(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】車両用ワイパ
(51)【国際特許分類】
B60S 1/46 20060101AFI20241217BHJP
B60S 1/52 20060101ALI20241217BHJP
B05B 1/10 20060101ALI20241217BHJP
B05B 1/14 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B60S1/46 D
B60S1/52
B05B1/10
B05B1/14 Z
(21)【出願番号】P 2021190466
(22)【出願日】2021-11-24
【審査請求日】2024-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】梅野 多加志
(72)【発明者】
【氏名】松井 孝視
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-162328(JP,A)
【文献】特開2004-081900(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0370495(US,A1)
【文献】特開2015-140135(JP,A)
【文献】特開2016-172486(JP,A)
【文献】特開2007-196724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/46
B60S 1/52
B05B 1/10
B05B 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
払拭面(WSa)を払拭するためのワイパブレード(12)と、前記ワイパブレードと連結して前記ワイパブレードに払拭動作の駆動力を伝達するワイパアーム(11)とを備えるとともに、
前記払拭面にウォッシャ液(W)を噴射供給するウォッシャノズル(20)を前記ワイパアーム又は前記ワイパブレードに一体的に備えてなる車両用ワイパ(10)であって、
前記車両用ワイパの先端部と一致する側の長手方向端部を前記ワイパブレードの先端部(12a)、反対側端部を前記ワイパブレードの後端部(12b)としたとき、
前記ウォッシャノズルは、少なくとも前記ワイパブレードの先端側斜め下向きの前記ウォッシャ液の噴射において、前記ワイパブレードの長手方向に膜状の広がりを有する噴射がなされる膜状噴射部(N1)を備えている
とともに、
前記ウォッシャノズルは、更に前記ワイパブレードの後端側斜め下向きの前記ウォッシャ液の噴射において、直線状の指向性を有する噴射がなされる直線状噴射部(N3)を備えている
車両用ワイパ。
【請求項2】
前記ウォッシャノズルは、前記ウォッシャ液が流れる内部流路(26c)から前記膜状噴射部及び前記直線状噴射部のそれぞれに分岐する分岐流路を備えるものであり、
前記膜状噴射部に向けて分岐する前記分岐流路(26d)の流路断面積(S1)は、前記直線状噴射部に向けて分岐する前記分岐流路(26e)の流路断面積(S2)よりも大きく設定されている、
請求項
1に記載の車両用ワイパ。
【請求項3】
前記膜状噴射部は、前記ウォッシャ液の噴射口(31d)が一方向に長い開口形状をなすものであり、
前記噴射口には、長手方向中央部に絞り部(31f)が設けられている、
請求項1
又は請求項
2に記載の車両用ワイパ。
【請求項4】
前記膜状噴射部は、前記ウォッシャ液の噴射口(31d)が一方向に長い開口形状をなすものであり、
前記噴射口の短手方向の両側には、前記ウォッシャ液の短手方向への広がりを規制すべく一対のガイド壁部(31e)が設けられている、
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の車両用ワイパ。
【請求項5】
前記ウォッシャノズルは、ノズル本体(21)と、前記ウォッシャ液を噴射するための噴射口(31d,33a)を有して前記ノズル本体に組み込まれるノズル部品(31,33)とを備えており、
前記ノズル部品は、前記ウォッシャ液の噴射方向の調整を可能とすべく、前記ノズル本体に対して転動が許容された保持態様にて組み込まれている、
請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の車両用ワイパ。
【請求項6】
前記ウォッシャノズルは、ノズル本体(21)と、前記ウォッシャ液を噴射するための噴射口(32c1~32f1)を有して前記ノズル本体に組み込まれるノズル部品(32)とを備えており、
前記ノズル部品は、前記ウォッシャ液の流路(32b~32f)が溝状をなしており、前記ノズル本体との組付状態において前記溝状の開放部分が閉塞されて周囲の閉じた流路として構成されるものである、
請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の車両用ワイパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォッシャノズル付きの車両用ワイパに関する。
【背景技術】
【0002】
ウォッシャノズル付きの車両用ワイパとしては、特許文献1等に開示の技術が知られている。例えばワイパアームの先端部にウォッシャノズルが装着されており、ワイパブレードの長手方向中央部からワイパブレードの長手方向各所の払拭面に対してウォッシャ液の噴射供給が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウォッシャノズルから払拭面に噴射供給するウォッシャ液は、後のワイパブレードによる払拭を考慮すると、ワイパブレードの長手方向範囲内に無駄なく供給されることが好ましい。このことは車両停車時のみならず、車両走行時においても適切に行われているかが検討課題の一つとしてある。
【0005】
すなわち、車両用ワイパには、車両走行時に車両前方から後方に向かう車両走行風が作用する。車両用ワイパの払拭動作過程でワイパブレードの長手方向が車両の前後方向に沿うような姿勢になると、車両走行風もワイパブレードの長手方向に沿う状況となる。このような状況において、ワイパブレードの先端部にまで供給すべく直線状の指向性を有する噴射にてウォッシャ液を噴射した場合、直線状の指向性を有する噴射はウォッシャ液Wの推進力が強く、局所的に着水する。しかも、払拭面に対するウォッシャ液Wの入射角度が小さいために、払拭面への着水後のウォッシャ液は推進力により噴射方向の先端側に大きく広がりが生じてワイパブレードの先端部から外側に外れた供給となり易い。更に、高速走行時においては走行風の影響も相まって、より一層広がりが促進されてウォッシャ液の供給される領域が安定せず、ワイパブレードの長手方向範囲内の外側にまで供給されてしまい、ウォッシャ液が無駄になってしまう。また、上記ワイパブレードの先端部から外側へのウォッシャ液の流出を抑制すべく、ワイパブレードの長手方向内側寄りに向けた噴射とした場合には、低速走行時に先端部にまで十分にウォッシャ液を供給できない。
【0006】
本発明は、車両走行風の影響を受ける状況であっても、噴射されたウォッシャ液をワイパブレードの長手方向範囲内に良好に供給することができるウォッシャノズル付きの車両用ワイパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する車両用ワイパは、払拭面(WSa)を払拭するためのワイパブレード(12)と、前記ワイパブレードと連結して前記ワイパブレードに払拭動作の駆動力を伝達するワイパアーム(11)とを備えるとともに、前記払拭面にウォッシャ液(W)を噴射供給するウォッシャノズル(20)を前記ワイパアーム又は前記ワイパブレードに一体的に備えてなる車両用ワイパ(10)であって、前記車両用ワイパの先端部と一致する側の長手方向端部を前記ワイパブレードの先端部(12a)、反対側端部を前記ワイパブレードの後端部(12b)としたとき、前記ウォッシャノズルは、少なくとも前記ワイパブレードの先端側斜め下向きの前記ウォッシャ液の噴射において、前記ワイパブレードの長手方向に膜状の広がりを有する噴射がなされる膜状噴射部(N1)を備えている。
【0008】
上記構成によれば、車両用ワイパに備えられるウォッシャノズルは、少なくともワイパブレードの先端側斜め下向きのウォッシャ液の噴射において、ワイパブレードの長手方向に膜状の広がりを有する噴射が膜状噴射部からなされる。膜状噴射部から膜状に噴射されるウォッシャ液は、ワイパブレードの長手方向範囲内に連続的に払拭面に着水させることができ、例えば直線状の指向性を有する噴射を多点で行った場合のような断続した着水と比較して長手方向に略一様で連続したウォッシャ液を供給できる。また、膜状噴射部から膜状に広がって噴射されるウォッシャ液は、直線状の指向性を有する噴射に比較して推進力が弱いため、払拭面に着水後のウォッシャ液は推進力による噴射方向への広がりも小さい。そのため、膜状噴射の先端側がワイパブレードの先端部寄りに噴射されても、着水後の上記推進力による広がりが抑制される。つまり、噴射されたウォッシャ液の払拭面への供給をワイパブレードの長手方向範囲内に無駄なく良好とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態におけるウォッシャノズル付きの車両用ワイパの構成図である。
【
図2】同形態におけるウォッシャノズルの正面図である。
【
図3】同形態におけるウォッシャノズルの組付状態の斜視図である。
【
図4】同形態におけるウォッシャノズルの分解状態の斜視図である。
【
図5】同形態におけるウォッシャノズルの左側面図である。
【
図6】同形態におけるウォッシャノズルの右側面図である。
【
図7】同形態におけるウォッシャノズルの底面図である。
【
図8】同形態におけるウォッシャノズルのノズル部品の斜視図である。
【
図9】同形態におけるウォッシャノズルのノズル部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、車両用ワイパの一実施形態について説明する。
[車両用ワイパ10の全体構成]
図1に示す本実施形態の車両用ワイパ10は、車両前側のウインドシールドWSの外表面を払拭面WSaとして払拭するものである。車両用ワイパ10は、ワイパアーム11とワイパブレード12とを備え、ワイパアーム11の先端部とワイパブレード12の長手方向中央部とが連結されて構成されている。車両用ワイパ10は、ワイパモータ(図示略)の駆動によるワイパアーム11の往復揺動し、ワイパアーム11から駆動力を受けたワイパブレード12が自身の長手方向と直交する方向に往復揺動する。ワイパブレード12は、払拭面WSa上を円弧状に払拭し、払拭面WSa上に付着した雨滴等の異物の払拭を行う。また、本実施形態の車両用ワイパ10は、払拭面WSaにウォッシャ液Wを噴射供給するウォッシャノズル20を一体的に備えている。
【0011】
[ワイパアーム11、ワイパブレード12の構成]
ワイパブレード12は、種々の構成の一例として、メインレバー13、2つのヨークレバー14、2つの可動カバー15、及びブレードラバー16と備えている。これら各部材は、それぞれ一方向に長い形状をなしており、互いの長手方向が揃うように配置されている。
【0012】
メインレバー13の長手方向両端部には、各軸部13aにて各ヨークレバー14の中央部が回動可能に連結されている。各ヨークレバー14のメインレバー13から長手方向外方に向けて若干突出する部位には、各軸部15aにて各可動カバー15の基端部が回動可能に連結されている。各ヨークレバー14に連結された各可動カバー15及びメインレバー13は、長手方向に連続する一体的な外観形状をなしており、長尺のブレードラバー16と長手方向の長さが同等に構成されている。
【0013】
各ヨークレバー14の長手方向両端部には、ブレードラバー16を把持するための各把持部14aが設けられている。また、各可動カバー15の先端部には、ブレードラバー16を把持するための各把持部15bが設けられている。各ヨークレバー14及び各可動カバー15に設けられる計6つの把持部14a,15bは、ブレードラバー16の長手方向に所定間隔を有して位置しており、ブレードラバー16を長手方向の各箇所にて把持する。そして、これら各把持部14a,15bの少なくとも1か所において、ブレードラバー16が長手方向に移動不能に係止されている。
【0014】
このようなワイパブレード12は、メインレバー13の長手方向中央部にてワイパアーム11の先端部と回動可能に連結されている。ワイパアーム11の先端部は、細長板状に作製されたアーム素材をU字状に曲げたフック部(図示略)を有しており、フック部にてワイパブレード12のメインレバー13と連結部材(図示略の例えばクリップ等)を介して連結されている。ワイパアーム11の先端部におけるフック部以降の部位は、所定長さ板状をなす先端板状部11aとなっている。先端板状部11aは、ウォッシャノズル20が装着される部位である。ワイパアーム11の先端部(フック部よりも後端側のフック部に近接した部位)に装着されたウォッシャノズル20は、ワイパブレード12の長手方向中央部の上部付近から払拭面WSaに向けてウォッシャ液Wの噴射供給を行う。
【0015】
ここで、ウォッシャノズル20の下記説明等に用いるべく、車両用ワイパ10の先端部と一致する側の長手方向端部をワイパブレード12の先端部12a、反対側端部をワイパブレード12の後端部12bとする。また、ウォッシャノズル20のワイパアーム11への装着状態において、ウォッシャノズル20の上下方向は、ワイパブレード12が払拭する払拭面WSaの離間及び近接方向である。ウォッシャノズル20の左右方向はワイパブレード12の長手方向、ウォッシャノズル20の奥行方向はワイパブレード12の長手方向と直交する短手方向とする。
【0016】
[ウォッシャノズル20の構成]
図2~
図4等に示すように、ウォッシャノズル20は、ノズル本体21と、第1~第3ノズル部品31~33とを備えている。
【0017】
ノズル本体21は、自身の上部奥側に装着部22を有している。装着部22は、ワイパアーム11の先端板状部11aへの装着のために設けられている。装着部22は、奥側に向けて開口する装着凹部22aを有しており、装着凹部22aにワイパアーム11の先端板状部11aがワイパアーム11の長手方向と直交する幅方向の一方側から挿入される。装着凹部22aへの先端板状部11aの挿入による装着部22の先端板状部11aに対する装着にて、ウォッシャノズル20がワイパアーム11の先端板状部11aに対して保持される。なお、ウォッシャノズル20は、ワイパアーム11の先端板状部11aに対して着脱可能である。また、ウォッシャノズル20は、ワイパアーム11の先端板状部11aと装着凹部22aにて長手方向に係合することで、ウォッシャノズル20のワイパアーム11に対する長手方向移動が制限された状態で装着されている。
【0018】
ノズル本体21の装着部22とは反対側である奥行方向の手前側には、下方に延びる下方延設部23が設けられている。第1~第3ノズル部品31~33は、ノズル本体21の下方延設部23の下部に一体的に組み込まれている。第1~第3ノズル部品31~33は、ノズル本体21の下方延設部23の下部において左右方向に並んで配置されており、ウォッシャノズル20のワイパアーム11への装着状態において、ワイパブレード12の長手方向に並んで配置されている。また、ウォッシャノズル20の同装着状態において、ノズル本体21の手前側に位置する第1~第3ノズル部品31~33は、ワイパブレード12の短手方向一方側(
図1に示すワイパブレード12の手前側)に偏倚した配置となる。つまり、第1~第3ノズル部品31~33は、ワイパブレード12の往復払拭過程における往路前側に位置している。
【0019】
また、第1~第3ノズル部品31~33は、ウォッシャノズル20のそれぞれ第1~第3噴射部N1~N3を構成する。第1噴射部N1は、ウォッシャノズル20の位置するワイパブレード12の長手方向略中央部よりも先端側斜め下向きの噴射を行う。第2噴射部N2は、ワイパブレード12の長手方向略中央下向きの噴射を行う。第3噴射部N3は、ワイパブレード12の長手方向略中央部よりも後端側斜め下向きの噴射を行う。第1~第3噴射部N1~N3は、ワイパブレード12の短手方向一方側において、払拭面WSaに対してウォッシャ液Wの噴射供給を行う。ワイパブレード12の往復払拭の往路側に噴射した場合、ワイパブレード12の進行方向前側、すなわちワイパブレード12の払拭直前の払拭面WSaにウォッシャ液Wが先行して供給される。
【0020】
[第1噴射部N1]
第1噴射部N1は、
図4、
図5、
図7~
図9等に示す第1ノズル部品31を用いて構成されている。第1ノズル部品31は、ノズル本体21の下方延設部23の下部において左右方向一方側に組み付けられている。すなわち、ウォッシャノズル20のワイパアーム11への装着状態において、第1ノズル部品31はワイパブレード12の先端部12a側に対応する部位に組み付けられている。
【0021】
第1ノズル部品31は、略球体状の保持部31aと、ウォッシャ液Wを噴射するノズル部31bとが一体的に設けられている。保持部31aは、ノズル本体21の下方延設部23に設けられた保持凹部24aに液密状態で装着される。保持部31aが保持凹部24aに装着されることにより、第1ノズル部品31はノズル本体21に対して転動可能に保持される。また、保持部31aは、自身の形状からノズル本体21に対して3次元的な移動(転動)が許容された保持態様となっている。つまり、第1ノズル部品31は、自身のノズル部31bの向きが変更可能、すなわちウォッシャ液Wの噴射方向が変更可能である。また、保持部31aには、ノズル本体21側からウォッシャ液Wを導入するための導入流路31cが設けられている(
図9参照)。
【0022】
ノズル部31bは、中央部に噴射口31dと、一対のガイド壁部31eとを有している。噴射口31dは、一方向に長い略長円形状をなしている。また、噴射口31dには、長手方向中央部に絞り部31fが設けられている。噴射口31dは、保持部31aの導入流路31cと連通している。噴射口31dの短手方向の両側には、一対のガイド壁部31eが立設されている。各ガイド壁部31eは、噴射口31dから噴射されるウォッシャ液Wのウォッシャノズル20の奥行方向(ワイパブレード12の幅方向)への広がりを規制する。すなわち、ウォッシャノズル20のワイパアーム11への装着状態において、各ガイド壁部31eは、噴射口31dから噴射されるウォッシャ液Wのワイパブレード12の短手方向への広がりを規制する。
【0023】
そして、第1ノズル部品31の噴射口31dからは、
図1及び
図2に示すように、ワイパブレード12の先端側斜め下向きの第1噴射態様A1によるウォッシャ液Wの噴射が行われる。第1噴射態様A1は、ワイパブレード12の長手方向に膜状の広がりを有する噴射態様(単に膜状噴射という)である。第1噴射態様A1は、ワイパブレード12の先端部12aの略1/4内側から略中央部までの範囲の払拭面WSaへの連続的な着水を想定している。また、第1噴射態様A1の中でも長手方向中央部が他部よりも噴射の勢いが若干強くなる設定となっている。換言すると、第1噴射態様A1が膜状に広がる形状をなすのは噴射口31dの長円形状を反映してのものであり、また同噴射態様A1の中央部の噴射の勢いが強いのは噴射口31dの絞り部31fを反映してのものである。
【0024】
[第2噴射部N2]
第2噴射部N2は、
図4、
図7等に示す第2ノズル部品32を用いて構成されている。第2ノズル部品32は、ノズル本体21の下方延設部23の下部において左右方向中央部に組み付けられている。すなわち、ウォッシャノズル20のワイパアーム11への装着状態において、第2ノズル部品32はワイパブレード12の長手方向略中央部に対応する部位に後述する噴射口32c1~32f1が払拭面WSaと対向状態で組み付けられている。
【0025】
第2ノズル部品32は、略直方体状に構成されている。第2ノズル部品32は、ノズル本体21の下方延設部23に設けられた保持凹部24bに液密状態で装着されて保持される。第2ノズル部品32は、自身の上部が先細形状の挿入部32aであり、保持凹部24bへの挿入が容易となっている。
【0026】
第2ノズル部品32の手前側一面には、ノズル本体21側からウォッシャ液Wを導入するための導入流路32bと、導入流路32bから4つに分岐し導入流路32bよりもそれぞれ流路断面積の小さな噴射流路32c~32fとが設けられている。導入流路32b及び噴射流路32c~32fは、三方が壁面で囲われて一方(手前側一面)が開放された直線の溝形状をなしている。つまり、第2ノズル部品32をノズル本体21の保持凹部24bに組付状態とすることで、保持凹部24bの内壁面にて溝状の開放部分が閉塞されて導入流路32b及び噴射流路32c~32fの周囲四方が閉じた流路として完成する。換言すると、導入流路32b及び噴射流路32c~32fが溝状をなすことから、第2ノズル部品32に対する各流路32b~32fの作製が容易である。より詳しくは、複数の流路32b~32fと噴射口32c1~32f1とは、第2ノズル部品32に対して同時に例えばスライド型等を使用することなく容易に作製することができる。第2ノズル部品32がノズル本体21の保持凹部24bに組み付けられると、ウォッシャノズル20の下部には、4つの噴射流路32c~32fの開口部である4つの噴射口32c1~32f1が構成される(
図7参照)。各噴射口32c1~32f1は、それぞれ矩形状をなしている。
【0027】
そして、第2ノズル部品32の各噴射口32c1~32f1からは、
図1及び
図2に示すように、ワイパブレード12の中央下向きの第2噴射態様A2によるウォッシャ液Wの噴射が行われる。第2噴射態様A2は、ワイパブレード12の長手方向略中央部付近において、若干先端側斜め下に向く2つの噴射態様のものと、若干後端側斜め下に向く2つの噴射態様のものとで構成される。換言すると、第2噴射態様A2を決める各噴射流路32c~32fは、それぞれの向きの噴射を行う傾斜態様をなしている。第2噴射態様A2は、個々の4つの噴射態様がそれぞれ直線状の指向性を有する噴射態様(単に直線状噴射という)である。第2噴射態様A2は、ワイパブレード12の長手方向において第1噴射態様A1に続き各噴射口32c1~32f1からの着水位置が長手方向に並んで、ワイパブレード12の略中央部付近の払拭面WSaへ供給されるよう設定している。特に、ワイパブレード12の若干後端側斜め下に向く2つの噴射態様は、第2ノズル部品32の流路32e,32fの各噴射口32e1,32f1から噴射されるものである。噴射口32e1からの噴射の向きよりも噴射口32f1からの噴射の向きの方が後端側に向けた噴射となるようにそれぞれの方向が設定されている。
【0028】
[第3噴射部N3]
第3噴射部N3は、
図4、
図6、
図7等に示す第3ノズル部品33を用いて構成されている。第3ノズル部品33は、ノズル本体21の下方延設部23の下部において左右方向他方側に組み付けられている。すなわち、ウォッシャノズル20のワイパアーム11への装着状態において、第3ノズル部品33はワイパブレード12の後端部12b側に対応する部位に転動可能に組み付けられている。
【0029】
第3ノズル部品33は、略球体状に構成されている。第3ノズル部品33は、ノズル本体21の下方延設部23に設けられた保持凹部24cに液密状態で装着される。第3ノズル部品33は、自身の形状からノズル本体21に対して3次元的な移動(転動)が許容された保持態様となっている。つまり、第3ノズル部品33は、自身の向きが変更可能、すなわちウォッシャ液Wの噴射方向が変更可能である。第3ノズル部品33は、中央部に噴射口33aを有している(
図6参照)。噴射口33aは、円形状をなしている。
【0030】
そして、第3ノズル部品33の噴射口33aからは、
図1及び
図2に示すように、ワイパブレード12の後端側斜め下向きの第3噴射態様A3によるウォッシャ液Wの噴射が行われる。第3噴射態様A3は、直線状の指向性を有する噴射態様(単に直線状噴射という)である。第3噴射態様A3は、ワイパブレード12の長手方向において第2噴射態様A2に続き噴射口33aからの着水位置が長手方向に並んで、ワイパブレード12の後端部12bの略1/4内側の払拭面WSaへ供給されるよう設定している。この着水の設定は、
図1の破線矢印Wxで示すように、上記第2噴射態様A2における噴射口32f1の噴射の向きを後端側寄りとすることで、第3噴射態様A3はワイパブレード12の長手方向においてより一層後端側への着水を想定して設定することができる。これにより、例えば車両の高速走行時におけるワイパブレード12の後端部12bへ向けた第3噴射態様A3によるウォッシャ液Wの供給を効果的に行うことができる。
【0031】
[第1~第3噴射部N1~N3へのウォッシャ液Wの供給]
図2~
図4等に示すように、ノズル本体21の装着部22の下側には、ワイパブレード12の後端部12b側に向けて突出する導入筒部25が設けられている。導入筒部25は、ワイパアーム11の基端部側に向けて突出している。導入筒部25は、ワイパアーム11に沿って配策されて車体側からウォッシャ液Wの送給を受けるための送給用ホース(図示略)と接続される。ノズル本体21の導入筒部25内側の導入流路26aは、ノズル本体21内の左右方向中央部まで延び、延びた先で手前側に略直交方向に延びる中央流路26bと連通している。中央流路26bは、ノズル本体21の手前側の下方延設部23内で下向に延びる下向流路26cと連通している。
【0032】
下向流路26cは、保持凹部24bに保持された第2ノズル部品32の導入流路32bと連通する。下向流路26cの左右方向一方側からは、第1ノズル部品31を保持する保持凹部24aに向けて分岐流路26dが斜め下向きに延びている。分岐流路26dの下端部は、保持凹部24aに保持された第1ノズル部品31の導入流路31c(
図9参照)と連通する。また、下向流路26cの左右方向他方側からは、第3ノズル部品33を保持する保持凹部24cに向けて分岐流路26eが斜め下向きに延びている。分岐流路26eの下端部は、保持凹部24cに保持された第3ノズル部品33の噴射口33aと連通する。
【0033】
そして、導入筒部25に送給されるウォッシャ液Wは、導入流路26a、中央流路26b、下向流路26cと流れて、下向流路26c自身と2つの分岐流路26d,26eとの3方に分岐する。分岐流路26dから第1ノズル部品31の導入流路31cに進んだウォッシャ液Wは、噴射口31dから第1噴射態様A1である膜状噴射となる。膜状噴射は、ワイパブレード12の先端部12a寄りの払拭面WSa上になされる(
図1参照)。また、下向流路26cから第2ノズル部品32の導入流路32bに進んだウォッシャ液Wは、4つの噴射流路32c~32fを介して各噴射口32c1~32f1から第2噴射態様A2である4本の直線状噴射となる。各直線状噴射は、ワイパブレード12の中央部付近の払拭面WSa上になされる(
図1参照)。更に、分岐流路26eから第3ノズル部品33に進んだウォッシャ液Wは、噴射口33aから第3噴射態様A3である1本の直線状噴射となる。1本の直線状噴射は、ワイパブレード12の後端部12b寄りの払拭面WSa上になされる(
図1参照)。
【0034】
上記噴射に関し、第1噴射態様A1の膜状噴射用のウォッシャ液Wを流す分岐流路26dの流路断面積S1は、第3噴射態様A3の直線状噴射用のウォッシャ液Wを流す分岐流路26eの流路断面積S2よりも大きくしている。第1噴射態様A1の膜状噴射の方が第3噴射態様A3の直線状噴射よりもウォッシャ液Wの単位時間当たりの流量が必要であり、好適な膜状噴射を行わせるために各流路断面積S1,S2が設定されている。
【0035】
[本実施形態の作用]
本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の車両用ワイパ10は、車体側からのウォッシャ液Wの送給に基づき、ウォッシャノズル20の第1~第3噴射部N1~N3から払拭面WSaにそれぞれ第1~第3噴射態様A1~A3のウォッシャ液Wの噴射供給がなされる。第1~第3噴射部N1~N3からのウォッシャ液Wの噴射は、ワイパブレード12の短手方向一方側においてなされる。第1噴射態様A1の膜状噴射はワイパブレード12の先端側斜め下向きに、第2噴射態様A2の4本の直線状噴射は中央下向に、第3噴射態様A3の1本の直線状噴射は後端側斜め下向きになされる。
【0036】
ところで、車両用ワイパ10の払拭動作過程において、ワイパブレード12は、自身の長手方向が車両の幅方向に沿うような姿勢から前後方向に沿うような姿勢へと変化する。ワイパブレード12の長手方向が車両の前後方向に沿った姿勢になると、
図1に示すように、ワイパブレード12周りには、ワイパブレード12の後端部12bから先端部12aに向かうような車両走行風Xが作用する。
【0037】
このような状況で、仮に直線状噴射を第1噴射態様A1に採用した場合、同噴射によるウォッシャ液Wの推進力は強く、局所的に着水する。しかも、払拭面WSaに対するウォッシャ液Wの入射角度が小さいために、払拭面WSaへの着水後のウォッシャ液Wは推進力により噴射方向の先端側に大きく広がりが生じ、ワイパブレード12の先端部12aから外側に外れた供給となり易い。更に、高速走行時においては車両走行風Xの影響も相まって、より一層広がりが促進されてウォッシャ液Wの供給される領域が安定せず、ワイパブレード12の長手方向範囲内の外側にまで供給されてしまう。
【0038】
これに対し、ワイパブレード12の先端側へ噴射する第1噴射態様A1に膜状の広がりを有する膜状噴射を採用する本実施形態では、第1噴射部N1から膜状に広がって噴射されるウォッシャ液Wは、推進力が上記直線状噴射と比較して弱い。そのため、膜状噴射による着水後の払拭面WSa上のウォッシャ液Wは、上記直線状噴射と比較して推進力による噴射方向への広がりが小さくなり、膜状噴射の長手方向先端側でワイパブレード12の先端部12aから外側に外れた供給となるのが抑制可能である。また、上記膜状噴射は、ワイパブレード12の長手方向範囲内、より詳しくはウォッシャ液Wの着水時の広がりを期待した長手方向への供給とは違って長手方向中央寄りから先端側に亘って連続的に払拭面WSaに着水させることができ、長手方向に略一様なウォッシャ液Wの供給が可能である。すなわち、上記直線状噴射のように先端側に多くの液量のウォッシャ液Wが局所的に供給されないので、着水後のウォッシャ液Wが車両走行風Xの追い風を受けてもワイパブレード12の長手方向に広げられる液量は少なくなる。そのため、ウォッシャ液Wの供給される領域が安定し、ワイパブレード12の長手方向範囲内の外側にまで供給されてしまうことを抑制できるので、ウォッシャ液Wを無駄なく良好に供給することができる。なお、上記膜状噴射は、ワイパブレード12の長手方向先端側から中央部寄りに向けては払拭面WSaに対する入射角が漸次大きくなる連続した噴射として見ることができ、長手方向中央寄りにおいては推進力による着水後の広がりがより一層抑制される。
【0039】
ちなみに、寒冷地仕様の車両では、ワイパブレード12が一般仕様と比べて背高のものに交換される。この場合、ウォッシャノズル20の払拭面WSaからの高さ(すなわち、各噴射口の高さ)は、一般仕様のときよりも高い位置となる。すると、ワイパブレード12の先端部12aから外側に外れた供給、いわゆるスプレーアウトが生じ易い状況となる。しかしながら、上記膜状噴射は、推進力が弱いためウォッシャノズル20の高さの変化に対する着水位置の変化を抑制でき、ワイパブレード12の先端部12aから内側に収まる供給とし易い。
【0040】
また、ワイパブレード12の後端側斜め下向きのウォッシャ液Wの噴射について、ウォッシャ液Wが車両走行風Xと逆方向を向く向かい風の中での噴射となるため、車両走行風Xに押し戻され易い状況である。本実施形態ではこれを考慮し、第3噴射態様A3としてウォッシャ液Wの推進力が強い指向性のある直線状噴射を採用することで、向かい風となる車両走行風Xの影響を抑制することが可能である。そのため、同噴射によるウォッシャ液Wの払拭面WSaへの着水についても想定より大きくずれることなく良好に供給することが可能である。
【0041】
なお、本実施形態のウォッシャノズル20は、上記膜状噴射を生じさせる第1ノズル部品31の向きを3次元的に変更可能としていることから、同噴射方向を望ましい方向に調整することが可能である。また、上記直線状噴射を生じさせる第3ノズル部品33についても同様に、自身の向きを変更することで噴射方向の調整が可能である。そのため、ワイパブレード12の個体差、仕様変更等にも容易に対応することができるようになっている。
【0042】
また、本実施形態のウォッシャノズル20の第2噴射部N2は、第2ノズル部品32をノズル本体21の下方延設部23に設けられた保持凹部24bに装着して構成するものである。そのため、噴射流路32c~32f及び噴射口32c1~32f1の数や向きが異なる第2ノズル部品32を保持凹部24bに装着することで、異なる設定の第2噴射部N2をノズル本体21を共用して容易に構成することが可能である。
【0043】
[本実施形態の効果]
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態の車両用ワイパ10に備えられるウォッシャノズル20は、ワイパブレード12の先端側斜め下向きのウォッシャ液Wの噴射において、膜状噴射部としての第1噴射部N1を備える。第1噴射部N1からは、ワイパブレード12の長手方向に膜状の広がりを有するウォッシャ液Wの噴射がなされる。第1噴射部N1から膜状に広がって噴射されるウォッシャ液Wは、ワイパブレード12の長手方向範囲内に連続的に払拭面WSaに着水させることができる。例えば直線状の指向性を有する噴射を多点で(複数の噴射口から)行った場合のような断続した着水と比較して、長手方向に略一様で連続したウォッシャ液Wを供給することができる。また、第1噴射部N1から膜状に広がって噴射されるウォッシャ液Wは、直線状の指向性を有する噴射に比較して推進力が弱いため、払拭面WSaに着水後のウォッシャ液Wは、推進力による噴射方向への広がりも小さい。そのため、膜状噴射の先端側がワイパブレード12の先端部12a寄りに噴射されても、着水後の上記推進力によるウォッシャ液Wの広がりを抑制することができる。このように本実施形態では、噴射されたウォッシャ液Wの払拭面WSaへの供給をワイパブレード12の長手方向範囲内に無駄なく良好とすることができる。
【0044】
(2)本実施形態のウォッシャノズル20は、更にワイパブレード12の後端側斜め下向きのウォッシャ液Wの噴射において、直線状噴射部として第3噴射部N3を備える。第3噴射部N3からは、第1噴射部N1の膜状の広がりを有する噴射とは異なり直線状の指向性を有するウォッシャ液Wの噴射がなされる。第3噴射部N3から直線状に噴射されるウォッシャ液Wは推進力が強く、ウォッシャ液Wが車両走行風Xにより押し戻され易い向かい風の状況となる後端側への噴射であっても車両走行風Xの影響を抑制することができる。そのため、同噴射によるウォッシャ液Wの払拭面WSaへの着水についても想定より大きくずれることなく良好に供給することができる。
【0045】
(3)ウォッシャノズル20は、ウォッシャ液Wが流れる内部流路として、下向流路26cから第1及び第3噴射部N1,N3のそれぞれに分岐する分岐流路26d,26eを備える。第1噴射部N1に向けて分岐する分岐流路26dの流路断面積S1は、第3噴射部N3に向けて分岐する分岐流路26eの流路断面積S2よりも大きい設定である。つまり、第1噴射部N1の膜状噴射の方が第3噴射部N3の直線状噴射よりもウォッシャ液Wの単位時間当たりの流量(液量)が必要となるため、各流路断面積S1,S2を上記設定とすることにより、好適な膜状噴射を行わせることができる。
【0046】
(4)膜状噴射を行う第1噴射部N1において、噴射口31dは一方向に長い開口形状をなすとともに、噴射口31dの長手方向中央部に絞り部31fが設けられる。この絞り部31fの形状を変更することで、両端部と中央部とでウォッシャ液Wの噴射の勢いが調整された膜状噴射を行うことができる。
【0047】
(5)膜状噴射を行う第1噴射部N1において、一方向に長い開口形状をなす噴射口31dの短手方向の両側に一対のガイド壁部31eが突出して設けられる。これにより、ウォッシャ液Wの短手方向への広がりが規制された膜状噴射を行うことができる。
【0048】
(6)ウォッシャノズル20は、ノズル本体21と第1~第3ノズル部品31~33とが別部品として作製され、ノズル本体21に各ノズル部品31~33が一体に組み込まれる構成である。別部品とすることで、ノズル本体21と各ノズル部品31~33とをそれぞれ容易に作製することが可能である。また、第1及び第3ノズル部品31,33は、ノズル本体21に対して転動が許容された保持態様にて組み込まれるため、ウォッシャ液Wの噴射方向の調整を行うことが可能である。
【0049】
(7)第2ノズル部品32に作製するウォッシャ液Wの各流路32b~32fは、それぞれ溝状をなしている。そして、第2ノズル部品32のノズル本体21への組み込みにより、溝状の開放部分が閉塞されて周囲の閉じた各流路32b~32fとして構成される。これにより、各流路32b~32fとその各噴射口32e1~32f1を孔ではなく溝とすることで、樹脂成形の金型構造をスライド型等の追加の金型を用いずに容易に作製することが可能である。
【0050】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0051】
・ワイパブレード12の先端側斜め下向きの噴射に膜状噴射、中央下向きの噴射に4本の直線状噴射、後端側斜め下向きの噴射に1本の直線状噴射をそれぞれ組み合わせたが、噴射態様の組み合わせは一例に過ぎず、適宜変更してもよい。また、直線状噴射の本数も適宜変更してもよい。
【0052】
・ウォッシャノズル20の構成について、ノズル本体21に第1~第3ノズル部品31~33を組み込んで第1~第3噴射部N1~N3を構成したが、本構成は一例に過ぎず、噴射部の数、部品数等、適宜変更してもよい。
【0053】
・ウォッシャノズル20をワイパアーム11に装着したが、ワイパブレード12に装着する態様であってもよい。ウォッシャノズル20を着脱可能な装着としたが、車両用ワイパ10に一体的に設ける態様であってもよい。
【0054】
・車両用ワイパ10の構成について、特に具体的に示したワイパブレード12の構成は一例に過ぎず、適宜変更してもよい。例えばトーナメント状のレバーアッセンブリを用いた構成のもの、レバーを1個のみで構成するもの、レバーレスのもの等に変更してもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 車両用ワイパ、11 ワイパアーム、12 ワイパブレード、12a 先端部、12b 後端部、20 ウォッシャノズル、N1 第1噴射部(膜状噴射部)、W ウォッシャ液、WSa 払拭面