理として、CPU111は、上記の経過時間に基づき、上記の未利用時間帯(先予約の予約終了時刻から後予約の予約開始時刻までの間の時間帯)に紫外光の照射を行う際の照射時間を決定してもよい。
より具体的には、CPU111は、この場合、経過時間が予め定められた閾値よりも大きい場合、紫外光の照射時間を長くし、経過時間がこの閾値よりも小さい場合、経過時間がこの閾値よりも大きい場合に比べ、紫外光の照射時間を短くする。これにより、経過時間が長いほど、より長い時間、紫外光が照射されるようになる。
なお、このように、照射時間が変化する場合、この照射時間に基づき、点灯させる光源を決めることが好ましい。具体的には、この場合、例えば、上記の通り、紫外光の照射時間が予め定められた閾値よりも長くなる場合は、例えば、天井光源540のみを点灯させることが好ましい。また、例えば、紫外光の照射時間が上記の予め定められた閾値よりも短くなる場合は、光源510のみ、あるいは、光源510と天井光源540の両者を点灯させることが好ましい。
【0069】
また、その他の処理として、CPU111は、例えば、取得した予約情報に基づき、改善機構500により行われる空気環境の改善の頻度についての決定を行ってもよい。
具体的には、この処理を行う場合、CPU111は、例えば、取得した予約情報に基づき、単位時間当たりの予約数や、単位時間当たりの総予約時間を把握するようにする。
ここで、総予約時間とは、単位時間当たりのなされている予約の各々の予約時間を合計した時間をいう。
【0070】
より具体的には、例えば、CPU111は、予め定められた時刻となる度に、この時刻から予め定められた時間が経過するときまでの間における、予約数や総予約時間を把握するようにする。
そして、CPU111は、この予約数や総予約時間に基づき、例えば、上記の予め定められた時刻から予め定められた時間が経過するときまでの間に改善機構500が行う空気環境の改善の頻度を決定する。
【0071】
具体的には、CPU111は、例えば、予約数や総予約時間が予め定められた閾値を超える場合、超えない場合に比べ、上記の予め定められた時刻から予め定められた時間が経過するときまでの間に改善機構500が行う空気環境の改善の回数を増やす決定を行う。
この処理を行う場合、ブース80が頻繁に利用されるほど、空気環境の改善もより多く行われるようになる。
なお、この場合も、上記と同様、基本的には、ブース80の予約が行われていない時間帯に、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにすることが好ましい。
【0072】
また、その他に、CPU111は、取得した予約情報に基づき、改善機構500による空気環境の改善の程度についての決定を行ってもよい。
具体的には、この場合、例えば、CPU111は、取得した予約情報に基づき、上記と同様、単位時間当たりの予約数や、単位時間当たりの総予約時間を把握するようにする。
【0073】
より具体的には、例えば、CPU111は、予め定められた時刻となる度に、この時刻から予め定められた時間が経過するときまでの間における、予約数や総予約時間を把握する。
そして、CPU111は、この予約数や総予約時間に基づき、上記の予め定められた時刻から予め定められた時間が経過するときまでの間に改善機構500が行う空気環境の改善の程度を決定する。
【0074】
具体的には、CPU111は、例えば、予約数や総予約時間が予め定められた閾値を超える場合、超えない場合に比べ、上記の予め定められた時刻から予め定められた時間が経過するときまでの間に改善機構500が行う空気環境の改善の時間を長くする決定を行う。
より具体的には、CPU111は、改善機構500により行われる空気環境の改善の1回当たりの時間を長くする決定を行う。
【0075】
また、その他に、例えば、CPU111は、予約数や総予約時間が予め定められた閾値を超える場合、超えない場合に比べ、上記の予め定められた時刻から予め定められた時間が経過するときまでの間における、改善機構500の出力を増加させる決定を行う。
改善機構500の出力を増加させると、噴霧装置520が液体の噴霧を行う際の噴霧量が増したり、光源510や可動型光源530や天井光源540から出射される紫外光の光量が増したりする。
【0076】
また、本実施形態では、上記の通り、光の照射箇所を変更できるように構成されている。
より具体的には、本実施形態では、上記の通り、可動型光源530の向きの変更を行えるようになっており、光の照射箇所の変更を行えるようになっている。
CPU111は、取得した予約情報に基づき、可動型光源530から出射される光の照射箇所についての決定を行ってもよい。
【0077】
具体的には、CPU111は、取得した予約情報が特定の条件を満たす場合、ブース80内の特定の箇所に対して、紫外光が照射されるようにする決定を行う。
具体的には、CPU111は、例えば、上記と同様、単位時間当たりの予約数や総予約時間を把握するようにする。そして、CPU111は、この予約数や総予約時間が予め定められた閾値を超える場合、例えば、荷物用容器93(
図3参照)に対して紫外光が照射されるようにする決定を行う。
【0078】
荷物用容器93は、机92(
図3参照)などに比べ汚れが付着しにくく、机92などに比べ、紫外光の照射頻度は少なくて済む。その一方で、ブース80の利用頻度が大きい場合、荷物用容器93に汚れが付着することが想定される。
そこで、本実施形態では、上記のように、CPU111は、予約数や総予約時間が予め定められた閾値を超える場合、荷物用容器93に対して紫外光が照射されるようにする決定を行う。
これにより、本実施形態では、可動型光源530が、荷物用容器93に向くようになり、荷物用容器93への紫外光の照射が行われる。
【0079】
なお、上記では、ブース80内の空気環境の改善が改善機構500により行われる場合を説明したが、ブース80内の空気環境の改善が、改善機構500のみならず清掃者により行われる場合もある。
より具体的には、例えば、上記の液体の噴霧などの特定の処理は、清掃者により行われる場合もある。
【0080】
清掃者による空気環境の改善が行われる場合、CPU111は、清掃者の作業スケジュールも考慮して、改善機構500により行われる空気環境の改善についての決定を行うことが好ましくなる。
言い換えると、CPU111は、予約情報、および、清掃者の作業スケジュールについての情報であるスケジュール情報に基づき、改善機構500により行われる空気環境の改善についての決定を行うことが好ましくなる。
【0081】
ここで、例えば、上記のように、液体の噴霧が清掃者により行われる場合、CPU111は、清掃者によって行われる液体の噴霧のタイミングをスケジュール情報から把握する。
そして、CPU111は、このタイミングおよび予約情報に基づき、可動型光源530や、光源510や、天井光源540を用いての紫外光の照射を行うタイミングを決定する。
【0082】
より具体的には、この場合、CPU111は、清掃者による液体の噴霧の後に、且つ、利用者によるブース80の予約が行われていない時間帯に、紫外光の照射が行われるようにする決定を行う。
より好ましくは、この場合、CPU111は、清掃者による液体の噴霧の後に、且つ、この噴霧の後の最初の予約の予約時間帯よりも前に、紫外光の照射が行われるようにする決定を行う。
【0083】
また、清掃者によって、掃き掃除やごみの除去などの一般的な処理が行われる場合もある。この場合も、CPU111は、清掃者の作業スケジュール情報を考慮して、液体の噴霧のタイミングや、紫外光の照射のタイミングなどの、改善機構500による空気環境の改善についての決定を行う。
具体的には、この場合、CPU111は、清掃者による空気環境の改善が行われないときに、且つ、利用者によるブース80の予約が行われていない時間帯に、改善機構500による空気環境の改善が行われるようにする決定を行う。
【0084】
(他の構成例)
図13は、ブース80の他の構成例を示した図である。この
図13では、壁面20C(
図2参照)、扉22の図示を省略している。
この構成例でも、上記と同様、紫外線を含んだ光である紫外光を出射する光源910が設けられている。
この光源910は、モニタ32や机92が設けられている側とは反対側に設けられ、この反対側から、モニタ32や机92に向けて紫外光を出射する。言い換えると、光源910は、斜め下方に向けて紫外光を出射し、これにより、光源910よりも下方に位置するモニタ32や机92に紫外光が照射される。
【0085】
ブース80には、互いに平行となる関係で配置された2つの壁面20D、20Eが設けられているが、この構成例では、この2つの壁面20D、20Eのうちの一方の壁面が設けられている側に、モニタ32や机92が設置され、他方の壁面が設けられている側に、光源910が設置されている。
【0086】
さらに、本実施形態では、光源910よりも奥側に、温風又は冷風を排出する空調機器920が設けられている。
さらに、本実施形態では、ブース80の内側であって、壁面20Eが設けられている側に、ブ―ス80の内部の装飾のための部材である内装部材930が設けられている。言い換えると、ブース80の内装のための部材である内装部材930が設けられている。この内装部材930は、複数のねじ931によってブース80の内面に対して固定されている。
【0087】
具体的には、ブース80の内面には、ねじ穴(不図示)が複数設けられ、このねじ穴が設けられている部分と、ねじ931の頭とによって、内装部材930が挟まれ、これにより、内装部材930が固定されている。
なお、図示は省略するが、内装部材930は、ブース80の内面のうち、壁面20E側に位置する部分以外の部分にも設けられている。
【0088】
さらに、ブース80の内面であって壁面20E側に位置する部分に、ユーザが扉22(
図2参照)の施錠及び解錠を操作する際にこのユーザが操作する施錠/解錠用スイッチSWが設けられている。
本実施形態では、ユーザが、この施錠/解錠用スイッチSWを操作すると、電子錠22C(
図2参照)が作動し、ブース80の施錠や解錠が行われる。
【0089】
図14は、
図13にて示した光源910の部分を拡大した斜視図である。
この構成例では、ブース80の手前側から奥側に向かって延びる円柱状の支持部材933が設けられている。
言い換えると、この構成例では、壁面20Eに沿って延びる支持部材933が設けられている。この構成例では、この支持部材933によって光源910が支持されている。
【0090】
光源910と支持部材933との間には、光源910と支持部材933とを接続する接続部材934が設けられ、この接続部材934を介して、光源910が支持部材933に固定されている。
接続部材934は、支持部材933よりも光源910側に配置される第1部材934Aと、支持部材933よりも壁面20E側に配置される第2部材934Bとを備える。この構成例では、第1部材934Aと第2部材934Bとにより支持部材933が挟まれることで、支持部材933に対して接続部材934が固定されている。
【0091】
また、この構成例では、支持部材933に対して固定される固定部934Cと、この固定部934Cに対して回転可能に設けられ且つ回転中心Cを中心として回転する回転部934Dとが設けられている。
この構成例では、この回転部934Dに対して光源910が取り付けられ、この回転部934Dが回転すると、光源910の向きが変更される。
【0092】
図15は、
図14の矢印XVで示す方向から、支持部材933および光源910を見た場合の図である。
支持部材933は、図中左右方向に延びて配置されている。この構成例では、光源910は、この支持部材933の延び方向に沿って移動可能となっている。
また、
図15では、ブース80の入口側に光源910が設置された状態を示している。
この状態から、矢印15Aで示す方向へ光源910を移動させて、破線15Bに示す箇所に光源910を位置させると、ブース80の奥側に光源910が位置する状態となる。
【0093】
ブース80の奥側に光源910が位置する状態となると、ユーザは、ブース80への出入りを行いやすくなる。
その一方で、ブース80の入口側に光源910が位置する状態では、光源910が扉22(
図2参照)に近い側に設置された状態となり、ユーザが触れる頻度が多い扉22に対して紫外光が照射されやすくなる。
【0094】
また、ブース80の入口側に光源910が設置された状態とすると、この入口側に設置された施錠/解錠用スイッチSW(
図13参照)の損傷や故障が生じにくくなる。
この構成例では、棒状の支持部材933が設けられており、この支持部材933に対し、傘などのユーザの所有物が引掛けられることが想定される。
【0095】
この場合に、支持部材933のうち、施錠/解錠用スイッチSWの上方に位置する部分に、ユーザの所有物が引っ掛けられると、引っ掛けられた所有物が施錠/解錠用スイッチSWに触れるおそれがある。
また、この所有物が傘である場合には、水滴が施錠/解錠用スイッチSWに付着するおそれもある。
【0096】
これに対し、ブース80の入口側に光源910が設置された状態にあると、施錠/解錠用スイッチSWの上方に光源910が位置するようになる。
この場合、支持部材933のうちの、施錠/解錠用スイッチSWの上方に位置する部分に、ユーザの所有物が引っ掛けられないようになり、この所有物に起因する施錠/解錠用スイッチSWの損傷や故障が起きにくくなる。
【0097】
なお、本実施形態では、光源910の移動は手動で行うが、これに限らず、光源910を移動させるための駆動機構を設けるようにしてもよい。
そして、ユーザからの指示に応じて、又は、ブース80に設けられた制御装置や空間管理サーバ5のCPU111(
図5参照)からの指示に応じて、駆動機構を作動させ、光源910が自動で移動するようにしてもよい。
【0098】
この構成例では、支持部材933が、円柱状の部材により構成された場合を一例に説明した。ところで、支持部材933の形状はこれに限らず、支持部材933は、四角柱状の部材など、他の形状を有する部材により構成してもよい。
また、その他に、壁面20Eに沿う溝型のレールを設け、光源910が、この溝型のレールに沿って移動する構成としてもよい。
【0099】
また、他の構成例として、光源910がモニタ32や机92に接近する方向、および、光源910がモニタ32や机92から離れる方向に、光源910が移動する構成としてもよい。
言い換えると、光源910からの紫外光が照射される照射対象へ光源910が接近する方向への光源910の移動、および、この照射対象から離れる方向への光源910の移動が可能な構成としてもよい。
この場合、モニタ32や机92などの照射対象に対して照射される紫外光の強度を上げられる。
より具体的には、モニタ32や机92は、ユーザにより頻繁に使用され、汚れやウイルスなどが付着しやすい。光源910が移動する構成であると、汚れやウイルスなどが付着しやすいこの箇所に対して照射される紫外光の強度を上げられる。
【0100】
図16(A)、(B)は、支持部材933の一端部933Eおよび他端部933Fを説明する図である。
具体的には、
図16(A)は、
図15における矢印XVIA方向から支持部材933の一端部933Eを見た場合の図である。
図16(B)は、
図15における矢印XVIB方向から支持部材933の他端部933Fを見た場合の図である。
【0101】
図16(A)に示すように、支持部材933の一端部933Eには、この一端部933Eに対して固定される板状の固定部材933Gと、この固定部材933Gが固定される断面L字状の被固定部材933Hと、固定部材933Gおよび被固定部材933Hを覆う覆い部材933Jとが設けられている。
【0102】
覆い部材933Jは、支持部材933の他端部933F(
図15参照)側を向く他端側覆い部94Aと、机92(
図13参照)側を向く机側覆い部94Bと、下方を向く下方覆い部94Cと有する。
本実施形態では、この覆い部材933Jを設置することで、固定部材933Gおよび被固定部材933Hの視認をユーザが行えないようにして、ブース80の内装についての外観が低下することを抑えている。
【0103】
本実施形態では、被固定部材933Hが、ブース80の内面に対して固定されることで、支持部材933の一端部933Eがブース80に対して固定される。
より具体的には、本実施形態では、内装部材930(
図13参照)を固定するためのねじ931が用いられて、光源910を支持する支持部材933のブース80への固定が行われる。
【0104】
具体的には、複数のねじ931のうちの1つのねじ931の頭と、ねじ穴との間に、内装部材930に加えて被固定部材933Hも併せて設置するようにする。そして、ねじ931を用いて、被固定部材933Hも併せて固定する。
より具体的には、被固定部材933Hに設けられた貫通孔H1(
図16(A)参照)に、ねじ931を通すようにして、内装部材930の他に、被固定部材933Hも併せて固定する。
【0105】
支持部材933の他端部933F側の構成を説明する。
図16(B)に示すように、支持部材933の他端部933F側にも、この支持部材933の他端部933Fに対して固定される固定部材933Kと、この固定部材933Kが固定される断面L字状の被固定部材933Lと、固定部材933Kおよび被固定部材933Lを覆う覆い部材933Mとが設けられている。
この構成例では、被固定部材933Lが、ブース80の内面に対して固定されることで、支持部材933の他端部933Fがこの内面に対して固定される。
【0106】
覆い部材933Mは、支持部材933の一端部933E(
図15参照)側を向く一端側覆い部94Dと、下方を向く下方覆い部94Eと有する。
本実施形態では、この覆い部材933Mを設置することで、固定部材933Kおよび被固定部材933Lの視認をユーザが行えないようにして、ブース80の内装についての外観が低下することを抑えている。
【0107】
なお、支持部材933の一端部933E側に設けられた上記の覆い部材933J(
図16(A)参照)には、上記の通り、机92側を向く机側覆い部94Bが設けられているが、支持部材933の他端部933F側に設けられた覆い部材933M(
図16(B)参照)には、机側覆い部94Bに相当する部分は設けられていない。
この構成例では、固定部材933K(
図16(B)参照)、被固定部材933Lよりも机92側に位置する箇所には、
図13に示すように、空調機器920が設けられている。
【0108】
この構成例では、この空調機器920が設けられることによって、机92側からの固定部材933K、被固定部材933Lの視認を行えないようになっている。このため、この構成例では、上記の机側覆い部94Bに相当する部分の設置を省略している。
なお、一端部933E側と同様、他端部933F側においても、内装部材930を固定するためのねじ穴、ねじ931が利用されて、被固定部材933L(
図16(B)参照)の固定が行われる。
【0109】
図17は、ブース80の上部の構成を示した図である。
この構成例では、ブース80の天井20Aの上に、予め定められた時間となると給電や給電の停止を行うタイマー電源710が設けられている。
タイマー電源710は、このタイマー電源710への埃等の付着を防止するための収容容器720に収容されている。
【0110】
さらに、光源910とタイマー電源710とを接続するケーブル740が設けられている。
このケーブル740は、符号17Aで示す領域ではブース80の内部に配置され、符号17Bで示す領域ではブース80の外部に設置されている。
言い換えると、ケーブル740は、タイマー電源710に向かう途中から、ブース80の外部を通る。
【0111】
タイマー電源710は、時間に応じて電源のオン/オフ制御を行う。これにより、本実施形態では、予め定められた時間となる度に、光源910がオンされ、また、予め定められた時間となる度に、光源910がオフされる。
なお、光源910の制御は、これに限らず、空間管理サーバ5に設けられたCPU111が行ってもよいし、ブース80に設けられた制御装置(不図示)が行ってもよい。
【0112】
図18(A)、(B)は、ブース80の他の構成を示した図である。
図18(A)は、ブース80の正面図であり、
図18(B)は、
図18(A)の矢印XVIIIBで示す方向からブース80の内部を見た場合の図である。
この構成例では、互いに平行となる関係で配置された2つの壁面20D、20Eのうちの、壁面20D側に、光源910が設けられている。
言い換えると、この構成例では、モニタ32および机92が設けられている側と同じ側に、光源910が設置されている。
そして、この構成例では、この光源910から、壁面20Eが設けられている側に向けて、紫外光が出射される。
【0113】
この構成例では、
図13にて示した構成例に比べ、扉22(
図2参照)に対してより多く紫外光が照射される。特に、扉22の内側に設けられた取手の部分に対してより多く紫外光が照射される。言い換えると、扉22のうちの、ユーザが頻繁に触れる部分に対してより多く紫外光が照射される。
また、この構成例では、
図13にて示した構成例に比べ、ユーザが触れる頻度が高い施錠/解錠用スイッチSWに対してより多く紫外光が照射される。
【0114】
また、この構成例では、
図18(B)に示すように、光源910は、奥側に位置する壁面20F側に寄せられて配置されている。なお、これに限らず、光源910は、扉22(
図2参照)が設けられている側に位置する壁面20C側に寄せて配置してもよい。
また、光源910は、複数設置してもよく、例えば、モニタ32とは反対側(
図13参照)、および、モニタ32側(
図18(A)参照)の両方に設置してもよい。
【0115】
図19は、
図18(B)の符号XIXで示す部分の拡大図である。
この構成例では、光源910を支持する支持部材980が設けられている。この構成例では、この支持部材980によって、光源910の裏面側が支持されている。さらに、この構成例では、支持部材980は、フック状の形状を有しており、支持部材980は、内装部材930の上端部に引っ掛けられている。
【0116】
図20(A)、(B)は、ブース80の他の構成例を示した図である。
図20(A)は、ブース80の正面図である。
図20(B)は、斜め下方からブース80の天井20Aを見た場合の斜視図である。
この構成例では、
図20(A)、(B)に示すように、ブース80の天井20Aに光源910が設置され、この光源910から下方に向けて紫外光が出射される。言い換えると、ブース80の上方から下方に向けて紫外光が照射される。
【0117】
具体的には、
図20(B)に示すように、光源910は、概ね、ブース80の奥行方向における中央部に配置されている。また、光源910は、
図20(A)に示すように、ブース80の幅方向における中央部に配置されている。
この構成例では、紫外光の照射箇所が偏ることなく、ブース80の全体に亘って紫外光が照射されやすくなる。
【0118】
図20(B)に示すように、この構成例では、ブース80の奥側に、ブース80の幅方向に延び且つブース80に対して固定される奥側フレームF1が設けられ、また、ブース80の入口側に、同じく幅方向に延びブース80に対して固定される手前側フレームF2が設けられている。
さらに、この構成例では、ブース80の奥行方向に沿って延び奥側フレームF1および手前側フレームF2によって支持される2本の支持フレームF3が設けられている。
この構成例では、この2本の支持フレームF3の間に、光源910が設置され、また、この2本の支持フレームF3により光源910が支持されている。
また、この構成例では、光源910に、人感センサ25が設けられている。
【0119】
(光源の点灯制御)
図2-4、
図13-20にて示した光源510、可動型光源530、天井光源540、光源910の点灯制御について説明する。以下の説明においては、これらの光源を特に区別せず、これらの光源を、単に「光源970」と称する。
【0120】
(1)光源970の点灯の態様としては、例えば、ブース80の予約時間外に光源970を点灯させる態様が一例として考えられる。言い換えると、ブース80の予約をユーザが行えない時間帯に光源970を点灯させる態様が一例として考えられる。
具体的には、例えば、早朝の05:00AMや深夜に、光源970を点灯させる態様が考えられる。
【0121】
(2)また、光源970の点灯の態様としては、例えば、人感センサ25による検出結果に基づき光源970の点灯を行う態様が考えられる。より具体的には、人感センサ25による検出結果が、人がいないことを示す検出結果である場合に、光源970を点灯させる態様が考えられる。
この態様の場合、ブース80の予約の有無にかかわらず、ブース80に人がいないタイミングのときに、紫外光の照射が行われる。この態様では、ブース80の稼働率が低い場合には、紫外光の照射時間が長くなり、ブース80内の殺菌の程度を高められる。
【0122】
(3)また、光源970の点灯の態様としては、ブース80の稼働時間内に(ブース80の予約が可能な時間帯に)殺菌のための専用の時間を確保し、この専用の時間に光源970を点灯させる態様が考えられる。
言い換えると、ブース80の稼働開始時刻から稼働終了時刻までの間に、ブース80の予約を入れることができない時間を確保するようにし、この予約を入れることができない時間に、光源970を点灯させる態様が考えられる。
【0123】
具体的には、例えば、10:00AM、16:00PMに、光源970を点灯させるための時間を30分確保する。なお、この際、ブース80の施錠を行いユーザがブース80内に入れないようにすることが好ましい。
この態様では、紫外光の照射時間が強制的に確保され、紫外光の照射が不足するなどの事態が生じにくくなる。
【0124】
(4)また、光源970の点灯の態様としては、例えば、ブース80の予約時間と、この予約時間の1つ後の予約時間との間に光源970を点灯させる態様が考えられる。言い換えると、ブース80についての一の予約時間帯と、この一の予約時間帯の1つ後の予約時間帯との間の時間帯に、光源970を点灯させる態様が考えられる。 ここで、ブース80の予約態様として、予約を連続させずに(互いに異なるユーザの各々による予約が連続しないようにし)、一のユーザによる予約と、この一のユーザとは異なる他のユーザによる次の予約との間に、予約が入らない空の時間を確保する予約態様が考えられる。
【0125】
この場合において、一のユーザによる予約と他のユーザによる予約との間の空となる時間に、光源970を点灯させる。
より具体的には、例えば、一のユーザによる予約と、他のユーザによる予約との間に、予約が入らない空の時間を15分確保し、この15分の間に、紫外光を照射する。
【0126】
(5)また、その他に、紫外光の照射先は、1つの箇所に固定せずに、光源970の向きや位置が変更されるようにして、例えば、ブース80内に特定の箇所に対して紫外光が集中的に照射されるようにしてもよい。
言い換えると、光源970から出射された光の照射位置の変更を行えるようにして、ブース80内に特定の箇所に対して紫外光が集中的に照射されるようにしてもよい。
【0127】
具体的には、例えば、通常時は、広い範囲に亘って紫外光の照射を行うが、ユーザによるブース80の使用直後には、ユーザが触った箇所や、ユーザが咳をすることによって生じた飛沫が付着したおそれのある箇所に対して、紫外光が集中的に照射されるようにする。
言い換えると、光源970から出射された光の照射位置の変更を行い、ブース80内のうちのユーザが触った箇所、及び/又は、ブース80内のうちのユーザの口からの唾液(飛沫)が付着した箇所に対して紫外光が照射されるようにする。
【0128】
より具体的には、この処理を行う場合は、ブース80に設置された撮影装置24(
図2参照)により得られた映像を解析して、ユーザが触った箇所や、唾液が付着したおそれのある箇所を把握するようにする。
そして、光源970を移動させたり光源970の向きを変更したりする駆動機構を制御して、ユーザが触った箇所や、唾液が付着したおそれのある箇所に対して、紫外光が集中して照射されるようにする。
【0129】
また、その他に、光源970を移動可能に設け、照射対象への紫外光の照射を行う際に、この照射対象に光源970を接近させてもよい。
この場合、普段ユーザがブース80を使う際にはユーザの邪魔ではない箇所に光源970の設置を行える。また、紫外光の照射の際には、照射対象の近くに光源970が配置され、照射対象の殺菌をより効果的に行える。
【0130】
また、紫外光の照射を行う照射対象と光源970との距離に応じて、光源970の出力を変化させたり、紫外光の照射時間を変化させたりしてもよい。
具体的には、例えば、照射対象と光源970との距離が予め定められた閾値よりも大きくなる場合には、照射対象への紫外光の照射量を確保するため、光源970の出力を増加させたり、紫外光の照射時間を長くしたりする。
その一方で、照射対象と光源970との距離が予め定められた閾値よりも小さくなる場合には、光源970の出力を小さくしたり、紫外光の照射時間を短くしたりする。
【0131】
(6)また、紫外光の出力は一定でなくてもよく、紫外光の出力を変化させてもよい。
具体的には、例えば、ユーザが触った箇所や、唾液が付着したおそれのある箇所に対して紫外光を照射するにあたり、紫外光の出力を増加させ、より強い紫外光が照射されるようにしてもよい。
より強い紫外光が照射されるようにするには、例えば、点灯する光源970の数を増やすようにして、照射対象に対して、より多くの光源970から紫外光が照射されるようにする。
また、その他に、例えば、使用する光源970の切り替えを行って、紫外光を局所的に照射する光源970から紫外光が出射されるようにしてもよい。これによっても、ユーザが触った箇所や、唾液が付着したおそれのある箇所に対して、紫外光が集中的に照射される。
【0132】
(7)また、光源970からの紫外光の照射を行う際には、光源970を連続して点灯させずに、光源970を間欠的に点灯させてもよい。言い換えると、光源970の点灯と消灯とが繰り返されて、ブース80を構成する筐体81の内部への光の照射が行われるようにしてもよい。
光源970は、発熱することも多く、このように間欠的に点灯させることで、光源970の昇温を抑えられる。
【0133】
なお、このように、光源970を間欠的に点灯させる際には、例えば、予め定められた基準時からの総点灯時間を把握するようにし、この総点灯時間が予め定められた目標値に達するまで、この間欠的な点灯を継続するようにする。
これにより、目標値を定めずに、間欠的な点灯を終了する場合に比べ、ブース80内に殺菌が不完全となることを抑えられる。
【0134】
(8)また、光源970のオンは、上記のように、各種のセンサによる検出結果に基づき行ってもよい。
具体的には、光源970のオンは、例えば、上記のように、人感センサ25による検出結果が、ブース80内に人がいないことを示す検出結果である場合に行ってもよい。
また、その他に、例えば、人感センサ25による検出結果が、ブース80内に人がいないことを示す検出結果であり、且つ、開閉センサS1(
図2参照)による検出結果が、扉22が閉じていることを示す検出結果である場合に、光源970のオンを行うようにしてもよい。
【0135】
さらに、人感センサ25に加え、ユーザが光源970の近くにいるか否かを検出する近接センサを設けるようにしてもよい。
近接センサは、光源970から予め定められた距離内にユーザがいる場合に、このユーザを検出する。
人感センサ25に加えて近接センサも設けると、ブース80内に人がいるにも関わらず光源970がオンされることが抑制される。
【0136】
ここで、人感センサ25のみが設けられている構成では、ブース80内のユーザが静止した状態となると、このユーザの検出を行えず、これに応じて、光源970がオンしてしまうおそれがある。
人感センサ25は、ブース80における人の動きを検出してこのブース80内のユーザの有無を検出するセンサである。この場合、ブース80内のユーザが静止した状態となると、このユーザの検出を行えず、これに応じて、光源970がオンしてしまうおそれがある。
これに対し、人感センサ25に加えて近接センサも設けると、ユーザが静止した状態となったとしても、このユーザが光源970の近くにいれば、このユーザの検出を行える。そして、この場合、光源970がオフの状態が保たれる。
【0137】
近接センサは、光源970に設けてもよいし、光源970とは別体とし光源970の設置箇所とは別の箇所に設けてもよい。
なお、静止しているユーザの存在を検出する方法としては、その他に、例えば、椅子91に設置される着座センサが挙げられる。
人感センサ25に加えて着座センサも設けると、ユーザが静止した状態となったとしても、このユーザが椅子91に座っていれば、このユーザの検出を行える。そして、この場合、光源970がオフの状態が保たれる。
【0138】
言い換えると、ブース80には、上記の開閉センサS1と人感センサ25、上記の近接センサと人感センサ25、上記の着座センサと人感センサ25のように、複数のセンサを設けるようにしてもよい。
言い換えると、ブース80には、筐体81内におけるユーザの有無を検出する複数の検出手段であって、互いに異なる検出方式でこの有無を検出する複数の検出手段を設けるようにしてもよい。
そして、筐体81内にユーザがいないことがこの複数の検出手段により検出された場合に、光源970がオンされ光源970からの紫外光の照射が開始されるようにしてもよい。
【0139】
ここで、この複数の検出手段のうちの一の検出手段としては、人感センサ25が挙げられる。人感センサ25は、ブース80内における人の動きを検出してブース80内におけるユーザの有無を検出する。
また、この複数の検出手段のうちの他の検出手段としては、扉22の開閉を検知する開閉センサS1(
図2参照)が挙げられる。
【0140】
開閉センサS1は、ブース80の扉22が開けられたことを検出することで筐体81内にユーザがいないことを検出する。
具体的には、ユーザがブース80の外部に出る際には扉22が必ず開けられるため、扉22が開けられたことを検知することで、ブース80内にユーザがいないことを間接的に検出する。
そして、この場合、扉22が開けられたことが開閉センサS1により検出され且つ人感センサ25による人の動きの検出が行われない場合に、光源970がオンされ光源970からの紫外光の照射が開始される。
【0141】
また、その他に、上記の他の検出手段としては、上記の近接センサが挙げられる。この近接センサは、光源970へのユーザの接近を検出する。
他の検出手段が近接センサである場合は、人感センサ25による人の動きの検出が行われず且つ近接センサによる光源970へのユーザの接近が検出されない場合に、光源970がオンされ光源970からの紫外光の照射が開始される。
【0142】
また、その他に、上記の他の検出手段としては、上記の着座センサが挙げられる。この着座センサは、ブース80内に設けられた椅子91に設置されユーザが椅子91に座っていることを検出する。
他の検出手段が着座センサである場合は、人感センサ25による人の動きの検出が行われず且つ着座センサによる座っていることの検出が行われない場合に、光源970がオンされ光源970からの紫外光の照射が開始される。
【0143】
(9)また、その他に、出射する紫外光の波長が互いに異なる複数の光源970をブース80に設置するとともに、光源970の切り替えを行って、ブース80内に照射される紫外光の波長を変化させてもよい。
より具体的には、例えば、波長が254nmの紫外光を出射する光源970と、波長が222nmの紫外光を出射する光源970とを設けるようにする。
そして、この光源970を切り替え、254nmの紫外光、222nmの紫外光の一方の紫外光が照射されている状態から、他方の紫外光が照射される状態への切り替えを行ってもよい。
【0144】
より具体的には、例えば、ブース80内に人がいる状況にて紫外光の照射を行う際には、人体への影響が少ない、222nmの紫外光が出射されるようにする。
そして、ブース80内に人がいない状況となったら、照射される紫外光の切り替えを行い、殺菌の効果がより高い、254nmの紫外光が照射されるようにする。
【0145】
また、その他に、例えば、ブース80の稼働時間内、ブース80の稼働時間外であるかに応じて、照射される紫外光の切り替えを行ってもよい。
具体的には、例えば、深夜などブース80の稼働時間外(ブース80の予約を行えずユーザがブース80を利用できない時間帯)では、波長が254nmの紫外光が照射されるようにする。
一方、ブース80の稼働時間内(ブース80の予約が可能でありユーザがブース80を利用する時間帯)では、波長が222nmの紫外光が照射されるようにする。
【0146】
(10)また、その他、紫外光の照射時間や照射エネルギーについての閾値を設定しておき、ユーザへの紫外光の照射時間や、ユーザに照射された紫外光の照射エネルギーが、予め定められた閾値を超えたら、光源970をオフする処理を行ってもよい。
例えば、222nmの紫外光を用いる場合は、人体への影響が小さいため、ブース80内に人がいる場合であっても紫外光の照射を行えるが、この場合であっても、上記のように閾値を設定しておくことが好ましい。
【0147】
そして、この場合において、ユーザへの紫外光の照射時間や、ユーザに照射された紫外光の照射エネルギーが、予め定められた閾値を超えたら、光源970をオフするようにする。
なお、ユーザへの紫外光の照射時間は、例えば、人感センサ25によりユーザが検出されており且つ光源970が点灯している状態が生じている時間を計測することで、この照射時間の把握を行える。
【0148】
また、ユーザに照射された紫外光の照射エネルギーは、例えば、人感センサ25によりユーザが検出されており且つ光源970が点灯している状態が生じている時間と、光源970の出力との積により把握することができる。
なお、この照射時間や照射エネルギーは、ブース80の内のユーザが他のユーザに切り替わったらリセットし、ユーザ毎に、この照射時間や照射エネルギーを把握するようにする。
ブース80の内のユーザが他のユーザに切り替わったか否かの把握については、例えば、扉22の開閉を検知することや、公知の顔認識技術により個々のユーザの顔を把握することで、この切り替わったか否かの把握を行える。
【0149】
(11)また、その他に、光源970の出力を変更できるようにし、さらに、ブース80に広さに応じてこの光源970の出力を変化させてもよい。
より具体的には、この処理を行う場合は、例えば、工場の出荷段階で、ブース80の広さについての情報をブース80に設けられたメモリ(付図示)に登録するようにする。そして、ブース80に設けられた制御装置が、このメモリに登録された情報に基づき、光源970の出力の設定を行う。
また、その他に、例えば、撮影装置24(
図2参照)により取得された映像を解析することで、ブース80の広さを把握するようにし、把握したこの広さに基づき、光源970の出力の設定を行ってもよい。
【0150】
なお、上記で説明した各構成は、上記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。言い換えると、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解される。
例えば、上記にて説明した各構成の一部を省略したり、上記にて説明した各構成に対して他の機能を付加したりしてもよい。
また、上記では、複数の実施形態を説明したが、一の実施形態に含まれる構成と他の実施形態に含まれる構成とを入れ替えたり、一の実施形態に含まれる構成を他の実施形態に付加したりしてもよい。
【符号の説明】
【0151】
1…情報処理システム、4…ユーザ端末、80…ブース、81…筐体、111…CPU、500…改善機構