IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社IHIの特許一覧

<>
  • 特許-燃焼システム 図1
  • 特許-燃焼システム 図2
  • 特許-燃焼システム 図3
  • 特許-燃焼システム 図4
  • 特許-燃焼システム 図5
  • 特許-燃焼システム 図6
  • 特許-燃焼システム 図7
  • 特許-燃焼システム 図8
  • 特許-燃焼システム 図9
  • 特許-燃焼システム 図10
  • 特許-燃焼システム 図11
  • 特許-燃焼システム 図12
  • 特許-燃焼システム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】燃焼システム
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20241217BHJP
   F02C 7/232 20060101ALI20241217BHJP
   F23R 3/30 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
F23R3/28 B
F02C7/232 B
F23R3/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023560258
(86)(22)【出願日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 JP2023016747
(87)【国際公開番号】W WO2024024197
(87)【国際公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2022119760
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 湧介
(72)【発明者】
【氏名】内田 正宏
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 慎太朗
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-035358(JP,A)
【文献】特開2019-100571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/10
F23R 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室と、
前記燃焼室内に臨む噴射孔を有する筒状の空気室と、
前記空気室と接続される燃料供給流路と、
前記空気室の側面と接続される空気供給流路と、
を備え
複数の前記空気室が、前記燃焼室の周方向に間隔を空けて設けられ、
前記複数の空気室、前記複数の空気室とそれぞれ接続される複数の前記燃料供給流路、および、前記複数の空気室の側面とそれぞれ接続される複数の前記空気供給流路が、前記燃焼室の端部を塞ぐバーナプレートに形成され、
前記バーナプレートには、前記複数の空気供給流路の各々と接続され、前記周方向に延在する円環形状を有する空気マニホールドが設けられ、
前記周方向に間隔を空けて設けられる前記複数の空気室のグループの1つに対して1つの前記空気マニホールドが、当該グループに対して前記燃焼室の径方向外側および径方向内側の一方側に設けられる、
燃焼システム。
【請求項2】
前記空気供給流路は、前記空気室の中心軸に対して偏心して前記空気室と接続される、
請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
前記空気室は、円筒形状を有する、
請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項4】
前記空気供給流路は、1つの前記空気室に接続される複数の流路を含む、
請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項5】
前記バーナプレートに、燃料マニホールドが形成される、
請求項に記載の燃焼システム。
【請求項6】
数の前記グループ、前記燃焼室の径方向に間隔を空けて配置される、
請求項1に記載の燃焼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃焼システムに関する。本出願は2022年7月27日に提出された日本特許出願第2022-119760号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0002】
燃焼器で燃料を燃焼させることによって動力を得るガスタービンシステムが利用されている。ガスタービンシステムの燃焼システムとして、例えば、特許文献1に開示されているように、水素を燃料として用いるものがある。水素を燃料として用いることによって、二酸化炭素の排出が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-014400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃焼システムでは、バーナを火炎から保護することが求められている。例えば、水素の燃焼速度は、天然ガス等の他の燃料の燃焼速度と比べて非常に速い。ゆえに、水素が燃料として用いられる場合には、水素と空気の混合が不均一であること等に起因して、逆火(つまり、バーナ内に炎が逆流する現象)が生じやすくなってしまう。また、水素の燃焼により形成される火炎の温度は、他の燃料の燃焼により形成される火炎の温度と比べて高い。ゆえに、火炎によってバーナが溶損しやすくなってしまう。このように、水素が燃料として用いられる場合等において、バーナを火炎から保護する必要性が高い。
【0005】
本開示の目的は、バーナを火炎から保護することが可能な燃焼システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の燃焼システムは、燃焼室と、燃焼室内に臨む噴射孔を有する筒状の空気室と、空気室と接続される燃料供給流路と、空気室の側面と接続される空気供給流路と、を備え、複数の空気室が、燃焼室の周方向に間隔を空けて設けられ、複数の空気室、複数の空気室とそれぞれ接続される複数の燃料供給流路、および、複数の空気室の側面とそれぞれ接続される複数の空気供給流路が、燃焼室の端部を塞ぐバーナプレートに形成され、バーナプレートには、複数の空気供給流路の各々と接続され、周方向に延在する円環形状を有する空気マニホールドが設けられ、周方向に間隔を空けて設けられる複数の空気室のグループの1つに対して1つの空気マニホールドが、当該グループに対して燃焼室の径方向外側および径方向内側の一方側に設けられる
【0007】
空気供給流路は、空気室の中心軸に対して偏心して空気室と接続されてもよい。
【0008】
空気室は、円筒形状を有してもよい。
【0009】
空気供給流路は、1つの空気室に接続される複数の流路を含んでもよい。
【0011】
バーナプレートに、燃料マニホールドが形成されてもよい
数のグループ、燃焼室の径方向に間隔を空けて配置されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、バーナを火炎から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の実施形態に係るガスタービンシステムの構成を示す模式図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係るバーナプレートを燃焼室側から見た図である。
図3図3は、図2中のA2-A2断面における断面図である。
図4図4は、図3中のA3-A3断面における断面図である。
図5図5は、第1の変形例に係るバーナプレートを燃焼室側から見た図である。
図6図6は、図5中のA4-A4断面における断面図である。
図7図7は、図6中のA5-A5断面における断面図である。
図8図8は、第2の変形例に係るバーナプレートを燃焼室側から見た図である。
図9図9は、図8中のA6-A6断面における断面図である。
図10図10は、図9中のA7-A7断面における断面図である。
図11図11は、本開示の実施形態に係る空気室と空気供給流路との接続関係の一例を示す図である。
図12図12は、本開示の実施形態に係る空気室と空気供給流路との接続関係の一例を示す図である。
図13図13は、本開示の実施形態に係る空気室と空気供給流路との接続関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
図1は、本実施形態に係るガスタービンシステム1の構成を示す模式図である。図1に示すように、ガスタービンシステム1は、過給機11と、発電機12と、燃焼器13と、バーナ14と、水素タンク15と、流量制御弁16とを備える。
【0016】
ガスタービンシステム1のうち、燃焼器13と、バーナ14と、水素タンク15と、流量制御弁16とが、燃焼システム10に含まれる。
【0017】
過給機11は、圧縮機11aとタービン11bとを有する。圧縮機11aおよびタービン11bは、一体として回転する。圧縮機11aとタービン11bとは、シャフトによって連結されている。
【0018】
圧縮機11aは、燃焼器13と接続される吸気流路21に設けられている。吸気流路21には、燃焼器13に供給される空気が流通する。吸気流路21の上流側の端部には、空気が外部から取り込まれる不図示の吸気口が設けられる。吸気口から取り込まれた空気は、圧縮機11aを通過して、燃焼器13に送られる。圧縮機11aは、空気を圧縮して下流側に吐出する。
【0019】
タービン11bは、燃焼器13と接続される排気流路22に設けられている。排気流路22には、燃焼器13から排出された排気ガスが流通する。排気流路22の下流側の端部には、排気ガスが外部に排出される不図示の排気口が設けられる。燃焼器13から排出された排気ガスは、タービン11bを通過して、排気口に送られる。タービン11bは、排気ガスによって回されることによって、回転動力を生成する。
【0020】
発電機12は、過給機11と接続される。発電機12は、過給機11によって生成された回転動力を用いて発電する。
【0021】
燃焼器13は、ケーシング13aと、ライナ13bと、燃焼室13cとを有する。ケーシング13aは、略円筒形状を有する。ケーシング13aの内部に、ライナ13bが設けられる。ライナ13bは、略円筒形状を有する。ライナ13bは、ケーシング13aと同軸上に配置される。ライナ13bの内部には、燃焼室13cが形成されている。つまり、ライナ13bの内部空間が燃焼室13cに相当する。燃焼室13cは、略円柱形状の空間である。燃焼室13cには、排気流路22が接続されている。
【0022】
後述するように、燃焼室13cに、水素および空気が供給される。燃焼室13c内では、水素が燃料として用いられ、燃焼が行われる。ただし、燃料として水素以外の他の燃料が用いられてもよい。燃焼室13c内での燃焼により生じた排気ガスは、排気流路22に排出される。ケーシング13aの内面とライナ13bの外面との間には、空間Sが形成されている。空間Sには、吸気流路21が接続されている。空間Sには、吸気流路21を介して圧縮機11aから空気が送られる。ライナ13bの端部(図1中の左側の端部)には、開口が形成される。ライナ13bの端部の開口に、バーナ14が挿通されている。
【0023】
バーナ14は、バーナプレート14aと、複数の燃料供給管14bとを有する。バーナプレート14aは、ライナ13bの端部の開口を塞ぐ。つまり、バーナプレート14aは、燃焼室13cの端部を塞ぐ。バーナプレート14aは、円板形状を有する。燃料供給管14bは、バーナプレート14aのうち燃焼室13cと逆側の面に接続される。燃料供給管14bは、ケーシング13aを貫通して、ケーシング13aの外部まで延在する。図1では、3つの燃料供給管14bが示されている。ただし、燃料供給管14bの数は限定されない。
【0024】
燃料供給管14bには、後述するように、水素が送られる。そして、燃料供給管14bを介してバーナプレート14aに水素が送られる。図1中で一点鎖線矢印により示すように、空間Sに送られた空気は、空間Sを通過した後、バーナプレート14aのうち燃焼室13cと逆側の面からバーナプレート14aの内部に送られる。ただし、ライナ13bの側面に貫通孔が設けられ、空間Sから当該貫通孔を介してバーナプレート14aの内部に空気が送られてもよい。バーナプレート14aに送られた水素は、後述するように、空気と混合されながら燃焼室13cに噴射される。
【0025】
水素タンク15には、水素が貯蔵される。なお、水素タンク15内において、水素は液体であってもよく、気体であってもよい。水素タンク15は、流路23を介して流量制御弁16と接続されている。流量制御弁16は、流路24を介してバーナ14の各燃料供給管14bと接続されている。水素タンク15に貯蔵される水素は、流路23、流量制御弁16および流路24を介して、燃料供給管14bに供給される。流量制御弁16は、水素タンク15から燃料供給管14bに供給される水素の流量を制御(つまり、調整)する。流量制御弁16の開度が調整されることによって、水素タンク15から燃料供給管14bへの水素の供給量が調整される。
【0026】
以下では、燃焼室13cおよびバーナプレート14aの周方向を単に周方向とも呼ぶ。燃焼室13cおよびバーナプレート14aの径方向を単に径方向とも呼ぶ。燃焼室13cおよびバーナプレート14aの軸方向を単に軸方向とも呼ぶ。
【0027】
図2は、バーナプレート14aを燃焼室13c側から見た図(具体的には、図1中の矢印A1方向から見た図)である。図3は、図2中のA2-A2断面における断面図である。つまり、図3は、バーナプレート14aを径方向に見た断面図である。図4は、図3中のA3-A3断面における断面図である。つまり、図4は、バーナプレート14aを軸方向に見た断面図である。
【0028】
図2から図4に示すように、バーナプレート14aには、空気室31と、空気供給流路32と、空気マニホールド33と、燃料供給流路41と、燃料マニホールド42とが形成される。
【0029】
空気室31は、バーナプレート14aの外周側において、周方向に間隔を空けて複数設けられる。図2から図4の例では、複数の空気室31が周方向に等間隔に設けられる。ただし、複数の空気室31は、周方向に不等間隔に設けられていてもよい。また、空気室31の数は、図2から図4の例に限定されない。
【0030】
空気室31は、筒状である。図2から図4の例では、空気室31は、円筒形状を有する。ただし、空気室31は、筒状であればよく、円筒形状以外の形状(例えば、楕円筒形状等)を有していてもよい。図2から図4の例では、空気室31は、燃焼室13cの軸方向に延在する。つまり、空気室31の中心軸は、燃焼室13cの軸方向に沿った軸である。ただし、空気室31の中心軸は、燃焼室13cの軸方向に対して傾斜していてもよい。空気室31は、バーナプレート14aのうち燃焼室13cと対向する面に開口する。この開口が、燃焼室13c内に臨む噴射孔31aに相当する。後述するように、空気室31に供給された水素および空気は、互いに混合されながら、噴射孔31aから燃焼室13cに噴射される。
【0031】
空気供給流路32は、空気室31と接続される。図2から図4の例では、1つの空気室31に対して1つの空気供給流路32が接続される。ただし、後述するように、1つの空気室31に対して複数の空気供給流路32が接続されてもよい。各空気供給流路32は、空気マニホールド33と接続されている。各空気供給流路32には、空気マニホールド33から空気が供給される。そして、空気供給流路32を介して空気室31に空気が供給される。
【0032】
空気供給流路32は、具体的には、空気室31の側面と接続される。それにより、空気供給流路32から空気室31に送られた空気は、空気室31において、空気室31の周方向に旋回する。特に、図4に示すように、空気供給流路32は、空気室31の中心軸に対して偏心して空気室31と接続される。つまり、空気供給流路32の延長線は、空気室31の中心軸を通らない。それにより、空気供給流路32から空気室31に送られた空気は、空気室31において、空気室31の周方向により旋回しやすくなる。
【0033】
図4の例では、空気供給流路32は、空気室31の接線方向に空気室31と接続される。ただし、空気供給流路32が空気室31の中心軸に対して偏心して空気室31と接続される場合において、空気供給流路32と空気室31との接続方向は、空気室31の接線方向でなくてもよい。また、空気供給流路32は、空気室31の中心軸に対して偏心していなくてもよい。その場合においても、空気供給流路32から空気室31に流入する空気の流れ方向、または、空気室31の形状等を適宜設定することによって、空気室31において空気を旋回させることができる。図3の視点において、空気供給流路32は、バーナプレート14aの軸方向に直交する方向に延在している。ただし、図3の視点において、空気供給流路32は、バーナプレート14aの軸方向に直交する方向に対して傾斜していてもよい。
【0034】
空気マニホールド33は、燃焼器13内の空間S(図1を参照)と連通する。図2から図4の例では、空気マニホールド33は、バーナプレート14aの周方向に延在する円環形状を有する。ただし、空気マニホールド33の形状は、図2から図4の例に限定されない。空気マニホールド33は、バーナプレート14aの燃焼室13cと逆側の面に開口する。空気マニホールド33には、燃焼器13内の空間Sから空気が供給される。空気マニホールド33には、各空気供給流路32が接続されている。図2から図4の例では、空気マニホールド33は、空気室31よりも径方向外側に設けられており、空気マニホールド33から径方向内側に向けて各空気供給流路32が延在している。ただし、空気マニホールド33は、空気室31よりも径方向内側に設けられていてもよい。その場合、空気マニホールド33から径方向外側に向けて各空気供給流路32が延在する。
【0035】
上記のように、各空気室31は、各空気供給流路32を介して空気マニホールド33と接続されている。ゆえに、空気マニホールド33から各空気供給流路32を介して各空気室31に空気が供給される。そして、空気室31において、空気室31の周方向に旋回する空気の旋回流が生じる。
【0036】
燃料供給流路41は、空気室31と接続される。図2から図4の例では、1つの空気室31に対して1つの燃料供給流路41が接続される。ただし、1つの空気室31に対して複数の燃料供給流路41が接続されてもよい。各燃料供給流路41は、燃料マニホールド42と接続されている。各燃料供給流路41には、燃料マニホールド42から水素が供給される。そして、燃料供給流路41を介して空気室31に水素が供給される。燃料供給流路41は、具体的には、空気室31の底面(つまり、噴射孔31aと対向する面)と接続される。ただし、燃料供給流路41は、空気室31のうち底面以外の部分と接続されていてもよい。
【0037】
燃料マニホールド42は、燃料供給管14b(図1を参照)と連通する。図2から図4の例では、燃料マニホールド42は、バーナプレート14aの周方向に延在する円環形状を有する。ただし、燃料マニホールド42の形状は、図2から図4の例に限定されない。燃料マニホールド42は、バーナプレート14aの燃焼室13cと逆側の面に開口する不図示の流路を介して燃料供給管14bと連通している。燃料マニホールド42には、燃料供給管14bから水素が供給される。燃料マニホールド42には、各燃料供給流路41が接続されている。図2から図4の例では、燃料マニホールド42は、空気室31に対して軸方向に並んで設けられており、燃料マニホールド42から軸方向に沿って各燃料供給流路41が延在している。ただし、燃料マニホールド42と空気室31との位置関係は、図2から図4の例に限定されない。
【0038】
上記のように、各空気室31は、各燃料供給流路41を介して燃料マニホールド42と接続されている。ゆえに、燃料マニホールド42から各燃料供給流路41を介して各空気室31に水素が供給される。そして、空気室31に送られた水素は、空気室31において生じている空気の旋回流によって空気と急速に混合されながら、噴射孔31aから燃焼室13cに空気とともに噴射される。
【0039】
以上説明したように、燃焼システム10は、燃焼室13cと、燃焼室13c内に臨む噴射孔31aを有する筒状の空気室31と、空気室31と接続される燃料供給流路41と、空気室31の側面と接続される空気供給流路32と、を備える。それにより、空気室31に送られた燃料(上記の例では、水素)は、空気室31において生じている空気の旋回流によって空気と急速に混合されながら、噴射孔31aから燃焼室13cに空気とともに噴射される。ゆえに、燃料と空気を予め混合させる空間を設けることなく、燃料を空気と効果的に混合した状態で燃焼室13cに供給することができるので、バーナ14が高温の燃焼ガスに晒されることを抑制できる。よって、バーナ14を火炎から保護することができる。
【0040】
さらに、燃料が空気と効果的に混合された状態で燃焼室13cに供給されるので、空気の供給量を適宜調整し、火炎の温度を低下させることによって、NOxの発生を抑制することもできる。さらに、各空気室31において、燃料と空気の混合が独立して行われるので、噴射孔31aの配置の自由度が向上する。さらに、燃焼室13c内で周方向に旋回する燃焼ガスの旋回流の発生を抑制できるので、当該旋回流の中心軸近傍(つまり、燃焼室13cの中心軸近傍)を通ってバーナプレート14aに向かう燃焼ガスの流れである循環流の発生を抑制できる。
【0041】
特に、燃焼システム10では、空気供給流路32は、空気室31の中心軸に対して偏心して空気室31と接続される。それにより、空気供給流路32から空気室31に送られた空気は、空気室31において、空気室31の周方向により旋回しやすくなる。ゆえに、空気室31において、燃料を空気とより効果的に混合できる。
【0042】
特に、燃焼システム10では、空気室31は、円筒形状を有する。それにより、空気供給流路32から空気室31に送られた空気は、空気室31において、空気室31の周方向により旋回しやすくなる。ゆえに、空気室31において、燃料を空気とより効果的に混合できる。
【0043】
特に、燃焼システム10では、空気室31、燃料供給流路41および空気供給流路32は、燃焼室13cの端部を塞ぐバーナプレート14aに形成される。ゆえに、バーナプレート14aを金属積層技術等によって一体成型することによって、空気室31、燃料供給流路41および空気供給流路32を容易に形成することができる。このようにバーナプレート14aが一体成型されることによって、空気室31、燃料供給流路41および空気供給流路32を形成する部材がバーナプレート14aと別体である場合と比べ、バーナ14の構造が簡略化され、バーナ14が小型化され、バーナ14の製造コストが低減される。また、部材の接合部分からの水素の漏れが抑制される。また、熱応力による接合部分での割れの発生が抑制される。
【0044】
特に、燃焼システム10では、バーナプレート14aに、燃料マニホールド42が形成される。ゆえに、バーナプレート14aを金属積層技術等によって一体成型することによって、燃料マニホールド42を容易に形成することができる。このようにバーナプレート14aが一体成型されることによって、燃料マニホールド42を形成する部材がバーナプレート14aと別体である場合と比べ、バーナ14の構造が簡略化され、バーナ14が小型化され、バーナ14の製造コストが低減される。また、部材の接合部分からの水素の漏れが抑制される。また、熱応力による接合部分での割れの発生が抑制される。また、燃料供給管14bの数も低減できる。
【0045】
なお、バーナプレート14aを分割した各部分(例えば、周方向に所定角度ずつ分割した各部分)を金属積層技術等によってそれぞれ一体成型し、得られる部材を組み立ててもよい。その場合にも、バーナ14の製造コストが低減され、部材の接合部分からの水素の漏れが抑制され、熱応力による接合部分での割れの発生が抑制される。
【0046】
以下、図5から図10を参照して、各変形例に係るガスタービンシステムについて説明する。なお、以下で説明する各変形例に係るガスタービンシステムでは、バーナプレート以外の構成については、上述したガスタービンシステム1と同様なので、説明を省略する。
【0047】
図5は、第1の変形例に係るバーナプレート14aAを燃焼室13c側から見た図である。図6は、図5中のA4-A4断面における断面図である。つまり、図6は、バーナプレート14aAを径方向に見た断面図である。図7は、図6中のA5-A5断面における断面図である。つまり、図7は、バーナプレート14aAを軸方向に見た断面図である。
【0048】
図5から図7に示すように、第1の変形例に係るガスタービンシステム1Aの燃焼システム10Aは、バーナプレート14aAを備える。バーナプレート14aAでは、上述したバーナプレート14aと比較して、空気室31の数および配置が異なる。
【0049】
図5から図7に示すように、バーナプレート14aAには、上述したバーナプレート14aと同様に、空気室31と、空気供給流路32と、空気マニホールド33と、燃料供給流路41と、燃料マニホールド42とが形成される。
【0050】
バーナプレート14aAには、空気室31として、複数の空気室31-1と、複数の空気室31-2とが形成される。複数の空気室31-1は、バーナプレート14aAに形成される複数の空気室31のうち、最も径方向外側の位置において、周方向に間隔を空けて設けられる空気室31である。複数の空気室31-2は、バーナプレート14aAに形成される複数の空気室31のうち、複数の空気室31-1よりも径方向内側の位置において、周方向に間隔を空けて設けられる空気室31である。
【0051】
バーナプレート14aAには、空気マニホールド33として、空気マニホールド33-1と、空気マニホールド33-2とが形成される。空気マニホールド33-1および空気マニホールド33-2は、それぞれバーナプレート14aAの周方向に延在する円環形状を有する。空気マニホールド33-1は、バーナプレート14aAに形成される複数の空気マニホールド33のうち、最も径方向外側に位置する。空気マニホールド33-2は、空気マニホールド33-1よりも径方向内側に位置する。
【0052】
各空気室31-1は、空気供給流路32-1を介して空気マニホールド33-1と接続されている。ゆえに、空気マニホールド33-1から各空気供給流路32-1を介して各空気室31-1に空気が供給される。各空気室31-2は、空気供給流路32-2を介して空気マニホールド33-2と接続されている。ゆえに、空気マニホールド33-2から各空気供給流路32-2を介して各空気室31-2に空気が供給される。
【0053】
バーナプレート14aAには、燃料マニホールド42として、燃料マニホールド42-1と、燃料マニホールド42-2とが形成される。燃料マニホールド42-1および燃料マニホールド42-2は、それぞれバーナプレート14aAの周方向に延在する円環形状を有する。燃料マニホールド42-1は、バーナプレート14aAに形成される複数の燃料マニホールド42のうち、最も径方向外側に位置する。燃料マニホールド42-2は、燃料マニホールド42-1よりも径方向内側に位置する。
【0054】
各空気室31-1は、燃料供給流路41を介して燃料マニホールド42-1と接続されている。ゆえに、燃料マニホールド42-1から各空気室31-1に水素が供給される。各空気室31-2は、燃料供給流路41を介して燃料マニホールド42-2と接続されている。ゆえに、燃料マニホールド42-2から各空気室31-2に水素が供給される。
【0055】
以上説明したように、燃焼システム10Aは、上述した燃焼システム10と同様に、燃焼室13cと、燃焼室13c内に臨む噴射孔31aを有する筒状の空気室31と、空気室31と接続される燃料供給流路41と、空気室31の側面と接続される空気供給流路32と、を備える。それにより、上述した燃焼システム10と同様の効果が奏される。
【0056】
特に、燃焼システム10Aでは、周方向に間隔を空けて設けられる複数の空気室31のグループが、径方向に間隔を空けて複数配置される。それにより、空気室31の数を多くすることができるので、バーナプレート14aAに供給される燃料をより多くの空気室31に分散させることができる。ゆえに、各空気室31において、燃料を空気とより効果的に混合することができる。よって、バーナ14が高温の燃焼ガスに晒されることをより効果的に抑制できる。よって、バーナ14を火炎からより効果的に保護することができる。さらに、NOxの発生もより抑制しやすくなる。
【0057】
上記では、図5から図7を参照して、空気室31-1および空気室31-2について説明した。ただし、空気室31-1および空気室31-2の数および配置は、図5から図7の例に限定されない。例えば、複数の空気室31-1、および、複数の空気室31-2は、それぞれ周方向に等間隔に設けられてもよく、周方向に不等間隔に設けられていてもよい。
【0058】
図8は、第2の変形例に係るバーナプレート14aBを燃焼室13c側から見た図である。図9は、図8中のA6-A6断面における断面図である。つまり、図9は、バーナプレート14aBを径方向に見た断面図である。図10は、図9中のA7-A7断面における断面図である。つまり、図10は、バーナプレート14aBを軸方向に見た断面図である。
【0059】
図8から図10に示すように、第2の変形例に係るガスタービンシステム1Bの燃焼システム10Bは、バーナプレート14aBを備える。バーナプレート14aBでは、上述したバーナプレート14aおよびバーナプレート14aAと比較して、空気室31の数および配置が異なる。
【0060】
図8から図10に示すように、バーナプレート14aBには、上述したバーナプレート14aと同様に、空気室31と、空気供給流路32と、空気マニホールド33と、燃料供給流路41と、燃料マニホールド42とが形成される。
【0061】
バーナプレート14aBには、空気室31として、複数の空気室31-3と、複数の空気室31-4と、複数の空気室31-5と、1つの空気室31-6とが形成される。複数の空気室31-3は、バーナプレート14aBに形成される複数の空気室31のうち、最も径方向外側の位置において、周方向に間隔を空けて設けられる空気室31である。複数の空気室31-4は、バーナプレート14aBに形成される複数の空気室31のうち、複数の空気室31-3よりも径方向内側の位置において、周方向に間隔を空けて設けられる空気室31である。複数の空気室31-5は、バーナプレート14aBに形成される複数の空気室31のうち、複数の空気室31-4よりも径方向内側の位置において、周方向に間隔を空けて設けられる空気室31である。空気室31-6は、複数の空気室31-5よりも径方向内側に設けられる空気室31である。空気室31-6は、バーナプレート14aBの中心軸上に設けられる。
【0062】
バーナプレート14aBには、空気マニホールド33として、空気マニホールド33-3と、空気マニホールド33-4と、空気マニホールド33-5とが形成される。空気マニホールド33-3、空気マニホールド33-4および空気マニホールド33-5は、それぞれバーナプレート14aBの周方向に延在する円環形状を有する。空気マニホールド33-3は、バーナプレート14aBに形成される複数の空気マニホールド33のうち、最も径方向外側に位置する。空気マニホールド33-4は、空気マニホールド33-3よりも径方向内側に位置する。空気マニホールド33-5は、空気マニホールド33-4よりも径方向内側に位置する。
【0063】
各空気室31-3は、空気供給流路32-3を介して空気マニホールド33-3と接続されている。ゆえに、空気マニホールド33-3から各空気供給流路32-3を介して各空気室31-3に空気が供給される。各空気室31-4は、空気供給流路32-4を介して空気マニホールド33-4と接続されている。ゆえに、空気マニホールド33-4から各空気供給流路32-4を介して各空気室31-4に空気が供給される。各空気室31-5は、空気供給流路32-5を介して空気マニホールド33-5と接続されている。ゆえに、空気マニホールド33-5から各空気供給流路32-5を介して各空気室31-5に空気が供給される。空気室31-6は、空気供給流路32-6を介して空気マニホールド33-5と接続されている。ゆえに、空気マニホールド33-5から空気供給流路32-6を介して空気室31-6に空気が供給される。
【0064】
バーナプレート14aBには、燃料マニホールド42として、燃料マニホールド42-3と、燃料マニホールド42-4と、燃料マニホールド42-5と、燃料マニホールド42-6とが形成される。燃料マニホールド42-3、燃料マニホールド42-4および燃料マニホールド42-5は、それぞれバーナプレート14aBの周方向に延在する円環形状を有する。燃料マニホールド42-3は、バーナプレート14aBに形成される複数の燃料マニホールド42のうち、最も径方向外側に位置する。燃料マニホールド42-4は、燃料マニホールド42-3よりも径方向内側に位置する。燃料マニホールド42-5は、燃料マニホールド42-4よりも径方向内側に位置する。燃料マニホールド42-6は、燃料マニホールド42-5よりも径方向内側に位置する。燃料マニホールド42-6は、バーナプレート14aBの中心軸上に設けられ、例えば、球形状を有する。
【0065】
各空気室31-3は、燃料供給流路41を介して燃料マニホールド42-3と接続されている。ゆえに、燃料マニホールド42-3から各空気室31-3に水素が供給される。各空気室31-4は、燃料供給流路41を介して燃料マニホールド42-4と接続されている。ゆえに、燃料マニホールド42-4から各空気室31-4に水素が供給される。各空気室31-5は、燃料供給流路41を介して燃料マニホールド42-5と接続されている。ゆえに、燃料マニホールド42-5から各空気室31-5に水素が供給される。空気室31-6は、燃料供給流路41を介して燃料マニホールド42-6と接続されている。ゆえに、燃料マニホールド42-6から空気室31-6に水素が供給される。
【0066】
以上説明したように、燃焼システム10Bは、上述した燃焼システム10と同様に、燃焼室13cと、燃焼室13c内に臨む噴射孔31aを有する筒状の空気室31と、空気室31と接続される燃料供給流路41と、空気室31の側面と接続される空気供給流路32と、を備える。それにより、上述した燃焼システム10と同様の効果が奏される。
【0067】
特に、燃焼システム10Bでは、上述した燃焼システム10Aと比較して、周方向に間隔を空けて設けられる複数の空気室31のグループが、径方向に間隔を空けてより多く配置される。さらに、燃焼システム10Bでは、上述した燃焼システム10および燃焼システム10Aと異なり、バーナプレート14aBの中心側にも空気室31が配置される。それにより、空気室31の数をさらに多くすることができるので、バーナプレート14aBに供給される燃料をさらに多くの空気室31に分散させることができる。ゆえに、各空気室31において、燃料を空気とさらに効果的に混合することができる。よって、バーナ14が高温の燃焼ガスに晒されることをさらに効果的に抑制できる。よって、バーナ14を火炎からより効果的に保護することができる。さらに、NOxの発生もさらに抑制しやすくなる。
【0068】
上記では、図8から図10を参照して、空気室31-3、空気室31-4、空気室31-5および空気室31-6について説明した。ただし、空気室31-3、空気室31-4、空気室31-5および空気室31-6の数および配置は、図8から図10の例に限定されない。例えば、複数の空気室31-3、複数の空気室31-4、および、複数の空気室31-5は、それぞれ周方向に等間隔に設けられてもよく、周方向に不等間隔に設けられていてもよい。例えば、空気室31-6は、バーナプレート14aBの中心の近傍に設けられてもよく、その場合、空気室31-6の数が複数であってもよい。
【0069】
上記では、図2から図10を参照して、1つの空気室31に対して1つの空気供給流路32が接続される例を説明した。ただし、1つの空気室31に対して、複数の空気供給流路32が接続されてもよい。以下、図11から図13を参照して、1つの空気室31に対して、複数の空気供給流路32が接続される各例について説明する。図11から図13の各々は、空気室31と空気供給流路32との接続関係の一例を示す図である。なお、以下で説明する空気室31と空気供給流路32との接続関係は、上述したバーナプレート14a、バーナプレート14aAおよびバーナプレート14aBの何れに対しても適用され得る。
【0070】
以下の図11から図13の各例では、空気室31に対して径方向外側(図11から図13中の上側)および径方向内側(図11から図13中の下側)に、それぞれ空気マニホールド33が配置されている。
【0071】
図11の例では、空気室31は、2つの空気供給流路32を介して径方向外側の空気マニホールド33と接続されている。ゆえに、径方向外側の空気マニホールド33から2つの空気供給流路32を介して空気室31に空気が供給される。各空気供給流路32は、空気室31の中心軸に対して偏心して空気室31と接続されている。各空気供給流路32は、屈曲している。
【0072】
以上説明したように、図11の例では、空気供給流路32は、1つの空気室31に接続される複数の流路(図11の例では、2つの空気供給流路32)を含む。それにより、空気室31において、空気室31の周方向に旋回する空気の旋回流をより均一に生じさせやすくなる。ゆえに、空気室31において、燃料を空気とより効果的に混合できる。
【0073】
特に、図11の例では、空気室31が、空気室31に対して径方向外側の空気マニホールド33、および、空気室31に対して径方向内側の空気マニホールド33のうちの一方のみと空気供給流路32を介して接続される。ゆえに、隣り合う空気マニホールド33の径方向の距離を小さくすることができる。よって、空気室31の数をより多くすることができる。
【0074】
図12の例は、図11の例に対して、空気室31が、径方向外側の空気マニホールド33に加えて、径方向内側の空気マニホールド33にも、2つの空気供給流路32を介して接続されるようにした例に相当する。このように、図12の例では、空気室31が、空気室31に対して径方向外側の空気マニホールド33、および、空気室31に対して径方向内側の空気マニホールド33のうちの両方と空気供給流路32を介して接続される。ゆえに、空気室31と接続される空気供給流路32の数をより多くできる。よって、空気室31において、空気室31の周方向に旋回する空気の旋回流をさらに均一に生じさせやすくなる。図12の例では、各空気供給流路32は、直線状である。
【0075】
図13の例は、図12の例に対して、各空気供給流路32を屈曲させた例に相当する。各空気供給流路32を屈曲させることによって、隣り合う空気マニホールド33の径方向の距離を小さくしやすくなる。よって、空気室31の数をより多くすることができる。さらに、屈曲の程度を調整すること等によって、空気室31における空気の旋回流をさらに均一に生じさせやすくなる。
【0076】
上記では、図11から図13を参照して、空気室31と空気供給流路32との接続関係の例を説明した。ただし、空気室31と空気供給流路32との接続関係は、上記の例に限定されない。例えば、空気室31と接続される空気供給流路32の数は、3つであってもよく、5つ以上であってもよい。例えば、径方向外側の空気マニホールド33と接続される空気供給流路32の数と、径方向内側の空気マニホールド33と接続される空気供給流路32の数とが互いに異なっていてもよい。例えば、空気室31と接続される空気供給流路32は湾曲していてもよい。例えば、空気室31と接続される複数の空気供給流路32の一部が屈曲または湾曲していてもよい。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0078】
上記では、図2から図10を参照して、バーナプレート14a、バーナプレート14aAおよびバーナプレート14aBについて説明した。ただし、バーナプレート14a、バーナプレート14aAおよびバーナプレート14aBに対して、構成要素の変更、追加または削除等が適宜行われてもよい。例えば、バーナプレート14a、バーナプレート14aAおよびバーナプレート14aBにおいて、燃焼室13c側の面から燃焼室13cと逆側の面まで貫通する複数の微細な貫通孔が追加されてもよい。それにより、燃焼器13内の空間Sから当該貫通孔を通って燃焼室13cに向けて空気が噴射される。ゆえに、バーナプレート14a、バーナプレート14aAおよびバーナプレート14aBへの火炎の接近を抑制できる。
【0079】
上記では、ガスタービンシステム1、ガスタービンシステム1Aおよびガスタービンシステム1Bにおいて、過給機11によって生成された回転動力が発電機12を駆動させるエネルギーとして利用される例を説明した。ただし、ガスタービンシステム1、ガスタービンシステム1Aおよびガスタービンシステム1Bにおいて、過給機11によって生成された回転動力が他の用途(例えば、船舶等の移動体を駆動させる目的等)に利用されてもよい。
【0080】
上記では、燃焼室13cの形状が略円柱形状である例を説明した。ただし、燃焼室13cの形状は、この例に限定されない。例えば、燃焼室13cは、略円筒形状の空間であってもよい。バーナプレート14a、バーナプレート14aAおよびバーナプレート14aBの形状は、燃焼室13cの形状に応じて適宜変更され得る。
【0081】
上記で説明した図1の例では、圧縮機11aから燃焼器13に送られた空気は、ライナ13bの外周面とケーシング13aの内周面との間を通った後に燃焼室13cに送られる。ただし、圧縮機11aから燃焼器13に送られた空気の経路はこの例(つまり、ターンフロー型)に限定されない。
【0082】
本開示は、バーナを火炎から保護することに資するので、例えば、持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」に貢献することができる。
【符号の説明】
【0083】
10:燃焼システム 10A:燃焼システム 10B:燃焼システム 13c:燃焼室 14a:バーナプレート 14aA:バーナプレート 14aB:バーナプレート 31:空気室 31-1:空気室 31-2:空気室 31-3:空気室 31-4:空気室 31-5:空気室 31-6:空気室 31a:噴射孔 32:空気供給流路 32-1:空気供給流路 32-2:空気供給流路 32-3:空気供給流路 32-4:空気供給流路 32-5:空気供給流路 32-6:空気供給流路 41:燃料供給流路 42:燃料マニホールド 42-1:燃料マニホールド 42-2:燃料マニホールド 42-3:燃料マニホールド 42-4:燃料マニホールド 42-5:燃料マニホールド 42-6:燃料マニホールド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13