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  • 特許-制御装置、制御方法及び制御プログラム 図1
  • 特許-制御装置、制御方法及び制御プログラム 図2
  • 特許-制御装置、制御方法及び制御プログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 69/08 20220101AFI20241217BHJP
【FI】
H04L69/08
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022532321
(86)(22)【出願日】2021-04-02
(86)【国際出願番号】 JP2021014327
(87)【国際公開番号】W WO2021256052
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2020104509
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】志牟田 亨
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-142247(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0156927(US,A1)
【文献】特許第6671609(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 69/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスの種類毎に異なる独自フォーマットの構成情報を登録する登録部と、
前記独自フォーマットで記述されたデータを受信する受信部と、
前記受信部により受信されたデータの送信元のデバイスに応じて前記独自フォーマットの構成情報を識別し、当該データを所定の共通フォーマットに変換する変換部と、
前記変換部により変換されたデータを、前記共通フォーマットのデータを入力とする解析システムを備えたサーバへ送信する送信部と、を備え、
前記受信部は、前記デバイスの利用者に関する時系列の連続データであるが、前記利用者を識別する情報を含まない複数の医用波形データを受信し、
前記変換部は、前記独自フォーマットで記述が省略されているサンプリング間隔及びAD分解能を含む固有情報を付加して、前記受信されたデータを前記共通フォーマットのデータに変換し、前記共通フォーマットのデータに対して、前記サーバが前記利用者を識別する情報として、前記サーバにおいて予め前記利用者と紐付けられている自装置のIDを付加する制御装置。
【請求項2】
前記登録部は、前記独自フォーマットの構成情報を管理サーバから取得する請求項に記載の制御装置。
【請求項3】
前記登録部は、前記デバイスとの通信接続時に得られるデバイス名に基づいて、前記構成情報を取得する請求項に記載の制御装置。
【請求項4】
前記変換部は、前記共通フォーマットのデータに対して、タイムスタンプを付加する請求項1から請求項のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記受信部が受信するデータのサンプリング時間は1分未満である請求項1から請求項のいずれかに記載の制御装置。
【請求項6】
前記受信部が受信するデータは、複数のデバイスから送信される同一の利用者に関する医用波形データである請求項1から請求項のいずれかに記載の制御装置。
【請求項7】
デバイスの種類毎に異なる独自フォーマットの構成情報を登録する登録ステップと、
前記独自フォーマットで記述されたデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信されたデータの送信元のデバイスに応じて前記独自フォーマットの構成情報を識別し、当該データを所定の共通フォーマットに変換する変換ステップと、
前記変換ステップにおいて変換されたデータを、前記共通フォーマットのデータを入力とする解析システムを備えたサーバへ送信する送信ステップと、を制御装置が実行し、
前記受信ステップにおいて、前記デバイスの利用者に関する時系列の連続データであるが、前記利用者を識別する情報を含まない複数の医用波形データを受信し、
前記変換ステップにおいて、前記独自フォーマットで記述が省略されているサンプリング間隔及びAD分解能を含む固有情報を付加して、前記受信されたデータを前記共通フォーマットのデータに変換し、前記共通フォーマットのデータに対して、前記サーバが前記利用者を識別する情報として、前記サーバにおいて予め前記利用者と紐付けられている前記制御装置のIDを付加する制御方法。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれかに記載の制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解析用のデータを提供する制御装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば患者からセンシングされる医用波形データ等の様々な生理学的パラメータは、複合的に解析され、病状の把握等に利用されている。
このような解析は、AIを用いた解析システムにより自動化される場合もある。この場合、解析システムに対して、所定の共通フォーマットで記述された測定データ等が入力される。
【0003】
ところで、センサ等のデバイスは、それぞれのデバイス毎に独自のフォーマットでデータを記述するため、解析の前に共通フォーマットへの変換が必要となる。
フォーマット変換の手法については、例えば、特許文献1では、医療装置間の通信において、それぞれがサポートしているプロトコルフォーマットの変換を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-198941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、デバイスが出力するデータのフォーマットは、前述のように、様々に異なっていることが想定される。解析用のサーバは、これらの様々なデータを解析システムに入力するために、各データのフォーマットを解読し、共通フォーマットに変換する必要があった。このため、デバイスの種類が増えるに従い、サーバの処理負荷が増大していた。
【0006】
本発明は、複数フォーマットのデータを効率的に解析できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る制御装置は、デバイスの種類毎に異なる独自フォーマットの構成情報を登録する登録部と、前記独自フォーマットで記述されたデータを受信する受信部と、前記受信部により受信されたデータの送信元のデバイスに応じて前記独自フォーマットの構成情報を識別し、当該データを所定の共通フォーマットに変換する変換部と、前記変換部により変換されたデータを、前記共通フォーマットのデータを入力とする解析システムを備えたサーバへ送信する送信部と、を備える。
【0008】
前記変換部は、前記独自フォーマットにおいて記述が省略されている固有情報を付加して、前記受信されたデータを前記共通フォーマットのデータに変換してもよい。
【0009】
前記登録部は、前記独自フォーマットの構成情報を管理サーバから取得してもよい。
【0010】
前記登録部は、前記デバイスとの通信接続時に得られたデバイス名に基づいて、前記構成情報を取得してもよい。
【0011】
前記変換部は、前記共通フォーマットのデータに対して、前記デバイスの利用者を識別する情報として自装置のIDを付加してもよい。
【0012】
前記変換部は、前記共通フォーマットのデータに対して、タイムスタンプを付加してもよい。
【0013】
前記受信部が受信するデータは、時系列の連続データを含んでもよい。
【0014】
前記連続データは、医用波形データであってもよい。
【0015】
本発明に係る制御方法は、デバイスの種類毎に異なる独自フォーマットの構成情報を登録する登録ステップと、前記独自フォーマットで記述されたデータを受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信されたデータの送信元のデバイスに応じて前記独自フォーマットの構成情報を識別し、当該データを所定の共通フォーマットに変換する変換ステップと、前記変換ステップにおいて変換されたデータを、前記共通フォーマットのデータを入力とする解析システムを備えたサーバへ送信する送信ステップと、をコンピュータが実行する。
【0016】
本発明に係る制御プログラムは、前記制御装置としてコンピュータを機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、データ解析を効率的に行えるシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態におけるデータ処理システムの全体構成を示す図である。
図2】実施形態における制御装置の機能構成を示す図である。
図3】実施形態におけるデータフォーマットの変換例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態におけるデータ処理システム1の全体構成を示す図である。
データ処理システム1は、制御装置10と、エッジデバイス20と、解析サーバ30とを備える。
【0020】
制御装置10は、エッジデバイス20及び解析サーバ30と通信接続される。制御装置10は、例えば、個人(患者)毎に設けられ、複数のエッジデバイス20から送信されるデータをそれぞれ変換し、変換後のデータを解析サーバ30へ提供する。
なお、制御装置10とエッジデバイス20との接続は、有線又は無線のいずれでもよく、通信プロトコルも限定されない。
また、制御装置10は、解析サーバ30と、LAN及びインターネット等のネットワークを介して接続されてもよい。
【0021】
エッジデバイス20は、患者の生体情報又は環境情報等を測定するセンサデバイス、カメラデバイス、イベントスイッチ、情報端末等、様々な通信デバイスを含む。
エッジデバイス20が制御装置10へ送信するデータには、例えば、心電図、脳波、血圧、脈波、呼吸、心拍数、酸素飽和度、体温、血糖値、血流、呼気ガス成分、筋電、脳磁図等の医用波形データの他、体表温、活動量、姿勢(体位)、発汗、自律神経機能、睡眠深度、位置(GPS)、気圧、気温、湿度、暑さ指数(WBGT;湿球黒球温度)、照度、騒音等、時系列の連続データが含まれる。
また、エッジデバイス20は、これらの連続データの他、画像データ、音声データ、文字データ等を送信してもよい。
【0022】
解析サーバ30は、エッジデバイス20から送信されたこれらのデータを、制御装置10を介して変換された後に受信する。
解析サーバ30は、受信したデータをユーザに提示、あるいは、解析システムに入力することによりデータ解析を行う。
【0023】
例えば、睡眠時無呼吸症候群の判定には、複数の医用波形が参照される。具体的には、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)では気道が閉塞するが呼吸運動はある。これに対して、中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)では呼吸運動が阻害される。すなわち、呼吸(口、鼻の気流)が止まった後に、胸の上下動があればOSA、なければCSAであるが、いずれの場合も、心拍数、血圧が上昇し、酸素飽和度が低下、睡眠深度が浅くなる現象が連続的に起こる。したがって、呼吸、心拍数、血圧、酸素飽和度、睡眠深度等の相関を解析すれば、睡眠時無呼吸症候群の推定ができる。
【0024】
また、医用波形以外の連続データを組み合わせた解析には、例えば、体温、心拍数、呼吸、体表温、活動量、姿勢(体位)、発汗、自律神経機能、位置(GPS)、気温、湿度、暑さ指数(WBGT;湿球黒球温度)、照度等を組み合わせた熱中症の判定等がある。
【0025】
ユーザ又は解析システムによる解析には、さらに、画像情報及び文字情報等が利用されてもよい。
例えば、イベントスイッチで不定期に発生するイベント情報(例えば、発作の発生情報)は、波形データと組み合わせることで重要性が増す。
【0026】
このような様々なデータは、デバイスのメーカ及び種類に応じて異なり、独自フォーマットで記述されることも多い。
また、連続データについても、例えば次のように、適したサンプリング間隔がそれぞれ異なり、用途によっても増減する。
・心電図、血圧、脈波、血流、筋電、脳磁図、脳波:10msec以下
・心拍数:1sec程度
・酸素飽和度、体温、血糖値、呼気ガス成分、体表温、活動量、姿勢(体位)、発汗、自律神経機能、睡眠深度、位置(GPS)、気圧、気温、湿度、暑さ指数(WBGT;湿球黒球温度)、照度、騒音:60sec以上
【0027】
解析システムに入力するデータフォーマットが限定されるため、解析サーバ30は、これらの独自フォーマットを共通のフォーマットに統一する必要がある。本実施形態では、この共通フォーマットへの変換処理を制御装置10が実行することにより、解析サーバ30の処理負荷を低減し、複数データを複合的に解析する作業を容易にする。
【0028】
図2は、本実施形態における制御装置10の機能構成を示す図である。
制御装置10は、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置(コンピュータ)であり、制御部11及び記憶部12の他、各種データの入出力デバイス及び通信インタフェース等を備える。
【0029】
制御部11は、制御装置10の全体を制御する部分であり、記憶部12に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、登録部111、受信部112、変換部113、送信部114の各部として機能する。制御部11は、CPUであってよい。
【0030】
記憶部12は、ハードウェア群を制御装置10として機能させるための各種プログラム、及び各種データ等の記憶領域であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ又はハードディスクドライブ(HDD)等であってよい。具体的には、記憶部12は、本実施形態の各機能を制御部11に実行させるためのプログラム(制御プログラム)、及び接続されるエッジデバイス20毎のデータフォーマットの構成情報、共通フォーマットの構成情報、受信したデータ等を記憶する。
【0031】
登録部111は、エッジデバイス20の種類毎に異なる独自フォーマットにおけるデータ項目及び順序等の構成情報を、ユーザからの入力等に基づき登録する。
また、登録部111は、独自フォーマットの構成情報を解析サーバ30又は他の外部サーバから取得してもよい。このとき、登録部111は、エッジデバイス20との通信接続時に得られるデバイス名、あるいはエッジデバイス20に固有のID等に基づいて、構成情報を検索することにより取得してもよい。
【0032】
受信部112は、エッジデバイス20の種類毎に異なる独自フォーマットで記述されたデータを受信する。
受信部112が受信するデータは、前述のように医用波形データ等の時系列の連続データを含む。
【0033】
変換部113は、受信部112により受信されたデータの送信元であるエッジデバイス20に応じて独自フォーマットの構成情報を識別し、この受信された独自フォーマットのデータを所定の共通フォーマットに変換する。
このとき、変換部113は、独自フォーマットにおいて記述が省略されている固有情報を付加して、独自フォーマットのデータを共通フォーマットのデータに変換する。
【0034】
また、変換部113は、変換後の共通フォーマットのデータに対して、エッジデバイス20の利用者を識別するための情報として制御装置10のIDを付加する。
さらに、変換部113は、変換後の共通フォーマットのデータに対して、受信時のタイムスタンプを付加する。
なお、共通フォーマットは、MFER等の既存の規格に従ったフォーマットであってもよい。
【0035】
送信部114は、変換部113により変換された共通フォーマットのデータを、解析サーバ30へ送信する。
【0036】
図3は、本実施形態におけるデータフォーマットの変換例を示す図である。
この例では、時系列の連続データAが、各種の省略データが付加されたデータBに変換されている。
【0037】
制御装置10に接続されるエッジデバイス20が予め決まっていると、制御装置10は、このエッジデバイス20の独自フォーマットを事前に登録しておき、エッジデバイス20から受信した連続データAをこの独自フォーマットに従って解釈し、共通フォーマットのデータBに変換する。
【0038】
例えば、サンプリング間隔、分解能(解像度)、チャネル情報等、エッジデバイス20の固有情報は、通信データ量を少なくするために独自フォーマットの連続データAでは省略されている。
制御装置10は、これらの省略されている情報を、共通フォーマットのデータBに追記する。
【0039】
具体的には、例えば次の項目が構成情報に基づいて追加される。
・サンプリング間隔:
連続データの周期であり、図示した例では、0.002秒である。サンプリング周期[Hz]で指定されてもよい。
・オフセット値:
デジタル値0が示す実際の観測値であり、図示した例では、オフセット値=0である。
・AD分解能(解像度):
例えば、分解能として、8bit(256)、12bit(4096)、24bit(16777216)等が設定される。あるいは、図示した例では、分解能に応じた測定可能な最小単位として1.25μVが設定されており、例えば、デジタル値「-128」は、オフセット値が0の場合、-128×1.25μV=-160μVである。
・データ数(サンプル数)
・データ配列(チャネル数、データブロック数、シーケンス等)
【0040】
図示した例では、変換前の連続データAには、0.002秒のサンプリング間隔で観測された8チャネルの時系列データが順に、一列に記述されている。
変換後のデータBには、サンプリング間隔、分解能、及び8チャネルの識別子(I、II、V1~V6)が追記され、8チャネルのデータがそれぞれ個別の列に順に記述されている。
【0041】
また、変換後のデータBには、制御装置10のIDと、タイムスタンプとが付与され、解析サーバ30に送信される。
なお、解析サーバ30が受信する各データのサンプリングレート及びタイムスタンプは異なるが、解析サーバ30は、必要に応じて、サンプリングレートが低いデータを補間してサンプリングレートが高いデータに合わせる等の処理を行う。
【0042】
本実施形態によれば、制御装置10は、エッジデバイス20の種類毎に異なる独自フォーマットの構成情報を登録しておき、独自フォーマットで記述されたデータを受信すると、送信元のエッジデバイス20に応じて構成情報を識別し、このデータを共通フォーマットに変換した後、解析サーバ30へ送信する。
生体情報等を測定するエッジデバイス20は各種あり、データのフォーマットはメーカ及びデバイス種別で異なる場合が多い。また、サンプリングレート、サンプリングタイミング、データサイズ、定期/不定期等がデータ毎に異なり、解析の際に各データの処理を統一的に行うことが難しかった。
このような状況において、制御装置10は、接続されるエッジデバイス20が変わったとしても、種々のデータを同様に共通フォーマットに変換して解析サーバ30に送信する。したがって、解析サーバ30での処理負荷が低減するとともに、データ解析が、特に複数データの同時解析が容易になる。
この結果、複数フォーマットのデータを効率的に解析できるデータ処理システム1が提供される。
【0043】
制御装置10は、独自フォーマットにおいて記述が省略されている固有情報を付加して、受信したデータを共通フォーマットのデータに変換する。
したがって、制御装置10は、解析サーバ30において必要となる情報を予め補って提供することにより、解析サーバ30において情報を検索及び付加するための処理負荷を低減できる。
【0044】
制御装置10は、独自フォーマットの構成情報を解析サーバ30又は他の管理サーバから取得する。
これにより、各種のエッジデバイス20が出力するデータの独自フォーマットに関する情報を、制御装置10毎に登録する必要がなくなる。また、フォーマットが更新された場合、制御装置10毎に登録情報の更新作業をする必要がなくなる。
【0045】
制御装置10は、エッジデバイス20との通信接続時に得られたデバイス名に基づいて、データのフォーマットに関する情報を、解析サーバ30又は他の管理サーバから取得する。
これにより、制御装置10は、サーバに登録されているデバイス名に対応したフォーマットに関する情報を自動で受信するため、情報をサーバに要求するためのユーザ作業を削減できる。
【0046】
制御装置10は、共通フォーマットのデータに対して、エッジデバイス20の利用者を識別する情報として制御装置10のIDを付加する。
仮に、ユーザ(例えば患者)個人に合わせた解析処理を制御装置10が行う場合、制御装置10に個人情報が蓄積されるため、情報漏洩のリスクが高い。また、解析サーバ30がデータ解析する際には、ユーザ毎のデータを取り違えないために、識別情報が必要となるが、制御装置10でユーザのIDを登録する操作は手間が掛かり、入力ミスも生じやすい。さらに、個人情報が保存されることになり、情報漏洩のリスクが高くなってしまう。
そこで、制御装置10のIDとユーザの個人情報とを紐づけて解析サーバ30が管理することで、データに付与された制御装置のIDから、このデータがどのユーザのものであるかが判定される。
したがって、データの取り違えが起こりにくく、かつ、解析に必要な個人情報は解析サーバ30のみに保存されるため、制御装置10からの個人情報の漏洩リスクが小さい。
【0047】
制御装置10は、共通フォーマットのデータに対して、タイムスタンプを付加する。
各データの送受信には、特にネットワークにおいてタイムラグが発生するため、仮に解析サーバ30に届いた時間をデータの取得時間とすると、通信環境に応じて大きな時刻ずれが発生する場合がある。
そのため、データの発生にできるだけ近いタイミングで時刻情報が付与されることが好ましい。しかしながら、各エッジデバイス20で時刻情報(タイムスタンプ)を付与するためには、エッジデバイス20にリアルタイムクロックを搭載する必要があり、デバイスの小型化、低消費電力化、及び低コスト化の障害となる場合がある。
したがって、制御装置10にリアルタイムクロックを搭載することは、大きな時刻ずれの発生を抑制でき、さらに、エッジデバイス20の小型化、低消費電力化、及び低コスト化につながる。
【0048】
制御装置10は、独自フォーマットで記述された時系列の連続データを共通フォーマットのデータに変換する。
これにより、データ処理システム1は、リアルタイムの様々なデータを低負荷で複合的に解析することができる。
データ処理システム1は、特に、連続データとして医用波形データを扱うことで、複数の医用波形を同時に解析し、複数の生体情報が必要な診査を効率的に実施できる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、前述した実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0050】
制御装置10による制御方法は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアによって実現される場合には、このソフトウェアを構成するプログラムが、情報処理装置(コンピュータ)にインストールされる。また、これらのプログラムは、CD-ROMのようなリムーバブルメディアに記録されてユーザに配布されてもよいし、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。さらに、これらのプログラムは、ダウンロードされることなくネットワークを介したWebサービスとしてユーザのコンピュータに提供されてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 データ処理システム
10 制御装置
11 制御部
12 記憶部
20 エッジデバイス
30 解析サーバ
111 登録部
112 受信部
113 変換部
114 送信部
図1
図2
図3