(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】画像処理装置および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20241217BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20241217BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F3/04817
B41J29/38 301
(21)【出願番号】P 2020213520
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】鶴味 陽子
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-040286(JP,A)
【文献】特開2020-119430(JP,A)
【文献】特開2006-224306(JP,A)
【文献】特開2017-211830(JP,A)
【文献】特開2019-097086(JP,A)
【文献】特開2015-070310(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0244826(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置に対する媒体の取り忘れについて、ユーザに通知する通知手段と、
媒体の読み取り操作が終了して予め定められた時間が経過した後に、媒体の読み取り操作、または印刷操作が行われる場合に、ユーザに対して新たに確認すべき内容がある旨を示す通知である未確認情報を出力する出力手段と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
ユーザに操作される操作ボタンおよび自装置の管理情報の少なくとも1つを表示する表示部をさらに備え、
前記未確認情報は、前記操作ボタンおよび前記管理情報の少なくとも1つに重ねて出力されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記未確認情報は、重ねて表示されている前記操作ボタンおよび前記管理情報の少なくとも1つの大きさよりも小さい表示であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記未確認情報に対して前記ユーザによる操作が行われる場合、媒体の取り忘れを表記した確認情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記確認情報は、前記未確認情報よりも広い領域にて、テキスト表記されることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記未確認情報に対して前記ユーザによる操作が行われない場合、当該ユーザまたは自装置の管理者に通知情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
ユーザに操作される操作ボタンおよび自装置の管理情報の少なくとも1つを表示する表示部をさらに備え、
前記ユーザによる前記表示部への操作の有無により、前記通知手段による通知および前記出力手段による出力の少なくとも何れか一つの態様が変わることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記未確認情報は、前記ユーザによる前記表示部への操作が行われる場合、前記表示部に表示される前記操作ボタンに重ならないように表示されることを特徴とする請求項
7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像を処理する画像処理装置に対してユーザの操作を可能とする情報処理装置であって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記画像処理装置に対する媒体の取り忘れについて、ユーザに通知するように制御し、
媒体の読み取り操作が終了して予め定められた時間が経過した後に、媒体の読み取り操作、または印刷操作が行われた場合に、ユーザに未確認情報を出力するように制御する
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿置き忘れを装置側で検出する方法として、原稿を検知している間は人体検知を繰り返し行い、人体が機器直近に存在していないことを検知したときに発音体の鳴動で原稿忘れを通知する構成について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像処理装置にて、原稿台を用いた処理の終了後に、あるいは排出トレイに媒体を出力する処理の終了後に、ユーザによる媒体の取り忘れが起こりうる。この対策として、原稿台あるいは排出トレイに媒体が残る可能性があるときに、ユーザに対して何らかの通知が行われる。
しかしながら、原稿台あるいは排出トレイに媒体が残る可能性があっても、特定の処理が行われた際には取り忘れを通知しない場合があり、このとき媒体が放置されてしまう。
本発明は、原稿台あるいは排出トレイに媒体が残る可能性があっても特定の処理が行われた際に取り忘れを通知しない場合に比べ、ユーザによる媒体の取り忘れを軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、自装置に対する媒体の取り忘れについて、ユーザに通知する通知手段と、媒体の読み取り操作が終了して予め定められた時間が経過した後に、媒体の読み取り操作、または印刷操作が行われる場合に、ユーザに対して新たに確認すべき内容がある旨を示す通知である未確認情報を出力する出力手段とを備える画像処理装置である。
請求項2に係る発明は、ユーザに操作される操作ボタンおよび自装置の管理情報の少なくとも1つを表示する表示部をさらに備え、前記未確認情報は、前記操作ボタンおよび前記管理情報の少なくとも1つに重ねて出力されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に係る発明は、前記未確認情報は、重ねて表示されている前記操作ボタンおよび前記管理情報の少なくとも1つの大きさよりも小さい表示であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置である。
請求項4に係る発明は、前記未確認情報に対して前記ユーザによる操作が行われる場合、媒体の取り忘れを表記した確認情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置である。
請求項5に係る発明は、前記確認情報は、前記未確認情報よりも広い領域にて、テキスト表記されることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置である。
請求項6に係る発明は、前記未確認情報に対して前記ユーザによる操作が行われない場合、当該ユーザまたは自装置の管理者に通知情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置である。
請求項7に係る発明は、ユーザに操作される操作ボタンおよび自装置の管理情報の少なくとも1つを表示する表示部をさらに備え、前記ユーザによる前記表示部への操作の有無により、前記通知手段による通知および前記出力手段による出力の少なくとも何れか一つの態様が変わることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項8に係る発明は、前記未確認情報は、前記ユーザによる前記表示部への操作が行われる場合、前記表示部に表示される前記操作ボタンに重ならないように表示されることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置である。
請求項9に係る発明は、画像を処理する画像処理装置に対してユーザの操作を可能とする情報処理装置であって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、前記画像処理装置に対する媒体の取り忘れについて、ユーザに通知するように制御し、媒体の読み取り操作が終了して予め定められた時間が経過した後に、媒体の読み取り操作、または印刷操作が行われた場合に、ユーザに未確認情報を出力するように制御することを特徴とする情報処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1および請求項9の発明によれば、原稿台あるいは排出トレイに媒体が残る可能性があっても特定の処理が行われた際に取り忘れを通知しない場合に比べ、ユーザによる媒体の取り忘れを軽減することができる。
請求項2の発明によれば、他の操作のため操作画面を表示していても、未確認情報を表示することができる。
請求項3および請求項8の発明によれば、ユーザにより行われる操作の妨げを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、ユーザが要求する際に未確認情報の詳細内容を確認することができる。
請求項5の発明によれば、未確認情報よりも狭い領域に表記する態様に比べ、より注意喚起を促す。
請求項6の発明によれば、注意喚起の対象を解消しないまま画像処理装置を離れたユーザに対し、再度の注意喚起を促す。
請求項7の発明によれば、ユーザによる媒体の取り忘れを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態に係る画像処理装置の斜視図である。
【
図2】本実施の形態に係る画像処理装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【
図3】制御部の機能構成の一例を示したブロック図である。
【
図4】原稿の取り忘れに関して通知または出力する処理手順を示したフローチャートである。
【
図5】(A),(B),(C)は、固定画面とメニュー画面とを有する操作画面への表記の一例を示す図である。
【
図6】(A),(B),(C)は、固定画面を有していない操作画面への表記の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像処理装置の外観>
まず、本実施の形態に係る画像処理装置10の外観について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像処理装置10の斜視図である。本実施の形態に係る画像処理装置10は、例えば、画像読み取り機能(スキャン機能)、印刷機能(プリント機能)、複写機能(コピー機能)及びファクシミリ機能等の各種の画像処理機能を備えた、いわゆる複合機である。
【0009】
画像処理装置10は、スキャナ11と、プリンタ12と、ユーザインタフェース(UI)13とを備える。これらのうち、スキャナ11は、媒体に形成された画像を読み取るための装置であり、プリンタ12は、媒体に画像を形成するための装置である。また、ユーザインタフェース13は、ユーザが画像処理装置10を操作する際に、ユーザの操作による指示を受け付け、且つ、ユーザに対し各種情報の表示を行うための装置である。なお、ユーザインタフェース13とともに、またはユーザインタフェース13に変えて、ユーザに対する表示やユーザの操作を受け付ける外部端末装置50を機能させることができる。
なお、本件発明において、「媒体」には、原稿、印刷物などの排出物が含まれる。
【0010】
本実施の形態のスキャナ11は、プリンタ12の上方に配置されている。ここで、スキャナ11は、図中矢印に示すように上下方向に開閉可能に設けられた原稿圧着板14と、原稿が置かれる原稿台15とを有している。原稿台15は、所謂プラテンガラスと呼ばれる透明なガラス等で構成され、下方から光を透過し、原稿からの反射光を透過する。そして、ユーザが原稿圧着板14を上方に開くことで、原稿台15上に原稿を載せることができるように構成されている。また、ユーザが原稿台15上に原稿を載せた後、原稿圧着板14を下方に閉じて元の位置に戻すことにより、原稿台15に置かれた原稿が原稿圧着板14によって押さえられる。原稿台15に置かれた原稿は、原稿台15を下方から透過する光によって照射され、原稿を反射し原稿台15を通過する光をCCD等で検出することで、原稿上の画像情報が読み取られる。
【0011】
なお、原稿圧着板14は、所謂プラテンカバーと呼ばれる蓋体構造だけを有する態様の他、
図1に示すような原稿を搬送して読み取る原稿搬送装置16が備えられる態様がある。原稿搬送装置16を有する態様では、スキャナ11で読み取られ搬送された原稿が排出される原稿排出部17を有する。また、画像処理装置10は、プリンタ12により画像が形成された印刷物である排出物を収納する排出部18を備える。本件発明における「排出部」は、排出部18と原稿排出部17とを含む。
【0012】
ユーザインタフェース13は、ユーザが画像処理装置10を操作し易いように、画像処理装置10(スキャナ11)のフロント側に配置される。
ここで、ユーザインタフェース13は、操作用の画面(すなわち、操作画面)の表示に用いられる表示部130と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部131とが設けられており、所謂タッチパネルとして機能している。表示部130は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイパネルにより構成され、ユーザに操作される操作ボタンおよび自装置の管理情報の少なくとも1つを含む操作画面を表示する。また、操作受付部131は、ユーザの操作を受け付ける入力装置であり、例えばボタン、スイッチ、タッチパネル等で構成される。
【0013】
本実施の形態では、ユーザインタフェース13の表示部130は、後述する未確認情報や確認情報を出力する出力手段、媒体の取り忘れをユーザに通知する通知手段の一例として機能する。但し、通知手段としては、ユーザインタフェース13以外に、図示しないブザー等の鳴動体による警告音の発生、ユーザインタフェース13や画像処理装置10に設けられた図示しないLED等による警告ランプの点灯、などが挙げられる。
【0014】
さらに、この画像処理装置10は、媒体である原稿や排出物の取り忘れを検出するための各種センサが設けられている。より詳しくは、図示しないが、例えば画像処理装置10の本体やスキャナ11に、原稿検知センサ、原稿圧着板の開閉検知センサ、原稿排出部の検知センサ等が設けられている。原稿検知センサは、スキャナ11で利用されるCCD等で読み取り、原稿台15に載せられた原稿を検知する。原稿圧着板の開閉検知センサは、原稿圧着板14が開閉したことを検知する。原稿排出部の検知センサは、原稿排出部17の角度または原稿排出部17に排出された原稿を検知する。また、排出部18には、排出部18に排出される排出物を検知する排出部センサを備えている。
【0015】
なお、画像処理装置10は、外部端末装置50と、無線や有線を介して通信を行うように構成することができる。この場合は、画像処理装置10と、外部端末装置50とを含めて情報処理装置としてもよい。外部端末装置50は、ユーザインタフェース13の機能を代替する表示画面51を備える。表示画面51は、操作画面を表示し、ユーザの操作を受け付ける。外部端末装置50としては、画像処理装置10と無線接続可能な、例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末や、PC等を用いることができる。
【0016】
<画像処理装置のハードウェア構成>
次に、本実施の形態に係る画像処理装置10のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施の形態に係る画像処理装置10のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【0017】
図示するように、本実施の形態に係る画像処理装置10は、制御部21と、通信部22と、操作制御部23と、表示制御部24と、画像読取部25と、画像形成部26と、認証部27とを備える。
【0018】
制御部21は、画像処理装置10の各部の動作を制御する。この制御部21は、CPU(Central Processing Unit)21a、RAM(Random Access Memory)21b、ROM(Read Only Memory)21cにより構成される。
プロセッサの一例としてのCPU21aは、ROM21cに記憶されているプログラムを読み出し、RAM21bを作業エリアにして、プログラムを実行することにより、画像処理装置10における各機能を実現する。RAM21bは、CPU21aの作業用メモリ等として用いられる記憶部である。ROM21cは、CPU21aが実行する各種プログラム等を記憶する記憶部である。
【0019】
ここで、CPU21aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、制御部21へ提供し得る。
また、CPU21aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて制御部21にダウンロードしてもよい。
【0020】
本実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0021】
通信部22は、無線や有線の通信回線に接続される通信用のインタフェースである。通信部22は、外部端末装置50等と通信回線を介して通信を行う。
また、操作制御部23は、ユーザの操作に応じた情報を制御部21に入力する。この例において、操作制御部23は、タッチパネルとして機能しているユーザインタフェース13によって実現される。
さらに、表示制御部24は、ユーザに対し各種情報を表示する。この例において、表示制御部24は、ユーザインタフェース13に設けられた表示部130によって実現される。
【0022】
画像読取手段の一例としての画像読取部25は、ユーザによる指示に応じて原稿の画像を読み取って、読み取った画像を示す画像データを生成する。この例において、画像読取部25はスキャナ11によって実現される。
画像形成手段の一例としての画像形成部26は、画像データに応じた画像を用紙等の記録材に形成する。この例において、画像形成部26はプリンタ12によって実現される。なお、画像形成部26は、電子写真方式により画像を形成してもよいし、その他の方式により画像を形成してもよい。
【0023】
認証部27は、ユーザが画像処理装置10を操作しようとする際のユーザの認証を行う。例えば、ユーザが自身の社員証などのIC(Integrated Circuit)カードを画像処理装置10のICカードリーダー(図示せず)に翳すことにより、ユーザが特定され、認証が行われる。この場合、認証部27はカードリーダーによって実現される。また、例えば、ユーザがIDおよびパスワードの少なくとも一つをユーザインタフェース13に入力することにより、認証を行うこととしてもよい。
【0024】
<制御部の機能構成>
次に、制御部21の機能構成について説明する。
図3は、制御部21の機能構成の一例を示したブロック図である。制御部21は、原稿残り判定部31と、排出物残り判定部32と、操作入力判定部33と、処理判定部34と、条件判定部35と、通知制御部36と、出力制御部37とを有する。
【0025】
原稿残り判定部31は、原稿読み取り処理後の原稿圧着板14の開閉操作の有無によって原稿の残りを判定する。また、原稿残り判定部31は、原稿搬送装置16を用いて原稿読み取り操作が行われた後に、原稿排出部17に原稿が残っているか否かを判定する。
排出物残り判定部32は、印刷された後の用紙である排出物が排出部18に残っているか否かを判定する。
ここで、原稿台15および原稿排出部17の原稿や排出部18の排出物を取り除く操作は、媒体の取り除きに関する操作の一例である。
【0026】
操作入力判定部33は、ユーザインタフェース13としての表示部130に示される操作画面に対するユーザ操作の有無を判定する。この「ユーザ操作」は、ユーザによる媒体を取り除く操作を除く他の操作の一例である。
処理判定部34は、原稿搬送装置16を用いた原稿読み取り操作の有無を判定する。また、処理判定部34は、原稿台15を用いた原稿読み取り操作、プリンタ12を用いた印刷操作等の有無を判定する。これらの「操作」は、ユーザによる媒体を取り除く操作を除く他の操作の一例である。
条件判定部35は、ユーザによる媒体を取り除く操作を除く他の操作の有無により、媒体の取り忘れまたは媒体の取り忘れの可能性がある場合に、ユーザに注意喚起する態様を判定する。
【0027】
通知制御部36は、画像処理装置10に対する媒体の取り忘れについてユーザに通知する通知手段の一例として機能している。より詳しくは、通知制御部36は、画像処理装置10に対する原稿台15上の原稿、あるいは原稿排出部17に残っている原稿の取り忘れについて、ユーザに通知する。例えば、通知には、鳴動体による警告音41、LED装置による警告ランプ42および表示部130への表示による警告内容を伝えるスライディングメッセージ43が用いられる。より好ましくは、これら警告音41、警告ランプ42およびスライディングメッセージ43を組み合わせて通知し、ユーザに注意喚起する。
また、通知制御部36は、排出部18に残されている排出物の取り忘れについて、ユーザに通知する態様もある。
【0028】
出力制御部37は、ユーザに対して新たに確認すべき内容がある旨を示す通知である未確認情報を出力しており、出力手段の一例として機能している。この「新たに確認すべき内容」としては、ユーザが画像処理装置10から離れた際に不利益となる状態を示すものが挙げられる。より具体的には、原稿や印刷後の排出紙などの媒体の取り忘れまたは媒体の取り忘れの可能性がある場合が挙げられる。「未確認情報」の一例としては、アイコンバッジ44を表示部130に出力するものが挙げられる。このアイコンバッジ44は、操作画面に対するユーザ操作が継続できる表示であり、プログラムを起動するための操作ボタンであるアイコン、および画像処理装置10の管理情報の少なくとも1つに重ねて出力される。より好ましくは、アイコンバッジ44は、重ねて表示されているアイコンおよび管理情報の少なくとも1つの大きさよりも小さい表示である。また、表示部130の領域であって、アイコンに重ならない領域に未確認情報を出力してもよい。
さらに、出力制御部37は、ユーザまたは画像処理装置10の管理者に通知情報を送信してもよい。この通知情報の一例としては、電子メール45が挙げられる。
【0029】
図3に示す制御部21を構成する各機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、画像処理装置10を
図2に示したハードウェア構成にて実現した場合、ROM21cに格納されているOSのプログラムやアプリケーション・プログラムが、RAM21bに読み込まれてCPU21aに実行されることにより、原稿残り判定部31と、排出物残り判定部32と、操作入力判定部33と、処理判定部34と、条件判定部35と、通知制御部36と、出力制御部37等の機能部が実現される。
【0030】
<原稿の取り忘れの処理>
媒体の取り忘れの一例として、原稿の取り忘れの際の処理について、
図4を用いて説明する。
図4は、原稿の取り忘れに関して通知または出力する処理手順を示したフローチャートである。ここでは、原稿台15を用いた原稿読み取り操作が終了して予め定められた時間の経過後に、原稿台15上に原稿が残された場合を想定している。
【0031】
まず、原稿台15を用いた原稿読み取り操作が終了し、予め定められた時間が経過した後(ステップ101)、
図3に示す原稿残り判定部31は、原稿圧着板14の開閉操作があったか否かを判定する(ステップ102)。原稿圧着板14の開閉操作がある場合には(ステップ102でYES)、原稿が取り除かれたものと判断して、処理は終了する。原稿圧着板14の開閉操作がない場合には(ステップ102でNO)、原稿残り判定部31は、原稿の取り忘れまたは原稿の取り忘れの可能性があると判定し、次の処理へ移行する。
【0032】
次に、操作入力判定部33は、ユーザインタフェース13に対するユーザ操作がなされているか否かを判定する(ステップ103)。ユーザインタフェース13に対するユーザ操作がなされている場合には(ステップ103でYES)、出力制御部37は、ユーザに対して新たに確認すべき内容がある旨を示す通知である未確認情報として、アイコンバッジ44を表示部130に出力する(ステップ108)。操作入力判定部33は、アイコンバッジ44に対してユーザによる操作が行われたか否かを判定する(ステップ109)。アイコンバッジ44に対してユーザによる操作が行われた場合には(ステップ109でYES)、アイコンバッジ44を非表示にし(ステップ110)、その後、スライディングメッセージ43を表示部130に表示する(ステップ111)。このスライディングメッセージ43は、原稿の取り忘れを表記した確認情報であり、アイコンバッジ44よりも広い領域にて、テキスト表記することで、ユーザに対してより注意を促す。このスライディングメッセージ43の表示により、原稿の取り忘れをユーザに対して充分に通知したものとして、処理は終了する。
【0033】
ステップ109にて、アイコンバッジ44に対してユーザによる操作が行われていない場合には(ステップ109でNO)、ユーザがログアウトしているか否かを判定する(ステップ112)。ユーザがログアウトしている場合には(ステップ112でYES)、条件判定部35は、原稿の取り忘れと判定し、出力制御部37は、ユーザの端末装置に電子メール45を送信する(ステップ113)。ユーザがログアウトしていない場合には(ステップ112でNO)、ステップ101へ戻り、原稿の取り忘れの際の処理を繰り返す。
【0034】
ステップ103にて、ユーザインタフェース13に対するユーザ操作がなされていない場合には(ステップ103でNO)、処理判定部34は、他の原稿読み取り操作がなされているか否かを判定する(ステップ104)。他の原稿読み取り操作がなされている場合には(ステップ104でYES)、上述したステップ108からの処理へ移行する。他の原稿読み取り操作がなされていない場合には(ステップ104でNO)、条件判定部35は、表示部130にアイコンバッジ44を表示しているか否かを判定する(ステップ105)。アイコンバッジ44を表示していない場合には(ステップ105でNO)、原稿の取り忘れまたは原稿の取り忘れの可能性があると判定し、通知制御部36は、警告音41の発生、警告ランプ42の点灯およびスライディングメッセージ43などの表示により、ユーザに対して原稿の取り忘れを通知する(ステップ107)。これにより処理が終了する。
【0035】
ステップ105にて、アイコンバッジ44を表示している場合には(ステップ105でYES)、アイコンバッジ44を非表示にし(ステップ106)、ステップ107の通知を行って処理が終了する。
【0036】
スライディングメッセージ43およびアイコンバッジ44の表示について説明する。
図5(A),(B),(C)は、固定画面とメニュー画面とを有する操作画面への表記の一例を示す図である。
図5(A)は固定画面とメニュー画面の配置の一例を示し、
図5(B)はアイコンバッジ44の表示の一例を示している。また、
図5(C)はスライディングメッセージ43の表示の一例を示している。
【0037】
図1に示す表示部130に示される操作画面は、
図5(A)に示すように、固定画面130aとメニュー画面130bとを有する。固定画面130aは、原稿読み取り操作の際のプレビューが表示されている際も表示される画面であり、画像処理装置10の設定情報やユーザアイコン46を表記する。このユーザアイコン46は、ログインユーザ情報にアクセス可能なアイコンである。メニュー画面130bは、画像処理に関する各種のアイコン47に対してユーザが操作を行うと、処理画面に変化する。また、アイコン47の配置はユーザの操作により変更可能としてもよい。
【0038】
アイコンバッジ44は、
図5(B)に示すように、固定画面130a上に、ユーザアイコン46に重ねて表示される。これにより、メニュー画面130bに対してユーザが操作を行っている場合にも、アイコンバッジ44の表示は維持され、ログインしているユーザに対して新たに確認すべき内容がある旨が明確になる。
スライディングメッセージ43は、
図5(C)に示すように、固定画面130aに表示されるユーザアイコン46や、メニュー画面130bに表示されるアイコン47よりも大きく表示される。
なお、本実施の形態では、具体的内容を通知する確認情報の一例であるスライディングメッセージ43は、ユーザに注意を促す未確認情報の一例であるアイコンバッジ44よりも広い領域でテキスト表記される。広い領域でテキスト表記することで、ユーザによる見落としを軽減する。
【0039】
さらに、
図5に示した例では、操作画面に固定画面130aとメニュー画面130bとを有するが、固定画面130aを有していない操作画面にも適用できる。
図6(A),(B),(C)は、固定画面を有していない操作画面への表記の一例を示す図である。
図6(A)はメニュー画面の一例を示し、
図6(B)はアイコンバッジ44の表示の一例を示している。また、
図6(C)はスライディングメッセージ43の表示の一例を示している。
【0040】
操作画面にメニュー画面130bが表示され、
図5に示す固定画面130aが表示されていない場合には、
図5の固定画面130aに表示されていたユーザアイコン46などの管理情報を、メニュー画面130bに表記させることができる。
図6(A)では、メニュー画面130bに、画像処理に関するアイコン47に加え、管理情報であるユーザアイコン46や設定アイコン48が表示されている。この設定アイコン48は、画像処理装置10の機器設定、仕様設定等の際にユーザにアクセスさせるための表記である。
アイコンバッジ44は、
図6(B)に示すように、何れかのアイコンに重ねて表示される。より好ましくは、アイコンバッジ44は、ユーザアイコン46または設定アイコン48に重ねて表示される。これにより、メニュー画面130b上で画像読み取りや複写等の処理に関する操作を行っている場合にも、アイコンバッジ44の表示は維持される。
スライディングメッセージ43は、
図6(C)に示すように、何れのアイコン47や設定アイコン48よりも大きく表示され、前面に表示される。
【0041】
以上のように、本実施の形態では、ユーザによるユーザインタフェース13への操作の有無により、通知手段による通知および出力手段による出力の少なくとも何れか一つの態様が変わる。例えば、確認情報としての一例であるスライディングメッセージ43と、未確認情報としての一例であるアイコンバッジ44との何れかを操作画面に表示させるか否かは、ユーザによるユーザインタフェース13への操作の有無で判定される。
【0042】
<排出物の取り忘れの処理>
媒体の取り忘れの一例として、排出物の取り忘れが挙げられる。
図4では、原稿残り判定部31の判定に基づいて原稿の取り忘れをユーザに注意喚起したが、排出物の取り忘れに際して注意喚起を行うこともできる。
図3に示す排出物残り判定部32が、排出部18に排出物が残っていると判断した後、UIに対するユーザ操作などがあった場合には、排出物の取り忘れがあると判断し、印刷された後の用紙である排出物の取り忘れをユーザに注意喚起するように構成することができる。この場合のユーザへの表記は、上述した原稿忘れの際の表記と同様に行うことが可能である。
【0043】
<外部端末装置50への通知>
さらに、上述した例では、媒体の取り忘れに関する通知を、ユーザインタフェース13としての、画像処理装置10に設けられた表示部130に表示するようにしたが、このような構成に限られない。
その一例として、スマートフォンやタブレットなどの外部端末装置50を、画像処理装置10のユーザインタフェース13として利用する態様がある。この外部端末装置50は画像処理装置10に画像処理を指示するコンピュータ装置として機能し、一般的な情報処理装置としてプロセッサの一例であるCPU等を有する。外部端末装置50のタッチパネルなどの表示画面51は、ユーザインタフェース13の代替として機能し、
図5や
図6に示す操作画面を表記する。さらに、表示画面51は、外部端末装置50が原稿の取り忘れに関する情報を受信すると、スライディングメッセージ43やアイコンバッジ44等を表示する。なお、表示画面51を用いた警告に代えて、外部端末装置50のブザー等を用いた警告音の発生や、外部端末装置50のLED等を用いた警告ランプの点灯等を採用してもよい。
【符号の説明】
【0044】
10…画像処理装置、11…スキャナ、12…プリンタ、13…ユーザインタフェース、14…原稿圧着板、15…原稿台、16…原稿搬送装置、17…原稿排出部、18…排出部、21…制御部、21a…CPU、21b…RAM、21c…ROM、22…通信部、23…操作制御部、24…表示制御部、25…画像読取部、26…画像形成部、27…認証部、31…原稿残り判定部、32…排出物残り判定部、33…操作入力判定部、34…処理判定部、35…条件判定部、36…通知制御部、37…出力制御部、41…警告音、42…警告ランプ、43…スライディングメッセージ、44…アイコンバッジ、45…電子メール、46…ユーザアイコン、47…アイコン、48…設定アイコン、50…外部端末装置、51…表示画面、130…表示部、130a…固定画面、130b…メニュー画面、131…操作受付部