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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】回路装置
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20241217BHJP
   H02M 3/07 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G05F1/56 320C
H02M3/07
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021056394
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022153719
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100166523
【弁理士】
【氏名又は名称】西河 宏晃
(72)【発明者】
【氏名】井上 勝己
(72)【発明者】
【氏名】佐野 裕典
(72)【発明者】
【氏名】西村 元章
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-106039(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0274557(US,A1)
【文献】特開平04-172963(JP,A)
【文献】特開2001-016760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
H02M 3/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源供給ノードと負荷との間に設けられるN型トランジスターを制御する回路装置であって、
前記電源供給ノードからの電源電圧をレギュレートすることで、レギュレート電圧を出力するレギュレーターと、
前記レギュレート電圧に基づいてチャージポンプ動作を行うことで、前記N型トランジスターのゲートノードに対してゲート制御電圧を出力するチャージポンプ回路と、
前記レギュレート電圧の過電圧を検出し、検出結果である過電圧検出信号を出力する過電圧検出回路と、
前記過電圧検出回路により前記過電圧が検出されたとき、前記過電圧検出信号に基づいて前記チャージポンプ回路を停止させる制御を行う制御回路と、
を含むことを特徴とする回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回路装置において、
前記チャージポンプ回路は、
前記N型トランジスターのソース電圧を基準に、前記レギュレート電圧に基づく昇圧を行うことで、前記ゲート制御電圧を出力することを特徴とする回路装置。
【請求項3】
請求項2に記載の回路装置において、
前記ソース電圧が入力されるソース電圧入力端子を含み、
前記チャージポンプ回路は、
前記ソース電圧入力端子に入力される前記ソース電圧を基準に前記昇圧を行うことを特徴とする回路装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の回路装置において、
前記N型トランジスターの前記ソース電圧をVCOとし、前記レギュレート電圧をVRGとし、前記N型トランジスターのゲートソース間電圧の最大定格をVgsMaxとし、前記過電圧の検出電圧をVdetとしたとき、
前記ゲート制御電圧は、DRV=VCO+VRGであり、
前記過電圧検出回路は、
VRG<Vdet<VgsMaxを満たす前記検出電圧Vdetと、前記レギュレート電圧VRGとを比較することで、前記過電圧を検出することを特徴とする回路装置。
【請求項5】
請求項4に記載の回路装置において、
前記電源電圧をVCCとしたとき、
前記検出電圧Vdetは、VRG<Vdet<VgsMax<VCCを満たすことを特徴とする回路装置。
【請求項6】
請求項4又は5において、
前記過電圧検出回路は、
前記電源供給ノードとグランドノードとの間に設けられ、前記グランドノードから前記電源供給ノードへの方向を順方向とするツェナーダイオードを含み、
前記ツェナーダイオードのアノード側の電圧に基づいて前記過電圧検出信号を出力することを特徴とする回路装置。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか一項に記載の回路装置において、
前記チャージポンプ回路は、
前記チャージポンプ回路のイネーブル信号が前記制御回路から入力され、前記イネーブル信号がイネーブルを示すとき、前記レギュレート電圧に基づいて駆動信号を昇圧用キャパシターの一端に出力する駆動回路と、
前記昇圧用キャパシターの他端からの信号が入力され、前記信号と前記N型トランジスターの前記ソース電圧とに基づいて前記ゲート制御電圧を出力するゲート制御回路と、
を含み、
前記制御回路は、
前記過電圧検出回路により前記過電圧が検出されたとき、ディセーブルを示す前記イネーブル信号を出力することで、前記駆動回路を停止させることを特徴とする回路装置。
【請求項8】
請求項7に記載の回路装置において、
前記駆動回路は、
前記レギュレーターの出力ノードと前記昇圧用キャパシターの前記一端との間に設けられる第1トランジスターと、
前記昇圧用キャパシターの前記一端とグランドノードとの間に設けられる第2トランジスターと、
を含み、
前記ゲート制御回路は、
前記昇圧用キャパシターの前記他端と前記N型トランジスターの前記ゲートノードとの間に設けられ、前記昇圧用キャパシターの前記他端から前記ゲートノードへの方向を順方向とする第1ダイオードと、
前記N型トランジスターのソースノードと前記昇圧用キャパシターの前記他端との間に設けられ、前記N型トランジスターの前記ソースノードから前記昇圧用キャパシターの前記他端への方向を順方向とする第2ダイオードと、
を含むことを特徴とする回路装置。
【請求項9】
請求項8に記載の回路装置において、
前記ゲート制御回路は、
前記N型トランジスターの前記ゲートノードと前記ソースノードとの間に設けられる抵抗を含むことを特徴とする回路装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の回路装置において、
前記ゲート制御回路は、
前記N型トランジスターの前記ゲートノードと前記ソースノードとの間に設けられ、前記N型トランジスターがオフのときオンになるスイッチ回路を含むことを特徴とする回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、負荷を過電圧から保護する機能を有した電源回路が開示されている。特許文献1において、電源と負荷の間にパワートランジスターが設けられ、制御回路がパワートランジスターのゲート電圧を制御することで、負荷への電源電圧の供給を制御する。制御回路は、入力電圧をモニターし、入力電圧が過電圧であることを検出したとき、負荷に入力される電圧が一定となるようにパワートランジスターのゲート電圧を制御することで、負荷を過電圧から保護すると共に負荷の動作を中断させずに継続させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9564796号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電源と負荷の間に設けられたトランジスターのゲート電圧を制御する構成において、そのトランジスターに過電圧が印加された場合、トランジスターが故障するおそれがある。上記特許文献1には、負荷を過電圧から保護する機能が開示されているが、パワートランジスターの保護については開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、電源供給ノードと負荷との間に設けられるN型トランジスターを制御する回路装置であって、前記電源供給ノードからの電源電圧をレギュレートすることで、レギュレート電圧を出力するレギュレーターと、前記レギュレート電圧に基づいてチャージポンプ動作を行うことで、前記N型トランジスターのゲートノードに対してゲート制御電圧を出力するチャージポンプ回路と、前記レギュレート電圧の過電圧を検出し、検出結果である過電圧検出信号を出力する過電圧検出回路と、前記過電圧検出回路により前記過電圧が検出されたとき、前記過電圧検出信号に基づいて前記チャージポンプ回路を停止させる制御を行う制御回路と、を含む回路装置に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】回路装置及び電子機器の構成例。
図2】駆動回路とゲート制御回路の第1詳細構成例。
図3】チャージポンプ回路の動作を示す波形図。
図4】回路装置の動作を説明する波形図。
図5】駆動回路とゲート制御回路の第2詳細構成例。
図6】過電圧検出回路の詳細構成例。
図7】レギュレーターの詳細構成例。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
【0008】
1.回路装置及び電子機器
図1は、本実施形態における回路装置100及び電子機器10の構成例である。電子機器10は、N型トランジスター11と負荷300と回路装置100とを含む。電子機器10は、例えば、印刷装置、映像投写装置、ウェアラブル機器、情報処理装置、ディスプレイ装置、テレビジョン受像機、或いは携帯型情報端末等であってよいが、これらに限定されず、直流の電源電圧VCCを用いる様々な機器であってよい。
【0009】
N型トランジスター11は、電源供給ノードNVCCと負荷300との間に設けられる。具体的には、N型トランジスター11のドレインが電源供給ノードNVCCに接続され、ソースが負荷300のノードNLOADに接続される。N型トランジスター11は、いわゆるパワートランジスターであり、オンであるとき電源電圧VCCを負荷300に供給し、オフであるとき負荷300への電源電圧VCCの供給を遮断する。
【0010】
電源供給ノードNVCCには、直流電源から電源電圧VCCが供給される。直流電源は、例えばACDCコンバーター、DCDCコンバーター或いはバッテリーである。なお、図1には示していないが、これらの直流電源が電子機器10に含まれてもよい。
【0011】
負荷300は、N型トランジスター11を介してノードNLOADに供給された電源電圧VCCにより動作する回路である。ノードNLOADは負荷300の電源ノードである。負荷300は、例えば、ノードNLOADとグランド電圧GNDとの間に設けられる電源安定化用キャパシター、電子機器10における処理を実行する処理装置、或いはモーターを駆動するモータードライバー等である。なお、負荷300はこれらに限定されず、電子機器10における様々な機能を実現するための回路であってよい。
【0012】
回路装置100は、N型トランジスター11のゲートにゲート制御電圧DRVを出力することで、負荷300への電源電圧VCCの供給を制御する。回路装置100は、レギュレーター110とチャージポンプ回路120と過電圧検出回路130と制御回路150と端子TVCC、TDRV、TCHP1、TCHP2とソース電圧入力端子TVCOとを含む。回路装置100は、例えば、複数の回路素子が半導体基板に集積された集積回路装置である。各端子は、例えば集積回路装置のパッド、或いは集積回路装置を収容するパッケージの端子である。
【0013】
レギュレーター110は、電源供給ノードNVCCからの電源電圧VCCをレギュレートすることで、レギュレート電圧VRGを出力する。端子TVCCが電源供給ノードNVCCに接続され、端子TVCCを介してレギュレーター110に電源電圧VCCが供給される。レギュレーター110は、電源電圧VCCよりも低いレギュレート電圧VRGを出力する降圧レギュレーターである。レギュレーター110は、例えばリニアレギュレーターであるが、これに限らず様々なタイプのDCDCコンバーターであってよい。
【0014】
チャージポンプ回路120は、レギュレート電圧VRGに基づいてチャージポンプ動作を行うことで、N型トランジスター11のゲートに対してゲート制御電圧DRVを出力する。端子TCHP1に昇圧用キャパシター12の一端が接続され、端子TCHP2に昇圧用キャパシター12の他端が接続される。昇圧用キャパシター12はいわゆるフライングキャパシターであり、チャージポンプ回路120は昇圧用キャパシター12を用いてチャージポンプ動作を行う。端子TDRVがN型トランジスター11のゲートに接続され、チャージポンプ回路120は、端子TDRVを介してゲート制御電圧DRVをN型トランジスターのゲートに出力する。チャージポンプ回路120は、レギュレート電圧VRGを用いて、N型トランジスター11のソース電圧VCOよりも高いゲート制御電圧DRVを生成する。これにより、チャージポンプ回路120が動作しているときにはN型トランジスター11がオンになるので、N型トランジスター11を介して電源電圧VCCが負荷300に供給される。
【0015】
過電圧検出回路130は、レギュレート電圧VRGの過電圧を検出し、その検出結果である過電圧検出信号DETを出力する。過電圧検出回路130は、レギュレート電圧VRGが所定の検出電圧より高いか否かを判定し、レギュレート電圧VRGが検出電圧より高いと判定した場合には、アクティブの過電圧検出信号DETを出力する。ここでは、「アクティブ」は、過電圧を示す論理レベルである。
【0016】
制御回路150は、過電圧検出回路130により過電圧が検出されたとき、過電圧検出信号DETに基づいてチャージポンプ回路120を停止させる制御を行う。制御回路150は、過電圧検出信号DETがアクティブであるとき、ディセーブルを示すイネーブル信号CPENをチャージポンプ回路120に出力することで、チャージポンプ動作を停止させる。
【0017】
以上の本実施形態では、レギュレート電圧VRGに基づいてゲート制御電圧DRVが出力されるので、レギュレート電圧VRGが過電圧となったとき、N型トランジスター11のゲートに過電圧が印加されるおそれがある。
【0018】
この点、本実施形態によれば、過電圧検出回路130がレギュレート電圧VRGの過電圧を検出したとき、制御回路150がチャージポンプ回路120を停止させるので、N型トランジスター11が過電圧から保護される。N型トランジスター11が過電圧により故障した場合、負荷300への電源供給を適切に制御できないおそれがあるが、本実施形態によれば、過電圧によるN型トランジスター11の故障を防ぐことができる。
【0019】
より具体的には、チャージポンプ回路120は、N型トランジスター11のソース電圧VCOを基準に、レギュレート電圧VRGに基づく昇圧を行うことで、ゲート制御電圧DRVを出力する。回路装置100は、ソース電圧VCOが入力されるソース電圧入力端子TVCOを含む。チャージポンプ回路120は、ソース電圧入力端子TVCOに入力されるソース電圧VCOを基準に昇圧を行う。
【0020】
レギュレート電圧VRGに基づく昇圧分の電圧が、N型トランジスター11のゲートソース間電圧となるので、レギュレート電圧VRGが過電圧となったとき、N型トランジスター11のゲートソース間に過電圧が印加されるおそれがある。本実施形態によれば、過電圧検出回路130がレギュレート電圧VRGの過電圧を検出したとき、制御回路150がチャージポンプ回路120を停止させるので、N型トランジスター11が過電圧から保護される。
【0021】
また本実施形態では、N型トランジスター11のソース電圧をVCOとし、レギュレート電圧をVRGとし、N型トランジスター11のゲートソース間電圧の最大定格をVgsMaxとし、過電圧の検出電圧をVdetとする。このとき、ゲート制御電圧は、DRV=VCO+VRGである。過電圧検出回路130は、VRG<Vdet<VgsMaxを満たす検出電圧Vdetと、レギュレート電圧VRGとを比較することで、過電圧を検出する。なお、「VRG<Vdet<VgsMax」におけるVRGは、レギュレーター110が正常であるときのレギュレート電圧VRGを意味する。
【0022】
N型トランジスター11のゲートソース間には、DRV-VCO=VRGが印加されるので、レギュレート電圧VRGと検出電圧Vdetの比較は、ゲートソース間電圧と検出電圧Vdetの比較に相当する。本実施形態によれば、VRG<Vdet<VgsMaxを満たすことで、ゲートソース間電圧の最大定格VgsMaxを超えない検出電圧Vdetによりゲートソース間電圧の過電圧を検出できる。
【0023】
また本実施形態では、電源電圧をVCCとしたとき、検出電圧Vdetは、VRG<Vdet<VgsMax<VCCを満たす。
【0024】
レギュレート電圧VRGは電源電圧VCCより低いので、例えばレギュレーター110の電源ノードと出力ノードが短絡する異常が発生したとき、レギュレーター110の出力ノードには、最大で電源電圧VCCと同じ電圧が出力されるおそれがある。上述のようにレギュレート電圧VRGがN型トランジスター11のゲートソース間電圧となることから、ゲートソース間に最大で電源電圧VCCが印加されるおそれがあるが、VgsMax<VCCであることからN型トランジスター11が故障するおそれがある。
【0025】
この点、本実施形態によれば、ゲートソース間電圧の最大定格VgsMaxを超えない検出電圧Vdetによりゲートソース間電圧の過電圧が検出されるので、N型トランジスター11を過電圧から保護できる。
【0026】
また本実施形態では、チャージポンプ回路120は、駆動回路160とゲート制御回路170とを含む。駆動回路160には、チャージポンプ回路120のイネーブル信号CPENが制御回路150から入力される。駆動回路160は、イネーブル信号CPENがイネーブルを示すとき、レギュレート電圧VRGに基づいて駆動信号CHP1を昇圧用キャパシター12の一端に出力する。ゲート制御回路170には、昇圧用キャパシター12の他端からの信号CHP2が入力される。ゲート制御回路170は、信号CHP2とN型トランジスター11のソース電圧VCOとに基づいてゲート制御電圧DRVを出力する。制御回路150は、過電圧検出回路130により過電圧が検出されたとき、ディセーブルを示すイネーブル信号CPENを出力することで、駆動回路160を停止させる。
【0027】
本実施形態によれば、イネーブル信号CPENがイネーブルを示すとき、駆動回路160が駆動信号CHP1を出力することでゲート制御回路170がゲート制御電圧DRVを出力する。そして、イネーブル信号CPENがディセーブルを示すとき、駆動信号CHP1の出力が停止されることで、ゲート制御電圧DRVの出力が停止される。これにより、過電圧が検出されたとき、制御回路150がディセーブルを示すイネーブル信号CPENを出力することで、チャージポンプ回路120を停止できる。
【0028】
2.詳細構成例
図2は、駆動回路160とゲート制御回路170の第1詳細構成例である。駆動回路160は、第1トランジスターTRA1と第2トランジスターTRA2とチャージポンプ制御回路162とを含む。ゲート制御回路170は、第1ダイオードDI1と第2ダイオードDI2と抵抗RBとスイッチ回路TRBとを含む。
【0029】
第1トランジスターTRA1は、レギュレーター110の出力ノードNVRGと昇圧用キャパシター12の一端との間に設けられる。具体的には、第1トランジスターTRA1はP型トランジスターであり、ソースがレギュレーター110の出力ノードNVRGに接続され、ドレインが端子TCHP1に接続される。
【0030】
第2トランジスターTRA2は、昇圧用キャパシター12の一端とグランドノードとの間に設けられる。具体的には、第2トランジスターTRA2はN型トランジスターであり、ソースがグランドノードに接続され、ドレインが端子TCHP1に接続される。
【0031】
第1ダイオードDI1は、昇圧用キャパシター12の他端とN型トランジスター11のゲートとの間に設けられる。第1ダイオードDI1の順方向は、昇圧用キャパシター12の他端からゲートへの方向である。即ち、第1ダイオードDI1のアノードは端子TCHP2に接続され、カソードが端子TDRVに接続される。第1ダイオードDI1は、例えばショットキーバリアダイオードである。
【0032】
第2ダイオードDI2は、N型トランジスター11のソースと昇圧用キャパシター12の他端との間に設けられる。第2ダイオードDI2の順方向は、N型トランジスター11のソースから昇圧用キャパシター12の他端への方向である。即ち、第2ダイオードDI2のアノードはソース電圧入力端子TVCOに接続され、カソードは端子TCHP2に接続される。第2ダイオードDI2は、例えばショットキーバリアダイオードである。
【0033】
抵抗RBは、N型トランジスター11のゲートとソースとの間に設けられる。具体的には、抵抗RBの一端が、第1ダイオードDI1のカソードと端子TDRVとに接続され、他端が、第2ダイオードDI2のアノードとソース電圧入力端子TVCOとに接続される。
【0034】
スイッチ回路TRBは、N型トランジスター11のゲートとソースとの間に設けられる。具体的には、スイッチ回路TRBは、P型トランジスターである。そのP型トランジスターのソースは、第1ダイオードDI1のカソードと端子TDRVとに接続され、ドレインは、第2ダイオードDI2のアノードとソース電圧入力端子TVCOとに接続される。ゲートには、スイッチ回路TRBをオン又はオフに制御する信号が制御回路150から入力される。
【0035】
制御回路150は、スイッチ回路TRBをオンさせることでN型トランジスター11をオフに固定する。例えば、回路装置100のシャットダウン状態において制御回路150がスイッチ回路TRBをオンさせることで、負荷300への電源供給を確実に遮断する。
【0036】
図3は、チャージポンプ回路120の動作を示す波形図である。以下、第1ダイオードDI1と第2ダイオードDI2の順方向電圧を無視して説明する。
【0037】
イネーブル信号CPENがイネーブルを示すとき、チャージポンプ制御回路162は、第1トランジスターTRA1と第2トランジスターTRA2とを交互にオンさせる。第1トランジスターTRA1がオフであり、第2トランジスターTRA2がオンのとき駆動信号CHP1は0Vである。このとき、信号CHP2は、第2ダイオードDI2によりソース電圧VCOと同電圧となっている。第1トランジスターTRA1がオフからオンになり、第2トランジスターTRA2がオンからオフになると、駆動信号CHP1は0Vからレギュレート電圧VRGに上昇する。これにより、信号CHP2が、ソース電圧VCOよりレギュレート電圧VRGだけ高い電圧となる。
【0038】
この電圧VCO+VRGがゲート制御電圧DRVであり、第1ダイオードDI1を介してN型トランジスター11のゲートに出力される。駆動回路160が供給するチャージによってN型トランジスター11のゲートが充電され、定常状態においてはゲート制御電圧DRVがVCO+VRGに維持される。
【0039】
なお、イネーブル信号CPENがディセーブルを示すときには、チャージポンプ制御回路162は第1トランジスターTRA1と第2トランジスターTRA2を駆動しない。これによりチャージポンプ回路120が停止する。例えば、チャージポンプ制御回路162は、第1トランジスターTRA1をオンに、第2トランジスターTRA2をオフに維持する。チャージポンプ回路120が停止した後、抵抗RBにより、N型トランジスター11のゲートソース間電圧が0Vとなる。
【0040】
図4は、上記第1詳細構成例を図1に適用したときの回路装置100の動作を説明する波形図である。なお、駆動信号CHP1と信号CHP2は、チャージポンプ回路120のイネーブル時において矩形波であるが、ここでは矩形波のハイレベルのみ示している。
【0041】
時間t0において、レギュレート電圧VRGが、電圧VKの過電圧となったとする。電圧VKは、過電圧検出回路130の検出電圧Vdetより高い電圧である。過電圧検出回路130は、レギュレート電圧VRGが検出電圧Vdetより高くなった時間t0において、過電圧検出信号DETをハイレベルからローレベルにする。ここでは、ローレベルがアクティブを示す。
【0042】
制御回路150は、フィルター処理等によって遅延時間t1-t0を設けることで、過電圧検出信号DETがハイレベルからローレベルになった後の時間t1において、イネーブル信号CPENをハイレベルからローレベルにする。ここでは、ハイレベルがイネーブルを示し、ローレベルがディセーブルを示す。遅延時間t1-t0が設けられることで、ノイズ等による誤動作が防止される。
【0043】
時間t0からt1までの期間において、駆動信号CHP1のハイレベルは電圧VKとなる。信号CHP2のハイレベルは、駆動回路160から昇圧用キャパシター12を介して供給されるチャージに応じて徐々に上昇し、VCO+VKに漸近していく。これにより、N型トランジスター11のゲートに出力されるゲート制御電圧DRVが徐々に上昇し、VCO+VKに漸近していくので、N型トランジスター11のゲートソース間電圧はVKに漸近していくことになる。このとき、例えば、ゲートソース間電圧が最大定格VgsMaxを超えない遅延時間t1-t0を設定しておく。
【0044】
図5は、駆動回路160とゲート制御回路170の第2詳細構成例である。第2詳細構成例では、ゲート制御回路170は、トランジスターTRE1、TRE2と整流制御回路172と抵抗RBとスイッチ回路TRBとを含む。なお、第1詳細構成例で説明した構成要素には同一の符号を付し、その構成要素についての説明を適宜に省略する。
【0045】
トランジスターTRE1、TRE2はP型トランジスターである。トランジスターTRE1のソースは端子TDRVに接続され、ドレインは端子TCHP2に接続される。トランジスターTRE2のソースは、端子TCHP2とトランジスターTRE1のドレインとに接続され、ドレインはソース電圧入力端子TVCOに接続される。
【0046】
整流制御回路172は、イネーブル信号CPENがイネーブルを示すとき、トランジスターTRE1、TRE2をスイッチングさせることで、トランジスターTRE1、TRE2による整流を制御する。整流制御回路172は、駆動回路160の第1トランジスターTRA1と第2トランジスターTRA2のスイッチング状態に応じてトランジスターTRE1、TRE2をスイッチングさせる。具体的には、整流制御回路172は、第1トランジスターTRA1がオフであり、第2トランジスターTRA2がオンであるとき、トランジスターTRE1をオフさせ、トランジスターTRE2をオンさせる。整流制御回路172は、第1トランジスターTRA1がオンであり、第2トランジスターTRA2がオフであるとき、トランジスターTRE1をオンさせ、トランジスターTRE2をオフさせる。これにより、図3と同様な信号波形のチャージポンプ動作が実現される。
【0047】
図6は、過電圧検出回路130の詳細構成例である。過電圧検出回路130は、検出回路131と出力回路132とを含む。
【0048】
検出回路131は、レギュレート電圧VRGが検出電圧を超えたか否かを検出する。検出回路131は、ツェナーダイオードDC1~DC3と抵抗RC1、RC2とを含む。ツェナーダイオードDC1~DC3はレギュレーター110の出力ノードNVRGとノードNC1との間に直列接続される。ツェナーダイオードDC1~DC3の順方向は、ノードNC1から出力ノードNVRGへの方向である。抵抗RC1、RC2はノードNC1とグランドノードとの間に直列接続される。具体的には、抵抗RC1の一端はノードNC1に接続され、他端はノードNDVQに接続される。抵抗RC2の一端はノードNDVQに接続され、他端はグランドノードに接続される。検出回路131の出力信号DVQは、ノードNDVQに出力される。
【0049】
出力回路132は、検出回路131の出力信号DVQを、回路装置100の内部電源電圧VDAの信号レベルにして過電圧検出信号DETとして出力する。内部電源電圧VDAは、制御回路150等の回路装置100内部の回路に供給される電源電圧であり、レギュレート電圧VRGより低い電圧である。例えば、回路装置100内に設けられた不図示のレギュレーター等から供給される。出力回路132は、抵抗RC3とトランジスターTRCとを含む。抵抗RC3の一端は内部電源ノードNVDAに接続され、他端は、過電圧検出回路130の出力ノードNDETに接続される。トランジスターTRCはN型トランジスターである。トランジスターTRCのドレインは、過電圧検出回路130の出力ノードNDETに接続され、ソースはグランドノードに接続され、ゲートはノードNDVQに接続される。
【0050】
各ツェナーダイオードのツェナー電圧をVtzとする。レギュレート電圧VRGが3×Vtzより低いとき、ツェナーダイオードDC1~DC3に電流が流れないので、検出回路131の出力信号DVQはグランド電圧GNDである。出力回路132のトランジスターTRCはオフなので、過電圧検出信号DETは内部電源電圧VDAとなる。レギュレート電圧VRGが3×Vtzより高いとき、ツェナーダイオードDC1~DC3が降伏して電流が流れ、ノードNC1の電圧がVRG-3×Vtzとなる。抵抗RC1、RC2は、電圧VRG-3×Vtzを分圧し、その分圧された電圧が出力信号DVQとして出力される。この分圧電圧は、トランジスターTRCの閾値電圧より高い電圧である。トランジスターTRCがオンになるので、過電圧検出信号DETはグランド電圧GNDとなる。本構成例においては、過電圧の検出電圧は3×Vtzである。
【0051】
以上の本実施形態では、過電圧検出回路130は、ツェナーダイオードDC1~DC3を含む。ツェナーダイオードDC1~DC3は、電源供給ノードNVCCとグランドノードとの間に設けられ、順方向は、グランドノードから電源供給ノードNVCCへの方向である。過電圧検出回路130は、ツェナーダイオードDC1~DC3のアノード側の電圧に基づいて過電圧検出信号DETを出力する。
【0052】
本実施形態によれば、ツェナーダイオードDC1~DC3を用いたことで、レギュレート電圧VRGがツェナーダイオードDC1~DC3のツェナー電圧を超えたか否かが検出される。即ち、ツェナー電圧により過電圧の検出電圧が設定される。レギュレート電圧VRGがツェナーダイオードDC1~DC3のツェナー電圧を超えたとき、ツェナーダイオードDC1~DC3のアノード側の電圧が変化するので、その電圧に基づいて過電圧検出信号DETが出力されることで、過電圧か否かを示す過電圧検出信号DETが出力される。
【0053】
図7は、レギュレーター110の詳細構成例である。レギュレーター110は、抵抗RD1~RD4とトランジスターTRD1~TRD3とツェナーダイオードDD1、DD2とを含む。
【0054】
抵抗RD1の一端は電源供給ノードNVCCに接続され、他端は抵抗RD2の一端とトランジスターTRD2のゲートとに接続される。抵抗RD2の他端はトランジスターTRD1のドレインに接続される。トランジスターTRD1はN型トランジスターである。トランジスターTRD1のソースはグランドノードに接続され、ゲートにはレギュレーター110のイネーブル信号RGENが制御回路150から入力される。
【0055】
トランジスターTRD2はP型トランジスターである。トランジスターTRD2のソースは電源供給ノードNVCCに接続され、ドレインは抵抗RD3の一端に接続される。抵抗RD3の他端はツェナーダイオードDD1のカソードとトランジスターTRD3のゲートとに接続される。ツェナーダイオードDD1のアノードはツェナーダイオードDD2のカソードに接続され、アノードはグランドノードに接続される。
【0056】
トランジスターTRD3はN型トランジスターである。トランジスターTRD3のドレインは電源供給ノードNVCCに接続され、ソースは抵抗RD4の一端とレギュレーター110の出力ノードNVRGとに接続される。抵抗RD4の他端はグランドノードに接続される。
【0057】
イネーブル信号RGENがハイレベルのとき、レギュレーター110はイネーブルである。このとき、トランジスターTRD3がオンであり、抵抗RD1と抵抗RD2による分圧電圧がトランジスターTRD2のゲートに入力される。トランジスターTRD2がツェナーダイオードDD1、DD2に定電流を流し、ツェナーダイオードDD1のカソードの電圧が2×Vtzとなり、この電圧がトランジスターTRD3のゲートに入力される。トランジスターTRD3の閾値電圧をVth_trd3とすると、電圧2×Vtz-Vth_trd3がレギュレート電圧VRGとして出力される。
【0058】
以上に説明した本実施形態の回路装置は、電源供給ノードと負荷との間に設けられるN型トランジスターを制御する。回路装置は、レギュレーターとチャージポンプ回路と過電圧検出回路と制御回路とを含む。レギュレーターは、電源供給ノードからの電源電圧をレギュレートすることで、レギュレート電圧を出力する。チャージポンプ回路は、レギュレート電圧に基づいてチャージポンプ動作を行うことで、N型トランジスターのゲートノードに対してゲート制御電圧を出力する。過電圧検出回路は、レギュレート電圧の過電圧を検出し、検出結果である過電圧検出信号を出力する。制御回路は、過電圧検出回路により過電圧が検出されたとき、過電圧検出信号に基づいてチャージポンプ回路を停止させる制御を行う。
【0059】
レギュレート電圧に基づいてゲート制御電圧が出力されるので、レギュレート電圧が過電圧となったとき、N型トランジスターのゲートノードに過電圧が印加されるおそれがある。本実施形態によれば、過電圧検出回路がレギュレート電圧の過電圧を検出したとき、制御回路がチャージポンプ回路を停止させるので、N型トランジスターが過電圧から保護される。
【0060】
また本実施形態では、チャージポンプ回路は、N型トランジスターのソース電圧を基準に、レギュレート電圧に基づく昇圧を行うことで、ゲート制御電圧を出力してもよい。
【0061】
レギュレート電圧に基づく昇圧分の電圧が、N型トランジスターのゲートソース間電圧となるので、レギュレート電圧が過電圧となったとき、N型トランジスターのゲートソース間に過電圧が印加されるおそれがある。本実施形態によれば、過電圧検出回路がレギュレート電圧の過電圧を検出したとき、制御回路がチャージポンプ回路を停止させるので、N型トランジスターが過電圧から保護される。
【0062】
また本実施形態では、回路装置は、ソース電圧が入力されるソース電圧入力端子を含んでもよい。チャージポンプ回路は、ソース電圧入力端子に入力されるソース電圧を基準に昇圧を行ってもよい。
【0063】
本実施形態によれば、N型トランジスターのソース電圧を、ソース電圧入力端子を介してチャージポンプ回路に入力できる。チャージポンプ回路は、このソース電圧を基準に、レギュレート電圧に基づく昇圧を行うことができる。
【0064】
また本実施形態では、N型トランジスターのソース電圧をVCOとし、レギュレート電圧をVRGとし、N型トランジスターのゲートソース間電圧の最大定格をVgsMaxとし、過電圧の検出電圧をVdetとする。このとき、ゲート制御電圧は、DRV=VCO+VRGであってもよい。過電圧検出回路は、VRG<Vdet<VgsMaxを満たす検出電圧Vdetと、レギュレート電圧VRGとを比較することで、過電圧を検出してもよい。
【0065】
N型トランジスターのゲートソース間には、DRV-VCO=VRGが印加されるので、レギュレート電圧と検出電圧の比較は、ゲートソース間電圧と検出電圧の比較に相当する。本実施形態によれば、VRG<Vdet<VgsMaxを満たすことで、ゲートソース間電圧の最大定格VgsMaxを超えない検出電圧Vdetによりゲートソース間電圧の過電圧を検出できる。
【0066】
また本実施形態では、電源電圧をVCCとする。このとき、検出電圧Vdetは、VRG<Vdet<VgsMax<VCCを満たしてもよい。
【0067】
レギュレート電圧VRGは電源電圧VCCより低いので、レギュレーターの出力ノードには、最大で電源電圧VCCと同じ電圧が出力されるおそれがある。レギュレート電圧VRGがN型トランジスターのゲートソース間電圧となることから、ゲートソース間に最大で電源電圧VCCが印加されるおそれがあるが、VgsMax<VCCであることからN型トランジスターが故障するおそれがある。本実施形態によれば、ゲートソース間電圧の最大定格VgsMaxを超えない検出電圧Vdetによりゲートソース間電圧の過電圧が検出されるので、N型トランジスターを過電圧から保護できる。
【0068】
また本実施形態では、過電圧検出回路は、ツェナーダイオードを含む。ツェナーダイオードは、電源供給ノードとグランドノードとの間に設けられてもよい。ツェナーダイオードの順方向は、グランドノードから電源供給ノードへの方向であってもよい。過電圧検出回路は、ツェナーダイオードのアノード側の電圧に基づいて過電圧検出信号を出力してもよい。
【0069】
本実施形態によれば、ツェナーダイオードを用いたことで、レギュレート電圧がツェナーダイオードのツェナー電圧を超えたか否かが検出される。即ち、ツェナー電圧により過電圧の検出電圧が設定される。レギュレート電圧がツェナーダイオードのツェナー電圧を超えたとき、ツェナーダイオードのアノード側の電圧が変化するので、その電圧に基づいて過電圧検出信号が出力されることで、過電圧か否かを示す過電圧検出信号が出力される。
【0070】
また本実施形態では、チャージポンプ回路は、駆動回路とゲート制御回路とを含んでもよい。駆動回路は、チャージポンプ回路のイネーブル信号が制御回路から入力され、イネーブル信号がイネーブルを示すとき、レギュレート電圧に基づいて駆動信号を昇圧用キャパシターの一端に出力してもよい。ゲート制御回路は、昇圧用キャパシターの他端からの信号が入力され、信号とN型トランジスターのソース電圧とに基づいてゲート制御電圧を出力してもよい。制御回路は、過電圧検出回路により過電圧が検出されたとき、ディセーブルを示すイネーブル信号を出力することで、駆動回路を停止させてもよい。
【0071】
本実施形態によれば、イネーブル信号がイネーブルを示すとき、駆動回路が駆動信号を出力することでゲート制御回路がゲート制御電圧を出力する。そして、イネーブル信号がディセーブルを示すとき、駆動信号の出力が停止されることで、ゲート制御電圧の出力が停止される。これにより、過電圧が検出されたとき、制御回路がディセーブルを示すイネーブル信号を出力することで、チャージポンプ回路を停止できる。
【0072】
また本実施形態では、駆動回路は、レギュレーターの出力ノードと昇圧用キャパシターの一端との間に設けられる第1トランジスターと、昇圧用キャパシターの一端とグランドノードとの間に設けられる第2トランジスターと、を含んでもよい。ゲート制御回路は、昇圧用キャパシターの他端とN型トランジスターのゲートノードとの間に設けられる第1ダイオードと、N型トランジスターのソースノードと昇圧用キャパシターの他端との間に設けられる第2ダイオードと、を含んでもよい。第1ダイオードの順方向は、昇圧用キャパシターの他端からゲートノードへの方向であってもよい。第2ダイオードの順方向は、N型トランジスターのソースノードから昇圧用キャパシターの他端への方向であってもよい。
【0073】
本実施形態によれば、第1トランジスターがオフであり且つ第2ダイオードがオンであるとき、第1ダイオードのアノードがN型トランジスターのソース電圧となり、第1トランジスターがオンであり且つ第2ダイオードがオフであるとき、第1ダイオードのアノードが、N型トランジスターのソース電圧にレギュレート電圧を加算した電圧となる。この電圧は第1ダイオードを介してN型トランジスターのゲートノードに出力される。これにより、N型トランジスターのゲートソース間にはレギュレート電圧と同じ電圧が印加される。本実施形態では、レギュレート電圧が過電圧となったとき、チャージポンプ回路が停止されることで、N型トランジスターのゲートソース間が過電圧から保護される。
【0074】
また本実施形態では、ゲート制御回路は、N型トランジスターのゲートノードとソースノードとの間に設けられる抵抗を含んでもよい。
【0075】
本実施形態によれば、チャージポンプ回路が停止した後、N型トランジスターのゲートノードとソースノードが抵抗を介して同電位となることで、N型トランジスターがオフになる。
【0076】
また本実施形態では、ゲート制御回路はスイッチ回路を含んでもよい。スイッチ回路は、N型トランジスターのゲートノードとソースノードとの間に設けられ、N型トランジスターがオフのときオンになる。
【0077】
本実施形態によれば、スイッチ回路がオンになることでN型トランジスターをオフに固定できる。例えば、回路装置のシャットダウン状態においてスイッチ回路TRBがオンであることで、負荷への電源供給を確実に遮断できる。
【0078】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。またレギュレーター、過電圧検出回路、チャージポンプ回路、制御回路、負荷、回路装置及び電子機器等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0079】
10…電子機器、11…N型トランジスター、12…昇圧用キャパシター、100…回路装置、110…レギュレーター、120…チャージポンプ回路、130…過電圧検出回路、131…検出回路、132…出力回路、150…制御回路、160…駆動回路、162…チャージポンプ制御回路、170…ゲート制御回路、172…整流制御回路、300…負荷、CHP1…駆動信号、CHP2…信号、CPEN…イネーブル信号、DC1~DC3…ツェナーダイオード、DET…過電圧検出信号、DI1…第1ダイオード、DI2…第2ダイオード、DRV…ゲート制御電圧、NVCC…電源供給ノード、TRA1…第1トランジスター、TRA2…第2トランジスター、TRB…スイッチ回路、TVCO…ソース電圧入力端子、VCC…電源電圧、VCO…ソース電圧、VRG…レギュレート電圧、Vdet…検出電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7