(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】X線分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 23/223 20060101AFI20241217BHJP
G01N 23/2204 20180101ALI20241217BHJP
【FI】
G01N23/223
G01N23/2204
(21)【出願番号】P 2021089257
(22)【出願日】2021-05-27
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 寛治
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-052776(JP,A)
【文献】特開2010-217020(JP,A)
【文献】国際公開第2017/056174(WO,A1)
【文献】特開2003-156458(JP,A)
【文献】特開2007-240335(JP,A)
【文献】特開2001-021457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00 - G01N 23/2276
G01N 35/00 - G01N 37/00
G21K 5/00
H05G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を遮断するように構成されており、X線による試料の分析が行われる分析室と、
前記分析室を開閉する分析室開閉機構と、
前記分析室内に配置されており、前記試料にX線を照射するX線源と、
前記分析室内に配置されており、前記試料から放出された蛍光X線を検出する検出器と、
前記分析室外に設けられており、前記試料が収容される収容室と、
前記分析室を開閉することなく前記収容室を開閉する収容室開閉機構と、
前記分析室開閉機構を駆動する駆動部と、
前記分析室の開閉を示す開閉信号を受信可能であり、前記開閉信号に基づいて前記駆動部を制御する駆動部制御部と、を備え
、
前記分析室は、
開口を有しかつ前記試料を収容する収容部と、
前記収容部の前記開口の閉塞及び開放が可能な蓋と、を有し、
前記分析室開閉機構は、
ウォームと、
前記ウォームに噛み合うウォームホイールと、
前記ウォームホイールの回転に応じて前記蓋が開閉するように前記ウォームホイールと前記蓋とを連結する連結部と、を有し、
前記駆動部は、前記ウォームを回転させ、
前記駆動部制御部は、前記蓋の開放を示す前記開閉信号を受信すると、前記蓋が開く方向に前記ウォームが回転するように前記駆動部を制御する、X線分析装置。
【請求項2】
前記試料を前記収容室及び前記分析室間で移動させる搬送部をさらに備える、請求項1に記載のX線分析装置。
【請求項3】
前記分析室の開閉を検知する検知センサと、
前記X線源を制御するX線源制御部と、をさらに備え、
前記検知センサは、前記分析室が閉じられていることを検知しているときに前記X線源制御部に対して前記試料にX線を照射可能であることを示す信号を出力する、請求項1又は2に記載のX線分析装置。
【請求項4】
前記連結部は、
前記収容部の側方に配置されており、前記ウォームホイールの回転中心軸まわりに前記ウォームホイールと一体的に回転する回転軸と、
前記回転軸と前記蓋とを連結する腕部と、を有する、請求項
3に記載のX線分析装置。
【請求項5】
前記検知センサは、
前記収容部及び前記蓋の一方に接続された挿入体と、
前記収容部及び前記蓋の他方に接続されており、前記挿入体が挿入されたときに前記蓋が閉じられていることを検出する検出部と、を有し、
前記検出部は、前記収容部の中央を基準として前記回転軸が配置された側と反対側に配置されている、請求項
4に記載のX線分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、X線分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分析対象となる試料にX線を照射した際に試料から放出される蛍光X線を検出することによって試料を分析するX線分析装置が知られている。例えば、特開2009-68955号公報には、筐体と、試料を載置するためのステージと、ステージに載置された試料と、試料にX線を照射するX線源と、試料から放出された蛍光X線を検出する検出器と、を備える蛍光X線分析装置が記載されている。筐体は、ステージ、X線源及び検出器を収容する下部ケースと、下部ケースに対して開閉可能なカバーと、を有している。カバーを開くことにより、試料の出し入れが可能となる。カバーは、X線の漏洩を防ぐことが可能に構成されており、手動あるいは自動で開閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2009-68955号公報に記載されるような蛍光X線分析装置では、X線源によるX線の照射中にカバーを開けることによって試料の交換が行われた場合、X線分析装置外にX線が漏洩する懸念がある。
【0005】
本発明の目的は、試料の交換時におけるX線の漏洩を抑制可能なX線分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、X線を遮断するように構成されており、X線による試料の分析が行われる分析室と、前記分析室を開閉する分析室開閉機構と、前記分析室内に配置されており、前記試料にX線を照射するX線源と、前記分析室内に配置されており、前記試料から放出された蛍光X線を検出する検出器と、前記分析室外に設けられており、前記試料が収容される収容室と、前記分析室を開閉することなく前記収容室を開閉する収容室開閉機構と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
このX線分析装置では、分析室は、X線を遮断するように構成されており、その外に設けられた収容室の開閉は、分析室を開閉することなく収容室を開閉する収容室開閉機構によって行われるため、収容室での試料の交換時におけるX線分析装置外へのX線の漏洩が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態のX線分析装置の構成を概略的に示す図である。
【
図3】X線分析装置の上部カバーが開いた状態を示す斜視図である。
【
図4】分析室の蓋が閉じた状態における分析室及び分析室開閉機構の断面図である。
【
図5】分析室の蓋が開いた状態における分析室及び分析室開閉機構の断面図である。
【
図6】分析室の蓋が開いた状態における分析室の斜視図である。
【
図7】分析室の蓋が閉じた状態における検知センサの断面図である。
【
図8】検知センサの検出部と分析室の収容部との位置関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態のX線分析装置の構成を概略的に示す図である。
図2は、X線分析装置の斜視図である。
図3は、X線分析装置の上部カバーが開いた状態を示す斜視図である。
図4は、分析室の蓋が閉じた状態における分析室及び分析室開閉機構の断面図である。
図5は、分析室の蓋が開いた状態における分析室及び分析室開閉機構の断面図である。X線分析装置1は、分析対象となる試料にX線を照射した際に試料から放出される蛍光X線を検出することによって試料を分析する装置である。
【0011】
図1~
図7に示されるように、X線分析装置1は、筐体100と、X線源210と、検出器220と、X線源制御部230と、分析室300と、収容室開閉機構400と、搬送部500と、分析室開閉機構600と、検知センサ700と、駆動部制御部800と、駆動部900と、を備えている。
【0012】
筐体100は、下部ケース110と、上部カバー120と、を有している。
【0013】
下部ケース110は、試料容器20を収容する収容室114と、構成試料30を保持する構成試料保持部116と、を有している。
【0014】
上部カバー120は、下部ケース110に対して開閉可能となるように下部ケース110に接続されている。
【0015】
図4及び
図5に示されるように、試料容器20は、容器本体22と、容器フィルム24と、を有している。
【0016】
容器本体22は、試料Sを包囲するとともに下方に開口する形状を有している。容器本体22は、例えば、ポリプロピレン(PP)からなる。
【0017】
容器フィルム24は、容器本体22の開口を閉塞するとともに、試料Sを支持している。容器フィルム24は、ポリプロピレン等からなる。容器フィルム24は、容器本体22の下端部に溶着されている。
【0018】
分析室300は、下部ケース110に配置されている。分析室300は、X線を遮断可能に構成されている。分析室300は、X線を遮断可能な材料(鉛など)からなる。なお、
図1では、分析室300が太線で示されている。
図4及び
図5に示されるように、分析室300は、ベース302と、包囲部303と、収容部310と、蓋320と、を有している。
【0019】
ベース302は、矩形状に形成されている。ベース302は、略平板状に形成されている。
【0020】
包囲部303は、X線源210及び検出器220を包囲している。包囲部303は、ベース302の下面に接続されている。
【0021】
収容部310は、ベース302の中央部に設けられている。収容部310は、開口を有しかつ試料Sを収容可能である。本実施形態では、収容部310は、上方に開口している。
図4及び
図5に示されるように、収容部310は、底壁312を有している。底壁312は、円板状に形成されている。底壁312には、貫通孔312hが設けられている。
【0022】
蓋320は、収容部310の開口の閉塞及び開放が可能である。
【0023】
図4~
図6に示されるように、分析室300内には、ホルダー330が配置されている。ホルダー330は、底壁312上に載置されており、試料容器20を保持する。ホルダー330は、底壁312から取外し可能に構成されている。ホルダー330は、包囲筒332と、ホルダーフィルム334と、を有している。
【0024】
包囲筒332は、貫通孔312hよりも大きな外形を有している。包囲筒332は、試料容器20を包囲するとともに、下方に開口する形状を有している。本実施形態では、包囲筒332は、円筒状に形成されている。包囲筒332は、例えば、ポリプロピレンからなる。
【0025】
ホルダーフィルム334は、包囲筒332の下部の開口を閉塞している。つまり、底壁312の貫通孔312hの上方には、2枚のフィルム(容器フィルム24及びホルダーフィルム334)が積層されている。ホルダーフィルム334は、例えば、ポリプロピレンからなる。ホルダーフィルム334は、包囲筒332の下端部に溶着されている。
【0026】
X線源210は、分析室300内、より詳細には、包囲部303に収容されている。X線源210は、試料容器20内の試料Sに向けて底壁312の下方からX線を照射可能である。X線源210として、例えば、X線管球が挙げられる。
【0027】
検出器220は、分析室300内、より詳細には、包囲部303に収容されている。検出器220は、試料Sから発生する蛍光X線を底壁312の下方で検出する。試料Sの分析精度を高める観点から、検出器220は、貫通孔312hの近傍に配置されることが好ましい。
【0028】
X線源制御部230は、後述する検出部720から受信する信号に基づいてX線源210を制御する。
【0029】
下部ケース110の収容室114には、複数の試料容器20が収容される。
図1及び
図3に示されるように、収容室114は、分析室300外に設けられている。収容室114は、分析室300の側方に設けられている。本実施形態では、幅方向における分析室300の両側に収容室114が設けられている。収容室114は、上方に開口している。
【0030】
収容室開閉機構400は、分析室300を開閉することなく収容室114を開閉する機構である。収容室開閉機構400は、下部ケース110に対して着脱可能である。本実施形態では、収容室開閉機構400は、下部ケース110の前方から下部ケース110の収容室114への挿入及び収容室114からの抜き取りが可能なトレイで構成されている。収容室開閉機構400は、複数の試料容器20を保持可能な保持体410を有している。本実施形態では、収容室開閉機構400は、2つの保持体410を有している。なお、
図3では、一方の収容室開閉機構400には単一の保持体410のみが図示されており、他方の収容室開閉機構400では保持体410の図示は省略されている。
【0031】
構成試料保持部116は、複数の構成試料30を保持している。構成試料保持部116は、分析室300の前方でかつ各収容室114の間に設けられている。
【0032】
搬送部500は、試料容器20を収容室114及び分析室300間で移動させる。搬送部500は、下部ケース110に対して相対移動可能となるように下部ケース110に接続されている。搬送部500は、試料容器20を3次元的に移動させることが可能である。
【0033】
分析室開閉機構600は、分析室300を開閉する。具体的に、分析室開閉機構600は、分析室300の収容部310に対して蓋320を開閉させる。分析室開閉機構600は、ウォーム610と、ウォーム610に噛み合うウォームホイール620と、連結部630と、を有している。
【0034】
ウォーム610は、上下方向に延びる回転中心軸まわりに回転する姿勢でベース302に固定されている。ウォーム610は、収容部310の後方に配置されている。
【0035】
ウォームホイール620は、下部ケース110の幅方向(
図4における紙面と直交する方向)に延びる回転中心軸まわりに回転する姿勢でベース302に固定されている。ウォームホイール620は、ウォーム610と収容部310との間に配置されている。
【0036】
連結部630は、ウォームホイール620の回転に応じて蓋320が開閉するようにウォームホイール620と蓋320とを連結している。具体的に、連結部630は、回転軸632と、腕部634と、を有している。
【0037】
回転軸632は、収容部310の側方に配置されている。回転軸632は、ウォームホイール620の内側に配置されている。回転軸632は、ウォームホイール620の回転中心軸まわりにウォームホイール620と一体的に回転する。
【0038】
腕部634は、回転軸632と蓋320とを連結している。本実施形態では、分析室開閉機構600は、一対の腕部634を有している。各腕部634は、回転軸632の端部と蓋320の側部とを連結している。
【0039】
駆動部900は、分析室開閉機構600を駆動する。
図4及び
図5に示されるように、駆動部900は、分析室開閉機構600のウォーム610を回転させる。本実施形態では、駆動部900として、モータが用いられている。
【0040】
検知センサ700は、分析室300の蓋320の開閉を検知する。
図6及び
図7に示されるように、検知センサ700は、挿入体710と、検出部720と、を有している。なお、
図4及び
図5では、検出部720が概略的に示されている。
【0041】
挿入体710は、蓋320と一体的に移動するように構成されている。具体的に、蓋320の前部に保持板750が固定されており、幅方向における保持板750の端部に挿入体710が固定されている。挿入体710は、キーで構成されていてもよい。検知センサ700は、複数の挿入体710を有していてもよい。この場合、幅方向における保持板750の各端部に挿入体710が固定されることが好ましい。なお、
図6では、単一の挿入体710が示されている。
【0042】
検出部720は、収容部310の側部に固定されている。検出部720は、挿入体710の挿入を検出する。具体的に、検出部720は、挿入体710が挿入されたとき(
図7に示される状態のとき)に蓋320が閉じられていることを検出する。検出部720は、蓋320が閉じられていることを検知しているときに、X線源制御部230に対して試料SにX線を照射可能であることを示す信号を出力する。一方、検出部720は、蓋320が閉じられていることを検知していないときに、X線源制御部230に対して試料SへのX線の照射を禁止することを示す信号を出力する。
図8に示されるように、検出部720は、収容部310の中央310Cを基準として回転軸632が配置された側と反対側(
図8における下側)に配置されている。なお、蓋320に検出部720が固定され、収容部310に挿入体710が固定されてもよい。
【0043】
駆動部制御部800は、駆動部900を制御する。
図4及び
図5に示されるように、駆動部制御部800は、分析室300における蓋320の開閉を示す開閉信号を受信可能であり、その開閉信号に基づいて駆動部900を駆動する。なお、開閉信号は、X線分析装置1の外部に設けられたコンピュータ等から送信される。
【0044】
駆動部制御部800は、蓋320の開放を示す開閉信号を受信すると、蓋320が開く方向にウォーム610が回転するように駆動部900を制御する。このとき、検出部720による挿入体710の挿入が検出されないため、検出部720は、X線源制御部230に対し、試料SへのX線の照射を禁止することを示す信号を出力する。よって、X線源210によるX線の照射は禁止される。この状態で搬送部500による試料容器20の搬送や、サービスマンによるホルダー330のメンテナンス(交換等)が行われる。
【0045】
駆動部制御部800は、蓋320の閉塞を示す開閉信号を受信すると、蓋320が閉じる方向にウォーム610が回転するように駆動部900を制御する。これにより、検出部720による挿入体710の挿入が検出されると、検出部720は、X線源制御部230に対し、試料SへのX線の照射を可能とすることを示す信号を出力する。よって、X線源210によるX線の照射が可能となる。
【0046】
以上に説明したように、本実施形態のX線分析装置1では、分析室300は、X線を遮断するように構成されており、その外に設けられた収容室114の開閉は、分析室300を開閉することなく収容室114を開閉する収容室開閉機構400によって行われるため、収容室114での試料Sの交換時におけるX線分析装置1外へのX線の漏洩が抑制される。
【0047】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0048】
例えば、分析室開閉機構600は、メンテナンスを行うサービスマンにより手動で操作可能とされてもよい。具体的に、ウォーム610は、サービスマンにより専用の工具等で回転させることが可能に構成されていてもよい。この場合、ウォーム610は、その上端部及び下端部の少なくとも一方から操作可能な構造とされることが好ましい。
【0049】
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0050】
(第1項)一態様に係る前記X線分析装置は、X線を遮断するように構成されており、X線による試料の分析が行われる分析室と、前記分析室を開閉する分析室開閉機構と、前記分析室内に配置されており、前記試料にX線を照射するX線源と、前記分析室内に配置されており、前記試料から放出された蛍光X線を検出する検出器と、前記分析室外に設けられており、前記試料が収容される収容室と、前記分析室を開閉することなく前記収容室を開閉する収容室開閉機構と、を備える。
【0051】
このX線分析装置では、分析室は、X線を遮断するように構成されており、その外に設けられた収容室の開閉は、分析室を開閉することなく収容室を開閉する収容室開閉機構によって行われるため、収容室での試料の交換時におけるX線分析装置外へのX線の漏洩が抑制される。
【0052】
(第2項)第1項に記載のX線分析装置において、前記試料を前記収容室及び前記分析室間で移動させる搬送部をさらに備えることが好ましい。
【0053】
(第3項)第1項又は第2項に記載のX線分析装置において、前記分析室の開閉を検知する検知センサと、前記X線源を制御するX線源制御部と、をさらに備え、前記検知センサは、前記分析室が閉じられていることを検知しているときに前記X線源制御部に対して前記試料にX線を照射可能であることを示す信号を出力することが好ましい。
【0054】
(第4項)第3項に記載のX線分析装置において、前記分析室開閉機構を駆動する駆動部と、前記分析室の開閉を示す開閉信号を受信可能であり、前記開閉信号に基づいて前記駆動部を制御する駆動部制御部と、をさらに備えることが好ましい。
【0055】
第4項のX線分析装置によれば、当該X線分析装置の外部に設けられたコンピュータ等から送信される開閉信号によって自動で分析室開閉機構が開閉される。
【0056】
(第5項)第4項に記載のX線分析装置において、前記分析室は、開口を有しかつ前記試料を収容する収容部と、前記収容部の前記開口の閉塞及び開放が可能な蓋と、を有し、前記分析室開閉機構は、ウォームと、前記ウォームに噛み合うウォームホイールと、前記ウォームホイールの回転に応じて前記蓋が開閉するように前記ウォームホイールと前記蓋とを連結する連結部と、を有し、前記駆動部は、前記ウォームを回転させることが好ましい。
【0057】
(第6項)第5項に記載のX線分析装置において、前記連結部は、前記収容部の側方に配置されており、前記ウォームホイールの回転中心軸まわりに前記ウォームホイールと一体的に回転する回転軸と、前記回転軸と前記蓋とを連結する腕部と、を有することが好ましい。
【0058】
(第7項)第6項に記載のX線分析装置において、前記検知センサは、前記収容部及び前記蓋の一方に接続された挿入体と、前記収容部及び前記蓋の他方に接続されており、前記挿入体が挿入されたときに前記蓋が閉じられていることを検出する検出部と、を有し、前記検出部は、前記収容部の中央を基準として前記回転軸が配置された側と反対側に配置されていることが好ましい。
【0059】
第7項に記載のX線分析装置によれば、検出センサによって蓋の開閉がより正確に検知される。
【符号の説明】
【0060】
1 X線分析装置、20 試料容器、100 筐体、110 下部ケース、114 収容室、116 構成試料保持部、120 上部カバー、210 X線源、220 検出器、230 X線源制御部、300 分析室、302 ベース、303 包囲部、310 収容部、320 蓋、330 ホルダー、400 収容室開閉機構、410 保持体、500 搬送部、600 分析室開閉機構、610 ウォーム、620 ウォームホイール、630 連結部、632 回転軸、634 腕部、700 検知センサ、710 挿入体、720 検出部、800 駆動部制御部、900 駆動部、S 試料。