(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】表示装置用バックライト装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20241217BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20241217BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241217BHJP
G02B 5/02 20060101ALN20241217BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241217BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1335
F21S2/00 481
G02B5/02 B
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021101818
(22)【出願日】2021-06-18
【審査請求日】2024-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】竹本 誠二
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-150940(JP,A)
【文献】特開2007-080755(JP,A)
【文献】特開2005-112291(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0204578(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/1335
F21S 2/00
G02B 5/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源に対向するように配置されるとともに、互いに異なる複数の孔径を有する前記光源から照射された光を透過させるための複数の貫通孔を含む前記光源から照射された光の輝度を均一にするための輝度均一化シートと、
前記光源とは反対側に配置されるとともに、前記輝度均一化シートの前記複数の貫通孔に対向するように配置される複数のレンズを含む、前記光源から照射された光の配光の幅または配光の向きを調整するために移動可能なレンズシートと、を備え、
前記複数のレンズは、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面に対して斜めの位置から画像
の輝度を測定した場合の輝度が均一になるように、対向する前記複数の貫通孔の孔径に応じて、厚みまたは
曲率半径のうち少なくとも一方が異なるように構成されて
おり、
前記複数のレンズの厚みと前記複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方は、前記輝度均一化シートの前記複数の貫通孔の孔径の大きさに比例するように大きさが設定されている、表示装置用バックライト装置。
【請求項2】
前記複数のレンズは、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面に対して斜めの位置から画像を視認した場合に、孔径の異なる前記輝度均一化シートの貫通孔を通過した光の輝度が均一になるように、前記複数の貫通孔の孔径に応じて、厚みと曲率半径とのうち少なくとも一方が異なるように構成されている、請求項1に記載の表示装置用バックライト装置。
【請求項3】
前記複数のレンズの厚みと前記複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方は、前記輝度均一化シートの前記複数の貫通孔の孔径が大きくなるに伴い、大きくなるように設定されている、請求項2に記載の表示装置用バックライト装置。
【請求項4】
前記複数のレンズは、前記複数の貫通孔の各々に対して1つずつ配置されている、請求項1~
3のいずれか1項に記載の表示装置用バックライト装置。
【請求項5】
前記輝度均一化シートの前記複数の貫通孔は、前記光源からの距離に応じて孔径の大きさが設定されている、請求項1~
4のいずれか1項に記載の表示装置用バックライト装置。
【請求項6】
前記レンズシートは、前記レンズが並ぶ方向に沿って移動可能に構成されている、請求項1~
5のいずれか1項に記載の表示装置用バックライト装置。
【請求項7】
前記レンズシートは、前記レンズ
シートの面に直交する方向に沿って移動可能に構成されている、請求項
6に記載の表示装置用バックライト装置。
【請求項8】
光源と、
前記光源に対向するように配置されるとともに、互いに異なる複数の孔径を有する前記光源から照射された光を透過させるための複数の貫通孔を含む前記光源から照射された光の輝度を均一にするための輝度均一化シートと、
前記光源とは反対側に配置されるとともに、前記輝度均一化シートの前記複数の貫通孔に対向するように、配置される複数のレンズを含む、前記光源から照射された光の配光の幅または配光の向きを調整するために移動可能に構成されているレンズシートと、
前記レンズシートを透過した光を利用して画像が表示される表示部と、を備え、
前記複数のレンズは、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面に対して斜めの位置から画像
の輝度を測定した場合の輝度が均一になるように、対向する前記複数の貫通孔の孔径に応じて、厚みまたは
曲率半径のうち少なくとも一方が異なるように設定され、
前記複数のレンズの厚みと前記複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方は、前記輝度均一化シートの前記複数の貫通孔の孔径の大きさに比例するように大きさが設定され、
車両の助手席側に配置されるとともに、運転席側から視認できないように視野角が調整されるように構成されている、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置用バックライト装置および表示装置に関し、特に、レンズシートを備える表示装置用バックライト装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズシートを備える表示装置用バックライト装置および表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、光源と、第1の光学シートと、第2の光学シートとを備える照明装置であって、第1の光学シートは光が透過する開口部を有し、第2の光学シートは、同じ大きさの複数のレンズ部分を有している照明装置が開示されている。特許文献1では、第2の光学シートを移動させることにより第2の光学シートから出射する光の照射方向が変更され、表示面に対して斜めの位置から見たときに画像が視認できないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、上記のような第1の光学シート(輝度均一化シート)に設けられる開口部(貫通孔)の孔径の大きさは、輝度を均一化するために光源の位置に応じて調整される。また、第1の光学シートに設ける開口部の孔径が大きくなることにより、角度の大きい光が開口部を通過しやすくなる。そのため、孔径が異なる開口部を含む第1の光学シートに対して同じ形状および同じ厚みのレンズを含む上記のような第2の光学シート(レンズシート)を使用すると、第2の光学シートを移動させたときに、開口部の孔径が大きい部分では、第2の光学シートに設けられたレンズの中心を通らない光が増えて画像がぼやける。その結果、第1の光学シートに対して第2の光学シートを移動させた場合に、画像を見る角度によっては表示される画像全体にむらが発生するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、光源から出射される方向の光の照射方向を変更するために輝度均一化シートに対してレンズを含むレンズシートを移動させる場合において、表示される画像に輝度むらが発生することを抑制することが可能な表示装置用バックライト装置および表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による表示装置用バックライト装置は、光源と、光源に対向するように配置されるとともに、互いに異なる複数の孔径を有する光源から照射された光を透過させるための複数の貫通孔を含む光源から照射された光の輝度を均一にするための輝度均一化シートと、光源とは反対側に配置されるとともに、輝度均一化シートの複数の貫通孔に対向するように配置される複数のレンズを含む、光源から照射された光の配光の幅または配光の向きを調整するために移動可能に構成されているレンズシートと、を備え、複数のレンズは、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面に対して斜めの位置から画像の輝度を測定した場合の輝度が均一になるように、対向する複数の貫通孔の孔径に応じて、厚みまたは曲率半径のうち少なくとも一方が異なるように構成されており、複数のレンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方は、輝度均一化シートの複数の貫通孔の孔径の大きさに比例するように大きさが設定されている。
【0008】
この発明の第1の局面による表示装置用バックライト装置では、上記のように、複数のレンズは、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面に対して斜めの位置から画像を視認した場合の輝度が均一になるように、厚みまたは形状のうち少なくとも一方が異なるように構成されている。これにより、複数のレンズの厚みまたは形状のうち少なくとも一方が調整されることにより、レンズシートに設けられたレンズの中心を通らない光が増えることを抑制することができるため、画像がぼやけることを抑制することができる。この結果、光源から出射される方向の光の照射方向を変更するために輝度均一化シートに対してレンズを含むレンズシートを移動させる場合において、表示される画像に輝度むらが発生することを抑制することができる。
また、複数のレンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方は、輝度均一化シートの複数の貫通孔の孔径の大きさに比例するように大きさが設定されている。このように構成すれば、複数のレンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方を調整する場合に、貫通孔の大きさとレンズの曲率半径または厚みのうち少なくとも一方の大きさとの関係が適切なレンズを基準として、レンズの厚みまたは曲率半径を適切に変更することができる。
【0009】
上記第1の局面による表示装置用バックライト装置において、好ましくは、複数のレンズは、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面に対して斜めの位置から画像を視認した場合に、孔径の異なる輝度均一化シートの貫通孔を通過した光の輝度が均一になるように、複数の貫通孔の孔径に応じて、厚みと曲率半径とのうち少なくとも一方が異なるように構成されている。このように構成すれば、複数の貫通孔の孔径に応じて、複数のレンズの厚みと曲率半径とのうち少なくとも一方の大きさを設定することにより、輝度を均一化することができるため、表示される画像にむらが発生することを容易に抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、複数のレンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方は、輝度均一化シートの複数の貫通孔の孔径が大きくなるに伴い、大きくなるように設定されている。このように構成すれば、輝度均一化シートの複数の貫通孔の孔径が大きくなるに伴って複数のレンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方を大きくすることにより、レンズの中心を通らない光が増えることを効果的に抑制することができるため、貫通孔の大きさが大きくなることに起因して画像がぼやけることを抑制することができる。
【0012】
上記第1の局面による表示装置用バックライト装置において、好ましくは、複数のレンズは、複数の貫通孔の各々に対して1つずつ配置されている。このように構成すれば、1つのレンズが互いに異なる大きさの孔径を有する複数の貫通孔に対応している場合と比べて、貫通孔の大きさとレンズの厚みまたは曲率半径のうち少なくとも一方とを1対1で対応させることができるため、レンズの厚みまたは曲率半径のうち少なくとも一方をきめ細かく調整することができる。
【0013】
上記第1の局面による表示装置用バックライト装置において、好ましくは、輝度均一化シートの複数の貫通孔は、光源からの距離に応じて孔径の大きさが設定されている。ここで、光源の直上は輝度が一番大きく、光源から離れるほど輝度が小さくなる。そのため、光源の直上の貫通孔の孔径を最小として、光源から離れるほど貫通孔の大きさを大きくすることによって、貫通孔を通る光の量を適切に調整して、輝度を均一にすることが可能となる。
【0014】
上記第1の局面による表示装置用バックライト装置において、好ましくは、レンズシートは、レンズが並ぶ方向に沿って移動可能に構成されている。このように構成すれば、レンズシートを移動させることにより、焦点位置が移動し、集光する位置を移動させることができるため、レンズを透過する光の向きを変えることが可能となる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置用バックライト装置において、好ましくは、レンズシートは、レンズシートの面に直交する方向に沿って移動可能に構成されている。このように構成すれば、たとえば、表示部の位置と、レンズの焦点の位置とが一致するように設定されている場合に、レンズシートを輝度均一化シートから離れる方向(表示部に近づく方向)に移動させることにより、レンズの焦点の位置が表示部の位置からずれて表示部において光が集光しないため、配光の幅を広げることができる。
【0016】
上記第2の局面による表示装置は、光源と、光源に対向するように配置されるとともに、互いに異なる複数の孔径を有する光源から照射された光を透過させるための複数の貫通孔を含む光源から照射された光の輝度を均一にするための輝度均一化シートと、光源とは反対側に配置されるとともに、輝度均一化シートの複数の貫通孔に対向するように、配置される複数のレンズを含む、光源から照射された光の配光の幅または配光の向きを調整するためのレンズシートと、レンズシートを透過した光を利用して画像が表示される表示部と、を備え、複数のレンズは、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面に対して斜めの位置から画像の輝度を測定した場合の輝度が均一になるように、対向する複数の貫通孔の孔径に応じて、厚みまたは曲率半径のうち少なくとも一方が異なるように設定され、レンズシートは、移動可能に構成され、車両の助手席側に配置されるとともに、運転席側から視認できないように視野角が調整されるように構成されており、複数のレンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方は、輝度均一化シートの複数の貫通孔の孔径の大きさに比例するように大きさが設定されている。
【0017】
上記第2の局面による表示装置において、上記のように、複数のレンズは画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面に対して斜めの位置から画像を視認した場合の輝度が均一になるように、対向する複数の貫通孔の孔径に応じて、厚みまたは形状のうち少なくとも一方が異なるように構成されている。これにより、複数のレンズの厚みまたは形状のうち少なくとも一方が調整されることにより、レンズシートに設けられたレンズの中心を通らない光が増えることを抑制することができるため、画像がぼやけることを抑制することができる。この結果、光源から出射される方向の光の照射方向を変更するために輝度均一化シートに対してレンズを含むレンズシートを移動させる場合において、表示部に表示される画像に輝度むらが発生することを抑制することができる。
また、複数のレンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方は、輝度均一化シートの複数の貫通孔の孔径の大きさに比例するように大きさが設定されている。このように構成すれば、複数のレンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とのうち少なくとも一方を調整する場合に、貫通孔の大きさとレンズの曲率半径または厚みのうち少なくとも一方の大きさとの関係が適切なレンズを基準として、レンズの厚みまたは曲率半径を適切に変更することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記のように、光源から出射される方向の光の照射方向を変更するために輝度均一化シートに対してレンズを含むレンズシートを移動させる場合において、表示される画像に輝度むらが発生することを抑制することが可能な表示装置用バックライト装置および表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】表示装置が搭載された状態を示す模式図である。
【
図3】輝度均一化シートに設けられた貫通孔を説明するための図である。
【
図6】レンズシートのレンズの並ぶ方向に沿った移動を説明するための模式図である。
【
図7】レンズシートのレンズの並ぶ方向と直交する方向に沿った移動を説明するための模式図である。
【
図8】異なる孔径の貫通孔に同じ形状のレンズを用いた比較例を示す図である。
【
図9】
図7に示すレンズの表示面に対する角度と輝度との関係を示すグラフである。
【
図10】レンズに対する角度と輝度との最適な関係を示すグラフである。
【
図11】貫通孔の孔径と、レンズの厚みおよび曲率半径との関係を示すグラフである。
【
図12】厚みおよび曲率半径が調整されたレンズを示す図である。
【
図13】(A)レンズの中心と貫通孔の中心とがY方向に並んだ状態を示す図であり、(B)は(A)の状態における輝度と表示面に対する角度との関係を示すグラフである。
【
図14】(A)レンズをX2方向に移動した状態を示す図であり、(B)は(A)の状態における輝度と表示面に対する角度との関係を示すグラフである。
【
図15】(A)レンズをY2方向に移動した状態を示す図であり、(B)は(A)の状態における輝度と表示面に対する角度との関係を示すグラフである。
【
図16】(A)レンズをY2方向にさらに移動した状態を示す図であり、(B)は(A)の状態における輝度と表示面に対する角度との関係を示すグラフである。
【
図17】変形例の表示面に対する角度と輝度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1~
図6を参照して、本発明の実施形態による表示装置100の構成について説明する。
【0022】
図1に示すように、表示装置100は、車両200に搭載される。表示装置100は、画像が表示可能に構成されている。車両200は、たとえば、自動車である。
図1では、車両200の内部を簡略化して表している。なお、使用者が表示装置100を正面側から視認する場合の左右方向をX方向とし、上下方向をZ方向とし、X方向およびZ方向に直交する前後方向をY方向とする。
図1では、右側(X2側)にハンドルが設けられている自動車の一例を示している。
【0023】
表示装置100は、車両200内の助手席側に配置され、運転席側から視認しにくいように視野角が調整される。なお、
図1ではX1側が助手席側であり、X2側が運転手側であるが、左側(X1側)にハンドルが設けられている車両の場合は、X2側が助手席側であり、X1側が運転手側となる。
【0024】
図2に示すように、表示装置100は、表示装置用バックライト装置10と、表示部20とを含む。表示装置用バックライト装置10は、LED(light emitting diode)光源1と、輝度均一化シート2と、レンズシート3と、拡散シート4と、LED光源用基板5と、反射シート6と、駆動部7とを含む。なお、LED光源は、特許請求の範囲に記載した「光源」の一例である。
【0025】
LED光源1は、LED光源用基板5のY1側の表面に複数配置される。LED光源1は、LED光源用基板5に格子状に配置される。LED光源1は、Y1側に発光面11を有し、発光面11からY1側に向かって光を照射する。LED光源1から照射された光は、Y1方向に向かって直進する光と、Y1方向に向かって斜めに進む光とを含む。LED光源1から照射された光は、輝度均一化シート2に照射される。
【0026】
図2に示すように、輝度均一化シート2は、LED光源1の発光面11に対向するように、LED光源1よりもY1側に配置される。輝度均一化シート2の形状は、たとえば、矩形状または円形状である。輝度均一化シート2は、光を反射する性質を有する樹脂により形成されている。
【0027】
図3に示すように、輝度均一化シート2は、複数の貫通孔21と、反射部22とを含む。複数の貫通孔21は、輝度均一化シート2を厚み方向(Y方向)に貫通するように構成されている。複数の貫通孔21は、LED光源1(
図2参照)から照射された光を通過させてレンズシート3に光を到達させるために設けられている。複数の貫通孔21は、X方向およびZ方向に沿って格子状に配置される。なお、
図3は、輝度均一化シート2の一部を表しており、後述する長孔72は
図3の輝度均一化シート2よりも外側に位置する。
【0028】
複数の貫通孔21は、孔径Dが同じ貫通孔21が含まれる。また、複数の貫通孔21は、互いに異なる複数の孔径Dを有する貫通孔21が含まれる。貫通孔21は、LED光源1からの距離に応じて孔径Dが異なるように設定される。具体的には、LED光源1の直上の貫通孔21aの孔径Dが一番小さい。また、LED光源1から離れた位置にある貫通孔21の孔径Dは、LED光源1の直上にある貫通孔21aの孔径Dよりも大きくなるように設定される。輝度均一化シート2は光の輝度を均一にするために光量を調整する。なお、複数の貫通孔21の孔径Dとは、貫通孔21の直径を指す。
【0029】
反射部22は、輝度均一化シート2の複数の貫通孔21が設けられていない部分である。LED光源1からの光は放射状に拡散して照射されるため、LED光源1からの光の一部は貫通孔21を透過するとともに一部は反射部22で反射される。LED光源1から照射された光の一部は、反射部22において反射され、反射シート6に到達する。
【0030】
図2に示すように、レンズシート3は、輝度均一化シート2に対向するように、LED光源1とは反対の表示部20側(Y1側)に配置される。レンズシート3は、光を透過する樹脂により形成されている。レンズシート3は、たとえば、矩形状または円形状である。レンズシート3のX方向およびZ方向の長さは、それぞれ輝度均一化シート2のX方向およびZ方向の長さと同じである。
【0031】
図4に示すように、レンズシート3は、複数のレンズ31を有する。複数のレンズ31は、輝度均一化シート2の複数の貫通孔21の各々に対して1つずつ設けられている。なお、
図4では、複数のレンズ31を同じ形状で記載しているが、複数のレンズ31は、表示面に表示された画像を視認可能な視野角の範囲内において、表示面に対して斜めの位置から画像を視認した場合に、輝度が均一になるように、輝度均一化シート2の複数の貫通孔21に応じて形状および厚みTが異なる。複数のレンズ31を透過した光は、拡散シート4に到達する。複数のレンズ31は、X方向およびZ方向に並んで配置される。複数のレンズ31は、貫通孔21の配置と同じように格子状に配置される。複数のレンズ31は、凸レンズである。
【0032】
図5に示すように、表示装置100は、ユーザPが表示面20a(原点O)に対して0度の位置である位置A1(正面)から見ることが可能である。また、表示装置100は、ユーザPが、表示面20aに対して斜めの位置A2およびA3(表示面20aに対して角度θ1および角度θ2となる位置)から視認することが可能である。位置A2およびA3は可変である。ここで、A2およびA3が、表示面20aに対して斜めの位置から視認できる限界の位置の場合の角度θ1から角度θ2の角度範囲を視野角の範囲という。θ1は、負の値であり、θ2は、正の値である。レンズシート3は、視野角の範囲において、たとえば、表示面20aに対して斜めの位置から画像を視認した場合に、輝度が均一になるように輝度均一化シート2の複数の貫通孔21に応じて形状および厚みTが異なる。
【0033】
図2に示すように、拡散シート4は、レンズシート3に対向するように、レンズシート3よりも表示部20側(Y1側)に配置される。拡散シート4は、樹脂により形成されている。拡散シート4は、たとえば、矩形状または円形状である。拡散シート4は、レンズシート3を通過した光を散乱させる。拡散シート4により拡散した光は、表示部20に到達する。拡散シート4のX方向およびZ方向の長さは、それぞれレンズシート3のX方向およびZ方向の長さと同じである。
【0034】
LED光源用基板5は、LED光源1の発光面11とは反対側に設けられる。LED光源用基板5は、プリント基板である。LED光源用基板5は、複数のLED光源1が電気的に接続される回路が設けられている。
【0035】
反射シート6は、LED光源用基板5のY1側に配置される。反射シート6は、LED光源1の位置に合わせて開口部が設けられている。反射シート6は、樹脂により形成されている。反射シート6は、輝度均一化シート2の反射部22で反射された光を反射するように構成されている。反射シート6で反射された光は、貫通孔21を通過するか、反射部22と反射シート6との間においての反射を繰り返す。反射部22と反射シート6との間においての反射を繰り返すことにより、光は広範囲に拡散する。
【0036】
図6に示すように、駆動部7は、レンズシート3をレンズ31が並ぶ方向(X方向およびZ方向)に移動させる。駆動部7は、モータ71を備える。駆動部7は、輝度均一化シート2とレンズシート3とに設けられた長孔72と、長孔72に挿入される固定具73を含む。そして、駆動部7は、モータ71の駆動力を用いてX方向にレンズシート3を移動させて、長孔72のX1側の一端に固定具73が接触する位置において移動を停止させるように構成されている。また、駆動部7は、モータ71の駆動力を用いてX方向にレンズシート3を移動させて、長孔72のX1側またはX2側の一端に固定具73が接触する位置において移動を停止させるように構成され、レンズシートをX方向において往復させる。なお、
図6では、貫通孔21を省略している。固定具73は、たとえば、ねじまたはピンである。
【0037】
図7に示すように、駆動部7は、レンズ31が並ぶ方向(X方向およびZ方向)と直交する方向(Y方向)に移動させる。駆動部7は、レンズシート3をレンズ31が並ぶ方向(X方向)およびレンズ31が並ぶ方向(X方向およびZ方向)と直交する方向(Y方向)に移動させるためのモータ71aと、ボールねじ74と、軸受け75とを含む。モータ71aの回転をボールねじ74が回転し、軸受け75に固定されたレンズシート3をY方向に往復移動させる。具体的には、拡散シート4とレンズシート3とが離間しており、レンズシート3が拡散シート4に対して接近または離間を繰り返す。駆動部7は、モータ71aの回転数を制御することにより、所定の位置にレンズシート3が停止するように構成されている。
【0038】
図2に示すように、表示部20のY1側の面が、表示面20aである。表示面20aは、画像が表示される面である。表示部20は、特に図示しないが、偏光板と液晶セルとカラーフィルタとを含む。表示部20は、液晶セルに電圧をかけることにより液晶分子の向きが変わるとともに、液晶分子の向きと偏光板とを組み合わせて光の透過率を変化させて輝度を調整する。また、カラーフィルタは、赤色のカラーフィルタと、青色のカラーフィルタと、緑色のカラーフィルタとを含む。偏光板と液晶セルとにより各カラーフィルタを透過させる光の量を調整して、色が調整される。
【0039】
(レンズの厚みおよび曲率半径の設定方法)
図8および
図9に基づいて、複数のレンズ31の厚みTまたは曲率半径Rのうち少なくとも一方の設定方法について説明する。
図8(A)~
図8(C)は、異なる孔径を有する貫通孔21に同じ形状および厚みTを有するレンズ31を用いた比較例を示している。なお、
図8(A)の貫通孔21の孔径d1とし、
図8(B)の貫通孔21の孔径d2とし、
図8(C)の貫通孔21の孔径d3とし、d1<d2<d3とする。
【0040】
図9は、d1が、0.2mmであり、d2が0.3mmであり、d3が0.4mmである場合のレンズ31に対する角度と、輝度の比との関係の一例を表している。
図8のグラフでは、横軸にレンズ31に対する角度(
図4のθ1またはθ2で表される角度)をプロットし、A1の位置である正面から見る場合を0とし、正面よりもX1側にずれた位置から斜めに見る場合の角度θ1を負の値で示し、正面よりもX2側にずれた位置から斜めに見る場合の角度θ2を正の値で示している。また、縦軸は、レンズ31をY1側から見た場合の1個当たりのレンズ31の輝度の比を基準の100とした場合の輝度値の比を示している。また、孔径d1が0.2mmの場合のグラフを実線で表し、孔径d2が0.3mmの場合のグラフを破線で表し、孔径d3が0.4mmの場合のグラフを一点鎖線で表している。
【0041】
孔径d1が0.2mmの場合は、角度が-10度以上10度以下の範囲内においては、輝度の比が100となる。つまり、レンズ31に対して10度の位置(
図4において、θ1=-10となるA1の位置またはθ=+10となるA2の位置)から斜めに見た場合でも、正面から見た場合と同様に画像が明確に視認できることを表している。
【0042】
孔径d2が0.3mmの場合は、角度が-3度以上3度以下の範囲内においては、輝度の比が100となる。つまり、レンズ31に対して3度の位置(
図4において、θ1=-3となるA1の位置またはθ=+3となるA2の位置)から斜めに見た場合でも、正面から見た場合と同様に画像が明確に視認できることを表している。
【0043】
孔径d3が0.2mmの場合は、角度が0度の場合に、輝度の比が100となる。つまり、レンズ31に対して正面(図の位置A1)から見た場合に画像が明確に視認できることを表している。
【0044】
以上のことから、レンズ31の形状および厚みTを一定とした場合、貫通孔21の孔径Dに依存して、明確に視認可能な角度の範囲および単位角度変化に対する輝度の変化量が相違する。そのため、孔径Dが異なる貫通孔21に同一形状かつ同一の厚みTを有するレンズ31を配置すると、斜めから見た場合に孔径Dの分布に応じて表示画像中に輝度むらが発生する。
【0045】
そこで、本実施形態では、貫通孔21の孔径Dに応じて、レンズ31の形状および厚みTを設定する。
図10~
図12に基づいて、レンズ31の厚みTおよび曲率半径Rの設定方法について説明する。
【0046】
本願発明者は、
図9のグラフに基づいて、
図10のような単位角度毎の輝度値が均一になるグラフを得られるようにシミュレーションした。
【0047】
図10に示すグラフの場合、
図11に示すように輝度均一化シート2の孔径Dと曲率半径Rおよびレンズ31の厚みTとは比例関係になることを本願発明者は見出した。
図11のグラフでは、横軸に輝度均一化シート2の孔径Dをプロットし、縦軸にレンズ31の曲率半径Rまたはレンズ31の厚みTの大きさをプロットしている。そして、
図11のグラフに基づいて、
図12のようにレンズ31の曲率半径Rまたはレンズ31の厚みTの大きさを変更した。
図12では、
図9に示す孔径Dが0.4mmのグラフに近似するように、孔径Dが0.2mmの貫通孔21に設けるレンズ31と、孔径Dが0.3mmの貫通孔21に設けるレンズ31とを小さくするように調整した。具体的には、
図11のグラフから、孔径Dが0.4mmの時のレンズ31の厚みTと、孔径Dが0.3mmの時のレンズ31の厚みTとの比は、1.1mm対0.9mmであることが分かる。そこで、孔径が0.4mmのレンズ31の厚みTと、孔径が0.3mmのレンズ31の厚みTとの関係が、1.1mm対0.9mmになるように、レンズ31の厚みTを設定した。
図12(A)および
図12(B)は、
図8(B)および
図8(C)のレンズ31の厚みTと曲率半径Rとをそれぞれ小さくしたレンズ31である。
【0048】
(配光の向きおよび配光の幅の変更)
図13~
図16に基づいて配光の向きおよび配光の幅の変更について説明する。なお、
図13~
図16では、光を破線で表している。また、説明のため、光を表す波線を3本で表している。また、1つのレンズ31について説明する。
【0049】
図13(A)に示すように、貫通孔21の中心C1と、レンズ31の中心C2と、レンズ31の焦点FとがY方向に一直線に並ぶ場合、光軸がY方向に延びるため、
図13(B)に示すように配光の向きは0度の線に沿った直線状となる。
図13(B)では、原点から半径方向の距離が輝度値の比を表し、原点周りの回転方向がX方向の角度を表す。
図12では、拡散シート4に到達する位置に焦点が位置するように調整されている。
【0050】
図14(A)に示すように、レンズ31が並ぶ方向であるX2方向にレンズシート3を移動させた場合、レンズ31の中心C2の位置と、焦点Fの位置とがX2方向に移動する。焦点Fの位置がX2方向にずれることにより、
図13(A)の場合と比べて、光が集中する位置がX2側に移動する。その結果、
図14(B)のように配光の向きが斜め方向に延びる直線状に変更される。
図14の場合は、X1の輝度値が低く、X1側から表示装置100の画像を視認することは難しくなる。
【0051】
図15(A)に示すように、レンズ31が並ぶ方向と直交する方向(Y方向)のうち、輝度均一化シート2から離れるY1方向に移動した場合、レンズ31の焦点位置が、直交する方向に移動するため、視野角が広がる。具体的には、
図13の場合と同じ位置に拡散シート4を配置することにより、拡散シート4の位置と焦点Fの位置とが合わず、拡散シート4の位置において集光せずに輝度が最も大きい範囲が広がる。その結果、
図15(B)のように配光の幅が広がる。
【0052】
図16(A)に示すように、
図15(A)の位置からレンズ31が並ぶ方向と直交する方向(Y方向)のうち、輝度均一化シート2から離れるY1方向にさらに移動した場合、レンズ31の焦点位置が、直交する方向に移動するため、視野角がさらに広がる。具体的には、
図13の場合と同じ位置に拡散シート4を配置することにより、拡散シート4の位置と焦点Fの位置とが合わず、拡散シート4の位置において集光せずに輝度が最も大きい範囲がさらに広がる。その結果、
図16(B)のように配光の幅がさらに広がる。
【0053】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0054】
本実施形態では、上記のように、複数のレンズ31は、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面20aに対して斜めの位置から画像を視認した場合の輝度が均一になるように、対向する複数の貫通孔21の孔径Dに応じて、厚みTまたは形状のうち少なくとも一方が異なるように構成されている。これにより、複数のレンズ31の厚みTまたは形状のうち少なくとも一方が調整されることにより、レンズシート3に設けられたレンズ31の中心を通らない光が増えることを抑制することができるため、画像がぼやけることを抑制することができる。この結果、光源1から出射される方向の光の照射方向を変更するために輝度均一化シート2に対してレンズ31を含むレンズシート3を移動させる場合において、表示される画像にむらが発生することを抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、複数のレンズ31は、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面20aに対して斜めの位置から画像を視認した場合に、孔径の異なる輝度均一化シート2の貫通孔21を通過した光の輝度が均一になるように、複数の貫通孔21の孔径Dに応じて、厚みTと曲率半径Rとのうち少なくとも一方が異なるように構成されている。これにより、複数の貫通孔21の孔径Dに応じて、複数のレンズ31の厚みTと曲率半径Rとのうち少なくとも一方の大きさを設定することにより、輝度を均一化することができるため、表示される画像にむらが発生することを容易に抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、複数のレンズ31の厚みTと複数のレンズ31の曲率半径Rとのうち少なくとも一方は、輝度均一化シート2の複数の貫通孔21の孔径Dが大きくなるに伴い、大きくなるように設定されている。これにより、輝度均一化シート2の複数の貫通孔21の孔径Dが大きくなるに伴って複数のレンズ31の厚みTと複数のレンズ31の曲率半径Rとのうち少なくとも一方を大きくすることにより、レンズ31の中心を通らない光が増えることを効果的に抑制することができるため、貫通孔21の大きさが大きくなることに起因して画像がぼやけることを抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、複数のレンズ31の厚みTと複数のレンズ31の曲率半径Rとのうち少なくとも一方は、輝度均一化シート2の複数の貫通孔21の孔径Dの大きさに比例するように大きさが設定されている。これにより、複数のレンズ31の厚みTと複数のレンズ31の曲率半径Rとのうち少なくとも一方を調整する場合に、貫通孔21の大きさとレンズ31の曲率半径Rまたは厚みTのうち少なくとも一方の大きさとの関係が適切なレンズ31を基準として、レンズ31の厚みTまたは曲率半径Rを適切に変更することができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、複数のレンズ31は、複数の貫通孔21の各々に対して1つずつ配置されている。これにより、1つのレンズ31が互いに異なる大きさの孔径Dを有する複数の貫通孔21に対応している場合と比べて、貫通孔21の大きさとレンズ31の厚みTまたは曲率半径Rのうち少なくとも一方とを1対1で対応させることができるため、レンズ31の厚みTまたは曲率半径Rのうち少なくとも一方をきめ細かく調整することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、輝度均一化シート2の複数の貫通孔21は、LED光源1からの距離に応じて孔径Dの大きさが設定されている。ここで、LED光源1の直上は輝度が一番大きく、LED光源1から離れるほど輝度が小さくなる。そのため、LED光源1の直上の貫通孔21aの孔径Dを最小として、LED光源1から離れるほど貫通孔21の大きさを大きくすることによって、貫通孔21を通る光の量を適切に調整して、輝度を均一にすることができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、レンズシート3は、レンズ31が並ぶ方向に沿って移動可能に構成されている。これにより、レンズシート3を移動させることにより、焦点位置が移動し、集光する位置を移動させることができるため、レンズ31を透過する光の向きを変えることが可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、レンズシート3は、レンズ31が並ぶ方向に直交する方向に沿って移動可能に構成されている。これにより、たとえば、表示部20の位置と、レンズ31の焦点の位置とが一致するように設定されている場合に、レンズシート3を輝度均一化シート2から離れる方向(表示部20に近づく方向)に移動させることにより、レンズ31の焦点Fの位置が表示部20の位置からずれて表示部20において光が集光しないため、配光の幅を広げることができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、複数のレンズ31は、画像を視認可能な視野角の範囲内において表示面20aに対して斜めの位置から画像を視認した場合の輝度が均一になるように、対向する複数の貫通孔21の孔径Dに応じて、厚みTまたは形状のうち少なくとも一方が異なるように構成されている。これにより、複数のレンズ31の厚みTまたは形状のうち少なくとも一方が調整されることにより、レンズシート3に設けられたレンズ31の中心を通らない光が増えることを抑制することができるため、画像がぼやけることを抑制することができる。この結果、光源1から出射される方向の光の照射方向を変更するために輝度均一化シート2に対してレンズ31を含むレンズシート3を移動させる場合において、表示部20に表示される画像にむらが発生することを抑制することができる。
【0063】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0064】
たとえば、上記実施形態では、レンズの厚みおよび曲率半径が変更される例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、レンズの厚みおよび曲率半径のいずれか一方だけが変更されてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、レンズの厚みおよび曲率半径が変更される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、レンズの厚みおよび曲率半径以外が変更されてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、レンズの厚みおよび曲率半径を小さくする例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、レンズの厚みおよび曲率半径以外を大きくしてもよい。その場合、
図9のグラフは
図17のグラフのように設定される。
【0067】
また、上記実施形態では、表示装置が反射シートを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、表示装置は、反射シートを備えていなくてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、レンズが凸レンズである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、レンズは、凹レンズであってもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、レンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とを小さくするように調整する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、レンズの厚みと複数のレンズの曲率半径とを大きくするように調整してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、車両が自動車である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、車両は、列車または人力で動く車両であってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、輝度均一化シートとレンズシートとが同じ大きさである例を示したが、本発明はこれに限られない。輝度均一化シートとレンズシートとの大きさが異なっていてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、移動機構がモータを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。移動素子は、ピエゾ素子を含んでいてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、移動機構が、長孔と、ねじと、ボール軸とを備える例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、移動機構は別の部材を備えていてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、駆動部は、レンズシートをレンズが並ぶ方向(X方向)およびレンズが並ぶ方向(X方向およびZ方向)と直交する方向(Y方向)に移動させる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、駆動部は、レンズシートをレンズが並ぶ方向(X方向)だけに移動させるように構成されていてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、駆動部は、レンズシートをX2方向に移動させる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、駆動部は、レンズシートをX1方向に移動させるように構成されていてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、駆動部は、レンズシートを輝度均一化シートから離れる方向に移動させる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、駆動部は、レンズシートを輝度均一化シートに近づく方向に移動させるように構成されていてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、表示装置は、駆動部を備える例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、駆動部は、駆動部を備えていなくてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、輝度均一化シートの貫通孔の各々にレンズが配置される例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、輝度均一化シートの複数の貫通孔に対して1つのレンズが設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 LED光源(光源)
2 輝度均一化シート
3 レンズシート
4 拡散シート
10 表示装置用バックライト装置
20 表示部
21、21a 貫通孔
31 レンズ
100 表示装置
200 車両
D 孔径
R 曲率半径
T 厚み