(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】リーダライタおよびアンテナサイズ切替方法
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
G06K7/10 144
G06K7/10 240
G06K7/10 176
G06K7/10 232
(21)【出願番号】P 2021037853
(22)【出願日】2021-03-09
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】松井 修一
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-155043(JP,A)
【文献】特開2005-110131(JP,A)
【文献】特開2011-039947(JP,A)
【文献】特開2004-070648(JP,A)
【文献】特開2006-174380(JP,A)
【文献】特開2012-059223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFタグと交信を行うリーダライタであって、
サイズの異なる複数のリーダライタ側アンテナと、
複数の前記リーダライタ側アンテナのうち、交信する前記RFタグのタグ側アンテナのサイズに応じたアンテナに切り替える切替部と、を備え
、
前記リーダライタは、前記RFタグから前記RFタグのタグ識別子を読み取り、
前記切替部は、前記タグ識別子と、前記リーダライタ側アンテナのサイズとを対応付けた対応テーブルに基づいて、前記リーダライタ側アンテナを切り替える、リーダライタ。
【請求項2】
RFタグと交信を行うリーダライタであって、
サイズの異なる複数のリーダライタ側アンテナと、
複数の前記リーダライタ側アンテナのうち、交信する前記RFタグのタグ側アンテナのサイズに応じたアンテナに切り替える切替部と、を備え
、
前記リーダライタは、前記RFタグから、前記タグ側アンテナのサイズを示すデータ、または前記タグ側アンテナと安定して交信可能であるリーダライタ側アンテナのサイズを示すデータである、サイズデータを読み取り、
前記切替部は、前記サイズデータに基づいて前記リーダライタ側アンテナを切り替える、リーダライタ。
【請求項3】
RFタグと交信を行うリーダライタであって、
サイズの異なる複数のリーダライタ側アンテナと、
複数の前記リーダライタ側アンテナのうち、交信する前記RFタグのタグ側アンテナのサイズに応じたアンテナに切り替える切替部と、を備え
、
前記リーダライタは、カメラにより撮像されたRFタグの画像データを取得し、
前記切替部は、前記画像データに基づいて前記リーダライタ側アンテナを切り替える、リーダライタ。
【請求項4】
RFタグと交信を行うリーダライタであって、
サイズの異なる複数のリーダライタ側アンテナと、
複数の前記リーダライタ側アンテナのうち、交信する前記RFタグのタグ側アンテナのサイズに応じたアンテナに切り替える切替部と、を備え
、
前記リーダライタは、前記RFタグを含む対象物に設けられた光学コードからコードリーダによって読み取られた、前記タグ側アンテナのサイズを示すデータ、または前記タグ側アンテナと安定して交信可能であるリーダライタ側アンテナのサイズを示すデータである、サイズデータを取得し、
前記切替部は、前記サイズデータに基づいて前記リーダライタ側アンテナを切り替える、リーダライタ。
【請求項5】
電磁結合方式で前記RFタグと交信を行う、請求項1
から4のいずれか1項に記載のリーダライタ。
【請求項6】
複数の前記リーダライタ側アンテナは、同じ共振周波数を有する、請求項1
から5のいずれか1項に記載のリーダライタ。
【請求項7】
複数の前記リーダライタ側アンテナが同じインダクタンス値を有するように、複数の前記リーダライタ側アンテナはそれぞれ、アンテナサイズに応じたコイルの巻き数を有する、請求項1から
6のいずれか1項に記載のリーダライタ。
【請求項8】
切り替えによって前記リーダライタ側アンテナの共振周波数が変化しないように、前記リーダライタ側アンテナごとに異なる共振回路を有する、請求項1から
6のいずれか1項に記載のリーダライタ。
【請求項9】
複数の前記リーダライタ側アンテナの平面視において、複数の前記リーダライタ側アンテナのいずれか1つの前記リーダライタ側アンテナの内側に、他の前記リーダライタ側アンテナが配置される、請求項1から
8のいずれか1項に記載のリーダライタ。
【請求項10】
電磁結合方式でRFタグと交信を行うリーダライタのアンテナサイズ切替方法であって、
アンテナのサイズに関する情報を取得する取得ステップと、
前記情報に基づいて、前記リーダライタの有する複数のリーダライタ側アンテナのうち、前記RFタグの
タグ側アンテナのサイズに応じたアンテナに切り替える切替ステップと、を含
み、
前記リーダライタは、前記RFタグから前記RFタグのタグ識別子を読み取り、
前記切替ステップでは、前記タグ識別子と、前記リーダライタ側アンテナのサイズとを対応付けた対応テーブルに基づいて、前記リーダライタ側アンテナを切り替える、アンテナサイズ切替方法。
【請求項11】
電磁結合方式でRFタグと交信を行うリーダライタのアンテナサイズ切替方法であって、
アンテナのサイズに関する情報を取得する取得ステップと、
前記情報に基づいて、前記リーダライタの有する複数のリーダライタ側アンテナのうち、前記RFタグの
タグ側アンテナのサイズに応じたアンテナに切り替える切替ステップと、を含
み、
前記リーダライタは、前記RFタグから、前記タグ側アンテナのサイズを示すデータ、または前記タグ側アンテナと安定して交信可能であるリーダライタ側アンテナのサイズを示すデータである、サイズデータを読み取り、
前記切替ステップでは、前記サイズデータに基づいて前記リーダライタ側アンテナを切り替える、アンテナサイズ切替方法。
【請求項12】
電磁結合方式でRFタグと交信を行うリーダライタのアンテナサイズ切替方法であって、
アンテナのサイズに関する情報を取得する取得ステップと、
前記情報に基づいて、前記リーダライタの有する複数のリーダライタ側アンテナのうち、前記RFタグの
タグ側アンテナのサイズに応じたアンテナに切り替える切替ステップと、を含
み、
前記リーダライタは、カメラにより撮像されたRFタグの画像データを取得し、
前記切替ステップでは、前記画像データに基づいて前記リーダライタ側アンテナを切り替える、アンテナサイズ切替方法。
【請求項13】
電磁結合方式でRFタグと交信を行うリーダライタのアンテナサイズ切替方法であって、
アンテナのサイズに関する情報を取得する取得ステップと、
前記情報に基づいて、前記リーダライタの有する複数のリーダライタ側アンテナのうち、前記RFタグの
タグ側アンテナのサイズに応じたアンテナに切り替える切替ステップと、を含
み、
前記リーダライタは、前記RFタグを含む対象物に設けられた光学コードからコードリーダによって読み取られた、前記タグ側アンテナのサイズを示すデータ、または前記タグ側アンテナと安定して交信可能であるリーダライタ側アンテナのサイズを示すデータである、サイズデータを取得し、
前記切替ステップでは、前記サイズデータに基づいて前記リーダライタ側アンテナを切り替える、アンテナサイズ切替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリーダライタに関する。
【背景技術】
【0002】
RF(Radio Frequency)タグなどの通信媒体と非接触で通信し、通信媒体に対してデータの読み出しおよび書き込みを行うリーダライタが知られている。例えば、特許文献1には、ICカード側アンテナ手段とリーダライタ側アンテナ手段との間の相互結合によりICカードとデータ通信を行い、リーダライタ側アンテナ手段が、通信態様を変更可能に設けられているリーダライタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リーダライタ側のアンテナのサイズとタグ側のアンテナのサイズが異なっている場合、安定した交信ができない可能性がある。上述のような従来技術では、このようなアンテナサイズの不一致によって交信が不安定になることに対して対応することができない。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、RFタグと安定して交信することができるリーダライタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るリーダライタは、RFタグと交信を行うリーダライタであって、サイズの異なる複数のリーダライタ側アンテナと、複数の前記リーダライタ側アンテナのうち、交信する前記RFタグのタグ側アンテナのサイズに応じたアンテナに切り替える切替部と、を備える。
【0007】
RFタグと交信を行うリーダライタにおいて、リーダライタ側のアンテナとRFタグ側のアンテナとのサイズが異なっている場合、安定した交信ができない可能性がある。上記の構成によれば、リーダライタは、タグ側アンテナのサイズに応じてリーダライタ側アンテナを切り替えることができるので、RFタグと安定して交信することができる。
【0008】
また、前記リーダライタは、電磁結合方式で前記RFタグと交信を行ってもよい。
【0009】
また、前記複数の前記リーダライタ側アンテナは、同じ共振周波数を有していてもよい。
【0010】
上記の構成によれば、アンテナサイズを変更することによる共振周波数のずれを無くすことができる。したがって、リーダライタは、所定の共振周波数帯において十分なアンテナの送信電力により、RFタグと交信することができる。
【0011】
また、前記リーダライタは、前記RFタグから前記RFタグのタグ識別子を読み取り、前記切替部は、前記タグ識別子と、前記リーダライタ側アンテナのサイズとを対応付けた対応テーブルに基づいて、前記リーダライタ側アンテナを切り替えてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、リーダライタは、RFタグから容量の小さいタグ識別子を取得することによって最適なリーダライタ側アンテナに切り替えることができる。すなわち、アンテナの切り替えに要する処理時間を短くすることができる。
【0013】
また、前記リーダライタは、前記RFタグから対応するアンテナサイズを示すサイズデータを読み取り、前記切替部は、前記サイズデータに基づいて前記リーダライタ側アンテナを切り替えてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、リーダライタは、RFタグの生産時に、最適なリーダライタ側アンテナを示すサイズデータを書き込むことができる。すなわち、複数のRFタグごとにランダムに割り振られるタグ識別子と最適なリーダライタ側アンテナのサイズとを対応付ける必要がなく、生産管理が容易である。
【0015】
また、前記リーダライタは、カメラにより撮像されたRFタグの画像データを取得し、前記切替部は、前記画像データに基づいて前記リーダライタ側アンテナを切り替えてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、リーダライタは、カメラによる撮像によって、最適なリーダライタ側アンテナを決定することができる。そのため、RFタグとの交信時間を短縮することができる。
【0017】
また、前記リーダライタは、前記RFタグを含む対象物に設けられた光学コードからコードリーダによって読み取られた対応するアンテナサイズを示すサイズデータを取得し、前記切替部は、前記サイズデータに基づいて前記リーダライタ側アンテナを切り替えてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、リーダライタは、光学コードの読み取りによって、最適なリーダライタ側アンテナを決定することができる。そのため、RFタグとの交信時間を短縮することができる。
【0019】
また、複数の前記リーダライタ側アンテナが同じインダクタンス値を有するように、複数の前記リーダライタ側アンテナはそれぞれ、アンテナサイズに応じたコイルの巻き数を有していてもよい。また、前記リーダライタは、切り替えによって前記リーダライタ側アンテナの共振周波数が変化しないように、前記リーダライタ側アンテナごとに異なる共振回路を有してもよい。
【0020】
また、複数の前記リーダライタ側アンテナの平面視において、複数の前記リーダライタ側アンテナのいずれか1つの前記リーダライタ側アンテナの内側に、他の前記リーダライタ側アンテナが配置されてもよい。上記の構成によれば、RFタグを移動させることなくアンテナを切り替えることができる。
【0021】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアンテナサイズ切替方法は、電磁結合方式でRFタグと交信を行うリーダライタのアンテナサイズ切替方法であって、アンテナのサイズに関する情報を取得する取得ステップと、前記情報に基づいて、前記リーダライタの有する複数のリーダライタ側アンテナのうち、前記RFタグのアンテナサイズに応じたアンテナに切り替える切替ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、RFタグと安定して交信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態1に係るリーダライタおよびRFタグの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】電磁結合方式によるリーダライタ側アンテナとタグ側アンテナとの間の交信を示す模式図である。
【
図3】上記RFタグのタグ側記憶部に格納されているデータの構成例を示す表である。
【
図4】上記リーダライタの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態2に係るリーダライタが交信するRFタグのタグ側記憶部に格納されているデータの構成例を示す表である。
【
図6】上記リーダライタの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態3に係るリーダライタおよびRFタグを示す模式図である。
【
図8】上記リーダライタの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態4に係るリーダライタおよびRFタグを示す模式図である。
【
図10】上記リーダライタの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】複数のリーダライタ側アンテナの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一側面に係る実施形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0025】
〔実施形態1〕
§1 適用例
図1は、本発明の実施形態1に係るリーダライタ10およびRFタグ20の概略構成を示すブロック図である。まず、
図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。本実施形態に係るリーダライタ10は、RFタグ20に対してデータの書き込みおよび読み出しを行うために用いられる。RFタグ20は、ワーク(対象物)に付与されており、ワークに対する作業内容などが記録される。
【0026】
リーダライタ10は、リーダライタ10およびRFタグ20にそれぞれ設けられた電磁結合方式のアンテナを介して、RFタグ20にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ここで、リーダライタ側のアンテナとRFタグ側のアンテナとのサイズが異なっている場合、安定した交信ができない可能性がある(
図2参照)。そこで、リーダライタ側のアンテナのサイズは、RFタグのアンテナのサイズと略同一であることが望ましい。
【0027】
図1ではリーダライタ10に対して1つのRFタグのみが示されているが、実際には、リーダライタ10は、複数のRFタグに対してデータの書き込みおよび読み出しを行う。ここで、複数のRFタグのアンテナサイズがそれぞれ異なっている場合、リーダライタ10はそれぞれのアンテナサイズに対応したアンテナによりRFタグと交信する必要がある。
【0028】
本発明の一実施形態に係るリーダライタ10は、サイズの異なる複数のリーダライタ側アンテナ11を備え、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cのうち、交信するRFタグのタグ側アンテナ21のサイズに応じたアンテナに切り替えることができる。これにより、リーダライタ10は、RFタグのアンテナサイズに応じてアンテナを切り替えることで、RFタグと安定して交信することができる。
【0029】
§2 構成例
次に、
図1を用いて、本発明の実施形態1に係るリーダライタ10およびRFタグ20の構成を以下に説明する。
【0030】
RFタグ20は、タグ側アンテナ21と、タグ側制御部22と、タグ側記憶部23とを備える。タグ側アンテナ21(アンテナコイル)は、電磁誘導によりリーダライタ10のリーダライタ側アンテナ11とデータの送受信を行う。タグ側制御部22は、タグ側アンテナ21(および図示しない共振回路および変復調回路)を介してリーダライタ10からコマンドを受け取る。タグ側制御部22は、当該コマンドに基づきタグ側記憶部23の所定のアドレスを読み出す、またはコマンドに続いて受信したデータをタグ側記憶部23の所定のアドレスに書き込む。タグ側記憶部23はUID領域231とユーザ領域232とを備える。タグ側記憶部23の構成については、
図3を参照し後述する。
【0031】
リーダライタ10は、リーダライタ側アンテナ11と、共振回路12と、スイッチング回路13と、変復調回路14と、リーダライタ側制御部15とを備える。
図1の例示においては、リーダライタ10は、互いに対応するリーダライタ側アンテナ、共振回路、およびスイッチング回路の組を3つ備える。すなわち、リーダライタ側アンテナ11(アンテナコイル)は、第1リーダライタ側アンテナ11a、第2リーダライタ側アンテナ11b、および第3リーダライタ側アンテナ11cを備える。共振回路12は、第1共振回路12a、第2共振回路12b、および第3共振回路12cを備える。スイッチング回路13は、第1スイッチング回路13a、第2スイッチング回路13b、および第3スイッチング回路13cを備える。リーダライタ側アンテナ、共振回路、およびスイッチング回路の組の数としては、これに限定されない。
【0032】
変復調回路14は、互いに並列に接続された複数の共振回路12a~12cと、互いに並列に接続された複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cとに接続されている。複数の共振回路12a~12cは、対応する複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cに、対応する複数のスイッチング回路13a~13cを介して接続されている。
【0033】
リーダライタ側アンテナ11は、電磁誘導によりタグ側アンテナ21とデータの送受信を行う。なお、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cは、それぞれ異なるアンテナサイズを有していてもよい。共振回路12は、所定の周波数(共振周波数)でRFタグ20と交信する。変復調回路14は、リーダライタ側制御部15から受け取った送信データを、RFタグ20への送信信号に変調する。また、変復調回路14は、RFタグ20から送信され、リーダライタ側アンテナ11が受信した受信信号を、受信データに復調してリーダライタ側制御部15に送る。
【0034】
リーダライタ側制御部15は、送受信部151と、通信部152と、リーダライタ側記憶部153と、切替部154とを備える。
【0035】
通信部152は、上位システム(コントローラ、パーソナルコンピュータ等)からRFタグ20への送信コマンド(リードコマンド、ライトコマンド等)を受信する。通信部152は、送受信部151を介して変復調回路14に送信コマンドを出力する。また、通信部152は、変復調回路14から入力されるRFタグ20の応答信号を、送受信部151を介して受信する。通信部152は、上位システムへRFタグの応答信号を出力する。
【0036】
リーダライタ側記憶部153は、RFタグ20ごとの固有のデータである「UIDデータ(タグ識別子)」と、「リーダライタ側アンテナ11のサイズ」とを対応付けた対応テーブルD1(アンテナのサイズに関する情報)を格納している。なお、リーダライタ側記憶部153の代わりに上位システムが対応テーブルD1を有していてもよい。ここで、「リーダライタ側アンテナ11のサイズ」は、「UIDデータ」を格納するRFタグ20が備えるタグ側アンテナ21のサイズと略同一であるように設定されればよい。リーダライタ側またはタグ側のアンテナのサイズとは、例えばアンテナの外形(長辺または短辺)の長さ、アンテナの直径、または、アンテナの面積を意味する。
【0037】
切替部154は、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cのうち、交信するRFタグ20のタグ側アンテナ21のサイズに応じたアンテナに切り替える。すなわち、切替部154は、リーダライタ側記憶部153または上位システムから対応テーブルD1を取得する。また、切替部154は、送受信部151からRFタグ20の応答信号としてのUIDデータを取得する。切替部154は、対応テーブルD1において、「UIDデータ」に対応する「リーダライタ側アンテナ11のサイズ」を特定する。切替部154は、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cのうち、「リーダライタ側アンテナ11のサイズ」に対応するアンテナに切り替える。切替部154は、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cのうち、例えば、第1リーダライタ側アンテナ11aに切り替える場合、複数のスイッチング回路13a~13cのうち第1スイッチング回路13aのみをONにする。以上により、切替部154は、対応テーブルD1に基づいて最適なリーダライタ側アンテナ11に切り替える。
【0038】
なお、アンテナサイズ(アンテナ径)を変更することにより、共振周波数が所定の周波数からずれてしまう可能性がある。ここで、リーダライタ10においては、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cはそれぞれ、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cのアンテナサイズに対応する共振周波数に関するパラメータを有する複数の共振回路12a~12cが接続される。共振周波数に関するパラメータとしては、共振回路12a~12cにおけるコイルのインダクタンスおよびコンデンサのキャパシタンスなどが挙げられる。すなわち、リーダライタ10は、切替部154の切り替えによってリーダライタ側アンテナ11の共振周波数が変化しないように、リーダライタ側アンテナ11ごとに異なる共振回路12を有する。従って、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cは、同じ共振周波数を有する。
【0039】
また、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cはそれぞれ、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cのアンテナサイズに対応する巻き数のアンテナコイルであってもよい。すなわち、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cが同じインダクタンス値を有するように、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cはそれぞれ、アンテナサイズに応じたコイルの巻き数を有してもよい。従って、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cは、同じ共振周波数を有する。
【0040】
図2は、電磁結合方式によるリーダライタ側アンテナ11とタグ側アンテナ21との間の交信を示す模式図である。
図2では、一例として、第1リーダライタ側アンテナ11aのサイズがタグ側アンテナ21のサイズより小さく、第2リーダライタ側アンテナ11bのサイズがタグ側アンテナ21のサイズと略同一であり、第3リーダライタ側アンテナ11cのサイズがタグ側アンテナ21のサイズより大きい場合を示している。リーダライタ側アンテナ11とタグ側アンテナ21とは近接して互いに対向して配置され、相互誘導によって交信を行う。
【0041】
図2に示すように、第3リーダライタ側アンテナ11cから発生する磁力線の一部は、タグ側アンテナ21の外側に漏れてしまう。そのため、第3リーダライタ側アンテナ11cを使用するリーダライタ10は、RFタグ20と安定して交信できない可能性がある。なお、タグ側アンテナ21よりサイズが小さい第1リーダライタ側アンテナ11aを用いた場合も、同様に、タグ側アンテナ21と第1リーダライタ側アンテナ11aとで効率よく電磁結合することができない。
【0042】
一方、第2リーダライタ側アンテナ11bから発生する磁力線は、タグ側アンテナ21の内部を通る。そのため、第2リーダライタ側アンテナ11bを使用するリーダライタ10は、RFタグ20と安定して交信できる。
【0043】
図3は、タグ側記憶部23に格納されているデータの構成例を示す表である。
図3に示すように、タグ側記憶部23は、UIDデータを格納するUID領域231とユーザデータを格納するユーザ領域232とを備える。UIDデータは、RFタグ20ごとの固有のデータである。ユーザデータは、リーダライタ10によって書き込まれるデータであり、例えばRFタグ20が付与されたワークの作業内容などを含む。リーダライタ10は、ユーザ領域232の所定のアドレスに書き込まれたユーザデータを読み出す、またはユーザ領域232の所定のアドレスにデータを書き込む。
【0044】
§3 動作例
(動作例1)
図4は、本実施形態に係るリーダライタ10の処理の一例を示すフローチャートである。次に、
図4を用いて、リーダライタ10が対応テーブルD1に基づいて最適なリーダライタ側アンテナに切り替え、RFタグ20と交信を行う処理(交信処理)について、以下に説明する。
【0045】
図4に示すように、本実施形態におけるアンテナサイズ切替方法では、まず、切替部154は、リーダライタ側アンテナ11をデフォルトの第1リーダライタ側アンテナ11aに設定する(ステップS11)。すなわち、切替部154は、複数のスイッチング回路13a~13cのうち第1スイッチング回路13aのみをONにする。
【0046】
次に、上位システムは、UID領域231へのリードコマンドを発行する(ステップS12)。リーダライタ10は、上位システムから受信したリードコマンドに基づいた送信信号を、デフォルトの第1リーダライタ側アンテナ11aを介してRFタグ20に送信する。
【0047】
ここで、RFタグ20からの受信信号が所定のレベル以上であり、リーダライタ10がUIDデータを正常に受信した場合、リーダライタ側制御部15は、RFタグ20との交信に成功したと判定する。また、RFタグ20からの受信信号が所定のレベル未満であり、リーダライタ10がUIDデータを正常に受信しなかった場合、リーダライタ側制御部15は、RFタグ20との交信に失敗したと判定する。
【0048】
リーダライタ10がRFタグ20との交信に失敗した場合(ステップS13でNO)、リーダライタ側制御部15は、全てのリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20と交信したか否かを判定する(ステップS14)。全てのリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20と交信していた場合(ステップS14でYES)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は失敗したと判定する(ステップS20)。全てのリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20と交信していない場合(ステップS14でNO)、切替部154は、交信に使用したアンテナ以外のリーダライタ側アンテナに切り替え(ステップS15)、再度ステップS12を行う。
【0049】
例えば、リーダライタ10がデフォルトの第1リーダライタ側アンテナ11aを介したRFタグ20との交信に失敗した場合、切替部154は、第2リーダライタ側アンテナ11bに切り替える。次に、リーダライタ10が第2リーダライタ側アンテナ11bを介したRFタグ20との交信に失敗した場合、切替部154は、第3リーダライタ側アンテナ11cに切り替える。次に、リーダライタ10が第3リーダライタ側アンテナ11cを介したRFタグ20との交信に失敗した場合、リーダライタ側制御部15は、交信処理は失敗したと判定する。
【0050】
リーダライタ10がRFタグ20との交信に成功した場合(ステップS13でYES)、切替部154は、リーダライタ側記憶部153または上位システムから対応テーブルD1を取得する(取得ステップ)。切替部154は、対応テーブルD1に基づいて最適なリーダライタ側アンテナ11に切り替える(切替ステップS16)。すなわち、切替部154は、対応テーブルD1において、RFタグ20から受信した「UIDデータ」に対応する「リーダライタ側アンテナ11のサイズ」を特定する。切替部154は、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cのうち、「リーダライタ側アンテナ11のサイズ」に対応するアンテナに切り替える。
【0051】
次に、上位システムは、ユーザ領域232へのアクセスコマンド(リードコマンドまたはライトコマンド)を発行する(ステップS17)。リーダライタ10は、上位システムから受信したアクセスコマンドに基づいた送信信号を、最適なリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20に送信する。
【0052】
リーダライタ10が最適なリーダライタ側アンテナ11を介してのRFタグ20との交信に失敗した場合(ステップS18でNO)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は失敗したと判定する(ステップS20)。リーダライタ10が最適なリーダライタ側アンテナ11を介してのRFタグ20との交信に成功した場合(ステップS18でYES)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は成功したと判定する(ステップS19)。
【0053】
以上のように、本実施形態に係るリーダライタ10は、対応テーブルD1に基づいて最適なリーダライタ側アンテナに切り替えることで、RFタグ20と安定して交信することができる。すなわち、リーダライタ10は、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cのうち、交信するRFタグのタグ側アンテナ21のサイズに応じたアンテナに切り替えることができる。
【0054】
また、本実施形態に係るリーダライタ10は、RFタグ20からユーザデータに比べて容量の小さいUIDデータを取得することによって最適なリーダライタ側アンテナ11に切り替えることができる。すなわち、アンテナの切り替えに要する処理時間を後述する実施形態2に係るリーダライタ10に比べて短くすることができる。
【0055】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0056】
図5は、本発明の実施形態2に係るリーダライタ10が交信するRFタグ20のタグ側記憶部23に格納されているデータの構成例を示す表である。本実施形態のタグ側記憶部23は、実施形態1と同様にUID領域231とユーザ領域232とを備える。本実施形態に係るユーザ領域232は、アドレスA1において、対応するアンテナサイズを示すサイズデータD2(アンテナのサイズに関する情報)を格納する点で実施形態1に係るユーザ領域232と異なる。ここで、対応するアンテナサイズを示すサイズデータD2は、タグ側アンテナ21のサイズを示すデータであってもよいし、タグ側アンテナ21と安定して交信可能であるリーダライタ側アンテナ11のサイズを示すデータであってもよい。
【0057】
本実施形態に係る切替部154は、対応テーブルD1に代えてユーザ領域232から読み取られたサイズデータD2に基づいてリーダライタ側アンテナ11を切り替える点で実施形態1と異なる。
【0058】
(動作例2)
図6は、本実施形態に係るリーダライタ10の処理の一例を示すフローチャートである。
図6を用いて、リーダライタ10がサイズデータD2に基づいて最適なリーダライタ側アンテナに切り替え、RFタグ20と交信を行う処理について、以下に説明する。
【0059】
図6に示すように、本実施形態におけるアンテナサイズ切替方法では、まず、実施形態1と同様にS11~S15を行う。リーダライタ10がRFタグ20との交信に成功した場合(ステップS13でYES)、上位システムは、ユーザ領域232のアドレスA1へのリードコマンドを発行する(ステップS31)。リーダライタ10は、上位システムから受信したリードコマンドに基づいた送信信号を、例えばS13で交信に成功したときのリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20に送信する。
【0060】
ユーザ領域232のアドレスA1へのリードコマンドに基づくリーダライタ10の処理(ステップS32~S34)は、UID領域231へのリードコマンドに基づくリーダライタ10の処理(ステップS13~S15)と同様である。すなわち、リーダライタ10がRFタグ20との交信に失敗した場合(ステップS32でNO)、リーダライタ側制御部15は、全てのリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20と交信したか否かを判定する(ステップS33)。全てのリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20と交信していた場合(ステップS33でYES)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は失敗したと判定する(ステップS39)。全てのリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20と交信していない場合(ステップS33でNO)、切替部154は、交信に使用したアンテナ以外のリーダライタ側アンテナに切り替え(ステップS34)、再度ステップS31を行う。
【0061】
リーダライタ10がRFタグ20との交信に成功した場合(ステップS32でYES)、リーダライタ10は、RFタグ20からサイズデータD2を受信データとして受け取る(取得ステップ)。切替部154は、サイズデータD2に基づいて最適なリーダライタ側アンテナ11に切り替える(切替ステップS35)。すなわち、切替部154は、サイズデータD2に示された、タグ側アンテナ21のサイズまたはリーダライタ側アンテナ11のサイズに対応するアンテナに切り替える。
【0062】
次に、上位システムは、ユーザ領域232のアドレスA1以外のアドレスへのアクセスコマンドを発行する(ステップS36)。リーダライタ10は、上位システムから受信したアクセスコマンドに基づいた送信信号を、最適なリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20に送信する。
【0063】
リーダライタ10が最適なリーダライタ側アンテナ11を介してのRFタグ20との交信に失敗した場合(ステップS37でNO)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は失敗したと判定する(ステップS39)。リーダライタ10が最適なリーダライタ側アンテナ11を介してのRFタグ20との交信に成功した場合(ステップS37でYES)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は成功したと判定する(ステップS38)。
【0064】
本実施形態に係るリーダライタ10は、RFタグ20の生産時に、最適なリーダライタ側アンテナ11を示すサイズデータD2を書き込むことができる。すなわち、実施形態1に係るRFタグ20と比較し、複数のRFタグ20ごとにランダムに割り振られるUIDと最適なリーダライタ側アンテナ11のサイズとを対応付ける必要がなく、生産管理が容易である。
【0065】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0066】
図7は、本発明の実施形態3に係るリーダライタ10およびRFタグ20を示す模式図である。
図7に示すように、カメラ30は、ワーク60に付与されたRFタグ20を撮像する。上位システム50は、カメラ30からRFタグ20の画像データD3(アンテナのサイズに関する情報)を受信し、リーダライタ10に画像データD3を送信する。リーダライタ10は、カメラ30により撮像されたRFタグ20の画像データD3を取得する。
【0067】
本実施形態に係る切替部154は、対応テーブルD1に代えて画像データD3に基づいてリーダライタ側アンテナ11を切り替える点で実施形態1と異なる。
【0068】
(動作例3)
図8は、本実施形態に係るリーダライタ10の処理の一例を示すフローチャートである。
図8を用いて、リーダライタ10が画像データD3に基づいて最適なリーダライタ側アンテナに切り替え、RFタグ20と交信を行う処理について、以下に説明する。
【0069】
図8に示すように、本実施形態におけるアンテナサイズ切替方法では、まず、カメラ30がRFタグ20を撮像する(ステップS51)。上位システム50は、カメラ30からRFタグ20の画像データD3を受信し、リーダライタ10に画像データD3を送信する。
【0070】
次に、リーダライタ10は、上位システム50から画像データD3を取得する(取得ステップ)。リーダライタ10が画像データD3の取得に成功した場合(ステップS52でYES)、リーダライタ側制御部15は、画像データD3からRFタグ20のサイズを特定する(ステップS53)。リーダライタ10が画像データD3の取得に失敗した場合(ステップS52でNO)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は失敗したと判定する(ステップS60)。
【0071】
次に、切替部154は、画像データD3から特定したRFタグ20のサイズに基づいて最適なリーダライタ側アンテナ11に切り替える(切替ステップS54)。例えば、切替部154は、RFタグ20のサイズからタグ側アンテナ21のサイズを特定し、当該タグ側アンテナ21のサイズに対応するリーダライタ側アンテナ11に切り替える。
【0072】
次に、上位システム50は、UID領域231へのリードコマンドを発行する(ステップS55)。リーダライタ10は、上位システム50から受信したリードコマンドに基づいた送信信号を、最適なリーダライタ側アンテナ11を介してRFタグ20に送信する。
【0073】
リーダライタ10が最適なリーダライタ側アンテナ11を介してのRFタグ20との交信に失敗した場合(ステップS56でNO)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は失敗したと判定する(ステップS60)。リーダライタ10が最適なリーダライタ側アンテナ11を介してのRFタグ20との交信に成功した場合(ステップS56でYES)、上位システム50は、ユーザ領域232へのアクセスコマンドを発行する(ステップS57)。ユーザ領域232へのアクセスコマンドに基づくリーダライタ10の処理(ステップS57~S58)は、UID領域231へのリードコマンドに基づくリーダライタ10の処理(ステップS55~S56)と同様である。リーダライタ10がユーザ領域232へのアクセスコマンドに基づくRFタグ20との交信に成功した場合(ステップS58でYES)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は成功したと判定する(ステップS59)。
【0074】
本実施形態に係るリーダライタ10は、カメラ30による撮像によって、最適なリーダライタ側アンテナ11を決定することができる。そのため、実施形態1および実施形態2と比較し、RFタグとの交信時間を短縮することができる。
【0075】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0076】
図9は、本発明の実施形態4に係るリーダライタ10およびRFタグ20を示す模式図である。
図9に示すように、RFタグ20が付与されたワーク60を積載するパレット61の側面には光学コード62が設けられている。コードリーダ40は、光学コード62から、サイズデータD2を含むRFタグ20の識別情報を読み取る。上位システム50は、コードリーダ40からサイズデータD2を受信し、リーダライタ10にサイズデータD2を送信する。リーダライタ10は、光学コード62からコードリーダ40によって読み取られたサイズデータD2を取得する。
【0077】
本実施形態に係る切替部154は、対応テーブルD1に代えて光学コード62から読み取られたサイズデータD2に基づいてリーダライタ側アンテナ11を切り替える点で実施形態1と異なる。
【0078】
(動作例4)
図10は、本実施形態に係るリーダライタ10の処理の一例を示すフローチャートである。
図10を用いて、リーダライタ10がサイズデータD2に基づいて最適なリーダライタ側アンテナに切り替え、RFタグ20と交信を行う処理について、以下に説明する。
【0079】
図10に示すように、本実施形態におけるアンテナサイズ切替方法では、まず、コードリーダ40が光学コード62からサイズデータD2を読み取る(ステップS71)。上位システム50は、コードリーダ40からサイズデータD2を受信し、リーダライタ10にサイズデータD2を送信する。
【0080】
次に、リーダライタ10は、上位システム50からサイズデータD2を取得する(取得ステップ)。リーダライタ10がサイズデータD2の取得に成功した場合(ステップS72でYES)、切替部154は、サイズデータD2に基づいて最適なリーダライタ側アンテナ11に切り替える(切替ステップS73)。リーダライタ10がサイズデータD2の取得に失敗した場合(ステップS72でNO)、リーダライタ側制御部15は、交信処理は失敗したと判定する(ステップS60)。S73の後、リーダライタ10は、実施形態3と同様にS55~S60を行う。
【0081】
本実施形態に係るリーダライタ10は、光学コード62の読み取りによって、最適なリーダライタ側アンテナ11を決定することができる。そのため、実施形態1および実施形態2と比較し、RFタグとの交信時間を短縮することができる。
(変形例)
【0082】
図11は、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cの構成を示す平面図である。
図11に示すように、複数のリーダライタ側アンテナ11a~11cの平面視において、第3リーダライタ側アンテナ11cの内側に、第3リーダライタ側アンテナ11cよりサイズが小さい第2リーダライタ側アンテナ11bが配置されてもよい。同様に、第2リーダライタ側アンテナ11bの内側に、第2リーダライタ側アンテナ11bよりサイズが小さい第1リーダライタ側アンテナ11aが配置されてもよい。このような構成により、RFタグを移動させることなくアンテナを切り替えることができる。
【0083】
〔ソフトウェアによる実現例〕
リーダライタ(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特にリーダライタ側制御部15に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0084】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0085】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0086】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0087】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0088】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
10 リーダライタ
11 リーダライタ側アンテナ
12 共振回路
13 スイッチング回路
15 リーダライタ側制御部
20 RFタグ
21 タグ側アンテナ
30 カメラ
40 コードリーダ
60 ワーク(対象物)
61 パレット
62 光学コード
154 切替部
D1 対応テーブル
D2 サイズデータ
D3 画像データ
S16、S35、S54、S73 切替ステップ