(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物、及び印刷物
(51)【国際特許分類】
C09D 11/101 20140101AFI20241217BHJP
C09D 11/03 20140101ALI20241217BHJP
B41M 1/06 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
C09D11/101
C09D11/03
B41M1/06
(21)【出願番号】P 2020209772
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】711004436
【氏名又は名称】東洋インキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原口 滉生
(72)【発明者】
【氏名】坂本 直紀
【審査官】水野 明梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-196596(JP,A)
【文献】特開2010-229299(JP,A)
【文献】特開2006-335924(JP,A)
【文献】特開2020-019915(JP,A)
【文献】米国特許第04403550(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/00-11/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料、光重合開始剤、重合性化合物、
樹脂、界面活性剤、及び、シリカを含む活性エネルギー線硬化型平版印刷
墨インキであって、
前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤を含
み、
前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型平版印刷墨インキ全量に対し0.8質量%以下であり、
前記重合性化合物の含有量が、活性エネルギー線硬化型平版印刷墨インキ全量に対し40~80質量%であり、
前記樹脂が、ジアリルフタレート樹脂を含み、
前記シリカの含有量が、活性エネルギー線硬化型平版印刷墨インキ全量に対し0.4~2.5質量%である、活性エネルギー線硬化型平版印刷
墨インキ
(ただし、前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型平版印刷墨インキ全量に対し0.398質量%以下である場合を除く)。
【請求項2】
基材上に、請求項
1記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷
墨インキを印刷し、活性エネルギー線にて硬化してなる印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物、及び、これを用いた印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、速乾性や、印刷後すぐに後加工へ移ることができるという作業性の適性などの観点から、油性インキに代わり活性エネルギー線硬化型インキの需要が拡大しており、油性インキと同等のインキ塗膜が要求されている。
さらに、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキにおいては、流動性や光沢の向上を図ると、印刷時の地汚れやブランケットへのインキ堆積を引き起こす課題があり、油性インキと同等の印刷適性とインキ物性が要求されている。
【0003】
このような、ブランケットへのインキ堆積を改善する方法として、例えば、特許文献1には、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ中にヘキサメタリン酸ナトリウムを添加する方法が開示されている。また、特許文献2には、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ中にリン酸系化合物とシリカを添加する方法が開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献3には、油性平版印刷インキに特定の界面活性剤を添加する方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2のような方法では、ブランケットへの汚れは改善するが、流動性、光沢の観点では不十分といった課題があった。また、上記特許文献3のように、この界面活性剤を活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに用いた場合、ブランケットへのインキ堆積改善は不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-292553号公報
【文献】特開2016-196596号公報
【文献】特開2010-229299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、印刷機のブランケットへのインキ堆積を改善し、かつ、優れた流動性、高い光沢を有する活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物であって、並びに、これを用いた印刷物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物、並びにこれを用いた印刷物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、顔料、光重合開始剤、重合性化合物、界面活性剤、及び、シリカを含む活性エネルギー線硬化型平版印刷インキであって、
前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤を含む、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
【0010】
また本発明は、前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ全量に対し0.1~1質量%である、上記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
【0011】
また本発明は、前記シリカが、親水性シリカである、上記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
【0012】
また本発明は、前記シリカの含有量が、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ全量に対し0.4~2質量%である、上記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキに関する。
【0013】
また本発明は、基材上に、上記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキを印刷し、活性エネルギー線にて硬化してなる印刷物に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、印刷機のブランケットへのインキ堆積を改善し、かつ、優れた流動性、高い光沢を有する活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物、並びに、これを用いた印刷物を提供することができた。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、特にことわりのない限り、「部」とは「質量部」、「%」とは「質量%」を表す。
<活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤、及び、シリカを含む活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物である。
【0016】
以下、本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物(以下、単に「インキ」とも称する)に含まれるか、又は含まれ得る成分を説明する。
【0017】
[着色剤]
本発明における活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、着色剤を含有する。着色剤としては、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。耐光性の観点から、顔料が好ましい。
本発明に用いることができる顔料としては、特に制限はなく、公知の顔料を用いることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも用いることができる。
【0018】
上記無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる
【0019】
上記有機顔料としては、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料; β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料;銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(例えば、塩素化又は臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系等の多環式顔料及び複素環式顔料などが挙げられる。
【0020】
更に詳しくは、C.I.カラーインデックスで示すと、黒顔料としては、C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、28、26、31などが挙げられる。
【0021】
白顔料としては、C.I.Pigment White 5、6、7、12、28などが挙げられる。
【0022】
黄顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、18、24、73、74、75、83、93、95、97、98、100、108、109、110、114、120、128、129、138、139、174、150、151、154、155、167、180、185、213などが挙げられる。
【0023】
青又はシアン顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、2、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62などが挙げられる。
【0024】
赤又は紅顔料としては、C.I.Pigment RED 1、3、5、19、21、22、31、38、42、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、50、52、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、90、104、108、112、114、122、144、146、148、149、150、166、168、169、170、172、173、176、177、178、184、185、187、193、202、209、214、242、254、255、264、266、269、C.I.Pigment Violet 19などが挙げられる。
【0025】
緑顔料としては、C.I.Pigment Green 1、2、3、4、7、8、10、15、17、26、36、45、50などが挙げられる。
【0026】
紫顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、2、3、4、5:1、12、13、15、16、17、19、23、25、29、31、32、36、37、39、42などが挙げられる。
オレンジ顔料としては、C.I.Pigment Orange 13、16、20、34、36、38、39、43、51、61、63、64、74などが挙げられる。
【0027】
本発明において、上記顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0028】
本発明において、上記顔料は、印刷紙面上に目的の濃度が再現可能であれば任意の含有量で使用することが可能であり、インキの全質量に対して5~30質量%であることが好ましく、より好ましくは10~25質量%である。
【0029】
[重合性化合物]
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」といった記載は、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、及び「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」を意味する。また、「PO」は「プロピレンオキサイド」を、「EO」は「エチレンオキサイド」を表す。
【0030】
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、重合性化合物を含む。本発明に用いることができる重合性化合物としては、重合性基として分子内にエチレン性不飽和結合を1つ以上有する化合物であれば、特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれの形態も包含する。
本発明において、重合性化合物は、1種単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0031】
本発明において、重合性化合物の含有量は、インキの全質量に対して、40~80質量%であることが好ましく、45~70質量%であることがより好ましい。
【0032】
(モノマー)
本発明は、重合性化合物として、モノマーを含むことが好ましい。本発明において、「モノマー」とは、オリゴマーやポリマーを構成するための最小構成単位の化合物を意味する。モノマーは、分子内に(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基から選ばれる重合性基を有する化合物が好ましい。中でも、硬化性の観点から、重合性基として、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(メタ)アクリレートモノマーがより好ましい。
具体的には、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、EO変性(2)ノニルフェノールアクリレート、2-メチル-2-エチル-1、3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、アクリロイルモルフォリンなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリレートモノマーや、
N-ビニルカルバゾール、1-ビニルイミダゾール、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルホルムアミドなどの分子内にビニル基を1つ有する単官能ビニルモノマー、
1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性(2)1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(6)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ有する3官能(メタ)アクリレートモノマー、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性(4)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの分子内にアクリロイル基を4つ有する4官能(メタ)アクリレートモノマー、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を5つ有する5官能(メタ)アクリレートモノマー、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を6つ有する6官能(メタ)アクリレートモノマー、などが挙げられる。
【0033】
中でも、重合性化合物として、硬化性の観点から、3官能~6官能の(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。
【0034】
3~6官能の(メタ)アクリレートモノマーの含有量の合計は、重合性化合物の全質量に対して、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
【0035】
単官能(メタ)アクリレートモノマーを含む場合は、硬化性の観点から、活性エネルギー線硬化型インキの全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0036】
(オリゴマー)
本発明は、重合性化合物として、オリゴマーを含んでもよい。本発明において、「オリゴマー」とは、2個~100個のモノマーに基づく構成単位を有する重合体である。
【0037】
オリゴマーは、分子内に重合性基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましく、その場合の(メタ)アクリロイル基の数は、柔軟性の観点から、1分子あたり1~6であることが好ましく、2~4であることがより好ましい。
【0038】
オリゴマーの重量平均分子量は、400~10,000が好ましく、500~5,000がより好ましい。ここで、「重量平均分子量」は、一般的なゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPC)によりスチレン換算分子量として求めることができる。
【0039】
オリゴマーとしては、例えば、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーなどのウレタンアクリレートオリゴマー、アクリルエステルオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。オリゴマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0040】
[光重合開始剤]
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、光重合開始剤を含む。本発明に用いることができる光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤を用いることができる。具体例としては、ベンゾフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物、α-ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α-アミノアルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
また、光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
上記ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、[4-(メチルフェニルチオ)フェニル]-フェニルメタノンなどが挙げられる。
【0042】
上記ジアルコキシアセトフェノン系化合物としては、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンなどが挙げられる。
【0043】
上記α-ヒドロキシアルキルフェノン系化合物としては、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシメトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オンなどが挙げられる。
【0044】
上記α-アミノアルキルフェノン系化合物としては、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)-フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノンなどが挙げられる。
【0045】
上記のアシルフォスフィンオキサイド系化合物としては、ジフェニルアシルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0046】
上記チオキサントン系化合物としては、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。
【0047】
前記光重合開始剤の含有量は、インキの全質量に対して、1~20質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。
【0048】
[ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤及びシリカ]
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤及びシリカを含む。
【0049】
[ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤]
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤の含有量は、流動性、光沢の観点から、インキの全質量に対して、0.1~1質量%であることが好ましく、0.2~0.8質量%がより好ましく、0.3~0.5質量%が更に好ましい。
【0050】
前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤は、東邦化学工業株式会社製のペポールB-181、ペポールB-182、ペポールB-184、ペポールB-188、ペポールA-0638、ペポールA-0858、ペポールD-301A、ペポールD-304、ペポールAS-053X、ペポールAS-054C、ペポールBS-184、ペポールBS-201、ペグノールD-202、ペグノールD-206Y、ペグノールD-210Y、ペグノールD-9、ペグノールDA-5、ムシュールT-401、日油株式会社製のプロノン#124P、プロノン#188Pなどが挙げられる。
【0051】
[シリカ]
前記シリカの含有量は、流動性、光沢の観点から、インキの全質量に対して、0.4~2質量%であることが好ましく、0.5~1.5質量%がより好ましい。
また、シリカとしては、親水性シリカであることが好ましい。親水性シリカをもちいることで、疎水性シリカに比べてインキ乳化時の流動性の低下を抑える事ができる。
【0052】
前記シリカは、日本アエロジル株式会社社製のAEROSIL90、AEROSIL130 、AEROSIL150、AEROSIL200、AEROSIL255、AEROSI L300、AEROSIL380、AEROSIL OX50、AEROSIL TT6 00、AEROSIL200Pharma、AEROSIL300Pharma、AER OSIL R972、AEROSIL R974、AEROSIL R104、AERO SIL R106、AEROSIL R202、AEROSIL R805、AEROS I L R812、AEROSIL R812S、AEROSIL R816、AEROS I L R7200、AEROSIL R8200、AEROSIL R9200、AER OSIL R711、AEROSIL RY50、AEROSIL NY50、AERO SIL RY200、AEROSIL RY200S、AEROSIL RX50、AE ROSIL NAX50、AEROSIL RX200、AEROSIL RX300、 AEROSIL R504、AEROSIL R972Pharma、東ソー・シリカ株式会社製のニップシールLPなどが挙げられる。
これらのうち、親水性シリカは、AEROSIL50、AEROSIL90G、AEROSIL130、AEROSIL200、AEROSIL200CF、AEROSIL200V、AEROSIL300、AEROSIL300CF、ニップシールLPなどが挙げられる。
【0053】
上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤及びシリカは、単独で用いるだけでは、十分な効果を発現しないが、併用して用いることで顕著な効果を発現する。
これは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系界面活性剤によって乳化を抑制し汚れにくくし、また、シリカにより粘度の低下を抑え汚れにくくする、互いの違う方法による汚れ改善が相乗効果を生むことによると考えられる。
【0054】
[その他成分]
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、必要に応じて上記成分以外に、樹脂、増感剤、重合禁止剤、体質顔料などを含有することができる。
【0055】
(樹脂)
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、樹脂を含んでもよい。樹脂を含むことで、硬化時に生じる塗膜の硬化収縮を緩和し、基材のカールを抑制し、さらに、基材への密着性が向上する。本発明において、「樹脂」とは、重量平均分子量が10,000以上である化合物を意味する。
【0056】
前記樹脂の重量平均分子量は、10,000~100,000であることが好ましい。より好ましくは、10,000~70,000である。
【0057】
前記樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、樹脂の含有量は、インキ組成物の全質量に対して、5~15質量%であることが好ましい。
【0058】
前記樹脂として、具体的に、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル樹脂、スチレン(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂、尿素樹脂、ブタジエン-アクリルニトリル共重合体のような合成ゴムなどが挙げられる。中でも、分散性の観点から、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂がより好ましい。
【0059】
(増感剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、増感剤を含んでもよい。増感剤を含むことで、硬化性を一層向上することができる。増感剤としては、具体的に、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、脂肪族アミン、2-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジブチルエタノールアミンなどが挙げられる。
【0060】
(重合禁止剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤としては、具体的には、4-メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t-ブチルハイドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、フェノチアジン、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩などが挙げられる。
【0061】
重合禁止剤の含有量は、硬化性を維持しつつ、インキ組成物の安定性を高める観点から、インキ組成物の全質量に対して、0.01~2質量%であることが好ましい。
【0062】
なお、本発明において、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、水を実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、インキ組成物の全質量に対して、3質量%以下である。
【0063】
(体質顔料)
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物は、体質顔料を含んでもよい(シリカを除く)。体質顔料としては、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、ベントナイト等が挙げられる。
【0064】
<印刷物>
本発明の印刷物は、基材に活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物を印刷し、活性エネルギー線で硬化させることによって得られる。
【0065】
本発明の基材は、特に制限がなく、公知のものを用いることができる。具体的には、アート紙、コート紙、キャスト紙などの塗工紙や上質紙、中質紙、新聞用紙などの非塗工紙、ユポ紙などの合成紙、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)のようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。
【0066】
本発明における活性エネルギー線は、ラジカル性活性種を発生できるエネルギー線であれば公知のものが任意に選択でき、例えば、紫外線、電子線、X線、α線、β線、γ線のような電離放射線、可視光線、赤外線、マイクロ波、高周波、レーザー光線等が利用できる。
【0067】
本発明において、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物を硬化する方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができ、活性エネルギー線を照射することで硬化することができる。中でも、紫外線、電子線が好ましく、より好ましくは紫外線である。紫外線のピーク波長は、200~600nmであることが好ましく、より好ましくは350~420nmである。
【0068】
活性エネルギー線源としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具体的には、水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハイドライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、紫外線レーザーダイオード(UV-LD)等のLED(発光ダイオード)やガス・固体レーザーなどが挙げられる。
【実施例】
【0069】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
【0070】
<樹脂ワニスの作製>
重量平均分子量50,000のジアリルフタレート樹脂(ダイソー株式会社製 ダイソーダップA)30部を、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート70部に溶解させて昇温加熱混合(80℃)し、樹脂ワニスを作成した。
【0071】
<墨および黄ベースインキの作製>
墨ベースインキ
カーボンブラックを15部、EO(3)変性トリメトロールプロパントリアクリレートを9.7部、ジメチロールプロパンテトラアクリレートを1.7部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを30部、Omnirad379を2部、Omnirad819を2部、OmniradDETXを2部、OmniradEMKを2部、ペポールB-184を0.4部、タルクを1部、重合禁止剤を0.3部、及び、樹脂ワニスを33.4部混合し、バタフライミキサーを用いて攪拌混合した後、3本ロールにて最大粒径が7.5μm以下になるように分散して墨ベースインキを作成した。
【0072】
黄ベースインキ
LIONOL YELLOW 1315を15部、EO(3)変性トリメトロールプロパントリアクリレートを9.7部、ジメチロールプロパンテトラアクリレートを1.7部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを30部、Omnirad379を2部、Omnirad819を2部、OmniradDETXを2部、OmniradEMKを2部、タルクを1部、重合禁止剤を0.3部、及び、樹脂ワニスを33.4部混合し、バタフライミキサーを用いて攪拌混合した後、3本ロールにて最大粒径が7.5μm以下になるように分散して黄ベースインキを作成した。
【0073】
なお、ベースインキにて用いた材料の詳細を下記に示す。
[着色剤]
・カーボンブラック:三菱化学社製、カーボンブラックMA11
・LIONOL YELLOW 1315(黄顔料):トーヨーカラー社製、LIONOL YELLOW 1315
[(メタ)アクリル化合物]
・EO(3)変性トリメトロールプロパントリアクリレート:BASF社製、LAROMER LR8863
・ジメチロールプロパンテトラアクリレート:ダイセル・オルネクス社製、EBECRYL 1142
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:東洋ケミカルズ社製、MIRAMER M600
[重合開始剤]
・Omnirad379:iGM RESINS社製、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン
・Omnirad819:iGM RESINS社製、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィン=オキシド
・OmniradDETX:iGM RESINS社製、2,4-ジメチルチオキサントン
・OmniradEMK:iGM RESINS社製、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
[その他]
(体質顔料)
・タルク:ハイフィラー5000PJ(松村産業社製)
(重合禁止剤)
・重合禁止剤:N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム
【0074】
<活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物の作製>
実施例1
墨ベースインキにペポールB-184を0.4部、エロジールR972Vを0.5部混合し、3本ロールにて最大粒径が7.5μm以下になるように分散してインキを作成した。
【0075】
実施例13
黄ベースインキにペポールB-184を0.4部、エロジール200Vを1.5部混合し、3本ロールにて最大粒径が7.5μm以下になるように分散してインキを作成した。
【0076】
実施例2~12、14~21比較例1~10
表1に記載した原料と量を変更した以外は、墨インキは実施例1と同様の方法で実施例2~12、比較例1、3~6を得た。黄インキは実施例13と同様の方法で実施例14~21、比較例2、7~10を得た。なお、空欄は配合していないことを表す。
【0077】
【0078】
表1中、表記の説明は以下の通りである。
[界面活性剤]
・ペポールB-184:東邦化学工業社製、ポリオキシエチレン(25)ポリオキシプロピレン(30)
・プロノン#124P:日油社製、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)
・プロノン#188P:日油社製、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)
・リパール860K:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、ジアルキルスルホサクシネート、N-メチル―Nアシルタウライド
・ヘキシルジグリコール:三協化学社製、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルヘキシルカルビトール
[シリカ]
・エロジールR972V:東新化成社製、AEROSIL R972V 疎水性乾式シリカ
・エロジール200V:東新化成社製、AEROSIL 200V親水性乾式シリカ
・ニップシールLP:東ソー・シリカ社製、親水性湿式シリカ
【0079】
得られたインキ組成物を、以下の方法により性能評価を行った。結果を表2に示す。
[流動性]
得られたインキ組成物を、25℃雰囲気下で60℃に傾けた真鍮製の傾斜板の上に3g垂らし、インキの着地点から10分間に流動した距離を測定し静置流動性として評価した。なお、評価基準は、インキの流れた長さが長いほど良好であるとした。
5:静置流動が40mm以上である
4:静置流動が30mm以上40mm未満である
3:静置流動が20mm以上30mm未満である
2:静置流動が10mm以上20mm未満である
1:静置流動が10mm未満である
【0080】
[試験サンプルの作成方法]
得られたインキ組成物を、RIテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、基材である特菱アート紙に0.25mlの盛り量でベタ画像を印刷した。その後、コンベア速度60m/分、LEDランプ(エアーモーションシステム株式会社製「XP-9」、照射距離10mm、出力70%の条件)でインキ組成物を硬化させ、試験サンプルを作成した。なお、RIテスターとは、紙やフィルムにインキを印刷する試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することができる。
[光沢]
上記方法で作成した試験片を用いて、村上色彩研究所製の光沢計GM62Dにて、インキ組成物を展色した面の60°反射角での光沢値(JIS Z 8741に準拠)を測定。3以上で実用上問題ないレベルであると評価する。
5:光沢値が70°以上である
4:光沢値が65°以上70°未満である
3:光沢値が60°以上65°未満である
2:光沢値が55°以上60°未満である
1:光沢値が55°未満である
【0081】
[ブランケットのインキ堆積]
着肉性評価試験は、UV枚葉オフセット印刷機にて、一般的な絵柄、濃度にて以下の印刷条件にて実施し、2万部印刷後の印刷機のブランケット上のインキ堆積量について、目視にて4段階評価の相対評価を実施した。2以上で実用上問題ないレベルであると評価する。
5:印刷部数20000部でもブランケット非画線部に印刷インキ組成物が確認されない
4:印刷部数15000部以上20000部未満で、ブランケット非画線部に印刷インキ組成物が堆積している
3:印刷部数10000部以上15000部未満で、ブランケット非画線部に印刷インキ組成物が堆積している
2:印刷部数5000部以上10000部未満で、ブランケット非画線部に印刷インキ組成物が堆積している
1:印刷部数5000部未満で、ブランケット非画線部に印刷インキ組成物が堆積している
(印刷条件)
印刷機 :LITHRONE26 (小森コーポレーション社製)
用紙 :ミラーコート・プラチナ(127.9g/m2) (王子製紙社製)
湿し水 :水道水/PRESSMAX W-P1(FFGS社製)を、98/2の質量比率で混合したもの
ランプ :メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製、出力120W/cm、3灯使用)
印刷温度:25±1℃
印刷速度:10000枚/時
版 :XP-F(FFGS社製)
【0082】
【0083】
以上より、本願発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物が、優れた流動性、高い光沢を有し、印刷機のブランケットへのインキ堆積を抑制することで優れた印刷適性を有していることがわかった。