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特許7604975情報処理方法、手書入力装置、及びサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】情報処理方法、手書入力装置、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20241217BHJP
   G06F 21/35 20130101ALI20241217BHJP
【FI】
G06F21/44
G06F21/35
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021048792
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147517
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘典
(72)【発明者】
【氏名】蒲本 浩明
【審査官】塩澤 如正
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-211340(JP,A)
【文献】特開2003-345505(JP,A)
【文献】国際公開第2021/049602(WO,A1)
【文献】特開2017-181543(JP,A)
【文献】特開2005-018426(JP,A)
【文献】特開2011-018127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/44
G06F 21/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書入力装置を使用するユーザの個人ID及び手書データの配信が可能な配信先を特定する特定情報を含む第1のプロファイルデータが保持された前記手書入力装置を前記個人IDに基づいて表示装置が認証し、
認証が成功した場合、前記手書入力装置による手書入力を前記表示装置で受け付け、
入力された手書データ、前記第1のプロファイルデータ、及び前記表示装置の識別IDを含む第2のプロファイルデータを関連付けてサーバへ送信
受信した前記第1のプロファイルデータに基づいて、前記手書データの配信の可否を前記サーバが判定する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記表示装置は、
前記第1のプロファイルデータに基づいて前記手書入力装置を認証する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記サーバは、
前記表示装置から送信された手書データを配信先の表示装置に配信する、
請求項1又は請求項に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記サーバは、
前記表示装置から送信された第1のプロファイルデータ、手書データ、及び第2のプロファイルデータと、前記手書データに関連する時刻とを対応付けたタイムスタンプ情報を記憶する、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記サーバは、
予めユーザの個人IDと筆跡データとを対応付けて登録し、
前記表示装置から送信された手書データが筆跡データと一致するか否かに応じて前記手書データを照合し、
照合が成功した場合、前記手書データに、手書データを識別する識別子である筆跡IDを付与し、
前記手書入力装置を使用するユーザが、個人IDによって識別される本人であることが確認できるよう前記ユーザの個人IDと筆跡IDとを関連付けて記憶する、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
手書入力を受け付ける表示装置は、有人駅に設置され、
手書データの配信先の表示装置は、無人駅に設置されている、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか一項の情報処理方法に用いられる手書入力装置であって、
第1のプロファイルデータを格納したセキュアエレメントを備える、
手書入力装置。
【請求項8】
表示装置で受け付けた手書入力装置による手書データ、前記手書入力装置に保持され、前記手書入力装置を使用するユーザの個人ID及び前記手書データの配信が可能な配信先を特定する特定情報を含む第1のプロファイルデータ、及び前記表示装置の識別IDを含む第2のプロファイルデータを関連付けた関連データを受信する受信部と、
前記関連データと前記手書データに関する時刻とを対応付けたタイムスタンプ情報を記憶する記憶部と、
前記手書データを配信先の表示装置に配信する配信部と
受信した前記第1のプロファイルデータに基づいて、前記手書データの配信の可否を判定する判定部と
を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、手書入力装置、及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駅構内、イベント会場、観光地、公共施設などにおいて、利用者に対する情報提供の必要性が高まっている。例えば、鉄道事業では、無人駅が増加傾向にあり、無人駅の利用者(特に、障害者など)に対する人的支援が難しくなり、災害などの緊急時には、情報提供の必要性は一層高くなる。
【0003】
特許文献1には、一の拠点で電子黒板のディスプレイ上に描画されたストロークデータが、通信ネットワークを介して他の拠点の電子黒板へ送信されることで、他の拠点のディスプレイ上にも表示されるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6540367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のようなシステムでは、第三者が悪戯目的でディスプレイ上にメッセージなどを書くと、そのメッセージが他の拠点のディプレイ上に表示されてしまう可能性がある。特に、緊急時に嘘や誤った情報が配信されると却って混乱を招く。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、悪戯や不正を防止して適正な情報を配信できる情報処理方法、手書入力装置、及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、情報処理方法は、第1のプロファイルデータが保持された手書入力装置を表示装置が認証し、認証が成功した場合、前記手書入力装置による手書入力を前記表示装置で受け付け、入力された手書データ、前記第1のプロファイルデータ、及び前記表示装置の第2のプロファイルデータを関連付けてサーバへ送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、悪戯や不正を防止して適正な情報を配信できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態の情報処理システムの構成の一例を示す模式図である。
図2】手書入力装置の構成の一例を示す模式図である。
図3】アクセスプロファイルの構成の一例を示す模式図である。
図4】表示装置の構成の一例を示す模式図である。
図5】機器プロファイルの構成の一例を示す模式図である。
図6】管理サーバの構成の一例を示す模式図である。
図7】アクセスプロファイルの構成の一例を示す模式図である。
図8】コンテンツプロファイルの構成の一例を示す模式図である。
図9】タイムスタンプ情報の構成の一例を示す模式図である。
図10】機器情報の構成の一例を示す模式図である。
図11】情報処理システムの処理手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の情報処理システムの構成の一例を示す模式図である。情報処理システムは、管理サーバ(サーバ)50、及び複数の表示装置30を備える。表示装置30は、表示部32を備える。表示装置30は、例えば、電子ペーパディスプレイで構成することができる。表示装置30は、ロケーションA、B、Cそれぞれに設置されている。ロケーションA~Cは、例えば、駅構内、イベント会場、観光地、公共施設などに設置される。本明細書では、鉄道事業を例として挙げ、ロケーションAは有人駅、ロケーションB、Cは無人駅として説明するが、これに限定されるものではない。ロケーションAでは、表示装置30の表示部32に手書き入力できる手書入力装置10が使用できる。手書入力装置10は、例えば、スタイラスペン等で構成される。管理サーバ50と各表示装置30とは、通信ネットワーク1を介して接続される。また、管理サーバ50は、通信ネットワーク2を介して端末装置20と接続される。
【0011】
鉄道事業の場合、駅員などのユーザは、災害などの緊急時に、自身のアクセス権限が保持された手書入力装置10を使用して、表示装置30の表示部32に緊急メッセージを入力する。表示装置30は、緊急メッセージを管理サーバ50へ送信する。
【0012】
管理サーバ50は、主にアクセス管理、記録管理、アクセス権利・階層管理、及びコンテンツの配信管理などを行う。本明細書では、管理サーバ50は、平常時だけでなく、災害等の緊急時において、鉄道安全誘導サービスに関する管理を行うが、これに限定されるものではない。管理サーバ50は、緊急メッセージを他の無人駅に設置された表示装置30に配信して表示させることができる。これにより、無人駅の利用者に緊急メッセージを伝えることが可能となる。
【0013】
端末装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ又はタブレットで構成することができる。管理者は、端末装置20を用いて、表示装置30に表示させるコンテンツの作成、管理サーバ50へのコンテンツの登録、コンテンツの配信スケージュールの作成、登録、及び更新などを行うことができる。
【0014】
図2は手書入力装置10の構成の一例を示す模式図である。手書入力装置10は、タッチペンであって、タッチパネルである表示部32の表面の所望の位置をタッチ又は押圧することにより、表示部32上での操作や手書入力を行うことができる。手書入力装置10は、ペン先11、ペン本体部12、通信部13、及びセキュアエレメント14を備える。手書入力装置10は、パッシブペンでもよく、アクティブペンでもよい。
【0015】
セキュアエレメント14には、アクセスプロファイル(第1のプロファイルデータ)15が保持されている。セキュアエレメント14は、耐タンパ性を有する半導体素子であり、UICC(Universal Integrated Circuit Card)(SIMカード)などに搭載することができる。セキュアエレメント14は、SIMカードのようにペン本体部12に対して着脱可能であってもよく、予めペン本体部12に内蔵されていてもよい。
【0016】
通信部13は、例えば、NFC(Near Field Communication)コントローラであり、NFCリーダとしての表示装置30との間で近距離無線通信を行う。通信部13は、手書入力装置10の認証要求とともに、アクセスプロファイル15を表示装置30に送信する。なお、アクセスプロファイル15を暗号化してセキュアエレメント14に保持しておき、表示装置30にアクセスプロファイル15を送信する際に、通信部13が復号処理を行ってアクセスプロファイル15を復号してもよい。
【0017】
図3はアクセスプロファイル15の構成の一例を示す模式図である。アクセスプロファイル15は、第三者、なりすまし又はアクセス権限のないユーザによる手書入力装置10の使用を制限・管理するためのプロファイルデータである。図3に示すように、アクセスプロファイル15のデータ項目は、企業ID、サービスID、個人ID、アクセス権利・階層、及び認証コアを含む。なお、データ項目は、図3の例に限定されない。
【0018】
企業IDは、企業を識別する識別子であり、企業名でもよい。鉄道事業の場合、鉄道事業者名(鉄道会社名)である。
【0019】
サービスIDは、サービス内容、サービスを担当する組織や部門などを識別する。鉄道事業の場合、例えば、鉄道安全誘導サービスなどである。なお、鉄道安全誘導サービスは、「運行情報サービス」、「列車情報サービス」、「施設誘導サービス」などの階層に区分してもよい。
【0020】
個人IDは、ユーザ(社員、担当者)を識別する識別子であり、ユーザの氏名や社員番号、役職などを含めることができる。鉄道事業の場合、例えば、氏名の他に、駅員、輸送主任、助役、副駅長、駅長、管理駅長などの職制を含めてもよい。
【0021】
アクセス権利・階層は、ユーザの職権範囲、業務範囲、担当範囲などを規定する。アクセス権利・階層は、例えば、アクセス権利1、2、3(数値が大きいほど高レベル)の如く、レベル包括的に定めてもよい。例えば、アクセス権利が高いほど、管轄可能な無人駅の範囲を広くしてもよい。
【0022】
認証コアは、認証方式(認証のしくみ)を示す。
【0023】
図4は表示装置30の構成の一例を示す模式図である。表示装置30は、装置全体を制御する制御部31、表示部32、通信部33、認証部34、記憶部35、及びデジタル化処理部38を備える。制御部31は、CPU、ROM及びRAM等で構成することができる。
【0024】
表示部32は、タッチパネルで構成され、手書入力装置10により紙のように画面に書き込むことができる。
【0025】
通信部33は、通信モジュールを備え、通信ネットワーク1を介して管理サーバ50との間でデータの送受信を行うことができる。
【0026】
記憶部35は、例えば、半導体メモリ又はハードディスク等で構成され、機器プロファイル(第2のプロファイルデータ)36、及びコンテンツ情報37を記憶する。
【0027】
コンテンツ情報37は、表示部32に表示されるコンテンツの総称である。制御部31は、予め定められた表示プログラムによって、各種コンテンツを表示部32に表示する。表示プログラムは、コンテンンツの表示内容や表示順序、表示タイミングなどを予め定めたプログラムである。コンテンツは、例えば、運行情報(例えば、運転見合わせ、遅延など)、列車情報(例えば、列車の接近通知)、施設誘導情報(ホーム番線、トイレ等の案内など)等に関する情報とすることができる。
【0028】
図5は機器プロファイル36の構成の一例を示す模式図である。機器プロファイル36は、手書入力装置10がアクセス権限のある正しいユーザによって使用されているかを認証するため、また表示装置30が正規のロケーションに設置された正規の機器であることを管理するためのプロファイルデータである。図5に示すように、機器プロファイル36のデータ項目は、企業ID、サービスID、機器ID、アクセス権利・階層、及び認証コアを含む。なお、データ項目は、図5の例に限定されない。企業ID、サービスID、及び認証コアは、アクセスプロファイル15と同様である。
【0029】
機器IDは、表示装置30が設置されているロケーション、表示装置30の識別子を含む。鉄道事業の場合、表示装置30が、どの駅に設置された何号機であるかを示す。
【0030】
アクセス権利・階層は、表示装置30へのアクセスが許可される個人IDを含む。アクセス権利・階層は、アクセス権利1、2、3(数値が大きいほど高レベル)の如く、レベル包括的に定めてもよい。
【0031】
認証部34は、NFCリーダとしての機能を有し、手書入力装置10の認証を行う。例えば、手書入力装置10のアクセスプロファイル15の個人IDと機器プロファイル36の個人IDが一致する場合、認証成功と判定し、両者が一致しない場合、認証不成功と判定できる。認証が成功すれば、手書入力装置10を有効化(手書入力の受付可)とすることができる。また、手書入力装置10のアクセスプロファイル15のアクセス権利が、機器プロファイル36のアクセス権利以上の場合(同じ又は高い場合)、認証成功と判定してもよい。認証部34による認証がされていない手書入力装置10は、手書入力することができない。
【0032】
災害などの緊急時に、ロケーションA(例えば、有人駅)の駅員が、他の無人駅に配信したい情報を即座に手書入力することができる。そのような場合に、悪戯や不正を防止して適正な情報の入力を実現できる。
【0033】
記憶部35は、手書入力装置10から取得したアクセスプロファイル15、手書入力装置10によって入力された手書データを保存することができる。
【0034】
デジタル化処理部38は、文字認識・変換機能を備え、手書入力装置10により入力された手書データを文字変換してデジタル化することができる。
【0035】
制御部31は、入力された手書データ、アクセスプロファイル15、及び機器プロファイル36を関連付けた関連データを管理サーバ50へ送信する。なお、手書データには、デジタル化されたデータを含めてもよい。
【0036】
図6は管理サーバ50の構成の一例を示す模式図である。管理サーバ50は、サーバ全体を制御する制御部51、通信部52、配信部53、判定部54、照合部55、及び記憶部56を備える。制御部51は、CPU、ROM及びRAM等で構成することができる。
【0037】
通信部52は、通信モジュールを備え、通信ネットワーク1を介して表示装置30との間でデータの送受信を行うことができる。また、通信部52は、通信ネットワーク2を介して端末装置20との間でデータの送受信を行うことができる。
【0038】
通信部52は、ロケーションA(例えば、有人駅)に設置された表示装置30から送信された、手書データ、アクセスプロファイル15、及び機器プロファイル36を関連付けた関連情報を受信することができる。通信部52で受信した関連情報は、手書データに関連する時刻と対応付けてタイムスタンプ情報として記憶部56に記憶される。
【0039】
記憶部56は、例えば、半導体メモリ又はハードディスク等で構成され、アクセスプロファイル57、コンテンツプロファイル58、タイムスタンプ情報59、及び機器情報60を記憶する。
【0040】
図7はアクセスプロファイル57の構成の一例を示す模式図である。アクセスプロファイル57は、主にアクセス管理のために使用される。アクセスプロファイル57は、表示装置30に対する手書入力装置10による手書入力が正規のユーザによって行われたものであるかを管理するため、また、表示装置30が正規のロケーションに設置された正規の機器であることを管理するためのプロファイルデータである。
【0041】
図7に示すように、アクセスプロファイル57のデータ項目は、企業ID、サービスID、個人ID、アクセス権利・階層、認証コア、機器ID、及び筆跡IDを含む。なお、データ項目は、図7の例に限定されない。企業ID、サービスID、個人ID、アクセス権利・階層、認証コアは、アクセスプロファイル15と同様である。機器IDは、機器プロファイル36と同様である。
【0042】
筆跡IDは、表示装置30から受信した手書データを識別する識別子であり、照合部55による手書データの照合が成功した場合、照合部55によって筆跡IDが付与される。筆跡IDは、個人IDと関連付けてもよい。
【0043】
図8はコンテンツプロファイル58の構成の一例を示す模式図である。コンテンツプロファイル58は、主にアクセス権利・階層管理及びコンテンツの配信管理のために使用される。図8に示すように、コンテンツプロファイル58のデータ項目は、情報分類ID、履歴・バージョンID、コンテンツID、閲覧権利・階層、及び認証コアを含む。
【0044】
情報分類IDは、提供(配信)する情報の階層を分類するID、階層毎の情報などである。鉄道安全誘導サービスの場合、「運行情報サービス」、「列車情報サービス」、「施設誘導サービス」の如く階層を3つに分類してもよい。階層毎の情報は、平常時であれば、例えば、運行情報(例えば、運転見合わせ、遅延など)、列車情報(例えば、列車の接近通知)、施設誘導情報(ホーム番線、トイレ等の案内など)等に関する情報とすることができる。また、緊急時の場合には、緊急メッセージなどの内容に応じて、いずれかの階層に区分される。
【0045】
履歴・バージョンIDは、情報の更新日時、バーション情報などである。
【0046】
コンテンツIDは、提供(配信)する情報を構成する各コンテンツの識別子である。
【0047】
閲覧権利・階層は、アクセスプロファイルに基づく閲覧可能な階層及びコンテンツの範囲であり、どのユーザがどの範囲まで閲覧可能であるかを管理するためのものである。
【0048】
認証コアは、認証方式(認証のしくみ)を示す。
【0049】
図9はタイムスタンプ情報59の構成の一例を示す模式図である。タイムスタンプ情報59は、記録管理のためのプロファイルデータである。図9に示すように、タイムスタンプ情報は、タイムスタンプID、時刻、ロケーション、機器ID、企業ID、サービスID、個人ID、アクセスしたコンテンツID、手書データ、及び筆跡IDを関連付けた情報である。なお、タイムスタンプ情報59は図9の例に限定されない。
【0050】
タイムスタンプIDは、タイムスタンプ情報の識別子である。
【0051】
時刻は、例えば、ユーザが手書入力した際に表示装置30が、手書データ、アクセスプロファイル15、及び機器プロファイル36を関連付けた関連データを管理サーバ50へ送信したときの送信時刻(手書データに関連する時刻)としてもよい。また、時刻はユーザがコンテンツを閲覧した時刻でもよく、管理サーバ50へのアクセス時刻でもよい。
【0052】
ロケーションは、管理サーバ50に対して関連データを送信した表示装置が設置されているロケーション(図9の例では、OX駅)を示す。
【0053】
機器IDは、管理サーバ50に対して関連データを送信した表示装置の識別子(図9の例では、1号機)を示す。
【0054】
個人IDは、管理サーバ50に対して関連データを送信した表示装置に対して手書入力を行ったユーザの識別子(図9の例では、A0020)を示す。
【0055】
アクセスしたコンテンツIDは、当該個人IDを持つユーザによって閲覧(アクセス)されたコンテンツを示す。
【0056】
手書データは、当該個人IDを持つユーザによって手書入力されたデータ(例えば、緊急メッセージなど)を示す。
【0057】
筆跡IDは、当該手書データの筆跡照合を行って、当該個人IDを持つユーザの筆跡であると照合された場合に付与され、当該手書データを識別する識別子(図9の例では、a0020)。である。
【0058】
図10は機器情報60の構成の一例を示す模式図である。機器情報60は、ロケーション、機器ID、配信権利・階層、及び更新・保守情報などの欄で構成される。なお、機器情報60の構成は、図10の例に限定されない。ロケーション及び機器IDは、例えば、表示装置30を特定する情報であり、表示装置30がどのロケーションに設置され、何号機であるかを示す。
【0059】
配信権利・階層は、表示装置30に対して提供(配信)される情報がどの権利・階層の情報であるかを管理する情報であり、権利・階層管理のために使用される。図10の例では、ロケーションBの機器IDがB0001の表示装置30には、アクセス権利1が付与されている。例えば、当該表示装置30に対しては、アクセスプロファイル15のアクセス権利が、アクセス権利1以下であれば、手書データの配信を許可し、アクセス権利2以上であれば、手書データの配信を許可しないようにすることができる。他も同様である。
【0060】
更新・保守情報は、表示装置30のソフトウェアやコンテンツ表示処理プログラムが更新された日時、あるいは表示装置30の部品交換などの保守・点検がされた日時を示す。
【0061】
判定部54は、通信部52を介して受信した関連情報内のアクセスプロファイル15に基づいて、当該関連情報内の手書データの配信の可否を判定する。例えば、ロケーションA(有人駅)の表示装置30から受信した緊急メッセージを、ロケーションB、C(無人駅)の表示装置30に配信可能か否かをアクセスプロファイル15に基づいて判定する。手書データの配信が可能な配信先を特定する特定情報としては、例えば、個人ID、アクセス権利・階層などを用いることができる。
【0062】
上述の構成により、緊急時に、あるロケーションにいるユーザが表示装置30を使って他のロケーションにいる利用者に対して伝達したメッセージ(緊急メッセージ)を、適切なアクセス管理及権能や階層管理の下に的確に配信することができるので、悪戯や不正な配信を防止できる。
【0063】
照合部55は、通信部52を介して受信した関連情報内の手書データを照合する。手書データの照合は、予めユーザの個人IDと筆跡データとを対応付けて登録しておき、個人IDを基に手書データと筆跡データとが一致するか否かに応じて行うことができる。照合部55は、照合が成功した場合、手書データに筆跡IDを付与することができる。手書入力したユーザが個人IDによって識別される本人であるか否かを確認することができるので、なりすましを防止できる。
【0064】
配信部53は、判定部54の判定結果に基づいて、手書データを他のロケーション(例えば、ロケーションB、Cなど)の表示装置30に配信する。配信部53は、正常時のコンテンツの配信だけでなく、緊急時の緊急メッセージ(手書データ)も、適切なアクセス管理及権能や階層管理の下に的確に配信することができる。
【0065】
図11は情報処理システムの処理手順の一例を示すフロー図である。手書入力装置10は、認証要求を表示装置30に送信する(S11)。表示装置30は、手書入力装置10からアクセスプロファイル15を取得し(S12)、手書入力装置10の認証を行う(S13)。認証が成功した場合、表示装置30は、手書入力装置10を有効化する(S14)。
【0066】
表示装置30は、手書入力装置10による手書入力を受け付ける(S15)。手書入力装置10は、処理を終了する。表示装置30は、手書データを保存する(S16)。表示装置30は、アクセスプロファイル15、機器プロファイル36、及び手書データを関連付けた関連データを管理サーバ50に送信し(S17)、処理を終了する。
【0067】
管理サーバ50は、アクセスプロファイル15、機器プロファイル36、及び手書データを関連付けた関連データを受信し(S18)、手書データを照合する(S19)。手書データの照合が成功しなかった場合、なりすましとして、処理を中止してもよい。管理サーバ50は、手書データの配信先を判定し(S20)、手書データを配信先の表示装置30に配信し(S21)、関連データと手書データに関連する時刻とを対応付けたタイムスタンプ情報を記憶し(S22)、処理を終了する。これにより、手書データの記録管理を適正に行うことができる。
【0068】
本実施の形態の情報処理方法は、第1のプロファイルデータが保持された手書入力装置を表示装置が認証し、認証が成功した場合、前記手書入力装置による手書入力を前記表示装置で受け付け、入力された手書データ、前記第1のプロファイルデータ、及び前記表示装置の第2のプロファイルデータを関連付けてサーバへ送信する。
【0069】
本実施の形態の情報処理方法において、前記表示装置は、前記第1のプロファイルデータに基づいて前記手書入力装置を認証する。
【0070】
本実施の形態の情報処理方法において、前記第1のプロファイルデータは、前記手書入力装置を使用するユーザの個人IDを含む。
【0071】
本実施の形態の情報処理方法において、前記第2のプロファイルデータは、前記表示装置の識別IDを含む。
【0072】
本実施の形態の情報処理方法において、前記第1のプロファイルデータは、前記手書データの配信が可能な配信先を特定する特定情報を含む。
【0073】
本実施の形態の情報処理方法において、前記サーバは、前記表示装置から送信された第1のプロファイルデータに基づいて前記手書データの配信の可否を判定する。
【0074】
本実施の形態の情報処理方法において、前記サーバは、前記表示装置から送信された手書データを配信先の表示装置に配信する。
【0075】
本実施の形態の情報処理方法において、前記サーバは、前記表示装置から送信された第1のプロファイルデータ、手書データ、及び第2のプロファイルデータと、前記手書データに関連する時刻とを対応付けたタイムスタンプ情報を記憶する。
【0076】
本実施の形態の情報処理方法において、前記サーバは、前記表示装置から送信された手書データを照合し、照合が成功した場合、前記手書データに筆跡IDを付与し、前記手書入力装置を使用するユーザの個人IDと筆跡IDとを関連付けて記憶する。
【0077】
本実施の形態の情報処理方法において、手書入力を受け付ける表示装置は、有人駅に設置され、手書データの配信先の表示装置は、無人駅に設置されている。
【0078】
本実施の形態の手書入力装置は、前述の情報処理方法に用いられる手書入力装置であって、第1のプロファイルデータを格納したセキュアエレメントの装着が可能である。
【0079】
本実施の形態のサーバは、表示装置で受け付けた手書入力装置による手書データ、前記手書入力装置に保持された第1のプロファイルデータ、及び前記表示装置の第2のプロファイルデータを関連付けた関連データを受信する受信部と、前記関連データと前記手書データに関する時刻とを対応付けたタイムスタンプ情報を記憶する記憶部と、前記手書データを配信先の表示装置に配信する配信部とを備える。
【0080】
本実施の形態の情報処理システム、情報処理方法は、鉄道事業への適用だけでなく、イベント会場、観光地、公共施設などで提供される各種事業やサービスにも適用することができる。
【0081】
本実施の形態では、管理サーバ50が、正常時のコンテンツ配信だけでなく緊急時の緊急メッセージに関するアクセス管理、記録管理、権利・階層管理、配信管理などを行う構成であるが、これに限定されるものではなく、管理サーバ50の機能を複数のサーバで分担させてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1、2 通信ネットワーク
10 手書入力装置
11 ペン先
12 ペン本体部
13 通信部
14 セキュアエレメント
15 アクセスプロファイル
20 端末装置
30 表示装置
31 制御部
32 表示部
33 通信部
34 認証部
35 記憶部
36 機器プロファイル
37 コンテンツ情報
38 デジタル化処理部
50 管理サーバ
51 制御部
52 通信部
53 配信部
54 判定部
55 照合部
56 記憶部
57 アクセスプロファイル
58 コンテンツプロファイル
59 タイムスタンプ情報
60 機器情報
図1
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