(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】店舗管理システム及び店舗管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q10/0631
(21)【出願番号】P 2023539491
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 JP2021029152
(87)【国際公開番号】W WO2023012977
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】飯田 真史
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-108079(JP,A)
【文献】特開2015-87881(JP,A)
【文献】特開2013-89147(JP,A)
【文献】特開2012-194789(JP,A)
【文献】特開2016-8738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象店舗の特性を示す店舗特性情報を取得する店舗特性情報取得手段と、
前記対象店舗の状態を示す店舗状態情報を取得する店舗状態情報取得手段と、
前記店舗特性情報及び前記店舗状態情報に基づき、前記対象店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成する生成手段と、
を有
し、
前記生成手段は、
前記対象店舗の前記店舗特性情報に対応する操業計画を取得し、
前記対象店舗の前記店舗状態情報と、調整ルール又は店舗電力相関モデルとに基づき前記対象店舗の前記操業計画を調整し、
調整後の前記操業計画に基づき前記制御情報を生成し、
前記調整ルールは、前記対象店舗の状態が所定条件を満たす場合の前記操業計画の調整内容を定めており、
前記調整ルールを利用する場合、前記生成手段は、前記調整ルールに従い前記対象店舗の前記操業計画を調整し、
前記店舗電力相関モデルは、前記対象店舗の状態と、前記対象店舗に設置された設備の中の一部に対して行われた設定の変更の内容とを入力とし、前記対象店舗に設置された複数の設備全体での消費電力の変化の内容を出力とし、
前記店舗電力相関モデルを利用する場合、前記生成手段は、前記対象店舗に設置された複数の設備全体での消費電力を下げることができる前記対象店舗の前記操業計画の調整内容を特定し、特定した結果に基づき前記対象店舗の前記操業計画を調整する店舗管理システム。
【請求項2】
前記店舗状態情報は、消費電力、温度、湿度、気象情報、来客状況、売上状況、前記対象店舗に設置された設備の稼働状況、前記対象店舗に設置された設備に対する操作状況、前記対象店舗に設置された設備に対するメンテナンス状況の中の少なくとも1つを含む請求項1に記載の店舗管理システム。
【請求項3】
前記操業計画は、空調設備の運転モード、空調設備の設定温度、空調設備の設定湿度、空調設備の風量、冷蔵庫の設定温度、冷凍庫の設定温度、照明の照度、フライヤーの温度、フライヤーの利用可能時間帯、冷蔵庫の除霜の実行可能時間帯、及び冷凍庫の除霜の実行可能時間帯の中の少なくとも1つを定める請求項
1又は2に記載の店舗管理システム。
【請求項4】
前記生成手段は、
予め生成された複数の前記操業計画の中から、前記店舗特性情報に対応する前記操業計画を取得する請求項
1から3のいずれか1項に記載の店舗管理システム。
【請求項5】
前記生成手段は、
予め生成された標準店舗の前記操業計画を、前記標準店舗の前記店舗特性情報及び前記対象店舗の前記店舗特性情報に基づき調整することで、前記対象店舗の前記操業計画を生成する請求項
1から3のいずれか1項に記載の店舗管理システム。
【請求項6】
前記生成手段は、
前記店舗特性情報に基づき、複数
の店舗をグループ分けし、
グループごとに、前記標準店舗の前記操業計画を、前記標準店舗の前記店舗特性情報及び前記グループ各々に属する前記対象店舗の前記店舗特性情報に基づき調整することで前記操業計画を生成する請求項
5に記載の店舗管理システム。
【請求項7】
前記生成手段は、
前記対象店舗の状態と、前記対象店舗に設置された設備の中の一部に対して行われた設定の変更と、前記対象店舗に設置された複数の設備全体での消費電力の変化との相関関係を示す店舗電力相関モデルに基づき、前記対象店舗の前記操業計画を調整する請求項
1から
6のいずれか1項に記載の店舗管理システム。
【請求項8】
前記生成手段は、
予め定められた時間毎に、前記対象店舗の操業計画を調整する請求項
1から
7のいずれか1項に記載の店舗管理システム。
【請求項9】
コンピュータが、
対象店舗の特性を示す店舗特性情報を取得する店舗特性情報取得工程と、
前記対象店舗の状態を示す店舗状態情報を取得する店舗状態情報取得工程と、
前記店舗特性情報及び前記店舗状態情報に基づき、前記対象店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成する生成工程と、
を実行
し、
前記生成工程では、
前記対象店舗の前記店舗特性情報に対応する操業計画を取得し、
前記対象店舗の前記店舗状態情報と、調整ルール又は店舗電力相関モデルとに基づき前記対象店舗の前記操業計画を調整し、
調整後の前記操業計画に基づき前記制御情報を生成し、
前記調整ルールは、前記対象店舗の状態が所定条件を満たす場合の前記操業計画の調整内容を定めており、
前記調整ルールを利用する場合、前記生成工程では、前記調整ルールに従い前記対象店舗の前記操業計画を調整し、
前記店舗電力相関モデルは、前記対象店舗の状態と、前記対象店舗に設置された設備の中の一部に対して行われた設定の変更の内容とを入力とし、前記対象店舗に設置された複数の設備全体での消費電力の変化の内容を出力とし、
前記店舗電力相関モデルを利用する場合、前記生成工程では、前記対象店舗に設置された複数の設備全体での消費電力を下げることができる前記対象店舗の前記操業計画の調整内容を特定し、特定した結果に基づき前記対象店舗の前記操業計画を調整する店舗管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗管理システム及び店舗管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が、特許文献1及び2に開示されている。
【0003】
特許文献1は、本部に設置された演算装置が、各店舗の店内温度等に基づき各店舗の空調設備の推奨設定値を演算する技術を開示している。
【0004】
特許文献2は、予め設定された複数の店舗全体の総消費電力量の上限値内で、各店舗の消費電力量の上限値を割り当てる技術を開示している。例えば、各店舗のPOS(Point of Sales)情報に応じて重み付けを付与し、各店舗の消費電力量の上限値を割り当てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-23634号
【文献】国際公開第2017/131026号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コンビニエンスストア、スーパーマーケット等のように複数の店舗を有する事業体において、複数の店舗全体での消費電力を抑制する技術が望まれている。各店舗に設置されている空調設備等の設備の設定を各店舗に任せるのでなく、統一の基準で管理することで、複数の店舗全体での消費電力を管理できるようになる。そして、その統一の基準を適切に定めることで、複数の店舗全体での消費電力を抑制することが可能になる。
【0007】
特許文献1に開示の技術では、複数の店舗に設置された設備の設定を統一の基準で管理しているものの、その統一の基準において改善の余地がある。特許文献1に開示の技術では、各店舗のその時の状態(店内温度等)に基づき各店舗の設備の設定を調整しているものの、所在地、売場面積、来客頻度等の各店舗の特性は考慮されていない。
【0008】
店舗の特性が異なれば、設備の最適な設定も異なる。店舗の特性の違いを考慮しない場合、例えば、ビル内に存在し、日が当たらない比較的涼しい店舗において、不要に冷房設備の温度を低く設定する等の無駄が発生し得る。特許文献1及び2いずれも、当該課題及びその解決手段を開示していない。
【0009】
本発明は、店舗の消費電力を抑制する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、
対象店舗の特性を示す店舗特性情報を取得する店舗特性情報取得手段と、
前記対象店舗の状態を示す店舗状態情報を取得する店舗状態情報取得手段と、
前記店舗特性情報及び前記店舗状態情報に基づき、前記対象店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成する生成手段と、
を有する店舗管理システムが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
対象店舗の特性を示す店舗特性情報を取得する店舗特性情報取得工程と、
前記対象店舗の状態を示す店舗状態情報を取得する店舗状態情報取得工程と、
前記店舗特性情報及び前記店舗状態情報に基づき、前記対象店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成する生成工程と、
を実行する店舗管理方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、店舗の消費電力を効果的に抑制する技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態の店舗管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態の店舗管理システムの構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態の店舗管理システムの構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態の店舗管理システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態の店舗管理システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態の店舗管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態の店舗管理システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図8】本実施形態の店舗管理システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図9】本実施形態の店舗管理システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図10】本実施形態の店舗管理システムが処理する情報の一例を模式的に示す図である。
【
図11】本実施形態の店舗管理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<第1の実施形態>
「概要」
本実施形態の店舗管理システムは、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等のように複数の店舗を有する事業体において利用される。店舗管理システムは、各店舗に設置されている設備の設定を、統一の基準で管理する。「統一の基準で管理する」とは、同じ設定にするという意味でなく、統一の基準で決定した各店舗に適した設定にするという意味である。このため、複数の店舗の設備の設定が同じになる場合もあれば、異なる場合もある。
【0016】
店舗管理システムは、各店舗の特性を示す店舗特性情報と各店舗のその時の状態を示す店舗状態情報とを取得し、店舗特性情報及び店舗状態情報に基づき各店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成して出力する。
【0017】
このような本実施形態の店舗管理システムによれば、各店舗に設置された設備の設定を、各店舗の特性、及び、各店舗のその時の状態の両方に基づき適切に決定することができる。このように、店舗ごとに、各店舗の特性及び各店舗のその時の状態の両方に基づき適切に設備の設定を決定できる店舗管理システムによれば、各店舗の消費電力の無駄を効果的に抑制することが可能となる。結果、複数の店舗全体での消費電力を効果的に抑制することが可能となる。
【0018】
「ハードウエア構成」
次に、店舗管理システムのハードウエア構成の一例を説明する。
【0019】
図1に示すように、例えば、店舗管理システム10は、各店舗に設置される店舗サーバ2と、本部等に設置されるセンターサーバ1とを含んで構成される。店舗サーバ2とセンターサーバ1とは通信可能に接続されている。各店舗の店舗サーバ2は、各店舗に設置された複数の設備(店舗設備群3)各々と通信可能に構成される。店舗設備群3は、POSシステム、パーソナルコンピュータ、空調設備、冷蔵庫、冷凍庫、照明、調理器具、電子レンジ、コーヒーメーカの中の少なくとも1つを含む。店舗設備群3は、その他の設備を含んでもよい。
【0020】
他の例として、
図2に示すように、店舗管理システム10は、センターサーバ1を含み、店舗サーバ2を含まなくてもよい。他の例として、
図3に示すように、店舗管理システム10は、店舗サーバ2を含み、センターサーバ1を含まなくてもよい。
【0021】
図4は、店舗管理システム10を構成する装置のハードウエア構成例を示す図である。店舗管理システム10が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0022】
図4に示すように、店舗管理システム10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。店舗管理システム10は、周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、店舗管理システム10は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよいし、物理的及び論理的に一体となった1つの装置で構成されてもよい。物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成される場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0023】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0024】
「機能構成」
次に、店舗管理システム10の機能構成を説明する。
図5に、店舗管理システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、店舗管理システム10は、店舗状態情報取得部11と、店舗特性情報取得部12と、生成部13とを有する。
【0025】
店舗特性情報取得部12は、対象店舗の特性を示す店舗特性情報を取得する。
【0026】
「対象店舗」は、複数の店舗の中の設備の設定を決定する処理の対象である。
【0027】
「店舗の特性」は、店舗に設置された設備の設定に影響し得る1つ又は複数の項目の値で示される。店舗の特性を示す項目は、値が時々刻々と変化し得るものでなく、固定又はほぼ固定されている。「ほぼ固定」とは、数週間に1回、数か月に1回、1年に1回等、比較的長い周期で値が変化することを意味する。以下、店舗の特性を示す項目を、「店舗特性項目」と呼ぶ。店舗特性項目の具体例は、以下の実施形態で説明する。
【0028】
「設備」は、店舗に設置され、電力を消費する機器であり、例えばPOSシステム、パーソナルコンピュータ、空調設備、冷蔵庫、冷凍庫、照明、調理器具、電子レンジ、コーヒーメーカの中の少なくとも1つを含む。
【0029】
「設備の設定」は、各設備に対応して定められる条件である。設備の設定の一例としては、空調設備の運転モード(冷房、除湿、暖房、送風等)、空調設備の設定温度、空調設備の設定湿度、空調設備の風量、冷蔵庫の設定温度、冷凍庫の設定温度、照明の照度、フライヤーの温度等、設備そのものに対して入力・指定し、設備そのもののコンピュータ制御において参照されるものが含まれる。その他、設備の設定は、フライヤーの利用可能時間帯、冷蔵庫や冷凍庫の除霜の実行可能時間帯等、設備そのもののコンピュータ制御において参照されるものでなく、設備を用いたオペレータの作業や、設備に対するオペレータの作業等に関係する決まり事を含んでもよい。
【0030】
店舗特性情報取得部12は、予めセンターサーバ1や店舗サーバ2に記憶されている対象店舗の店舗特性情報を取得することができる。
【0031】
店舗状態情報取得部11は、対象店舗の状態を示す店舗状態情報を取得する。
【0032】
「店舗の状態」は、店舗に設置された設備の設定に影響し得る1つ又は複数の項目の値で示される。店舗の状態を示す項目は、値が時々刻々と変化し得る(その時その時で変化し得る)。以下、店舗の状態を示す項目を、「店舗状態項目」と呼ぶ。「店舗状態情報」は、店舗状態項目の値を含む。値は、数値及び文字列を含む概念である(以下、同様)。店舗状態項目の値は、実測値であってもよいし、予測値であってもよい。店舗状態項目の具体例は、以下の実施形態で説明する。
【0033】
店舗状態情報取得部11は、センターサーバ1や店舗サーバ2から店舗状態情報を取得してもよいし、これらサーバ以外の外部サーバから店舗状態情報を取得してもよい。また、店舗状態情報取得部11は、店舗に設置されたセンサやその他の情報収集装置から店舗状態情報を取得してもよい。
【0034】
店舗状態情報取得部11は、定期的に繰り返し最新の店舗状態情報を取得してもよいし(例:所定時間毎に取得)、所定のイベントの発生に応じて最新の店舗状態情報を取得してもよい。所定のイベントは、例えば、店舗全体での消費電力が基準値を超えたタイミング等が例示されるが、これに限定されない。
【0035】
生成部13は、対象店舗の店舗特性情報及び店舗状態情報に基づき、対象店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成し、出力する。
【0036】
「制御情報」は、各設備に入力される情報であって、各設備の設定を変更するための信号であってもよい。この場合、設備は、生成部13により入力された制御情報に基づき、自設備の設定を変更する。例えば、空調設備は、運転モード、設定温度及び設定湿度等を、生成部13により入力された制御情報に基づき変更する。
【0037】
その他、制御情報は、パーソナルコンピュータ、POSシステム等のように、出力装置(ディスプレイ、投影装置、スピーカ等)を備える設備に入力される情報であってもよい。この場合、当該出力装置を介して、設備の設定を示す情報が表示される。例えば、空調設備の運転モード、設定温度及び設定湿度や、フライヤーの利用可能時間帯や、冷蔵庫及び冷凍庫の除霜実行可能時間帯等が、パーソナルコンピュータ、POSシステム等の出力装置を介して出力される。対象店舗のオペレータ(店員等)は、パーソナルコンピュータ、POSシステム等の出力装置を介して出力された情報に基づき、変更後の設備の設定を把握することができる。そして、オペレータは、設備を操作して設定を変更したり、設定に従い、設備を用いた作業や設備に対する作業を行ったりすることができる。例えば、オペレータは、制御情報で示される除霜実行可能時間帯に冷蔵庫や冷凍庫の除霜作業を行ったり、制御情報で示される利用可能時間帯にフライヤーを利用して調理したりする。
【0038】
店舗特性情報及び店舗状態情報の両方に基づき制御情報を生成することで、店舗の特性および店舗の状態の両方を考慮した適切な制御情報を生成することができる。店舗特性情報及び店舗状態情報の両方に基づき制御情報を生成する処理の詳細は、本実施形態では特段制限されない。以下の実施形態で具体例を説明する。
【0039】
次に、
図6のフローチャートを用いて、店舗管理システム10の処理の流れの一例を説明する。なお、ここでは処理の流れを説明することを目的とする。このため、上述した各処理の詳細や各言葉の定義の説明は、ここでは省略する。
【0040】
S10では、店舗管理システム10は、対象店舗の特性を示す店舗特性情報を取得する。S11では、店舗管理システム10は、対象店舗の状態を示す店舗状態情報を取得する。S12では、店舗管理システム10は、店舗特性情報及び店舗状態情報に基づき、対象店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成し、出力する。
【0041】
「作用効果」
本実施形態の店舗管理システム10によれば、各店舗に設置された設備の設定を、各店舗の特性、及び、各店舗の状態の両方に基づき適切に決定することができる。このように、店舗ごとに、各店舗の特性及び各店舗の状態の両方に基づき適切に設備の設定を決定できる店舗管理システムによれば、各店舗の消費電力の無駄を効果的に抑制することが可能となる。結果、複数の店舗全体での消費電力を効果的に抑制することが可能となる。
【0042】
<第2の実施形態>
本実施形態では、店舗特性態情報及び店舗状態情報に基づき制御情報を生成する処理がより具体化される。
【0043】
-店舗状態情報-
店舗状態情報は、第1の実施形態で説明した通り、店舗の状態を示す情報であり、店舗状態項目の値を含む。店舗状態項目は、消費電力、温度、湿度、気象情報、来客状況、売上状況、対象店舗に設置された設備の稼働状況、対象店舗に設置された設備に対する操作状況、対象店舗に設置された設備に対するメンテナンス状況の中の少なくとも1つを含む。店舗状態項目は、その他の項目を含んでもよい。
【0044】
「消費電力」は、店舗全体での消費電力、及び、設備別の消費電力の少なくとも一方を含む。店舗に設置されたセンサにより、その時の消費電力を計測し、その実測値を店舗状態情報とすることができる。なお、周知の消費電力予測技術を利用して、店舗における店舗全体での消費電力や、設備別の消費電力を推定し、この推定値を店舗状態情報としてもよい。当該推定は、店舗管理システム10が行ってもよいし、外部サーバが行ってもよい。
【0045】
「温度」は、店舗の温度である。店舗に設置されたセンサにより、その時の店舗の温度を計測し、その実測値を店舗状態情報とすることができる。その他、天気予報で示される各店舗が存在する地域の時間帯別の予測気温を、各店舗の温度を示す店舗状態情報としてもよい。なお、天気予報の情報は、外部サーバから取得することができる。
【0046】
「湿度」は、店舗の湿度である。店舗に設置されたセンサにより、その時の店舗の湿度を計測し、その実測値を店舗状態情報とすることができる。その他、天気予報で示される各店舗が存在する地域の時間帯別の予測湿度を、各店舗の湿度を示す店舗状態情報としてもよい。なお、天気予報の情報は、外部サーバから取得することができる。
【0047】
「気象情報」は、温度及び湿度以外の気象に関する情報である。気象情報は、例えば、天気(晴れ、雨、曇り)、雨雲の動き、降水確率、紫外線量、風向、風速等を示す。店舗に設置されたセンサにより、その時の店舗の気象情報を計測し、その実測値を店舗状態情報とすることができる。その他、天気予報で示される各店舗が存在する地域の時間帯別の気象情報を、各店舗の店舗状態情報としてもよい。なお、天気予報の情報は、外部サーバから取得することができる。
【0048】
「来客状況」は、店内にいる客の人数を示す。来客状況は、その時に店内にいる客の人数を示してもよいし、将来のある時点(例:数分後、数時間後等)で店内にいる客の人数を示してもよい。その時に店内にいる客の人数の特定は、あらゆる技術を利用して実現できる。例えば、店内を撮影するカメラが生成した画像を解析し、画像内の人を検出・カウントすることで特定されてもよい。その他、店舗の出入口を撮影するカメラが生成した画像を解析し、店に入る人及び店から出る人を検出し、その検出結果に基づき店内にいる客の人数をカウントすることで特定されてもよい。将来のある時点で店内にいる客の人数の特定も、あらゆる技術を利用して実現できる。例えば、過去の時間帯別の来店人数の履歴と、来店人数に影響し得る要因(月、曜日、天気、周辺施設におけるイベント等)との関係を機械学習した推定モデルに基づき、将来のある時点で店内にいる客の人数を推定してもよい。来客状況は、店舗特性に応じて異なり得る。例えば、来客数が急増するピーク時間も、店舗特性に応じて異なり得る。例えば、ビジネス街にある店舗の場合、平日12時前後に来客数が急増するが、土日祝日にはあまり来客数が増えないという傾向がある。
【0049】
「売上状況」は、設備を利用する商品の売上状況を示す。設備を利用する商品は、フライヤーなどの設備を利用して調理される総菜商品等が例示されるが、これに限定されない。商品の売上状況は、現時点での売上状況を示してもよいし、将来のある時点(例:数分後、数時間後等)での売上状況を示してもよい。売上状況は、その日のそれまでの販売個数や売上額等を示す。例えば、POSシステムに登録された売上データに基づき、当該店舗状態情報が生成されてもよい。また、例えば、過去の時間帯別のその商品の売上の履歴と、売上に影響し得る要因(月、曜日、天気、周辺施設におけるイベント等)との関係を機械学習した推定モデルに基づき、ある時点でのその商品の売上を推定してもよい。
【0050】
「対象店舗に設置された設備の稼働状況」は、設備が稼働しているか否かを示す。その他、対象店舗に設置された設備の稼働状況は、その時点における設備の設定をさらに示してもよい。ここでの設備の設定は、空調設備の運転モード(冷房、除湿、暖房、送風等)、空調設備の設定温度、空調設備の設定湿度、空調設備の風量、冷蔵庫の設定温度、冷凍庫の設定温度、照明の照度、フライヤーの温度等、設備そのものに対して入力・指定し、設備そのもののコンピュータ制御において参照されるものを意味する。このような店舗状態情報の取得は、各設備から各設備の稼働状況を示す情報を取得することで実現されてもよい。その他、設備を撮影するカメラが生成した画像を解析することで、各設備が稼働しているか否か等を特定してもよい。
【0051】
「対象店舗に設置された設備に対する操作状況」は、冷蔵庫や冷凍庫のドアの開閉状況、設備のメンテナンスの実施状況等を示す。冷蔵庫や冷凍庫のドアの開閉状況は、ドアが開放されていた時間(所定時間当たりの統計時間(平均値、最大値、最小値、最頻値、中央値等)、当日の積算時間等)を示す。このような店舗状態情報の取得は、センサを利用してドアの開閉を検知することで実現されてもよい。
【0052】
「設備のメンテナンスの実施状況」は、過去のメンテナンスの実施の有無、過去のメンテナンスの実施日、及び直近で実施されたメンテナンスの実施日の中の少なくとも1つを示す。設備のメンテナンスは、冷蔵庫や冷凍庫の除霜、空調設備のフィルタ掃除等が例示されるが、これらに限定されない。このような店舗状態情報の取得は、各設備に記憶されているメンテナンス実施履歴を取得することで実現されてもよい。その他、このような店舗状態情報の取得は、センターサーバ1又は店舗サーバ2に記憶されている各設備のメンテナンス履歴情報を取得することで実現されてもよい。
【0053】
-店舗特性情報-
店舗特性情報は、第1の実施形態で説明した通り、店舗の特性を示す情報であり、店舗特性項目の値を含む。店舗特性項目は、所在地、売場面積、日当たり状況、来客頻度、設置設備及び立地情報の中の少なくとも1つを含む。店舗特性項目は、その他の項目を含んでもよい。
【0054】
「所在地」は、各店舗の所在地である。住所、緯度・経度情報等で示される。
【0055】
「売場面積」は、店舗の売場の面積である。
【0056】
「日当たり状況」は、店舗の日当たり状況を示す。例えば、「良」、「普通」、「悪」のように3段階で評価されてもよいし、その他の基準で評価されてもよい。
【0057】
「来客頻度」は、客が来る頻度を示す。例えば、来客頻度は、1日当たりの来客数の目安であってもよい。来客頻度は、過去の実績に基づき算出されてもよいし、見込み数字であってもよい。
【0058】
「設置設備」は、店舗に設置されている設備を示す。
【0059】
「立地情報」は、店舗が設置されている位置の特徴を示す。例えば、店舗が設置されている位置は、「ロードサイド」、「住宅地」、「混合地(事業所地+住宅地)」、「事業所地」等に分類されてもよい。住宅地、混合地及び事業所地は、例えば就労人口比率に基づき分類できる。分類する基準の一例として、就労人口比率が0.4未満のエリアは住宅地、就労人口比率が0.4以上0.8未満のエリアは混合地、就労人口比率が0.8以上のエリアは事業所地とするものが挙げられるが、これに限定されない。
【0060】
図7に、店舗特性情報取得部14が取得した店舗特性情報の一例を模式的に示す。
図7は複数の店舗の中の1つである店舗Aの店舗特性情報を示す。予め、複数の店舗各々の店舗特性情報が生成され、センターサーバ1及び店舗サーバ2の少なくとも一方に登録されていてもよい。店舗特性情報取得部14は、センターサーバ1又は店舗サーバ2から対象店舗の店舗特性情報を取得することができる。
【0061】
-店舗特性態情報及び店舗状態情報に基づき制御情報を生成する処理-
生成部13は、対象店舗の店舗特性情報に対応する操業計画を取得する。そして、生成部13は、対象店舗の操業計画を、対象店舗の店舗状態情報に基づき調整する。そして、生成部13は、調整後の操業計画に基づき制御情報を生成する。以下、詳細に説明する。
【0062】
「操業計画」は、店舗に設置された設備の設定の計画内容を定める。対象店舗の操業計画は、空調設備の運転モード、空調設備の設定温度、空調設備の設定湿度、空調設備の風量、冷蔵庫の設定温度、冷凍庫の設定温度、照明の照度、フライヤーの温度、フライヤーの利用可能時間帯、冷蔵庫の除霜の実行可能時間帯、及び冷凍庫の除霜の実行可能時間帯の中の少なくとも1つを定める。
【0063】
空調設備の運転モード、空調設備の設定温度、空調設備の設定湿度、空調設備の風量、冷蔵庫の設定温度、冷凍庫の設定温度、照明の照度及びフライヤーの温度に応じて、各設備の消費電力が変わる。また、フライヤーの利用可能時間帯、冷蔵庫の除霜の実行可能時間帯、及び冷凍庫の除霜の実行可能時間帯に応じて、設備の消費電力が上がる時間帯や、下がる時間帯が変わる。操業計画で上述のような内容を定めておくことで、対象店舗の消費電力を管理することが可能となる。
【0064】
図8に複数の店舗の中の1つである店舗Aの操業計画の一例を模式的に示す。図示する操業計画では、空調設備の運転モード、設定温度及び設定湿度が所定期間毎に定められている。また、図示する操業計画では、フライヤーの利用可能時間帯が定められている。また、図示する操業計画では、冷蔵庫及び冷凍庫の除霜実行可能時間帯が定められている。
【0065】
操業計画は、店舗の特性に基づき店舗毎に定められる。人が各店舗の特性に基づき各店舗の操業計画を決定してもよいし、コンピュータが各店舗の特性に基づき各店舗の操業計画を決定してもよい。
【0066】
次に、対象店舗の店舗特性情報に対応する操業計画を取得する処理を説明する。
【0067】
-対象店舗の店舗特性情報に対応する操業計画を取得する処理例1-
予め、店舗特性に応じた複数の操業計画が生成され、センターサーバ1又は店舗サーバ2に記憶されていてもよい。そして、生成部13は、対象店舗の店舗特性情報で示される対象店舗の店舗特性に対応する操業計画を、センターサーバ1又は店舗サーバ2から取得してもよい。
【0068】
-対象店舗の店舗特性情報に対応する操業計画を取得する処理例2-
生成部13は、予め生成された標準店舗の操業計画を、標準店舗の店舗特性情報及び対象店舗の店舗特性情報に基づき調整することで、対象店舗の操業計画を生成する。調整後の標準店舗の操業計画が、対象店舗の操業計画となる。
【0069】
「標準店舗」は、店舗特性が標準的な店舗である。どのような店舗特性を有する店舗を標準店舗とするかは設計的事項である。
【0070】
図9に、標準店舗の店舗特性情報の一例を模式的に示す。予め、標準店舗の店舗特性情報が生成され、センターサーバ1及び店舗サーバ2の少なくとも一方に登録されている。
【0071】
図10に、標準店舗の操業計画の一例を模式的に示す。予め、標準店舗の操業計画が生成され、センターサーバ1及び店舗サーバ2の少なくとも一方に登録されている。
【0072】
ここで、
図10に示すような標準店舗の操業計画を、
図7に示すような対象店舗の店舗特性情報及び
図9に示すような標準店舗の店舗特性情報に基づき調整する処理の一例について説明する。
【0073】
まず、生成部13は、
図7に示すような対象店舗の店舗特性情報と
図9に示すような標準店舗の店舗特性情報との差分を算出する。そして、生成部13は、算出した差分に基づき、
図10に示すような標準店舗の操業計画を調整する。予め、対象店舗の店舗特性情報と標準店舗の店舗特性情報との差分と、その差分が存在する場合に実施すべき操業計画の調整内容とを紐付けた調整ルールが生成されている。生成部13は、算出した差分と、当該調整ルールとに基づき、標準店舗の操業計画を調整する。
【0074】
次に、対象店舗の店舗状態情報に基づき対象店舗の操業計画を調整する処理を説明する。
【0075】
-対象店舗の店舗状態情報に基づき対象店舗の操業計画を調整する処理例1-
生成部13は、対象店舗の操業計画を、店舗状態情報で示される対象店舗の状態に基づき調整する。例えば、生成部13は、対象店舗の店舗状態情報に基づき、対象店舗の操業計画で示される空調設備の運転モード、設定温度及び設定湿度の中の少なくとも1つを調整することができる。また、生成部13は、対象店舗の店舗状態情報に基づき、対象店舗の操業計画で示されるフライヤーの利用可能時間帯、冷蔵庫の除霜実行可能時間帯及び冷凍庫の除霜実行可能時間帯の中の少なくとも1つを調整することができる。生成部13は、店舗全体での消費電力が少なくなるように、操業計画を調整することができる。例えば、予め、1つ又は複数の店舗状態項目の値が所定条件を満たす場合に実施される操業計画の調整内容を定めた調整ルールが生成されていてもよい。そして、生成部13は、当該調整ルールに従い、操業計画の調整内容を決定してもよい。調整ルールは、店舗毎に生成されてもよい。
【0076】
-対象店舗の店舗状態情報に基づき対象店舗の操業計画を調整する処理例2-
生成部13は、対象店舗の状態と、対象店舗に設置された設備の中の一部に対して行われた設定の変更と、対象店舗に設置された複数の設備全体での消費電力の変化との相関関係を示す店舗電力相関モデルに基づき、対象店舗の操業計画を調整する。
【0077】
ここで、店舗電力相関モデルについて説明する。ある設備の設定を消費電力が減る方向に変更すると、その設備の消費電力は減るものの、その変更に応じて他の設備の消費電力が増える可能性がある。例えば、夏に冷房モードで稼働中の空調設備の設定温度を高くした場合、空調設備の消費電力は減るものの、店舗内の温度が上昇した結果、冷蔵庫や冷凍庫等の他の設備の消費電力が上がる可能性がある。空調設備の設定温度の上昇に起因して冷蔵庫や冷凍庫等の他の設備の消費電力が上昇するか否かは、上述したような店舗状態情報で示されるその時の対象店舗の状態に応じて異なり得る。なお、ある設備の設定を消費電力が増える方向に変更した場合には、その設備の消費電力は増えるものの、その変更に応じて他の設備の消費電力が減る可能性がある。
【0078】
店舗電力相関モデルは、このような店舗の状態と、店舗に設置された設備の中の一部に対して行われた設定の変更と、店舗に設置された複数の設備全体での消費電力の変化との相関関係を示す。すなわち、店舗電力相関モデルは、ある店舗の状態において、ある一部の設備の設定の変更を行った場合に、その店舗全体での消費電力がどのように変化するか(上がるか下がるか、どの程度上がるか、どの程度下がるか等)を示す。店舗電力相関モデルは、例えば実際の測定データに基づく機械学習で生成することができる。なお、すべての店舗に共通の店舗電力相関モデルが生成されてもよいし、店舗毎に店舗電力相関モデルが生成されてもよい。その他、店舗特性情報で示される店舗特性が似ているもの同士でまとめることで複数の店舗をグループ化し、グループ毎に店舗電力相関モデルが生成されてもよい。
【0079】
生成部13は、上述のような店舗電力相関モデルと、店舗状態情報取得部11が取得した店舗状態情報とに基づき、その店舗状態情報で示される状態の店舗において、対象店舗に設置された複数の設備全体での消費電力を下げることができる「一部の設備に対する設定の変更の内容」を特定する。そして、生成部13は、操業計画で定められているその一部の設備に関する設定を、その特定した「一部の設備に対する設定の変更の内容」に基づき調整する。例えば、生成部13は、操業計画で定められているその一部の設備に関する設定を、その特定した「一部の設備に対する設定の変更の内容」になるように調整してもよい。その他、生成部13は、操業計画で定められているその一部の設備に関する設定を、その特定した「一部の設備に対する設定の変更の内容」に近づく方向に調整してもよい。
【0080】
次に、
図11のフローチャートを用いて、店舗管理システム10の処理の流れの一例を説明する。なお、ここでは処理の流れを説明することを目的とする。このため、上述した各処理の詳細や各言葉の定義の説明は、ここでは省略する。
【0081】
S20では、店舗管理システム10は、対象店舗の特性を示す店舗特性情報を取得する。S21では、店舗管理システム10は、上述した「対象店舗の店舗特性情報に対応する操業計画を取得する処理例1」又は「対象店舗の店舗特性情報に対応する操業計画を取得する処理例2」を実行し、対象店舗の操業計画を取得する。
【0082】
S22では、店舗管理システム10は、対象店舗の状態を示す店舗状態情報を取得する。S23では、店舗管理システム10は、上述した「対象店舗の店舗状態情報に基づき対象店舗の操業計画を調整する処理例1」又は「対象店舗の店舗状態情報に基づき対象店舗の操業計画を調整する処理例2」を実行し、対象店舗の操業計画を調整する。
【0083】
S24では、店舗管理システム10は、調整後の操業計画に基づき、対象店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成し、出力する。
【0084】
なお、S20及びS21の処理は、店舗の営業が開示される前の準備段階で実行される。S22乃至S24の処理は、店舗の営業中にリアルタイム処理で実行される。
【0085】
S22乃至S24の処理は、予め定められた時間毎に、繰り返し行われてもよい。予め定められた時間は、数秒毎、数分毎、数十分毎、数時間毎等が例示されるが、これらに限定されない。その他、S22乃至S24の処理は、所定の条件を満たしている間のみ行われてもよい。所定の条件は、例えば、「対象店舗の店舗全体での消費電力が基準値を超えている」等が例示されるが、これに限定されない。この例の場合、対象店舗の店舗全体での消費電力が基準値を超えている間のみ、S22乃至S24の「対象店舗の店舗全体での消費電力を減らすための操業計画の修正処理」が実行されることとなる。
【0086】
本実施形態の店舗管理システム10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0087】
本実施形態の店舗管理システム10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0088】
また、本実施形態の店舗管理システム10によれば、各店舗の所在地、売場面積、日当たり状況、来客頻度、設置設備及び立地情報の中の少なくとも1つに基づき、各店舗の操業計画を生成することができる。そして、本実施形態の店舗管理システム10によれば、各店舗のその時の消費電力、温度、湿度、気象情報、来客状況、売上状況、対象店舗に設置された設備の稼働状況、対象店舗に設置された設備に対する操作状況、対象店舗に設置された設備に対するメンテナンス状況の中の少なくとも1つに基づき、各店舗の操業計画を調整することができる。そして、本実施形態の店舗管理システム10によれば、調整後の操業計画に基づき、各店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成することができる。このような本実施形態の店舗管理システム10によれば、各店舗の消費電力をより効果的に減らすことができる。
【0089】
<第3の実施形態>
本実施形態では、店舗の特性に基づき店舗をグループ分けし、グループごとに操業計画を生成する。
【0090】
生成部13は、店舗特性情報に基づき、複数の店舗をグループ分けする。生成部13は、店舗の特性が似たもの同士でまとめてグループを生成する。生成部13は、クラスタリングの技術(機械学習)を利用して、当該グループ分けを実現することができる。
【0091】
そして、生成部13は、グループごとに、標準店舗の操業計画を、標準店舗の店舗特性情報及び各グループの店舗特性情報に基づき調整することで、対象店舗の操業計画を生成する。調整後の標準店舗の操業計画が、対象店舗の操業計画となる。
【0092】
各グループの店舗特性情報は、各グループに属する店舗の店舗特性情報に基づき生成される。例えば、任意の手段で各グループの中から選択した1つの代表店舗の店舗特性情報を、各グループの店舗特性情報としてもよい。その他、各グループに属する複数の店舗の店舗特性情報を任意の手段で統合して生成した新たな店舗特性情報を、各グループの店舗特性情報としてもよい。統合手段としては、例えば店舗特性項目毎に統計値(最頻値、最大値、最小値、中央値、平均値等)を算出する手段が例示されるが、これに限定されない。
【0093】
本実施形態の店舗管理システム10のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0094】
本実施形態の店舗管理システム10によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0095】
また、本実施形態の店舗管理システム10によれば、複数の店舗をグループ分けし、グループごとに操業計画を生成することができる。このため、店舗毎に操業計画を生成する場合に比べて、コンピュータの処理負担を軽減できる。
【0096】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0097】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 対象店舗の特性を示す店舗特性情報を取得する店舗特性情報取得手段と、
前記対象店舗の状態を示す店舗状態情報を取得する店舗状態情報取得手段と、
前記店舗特性情報及び前記店舗状態情報に基づき、前記対象店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成する生成手段と、
を有する店舗管理システム。
2. 前記店舗状態情報は、消費電力、温度、湿度、気象情報、来客状況、売上状況、前記対象店舗に設置された設備の稼働状況、前記対象店舗に設置された設備に対する操作状況、前記対象店舗に設置された設備に対するメンテナンス状況の中の少なくとも1つを含む1に記載の店舗管理システム。
3. 前記生成手段は、
前記対象店舗の前記店舗特性情報に対応する操業計画を取得し、
前記対象店舗の前記操業計画を前記対象店舗の前記店舗状態情報に基づき調整し、
調整後の前記操業計画に基づき前記制御情報を生成する1に記載の店舗管理システム。
4. 前記操業計画は、空調設備の運転モード、空調設備の設定温度、空調設備の設定湿度、空調設備の風量、冷蔵庫の設定温度、冷凍庫の設定温度、照明の照度、フライヤーの温度、フライヤーの利用可能時間帯、冷蔵庫の除霜の実行可能時間帯、及び冷凍庫の除霜の実行可能時間帯の中の少なくとも1つを定める3に記載の店舗管理システム。
5. 前記生成手段は、
予め生成された複数の前記操業計画の中から、前記店舗特性情報に対応する前記操業計画を取得する3又は4に記載の店舗管理システム。
6 前記生成手段は、
予め生成された標準店舗の前記操業計画を、前記標準店舗の前記店舗特性情報及び前記対象店舗の前記店舗特性情報に基づき調整することで、前記対象店舗の前記操業計画を生成する3又は4に記載の店舗管理システム。
7. 前記生成手段は、
前記店舗特性情報に基づき、複数の前記店舗をグループ分けし、
グループごとに、前記標準店舗の前記操業計画を、前記標準店舗の前記店舗特性情報及び前記グループ各々に属する前記対象店舗の前記店舗特性情報に基づき調整することで前記操業計画を生成する6に記載の店舗管理システム。
8. 前記生成手段は、
前記対象店舗の状態と、前記対象店舗に設置された設備の中の一部に対して行われた設定の変更と、前記対象店舗に設置された複数の設備全体での消費電力の変化との相関関係を示す店舗電力相関モデルに基づき、前記対象店舗の前記操業計画を調整する3から7のいずれかに記載の店舗管理システム。
9. 前記生成手段は、
予め定められた時間毎に、前記対象店舗の操業計画を調整する3から8のいずれかに記載の店舗管理システム。
10. 前記生成手段は、
前記対象店舗の消費電力が基準値を超えている間、前記対象店舗の操業計画を調整する3から9のいずれかに記載の店舗管理システム。
11. コンピュータが、
対象店舗の特性を示す店舗特性情報を取得する店舗特性情報取得工程と、
前記対象店舗の状態を示す店舗状態情報を取得する店舗状態情報取得工程と、
前記店舗特性情報及び前記店舗状態情報に基づき、前記対象店舗に設置された設備の設定を示す制御情報を生成する生成工程と、
を実行する店舗管理方法。
【符号の説明】
【0098】
1 センターサーバ
2 店舗サーバ
3 店舗設備群
10 店舗管理システム
11 店舗状態情報取得部
12 店舗特性情報取得部
13 生成部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス