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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】人工筋肉を含む付属肢マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A61H7/00 320Z
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021088774
(22)【出願日】2021-05-26
(65)【公開番号】P2021186678
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2024-04-23
(31)【優先権主張番号】16/883,178
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック マウ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ピー.ロウ
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/066075(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/173227(WO,A1)
【文献】特表2008-515502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付属肢マッサージ装置であって、
内側バンドおよび外側層を含む付属肢ラップ、および
前記付属肢ラップの前記内側バンドと前記外側層の間に配置された1つ以上の人工筋肉であって、1つ以上の人工筋肉の各々が、
電極領域および膨張性流体領域を含むハウジングと、
前記ハウジングの内部に収納された誘電性流体と、
前記ハウジングの前記電極領域内に位置付けされた電極対であって、前記ハウジングの第1の表面に固定された第1の電極および前記ハウジングの第2の表面に固定された第2の電極を含み、非作動状態から作動状態への作動によって前記誘電性流体が前記膨張性流体領域内に誘導され、前記膨張性流体領域を膨張させて前記付属肢ラップの前記内側バンドに対し圧力を加えるように、前記非作動状態と前記作動状態の間で作動可能である、電極対と、
を含む、1つ以上の人工筋肉、
を含み、
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、2つ以上のタブ部分および2つ以上のブリッジ部分を含み、
前記2つ以上のブリッジ部分の各々が、隣接するタブ部分を相互接続しており、
前記第1の電極および前記第2の電極のうちの少なくとも1つが、前記2つ以上のタブ部分の間に位置付けされ前記膨張性流体領域を取巻く中央開口部を含む、
付属肢マッサージ装置。
【請求項2】
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、2つのタブ部分対と2つのブリッジ部分対を含み、各々のブリッジ部分が、隣接するタブ部分の対を相互接続し、各タブ部分が、反対側のタブ部分と直径方向に相対している、請求項1に記載の付属肢マッサージ装置。
【請求項3】
前記電極対が前記非作動状態にある場合、前記第1の電極と前記第2の電極は互いに平行ではなく、
前記電極対が前記作動状態にある場合、前記第1の電極と前記第2の電極は互いに平行であり、こうして前記第1の電極および前記第2の電極は、前記非作動状態から前記作動状態へと作動させられた時点で前記中央開口部に向かっておよび互いに向かってファスナ様に閉じるように構成されている、
請求項1に記載の付属肢マッサージ装置。
【請求項4】
内側バンドおよび外側層を含む付属肢ラップ、および
前記付属肢ラップの前記内側バンドと前記外側層の間に配置された複数の人工筋肉スタックであって、該複数の人工筋肉スタックの各々の人工筋肉が、
電極領域および膨張性流体領域を含むハウジングと、
前記ハウジングの内部に収納された誘電性流体と、
前記ハウジングの前記電極領域内に位置付けされた電極対であって、前記ハウジングの第1の表面に固定された第1の電極および前記ハウジングの第2の表面に固定された第2の電極を含み、非作動状態から作動状態への作動によって前記誘電性流体が前記膨張性流体領域内に誘導されるように、前記非作動状態と前記作動状態の間で作動可能である、電極対と、
を含む複数の人工筋肉スタック、
を含む付属肢マッサージ装置であって、
前記複数の人工筋肉スタックの各々は、前記付属肢ラップの前記内側バンドに対して選択的圧力を加えるように独立して作動可能であり、
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、2つ以上のタブ部分および2つ以上のブリッジ部分を含み、
前記2つ以上のブリッジ部分の各々が、隣接するタブ部分を相互接続しており、
前記第1の電極および前記第2の電極のうちの少なくとも1つが、前記2つ以上のタブ部分の間に位置付けされ前記膨張性流体領域を取巻く中央開口部を含む、
付属肢マッサージ装置。
【請求項5】
前記第1の電極および前記第2の電極の各々が、前記2つ以上のタブ部分の間に位置付けされ前記膨張性流体領域を取巻く中央開口部を含み、該中央開口部が、互いに同軸的に整列されている、請求項4に記載の付属肢マッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、付属肢(appendage)マッサージ装置に関し、詳細には、ユーザに治療的マッサージを施す目的で選択的圧力を提供するための人工筋肉を含む付属肢マッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
治療的マッサージは、痛みを緩和しストレスを低減させる一助となるマッサージ方法である。治療的マッサージの一例は、瘢痕組織を分解し血液循環を改善するために使用可能な深部組織マッサージである。治療的マッサージの他の例としては、神経筋マッサージ、筋膜マッサージ、トリガーポイント療法、およびスポーツマッサージが含まれる。治療的マッサージを提供するための現在のテクノロジには、空気圧駆動または電動モータ駆動のマッサージ装置が含まれる。しかしながら、これらのマッサージ装置は複雑で嵩高く、容易に携帯できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、ユーザに対して選択的かつ強い圧力を加えることができる一方で薄型でもある改良型マッサージ装置に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、付属肢マッサージ装置は、内側バンドおよび外側層を有する付属肢ラップ(appendage wrap)、および付属肢ラップの内側バンドと外側層の間に配置された1つ以上の人工筋肉を含む。1つ以上の人工筋肉の各々は、電極領域および膨張性(expandable)流体領域を有するハウジングと、ハウジングの内部に収納された誘電性流体と、ハウジングの電極領域内に位置付けされた電極対とを含む。電極対は、ハウジングの第1の表面に固定された第1の電極およびハウジングの第2の表面に固定された第2の電極を含む。電極対は、非作動状態から作動状態への作動によって誘電性流体が膨張性流体領域内に誘導され、膨張性流体領域を膨張させて付属肢ラップの内側バンドに対し圧力を加えるように、非作動状態と作動状態の間で作動可能である。
【0005】
別の実施形態において、付属肢マッサージ装置は、内側バンドおよび外側層を有する付属肢ラップ、および付属肢ラップの内側バンドと外側層の間に配置された複数の人工筋肉スタック(artificial muscle stacks)を含む。該複数の人工筋肉スタックの各々の人工筋肉は、電極領域および膨張性流体領域を有するハウジングと、ハウジングの内部に収納された誘電性流体と、ハウジングの電極領域内に位置付けされた電極対とを含む。電極対は、ハウジングの第1の表面に固定された第1の電極およびハウジングの第2の表面に固定された第2の電極を含む。電極対は、非作動状態から作動状態への作動によって誘電性流体が膨張性流体領域内に誘導されるように、非作動状態と作動状態の間で作動可能である。さらに、複数の人工筋肉スタックの各々は、付属肢ラップの内側バンドに対して選択的圧力を加えるように独立して作動可能である。
【0006】
さらに別の実施形態において、付属肢マッサージ装置を作動させる方法には、人工筋肉の電極対に対して電気的に結合された電源を用いて電圧を生成することが含まれる。人工筋肉は付属肢ラップの内側バンドと外側層の間に配置されている。人工筋肉は、電極領域および膨張性流体領域を有するハウジングを含む。電極対は、ハウジングの電極領域の中に位置付けされている。電極対は、ハウジングの第1の表面に固定された第1の電極およびハウジングの第2の表面に固定された第2の電極を含む。ハウジングの内部に、誘電性流体が収納されている。該方法は同様に、人工筋肉の電極対に対して電圧を印加し、これにより、誘電性流体がハウジングの膨張性流体領域内に誘導されかつ膨張性流体領域を膨張させて付属肢ラップの内側バンドに対して圧力を加えるように、電極対を非作動状態から作動状態まで作動させることを含む。
【0007】
本明細書中に記載の実施形態により提供されるこれらのおよび追加の特徴部は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することによって、より完全に理解されるものである。
【0008】
図面中に記載の実施形態は、事実上例証的かつ例示的なものであって、クレームにより定義されている主題を限定するように意図されたものではない。例証的実施形態についての以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で標示されている以下の図面と併せて読んだ場合に、理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、ユーザの身体上に位置付けされた付属肢マッサージ装置を概略的に描いている図である。
図2A】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、非作動状態にある付属肢マッサージ装置の複数の人工筋肉を示す図1の付属肢マッサージ装置の横断面を概略的に描いている図である。
図2B】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、作動状態にある付属肢マッサージ装置の複数の人工筋肉を示す図1の付属肢マッサージ装置の横断面を概略的に描いている図である。
図2C】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、作動状態にある付属肢マッサージ装置の複数の人工筋肉のうちのいくつかと非作動状態にある付属肢マッサージ装置の複数の人工筋肉のうちのいくつかと、を示す図1の付属肢マッサージ装置の横断面を概略的に描いている図である。
図3A】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、非作動状態にある単一の人工筋肉を有する付属肢マッサージ装置の一実施形態の横断面を概略的に描いている図である。
図3B】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、単一の人工筋肉が作動状態にある図3Aの付属肢マッサージ装置の横断面を概略的に描いている図である。
図3C】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、複数の付属肢ラップを含むユーザの身体上に位置付けされた付属肢マッサージ装置を概略的に描いている図である。
図4】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、図1の付属肢マッサージ装置の例証的人工筋肉の分解組立図を概略的に描いている図である。
図5】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、図3の人工筋肉の上面図を概略的に描いている図である。
図6】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、非作動状態にある図5中のライン6-6に沿って切り取った図4の人工筋肉の横断面図を概略的に描いている図である。
図7】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、作動状態にある図5中のライン6-6に沿って切り取った図4の人工筋肉の横断面図を概略的に描いている図である。
図8】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、非作動状態にある別の例証的人工筋肉の横断面図を概略的に描いている図である。
図9】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、作動状態にある図8の人工筋肉の横断面図を概略的に描いている図である。
図10】本明細書中で示され説明された1つ以上の実施形態に係る、図1の付属肢マッサージ装置を動作させるための作動システムを概略的に描いている図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書中に記載の実施形態は、ユーザの付属肢に対して選択的圧力を加えるように構成された1つ以上の人工筋肉を含む付属肢マッサージ装置に向けられている。本明細書中に記載の付属肢マッサージ装置は、内側バンド、外側層および内側バンドと外側層の間のキャビティ内に配置された1つ以上の人工筋肉を有する付属肢ラップを含む。付属肢ラップのキャビティ内に配置された1つ以上の人工筋肉は、選択的にかつオンデマンドで拡張させられる膨張性流体領域を提供する目的で人工筋肉の領域を選択的に上昇および下降させるべく作動可能である。詳細には、1つ以上の人工筋肉は各々、電圧の印加によって引寄られて、膨張性流体領域内に誘電性流体を押込み、こうして付属肢ラップの内側バンドに局在化された圧力を加える電極対を含んでいる。さらに、内側バンドは弾性材料から形成されており、そのため内側バンドは、付属肢の特定の形状に適合できるようになっている。したがって、付属肢マッサージ装置の1つ以上の人工筋肉の作動は、薄型であっても強力なマッサージ装置を用いて、ユーザの付属肢に対して選択的かつカスタマイズ可能な圧力を加えることができる。付属肢マッサージ装置のさまざまな実施形態および付属肢マッサージ装置の動作が、本明細書中でより詳細に説明される。可能な場合にはつねに、図面全体を通して同じまたは同様の部品に言及するために同じ参照番号が使用される。
【0011】
ここで図1~2Cを参照すると、付属肢マッサージ装置10が概略的に描かれている。図1において、付属肢マッサージ装置10はユーザ5の付属肢6上に配置されている。図2A~2Cでは、付属肢マッサージ装置10の概略的横断面が、さまざまな作動状態で示されている。付属肢マッサージ装置10は、外側層20、内側バンド30および外側層20と内側バンド30の間に配置されたキャビティ15を有する付属肢ラップ12を含む。付属肢マッサージ装置10は同様に、付属肢ラップ12の内側バンド30と外側層20の間、例えばキャビティ15内に配置された1つ以上の人工筋肉101も含んでいる。図2A~2C中に描かれている実施形態において、各々の人工筋肉101は、複数の人工筋肉100のうちの1つである。詳細には、図2A~2C中の複数の人工筋肉100は、複数の人工筋肉スタック102の形に配設されている。しかしながら、図3Aおよび3B中に描かれている実施形態など、内側バンド30を取り囲んでキャビティ15内に単一の人工筋肉101が配置されている実施形態が企図される。さらに、図2A~2Cの人工筋肉スタック102とは対照的に、キャビティ15の内部に単一層で配設された複数の人工筋肉100を伴う実施形態が企図される。動作中、1つ以上の人工筋肉101は、膨張して付属肢ラップ12の内側バンド30に対して圧力を加えるために作動可能である。付属肢ラップ12を着用した場合、内側バンド30に対する該圧力により内側バンド30はユーザ5に対して選択的圧力を加えることになる。さらに、1つ以上の人工筋肉101の作動は、作動システム400(図10)によって制御され得、該作動システムは、付属肢ラップ12に結合された搭載制御ユニット40内に収納された構成要素を含み得る。
【0012】
ひき続き図1~2Cを参照すると、内側バンド30はキャビティ15に面する内側表面32および付属肢開口部25に面する外側表面34を含む。内側表面32は少なくとも1つの人工筋肉101と接触し得、着用された場合、外側表面34はユーザ5の付属肢6と接触し得る。外側層20は、キャビティ15に面する内側表面22および付属肢ラップ12から外向きに面する外側表面24を含む。外側層20の内側表面22は、少なくとも1つの人工筋肉101と接触し得る。内側バンド30は、着用された場合に内側バンド30がユーザ5の付属肢6の輪郭に適合し得るように弾性材料を含む。外側層20は、剛性プラスチックまたはポリマ材料など、内側バンド30よりも剛性のある材料を含み、そのため、1つ以上の人工筋肉101が作動させられて内側バンド30と外側層20の両方を押圧した場合に、内側バンド30は外側層20よりも大きく変形し(実際、外側層20は全く変形しない可能性がある)、こうしてユーザ5の付属肢に圧力が加えられることになる。外側層20は内側バンド30よりも剛性があることから、外側層20は内側バンド30よりも高いヤング係数を含む。
【0013】
ここで図2A~2Cを参照すると、各々の人工筋肉101が非作動状態にある状態(図2A)、各々の人工筋肉101が作動状態にある状態(図2B)、そしていくつかの人工筋肉101が作動状態にある一方で他の人工筋肉101が非作動状態にある状態(図2C)で、付属肢マッサージ装置10の横断面図が示されている。図2A~2Cでは、複数の人工筋肉100は複数の人工筋肉スタック102の形に配設されている。これらの例証的実施形態は、8個の人工筋肉スタック102A~102Hを含むが、任意の数の人工筋肉スタック102が企図されていることを理解するべきである。実際、図2A~2Cは横断面であることから、これらの図は、付属肢ラップ12の第1の端部14と第2の端部16の間の1つの横断面位置にある人工筋肉スタック102を描き、したがって、人工筋肉スタック102の該半径方向アレイを第1の端部14から第2の端部16まで付属肢ラップ12の長さに沿って1回以上反復させること(または図3Cに描かれている付属肢ラップ12a~12jなどの多数の個別の付属肢ラップ12の形で反復させること)ができるということを理解すべきである。いくつかの実施形態において、複数の人工筋肉101は、内側バンド30と外側層20の間で均一に配設され、第1の端部14から第2の端部16まで付属肢ラップ12の長さに沿って1つのまたは多くの縦方向位置において均一の半径方向アレイの形で内側バンド30を取巻くことができる。いくつかの実施形態において、複数の人工筋肉スタック102の各々の人工筋肉スタックの各人工筋肉101の膨張性流体領域196は、互いに同軸的に整列している。しかしながら、他の実施形態においては、複数の人工筋肉スタック102の人工筋肉101の少なくともいくつかの膨張性流体領域196の間には、幾分かのオフセットが存在していてよい。その上、図2A~2Cは、複数の人工筋肉スタック102を描いているものの、複数の人工筋肉100がキャビティ15内部で単一層の形で配設されている実施形態も企図されている。該単一層は、第1の端部14から第2の端部16まで付属肢ラップ12の長さに沿って1つまたは多数の縦方向位置において内側バンド30を(均一または不均一に)取巻く人工筋肉101の半径方向アレイを含むことができる。
【0014】
1つ以上の人工筋肉101は各々、誘電性流体198と共にハウジング110内に配置された電極対104を含む(図4~9)。電極対104は、膨張性流体領域196に隣接したハウジング110の電極領域194内に配置される。動作中、電極対104に対して電圧が印加されて、電極対104を引寄せ、これにより膨張性流体領域196内に誘電性流体が誘導され、膨張性流体領域196を膨張させる。図2Aにおいて、1つ以上の人工筋肉101は各々、非作動状態にある。複数の人工筋肉100が作動させられていない場合、付属肢開口部25は非作動半径RNを含み、キャビティ15は非作動厚みCNを含む。複数の人工筋肉100が作動させられた場合、付属肢開口部25は、作動半径RAを含み、キャビティ15は作動厚みCAを含む。複数の人工筋肉100を作動させることで内側バンド30が内向きに押圧されるにつれて、作動半径RAは非作動半径RNより小さくなり、キャビティ15の作動厚みCAはキャビティ15の非作動厚みCNよりも大きくなる。動作中、ユーザ5が付属肢ラップ12を着用している場合、1つ以上の人工筋肉101の作動によって誘発される内側バンド30の該半径方向の収縮が、ユーザ5の付属肢6に対し圧力を加える。
【0015】
図2Aおよび2Bは、付属肢ラップ12の横断面の完全な非作動状態(図2A)および付属肢ラップ12の横断面の完全な作動状態(図2C)を示しているものの、各々の個別の人工筋肉101および各々の個別の人工筋肉スタック102を独立して作動させてユーザ5の付属肢6に対し選択的な圧力を提供することができるということを理解すべきである。図2Cは、該ような独立した作動を概略的に描いている。図2Cにおいて、第3の人工筋肉スタック102Cおよび第7の人工筋肉スタック102Gは作動状態にあり、残りの人工筋肉スタック(すなわち第1の人工筋肉スタック102A、第2の人工筋肉スタック102B、第4の人工筋肉スタック102D、第5の人工筋肉スタック102E、第6の人工筋肉スタック102F、および第8の人工筋肉スタック102H)は非作動状態にある。したがって、図2Cに描かれている実施例中の付属肢開口部25は、多数の半径を有する。詳細には図2C中の付属肢開口部25は、作動半径RAを伴う区分(すなわち第3および第7の人工筋肉スタック102C、102Gと整列した区分)および非作動半径RNを伴う区分(すなわち残りの人工筋肉スタックと整列した区分)を有する。
【0016】
ここで、図3Aおよび3Bを参照すると、単一の人工筋肉101を含む付属肢マッサージ装置10の一実施形態が描かれている。該実施形態において、単一の人工筋肉は、内側バンド30の円周の少なくとも大部分を取巻いていてよく、単一の人工筋肉101の作動が内側バンド30に対して圧力を加え、これにより着用時にユーザ5に対し圧力が加えられることになる。いくつかの実施形態において、単一の人工筋肉101を含む付属肢マッサージ装置10は、指または手首などのより小さな付属肢での使用向けに設計され得る。しかしながら、単一の人工筋肉101を含む付属肢マッサージ装置10の実施形態は、任意のサイズであってよいということを理解すべきである。さらに、図3Aおよび3Bは横断面であることから、これらの図は、付属肢ラップ12の第1の端部14と第2の端部16の間の1つの横断面位置における単一の人工筋肉101を描いている。実施形態は、わずか1つの人工筋肉101を伴って企図されているものの、単一の人工筋肉101が、付属肢ラップ12の長さに沿って第1の端部14から第2の端部16まで反復的に内側バンド30の周りのキャビティ15内に配置されている複数の人工筋肉100を有する実施形態も同様に企図される。これは、複数の人工筋肉100の別の単一層配設を形成する。
【0017】
ここで図1および3Cを参照すると、いくつかの実施形態において、付属肢ラップ12の外側層20(例えば付属肢ラップ12の外側層20の内径)は、さまざまな異なる付属肢のサイズにフィットするように調整可能である。該調整可能性は、調整可能なストラップなどのさまざまな機械的特徴部によって達成され得る。さらに、図1では単一の付属肢ラップ12が描かれているものの、多数の付属肢ラップ12を含む付属肢マッサージ装置10の実施形態も企図される。例えば、図3Cは、ユーザ5の付属肢6に沿って隣接して配設された10個の付属肢ラップ12a~12jを含む付属肢マッサージ装置10の一実施形態を描いている。図3Cにおいて、内側バンド30、外側層20、搭載制御ユニット40および第1および第2の端部14、16は、第1の付属肢ラップ12aについて指摘されているが、各付属肢ラップ12a~12jがこれらの構成要素を含み得る、ということを理解すべきである。さらに、各々の付属肢ラップ12a~12jは、1つ以上の人工筋肉101を含むことができる。例えば、各々の付属肢ラップ12a~12jは、単一の人工筋肉101(図3Aおよび3Bに描かれている通り)、人工筋肉101の単一層アレイ、単一の人工筋肉スタック102、または人工筋肉スタック102のアレイ(図2A~2Cに描かれている通り)を含むことができる。
【0018】
なおも図1および3Cを参照すると、各々の付属肢ラップ12の第1の端部14および第2の端部16の一方または両方は、別の付属肢ラップ12(例えば図3C中の第2の付属肢ラップ12bに取付けられた第1の付属肢ラップ12a)に取付けられるように構成された1つ以上の相互接続部18を含み得る。相互接続部18は、物理的接続性および/または電気的接続性を容易にすることができる。したがって、多数の付属肢ラップ12(例えば図3C中の付属肢ラップ12a~12j)をモジュール式に共に結合させて、付属肢マッサージ装置10がさまざまな長さを有することを可能にすることができる。相互接続部18は同様に、付属肢ラップ12a~12j間の通信結合も容易にし、各付属肢ラップ12a~12jの1つ以上の人工筋肉101の協調的動作がさまざまなマッサージ動作を行なうことを可能にする。他の実施形態は、ユーザ5の付属肢6上に隣接して配置されるように構成された相互接続部18無しの多数の付属肢ラップ(例えば12a~12j)を含み得る。これらの実施形態において、各付属肢ラップ(例えば12a~12j)の搭載制御ユニット40は、さまざまなマッサージ動作を行なうべく各付属肢ラップ12の1つ以上の人工筋肉101の協調的動作を容易にするために通信し得る。
【0019】
ここで図1~3Bを参照すると、付属肢マッサージ装置10は、1つ以上の人工筋肉101を作動させることによってユーザ5の付属肢6に対して選択的圧力を加えるように動作可能である。付属肢マッサージ装置10を作動させるためには、1つ以上の人工筋肉101に対して電圧を選択的に印加し、作動した人工筋肉101の膨張性流体領域196を膨張させることができる。いくつかの実施形態において、1つ以上の人工筋肉101の各々は、着用時にユーザ5の付属肢6に対して選択的圧力を加える付属肢ラップ12の内側バンド30に対して選択的圧力を加えるように、独立して作動可能である。複数の人工筋肉スタック102を含む実施形態においては、各人工筋肉スタック102が独立して作動可能である。さらに、単一の人工筋肉スタック102の人工筋肉101も同様に独立して作動可能であって、単一の人工筋肉スタック102によって適用される変位ストーク(stoke)を、作動されている単一の人工筋肉スタック102の個別の人工筋肉101の数に基づいて改変させることを可能にすることができる。こうして、ユーザ5に対して加えられる圧力の選択的深度が容易になる。
【0020】
1つ以上の人工筋肉101は、付属肢6の長さを下方へ向かって直列に組合わせられ、1つ以上の人工筋肉101に対する電圧の選択的印加によりカスケード律動(cascading rhythm)、パターン化律動、確率的律動または均一律動で作動され得る。多数の付属肢ラップ12を含む実施形態において、付属肢ラップ12は、付属肢の長さを下方へ向かって直列に組合わせられ、同様に協調的に各付属肢ラップ12の1つ以上の人工筋肉101に対して電圧を選択的に印加することによってカスケード律動、パターン化律動、確率的律動または均一律動で作動され得る。例えば、カスケード律動の動作では、付属肢ラップ12の第1の端部から、付属肢ラップ12の第2の端部まで逐次的にまたはユーザ5の付属肢6上に隣接して配置された多数の付属肢ラップ12に沿って逐次的に、1つ以上の人工筋肉101のサブセット(例えば人工筋肉101の半径方向アレイを作動させるために選択的に1つ以上の人工筋肉101に対して電圧が印加されてよい。
【0021】
ここで図4および5を参照すると、付属肢マッサージ装置10の例示的人工筋肉101がより詳細に描かれている。人工筋肉101はハウジング110、ハウジング110の相対する表面に固定された第1の電極106と第2の電極108を含む電極対104、第1の電極106に固定された第1の電気絶縁体層111および第2の電極108に固定された第2の電気絶縁体層112を含む。いくつかの実施形態において、ハウジング110は、第1の内側表面114および第2の内側表面116などの相対する内側表面対と、第1の外側表面118および第2の外側表面120などの相対する外側表面対とを含むワンピースモノリシック層である。いくつかの実施形態において、ハウジング110の第1の内側表面114および第2の内側表面116は、ヒートシール可能である。他の実施形態では、ハウジング110は、第1のフィルム層122および第2のフィルム層124などの個別に製造されたフィルム層の対であり得る。したがって、第1のフィルム層122は、第1の内側表面114と第1の外側表面118を含み、第2のフィルム層124は第2の内側表面116と第2の外側表面120を含む。
【0022】
本明細書中に記載の実施形態は、ワンピースハウジングとは対照的に、主として第1のフィルム層122および第2のフィルム層124を含むものとしてハウジング110に言及しているものの、いずれの配設も企図されていることを理解すべきである。いくつかの実施形態において、第1のフィルム層122および第2のフィルム層124は概して同じ構造および組成を含む。例えば、いくつかの実施形態において、第1のフィルム層122および第2のフィルム層124は各々、2軸延伸ポリプロピレンを含む。
【0023】
第1の電極106および第2の電極108は各々、第1のフィルム層122と第2のフィルム層124の間に位置付けされる。いくつかの実施形態において、第1の電極106および第2の電極108は各々、例えばMylar(登録商標)などのアルミニウム被覆ポリエステルである。さらに、第1の電極106および第2の電極108のうちの一方は、負荷電電極であり、第1の電極106および第2の電極108のうちの他方は、正荷電電極である。本明細書中で論述されている目的のためには、人工筋肉101の他方の電極106、108が負に荷電されているかぎりにおいて、いずれかの電極106、108が正に荷電されていてよい。
【0024】
第1の電極106は、フィルムに面する表面126および反対側の内側表面128を有する。第1の電極106は、第1のフィルム層122、具体的には第1のフィルム層122の第1の内側表面114に接して位置付けされる。さらに、第1の電極106は、第1のフィルム層122の縁部を通過して第1の電極106から延在する第1の端子130を含み、該第1の端子130が第1の電極106を作動させるべく電源に接続され得るようになっている。具体的には、端子は、図10に示されているように、電源および作動システム400のコントローラに対して、直接かまたは直列で結合される。同様にして、第2の電極108は、フィルムに面する表面148および反対側の内側表面150を有する。第2の電極108は、第2のフィルム層124、具体的には第2のフィルム層124の第2の内側表面116に接して位置付けされる。第2の電極108は、第2のフィルム層124の縁部を通過して第2の電極108から延在する第2の端子152を含み、該第2の端子152が第2の電極108を作動させるべく電源および作動システム400のコントローラに接続され得るようになっている。
【0025】
第1の電極106は、2つ以上のタブ部分132と2つ以上のブリッジ部分140を含む。各ブリッジ部分140は、隣接するタブ部分132の間に位置付けされ、これらの隣接するタブ部分132を相互接続している。各タブ部分132は、第1の電極106の中心軸Cからタブ部分132の反対側の第2の端部136まで半径方向に延在する第1の端部134を有し、ここで第2の端部136は第1の電極106の外周138の一部分を画定する。各ブリッジ部分140は、第1の電極106の中心軸Cから、第1の電極106の外周138の別の部分を画定するブリッジ部分140の反対側の第2の端部144まで半径方向に延在する第1の端部142を有する。第1の電極106の中心軸Cから半径方向に延在して、各タブ部分132はタブ長L1を有し、各ブリッジ部分140はブリッジ長L2を有する。タブ長L1は、タブ部分132の第1の端部134から第2の端部136までの距離であり、ブリッジ長L2は、ブリッジ部分140の第1の端部142から第2の端部144までの距離である。各タブ部分132のタブ長L1は、各ブリッジ部分140のブリッジ長L2よりも長い。いくつかの実施形態において、ブリッジ長L2は、タブ長L1の20%~50%、例えばタブ長L1の30%~40%である。
【0026】
いくつかの実施形態において、2つ以上のタブ部分132は、1つ以上のタブ部分132の対の形で配設されている。各タブ部分対132は、互いに直径方向に相対して配設された2つのタブ部分132を含む。いくつかの実施形態において、第1の電極106は、第1の電極106の相対する側または端部に位置付けされたわずか2つのタブ部分132しか含まない可能性がある。図4および5に示されているように、いくつかの実施形態において、第1の電極106は、4つのタブ部分132および隣接するタブ部分132を相互接続する4つのブリッジ部分140を含む。該実施形態では、4つのタブ部分132は、互いに直径方向に相対する2つのタブ部分対132として配設されている。さらに、図示されている通り、第1の端子130は、タブ部分132のうちの1つのタブ部分の第2の端部136から延在し、それと一体化して形成されている。
【0027】
第1の電極106と同様、第2の電極108は、少なくとも1対のタブ部分154と2つ以上のブリッジ部分162を含む。各ブリッジ部分162は、隣接するタブ部分154の間に位置付けされ、これらの隣接するタブ部分154を相互接続している。各タブ部分154は、第2の電極108の中心軸Cからタブ部分154の反対側の第2の端部158まで半径方向に延在する第1の端部156を有し、ここで第2の端部158は第2の電極108の外周160の一部分を画定する。第1の電極106および第2の電極108は同軸であることから、第1の電極106および第2の電極108の中心軸Cは同じである。各ブリッジ部分162は、第2の電極の中心軸Cから、第2の電極108の外周160の別の部分を画定するブリッジ部分162の反対側の第2の端部166まで半径方向に延在する第1の端部164を有する。第2の電極108の中心軸Cから半径方向に延在して、各タブ部分154はタブ長L3を有し、各ブリッジ部分162はブリッジ長L4を有する。タブ長L3は、タブ部分154の第1の端部156から第2の端部158までの距離であり、ブリッジ長L4は、ブリッジ部分162の第1の端部164から第2の端部166までの距離である。タブ長L3は、各ブリッジ部分162のブリッジ長L4よりも長い。いくつかの実施形態において、ブリッジ長L4は、タブ長L3の20%~50%、例えばタブ長L3の30%~40%である。
【0028】
いくつかの実施形態において、2つ以上のタブ部分154は、1つ以上のタブ部分154対の形で配設されている。各タブ部分対154は、互いに直径方向に相対して配設された2つのタブ部分154を含む。いくつかの実施形態において、第2の電極108は、第1の電極106の相対する側または端部に位置付けされたわずか2つのタブ部分154しか含まない可能性がある。図4および5に示されているように、いくつかの実施形態において、第2の電極108は、4つのタブ部分154および隣接するタブ部分154を相互接続する4つのブリッジ部分162を含む。該実施形態では、4つのタブ部分154は、互いに直径方向に相対する2つのタブ部分対154として配設されている。さらに、図示されている通り、第2の端子152は、タブ部分154のうちの1つのタブ部分の第2の端部158から延在し、それと一体化して形成されている。
【0029】
ここで図4~9を参照すると、第1の電極106および第2の電極108のうちの少なくとも1つは、タブ部分132の第1の端部134とブリッジ部分140の第1の端部142の間で内部に形成された中央開口部を有する。図6および7において、第1の電極106は、中央開口部146を有する。しかしながら、図8および9に示されているように、中央開口部が第2の電極108の内部に具備されている場合には、第1の電極106は中央開口部146を含む必要がないということを理解すべきである。代替的には、中央開口部146が第1の電極106の内部に具備されている場合には、第2の電極108は中央開口部を含む必要がない。なおも図4~9を参照すると、第1の電気絶縁体層111および第2の電気絶縁体層112は、概してそれぞれ第1の電極106および第2の電極108に対応する幾何形状を有する。したがって、第1の電気絶縁体層111および第2の電気絶縁体層112は各々、第1の電極106および第2の電極108上の同様の部分に対応するタブ部分170、172およびブリッジ部分174、176を有する。さらに、第1の電気絶縁体層111および第2の電気絶縁体層112は各々、上に位置付けされている場合には第1の電極106の外周138および第2の電極108の外周160に対応する外周178、180を有する。
【0030】
いくつかの実施形態において、第1の電気絶縁体層111および第2の電気絶縁体層112が概して同じ構造および組成を含むということを認識すべきである。したがって、いくつかの実施形態において、第1の電気絶縁体層111および第2の電気絶縁体層112は各々、粘着性表面182、184および反対側の封止不能表面186、188をそれぞれ含んでいる。こうして、いくつかの実施形態において、第1の電気絶縁体層111および第2の電気絶縁体層112は、各々、第1の電極106の内側表面128および第2の電極108の内側表面150にそれぞれ接着されたポリマーテープである。
【0031】
ここで図5~9を参照すると、人工筋肉101は、第1の電極106の第1の端子130および第2の電極108の第2の端子152がハウジング110、すなわち第1のフィルム層122と第2のフィルム層124の外周を超えて延在している状態で、その組立て形態で示されている。図5に示されているように、第2の電極108は、第1の電極106上に積み重ねられており、したがって、第1の電極106、第1のフィルム層122および第2のフィルム層124は示されていない。第1の電極106、第2の電極108、第1の電気絶縁体層111および第2の電気絶縁体層112は、その組立て形態において、第1のフィルム層122と第2のフィルム層124の間に挟まれている。第1のフィルム層122は、第1の電極106の外周138および第2の電極108の外周160を取り囲む部域において第2のフィルム層124に対して部分的に封止されている。いくつかの実施形態において、第1のフィルム層122は、第2のフィルム層124にヒートシールされる。具体的には、いくつかの実施形態において、第1のフィルム層122は第2のフィルム層124に封止されて、第1の電極106および第2の電極108を取り囲む封止部分190を画定する。第1のフィルム層122および第2のフィルム層124は、例えば接着剤、ヒートシールなどを用いて、任意の好適な方法で封止されてよい。
【0032】
第1の電極106、第2の電極108、第1の電気絶縁体層111および第2の電気絶縁体層112は、第1のフィルム層122が第2のフィルム層124に対し封止するのを妨げて、未封止部分192を形成する障壁を提供する。ハウジング110の未封止部分192は、内部に電極対104が具備されている電極領域194、および電極領域194により取り囲まれている膨張性流体領域196を含む。第1の電極106および第2の電極108の中央開口部146、168は、膨張性流体領域196を形成し、互いの上に軸方向に積み重ねられるように配設されている。図示されていないものの、ハウジング110は、電極対104の幾何形状に適合しかつ人工筋肉101のサイズすなわち封止部分190のサイズを縮小させるように切断されてよい。
【0033】
未封止部分192の内部に誘電性流体198が提供され、第1の電極106と第2の電極108の間を自由に流れる。本明細書中で使用される「誘電性」流体は、伝導無く電気力を伝達し、したがって低い導電率を有する媒体または材料である。非限定的ないくつかの例示的誘電性流体としては、ペルフルオロアルカン、変圧器油、および脱イオン水が含まれる。誘電性流体198は、針または他の好適な注入デイバスを用いて、人工筋肉101の未封止部分192内に注入され得る、ということを認識すべきである。
【0034】
ここで図6および7を参照すると、人工筋肉101は、非作動状態と作動状態の間で作動可能である。図6に示されている非作動状態において、第1の電極106および第2の電極108は、それらの中央開口部146、168およびタブ部分132、154の第1の端部134、156に近接して、部分的に互いに離隔されている。タブ部分132、154の第2の端部136、158は、ハウジング110が、第1の電極106の外周138および第2の電極108の外周160で封止されているために、互いとの関係において所定の位置にとどまる。図2A、2Cおよび3Aにおいて、付属肢マッサージ装置10の1つ以上の人工筋肉101のうちの少なくとも1つは、非作動状態にある。図7に示されている作動状態において、第1の電極106および第2の電極108は、互いに接触させられ互いに平行に配向されて、誘電性流体198を膨張性流体領域196内に強制する。これにより、誘電性流体198は、第1の電極106および第2の電極108の中央開口部146、168を通って流れ膨張性流体領域196を拡張させることになる。図2B、2Cおよび3Bにおいて、付属肢マッサージ装置10の1つ以上の人工筋肉101のうちの少なくとも1つは、作動状態にある。
【0035】
ここで図6を参照すると、人工筋肉101は、非作動状態で示されている。電極対104は、ハウジング110の未封止部分192の電極領域194の内部に具備される。第1の電極106の中央開口部146および第2の電極108の中央開口部168は、膨張性流体領域196の内部で同軸的に整列している。非作動状態において、第1の電極106および第2の電極108は部分的に互いから離隔され、互いに平行ではない。第1のフィルム層122は、電極対104の周りで第2のフィルム層124に封止されていることから、タブ部分132、154の第2の端部136、158は、互いに接触させられる。したがって、第1の電極106と第2の電極108の間に誘電性流体198が提供され、こうして膨張性流体領域196に近接してタブ部分132、154の第1の端部134、156が分離される。換言すると、第1の電極106のタブ部分132の第1の端部134と第2の電極108のタブ部分154の第1の端部156の間の距離が、第1の電極106のタブ部分132の第2の端部136と第2の電極108のタブ部分154の第2の端部158の間の距離よりも大きい。その結果、電極対104は、作動された時点で膨張性流体領域196に向かってファスナ様に閉じる(zipper)ことになる。いくつかの実施形態において、第1の電極106および第2の電極108は可撓性であってよい。したがって、図4に示されているように、第1の電極106および第2の電極108は、凸状であり、こうしてそのタブ部分132、154の第2の端部136、158は、互いに閉じてはいるものの中央開口部146、168に近接して互いに離隔した状態にとどまることができるようになっている。非作動状態では、膨張性流体領域196は第1の高さH1を有する。
【0036】
図7に示されているように、作動された時点で、第1の電極106および第2の電極108は、そのタブ部分132、154の第2の端部144、158から互いに向かってファスナ様に閉じ、これにより、誘電性流体198を膨張性流体領域196内に押込む。図示されているように、作動状態において、第1の電極106および第2の電極108は互いに平行である。作動状態において、誘電性流体198は膨張性流体領域196に流入して、膨張性流体領域196を拡張させる。こうして、第1のフィルム層122および第2のフィルム層124は、反対方向に膨張する。作動状態において、膨張性流体領域196は第2の高さH2を有し、非作動状態にあるときの膨張性流体領域196の第1の高さH1よりも大きい。図示されてはいないものの、電極対104は、非作動状態と作動状態の間の1つの位置まで部分的に作動され得る、ということを指摘しておかなければならない。これにより、必要なときに膨張性流体領域196の部分的拡張および調整が可能になる。
【0037】
第1の電極106および第2の電極108を互いに向かって移動させるために、電源(例えば図10の電源48)により電圧が印加される。いくつかの実施形態において、誘電性流体198を通して電場を誘発するために、最高10kVの電圧を電源から提供することができる。第1の電極106と第2の電極108の間に結果として得られる引力は、誘電性流体198を膨張性流体領域196内に押込む。膨張性流体領域196内部の誘電性流体198由来の圧力は、第1のフィルム層122および第1の電気絶縁体層111を第1の電極106の中心軸Cに沿って第1の軸方向に変形させ、第2のフィルム層124および第2の電気絶縁体層112を、第2の電極108の中心軸Cに沿って反対側の第2の軸方向に変形させる。第1の電極106および第2の電極108に供給されている電圧がひとたび中断されたならば、第1の電極106および第2の電極108は、非作動状態でそれらの初期非平行位置に戻る。
【0038】
本明細書中で開示されている人工筋肉101の当該実施形態、具体的には相互接続用ブリッジ部分174、176を伴うタブ部分132、154は、E.Acome、S.K.Mitchell、T.G.Morrissey、M.B.Emmett、C.Benjamin、M.King、M.Radakovitz、およびC.Keplingerによる「Hydraulically amplified self-healing electrostatic actuators with muscle-like performance」なる表題の論文(Science 05 Jan 2018:Vol.359、Issue 6371、pp.61~65)中に記載の油圧増幅型自己治癒用静電(HSDEL)アクチュエータなどのタブ部分132、154を含まないアクチュエータに比べて多くの改善を提供するということを認識すべきである。2つのタブ部分対132、154をそれぞれ第1の電極106および第2の電極108の各々の上に含む人工筋肉101の実施形態は、均一の半径方向に延在する幅を有するドーナツ形の電極を含む公知のHASELアクチュエータに比べて、作動後の結果として得られる力の量を削減することなく、人工筋肉101の全体的質量および厚みを削減し、作動中に必要とされる電圧量を削減し、かつ人工筋肉101の総体積を減少させる。より詳細には、人工筋肉101のタブ部分132、154は、ドーナツ形の電極を含むHASELアクチュエータに比べて人工筋肉101の局在化した均一な液圧作動を提供することによって増大した作動出力を結果としてもたらすファスナ様の前面を提供する。具体的には、1つのタブ部分対132、154は、ドーナツ形HASELアクチュエータに比べて単位体積あたり2倍のアクチュエータ出力量を提供し、一方、2つのタブ部分対132、154は、単位体積あたり4倍のアクチュエータ出力量を提供する。タブ部分132、154を相互接続するブリッジ部分174、176は、同様に、作動中、隣接するタブ部分132、154間の距離を維持することによりタブ部分132、154の座屈を制限する。ブリッジ部分174、176は、タブ部分132、154と一体化して形成されることから、ブリッジ部分174、176は同様に、破断リスクを増大させる取付け場所を無くすことによりタブ部分132、154間の漏出も防止する。
【0039】
動作中、人工筋肉101が作動された時点で、膨張性流体領域196の膨張は、アクチュエータ体積1立方センチメートル(cm3)あたり3ニュートン-ミリメートル(N・mm)以上、例えば4N・mm/cm3以上、5N・mm/cm3以上、6N・mm/cm3以上、7N・mm/cm3以上、8N・mm/cm3以上といった力を生成する。一実施例において、人工筋肉101が9.5キロボルト(kV)の電圧によって作動させられた場合、人工筋肉101は、5Nの力を結果として提供する。別の実施例では、人工筋肉101が10kVの電圧により作動させられた場合、人工筋肉101は500グラムの負荷の下で440%のひずみを提供する。
【0040】
さらに、第1の電極106および第2の電極108のサイズは、誘電性流体198の変位量に比例する。したがって、膨張性流体領域196の内部でより大きな変位が所望される場合、電極対104のサイズは、膨張性流体領域196のサイズとの関係において増大させられる。膨張性流体領域196のサイズは、第1の電極106および第2の電極108の中の中央開口部146、168によって画定されることを認識すべきである。したがって、膨張性流体領域196の内部の変位度は、代替的にまたは付加的に、中央開口部146、168のサイズを増大または減少させることによって制御され得る。
【0041】
図8および9に示されているように、人工筋肉201の別の実施形態が例証されている。人工筋肉201は、実質的に人工筋肉101と類似している。したがって、同様の構造は同様の参照番号で標示されている。しかしながら、図示されているように、第1の電極106は、中央開口部を含まない。したがって、第2の電極108のみが内部に中央開口部168を含む。図8に示されているように、人工筋肉201は非作動状態にあり、第1の電極106は平面的であり、第2の電極108は第1の電極106との関係において凸状である。非作動状態において、膨張性流体領域196は第1の高さH3を有する。図9に示されている作動状態において、膨張性流体領域196は、第1の高さH3より大きい第2の高さH4を有する。第1の電極106と第2の電極108の両方の中とは対照的に第2の電極108中のみに中央開口部168を提供することによって、人工筋肉201の一方の側に全変形を形成することができるということを認識すべきである。さらに、全変形が人工筋肉201の一方の側のみに形成されることから、人工筋肉201の膨張性流体領域196の第2の高さH4は、誘電性流体の他の全ての寸法、配向および体積が同じである場合、人工筋肉101の膨張性流体領域196の第2の高さH2に比べて、人工筋肉201の中央軸Cに直交する長手方向軸からさらに遠くに延在する。人工筋肉201の実施形態は、図1~3Bの付属肢マッサージ装置10の1つ以上の人工筋肉101と共にまたはその代りに使用され得る、ということを理解すべきである。
【0042】
ここで図10を参照すると、付属肢マッサージ装置10を動作させるため、詳細には付属肢マッサージ装置10の1つ以上の人工筋肉101を動作させるための作動システム400が提供され得る。作動システム400は、コントローラ50、操作デバイス46、電源48、表示デバイス42、ネットワークインタフェースハードウェア44およびこれらの構成要素に対し通信可能な形で結合された通信経路41を含むことができ、これらのいくつかまたは全てが搭載制御ユニット40内に配置され得る。
【0043】
コントローラ50は、さまざまな構成要素が通信可能な形で結合されている非一時的電子メモリ54およびプロセッサ52を含む。いくつかの実施形態において、プロセッサ52および非一時的電子メモリ54および/または他の構成要素は、単一のデバイスの内部に内含されている。他の実施形態においては、プロセッサ52および非一時的電子メモリ54および/または他の構成要素は、通信可能な形で結合された多数のデバイスの間で分散されていてよい。コントローラ50は、機械可読命令セットを記憶する非一時的電子メモリ54を含む。プロセッサ52は、非一時的電子メモリ54内に記憶された機械可読命令を実行する。非一時的電子メモリ54は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブまたは、プロセッサ52が機械可読命令にアクセスできるように機械可読命令を記憶する能力を有する任意のデバイスを含むことができる。したがって、本明細書中に記載されている作動システム400は、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で、予めプログラミングされたハードウェア素子として、またはハードウェアおよびソフトウェア構成要素の組合せとして、実装され得る。非一時的電子メモリ54は1つのメモリモジュールまたは複数のメモリモジュールとして実装され得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、非一時的電子メモリ54は、作動システム400の機能を実行するための命令を含む。命令は、付属肢マッサージ装置10を動作させるための命令、例えば1つ以上の人工筋肉101を個別にまたは集合的に作動させ、人工筋肉スタックを個別的にまたは集合的に作動させるための命令を含み得る。
【0045】
プロセッサ52は、機械可読命令を実行する能力を有するあらゆるデバイスであり得る。例えばプロセッサ52は、集積回路、マイクロチップ、コンピュータまたは他の任意のコンピュータデバイスであり得る。非一時的電子メモリ54およびプロセッサ52は、作動システム400のさまざまな構成要素および/またはモジュールの間の信号相互接続性を提供する通信経路41に結合される。したがって、通信経路41は、任意の数のプロセッサを互いに通信可能な形で結合することができ、通信経路41に結合されたモジュールが分散コンピューティング環境内で動作できるようにすることができる。具体的には、モジュールの各々は、データを送信および/または受信できるノードとして動作し得る。本明細書中で使用される「通信可能な形で結合された」なる用語は、結合された構成要素が、データ信号を相互に交換する、例えば、導電媒体を介して電気信号を、空気を介して電磁信号を、光導波路を介して光信号を交換する能力を有することを意味する。
【0046】
図10に概略的に描かれているように、通信経路41は、コントローラ50のプロセッサ52および非一時的電子メモリ54を作動システム400の複数の他の構成要素と通信可能な形で結合する。例えば、図10中に描かれている作動システム400は、操作デバイス46および電源48と通信可能な形で結合されたプロセッサ52および非一時的電子メモリ54を含む。
【0047】
操作デバイス46は、ユーザが付属肢マッサージ装置10の人工筋肉101の動作を制御できるようにする。いくつかの実施形態において、操作デバイス46は、スイッチ、トグル、ボタンまたは、ユーザによる操作を提供するための制御機構の任意の組合せであり得る。操作デバイス46は、通信経路41が操作デバイス46を作動システム400の他のモジュールに対して通信可能な形で結合するように、通信経路41に結合される。操作デバイス46は、カスケード律動、パターン化律動、確率論的律動または均一律動の生成などの、付属肢マッサージ装置10の特定の動作構成に関してユーザ命令を受信するためのユーザインターフェースを提供することができる。
【0048】
電源48(例えばバッテリ)は、付属肢マッサージ装置10の1つ以上の人工筋肉101に対して電力を提供する。いくつかの実施形態において、電源48は、充電式直流電源である。電源48は、付属肢マッサージ装置10の1つ以上の人工筋肉101に対して電力を提供するための単一の電源またはバッテリであり得るということを理解しなければならない。電源48を介して付属肢マッサージ装置10の1つ以上の人工筋肉101に対し電力を提供するために、電力アダプタ(図示せず)を具備して、配線用ハーネスなどを介して電気的に結合させることができる。
【0049】
いくつかの実施形態において、作動システム400は同様に表示デバイス42を含む。表示デバイス42は、通信経路41が作動システム400の他のモジュールに対して表示デバイス42を通信可能な形で結合するように、通信経路41に結合される。表示デバイス42は、例えば搭載制御ユニット40の一部として付属肢ラップ12上に位置設定されてよく、付属肢マッサージ装置10の人工筋肉101の作動の状態または付属肢マッサージ装置10の1つ以上の人工筋肉101の作動の状態変化の標示に応答して通知を出力し得る。さらに、表示デバイス42は、光学的情報の提供に加えて、表示デバイス42の表面上のまたは表示デバイス42に隣接する触覚入力の存在および場所を検出するタッチスクリーンであってよい。したがって、表示デバイス42は、操作デバイス46を含み、表示デバイス42が光学的出力を提供した時点で直接機械的入力を受信することができる。
【0050】
いくつかの実施形態において、作動システム400は、ネットワーク60を介して作動システム400を携帯デバイス70に対し通信可能な形で結合するネットワークインタフェースハードウェア44を含む。携帯デバイス70は、非限定的に、スマートホン、タブレット、パーソナルメディアプレーヤーまたは、無線通信機能性を含む他の任意の電気デバイスを含み得る。携帯デバイス70が提供される場合、これは、操作デバイス46の代りにコントローラ50に対しユーザコマンドを提供するのに役立ち得るということを認識しなければならない。こうして、ユーザは、操作デバイス46の制御機構を利用して付属肢マッサージ装置10の人工筋肉101を制御するかまたはこれを制御するためのプログラムを設定することが可能となり得る。したがって、付属肢マッサージ装置10の人工筋肉101は、ネットワーク60を通してコントローラ50と無線で通信する携帯デバイス70を介して遠隔制御可能である。
【0051】
ここで、本明細書中に記載の実施形態が、付属肢ラップの内側バンドと外側層の間で付属肢ラップ内に配置された1つ以上の人工筋肉を含む付属肢マッサージ装置に向けられているということを理解すべきである。人工筋肉は、内側バンドが付属肢の特定の形状に適合し付属肢マッサージ装置の1つ以上の人工筋肉の作動がユーザの付属肢に対して選択的かつカスタマイズ可能な圧力を加えるように弾性材料から形成されている内側バンドに対して選択的に圧力を加えるために作動可能である。
【0052】
「実質的に」および「約」なる用語は本明細書において、任意の定量比較、値、測定値または他の表現に起因し得る固有の不確実性の度合を表わすために使用され得る。これらの用語は、同様に、本明細書において、問題となっている主題の基本的機能を変化させる結果をもたらすことなく、定量的表現が提示された基準から変動し得る度合を表わすためにも使用される。
【0053】
本明細書では特定の実施形態が例証され説明されてきたが、請求対象の主題の範囲から逸脱することなく、さまざまな他の変更および修正を加えることが可能である、ということを理解すべきである。さらに、請求対象の主題のさまざまな態様が本明細書中で説明されてきたが、このような態様を組合せた形で使用する必要はない。したがって、添付のクレームが請求対象の主題の範囲内に入るこのような変更および修正の全てを網羅することが意図されている。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
付属肢マッサージ装置であって、
内側バンドおよび外側層を含む付属肢ラップ、および
前記付属肢ラップの前記内側バンドと前記外側層の間に配置された1つ以上の人工筋肉であって、1つ以上の人工筋肉の各々が、
電極領域および膨張性流体領域を含むハウジングと、
前記ハウジングの内部に収納された誘電性流体と、
前記ハウジングの前記電極領域内に位置付けされた電極対であって、前記ハウジングの第1の表面に固定された第1の電極および前記ハウジングの第2の表面に固定された第2の電極を含み、非作動状態から作動状態への作動によって前記誘電性流体が前記膨張性流体領域内に誘導され、前記膨張性流体領域を膨張させて前記付属肢ラップの前記内側バンドに対し圧力を加えるように、前記非作動状態と前記作動状態の間で作動可能である、電極対と、
を含む、1つ以上の人工筋肉、
を含む、付属肢マッサージ装置。
〔態様2〕
前記付属肢ラップの前記内側バンドと前記外側層の間に配置された前記1つ以上の人工筋肉が単一の人工筋肉を含む、態様1に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様3〕
前記付属肢ラップの前記内側バンドと前記外側層の間に配置された前記1つ以上の人工筋肉が、前記内側バンドと前記外側層の間で単一の層で配設された複数の人工筋肉を含む、態様1に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様4〕
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、2つ以上のタブ部分および2つ以上のブリッジ部分を含み、
前記2つ以上のブリッジ部分の各々が、隣接するタブ部分を相互接続しており、
前記第1の電極および前記第2の電極のうちの少なくとも1つが、前記2つ以上のタブ部分の間に位置付けされ前記膨張性流体領域を取巻く中央開口部を含む、
態様1に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様5〕
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、2つのタブ部分対と2つのブリッジ部分対を含み、各々のブリッジ部分が、隣接するタブ部分の対を相互接続し、各タブ部分が、反対側のタブ部分と直径方向に相対している、態様4に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様6〕
前記電極対が前記非作動状態にある場合、前記第1の電極と前記第2の電極は互いに平行ではなく、
前記電極対が前記作動状態にある場合、前記第1の電極と前記第2の電極は互いに平行であり、こうして前記第1の電極および前記第2の電極は、前記非作動状態から前記作動状態へと作動させられた時点で前記中央開口部に向かっておよび互いに向かってファスナ様に閉じるように構成されている、
態様4に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様7〕
前記1つ以上の人工筋肉の前記ハウジングが、前記ハウジングの封止部分を画定するように互いに部分的に封止された第1のフィルム層と第2のフィルム層を含み、前記ハウジングがさらに、前記封止部分によって取り囲まれた未封止部分を含み、前記ハウジングの前記電極領域および前記膨張性流体領域が前記未封止部分内に配置されている、態様1に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様8〕
前記ハウジングの前記第1の表面とは反対側の前記第1の電極の内側表面に対して固定された第1の電気絶縁体層と、前記ハウジングの前記第2の表面とは反対側の前記第2の電極の内側表面に対して固定された第2の電気絶縁体層とをさらに含み、前記第1の電気絶縁体層および前記第2の電気絶縁体層が各々、粘着性表面および反対側の封止不能表面を含んでいる、態様1に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様9〕
前記内側バンドが弾性材料を含み、
前記外側層が、前記内側バンドよりも高いヤング係数を含む、
態様1に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様10〕
前記外側層の内径が調整可能である、態様1に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様11〕
前記1つ以上の人工筋肉が複数の人工筋肉を含む、態様1に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様12〕
前記付属肢ラップが第1の付属肢ラップを含み、前記付属肢マッサージ装置がさらに、内側バンド、外側層および前記内側バンドと前記外側層の間に配置された1つ以上の人工筋肉を含む第2の付属肢ラップを含む、態様1に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様13〕
内側バンドおよび外側層を含む付属肢ラップ、および
前記付属肢ラップの前記内側バンドと前記外側層の間に配置された複数の人工筋肉スタックであって、該複数の人工筋肉スタックの各々の人工筋肉が、
電極領域および膨張性流体領域を含むハウジングと、
前記ハウジングの内部に収納された誘電性流体と、
前記ハウジングの前記電極領域内に位置付けされた電極対であって、前記ハウジングの第1の表面に固定された第1の電極および前記ハウジングの第2の表面に固定された第2の電極を含み、非作動状態から作動状態への作動によって前記誘電性流体が前記膨張性流体領域内に誘導されるように、前記非作動状態と前記作動状態の間で作動可能である、電極対と、
を含む複数の人工筋肉スタック、
を含む付属肢マッサージ装置であって、
前記複数の人工筋肉スタックの各々は、前記付属肢ラップの前記内側バンドに対して選択的圧力を加えるように独立して作動可能である、
付属肢マッサージ装置。
〔態様14〕
前記複数の人工筋肉スタックの各々の人工筋肉スタックの各々の人工筋肉の前記膨張性流体領域が、互いに同軸的に整列されている、態様13に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様15〕
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、2つ以上のタブ部分および2つ以上のブリッジ部分を含み、
前記2つ以上のブリッジ部分の各々が、隣接するタブ部分を相互接続しており、
前記第1の電極および前記第2の電極のうちの少なくとも1つが、前記2つ以上のタブ部分の間に位置付けされ前記膨張性流体領域を取巻く中央開口部を含む、
態様13に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様16〕
前記第1の電極および前記第2の電極の各々が、前記2つ以上のタブ部分の間に位置付けされ前記膨張性流体領域を取巻く中央開口部を含み、該中央開口部が、互いに同軸的に整列されている、態様15に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様17〕
前記内側バンドが弾性材料を含み、前記外側層が前記弾性材料よりも高いヤング係数を含む、態様13に記載の付属肢マッサージ装置。
〔態様18〕
付属肢マッサージ装置を作動させる方法であって、
人工筋肉の電極対に対して電気的に結合された電源を用いて電圧を生成することであって、前記人工筋肉が付属肢ラップの内側バンドと外側層の間に配置されており、
前記人工筋肉が、電極領域および膨張性流体領域を有するハウジングを含み、
前記電極対が前記ハウジングの前記電極領域の中に位置付けされており、
前記電極対が、前記ハウジングの第1の表面に固定された第1の電極および前記ハウジングの第2の表面に固定された第2の電極を含み、かつ
前記ハウジングの内部に、誘電性流体が収納されている、ことと、
前記人工筋肉の前記電極対に対して前記電圧を印加し、これにより、前記誘電性流体が前記ハウジングの前記膨張性流体領域内に誘導されかつ前記膨張性流体領域を膨張させて前記付属肢ラップの前記内側バンドに対して圧力を加えるように、前記電極対を非作動状態から作動状態まで作動させることと、
を含む、方法。
〔態様19〕
前記人工筋肉が、前記付属肢マッサージ装置の前記内側バンドと前記外側層の間に配置された複数の人工筋肉のうちの1つである、態様18に記載の方法。
〔態様20〕
前記付属肢ラップの第1の端部と前記付属肢ラップの第2の端部の間においてカスケード的律動で前記付属肢ラップの前記内側バンドに対し選択的圧力を加えるため、選択的に前記複数の人工筋肉に対して電圧を印加することをさらに含む、態様19に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10