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  • 特許-太陽光電池情報管理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】太陽光電池情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022131965
(22)【出願日】2022-08-22
(65)【公開番号】P2024029614
(43)【公開日】2024-03-06
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】増田 泰造
(72)【発明者】
【氏名】関 康伸
(72)【発明者】
【氏名】粟野 宏基
(72)【発明者】
【氏名】米川 紘輔
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-322114(JP,A)
【文献】特開2016-134554(JP,A)
【文献】特開2014-096511(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2021-0126329(KR,A)
【文献】特開2016-122415(JP,A)
【文献】特開2021-047579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給希望者が供給を希望する車載用太陽光電池の曲率及び前記車載用太陽光電池を搭載する車両の車種を含む供給情報を、供給情報データベースに登録する供給情報登録手段と、
取得希望者が取得を希望する車載用太陽光電池の曲率及び前記車載用太陽光電池を搭載する車両の車種を含む希望情報を取得する希望情報取得手段と、
前記希望情報に合致する供給情報が前記供給情報データベースに登録されているか否かを判断する判断手段と、
前記希望情報に合致する前記供給情報が前記供給情報データベースに登録されている場合、前記取得希望者及び当該供給情報に対応する供給希望者のうち少なくとも一方に通知する通知手段と、
を備える、太陽光電池情報管理システム。
【請求項2】
さらに、前記希望情報に合致する供給情報が前記供給情報データベースに登録されていない場合、入力された前記希望情報を希望情報データベースに登録する希望情報登録手段を備える、
請求項1に記載の太陽光電池情報管理システム。
【請求項3】
前記供給情報及び前記希望情報は、さらに、発電に関する情報、面積、及び価格に関する情報のうち少なくとも1つを含んでいる、
請求項1に記載の太陽光電池情報管理システム。
【請求項4】
前記曲率は、3次元方向の曲率である、
請求項1に記載の太陽光電池情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽光電池情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
中古の太陽光電池の売買を支援するシステムが知られている。
例えば特許文献1には、売却希望者が売却を希望する売却製品と、購入希望者が購入しようとする製品情報及び設置条件とを照合し、適合した売却製品の情報を購入希望者に通知する太陽光電池の売買支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-322114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車載用太陽光電池の普及が進んでいる。上述した特許文献1では、太陽光電池が設置される屋根・壁・窓・地面の形等の設置条件に基づくシミュレーションによって、売却製品と購入を希望する製品情報との照合を行う。しかしながら、特許文献1に開示された技術は、平面に設置される太陽光電池の売買を前提としており、車体のように曲率を有する箇所に設置される太陽光電池の売買をマッチングすることは困難であった。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、曲率を有する箇所に設置される太陽光電池の取引をマッチングする太陽光電池情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一態様は、太陽光電池情報管理システムであって、供給希望者が供給を希望する太陽光電池の曲率を含む供給情報を、供給情報データベースに登録する供給情報登録手段と、取得希望者が取得を希望する太陽光電池の曲率を含む希望情報を取得する希望情報取得手段と、前記希望情報に合致する供給情報が前記供給情報データベースに登録されているか否かを判断する判断手段と、前記希望情報に合致する前記供給情報が前記供給情報データベースに登録されている場合、前記取得希望者及び当該供給情報に対応する供給希望者のうち少なくとも一方に通知する通知手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、曲率を有する箇所に設置される太陽光電池の取引をマッチングする太陽光電池情報管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る太陽光電池情報管理システムの概要を示すブロック図である。
図2】実施の形態に係る太陽光電池情報管理方法の流れを示すフローチャートである。
図3】登録された希望情報に対する合致判断処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0010】
図1は、実施の形態に係る太陽光電池情報管理システム1の概要を示すブロック図である。太陽光電池情報管理システム1は、中古の太陽光電池の情報を管理し、供給希望者と取得希望者とのマッチングを行うシステムである。太陽光電池情報管理システム1は、中古の車載用太陽光電池の情報を管理する際に好適に用いられる。太陽光電池情報管理システム1は、太陽光電池情報管理装置100、供給情報データベース200及び希望情報データベース300を備える。太陽光電池情報管理システム1は、ネットワーク600を介して端末400(400a、400b)と通信可能に接続されている。ネットワーク600は、有線又は無線の通信回線であり、インターネットを含んでも良い。尚、太陽光電池情報管理システム1に接続される端末400は、3以上であってもよい。
【0011】
端末400(400a、400b)は、ユーザー500(500a、500b)が操作可能な通信端末である。端末400は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末等の無線通信機能を備える情報処理装置である。端末400は、ハードウェア構成として、入力装置と、表示装置と、コンピューターとを備える。
【0012】
図1に示す例において、ユーザー500aは、端末400aを操作する。ユーザー500aは、供給希望者である。以下、ユーザー500aを供給希望者500aと称することがある。供給希望者は、中古の太陽光電池の供給を希望するユーザーである。供給希望者500aは、端末400aが備える入力装置を操作し、供給を希望する中古の太陽光電池に関する供給情報を入力する。入力された供給情報は、ネットワーク600を介して太陽光電池情報管理装置100に送信される。供給情報を送信する際には、供給希望者500aの連絡先に関する情報を添えて太陽光電池情報管理装置100に送信する。供給希望者500aの連絡先に関する情報は、例えば、端末400aを識別する情報であってもよいし、供給希望者500aのメールアドレス等であってもよい。また、ネットワーク600を介して太陽光電池情報管理装置100から通知を受信すると、端末400aが備える表示装置は、受信した通知を表示する。
【0013】
また、図1に示す例において、ユーザー500bは、端末400bを操作する。ユーザー500bは、取得希望者である。以下、ユーザー500bを取得希望者500bと称することがある。取得希望者は、中古の太陽光電池の取得を希望するユーザーである。取得希望者500bは、端末400bが備える入力装置を操作し、取得を希望する中古の太陽光電池に関する希望情報を入力する。入力された希望情報は、ネットワーク600を介して太陽光電池情報管理装置100に送信される。希望情報を送信する際には、取得希望者500bの連絡先に関する情報を添えて太陽光電池情報管理装置100に送信する。取得希望者500bの連絡先に関する情報は、例えば、端末400bを識別する情報であってもよいし、取得希望者500bのメールアドレス等であってもよい。また、ネットワーク600を介して太陽光電池情報管理装置100から通知を受信すると、端末400bが備える表示装置は、受信した通知を表示する。
【0014】
供給情報は、供給希望者500aが供給を希望する中古の太陽光電池の曲率を含む。また、希望情報は、取得希望者500bが取得を希望する中古の太陽光電池の曲率を含む。車載用太陽光電池は、例えば、自動車の屋根(ルーフ)の上に設置される。自動車の屋根は、3次元方向の曲率を有する。具体的には、自動車の屋根は、自動車の前後方向及び幅方向に曲率を有する。尚、自動車の前後方向は、自動車の発進方向である。また、自動車の幅方向は、自動車の発進方向及び鉛直方向に直交する方向である。
【0015】
自動車の屋根が有する3次元方向の曲率に沿って形成された太陽光電池を設置すると、少ない個数の太陽光電池を用いて自動車の屋根上の広い面積をカバーすることができる。すなわち、自動車の屋根に沿った3次元方向の曲率を有する太陽光電池を設置することによって、太陽光発電の効率を向上させることができる。太陽光電池情報管理システム1では、曲率を含む供給情報及び希望情報に基づいて中古の太陽光電池のマッチングを行うため、取得希望者500bは、設置を希望する車両の屋根の曲率に合う太陽光電池を取得することができる。
【0016】
供給情報及び希望情報は、さらに、発電に関する情報、面積、価格に関する情報及び設置場所に関する情報のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。発電に関する情報は、太陽光電池の発電量に関する情報であり、例えば、発電容量及び発電効率等である。面積は、太陽光電池の設置面積である。価格に関する情報は、太陽光電池の取引価格に関する情報であり、例えば、供給希望者500aが希望する販売価格である。設置場所に関する情報は、太陽光電池が設置される場所に関する情報であり、例えば、太陽光電池が設置される場所の曲率である。太陽光電池が車載用太陽光電池である場合、設置場所に関する情報は、設置車両に関する情報である。設置車両に関する情報は、太陽光電池が設置される車両に関する情報であり、例えば、設置車両の車種に関する情報等である。供給情報及び希望情報が発電に関する情報、面積、価格に関する情報及び設置場所に関する情報のうち少なくとも1つを含む場合、太陽光電池情報管理システム1は、供給希望者及び取得希望者の希望により合ったマッチングを行うことができる。
【0017】
太陽光電池情報管理装置100は、端末400から取得した情報の管理、供給情報と希望情報との合致、合致した情報の通知等を行う情報処理装置であり、例えば、コンピューターにより実現されるサーバー装置である。太陽光電池情報管理装置100は、複数台のサーバーに冗長化されてもよく、各機能ブロックが複数台のコンピューターによって実現されてもよい。図1に示すように、太陽光電池情報管理装置100は、少なくとも、供給情報登録部110、希望情報取得部120、判断部130及び通知部140を備え、さらに希望情報登録部150を備えていてもよい。
【0018】
供給情報登録部110は、端末400aから供給情報を受信すると、受信した供給情報を供給希望者500aの連絡先に関する情報と紐付けて供給情報データベース200に登録する。供給情報データベース200は、供給情報と、供給情報を入力した供給希望者の連絡先に関する情報と、を紐づけて記憶するデータベースである。供給情報データベース200には、通常複数の供給情報が記憶されている。
【0019】
希望情報取得部120は、端末400bから希望情報を受信し、希望情報及び取得希望者500bの連絡先に関する情報を取得する。判断部130は、希望情報取得部120が取得した希望情報と、供給情報データベース200に登録されている供給情報と、を照合し、希望情報に合致する供給情報が供給情報データベース200に登録されているか否かを判断する。
【0020】
通知部140は、希望情報に合致する供給情報が供給情報データベース200に登録されている場合、取得希望者及び当該供給情報に対応する供給希望者のうち少なくとも一方に通知する。通知部140は、取得希望者に通知する場合、取得希望者の連絡先に関する情報に基づいて取得希望者に通知する。通知部140は、供給希望者に通知する場合、希望情報に合致する供給情報に紐付けられた供給希望者の連絡先に関する情報に基づいて供給希望者に通知する。通知部140から取得希望者及び供給希望者への通知は、例えば、通知部140が端末400に通知を送信することによって行われる。また、取得希望者の連絡先に関する情報及び供給希望者の連絡先に関する情報がメールアドレスである場合、通知部140は、当該メールアドレスに通知内容を含むメールを送信してもよい。
【0021】
希望情報登録部150は、希望情報に合致する供給情報が供給情報データベース200に登録されていない場合、希望情報と、取得希望者の連絡先に関する情報と、を紐付けて希望情報データベース300に登録する。
【0022】
尚、太陽光電池情報管理装置100は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施の形態に係る太陽光電池情報管理方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムを前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、供給情報登録部110、希望情報取得部120、判断部130、通知部140及び希望情報登録部150の機能を実現する。
【0023】
また、供給情報登録部110、希望情報取得部120、判断部130、通知部140及び希望情報登録部150は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)等を用いることができる。
【0024】
また、太陽光電池情報管理装置100の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、太陽光電池情報管理装置100の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0025】
次に、図2を参照して、太陽光電池情報管理装置100の動作例を説明する。図2は、太陽光電池情報管理装置100を用いて行われる太陽光電池情報管理方法(実施の形態に係る太陽光電池情報管理方法)の流れを示すフローチャートである。まず、供給情報登録部110は、供給希望者が供給を希望する太陽光電池の曲率を含む供給情報を、供給情報データベースに登録する(ステップS101)。次に、希望情報取得部120は、取得希望者が取得を希望する太陽光電池の曲率を含む希望情報を取得する(ステップS102)。判断部130は、ステップS102において取得された希望情報に合致する供給情報が供給情報データベース200に登録されているか否かを判断する(ステップS103)。希望情報に合致する供給情報が供給情報データベース200に登録されている場合(ステップS103Yes)、通知部140は、取得希望者及び当該供給情報に対応する供給希望者のうち少なくとも一方に通知する(ステップS104)。希望情報に合致する供給情報が供給情報データベース200に登録されていない場合(ステップS103No)、希望情報登録部150は、当該希望情報を希望情報データベース300に登録する(ステップS105)。
【0026】
このように、実施の形態に係る太陽光電池情報管理方法では、太陽光電池の曲率を含む供給情報に基づいて、取得希望者が取得を希望する太陽光電池に合致する供給情報が供給情報データベースに登録されているか否かを判断する。したがって、曲率を有する箇所に設置される太陽光電池のマッチングを行うことができる。
【0027】
次に、図3を参照して、希望情報が希望情報データベース300に登録された後における太陽光電池情報管理装置100の動作例を説明する。図3は、登録された希望情報に対する合致判断処理の流れを示すフローチャートである。新たな供給情報を受信すると、供給情報登録部110は、受信した供給情報を供給情報データベース200に登録する(ステップS201)。判断部130は、ステップS201において登録した供給情報が希望情報データベース300に登録された希望情報に合致するか否かを判断する(ステップS202)。供給情報が希望情報に合致する場合(ステップS202Yes)、通知部140は、取得希望者及び当該供給情報に対応する供給希望者のうち少なくとも一方に通知する(ステップS203)。このように、太陽光電池情報管理システム1は、希望情報に合致する供給情報が登録されていなかった場合に希望情報を登録し、新たな供給情報が登録される度にマッチングを行ってもよい。
【0028】
本開示は、太陽光電池の普及及びリユースの促進により、脱炭素、カーボンニュートラル、及びSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)に貢献するものである。なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 太陽光電池情報管理システム
100 太陽光電池情報管理装置
110 供給情報登録部
120 希望情報取得部
130 判断部
140 通知部
150 希望情報登録部
200 供給情報データベース
300 希望情報データベース
400(400a、400b) 端末
500(500a、500b) ユーザー
600 ネットワーク
図1
図2
図3