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特許7604927ステータ、回転電機、ステータの製造方法及び回転電機の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ステータ、回転電機、ステータの製造方法及び回転電機の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20241217BHJP
   H02K 3/18 20060101ALI20241217BHJP
   H02K 15/04 20060101ALI20241217BHJP
   H02K 1/18 20060101ALI20241217BHJP
   H02K 3/28 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H02K3/04 J
H02K3/04 E
H02K3/18 J
H02K15/04 E
H02K1/18 C
H02K3/28 J
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2021017755
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022120694
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉島 一志
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康文
(72)【発明者】
【氏名】村上 精一
(72)【発明者】
【氏名】中村 大智
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-201820(JP,A)
【文献】特開2011-041423(JP,A)
【文献】特開2011-045193(JP,A)
【文献】特開2021-193862(JP,A)
【文献】特開2009-296870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/04
H02K 3/18
H02K 15/04
H02K 1/18
H02K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のティース部の各々が形成された複数の分割コアを有するコアと、
mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線されるか、又は、kを偶数とし、nを自然数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線され、前記複数のティース部に集中巻き方式で巻回された複数のコイル部を有する巻線と、
を有し、
前記複数のコイル部は、U相を形成するU相のコイル部と、V相を形成するV相のコイル部と、W相を形成するW相のコイル部とが前記コアの周方向一方側へ順に繰り返し並んだ配列とされ、
前記巻線は、複数のパワー入力線と、複数の渡り線とを有し、
前記複数のパワー入力線のそれぞれは、異相の前記コイル部のうち、一のコイル部の終端と、他のコイル部の始端とを接続し、
前記複数の渡り線のそれぞれは、同相の前記コイル部のうち、一のコイル部の終端と、該一のコイル部に対して前記コアの周方向一方側に位置する他のコイル部の始端とを接続する第一方向渡り線と、同相の前記コイル部のうち、一のコイル部の終端と、該一のコイル部に対して前記コアの周方向他方側に位置する他のコイル部の始端とを接続する第二方向渡り線とを含み、
前記複数のパワー入力線のうちいずれか又はいくつかのパワー入力線は、前記巻線の端部同士を接続する接続部を有する、
ステータ。
【請求項2】
複数のパワー入力線のそれぞれは、異相の前記コイル部のうち、一のコイル部の終端と、該一のコイル部に対して前記コアの周方向一方側に位置する他のコイル部の始端とを接続する、
請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記複数のティース部は、前記コアの径方向内方に向けて延びている、
請求項2に記載のステータ。
【請求項4】
前記複数のパワー入力線は、前記コアの軸方向一方側に配置され、
前記複数の渡り線は、前記コアの軸方向一方側に配置されている、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項5】
前記複数のパワー入力線は、前記コアの軸方向一方側に配置され、
前記複数の渡り線のうちの一部の渡り線は、前記コアの軸方向一方側に配置され、
前記複数の渡り線のうちの残余の渡り線は、前記コアの軸方向他方側に配置されている、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項6】
前記複数のパワー入力線は、前記コアの軸方向一方側に配置され、
前記複数の渡り線は、前記コアの軸方向他方側に配置されている、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項7】
前記複数のパワー入力線のそれぞれは、2個分の前記ティース部を跨いで配線されている、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項8】
前記複数のパワー入力線のそれぞれは、隣り合う前記ティース部の間から導出されている、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項9】
前記第一方向渡り線は、2×2個分の前記ティース部を跨いで配線されており、
前記第二方向渡り線は、2個分の前記ティース部を跨いで配線されている、
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項10】
前記第一方向渡り線は、2個分の前記ティース部を跨いで配線されており、
前記第二方向渡り線は、2×2個分の前記ティース部を跨いで配線されている、
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項11】
前記複数のコイル部は、4直列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第3パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第9渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、前記第6渡り線、前記第7渡り線、及び前記第9渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線、前記第5渡り線、及び前記第8渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、1本の連続線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第7ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第三に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第7渡り線が形成され、
第四に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成され、
第五に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第8渡り線が形成され、
第六に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第七に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成され、
第八に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成され、
第九に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成され、
第十に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第6ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第十一に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第9渡り線が形成され、
第十二に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記巻線の端部同士を接続する前記接続部が形成されて前記第3パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項12】
前記複数のコイル部は、4直列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第3パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第9渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、前記第6渡り線、前記第7渡り線、及び前記第9渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線、前記第5渡り線、及び前記第8渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、第1巻線及び第2巻線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第7ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第三に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第7渡り線が形成され、
第四に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成され、
第五に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第8渡り線が形成され、
第六に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第七に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成され、
第八に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成され、
第九に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成され、
第十に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第6ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第十一に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第9渡り線が形成され、
第十二に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記巻線の端部同士を接続する前記接続部が形成されて前記第3パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項13】
前記複数のコイル部は、2直列2並列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第6パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第6渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、及び前記第6渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線及び前記第5渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、1本の連続線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成され、
第三に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成され、
第四に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成され、
第五に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成され、
第六に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第6ティース部から前記第7ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3パワー入力線が形成され、
第七に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第八に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5パワー入力線が形成され、
第九に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第十に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4パワー入力線が形成され、
第十一に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第十二に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記巻線の端部同士を接続する前記接続部が形成されて前記第6パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項14】
前記複数のコイル部は、2直列2並列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第6パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第6渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、及び前記第6渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線及び前記第5渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、第1巻線及び第2巻線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成されると共に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成されると共に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5パワー入力線が形成され、
第三に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成されると共に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第四に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成されると共に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4パワー入力線が形成され、
第五に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成されると共に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第六に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成されると共に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記第2巻線の巻始め端部と前記第1巻線の巻終わり端部同士を接続する第1接続部が形成されて前記第3パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側において前記第1巻線の巻始め端部と前記第2巻線の巻終わり端部同士を接続する第2接続部が形成されて前記第6パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項15】
前記複数のコイル部は、2直列2並列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第6パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第6渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、及び前記第6渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線及び前記第5渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、1本の連続線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成され、
第三に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成され、
第四に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成され、
第五に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成され、
第六に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第6ティース部から前記第7ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3パワー入力線が形成され、
第七に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第八に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5パワー入力線が形成され、
第九に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第十に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4パワー入力線が形成され、
第十一に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第十二に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記巻線の端部同士を接続する前記接続部が形成されて前記第6パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項16】
前記複数のコイル部は、2直列2並列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第6パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第6渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、及び前記第6渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線及び前記第5渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、第1巻線及び第2巻線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成されると共に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成されると共に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5パワー入力線が形成され、
第三に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成されると共に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第四に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成されると共に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4パワー入力線が形成され、
第五に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成されると共に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第六に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成されると共に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記第2巻線の巻始め端部と前記第1巻線の巻終わり端部同士を接続する第1接続部が形成されて前記第3パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側において前記第1巻線の巻始め端部と前記第2巻線の巻終わり端部同士を接続する第2接続部が形成されて前記第6パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項17】
前記複数のコイル部は、2直列3並列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が18であり、
18個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第18ティース部とし、前記第1ティース部~前記第18ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第18コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第9パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第9渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、前記第6渡り線、前記第7渡り線、及び前記第9渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線、前記第5渡り線、及び前記第8渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、第1巻線、第2巻線及び第3巻線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成されると共に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、かつ、前記第13ティース部に前記第13ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第13コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、かつ、前記コアの軸方向一方側を前記第13ティース部から前記第16ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第7渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成されると共に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、かつ、前記第16ティース部に前記第16ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第16コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5パワー入力線が形成され、かつ、前記コアの軸方向一方側を前記第16ティース部から前記第17ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第8パワー入力線が形成され、
第三に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成されると共に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、かつ、前記第17ティース部に前記第17ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第17コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、かつ、前記コアの軸方向一方側を前記第17ティース部から前記第14ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第8渡り線が形成され、
第四に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成されると共に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、かつ、前記第14ティース部に前記第14ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第14コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4パワー入力線が形成され、かつ、前記コアの軸方向一方側を前記第14ティース部から前記第15ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第7パワー入力線が形成され、
第五に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成されると共に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、かつ、前記第15ティース部に前記第15ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第15コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、かつ、前記コアの軸方向一方側を前記第15ティース部から前記第18ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第9渡り線が形成され、
第六に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成されると共に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、かつ、前記第18ティース部に前記第18ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第18コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記第2巻線の巻始め端部と前記第1巻線の巻終わり端部同士を接続する第1接続部が形成されて前記第3パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側において前記第3巻線の巻始め端部と前記第2巻線の巻終わり端部同士を接続する第2接続部が形成されて前記第6パワー入力線が形成され、かつ、前記コアの軸方向一方側において前記第1巻線の巻始め端部と前記第3巻線の巻終わり端部同士を接続する第3接続部が形成されて前記第9パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項18】
前記複数のコイル部は、4直列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第3パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第9渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、前記第6渡り線、前記第7渡り線、及び前記第9渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線、前記第5渡り線、及び前記第8渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、1本の連続線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第7ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第三に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第7渡り線が形成され、
第四に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成され、
第五に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第8渡り線が形成され、
第六に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第七に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成され、
第八に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成され、
第九に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成され、
第十に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第6ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第十一に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第9渡り線が形成され、
第十二に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記巻線の端部同士を接続する前記接続部が形成されて前記第3パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項19】
前記複数のコイル部は、4直列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第3パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第9渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、前記第6渡り線、前記第7渡り線、及び前記第9渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線、前記第5渡り線、及び前記第8渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、1本の連続線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第7ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第三に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第7渡り線が形成され、
第四に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成され、
第五に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第8渡り線が形成され、
第六に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第七に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成され、
第八に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成され、
第九に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成され、
第十に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第6ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第十一に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第9渡り線が形成され、
第十二に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記巻線の端部同士を接続する前記接続部が形成されて前記第3パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項20】
前記複数のコイル部は、2直列2並列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第6パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第6渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、及び前記第6渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線及び前記第5渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、1本の連続線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成され、
第三に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成され、
第四に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成され、
第五に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成され、
第六に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第6ティース部から前記第7ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3パワー入力線が形成され、
第七に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第八に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5パワー入力線が形成され、
第九に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第十に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4パワー入力線が形成され、
第十一に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第十二に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記巻線の端部同士を接続する前記接続部が形成されて前記第6パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項21】
前記複数のコイル部は、2直列2並列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第6パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第6渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、及び前記第6渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線及び前記第5渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、第1巻線及び第2巻線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成されると共に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向他方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成されると共に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5パワー入力線が形成され、
第三に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成されると共に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向他方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第四に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成されると共に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4パワー入力線が形成され、
第五に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成されると共に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向他方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第六に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成されると共に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て反時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記第2巻線の巻始め端部と前記第1巻線の巻終わり端部同士を接続する第1接続部が形成されて前記第3パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側において前記第1巻線の巻始め端部と前記第2巻線の巻終わり端部同士を接続する第2接続部が形成されて前記第6パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項22】
前記複数のコイル部は、2直列2並列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第6パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第6渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、及び前記第6渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線及び前記第5渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、1本の連続線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成され、
第三に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成され、
第四に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成され、
第五に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成され、
第六に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第6ティース部から前記第7ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3パワー入力線が形成され、
第七に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第八に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5パワー入力線が形成され、
第九に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第十に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4パワー入力線が形成され、
第十一に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第十二に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記巻線の端部同士を接続する前記接続部が形成されて前記第6パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項23】
前記複数のコイル部は、2直列2並列方式でデルタ結線され、
前記複数のティース部の数が12であり、
12個の前記ティース部を前記コアの周方向一方側へ順に第1ティース部~第12ティース部とし、前記第1ティース部~前記第12ティース部にそれぞれ巻回された前記複数のコイル部を第1コイル部~第12コイル部とし、前記複数のパワー入力線を前記コアの周方向一方側へ順に第1パワー入力線~第6パワー入力線とし、前記複数の渡り線を前記コアの周方向一方側へ順に第1渡り線~第6渡り線とした場合に、
前記第1渡り線、前記第3渡り線、前記第4渡り線、及び前記第6渡り線は、前記第一方向渡り線であり、
前記第2渡り線及び前記第5渡り線は、前記第二方向渡り線であり、
前記巻線は、第1巻線及び第2巻線によって構成されており、かつ、前記巻線は、
第一に、前記第1ティース部に前記第1ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第1コイル部が形成されると共に、前記第7ティース部に前記第7ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第7コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第1ティース部から前記第4ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向他方側を前記第7ティース部から前記第10ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4渡り線が形成され、
第二に、前記第4ティース部に前記第4ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第4コイル部が形成されると共に、前記第10ティース部に前記第10ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第10コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第4ティース部から前記第5ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第10ティース部から前記第11ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5パワー入力線が形成され、
第三に、前記第5ティース部に前記第5ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第5コイル部が形成されると共に、前記第11ティース部に前記第11ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第11コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第5ティース部から前記第2ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第2渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向他方側を前記第11ティース部から前記第8ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第5渡り線が形成され、
第四に、前記第2ティース部に前記第2ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第2コイル部が形成されると共に、前記第8ティース部に前記第8ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第8コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側を前記第2ティース部から前記第3ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第1パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側を前記第8ティース部から前記第9ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第4パワー入力線が形成され、
第五に、前記第3ティース部に前記第3ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第3コイル部が形成されると共に、前記第9ティース部に前記第9ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第9コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向他方側を前記第3ティース部から前記第6ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第3渡り線が形成されると共に、前記コアの軸方向他方側を前記第9ティース部から前記第12ティース部に渡って前記巻線が配線されて前記第6渡り線が形成され、
第六に、前記第6ティース部に前記第6ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第6コイル部が形成されると共に、前記第12ティース部に前記第12ティース部の軸方向に見て時計回りに前記巻線が巻回されて前記第12コイル部が形成され、
その後、前記コアの軸方向一方側において前記第2巻線の巻始め端部と前記第1巻線の巻終わり端部同士を接続する第1接続部が形成されて前記第3パワー入力線が形成されると共に、前記コアの軸方向一方側において前記第1巻線の巻始め端部と前記第2巻線の巻終わり端部同士を接続する第2接続部が形成されて前記第6パワー入力線が形成された構成である、
請求項2に記載のステータ。
【請求項24】
請求項1~請求項10、請求項13~請求項17、又は請求項20~請求項23のいずれか一項に記載のステータと、
前記複数のパワー入力線がそれぞれ2本以上接続された複数の結線端子と、
を備える回転電機。
【請求項25】
請求項1~請求項12、請求項18、又は請求項19のいずれか一項に記載のステータと、
前記複数のパワー入力線がそれぞれ1本ずつ接続された複数の結線端子と、
を備える回転電機。
【請求項26】
請求項1~請求項23のいずれか一項に記載のステータと、
前記複数のパワー入力線のそれぞれが直接的に接続された回路基板と、
を備える回転電機。
【請求項27】
複数のティース部の各々が形成された複数の分割コアを有するコアと、
mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線されるか、又は、kを偶数とし、nを自然数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線され、前記複数のティース部に集中巻き方式で巻回された複数のコイル部を有する巻線と、
を有するステータの製造方法であって、
前記複数のコイル部が、U相を形成するU相のコイル部と、V相を形成するV相のコイル部と、W相を形成するW相のコイル部とが前記コアの周方向一方側へ順に繰り返し並んだ配列となるように前記巻線を前記複数のティース部に巻回し、
前記巻線を前記複数のティース部に巻回する際に、
異相の前記コイル部のうち、一のコイル部の始端と他のコイル部の終端とを接続する複数のパワー入力線のそれぞれを形成すると共に、同相の前記コイル部のうち、一のコイル部の始端と該一のコイル部に対して前記コアの周方向一方側に位置する他のコイル部の終端とを接続する複数の第一方向渡り線及び一のコイル部の終端と該一のコイル部に対して前記コアの周方向他方側に位置する他のコイル部の始端とを接続する少なくとも一つの第二方向渡り線をそれぞれ形成し、
前記複数のパワー入力線のうちいずれか又はいくつかのパワー入力線において前記巻線の端部同士を接続して前記デルタ結線を形成する、
ことを含むステータの製造方法。
【請求項28】
前記複数のパワー入力線のそれぞれは、異相の前記コイル部のうち、一のコイル部の始端と該一のコイル部に対して前記コアの周方向他方側に位置する他のコイル部の終端とを接続することを含む、
請求項27に記載のステータの製造方法。
【請求項29】
請求項27又は請求項28のいずれか一項に記載のステータの製造方法によって前記ステータを製造し、
前記複数のパワー入力線をそれぞれ2本以上複数の結線端子に接続する、
ことを含む回転電機の製造方法。
【請求項30】
請求項27又は請求項28のいずれか一項に記載のステータの製造方法によって前記ステータを製造し、
前記複数のパワー入力線をそれぞれ1本ずつ接続された複数の結線端子に接続する、
ことを含む回転電機の製造方法。
【請求項31】
請求項27又は請求項28のいずれか一項に記載のステータの製造方法によって前記ステータを製造し、
前記複数のパワー入力線のそれぞれを回路基板に直接的に接続する、
ことを含む回転電機の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータ、回転電機、ステータの製造方法及び回転電機の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブラシレスモータである回転電機の小型高出力化を実現する手段としては、巻線の高占積化が挙げられる。従来、巻線の高占積化を実現する技術としては、次の技術が公知である(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4444639号公報
【文献】特許第4490248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のティース部への巻線後、コアを環状化する際には、コイル部間の渡り線や回路基板に接続される端末線が煩雑に絡み合うため、コイル部の崩れや弛みが生じたり、渡り線や端末線が噛み込んで巻線の絶縁被膜が損傷したりする虞がある。これを防止するためには、複雑な専用補助ツールや専用設備が必要となるが、この場合には製造コストが上昇する。
【0005】
また、コアを環状化した後、巻線の端末線を整形したり、端末線を回路基板に接続したりする処理では、コイル部間の渡り線や回路基板に接続される端末線が煩雑に絡み合うため、自動化の難易度が高い。このため、巻線を連続的に巻回することを諦めて、複数のターミナルで構成されるバスバーを用いて端末線を回路基板に接続し、端末線の整形を簡素化する構造も検討される。しかしながら、この場合には、バスバーの構造が複雑化すると共に、部品点数が増加し、製造コストが上昇する。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、巻線の高占積化により小型高出力化が可能な回転電機を低コストかつ高品質で提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1~請求項23に係るステータは、複数のティース部の各々が形成された複数の分割コアを有するコアと、mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線されるか、又は、kを2以上の偶数とし、nを自然数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線され、前記複数のティース部に集中巻き方式で巻回された複数のコイル部を有する巻線と、を有し、前記複数のコイル部は、U相を形成するU相のコイル部と、V相を形成するV相のコイル部と、W相を形成するW相のコイル部とが前記コアの周方向一方側へ順に繰り返し並んだ配列とされ、前記巻線は、複数のパワー入力線と、複数の渡り線とを有し、前記複数のパワー入力線のそれぞれは、異相の前記コイル部のうち、一のコイル部の終端と、他のコイル部の始端とを接続し、前記複数の渡り線のそれぞれは、同相の前記コイル部のうち、一のコイル部の終端と、該一のコイル部に対して前記コアの周方向一方側に位置する他のコイル部の始端とを接続する第一方向渡り線と、同相の前記コイル部のうち、一のコイル部の終端と、該一のコイル部に対して前記コアの周方向他方側に位置する他のコイル部の始端とを接続する第二方向渡り線とを含み、前記複数のパワー入力線のうちいずれか又はいくつかのパワー入力線は、前記巻線の端部同士を接続する接続部を有する。
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の請求項24に係る回転電機は、前記ステータと、前記複数のパワー入力線がそれぞれ2本以上接続された複数の結線端子を備える。
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の請求項25に係る回転電機は、前記ステータと、前記複数のパワー入力線がそれぞれ1本ずつ接続された複数の結線端子を備える。
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の請求項26に係る回転電機は、前記ステータと、前記複数のパワー入力線のそれぞれが直接的に接続された回路基板を備える。
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の請求項27~請求項28に係るステータの製造方法は、複数のティース部の各々が形成された複数の分割コアを有するコアと、mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線されるか、又は、kを2以上の偶数とし、nを自然数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線され、前記複数のティース部に集中巻き方式で巻回された複数のコイル部を有する巻線と、を有するステータの製造方法であって、前記複数のコイル部が、U相を形成するU相のコイル部と、V相を形成するV相のコイル部と、W相を形成するW相のコイル部とが前記コアの周方向一方側へ順に繰り返し並んだ配列となるように前記巻線を前記複数のティース部に巻回し、前記巻線を前記複数のティース部に巻回する際に、異相の前記コイル部のうち、一のコイル部の始端と他のコイル部の終端とを接続して複数のパワー入力線のそれぞれを形成すると共に、同相の前記コイル部のうち、一のコイル部の始端と該一のコイル部に対して前記コアの周方向一方側に位置する他のコイル部の終端とを接続する複数の第一方向渡り線及び一のコイル部の終端と該一のコイル部に対して前記コアの周方向他方側に位置する他のコイル部の始端とを接続する少なくとも一つの第二方向渡り線をそれぞれ形成し、前記複数のパワー入力線のうちいずれか又はいくつかのパワー入力線において前記巻線の端部同士を接続して前記デルタ結線を形成することを含む。
【0012】
前記目的を達成するために、本発明の請求項29に係る回転電機の製造方法は、前記ステータの製造方法によって前記ステータを製造し、前記複数のパワー入力線をそれぞれ2本以上接続された複数の結線端子に接続することを含む。
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の請求項29に係る回転電機の製造方法は、前記ステータの製造方法によって前記ステータを製造し、前記複数のパワー入力線をそれぞれ1本ずつ接続された複数の結線端子に接続することを含む。
【0014】
前記目的を達成するために、本発明の請求項31に係る回転電機の製造方法は、前記ステータの製造方法によって前記ステータを製造し、前記複数のパワー入力線のそれぞれを回路基板に直接的に接続することを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、巻線の高占積化により小型高出力化が可能な回転電機を低コストかつ高品質で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る回転電機の縦断面図である。
図2図1に示されるステータの平面図である。
図3図2に示されるステータの巻線結線図である。
図4】本発明の一実施形態に係る回転電機の製造方法の第1実施形態におけるコアセット工程を示す図である。
図5】第1実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図6】第1実施形態における巻線巻回工程によって接続された複数のコイル部の接続構成図である。
図7】第1実施形態における巻線整形工程において複数のパワー入力線が整形される様子を説明する図である。
図8】第1実施形態における巻線整形工程において複数のパワー入力線が整形された後の状態を示す図である。
図9A】第1実施形態における結線工程においてパワー入力線がヒュージング加工により接続された状態の一例を示す二面図である。
図9B】第1実施形態における結線工程において巻線の巻始め端部と後端部がヒュージング加工により接続された状態の一例を示す二面図である。
図10】第1実施形態における巻線巻回工程の変形例によってコアに巻線が巻回される過程を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る回転電機の製造方法の第1実施形態の変形例におけるコアセット工程を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る回転電機の製造方法の第1実施形態の他の変形例におけるコアが反転された状態を示す図である。
図13】第1実施形態におけるコア反転工程においてコアが反転される様子を説明する図である。
図14】第2実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図15】第3実施形態におけるステータの巻線結線図である。
図16】第3実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図17】第3実施形態における巻線巻回工程によって接続された複数のコイル部の接続構成図である。
図18】第4実施形態における巻線巻回工程によってコアに巻線が巻回される過程を示す図である。
図19】第4実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図20】第4実施形態における巻線巻回工程によって接続された複数のコイル部の接続構成図である。
図21】本発明の一実施形態に係る回転電機の製造方法の第4実施形態の変形例におけるコアセット工程を示す図である。
図22】本発明の一実施形態に係る回転電機の製造方法の第4実施形態の他の変形例におけるコアセット工程を示す図である。
図23】第5実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図24】第6実施形態における巻線巻回工程によってコアに巻線が巻回される過程を示す図である。
図25】第6実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図26】本発明の一実施形態に係る回転電機の製造方法の第6実施形態の変形例におけるコアセット工程を示す図である。
図27】本発明の一実施形態に係る回転電機の製造方法の第7実施形態におけるコアセット工程を示す図である。
図28】第7実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図29】第7実施形態における巻線巻回工程によって接続された複数のコイル部の接続構成図である。
図30】本発明の一実施形態に係る回転電機の製造方法の第7実施形態の変形例におけるコアセット工程を示す図である。
図31】本発明の一実施形態に係る回転電機の製造方法の第7実施形態の他の変形例におけるコアセット工程を示す図である。
図32】第8実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図33】第9実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図34】第10実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図35】第11実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図36】第12実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
図37】第13実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(回転電機の概略構成)
はじめに、本発明の一実施形態に係る回転電機10の概略構成を説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る回転電機10の縦断面図である。図1に示される回転電機10は、インナーロータ型のブラシレスモータである。図中に示す矢印Z1は、軸方向他方側(回転電機の裏側)を示し、矢印Z2は、軸方向一方側(回転電機の表側)を示す。この回転電機10は、モータシャフト16と、ロータ18と、ステータ20と、モータハウジング22と、フロントハウジング24とを備える。
【0019】
ロータ18は、ロータ本体30と、ロータマグネット32とを有する。ロータ本体30の軸心部には、ロータ18の軸方向に延びるモータシャフト16が固定されている。
【0020】
モータハウジング22は、軸方向他方側Z1に底部を有する有底筒状に形成されている。フロントハウジング24は、モータハウジング22の軸方向一方側Z2に設けられている。モータハウジング22及びフロントハウジング24には、軸受26がそれぞれ設けられている。モータシャフト16は、一対の軸受26に回転可能に支持されている。
【0021】
ステータ20は、環状に形成されている。このステータ20は、モータハウジング22の内周面に固定されている。ステータ20は、コア50と、後述するコア本体60を覆う樹脂製のインシュレータ62と、巻線70とを備える。コア50は、放射状に延びる複数のティース部54を有する。巻線70は、複数のティース部54に巻回された複数のコイル部78を有する。ステータ20の内側には、ロータ18が回転可能に収容されている。
【0022】
巻線70は、回路基板28に接続される。回路基板28は、回転電機10の内部に設けられてもよく、また、回転電機10の外部に設けられてもよい。また、回路基板28は、回転電機10と一体でも別体でもどちらでもよい。回路基板28は、各コイル部78への通電を切り替えるための電子回路を有する。上述の巻線70は、回路基板28にターミナルを介して接続されるか、又は、回路基板28に直接的に接続される。
【0023】
そして、上述の回転電機10では、回路基板28によって複数のコイル部78への通電が切り替えられると、ステータ20に回転磁界が形成され、この回転磁界とロータ18マグネットとの間に作用する吸引及び反発力によりロータ18が回転される。
【0024】
(ステータ20の詳細)
続いて、ステータ20をより詳細に説明する。
【0025】
図2は、図1に示されるステータ20の平面図である。図中に示す矢印R1は、回転電機10の表側(Z2側)から見てステータ20の周方向一方側を示し、矢印R2は、回転電機10の表側(Z2側)から見てステータ20の周方向他方側を示す。図2に示されるように、コア50は、一例として複数の分割コア56と、隣り合う分割コア56を連結する複数のヒンジ部58とを有する。各分割コア56は、金属製のコア本体60をインシュレータ62に覆われて構成されている。ヒンジ部58は、一例として、インシュレータ62に形成されている。
【0026】
各分割コア56は、ティース部54を有している。複数のティース部54は、コア50の径方向内方に向けて延びている。一例として、複数のティース部54の数は12である。
【0027】
各ティース部54には、コイル部78が集中巻き方式で巻回されている。複数のコイル部78の数は、複数のティース部54と同じ12である。この複数のコイル部78は、U相を形成するU相のコイル部U1~U4と、V相を形成するV相のコイル部V1~V4と、W相を形成するW相のコイル部W1~W4とがコア50の周方向一方側R1へ順に繰り返し並んだ配列とされている。つまり、複数のコイル部78は、同相のコイル部78を4つずつ有している。
【0028】
(巻線の結線構成)
図3は、図2に示されるステータ20の巻線70結線図である。図3に示されるように、本実施形態では、mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線されるか、又は、kを2以上の偶数とし、nを自然数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線される。
【0029】
図3に示すように、巻線70は、複数のパワー入力線82と、複数の渡り線84を有している。
【0030】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、異相のコイル部78のうち、一のコイル部78の終端と、該一のコイル部78に対してコア50の周方向一方側R1に位置する他のコイル部78の始端とを接続する。
【0031】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、同相のコイル部78のうち、一のコイル部78の終端と、該一のコイル部78に対してコア50の周方向一方側R1に位置する他のコイル部78の始端とを接続する第一方向渡り線と、同相のコイル部78のうち、一のコイル部78の終端と、該一のコイル部78に対してコア50の周方向他方側R2に位置する他のコイル部78の始端とを接続する第二方向渡り線とを含む。
【0032】
デルタ結線された複数のコイル部78の結線構成を具体的に説明すると、同相のコイル部78は、渡り線84によって接続されてコイル列78Aを形成されている。また、この同相のコイル部78からなる3組のコイル群80は、複数のパワー入力線82によってデルタ形(三角形)に接続されている。
【0033】
[回転電機の製造方法の第1実施形態]
はじめに、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第1実施形態を説明する。
【0034】
回転電機10の製造方法の第1実施形態では、mを2以上の自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、複数のコイル部78は、4直列方式でデルタ結線されている。すなわち、回転電機10の製造方法の第1実施形態では、m=4及びn=1であり、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12とされている。
【0035】
4直列方式でデルタ結線された複数のコイル部78の結線構成を具体的に説明すると、同相の4つのコイル部78は、4つずつ直列に接続されて1列のコイル列78Aを形成されている。また、この同相の4つのコイル部78からなる3組のコイル群80は、デルタ形(三角形)に接続されている。
【0036】
回転電機10の製造方法の第1実施形態は、コアセット工程と、巻線巻回工程と、巻線整形工程と、結線工程と、組立工程とを有する。コアセット工程と、巻線巻回工程と、巻線整形工程は、本発明の一実施形態に係るステータ20の製造方法に相当する。以下、これら複数の工程を順に説明する。
【0037】
(コアセット工程)
図4は、第1実施形態におけるコアセット工程を示す図である。図4に示される第1実施形態におけるコアセット工程では、一例として、複数の分割コア56は、インシュレータ62と一体に成形された仮連結成形ランナ106によって保持される。仮連結成形ランナ106は、複数の分割コア56におけるティース部54と反対の面から延出すると共に、それぞれが概略直線上に接続される。このとき、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部が直線上に並んだ状態とされる。
【0038】
第1実施形態では、一例として、一つのノズル120が用いられる。ノズル120は、仮連結成形ランナ106の一の端部に配置された分割コア56に対向して配置されている。後述するように、複数のティース部54に巻線70が順に巻回されるときには、このノズル120が仮連結成形ランナ106に装着された複数のティース部54に順に対向するように移動する。
【0039】
(巻線巻回工程)
図4に示されるように、第1実施形態における巻線巻回工程では、一例として、一つのノズル120を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される。図5は、第1実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表1は、第1実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0040】
以下の各工程の説明では、図中のU1~W4の表記に対応して、12個のティース部54をコア50の周方向一方側R1へ順に以下のように称する。
(1)第1ティース部54U1
(2)第2ティース部54V1
(3)第3ティース部54W1
(4)第4ティース部54U2
(5)第5ティース部54V2
(6)第6ティース部54W2
(7)第7ティース部54U3
(8)第8ティース部54V3
(9)第9ティース部54W3
(10)第10ティース部54U4
(11)第11ティース部54V4
(12)第12ティース部54W4
【0041】
また、第1ティース部54U1~第12ティース部54W4にそれぞれ巻回される12個のコイル部78を以下のように称する。
(1)第1コイル部78U1
(2)第2コイル部78V1
(3)第3コイル部78W1
(4)第4コイル部78U2
(5)第5コイル部78V2
(6)第6コイル部78W2
(7)第7コイル部78U3
(8)第8コイル部78V3
(9)第9コイル部78W3
(10)第10コイル部78U4
(11)第11コイル部78V4
(12)第12コイル部78W4
【0042】
さらに、巻線70は、異相のコイル部78同士を接続する3本のパワー入力線82を有する。3本のパワー入力線82は、後述する結線工程において接続される第1結線部C1~第3結線部A1をそれぞれ有する。以下の各工程の説明では、図中のU1~W4の表記に対応して、3本のパワー入力線82をコア50の周方向一方側R1へ順に以下のように称する。
(1)第1パワー入力線82V1-W1
(2)第2パワー入力線82U4-V4
(3)第3パワー入力線82W4-U1
【0043】
また、巻線70は、同相のコイル部78同士を接続する9本の渡り線84を有する。以下の各工程の説明では、図中のU1~W4の表記に対応して、9本の渡り線84をコア50の周方向一方側R1へ順に以下のように称する。
(1)第1渡り線84U1-U2
(2)第2渡り線84V2-V1
(3)第3渡り線84W1-W2
(4)第4渡り線84U2-U3
(5)第5渡り線84V3-V2
(6)第6渡り線84W2-W3
(7)第7渡り線84U3-U4
(8)第8渡り線84V4-V3
(9)第9渡り線84W3-W4
【0044】
また、渡り線84のうち、第1渡り線84U1-U2、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U2-U3、第6渡り線84W2-W3、第7渡り線84U3-U4及び、第9渡り線84W3-W4は、本発明における「第一方向渡り線」に相当し、第2渡り線84V2-V1、第5渡り線84V3-V2及び、第8渡り線84V4-V3は、本発明における「第二方向渡り線」に相当する。
【0045】
第1実施形態における巻線巻回工程では、巻線70が、次の第1ステップ~第12ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~12は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0046】
(第1ステップ)
第1ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0047】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0048】
(第2ステップ)
第2ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第4ティース部54U2に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0049】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第7コイル部54U3に渡って配線され、第4渡り線84U2-U3が形成される。
【0050】
(第3ステップ)
第3ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0051】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第7渡り線84U3-U4が形成される。
【0052】
(第4ステップ)
第4ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0053】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第11コイル部54V4に渡って第2パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0054】
(第5ステップ)
第5ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0055】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第8渡り線84V4-V3が形成される。
【0056】
(第6ステップ)
第6ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0057】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第5コイル部54V2に渡って配線され、第5渡り線84V3-V2が形成される。
【0058】
(第7ステップ)
第7ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0059】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0060】
(第8ステップ)
第8ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0061】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第3コイル部54W1に渡って第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0062】
(第9ステップ)
第9ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0063】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0064】
(第10ステップ)
第10ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第6ティース部54W2に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0065】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第9コイル部54W3に渡って配線され、第6渡り線84W2-W3が形成される。
【0066】
(第11ステップ)
第11ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0067】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第9渡り線84W3-W4が形成される。
【0068】
(第12ステップ)
第12ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第12ティース部54W4に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0069】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ巻線70の巻始め端部82Aに渡って配線され、後述する結線工程によって、第3パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0070】
【表1】
【0071】
第1実施形態では、以上の要領で、4直列方式のデルタ結線が形成される。図6は、第1実施形態における巻線巻回工程によって接続された複数のコイル部78の接続構成図であり、図4に示されるように、第1実施形態における巻線巻回工程によってコア50に巻線70が巻回される。
【0072】
図5図6に示されるように、第1パワー入力線82V1-W1は、第2コイル部78V1の終端と第3コイル部78W1の始端とを接続しており、第2パワー入力線82U4-V4は、第10コイル部78U4の終端と第11コイル部78V4の始端とを接続している。また、第3パワー入力線82W4-U1は、後述する結線工程によって、第12コイル部78W4の終端と第1コイル部78U1の始端とを接続している。
【0073】
図5に示されるように、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2及び、第3パワー入力線82W4-U1は、連続的に配線されている。また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2及び、第3パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第3パワー入力線82W4-U1は、後述する結線工程によって、巻線70の巻始め端部82Aと巻終わり端部同士を接続する接続部90を有している。
【0074】
図5図6に示されるように、第1渡り線84U1-U2は、第1コイル部78U1の終端と第4コイル部78U2の始端とを接続しており、第2渡り線84V2-V1は、第5コイル部78V2の終端と第2コイル部78V1の始端とを接続している。また、第3渡り線84W1-W2は、第3コイル部78W1の終端と第6コイル部78W2の始端とを接続しており、第4渡り線84U2-U3は、第4コイル部78U2の終端と第7コイル部78U3の始端とを接続している。また、第5渡り線84V3-V2は、第8コイル部78V3の終端と第5コイル部78V2の始端とを接続しており、第6渡り線84W2-W3は、第6コイル部78W2の終端と第9コイル部78W3の始端とを接続している。また、第7渡り線84U3-U4は、第7コイル部78U3の終端と第10コイル部78U4の始端とを接続しており、第8渡り線84V4-V3は、第11コイル部78V4の終端と第8コイル部78V3の始端とを接続している。また、第9渡り線84W3-W4は、第9コイル部78W3の終端と第12コイル部78W4の始端とを接続している。
【0075】
後述する図7に示されるように、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U2-U3、第5渡り線84V3-V2、第6渡り線84W2-W3、第7渡り線84U3-U4、第8渡り線84V4-V3及び、第9渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。
【0076】
また、第1実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1にノズル120が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回される。
【0077】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0078】
(巻線整形工程)
図7は、第1実施形態における巻線整形工程において第1パワー入力線82V1-W1及び第2パワー入力線82U4-V4並びに巻線70の始端及び巻線70の終端が整形される様子を説明する図であり、図8は、第1実施形態における巻線整形工程において第1パワー入力線82V1-W1及び第2パワー入力線82U4-V4並びに巻線70の始端及び巻線70の終端が整形された後の状態を示す図である。
【0079】
図7に示されるように、巻線整形工程は、一例として、コア50に対して複数の結線端子98が組み付けられた状態で実行される。複数の結線端子98の数は、 第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2及び、第3パワー入力線82W4-U1の数であり、3個である。複数の結線端子98は、例えば、上述の回路基板28(図1参照)と接続されるターミナルに形成されている。図7図8では、複数の結線端子98が模式的に示されている。同様に、図7図8では、第1パワー入力線82V1-W1及び第2パワー入力線82U4-V4並びに巻線70の始端及び巻線70の終端が模式的に示されている。
【0080】
以下の各工程の説明では、図中のA~Cは、複数の結線端子98であり、Aを第3結線端子98A、Bを第2結線端子98B、Cを第1結線端子98Cと称する。事例図では例えば、第1結線端子98Cは、第1コイル部78U1と第2コイル部78V1との間に配置されており、第2結線端子98Bは、第11コイル部78V4と第12コイル部78W4との間に配置されており、第3結線端子98Aは、第1コイル部78U1と第12コイル部78W4との間に配置されている。
【0081】
図7に示されるように、巻線整形工程では、第1パワー入力線82V1-W1の第1結線部C1が第1結線端子98Cに移動するように、第1パワー入力線82V1-W1が整形される。第1結線端子98Cは例えばフック形状であり、第1結線端子98Cに第1結線部C1が係止される。
【0082】
同様に、第2パワー入力線82U4-V4の第2結線部B1が第2結線端子98Bに移動するように、第2パワー入力線82U4-V4が整形される。第2結線端子98Bは例えばフック形状であり、第2結線端子98Bに第2結線部B1が係止される。
【0083】
同様に、後述する結線工程によって形成される第3パワー入力線82W4-U1の第3結線部A1が第3結線端子98Aに移動するように、第3パワー入力線82W4-U1が整形される。第3結線端子98Aは例えばフック形状であり、第3結線端子98Aに第3結線部A1が係止される。
【0084】
(結線工程)
結線工程では、第1結線端子98Cと第1結線部C1とが例えばヒュージング加工により接続される。同様に、第2結線端子98Bと第2結線部B1とが例えばヒュージング加工により接続され、第3結線端子98Aと第3結線部A1とが例えばヒュージング加工により接続される。このように、結線工程では、第1パワー入力線82V1-W1及び第2パワー入力線82U4-V4が1本ずつ第1結線端子98C及び第2結線端子98Bに接続され、巻線70の巻始め端部82A及び巻線70の巻終わり端部82Bがそれぞれ第3結線端子98Aに接続される。
【0085】
図9Aは、一例として、第1結線端子98Cと第1結線部C1とがヒュージング加工により接続された状態を示す二面図である。第1結線端子98Cには、第1パワー入力線82V1-W1の第1結線部C1が係止され、ヒュージング加工により第1パワー入力線82V1-W1が接続される。同様に、第2パワー入力線82U4-V4も第2結線端子98Bに接続される。
【0086】
図9Bは、一例として、第3結線端子98Aと、巻線70の巻始め端部82A及び巻線70の巻終わり端部82Bとがヒュージング加工により接続された状態を示す二面図である。第3結線端子98Aには、巻線70の巻始め端部82Aと巻線70の巻終わり端部82Bが係止され、ヒュージング加工により接続部90が形成される。これによって第3パワー入力線82W4-U1が形成されると同時に第3結線端子98Aに第3パワー入力線82W4-U1が結線される。
【0087】
(組立工程)
組立工程では、図1に示される回転電機10を構成する複数の部品、すなわち、モータシャフト16と、ロータ18と、ステータ20と、モータハウジング22と、フロントハウジング24等が組み合わされる。
【0088】
そして、回転電機10の製造方法の第1実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0089】
(巻線の構成)
以上の要領で製造された回転電機10のステータ20は、図8に示されるように、複数のティース部54が、コア50の径方向内方に向けて延びている。また、ステータ20は、4直列方式でデルタ結線された巻線70を備える。この巻線70は、複数のティース部54に集中巻き方式で巻回された複数のコイル部78を有する。
【0090】
複数のコイル部78は、U相を形成するU相のコイル部78と、V相を形成するV相のコイル部78と、W相を形成するW相のコイル部78とがコア50の周方向一方側R1へ順に繰り返し並んだ配列とされている。
【0091】
巻線70は、複数のパワー入力線82と、複数の渡り線84を有する。複数のパワー入力線82及び複数の渡り線84は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。
【0092】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、異相のコイル部78のうち、一のコイル部78の終端と、該一のコイル部78に対してコア50の周方向一方側R1に位置する他のコイル部78の始端とを接続する。また、複数の渡り線84のそれぞれは、同相のコイル部78のうち、一のコイル部78の終端と、該一のコイル部78に対してコア50の周方向他方側R2に位置する他のコイル部78の始端とを接続する第一方向渡り線又は、同相のコイル部78のうち、一のコイル部78の終端と、該一のコイル部78に対してコア50の周方向一方側R1に位置する他のコイル部78の始端とを接続する第二方向渡り線である。
【0093】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0094】
巻線70は、1本の連続線によって構成されており、複数のパワー入力線82のうちいずれかのパワー入力線82は、巻線70の端部同士を接続する接続部90を有する。複数のパワー入力線82は、1本ずつ結線端子98に接続されている。
【0095】
(作用及び効果)
続いて、第1実施形態に係る作用及び効果を説明する。
【0096】
図5に示されるように、第1実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、ノズル120がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0097】
また、図5に示されるように、複数のティース部54に巻線70を巻回する際の順番及び配線が工夫されることにより、異相のコイル部78のうち一のコイル部78の終端と他のコイル部78の始端とを接続するパワー入力線82は、第3パワー入力線82W4-U1を除いて連続線とされる(図7も参照)。したがって複数のティース部54への巻線巻回工程後、コア50を環状化する際に、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。これにより、コイル部78の崩れや弛みが生じたり、渡り線84やパワー入力線82が噛み込んで巻線70の絶縁被膜が損傷したりすることを抑制できる。この結果、複雑な専用補助ツールや専用設備が不要になるので、製造コストを抑えることができる。
【0098】
また、図7から図8に示されるように、パワー入力線82を整形したり、パワー入力線82を結線端子98に接続したりする処理において、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。したがって、パワー入力線82を回路基板28(図1参照)に接続したり、パワー入力線82の整形を簡素化したりするための複雑な構造のバスバーを用いる必要がなくなるので、部品点数を削減でき、製造コストを抑えることができる。
【0099】
このように、第1実施形態によれば、巻線70の高占積化により小型高出力化が可能な回転電機10(図1参照)を低コストかつ高品質で提供することが可能になる。
【0100】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第1実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0101】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、複数の渡り線84は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。したがって、軸方向他方側Z1のスペースを最小化することができる。
【0102】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0103】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0104】
また、巻線70は、1本の連続線によって構成されている。したがって、一つのノズル120によって巻線70を複数のティース部54に巻回できるので、ノズル120を含む巻線装置の構成を簡素化できる。したがって、このことによっても、製造コストを抑えることができる。
【0105】
(変形例)
続いて、第1実施形態の変形例を説明する。
【0106】
第1実施形態に係るステータ20は、mを2以上の自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、m=4及びn=1とされているが、第1実施形態に係るステータ20の製造方法は、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が3の倍数であり6以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、6(m=2及びn=1)、9(m=3及びn=1)、12(m=4及びn=1)、15(m=5及びn=1)、18(m=6及びn=1)、21(m=7及びn=1)、24(m=8及びn=1)、27(m=9及びn=1)、30(m=10及びn=1)、33(m=11及びn=1)、36(m=12及びn=1)・・・が例として挙げられる。
【0107】
また、本実施形態に係る巻線装置は、シングルノズル方式に限定しない。例えば、シングルフライヤ方式とされていてもよい。
【0108】
また、図7に示されるように、巻線整形工程は、一例として、コア50に対して複数の結線端子98が組み付けられた状態で実行されるが、巻線整形工程は、コア50に対して複数の結線端子98が組み付けられる前の状態で実行されてもよい。この場合には、結線工程において、複数の結線端子98がコア50に対して組み付けられた後に、複数の結線端子98に複数のパワー入力線82が接続される。
【0109】
また、ステータ20は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のステータ20とされているが、複数のティース部54がコア50の径方向外方に向けて延びるアウターロータ型のステータ20でもよい。
【0110】
また、図10に示されるように、仮連結成形ランナ106は、次のように変更されてもよい。すなわち、仮連結成形ランナ108は、複数の分割コア56におけるティース部54の反対の面から延出すると共に、それぞれ概略円環形状に接続される。この場合には、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に並んだ状態とされる。また巻線70は、上述した巻線巻回工程を円環状に並んだいずれか一の分割コア56から、一の分割コア56に対して仮連結成形ランナ108の周方向に位置する分割コア56にノズル120が移動して実施することによってコア50に巻回される。
【0111】
この場合、コア50に巻線70が巻回された後、複数のティース部54の先端部がコア50の内周側に位置するように反転される。
【0112】
コア50の反転が行われた後は、上述した巻線整形工程以降の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0113】
なお、本変形例は、シングルノズル方式に限定しない。ノズル120に変えてフライヤ110とし、フライヤ110が移動して実施することによってコア50に巻回してもよい。
【0114】
また、図11に示されるように、仮連結成形ランナ106は、平面視で概略三角形状を成す治具100と変更され、ノズル120は、フライヤ110と変更されたシングルフライヤ方式とされていてもよい。この場合には、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に連結された状態とされる。これにより巻線70は、フライヤ110によって上述した巻線巻回工程を円環状に並んだいずれか一つの分割コア56から周方向に実施することによってコア50に巻回される。
【0115】
この場合、図12に示されるように、巻線巻回工程後、コア50が反転された状態となる。そして、コア50は、図12に示されるように、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に連結された状態から、図13に示されるように帯状の状態を経て、複数のティース部54の先端部がコア50の内周側に位置するように環状に連結された状態(図7参照)になるようにコア50の反転が行われる。
【0116】
コア50の反転が行われた後は、上述した巻線整形工程以降の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0117】
なお、第1実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0118】
[回転電機の製造方法の第2実施形態]
つぎに、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第2実施形態を説明する。
【0119】
回転電機10の製造方法の第2実施形態において、コアセット工程は、上述の回転電機10の製造方法の第1実施形態と同様である。一方、回転電機10の製造方法の第2実施形態では、上述の回転電機10の製造方法の第1実施形態に対し、巻線巻回工程が次のように変更されている。
【0120】
(巻線巻回工程)
第2実施形態における巻線巻回工程では、一例として、一つのノズル120を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される。図14は、第2実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表2は、第2実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0121】
第2実施形態における巻線巻回工程では、巻線70が、次の第1ステップ~第12ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~12は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0122】
(第1ステップ)
第1ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0123】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0124】
(第2ステップ)
第2ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第4ティース部54U2に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0125】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第7コイル部54U3に渡って配線され、第4渡り線84U2-U3が形成される。
【0126】
(第3ステップ)
第3ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0127】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第7渡り線84U3-U4が形成される。
【0128】
(第4ステップ)
第4ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0129】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4と第11ティース部54V4との間に戻され第11コイル部54V4に渡って配線され、第2パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0130】
(第5ステップ)
第5ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0131】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第8渡り線84V4-V3が形成される。
【0132】
(第6ステップ)
第6ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0133】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第5コイル部54V2に渡って配線され、第5渡り線84V3-V2が形成される。
【0134】
(第7ステップ)
第7ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0135】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0136】
(第8ステップ)
第8ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0137】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1と第3ティース部54W1との間に戻され第3コイル部54W1に渡って配線され、第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0138】
(第9ステップ)
第9ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0139】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0140】
(第10ステップ)
第10ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第6ティース部54W2に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0141】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第9コイル部54W3に渡って配線され、第6渡り線84W2-W3が形成される。
【0142】
(第11ステップ)
第11ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0143】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第9渡り線84W3-W4が形成される。
【0144】
(第12ステップ)
第12ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第12ティース部54W4に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0145】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2において巻線70の巻始め端部82Aに渡って配線され、結線工程によって、第3パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0146】
【表2】
【0147】
第2実施形態では、以上の要領で、4直列方式のデルタ結線が形成される。この第2実施形態における巻線巻回工程によれば、第1実施形態と同様に、複数のコイル部78の接続構成が得られる。
【0148】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0149】
また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2及び、第3パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第3パワー入力線82W4-U1は、巻線70の巻始め端部82Aと巻終わり端部同士を接続する接続部90を有している。
【0150】
また、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U2-U3、第5渡り線84V3-V2、第6渡り線84W2-W3、第7渡り線84U3-U4、第8渡り線84V4-V3及び、第9渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。
【0151】
また、第2実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1にノズル120が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回される。
【0152】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0153】
(巻線整形工程、結線工程及び組立工程)
第2実施形態において、巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第1実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第2実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0154】
(作用及び効果)
以上説明した第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成及び方法については、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0155】
図14に示されるように、第2実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、ノズル120がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0156】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、複数の渡り線84は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。したがって、軸方向他方側Z1のスペースを最小化することができる。
【0157】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第2実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0158】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。したがって、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保される一方で、パワー入力線の両端間の間隔が狭められているので、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0159】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0160】
また、巻線70は、1本の連続線によって構成されている。したがって、一つのノズル120によって巻線70を複数のティース部54に巻回できるので、ノズル120を含む巻線装置の構成を簡素化できる。したがって、このことによっても、製造コストを抑えることができる。
【0161】
(変形例)
続いて、第2実施形態の変形例を説明する。
【0162】
第1実施形態に係るステータ20は、mを2以上の自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、m=4及びn=1とされているが、第1実施形態に係るステータ20の製造方法は、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が3の倍数であり6以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、6(m=2及びn=1)、9(m=3及びn=1)、12(m=4及びn=1)、15(m=5及びn=1)、18(m=6及びn=1)、21(m=7及びn=1)、24(m=8及びn=1)、27(m=9及びn=1)、30(m=10及びn=1)、33(m=11及びn=1)、36(m=12及びn=1)・・・が例として挙げられる。
【0163】
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の構成及び方法については、第1実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0164】
なお、第2実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0165】
[回転電機の製造方法の第3実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第3実施形態を説明する。
【0166】
回転電機10の製造方法の第3実施形態において、コアセット工程は、上述の回転電機10の製造方法の第1実施形態と同様である。一方、回転電機10の製造方法の第3実施形態では、上述の回転電機10の製造方法の第1実施形態に対し、次のように変更されている。
【0167】
(巻線の結線構成)
図15は、第3実施形態におけるステータ20の巻線70結線図である。図15に示されるように、回転電機10の製造方法の第3実施形態では、mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、複数のコイル部78は、2直列2並列方式でデルタ結線されている。すなわち、回転電機10の製造方法の第3実施形態では、m=2及びn=2であり、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12とされている。
【0168】
2直列2並列方式でデルタ結線された複数のコイル部78の結線構成を具体的に説明すると、同相の4つのコイル部78は、2つ(m=2)ずつ直列に接続されて2列(n=2)のコイル列78Aを形成しており、この2列のコイル列78Aは、直列に接続されている。また、この同相の4つのコイル部78からなる3組のコイル群80は、デルタ形(三角形)に接続されている。
【0169】
(巻線巻回工程)
なお、第3実施形態における巻線巻回工程では、第1実施形態と同様に、一例として一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される。図16は、第3実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表3は、第3実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0170】
巻線70は、異相のコイル部78同士を接続する6本のパワー入力線82を有する。6本のパワー入力線82は、後述する結線工程において接続される第1結線部C1~第6結線部A2をそれぞれ有する。以下の各工程の説明では、図中のU1~W4の表記に対応して、6本のパワー入力線82をコア50の周方向一方側R1へ順に以下のように称する。
(1)第1パワー入力線82V1-W1
(2)第2パワー入力線82U2-V2
(3)第3パワー入力線82W2-U3
(4)第4パワー入力線82V3-W3
(5)第5パワー入力線82U4-V4
(6)第6パワー入力線82W4-U1
【0171】
また、巻線70は、同相のコイル部78同士を接続する6本の渡り線84を有する。以下の各工程の説明では、図中のU1~W4の表記に対応して、6本の渡り線84をコア50の周方向一方側R1へ順に以下のように称する。
(1)第1渡り線84U1-U2
(2)第2渡り線84V2-V1
(3)第3渡り線84W1-W2
(4)第4渡り線84U3-U4
(5)第5渡り線84V4-V3
(6)第6渡り線84W3-W4
【0172】
また、渡り線84のうち、第1渡り線84U1-U2、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4及び、第6渡り線84W3-W4は、本発明における「第一方向渡り線」に相当し、第2渡り線84V2-V1及び、第4渡り線84U3-U4は、本発明における「第二方向渡り線」に相当する。
【0173】
第3実施形態における巻線巻回工程では、巻線70が、次の第1ステップ~第12ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~12は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0174】
(第1ステップ)
第1ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0175】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0176】
(第2ステップ)
第2ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第4ティース部54U2に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0177】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第5コイル部54V2に渡って第2パワー入力線82U2-V2は、連続線によって形成される。
【0178】
(第3ステップ)
第3ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0179】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0180】
(第4ステップ)
第4ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0181】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第3コイル部54W1に渡って第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0182】
(第5ステップ)
第5ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0183】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0184】
(第6ステップ)
第6ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第6ティース部54W2に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0185】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第7コイル部54U3に渡って第3パワー入力線82W2-U3は、連続線によって形成される。
【0186】
(第7ステップ)
第7ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0187】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第4渡り線84U3-U4が形成される。
【0188】
(第8ステップ)
第8ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0189】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第11コイル部54V4に渡って第5パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0190】
(第9ステップ)
第9ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0191】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第5渡り線84V4-V3が形成される。
【0192】
(第10ステップ)
第10ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0193】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第9コイル部54W3に渡って第4パワー入力線82V3-W3は、連続線によって形成される。
【0194】
(第11ステップ)
第11ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0195】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第6渡り線84W3-W4が形成される。
【0196】
(第12ステップ)
第12ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第12ティース部54W4に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0197】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ巻線70の巻始め端部82Aに渡って配線され、後述する結線工程によって接続部90が形成され、第6パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0198】
【表3】
【0199】
第3実施形態では、以上の要領で、2直列2並列方式のデルタ結線が形成される。
【0200】
図16図17に示されるように、第1パワー入力線82V1-W1は、第2コイル部78V1の終端と第3コイル部78W1の始端とを接続しており、第2パワー入力線82U2-V2は、第4コイル部78U2の終端と第5コイル部78V2の始端とを接続しており、第3パワー入力線82W2-U3は、第6コイル部78W2の終端と第7コイル部78U3の始端とを接続しており、第4パワー入力線82V3-W3は、第8コイル部78V3の終端と第9コイル部78W3の始端とを接続しており、第5パワー入力線82U4-V4は、第10コイル部78U4の終端と第11コイル部78V4の始端とを接続しており、第6パワー入力線82W4-U1は、後述する結線工程によって、第12コイル部78W4の終端と第1コイル部78U1の始端とを接続している。
【0201】
第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、連続的に配線されている。また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第6パワー入力線82W4-U1は、後述する結線工程によって、巻線70の巻始め端部82Aと巻終わり端部同士を接続する接続部90を有している。
【0202】
第1渡り線84U1-U2は、第1コイル部78U1の終端と第4コイル部78U2の始端とを接続しており、第2渡り線84V2-V1は、第5コイル部78V2の終端と第2コイル部78V1の始端とを接続しており、第3渡り線84W1-W2は、第3コイル部78W1の終端と第6コイル部78W2の始端とを接続しており、第4渡り線84U3-U4は、第7コイル部78U3の終端と第10コイル部78U4の始端とを接続しており、第5渡り線84V4-V3は、第11コイル部78V4の終端と第8コイル部78V3の始端とを接続しており、第6渡り線84W3-W4は、第9コイル部78W3の終端と第12コイル部78W4の始端とを接続している。
【0203】
第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3及び、第6渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。
【0204】
また、第3実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1にノズル120が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回される。
【0205】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0206】
(巻線整形工程)
第3実施形態において、複数の結線端子98は、第1実施形態に対して第1結線端子98C、第2結線端子98B、第3結線端子98A、第4結線端子98C2、第5結線端子98B2及び、第6結線端子98A2と変更されている。第1結線端子98Cは、第2コイル部78V1と第3コイル部78W1との間に配置されており、第2結線端子98Bは、第4コイル部78U2と第5コイル部78V2との間に配置されており、第3結線端子98Aは、第6コイル部78W2と第7コイル部78U3との間に配置されており、第4結線端子98C2は、第8コイル部78V3と第9コイル部78W3との間に配置されており、第5結線端子98B2は、第10コイル部78U4と第11コイル部78V4との間に配置されており、第6結線端子98A2は、第1コイル部78U1と第12コイル部78W4との間に配置されている。
【0207】
巻線整形工程では第1実施形態と同様に、第1パワー入力線82V1-W1の第1結線部C1が第1結線端子98Cに移動するように、第1パワー入力線82V1-W1が整形される。第1結線端子98Cは例えばフック形状であり、第1結線端子98Cに第1結線部C1が係止される。
【0208】
同様に、第2パワー入力線82U2-V2の第2結線部B1が第2結線端子98Bに移動するように、第2パワー入力線82U2-V2が整形される。第2結線端子98Bは例えばフック形状であり、第2結線端子98Bに第2結線部B1が係止される。
【0209】
同様に、第3パワー入力線82W2-U3の第3結線部A2が第3結線端子98Aに移動するように、第3パワー入力線82W2-U3が整形される。第3結線端子98Aは例えばフック形状であり、第3結線端子98Aに第3結線部A1が係止される。
【0210】
同様に、第4パワー入力線82V3-W3の第4結線部C2が第4結線端子98C2に移動するように、第4パワー入力線82V3-W3が整形される。第4結線端子98C2は例えばフック形状であり、第4結線端子98C2に第4結線部C2が係止される。
【0211】
同様に、第5パワー入力線82U4-V4の第5結線部B2が第5結線端子98B2に移動するように、第5パワー入力線82U4-V4が整形される。第5結線端子98B2は例えばフック形状であり、第5結線端子98B2に第5結線部B2が係止される。
【0212】
同様に、後述する結線工程によって形成される第6パワー入力線82W4-U1の第6結線部A1が第6結線端子98A2に移動するように、第6パワー入力線82W4-U1が整形される。第6結線端子98A2は例えばフック形状であり、第6結線端子98A2に第6結線部A2が係止される。
【0213】
(結線工程)
結線工程では、第1結線端子98Cと第1結線部C1とが例えばヒュージング加工により接続される。同様に、第2結線端子98Bと第2結線部B1とが例えばヒュージング加工により接続され、第3結線端子98Aと第3結線部A1とが例えばヒュージング加工により接続され、第4結線端子98C2と第4結線部C2とが例えばヒュージング加工により接続され、第5結線端子98B2と第5結線部B2とが例えばヒュージング加工により接続され、第6結線端子98A2と第6結線部A2とが例えばヒュージング加工により接続される。このように、結線工程では、第1パワー入力線82V1-W1~第5パワー入力線82U4-V4が1本ずつ第1結線端子98C~第5結線端子98B2に接続され、巻線70の巻始め端部82A及び巻線70の巻終わり端部82Bがそれぞれ第6結線端子98A2に接続される。
【0214】
第1実施形態と同様に、第1結線端子98Cには、第1パワー入力線82V1-W1の第1結線部C1が係止され、ヒュージング加工により第1パワー入力線82V1-W1が接続される。同様に、第2パワー入力線82U2-V2~第5パワー入力線82U4-V4もそれぞれ接続される。
【0215】
また、第1実施形態と同様に、第6結線端子98A2には、巻線70の巻始め端部82Aと巻線70の巻終わり端部82Bが係止され、ヒュージング加工により接続部90が形成される。これによって第6パワー入力線82W4-U1が形成されると同時に第6結線端子98A2に第6パワー入力線82W4-U1が結線される。
【0216】
(組立工程)
第3実施形態において、組立工程は、第1実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第3実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0217】
(巻線の構成)
複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0218】
巻線70は、1本の連続線によって構成されており、複数のパワー入力線82のうちいずれかのパワー入力線82は、巻線70の端部同士を接続する接続部90を有する。複数のパワー入力線82は、1本ずつ結線端子98に接続されている。
【0219】
(作用及び効果)
以上説明した第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成及び方法については、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0220】
図16に示されるように、第3実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、ノズル120がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0221】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、複数の渡り線84は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。したがって、軸方向他方側Z1のスペースを最小化することができる。
【0222】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第3実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0223】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0224】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0225】
(変形例)
続いて、第3実施形態の変形例を説明する。
【0226】
巻線整形工程は、一例として、コア50に対して複数の結線端子98が組み付けられた状態で実行されるが、巻線整形工程は、コア50に対して複数の結線端子98が組み付けられる前の状態で実行されてもよい。この場合には、結線工程において、複数の結線端子98がコア50に対して組み付けられた後に、複数の結線端子98に複数のパワー入力線82が接続される。
【0227】
また、ステータ20は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のステータ20とされているが、複数のティース部54がコア50の径方向外方に向けて延びるアウターロータ型のステータ20でもよい。
【0228】
また、第3実施形態に係るステータ20は、mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、m=2及びn=2とされているが、第3実施形態に係るステータ20の製造方法は、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が6の倍数であり12以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12(m=2及びn=2)、18(m=2及びn=3又はm=3及びn=2)、24(m=4及びn=2又はm=2及びn=4)、30(m=2及びn=5又はm=5及びn=2)、36(m=2及びn=6、m=3及びn=4、m=4及びn=3、又はm=6及びn=2)・・・が例として挙げられる。
【0229】
また、第3実施形態において、複数の結線端子98は、第1実施形態に対して第1結線端子98C~第6結線端子98A2と変更されているが、第1実施形態と同様に第1結線端子98C~第3結線端子98Aとしてもよい。その場合、第4結線部C2~第6結線部A2は、第1結線部C1~第3結線部A1と共に第1結線端子98C~第3結線端子98Aにそれぞれ結線される。
【0230】
なお、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の構成及び方法については、第1実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0231】
なお、第3実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0232】
[回転電機の製造方法の第4実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第4実施形態を説明する。
【0233】
回転電機10の製造方法の第4実施形態は、上述の回転電機10の製造方法の第3実施形態に対し、巻線巻回工程が次のように変更されている。
【0234】
(コアセット工程)
図18は、第4実施形態におけるコアセット工程を示す図である。図18に示されるように、第4実施形態におけるコアセット工程では、一例として、複数の分割コア56は、インシュレータ62と一体に成形された仮連結成形ランナ106によって保持される。仮連結成形ランナ106は、複数の分割コア56におけるティース部54と反対の面から延出すると共に、それぞれが概略直線上に接続される。このとき、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部が直線上に並んで連結された状態とされる。
【0235】
第4実施形態では、一例として、二つのノズル120、すなわち第1ノズル122及び第2ノズル124が用いられる。第1ノズル122は、仮連結成形ランナ106の一の端部に配置された分割コア56に対向して配置されている。後述するように、複数のティース部54に巻線70が順に巻回されるときには、この第1ノズル122が仮連結成形ランナ106に装着された複数のティース部54に順に対向するように移動する。
【0236】
また、第2ノズル124は、仮連結成形ランナ106の一の端部に配置された分割コア56から、分割コア56の総数の1/2の数だけ離れた分割コア56に対向して配置されている。第1ノズル122と同様に、後述するように、複数のティース部54に巻線70が順に巻回されるときには、この第2ノズル124が仮連結成形ランナ106に装着された複数のティース部54に順に対向するように移動する。
【0237】
(巻線巻回工程)
図18に示されるように、第4実施形態における巻線巻回工程では、一例として、第1ノズル122及び第2ノズル124を用い、ダブルノズル方式で2本の連続線である第1巻線72及び第2巻線74が複数のティース部54に順に巻回される。図19は、第4実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表4は、第4実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0238】
第4実施形態における巻線巻回工程では、第1巻線72及び第2巻線74が、次の第1ステップ~第6ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~6は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0239】
(第1ステップ-1)
第1ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0240】
その後、第1巻線72は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0241】
(第1ステップ-2)
同様に、第1ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0242】
その後、第2巻線74は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第4渡り線84U3-U4が形成される。
【0243】
(第2ステップ-1)
第2ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第4ティース部54U2に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0244】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第5コイル部54V2に渡って第2パワー入力線82U2-V2は、連続線によって形成される。
【0245】
(第2ステップ-2)
同様に、第2ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0246】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第11コイル部54V4に渡って第5パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0247】
(第3ステップ-1)
第3ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0248】
その後、第1巻線72は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0249】
(第3ステップ-2)
同様に、第3ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0250】
その後、第2巻線74は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第5渡り線84V4-V3が形成される。
【0251】
(第4ステップ-1)
第4ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0252】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第3コイル部54W1に渡って第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0253】
(第4ステップ-2)
同様に、第4ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0254】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第9コイル部54W3に渡って第4パワー入力線82V3-W3は、連続線によって形成される。
【0255】
(第5ステップ-1)
第5ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0256】
その後、第1巻線72は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0257】
(第5ステップ-2)
同様に、第5ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0258】
その後、第2巻線74は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第6渡り線84W3-W4が形成される。
【0259】
(第6ステップ-1)
第6ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第6ティース部54W2に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0260】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第2巻線74の巻始め端部82Eに渡って配線され、後述する結線工程によって第1接続部92が形成され、第3パワー入力線82W2-U3が形成される。
【0261】
(第6ステップ-2)
同様に、第6ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第12ティース部54W4に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0262】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第1巻線72の巻始め端部82Cに渡って配線され、後述する結線工程によって第2接続部94が形成され、第6パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0263】
そして、第1接続部92及び第2接続部94が形成されることにより、この第1巻線72及び第2巻線74によって1本の繋がった巻線70が形成される。
【0264】
【表4】
【0265】
第4実施形態では、以上の要領で、2直列2並列方式のデルタ結線が形成される。図20は、第4実施形態における巻線巻回工程によって接続された複数のコイル部78の接続構成図である。この第4実施形態における巻線巻回工程によれば、一つの接続部90(図17参照)の代わりに、第1接続部92及び第2接続部94が形成される以外は、第3実施形態と同様に複数のコイル部78の接続構成が得られる。
【0266】
(巻線の構成)
複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0267】
第1巻線72及び第2巻線74は、それぞれ1本の連続線によって構成されており、複数のパワー入力線82のうちいずれかのパワー入力線82は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する接続部を有し、いずれかのパワー入力線82は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する接続部を有する。複数のパワー入力線82は、1本ずつ結線端子98に接続されている。
【0268】
また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第6パワー入力線82W4-U1は、巻線70の巻始め端部82Aと巻終わり端部同士を接続する接続部を有している。
【0269】
また、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3及び、第6渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。
【0270】
第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、連続的に配線されている。また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第3パワー入力線82W2-U3は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと、第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する第1接続部92を有し、第6パワー入力線82W4-U1は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと、第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する第2接続部94を有している。
【0271】
また、第4実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回される。
【0272】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0273】
(巻線整形工程)
第4実施形態において、複数の結線端子98は、第3実施形態と同様に第1結線端子98C、第2結線端子98B、第3結線端子98A、第4結線端子98C2、第5結線端子98B2及び、第6結線端子98A2とされている。
【0274】
巻線整形工程では第3実施形態と同様に、第1パワー入力線82V1-W1の第1結線部C1が第1結線端子98Cに移動するように、第1パワー入力線82V1-W1が整形される。第1結線端子98Cは例えばフック形状であり、第1結線端子98Cに第1結線部C1が係止される。
【0275】
同様に、第2パワー入力線82U2-V2の第2結線部B1が第2結線端子98Bに移動するように、第2パワー入力線82U2-V2が整形される。第2結線端子98Bは例えばフック形状であり、第2結線端子98Bに第2結線部B1が係止される。
【0276】
同様に、第3パワー入力線82W2-U3の第3結線部A2が第3結線端子98Aに移動するように、後述する結線工程によって第3パワー入力線82W2-U3が整形される。第3結線端子98Aは例えばフック形状であり、第3結線端子98Aに第3結線部A1が係止される。
【0277】
同様に、第4パワー入力線82V3-W3の第4結線部C2が第4結線端子98C2に移動するように、第4パワー入力線82V3-W3が整形される。第4結線端子98C2は例えばフック形状であり、第4結線端子98C2に第4結線部C2が係止される。
【0278】
同様に、第5パワー入力線82U4-V4の第5結線部B2が第5結線端子98B2に移動するように、第5パワー入力線82U4-V4が整形される。第5結線端子98B2は例えばフック形状であり、第5結線端子98B2に第5結線部B2が係止される。
【0279】
同様に、後述する結線工程によって形成される第6パワー入力線82W4-U1の第6結線部A1が第6結線端子98A2に移動するように、第6パワー入力線82W4-U1が整形される。第6結線端子98A2は例えばフック形状であり、第6結線端子98A2に第6結線部A2が係止される。
【0280】
(結線工程)
結線工程では、第1結線端子98Cと第1結線部C1とが例えばヒュージング加工により接続される。同様に、第2結線端子98Bと第2結線部B1とが例えばヒュージング加工により接続され、第3結線端子98Aと第3結線部A1とが例えばヒュージング加工により接続され、第4結線端子98C2と第4結線部C2とが例えばヒュージング加工により接続され、第5結線端子98B2と第5結線部B2とが例えばヒュージング加工により接続され、第6結線端子98A2と第6結線部A2とが例えばヒュージング加工により接続される。このように、結線工程では、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第4パワー入力線82V3-W3及び第5パワー入力線82U4-V4がそれぞれ1本ずつ第1結線端子98C、第2結線端子98B、第4結線端子98C2及び第5結線端子98B2に接続され、第2巻線74の巻始め端部82E及び第1巻線72の巻終わり端部82Dがそれぞれ第3結線端子98Aに接続され、第1巻線72の巻始め端部82C及び第2巻線74の巻終わり端部82Fがそれぞれ第6結線端子98A2に接続される。
【0281】
第1結線端子98Cには、第1パワー入力線82V1-W1の第1結線部C1が係止され、ヒュージング加工により第1パワー入力線82V1-W1が接続される。同様に、第2パワー入力線82U2-V2、第4パワー入力線82V3-W3及び第5パワー入力線82U4-V4もそれぞれ接続される。
【0282】
また、第3結線端子98Aには、第2巻線74の巻始め端部82Eと第1巻線72の巻終わり端部82Dが係止され、ヒュージング加工により接続部が形成される。これによって第3パワー入力線82W2-U3が形成されると同時に第3結線端子98Aに第3パワー入力線82W2-U3が結線される。
【0283】
さらに、第6結線端子98A2には、第1巻線72の巻始め端部82Cと第2巻線74の巻終わり端部82Fが係止され、ヒュージング加工により接続部が形成される。これによって第6パワー入力線82W4-U1が形成されると同時に第6結線端子98A2に第6パワー入力線82W4-U1が結線される。
【0284】
(組立工程)
第4実施形態において、組立工程は、第1実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第4実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。以上の要領で製造された回転電機10の構成は、一つの接続部90(図17参照)の代わりに、第1接続部92及び第2接続部94が形成される以外は、第3実施形態と同様である。
【0285】
(作用及び効果)
以上説明した第4実施形態において、第3実施形態と同様の構成及び方法については、第3実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0286】
図19に示されるように、第4実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、第1ノズル122及び第2ノズル124がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に第1巻線72及び第2巻線74を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0287】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第4実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0288】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、複数の渡り線84は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。したがって、軸方向他方側Z1のスペースを最小化することができる。
【0289】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0290】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0291】
この第4実施形態では、第1ノズル122及び第2ノズル124を用い、ダブルノズル方式で2本の連続線である第1巻線72及び第2巻線74が複数のティース部54に順に巻回される。したがって、上述の第3実施形態のように、一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される場合に比して、巻線巻回工程の工数を半分にすることができる。これにより、工程時間を短縮できるので、製造コストを抑えることができる。
【0292】
(変形例)
続いて、第4実施形態の変形例を説明する。
【0293】
第4実施形態に係るステータ20は、mを2以上の自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、m=2及びn=2とされているが、第4実施形態に係るステータ20の製造方法は、nを2の倍数とし、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が6の倍数であり12以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、12(m=2及びn=2)、18(m=3及びn=2)、24(m=4及びn=2又はm=2及びn=4)、30(m=5及びn=2)、36(m=2及びn=6、m=3及びn=4、又はm=6及びn=2)・・・が例として挙げられる。
【0294】
また、本実施形態に係る巻線装置は、ダブルノズル方式に限定しない。例えば、ダブルフライヤ方式とされていてもよい。
【0295】
また、図21に示されるように、仮連結成形ランナ108は、次のように変更されてもよい。すなわち、仮連結成形ランナ108は、複数の分割コア56におけるティース部54の反対の面から延出すると共に、それぞれ概略円環形状に接続される。この場合には、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に並んだ状態とされる。また第1巻線72は、上述した巻線巻回工程を円環状に並んだいずれか一の分割コア56から、一の分割コア56に対して仮連結成形ランナ108の周方向一方側R1に位置する分割コア56に第1ノズル122が移動して実施することによってそれぞれの分割コア56に巻回される。また第2巻線74は、上述した巻線巻回工程を円環状に並んだいずれか一の分割コア56から、仮連結成形ランナ108に対して周方向に180°離れた箇所に位置する分割コア56から、第1巻線72と同様に仮連結成形ランナ108の周方向一方側R1に位置する分割コア56に第2ノズル124が移動して実施することによってそれぞれの分割コア56に巻回される。
【0296】
この場合、第1実施形態の変形例と同様に、コア50に巻線70が巻回された後、複数のティース部54の先端部がコア50の内周側に位置するようになるように反転される。
【0297】
なお、本変形例は、ダブルノズル方式に限定しない。第1ノズル122及び第2ノズル124に変えて第1フライヤ112及び第2フライヤ114とし、第1フライヤ112及び第2フライヤ114が移動して実施することによってコア50に巻回してもよい。
【0298】
また、図22に示されるように、仮連結成形ランナ106は、平面視で概略楕円形状を成す治具104と変更され、第1ノズル122及び第2ノズル124は、第1フライヤ112及び第2フライヤ114と変更されたダブルフライヤ方式としてもよい。この場合には、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に連結された状態とされる。これにより第1巻線72は、第1フライヤ112によって、上述した巻線巻回工程を治具104の長軸方向の一の先端部に位置する分割コア56から周方向に実施することによってコア50に巻回される。また第2巻線74は、第2フライヤ114によって、上述した巻線巻回工程を治具104の長軸方向の他の先端部に位置する分割コア56から周方向に実施することによってコア50に巻回される。
【0299】
この場合、第1実施形態の変形例と同様に、図12に示されるように、巻線巻回工程後、コア50が反転された状態となる。そして、コア50は、図12に示されるように、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に連結された状態から、図13に示されるように帯状の状態を経て、複数のティース部54の先端部がコア50の内周側に位置するように環状に連結された状態(図7参照)になるようにコア50の反転が行われる。
【0300】
また、第4実施形態において、複数の結線端子98は、第1実施形態に対して第1結線端子98C~第6結線端子98A2と変更されているが、第1実施形態と同様に第1結線端子98C~第3結線端子98Aとしてもよい。その場合、第4結線部C2~第6結線部A2は、第1結線部C1~第3結線部A1と共に第1結線端子98C~第3結線端子98Aにそれぞれ結線される。
【0301】
なお、第4実施形態においても、第3実施形態と同様の構成及び方法については、第3実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0302】
なお、第4実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に第1巻線72及び第2巻線74を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0303】
[回転電機の製造方法の第5実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第5実施形態を説明する。
【0304】
回転電機10の製造方法の第5実施形態において、コアセット工程は、上述の回転電機10の製造方法の第3実施形態と同様である。一方、回転電機10の製造方法の第5実施形態では、上述の回転電機10の製造方法の第3実施形態に対し、巻線巻回工程が次のように変更されている。
【0305】
(巻線巻回工程)
なお、第5実施形態における巻線巻回工程では、第3実施形態と同様に、一例として一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される。図23は、第5実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表5は、第5実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0306】
第5実施形態における巻線巻回工程では、巻線70が、次の第1ステップ~第12ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~12は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0307】
(第1ステップ)
第1ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0308】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0309】
(第2ステップ)
第2ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第4ティース部54U2に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0310】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へコア50の軸方向一方側Z2へ導出されて第4コイル部54U2と第5コイル部54V2との間に戻されることにより第2パワー入力線82U2-V2が形成される。このとき、第2パワー入力線82U2-V2は、連続線によって形成される。
【0311】
(第3ステップ)
第3ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0312】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0313】
(第4ステップ)
第4ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0314】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1と第3ティース部54W1との間に戻され第3コイル部54W1に渡って配線され、第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0315】
(第5ステップ)
第5ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0316】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0317】
(第6ステップ)
第6ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第6ティース部54W2に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0318】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へコア50の軸方向一方側Z2へ導出されて第6コイル部54W2と第7コイル部54U3との間に戻されることにより第3パワー入力線82W2-U3が形成される。このとき、第3パワー入力線82W2-U3は、連続線によって形成される。
【0319】
(第7ステップ)
第7ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0320】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第4渡り線84U3-U4が形成される。
【0321】
(第8ステップ)
第8ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0322】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4と第11ティース部54V4との間に戻され第11コイル部54V4に渡って配線され、第5パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0323】
(第9ステップ)
第9ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0324】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第5渡り線84V4-V3が形成される。
【0325】
(第10ステップ)
第10ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0326】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へコア50の軸方向一方側Z2へ導出されて第8コイル部54V3と第9コイル部54W3との間に戻されることにより第4パワー入力線82V3-W3が形成される。このとき、第4パワー入力線82V3-W3は、連続線によって形成される。
【0327】
(第11ステップ)
第11ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0328】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第6渡り線84W3-W4が形成される。
【0329】
(第12ステップ)
第12ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第12ティース部54W4に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0330】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2において巻線70の巻始め端部82Aに渡って配線され、結線工程によって、第6パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0331】
【表5】
【0332】
また、第5実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1にノズル120が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回される。
【0333】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0334】
(巻線整形工程、結線工程及び組立工程)
第5実施形態において、巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第3実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第5実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0335】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0336】
また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第6パワー入力線82W4-U1は、巻線70の巻始め端部82Aと巻終わり端部同士を接続する接続部90を有している。
【0337】
また、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3及び、第6渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。
【0338】
(作用及び効果)
以上説明した第5実施形態において、第3実施形態と同様の構成及び方法については、第3実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0339】
また、第5実施形態に係るステータ20は、mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、m=2及びn=2とされているが、第5実施形態に係るステータ20の製造方法は、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が6の倍数であり12以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12(m=2及びn=2)、18(m=2及びn=3又はm=3及びn=2)、24(m=4及びn=2又はm=2及びn=4)、30(m=2及びn=5又はm=5及びn=2)、36(m=2及びn=6、m=3及びn=4、m=4及びn=3、又はm=6及びn=2)・・・が例として挙げられる。
【0340】
図23に示されるように、第5実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、ノズル120がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0341】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、複数の渡り線84は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。したがって、軸方向他方側Z1のスペースを最小化することができる。
【0342】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第5実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0343】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。したがって、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保される一方で、パワー入力線の両端間の間隔が狭められているので、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0344】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0345】
(変形例)
なお、第5実施形態においても、第3実施形態と同様の構成及び方法については、第3実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0346】
なお、第5実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0347】
[回転電機の製造方法の第6実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第6実施形態を説明する。
【0348】
回転電機10の製造方法の第6実施形態は、上述の回転電機10の製造方法の第3実施形態に対し、コアセット工程及び巻線巻回工程が次のように変更されている。
【0349】
(コアセット工程)
図24は、第6実施形態におけるコアセット工程を示す図である。図24に示されるように、第6実施形態におけるコアセット工程では、一例として、複数の分割コア56は、インシュレータ62と一体に成形された仮連結成形ランナ106によって保持される。仮連結成形ランナ106は、複数の分割コア56におけるティース部54と反対の面から延出すると共に、それぞれが概略直線上に接続される。このとき、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部が直線上に並んだ状態とされる。
【0350】
第6実施形態では、二つのノズル120、すなわち第1ノズル122及び第2ノズル124が用いられる。第1ノズル122は、仮連結成形ランナ106の一の端部に配置された分割コア56に対向して配置されている。後述するように、複数のティース部54に巻線70が順に巻回されるときには、この第1ノズル122が仮連結成形ランナ106に装着された複数のティース部54に順に対向するように移動する。
【0351】
また、第2ノズル124は、仮連結成形ランナ106の一の端部に配置された分割コア56から、分割コア56の総数の1/2の数だけ離れた分割コア56に対向して配置されている。第1ノズル122と同様に、後述するように、複数のティース部54に巻線70が順に巻回されるときには、この第2ノズル124が仮連結成形ランナ106に装着された複数のティース部54に順に対向するように移動する。
【0352】
(巻線巻回工程)
図24に示されるように、第6実施形態における巻線巻回工程では、一例として第1ノズル122及び第2ノズル124を用い、ダブルノズル方式で2本の連続線である第1巻線72及び第2巻線74が複数のティース部54に順に巻回される。図25は、第6実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表6は、第6実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0353】
第6実施形態における巻線巻回工程では、第1巻線72及び第2巻線74が、次の第1ステップ~第6ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~6は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0354】
(第1ステップ-1)
第1ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0355】
その後、第1巻線72は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0356】
(第1ステップ-2)
同様に、第1ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0357】
その後、第2巻線74は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第4渡り線84U3-U4が形成される。
【0358】
(第2ステップ-1)
第2ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第4ティース部54U2に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0359】
その後、第1巻線72は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へコア50の軸方向一方側Z2へ導出されて第4コイル部54U2と第5コイル部54V2との間に戻されることにより第2パワー入力線82U2-V2が形成される。このとき、第2パワー入力線82U2-V2は、連続線によって形成される。
【0360】
(第2ステップ-2)
同様に、第2ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0361】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4と第11ティース部54V4との間に戻され第11コイル部54V4に渡って配線され、第5パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0362】
(第3ステップ-1)
第3ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0363】
その後、第1巻線72は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0364】
(第3ステップ-2)
同様に、第3ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0365】
その後、第2巻線74は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第5渡り線84V4-V3が形成される。
【0366】
(第4ステップ-1)
第4ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0367】
その後、第1巻線72は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へコア50の軸方向一方側Z2へ導出されて第2コイル部54V1と第3コイル部54W1との間に戻されることにより第1パワー入力線82V1-W1が形成される。このとき、第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0368】
(第4ステップ-2)
同様に、第4ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0369】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3と第9ティース部54W3との間に戻され第9コイル部54W3に渡って配線され、第4パワー入力線82V3-W3は、連続線によって形成される。
【0370】
(第5ステップ-1)
第5ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0371】
その後、第1巻線72は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0372】
(第5ステップ-2)
同様に、第5ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0373】
その後、第2巻線74は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第6渡り線84W3-W4が形成される。
【0374】
(第6ステップ-1)
第6ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第6ティース部54W2に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0375】
その後、第1巻線72は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へコア50の軸方向一方側Z2へ導出され、この第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2において第1巻線72の巻終わり端部82Dと第2巻線74の巻始め端部82E同士が接続され、後述する結線工程によって第1接続部92が形成され、第3パワー入力線82W2-U3が形成される。
【0376】
(第6ステップ-2)
同様に、第6ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第12ティース部54W4に、軸方向から見て反時計回りに整数のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0377】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2においてコア50の軸方向一方側Z2へ導出され、この第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2において第2巻線74の巻終わり端部82Fと第1巻線72の巻始め端部82C同士が接続され、結線工程によって、第6パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0378】
そして、第1接続部92及び第2接続部94が形成されることにより、この第1巻線72及び第2巻線74によって1本の繋がった巻線70が形成される。
【0379】
【表6】
【0380】
第6実施形態では、以上の要領で、2直列2並列方式のデルタ結線が形成される。
【0381】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0382】
第1巻線72及び第2巻線74は、それぞれ1本の連続線によって構成されており、複数のパワー入力線82のうちいずれかのパワー入力線82は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する接続部を有し、いずれかのパワー入力線82は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する接続部を有する。複数のパワー入力線82は、1本ずつ結線端子98に接続されている。
【0383】
また、第1パワー入力線82V1-W1は、第2コイル部78V1の終端と第3コイル部78W1の始端とを接続しており、第2パワー入力線82U2-V2は、第4コイル部78U2の終端と第5コイル部78V2の始端とを接続しており、第3パワー入力線82W2-U3は、後述する結線工程によって、第6コイル部78W2の終端と第7コイル部78U3の始端とを接続しており、第4パワー入力線82V3-W3は、第8コイル部78V3の終端と第9コイル部78W3の始端とを接続しており、第5パワー入力線82U4-V4は、第10コイル部78U4の終端と第11コイル部78V4の始端とを接続しており、第6パワー入力線82W4-U1は、後述する結線工程によって、第12コイル部78W4の終端と第1コイル部78U1の始端とを接続している。
【0384】
第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、連続的に配線されている。また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第3パワー入力線82W2-U3は、後述する結線工程によって、第2巻線74の巻始め端部82Eと第1巻線72の巻終わり端部82D同士を接続する接続部を有している。第6パワー入力線82W4-U1は、後述する結線工程によって、第1巻線72の巻始め端部82Cと第2巻線74の巻終わり端部82F同士を接続する接続部を有している。
【0385】
また、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3及び、第6渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。
【0386】
第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、隣り合うティース部54の間から導出されている。また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第3パワー入力線82W2-U3は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと、第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する第1接続部92を有し、第6パワー入力線82W4-U1は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと、第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する第2接続部94を有している。
【0387】
また、第6実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回される。
【0388】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共にティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0389】
(巻線整形工程、結線工程及び組立工程)
第6実施形態において、巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第5実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第6実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。以上の要領で製造された回転電機10の構成は、一つの接続部90(図17参照)の代わりに、第1接続部92及び第2接続部94が形成される以外は、第5実施形態と同様である。
【0390】
(作用及び効果)
以上説明した第6実施形態において、第5実施形態と同様の構成及び方法については、第5実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0391】
図25に示されるように、第6実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、第1ノズル122及び第2ノズル124がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に第1巻線72及び第2巻線74を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0392】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第6実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0393】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、複数の渡り線84は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。したがって、軸方向他方側Z1のスペースを最小化することができる。
【0394】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。したがって、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保される一方で、パワー入力線の両端間の間隔が狭められているので、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0395】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0396】
この第6実施形態では、第1ノズル122及び第2ノズル124を用い、ダブルノズル方式で2本の連続線である第1巻線72及び第2巻線74が複数のティース部54に順に巻回される。したがって、上述の第5実施形態のように、一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される場合に比して、巻線巻回工程の工数を半分にすることができる。これにより、工程時間を短縮できるので、製造コストを抑えることができる。
【0397】
(変形例)
続いて、第6実施形態の変形例を説明する。
【0398】
第6実施形態に係るステータ20は、mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、m=2及びn=2とされているが、第6実施形態に係るステータ20の製造方法は、nを2の倍数とし、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が6の倍数であり12以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、12(m=2及びn=2)、18(m=3及びn=2)、24(m=4及びn=2又はm=2及びn=4)、30(m=5及びn=2)、36(m=2及びn=6、m=3及びn=4、又はm=6及びn=2)・・・が例として挙げられる。
【0399】
また、本実施形態に係る巻線装置は、ダブルノズル方式に限定しない。例えば、ダブルフライヤ方式とされていてもよい。
【0400】
図26に示されるように、仮連結成形ランナ106は、次のように変更されてもよい。すなわち、仮連結成形ランナ108は、複数の分割コア56におけるティース部54の反対の面から延出すると共に、それぞれ概略円環形状に接続される。この場合には、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に並んだ状態とされる。また第1巻線72は、上述した巻線巻回工程を円環状に並んだいずれか一の分割コア56から、一の分割コア56に対して仮連結成形ランナ108の周方向一方側R1に位置する分割コア56に第1ノズル122が移動して実施することによってそれぞれの分割コア56に巻回される。また第2巻線74は、上述した巻線巻回工程を円環状に並んだいずれか一の分割コア56から、仮連結成形ランナ108に対して周方向に180°離れた箇所に位置する分割コア56から、第1巻線72と同様に仮連結成形ランナ108の周方向一方側R1に位置する分割コア56に第2ノズル124が移動して実施することによってそれぞれの分割コア56に巻回される。
【0401】
この場合、第1実施形態の変形例と同様に、コア50に巻線70が巻回された後、複数のティース部54の先端部がコア50の内周側に位置するようになるように反転される。
【0402】
また、第6実施形態においても、第4実施形態の変形例と同様に、図22に示されるように、仮連結成形ランナ106は、平面視で概略楕円形状を成す治具104と変更され、第1ノズル122及び第2ノズル124は、第1フライヤ112及び第2フライヤ114と変更されたダブルフライヤ方式としてもよい。この場合の巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第4実施形態の変形例と同様である。
【0403】
コア50の反転が行われた後は、上述した巻線整形工程以降の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0404】
なお、第6実施形態においても、第4実施形態と同様の構成及び方法については、第4実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0405】
なお、第6実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に第1巻線72及び第2巻線74を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0406】
[回転電機の製造方法の第7実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第7実施形態を説明する。
【0407】
回転電機10の製造方法の第7実施形態において、コアセット工程は、上述の回転電機10の製造方法の第4実施形態と同様である。一方、回転電機10の製造方法の第7実施形態では、上述の回転電機10の製造方法の第4実施形態に対し、次のように変更されている。
【0408】
(巻線の結線構成)
図27は、第7実施形態におけるコアセット工程を示す図である。図27に示されるように、第7実施形態におけるコアセット工程では、一例として、複数の分割コア56は、インシュレータ62と一体に成形された仮連結成形ランナ106によって保持される。仮連結成形ランナ106は、複数の分割コア56におけるティース部54と反対の面から延出すると共に、それぞれが概略直線上に接続される。このとき、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部が直線上に並んで連結された状態とされる。
【0409】
第7実施形態では、三つのノズル120、すなわち第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126が用いられる。第1ノズル122は、仮連結成形ランナ106の一の端部に配置された分割コア56に対向して配置されている。後述するように、複数のティース部54に巻線70が順に巻回されるときには、この第1ノズル122が仮連結成形ランナ106に装着された複数のティース部54に順に対向するように移動する。
【0410】
また、第2ノズル124は、仮連結成形ランナ106の一の端部に配置された分割コア56から、分割コア56の総数の1/3の数だけ離れた分割コア56に対向して配置されている。第1ノズル122と同様に、後述するように、複数のティース部54に巻線70が順に巻回されるときには、この第2ノズル124が仮連結成形ランナ106に装着された複数のティース部54に順に対向するように移動する。
【0411】
また、第3ノズル126は、仮連結成形ランナ106の一の端部に配置された分割コア56から、分割コア56の総数の2/3の数だけ離れた分割コア56に対向して配置されている。第1ノズル122と同様に、後述するように、複数のティース部54に巻線70が順に巻回されるときには、この第3ノズル126が仮連結成形ランナ106に装着された複数のティース部54に順に対向するように移動する。
【0412】
回転電機10の製造方法の第7実施形態では、mを2以上の自然数とし、nを自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、複数のコイル部78は、2直列3並列方式でデルタ結線されている。すなわち、回転電機10の製造方法の第7実施形態では、m=2及びn=3であり、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、18とされている。
【0413】
2直列3並列方式でデルタ結線された複数のコイル部78の結線構成を具体的に説明すると、同相の6つのコイル部78は、2つ(m=2)ずつ直列に接続されて3列(n=3)のコイル列78Aを形成されている。また、この同相の6つのコイル部78からなる3組のコイル群80は、デルタ形(三角形)に接続されている。
【0414】
(巻線巻回工程)
図27に示されるように、第7実施形態における巻線巻回工程では、トリプルノズル方式で3本の連続線である第1巻線72、第2巻線74、及び第3巻線76が複数のティース部54に順に巻回される。図28は、第7実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表7は、第7実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0415】
以下の各工程の説明では、図中のU1~W6の表記に対応して、18個のティース部54をコア50の周方向一方側R1へ順に以下のように称する。
(1)第1ティース部54U1
(2)第2ティース部54V1
(3)第3ティース部54W1
(4)第4ティース部54U2
(5)第5ティース部54V2
(6)第6ティース部54W2
(7)第7ティース部54U3
(8)第8ティース部54V3
(9)第9ティース部54W3
(10)第10ティース部54U4
(11)第11ティース部54V4
(12)第12ティース部54W4
(13)第13ティース部54U5
(14)第14ティース部54V5
(15)第15ティース部54W5
(16)第16ティース部54U6
(17)第17ティース部54V6
(18)第18ティース部54W6
【0416】
また、第1ティース部54U1~第18ティース部54W6にそれぞれ巻回される18個のコイル部78を以下のように称する。
(1)第1コイル部78U1
(2)第2コイル部78V1
(3)第3コイル部78W1
(4)第4コイル部78U2
(5)第5コイル部78V2
(6)第6コイル部78W2
(7)第7コイル部78U3
(8)第8コイル部78V3
(9)第9コイル部78W3
(10)第10コイル部78U4
(11)第11コイル部78V4
(12)第12コイル部78W4
(13)第13コイル部78U5
(14)第14コイル部78V5
(15)第15コイル部78W5
(16)第16コイル部78U6
(17)第17コイル部78V6
(18)第18コイル部78W6
【0417】
さらに、巻線70は、異相のコイル部78同士を接続する9本のパワー入力線82を有する。9本のパワー入力線82は、後述する結線工程において接続される第1結線部C1~第3結線部A1をそれぞれ有する。以下の各工程の説明では、図中のU1~W6の表記に対応して、3本のパワー入力線82をコア50の周方向一方側R1へ順に以下のように称する。
(1)第1パワー入力線82V1-W1
(2)第2パワー入力線82U2-V2
(3)第3パワー入力線82W2-U3
(4)第4パワー入力線82V3-W3
(5)第5パワー入力線82U4-V4
(6)第6パワー入力線82W4-U5
(7)第7パワー入力線82V5-W5
(8)第8パワー入力線82U6-V6
(9)第9パワー入力線82W6-U1
【0418】
また、巻線70は、同相のコイル部78同士を接続する9本の渡り線84を有する。以下の各工程の説明では、図中のU1~W6の表記に対応して、9本の渡り線84をコア50の周方向一方側R1へ順に以下のように称する。
(1)第1渡り線84U1-U2
(2)第2渡り線84V2-V1
(3)第3渡り線84W1-W2
(4)第4渡り線84U3-U4
(5)第5渡り線84V4-V3
(6)第6渡り線84W3-W4
(7)第7渡り線84U5-U6
(8)第8渡り線84V6-V5
(9)第9渡り線84W5-W6
【0419】
また、渡り線84のうち、第1渡り線84U1-U2、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第6渡り線84W3-W4、第7渡り線84U5-U6及び第9渡り線84W5-W6は、本発明における「第一方向渡り線」に相当し、第2渡り線84V2-V1、第5渡り線84V4-V3及び、第8渡り線84V6-V5は、本発明における「第二方向渡り線」に相当する。
【0420】
(巻線の構成)
第7実施形態における巻線巻回工程では、巻線70が、次の第1ステップ~第4ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~4は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0421】
(第1ステップ-1)
第1ステップでは、第1ノズル122によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0422】
その後、第1巻線72は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0423】
(第1ステップ-2)
同様に、第1ステップでは、第2ノズル124によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0424】
その後、第2巻線74は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に亘って配線され、第4渡り線84U3-U4が形成される。
【0425】
(第1ステップ-3)
同様に、第1ステップでは、第3ノズル126によって、第3巻線76がコア50の軸方向一方側Z2から第13ティース部54U5に、軸方向からみて時計回りに整数のターン数で巻回されて第13コイル部78U5が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0426】
その後、第3巻線76は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第16コイル部54U6に渡って配線され、第7渡り線84U5-U6が形成される。
【0427】
(第2ステップ-1)
第2ステップでは、第1ノズル122によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第4ティース部54U2に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0428】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第5コイル部54V2に渡って第2パワー入力線82U2-V2は、連続線によって形成される。
【0429】
(第2ステップ-2)
同様に、第2ステップでは、第2ノズル124によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0430】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第11コイル部54V4に渡って第5パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0431】
(第2ステップ-3)
同様に、第2ステップでは、第3ノズル126によって、第3巻線76がコア50の軸方向一方側Z2から第16ティース部54U6に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第16コイル部78U6が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0432】
その後、第3巻線76はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第17コイル部54V6に渡って第8パワー入力線82U6-V6は、連続線によって形成される。
【0433】
(第3ステップ-1)
第3ステップでは、第1ノズル122によって第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0434】
その後、第1巻線72は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0435】
(第3ステップ-2)
同様に、第3ステップでは、第2ノズル124によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0436】
その後、第2巻線74は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第5渡り線84V4-V3が形成される。
【0437】
(第3ステップ-3)
同様に、第3ステップでは、第3ノズル126によって、第3巻線76がコア50の軸方向一方側Z2から第17ティース部54V6に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第17コイル部78V6が形成される。
【0438】
その後、第3巻線76は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第14コイル部54V5に渡って配線され、第8渡り線84V6-V5が形成される。
【0439】
(第4ステップ-1)
第4ステップでは、第1ノズル122によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0440】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第3コイル部54W1に渡って第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0441】
(第4ステップ-2)
同様に、第4ステップでは、第2ノズル124によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0442】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第9コイル部54W3に渡って第4パワー入力線82V3-W3は、連続線によって形成される。
【0443】
(第4ステップ-3)
同様に、第4ステップでは、第3ノズル126によって、第3巻線76がコア50の軸方向一方側Z2から第14ティース部54V5に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第14コイル部78V5が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0444】
その後、第3巻線76はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第15コイル部54W5に渡って第7パワー入力線82V5-W5は、連続線によって形成される。
【0445】
(第5ステップ-1)
第5ステップでは、第1ノズル122によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0446】
その後、第1巻線72は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0447】
(第5ステップ-2)
同様に、第5ステップでは、第2ノズル124によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0448】
その後、第2巻線74は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第6渡り線84W3-W4が形成される。
【0449】
(第5ステップ-3)
同様に、第5ステップでは、第3ノズル126によって、第3巻線76がコア50の軸方向一方側Z2から第15ティース部54W5に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第15コイル部78W5が形成される。
【0450】
その後、第3巻線76は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第18コイル部54W6に渡って配線され、第9渡り線84W5-W6が形成される。
【0451】
(第6ステップ-1)
第6ステップでは、第1ノズル122によって、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第6ティース部54W2に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0452】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第2巻線74の巻始め端部82Eに渡って配線され、後述する結線工程によって第1接続部92が形成され、第3パワー入力線82W2-U3が形成される。
【0453】
(第6ステップ-2)
同様に、第6ステップでは、第2ノズル124によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第12ティース部54W4に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0454】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第3巻線76の巻始め端部82Gに渡って配線され、後述する結線工程によって第2接続部94が形成され、第6パワー入力線82W4-U5が形成される。
【0455】
(第6ステップ-3)
同様に、第6ステップでは、第3ノズル126によって、第3巻線76がコア50の軸方向一方側Z2から第18ティース部54W6に、軸方向から見て時計回りに整数のターン数で巻回されて第18コイル部78W6が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0456】
その後、第3巻線76はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第1巻線72の巻始め端部82Cに渡って配線され、後述する結線工程によって第3接続部96が形成され、第9パワー入力線82W6-U1が形成される。
【0457】
そして、第1接続部92、第2接続部94及び第3接続部96が形成されることにより、この第1巻線72、第2巻線74及び第3巻線76によって1本の繋がった巻線70が形成される。
【0458】
【表7】
【0459】
第7実施形態では、以上の要領で、2直列3並列方式のデルタ結線が形成される。図29は、第7実施形態における巻線巻回工程によって接続された複数のコイル部78の接続構成図であり、図27に示されるように、第7実施形態における巻線巻回工程によってコア50に巻線70が巻回される。
【0460】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0461】
第1巻線72、第2巻線74及び第3巻線76は、それぞれ1本の連続線によって構成されており、複数のパワー入力線82のうちいずれかのパワー入力線82は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する接続部を有し、いずれかのパワー入力線82は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと第3巻線74の巻始め端部82G同士を接続する接続部を有し、いずれかのパワー入力線82は、第3巻線76の巻終わり端部82Hと第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する接続部を有する。複数のパワー入力線82は、1本ずつ結線端子98に接続されている。
【0462】
図28図29に示されるように、第1パワー入力線82V1-W1は、第2コイル部78V1の終端と第3コイル部78W1の始端とを接続しており、第2パワー入力線82U2-V2は、第4コイル部78U2の終端と第5コイル部78V2の始端とを接続しており、第3パワー入力線82W2-U3は、第6コイル部78W2の終端と第7コイル部78U3の始端とを接続しており、第4パワー入力線82V3-W3は、第8コイル部78V3の終端と第9コイル部78W3の始端とを接続しており、第5パワー入力線82U4-V4は、第10コイル部78U4の終端と第11コイル部78V4の始端とを接続しており、第6パワー入力線82W4-U5は、第12コイル部78W4の終端と第13コイル部78U5の始端とを接続しており、第7パワー入力線82V5-W5は、第14コイル部78V5の終端と第15コイル部78W5の始端とを接続しており、第8パワー入力線82U6-V6は、第16コイル部78U6の終端と第17コイル部78V6の始端とを接続しており、第9パワー入力線82W6-U1は、第18コイル部78W6の終端と第1コイル部78U1の始端とを接続している。
【0463】
第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4、第6パワー入力線82W4-U5、第7パワー入力線82V5-W5、第8パワー入力線82U6-V6及び、第9パワー入力線82W6-U1は、連続的に配線されている。また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4、第6パワー入力線82W4-U5、第7パワー入力線82V5-W5、第8パワー入力線82U6-V6及び、第9パワー入力線82W6-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第3パワー入力線82W2-U3、第6パワー入力線82W4-U5及び第9パワー入力線82W6-U1は、巻線70の端部同士を接続する接続部を有している。第3パワー入力線82W2-U3は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと、第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する第1接続部92を有し、第6パワー入力線82W4-U5は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと、第3巻線76の巻始め端部82G同士を接続する第2接続部94を有し、第9パワー入力線82W6-U1は、第3巻線76の巻終わり端部82Hと、第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する第3接続部96を有している。
【0464】
第1渡り線84U1-U2は、第1コイル部78U1の終端と第4コイル部78U2の始端とを接続しており、第2渡り線84V2-V1は、第5コイル部78V2の終端と第2コイル部78V1の始端とを接続しており、第3渡り線84W1-W2は、第3コイル部78W1の終端と第6コイル部78W2の始端とを接続しており、第4渡り線84U3-U4は、第7コイル部78U3の終端と第10コイル部78U4の始端とを接続しており、第5渡り線84V4-V3は、第11コイル部78V4の終端と第8コイル部78V3の始端とを接続しており、第6渡り線84W3-W4は、第9コイル部78W3の終端と第12コイル部78W4の始端とを接続しており、第7渡り線84U5-U6は、第13コイル部78U5の終端と第16コイル部78U6の始端とを接続しており、第8渡り線84V6-V5は、第17コイル部78V6の終端と第14コイル部78V5の始端とを接続しており、第9渡り線84W5-W6は、第15コイル部78W5の終端と第18コイル部78W6の始端とを接続している。
【0465】
第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3、第6渡り線84W3-W4、第7渡り線84U5-U6、第8渡り線84V6-V5及び、第9渡り線84W5-W6は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。
【0466】
また、第7実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U6と、W相のコイル部W1~W6は、コア50の周方向一方側R1に第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V6は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126が移動して巻回される。
【0467】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0468】
(巻線整形工程)
第7実施形態において、複数の結線端子98は、第1実施形態に対して第1結線端子98C、第2結線端子98B、第3結線端子98A、第4結線端子98C2、第5結線端子98B2、第6結線端子98A2、第7結線端子98C3、第8結線端子98B3及び、第9結線端子98A3と変更されている。第1結線端子98Cは、第2コイル部78V1と第3コイル部78W1との間に配置されており、第2結線端子98Bは、第4コイル部78U2と第5コイル部78V2との間に配置されており、第3結線端子98Aは、第6コイル部78W2と第7コイル部78U3との間に配置されており、第4結線端子98C2は、第8コイル部78V3と第9コイル部78W3との間に配置されており、第5結線端子98B2は、第10コイル部78U4と第11コイル部78V4との間に配置されており、第6結線端子98A2は、第12コイル部78W4と第13コイル部78U5との間に配置されており、第7結線端子98C3は、第14コイル部78V5と第15コイル部78W5との間に配置されており、第8結線端子98B3は、第16コイル部78U6と第17コイル部78V6との間に配置されており、第9結線端子98A3は、第1コイル部78U1と第18コイル部78W6との間に配置されている。
【0469】
巻線整形工程では第1実施形態と同様に、第1パワー入力線82V1-W1の第1結線部C1が第1結線端子98Cに移動するように、第1パワー入力線82V1-W1が整形される。第1結線端子98Cは例えばフック形状であり、第1結線端子98Cに第1結線部C1が係止される。
【0470】
同様に、第2パワー入力線82U2-V2の第2結線部B1が第2結線端子98Bに移動するように、第2パワー入力線82U2-V2が整形される。第2結線端子98Bは例えばフック形状であり、第2結線端子98Bに第2結線部B1が係止される。
【0471】
同様に、第3パワー入力線82W2-U3の第3結線部A2が第3結線端子98Aに移動するように、第3パワー入力線82W2-U3が整形される。第3結線端子98Aは例えばフック形状であり、第3結線端子98Aに第3結線部A1が係止される。
【0472】
同様に、第4パワー入力線82V3-W3の第4結線部C2が第4結線端子98C2に移動するように、第4パワー入力線82V3-W3が整形される。第4結線端子98C2は例えばフック形状であり、第4結線端子98C2に第4結線部C2が係止される。
【0473】
同様に、第5パワー入力線82U4-V4の第5結線部B2が第5結線端子98B2に移動するように、第5パワー入力線82U4-V4が整形される。第5結線端子98B2は例えばフック形状であり、第5結線端子98B2に第5結線部B2が係止される。
【0474】
同様に、第6パワー入力線82W4-U5の第6結線部A3が第6結線端子98A2に移動するように、第6パワー入力線82W4-U5が整形される。第6結線端子98A2は例えばフック形状であり、第6結線端子98A2に第6結線部A2が係止される。
【0475】
同様に、第7パワー入力線82V5-W5の第7結線部C3が第7結線端子98C3に移動するように、第7パワー入力線82V5-W5が整形される。第7結線端子98C3は例えばフック形状であり、第7結線端子98C3に第7結線部C3が係止される。
【0476】
同様に、第8パワー入力線82U6-V6の第8結線部B3が第8結線端子98B3に移動するように、第8パワー入力線82U6-V6が整形される。第8結線端子98B3は例えばフック形状であり、第8結線端子98B3に第8結線部B3が係止される。
【0477】
同様に、第9パワー入力線82W6-U1の第9結線部A1が第9結線端子98A3に移動するように、第9パワー入力線82W6-U1が整形される。第9結線端子98A3は例えばフック形状であり、第9結線端子98A3に第9結線部A3が係止される。
【0478】
(結線工程)
結線工程では、第1結線端子98Cと第1結線部C1とが例えばヒュージング加工により接続される。同様に、第2結線端子98Bと第2結線部B1とが例えばヒュージング加工により接続され、第3結線端子98Aと第3結線部A1とが例えばヒュージング加工により接続され、第4結線端子98C2と第4結線部C2とが例えばヒュージング加工により接続され、第5結線端子98B2と第5結線部B2とが例えばヒュージング加工により接続され、第6結線端子98A2と第6結線部A2とが例えばヒュージング加工により接続され、第7結線端子98C3と第7結線部C3とが例えばヒュージング加工により接続され、第8結線端子98B3と第8結線部B3とが例えばヒュージング加工により接続され、第9結線端子98A3と第9結線部A3とが例えばヒュージング加工により接続される。このように、結線工程では、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4、第7パワー入力線82V5-W5及び第9パワー入力線82W6-U1が1本ずつ第1結線端子98C、第2結線端子98B、第4結線端子98C2、第5結線端子98B2、第7結線端子98C3及び第8結線端子98B3に接続され、第2巻線74の巻始め端部82E及び第1巻線72の巻終わり端部82Dがそれぞれ第3結線端子98Aに接続され、第3巻線76の巻始め端部82G及び第2巻線74の巻終わり端部82Fがそれぞれ第6結線端子98A2に接続され、第1巻線72の巻始め端部82C及び第3巻線76の巻終わり端部82Hがそれぞれ第9結線端子98A3に接続される。
【0479】
第1実施形態と同様に、第1結線端子98Cには、第1パワー入力線82V1-W1の第1結線部C1が係止され、ヒュージング加工により第1パワー入力線82V1-W1が接続される。同様に、第2パワー入力線82U2-V2、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4、第7パワー入力線82V5-W5及び第8パワー入力線82U6-V6もそれぞれ接続される。
【0480】
また、第1実施形態と同様に、第3結線端子98Aには、第2巻線74の巻始め端部82E及び第1巻線72の巻終わり端部82Dが係止され、ヒュージング加工により接続部が形成される。これによって第3パワー入力線82W2-U3が形成される。同様に、第6結線端子98A2には、第3巻線76の巻始め端部82G及び第2巻線74の巻終わり端部82Fが係止され、ヒュージング加工により接続部が形成される。これによって第6パワー入力線82W4-U5が形成される。同様に、第9結線端子98A3には、第1巻線72の巻始め端部82C及び第3巻線76の巻終わり端部82Hが係止され、ヒュージング加工により接続部が形成される。これによって第9パワー入力線82W6-U1が形成される。
【0481】
(組立工程)
第7実施形態において、組立工程は、第4実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第7実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0482】
(作用及び効果)
以上説明した第7実施形態において、第4実施形態と同様の構成及び方法については、第4実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0483】
図28に示されるように、第7実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に第1巻線72、第2巻線74、及び第3巻線76を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0484】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、複数の渡り線84は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。したがって、軸方向他方側Z1のスペースを最小化することができる。
【0485】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第7実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0486】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0487】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0488】
この第7実施形態では、一例として、第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126を用い、トリプルノズル方式で3本の連続線である第1巻線72、第2巻線74及び第3巻線76が複数のティース部54に順に巻回される。したがって、上述の第3実施形態のように、一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される場合に比して、巻線巻回工程の工数を1/3にすることができる。これにより、工程時間を短縮できるので、製造コストを抑えることができる。
【0489】
(変形例)
続いて、第7実施形態の変形例を説明する。
【0490】
第7実施形態に係るステータ20は、mを2以上の自然数とした場合にm直列n並列方式でデルタ結線される一例として、m=2及びn=3とされているが、第7実施形態に係るステータ20の製造方法は、nを3の倍数とし、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が9の倍数であり18以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、18(m=2及びn=3)、27(m=3及びn=3)、36(m=2及びn=6、又はm=4及びn=3)、45(又はm=5及びn=3)・・・が例として挙げられる。
【0491】
図30に示されるように、仮連結成形ランナ106は、次のように変更されてもよい。すなわち、仮連結成形ランナ108は、複数の分割コア56におけるティース部54の反対の面から延出すると共に、それぞれ概略円環形状に接続される。この場合には、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に並んだ状態とされる。
【0492】
この場合、第1巻線72は、上述した巻線巻回工程を円環状に並んだいずれか一の分割コア56から、一の分割コア56に対して仮連結成形ランナ108の周方向一方側R1に位置する分割コア56に第1ノズル122が移動して実施することによってそれぞれの分割コア56に巻回される。また、第2巻線74は、上述した巻線巻回工程を円環状に並んだいずれか一の分割コア56から、仮連結成形ランナ108に対して周方向に120°離れた箇所に位置する分割コア56から、第1巻線72と同様に仮連結成形ランナ108の周方向一方側R1に位置する分割コア56に第2ノズル124が移動して実施することによってそれぞれの分割コア56に巻回される。また、第3巻線76は、上述した巻線巻回工程を円環状に並んだいずれか一の分割コア56から、仮連結成形ランナ108に対して周方向に240°離れた箇所に位置する分割コア56から、第1巻線72と同様に仮連結成形ランナ108の周方向一方側R1に位置する分割コア56に第3ノズル126が移動して実施することによってそれぞれの分割コア56に巻回される。
【0493】
この場合、第1実施形態の変形例と同様に、コア50に巻線70が巻回された後、複数のティース部54の先端部がコア50の内周側に位置するようになるように反転される。
【0494】
なお、本変形例は、トリプルノズル方式に限定しない。第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126に変えて第1フライヤ112、第2フライヤ114及び第3フライヤ116とし、第1フライヤ112、第2フライヤ114及び第3フライヤ116が移動して実施することによってコア50に巻回してもよい。
【0495】
さらに、図31に示されるように、仮連結成形ランナ106は、平面視で概略三角形状を成す治具100と変更され、第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126は、第1フライヤ112、第2フライヤ114及び第3フライヤ116と変更されたトリプルフライヤ方式とされていてもよい。この場合には、複数の分割コア56は、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に連結された状態とされる。これにより第1巻線72は、第1フライヤ112によって、上述した巻線巻回工程を治具100の一の角部102に位置する分割コア56から周方向に実施することによってコア50に巻回される。同様に第2巻線74及び第3巻線76は、第2フライヤ114及び第3フライヤ116によって、上述した巻線巻回工程を治具100の残余の角部102に位置する分割コア56から周方向に実施することによってそれぞれの分割コア56に巻回される。
【0496】
この場合、第1実施形態の変形例と同様に、図12に示されるように、巻線巻回工程後、コア50が反転された状態となる。そして、コア50は、図12に示されるように、複数のティース部54の先端部がコア50の外周側に位置するように環状に連結された状態から、図13に示されるように帯状の状態を経て、複数のティース部54の先端部がコア50の内周側に位置するように環状に連結された状態(図7参照)になるようにコア50の反転が行われる。
【0497】
コア50の反転が行われた後は、上述した巻線整形工程以降の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0498】
また、第7実施形態において、複数の結線端子98は、第1実施形態に対して第1結線端子98C~第9結線端子98A3と変更されているが、第1実施形態と同様に第1結線端子98C~第3結線端子98Aとしてもよい。その場合、第4結線部C2~第9結線部A3は、第1結線部C1~第3結線部A1と共に第1結線端子98C~第3結線端子98Aにそれぞれ結線される。
【0499】
なお、第7実施形態においても、第4実施形態と同様の構成及び方法については、第4実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0500】
なお、第7実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V6は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U6又はW相のコイル部W1~W6がコア50の周方向他方側R2に第1ノズル122、第2ノズル124及び第3ノズル126が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に第1巻線72、第2巻線74、及び第3巻線76を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0501】
[回転電機の製造方法の第8実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第8実施形態を説明する。
【0502】
回転電機10の製造方法の第8実施形態において、コアセット工程は、上述の回転電機10の製造方法の第1実施形態と同様である。一方、回転電機10の製造方法の第8実施形態では、上述の回転電機10の製造方法の第1実施形態に対し、次のように変更されている。
【0503】
(巻線の結線構成)
回転電機10の製造方法の第8実施形態では、kを偶数とし、nを自然数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線される一例として、複数のコイル部78は、4直列方式でデルタ結線されている。すなわち、回転電機10の製造方法の第8実施形態では、k=4及びn=1であり、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12とされている。
【0504】
4直列方式でデルタ結線された複数のコイル部78の結線構成を具体的に説明すると、同相の4つのコイル部78は、4つ(k=4)ずつ直列に接続されて1列のコイル列78Aを形成されている。また、この同相の4つのコイル部78からなる3組のコイル群80は、デルタ形(三角形)に接続されている。
【0505】
(巻線巻回工程)
なお、第8実施形態における巻線巻回工程では、第1実施形態と同様に、一例として一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される。図32は、第8実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表8は、第8実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0506】
第8実施形態における巻線巻回工程では、巻線70が、次の第1ステップ~第12ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~12は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0507】
(第1ステップ)
第1ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0508】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0509】
(第2ステップ)
第2ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第4ティース部54U2に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0510】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第7コイル部54U3に渡って配線され、第4渡り線84U2-U3が形成される。
【0511】
(第3ステップ)
第3ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0512】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第7渡り線84U3-U4が形成される。
【0513】
(第4ステップ)
第4ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第10ティース部54U4に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0514】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4と第11ティース部54V4との間に戻され第11コイル部54V4に渡って配線され、第2パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0515】
(第5ステップ)
第5ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0516】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第8渡り線84V4-V3が形成される。
【0517】
(第6ステップ)
第6ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第8ティース部54V3に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0518】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第5コイル部54V2に渡って配線され、第5渡り線84V3-V2が形成される。
【0519】
(第7ステップ)
第7ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0520】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0521】
(第8ステップ)
第8ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第2ティース部54V1に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0522】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1と第3ティース部54W1との間に戻され第3コイル部54W1に渡って配線され、第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0523】
(第9ステップ)
第9ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0524】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0525】
(第10ステップ)
第10ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第6ティース部54W2に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0526】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第9コイル部54W3に渡って配線され、第6渡り線84W2-W3が形成される。
【0527】
(第11ステップ)
第11ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0528】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第9渡り線84W3-W4が形成される。
【0529】
(第12ステップ)
第12ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第12ティース部54W4に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0530】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2において巻線70の巻始め端部82Aに渡って配線され、結線工程によって、第3パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0531】
【表8】
【0532】
第8実施形態では、以上の要領で、4直列方式のデルタ結線が形成される。
【0533】
また、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第7渡り線84U3-U4、第8渡り線84V4-V3及び、第9渡り線84W3-W4は、本発明における「一部の渡り線」に相当し、第4渡り線84U2-U3、第5渡り線84V3-V2及び、第6渡り線84W2-W3は、本発明における「残余の渡り線」に相当する。
【0534】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0535】
図32に示されるように、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U4-V4及び、第3パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1及び、第3渡り線84W1-W2、第7渡り線84U3-U4、第8渡り線84V4-V3及び、第9渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。また、第4渡り線84U2-U3、第5渡り線84V3-V2及び、第6渡り線84W2-W3は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。
【0536】
また、第8実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1にノズル120が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回される。
【0537】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0538】
(巻線整形工程、結線工程及び組立工程)
第8実施形態において、巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第1実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第8実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0539】
(作用及び効果)
以上説明した第8実施形態において、第1実施形態と同様の構成及び方法については、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0540】
図32に示されるように、第8実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、ノズル120がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0541】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第8実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0542】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置され、複数の渡り線84のうち、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1及び、第3渡り線84W1-W2、第7渡り線84U3-U4、第8渡り線84V4-V3及び、第9渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向他方側Z1に配置され、第4渡り線84U2-U3、第5渡り線84V3-V2及び、第6渡り線84W2-W3は、コア50の軸方向一方側Z2に複数のパワー入力線82と交錯せずに配置されている。したがって、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、巻線整形工程においてパワー入力線82と渡り線84とが絡み合うことを防止することができる。
【0543】
また、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、組立工程において、軸方向一方側Z2及び軸方向他方側Z1で整然と収容することができる。
【0544】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。したがって、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保される一方で、パワー入力線82の両端間の間隔が狭められているので、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0545】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0546】
(変形例)
続いて、第8実施形態の変形例を説明する。
【0547】
第8実施形態に係るステータ20は、kを偶数とし、nを自然数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線される一例として、k=4及びn=1とされているが、第8実施形態に係るステータ20の製造方法は、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が6の倍数であり6以上である全ての3相ブラシレスモータにも適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、6(k=2及びn=1)、12(k=4及びn=1)、18(k=6及びn=1)、24(k=8及びn=1)、30(k=10及びn=1)、36(k=12及びn=1)・・・が例として挙げられる。
【0548】
なお、第8実施形態においても、第1実施形態と同様の構成及び方法については、第1実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0549】
なお、第8実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に第1巻線72及び第2巻線74を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0550】
[回転電機の製造方法の第9実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第9実施形態を説明する。
【0551】
回転電機10の製造方法の第9実施形態において、コアセット工程は、上述の回転電機10の製造方法の第8実施形態と同様である。一方、回転電機10の製造方法の第9実施形態では、上述の回転電機10の製造方法の第8実施形態に対し、巻線巻回工程が次のように変更されている。
【0552】
(巻線巻回工程)
なお、第9実施形態における巻線巻回工程では、第1実施形態と同様に、一例として一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される。図33は、第9実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表9は、第9実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0553】
第9実施形態における巻線巻回工程では、巻線70が、次の第1ステップ~第12ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~12は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0554】
(第1ステップ)
第1ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0555】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0556】
(第2ステップ)
第2ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第4ティース部54U2に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0557】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第7コイル部54U3に渡って配線され、第4渡り線84U2-U3が形成される。
【0558】
(第3ステップ)
第3ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0559】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第7渡り線84U3-U4が形成される。
【0560】
(第4ステップ)
第4ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第10ティース部54U4に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0561】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第11コイル部54V4に渡って第2パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0562】
(第5ステップ)
第5ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0563】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第8渡り線84V4-V3が形成される。
【0564】
(第6ステップ)
第6ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第8ティース部54V3に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0565】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向他方側R2へ第5コイル部54V2に渡って配線され、第5渡り線84V3-V2が形成される。
【0566】
(第7ステップ)
第7ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0567】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0568】
(第8ステップ)
第8ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第2ティース部54V1に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0569】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第3コイル部54W1に渡って第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0570】
(第9ステップ)
第9ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0571】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0572】
(第10ステップ)
第10ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第6ティース部54W2に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0573】
その後、巻線70は軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第9コイル部54W3に渡って配線され、第6渡り線84W2-W3が形成される。
【0574】
(第11ステップ)
第11ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0575】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第9渡り線84W3-W4が形成される。
【0576】
(第12ステップ)
第12ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第12ティース部54W4に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0577】
その後、巻線70はコア50の軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ巻線70の巻始め端部82Aに渡って配線され、後述する結線工程によって接続部90が形成され、第3パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0578】
【表9】
【0579】
第9実施形態では、以上の要領で、4直列方式のデルタ結線が形成される。
【0580】
また、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第7渡り線84U3-U4、第8渡り線84V4-V3及び、第9渡り線84W3-W4は、本発明における「一部の渡り線」に相当し、第4渡り線84U2-U3、第5渡り線84V3-V2及び、第6渡り線84W2-W3は、本発明における「残余の渡り線」に相当する。
【0581】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0582】
図33に示されるように、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U4-V4及び、第3パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W2-W3、第7渡り線84U3-U4、第8渡り線84V4-V3及び、第9渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。また、第4渡り線84U2-U3、第5渡り線84V3-V2及び、第6渡り線84W2-W3は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。
【0583】
また、第9実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1にノズル120が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回される。
【0584】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0585】
(巻線整形工程、結線工程及び組立工程)
第9実施形態において、巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第1実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第9実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0586】
(作用及び効果)
以上説明した第9実施形態において、第1実施形態と同様の構成及び方法については、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0587】
図33に示されるように、第9実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、ノズル120がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0588】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第9実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0589】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置され、複数の渡り線84のうち、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1及び、第3渡り線84W1-W2、第7渡り線84U3-U4、第8渡り線84V4-V3及び、第9渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向他方側Z1に配置され、第4渡り線84U2-U3、第5渡り線84V3-V2及び、第6渡り線84W2-W3は、コア50の軸方向一方側Z2に複数のパワー入力線82と交錯せずに配置されている。したがって、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、巻線整形工程においてパワー入力線82と渡り線84とが絡み合うことを防止することができる。
【0590】
また、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、組立工程において、軸方向一方側Z2及び軸方向他方側Z1で整然と収容することができる。
【0591】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0592】
(変形例)
続いて、第9実施形態の変形例を説明する。
【0593】
第9実施形態に係るステータ20は、kを偶数とし、nを自然数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線される一例として、k=4及びn=1とされているが、第8実施形態に係るステータ20の製造方法は、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が6の倍数であり6以上である全ての3相ブラシレスモータにも適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、6(k=2及びn=1)、12(k=4及びn=1)、18(k=6及びn=1)、24(k=8及びn=1)、30(k=10及びn=1)、36(k=12及びn=1)・・・が例として挙げられる。
【0594】
なお、第9実施形態においても、第8実施形態と同様の構成及び方法については、第8実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0595】
なお、第9実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0596】
[回転電機の製造方法の第10実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第10実施形態を説明する。
【0597】
回転電機10の製造方法の第10実施形態において、コアセット工程は、上述の回転電機10の製造方法の第3実施形態と同様である。一方、回転電機10の製造方法の第10実施形態では、上述の回転電機10の製造方法の第3実施形態に対し、巻線巻回工程が次のように変更されている。
【0598】
(巻線の結線構成)
回転電機10の製造方法の第10実施形態では、kを偶数し、nを自然数とした場合にk直列方式でデルタ結線される一例として、複数のコイル部78は、2直列2並列方式でデルタ結線されている。すなわち、回転電機10の製造方法の第8実施形態では、k=2及びn=2であり、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12とされている。
【0599】
2直列2並列方式でデルタ結線された複数のコイル部78の結線構成を具体的に説明すると、同相の4つのコイル部78は、2つ(k=2)ずつ直列に接続されて2列(n=2)のコイル列78Aを形成されている。また、この同相の4つのコイル部78からなる3組のコイル群80は、デルタ形(三角形)に接続されている。
【0600】
(巻線巻回工程)
第10実施形態における巻線巻回工程では、一例として一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される。図34は、第10実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表10は、第10実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0601】
第10実施形態における巻線巻回工程では、巻線70が、次の第1ステップ~第12ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~12は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0602】
(第1ステップ)
第1ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0603】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0604】
(第2ステップ)
第2ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第4ティース部54U2に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0605】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第4ティース部54U2と第5ティース部54V2との間に戻され第5コイル部54V2に渡って配線され、第2パワー入力線82U2-V2は、連続線によって形成される。
【0606】
(第3ステップ)
第3ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0607】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0608】
(第4ステップ)
第4ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第2ティース部54V1に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0609】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1と第3ティース部54W1との間に戻され第3コイル部54W1に渡って配線され、第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0610】
(第5ステップ)
第5ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0611】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0612】
(第6ステップ)
第6ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第6ティース部54W2に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0613】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第6ティース部54W2と第7ティース部54U3との間に戻され第7コイル部54U3に渡って配線され、第3パワー入力線82W2-U3は、連続線によって形成される。
【0614】
(第7ステップ)
第7ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0615】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第4渡り線84U3-U4が形成される。
【0616】
(第8ステップ)
第8ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第10ティース部54U4に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0617】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4と第11ティース部54V4との間に戻され第11コイル部54V4に渡って配線され、第5パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0618】
(第9ステップ)
第9ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0619】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第5渡り線84V4-V3が形成される。
【0620】
(第10ステップ)
第6ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第8ティース部54V3に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0621】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3と第9ティース部54W3との間に戻され第9コイル部54W3に渡って配線され、第4パワー入力線82V3-W3は、連続線によって形成される。
【0622】
(第11ステップ)
第11ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0623】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第6渡り線84W3-W4が形成される。
【0624】
(第12ステップ)
第12ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第12ティース部54W4に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0625】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2において巻線70の巻始め端部82Aに渡って配線され、結線工程によって、第6パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0626】
【表10】
【0627】
第10実施形態では、以上の要領で、2直列2並列方式のデルタ結線が形成される。
【0628】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0629】
また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3及び、第6渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。
【0630】
また、第10実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1にノズル120が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回される。
【0631】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0632】
(巻線整形工程、結線工程及び組立工程)
第10実施形態において、巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第3実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第10実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0633】
(作用及び効果)
以上説明した第10実施形態において、第3実施形態と同様の構成及び方法については、第3実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0634】
図34に示されるように、第10実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、ノズル120がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0635】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第10実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0636】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置され、複数の渡り線84は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。したがって、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、巻線整形工程においてパワー入力線82と渡り線84とが絡み合うことを防止することができる。
【0637】
また、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、組立工程において、軸方向一方側Z2及び軸方向他方側Z1で整然と収容することができる。
【0638】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。したがって、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保される一方で、パワー入力線82の両端間の間隔が狭められているので、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0639】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0640】
(変形例)
続いて、第10実施形態の変形例を説明する。
【0641】
第10実施形態に係るステータ20は、kを偶数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線される一例として、k=2、n=2とされているが、第10実施形態に係るステータ20の製造方法は、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が6の倍数であり12以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12(k=2及びn=2)、18(k=3及びn=2、又はk=2及びn=3)、24(k=4及びn=2、又はk=2及びn=4)、30(k=5及びn=2、又はk=2及びn=5)、36(k=6及びn=2、k=3及びn=4、k=4及びn=3、又はk=2及びn=6)・・・が例として挙げられる。
【0642】
なお、第10実施形態においても、第3実施形態と同様の構成及び方法については、第3実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0643】
なお、第10実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0644】
[回転電機の製造方法の第11実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第11実施形態を説明する。
【0645】
回転電機10の製造方法の第11実施形態は、上述の回転電機10の製造方法の第10実施形態に対し、巻線巻回工程が次のように変更されている。
【0646】
(巻線巻回工程)
第11実施形態では、一例として、第1ノズル122及び第2ノズル124を用い、ダブルノズル方式で2本の連続線である第1巻線72及び第2巻線74が複数のティース部54に順に巻回される。図35は、第11実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表11は、第11実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0647】
第11実施形態における巻線巻回工程では、第1巻線72及び第2巻線74が、次の第1ステップ~第6ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~6は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0648】
(第1ステップ-1)
第1ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0649】
その後、第1巻線72は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0650】
(第1ステップ-2)
同様に、第1ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0651】
その後、第2巻線74は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第4渡り線84U3-U4が形成される。
【0652】
(第2ステップ-1)
第2ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向他方側Z1から第4ティース部54U2に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0653】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2から第4ティース部54U2と第5ティース部54V2との間に戻され第5コイル部54V2に渡って配線され、第2パワー入力線82U2-V2は、連続線によって形成される。
【0654】
(第2ステップ-2)
同様に、第2ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向他方側Z1から第10ティース部54U4に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0655】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2から第10ティース部54U4と第11ティース部54V4との間に戻され第11コイル部54V4に渡って配線され、第5パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0656】
(第3ステップ-1)
第3ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0657】
その後、第1巻線72は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0658】
(第3ステップ-2)
同様に、第3ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0659】
その後、第2巻線74は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第5渡り線84V4-V3が形成される。
【0660】
(第4ステップ-1)
第4ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向他方側Z1から第2ティース部54V1に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0661】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2から第2ティース部54V1と第3ティース部54W1との間に戻され第3コイル部54W1に渡って配線され、第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0662】
(第4ステップ-2)
同様に、第4ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向他方側Z1から第8ティース部54V3に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0663】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2から第8ティース部54V3と第9ティース部54W3との間に戻され第9コイル部54W3に渡って配線され、第4パワー入力線82V3-W3は、連続線によって形成される。
【0664】
(第5ステップ-1)
第5ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0665】
その後、第1巻線72は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0666】
(第5ステップ-2)
同様に、第5ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0667】
その後、第2巻線74は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第6渡り線84W3-W4が形成される。
【0668】
(第6ステップ-1)
第6ステップでは、第1ノズル122(図24参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向他方側Z1から第6ティース部54W2に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0669】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2においてコア50の軸方向一方側Z2へ導出され、この第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2において第1巻線72の巻終わり端部82Dと第2巻線74の巻始め端部82E同士が接続され、結線工程によって、第3パワー入力線82W2-U3が形成される。
【0670】
(第6ステップ-2)
同様に、第6ステップでは、第2ノズル124(図24参照)によって、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第12ティース部54W4に、軸方向から見て反時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0671】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2においてコア50の軸方向一方側Z2へ導出され、この第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2において第2巻線74の巻終わり端部82Fと第1巻線72の巻始め端部82C同士が接続され、結線工程によって、第6パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0672】
そして、第1接続部92及び第2接続部94が形成されることにより、この第1巻線72及び第2巻線74によって1本の繋がった巻線70が形成される。
【0673】
【表11】
【0674】
第11実施形態では、以上の要領で、2直列2並列方式のデルタ結線が形成される。この第11実施形態における巻線巻回工程によれば、一つの接続部90(図17参照)の代わりに、第1接続部92及び第2接続部94が形成される以外は、第10実施形態と同様に、複数のコイル部78の接続構成が得られる。
【0675】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0676】
第1巻線72及び第2巻線74は、それぞれ1本の連続線によって構成されており、複数のパワー入力線82のうちいずれかのパワー入力線82は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する接続部を有し、いずれかのパワー入力線82は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する接続部を有する。複数のパワー入力線82は、1本ずつ結線端子98に接続されている。
【0677】
また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3及び、第6渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。
【0678】
第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、隣り合うティース部54の間から導出されている。また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第3パワー入力線82W2-U3は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと、第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する第1接続部92を有し、第6パワー入力線82W4-U1は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと、第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する第2接続部94を有している。
【0679】
また、第11実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回される。
【0680】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0681】
(巻線整形工程、結線工程及び組立工程)
第11実施形態において、巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第10実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第11実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。以上の要領で製造された回転電機10の構成は、一つの接続部90(図17参照)の代わりに、第1接続部92及び第2接続部94が形成される以外は、第10実施形態と同様である。
【0682】
(作用及び効果)
以上説明した第11実施形態において、第10実施形態と同様の構成及び方法については、第10実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0683】
図35に示されるように、第11実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、第1ノズル122及び第2ノズル124がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に第1巻線72及び第2巻線74を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0684】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第11実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0685】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置され、複数の渡り線84は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。したがって、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、巻線整形工程においてパワー入力線82と渡り線84とが絡み合うことを防止することができる。
【0686】
また、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、組立工程において、軸方向一方側Z2及び軸方向他方側Z1で整然と収容することができる。
【0687】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、隣り合うティース部54の間から導出されている。したがって、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保される一方で、パワー入力線82の両端間の間隔が狭められているので、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0688】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0689】
この第11実施形態では、第1ノズル122及び第2ノズル124を用い、ダブルノズル方式で2本の連続線である第1巻線72及び第2巻線74が複数のティース部54に順に巻回される。したがって、上述の第10実施形態のように、一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される場合に比して、巻線巻回工程の工数を半分にすることができる。これにより、工程時間を短縮できるので、製造コストを抑えることができる。
【0690】
(変形例)
続いて、第11実施形態の変形例を説明する。
【0691】
第11実施形態に係るステータ20は、kを偶数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線される一例として、k=2、n=2とされているが、第11実施形態に係るステータ20の製造方法は、nを2の倍数とし、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が12の倍数であり12以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12(k=2及びn=2)、24(k=4及びn=2、又はk=2及びn=4)、36(k=6及びn=2、k=3及びn=4、又はk=2及びn=6)、48(k=8及びn=2、k=4及びn=4、又はk=2及びn=8)・・・が例として挙げられる。
【0692】
なお、第11実施形態においても、第10実施形態と同様の構成及び方法については、第10実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0693】
また、第11実施形態においても、第6実施形態の変形例と同様に、図21に示されるように、仮連結成形ランナ106は、複数の分割コア56におけるティース部54の反対の面から延出すると共に、それぞれ概略円環形状に接続される仮連結成形ランナ108と変更されてもよい。この場合の巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第6実施形態の変形例と同様である。
【0694】
また、第11実施形態においても、第6実施形態の変形例と同様に、図22に示されるように、仮連結成形ランナ106は、平面視で概略楕円形状を成す治具104と変更され、第1ノズル122及び第2ノズル124は、第1フライヤ112及び第2フライヤ114と変更されたダブルフライヤ方式としてもよい。この場合の巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第6実施形態の変形例と同様である。
【0695】
なお、第11実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に第1巻線72及び第2巻線74を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0696】
[回転電機の製造方法の第12実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第12実施形態を説明する。
【0697】
回転電機10の製造方法の第12実施形態において、コアセット工程は、上述の回転電機10の製造方法の第3実施形態と同様である。一方、回転電機10の製造方法の第12実施形態では、上述の回転電機10の製造方法の第3実施形態に対し、巻線巻回工程が次のように変更されている。
【0698】
(巻線巻回工程)
なお、第12実施形態における巻線巻回工程では、一例として一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される。図36は、第12実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表12は、第12実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0699】
第12実施形態における巻線巻回工程では、巻線70が、次の第1ステップ~第12ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~12は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0700】
(第1ステップ)
第1ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0701】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0702】
(第2ステップ)
第2ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第4ティース部54U2に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0703】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第5コイル部54V2に渡って第2パワー入力線82U2-V2は、連続線によって形成される。
【0704】
(第3ステップ)
第3ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0705】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0706】
(第4ステップ)
第4ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第2ティース部54V1に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0707】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第3コイル部54W1に渡って第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0708】
(第5ステップ)
第5ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0709】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0710】
(第6ステップ)
第6ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第6ティース部54W2に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0711】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第7コイル部54U3に渡って第3パワー入力線82W2-U3は、連続線によって形成される。
【0712】
(第7ステップ)
第7ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0713】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第4渡り線84U3-U4が形成される。
【0714】
(第8ステップ)
第8ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第10ティース部54U4に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0715】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第11コイル部54V4に渡って第5パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0716】
(第9ステップ)
第9ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0717】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第5渡り線84V4-V3が形成される。
【0718】
(第10ステップ)
第10ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第8ティース部54V3に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0719】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第9コイル部54W3に渡って第4パワー入力線82V3-W3は、連続線によって形成される。
【0720】
(第11ステップ)
第11ステップでは、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0721】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線されて第6渡り線84W3-W4が形成される。
【0722】
(第12ステップ)
第12ステップでは、巻線70がコア50の軸方向他方側Z1から第12ティース部54W4に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0723】
その後、巻線70はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ巻線70の巻始め端部82Aに渡って配線され、後述する結線工程によって接続部90が形成され、第6パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0724】
【表12】
【0725】
第12実施形態では、以上の要領で、2直列2並列方式のデルタ結線が形成される。
【0726】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0727】
また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3及び、第6渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。
【0728】
また、第12実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1にノズル120が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回される。
【0729】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0730】
(巻線整形工程、結線工程及び組立工程)
第12実施形態において、巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第3実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第12実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。
【0731】
(作用及び効果)
以上説明した第12実施形態において、第3実施形態と同様の構成及び方法については、第3実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0732】
図36に示されるように、第12実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、ノズル120がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0733】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第12実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0734】
また、第12実施形態では、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置され、複数の渡り線84は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。したがって、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、巻線整形工程においてパワー入力線82と渡り線84とが絡み合うことを防止することができる。
【0735】
また、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、組立工程において、軸方向一方側Z2及び軸方向他方側Z1で整然と収容することができる。
【0736】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0737】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0738】
(変形例)
続いて、第12実施形態の変形例を説明する。
【0739】
第12実施形態に係るステータ20は、kを偶数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線される一例として、k=2、n=2とされているが、第12実施形態に係るステータ20の製造方法は、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が6の倍数であり12以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12(k=2及びn=2)、18(k=3及びn=2、又はk=2及びn=3)、24(k=4及びn=2、又はk=2及びn=4)、30(k=5及びn=2、又はk=2及びn=5)、36(k=6及びn=2、k=3及びn=4、k=4及びn=3、又はk=2及びn=6)・・・が例として挙げられる。
【0740】
なお、第12実施形態においても、第3実施形態と同様の構成及び方法については、第3実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0741】
なお、第12実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2にノズル120が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に巻線70を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0742】
[回転電機の製造方法の第13実施形態]
次に、本発明の一実施形態に係る回転電機10の製造方法の第13実施形態を説明する。
【0743】
回転電機10の製造方法の第13実施形態は、上述の回転電機10の製造方法の第12実施形態に対し、巻線巻回工程が次のように変更されている。
【0744】
(巻線巻回工程)
第13実施形態では、一例として、第1ノズル122及び第2ノズル124を用い、ダブルノズル方式で2本の連続線である第1巻線72及び第2巻線74が複数のティース部54に順に巻回される。図37は、第13実施形態における巻線巻回工程のダイヤグラムを示す図であり、表13は、第13実施形態における巻線巻回工程の巻線巻回順序を示す工程表である。
【0745】
第13実施形態における巻線巻回工程では、第1巻線72及び第2巻線74が、次の第1ステップ~第6ステップの順に巻回される。図中、丸付き数字1~6は、複数のコイル部78が形成される順番を表している。
【0746】
(第1ステップ-1)
第1ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、巻線70がコア50の軸方向一方側Z2から第1ティース部54U1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第1コイル部78U1が形成される。
【0747】
その後、巻線70は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第4コイル部54U2に渡って配線され、第1渡り線84U1-U2が形成される。
【0748】
(第1ステップ-2)
同様に、第1ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第7ティース部54U3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第7コイル部78U3が形成される。
【0749】
その後、第2巻線74は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第10コイル部54U4に渡って配線され、第4渡り線84U3-U4が形成される。
【0750】
(第2ステップ-1)
第2ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向他方側Z1から第4ティース部54U2に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第4コイル部78U2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0751】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第5コイル部54V2に渡って第2パワー入力線82U2-V2は、連続線によって形成される。
【0752】
(第2ステップ-2)
同様に、第2ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向他方側Z1から第10ティース部54U4に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第10コイル部78U4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0753】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第11コイル部54V4に渡って第5パワー入力線82U4-V4は、連続線によって形成される。
【0754】
(第3ステップ-1)
第3ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第5ティース部54V2に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第5コイル部78V2が形成される。
【0755】
その後、第1巻線72は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第2コイル部54V1に渡って配線され、第2渡り線84V2-V1が形成される。
【0756】
(第3ステップ-2)
同様に、第3ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第11ティース部54V4に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第11コイル部78V4が形成される。
【0757】
その後、第2巻線74は軸方向他方側Z1を周方向他方側R2へ第8コイル部54V3に渡って配線され、第5渡り線84V4-V3が形成される。
【0758】
(第4ステップ-1)
第4ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向他方側Z1から第2ティース部54V1に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第2コイル部78V1が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0759】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第3コイル部54W1に渡って第1パワー入力線82V1-W1は、連続線によって形成される。
【0760】
(第4ステップ-2)
同様に、第4ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向他方側Z1から第8ティース部54V3に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第8コイル部78V3が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0761】
その後、第2巻線74はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ配線され、第9コイル部54W3に渡って第4パワー入力線82V3-W3は、連続線によって形成される。
【0762】
(第5ステップ-1)
第5ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向一方側Z2から第3ティース部54W1に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第3コイル部78W1が形成される。
【0763】
その後、第1巻線72は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第6コイル部54W2に渡って配線され、第3渡り線84W1-W2が形成される。
【0764】
(第5ステップ-2)
同様に、第5ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向一方側Z2から第9ティース部54W3に巻回される。また、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第9コイル部78W3が形成される。
【0765】
その後、第2巻線74は軸方向他方側Z1を周方向一方側R1へ第12コイル部54W4に渡って配線され、第6渡り線84W3-W4が形成される。
【0766】
(第6ステップ-1)
第6ステップでは、第1ノズル122(図18参照)によって、第1巻線72がコア50の軸方向他方側Z1から第6ティース部54W2に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第6コイル部78W2が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0767】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第2巻線74の巻始め端部82Eに渡って配線され、後述する結線工程によって第1接続部92が形成され、第3パワー入力線82W2-U3が形成される。
【0768】
(第6ステップ-2)
同様に、第6ステップでは、第2ノズル124(図18参照)によって、第2巻線74がコア50の軸方向他方側Z1から第12ティース部54W4に、軸方向から見て時計回りに整数+0.5のターン数で巻回されて第12コイル部78W4が形成された後、コア50の軸方向一方側Z2へ導出される。
【0769】
その後、第1巻線72はコア50の軸方向一方側Z2を周方向一方側R1へ第1巻線72の巻始め端部82Cに渡って配線され、後述する結線工程によって第2接続部94が形成され、第6パワー入力線82W4-U1が形成される。
【0770】
そして、第1接続部92及び第2接続部94が形成されることにより、この第1巻線72及び第2巻線74によって1本の繋がった巻線70が形成される。
【0771】
【表13】
【0772】
第13実施形態では、以上の要領で、2直列2並列方式のデルタ結線が形成される。この第13実施形態における巻線巻回工程によれば、一つの接続部90(図17参照)の代わりに、第1接続部92及び第2接続部94が形成される以外は、第12実施形態と同様に、複数のコイル部78の接続構成が得られる。
【0773】
複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。複数の第一方向渡り線のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されており、複数の第二方向渡り線のそれぞれは、2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。
【0774】
第1巻線72及び第2巻線74は、それぞれ1本の連続線によって構成されており、複数のパワー入力線82のうちいずれかのパワー入力線82は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する接続部を有し、いずれかのパワー入力線82は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する接続部を有する。複数のパワー入力線82は、1本ずつ結線端子98に接続されている。
【0775】
また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されており、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3及び、第6渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。
【0776】
第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、連続的に配線されており、第1渡り線84U1-U2、第2渡り線84V2-V1、第3渡り線84W1-W2、第4渡り線84U3-U4、第5渡り線84V4-V3及び、第6渡り線84W3-W4は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。また、第1パワー入力線82V1-W1、第2パワー入力線82U2-V2、第3パワー入力線82W2-U3、第4パワー入力線82V3-W3、第5パワー入力線82U4-V4及び、第6パワー入力線82W4-U1は、コア50の軸方向一方側Z2に配置されている。第3パワー入力線82W2-U3は、第1巻線72の巻終わり端部82Dと、第2巻線74の巻始め端部82E同士を接続する第1接続部92を有し、第6パワー入力線82W4-U1は、第2巻線74の巻終わり端部82Fと、第1巻線72の巻始め端部82C同士を接続する第2接続部94を有している。
【0777】
また、第13実施形態における巻線巻回工程では、複数のコイル部78のうち、U相のコイル部U1~U4と、W相のコイル部W1~W4は、コア50の周方向一方側R1に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回され、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回される。
【0778】
巻線巻回工程後、一例としてそれぞれの分割コア56は、仮連結成形ランナ106から切断されると共に、ティース部54を径方向内方に向けて環状に接続される。
【0779】
(巻線整形工程、結線工程及び組立工程)
第13実施形態において、巻線整形工程、結線工程及び組立工程は、第12実施形態と同様である。そして、回転電機10の製造方法の第13実施形態では、以上の要領で回転電機10(図1参照)が製造される。以上の要領で製造された回転電機10の構成は、一つの接続部90(図17参照)の代わりに、第1接続部92及び第2接続部94が形成される以外は、第12実施形態と同様である。
【0780】
(作用及び効果)
以上説明した第13実施形態において、第12実施形態と同様の構成及び方法については、第12実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0781】
図37に示されるように、第13実施形態における巻線巻回工程では、U相、V相、W相のうち二相のティース部54について、第1ノズル122及び第2ノズル124がコア50の周方向一方側R1に移動して巻回され、U相、V相、W相のうち一相のティース部54について、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されることにより、複数のコイル部78がそれぞれ形成される。この結果、複数のティース部54に第1巻線72及び第2巻線74を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0782】
特に、回転電機10は、複数のティース部54がコア50の径方向内方に向けて延びるインナーロータ型のブラシレスモータであるが、第13実施形態によれば、そのようなインナーロータ型のブラシレスモータの小型高出力化及び低コスト化を実現することができる。
【0783】
また、複数のパワー入力線82は、コア50の軸方向一方側Z2に配置され、複数の渡り線84は、コア50の軸方向他方側Z1に配置されている。したがって、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、巻線整形工程においてパワー入力線82と渡り線84とが絡み合うことを防止することができる。
【0784】
また、複数のパワー入力線82と複数の渡り線84とが互いに交錯しないため、組立工程において、軸方向一方側Z2及び軸方向他方側Z1で整然と収容することができる。
【0785】
また、複数のパワー入力線82のそれぞれは、2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0786】
また、複数の渡り線84のそれぞれは、2個分、又は2×2個分のティース部54を跨いで配線されている。したがって、パワー入力線82の両端間の間隔、及び、渡り線84の両端間の間隔が十分に確保されているので、このことによっても、コイル部78間の渡り線84やパワー入力線82が煩雑に絡み合うことを抑制できる。
【0787】
この第13実施形態では、第1ノズル122及び第2ノズル124を用い、ダブルノズル方式で2本の連続線である第1巻線72及び第2巻線74が複数のティース部54に順に巻回される。したがって、上述の第12実施形態のように、一つのノズル120(図4参照)を用い、シングルノズル方式で1本の連続線である巻線70が複数のティース部54に順に巻回される場合に比して、巻線巻回工程の工数を半分にすることができる。これにより、工程時間を短縮できるので、製造コストを抑えることができる。
【0788】
(変形例)
続いて、第13実施形態の変形例を説明する。
【0789】
第13実施形態に係るステータ20は、kを偶数とした場合にk直列n並列方式でデルタ結線される一例として、k=2、n=2とされているが、第13実施形態に係るステータ20の製造方法は、nを2の倍数とし、スロット、ティース部54及びコイル部78の数が12の倍数であり12以上である全ての3相ブラシレスモータに適用される。例えば、スロット、ティース部54及びコイル部78の数は、12(k=2及びn=2)、24(k=4及びn=2、又はk=2及びn=4)、36(k=6及びn=2、k=3及びn=4、又はk=2及びn=6)、48(k=8及びn=2、k=4及びn=4、又はk=2及びn=8)・・・が例として挙げられる。
【0790】
また、第13実施形態においても、第12実施形態と同様の構成及び方法については、第4実施形態と同様の変形例を採用することができる。
【0791】
なお、第13実施形態に係る巻線巻回工程では、U相、V相及びW相のうち、V相のコイル部V1~V4は、コア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されたが、本実施形態に係る巻回工程は、これに限定されない。例えば、U相のコイル部U1~U4又はW相のコイル部W1~W4がコア50の周方向他方側R2に第1ノズル122及び第2ノズル124が移動して巻回されてもよい。この場合においても複数のティース部54に第1巻線72及び第2巻線74を連続線によって巻回することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。
【0792】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0793】
10…回転電機、16…モータシャフト、18…ロータ、20…ステータ、22…モータハウジング、24…フロントハウジング、26…軸受、28…回路基板、30…ロータ本体、32…ロータマグネット、50…コア、54…ティース部、56…分割コア、60…コア本体、62…インシュレータ、70…巻線、72…第1巻線、74…第2巻線、76…第3巻線、78…コイル部、80…コイル群、82…パワー入力線、84…渡り線、90…接続部、92…第1接続部、94…第2接続部、96…第3接続部、98…結線端子、100…治具、102…角部、104…治具、106…仮連結成形ランナ、108…仮連結成形ランナ、120…ノズル、122…第一ノズル、124…第二ノズル、126…第三ノズル、
54U1…第1ティース部、54U2…第4ティース部、54U3…第7ティース部、54U4…第10ティース部、54U5…第13ティース部、54U6…第16ティース部、54V1…第2ティース部、54V2…第5ティース部、54V3…第8ティース部、54V4…第11ティース部、54V5…第14ティース部、54V6…第17ティース部、54W1…第3ティース部、54W2…第6ティース部、54W3…第9ティース部、54W4…第12ティース部、54W5…第15ティース部、54W6…第18ティース部、
78A…コイル列、78U1…第1コイル部、78U2…第4コイル部、78U3…第7コイル部、78U4…第10コイル部、78U5…第13コイル部、78U6…第16コイル部、78V1…第2コイル部、78V2…第5コイル部、78V3…第8コイル部、78V4…第11コイル部、78V5…第14コイル部、78V6…第17コイル部、78W1…第3コイル部、78W2…第6コイル部、78W3…第9コイル部、78W4…第12コイル部、78W5…第15コイル部、78W6…第18コイル部
82A…巻線巻始め端部、82B…巻線巻終わり端部、82C…第1巻線巻始め端部、82D…第1巻線巻終わり端部、82E…第2巻線巻始め端部、82F…第2巻線巻終わり端部、82G…第3巻線巻始め端部、82H…第3巻線巻終わり端部、82U2-V2…第2パワー入力線、82U4-V4…第2パワー入力線、82U4-V4…第5パワー入力線、82U6-V6…第8パワー入力線、82V1-W1…第1パワー入力線、82V3-W3…第4パワー入力線、82V5-W5…第7パワー入力線、82W2-U3…第3パワー入力線、82W4-U1…第3パワー入力線、82W4-U1…第6パワー入力線、82W4-U5…第6パワー入力線、82W6-U1…第9パワー入力線
84U1-U2…第1渡り線、84U2-U3…第4渡り線、84U3-U4…第4渡り線、84U3-U4…第7渡り線、84U5-U6…第7渡り線、84V2-V1…第2渡り線、84V3-V2…第5渡り線、84V4-V3…第5渡り線、84V4-V3…第8渡り線、84V6-V5…第8渡り線、84W1-W2…第3渡り線、84W2-W3…第6渡り線、84W3-W4…第6渡り線、84W3-W4…第9渡り線、84W5-W6…第9渡り線
98A…第3結線端子、98A2…第6結線端子、98A3…第9結線端子、98B…第2結線端子、98B2…第5結線端子、98B3…第8結線端子、98C…第1結線端子、98C2…第4結線端子、98C3…第7結線端子
A1…第3結線部、A2…第6結線部、A3…第9結線部
B1…第2結線部、B2…第5結線部、B3…第8結線部
C1…第1結線部、C2…第4結線部、C3…第7結線部
R1…周方向一方側、R2…周方向他方側
Z1…軸方向他方側、Z2…軸方向一方側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
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図37