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特許7604949表示制御プログラム、表示制御方法及び表示制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】表示制御プログラム、表示制御方法及び表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 90/00 20060101AFI20241217BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20241217BHJP
【FI】
G06Q90/00 310
G06Q50/26
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021033554
(22)【出願日】2021-03-03
(65)【公開番号】P2022134435
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木幡 駿
(72)【発明者】
【氏名】樋口 博之
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/149703(WO,A1)
【文献】特開2020-204981(JP,A)
【文献】特開2019-177760(JP,A)
【文献】国際公開第2017/022273(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の領域内に位置する複数の施設のそれぞれの上限人数と、前記複数の施設のそれぞれで撮像された画像に基づいて算出された来場者の人数とに基づいて決定される混雑に関する値に応じて、前記複数の施設の優先度を決定し、
決定された優先度に基づいて、前記複数の施設のうち、特定の数の施設を選択し、
選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、地図上の位置と、前記混雑に関する値に応じたアラート情報とを表示する、
処理をコンピュータに実行させ
前記決定する処理は、前記複数の施設ごとに前記施設への前記来場者の人数が前記施設の上限人数で除算された混雑度でソートされた前記複数の施設の並び順のうち、前記混雑度が同値であるか、あるいは前記混雑度の差が閾値以内である施設の組合せが、前記組合せに含まれる施設ごとに前記施設の上限人数から前記施設への前記来場者の人数が減算された空き人数でさらにソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項2】
前記選択する処理は、前記複数の施設のうち前記優先度が上位特定数に該当し、かつ前記混雑に関する値と閾値との比較結果が特定の条件を満たす施設を選択する処理を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御プログラム。
【請求項3】
特定の領域内に位置する複数の施設のそれぞれの上限人数と、前記複数の施設のそれぞれで撮像された画像に基づいて算出された来場者の人数とに基づいて決定される混雑に関する値に応じて、前記複数の施設の優先度を決定し、
決定された優先度に基づいて、前記複数の施設のうち、特定の数の施設を選択し、
選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、地図上の位置と、前記混雑に関する値に応じたアラート情報とを表示する、
処理をコンピュータに実行させ
前記決定する処理は、前記複数の施設ごとに前記施設への前記来場者の人数が前記施設の上限人数で除算された混雑度の変化量でソートされた前記複数の施設の並び順のうち、前記混雑度の変化量が同値であるか、あるいは前記混雑度の変化量の差が閾値以内である施設の組合せが、前記組合せに含まれる施設のそれぞれの前記来場者の人数の変化量でさらにソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項4】
前記選択する処理は、前記複数の施設のうち前記優先度が上位特定数に該当し、かつ前記混雑に関する値と閾値との比較結果が特定の条件を満たす施設を選択する処理を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示制御プログラム。
【請求項5】
特定の領域内に位置する複数の施設のそれぞれの上限人数と、前記複数の施設のそれぞれで撮像された画像に基づいて算出された来場者の人数とに基づいて決定される混雑に関する値に応じて、前記複数の施設の優先度を決定し、
決定された優先度に基づいて、前記複数の施設のうち、特定の数の施設を選択し、
選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、地図上の位置と、前記混雑に関する値に応じたアラート情報とを表示する、
処理をコンピュータが実行し、
前記決定する処理は、前記複数の施設ごとに前記施設への前記来場者の人数が前記施設の上限人数で除算された混雑度でソートされた前記複数の施設の並び順のうち、前記混雑度が同値であるか、あるいは前記混雑度の差が閾値以内である施設の組合せが、前記組合せに含まれる施設ごとに前記施設の上限人数から前記施設への前記来場者の人数が減算された空き人数でさらにソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
特定の領域内に位置する複数の施設のそれぞれの上限人数と、前記複数の施設のそれぞれで撮像された画像に基づいて算出された来場者の人数とに基づいて決定される混雑に関する値に応じて、前記複数の施設の優先度を決定し、
決定された優先度に基づいて、前記複数の施設のうち、特定の数の施設を選択し、
選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、地図上の位置と、前記混雑に関する値に応じたアラート情報とを表示する、
処理を実行する制御部を含み、
前記決定する処理は、前記複数の施設ごとに前記施設への前記来場者の人数が前記施設の上限人数で除算された混雑度でソートされた前記複数の施設の並び順のうち、前記混雑度が同値であるか、あるいは前記混雑度の差が閾値以内である施設の組合せが、前記組合せに含まれる施設ごとに前記施設の上限人数から前記施設への前記来場者の人数が減算された空き人数でさらにソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自治体の危機管理者向けに災害避難者支援サービスが提供されている。災害避難者支援サービスでは、自治体職員等の危機管理者の効率的な避難所運営を実現する側面から、自治体等が管轄する地域内で運営される避難所に関する各種の情報を集約して表示するダッシュボード機能が提供される。例えば、ダッシュボード機能では、地図上に自治体等が管轄する避難所をマッピングして表示したり、さらには、避難所ごとに避難所へ避難する人数をカウントして表示したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-334146号公報
【文献】特開2020-24530号公報
【文献】特開2016-206995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のダッシュボード機能では、自治体等が管轄する地域内で運営される全ての避難所の情報が一画面に集約して表示される。このため、自治体等により運営される避難所の数が多いほどダッシュボード画面に表示される情報が過多になる。その結果、上記のダッシュボード機能では、対策が求められる避難所の情報が他の避難所の情報に埋もれる場合がある。なお、ここでは、避難所に関するダッシュボード機能を例に挙げたが、施設全般に関するダッシュボード機能にも同様の課題が生じ得る。
【0005】
1つの側面では、本発明は、情報過多になることを抑制できる表示制御プログラム、表示制御方法及び表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、表示制御プログラムは、特定の領域内に位置する複数の施設のそれぞれの上限人数と、前記複数の施設のそれぞれで撮像された画像に基づいて算出された来場者の人数とに基づいて決定される混雑に関する値に応じて、前記複数の施設の優先度を決定し、決定された優先度に基づいて、前記複数の施設のうち、特定の数の施設を選択し、選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、地図上の位置と、前記混雑に関する値に応じたアラート情報とを表示する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
情報過多になることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1に係るサーバ装置の機能構成例を示すブロック図である。
図2図2は、ダッシュボード機能に用いる画像解析を模式的に示す図である。
図3図3は、ダッシュボード画面の一例を示す図である。
図4図4は、ダッシュボード画面の一例を示す図である。
図5図5は、ダッシュボード画面の一例を示す図である。
図6図6は、ダッシュボード画面の一例を示す図である。
図7図7は、アラート情報の表示例を示す図である。
図8図8は、アラート情報の表示例を示す図である。
図9図9は、アラート情報の表示例を示す図である。
図10図10は、アラート情報の表示例を示す図である。
図11図11は、アラート情報の表示例を示す図である。
図12図12は、選択のアルゴリズムの一例を示す模式図である。
図13図13は、実施例1に係る表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
図14図14は、選択のアルゴリズムの応用例を示す模式図である。
図15図15は、アラート情報の応用例を示す図である。
図16図16は、ハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して本願に係る表示制御プログラム、表示制御方法及び表示制御装置について説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1に係るサーバ装置10の機能構成例を示すブロック図である。図1に示すサーバ装置10は、自治体等の危機管理者向けに災害避難者支援サービスを提供するコンピュータの一例である。
【0011】
例えば、サーバ装置10は、上記の災害避難者支援サービスに対応する機能を実現する災害避難者支援プログラムを任意のコンピュータに実行させることにより実現できる。一例として、サーバ装置10は、上記の災害避難者支援サービスに対応する機能をオンプレミスに提供するサーバとして実現することができる。他の一例として、サーバ装置10は、SaaS(Software as a Service)型のアプリケーションとして実装することで、上記の災害避難者支援サービスをクラウドサービスとして提供することもできる。
【0012】
また、サーバ装置10は、図1に示すように、ネットワークNWを介して、カメラ20およびクライアント端末30と通信可能に接続され得る。例えば、ネットワークNWは、有線または無線を問わず、インターネットやLAN(Local Area Network)などの任意の種類の通信網であってよい。
【0013】
カメラ20は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を搭載する撮像装置の一例である。あくまで一例として、カメラ20は、自治体等が管轄する行政区画内で運営される避難所ごとに設置され得る。
【0014】
クライアント端末30は、上記の災害避難者支援サービスの提供を受けるコンピュータの一例である。あくまで一例として、クライアント端末30は、自治体職員やその関係者などの危機管理者をユーザとし、災害対策本部や避難所受付などで利用され得る。例えば、クライアント端末30には、パーソナルコンピュータなどのデスクトップ型のコンピュータなどが対応し得る。これはあくまで例示に過ぎず、クライアント端末30は、ラップトップ型のコンピュータや携帯端末装置、ウェアラブル端末などの任意のコンピュータであってよい。
【0015】
なお、図1には、上記の災害避難者支援サービスがクライアントサーバシステムで提供される例を挙げるが、この例に限定されず、スタンドアロンで上記の災害避難者支援サービスが提供されることとしてもよい。
【0016】
ここで、上記の災害避難者支援サービスには、危機管理者による避難所運営の効率化を実現する側面から、自治体等が管轄する地域内で運営される避難所における避難者状況を可視化するダッシュボード機能がパッケージ化され得る。
【0017】
例えば、避難者状況の可視化は、次に挙げる観点から避難所運営の効率化に貢献する。1つの側面として、地震や台風などの自然災害の発生時には、避難所状況の把握、避難集中の把握、リアルタイム集計、職員動員体制の確保などの観点から貢献できる。他の側面として、コロナ禍では、密閉、密集および密接の3密の回避、ソーシャルディスタンス、避難所のキャパシティの変化、さらには、避難者の分散などの観点から貢献できる。特に、コロナ禍等の感染症の流行が招く災害、あるいは感染症の流行等を含む複合災害の下では、各避難所における人数の把握や各避難所間の人数の偏りの把握などが感染リスクの対策に有用である。
【0018】
このような側面から、上記のダッシュボード機能は、自治体等が管轄する地域内で運営される避難所に関する各種の情報、例えば避難所における人数が集約されたウィンドウをダッシュボード画面として表示する。
【0019】
図2は、ダッシュボード機能に用いる画像解析を模式的に示す図である。図2には、あくまで一例として、避難所2Aにおける人数カウントが画像解析技術により実現される例が示されている。図2に示す例で言えば、カメラ20Aは、避難所2Aの出入り口の付近に設置されている。このようなカメラ配置の下、カメラ20Aにより撮像される画像200Aから人の頭部、例えば図2に示すバウンディングボックスの部分が検出される。このように検出された頭部をトラッキングすることにより、カメラ20Aが撮像する画像上に設定されたラインL1を通過する人物の人数がカウントされる。例えば、頭部が避難所2Aの外側から内側へ向けてラインL1を通過する場合、避難所2Aの人数がインクリメントされる。一方、頭部が避難所2Aの内側から外側へ向けてラインL1を通過する場合、避難所2Aの人数がデクリメントされる。このように、カメラ20Aにより撮像される画像に基づいて避難所2Aへの来場および避難所2Aからの出場のイベントを検知し、来場または出場のイベントに応じて避難所2Aに来場している人数が更新される。以下、避難所2Aに来場している来場者のことを「避難者」と記載すると共に、避難者の人数のことを「避難者数」と記載する場合がある。
【0020】
なお、図2には、避難所2Aにおける避難者の人数カウントが頭部検出により実現される例を挙げたが、顔や全身を検出することにより実現されることとしてもよい。また、図2には、ラインL1の通過人数をカウントすることにより、施設、例えば避難所の人数をカウントする例を挙げたが、避難所内に存在する避難者の人数そのものをカウントすることとしてもよい。
【0021】
また、図2には、あくまで一例として、避難所2Aにおける避難者の人数カウントが画像解析により実現される例を挙げたが、他の技術により実現されてもよい。例えば、避難者が使用する携帯端末装置の位置情報をトラッキングしたり、あるいは近距離無線通信のビーコンを検知したりすることにより避難所2Aの出入り口を通過する人数がカウントされることとしてもよい。また、避難所受付の自治体職員等により入力されるカウンタから入退場の人数を収集することとしてもよい。
【0022】
このようにして得られる避難所における避難者の人数に基づいて、ダッシュボード機能は、地図上に自治体等により管轄される避難所をマッピングし、マッピングされた避難所ごとに避難者数に関する各種の情報の表示をダッシュボード画面上で実現できる。
【0023】
あくまで一例として、ダッシュボード画面の表示パターンを3つ挙げる。図3図5は、ダッシュボード画面の一例を示す図である。図3図5には、ダッシュボード画面の一例として、ダッシュボード画面310~330が示されている。図3図5に示すように、ダッシュボード画面310~330には、上記の災害避難者支援サービスの加入者となる自治体、例えば「市」や「区」などが管轄する地域の地図が描画された地図画像が表示される。
【0024】
図3に示すように、ダッシュボード画面310には、自治体が管轄する地域で運営される避難所2A~2Gの各々に対応するシンボル4A~4Gが避難所2A~2Gの各々に対応する位置にマッピングされた地図画像が表示される。このようなマッピングには、一例として、GIS(Geographical Information System)ソフトウェアにより提供される機能を用いることができる。さらに、ダッシュボード画面310では、避難所2A~2Gに対応するシンボル4A~4Gごとに避難所2A~2Gの各々における避難者数などのアノテーションが対応付けて表示される。
【0025】
図4に示すように、ダッシュボード画面320には、避難所2A~2Gの位置情報に対応する位置に避難所2A~2Gの各々における避難者数を表す図表、例えば棒グラフG1~G7がマッピングされた地図画像が表示される。さらに、ダッシュボード画面320には、避難所2A~2Gに対応する棒グラフG1~G7ごとに避難所2A~2Gの各々における避難者数などのアノテーションが対応付けて表示される。このように棒グラフG1~G7を表示する際、避難者数が閾値以上である避難所の棒グラフと、避難者数が閾値以上でない避難所の棒グラフとの間で表示形態を区別できる。例えば、ダッシュボード画面320の例で言えば、避難者数が80人以上である避難所2A、2E、2Fおよび2Gに対応する棒グラフG1、G5、G6およびG7が黒地で表示される。その一方で、避難者数が80人未満である避難所2B、2Cおよび2Dに対応する棒グラフG2、G3およびG4が白地で表示される。
【0026】
図5に示すように、ダッシュボード画面330には、地図画像331および避難状況テーブル332が含まれる。このうち、地図画像331は、図4に示すダッシュボード画面320と同様の地図画像である。一方、避難状況テーブル332は、自治体等が管轄する地域に含まれる区画、例えば(イ)~(ロ)の「区」ごとに、各々の区で運営されている避難所の総数および各区内の避難所に避難している避難者の総数などの項目が対応付けられたテーブルである。
【0027】
ここで、図3図5には、説明の便宜上、自治体により運営される避難所の数が避難所2A~2Gの7つである例を挙げたが、1つの市町村では、多数の避難所が運営される場合がある。あくまで一例を挙げれば、1つの市町村で運営される避難所の数は、100件を超えることもある。このように1つの自治体で多数の避難所が運営される場合、ダッシュボード画面に表示される情報が過多になる。
【0028】
図6は、ダッシュボード画面の一例を示す図である。図6には、自治体が管轄する地域の地図画像上で当該自治体により運営される19個の避難所の位置に各避難所のシンボルがプロットされたダッシュボード画面340が示されている。ここで、図6では、ダッシュボード画面340上にシンボルの表示だけが示されているが、避難者数などのアノテーションの表示も併せて行われることとしてもよい。図6に示すように、1つの自治体により多数の避難所が運営される場合、ダッシュボード画面340に表示されるシンボルの表示数やアノテーションの表示数も増加する。このように、ダッシュボード画面340に表示される情報が過多になるので、各々の避難所の情報に危機管理者の注意が行き届かない事態が生じ得る。これに派生して、シンボルの表示数やアノテーションの表示数の増加に伴って情報表示の密度が高まることで、ある避難所の情報が他の避難所の情報の視認性を妨げるといった悪循環も発生し得る。
【0029】
この結果、対策が求められる避難所の情報が他の避難所の情報によって埋もれるという課題が生じる側面がある。あくまで一例として、避難者の急増や混雑が発生する避難所の情報表示が避難者の急増や混雑が発生していない避難所の情報表示に埋もれる。これが一因となって、避難所で避難者の急増や混雑が発生してから危機管理者により認識がなされるまでのタイムラグが増加する。このようなタイムラグが増加することにより、避難者の分散等の感染リスクの低減策が実施されるのまでのレスポンスも低下する。
【0030】
このようにダッシュボード画面に表示される情報が過多になるからと言ってダッシュボード画面に表示される情報を分解したり、あるいは分割したりという課題解決アプローチは排斥される。例えば、自治体が管轄する地域に対応する地図のうち一部を拡大して表示すれば、拡大表示の部分に含まれる避難所の情報表示の視認性は高まるが、拡大表示の部分以外の部分に含まれる避難所の情報が非表示となる。このような拡大表示を認める場合、自治体が管轄する地域全体をモニタリングするには、地域の一部を拡大する操作と地域全体の表示に戻す操作とを切替えなければならない。しかしながら、拡大表示が行われてから地域全体の表示に戻す操作が行われない場合、拡大表示の部分以外の部分に含まれる避難所の情報が非表示の状態のままで避難所のモニタリングが行われることになる。この場合、避難者の急増や混雑が発生する避難所への対策が放置されるのを抑制するのが困難になる。このような側面から、ダッシュボード画面では、自治体が管轄する地域で運営される全ての避難所の情報が一括して表示されるフォーマットが妥当である。
【0031】
そこで、本実施例に係るダッシュボード機能には、特定の地域に含まれる複数の避難所の各々の上限人数と複数の避難所の各々の画像から算出される避難者数とから評価される混雑に関する値に応じて選択された避難所に関するアラート情報を表示する。以下、避難所の上限人数と避難者数とから評価される混雑に関する値のことを「混雑評価値」と記載する場合がある。
【0032】
このような表示制御機能では、ダッシュボード画面に表示される避難所の情報表示とは個別に表示されるアラートの対象とする避難所を混雑評価値に応じて絞り込むことで、避難者の急増や混雑が発生する避難所のアラート情報の表示を実現する。
【0033】
以下、図7図11を用いてアラート情報の表示例を挙げる。図7図11は、アラート情報の表示例を示す図である。ここでは、アラート情報の表示パターンを網羅的に列挙することに比重を置いて説明する側面から、アラートの対象とする避難所を混雑評価値に応じて選択するアルゴリズムの詳細についてはサーバ装置10の機能的構成の説明に合わせて後述する。
【0034】
図7には、図3図5に例示された避難所2A~2Gのうち混雑評価値が最高である避難所2Eが上記の表示制御機能により1つ選択される場合のアラート情報の表示例が示されている。図7に示すように、ダッシュボード画面350には、図5に示された地図画像331および避難状況テーブル332に加えて、ログ表示エリア351が含まれる。
【0035】
1つの側面として、ログ表示エリア353は、新規の避難者の来場や出場などの動態を含む各種のイベントのログが表示されるエリアである。例えば、ログ表示エリア351では、上記の表示制御機能により、混雑評価値が最高である避難所2Eに関するアラート情報が表示される。このように避難所2Eが他の避難所の優先度よりも高いからと言って必ずしも避難所2Eに関するアラート情報を表示せずともよく、避難所2Eのアラート情報の表示には、特定の条件を設定することができる。例えば、避難所2Eの混雑評価値が閾値以上である場合、ログ表示エリア351に示す通り、テキスト「避難所2Eで避難者急増中!」やテキスト「混雑発生中!」などのメッセージを表示させることができる。また、テキストの読み上げ機能等を用いてメッセージに対応するテキストの音声を出力させることもできる。この他、アラートの対象となる避難所2Eのシンボル4Eの点滅表示や強調表示を実行することにより他の避難所のシンボルの表示形態と区別することもできる。
【0036】
図8図11には、図3図5に例示された避難所2A~2Gのうち混雑評価値が上位特定数、例えば上位4つに該当する避難所2E、2A、2Fおよび2Gが上記の表示制御機能により選択される場合のアラート情報の表示例が示されている。なお、図8図11には、避難所2E、2A、2Fおよび2Gの4つ全ての避難所に関するアラート情報を表示する例を挙げるが、これはあくまで一例に過ぎない。すなわち、4つの避難所が他の避難所の優先度よりも高いからと言って必ずしも4つ全ての避難所に関するアラート情報を表示せずともよく、アラートの対象は混雑評価値などを用いる特定の条件により絞り込むことができる。
【0037】
例えば、図8に示すダッシュボード画面360には、図7に示された地図画像331、避難状況テーブル332およびログ表示エリア351に加えて、サムネイル361E、サムネイル361A、サムネイル361Fおよびサムネイル361Gが含まれる。
【0038】
これらサムネイル361E、361A、361Fおよび361Gは、避難所2E、2A、2Fおよび2Gの各々がカメラ20E、20A、20Fおよび20Gの各々により撮像された画像、あるいはその縮小画像である。このようなサムネイル表示が行われる場合、図8に示す通り、混雑評価値の順位が高い昇順、すなわち避難所2E、避難所2A、避難所2F、避難所2Gの順にサムネイル361E、361A、361Fおよび361Gを横方向に並べて表示させることができる。さらに、サムネイル361E、361A、361Fおよび361Gの各々には、避難所の識別情報や避難者の急増または混雑の注意喚起、避難者数といった情報をラベルまたはアノテーションとして関連付けることができる。例えば、サムネイル361Eの例で言えば、カメラ20Eにより撮像された避難所2Eの画像に関連付けて、避難所の識別情報「避難所2A」、メッセージ「避難所2Eで避難者急増中!」および避難者数「164人」などが表示される。なお、アラートの対象となる避難所2E、2A、2Fおよび2Gに対応するシンボル4E、4A、4Fおよび4Gの点滅表示や強調表示を実行することにより他の避難所のシンボルの表示形態と区別することもできる。
【0039】
このようなサムネイル361E、361A、361Fおよび361Gを表示することで、避難者の急増時または混雑時に避難所2E、2A、2Fおよび2Gの各々の現場の様子、例えば3密が回避できているかどうかなどを危機管理者に確認させることができる。
【0040】
また、図9に示すダッシュボード画面370には、図7に示された地図画像331、避難状況テーブル332およびログ表示エリア351に加えて、チャート371E、チャート371A、チャート371Fおよびチャート371Gが含まれる。
【0041】
これらチャート371E、371A、371Fおよび371Gは、避難所2E、2A、2Fおよび2Gの各々における避難者数と時間との関係が図形化されたグラフである。例えば、各々のチャートは、縦軸を避難者数とし、横軸を時間とするグラフ上に、図2に示された避難者の人数カウント機能を用いて算出される避難者数の時系列データをプロットすることにより生成される。これらチャート371E、371A、371Fおよび371Gは、図9に示す通り、混雑評価値の順位が高い昇順、すなわち避難所2E、避難所2A、避難所2F、避難所2Gの順に並べて表示させることができる。なお、図9に示すチャート371E、371A、371Fおよび371Gにおいても、図8に示す例と同様に、避難所の識別情報や避難者の急増または混雑の注意喚起、避難者数といった情報をラベルまたはアノテーションとして関連付けることもできる。
【0042】
このようなチャート371E、371A、371Fおよび371Gを表示することで、各チャートが観測される時点の混雑、さらには、その時点に至るまでに避難者が増加する推移などを危機管理者に確認させることができる。
【0043】
また、図10に示すダッシュボード画面380には、図7に示された地図画像331、避難状況テーブル332およびログ表示エリア351に加えて、チャート381E、チャート381A、チャート381Fおよびチャート381Gが含まれる。
【0044】
これらチャート381E、381A、381Fおよび381Gは、図9と同様に、避難所2E、2A、2Fおよび2Gの各々における避難者数と時間との関係が図形化されたグラフである点が共通する。その一方で、各チャートには、図2に示された避難者の人数カウント機能を用いて算出される避難者数の実測値の時系列データに加えて、シミュレーション等により実績値に基づいて予測された避難者数の予測値の時系列データがプロットされる点が相違する。つまり、チャート381E、381A、381Fおよび381Gの各々には、避難者数の実測値の推移が図10に実線で示す波形として描画されることに加えて、避難者数の予測値の推移が図10に破線で示す波形として描画される。これらチャート381E、381A、381Fおよび381Gも、図9に示す例と同様に、混雑評価値の順位が高い昇順、すなわち避難所2E、避難所2A、避難所2F、避難所2Gの順に並べて表示させることができる。なお、図10に示すチャート381E、381A、381Fおよび381Gにおいても、図8図9に示す例と同様に、避難所の識別情報や避難者の急増または混雑の注意喚起、避難者数といった情報をラベルまたはアノテーションとして関連付けることもできる。
【0045】
このようなチャート381E、381A、381Fおよび381Gを表示することで、各チャートが観測される時点以降の混雑や急増の将来予測を危機管理者に確認させることができる。
【0046】
さらに、図11に示すダッシュボード画面390には、図10に示された地図画像331、避難状況テーブル332、ログ表示エリア351、チャート381E、チャート381A、チャート381F、チャート381Gに加えて、インジケータ391が含まれる。
【0047】
インジケータ391は、シミュレーション等により予測された避難者数の予測値の時系列データに基づいて生成される標示である。あくまで一例として、インジケータ391は、避難者数の予測値の時系列データのうちいずれかの時点の避難者数の予測値が閾値以上である場合に始めてポップアップ表示させることができる。この場合、図11に示されたテキスト「避難所2Gで感染リスク急増中!」などのメッセージを含むインジケータ391の表示出力に限らず、当該メッセージを読み上げる合成音、あるいはビープ音やポップ音を音声出力させることもできる。
【0048】
このようなインジケータ391を表示することで、各チャートが観測される時点以降の将来予測で混雑や急増が発生するリスクが高い避難所2Gを危機管理者にプッシュ通知することができる。
【0049】
図7図11に例示された通り、本実施例に係る表示制御機能は、避難者の急増や混雑が発生する避難所のアラート情報の表示を実現できる。したがって、本実施例に係る表示制御機能によれば、情報過多になることを抑制することが可能になる。その結果、対策が求められる施設の情報が埋もれるのを抑制することも可能になる。
【0050】
次に、本実施例に係る表示制御機能を有するサーバ装置10の機能的構成について説明する。図1には、サーバ装置10が有する機能に対応するブロックが模式化されている。図1に示すように、サーバ装置10は、通信インタフェイス部11と、記憶部13と、制御部15とを有する。なお、図1には、上記の表示制御機能に関連する機能部が抜粋して示されているに過ぎず、図示以外の機能部、例えば既存のコンピュータがデフォルトまたはオプションで装備する機能部がサーバ装置10に備わることとしてもよい。
【0051】
通信インタフェイス部11は、他の装置、例えばカメラ20やクライアント端末30との間で通信制御を行う通信制御部の一例に対応する。あくまで一例として、通信インタフェイス部11は、LANカードなどのネットワークインターフェイスカードにより実現される。1つの側面として、通信インタフェイス部11は、カメラ20からカメラ20が撮像する画像のアップロードを受け付けたり、各種の設定、例えばカメラ20のパンやチルトなどの制御量や目標方位をカメラ20へ出力したりする。他の側面として、通信インタフェイス部11は、クライアント端末30からダッシュボード画面の表示リクエストを受け付けたり、ダッシュボード画面の表示データをクライアント端末30へ出力したりする。
【0052】
記憶部13は、各種のデータを記憶する機能部である。あくまで一例として、記憶部13は、ストレージ、例えば内部、外部または補助のストレージにより実現される。例えば、記憶部13は、設定情報13Aと、地図情報13Bとを記憶する。これら設定情報13Aおよび地図情報13B以外にも、記憶部13は、自治体が管轄する地域内の避難所のリストや避難所の位置情報、上記の災害避難者支援サービスに加入するユーザのアカウント情報などの各種のデータを記憶することができる。なお、設定情報13Aおよび地図情報13Bの各データの説明は、参照または生成が行われる処理の説明と合わせて後述する。
【0053】
制御部15は、サーバ装置10の全体制御を行う処理部である。例えば、制御部15は、ハードウェアプロセッサにより実現される。図1に示すように、制御部15は、取得部15Aと、算出部15Bと、決定部15Cと、選択部15Dと、表示制御部15Eとを有する。
【0054】
取得部15Aは、画像を取得する処理部である。あくまで一例として、取得部15Aは、カメラ20ごとに当該カメラ20から出力される画像をフレーム単位で取得することができる。ここで、取得部15Aが画像を取得する情報ソースは、任意の情報ソースであってよく、カメラ20に限定されない。例えば、取得部15Aは、画像を蓄積するストレージ、あるいはメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどのリムーバブルメディアから画像を取得することもできる。この他、取得部15Aは、カメラ20以外の外部装置からネットワークNWを介して画像を取得することもできる。
【0055】
算出部15Bは、混雑に関する値、例えば上記の混雑評価値を算出する処理部である。あくまで一例として、算出部15Bは、施設、例えば避難所2ごとに次のような処理を実行する。以下、利用シーンのあくまで一例として、避難所2の出入り口が1つである場合を例に挙げる。本例に従えば、1つの避難所につき1つのカメラ20から画像が取得されることになる。この場合、算出部15Bは、取得部15Aにより取得される画像ごとに当該画像に図2に示された画像解析技術を適用する。例えば、画像解析技術は、避難所の静止画、あるいは最新のフレームから遡って特定のフレーム数分の動画が入力されることにより避難所における人数カウントを出力する機械学習モデルにより実現され得る。このような機械学習モデルの生成には、一例として、CNN(Convolutional Neural Network)に対応するDL(Deep Learning)フレームワークを用いることができる。なお、1つの避難所2に複数の出入り口が存在する場合、出入り口の数に対応する数のカメラ20から取得される画像の各々を入力として1つの避難所の人数カウントを実行することとすればよい。
【0056】
避難所の人数カウントの実行後、算出部15Bは、避難所の避難者数と、当該避難所に設定された上限人数とに基づいて避難所の混雑評価値を算出する。このような混雑評価値の例として、混雑度および空き人数が挙げられる。例えば、「混雑度」は、避難者数を上限人数で除算する計算、「避難者数÷上限人数」により算出することができる。ここでは、あくまで一例として、混雑度の値が大きいほど避難所が混雑している度合いが高い混雑度を算出する例を挙げたが、混雑度の値が小さいほど避難所が混雑している度合いが高い混雑度を算出することとしてもよい。また、「空き人数」は、上限人数から避難者数を減算する計算、「上限人数-避難者数」により算出することができる。
【0057】
決定部15Cは、複数の避難所の各々混雑評価値に応じて複数の避難所間の優先度を決定する。あくまで一例として、決定部15Cは、避難所2を混雑度の降順にソートする。これにより、避難所2を混雑度が高い順、いわゆる降順に並べ替える。そして、決定部15Cは、混雑度が同等である避難所2が存在するか否かを判定する。ここで言う「同等」とは、同値である状態および避難所間の混雑度の差が閾値以内である状態の両者を範疇とする。このとき、混雑度が同等である避難所2が存在する場合、決定部15Cは、混雑度の降順にソートされた避難所のうち混雑度が同等である避難所に絞り込んで空き人数が少ない順、いわゆる昇順にさらにソートする。このようなソートの結果として得られた避難所2の並び順、すなわち順位が優先度として決定される。
【0058】
選択部15Dは、複数の避難所の間の優先度に基づいて、複数の避難所のうち特定の数の避難所を選択する。あくまで一例として、選択部15Dは、避難所2のうち優先度が上位特定数、例えば上位1つまたは上位4つに該当する避難所を選択する。例えば、選択部15Dが選択する避難所の数は、あくまで一例として、記憶部13に記憶された設定情報13Aに設定された避難所の選択数が参照される。ここで、選択部15Dが選択する避難所の数は、設定情報13Aに設定された選択数のみに拘束されずともよい。例えば、選択部15Dは、優先度に基づいて選択された避難所のうち、混雑度が閾値以上である条件1を満たす避難所を再選択できる。また、選択部15Dは、優先度に基づいて選択された避難所のうち、空き人数が閾値未満である条件2を満たす避難所を再選択できる。さらに、選択部15Dは、優先度に基づいて選択された避難所のうち、条件1および条件2を満たす避難所を再選択できる。なお、設定情報13Aに設定される避難所の選択数は、システム定義であってもよいし、ユーザ定義であってもよい。
【0059】
図12は、選択のアルゴリズムの一例を示す模式図である。図12には、一例として、算出部15Bによる算出結果の一例がテーブル15B1として模式化されている。図12に示すように、テーブル15B1には、避難所2A~2Gごとに避難者数、収容人数、空き人数および混雑度が対応付けられている。これらのうち、「収容人数」は、避難所が選択されるよりも事前に定義しておくことができる。ここで言う「収容人数」は、避難所の上限人数の一例に対応し、例えば、避難所の構造物の設計事業者等により避難所の収容能力の面から設定され得る。これはあくまで1つの側面に過ぎず、他の側面から上限人数を設定することもできる。例えば、温度または湿度は感染リスクと相関がある側面から、避難所で測定された温度または湿度に基づいて収容人数が補正された補正収容人数を上限人数に設定することもできる。
【0060】
例えば、避難所2Aを例に挙げれば、カメラ20Aにより撮像された画像に避難者の人数カウントが実行されることにより避難者数が800人と算出される。すると、避難者数「800人」を収容人数「1000人」で除算することにより、混雑度「0.8」が算出される。さらに、収容人数「1000人」から避難者数「800人」を減算することにより、空き人数「200人」が算出される。避難所2A以外の避難所2B~2Gについても収容人数および避難者数の各々の数値は異なれども同様の計算を実行することにより、混雑度および空き人数などの混雑評価値を算出することができる。この結果、図12に示すテーブル15B1が生成される。
【0061】
その後、テーブル15B1の避難所2A~2Gを混雑度が高い順、いわゆる降順に並べ替えることにより、避難所2A~2Gが混雑度の降順にソートされたテーブル15C11が得られる。そして、避難所2A~2Gの間で混雑度が同等である避難所2が存在するか否かが判定される。テーブル15C11の例で言えば、避難所2Aおよび避難所2Eの混雑度「0.8」が同値であり、さらに、避難所2Cおよび避難所2Gの混雑度「0.5」が同値である。このため、混雑度という1つの指標では、避難所2Aおよび避難所2Eと、避難所2Cおよび避難所2Gとの間で同評価となるので、優劣を決定するのが困難である。そこで、テーブル15C11の避難所2A~2Gのうち混雑度が同値である避難所2Aおよび避難所2Eを空き人数の昇順にさらに並べ替えると共に、混雑度が同値である避難所2Cおよび避難所2Gを空き人数の昇順にさらに並び替える。これにより、テーブル15C12が得られる。このようにして得られたテーブル15C12における避難所2の並び順、すなわち順位が優先度として決定される。ここで、設定情報13Aに設定された避難所の選択数が「4」である場合を例に挙げる。この場合、避難所2A~2Gのうち優先度が上位4つに該当する避難所2が選択される。例えば、図12に示すテーブル15C12の例に従えば、避難所2E、避難所2A、避難所2Fおよび避難所2Gが選択される。
【0062】
このように、混雑度および空き人数のソートの結果に対応する優先度に基づいて避難所を選択することで、混雑がより逼迫している避難所に関するアラート情報を表示させることができる。図12に示すテーブル15C12の例で言えば、避難所2Cおよび避難所2Gは、いずれも混雑度が「0.5」であり、同等の混雑であるが、上位4つの避難所を選択する場合、いずれかがアラートの対象から外れる。このような場合でも、空き人数でさらにソートされたテーブル15C12に基づいて空き人数が避難所2Cよりも少ない避難所2Gが選択される。それ故、避難所2Cよりも混雑がより逼迫している避難所2Gをアラートの対象に含める一方で、避難所2Gよりも混雑が逼迫していない避難所2Cをアラートの対象から外すことができる。
【0063】
表示制御部15Eは、クライアント端末30に対する各種の表示制御を実行する処理部である。1つの側面として、表示制御部15Eは、クライアント端末30からダッシュボード画面の表示リクエストを受け付けた場合、次のような処理を実行する。すなわち、表示制御部15Eは、記憶部13に記憶された地図情報13Bのうち、上記の災害避難者支援サービスの加入者となる自治体のアカウントに対応する地図情報を読み出す。続いて、続いて、表示制御部15Eは、地図情報に含まれる地図画像に自治体が管轄する地域で運営される避難所の各々に対応するシンボルをマッピングする。このようなマッピングには、一例として、GISソフトウェアにより提供される機能を用いることができる。そして、表示制御部15Eは、設定情報13Aに設定された表示パターン、例えば図3図5に示された3つの表示パターンのうちいずれかの表示パターンにしたがって避難所がマッピングされた地図画像を含むダッシュボード画面の表示データを生成する。このように生成されたダッシュボード画面がクライアント端末30に表示される。その後、表示制御部15Eは、算出部15Bにより避難者数が算出された場合、各避難所のシンボルに対応付けられた避難者数のアノテーションの表示を更新する。
【0064】
他の側面として、表示制御部15Eは、ダッシュボード画面にアラート情報を表示する。あくまで一例として、表示制御部15Eは、自治体により運営される避難所のうち、選択部15Dにより選択された避難所に関するアラート情報をダッシュボード画面上に表示させる。このとき、表示制御部15Eは、設定情報13Aに設定された表示パターン、例えば図7図11に示された表示パターンのうちいずれかの表示パターンにしたがってダッシュボード画面上にアラート情報を表示させる。例えば、アラート情報には、図7図11に示されたメッセージ等を含めたり、避難者数や混雑評価値を含めたりすることができる。
【0065】
次に、本実施例に係るサーバ装置10の処理の流れについて説明する。図13は、実施例1に係る表示制御処理の手順を示すフローチャートである。例えば、表示制御処理は、クライアント端末30にダッシュボード画面が表示された場合に開始される。その後、表示制御処理は、カメラ20により画像が取得される周期、あるいは特定の間隔、例えば1秒ごとに繰り返される。そして、表示制御処理は、ダッシュボード画面が閉じられた場合に終了する。
【0066】
図13に示すように、取得部15Aは、自治体のアカウントに関連付けられた避難所2ごとに当該避難所2に設置されたカメラ20から画像を取得する(ステップS101)。
【0067】
その後、避難所2の総数N個に対応する回数の分、下記のステップS102および下記のステップS103の処理を繰り返すループ処理1が開始される。なお、ここでは、ループ処理が行われる例を挙げるが、避難所2ごとに下記のステップS102および下記のステップS103の処理が並列して実行されもよい。
【0068】
すなわち、算出部15Bは、ステップS101で取得された画像に図2に示された画像解析技術を適用することにより、避難所における避難者数をカウントする(ステップS102)。そして、算出部15Bは、ステップS102でカウントされた避難所の避難者数と、当該避難所に設定された上限人数とに基づいて避難所の混雑度および空き人数を混雑評価値として算出する(ステップS103)。
【0069】
このようなループ処理1が繰り返されることにより、避難所2ごとに避難者数と混雑度および空き人数を含む混雑評価値を得ることができる。そして、ループ処理1が終了すると、表示制御部15Eは、ステップS102で避難所ごとに算出された避難者数に基づいて各避難所のシンボルに対応付けられた避難者数のアノテーションの表示を更新する(ステップS104)。
【0070】
そして、決定部15Cは、避難所2を混雑度の降順にソートする(ステップS105)。続いて、決定部15Cは、混雑度が同等である避難所2が存在するか否かを判定する(ステップS106)。
【0071】
このとき、混雑度が同等である避難所2が存在する場合(ステップS106Yes)、決定部15Cは、ステップS105で混雑度の降順にソートされた避難所2のうち混雑度が同等である避難所2同士を空き人数の昇順にさらにソートする(ステップS107)。なお、混雑度が同等である避難所2が存在しない場合(ステップS106No)、ステップS107の処理をスキップしてステップS108の処理へ移行する。
【0072】
その後、決定部15Cは、ステップS105またはステップS107のソートの結果として得られた避難所2の並び順、すなわち順位を各避難所の優先度として決定する(ステップS108)。
【0073】
そして、選択部15Dは、設定情報13Aに設定された避難所の選択数を参照して、避難所2のうちステップS108で決定された優先度が上位特定数、例えば上位1つまたは上位4つに該当する避難所2を選択する(ステップS109)。
【0074】
その上で、表示制御部15Eは、設定情報13Aに設定された表示パターンに従って、自治体により運営される避難所のうちステップS109で選択された避難所に関するアラート情報をダッシュボード画面上に表示させ(ステップS110)、処理を終了する。
【0075】
上述してきたように、本実施例に係るサーバ装置10は、特定の地域に含まれる複数の避難所の各々の上限人数と複数の避難所の各々の画像から算出される避難者数とから評価される混雑に関する値に応じて選択された避難所に関するアラート情報を表示する。したがって、本実施例に係るサーバ装置10によれば、対策が求められる施設の情報が埋もれるのを抑制することが可能である。
【実施例2】
【0076】
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0077】
上記の実施例1では、混雑評価値の例として、混雑度や空き人数を例に挙げたが、混雑度や空き人数以外の混雑評価値をアラート情報の表示制御に用いることができる。例えば、算出部15Bは、混雑度変化量や避難者数変化量を混雑評価値として算出することができる。例えば、「混雑度変化量」は、下記の式(1)にしたがって算出することができると共に、「避難者数変化量」は、下記の式(2)にしたがって算出することができる。下記の式(1)および下記の式(2)における「時間t」のあくまで一例として、カメラ20から最新のフレームの画像が取得された時刻が挙げられる。また、「Δt」のあくまで一例として、10分や30分などが挙げられる。
時間tにおける混雑度変化量={混雑度(t)-混雑度(t-Δt)}/Δt・・・(1)
時間tにおける避難者数変化量={避難者数(t)-避難者数(t-Δt)}/Δt・・・(2)
【0078】
図14は、選択のアルゴリズムの応用例を示す模式図である。図14には、一例として、算出部15Bによる算出結果の一例がテーブル15B2として模式化されている。図14に示すように、テーブル15B2には、避難所2A~2Gごとに避難者数、収容人数、空き人数、混雑度、避難者数変化量および混雑度変化量が対応付けられている。
【0079】
例えば、避難所2Aを例に挙げれば、カメラ20Aにより撮像された画像に避難者の人数カウントが実行されることにより避難者数が800人と算出される。すると、避難者数「800人」を収容人数「1000人」で除算することにより、混雑度「0.8」が算出される。さらに、収容人数「1000人」から避難者数「800人」を減算することにより、空き人数「200人」が算出される。ここまでは図12に示された例と同様である。ここで、Δtを「0.5h」とし、時間t-Δtの混雑度を「0.75」としたとき、時間tにおける混雑度変化量は、{(0.8-0.75)/0.5}の計算により、「0.1」と求まる。また、時間t-Δtの避難者数を「750」としたとき、時間tにおける避難者数変化量は、{(800-750)/0.5}の計算により、「100」と求まる。避難所2A以外の避難所2B~2Gについても収容人数、避難者数および混雑度の各々の数値は異なれども同様の計算を実行することにより、混雑度変化量および避難者数変化量などの混雑評価値を算出することができる。この結果、図14に示すテーブル15B2が生成される。
【0080】
その後、テーブル15B2の避難所2A~2Gを混雑度変化量が高い順、いわゆる降順に並べ替えることにより、避難所2A~2Gが混雑度変化量の降順にソートされたテーブル15C21が得られる。そして、避難所2A~2Gの間で混雑度変化量が同等である避難所2が存在するか否かが判定される。テーブル15C21の例で言えば、避難所2Aおよび避難所2Bの混雑度変化量「0.1」が同値であり、さらに、避難所2Fおよび避難所2Gの混雑度「0.06」が同値である。このため、混雑度変化量という1つの指標では、避難所2Aおよび避難所2Bと、避難所2Fおよび避難所2Gとの間で同評価となるので、優劣を決定するのが困難である。そこで、テーブル15C21の避難所2A~2Gのうち混雑度変化量が同値である避難所2Aおよび避難所2Bを避難者数変化量の降順にさらに並べ替えると共に、混雑度が同値である避難所2Cおよび避難所2Gを避難者数変化量の降順にさらに並び替える。これにより、テーブル15C22が得られる。このようにして得られたテーブル15C22における避難所2の並び順、すなわち順位が優先度として決定される。ここで、設定情報13Aに設定された避難所の選択数が「4」である場合を例に挙げる。この場合、避難所2A~2Gのうち優先度が上位4つに該当する避難所2が選択される。例えば、図14に示すテーブル15C22の例に従えば、避難所2E、避難所2A、避難所2Bおよび避難所2Gが選択される。
【0081】
このように、混雑度変化量および避難者数変化量のソートの結果に対応する優先度に基づいて避難所を選択することで、急増がより逼迫している避難所に関するアラート情報を表示させることができる。図14に示すテーブル15C22の例で言えば、避難所2Fおよび避難所2Gは、いずれも混雑度変化量が「0.06」であり、同等の混雑であるが、上位4つの避難所を選択する場合、いずれかがアラートの対象から外れる。このような場合でも、避難者数変化量でさらにソートされたテーブル15C22に基づいて避難者数変化量が避難所2Fよりも大きい避難所2Gが選択される。それ故、避難所2Fよりも急増がより逼迫している避難所2Gをアラートの対象に含める一方で、避難所2Gよりも急増が逼迫していない避難所2Fをアラートの対象から外すことができる。
【0082】
また、上記の実施例1では、避難者数および収容人数に基づいて混雑度を算出する例を挙げたが、避難者数およびソーシャルディスタンス、例えば2mに基づく上限人数に基づいて算出されることとしてもよい。この場合、上限人数には、人同士の間隔を2mとしたとき、最大で収容できる人数の上限値を設定することとすればよい。
【0083】
また、上記の実施例1では、アラート情報として、避難者数や混雑評価値などが表示される例を挙げたが、他の情報をアラート情報として表示させることもできる。あくまで一例として、アラートの対象とされる避難所の最寄りに位置する最寄り避難所をアラート情報に含めることもできる。これにより、避難者分散等の感染リスクの低減対策に資する情報提供を実現できる。
【0084】
図15は、アラート情報の応用例を示す図である。図15には、図12に示された混雑度および空き人数のソートの結果であるテーブル15C12により定まる避難所2A~2Gの優先度に基づいて上位2つの避難所2Eおよび避難所2Aの最寄り避難所が特定される例が示されている。このような最寄り避難所の特定には、あくまで一例として、避難所2A~2Gの各々の位置情報が用いられる。例えば、避難所2Eの最寄り避難所を特定する例で言えば、避難所2Eと、避難所2A~2Dおよび避難所2F~2Gとの間で距離が算出される。そして、避難所2A~2Dおよび避難所2F~2Gのうち、避難所2Eからの距離が閾値以内である避難所、図15の例で言えば避難所2Bが避難所2Eの最寄り避難所として特定される。ここで、最寄り避難所は、必ずしも1つでなくともよい。例えば、避難所2Aの最寄り避難所を特定する例で言えば、避難所2Aと、避難所2B~2Gとの間で距離が算出される。そして、避難所2B~2Gのうち、避難所2Aからの距離が閾値以内である避難所、図15の例で言えば避難所2Gおよび避難所2Cが避難所2Aの最寄り避難所として特定される。この結果、テーブル15C31が生成される。このようなテーブル15C31に基づいてダッシュボード画面にアラート情報を表示させる。例えば、避難所2Eの最寄り避難所として避難所2Bを表示させると共に、避難所2Aの最寄り避難所として避難所2Gおよび避難所2Cを表示させる。
【0085】
上記の実施例1では、施設の一例として避難所を例に挙げたが、避難所に類する施設全般に関するダッシュボード機能にも新型コロナウィルス感染症の対策、例えば3密回避の対策が求められるので、上記の実施例1に係る表示制御機能を適用できる。例えば、スーパーマーケットやスポーツスタジアムなどの施設における来場者数および上限人数から混雑度や空き人数などの混雑評価値を算出することにより上記の表示制御機能を実現することができる。
【0086】
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されておらずともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、取得部15A、算出部15B、決定部15C、選択部15Dまたは表示制御部15Eをサーバ装置10の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、取得部15A、算出部15B、決定部15C、選択部15Dまたは表示制御部15Eを別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のサーバ装置10の機能を実現するようにしてもよい。
【0087】
[表示制御プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図16を用いて、実施例1及び実施例2と同様の機能を有する表示制御プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
【0088】
図16は、ハードウェア構成例を示す図である。図16に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110~180の各部はバス140を介して接続される。
【0089】
HDD170には、図16に示すように、上記の実施例1で示した取得部15A、算出部15B、決定部15C、選択部15D及び表示制御部15Eと同様の機能を発揮する表示制御プログラム170aが記憶される。この表示制御プログラム170aは、図1に示した取得部15A、算出部15B、決定部15C、選択部15D及び表示制御部15Eの各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD170には、必ずしも上記の実施例1で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD170に格納されればよい。
【0090】
このような環境の下、CPU150は、HDD170から表示制御プログラム170aを読み出した上でRAM180へ展開する。この結果、表示制御プログラム170aは、図16に示すように、表示制御プロセス180aとして機能する。この表示制御プロセス180aは、RAM180が有する記憶領域のうち表示制御プロセス180aに割り当てられた領域にHDD170から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、表示制御プロセス180aが実行する処理の一例として、図13に示す処理などが含まれる。なお、CPU150では、必ずしも上記の実施例1で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
【0091】
なお、上記の表示制御プログラム170aは、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に表示制御プログラム170aを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から表示制御プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに表示制御プログラム170aを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから表示制御プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。
【0092】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0093】
(付記1)特定の領域内に位置する複数の施設のそれぞれの上限人数と、前記複数の施設のそれぞれで撮像された画像に基づいて算出された来場者の人数とに基づいて決定される混雑に関する値に応じて、前記複数の施設の優先度を決定し、
決定された優先度に基づいて、前記複数の施設のうち、特定の数の施設を選択し、
選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、地図上の位置と、前記混雑に関する値に応じたアラート情報とを表示する、
処理をコンピュータに実行させる表示制御プログラム。
【0094】
(付記2)前記決定する処理は、前記複数の施設ごとに前記施設への前記来場者の人数が前記施設の上限人数で除算された混雑度でソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の表示制御プログラム。
【0095】
(付記3)前記決定する処理は、前記混雑度でソートされた前記複数の施設の並び順のうち、前記混雑度が同値であるか、あるいは前記混雑度の差が閾値以内である施設の組合せが、前記組合せに含まれる施設ごとに前記施設の上限人数から前記施設への前記来場者の人数が減算された空き人数でさらにソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記2に記載の表示制御プログラム。
【0096】
(付記4)前記決定する処理は、前記複数の施設ごとに前記施設への前記来場者の人数が前記施設の上限人数で除算された混雑度の変化量でソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の表示制御プログラム。
【0097】
(付記5)前記決定する処理は、前記混雑度の変化量でソートされた前記複数の施設の並び順のうち、前記混雑度の変化量が同値であるか、あるいは前記混雑度の変化量の差が閾値以内である施設の組合せが、前記組合せに含まれる施設のそれぞれの前記来場者の人数の変化量でさらにソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記4に記載の表示制御プログラム。
【0098】
(付記6)前記選択する処理は、前記複数の施設のうち前記優先度が上位特定数に該当し、かつ前記混雑に関する値と閾値との比較結果が特定の条件を満たす施設を選択する処理を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の表示制御プログラム。
【0099】
(付記7)前記アラート情報は、選択された前記特定の数の施設のそれぞれで撮像された画像を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の表示制御プログラム。
【0100】
(付記8)前記アラート情報は、選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、前記来場者の人数の算出値の時系列データがプロットされたチャートを含む、
ことを特徴とする付記1に記載の表示制御プログラム。
【0101】
(付記9)前記アラート情報は、選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、前記来場者の人数の算出値の時系列データと、前記来場者の人数の予測値の時系列データとがプロットされたチャートを含む、
ことを特徴とする付記1に記載の表示制御プログラム。
【0102】
(付記10)特定の領域内に位置する複数の施設のそれぞれの上限人数と、前記複数の施設のそれぞれで撮像された画像に基づいて算出された来場者の人数とに基づいて決定される混雑に関する値に応じて、前記複数の施設の優先度を決定し、
決定された優先度に基づいて、前記複数の施設のうち、特定の数の施設を選択し、
選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、地図上の位置と、前記混雑に関する値に応じたアラート情報とを表示する、
処理をコンピュータが実行する表示制御方法。
【0103】
(付記11)前記決定する処理は、前記複数の施設ごとに前記施設への前記来場者の人数が前記施設の上限人数で除算された混雑度でソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記10に記載の表示制御方法。
【0104】
(付記12)前記決定する処理は、前記混雑度でソートされた前記複数の施設の並び順のうち、前記混雑度が同値であるか、あるいは前記混雑度の差が閾値以内である施設の組合せが、前記組合せに含まれる施設ごとに前記施設の上限人数から前記施設への前記来場者の人数が減算された空き人数でさらにソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記11に記載の表示制御方法。
【0105】
(付記13)前記決定する処理は、前記複数の施設ごとに前記施設への前記来場者の人数が前記施設の上限人数で除算された混雑度の変化量でソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記10に記載の表示制御方法。
【0106】
(付記14)前記決定する処理は、前記混雑度の変化量でソートされた前記複数の施設の並び順のうち、前記混雑度の変化量が同値であるか、あるいは前記混雑度の変化量の差が閾値以内である施設の組合せが、前記組合せに含まれる施設のそれぞれの前記来場者の人数の変化量でさらにソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記13に記載の表示制御方法。
【0107】
(付記15)前記選択する処理は、前記複数の施設のうち前記優先度が上位特定数に該当し、かつ前記混雑に関する値と閾値との比較結果が特定の条件を満たす施設を選択する処理を含む、
ことを特徴とする付記10に記載の表示制御方法。
【0108】
(付記16)前記アラート情報は、選択された前記特定の数の施設のそれぞれで撮像された画像を含む、
ことを特徴とする付記10に記載の表示制御方法。
【0109】
(付記17)前記アラート情報は、選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、前記来場者の人数の算出値の時系列データがプロットされたチャートを含む、
ことを特徴とする付記10に記載の表示制御方法。
【0110】
(付記18)前記アラート情報は、選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、前記来場者の人数の算出値の時系列データと、前記来場者の人数の予測値の時系列データとがプロットされたチャートを含む、
ことを特徴とする付記10に記載の表示制御方法。
【0111】
(付記19)特定の領域内に位置する複数の施設のそれぞれの上限人数と、前記複数の施設のそれぞれで撮像された画像に基づいて算出された来場者の人数とに基づいて決定される混雑に関する値に応じて、前記複数の施設の優先度を決定し、
決定された優先度に基づいて、前記複数の施設のうち、特定の数の施設を選択し、
選択された前記特定の数の施設のそれぞれについて、地図上の位置と、前記混雑に関する値に応じたアラート情報とを表示する、
処理を実行する制御部を含む表示制御装置。
【0112】
(付記20)前記決定する処理は、前記複数の施設ごとに前記施設への前記来場者の人数が前記施設の上限人数で除算された混雑度でソートされた前記複数の施設の並び順により前記優先度を決定する処理を含む、
ことを特徴とする付記19に記載の表示制御装置。
【符号の説明】
【0113】
10 サーバ装置
11 通信インタフェイス部
13 記憶部
13A 設定情報
13B 地図情報
15 制御部
15A 取得部
15B 算出部
15C 決定部
15D 選択部
15E 表示制御部
20 カメラ
30 クライアント端末
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
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図11
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図16