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特許7605092溶着装置、及び樹脂溶着ワークの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】溶着装置、及び樹脂溶着ワークの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/18 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
B29C65/18
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021189617
(22)【出願日】2021-11-22
(65)【公開番号】P2023076285
(43)【公開日】2023-06-01
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】衣川 達哉
(72)【発明者】
【氏名】織田 恭平
(72)【発明者】
【氏名】大島 康之
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-063256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに樹脂部を溶着させる溶着装置であって、
前記ワークに配置された前記樹脂部の加熱を行うことによって当該樹脂部を溶融させる加熱部と、
前記ワークに配置された前記樹脂部に向けて移動することにより、溶融した前記樹脂部をシート材を介して押圧方向に押圧し、前記樹脂部を前記ワークに溶着させる押圧部であって、前記シート材を押圧する押圧面を有する押圧部と、
前記押圧方向と交差する移動方向に離れて配置される一対の支持部であって、前記シート材が前記押圧面を前記押圧方向から覆うように前記シート材を支持する一対の支持部と、
前記支持部によって支持された状態の前記シート材を前記移動方向にスライドさせる移動機構と、
前記シート材をスライドさせるか否かを判定し、前記判定の結果が肯定の場合、前記シート材をスライドさせるように前記移動機構を制御する制御回路と、を備える、溶着装置。
【請求項2】
前記押圧面は、長方形であり、
前記押圧面の長辺が延びる方向を長辺方向とすると、
前記移動方向は、前記長辺方向と交差する、請求項1に記載の溶着装置。
【請求項3】
ワークに樹脂部が溶着された樹脂溶着ワークの製造方法であって、
前記ワークに配置された前記樹脂部を溶融させるとともに、シート材を介して溶融した前記樹脂部を押圧部によって前記ワークに押圧し、前記樹脂部を前記ワークに溶着させることで、前記樹脂溶着ワークを製造する溶着工程と、
前記溶着工程にて前記樹脂部を前記ワークに押圧する方向を押圧方向とすると、前記溶着工程が1回以上行われた場合に、前記押圧方向と交差する移動方向に前記シート材をスライドさせる移動工程と、
前記シート材をスライドさせるか否かを判定する移動判定工程と、を含み、
前記移動工程は、前記移動判定工程での前記判定の結果が肯定の場合に実行され、
前記シート材において前記溶着工程にて前記押圧部によって押圧される領域をシート押圧領域とすると、
前記移動工程では、前記シート材において当該移動工程前の前記溶着工程での前記シート押圧領域とは前記移動方向に異なる領域を、当該移動工程後の前記溶着工程にて押圧可能な位置にスライドさせる、樹脂溶着ワークの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶着装置、及び樹脂溶着ワークの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヒートシールバーによって樹脂部を加熱加圧して溶着せしめる溶着装置が開示されている。特許文献1に開示の溶着装置では、ヒートシールバーの表面にフッ素樹脂テープが貼着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-126826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ヒートシールバー等の押圧部がフッ素樹脂テープ等のシート材を介して樹脂部を押圧する場合に、例えば溶着対象物となるワークや樹脂部がシート材に接触する。このとき、シート材が消耗し、シート材の劣化が進行するおそれがある。歩留まりの低下を抑制するには、劣化が進行したシート材を交換する必要がある。しかし、シート材の交換が煩雑であると、溶着装置の運転を長時間停止する必要があり、溶着装置の運転効率が低下することが懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する溶着装置は、ワークに樹脂部を溶着させる溶着装置であって、前記樹脂部の加熱を行うことによって当該樹脂部を溶融させる加熱部と、シート材を介して、溶融した前記樹脂部を前記ワークに向けて押圧方向に押圧することで、溶融した前記樹脂部を前記ワークに溶着する押圧部であって、前記シート材を押圧する押圧面を有する押圧部と、前記押圧方向と交差する移動方向に離れて配置される一対の支持部であって、前記シート材が前記押圧面を前記押圧方向から覆うように前記シート材を支持する一対の支持部と、前記支持部によって支持された状態の前記シート材を前記移動方向にスライドさせる移動機構と、を備える。
【0006】
これによれば、押圧部が、シート材を介して溶融した樹脂部をワークに向けて押圧する。これにより、樹脂部がワークに溶着される。このとき、シート材が押圧部の押圧面に代わって樹脂部に接触することで、樹脂部の押圧面への溶着が抑制される。
【0007】
本構成では、シート材の劣化が進んだ場合、シート材が支持部に支持された状態で移動機構がシート材を移動方向にスライドさせる。シート材をスライドさせることで、シート材のうち、前回の押圧部による押圧によって樹脂部と接触した領域と異なる領域を、押圧面と樹脂部との間に配置できる。つまり、シート材のうち劣化が進んだ領域を交換できる。これにより、例えばシート材が押圧部に固定されている場合のように、シート材の劣化が進んだ領域を交換するために、シート材と押圧部との固定を解除する手間を省くことができる。その結果、より短時間で押圧部と樹脂部との間に配置されているシート材の交換が可能となる。したがって、溶着装置の運転効率を向上できる。
【0008】
上記溶着装置において、前記押圧面は、長方形であり、前記押圧面の長辺が延びる方向を長辺方向とすると、前記移動方向は、前記長辺方向と交差する、ものであってもよい。
これによれば、移動方向が長辺方向と交差しているため、移動方向が長辺方向に平行な場合に比べて、押圧面を覆うシート材をスライドさせる際のシート材の移動距離が短くなる。これに伴い、移動方向が長辺方向に平行な場合に比べてシート材の交換に要する時間を短くすることができる。したがって、溶着装置の運転効率をさらに向上できる。
【0009】
上記課題を解決する樹脂溶着ワークの製造方法は、ワークに樹脂部が溶着された樹脂溶着ワークの製造方法であって、前記ワークに配置された前記樹脂部を溶融させるとともに、シート材を介して溶融した前記樹脂部を押圧部によって前記ワークに押圧し、前記樹脂部を前記ワークに溶着させることで、前記樹脂溶着ワークを製造する溶着工程と、前記溶着工程にて前記樹脂部を前記ワークに押圧する方向を押圧方向とすると、前記溶着工程が1回以上行われた場合に、前記押圧方向と交差する移動方向に前記シート材をスライドさせる移動工程と、を含み、前記シート材において前記溶着工程にて前記押圧部によって押圧される領域をシート押圧領域とすると、前記移動工程では、前記シート材において当該移動工程前の前記溶着工程での前記シート押圧領域とは前記移動方向に異なる領域を、当該移動工程後の前記溶着工程にて押圧可能な位置にスライドさせる。
【0010】
これによれば、シート材を介して、溶融した樹脂部をワークに向けて押圧することで、樹脂部がワークに溶着される。このとき、例えばシート材を介して樹脂部を押圧する押圧部に代わってシート材が樹脂部に接触する。そのため、シート材が、当該押圧部への樹脂部の溶着を抑制する。
【0011】
本構成では、溶着工程が行われることでシート材の劣化が進んだ場合、移動工程にてシート材が移動方向にスライドする。シート材がスライドすることで、シート材のうち、当該移動工程前の溶着工程でのシート押圧領域と異なる領域が、当該移動工程後の溶着工程にて樹脂部と接触する。そのため、例えばワークを押圧する押圧部にシート材が固定されている場合のように、シート材の劣化が進んだ領域を交換するために必要となるシート材と押圧部との固定を解除する手間を省くことができる。その結果、より短時間でシート材の交換が可能となる。したがって、樹脂溶着ワークの製造効率を向上できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、溶着装置の運転効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】電極ユニットの平面図である。
図2】電極ユニットの側面図である。
図3】第1実施形態の溶着装置の全体斜視図である。
図4】第1実施形態の溶着装置の拡大正面図である。
図5図4における5-5断面図である。
図6図4における6-6断面図である。
図7】電極ユニットの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態の溶着装置の全体斜視図である。
図9図8における9-9断面図である。
図10図9における10-10断面図である。
図11】第2実施形態の変形例としての溶着装置を説明するための図である。
図12図11の12-12断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態の構成>
以下、溶着装置、及び当該溶着装置を用いた電極ユニットの製造方法の第1実施形態について説明する。
【0015】
<電極ユニット10>
図1及び図2に示すように、電極ユニット10は、電極板11と、第1樹脂部20と、第2樹脂部30と、を備える。
【0016】
<電極板11>
ワークとしての電極板11は、バイポーラ型の電極である。電極板11は、集電体12と、第1活物質層16と、第2活物質層17と、を備える。
【0017】
<集電体12>
集電体12は、金属箔により構成される。集電体12は、例えば、銅箔、アルミニウム箔、チタン箔、もしくはニッケル箔である。機械的強度を確保する観点から、集電体12は、ステンレス鋼箔であってもよい。ステンレス鋼箔は、例えばJIS G 4305:2015にて規定されるSUS304、SUS316、SUS301等である。集電体12は、上記金属の合金箔や、複数の上記金属箔を一体化させたものであってもよい。集電体12の表面には、公知のメッキ処理や表面処理が施されていてもよい。集電体12の厚さは、例えば、1μm以上100μm以下、詳細には、5μm以上70μm以下である。集電体12の形状は、長方形のシート状である。集電体12は、その周縁を構成する4つの辺部12aを備える。これらの4つの辺部12aは、電極板11の周縁を構成するものでもある。すなわち、電極板11の形状もまた、長方形のシート状である。そして、電極板11は、その周縁を構成する4つの辺部12aを備えるともいえる。なお、電極板11は、前述のような形態に限られず、2枚の金属箔を単に重ねたものであってもよい。
【0018】
<主面13>
集電体12は、主面13を備える。主面13は、集電体12の厚さ方向に垂直な面である。主面13は、第1主面14と、第2主面15と、を含む。第2主面15は、第1主面14に対して集電体12の厚さ方向において反対に位置している。
【0019】
<第1活物質層16>
活物質層としての第1活物質層16は、正極活物質を含む。正極活物質は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出可能である。正極活物質の例には、例えば複合酸化物、金属リチウム、及び硫黄等が含まれる。第1活物質層16は、必要に応じて導電助剤、結着剤、その他成分を含んでもよい。第1活物質層16は、第1主面14に一体に接着されている。第1活物質層16の厚さは、例えば2~150μmである。第1主面14に第1活物質層16を接着する方法としては、例えば、ロールコート法等の公知の方法が挙げられる。
【0020】
なお、第1主面14は、第1未塗工面14aを含む。第1未塗工面14aは、第1主面14の領域のうち、第1活物質層16が接着されていない領域である。第1未塗工面14aは、第1主面14の周縁である第1周縁14bを含む。
【0021】
<第2活物質層17>
活物質層としての第2活物質層17は、負極活物質を含む。負極活物質は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出可能である。負極活物質の例には、例えば黒鉛、カーボン、金属化合物、リチウムと合金化可能な元素又はその化合物、及びホウ素添加炭素等が含まれる。第2活物質層17は、必要に応じて導電助剤、結着剤、その他成分を含有してよい。第2活物質層17の厚さは、例えば2~150μmである。第2活物質層17は、第2主面15に一体に接着されている。第2活物質層17の厚さは、例えば2~150μmである。第2主面15に第2活物質層17を接着する方法としては、例えば、ロールコート法等の公知の方法が挙げられる。
【0022】
なお、第2主面15は、第2未塗工面15aを含む。第2未塗工面15aは、第2主面15の領域のうち、第2活物質層17が接着されていない領域である。第2未塗工面15aは、第2主面15の周縁である第2周縁15bを含む。
【0023】
<第1樹脂部20>
樹脂部としての第1樹脂部20は、枠状に形成されている。第1樹脂部20は、長方形状の枠体である。第1樹脂部20は、4つの第1樹脂辺部21を備える。第1樹脂辺部21は、四角柱状に形成されている。第1樹脂辺部21の端部は、互いに接続されている。各第1樹脂辺部21は、他の第1樹脂辺部21の1つと向かい合っている。
【0024】
第1樹脂部20は、第1主面14に溶着されている。詳細には、第1樹脂部20は、第1未塗工面14aに溶着されている。第1樹脂部20は、第1周縁14bに沿って溶着されている。したがって、第1樹脂辺部21は、電極板11の辺部12aに沿って溶着されている。第1樹脂部20は、第1活物質層16を囲うように第1主面14に溶着されているともいえる。第1樹脂部20の一部は、第1活物質層16が接着されている領域から離れる方向に、第1周縁14bの全周にわたって第1周縁14bからはみ出している。
【0025】
第1樹脂部20の第1周縁14bからはみ出した部分と、第2樹脂部30の第2周縁15bからはみ出した部分とは、互いに溶着されていてもよい。
<第2樹脂部30>
樹脂部としての第2樹脂部30は、枠状に形成されている。第2樹脂部30は、長方形状の枠体である。第2樹脂部30は、4つの第2樹脂辺部31を備える。第2樹脂辺部31は、四角柱状に形成されている。第2樹脂辺部31の端部は、互いに接続されている。各第2樹脂辺部31は、他の第2樹脂辺部31の1つと向かい合っている。
【0026】
第2樹脂部30は、第2主面15に溶着されている。詳細には、第2樹脂部30は、第2未塗工面15aに溶着されている。第2樹脂部30は、第2周縁15bに沿って溶着されている。したがって、第2樹脂辺部31は、電極板11の辺部12aに沿って溶着されている。第2樹脂部30は、第2活物質層17を囲うように第2主面15に溶着されているともいえる。第2樹脂部30の一部は、第2活物質層17が接着されている領域から離れる方向に、第2周縁15bの全周にわたって第2周縁15bからはみ出している。
【0027】
なお、第1樹脂部20及び第2樹脂部30は、絶縁性の樹脂からなる。第1樹脂部20及び第2樹脂部30の材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂、及びAS樹脂等の種々の樹脂材料や、これらの樹脂材料を変性させたものを用いることができる。
【0028】
<蓄電モジュールB>
このように構成された電極ユニット10が樹脂部20,30を介して積層されることで、蓄電モジュールBを構成する。積層された電極ユニット10のうち、互いに隣り合う一方の電極ユニット10の第1樹脂部20と、他方の電極ユニット10の第2樹脂部30の周縁14b,15bからはみ出している部分同士は、一体化されている。周縁14b,15bからはみ出している部分同士の一体化は、当該はみ出している部分同士の溶着や、接着部材による接着により行われ得る。接着部材としては、例えば樹脂部20,30で例示された樹脂材料等が用いられる。本実施形態の蓄電モジュールBは、バイポーラ型のリチウムイオン蓄電池である。蓄電モジュールBは、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられる。
【0029】
<溶着装置40>
次に、図3図6を用いて、溶着装置40の一例について説明する。溶着装置40は、ワークとしての電極板11への樹脂部20,30の押圧及び溶着を行うことで、電極ユニット10を製造する。言い換えれば、溶着装置40は、電極ユニット製造装置である。以下、説明の便宜上、溶着装置40がワークを押圧する方向を押圧方向Zという。本実施形態の電極ユニット10の製造方法では、2つの溶着装置40が用いられる。ここでは、溶着装置40の1つの構成について説明する。
【0030】
図3に示すように、溶着装置40は、板状の下部台座41と、2つの脚部42と、板状の上部台座43と、2つの支柱44と、シリンダユニット45と、を備える。
各脚部42は、地面に対して下部台座41を支持する。
【0031】
上部台座43は、下部台座41に対して下部台座41の厚さ方向に離れている。上部台座43の厚さ方向は、下部台座41の厚さ方向と平行である。下部台座41の厚さ方向は、鉛直方向と平行である。鉛直方向とは、物体に重力が作用する方向である。以下、説明の便宜上、鉛直方向を上下方向ということがある。本実施形態では、上下方向及び鉛直方向は、ともに押圧方向Zと平行である。
【0032】
各支柱44は、下部台座41に対して上部台座43を支持する。各支柱44は、押圧方向Zに延びる。
<シリンダユニット45>
シリンダユニット45は、シリンダボディ46と、シリンダロッド47と、を備える。
【0033】
シリンダボディ46は、上部台座43に固定されている。シリンダボディ46の内部には、図示しないサーボモータが収容されている。
シリンダロッド47は、上部台座43を押圧方向Zに貫通している。シリンダロッド47は、シリンダボディ46に対して押圧方向Zに出没可能に構成されている。シリンダロッド47は、例えばサーボモータの駆動によってシリンダボディ46に対して出没する。
【0034】
図4に示すように、溶着装置40は、第1の押圧アセンブリ50aと、第2の押圧アセンブリ50bと、制御回路90と、を備える。
<押圧アセンブリ50a,50b>
2つの押圧アセンブリ50a,50bは、それぞれ下部台座41と上部台座43との間に配置されている。第1の押圧アセンブリ50aは、シリンダユニット45によって上部台座43に支持されている。第1の押圧アセンブリ50aは、シリンダロッド47に接続されている。第1の押圧アセンブリ50aは、シリンダユニット45の操作、例えばシリンダロッド47の出没、によって押圧方向Zに移動可能に構成されている。
【0035】
第2の押圧アセンブリ50bは、下部台座41に支持されている。本実施形態では、第2の押圧アセンブリ50bは、下部台座41に固定されている。第1の押圧アセンブリ50a及び第2の押圧アセンブリ50bは、押圧方向Zに互いに向かい合っている。押圧方向Zは、2つの押圧アセンブリ50a,50bが互いに向かい合っている方向ともいえる。本実施形態の溶着装置40は、サーボモータの駆動によって第1の押圧アセンブリ50aを移動させる、いわゆるサーボプレスである。なお、溶着装置40はこれに限らず、例えば油圧ポンプを用いた、いわゆる油圧プレスであってもよい。
【0036】
図4図6に示すように、各押圧アセンブリ50a,50bは、押圧部51と、絶縁部52と、緩衝部53と、加熱部54と、溶着抑制機構TFと、を備える。
以下、各押圧アセンブリ50a,50bの各部材の詳細について説明する。以下で用いる押圧アセンブリ50a,50bの部材は、特に明示がない限り、第1の押圧アセンブリ50aが備える部材として取り扱う。なお、第2の押圧アセンブリ50bが備える各部材は、第1の押圧アセンブリ50aが備えるものと同様である。そのため、第2の押圧アセンブリ50bが備える各部材は、第1の押圧アセンブリ50aのものと同一の部材番号を付すことで、説明を省略することがある。
【0037】
<押圧部51>
押圧部51は、樹脂部20,30を押圧方向Zに押圧するシールバーである。本実施形態の押圧部51は、四角柱状である。押圧部51の長辺方向Xは、押圧方向Zに垂直である。押圧部51の短辺方向Yは、押圧方向Z及び長辺方向Xの両方に垂直である。押圧部51は、接続面51aと、押圧面51bと、2つの端面51cと、2つのガイド部51dと、を備える。
【0038】
<接続面51a>
接続面51aは、押圧方向Zに垂直な2つの平面のうち、シリンダロッド47の先端が接続される面である。本実施形態の接続面51aは、押圧方向Zに垂直な長方形である。接続面51aの長辺は、長辺方向Xに延びている。接続面51aの短辺は、短辺方向Yに延びている。
【0039】
<押圧面51b>
押圧面51bは、押圧方向Zに垂直な平面のうち、押圧方向Zにおいて接続面51aの反対に位置する面である。本実施形態の押圧面51bは、長方形である。押圧面51bの長辺は、長辺方向Xに延びている。押圧面51bの短辺は、短辺方向Yに延びている。長辺方向Xは、押圧面51bの長辺が延びる方向ともいえる。また、短辺方向Yは、押圧面51bの短辺が延びる方向ともいえる。
【0040】
<端面51c>
2つの端面51cは、押圧部51の長辺方向Xの端に位置している。2つの端面51cは、押圧面51bの2つの短辺のそれぞれから押圧方向Zに延びている。
【0041】
<ガイド部51d>
ガイド部51dは、押圧方向Zに延びている柱状の部材である。本実施形態のガイド部51dは円柱状である。ガイド部51dは、押圧部51の接続面51aに接続されている。
【0042】
ガイド部51dは、上部台座43に挿入されている。シリンダロッド47がシリンダボディ46に対して出没すると、第1の押圧アセンブリ50aの押圧部51は、ガイド部51dが上部台座43を挿入されている状態で押圧方向Zに移動する。このとき、仮に押圧部51が押圧方向Zと異なる方向に移動しようとすると、ガイド部51dと上部台座43との干渉が起きる。当該干渉により、押圧部51が押圧方向Zと異なる方向に移動することが規制される。これにより、第1の押圧アセンブリ50aが移動する方向が押圧方向Zからずれることが抑制される。なお、第2の押圧アセンブリ50bは、下部台座41に固定されているため、ガイド部51dを備えていなくてもよい。本実施形態の第2の押圧アセンブリ50bは、ガイド部51dを備えていない。
【0043】
<絶縁部52>
絶縁部52は、押圧面51bの絶縁性を保つ絶縁層である。絶縁部52は、押圧面51bを覆っている。本実施形態の絶縁部52は、シート状である。絶縁部52の材料は、例えばガラス繊維、セラミクスなど任意である。なお、絶縁部52は、押圧部51の絶縁性を高めるために、さらに端面51cを覆っていてもよい。
【0044】
<緩衝部53>
緩衝部53は、押圧部51に比べて弾性変形が容易な弾性体である。緩衝部53は、押圧面51bを覆っている。詳細には、緩衝部53は、絶縁部52を介して、押圧面51bを覆っている。緩衝部53は、押圧部51が樹脂部20,30を押圧している場合に弾性変形することにより、押圧部51が樹脂部20,30に印加する圧力のばらつきを抑制する。緩衝部53の材料は、例えば天然ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなど任意である。特に緩衝部53の材料としてシリコンゴムを用いる場合、押圧部51の絶縁性が向上する。また、緩衝部53の材料としてシリコンゴムを用いた場合、緩衝部53は、絶縁部52等の隣接する部材の滑り止めとしても機能する。
【0045】
<加熱部54>
加熱部54は、樹脂部20,30の加熱を行う。本実施形態の加熱部54は、押圧部51と一体に設けられている。加熱部54は、電熱シート55と、2つの加熱電極56と、を備える。
【0046】
<電熱シート55>
電熱シート55は、シート状の抵抗体である。電熱シート55は、角U字状に形成されている。電熱シート55の熱膨張率は、緩衝部53の熱膨張率より高い。電熱シート55は、絶縁部52、及び緩衝部53を介して、押圧面51bを覆う。電熱シート55は、2つの端面51cを覆う。なお、端面51cと電熱シート55との間は、図示しない絶縁部材等により絶縁されている。
【0047】
<加熱電極56>
加熱電極56は、電熱シート55に電流を流すための電極である。2つの加熱電極56のそれぞれは、電熱シート55を介して2つの端面51cのそれぞれに配置されている。加熱電極56は、図示しない電源装置に接続されている。電源装置の電力は、加熱電極56を介して電熱シート55に流入する。これにより、電熱シート55が抵抗発熱する。加熱部54は、電熱シート55の抵抗発熱を利用して、樹脂部20,30の加熱を行う。
【0048】
本実施形態の加熱部54は、押圧部51にて溶着対象である樹脂部20,30を電極板11に向けて押圧しながら樹脂部20,30を加熱する。本実施形態の加熱部54は、いわゆるインパルスヒータである。加熱部54による加熱が行われている場合、緩衝部53が電熱シート55の熱膨張及び熱収縮を抑制する。電熱シート55の熱膨張及び熱収縮を抑制するという観点においても、緩衝部53の材料としてはシリコンゴムが好ましい。
【0049】
<溶着抑制機構TF>
溶着抑制機構TFは、押圧部51及び押圧面51b上に配置されている部材などへの樹脂部20,30の溶着を抑制する機構である。押圧部51及び押圧面51b上に配置されている部材とは、例えば絶縁部52、緩衝部53、及び加熱部54である。溶着抑制機構TFは、シート材60と、移動機構70と、を備える。
【0050】
<シート材60>
シート材60は、電極板11に比べて樹脂部20,30から剥離しやすい。シート材60の樹脂部20,30に対する剥離強度は、電極板11の樹脂部20,30に対する剥離強度に比べて小さい。例えば、シート材60の樹脂部20,30に対する剥離強度は、電極板11の樹脂部20,30に対する剥離強度の0.5倍以下、好ましくは0.1倍以下、より好ましくは0.01倍以下である。シート材60は、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系化合物を含んでもよい。本実施形態のシート材60は、フッ素系化合物を含浸させたガラスクロスである。ガラスクロスはフッ素系化合物に比べて熱伝導率が高いガラス繊維からなる。そのため、シート材60をガラスクロスとすることで、加熱部54から樹脂部20,30への熱の伝達を好適に行うことができる。なお、シート材60は、ガラスクロスに限らず、例えば上記フッ素系化合物からなる樹脂をシート状に成形した樹脂シートであってもよい。
【0051】
本実施形態のシート材60は、所定の長手方向に延びる帯状に形成されている。当該長手方向は、シート材60の幅方向に垂直である。シート材60の幅W1は、押圧面51bの短辺の長さWy以上である。本実施形態では、シート材60の幅W1は、押圧面51bの短辺の長さWyと等しい。
【0052】
<移動機構70>
移動機構70は、巻出部71と、巻出調節部72と、一対の支持部73a,73bと、巻取調節部74と、巻取部75と、を備える。移動機構70は、シート材60を支持することで、シート材60が移動するシート移動経路L1を形成する。シート移動経路L1は、巻出部71から供給されたシート材60が辿る経路である。巻出部71から供給されたシート材60は、シート移動経路L1を、巻出調節部72→支持部73a,73b→巻取調節部74→巻取部75の順番で辿る。
【0053】
<巻出部71>
巻出部71は、短辺方向Yに平行な回転軸を中心に回転可能なリールである。巻出部71には、シート材60が巻回されている。これにより、巻出部71は、シート材60の長手方向の端部の1つを支持している。巻出部71は、シート移動経路L1へのシート材60の供給源である。巻出部71は、シート移動経路L1における最上流に位置する。
【0054】
巻出部71は、押圧部51から押圧方向Zに離れて配置されている。巻出部71は、押圧方向Zに平行であって且つ押圧面51bから接続面51aに向かう方向に離れて配置されている。特に、第1の押圧アセンブリ50aの巻出部71と押圧部51との間には、上部台座43が介在している。第2の押圧アセンブリ50bの巻出部71と押圧部51との間には、下部台座41が介在している。
【0055】
<巻出調節部72>
巻出調節部72は、巻出部71から供給されるシート材60の搬送量を調整する。シート材60の搬送量は、例えばシート材60の長手方向の長さ、体積、移動距離などで表すことができる。説明の便宜上、シート材60の長手方向の長さを、単にシート材60の長さという。巻出調節部72は、第1巻出ガイドローラ72aと、第2巻出ガイドローラ72bと、巻出ダンサーローラ72cと、を備える。第1巻出ガイドローラ72a、第2巻出ガイドローラ72b、及び巻出ダンサーローラ72cは、それぞれ短辺方向Yに平行な回転軸を中心に回転可能である。
【0056】
<巻出ガイドローラ72a,72b>
第1巻出ガイドローラ72a及び第2巻出ガイドローラ72bは、ともに巻出部71から長辺方向Xに離れて配置されている。第1巻出ガイドローラ72aは、第2巻出ガイドローラ72bと巻出部71との間に位置している。
【0057】
<巻出ダンサーローラ72c>
巻出ダンサーローラ72cは、長辺方向Xにおける第1巻出ガイドローラ72aと第2巻出ガイドローラ72bとの中間点から、押圧方向Zに離れて配置されている。巻出ダンサーローラ72cは、第1巻出ガイドローラ72a及び第2巻出ガイドローラ72bよりも押圧部51に対して押圧方向Zに近い。巻出ダンサーローラ72cは、少なくとも押圧方向Zに移動可能に構成されている。本実施形態では、巻出ダンサーローラ72cは、押圧方向Zに移動可能に構成されている。これにより、巻出ダンサーローラ72cは、第1巻出ガイドローラ72a及び第2巻出ガイドローラ72bに対する押圧方向Zの距離を調節できる。巻出ダンサーローラ72cは、後述する支持部73a,73bに支持された状態のシート材60のテンションを調節できる。
【0058】
巻出部71から供給されるシート材60は、巻出調節部72において、第1巻出ガイドローラ72a、巻出ダンサーローラ72c、第2巻出ガイドローラ72bの順に搬送される。巻出ダンサーローラ72cが押圧方向Zに移動することにより、巻出ダンサーローラ72cと各巻出ガイドローラ72a,72bとの間に介在するシート材60の長さや、巻出調節部72から搬送されるシート材60の搬送量が調節される。
【0059】
<支持部73a,73b>
支持部73a,73bは、長辺方向Xに離れて配置されている。支持部73a,73bは、シート材60を長辺方向Xに架け渡している。これにより、シート材60は、支持部73a,73bによって押圧部51と樹脂部20,30との間に位置するように支持される。言い換えれば、支持部73a,73bは、シート材60が押圧部51と樹脂部20,30との間に位置するようシート材60を支持する。本実施形態では、支持部73a,73bは、シート材60が押圧面51bと接するようにシート材60を支持する。なお、シート材60が押圧面51bと接している状態には、シート材60が押圧面51bに直接的に接している状態に限られず、シート材60が絶縁部52、緩衝部53、加熱部54等の部材を介して押圧面51bに間接的に接している状態が含まれる。なお、シート材60と押圧面51bとが接している場合であっても、シート材60は押圧面51bに固定されていない。すなわち、シート材60は、押圧面51bに対して相対的に移動可能に構成されている。
【0060】
本実施形態の支持部73a,73bのそれぞれは、ガイドローラである。支持部73a,73bは、短辺方向Yに平行な回転軸を中心に回転可能である。第1の押圧アセンブリ50aの支持部73a,73bは、シリンダユニット45の操作、例えばシリンダロッド47の出没、によって押圧方向Zに移動可能に構成されている。以下、説明の便宜上、支持部73a,73bのそれぞれを、第1支持部73a,第2支持部73bという。
【0061】
<第1支持部73a>
第1支持部73aは、第2巻出ガイドローラ72bから押圧方向Zに離れて配置されている。第1支持部73aは、押圧部51から長辺方向Xに離れて配置されている。第1支持部73aの少なくとも一部は、端面51cの1つと長辺方向Xに向かい合っている。
【0062】
<第2支持部73b>
第2支持部73bは、第1支持部73aから長辺方向Xに離れて配置されている。押圧方向Zからの平面視において、押圧部51、詳細には押圧面51bは、第1支持部73aと第2支持部73bとの間に位置している。第2支持部73bの少なくとも一部は、端面51cの1つと長辺方向Xに向かい合っている。第2支持部73bが向かい合う端面51cは、第1支持部73aが向かい合う端面51cと長辺方向Xにおいて反対に位置する。
【0063】
第2巻出ガイドローラ72bからのシート材60は、第1支持部73a、第2支持部73bの順に搬送される。このとき、第1支持部73a及び第2支持部73bは、シート材60を押圧面51b上で支持している。言い換えれば、押圧面51bは、第1支持部73a及び第2支持部73bによって支持されたシート材60によって押圧方向Zから覆われている。これにより、押圧面51bは、支持部73a,73bによって支持されたシート材60を介して樹脂部20,30と押圧方向Zに向かい合う。これにより、押圧部51は、支持部73a,73bによって支持されるシート材60を介して樹脂部20,30を押圧できる。
【0064】
<巻取調節部74>
巻取調節部74は、シート移動経路L1における支持部73a,73bより下流へのシート材60の搬送量を調整する。巻取調節部74は、第1巻取ガイドローラ74aと、第2巻取ガイドローラ74bと、巻取ダンサーローラ74cと、を備える。第1巻取ガイドローラ74a、第2巻取ガイドローラ74b、及び巻取ダンサーローラ74cは、それぞれ短辺方向Yに平行な回転軸を中心に回転可能である。
【0065】
<巻取ガイドローラ74a,74b>
第1巻取ガイドローラ74a及び第2巻取ガイドローラ74bは、ともに巻取部75から長辺方向Xに離れて配置されている。第2巻取ガイドローラ74bは、第1巻取ガイドローラ74aと巻取部75との間に位置している。
【0066】
<巻取ダンサーローラ74c>
巻取ダンサーローラ74cは、長辺方向Xにおける第1巻取ガイドローラ74aと第2巻取ガイドローラ74bとの中間点から、押圧方向Zに離れている。巻取ダンサーローラ74cは、第1巻取ガイドローラ74a及び第2巻取ガイドローラ74bよりも押圧部51に対して押圧方向Zに近い位置にある。巻取ダンサーローラ74cは、少なくとも押圧方向Zに移動可能に構成されている。本実施形態では、巻取ダンサーローラ74cは、押圧方向Zに移動可能に構成されている。これにより、巻取ダンサーローラ74cは、第1巻取ガイドローラ74a及び第2巻取ガイドローラ74bに対する押圧方向Zの距離を調節できる。これにより、巻取ダンサーローラ74cは、支持部73a,73bに支持された状態のシート材60のテンションを調節できる。
【0067】
第2支持部73bからのシート材60は、巻取調節部74において、第1巻取ガイドローラ74a、巻取ダンサーローラ74c、第2巻取ガイドローラ74bの順に搬送される。巻取ダンサーローラ74cが押圧方向Zに移動することにより、巻取ダンサーローラ74cと各巻取ガイドローラ74a,74bとの間に介在するシート材60の長さや、巻取調節部74から搬送されるシート材60の搬送量が調節される。
【0068】
<巻取部75>
巻取部75は、短辺方向Yに平行な回転軸を中心に回転可能なリールである。巻取部75は、巻出部71からシート移動経路L1に沿って供給されたシート材60を巻き取る。詳細には、巻取部75は、巻取調節部74から供給されたシート材60を巻き取る。巻取部75は、シート材60を巻き取ることにより、シート材60の長手方向の端部の1つを支持している。巻取部75は、シート移動経路L1からのシート材60の排出先である。巻取部75は、シート移動経路L1における最下流に位置する。
【0069】
巻取部75は、押圧部51から押圧方向Zに離れて配置されている。巻取部75は、押圧方向Zと平行であって且つ押圧面51bから接続面51aに向かう方向に離れて配置されている。特に、第1の押圧アセンブリ50aの巻取部75と押圧部51との間には、上部台座43が介在している。第2の押圧アセンブリ50bの巻取部75と押圧部51との間には、下部台座41が介在している。巻取部75は、巻出部71と長辺方向Xに離れている。
【0070】
<シート材60の移動方向T>
このように構成された溶着抑制機構TFでは、巻出部71から供給されたシート材60が、巻出調節部72、第1支持部73a、第2支持部73b、巻取調節部74を順番に経由して巻取部75に搬送される。このとき、移動機構70は、支持部73a,73bによって支持された状態のシート材60を移動方向Tにスライドさせる。移動方向Tとは、支持部73a,73bによって支持された状態のシート材60がスライドする方向である。具体的には、移動方向Tとは、第1支持部73aから第2支持部73bに向かう方向である。
【0071】
「スライドさせる」とは、支持部73a,73bによって支持された状態のシート材60を、支持部73a,73bによって支持された状態のまま、押圧面51bに対して押圧方向Zと交差する方向に移動させることである。シート材60をスライドさせることには、シート材60が押圧面51bに対して摺動させることが含まれる。また、支持部73a,73bがシート材60を押圧面51bから押圧方向Zに離れた位置で支持している場合、シート材60をスライドさせることには、シート材60が押圧面51bから離れて支持された状態のまま、シート材60を移動方向Tに移動させることが含まれる。
【0072】
上述したように、第1支持部73aと第2支持部73bとは、長辺方向Xに離れている。したがって、本実施形態における移動方向Tは、長辺方向Xに平行である。言い換えれば、一対の支持部73a,73bは、移動方向Tに離れて配置されている。長辺方向Xは押圧方向Zに垂直であるため、移動方向Tは押圧方向Zと交差している。
【0073】
なお、第1支持部73aと第2支持部73bとの移動方向Tにおける距離は、押圧面51bの移動方向Tにおける長さ(本実施形態では押圧面51bの長辺の長さWx)より長い。そのため、支持部73a,73bによって支持された状態のシート材60の移動方向Tにおける長さは、押圧面51bの移動方向Tにおける長さより長い。押圧面51bの移動方向Tにおける長さは、樹脂辺部21,31の移動方向Tにおける長さより長い。そのため、支持部73a,73bによって支持された状態のシート材60の移動方向Tにおける長さは、押圧面51bの移動方向Tにおける長さより長い。すなわち、シート材60は、移動方向Tにおいて樹脂部20,30よりも長い、いわゆる長尺状に形成されている。
【0074】
<押圧アセンブリ50a,50bの位置関係>
このように構成された第1の押圧アセンブリ50aの押圧部51と第2の押圧アセンブリ50bの押圧部51とは、互いの支持部73a,73bによって支持されたそれぞれのシート材60を介して押圧方向Zに向かい合っている。第1の押圧アセンブリ50aのシート材60のうち支持部73a,73bによって支持されている領域と、第2の押圧アセンブリ50bのシート材60のうち支持部73a,73bによって支持されている領域と、は、押圧方向Zに離れて向かい合っている。第1の押圧アセンブリ50aのシート材60のうち支持部73a,73bによって支持されている領域と、第2の押圧アセンブリ50bのシート材60のうち支持部73a,73bによって支持されている領域と、の間には、樹脂部20,30が配置されている電極板11を配置可能である。
【0075】
<制御回路90>
制御回路90は、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)が用いられる。記憶部は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部は、処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。記憶部、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御回路90は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御回路90は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0076】
制御回路90は、シリンダボディ46に対するシリンダロッド47の出没を制御する。シリンダロッド47の出没に連動して、第1の押圧アセンブリ50aの押圧部51が押圧方向Zに移動する。これに伴い、押圧方向Zにおける第1の押圧アセンブリ50aの押圧部51と第2の押圧アセンブリ50bの押圧部51との距離が変わる。第1の押圧アセンブリ50aの押圧部51と第2の押圧アセンブリ50bの押圧部51との間に電極板11及び樹脂部20,30が配置されている場合、押圧アセンブリ50a,50bの両押圧部51は、樹脂部20,30を電極板11に向けて押圧する。
【0077】
制御回路90は、電源装置から加熱部54に与える電力を制御することにより、加熱部54を発熱させる。制御回路90は、加熱部54を用いて、樹脂部20,30の加熱を行う。
【0078】
制御回路90は、押圧部51が樹脂部20,30を押圧する圧力を取得する。当該圧力は、例えば図示しない圧力センサの測定値を取得すればよい。また、制御回路90は、加熱部54の温度を取得する。加熱部54の温度は、例えば図示しない温度センサの測定値を取得すればよい。制御回路90は、取得した圧力及び温度が所定の目標値となるように、シリンダユニット45及び電源装置を制御する。
【0079】
制御回路90は、移動機構70を制御することで、シート材60を移動方向Tにスライドさせる。本実施形態では、制御回路90は、巻出部71、巻出調節部72、巻取調節部74、巻取部75を制御する。制御回路90は、巻出部71の回転量を制御することで、巻出部71から巻出調節部72へのシート材60の搬送量を制御する。制御回路90は、巻出調節部72、詳細には巻出ダンサーローラ72cの押圧方向Zの位置を制御することで、支持部73a,73bへのシート材60の搬送量を調整する。制御回路90は、巻取調節部74、詳細には巻取ダンサーローラ74cの押圧方向Zの位置を制御することで、巻取部75へのシート材60の搬送量を調整する。制御回路90は、このように溶着抑制機構TFを制御することにより、支持部73a,73bによって支持された状態のシート材60を移動方向T(本実施形態では長辺方向X)にスライドさせる。このように、移動機構70に含まれる巻出部71、巻出調節部72、支持部73a,73b、巻取調節部74、及び巻取部75が、支持部73a,73bによって支持された状態のシート材60を移動方向Tにスライドさせる機能を有する。
【0080】
<電極ユニット10の製造方法>
次に、図5図7を用いて、上記溶着装置40を用いた樹脂溶着ワークとしての電極ユニット10の製造方法について説明する。本実施形態では、2つの溶着装置40を用いて、電極ユニット10の製造が行われる。2つの溶着装置40の長辺方向Xは平行である。2つの溶着装置40の短辺方向Yは平行である。2つの溶着装置40の押圧方向Zは平行である。2つの溶着装置40は、短辺方向Yに離れて配置されている。
【0081】
<初期化工程S1>
図7に示すように、制御回路90は、初期化工程S1において、変数kを0に設定する。変数kは、0以上の整数である。
【0082】
<配置工程S2>
次に、配置工程S2に進む。配置工程S2では、電極板11及び樹脂部20,30が、第1の押圧アセンブリ50aと第2の押圧アセンブリ50bとの間に配置される。本実施形態では、樹脂辺部21,31が辺部12aに沿って配置されている。樹脂部20,30の電極板11への配置は、例えば圧着等により予め実現されていてもよいし、後述する溶着工程S3にて樹脂部20,30の一部が電極板11に溶着されているものでもよい。樹脂部20,30の一部とは、例えば向かい合う2つの第1樹脂辺部21及び向かい合う2つの第2樹脂辺部31である。このとき、互いに向かい合う2つの第1樹脂辺部21が、それぞれ異なる溶着装置40における第1の押圧アセンブリ50aの押圧部51と押圧方向Zに向かい合う。同様に、互いに向かい合う2つの第2樹脂辺部31が、それぞれ異なる溶着装置40における第2の押圧アセンブリ50bの押圧部51と押圧方向Zに向かい合う。当該電極板11は、例えば図示しないロボットハンド等によって第1の押圧アセンブリ50a及び第2の押圧アセンブリ50bの間に配置される。
【0083】
<溶着工程S3>
次に、溶着工程S3に進む。溶着工程S3において、制御回路90は、2つの溶着装置40を用いて樹脂部20,30を電極板11に溶着することで、電極ユニット10を製造する。本実施形態では、配置工程S2にて各押圧アセンブリ50a,50bの間に配置された樹脂辺部21,31が電極板11に溶着される。
【0084】
ここで、溶着工程S3における制御回路90の処理の一例について説明する。まず制御回路90は、押圧部51を、シート材60を介して樹脂部20,30に接触させる。具体的には制御回路90は、シリンダユニット45のシリンダロッド47をシリンダボディ46から押圧方向Zへ突出させることで押圧方向Zに押圧部51を移動させる。押圧部51の押圧方向Zの移動によって、第1の押圧アセンブリ50aの押圧面51bと第2の押圧アセンブリ50bの押圧面51bとが、樹脂辺部21,31に接触する。
【0085】
次に制御回路90は、加熱部54を用いて、押圧部51に押圧されている樹脂辺部21,31の加熱を行う。当該加熱によって、当該樹脂辺部21,31が溶融する。
次に制御回路90は、押圧部51を用いて、シート材60を介して、溶融した樹脂部20,30を押圧する。具体的には、制御回路90は、シリンダロッド47をシリンダボディ46から押圧方向Zへさらに突出させることで、押圧面51bにシート材60を介して樹脂辺部21,31を押圧させる。
【0086】
このとき、図6に示すように、押圧面51bがシート材60を介して樹脂部20,30における樹脂押圧領域R1を押圧する。樹脂押圧領域R1は、樹脂部20,30においてシート材60を介して押圧面51bによって押圧される領域である。本実施形態の樹脂押圧領域R1は、長方形である。また、樹脂押圧領域R1は、樹脂押圧領域R1の長辺に沿う端縁E1を含む。端縁E1は、樹脂押圧領域R1の外縁の一部である。端縁E1は、樹脂辺部21,31の長辺方向Xに延びる端縁でもある。端縁E1が延びる方向は、長辺方向Xと平行である。したがって、端縁E1が延びる方向は、長辺方向Xでもある。
【0087】
押圧部51がシート材60を押圧することにより、シート材60においてシート押圧領域R2が生じる。シート押圧領域R2とは、シート材60において、溶着工程S3にて押圧部51によって押圧される領域である。押圧方向Zからの平面視において、シート押圧領域R2は、押圧面51bと重なる。そのため、本実施形態のシート押圧領域R2は長方形である。また、押圧方向Zからの平面視において、シート押圧領域R2は、樹脂押圧領域R1を含む。シート押圧領域R2は、シート材60のうち、押圧方向Zにて向かい合う2つの押圧面51b、すなわち第1の押圧アセンブリ50aの押圧面51b及び第2の押圧アセンブリ50bの押圧面51b、の間に位置する領域でもある。
【0088】
次に制御回路90は、加熱部54による加熱を停止して、樹脂辺部21,31を冷却する。当該冷却によって樹脂部20,30が凝固する。これにより、樹脂部20,30が電極板11に溶着する。このとき、シート材60のうち支持部73a,73bによって支持されている領域、特にシート押圧領域R2に含まれる領域、に、樹脂辺部21,31の一部、特に樹脂押圧領域R1、が溶着する可能性がある。
【0089】
次に制御回路90は、押圧部51による樹脂部20,30の押圧を停止する。具体的には、制御回路90は、シリンダロッド47をシリンダボディ46に収容する。これにより、押圧部51が樹脂部20,30から押圧方向Zに離れることで、樹脂部20,30の押圧が停止する。このとき、シート材60のうち支持部73a,73bによって支持されている領域が、樹脂辺部21,31から剥離される。
【0090】
なお、この段階で溶着されていない樹脂辺部21,31がある場合、制御回路90は、溶着されていない樹脂辺部21,31に対して同様の処理を行うことで、当該樹脂辺部21,31を溶着してもよい。また、制御回路90は、樹脂部20,30の一部が溶着された電極板11を、上記溶着工程S3を行った2つの溶着装置40とは別に用意された2つの溶着装置40に同様の処理を行わせることで、溶着されていない樹脂辺部21,31の溶着を行ってもよい。このように、全ての樹脂辺部21,31を電極板11に溶着することで、電極ユニット10が製造される。言い換えれば、樹脂部20,30を電極板11に溶着することで、電極ユニット10が製造される。製造された電極ユニット10は、ロボットハンド等により溶着装置40から取り除かれる。
【0091】
なお、溶着工程S3にて製造された電極ユニット10が所定数に達した場合、図示しない積層工程が行われる。積層工程では、溶着工程S3にて製造された複数の電極ユニット10を電極板11の厚さ方向に積層することで、蓄電モジュールBが製造される。
【0092】
<計数工程S4>
図7に示すように、溶着工程S3の終了後、計数工程S4に進む。計数工程S4において、制御回路90は、変数kの値を1増やす。
【0093】
<移動判定工程S5>
次に移動判定工程S5に進む。移動判定工程S5において、制御回路90は、溶着工程S3が所定の回数行われたか否かを判定する。本実施形態では、制御回路90は、変数kが判定値Nと一致しているか否かを判定する。すなわち、移動判定工程S5における所定の回数とは判定値Nで表される回数である。判定値Nは、1以上の整数であれば任意である。判定値Nは、例えばシート材60の耐用回数以下であれば任意である。シート材60の耐用回数とは、例えば溶着工程S3の後にシート材60を樹脂部20,30から剥離できることを1回として、この1回を実行可能な回数である。判定値Nは、例えば耐用回数の0.001~1倍、好ましくは0.005~0.5倍、より好ましくは0.01~0.1倍の範囲に含まれる。
【0094】
なお、これに限らず、移動判定工程S5の判定手法は任意であり、例えばシート材60をスライドさせるか否かは、シート材60の劣化の度合いに基づいて判定可能である。
シート材60の劣化の要因の1つとしては、樹脂部20,30の押圧の際に、電極板11の加工痕、例えば辺部12aのバリ、がシート材60に干渉することが考えられる。辺部12aのバリは、例えば電極板11の母材をダイカッター等で切断することで電極板11を製造する際に生じる。このような電極板11の加工痕による劣化は、押圧部51に押圧される樹脂辺部21,31が延びる長辺方向Xに生じる。
【0095】
また、シート材60の劣化の別の要因としては、溶融した樹脂部20,30の一部がシート材60に残留することが考えられる。溶融した樹脂部20,30の一部がシート材60に残留することで、シート材60の樹脂部20,30に対する剥離強度が大きくなる。言い換えれば、シート材60が樹脂部20,30に溶着しやすくなる。特に、シート材60のうち溶着の際に樹脂押圧領域R1の端縁E1と接触する領域は、シート材60における他の領域に比べて特に劣化が進行しやすい。
【0096】
このようなシート材60の劣化は、溶着工程S3を行う度に進行する。シート材60の劣化の度合いは、例えば支持部73a,73bに支持された状態のシート材60の全体面積のうち、樹脂部20,30が溶着している領域の面積の比率に基づいて判定すればよい。また、シート材60の劣化の度合いは、支持部73a,73bに支持された状態のシート材60から押圧方向Zのガラス繊維の毛羽立ちに基づいて判定してもよい。このような判定は、例えば目視や画像認識によって行われる。これらの手法により判定されたシート材60の劣化の度合いに基づいて、判定値Nを設定すればよい。なお、判定値Nは、シート材60の劣化の度合いに応じて設定される可変な値としてもよい。
【0097】
<移動工程S6>
一方、移動判定工程S5の判定結果が肯定の場合、すなわち変数kが判定値Nに達している場合、移動工程S6に進む。移動判定工程S5の判定結果が肯定の場合とは、溶着工程S3が所定の回数行われた場合である。したがって、移動工程S6は、溶着工程S3が1回以上行われた場合に行われる。移動工程S6は、溶着工程S3の後に行われる工程ともいえる。
【0098】
移動工程S6において、制御回路90は、巻出部71を制御することによって、巻出部71から巻出調節部72に向けてシート材60を供給する。制御回路90は、巻出部71からシート材60の供給に伴い、巻出調節部72及び巻取調節部74を制御することによって、支持部73a,73bに支持された状態のシート材60を移動方向T(本実施形態では長辺方向X)にスライドさせる。具体的には、制御回路90は、巻出部71からシート材60を供給するとともに、巻出ダンサーローラ72cを第1巻出ガイドローラ72a及び第2巻出ガイドローラ72bに近づける。これにより、シート材60が巻出部71及び巻出調節部72から支持部73a,73bに向けて供給される。これに伴い、支持部73a,73bに支持された状態のシート材60の少なくとも一部が、巻取調節部74に向けて供給される。これにより、支持部73a,73bに支持された状態のシート材60が移動方向T(長辺方向X)にスライドする。具体的には、図6に示すように、シート材60のうちの第1点P1が、第2点P2へとスライドする。第1点P1は、シート材60のうち、移動工程S6が行われる前の溶着工程S3にて樹脂部20,30の樹脂押圧領域R1、特に端縁E1と接触する箇所を示す。第1点P1は、樹脂部20,30と押圧方向Zに向かい合っている。すなわち、第1点P1は、シート押圧領域R2に含まれる。第2点P2は、移動工程S6によるスライド後の第1点P1を示す。第2点P2は、樹脂部20,30と押圧方向Zに向かい合っていない。すなわち、第2点P2は、シート押圧領域R2に含まれない。そのため、シート材60のうちの前回の溶着工程S3にて樹脂押圧領域R1の端縁E1と接触した領域の一部が、次回の溶着工程S3にて樹脂部20,30と接触しなくなる。また、これにより、シート材60のうちの前回の溶着工程S3にて樹脂押圧領域R1の端縁E1と接触しなかった領域の一部が、次回の溶着工程S3にて樹脂部20,30と接触する。このように、移動工程S6では、シート材60のうち溶着工程S3にて樹脂部20,30と接触する領域の少なくとも一部が交換される。移動工程S6でのシート材60の移動距離は、例えば樹脂辺部21,31の移動方向Tの長さに、所定の係数をかけた長さ以上である。当該係数は、0より大きく且つ1以下である。当該係数は、例えば判定値Nを耐用回数で割った値である。これにより、1回の移動工程S6でのシート材60の移動距離を小さくしつつ、シート材60のうち、溶着工程S3が耐用回数以上行われる領域が生じることが抑制される。1回の移動工程S6でのシート材60の移動距離が小さくなることにより、1回の移動工程S6に要する時間が短くなる。
【0099】
また、移動工程S6にて、制御回路90は、巻出ダンサーローラ72cの移動量に応じて、巻取ダンサーローラ74cを第1巻取ガイドローラ74a及び第2巻取ガイドローラ74bから遠ざける。これにより、支持部73a,73bから巻取調節部74に供給されるシート材60が、巻取調節部74に蓄えられる。そのため、支持部73a,73bに支持された状態のシート材60の張力を維持しつつ、シート材60をスライドさせることができる。なお、制御回路90は、巻取調節部74に蓄えられているシート材60を、適宜、巻取部75で巻き取る。
【0100】
移動工程S6が実行された後は、以降の電極ユニット10の製造が初期化工程S1から再び実行される。したがって、以降の電極ユニット10の製造の際に、移動工程S6が実行される都度、シート材60が、巻出部71から巻取部75に向けて送り出される。これにより、移動工程S6において適宜、シート材60の移動方向Tへのスライドが行われる。これにより、移動機構70は、シート材60において当該移動工程S6前の溶着工程S3でのシート押圧領域R2とは移動方向Tに異なる領域を、当該移動工程S6後の溶着工程S3にて押圧可能な位置にスライドさせる。
【0101】
なお、シート材60の移動距離は、樹脂部20,30の材料や形状、シート材60の材料や形状、及び溶着工程S3の具体的態様に応じて適宜設定すればよい。
<第1実施形態の作用>
以下、本実施形態の作用について説明する。
【0102】
押圧部51は、溶着工程S3にて溶融した樹脂部20,30を電極板11に向けて押圧することで、樹脂部20,30が電極板11に溶着される。このとき、押圧部51は、シート材60を介して樹脂部20,30を電極板11に押圧する。
【0103】
ここで、制御回路90は、移動工程S6において、移動機構70に含まれる巻出部71、巻出調節部72、巻取調節部74、及び巻取部75を制御することによって、移動方向Tにシート材60を移動させる。これにより、シート材60のうち、前回の溶着工程S3にて押圧された樹脂部20,30と接触した領域と異なる領域の少なくとも一部が、押圧部51と樹脂部20,30との間に配置される。
【0104】
移動工程S6が実行された後、以降の電極ユニット10の製造方法が初期化工程S1から再び実行される。
<第1実施形態の効果>
以下、本実施形態の効果について説明する。
【0105】
(1-1)溶着装置40は、ワークとしての電極板11に樹脂部20,30を溶着させる。溶着装置40は、押圧部51と、一対の支持部73a,73bと、移動機構70と、を備える。支持部73a,73bは、移動方向Tに離れて配置される。また、支持部73a,73bは、シート材60が押圧面51bを押圧方向Zから覆うようにシート材60を支持する。移動機構70は、支持部73a,73bによって支持された状態のシート材60を移動方向Tにスライドさせる。
【0106】
これによれば、押圧部51が、溶融した樹脂部20,30をワークに向けて押圧する。これにより、樹脂部20,30が電極板11に溶着される。このとき、押圧部51は、シート材60を介して樹脂部20,30を電極板11に押圧する。シート材60が押圧面51bに代わって樹脂部20,30に接触することで、樹脂部20,30の押圧面51bへの溶着が抑制される。
【0107】
本構成では、シート材60の劣化が進んだ場合、シート材60が支持部73a,73bに支持された状態で移動機構70が移動方向Tにシート材60をスライドさせる。シート材60をスライドさせることで、シート材60のうち、前回の押圧部51による押圧によって樹脂部20,30と接触した領域と異なる領域を、押圧面51bと樹脂部20,30との間に配置できる。つまり、シート材60が押圧部51に固定されている場合のように、シート材60の劣化が進んだ領域を交換するために、シート材60と押圧部51との固定を解除する手間を省くことができる。その結果、より短時間で押圧部51と樹脂部20,30との間に配置されているシート材60の交換が容易となる。したがって、溶着装置40の運転効率を向上できる。
【0108】
(1-2)樹脂溶着ワークとしての電極ユニット10を製造する製造方法は、移動工程S6を含む。移動工程S6は、溶着工程S3が1回以上行われた場合に、移動方向T(長辺方向X)にシート材60をスライドさせる。
【0109】
かかる構成において、移動工程S6では、シート材60において当該移動工程S6前の溶着工程S3でのシート押圧領域R2とは移動方向Tに異なる領域を、当該移動工程S6後の溶着工程S3にて押圧可能な位置にスライドさせる。
【0110】
移動工程S6により、シート材60がスライドすることで、シート材60のうち、当該移動工程S6前の溶着工程S3でのシート押圧領域R2、つまり樹脂部20,30と接触した領域と異なる領域が、当該移動工程S6後の溶着工程S3にて樹脂部20,30と接触する。そのため、例えば電極板11を押圧する押圧部51にシート材60が固定されている場合のように、シート材60の劣化が進んだ領域を交換するために必要となるシート材60と押圧部51との固定を解除する手間を省くことができる。その結果、より短時間でシート材60の交換が可能となる。したがって、電極ユニット10の製造効率を向上できる。
【0111】
<第2実施形態の構成>
次に、溶着装置、及び当該溶着装置を用いた電極ユニットの製造方法の第2実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、第2実施形態の構成のうち、第1実施形態と同様の構成については同一の部材番号を付すことによって説明を省略するとともに、異なる構成を説明する。
【0112】
まず、図8図10に示すように、第1実施形態と第2実施形態とでは、シート材60の移動方向Tが異なる。第1実施形態では、支持部73a,73bに支持された状態のシート材60の移動方向Tは、長辺方向Xと一致している。これに対し、第2実施形態におけるシート材60の移動方向Tは短辺方向Yと一致している。
【0113】
また、第1実施形態と第2実施形態とでは、シート材60の幅W1が異なる。第1実施形態におけるシート材60の幅W1は、押圧面51bの短辺の長さWyと等しい。押圧面51bの短辺の長さWyは樹脂辺部21,31の長辺の長さより大きい。そのため、シート材60の幅W1は樹脂辺部21,31の長辺の長さより大きい。これに対し、第2実施形態におけるシート材60の幅W1は、押圧面51bの長辺の長さWx以上である。詳細には、シート材60の幅W1は、押圧面51bの長辺の長さWxと等しい。したがって、第2実施形態のシート材60の幅W1は、第1実施形態のシート材60の幅W1より広い。
【0114】
これに伴い、移動機構70を構成する各部材71,72,73a,73b,74,75の寸法及び方向が変わる。なお、第2実施形態における移動機構70の各部材71,72,73a,73b,74,75の互いの位置関係については、第1実施形態における長辺方向Xを短辺方向Yと読み替えるとともに、第1実施形態における短辺方向Yを長辺方向Xと読み替えればよい。
【0115】
以下、第2実施形態における移動機構70の構成について詳述する。
<巻出部71>
巻出部71は、長辺方向Xに平行な回転軸を中心に回転可能なリールである。下部台座41及び上部台座43に対する巻出部71の位置は、第1実施形態と同様である。
【0116】
<巻出調節部72>
第1巻出ガイドローラ72a、第2巻出ガイドローラ72b、及び巻出ダンサーローラ72cは、それぞれ長辺方向Xに平行な回転軸を中心に回転可能である。
【0117】
<巻出ガイドローラ72a,72b>
第1巻出ガイドローラ72a及び第2巻出ガイドローラ72bは、ともに巻出部71から短辺方向Yに離れて配置されている。
【0118】
<巻出ダンサーローラ72c>
巻出ダンサーローラ72cは、短辺方向Yにおける第1巻出ガイドローラ72aと第2巻出ガイドローラ72bとの中間点から、押圧方向Zに離れて配置されている。
【0119】
<支持部73a,73b>
第1支持部73a及び第2支持部73bは、それぞれ長辺方向Xに平行な回転軸を中心に回転可能である。
【0120】
第1支持部73aは、押圧部51から短辺方向Yに離れて配置されている。第1支持部73aの一部は、押圧面51bの長辺から押圧方向Zに延びる面の1つと短辺方向Yに向かい合っている。
【0121】
第2支持部73bは、第1支持部73aから短辺方向Yに離れて配置されている。第2支持部73bの一部は、押圧面51bの長辺から押圧方向Zに延びる面の1つと短辺方向Yに向かい合っている。第2支持部73bが向かい合う押圧部51の面は、第1支持部73aが向かい合う押圧部51の面と短辺方向Yにおいて反対に位置する。
【0122】
<巻出ガイドローラ74a,74b>
第1巻取ガイドローラ74a、第2巻取ガイドローラ74b、及び巻取ダンサーローラ74cは、それぞれ長辺方向Xに平行な回転軸を中心に回転可能である。
【0123】
第1巻取ガイドローラ74a及び第2巻取ガイドローラ74bは、ともに巻出部71から短辺方向Yに位置している。
<巻取ダンサーローラ74c>
巻取ダンサーローラ74cは、短辺方向Yにおける第1巻取ガイドローラ74aと第2巻取ガイドローラ74bとの中間点から、押圧方向Zに離れている。
【0124】
<巻取部75>
巻取部75は、長辺方向Xに平行な回転軸を中心に回転可能なリールである。巻取部75は、巻出部71と短辺方向Yに離れて配置されている。
【0125】
<シート材60の移動方向T>
第1支持部73aと第2支持部73bとは、短辺方向Yに離れて配置されている。したがって、本実施形態における移動方向Tは、短辺方向Yに平行である。短辺方向Yは押圧方向Zに垂直であるため、本実施形態の移動方向Tは、押圧方向Zと交差している。
【0126】
<電極ユニット10の製造方法>
第2実施形態の溶着装置40を用いた電極ユニット10の製造方法では、第1実施形態と同様の工程S1~S7が行われる。なお、第1実施形態の電極ユニット10の製造方法では移動方向Tが長辺方向Xであったのに対し、第2実施形態では、移動方向Tが短辺方向Yとなっている。
【0127】
<第2実施形態の作用>
シート材60の劣化は、シート材60において、樹脂押圧領域R1のうちの特に端縁E1と接触する領域で進行しやすい。言い換えれば、シート材60の劣化は、シート押圧領域R2のうち、押圧方向Zからの平面視において端縁E1と重なる領域で進行しやすい。端縁E1は、長辺方向Xに延びている。そのため、シート材60のなかで劣化が進行しやすい領域は、長辺方向Xに沿って分布しやすい。
【0128】
そこで、第2実施形態では、移動方向Tが長辺方向Xと交差している。移動工程S6にて、シート材60を移動方向Tにスライドさせることで、シート材60のうち、移動工程S6が行われる前までの溶着工程S3にて端縁E1と接触していた領域の少なくとも一部が、シート押圧領域R2の外に位置することとなる。具体的には、シート材60を移動方向Tにスライドさせることにより、第1点P1が第2点P2へとスライドする。ここで、押圧面51bの短辺の長さWyは、押圧面51bの長辺の長さWxより短い。そのため、移動機構70は、移動方向Tが長辺方向Xに平行な場合に比べて小さい移動距離で、移動工程S6が行われる前までの溶着工程S3にて端縁E1と接触していた領域を、シート押圧領域R2の外に移動させることができる。
【0129】
<第2実施形態の効果>
(2-1)長辺方向Xは、押圧面51bの長辺が延びる方向である。また、移動方向Tは、長辺方向Xと交差する。
【0130】
これによれば、移動方向Tが長辺方向Xと交差しているため、移動方向Tが長辺方向Xに平行な場合に比べて、押圧面51bを覆うシート材60をスライドさせる際のシート材60の移動距離が短くなる。これに伴い、移動方向Tが長辺方向Xに平行な場合に比べてシート材60の交換に要する時間を短くすることができる。したがって、溶着装置40の運転効率をさらに向上できる。
【0131】
また、これによれば、移動方向Tが長辺方向Xと交差しているため、移動方向Tが長辺方向Xに平行な場合に比べて、シート材60の移動距離に応じてスライドされるシート材60の面積が増加する。そのため、短い移動距離でより大量のシート材60を押圧面51bからスライドさせることができる。したがって、溶着装置40の運転効率をさらに向上できる。
【0132】
特に、本実施形態では、移動方向Tは短辺方向Yに沿っている。詳細には、移動方向Tは短辺方向Yに平行である。これにより、移動方向Tが長辺方向Xと交差しており、かつ、長辺方向Xに沿っている場合に比べて、押圧面51bを覆うシート材60をスライドさせる際のシート材60の移動距離がさらに短くなる。したがって、溶着装置40の運転効率をさらに向上できる。
【0133】
(2-2)押圧面51bは、長方形である。また、樹脂押圧領域R1は長方形であるとともに、当該樹脂押圧領域R1の長辺に沿う端縁E1を含む。
かかる構成において、端縁E1が延びる方向を長辺方向Xとすると、移動方向Tは長辺方向Xと交差する。
【0134】
押圧面51bがシート材60を介して樹脂部20,30を押圧する際、シート材60のなかでも樹脂押圧領域R1の端縁E1に接触している領域には、樹脂押圧領域R1の面に接触している領域に比べて大きな負荷が加わる。そのため、シート材60の中でも当該端縁E1に接触している領域は、樹脂押圧領域R1の面に接触している領域に比べて劣化しやすい。
【0135】
そこで本構成では、移動方向Tが長辺方向Xと交差している。これにより、移動機構70がシート材60をスライドさせる前後における上記劣化しやすい領域の重なりが小さくなる。したがって、シート材60の局所的な劣化を抑制できる。
【0136】
<変形例>
実施形態は以下のように変更して実施できる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0137】
・第1実施形態及び第2実施形態の電極ユニット10の製造方法は、配置工程S2を含まなくてもよい。例えば、溶着工程S3は、予め樹脂部20,30が配置された電極板11を用いて行われてもよい。
【0138】
・第1実施形態及び第2実施形態において、移動機構70の具体的態様は、シート材60が支持部73a,73bによって支持されていれば任意である。例えば、移動機構70は、巻出調節部72及び巻取調節部74を備えていなくてもよい。
【0139】
・第1実施形態及び第2実施形態において、支持部73a,73bは、第1支持部73a及び第2支持部73bにより構成されなくてもよい。例えば、支持部73a,73bは、巻出部71及び巻取部75により構成されてもよい。例えば、第1支持部73aを巻出部71に、第2支持部73bを巻取部75に置き換えればよい。この場合、巻出部71及び巻取部75が支持部73a,73bとしてシート材60を支持する。
【0140】
要は、支持部73a,73bは移動機構70の一部として構成されていなくてもよく、支持部73a,73b自体が移動機構70として構成されていてもよい。
・第1実施形態及び第2実施形態において、移動機構70は、巻出部71及び巻取部75を備えていればよく、例えば巻出調節部72、第1支持部73a、第2支持部73b、及び巻取調節部74を備えていなくてもよい。この場合、支持部73a,73bは、押圧部51を用いて実現されてもよい。
【0141】
例えば、第1実施形態において、移動機構70が第1支持部73a及び第2支持部73bを備えていない場合、シート材60は、巻出部71から押圧面51bの2つの短辺を介して巻取部75に移動する。この場合、シート材60は、押圧面51bの2つの短辺によって支持されている。移動機構70は、押圧面51bの2つの短辺によって支持された状態のシート材60を、押圧部51に対して摺動させる。そのため、押圧面51bの2つの短辺が支持部73a,73bとして機能する。なお、この場合、シート材60は押圧部51に対して摺動可能に構成されてもよい。
【0142】
第1実施形態の場合と同様に、第2実施形態において移動機構70が第1支持部73a及び第2支持部73bを備えていない場合、押圧面51bの2つの長辺が支持部73a,73bとして機能する。
【0143】
すなわち、支持部73a,73bは、第1支持部73a及び第2支持部73bのようなローラによって構成されず、押圧部51に対してシート材60が摺動可能な部材によって構成されてもよい。したがって、支持部73a,73bは、移動機構70に含まれるものであっても、移動機構70とは別体のものであってもよい。
【0144】
・第1実施形態及び第2実施形態において、支持部73a,73bに支持された状態のシート材60の移動方向Tは、長辺方向X及び短辺方向Yに限られず、押圧方向Zと交差する方向であれば任意である。例えば、移動方向Tは、押圧方向Zに垂直な任意の方向を採用できる。
【0145】
図11及び図12に示すように、第2実施形態において、支持部73a,73bは、複数の第1の押圧アセンブリ50aの押圧部51、及び複数の第2の押圧アセンブリ50bの押圧部51を、それぞれ架橋するようにシート材60を支持していてもよい。この場合、例えば、一方の支持部73a,73bの第2支持部73bと他方の支持部73a,73bの第1支持部73aを省略してもよい。
【0146】
・第1実施形態及び第2実施形態において、加熱部54は押圧部51と一体でなくてもよく、押圧部51と別体でもよい。この場合、加熱部54は、例えば抵抗発熱器やヒータコイルなどの熱輻射によって樹脂部20,30を加熱するものであってもよい。
【0147】
・第1実施形態及び第2実施形態において、溶着装置40は、絶縁部52、緩衝部53を備えていなくてもよい。
・第1実施形態及び第2実施形態において、押圧面51bの形状は長方形に限られず、押圧面51bで樹脂部20,30を押圧可能であれば任意である。押圧面51bは、押圧方向Zからの平面視において、押圧面51bが樹脂部20,30の全体を含むように構成されていてもよい。この場合、押圧部51は、樹脂部20,30の全体を一度に押圧してもよい。なお、支持部73a,73bは、押圧方向Zからの平面視において、シート材60が樹脂部20,30の全体を含むように、シート材60を支持すればよい。
【0148】
・押圧面51bと同様に、樹脂押圧領域R1の形状は長方形に限られず任意である。
・第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂部20,30は長方形の枠体のものに限らず、例えば電極板11の形状に合わせて任意の形状のものを採用できる。
【0149】
・第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂部20,30が集電体12に溶着可能であれば、電極板11に対する樹脂部20,30の位置は任意である。例えば各樹脂辺部21,31は、辺部12aに沿って配置されていなくてもよく、第1未塗工面14a又は第2未塗工面15a上に配置されていればよい。
【0150】
・第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂部20,30のうちのいずれか一方のみが主面13に配置されていてもよい。
・第1実施形態及び第2実施形態において、電極板11は、第1主面14及び第2主面15の両面に第1活物質層16及び第2活物質層17が配置されている、いわゆるバイポーラ電極でなくてもよい。電極板11は、例えば第1主面14及び第2主面15のいずれか一方にのみ活物質層16,17が設けられている、いわゆるモノポーラ電極であってもよい。
【0151】
・第1実施形態及び第2実施形態において、電極板11は長方形状のものに限られず、例えば多角形、円形など任意の形状のものでもよい。
・第1実施形態及び第2実施形態において、溶着装置40は、2つの押圧アセンブリ50a,50bの一方のみが加熱部54を備えるものであってもよい。このような溶着装置40は、例えば樹脂部20,30のうちのいずれか一方のみを電極板11に溶着する場合に用いることができる。
【0152】
・溶着装置40を用いた樹脂部20,30の溶着対象であるワークは電極板11に限らず、金属箔、セラミクス、木材等、任意である。
【符号の説明】
【0153】
10…電極ユニット、11…電極板、12a…辺部、20,30…樹脂部、21,31…樹脂辺部、40…溶着装置、51…押圧部、51b…押圧面、54…加熱部、60…シート材、70…移動機構、73a,73b…支持部、R2…シート押圧領域、S3…溶着工程、S7…移動工程、T…移動方向、X…長辺方向、Z…押圧方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12