(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ヘッドアセンブリ及びヘッドアセンブリを備える印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20241217BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B41J2/01 307
B41J2/01 305
H05K1/14 C
H05K1/14 F
(21)【出願番号】P 2021057463
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2024-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【氏名又は名称】藤田 正広
(72)【発明者】
【氏名】八太 郁佳
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 裕稔
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-081049(JP,A)
【文献】特開2005-074763(JP,A)
【文献】特開2019-064148(JP,A)
【文献】特開2010-105377(JP,A)
【文献】特開2014-141053(JP,A)
【文献】特開2008-110588(JP,A)
【文献】特表2018-520921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
H05K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタを備え、電源が実装されたリジッド基板と、
複数のヘッドと、
前記複数のヘッドに供給されるインクを貯留するタンクと、
それぞれが、前記複数のヘッドの1つと前記タンクとを流体移動可能に連結する複数のチューブと、
前記タンク及び前記複数のチューブ内の前記インクを温めるように構成されたヒータと、
それぞれの一端が、前記複数のヘッドの1つと電気的に接続された複数のフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板の他端と、前記リジッド基板の前記コネクタとが電気的に接続された中継基板と、
第1空間を形成し、且つ、外気を取り込むための通風口が形成された第1部材と、
前記第1空間の、第1方向の一方側に位置する第2空間を形成する第2部材とを備え、
前記リジッド基板は前記第1空間内に位置し、
前記タンク、前記ヒータ、前記チューブ及び前記複数のフレキシブル基板が前記第2空間内に位置し、
前記中継基板は、前記第1方向における前記第1空間と前記第2空間の間に配置されて、前記第1空間と前記第2空間とを区画していることを特徴とするヘッドアセンブリ。
【請求項2】
前記中継基板は、前記リジッド基板の前記コネクタと電気的に接続される第1コネクタと、前記複数のフレキシブル基板の他端とそれぞれ電気的に接続される複数の第2コネクタとを有する請求項1に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項3】
前記第1部材の、前記第1方向において前記第2部材と対向する面には第1開口が形成され、
前記第2部材の、前記第1方向において前記第1部材と対向する面の、前記第1方向において前記第1開口と重なる部分には第2開口が形成され、
前記中継基板は、前記第1開口又は前記第2開口を塞ぐように配置されている請求項1又は2に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項4】
前記中継基板は、前記第2開口を塞ぐように配置され、
前記リジッド基板は、前記第1開口を通って前記第1方向に延びている請求項3に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項5】
前記リジッド基板は、複数のリジッド基板の1つであり、
前記複数のリジッド基板の数と、前記複数のヘッドの数と、前記複数のフレキシブルケーブルの数とは互いに同じである請求項1~4のいずれか一項に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項6】
前記複数のリジッド基板は、それぞれ、前記電源が実装された第1面と、前記第1面に垂直な法線方向の高さが前記電源の高さよりも低い素子が実装された第2面とを有し、
前記複数のリジッド基板は、前記各リジッド基板の前記法線方向が前記第1方向に直交するように前記第1空間に配置され、
前記複数のリジッド基板は、各列が前記第1方向及び前記法線方向に直交する列方向に並んだ2以上のリジッド基板を含む、2つの列を形成するように前記第1空間に配置されており、
一方の列に含まれる前記2以上のリジッド基板の前記第2面と、他方の列に含まれる前記2以上のリジッド基板の前記第2面とは、前記法線方向において互いに向かい合っている請求項5に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項7】
前記一方の列に含まれる前記2以上のリジッド基板の前記第1面は、前記法線方向において前記第1部材の第1側面と対向し、
前記他方の列に含まれる前記リジッド基板の1つの前記第1面は、前記法線方向において前記第1部材の第2側面と対向し、
前記一方の列に含まれる前記リジッド基板の1つの前記第1面と、前記第1部材の前記第1側面との距離L1、及び、前記他方の列に含まれる前記リジッド基板の1つの前記第1面と、前記第1部材の前記第2側面との距離L2は、いずれも、前記法線方向において互いに向かい合っている、前記一方の列に含まれる前記リジッド基板の1つの前記第2面と、前記他方の列に含まれる前記リジッド基板の1つの前記第2面との距離L3よりも大きい請求項6に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項8】
さらに、ファンを有し、
前記通風口は、前記第1部材の、前記列方向の一方の側壁に設けられており、
ファンは、前記通風口を通じて第1空間内に風を送り込むことが可能な位置に第1部材に配置されている請求項6又は7に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項9】
前記中継基板の前記第1コネクタは、前記中継基板の前記第1空間を区画する第1面に配置され、
前記中継基板の前記第2コネクタは、前記中継基板の前記第2空間を区画する第2面に配置されている、請求項2に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項10】
前記中継基板には、電源入力ポートが接続されており、
前記第2部材の側面には、前記電源入力ポートと、前記タンクに前記インクを供給するためのインク供給ポートとが位置している請求項9に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項11】
前記電源入力ポートは、前記第2部材の前記側面において、前記インク供給ポートの上方に位置している請求項10に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項12】
前記第1部材は第1筐体であり、
前記第2部材は、前記第1筐体と分離可能に構成された第2筐体である請求項1~11のいずれか一項に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項13】
前記第1方向は上下方向であり、
前記第1筐体は、前記第2筐体の上面の上方に位置している請求項12に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項14】
前記第2筐体の前記上面は、
第1天板と、
第1天板よりも上方であって、且つ、前記第1天板の、前記上下方向に直交する奥行き方向の一方側に位置する第2天板と、
第1天板と第2天板とを上下方向に繋ぐように、前記上下方向と、前記上下方向及び前記奥行き方向に直交する幅方向とに広がり、且つ、前記奥行き方向に直交する接続壁と、を有し、
前記第1筐体は、底面と、前記上下方向及び前記幅方向に広がり、且つ、前記奥行き方向に直交する側壁とを有し、
前記第1筐体の前記底面が前記第2筐体の前記第1天板と前記上下方向に対向し、且つ、前記第1筐体の前記側壁が前記第2筐体の接続壁と前記奥行き方向に対向するように、前記第1筐体が前記第2筐体の前記上面の上方に位置する請求項13に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項15】
前記複数のヘッドは、前記第2筐体の、前記上下方向において前記第1天板と重なる位置に配置され、
前記第2筐体の、前記上下方向において前記第2天板と重なる位置には、前記複数のヘッドが配置されていない、請求項14に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項16】
前記第1筐体の上面には第1グリップが配置され、
前記第2筐体の、前記上下方向及び前記幅方向に広がり、且つ、前記奥行き方向に直交する側壁には第2グリップが配置されている請求項14又は15に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項17】
前記第1部材は、前記第1空間を上方に開放可能に構成されており、
前記第1空間は、前記第2空間の上方に位置する請求項1~11のいずれか一項に記載のヘッドアセンブリ。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のヘッドアセンブリと、
前記複数のヘッドがそれぞれ備えるノズル面と対面する搬送面に対して、記録媒体を搬送するように構成された搬送機構と、
を備える印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のヘッドを有するヘッドアセンブリと、それを含む印刷装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
ある公知の印刷装置は、用紙の搬送方向に沿って配列された複数のヘッドユニットを備えている。各ヘッドユニットは、筐体と、複数のヘッドと、複数のヘッドに紫外線硬化剤を含むUVインクを供給する液体供給装置と、制御基板とを備えている。各ヘッドユニットの複数のヘッド、液体供給装置、及び制御基板は筐体内に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
UVインクは温度の変化によって粘性が大きく変化する。そのため、ヘッドの吐出不良の発生を防ぐ観点から、UVインクの温度を所定温度に維持するために、ヘッド及び液体供給装置の周りの空間の温度を一定にすることが望まれる。これに対して、制御基板はヘッドの駆動に伴って発熱するため、ファンなどを使って冷却する必要がある。上記の印刷装置においては、一定温度に維持する必要があるUVインクを含む液体供給装置及びヘッドと、冷却が必要な制御基板とが、同じ筐体内に配置されている。そのため、制御基板の冷却に伴って、ヘッド及び液体供給装置の周りの空間の温度が変動する恐れがある。ヘッド及び液体供給装置の周りの空間の温度が変動すると、UVインクの温度が変動し、ヘッドの吐出状態が変動する恐れがある。
【0005】
本発明の目的は、制御基板を冷却することに起因してインクの温度が変動することを抑制するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、コネクタを備え、電源が実装されたリジッド基板と、
複数のヘッドと、
前記複数のヘッドに供給されるインクを貯留するタンクと、
それぞれが、前記複数のヘッドの1つと前記タンクとを流体移動可能に連結する複数のチューブと、
前記タンク及び前記複数のチューブ内の前記インクを温めるように構成されたヒータと、
それぞれの一端が、前記複数のヘッドの1つと電気的に接続された複数のフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板の他端と、前記リジッド基板の前記コネクタとが電気的に接続された中継基板と、
第1空間を形成し、且つ、外気を取り込むための通風口が形成された第1部材と、
前記第1空間の、第1方向の一方側に位置する第2空間を形成する第2部材とを備え、
前記リジッド基板は前記第1空間内に位置し、
前記タンク、前記ヒータ、前記チューブ及び前記複数のフレキシブル基板が前記第2空間内に位置し、
前記中継基板は、前記第1方向における前記第1空間と前記第2空間の間に配置されて、前記第1空間と前記第2空間とを区画していることを特徴とするヘッドアセンブリが提供される。
【発明の効果】
【0007】
上記構成において、電源が実装されたリジッド基板は、第1部材によって形成された第1空間に配置され、インクを貯留するタンク、インク流路を形成するチューブ、インクを温めるためのヒータ、及びフレキシブル基板は、第2部材によって形成された第2空間に配置されている。第1空間と、第2空間とは、中継基板によって区画されている。第1部材には、外気を取り込むための通風口が形成されているので、外気を取り込むことによってリジッド基板の電源を冷却することができる。しかしながら、第1空間と第2空間とは、中継基板によって区画されているので、第1空間の空気が第2空間に流入して第2空間の温度を変動させることを抑制することができる。これにより、第1空間を外気で冷却しつつ、第1空間の温度変動が第2空間の温度に影響を及ぼすことを抑制することができる。また、中継基板には、前記フレキシブル基板の他端と、前記リジッド基板の前記コネクタとを電気的に接続することができる。これにより、第1空間と第2空間とを熱的に遮断しつつ、電気的には接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は印刷装置1の概略を示す平面図である。
【
図2】
図2は印刷装置1の概略を示す概略図である。
【
図3】
図3はラインヘッド20に含まれるヘッド11の並びを説明するための概略図である。
【
図4】
図4は第1筐体100及び第2筐体200の斜視図である。
【
図5】
図5はラインヘッドアセンブリ10の概略説明図である。
【
図6】(a)は中継基板300の上面図であり、(b)は中継基板300の下面図である。
【
図9】
図9はタンク本体413を上から見た斜視図である。
【
図10】
図10はタンク本体413を下から見た斜視図である。
【
図12】
図12はタンク400内の流路を説明するための説明図である。
【
図17】
図17はラインヘッドアセンブリ10Aの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る印刷装置1を、図面に基づいて説明する。
図1において、記録媒体4の搬送方向は印刷装置1の前後方向に対応する。また記録媒体4の幅方向は印刷装置1の左右方向に対応する。また前後方向及び左右方向と直交する方向、即ち
図1における紙面に垂直な方向は印刷装置1の上下方向に対応する。なお、左右方向が本実施形態の第1方向の一例であり、前後方向(搬送方向)が第2方向の一例である。
【0010】
図1、2に示すように、印刷装置1は、筐体2内に収容されたプラテン3、3つのラインヘッドアセンブリ10(本発明のヘッドアセンブリの一例)、2つの搬送ローラ5A、5B、コントローラ7、5つのインクリザーバ8等を備える。なお、
図1、2においては、図面を簡略化するために1つのインクリザーバ8だけが図示されている。
【0011】
図1、2に示されるように、プラテン3の上面には、記録媒体4が載置される。3つのラインヘッドアセンブリ10は、プラテン3の上方において、プラテン3に対向するように配置されている。各ラインヘッドアセンブリ10には、インクリザーバ8からインクが供給される。ラインヘッドアセンブリ10の構造については後ほど説明する。なお、3つのラインヘッドアセンブリ10は、前後方向(記録媒体4の搬送方向)に沿って並ぶようにアーチフレーム41に固定されている。
図2に示されるように、アーチフレーム41はアーチ形状を有しており、3つのラインヘッドアセンブリ10はそれぞれ異なる角度で水平面に対して傾くように配置されている。
【0012】
図1、2に示すように、二つの搬送ローラ5A、5Bは、プラテン3の後方及び前方にそれぞれ配置されている。二つの搬送ローラ5A、5Bは、図示しないモータによって駆動される。
図2に示されるように、記録媒体4はロール状に巻かれた給送ロール4Aから送出されて、巻取ロール4Bに巻き取られる。例えば、記録媒体4として、ロール紙を用いることができる。給送ロール4A及び巻取ロール4Bには、それぞれ、不図示のモータにより回転する回転シャフト4C、4Dが取り付けられている。これらの二つの回転シャフト4C、4D及び二つの搬送ローラ5A、5Bが協働して、記録媒体4を給送ロール4Aから送出し、プラテン3の上を通るように搬送方向の下流側(前方)へ搬送し、巻取ロール4Bに巻き取る。二つの回転シャフト4C、4D及び二つの搬送ローラ5A、5Bは、本発明の搬送機構の一例である。
【0013】
図3に示されるように、各ラインヘッドアセンブリ10は、複数のヘッド11(本実施形態では10個のヘッド11)を有するラインヘッド20を備えている。複数のヘッド11は前後方向に並んだ2つのヘッド列を構成している。各ヘッド列には、それぞれ、左右方向に並ぶ5つのヘッド11が含まれている。左右方向に並ぶ5つのヘッド11の、前後方向の位置は同じである。但し、以下の説明において、位置が同じであるということは、厳密に位置が同じであることを意図しているのでは無く、製造誤差及び取り付け誤差の範囲内で位置が同じであることを意図している。なお、2つのヘッド列に含まれるヘッド11の左右方向の位置は互いにずれている。つまり、10個のヘッド11は千鳥状に配置されている。
【0014】
各ヘッド11の下面11bは複数のノズル11aが形成されたノズル面である。
図3に示すように、ヘッド11の複数のノズル11aは、ラインヘッド20(ラインヘッドアセンブリ10)の長手方向である左右方向に沿って列状に並ぶことにより、2列のノズル列を構成している。なお、ヘッド11の内部にはヘッド内流路が形成されているが、ヘッド内流路の形状等については後述する。
【0015】
上述のように、各ラインヘッドアセンブリ10(ラインヘッド20)の10個のヘッド11は、2つのヘッド列を形成している。上述のように、各ヘッド11は2列のノズル列を有している。各ノズル列から、それぞれ異なる色のインクを吐出することが可能であるので、各ヘッド11は、最大で2色のインクを吐出することができる。最も後方(搬送方向の最も上流側)に配置されたラインヘッドアセンブリ10の10個のヘッド11には、5つのインクリザーバ8の1つから、ホワイトインクが供給される。ホワイトインクは、下地印刷に用いることができる。後方から2番目(搬送方向において上流側から2番目)のラインヘッドアセンブリ10の10個のヘッド11には、5つのインクリザーバ8のうちの2つのインクリザーバ8から、それぞれイエローインクとマゼンダインクとが供給される。各ヘッド11の、後方(搬送方向の上流側)のノズル列からイエローインクが吐出され、前方(搬送方向の下流側)のノズル列からマゼンタインクが吐出される。最も前方(搬送方向の最も下流側)に配置されたラインヘッドアセンブリ10の10個のヘッド11には、5つのインクリザーバ8のうちの2つのインクリザーバ8から、それぞれシアンインクとブラックインクとが供給される。各ヘッド11の、後方(搬送方向の上流側)のノズル列からシアンインクが吐出され、前方(搬送方向の下流側)のノズル列からブラックインクが吐出される。このように、本実施形態では、搬送方向に並んだ3つのラインヘッドアセンブリ10から、搬送方向の上流側から下流側に向かって順に淡色から濃色のインクが吐出される。なお、本実施形態では、ホワイトインク、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクはいずれもUV硬化インクである。UV硬化インクの粘度は、温度によって大きく変動する。吐出不良を防ぐためには、インクの粘度を適正な範囲内に保つ必要がある。そのためには、UV硬化インクの温度を適正な温度に保つ必要がある。
【0016】
コントローラ7は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。なおコントローラ7はCPU(Central Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備えてもよい。コントローラ7は、PC等の外部装置9(
図1参照)とデータ通信可能に接続されており、外部装置9から送られた印刷データに基づいて、印刷装置1の各部を制御する。
【0017】
コントローラ7は、回転シャフト4C、4Dを駆動するモータ及び搬送ローラ5A、5Bを駆動するモータを制御して、二つの搬送ローラ5A、5Bに記録媒体4を搬送方向に搬送させる。また、コントローラ7は、3つのラインヘッドアセンブリ10を制御し、ノズル11aから記録媒体4に向けてインクを吐出させる。これにより、記録媒体4に画像が印刷される。
【0018】
<ラインヘッドアセンブリ10の構造>
次に、ラインヘッドアセンブリ10の構造について、図面を参照しつつ説明する。なお、3つのラインヘッドアセンブリ10は、同じ構造を有しているので、1つに着目して説明する。上述のように、3つのラインヘッドアセンブリ10は水平面に対してそれぞれ異なる角度で傾くように配置されている。しかしながら、説明を簡略化するために、以下の記載においては、ラインヘッドアセンブリ10が水平面に対して垂直に配置されているものとして方向を定義する。
図5に示されるように、各ラインヘッドアセンブリ10は、第1筐体100と、第2筐体200と、10個のヘッド11を含むラインヘッド20と、10枚のリジッド基板110と、10枚のフレキシブル基板280と、ファン120と、中継基板300と、タンク400と、ヒータ250と、ヘッド11とタンク400とを繋ぐ複数のチューブ416と、を主に備える。なお、
図5においては、10枚のフレキシブル基板280のうちの5枚のフレキシブル基板280が図示されている。
【0019】
<第1筐体100及び第2筐体200>
図4、5に示されるように、第1筐体100は、第2筐体200の上方に重ねられるように配置されている。第1筐体100は内部に第1空間S1を画定し、第2筐体200は内部に第2空間S2を画定している。なお、
図4、5においては、第1空間S1及び第2空間S2を見やすくするために、第1筐体100及び第2筐体200の前側及び後側の側壁は取り除かれている。なお、左右方向は第1筐体100及び第2筐体200の奥行き方向に対応し、前後方向は第1筐体100及び第2筐体200の幅方向に対応する。奥行き方向は、上下方向及び幅方向の両方に直交する。
【0020】
図4に示されるように、第1筐体100は略直方体の形状を有する。第1筐体100の上面を画定する天板101には第1グリップ108が設けられている。第1筐体100の右側の側壁102Rには通風口103が開口している。通風口103にはファン120が取り付けられている。後述のように、ファン120は、リジッド基板110の列の配列方向(左右方向、奥行き方向)に風を送ることができる。さらに、第1筐体100の下面には開口105が形成されている。
【0021】
第2筐体200は、高さの異なる2つの直方体を組み合わせたような形状であり、例えば、前後方向から視ると略L字の形状である。第2筐体200の上面は、第1天板201aと、第1天板201aの右側且つ上方に位置する第2天板201bと、第1天板201a及び第2天板201bを連結して上下方向に延びる接続壁201cとを有する。接続壁201cは、幅方向(前後方向)及び上下方向に広がっており、奥行き方向(左右方向)に直交している。第1天板201aには、開口205が形成されている。なお、第1筐体100の下面に形成された開口105の開口面積と、第2筐体200の第1天板201aに形成された開口205の開口面積はほぼ同じである。第2筐体200の上面(第1天板201a)に第1筐体100が上から重ねられるように配置されたとき、2つの開口105、205は上下方向において互いに重なる。
【0022】
第2筐体200の、左側の側壁202Lには第2グリップ208aが設けられ、第2天板201bには第3グリップ208bが設けられている。第2筐体200の、右側の側壁202Rには、電源入力ポート211と、4つのインクポート221と、1組の冷却水ポート225とが設けられている。冷却水ポート225は、ヘッド11を冷却するための冷却水を循環させるためのポートである。ヘッド11の内部に設けられている不図示の圧電アクチュエータは、駆動に伴って発熱する。そのため、ヘッド11が充分に冷却されない場合には、ヘッド11内に温度ムラが発生し、それに起因して、あるノズル11aと別のノズル11aの間でインクの粘度が異なってしまうことがある。その場合には、同じ波形の駆動信号を入力した場合であっても、上記のあるノズル11aと別のノズル11aとから吐出されるインク滴の大きさに差がでることがあり、印字品質の低下に繋がる恐れがある。そこで、本実施形態においては、冷却水ポート225から冷却水を導入し、ヘッド11を冷却している。電源入力ポート211には、不図示の外部電源からの不図示の電源ケーブルが接続される。4つのインクポート221は、第1インク供給ポート222f、第2インク供給ポート223f、第1インク排出ポート222d、第2インク排出ポート223dを有する。第1インク供給ポート222fと、第1インク排出ポート222dとが、ペアを構成しており、同一のインクリザーバ8に接続されている(
図14参照)。つまり、第1インク供給ポート222fと第1インク排出ポート222dとのペアには、同一のインクが流れる。第1インク供給ポート222fと第1インク排出ポート222dは、それぞれ、タンク400の第1供給ポート458、第1排出ポート468(
図9参照)に接続される。第2インク供給ポート223fと、第2インク排出ポート223dとが、別のペアを構成しており、同一のインクリザーバ8に接続されている(
図15参照)。つまり、第2インク供給ポート223fと第2インク排出ポート223dとのペアには、同一のインクが流れる。なお、第1インク供給ポート222fと第1インク排出ポート222dとのペアに流れるインクと、第2インク供給ポート223fと第2インク排出ポート223dとのペアに流れるインクとは、必ずしも同じインクで無くてもよく、例えば別の色のインクであってもよい。また、第2インク供給ポート223fと第2インク排出ポート223dは、それぞれ、タンク400の第2供給ポート478、第2排出ポート488(
図9参照)に接続される。
【0023】
図4、5に示されるように、4つのインクポート221は、電源入力ポート211の下側に配置されているので、インクポート221からインクが漏れて下に垂れた場合に、電源入力ポート211にインクが付着する恐れがない。これにより、電源入力ポート211の汚損及びインクの付着によるショートを防ぐことができる。
【0024】
図5に示されるように、第2筐体200には、第2筐体200の第1天板201aに形成された開口205を下側から塞ぐように、中継基板300が取り付けられている。中継基板300の上面は、第1筐体100の開口105から露出しており、中継基板300の上面によって第1筐体100の開口が塞がれている。つまり、中継基板300は第1筐体100の下面の開口105と、第2筐体200の上面の開口205の両方を塞いでいる。これにより、中継基板300の上面は第1空間S1の一部を画定し、中継基板300の下面は第2空間S2の一部を画定している。
【0025】
<中継基板300>
図6(a)、6(b)に示されるように、中継基板300は、10個の第1コネクタ301と、10個の第2コネクタ302と、電源コネクタ303とを備えている。電源コネクタ303は中継基板300の右端に配置されている。上述のように、第2筐体200の右側の側壁202Rには、電源入力ポート211が設けられている。
図5に示されるように、中継基板300の電源コネクタ303と電源入力ポート211とは、電源ケーブル304により接続されている。また、第1空間S1に露出している中継基板300の上面には、10個の第1コネクタ301が配置されている。言い換えると、第1空間S1に向かい合う中継基板300の上面には10個の第1コネクタ301が配置されている。10個の第1コネクタ301は前後方向に2列に並んでいる。第1コネクタ301の各列は、左右方向に並んだ5つの第1コネクタ301を含んでいる。つまり、第1コネクタ301の列の延びる方向(列方向)は、奥行き方向(左右方向)に平行である。第2空間S2に露出している中継基板300の下面には、10個の第2コネクタ302が配置されている。言い換えると、第2空間S2に向かい合う中継基板300の下面には、10個の第2コネクタ302が配置されている。10個の第2コネクタ302も幅方向(前後方向)に2列に並んでおり、第2コネクタ302の各列は、奥行き方向(左右方向)に並んだ5つの第2コネクタ302を含んでいる。つまり、第2コネクタ302の列の延びる方向(列方向)は、奥行き方向(左右方向)に平行である。なお、中継基板300の上面が本発明の中継基板の第1面に対応し、中継基板300の下面が本発明の中継基板の第2面に対応する。
【0026】
中継基板300は、10個の第1コネクタ301と10個の第2コネクタ302とをそれぞれ繋ぐ不図示の配線を備えている。これにより、中継基板300の下面に配置されている第2コネクタ302と、上面に配置されている第1コネクタ301とが電気的に接続されている。さらに、中継基板300は、電源コネクタ303と10個の第1コネクタ301とを繋ぐ不図示の電源配線と、電源コネクタ303と10個の第2コネクタ302とを繋ぐ不図示の電源配線とを備えている。これにより、中継基板300は、第1コネクタ301及び第2コネクタ302に接続された機器等に対して、不図示の外部電源からの電力を供給することができる。なお、不図示の外部電源は、後述のリジッド基板110の電源112とは異なる。
【0027】
<リジッド基板110>
図5、7に示されるように、10個のリジッド基板110が第1空間S1に配置されている。
図7に示されるように、リジッド基板110は、第1面110a及び第2面110bを有する矩形状の基板であり、ヘッド11を駆動し制御するためのヘッド制御基板である。各リジッド基板110には、コネクタ111と電源112と複数の回路素子113が実装されている。リジッド基板110の第1面110aには、電源112と複数の回路素子113の一部が実装される。第1面110aの裏面である第2面110bには、複数の回路素子113が実装される。なお、複数の回路素子113は、全てが同じ種類の回路素子ではなく、複数の種類の回路素子を含んでいる。
【0028】
リジッド基板110の第1面110aに実装されている電源112は、ヘッド11に含まれる不図示の圧電アクチュエータの駆動信号を生成するための電源素子である。リジッド基板110の第2面110bには電源112は実装されておらず、複数の回路素子113として、高速信号を処理するための回路素子が実装されている。リジッド基板110の第1面110aに実装されている電源112の高さは、第2面110bに実装されている複数の回路素子113の高さよりも高い。なお、ここでいう高さは、リジッド基板110に垂直な法線方向(
図5では前後方向に平行)における、第1面110a、第2面110bからの高さを表している。
【0029】
コネクタ111は、リジッド基板110の下端に配置されており、中継基板300の第1コネクタ301に挿入される。これにより、リジッド基板110は中継基板300に対して垂直に立つように固定される(
図7参照)。上述のように、第1コネクタ301が2列に並んでいるので、リジッド基板110も2列に並ぶように配置される。
図7に示されるように、電源112が実装された第1面110aが幅方向(前後方向)に対向しないように、各列のリジッド基板110は背中合わせで2列に配列されている。つまり、幅方向(前後方向)に向かい合う2つのリジッド基板110において、電源112よりも低い回路素子113だけが実装された第2面110bが互いに向かい合っている。また、幅方向(前後方向)に向かい合う2つのリジッド基板110に関して、前側のリジッド基板110と第1筐体100の前側の側面との間の前後方向の距離L1、及び、後側のリジッド基板110と第1筐体100の後側の側面との間の前後方向の距離L2は、いずれも、幅方向(前後方向)に向かい合う2つのリジッド基板110の間の前後方向の距離L3よりも大きい。
【0030】
上述のように、ファン120は、リジッド基板110の列の配列方向(奥行き方向、左右方向)に風を送ることができる。風が送られる方向は、リジッド基板110の第1面110a及び第2面110bに対して平行な方向であるので、リジッド基板110は風の流れを妨げない。そのため、ファン120から送られる風をリジッド基板110の列の配列方向(奥行き方向、左右方向)に沿って奥まで送ることができ、10枚のリジッド基板110を効率よく冷やすことができる。
【0031】
上述の距離L1、L2は、電源112が実装された第1面110aと第1筐体100の側面との距離に対応し、距離L3は、電源112が実装されていない第2面110b同士の間の距離に対応する。上記のように、距離L1及び距離L2は、距離L3よりも大きいので、発熱量が大きい電源112に対して、効率的に風を送って冷やすことができる。
【0032】
次に、第2空間S2に配置されている部材について説明する。第2筐体200の第2空間S2には、中継基板300の下面が露出している。さらに、第2空間S2には、10個のヘッド11を含むラインヘッド20と、10枚のフレキシブル基板280と、タンク400と、ヒータ250と、ヘッド11とタンク400とを繋ぐ複数のチューブ416とが配置されている。
【0033】
<フレキシブル基板280>
各フレキシブル基板280の一端は、中継基板300の第2コネクタ302の1つに接続される。また、各フレキシブル基板280の他端は、ヘッド11の1つに接続される。なお、上述のように中継基板300の第2コネクタ302は中継基板300の上面に配置された第1コネクタ301と電気的に接続されており、さらに第1コネクタ301はリジッド基板110のコネクタ111に電気的に接続されている。つまり、ヘッド11を駆動し制御するためのヘッド制御基板であるリジッド基板110は、中継基板300及びフレキシブル基板280を介してヘッド11に接続される。これにより、各リジッド基板110は、ヘッド11の不図示の圧電アクチュエータに対する駆動信号等のヘッド11に対する制御信号を、中継基板300及びフレキシブル基板280を介してヘッド11の1つに送信することができる。
【0034】
<タンク400>
図5に示されるように、第2空間S2の、中継基板300の下方には、タンク400が配置されている。タンク400は、左右方向に長尺な略直方体の形状を有する。
図8に示されるように、タンク400は天板411と、上シールゴム412と、タンク本体413と、下シールゴム414と、底板415と、複数のチューブ416とを主に備える。タンク本体413は樹脂により形成されており、例えば、射出成形によって形成することができる。天板411及び底板415は樹脂、又は金属材料によって形成することができる。天板411は、上シールゴム412を挟んだ状態でタンク本体413の上方に固定される。また、底板415は、下シールゴム414を挟んだ状態でタンク本体413の下方に固定される。天板411及び底板415は、複数のネジ417によりタンク本体413にネジ止めされる。なお、
図11に示されるように、1つのヘッド11には、第1供給口16、第1排出口17、第2供給口18、第2排出口19が設けられている。後述のように、ヘッド11には、2つのノズル列に対応した2つのインク循環経路が設けられている(
図14、15参照)。
図14に示されるように、一方のインク循環経路の一端が第1供給口16に接続され、他端が第1排出口17に接続される。また、
図15に示されるように、他方のインク循環経路の一端が第2供給口18に接続され、他端が第2排出口19に接続される。タンク400と1つのヘッド11とは、4本のチューブ416で接続される。1本目のチューブ416が第1供給口16と連通し、2本目のチューブ416が第1排出口17と連通し、3本目のチューブ416が第2供給口18と連通し、4本目のチューブ416が第2排出口19と連通している。タンク400は10個のヘッド11と接続されるため、タンク400は40本のチューブ416と接続される。しかしながら、図面を簡略化するため、
図8においてはタンク400に接続されるチューブ416の数を減らして図示している。
【0035】
図8、9に示されるように、タンク本体413には、第1供給流路450、第1排出流路460、第2供給流路470、第2排出流路480が形成されている。なお、これらの4つの流路はそれぞれ左右方向に延びている。また、これらの4つの流路は前後方向に並んで配置されている。なお、これらの4つの流路は、前後方向の後方から前方に向かって、すなわち、搬送方向の上流側から下流側に向かって、第1供給流路450、第1排出流路460、第2排出流路480、第2供給流路470の順に並んでいる。なお、
図8、9においては、図面を簡略化するため、タンク400の左右方向の長さが短くなるように、第1供給流路450、第1排出流路460、第2供給流路470、第2排出流路480の一部だけを図示している。
【0036】
タンク本体413の右側の側壁413Rには、第1供給流路450に連通する第1供給ポート458、第1排出流路460に連通する第1排出ポート468、第2排出流路480に連通する第2排出ポート488、第2供給流路470に連通する第2供給ポート478が設けられている。
【0037】
<タンク400の内部のインク流路>
次に、タンク400の内部に形成されたインクの流路についてさらに詳細に説明する。
図10、12に示されるように、第1供給流路450は、第1基幹供給流路451と、第1基幹供給流路451の下方において第1基幹供給流路451から分岐した10個の第1分岐供給流路452とを有する。10個の第1分岐供給流路452は、それぞれ、10個のヘッド11に対応している。なお、
図10においては、図面を簡略化するため、
図8、9と同様に、タンク400の左右方向の長さが短くなるように、第1供給流路450、第1排出流路460、第2供給流路470、第2排出流路480の一部だけを図示している。また、
図10においては、10個の第1分岐供給流路452の一部だけが図示されている。各第1分岐供給流路452の一端452aは第1基幹供給流路451と接続され、他端452bはチューブ416に接続される。
【0038】
図10、12に示されるように、第1排出流路460は、第1基幹排出流路461と、第1基幹排出流路461の下方において第1基幹排出流路461から分岐した10個の第1分岐排出流路462とを有する。10個の第1分岐排出流路462は、それぞれ、10個のヘッド11に対応している。なお、
図10においては、図面を簡略化するため、10個の第1分岐排出流路462の一部だけが図示されている。各第1分岐排出流路462の一端462aは第1基幹排出流路461と接続され、他端462bはチューブ416に接続される。
【0039】
図10、12に示されるように、第2供給流路470は、第2基幹供給流路471と、第2基幹供給流路471の下方において第2基幹供給流路471から分岐した10個の第2分岐供給流路472とを有する。10個の第2分岐供給流路472は、それぞれ、10個のヘッド11に対応している。なお、
図10においては、図面を簡略化するため、10個の第2分岐供給流路472の一部だけが図示されている。各第2分岐供給流路472の一端472aは第2基幹供給流路471と接続され、他端472bはチューブ416に接続される。
【0040】
図10、12に示されるように、第2排出流路480は、第2基幹排出流路481と、第2基幹排出流路481の下方において第2基幹排出流路481から分岐した10個の第2分岐排出流路482とを有する。10個の第2分岐排出流路482は、それぞれ、10個のヘッド11に対応している。なお、
図10においては、図面を簡略化するため、10個の第2分岐排出流路482の一部だけが図示されている。各第2分岐排出流路482の一端482aは第2基幹排出流路481と接続され、他端482bはチューブ416に接続される。
【0041】
図11に示されるように、各ヘッド11の上面には、第1供給口16、第1排出口17、第2供給口18、第2排出口19が配置されている。第1供給口16と第1排出口17とは左右方向に並んでおり、第1供給口16が第1排出口17の左側に位置する。第2供給口18と第2排出口19とは左右方向に並んでおり、第2供給口18が第2排出口19の右側に位置する。また、第1供給口16と第1排出口17のペアは、第2供給口18と第2排出口19のペアの後方に位置している。
【0042】
各ヘッド11の上面において、第1供給口16、第1排出口17、第2供給口18、第2排出口19が上記のように並んでいることに対応して、
図12に示されるように、第1分岐供給流路452の他端452b、第1分岐排出流路462の他端462b、第2分岐供給流路472の他端472b、第2分岐排出流路482の他端482bも、同様に並んでいる。つまり、第1分岐排出流路462の他端462bと第2分岐供給流路472の他端472bとが左右方向に並び、第2分岐供給流路472の他端472bと第2分岐排出流路482の他端482bとが左右方向に並んでいる。
【0043】
上述のように、10個のヘッド11が左右方向に延びる2列のヘッド列を構成するように、千鳥状に配置されていることに対応して、一個分のヘッド11に対応する、第1分岐供給流路452の他端452b、第1分岐排出流路462の他端462b、第2分岐供給流路472の他端472b及び第2分岐排出流路482の他端482bの組も、ヘッド11と同様に、左右方向に延びる2つの列を構成するように、千鳥状に配置されている。つまり、一個分のヘッド11に対応する、第1分岐供給流路452の他端452b、第1分岐排出流路462の他端462b、第2分岐供給流路472の他端472b及び第2分岐排出流路482の他端482bの組は、上下方向において、ヘッド11の第1供給口16、第1排出口17、第2供給口18、第2排出口19とそれぞれ重なる位置に配置されている。
【0044】
<第1分岐供給流路452(第2分岐供給流路472)の形状>
次に、第1分岐供給流路452の形状について図面を参照しつつ説明する。なお、第2分岐供給流路472は、第1分岐供給流路452と
図12の線Xに対して対称な形状を有しているため、詳細な説明を省略する。
【0045】
以下の説明において、第1基幹供給流路451、第1基幹排出流路461、第2基幹供給流路471、第2基幹排出流路481を総称して基幹流路と呼ぶ。
図12に示されるように、第1基幹供給流路451は、4つの基幹流路の中で最も後方に位置している。
図12に示されるように、第1基幹供給流路451から前方に向かって、5つの第1分岐供給流路452が延びている。なお、第1分岐供給流路452は途中で左方に折れた後、再び前方に延在している。
図13(c)、13(d)に示されるように、第1分岐供給流路452は、第1基幹排出流路461の下方に潜り込むようにして、前方に延びている。なお、第1分岐供給流路452の上面452Uは、他端452bに近づくにつれて下方に下がるように傾斜している。なお、水平面に対する上面452Uの傾斜角度は、ラインヘッドアセンブリ10がアーチフレーム41に取り付けられたときの、ラインヘッドアセンブリ10のノズル面と水平面との傾斜角よりも大きい。そのため、ラインヘッドアセンブリ10が水平面から傾くようにしてアーチフレーム41に取り付けられたときであっても、第1分岐供給流路452の上面452Uは、他端452bに近づくにつれて下方に下がるように傾斜する。
【0046】
<第1分岐排出流路462(第2分岐排出流路482)の形状>
次に、第1分岐排出流路462の形状について図面を参照しつつ説明する。なお、第2分岐排出流路482は、第1分岐排出流路462と
図12の線Xに対して対称な形状を有しているため、詳細な説明を省略する。
【0047】
図12に示されるように、第1基幹排出流路461は、4つの基幹流路の中で最も後方から2番目に位置している。
図12に示されるように、第1基幹排出流路461から前方に向かって、5つの第1分岐排出流路462が延びている。
図13(b)に示されるように、第1分岐排出流路462は、第2基幹排出流路481の下方に潜り込むようにして、前方に延びている。なお、第1分岐排出流路462の上面462Uは、他端462bに近づくにつれて下方に下がるように傾斜している。なお、水平面に対する上面462Uの傾斜角度は、ラインヘッドアセンブリ10がアーチフレーム41に取り付けられたときの、ラインヘッドアセンブリ10のノズル面と水平面との傾斜角よりも大きい。そのため、ラインヘッドアセンブリ10が水平面から傾くようにしてアーチフレーム41に取り付けられたときであっても、第1分岐排出流路462の上面462Uは、他端462bに近づくにつれて下方に下がるように傾斜する。
【0048】
また、
図12に示されるように、第1基幹排出流路461から後方に向かって、5つの第1分岐排出流路462が延びている。
図13(a)に示されるように、第1分岐排出流路462は、第1基幹供給流路451の下方に潜り込むようにして、後方に延びている。なお、第1分岐排出流路462の上面462Uは、他端462bに近づくにつれて下方に下がるように傾斜している。なお、水平面に対する上面462Uの傾斜角度は、ラインヘッドアセンブリ10がアーチフレーム41に取り付けられたときの、ラインヘッドアセンブリ10のノズル面と水平面との傾斜角よりも大きい。そのため、ラインヘッドアセンブリ10が水平面から傾くようにしてアーチフレーム41に取り付けられたときであっても、第1分岐排出流路462の上面462Uは、他端462bに近づくにつれて下方に下がるように傾斜する。
【0049】
<タンク400とヘッド11との接続>
次に、タンク400とヘッド11との接続について説明する。図示はされていないが、第1分岐供給流路452の他端452bと、ヘッド11の第1供給口16とがチューブ416で接続されている。同様に、第1分岐排出流路462の他端462bと、ヘッド11の第1排出口17とがチューブ416で接続される。第2分岐供給流路472の他端472bと、ヘッド11の第2供給口18とがチューブ416で接続される。第2分岐排出流路482の他端482bと、ヘッド11の第2排出口19とがチューブ416で接続される。上述のように、一個分のヘッド11に対応する、第1分岐供給流路452の他端452b、第1分岐排出流路462の他端462b、第2分岐供給流路472の他端472b及び第2分岐排出流路482の他端482bが、上下方向において、ヘッド11の第1供給口16、第1排出口17、第2供給口18、及び第2排出口19とそれぞれ重なる位置にある。これにより、チューブ416が互いに交差しないように伸ばした状態で繋ぐことができ、同じ長さのチューブ416を用いることができる。
【0050】
<ヒータ250>
本実施形態においては、UV硬化インクを用いているので、インクの温度を所定の温度に維持する必要がある。そこで、本実施形態のラインヘッドアセンブリ10は、タンク400とヘッド11とを繋ぐチューブ416内のインクを温めるためのヒータ250が設けられている。
図5に示されるように、ヒータ250は、チューブ416と前後方向に重なる位置に設けられている。ヒータ250として、例えばカーボンシートに電流を流すことによって発熱するカーボンヒータを用いることができる。なお、タンク400内のインクを予め温めるために、タンク400の下面に、例えばシート状のヒータを取り付けることもできる。
【0051】
<インク循環>
次に、
図14、15を参照しつつ、インクの循環経路について説明する。まず、ヘッド11に含まれる2つのノズル列のうちの一方のノズル列に対応するインクの循環経路を
図14を参照しつつ説明する。
図14に示されるように、インクリザーバ8と、第2筐体200の第1インク供給ポート222f及び第1インク排出ポート222dとは、インク循環機構80を介して流体的に接続されている。なお、インク循環機構80は、ポンプ、バルブ、排気弁などを備えた公知のインク循環システムであり、詳細な説明は省略する。インク循環機構80により、インクリザーバ8から供給されたインクは、第2筐体200の第1インク供給ポート222fに向かって流れる。さらにインクは、第2筐体200の第1インク供給ポート222fからタンク400の第1供給流路450へと流れ、第1供給流路450の第1分岐供給流路452の他端452bから、チューブ416を通ってヘッド11の第1供給口16へと流れる。ヘッド11の内部には、ヘッド内流路として、第1供給マニホルド14f、複数の圧力室11p、複数のノズル11a、第1帰還マニホルド14rが形成されている。第1供給マニホルド14f、第1帰還マニホルド14rは、複数の圧力室11pに共通に設けられている。複数の圧力室11pと複数のノズル11aは、1対1に対応している。第1供給口16から供給されたインクは、第1供給マニホルド14fから複数の圧力室11pに流入する。不図示の圧電アクチュエータを駆動して、圧力室11pの1つに吐出圧力を加えることによって、当該圧力室11pに連通するノズル11aからインク滴が吐出される。ノズル11aから吐出されなかったインクは、第1帰還マニホルド14rに送られ、第1排出口17、チューブ416を通ってタンク400の第1排出流路460に流入する。タンク400の第1排出流路460は、第2筐体200の第1インク排出ポート222dに接続されている。第1排出流路460に流入したインクは、第1インク排出ポート222dを通ってインクリザーバ8に向かって流れる。このようにして、インクを循環させることができる。
【0052】
次に、ヘッド11に含まれる2つのノズル列のうちの他方のノズル列に対応するインクの循環経路を
図15を参照しつつ説明する。
図15に示されるように、インクリザーバ8と、第2筐体200の第2インク供給ポート223f及び第2インク排出ポート223dとは、インク循環機構80を介して流体的に接続されている。インク循環機構80により、インクリザーバ8から供給されたインクは、第2筐体200の第2インク供給ポート223fに向かって流れる。さらにインクは、第2筐体200の第2インク供給ポート223fからタンク400の第2供給流路470へと流れ、第2供給流路470の第2分岐供給流路472の他端472bから、チューブ416を通ってヘッド11の第2供給口18へと流れる。ヘッド11の内部には、ヘッド内流路として、第2供給マニホルド15f、複数の圧力室11p、複数のノズル11a、第2帰還マニホルド15rが形成されている。第2供給マニホルド15f、第2帰還マニホルド15rは、複数の圧力室11pに共通に設けられている。複数の圧力室11pと複数のノズル11aは、1対1に対応している。第2供給口18から供給されたインクは、第2供給マニホルド15fから複数の圧力室11pに流入する。不図示の圧電アクチュエータを駆動して、圧力室11pの1つに吐出圧力を加えることによって、当該圧力室11pに連通するノズル11aからインク滴が吐出される。ノズル11aから吐出されなかったインクは、第2帰還マニホルド15rに送られ、第2排出口19、チューブ416を通ってタンク400の第2排出流路480に流入する。タンク400の第2排出流路480は、第2筐体200の第2インク排出ポート223dに接続されている。第2排出流路480に流入したインクは、第2インク排出ポート223dを通ってインクリザーバ8に向かって流れる。このようにして、インクを循環させることができる。
【0053】
<実施形態の作用効果>
【0054】
ラインヘッドアセンブリ10は、電源112が実装されたリジッド基板110と、10個のヘッド11と、タンク400と、複数のチューブ416と、ヒータ250と、10個のフレキシブル基板280と、中継基板300と、通風口103が形成された第1筐体100と、第2筐体200とを備えている。第1筐体100には空間S1が形成され、第2筐体200には第2空間S2が形成されている。第1空間S1は第1空間S2の上方に位置しており、上下方向において、第1空間S1と第2空間S2との間には、中継基板300が配置されている。第1空間S1にはリジッド基板110が配置され、第2空間S2にはタンク400、ヒータ250、複数のチューブ416、フレキシブル基板280が配置されている。中継基板300は、第1空間S1と第2空間S2とを区画している。
【0055】
電源112が実装されたリジッド基板110は空冷が必要であるため、通風口103が形成された第1筐体100内の第1空間S1に配置されている。これに対して、温度を一定に保つことが要求されるインクを含む部材(ヘッド11、チューブ416、タンク400)及び温度調整に必要なヒータ250は、第2筐体200内の第2空間S2に配置されている。ここで、第1空間S1と第2空間S2とは、中継基板300によって区画されているので、通風口103を介して外気が取り込まれる第1空間S1の空気が第2空間S2内に入ることが抑制される。これにより、ヒータ250により温調されている第2空間S2の温度を変動させることが抑制される。このような構成は、本実施形態のように、インクとして、一定温度に保つことが強く要請されるUV硬化インクを用いる場合には、特に有用である。
【0056】
中継基板300には、第1コネクタ301と第2コネクタ302が設けられている。これにより、第1空間S1の空気が第2空間S2内に入ることを抑制しつつ、第1空間S1に配置されているリジッド基板110と第2空間S2に配置されているフレキシブル基板280とを容易に電気的に接続することができる。
【0057】
第1筐体100の下面には、開口105が形成され、第2筐体200の上面には開口205が形成されている。開口105と開口205とは上下方向に重なっている。上記実施形態においては、第2筐体200の上面の開口205を下から塞ぐように、中継基板300が第2筐体200の上面に取り付けられている。中継基板300をこのように配置することで、開口205及び開口105を容易に塞ぐことができる。なお、中継基板300を、開口105上からを塞ぐように、第1筐体100の下面に取り付けることもできる。開口105と開口205とは上下方向に重なっているので、この場合にも中継基板300が開口205及び開口105を塞ぐことができる。なお、リジッド基板110は、開口105を通って上方に延在するように配置されている。つまり、リジッド基板110の一部は、第1空間S1内に配置される。リジッド基板110をこのように配置することで、発熱が想定されるリジッド基板110に実装された電源112を、容易に第1空間S1に位置づけることができる。
【0058】
今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではない。上記実施形態で示された各構成は、全てが必須のものではなく、必要に応じて構成を変更又は省略することができる。
【0059】
上記実施形態においては、第1筐体100及び第2筐体200は分離可能に構成されていた。そのため、必要に応じて第1筐体100を取り外すことができた。上述のように、第1筐体100の天板101には第1グリップ108が設けられている。ユーザは第1グリップ108を把持しつつ第1筐体100を上方に持ち上げることにより、第1筐体100と第2筐体200とを分離することができる。例えば、リジッド基板110は電源112を含んでいるため、故障の頻度が他の基板(例えば中継基板300)よりも高い。リジッド基板110が故障した場合には、リジッド基板110が含まれる第1筐体100を第2筐体200から取り外して、リジッド基板110の修理を行うことができた。しかしながら本発明はそのような態様には限られない。例えば、
図16、17に示されるように、本発明に係るラインヘッドアセンブリ10Aが、筐体500を有していてもよい。筐体500は、第1空間S1を画定する第1フレーム部510と、第2空間S2を画定する第2フレーム部520と、第1フレーム部510の上方に位置する蓋530とを有する。第1フレーム部510と第2フレーム部520とは、分離可能に構成されていない。第1フレーム部510が本発明の第1部材の一例であり、第2フレーム部520は本発明の第2部材の一例である。なお、第1フレーム部510は上述の第1筐体100に対応し、第2フレーム部520は上述の第2筐体200に対応している。第1フレーム部510及び第2フレーム部520に設けられた構成の内、第1筐体100及び第2筐体200に共通する構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。また、2つの空間S1、S2に配置されている部材は、上述のラインヘッドアセンブリ10と同様であるので、共通する構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0060】
図17に示されるように、第1フレーム部510は、略直方体形状を有するフレーム部材である。第1フレーム部510は、底面510Dと、底面510Dの左右方向両端から上方に延びる右側の側壁510R及び左側の側壁510Lと、上面510Uとを有する。底面510Dには開口501が形成されている。また、上面510Uには別の開口502が形成されている。第1フレーム部510の右側の側壁510Rには、通風口511が形成されている。通風口511には、第1筐体100と同様にファン120が取り付けられている。右側の側壁510Rの、通風口511の下方には電源入力ポート211が設けられている。
【0061】
第2フレーム部520は、略直方体形状を有するフレーム部材である。第2フレーム部520は、底面520Dと、底面520Dの左右方向両端から上方に延びる右側の側壁520R及び左側の側壁520Lと、上面520Uとを有する。第2フレーム部520の右側の側壁520Rは、第1フレーム部510の右側の側壁510Rと連続している。第2フレーム部520の左側の側壁520Lは、第1フレーム部510の左側の側壁510Lと連続している。右側の側壁520Rには、第2筐体200と同様に、4つのインクポート221と、1組の冷却水ポート225とが設けられている。
【0062】
第2フレーム部520の上面520Uと、第1フレーム部510の底面510Dとは、同一の板材の上面と下面に相当する。そのため、上述の開口501は、第2フレーム部520の上面520Uにも開口している。
【0063】
図16に示されるように、第2フレーム部520の上面520Uには、開口501を下側から塞ぐように、中継基板300Aが取り付けられている。中継基板300Aは、電源コネクタ303Aが上面(第1コネクタ301と同じ面)に配置されている点を除いて、上述の中継基板300と同じ構成を有するので、説明を省略する。
図16に示されるように、電源コネクタ303Aは電源入力ポート211と接続されている。
【0064】
このような構成においても、第1空間S1と第2空間S2とが中継基板300Aによって区画されているので、空冷による冷却が必要な第1空間S1内の空気が第2空間S2に流入することを抑制することができる。これにより、一定の温度に保つことが要請される第2空間S2の温度が変動することを抑制することができる。
【0065】
なお、蓋530は、前記第1フレーム部510の上面510Uにネジなどで固定されている。
図17に示すように、蓋530は、開口502を上から覆うように配置されている。蓋530を取り外すことにより、開口502を露出させることができる。上述のように、リジッド基板110は電源112を含んでいるため、故障の頻度が他の基板(例えば中継基板300A)よりも高い。しかしながら、ラインヘッドアセンブリ10Aでは、蓋530を取り外すことにより、開口502を露出させてユーザーが開口502から空間S1にアクセスすることができる。これにより、第1フレーム部510と第2フレーム部520から分離させること無く、空間S1に配置されたリジッド基板110を容易に交換することができる。
【0066】
上記実施形態においては、ラインヘッドアセンブリ10の数は3つであった。しかしながら本発明はそのような態様には限られず、ラインヘッドアセンブリ10の数や配置は適宜変更しうる。同様に、1つのラインヘッド20に含まれるヘッド11の数や配置等は適宜変更しうる。また、各ヘッド11に含まれるノズル11aの数や配置等も適宜変更しうる。また、上記実施形態においては、印刷装置1にコントローラ7が設けられていたが、本発明はそのような態様には限られない。例えば、ラインヘッドアセンブリ10にコントローラ7が設けられていてもよい。
【0067】
上記実施形態において、記録媒体4として、ロール状に巻かれた記録媒体(例えばロール紙)が用いられている。しかしながら本発明はそのような態様には限られず、必要に応じて適宜の形状及び材質の記録媒体4を用いることができる。上記実施形態において、タンク400の構造、形状、材質等は適宜変更しうる。例えば、上記実施形態において、タンク400は10個のヘッド11に接続されていた。しかしながら本発明はそのような態様に限られない。例えば、タンク400が3つに分割され、それぞれが、4個のヘッド11、4個のヘッド11、2個のヘッド11に接続されてもよい。また、上記実施形態の印刷装置1は、3つのラインヘッドアセンブリ10を備えており、ホワイトインク、シアンインク、マゼンダインク、イエローインク、ブラックインクの5色のインクを吐出するように構成されていた。本発明はそのような態様には限られず、印刷装置1が適宜の色のインクを吐出するように構成することができる。また、本実施形態においては、UV硬化インクが用いられていた。しかしながら、本発明はそのような態様には限られず、UV硬化インク以外のインク(例えば、水性インク、顔料インクなど)を用いることもできる。
【0068】
また、本発明は必ずしもラインヘッドを含むラインヘッドアセンブリに限定されず、複数のヘッドを含むヘッドアセンブリに広く適用できる。また、本発明はインクを吐出するインクジェット形式の印刷装置には限られない。また、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される印刷装置においても本教示は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を吐出して、基板表面に導電パターンを形成する印刷装置にも、本教示を適用することは可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
1 印刷装置
10 ラインヘッドアセンブリ
11 ヘッド
400 タンク