(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】建築物および制御システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2023195850
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 窓
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-271426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋に配置される機器を制御する制御システムを有する建築物であって、
前記制御システムは、
前記部屋において人を検出するように構成される人感センサと、
制御装置と、を備え、
前記機器は、
第1機器と、
前記第1機器よりも、稼働開始および稼働停止によって前記部屋の環境を変化させるまでに要する時間が長いことに基づいて前記人への影響が大きい第2機器と、を含み、
前記制御装置は、
前記人感センサによって検出された検知情報に基づいて、前記部屋における前記人の存否および行動を示す室内行動状態を判定するように構成される室内状態判定部と、
前記室内行動状態に基づいて、
前記第1機器および前記第2機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される機器制御部と、を有し、
前記室内行動状態は、
前記人が前記部屋外から前記部屋内に移動する入室状態と、
前記人が前記部屋内において活動する活動状態と、
前記人が前記部屋内において休息する休息状態と、
前記人が前記部屋内から前記部屋外に移動する退室状態と、
前記人が前記部屋外に所在する不在状態と、を含
み、
前記入室状態は、前記部屋における人の検出から第1期間が経過するまでの期間の部屋の状態であり、
前記退室状態は、前記部屋における人の非検出が第2期間にわたって継続し、かつ、人が前記部屋の外にいるという、部屋の状態であり、
前記機器制御部は、
前記室内行動状態のうちの少なくとも1つの状態において、前記第1機器の運転状態と、前記第2機器の運転状態とが異なるように前記第1機器および前記第2機器を制御するように構成され、
かつ、前記室内行動状態が前記休息状態であると前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態とし、前記第2機器の運転状態を稼働状態とするように構成される、
建築物。
【請求項2】
部屋に配置される機器を制御する制御システムを有する建築物であって、
前記制御システムは、
前記部屋において人を検出するように構成される人感センサと、
制御装置と、を備え、
前記機器は、
第1機器と、
前記第1機器よりも、稼働開始および稼働停止によって前記部屋の環境を変化させるまでに要する時間が長いことに基づいて前記人への影響が大きい第2機器と、を含み、
前記制御装置は、
前記人感センサによって検出された検知情報に基づいて、前記部屋における前記人の存否および行動を示す室内行動状態を判定するように構成される室内状態判定部と、
前記室内行動状態に基づいて、
前記第1機器および前記第2機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される機器制御部と、を有し、
前記室内行動状態は、
前記人が前記部屋外から前記部屋内に移動する入室状態と、
前記人が前記部屋内において活動する活動状態と、
前記人が前記部屋内において休息する休息状態と、
前記人が前記部屋内から前記部屋外に移動する退室状態と、
前記人が前記部屋外に所在する不在状態と、を含
み、
前記入室状態は、前記部屋における人の検出から第1期間が経過するまでの期間の部屋の状態であり、
前記退室状態は、前記部屋における人の非検出が第2期間にわたって継続し、かつ、人が前記部屋の外にいるという、部屋の状態であり、
前記機器制御部は、
前記室内行動状態のうちの少なくとも1つの状態において、前記第1機器の運転状態と、前記第2機器の運転状態とが異なるように前記第1機器および前記第2機器を制御するように構成され、
かつ、
前記室内行動状態が前記退室状態であると前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態とし、前記第2機器の運転状態を稼働状態とし、
前記室内行動状態が前記退室状態から前記不在状態に変化したと前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態に維持し、前記第2機器の運転状態を停止状態とするように構成される、
建築物。
【請求項3】
前記制御システムは、玄関の施錠情報を検出するように構成される施錠センサを、さらに備え、
前記室内状態判定部は、前記施錠情報に基づいて、前記建築物における前記人の存否を判定するように構成され、
前記機器制御部は、前記室内行動状態、および、前記建築物における前記人の存否に基づいて、前記機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される、
請求項1または2に記載の建築物。
【請求項4】
前記制御システムは、前記部屋における環境情報を検出するように構成される環境センサを、さらに備え、
前記室内状態判定部は、前記環境情報から前記部屋の環境状態を判定するように構成され、
前記機器制御部は、前記環境状態が所定の環境条件を満たすと、前記室内行動状態に基づいた前記機器の運転状態の切り替えを保留するように構成される、
請求項1または2に記載の建築物。
【請求項5】
建築物の部屋に配置される機器を制御する制御システムであって、
前記部屋において人を検出するように構成される人感センサと、
制御装置と、を備え、
前記機器は、
第1機器と、
前記第1機器よりも、稼働開始および稼働停止によって前記部屋の環境を変化させるまでに要する時間が長いことに基づいて前記人への影響が大きい第2機器と、を含み、
前記制御装置は、
前記人感センサによって検出された検知情報に基づいて、前記部屋における前記人の存否および行動を示す室内行動状態を判定するように構成される室内状態判定部と、
前記室内行動状態に基づいて、
前記第1機器および前記第2機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される機器制御部と、を有し、
前記室内行動状態は、
前記人が前記部屋外から前記部屋内に移動する入室状態と、
前記人が前記部屋内において活動する活動状態と、
前記人が前記部屋内において休息する休息状態と、
前記人が前記部屋内から前記部屋外に移動する退室状態と、
前記人が前記部屋外に所在する不在状態と、を含
み、
前記入室状態は、前記部屋における人の検出から第1期間が経過するまでの期間の部屋の状態であり、
前記退室状態は、前記部屋における人の非検出が第2期間にわたって継続し、かつ、人が前記部屋の外にいるという、部屋の状態であり、
前記機器制御部は、
前記室内行動状態のうちの少なくとも1つの状態において、前記第1機器の運転状態と、前記第2機器の運転状態とが異なるように前記第1機器および前記第2機器を制御するように構成され、
かつ、前記室内行動状態が前記休息状態であると前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態とし、前記第2機器の運転状態を稼働状態とするように構成される、
制御システム。
【請求項6】
建築物の部屋に配置される機器を制御する制御システムであって、
前記部屋において人を検出するように構成される人感センサと、
制御装置と、を備え、
前記機器は、
第1機器と、
前記第1機器よりも、稼働開始および稼働停止によって前記部屋の環境を変化させるまでに要する時間が長いことに基づいて前記人への影響が大きい第2機器と、を含み、
前記制御装置は、
前記人感センサによって検出された検知情報に基づいて、前記部屋における前記人の存否および行動を示す室内行動状態を判定するように構成される室内状態判定部と、
前記室内行動状態に基づいて、
前記第1機器および前記第2機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される機器制御部と、を有し、
前記室内行動状態は、
前記人が前記部屋外から前記部屋内に移動する入室状態と、
前記人が前記部屋内において活動する活動状態と、
前記人が前記部屋内において休息する休息状態と、
前記人が前記部屋内から前記部屋外に移動する退室状態と、
前記人が前記部屋外に所在する不在状態と、を含
み、
前記入室状態は、前記部屋における人の検出から第1期間が経過するまでの期間の部屋の状態であり、
前記退室状態は、前記部屋における人の非検出が第2期間にわたって継続し、かつ、人が前記部屋の外にいるという、部屋の状態であり、
前記機器制御部は、
前記室内行動状態のうちの少なくとも1つの状態において、前記第1機器の運転状態と、前記第2機器の運転状態とが異なるように前記第1機器および前記第2機器を制御するように構成され、
かつ、
前記室内行動状態が前記退室状態であると前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態とし、前記第2機器の運転状態を稼働状態とし、
前記室内行動状態が前記退室状態から前記不在状態に変化したと前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態に維持し、前記第2機器の運転状態を停止状態とするように構成される、
制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建築物および制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物において、部屋における人の存否に応じて、その部屋に配置される機器を制御するシステムが知られている。特許文献1には、人感センサによって、部屋において人が検知されない場合に、部屋の負荷機器の動作を停止させる機器制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、部屋に人が居なくても機器の稼働を停止しない方が好ましい場合がある。例えば、人が部屋を一時的に退室する場合などに機器を停止すると、部屋に人が戻ってきた際に再び機器の稼働が必要なため、人が煩わしさを感じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決する建築物は、部屋に配置される機器を制御する制御システムを有する建築物であって、前記制御システムは、前記部屋において人を検出するように構成される人感センサと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記人感センサによって検出された検知情報に基づいて、前記部屋における前記人の存否および行動を示す室内行動状態を判定するように構成される室内状態判定部と、前記室内行動状態に基づいて、前記機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される機器制御部と、を有し、前記室内行動状態は、前記人が前記部屋外から前記部屋内に移動する入室状態と、前記人が前記部屋内において活動する活動状態と、前記人が前記部屋内において休息する休息状態と、前記人が前記部屋内から前記部屋外に移動する退室状態と、前記人が前記部屋外に所在する不在状態と、を含む。
【0006】
この構成によれば、室内行動状態が部屋における人の存否および行動に関する複数の状態を含むため、制御装置が人の行動に基づいて機器を細やかに制御できる。
【0007】
(2)上記(1)に記載の建築物において、前記制御システムは、玄関の施錠情報を検出するように構成される施錠センサを、さらに備え、前記室内状態判定部は、前記施錠情報に基づいて、前記建築物における前記人の存否を判定するように構成され、前記機器制御部は、前記室内行動状態、および、前記建築物における前記人の存否に基づいて、前記機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される。
【0008】
この構成によれば、室内状態判定部が、建築物における人の存否によって、部屋における人の存否をより精確に判定できる。このため、制御装置が人の行動に基づいて機器をより細やかに制御できる。
【0009】
(3)上記(1)または(2)に記載の建築物において、前記機器は、第1機器と、前記第1機器よりも、稼働開始および稼働停止による前記人への影響が大きい第2機器と、を含み、前記機器制御部は、前記室内行動状態のうちの少なくとも1つの状態において、前記第1機器の運転状態と、前記第2機器の運転状態とが異なるように前記第1機器および前記第2機器を制御するように構成される。
【0010】
この構成によれば、第1機器と第2機器とを異なる態様で制御できる。例えば、第1機器および第2機器が異なる時期に稼働開始または稼働停止するように機器を制御できる。また、機能の異なる第1機器および第2機器のそれぞれを、部屋における人の存否および行動に基づいて細やかに運転できる。
【0011】
(4)上記(3)に記載の建築物において、前記機器制御部は、前記室内行動状態が前記休息状態であると前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態とし、前記第2機器の運転状態を稼働状態とするように構成される。
【0012】
この構成によれば、人が部屋内において休息していると第1機器が停止状態となるため、第1機器の電力消費を抑制できる。
【0013】
(5)上記(3)または(4)に記載の建築物において、前記機器制御部は、前記室内行動状態が前記退室状態であると前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態とし、前記第2機器の運転状態を稼働状態とし、前記室内行動状態が前記退室状態から前記不在状態に変化したと前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態に維持し、前記第2機器の運転状態を停止状態とするように構成される。
【0014】
この構成によれば、人が部屋内から部屋外に移動しても第2機器の稼働状態が維持されるため、部屋外から部屋内に人が部屋に戻ってきた場合に、第2機器の運転状態を停止状態から稼働状態に切り替える必要がない。このため、第2機器の稼働停止による人への影響を抑制できる。また、人が部屋内から部屋外に移動した後に人が部屋内に戻ってこないときのように室内行動状態が退室状態から不在状態に変化する場合、第2機器が停止状態となるため、第2機器の消費電力の増加を抑制できる。
【0015】
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の建築物において、前記制御システムは、前記部屋における環境情報を検出するように構成される環境センサを、さらに備え、前記室内状態判定部は、前記環境情報から前記部屋の環境状態を判定するように構成され、前記機器制御部は、前記環境状態が所定の環境条件を満たすと、前記室内行動状態に基づいた前記機器の運転状態の切り替えを保留するように構成される。
【0016】
この構成によれば、環境状態が所定の環境条件を満たす場合に、機器の運転状態の切り替えが保留されるため、機器の消費電力の増加を抑制できる。
【0017】
(7)上記課題を解決する制御システムは、建築物の部屋に配置される機器を制御する制御システムであって、前記部屋において人を検出するように構成される人感センサと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記人感センサによって検出された検知情報に基づいて、前記部屋における前記人の存否および行動を示す室内行動状態を判定するように構成される室内状態判定部と、前記室内行動状態に基づいて、前記機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される機器制御部と、を有し、前記室内行動状態は、前記人が前記部屋外から前記部屋内に移動する入室状態と、前記人が前記部屋内において活動する活動状態と、前記人が前記部屋内において休息する休息状態と、前記人が前記部屋内から前記部屋外に移動する退室状態と、前記人が前記部屋外に所在する不在状態と、を含む。
【0018】
この構成によれば、室内行動状態が部屋における人の存否および行動に関する複数の状態を含むため、制御装置が人の行動に基づいて機器を細やかに制御できる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の建築物及び制御システムは、部屋における人の存否および行動に基づいて、細やかに機器を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】実施形態に係る制御システムのブロック図である。
【
図5】機器制御部によって実行される制御を示すフローチャートである。
【
図6】機器制御部による機器の制御の第1例を示すタイミングチャートである。
【
図7】機器制御部による機器の制御の第2例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態>
図1から
図7を参照して、本実施形態に係る建築物10および制御システム20を説明する。
【0022】
<建築物>
図1に示されるように、本実施形態の建築物10は、戸建ての住宅である。
図1は、1階建ての戸建ての住宅を例示するが、戸建ての住宅は2階以上の階数を有していてもよい。建築物10は、集合住宅、宿泊施設、医療施設、および、老人施設等の居住施設であってもよい。建築物10は、ショッピングモール、オフィスビル、および、屋内型のアミューズメントパーク等の商業施設であってもよい。
【0023】
建築物10は、部屋11を備える。部屋11は、第1部屋11a、第2部屋11b、第3部屋11c、第4部屋11d、および、第5部屋11eを含む。例えば、第1部屋11aはリビングであって、第2部屋11bはキッチンであって、第3部屋11cは個室であって、第4部屋11dは脱衣所であって、第5部屋11eは浴室である。建築物10は、玄関12を備える。玄関12は、廊下13を介して第1部屋11a、第2部屋11b、第3部屋11c、第4部屋11d、および、第5部屋11eのそれぞれと繋がる。
【0024】
部屋11には、機器14が設けられる。機器14は、明るさ、温度、室温、におい、および、音等、部屋11の環境を変化させる装置である。機器14は、インターネット等の通信ネットワークを介して、制御システム20と通信可能に構成される。機器14は、第1機器14aと、第2機器14bと、を含む。
図1では、第1部屋11aに機器14が設けられる場合を例示するが、機器14は、第1部屋11a、第2部屋11b、第3部屋11c、第4部屋11d、および、第5部屋11eのそれぞれに設けられてもよい。
【0025】
第2機器14bは、第1機器14aよりも、稼働開始および稼働停止による人への影響が大きい。稼働開始および稼働停止による人への影響は、例えば、機器14が部屋11の環境を変化させるまでに要する時間である。第1機器14aは、例えば、照明、または、音響スピーカである。第2機器14bは、例えば、空調機器、換気機器、または、暖房機器である。空調機器は、例えば、冷房または暖房を行う装置である。空調機器は、加湿器、空気清浄機、および、デフューザ等の装置であってもよい。換気機器は、例えば、換気扇である。暖房機器は、例えば、電気ヒータまたはガスファンヒータである。
【0026】
第2機器14bは、自動水栓、または、調理用加熱器であってもよい。自動水栓は、例えば、電動で水栓の元栓が操作される装置である。自動水栓によれば、例えば、人の外出時、元栓が閉じられることによって水の出しっぱなしが抑制される。調理用加熱器は、例えば、ガスコンロまたは電気コンロである。
【0027】
以下では、第1部屋11aを部屋11の一例として説明する。第1部屋11aには、第1機器14aおよび第2機器14bの両方が設けられる。第1部屋11aの第1機器14aは照明であって、第1部屋11aの第2機器14bは空調機器である。
【0028】
<制御システム>
図1および
図2に示されるように、建築物10は、制御システム20を有する。制御システム20は、HEMS(Home Energy Management System)を構成する。HEMSには、機器14が接続される。制御システム20は、建築物10の部屋11に配置される機器14を制御する。制御システム20は、部屋11における人の存否および行動に基づいて機器14を制御する。人は、部屋11を使用する人である。人は、一時的に建築物10に宿泊する人、または一時的に建築物10を使用する人であってもよい。
【0029】
制御システム20は、人感センサ21と、制御装置30と、を備える。制御システム20は、施錠センサ22を、さらに備える。制御システム20は、環境センサ23を、さらに備える。人感センサ21、施錠センサ22、および、環境センサ23は、有線または無線によって制御装置30と通信可能に接続される。人感センサ21、施錠センサ22、および、環境センサ23は、無線LAN、インターネット等の通信ネットワークを介して制御装置30と接続されてもよい。
【0030】
制御システム20は、複数の人感センサ21を含んでもよい。複数の人感センサ21のそれぞれは、第1部屋11a、第2部屋11b、第3部屋11c、第4部屋11d、および、第5部屋11eのそれぞれに設けられてもよい。制御システム20は、複数の環境センサ23を含んでもよい。複数の環境センサ23のそれぞれは、第1部屋11a、第2部屋11b、第3部屋11c、第4部屋11d、および、第5部屋11eのそれぞれに設けられてもよい。
【0031】
<センサ>
人感センサ21は、部屋11において人を検出するように構成される。人感センサ21は、例えば、焦電センサである。焦電センサは、部屋11における人の動きを検知することによって、部屋11において人を検出する。人感センサ21は、部屋11の天井または壁面に取り付けられる。人感センサ21は、部屋11において人を検出すると、部屋11において人が検出されたことを示す検知情報を制御装置30に出力する。
【0032】
施錠センサ22は、玄関12の施錠情報を検出するように構成される。施錠情報は、例えば、玄関12における鍵の施錠に関する情報である。施錠情報は、例えば、玄関12が建築物10外から施錠されたことを含む。施錠情報は、玄関12が建築物10内から施錠されたこと、玄関12が建築物10外から解錠されたこと、および、玄関12が建築物10内から解錠されたことの少なくとも1つを、さらに含んでもよい。施錠センサ22は、玄関12の施錠情報を検出すると、その施錠情報を制御装置30に送信する。本実施形態の施錠センサ22は、玄関12が建築物10外から施錠されると、施錠情報を制御装置30に出力する。
【0033】
環境センサ23は、部屋11における環境情報を検出するように構成される。環境センサ23は、部屋11において検出した環境情報を制御装置30に送信する。本実施形態の環境状態は、部屋11の温度を含む。本実施形態の環境センサ23は温度センサを含む。温度センサは、部屋11の温度を検出するように構成される。本実施形態では、環境センサ23は、部屋11の温度を検出すると、部屋11の温度に関する信号を制御装置30に出力する。
【0034】
<制御装置>
制御装置30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ディスプレイ、通信回路、及び入力デバイスを含むコンピュータである。制御装置30は、例えば、自宅サーバとして構成される。本実施形態の制御装置30は、第2部屋11bに配置される。制御装置30は、他の部屋11に配置されてもよい。本実施形態では、制御装置30は建築物10に配置されるが、制御装置30は、クラウドサーバのような外部サーバによって構成されてもよい。制御装置30は、機器14のうちの1つに搭載されてもよい。制御装置30は、インターネット等の通信ネットワークを介して、建築物10外の端末装置とデータ通信可能に構成されてもよい。制御装置30は、制御プログラムを実行することによって、機器14を制御する。
【0035】
制御装置30は、室内状態判定部31と、機器制御部32と、を有する。室内状態判定部31および機器制御部32は、プログラムによって動作する1つまたは複数のCPU、または、1つまたは複数のMPU(Micro Processing Unit)を含む。室内状態判定部31および機器制御部32は、CPUまたはMPUを含む回路、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む回路、或いは、これらの回路の組み合わせ回路として構成されてもよい。室内状態判定部31および機器制御部32は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等のメモリを含んでもよい。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムを格納する。
【0036】
制御装置30は、部屋情報記憶部33と、機器情報記憶部34と、を、さらに有してもよい。部屋情報記憶部33および機器情報記憶部34は、RAM及びROM等の半導体メモリ、ハードディスク、磁気テープ、または、光ディスクによって構成される。
【0037】
<室内状態判定部>
図2に示されるように、室内状態判定部31は、人感センサ21によって検出された検知情報に基づいて室内行動状態を判定するように構成される。検知情報は、人感センサ21から制御装置30に出力される。室内状態判定部31は、検知情報に基づいて部屋11における人の存否および活動を判定する。室内状態判定部31は、人感センサ21が部屋11の出入り口に配置されることによって、検知情報から部屋11における人の出入りを判定するように構成されてもよい。
【0038】
室内行動状態は、部屋11における人の存否および行動を示す状態である。室内行動状態は、入室状態と、活動状態と、休息状態と、退室状態と、不在状態と、を含む。入室状態は、人が部屋11外から部屋11内に移動する状態である。活動状態は、人が部屋11内において活動する状態である。休息状態は、人が部屋11内において休息する状態である。退室状態は、人が部屋11内から部屋外に移動する状態である。不在状態は、人が部屋11外に所在する状態である。
【0039】
室内状態判定部31は、例えば、人が部屋11内に居るか、または部屋11外に居るかを判定可能に構成される。室内状態判定部31は、部屋11の人感センサ21から制御装置30に検知情報が出力されると、人が部屋11内に居ると判定する。室内状態判定部31は、部屋11の人感センサ21から検知情報が出力されていない状態において、部屋11とは異なる場所に設けられる人感センサ21から検知情報が出力されると、人が部屋11外に居ると判定する。室内状態判定部31は、例えば、人が部屋11内にいると判定した後に、部屋11の出入り口に配置される人感センサ21が人を検出すると、人が部屋11内から部屋11外に移動したと判定してもよい。室内状態判定部31は、例えば、人が部屋11外に居ると判定した後に、部屋11の出入り口に配置される人感センサ21が人を検出すると、人が部屋11外から部屋11内に移動したと判定してもよい。
【0040】
室内状態判定部31による室内行動状態の判定について説明する。室内状態判定部31は、部屋11における人の検出および非検出に基づいて室内行動状態を判定する。部屋11において人が検出される場合は、部屋11の人感センサ21から検知情報が出力される状態である。部屋11において人が非検出の場合は、部屋11の人感センサ21が検知情報を出力しない状態である。
【0041】
室内状態判定部31は、室内行動状態が不在状態である場合に、部屋11において人が検出されると、室内行動状態が不在状態から入室状態に変化したと判定する。
【0042】
室内状態判定部31は、室内行動状態が不在状態である場合に、人感センサ21が部屋11において人を検出してから第1期間T1が経過したときに人を検出する場合、室内行動状態が活動状態であると判定する。室内状態判定部31は、部屋11内において人が検出される場合、室内行動状態が活動状態であると判定する。
【0043】
室内状態判定部31は、部屋11において人の非検出の期間が第2期間T2継続し、かつ、人が部屋11内に居ると判定すると、室内行動状態が休息状態である判定する。なお、室内行動状態が休息状態であると判定する場合の人が部屋11内に居るとの判定は、人が部屋11外に居ると判定しないことに基づいて行われる。
【0044】
室内状態判定部31は、部屋11において人の非検出の期間が第2期間T2継続し、かつ、人が部屋11外に居ると判定すると、室内行動状態が退室状態であると判定する。
【0045】
室内状態判定部31は、室内行動状態が退室状態であると判定してから、部屋11において人の非検出の期間が第3期間T3継続し、人が部屋11外に居ると判定すると、室内行動状態が不在状態である判定する。
【0046】
室内状態判定部31は、室内行動状態が休息状態である場合に、部屋11において人が検出されると、室内行動状態が活動状態であると判定してもよい。室内状態判定部31は、室内行動状態が退室状態である場合に、部屋11において人が検出されると、室内行動状態が活動状態であると判定してもよい。
【0047】
室内状態判定部31は、所定の部屋11だけでなく、第1部屋11a、第2部屋11b、第3部屋11c、第4部屋11d、および、第5部屋11eのそれぞれにおいて室内行動状態を判定してもよい。室内状態判定部31は、各部屋の室内行動状態を部屋情報記憶部33に記憶させる。
【0048】
室内状態判定部31は、施錠情報に基づいて、建築物10における人の存否を判定するように構成される。施錠情報は、施錠センサ22から制御装置30に出力される。室内状態判定部31は、例えば、玄関12が建築物10外から施錠されたという施錠情報が施錠センサ22から制御装置30に出力されると、建築物10に人が不在であると判定する。好ましくは、室内状態判定部31は、例えば、玄関12が建築物10外から施錠された後に、建築物10において人感センサ21による人の非検出の期間が第4期間T4継続すると、建築物10に人が不在であると判定する。室内状態判定部31は、例えば建築物10を使用する人が一人である場合に、建築物10外から玄関12の鍵が施錠されると、建築物10に人が不在であると判定してもよい。室内状態判定部31は、建築物10に人が不在であると判定すると、部屋11の室内行動状態が不在状態であると判定してもよい。
【0049】
室内状態判定部31は、環境情報から部屋11の環境状態を判定するように構成される。環境情報は、環境センサ23から制御装置30に出力される。本実施形態では、室内状態判定部31は、温度センサが検出した温度から、部屋11の温度を判定する。室内状態判定部31は、所定の部屋11だけでなく、第1部屋11a、第2部屋11b、第3部屋11c、第4部屋11d、および、第5部屋11eのそれぞれにおいて環境状態を判定してもよい。室内状態判定部31は、各部屋の環境状態を部屋情報記憶部33に記憶させる。
【0050】
<部屋情報記憶部>
図2および
図3に示されるように、部屋情報記憶部33は、部屋11に関する部屋情報を記憶するように構成される。部屋情報記憶部33は、第1部屋11a、第2部屋11b、第3部屋11c、第4部屋11d、および、第5部屋11eのそれぞれに関する部屋情報を記憶するように構成されてもよい。
図3は、部屋情報記憶部33に記憶される部屋情報の一例を示す。部屋情報には、各部屋の識別情報ごとに、部屋種別、室内行動状態、および、環境状態が含まれる。部屋種別は、各部屋におけるリビング、キッチン、個室、脱衣所、および、浴室等の用途である。室内行動状態は、室内状態判定部31によって判定される状態である。環境状態は、各部屋において、室内状態判定部31によって判定される状態である。本実施形態では、環境状態として各部屋の温度が記憶される。
【0051】
<機器情報記憶部>
図2および
図4に示されるように、機器情報記憶部34は、機器14に関する機器情報を記憶するように構成される。機器情報記憶部34は、建築物10に配置される全ての機器14に関する機器情報を記憶するように構成されてもよい。
図4は、機器情報記憶部34に記憶される機器情報の一例を示す。機器情報は、各機器の識別番号ごとに、機器種別、配置部屋の識別番号、運転状態、および、所定の環境条件が含まれる。機器種別は、各機器の種類である。配置部屋の識別番号は、各機器が配置される部屋11の識別番号である。運転状態は、機器制御部32によって切り替えられる機器14の現在の運転状態である。所定の環境条件は、機器制御部32による機器14の制御のために、機器ごとに設定される条件である。
【0052】
<機器制御部>
図2に示されるように、機器制御部32は、機器14を制御するように構成される。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて、機器14の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される。稼働状態は、機器14が稼働する状態である。停止状態は、機器14が稼働を停止する状態である。
【0053】
機器制御部32は、室内行動状態のうちの少なくとも1つの状態において、第1機器14aの運転状態と、第2機器14bの運転状態とが同じ運転状態となるように第1機器14aおよび第2機器14bを制御するように構成される。機器制御部32は、室内行動状態のうちの少なくとも1つの状態において、第1機器14aの運転状態と、第2機器14bの運転状態とが異なるように第1機器14aおよび第2機器14bを制御するように構成される。機器制御部32は、例えば、室内行動状態が入室状態、休息状態、または、退室状態であると室内状態判定部31が判定する場合に、第1機器14aの運転状態と第2機器14bの運転状態とを異ならせるように構成される。
【0054】
機器制御部32は、室内行動状態が入室状態であると室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を稼働状態とし、第2機器14bの運転状態を停止状態とするように構成される。
【0055】
機器制御部32は、室内行動状態が活動状態であると室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を稼働状態とし、第2機器14bの運転状態を稼働状態とするように構成される。
【0056】
機器制御部32は、室内行動状態が休息状態であると室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態とし、第2機器14bの運転状態を稼働状態とするように構成される。
【0057】
機器制御部32は、室内行動状態が退室状態であると室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態とし、第2機器14bの運転状態を稼働状態とするように構成される。
【0058】
機器制御部32は、室内行動状態が不在状態であると室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態とし、第2機器14bの運転状態を停止状態とするように構成される。
【0059】
機器制御部32による室内行動状態に基づいた機器14の運転状態の切り替えについて説明する。
機器制御部32は、室内行動状態が不在状態であると室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態とし、第2機器14bの運転状態を停止状態とする。室内行動状態が不在状態である場合に、部屋11の人感センサ21から制御装置30に検知情報が出力されると、室内行動状態が入室状態であると室内状態判定部31が判定する。機器制御部32は、室内行動状態が不在状態から入室状態に変化したと室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を稼働状態とし、第2機器14bの運転状態を停止状態に維持する。
【0060】
機器制御部32は、室内行動状態が入室状態から活動状態に変化したと室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を稼働状態に維持し、第2機器14bの運転状態を稼働状態とする。
【0061】
機器制御部32は、室内行動状態が活動状態から休息状態に変化したと室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態とし、第2機器14bの運転状態を稼働状態に維持する。機器制御部32は、室内行動状態が休息状態から活動状態に変化したと室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を稼働状態とし、第2機器14bの運転状態を稼働状態に維持してもよい。
【0062】
機器制御部32は、室内行動状態が活動状態から退室状態に変化したと室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態とし、第2機器14bの運転状態を稼働状態に維持する。機器制御部32は、室内行動状態が退室状態から活動状態に変化したと室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を稼働状態とし、第2機器14bの運転状態を稼働状態に維持してもよい。
【0063】
機器制御部32は、室内行動状態が退室状態から不在状態に変化したと室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態に維持し、第2機器14bの運転状態を停止状態とするように構成される。第1機器14aの運転状態を停止状態にし、第2機器14bの運転状態を停止状態にした後、室内状態判定部31は、部屋11の人感センサ21から制御装置30に検知情報が出力されると、室内行動状態が入室状態であると判定する。
【0064】
機器制御部32は、建築物10における人の存否に基づいて、次のように機器14を制御してもよい。機器制御部32は、室内行動状態、および、建築物10における人の存否に基づいて、機器14の運転状態を、稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される。機器制御部32は、建築物10に人が不在と室内状態判定部31が判定することに基づいて、室内行動状態に関わらず、第1機器14aの運転状態を停止状態とし、第2機器14bの運転状態を停止状態とするように構成される。
【0065】
機器制御部32は、部屋11の環境状態に基づいて、次のように機器14を制御してもよい。機器制御部32は、環境状態が所定の環境条件を満たすと、室内行動状態に基づいた機器14の運転状態の切り替えを保留するように構成される。本実施形態の所定の環境条件は、部屋11の温度に関する条件を含む。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて機器14である空調機器の運転状態を停止状態から稼働状態に切り替える場合に、部屋11の温度が適温であると、暖房機器の運転状態の切り替えを保留する。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて機器14である空調機器の運転状態を停止状態から稼働状態に切り替える場合に、部屋11の温度が適温ではないと、第2機器14bの運転状態の切り替えを実行する。
【0066】
機器制御部32は、部屋11の温度と、所定温度との差が所定閾値以内である場合に、部屋11の温度が適温であると判定する。所定温度は、例えば、夏場だと28度に、冬場だと20度に設定される。所定閾値は、例えば、3度に設定される。所定温度および所定閾値は、部屋種別、季節等に応じて適宜変更可能である。
【0067】
図5は、機器制御部32による機器14の制御に関する処理を示す。
図5に示される処理は所定時間ごとに実行される。
【0068】
ステップS11において、機器制御部32は、部屋11の室内行動状態を取得して、ステップS12に移行する。機器制御部32は、例えば、部屋情報記憶部33から部屋11の室内行動状態を取得する。
【0069】
ステップS12において、機器制御部32は、機器14の運転状態を切り替えるか否かを判定する。機器制御部32は、例えば、機器14の運転状態が、部屋11の室内行動状態に基づいた機器14の運転状態と対応していない場合、機器14の運転状態を切り替えると判定する。機器制御部32は、機器14の運転状態を切り替える場合、ステップS13に移行する。
【0070】
ステップS13において、機器制御部32は、部屋11の環境状態が所定の環境条件を満たすか否かを判定する。機器制御部32は、例えば、部屋情報記憶部33から部屋11の環境状態を取得する。機器制御部32は、例えば、機器情報記憶部34から機器14の所定の環境条件を取得する。機器制御部32は、部屋11の環境状態が所定の環境条件を満たす場合、機器14の運転状態の切り替えを行わずに、
図5の処理を終了する。機器制御部32は、部屋11の環境状態が所定の環境条件を満たさない場合、ステップS14に移行する。ステップS14において、機器制御部32は、室内行動状態に基づいて機器14の運転状態を切り替える。
【0071】
図6および
図7を参照して、部屋11における制御システム20による機器14の動作を説明する。
図6および
図7において、(a)人感センサの検出は、人感センサ21が部屋11において人の動きを検出している状態を示す。(a)人感センサの非検出は、人感センサ21が部屋11において人の動きを検出していない状態を示す。(b)施錠センサの検出は、施錠センサ22が玄関12の外からの施錠を検出した状態を示す。(b)施錠センサの非検出は、施錠センサ22が玄関12の外からの施錠を検出していない状態を示す。(c)第1機器の稼働状態および停止状態は、第1機器14aの運転状態を示す。(d)第2機器の稼働状態および停止状態は、第2機器14bの運転状態を示す。
【0072】
図6は、部屋11における制御システム20による機器14の動作の第1例を示す。時刻t10では、室内状態判定部31は、部屋11の室内行動状態が不在状態であると判定している。
【0073】
時刻t11は、人感センサ21が部屋11において人を検出した時刻である。時刻t11において、室内状態判定部31は、部屋11の室内行動状態が不在状態から入室状態に変化したと判定する。時刻t11において、機器制御部32は、第1機器14aの運転状態を停止状態から稼働状態に切り替える。
【0074】
時刻t12は、時刻t11から第1期間T1経過した時刻である。時刻t12において、室内状態判定部31は、部屋11の室内行動状態が入室状態から活動状態に変化したと判定する。時刻t12において、機器制御部32は、第2機器14bの運転状態を稼働状態に切り替える。
【0075】
時刻t13は、人感センサ21が部屋11において人を検出しなくなる時刻である。すなわち、時刻t13は、人感センサ21が部屋11において人の動きを検出しなくなる時刻である。
【0076】
時刻t14は、時刻t13から、人感センサ21が非検出のまま第2期間T2が経過した時刻である。時刻t14において、室内状態判定部31は、人が部屋11内に居ないと判定すると、部屋11の室内行動状態が活動状態から退室状態に変化したと判定する。なお、時刻t14において、室内状態判定部31は、人が部屋11内に居ると判定すると、部屋11の室内行動状態が活動状態から休憩状態に変化したと判定する。時刻t14において、機器制御部32は、第1機器14aの運転状態を停止状態に切り替える。
【0077】
時刻t15は、時刻t14から、人感センサ21が非検出のまま第3期間T3が経過した時刻である。時刻t15において、室内状態判定部31は、部屋11内に人が居ないと判定すると、部屋11の室内行動状態が不在状態に変化したと判定する。時刻t15において、機器制御部32は、第1機器14aの運転状態を停止状態に切り替える。室内状態判定部31は、時刻t15において人感センサ21が部屋11において人を検出していないため、部屋11に人が居ないと判定してもよい。
【0078】
図7は、部屋11における制御システム20による機器14の動作の第2例を示す。
図7の人感センサ21、第1機器14a、および第2機器14bの状態は、
図7と同じである。時刻t20から時刻t23は、
図7の時刻t10から時刻t13までに対応するため、重複する説明を省略する。
【0079】
時刻t24は、施錠センサ22が玄関12の外からの施錠を検出した時刻である。
【0080】
時刻t25は、時刻t24から、建築物10の人感センサ21が非検出のまま第4期間T4経過した時刻である。時刻t25において、室内状態判定部31は、建築物10に人が不在であると判定する。機器制御部32は、時刻t25において、第1機器14aの運転状態を停止状態に切り替える。機器制御部32は、時刻t25において、第2機器14bの運転状態を停止状態に切り替える。室内状態判定部31は、時刻t24において、第4期間T4の経過を待たずに建築物10に人が不在であると判定してもよい。
【0081】
第1期間T1、第2期間T2、第3期間T3、および、第4期間T4は、変更可能に構成される。例えば、第1期間T1を短く設定することによって、室内行動状態が入室状態から活動状態に変化したと室内状態判定部31が判定するまでの期間が短くなる。例えば、第2期間T2を短く設定することによって、室内行動状態が活動状態から休息状態または退室状態に変化したと室内状態判定部31が判定するまでの期間が短くなる。例えば、第3期間T3を長く設定することによって、室内行動状態が退室状態から不在状態に変化したと室内状態判定部31が判定するまでの期間が長くなる。例えば、第4期間T4を短く設定することによって、建築物10に人が不在であると室内状態判定部31が判定するまでの判定が早くなる。
【0082】
<実施形態の作用>
本実施形態の第1の作用を説明する。
部屋11に人が居ない状態において機器14が稼働し続けると無駄な消費電力が発生する虞がある。このような機器14の切り忘れは、人が部屋11を退室する場合などに発生する。建築物10では、制御システム20によって、室内活動状態が不在状態であると、機器14の運転状態が停止状態に切り替えられる。このため、制御システム20によって、機器14の切り忘れが発生しても、無駄な消費電力の増加が抑制される。
【0083】
本実施形態の第2の作用を説明する。
一方で、人が部屋11を退出した後、すぐに部屋11へ戻ってくる場合に、あえて機器14がつけっぱなしにされることがある。このような場合に、機器14の運転状態を停止状態に切り替えると、機器14の再稼働によって人が煩わしさを感じる虞がある。制御システム20では、室内活動状態が退室状態であると判定すると、第1機器14aの運転状態を停止状態に切り替え、第2機器14bの運転状態を稼働状態に維持する。部屋11に人が戻ってくると、室内活動状態が退室状態から活動状態に変化したと判定されるため、第1機器14aのみが再稼働される。第2機器14bの再稼働が不要なため、人が煩わしさを感じにくい。
【0084】
本実施形態の第3の作用を説明する。
制御システム20は、第1機器14aと第2機器14bとの間において異なる制御を行うように構成される。制御システム20において第2機器14bは、第1機器14aに比べて稼働開始および稼働停止が行われにくいように制御される。第2機器14bの方が第1機器14aよりも稼働開始および稼働停止による人への影響が大きいため、第1機器14aと第2機器14bとを同じように制御する場合よりも、人への影響を少なくできる。
【0085】
本実施形態の第4の作用を説明する。
第1期間T1を設定することによって、人が部屋11に入室した際の第2機器14bの稼働開始の応答性を変更できる。第2期間T2を設定することによって、人が部屋11から退出する際、または人が部屋11において休憩する際の第1機器14aの稼働停止の応答性を変更できる。第3期間T3を設定することによって、人が部屋11から退出した際の第2機器14bの稼働停止の応答性を変更できる。第4期間T4を設定することによって、人が建築物10から外出した際の機器14の稼働停止の応答性を変更できる。第1期間T1、第2期間T2、第3期間T3、および、第4期間T4を設定することによって、人の生活に合わせて、機器14の稼働開始および稼働停止の応答性と、機器14の無駄な消費電力の増加とのバランスを図ることができる。
【0086】
本実施形態の第5の作用を説明する。
室内状態判定部31は、施錠情報に基づいて建築物10における人の存否を判定する。人の外出後に、例えば機器14のつけっぱなし等の注意喚起を、スマートフォン等の外部端末を介して人に報知することもできる。第4期間T4を適切に設定することによって、人が外出後に、建築物10に戻り易いように早めに報知できる。
【0087】
本実施形態の第6の作用を説明する。
制御システム20は、部屋11の環境状態が所定の環境条件を満たす場合に、機器14の運転状態の切り替えを行わないように構成される。例えば、機器14が空調機器である場合には、部屋11の温度が人にとって快適な温度だと、機器14の稼働開始を保留することによって、電力消費の増加を抑制できる。
【0088】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果を説明する。
(1)建築物10は、制御システム20を有する。制御システム20は、人感センサ21と、制御装置30と、を備える。制御装置30は、室内状態判定部31と、機器制御部32と、を有する。室内状態判定部31は、人感センサ21によって検出された検知情報に基づいて室内行動状態を判定するように構成される。室内行動状態は、入室状態と、活動状態と、休息状態と、退室状態と、不在状態と、を含む。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて、機器14の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される。
【0089】
この構成によれば、室内行動状態が部屋11における人の存否および行動に関する複数の状態を含むため、制御装置30が人の行動に基づいて機器14を細やかに制御できる。
【0090】
(2)制御システム20は、施錠センサ22を、さらに備える。室内状態判定部31は、施錠センサ22が検出する施錠情報に基づいて、建築物10における人の存否を判定するように構成される。機器制御部32は、室内行動状態、および、建築物10における人の存否に基づいて、機器14の運転状態を、稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される。
【0091】
この構成によれば、室内状態判定部31が、建築物10における人の存否によって、部屋11における人の存否をより精確に判定できる。このため、制御装置30が人の行動に基づいて機器14をより細やかに制御できる。例えば、室内状態判定部31は、建築物10に人が居ない場合、部屋11に人が居ないことをより精確に判定できる。
【0092】
(3)機器14は、第1機器14aと、第2機器14bと、を含む。第2機器14bは、第1機器14aよりも、稼働開始および稼働停止による人への影響が大きい。機器制御部32は、室内行動状態のうちの少なくとも1つの状態において、第1機器14aの運転状態と、第2機器14bの運転状態とが異なるように第1機器14aおよび第2機器14bを制御するように構成される。
【0093】
この構成によれば、第1機器14aと第2機器14bとを異なる態様で制御できる。例えば、第1機器14aおよび第2機器14bが異なる時期に稼働開始または稼働停止するように機器14を制御できる。機能の異なる第1機器14aおよび第2機器14bのそれぞれを、部屋11における人の存否および行動に基づいて細やかに運転できる。
【0094】
(4)機器制御部32は、室内行動状態が休息状態であると室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態とし、第2機器14bの運転状態を稼働状態とするように構成される。
【0095】
この構成によれば、人が部屋11内において休息していると第1機器14aが停止状態となるため、第1機器14aの電力消費を抑制できる。
【0096】
(5)機器制御部32は、室内行動状態が退室状態であると室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態とし、第2機器14bの運転状態を稼働状態とするように構成される。機器制御部32は、室内行動状態が退室状態から不在状態に変化したと室内状態判定部31が判定することに基づいて、第1機器14aの運転状態を停止状態に維持し、第2機器14bの運転状態を停止状態とするように構成される。
【0097】
この構成によれば、人が部屋11内から部屋11外に移動しても第2機器14bの稼働状態が維持されるため、部屋11外から部屋11内に人が戻ってきた場合に、第2機器14bの運転状態を停止状態から稼働状態に切り替える必要がない。このため、第2機器14bの稼働停止による人への影響を抑制できる。また、人が部屋11内から部屋11外に移動した後に、人が部屋11内に戻ってこないときのように室内行動状態が退室状態から不在状態に変化する場合、第2機器14bが停止状態となるため、第2機器14bの消費電力の増加を抑制できる。
【0098】
(6)制御システム20は、環境センサ23を、さらに備える。室内状態判定部31は、環境センサ23が検出する環境情報から部屋11の環境状態を判定するように、さらに構成される。機器制御部32は、環境状態が所定の環境条件を満たすと、室内行動状態に基づいた機器14の運転状態の切り替えを保留するように構成される。
【0099】
この構成によれば、環境状態が所定の環境条件を満たす場合に、機器14の運転状態の切り替えが保留されるため、機器14の消費電力の増加を抑制できる。
【0100】
(7)制御システム20は、建築物10の部屋11に配置される機器14を制御する。制御システム20は、人感センサ21と、制御装置30と、を備える。制御装置30は、室内状態判定部31と、機器制御部32と、を有する。室内状態判定部31は、人感センサ21によって検出された検知情報に基づいて室内行動状態を判定するように構成される。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて、機器14の運転状態を稼働状態と、停止状態との間において切り替えるように構成される。
【0101】
この構成によれば、室内行動状態が部屋11における人の存否および行動に関する複数の状態を含むため、制御装置30が人の行動に基づいて機器14を細やかに制御できる。
【0102】
<変形例>
上記実施形態は、建築物10および制御システム20が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。建築物10および制御システム20は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例を示す。
【0103】
<第1の変形例>
環境情報は、例えば、部屋11の温度、明るさ、湿度、二酸化炭素濃度、およびにおいの少なくとも1つに関する情報を含んでもよい。本変形例の環境センサ23は、温度センサ、照度計、湿度センサ、二酸化炭素濃度センサ、および、においセンサの少なくとも1つを含む。本変形例の所定の環境条件は、部屋11の温度、明るさ、湿度、二酸化炭素濃度、およびにおいの少なくとも1つに関する条件を含む。
【0104】
機器14が照明である場合、所定の環境条件は、部屋11の明るさに関する条件を含む。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて照明の運転状態を停止状態から稼働状態に切り替える場合に、部屋11が明るいと、照明の運転状態の切り替えを保留する。
【0105】
機器14が除湿機能を有する空調機器である場合、所定の環境条件は、部屋11の湿度に関する条件を含んでもよい。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて空調機器の除湿機能の運転状態を停止状態から稼働状態に切り替える場合に、部屋11の湿度が低いと、空調機器の除湿機能の運転状態の切り替えを保留する。
【0106】
機器14が換気機器である場合、所定の環境条件は、部屋11の湿度、二酸化炭素濃度、および、においの少なくとも1つに関する条件を含んでもよい。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて換気機器の運転状態を停止状態から稼働状態に切り替える場合に、部屋11の湿度が低いと、換気機器の運転状態の切り替えを保留する。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて換気機器の運転状態を稼働状態から停止状態に切り替える場合に、部屋11の二酸化炭素濃度が高いと、部屋11の二酸化炭素濃度が十分低くなるまで、換気機器の運転状態の切り替えを保留する。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて換気機器の運転状態を稼働状態から停止状態に切り替える場合に、部屋11のにおいが強いと、部屋11のにおいが十分弱くなるまで、換気機器の運転状態の切り替えを保留する。
【0107】
機器14が暖房機器である場合、所定の環境条件は、温度に関する条件を含んでもよい。機器制御部32は、暖房機器の運転状態を停止状態から稼働状態に切り替える場合に、部屋11の温度が十分高いと、暖房機器の運転状態の切り替えを保留する。
【0108】
<その他の変形例>
・空調機器、換気機器、暖房機器、自動水栓、および、調理用加熱器のうちの1つが第1機器14aであって、第1機器14aとは別の1つが第2機器14bであってもよい。
【0109】
・人感センサ21は、二酸化炭素センサであってもよい。部屋11に人が居る場合、人が居ない場合に比べて、二酸化炭素濃度が高くなる。本変形例の室内状態判定部31は、二酸化炭素センサが検出した二酸化炭素濃度が所定の閾値以上である場合に、部屋11に人が居ると判定する。本変形の室内状態判定部31は、二酸化炭素センサが検出した二酸化炭素濃度によって、人が部屋11に居るか否かを判定してもよい。
【0110】
・人感センサ21は、例えば、カメラを含んでもよい。室内状態判定部31は、カメラが撮影した映像から、人が部屋11内に居るか、または部屋11外に居るかを判定可能に構成されてもよい。室内状態判定部31は、建築物10を複数の人が使用する場合に、カメラが撮影した映像から、複数の人のそれぞれが建築物10のうちのどこに居るかを判定してもよい。
【0111】
・制御装置30は、外部端末を介してユーザによる操作が入力されるように構成されてもよい。ユーザは、部屋11を使用する人であってもよく、建築物10外に所在する人であってもよい。外部端末は、スマートフォン、タブレット端末、および、PC等の端末装置である。機器制御部32は、ユーザの操作に基づいて機器14を制御するように構成されてもよい。機器制御部32は、ユーザの操作に基づいて機器14の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えてもよい。機器制御部32は、室内活動状態に基づいて機器14を制御する場合に、機器14の運転状態をユーザに報知するように構成されてもよい。
【0112】
・制御システム20から施錠センサ22が省略されてもよい。本変形例では、室内状態判定部31が、建築物10における人の存否の判定を行わなくてもよい。
【0113】
・制御システム20から環境センサ23が省略されてもよい。本変形例では、
図6の処理からステップS14が省略されてもよい。
【0114】
・機器14は、第1機器14aおよび第2機器14bのいずれか一方のみを含んでもよい。
【0115】
・第1期間T1、第2期間T2、第3期間T3、および第4期間T4は、複数の機器14ごとに異なる期間が設定されてもよい。
【0116】
本明細書には以下の技術が開示される。
[付記1]
部屋に配置される機器を制御する制御システムを有する建築物であって、前記制御システムは、前記部屋において人を検出するように構成される人感センサと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記人感センサによって検出された検知情報に基づいて、前記部屋における前記人の存否および行動を示す室内行動状態を判定するように構成される室内状態判定部と、前記室内行動状態に基づいて、前記機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される機器制御部と、を有し、前記室内行動状態は、前記人が前記部屋外から前記部屋内に移動する入室状態と、前記人が前記部屋内において活動する活動状態と、前記人が前記部屋内において休息する休息状態と、前記人が前記部屋内から前記部屋外に移動する退室状態と、前記人が前記部屋外に所在する不在状態と、を含む、建築物。
【0117】
[付記2]
前記制御システムは、玄関の施錠情報を検出するように構成される施錠センサを、さらに備え、前記室内状態判定部は、前記施錠情報に基づいて、前記建築物における前記人の存否を判定するように構成され、前記機器制御部は、前記室内行動状態、および、前記建築物における前記人の存否に基づいて、前記機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される、付記1に記載の建築物。
【0118】
[付記3]
前記機器は、第1機器と、前記第1機器よりも、稼働開始および稼働停止による前記人への影響が大きい第2機器と、を含み、前記機器制御部は、前記室内行動状態のうちの少なくとも1つの状態において、前記第1機器の運転状態と、前記第2機器の運転状態とが異なるように前記第1機器および前記第2機器を制御するように構成される、付記1または2に記載の建築物。
【0119】
[付記4]
前記機器制御部は、前記室内行動状態が前記休息状態であると前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態とし、前記第2機器の運転状態を稼働状態とするように構成される、付記3に記載の建築物。
【0120】
[付記5]
前記機器制御部は、前記室内行動状態が前記退室状態であると前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態とし、前記第2機器の運転状態を稼働状態とし、前記室内行動状態が前記退室状態から前記不在状態に変化したと前記室内状態判定部が判定することに基づいて、前記第1機器の運転状態を停止状態に維持し、前記第2機器の運転状態を停止状態とするように構成される、付記3に記載の建築物。
【0121】
[付記6]
前記制御システムは、前記部屋における環境情報を検出するように構成される環境センサを、さらに備え、前記室内状態判定部は、前記環境情報から前記部屋の環境状態を判定するように構成され、前記機器制御部は、前記環境状態が所定の環境条件を満たすと、前記室内行動状態に基づいた前記機器の運転状態の切り替えを保留するように構成される、付記1に記載の建築物。
【0122】
[付記7]
建築物の部屋に配置される機器を制御する制御システムであって、前記部屋において人を検出するように構成される人感センサと、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記人感センサによって検出された検知情報に基づいて、前記部屋における前記人の存否および行動を示す室内行動状態を判定するように構成される室内状態判定部と、前記室内行動状態に基づいて、前記機器の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される機器制御部と、を有し、前記室内行動状態は、前記人が前記部屋外から前記部屋内に移動する入室状態と、前記人が前記部屋内において活動する活動状態と、前記人が前記部屋内において休息する休息状態と、前記人が前記部屋内から前記部屋外に移動する退室状態と、前記人が前記部屋外に所在する不在状態と、を含む、制御システム。
【符号の説明】
【0123】
10…建築物、11…部屋、12…玄関、14…機器、14a…第1機器、14b…第2機器、20…制御システム、21…人感センサ、22…施錠センサ、23…環境センサ、30…制御装置、31…室内状態判定部、32…機器制御部。
【要約】
【課題】部屋における人の存否および行動に基づいて、細やかに機器を制御できる建築物及び制御システムを提供する。
【解決手段】建築物は、部屋に配置される機器14を制御する制御システム20を有する。制御システム20は、人感センサ21と、制御装置30と、を備える。制御装置30は、室内状態判定部31と、機器制御部32と、を有する。室内状態判定部31は、人感センサ21によって検出された検知情報に基づいて部屋における人の存否および行動を示す室内行動状態を判定するように構成される。機器制御部32は、室内行動状態に基づいて、機器14の運転状態を稼働状態と停止状態との間において切り替えるように構成される。室内行動状態は、入室状態と、活動状態と、休息状態と、退室状態と、不在状態と、を含む。
【選択図】
図2