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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】伸縮デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20241217BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20241217BHJP
   H05K 3/32 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K1/14 J
H05K3/32 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023562145
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 JP2022032254
(87)【国際公開番号】W WO2023089897
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2021188854
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】堀 信康
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-033597(JP,A)
【文献】国際公開第2020/262288(WO,A1)
【文献】特開2020-088337(JP,A)
【文献】特開2013-145842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/14
H05K 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1主面および第2主面を有し、第1方向に延在する伸縮可能な第1基材と、
前記第1主面上に設けられ、前記第1主面に沿って延在する伸縮可能な第1配線と、
互いに対向する第3主面および第4主面を有する第2基材と、
前記第3主面上に設けられ、前記第3主面に沿って延在する第2配線と、
前記第1基材と前記第2基材とを接続する接続部材と
を備え、
前記第1基材は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記第2基材と重なる接続領域と、前記第2基材と重ならない非接続領域とを含み、
前記接続部材は、前記第1主面に直交する方向からみて前記接続領域に重なり、
前記第1基材は、前記非接続領域において、前記第1主面および前記第2主面の少なくとも一方に設けられた複数の第1穴部を有し、
前記複数の第1穴部は、所定の方向に沿って配置され、
前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される第2穴部をさらに有し、
前記第1穴部は前記第2穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記接続領域と前記第1穴部との間の最短距離は、前記第1穴部と前記第2穴部との最短距離より大きい、伸縮デバイス。
【請求項2】
互いに対向する第1主面および第2主面を有し、第1方向に延在する伸縮可能な第1基材と、
前記第1主面上に設けられ、前記第1主面に沿って延在する伸縮可能な第1配線と、
互いに対向する第3主面および第4主面を有する第2基材と、
前記第3主面上に設けられ、前記第3主面に沿って延在する第2配線と
を備え、
前記第1基材は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記第2基材と重なる接続領域と、前記第2基材と重ならない非接続領域とを含み、
前記第1基材と前記第2基材とは、前記接続領域において接続され、
前記第1基材は、前記非接続領域において、前記第1主面および前記第2主面の少なくとも一方に設けられた複数の第1穴部を有し、
前記複数の第1穴部は、所定の方向に沿って配置され、
前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される第2穴部をさらに有し、
前記第1穴部は前記第2穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記接続領域と前記第1穴部との間の最短距離は、前記第1穴部と前記第2穴部との最短距離より大きい、伸縮デバイス。
【請求項3】
前記複数の第1穴部は、前記第1配線の延在方向に沿って配置される、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項4】
前記複数の第1穴部は、前記第1配線の延在方向に直交する方向に沿って配置される、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項5】
前記第1穴部は前記第1基材を貫通する、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項6】
前記第1穴部と前記接続領域の間の前記第1方向の最短距離は、前記第1穴部の前記第1方向の最大径よりも大きい、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項7】
前記第1方向に直交する第2方向において、前記第1配線と前記第1穴部との間に、前記第1基材の一部が存在している、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項8】
前記第1穴部および前記第2穴部に対して前記第1方向に配置される第3穴部をさらに有し、
前記第2穴部は前記第3穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記第1穴部と前記第2穴部との間の最短距離は、前記第2穴部と前記第3穴部との最短距離より大きい、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項9】
第4穴部をさらに有し、
前記第1配線は、前記第1穴部と前記第4穴部との間に配置される、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項10】
前記第4穴部に対して前記第1方向に配置される第5穴部をさらに有し、
前記第1方向において、前記第4穴部は前記第5穴部より前記接続領域に近接する、請求項に記載の伸縮デバイス。
【請求項11】
記第1方向において、前記第1穴部は前記第2穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記第1穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第4穴部と前記接続領域との最短距離と異なり、
前記第1方向において、前記第2穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第5穴部と前記接続領域との最短距離と異なる、請求項10に記載の伸縮デバイス。
【請求項12】
前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される前記第2穴部と、前記第4穴部に対して前記第1方向に配置される前記第5穴部とは、千鳥状に配置される、請求項11に記載の伸縮デバイス。
【請求項13】
記第1方向において、前記第1穴部は前記第2穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記第1穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第4穴部と前記接続領域との最短距離と等しく、
前記第1方向において、前記第2穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第5穴部と前記接続領域との最短距離と異なる、請求項10に記載の伸縮デバイス。
【請求項14】
前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される前記第2穴部と、前記第4穴部に対して前記第1方向に配置される前記第5穴部とは、千鳥状に配置される、請求項13に記載の伸縮デバイス。
【請求項15】
さらに、前記第1基材の前記第1主面の少なくとも一部および前記第1配線の少なくとも一部を覆う保護膜を備える、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項16】
前記保護膜は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記第1穴部と重なる貫通孔を有する、請求項15に記載の伸縮デバイス。
【請求項17】
前記保護膜は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記第1穴部と重なる重複部分を有し、
前記重複部分は、前記第1穴部の外側に位置する、請求項15に記載の伸縮デバイス。
【請求項18】
互いに対向する第1主面および第2主面を有し、第1方向に延在する伸縮可能な第1基材と、
前記第1主面上に設けられ、前記第1主面に沿って延在する伸縮可能な第1配線と、
互いに対向する第3主面および第4主面を有する第2基材と、
前記第3主面上に設けられ、前記第3主面に沿って延在する第2配線と、
前記第1基材と前記第2基材とを接続する接続部材と
を備え、
前記第1基材は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記第2基材と重なる接続領域と、前記第2基材と重ならない非接続領域とを含み、
前記接続部材は、前記第1主面に直交する方向からみて前記接続領域に重なり、
前記第1基材は、前記非接続領域において、前記第1主面および前記第2主面の少なくとも一方に設けられた複数の第1穴部を有し、
前記複数の第1穴部は、所定の方向に沿って配置され、
第4穴部をさらに有し、
前記第1配線は、前記第1穴部と前記第4穴部との間に配置され、
前記第4穴部に対して前記第1方向に配置される第5穴部をさらに有し、
前記第1方向において、前記第4穴部は前記第5穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される第2穴部をさらに有し、
前記第1方向において、前記第1穴部は前記第2穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記第1穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第4穴部と前記接続領域との最短距離と異なり、
前記第1方向において、前記第2穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第5穴部と前記接続領域との最短距離と異なる、伸縮デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、伸縮デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伸縮デバイスとしては、特開2013-145842号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この伸縮デバイスは、伸縮可能な絶縁ベース材に伸縮可能な配線部が設けられている伸縮可能回路体と、伸縮可能回路体の所定領域に積層される伸縮不能の部品実装用基板と、部品実装用基板の配線部と伸縮可能回路体の配線部を電気的に接続する電気接続部とを有する。部品実装用基板に、伸縮可能回路体の電気接続部を含む領域の伸縮を防止する伸縮防止ガードを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-145842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のような伸縮デバイスでは、伸縮可能回路体を伸長して使用すると、伸縮防止ガード付近の伸縮可能回路体の配線部が断線するおそれがあることが分かった。つまり、配線部の一部が、伸縮防止ガードにより伸縮を防止されているため、伸縮可能回路体が伸長されると、配線部の伸縮する部分と伸縮しない部分との間において、互いに反対側に引っ張られる引張力が発生して、配線部の断線の起点となる可能性がある。このように、伸縮デバイスの伸長に伴い配線部が断線するおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、伸縮デバイスの伸長に伴う配線の断線を抑制できる伸縮デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本開示の一態様である伸縮デバイスは、
互いに対向する第1主面および第2主面を有し、第1方向に延在する伸縮可能な第1基材と、
前記第1主面上に設けられ、前記第1主面に沿って延在する伸縮可能な第1配線と、
互いに対向する第3主面および第4主面を有する第2基材と、
前記第3主面上に設けられ、前記第3主面に沿って延在する第2配線と、
前記第1基材と前記第2基材とを接続する接続部材と
を備え、
前記第1基材は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記第2基材と重なる接続領域と、前記第2基材と重ならない非接続領域とを含み、
前記接続部材は、前記第1主面に直交する方向からみて前記接続領域に重なり、
前記第1基材は、前記非接続領域において、前記第1主面および前記第2主面の少なくとも一方に設けられた第1穴部を有する。
【0007】
ここで、主面上とは、重力方向に規定される鉛直上方のような絶対的な一方向ではなく、当該主面を境界とする基板の外側と内側とのうち、外側に向かう方向を指す。したがって、「主面上」とは主面の向きによって定まる相対的な方向である。また、ある要素に対して「上」には、当該要素と接する直上の位置(on)だけではなく、当該要素とは離れた上方、すなわち当該要素上の他の物体を介した上側の位置や間隔を空けた上側の位置(above)も含む。
【0008】
また、第1方向に延在とは、複数路に枝分かれて延在することでなく、一路に沿って延在することをいい、直線状に延在することのみならず、曲線状、ミアンダ状または螺旋状に延在することを含む。第1方向とは、第1基材の長手方向に限定されず、第1基材の伸縮方向をいう。
【0009】
また、穴部とは、第1基材(第1主面および第2主面)を貫通しない底を有するものであってもよく、または、第1基材(第1主面および第2主面)を貫通するものであってもよい。穴部とは、第1主面に直交する方向からみて、円形、楕円形、多角形に限らずスリット形状を含む。穴部とは、第1主面に直交する方向からみて、孔の内面が周方に連続する閉じた孔に限らず、例えば、第1基材の周縁から切り欠かれて孔の内面が周縁に開口する開いた孔を含む。
【0010】
前記態様によれば、第1基材は、非接続領域において第1穴部を有するので、第1基材を第1方向に伸長する際、第1基材の第1穴部の近傍が伸長し易くなり、第1基材の接続領域の近傍の伸長を低減できる。これにより、非接続領域の近傍の第1配線の断線を抑制して、伸縮デバイスの第1基材の伸長に伴う第1配線の断線を抑制できる。
【0011】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
互いに対向する第1主面および第2主面を有し、第1方向に延在する伸縮可能な第1基材と、
前記第1主面上に設けられ、前記第1主面に沿って延在する伸縮可能な第1配線と、
互いに対向する第3主面および第4主面を有する第2基材と、
前記第3主面上に設けられ、前記第3主面に沿って延在する第2配線と
を備え、
前記第1基材は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記第2基材と重なる接続領域と、前記第2基材と重ならない非接続領域とを含み、
前記第1基材と前記第2基材とは、前記接続領域において接続され、
前記第1基材は、前記非接続領域において、前記第1主面および前記第2主面の少なくとも一方に設けられた第1穴部を有する。
【0012】
前記実施形態によれば、第1基材は、非接続領域において第1穴部を有するので、第1基材を第1方向に伸長する際、第1基材の第1穴部の近傍が伸長し易くなり、第1基材の接続領域の近傍の伸長を低減できる。これにより、非接続領域の近傍の第1配線の断線を抑制して、伸縮デバイスの第1基材の伸長に伴う第1配線の断線を抑制できる。
【0013】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、前記第1穴部は前記第1基材を貫通する。
【0014】
前記実施形態によれば、第1基材の第1穴部の近傍がより伸長し易くなり、第1基材の接続領域の近傍の伸長をより低減して、第1基材の伸長に伴う第1配線の断線をより抑制できる。
【0015】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、前記第1穴部と前記接続領域の間の前記第1方向の最短距離は、前記第1穴部の前記第1方向の最大径よりも大きい。
【0016】
前記実施形態によれば、第1穴部を接続領域から離隔することができ、第1基材の接続領域の近傍の伸長をより低減して、第1基材の伸長に伴う第1配線の断線をより抑制できる。
【0017】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、前記第1方向に直交する第2方向において、前記第1配線と前記第1穴部の間に、前記第1基材の一部が存在している。
【0018】
前記実施形態によれば、第1穴部を第1配線から離隔して、第1配線が第1穴部から露出することを抑制できる。これにより、第1穴部が位置ずれして第1配線に接触するリスクを低減でき、また、第1穴部を介した外部からの第1配線に対する損傷を抑制できる。
【0019】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される第2穴部をさらに有し、
前記第1穴部は前記第2穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記接続領域と前記第1穴部との間の最短距離は、前記第1穴部と前記第2穴部との最短距離より大きい。
【0020】
前記実施形態によれば、第1基材の第1穴部および第2穴部の近傍の伸長をより増加して、第1基材の接続領域の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材の伸長に伴う第1配線の断線をより抑制できる。
【0021】
また、第1穴部を接続領域から離隔することができ、第1基材の接続領域の近傍の伸長をより低減できる。また、第1穴部と第2穴部を接近することができ、第1基材の第1穴部および第2穴部の近傍の伸長をより増加して、第1基材の接続領域の近傍の伸長をより低減できる。
【0022】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記第1穴部および前記第2穴部に対して、前記第1方向に配置される第3穴部をさらに有し、
前記第2穴部は前記第3穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記第1穴部と前記第2穴部との間の最短距離は、前記第2穴部と前記第3穴部との最短距離より大きい。
【0023】
前記実施形態によれば、第2穴部を接続領域から離隔することができ、第1基材の接続領域の近傍の伸長をより低減できる。また、第2穴部と第3穴部を接近することができ、第1基材の第2穴部および第3穴部の近傍の伸長をより増加して、第1基材の接続領域の近傍の伸長をより低減できる。
【0024】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
第4穴部をさらに有し、
前記第1配線は、前記第1穴部と前記第4穴部との間に配置される。
【0025】
前記実施形態によれば、第1基材の第1穴部および第4穴部の近傍の伸長をより増加して、第1基材の接続領域の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材の伸長に伴う第1配線の断線をより抑制できる。
【0026】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記第4穴部に対して前記第1方向に配置される第5穴部をさらに有し、
前記第1方向において、前記第4穴部は前記第5穴部より前記接続領域に近接する。
【0027】
前記実施形態によれば、第1基材の第4穴部および第5穴部の近傍の伸長をより増加して、第1基材の接続領域の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材の伸長に伴う第1配線の断線をより抑制できる。
【0028】
好ましくは、
前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される第2穴部をさらに有し、
前記第1方向において、前記第1穴部は前記第2穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記第1穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第4穴部と前記接続領域との最短距離と異なり、
前記第1方向において、前記第2穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第5穴部と前記接続領域との最短距離と異なる。
【0029】
前記実施形態によれば、第1基材の穴部の近傍の伸長に起因する第1配線に対する負荷をより軽減できる。
【0030】
好ましくは、前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される前記第2穴部と、前記第4穴部に対して前記第1方向に配置される前記第5穴部とは、千鳥状に配置される。
【0031】
ここで、「第2穴部と第5穴部が千鳥状に配置される」とは、第1方向に直交する第2方向において、第2穴部の中心と第5穴部の中心が重ならないことをいい、第2穴部の全体と第5穴部の全体が重ならないことが好ましい。
【0032】
前記実施形態によれば、第1基材の穴部の近傍の伸長に起因する第1配線に対する負荷をより軽減できる。
【0033】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される第2穴部をさらに有し、
前記第1方向において、前記第1穴部は前記第2穴部より前記接続領域に近接し、
前記第1方向において、前記第1穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第4穴部と前記接続領域との最短距離と等しく、
前記第1方向において、前記第2穴部と前記接続領域との最短距離は、前記第5穴部と前記接続領域との最短距離と異なる。
【0034】
前記実施形態によれば、第1基材の穴部の近傍の伸長に起因する第1配線に対する負荷をより軽減できる。
【0035】
好ましくは、前記第1穴部に対して前記第1方向に配置される前記第2穴部と、前記第4穴部に対して前記第1方向に配置される前記第5穴部とは、千鳥状に配置される。
【0036】
ここで、「第2穴部と第5穴部が千鳥状に配置される」とは、第1方向に直交する第2方向において、第2穴部の中心と第5穴部の中心が重ならないことをいい、第2穴部の全体と第5穴部の全体が重ならないことが好ましい。
【0037】
前記実施形態によれば、第1基材の穴部の近傍の伸長に起因する第1配線に対する負荷をより軽減できる。
【0038】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、さらに、前記第1基材の前記第1主面の少なくとも一部および前記第1配線の少なくとも一部を覆う保護膜を備える。
【0039】
前記実施形態によれば、保護膜は、第1配線の少なくとも一部を覆うので、外乱因子からの絶縁性を確保でき、また、生体に使用する場合、使用者の不快感を抑制できる。また、保護膜は、第1基材の第1主面の少なくとも一部を覆うので、生体に使用する場合、使用者の不快感を抑制できる。なお、本実施形態は、生体以外に用いることもできる。また、保護膜に生体適合性のあるものを用いてもよく、その場合、使用者の不快感を抑制できる。なお、保護膜は生体適合性を有していなくてもよい。
【0040】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、前記保護膜は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記穴部と重なる貫通孔を有する。
【0041】
前記実施形態によれば、保護膜を設けても、第1基材の穴部の近傍の伸長を増加でき、第1基材の接続領域の近傍の伸長を低減できる。
【0042】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記保護膜は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記穴部と重なる重複部分を有し、
前記重複部分は、前記穴部の外側に位置する。
【0043】
前記実施形態によれば、穴部の内部空間を確保でき、第1基材の穴部の近傍の伸長を増加でき、第1基材の接続領域の近傍の伸長を低減できる。
【発明の効果】
【0044】
本開示の一態様である伸縮デバイスによれば、伸縮デバイスの伸長に伴う配線の断線を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】伸縮デバイスの第1実施形態を示す平面図である。
図2図1のII-II断面図である。
図3】伸縮デバイスの第2実施形態を示す平面図である。
図4】伸縮デバイスの第3実施形態を示す平面図である。
図5】伸縮デバイスの第4実施形態を示す平面図である。
図6】伸縮デバイスの第5実施形態を示す平面図である。
図7】伸縮デバイスの第6実施形態を示す平面図である。
図8図7のVIII-VIII断面図である。
図9】保護膜の他の形態を示す断面図である。
図10】伸縮デバイスの第1実施例を説明する平面図である。
図11】接続領域から穴部までの最短距離と、接続領域近傍での第1基材の単位変位量との関係を示すグラフである。
図12】伸縮デバイスの第2実施例を説明する平面図である。
図13】穴部の数量と、接続領域近傍での第1基材の単位変位量との関係を示すグラフである。
図14】伸縮デバイスの第3実施例を説明する平面図である。
図15】接続領域から穴部までの最短距離と、接続領域近傍での第1基材の単位変位量との関係を示すグラフである。
図16】伸縮デバイスの第4実施例を説明する平面図である。
図17】接続領域から二列目の穴部までの最短距離と、接続領域近傍での第1基材の単位変位量との関係を示すグラフである。
図18】伸縮デバイスの第5実施例を説明する平面図である。
図19】穴部の列の数量と、接続領域近傍での第1基材の単位変位量との関係を示すグラフである。
図20】伸縮デバイスの第6実施例を説明するとともに、接続領域近傍で配線が断線した際の伸縮デバイスの伸長量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本開示の一態様である伸縮デバイスを図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
【0047】
(第1実施形態)
図1は、伸縮デバイスの第1実施形態を示す平面図である。図2は、図1のII-II断面図である。伸縮デバイスは、生体に貼り付けられて、生体信号を測定するために用いられる。
【0048】
図1図2に示すように、伸縮デバイス1は、伸縮可能な第1基材11と、第1基材11に設けられ伸縮可能な第1配線21と、第2基材12と、第2基材12に設けられた第2配線22と、第1基材11と第2基材12とを接続し、第1配線21と第2配線22とを接続する接続部材40とを備える。
【0049】
第1基材11は、互いに対向する第1主面111および第2主面112を有する。第1基材11は、第1方向Aに延在している。第1基材11は、第1方向Aに沿った長辺を有する矩形状に形成されている。第1基材11の幅は、第1方向Aに沿って一定である。幅とは、第1方向Aに直交する第2方向Bの長さをいう。
【0050】
第1基材11は、伸縮性を有する樹脂材料、例えば、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂又はシリコーン樹脂で形成され、好ましくはウレタン樹脂で形成される。ウレタン樹脂としては、熱可塑性ポリウレタン(TPU)が挙げられる。スチレン樹脂としては、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(SBS)が挙げられる。
【0051】
第1基材11の伸縮率は、50%以上であることが好ましい。前記伸縮率とすることで、伸縮デバイスの生体への追従性が良好になる。第1基材11のヤング率は、好ましくは100MPa以下であり、より好ましくは30MPa以下である。前記ヤング率とすることで、使用者の不快感を抑制できる。第1基材11の厚さは、例えば、0.1μm以上100μm以下である。第1基材11の幅は、例えば、10mm以上100mm以下である。
【0052】
第1配線21は、第1主面111上に設けられ、第1主面111に沿って延在する。第1配線21は、第1方向Aに沿って延在する。第1配線21は、複数存在し、複数の第1配線21は、第2方向Bに並んで配列される。第1実施形態では、第1配線21は、2つ存在する。
【0053】
第1配線21は、伸縮性を有する導電性材料で形成される。導電性材料には、例えば、銀、銅、ニッケルなどの金属粉とシリコーンなどのエラストマ系樹脂とからなる混合物を用いる。金属粉の平均粒子D50は、好ましくは0.01μm以上10μm以下である。金属粉の形状は、球状、扁平状、突起等を有する異形状等であってよい。
【0054】
第1配線21の厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であり、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上である。第1配線21の厚さが薄いほど、凹凸が小さくラミネート等が容易である。第1配線21の幅は、好ましくは0.1mm以上4mm以下である。
【0055】
第1配線21は、第1主面111に直接接触するようにスクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンスまたは金属箔のエッチングにより形成される。なお、第1配線21は、第1主面111上に図示しない絶縁性を有する絶縁膜を介して配置されていてもよい。また、第1配線21は、絶縁膜で覆われていてもよい。
【0056】
第2基材12は、互いに対向する第3主面121および第4主面122を有する。第2基材12は、第1方向Aに延在している。第2基材12は、第1方向Aに沿った長辺を有する矩形状に形成されている。第2基材12の幅は、第1方向Aに沿って一定である。幅とは、第2方向Bの長さをいう。
【0057】
第2基材12は、樹脂材料、例えば、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂又はシリコーン樹脂で形成される。第2基材12は、例えば、フレキシブル基板(FPC)またはプリント基板(PCB)であってもよい。第2基材12は、伸縮可能であってもよい。第2基材12が伸縮可能であると、第2基材12にかかる伸縮負荷を低減できる。
【0058】
第2基材12の伸縮率は、50%以上であることが好ましい。前記伸縮率とすることで、伸縮デバイスの生体への追従性が良好になる。第2基材12のヤング率は、好ましくは100MPa以下であり、より好ましくは30MPa以下である。前記ヤング率とすることで、使用者の不快感を抑制できる。第2基材12の厚さは、例えば、0.1μm以上100μm以下である。第2基材12の幅は、例えば、10mm以上100mm以下である。
【0059】
第2配線22は、第3主面121上に設けられ、第3主面121に沿って延在する。第2配線22は、第1方向Aに沿って延在する。第2配線22は、複数存在し、複数の第2配線22は、第2方向Bに並んで配列される。第1実施形態では、第2配線22は、2つ存在する。
【0060】
第2配線22は、導電性材料で形成される。導電性材料には、例えば、銀、銅、ニッケルなどの金属箔を用いてもよく、銀、銅、ニッケルなどの金属粉とエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などのエラストマ系樹脂とからなる混合物を用いてもよい。金属箔の厚さは、好ましくは0.01μm以上10μm以下であり、金属粉の平均粒子D50は、好ましくは0.01μm以上10μm以下である。金属粉の形状は、球状、扁平状、突起等を有する異形状等であってよい。第2配線22は、伸縮可能であってもよい。
【0061】
第2配線22の厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であり、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上である。第2配線22の厚さが薄いほど、凹凸が小さくラミネート等が容易である。第2配線22の幅は、好ましくは0.1mm以上4mm以下である。
【0062】
第2配線22は、第3主面121に直接接触するようにスクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンスまたは金属箔のエッチングにより形成される。なお、第2配線22は、第3主面121上に図示しない絶縁性を有する絶縁膜を介して配置されていてもよく、また、第2配線22は、絶縁膜で覆われていてもよい。
【0063】
第1基材11と第2基材12は、それぞれの第1方向Aの端部が互いに重なるようにして、配置される。具体的に述べると、第1基材11と第2基材12は、第1主面111と第3主面121が向かい合うようにして、配置される。第1配線21と第2配線22は、互いに向かい合うように配置される。
【0064】
接続部材40は、第1基材11と第2基材12の互いに重なる部分において、第1基材11と第2基材12の間に配置され、第1基材11と第2基材12とを接続する。また、接続部材40は、第1基材11と第2基材12の互いに重なる部分において、第1配線21と第2配線22の間に配置され、第1配線21と第2配線22とを接続する。接続部材40は、接着性および導電性を有する。接続部材40は、導電性を有するため、第1配線21と第2配線22は、接続部材40を介して電気的に接続される。
なお、第1基材11と第2基材12の接続方法は、上述のような方法に限定されず、例えば、第1主面111と第3主面121が同じ方向を向くように第1基材11と第2基材12を配置して、第1基材11と第2基材12を接続部材40により接続するようにしてもよい。
【0065】
接続部材40は、例えば、異方性導電フィルム(ACF)であり、第1主面111に直交する方向に対して導通性を有し、第1主面111に平行な平面方向に対して絶縁性を有する。接続部材40は、熱硬化性のエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂中に分散して配置される導電性粒子とを含む。したがって、第1配線21は、直上の第2配線22のみに導通し、第1主面111方向に隣り合う第1配線21や直上にない第2配線22に導通しない。
【0066】
接続部材40の厚さは、例えば、1μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。接続部材40の幅は、接続したい第1配線21と第2配線22を覆うことができれば良いが、例えば、第1基材11の幅および第2基材12の幅のうちの大きい方に合わせることが好ましい。
【0067】
第1基材11は、第1主面111に直交する方向からみて、第2基材12と重なる接続領域Z1と第2基材12と重ならない非接続領域Z2とを含む。接続部材40は、第1主面111に直交する方向からみて接続領域Z1に重なる。第1基材11と第2基材12とは、接続領域Z1において接続される。第1基材11は、非接続領域Z2において、第1主面111に設けられた穴部50を有する。穴部50は、特許請求の範囲に記載の「第1穴部」の一例に相当する。
穴部50は、第1主面111および第2主面112を貫通する。穴部50は、第1主面111に直交する方向からみて、円形に形成されている。穴部50の直径は、例えば、0.4mmである。穴部50は、第1基材11の幅方向の中央に位置し、2つの第1配線21の間に位置する。
【0068】
上記構成によれば、第1基材11は、非接続領域Z2において穴部50を有するので、第1基材11を第1方向Aに伸長する際、第1基材11の穴部50の近傍が伸長し易くなり、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長を低減できる。第1基材11の接続領域Z1の近傍とは、接続領域Z1から300μm以内の範囲をいう。つまり、第1基材11の第1方向Aの伸長を第1基材11の穴部50の近傍において吸収することができる。言い換えると、非接続領域Z2のヤング率は、接続領域Z1のヤング率よりも小さい。これにより、非接続領域Z2の近傍の第1配線21の断線を抑制して、伸縮デバイス1の第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線を抑制できる。
なお、穴部50は、第1主面111に設けられ、第2主面112に貫通しない底を有するものであってもよく、この場合でも上記効果を有する。または、穴部50は、第2主面112に設けられ、第1主面111に貫通しない底を有するものであってもよく、この場合でも上記効果を有する。この実施形態のように、穴部50が、第1基材11を貫通することで、より顕著な効果を有する。
【0069】
なお、第2基材12および第2配線22が伸縮可能であってもよい。このとき、第2基材12についても、第1基材11と同様に、接続部材40に重なる接続領域と接続部材40に重ならない非接続領域とを含み、第2基材12は、図1の二点鎖線に示すように、非接続領域において、第3主面121および第4主面122の少なくとも一方に、穴部50を有していてもよい。これにより、非接続領域の近傍の第2配線22の断線を抑制して、伸縮デバイス1の第2基材12の伸長に伴う第2配線22の断線を抑制できる。好ましくは、穴部50が、第2基材12を貫通することで、より顕著な効果を有する。
【0070】
また、穴部50の形状は、楕円形や多角形であってもよく、または、スリット形状であってもよい。このとき、穴部50は、第1方向Aに長い形状であることが好ましく、穴部50の近傍の伸長を増大できる。
【0071】
なお、接続部材40は、第1配線21と第2配線22の間に存在しないで、第1基材11と第2基材12の間に存在していてもよい。また、接続部材40を設けなくてもよく、第1基材11と第2基材12が溶着などにより直接に接続されていてもよい。この場合も、第1基材11の接続領域Z1は、第1主面111に直交する方向からみて、第2基材12と重なり第2基材12と接続される領域であり、第1基材11の非接続領域Z2は、第1主面111に直交する方向からみて、第2基材12と重ならず第2基材12と接続されない領域である。
【0072】
好ましくは、第1基材11において、穴部50と接続領域Z1の間の第1方向Aの最短距離Lは、穴部50の第1方向Aの最大径よりも大きい。最短距離Lは、例えば、0.5mm以上10mm以下であり、好ましくは0.8mm以上7mm以下、より好ましくは1mm以上6.5mm以下、さらに好ましくは1.3mm以上6mm以下である。
【0073】
上記構成によれば、穴部50を接続領域Z1から離隔することができ、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減して、第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線をより抑制できる。なお、第2基材12に穴部を設ける場合、上記第1基材11と同様の構成であることが好ましい。
【0074】
好ましくは、第2方向Bにおいて、第1配線21と穴部50の間に、第1基材11の一部が存在している。2つの第1配線21の間の最短距離は、例えば、0.5mmであり、好ましくは穴部50の直径よりも100μm大きく、より好ましくは穴部50の直径よりも200μm大きく、さらに好ましくは穴部50の直径よりも300μm大きい。これにより、第1配線21と穴部50の間に第1基材11の一部を介在させることができる。
【0075】
上記構成によれば、穴部50を第1配線21から離隔して、第1配線21が穴部50から露出することを抑制できる。これにより、穴部50が位置ずれして第1配線21に接触するリスクを低減でき、また、穴部50を介した外部からの第1配線21に対する損傷を抑制できる。なお、第2基材12に穴部を設ける場合、上記第1基材11と同様の構成であることが好ましい。
【0076】
(第2実施形態)
図3は、伸縮デバイスの第2実施形態を示す平面図である。第2実施形態は、第1実施形態とは、穴部の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0077】
図3に示すように、第2実施形態の伸縮デバイス1Aでは、第1基材11において、穴部50は、複数存在し、穴部50は、第1配線21の第2方向Bの両側のそれぞれに位置する。第2実施形態では、第1配線21は2つ存在するので、穴部50は3つ存在する。複数の穴部50は、第2方向Bに直線状に並んで配列される。
第1配線21の第2方向Bの一方側に位置する穴部50は、特許請求の範囲に記載の「第1穴部」の一例に相当し、第1配線21の第2方向Bの他方側に位置する穴部50は、特許請求の範囲に記載の「第4穴部」の一例に相当する。
【0078】
上記構成によれば、第1基材11の複数の穴部50の近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線をより抑制できる。
【0079】
なお、第2基材12に穴部を設ける場合、上記第1基材11と同様の構成であることが好ましい。
【0080】
(第3実施形態)
図4は、伸縮デバイスの第3実施形態を示す平面図である。第3実施形態は、第1実施形態とは、穴部の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0081】
図4に示すように、第3実施形態の伸縮デバイス1Bでは、第1基材11において、穴部50a,50b,50cは、複数存在し、複数の穴部50a,50b,50cは、第1方向Aに沿って配置される。第3実施形態では、穴部50a,50b,50cは3つ存在する。複数の穴部50a,50b,50cは、2つの第1配線21の間に位置し、第1方向Aに沿って直線状に並んで配列される。
【0082】
上記構成によれば、第1基材11の複数の穴部50a,50b,50cの近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線をより抑制できる。また、第1基材11を第1方向Aに伸長する際に発生する応力を、複数の穴部50a,50b,50cのそれぞれの近傍に分散でき、第1基材11および第1配線21の耐久性を向上できる。
【0083】
図4に示すように、複数の穴部50a,50b,50cは、接続領域Z1に1番目に近い1番目の穴部50aと、接続領域Z1に2番目に近い2番目の穴部50bと、接続領域Z1に3番目に近い3番目の穴部50cとを含む。つまり、2番目の穴部50bは、1番目の穴部50aに対して第1方向Aに配置され、1番目の穴部50aは、2番目の穴部50bより接続部材40(接続領域Z1)に近接する。3番目の穴部50cは、2番目の穴部50bに対して第1方向Aに配置され、2番目の穴部50bは、3番目の穴部50cより接続部材40(接続領域Z1)に近接する。1番目の穴部50aは、特許請求の範囲に記載の「第1穴部」の一例に相当し、2番目の穴部50bは、特許請求の範囲に記載の「第2穴部」の一例に相当し、3番目の穴部50cは、特許請求の範囲に記載の「第3穴部」の一例に相当する。
【0084】
好ましくは、1番目の穴部50aと接続領域Z1の間の第1方向Aの第1最短距離L1は、1番目の穴部50aと2番目の穴部50bの間の第1方向Aの第2最短距離L2よりも大きい。
【0085】
上記構成によれば、1番目の穴部50aを接続領域Z1から離隔することができ、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減できる。また、1番目の穴部50aと2番目の穴部50bを接近することができ、第1基材11の第1と2番目の穴部50a,50bの近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減できる。
【0086】
好ましくは、第2最短距離L2は、2番目の穴部50bと3番目の穴部50cの間の第1方向Aの第3最短距離L3よりも大きい。
【0087】
上記構成によれば、2番目の穴部50bを接続領域Z1から離隔することができ、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減できる。また、2番目の穴部50bと3番目の穴部50cを接近することができ、第1基材11の第2と3番目の穴部50b,50cの近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減できる。
なお、穴部は、第1方向Aに沿って4つ以上整列していてもよく、その場合、4つ目以降の隣り合う穴部同士の間隔は、第3最短距離L3であることが好ましい。
【0088】
なお、第2基材12に穴部を設ける場合、上記第1基材11と同様の構成であることが好ましい。
【0089】
(第4実施形態)
図5は、伸縮デバイスの第4実施形態を示す平面図である。第4実施形態は、第1実施形態とは、穴部の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0090】
図5に示すように、第4実施形態の伸縮デバイス1Cでは、第1基材11において、穴部51a~51c,52a~52c,53a~53cは、複数存在する。具体的に述べると、複数の穴部51a~51c,52a~52c,53a~53cは、第1方向Aに沿って直線状に配置される第1群の穴部51a~51cと、第1方向Aに沿って直線状に配置される第2群の穴部52a~52cと、第1方向Aに沿って直線状に配置される第3群の穴部53a~53cとを含む。第1群の穴部51a~51cと第2群の穴部52a~52cと第3群の穴部53a~53cは、第2方向Bに沿って平行に配列される。
【0091】
第1群の穴部51a~51cは、接続領域Z1に1番目に近い1番目の穴部51aと、接続領域Z1に2番目に近い2番目の穴部51bと、接続領域Z1に3番目に近い3番目の穴部51cとを含む。つまり、2番目の穴部51bは、1番目の穴部51aに対して第1方向Aに配置され、1番目の穴部51aは、2番目の穴部51bより接続部材40(接続領域Z1)に近接する。3番目の穴部51cは、2番目の穴部51bに対して第1方向Aに配置され、2番目の穴部51bは、3番目の穴部51cより接続部材40(接続領域Z1)に近接する。
同様に、第2群の穴部52a~52cは、接続領域Z1に1番目に近い1番目の穴部52aと、接続領域Z1に2番目に近い2番目の穴部52bと、接続領域Z1に3番目に近い3番目の穴部52cとを含む。第3群の穴部53a~53cは、接続領域Z1に1番目に近い1番目の穴部53aと、接続領域Z1に2番目に近い2番目の穴部53bと、接続領域Z1に3番目に近い3番目の穴部53cとを含む。
【0092】
まず、図5の上側の第1配線21に関して、第1群の穴部51a~51cは、上側の第1配線21に対して第2方向Bの一方側(上側)に位置し、第2群の穴部52a~52cは、上側の第1配線21に対して第2方向Bの他方側(下側)に位置する。
このとき、第1群の穴部51a~51cにおいて、1番目の穴部51aは、特許請求の範囲に記載の「第1穴部」の一例に相当し、2番目の穴部51bは、特許請求の範囲に記載の「第2穴部」の一例に相当し、3番目の穴部51cは、特許請求の範囲に記載の「第3穴部」の一例に相当する。また、第2群の穴部52a~52cにおいて、1番目の穴部52aは、特許請求の範囲に記載の「第4穴部」の一例に相当し、2番目の穴部52bは、特許請求の範囲に記載の「第5穴部」の一例に相当する。
【0093】
第1群の穴部51a~51cと第2群の穴部52a~52cは、第1方向Aに沿って交互に配置されている。このとき、第1群の1番目の穴部51aの中心510aと第2群の1番目の穴部52aの中心520aは、第2方向Bに重ならない。また、第1群の2番目の穴部51bの中心と第2群の2番目の穴部52bの中心は、第2方向Bに重ならない。また、第1群の3番目の穴部51cの中心と第2群の3番目の穴部52cの中心は、第2方向Bに重ならない。言い換えると、第1群の穴部51a~51cと第2群の穴部52a~52cは、第1配線21に対して千鳥状に配置される。
また、第1方向Aにおいて、第1群の1番目の穴部51aと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第2群の1番目の穴部52aと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。また、第1方向Aにおいて、第1群の2番目の穴部51bと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第2群の2番目の穴部52bと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。また、第1方向Aにおいて、第1群の3番目の穴部51cと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第2群の3番目の穴部52cと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。
【0094】
上記構成によれば、第1群の穴部51a~51cと第2群の穴部52a~52cとを含むので、第1基材11の複数の穴部51a~51c,52a~52cの近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線をより抑制できる。また、第1群の穴部51a~51cと第2群の穴部52a~52cは、第1配線21に対して千鳥状に配置されるので、第1基材11の複数の穴部51a~51c,52a~52cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷を軽減できる。また、第1群の1番目の穴部51aと接続部材40との最短距離は、第2群の1番目の穴部52aと接続部材40との最短距離と異なり、第1群の2番目の穴部51bと接続部材40との最短距離は、第2群の2番目の穴部52bと接続部材40との最短距離と異なり、第1群の3番目の穴部51cと接続部材40との最短距離は、第2群の3番目の穴部52cと接続部材40との最短距離と異なるので、第1基材11の複数の穴部51a~51c,52a~52cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷を軽減できる。
【0095】
同様に、図5の下側の第1配線21に関して、第2群の穴部52a~52cは、下側の第1配線21に対して第2方向Bの一方側(上側)に位置し、第3群の穴部53a~53cは、下側の第1配線21に対して第2方向Bの他方側(下側)に位置する。
このとき、第2群の穴部52a~52cにおいて、1番目の穴部52aは、特許請求の範囲に記載の「第1穴部」の一例に相当し、2番目の穴部52bは、特許請求の範囲に記載の「第2穴部」の一例に相当し、3番目の穴部52cは、特許請求の範囲に記載の「第3穴部」の一例に相当する。また、第3群の穴部53a~53cにおいて、1番目の穴部53aは、特許請求の範囲に記載の「第4穴部」の一例に相当し、2番目の穴部53bは、特許請求の範囲に記載の「第5穴部」の一例に相当する。
【0096】
第2群の穴部52a~52cと第3群の穴部53a~53cは、第1方向Aに沿って交互に配置されている。このとき、第2群の1番目の穴部52aの中心520aと第3群の1番目の穴部53aの中心530aは、第2方向Bに重ならない。また、第2群の2番目の穴部52bの中心と第3群の2番目の穴部53bの中心は、第2方向Bに重ならない。また、第2群の3番目の穴部52cの中心と第3群の3番目の穴部53cの中心は、第2方向Bに重ならない。言い換えると、第2群の穴部52a~52cと第3群の穴部53a~53cは、第1配線21に対して千鳥状に配置される。
また、第1方向Aにおいて、第2群の1番目の穴部52aと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第3群の1番目の穴部53aと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。また、第1方向Aにおいて、第2群の2番目の穴部52bと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第3群の2番目の穴部53bと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。また、第1方向Aにおいて、第2群の3番目の穴部52cと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第3群の3番目の穴部53cと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。
【0097】
上記構成によれば、第2群の穴部52a~52cと第3群の穴部53a~53cとを含むので、第1基材11の複数の穴部52a~52c,53a~53cの近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線をより抑制できる。また、第2群の穴部52a~52cと第3群の穴部53a~53cは、第1配線21に対して千鳥状に配置されるので、第1基材11の複数の穴部52a~52c,53a~53cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷を軽減できる。また、第2群の1番目の穴部52aと接続部材40との最短距離は、第3群の1番目の穴部53aと接続部材40との最短距離と異なり、第2群の2番目の穴部52bと接続部材40との最短距離は、第3群の2番目の穴部53bと接続部材40との最短距離と異なり、第2群の3番目の穴部52cと接続部材40との最短距離は、第3群の3番目の穴部53cと接続部材40との最短距離と異なるので、第1基材11の複数の穴部52a~52c,53a~53cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷を軽減できる。
【0098】
なお、上下の第1配線21のうちの何れか一方の第1配線21に対して、第2方向Bの両側に、千鳥状に配置された複数の穴部を設けてもよい。
【0099】
図5に示すように、第1群の1番目の穴部51aの全体と第2群の1番目の穴部52aの全体は、第2方向Bに重ならない。また、第1群の2番目の穴部51bの全体と第2群の2番目の穴部52bの全体は、第2方向Bに重ならない。また、第1群の3番目の穴部51cの全体と第2群の3番目の穴部52cの全体は、第2方向Bに重ならない。上記構成によれば、第1基材11の穴部51a~51c,52a~52cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷をより軽減できる。
【0100】
同様に、第2群の1番目の穴部52aの全体と第3群の1番目の穴部53aの全体は、第2方向Bに重ならない。また、第2群の2番目の穴部52bの全体と第3群の2番目の穴部53bの全体は、第2方向Bに重ならない。また、第2群の3番目の穴部52cの全体と第3群の3番目の穴部53cの全体は、第2方向Bに重ならない。上記構成によれば、第1基材11の穴部52a~52c,53a~53cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷をより軽減できる。
【0101】
なお、第1群の1番目の穴部51aの一部と第2群の1番目の穴部52aの一部は、第2方向Bに重なり、第1群の2番目の穴部51bの一部と第2群の2番目の穴部52bの一部は、第2方向Bに重なり、第1群の3番目の穴部51cの一部と第2群の3番目の穴部52cの一部は、第2方向Bに重なるようにしてもよい。上記構成によれば、第1基材11の複数の穴部51a~51c,52a~52cの近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線をより抑制できる。
【0102】
同様に、第2群の1番目の穴部52aの一部と第3群の1番目の穴部53aの一部は、第2方向Bに重なり、第2群の2番目の穴部52bの一部と第3群の2番目の穴部53bの一部は、第2方向Bに重なり、第2群の3番目の穴部52cの一部と第3群の3番目の穴部53cの一部は、第2方向Bに重なるようにしてもよい。上記構成によれば、第1基材11の複数の穴部52a~52c,53a~53cの近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線をより抑制できる。
【0103】
なお、第2基材12に穴部を設ける場合、上記第1基材11と同様の構成であることが好ましい。
【0104】
(第5実施形態)
図6は、伸縮デバイスの第5実施形態を示す平面図である。第5実施形態は、第4実施形態とは、穴部の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第4実施形態と同じ構成であり、第4実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0105】
図6に示すように、第5実施形態の伸縮デバイス1Dでは、第1群の穴部51a~51cのうちの接続領域Z1に最も近い穴部51aの少なくとも一部と第2群の穴部52a~52cのうちの接続領域Z1に最も近い穴部52aの少なくとも一部は、第2方向Bに重なり、かつ、第1群の穴部51a~51cのうちのその他の穴部51b,51cの中心と第2群の穴部52a~52cのうちのその他の穴部52b,52cの中心が、第2方向Bに重ならない。
【0106】
具体的に述べると、第1群の1番目の穴部51aの少なくとも一部と第2群の1番目の穴部52aの少なくとも一部は、第2方向Bに重なる。また、第1群の2番目の穴部51bの中心と第2群の2番目の穴部52bの中心は、第2方向Bに重ならない。また、第1群の3番目の穴部51cの中心と第2群の3番目の穴部52cの中心は、第2方向Bに重ならない。言い換えると、第1群の穴部51b,51cと第2群の穴部52b,52cは、第1配線21に対して千鳥状に配置される。
また、第1方向Aにおいて、第1群の1番目の穴部51aと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第2群の1番目の穴部52aと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と等しい。また、第1方向Aにおいて、第1群の2番目の穴部51bと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第2群の2番目の穴部52bと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。また、第1方向Aにおいて、第1群の3番目の穴部51cと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第2群の3番目の穴部52cと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。
【0107】
上記構成によれば、第1群の穴部51a~51cと第2群の穴部52a~52cとを含むので、第1基材11の複数の穴部51a~51c,52a~52cの近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線をより抑制できる。また、第1群の穴部51b,51cと第2群の穴部52b,52cは、第1配線21に対して千鳥状に配置されるので、第1基材11の複数の穴部51b,51c,52b,52cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷を軽減できる。また、第1群の1番目の穴部51aと接続部材40との最短距離は、第2群の1番目の穴部52aと接続部材40との最短距離と等しく、第1群の2番目の穴部51bと接続部材40との最短距離は、第2群の2番目の穴部52bと接続部材40との最短距離と異なり、第1群の3番目の穴部51cと接続部材40との最短距離は、第2群の3番目の穴部52cと接続部材40との最短距離と異なるので、第1基材11の複数の穴部51a~51c,52a~52cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷を軽減できる。
【0108】
同様に、第2群の穴部52a~52cのうちの接続領域Z1に最も近い穴部52aの少なくとも一部と第3群の穴部53a~53cのうちの接続領域Z1に最も近い穴部53aの少なくとも一部は、第2方向Bに重なり、かつ、第2群の穴部52a~52cのうちのその他の穴部52b,52cの中心と第3群の穴部53a~53cのうちのその他の穴部53b,53cの中心が、第2方向Bに重ならない。
【0109】
具体的に述べると、第2群の1番目の穴部52aの少なくとも一部と第3群の1番目の穴部53aの少なくとも一部は、第2方向Bに重なる。また、第2群の2番目の穴部52bの中心と第3群の2番目の穴部53bの中心は、第2方向Bに重ならない。また、第2群の3番目の穴部52cの中心と第3群の3番目の穴部53cの中心は、第2方向Bに重ならない。言い換えると、第2群の穴部52b,52cと第3群の穴部53b,53cは、第1配線21に対して千鳥状に配置される。
また、第1方向Aにおいて、第2群の1番目の穴部52aと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第3群の1番目の穴部53aと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と等しい。また、第1方向Aにおいて、第2群の2番目の穴部52bと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第3群の2番目の穴部53bと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。また、第1方向Aにおいて、第2群の3番目の穴部52cと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離は、第3群の3番目の穴部53cと接続部材40(接続領域Z1)との最短距離と異なる。
【0110】
上記構成によれば、第2群の穴部52a~52cと第3群の穴部53a~53cとを含むので、第1基材11の複数の穴部52a~52c,53a~53cの近傍の伸長をより増加して、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長をより低減し、これにより、第1基材11の伸長に伴う第1配線21の断線をより抑制できる。また、第2群の穴部52b,52cと第3群の穴部53b,53cは、第1配線21に対して千鳥状に配置されるので、第1基材11の複数の穴部52b,52c,53b,53cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷を軽減できる。また、第2群の1番目の穴部52aと接続部材40との最短距離は、第3群の1番目の穴部53aと接続部材40との最短距離と等しく、第2群の2番目の穴部52bと接続部材40との最短距離は、第3群の2番目の穴部53bと接続部材40との最短距離と異なり、第2群の3番目の穴部52cと接続部材40との最短距離は、第3群の3番目の穴部53cと接続部材40との最短距離と異なるので、第1基材11の複数の穴部52a~52c,53a~53cの近傍の伸長に起因する第1配線21に対する負荷を軽減できる。
【0111】
なお、第2基材12に穴部を設ける場合、上記第1基材11と同様の構成であることが好ましい。
【0112】
(第6実施形態)
図7は、伸縮デバイスの第6実施形態を示す平面図である。図8は、図7のVIII-VIII断面図である。第6実施形態は、第1実施形態とは、保護膜を設けている点が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0113】
図7図8に示すように、第6実施形態の伸縮デバイス1Eでは、さらに、第1基材11の第1主面111の少なくとも一部および第1配線21の少なくとも一部を覆う保護膜60を備える。保護膜60は、絶縁性を有する。保護膜60は、樹脂材料、例えば、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂又はシリコーン樹脂で形成される。
【0114】
上記構成によれば、保護膜60は、第1配線21の少なくとも一部を覆うので、外乱因子からの絶縁性を確保でき、また、第1配線21が直接に皮膚に接触することを避けることができ、使用者の不快感を抑制できる。また保護膜60は、第1基材11の第1主面111の少なくとも一部を覆うので、第1基材11が直接に皮膚に接触することを避けることができ、使用者から発生される水分による影響を抑制できる。
【0115】
図7図8に示すように、保護膜60は、第1主面111に直交する方向からみて、穴部50と重なる貫通孔60aを有する。好ましくは、貫通孔60aの大きさは、穴部50の大きさと同じである。上記構成によれば、保護膜60を設けても、第1基材11の穴部50の近傍の伸長を増加でき、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長を低減できる。
【0116】
図9に保護膜の他の形態を示す。図9に示すように、保護膜60Aは、第1主面111に直交する方向からみて、穴部50と重なる重複部分60bを有する。重複部分60bは、穴部50の内部に進入しないで、穴部50の外側に位置する。好ましくは、重複部分60bは、第1主面111と同一平面上に位置する。上記構成によれば、穴部50の内部空間を確保でき、第1基材11の穴部50の近傍の伸長を増加でき、第1基材11の接続領域Z1の近傍の伸長を低減できる。なお、重複部分60bは、穴部50の全体に重なっている必要はなく、穴部50の一部に重なっていればよい。
【0117】
なお、保護膜は、第1基材11の第2主面112上に設けられていてもよい。保護膜は、第2基材12の第3主面121上および第2配線22上に設けられていてもよく、また、第2基材12の第4主面122上に設けられていてもよい。
【0118】
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第6実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
【0119】
前記実施形態において、第1基材および第2基材の数量を増加してもよく、このとき、複数の第1基材および複数の第2基材を直列に接続してもよい。また、第1配線および第2配線の数量を増減してもよく、穴部の数量を増減してもよい。
【0120】
前記実施形態では、第1基材および第2基材は、矩形状であるが、矩形状に限定されず、例えば、多角形状や楕円形や長円形であってもよい。
【0121】
(第1実施例)
図10は、伸縮デバイスの第1実施例を説明する平面図である。図10に示すように、第1基材11に2つの第1配線21を形成した。第1基材11に直径0.5mm、1.0mmまたは1.5mmの穴部50を形成した。第1基材11を第1方向Aに2倍に伸ばした。このとき、接続領域Z1(接続部材40)から穴部50までの最短距離Lを0.1mm~14mmの間で変化させて、第1基材11の接続領域Z1の近傍の単位変位量を計算した。比較例として穴部が無い場合を計算した。
【0122】
この結果を図11に示す。図11では、横軸に、接続領域Z1から穴部50までの最短距離Lを示し、縦軸に、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量を示す。丸印は、穴部50の直径が0.5mmであるときを示し、三角印は、穴部50の直径が1.0mmであるときを示し、四角印は、穴部50の直径が1.5mmであるときを示す。二点鎖線は、穴部がない場合を示す。
【0123】
図11に示すように、最短距離Lが接続領域Z1近傍(0.5mm以下)に存在する場合、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量が大きくなって、接続領域Z1近傍の第1基材11が伸びて、接続領域Z1近傍の第1配線21が断線しやすくなることが分かる。つまり、最短距離Lが0.5mm以下であるとき、穴部を設けていない場合よりも接続領域Z1近傍の第1基材11が伸びていることが確認された。
【0124】
一方、最短距離Lが、0.5mm以上14mm以下である場合、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量が、穴部を設けていない場合よりも小さくなっており、接続領域Z1近傍の第1基材11の伸びが低減していることが分かる。また、図11から分かるように、最短距離Lは、好ましくは0.8mm以上7mm以下、より好ましくは1mm以上6.5mm以下、さらに好ましくは1.3mm以上6mm以下であり、接続領域Z1近傍の第1基材11の伸びがより低減していることが分かる。
【0125】
(第2実施例)
図12は、伸縮デバイスの第2実施例を説明する平面図である。図12に示すように、第1基材11に4つの第1配線21を形成した。第1基材11に直径1.0mmの穴部50を形成した。接続領域Z1(接続部材40)から穴部50までの最短距離Lを3.0mmとした。第1基材11を第1方向Aに2倍に伸ばした。このとき、穴部50の数量を1つ、3つまたは5つと変化させて、第1基材11の接続領域Z1の近傍の単位変位量を計算した。穴部50は第2方向Bに増やした。比較例として穴部が無い場合を計算した。
【0126】
この結果を図13に示す。図13では、横軸に、穴部50の数量を示し、縦軸に、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量を示す。図13に示すように、穴部50の数量が増加することで、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量が小さくなっており、接続領域Z1近傍の第1基材11の伸びが低減することが確認された。
【0127】
(第3実施例)
図14は、伸縮デバイスの第3実施例を説明する平面図である。図14に示すように、第1基材11に4つの第1配線21を形成した。第1基材11に直径1.0mmの5つの穴部50を形成した。5つの穴部50は第2方向Bに一列配置した。第1基材11を第1方向Aに2倍に伸ばした。このとき、接続領域Z1(接続部材40)から穴部50までの最短距離Lを1.5mm、3.0mm、4.5mmと変化させて、第1基材11の接続領域Z1の近傍の単位変位量を計算した。比較例として穴部が無い場合を計算した。
【0128】
この結果を図15に示す。図15では、横軸に、接続領域Z1から穴部50までの最短距離を示し、縦軸に、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量を示す。図15に示すように、穴部50を一列配置することで、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量が小さくなっており、接続領域Z1近傍の第1基材11の伸びが低減することが確認された。特に、最短距離Lを3.0mmとすることで、接続領域Z1近傍の第1基材11の伸びが最も低減することが確認された。
【0129】
(第4実施例)
図16は、伸縮デバイスの第4実施例を説明する平面図である。図16に示すように、第1基材11に4つの第1配線21を形成した。第1基材11に直径1.0mmの穴部55,56を形成した。5つの穴部55,56を第2方向Bに配置して一組を形成し、この一組を第1方向Aに2つ配置した。つまり、接続領域Z1に近い位置から順に、一列目の5つの穴部55と二列目の5つの穴部56とを形成した。接続領域Z1(接続部材40)から一列目の5つの穴部55までの最短距離L5を3.0mmとした。第1基材11を第1方向Aに2倍に伸ばした。このとき、接続領域Z1(接続部材40)から二列目の5つの穴部56までの最短距離L6を4.1mm、4.5mm、5.5mmと変化させて、第1基材11の接続領域Z1の近傍の単位変位量を計算した。
【0130】
この結果を図17に示す。図17では、横軸に、接続領域Z1から二列目の5つの穴部56までの最短距離を示し、縦軸に、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量を示す。図17に示すように、二列目の5つの穴部56を設けることで、図15と比較して、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量が小さくなっており、接続領域Z1近傍の第1基材11の伸びが低減することが確認された。特に、二列目の5つの穴部56までの最短距離を4.5mmとすることで、接続領域Z1近傍の第1基材11の伸びが最も低減することが確認された。
【0131】
(第5実施例)
図18は、伸縮デバイスの第5実施例を説明する平面図である。図18に示すように、第1基材11に4つの第1配線21を形成した。第1基材11に直径1.0mmの穴部55,56を形成した。5つの穴部55,56を第2方向Bに配置して一組を形成し、例えば、この一組を第1方向Aに複数配置した。具体的には、接続領域Z1に近い位置から順に、一列目の5つの穴部55と二列目の5つの穴部56とを形成した。接続領域Z1(接続部材40)から一列目の5つの穴部55までの最短距離L5を3.0mmとした。第1基材11を第1方向Aに2倍に伸ばした。
【0132】
このとき、一列目の穴部55から、二列目の穴部56、三列目の穴部、四列目の穴部および五列目の穴部を順に増加させて、第1基材11の接続領域Z1の近傍の単位変位量を計算した。接続領域Z1から二列目の5つの穴部56までの最短距離L6を4.5mmとし、接続領域Z1から三列目の5つの穴部までの最短距離を6.0mmとし、接続領域Z1から四列目の5つの穴部までの最短距離を7.5mmとし、接続領域Z1から五列目の5つの穴部までの最短距離を9.5mmとした。つまり、第1方向Aに隣り合う穴部の間隔Pを0.5mmとした。
【0133】
この結果を図19に示す。図19では、横軸に、穴部の列の数量を示し、縦軸に、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量を示す。二点鎖線は、穴部がない場合を示す。図19に示すように、穴部の列の数量を増加することで、接続領域Z1近傍での第1基材11の単位変位量が小さくなっており、接続領域Z1近傍の第1基材11の伸びが低減することが確認された。特に、接続領域Z1近傍の第1基材11の伸びの低減には、一列目、二列目および三列目の穴部の寄与が大きいことが分かる。
【0134】
(第6実施例)
第3実施例および第5実施例において、接続領域近傍で配線(第1配線または第2配線)が断線した際の伸縮デバイスの伸長量を測定した。
【0135】
具体的に述べると、第3実施例において、第1基材および第2基材のそれぞれに銀を含む配線をディスペンサで4本印刷した。配線幅を0.5mmとし、配線長さを15mmとし、配線間隔を1mmとした。第1基材と第2基材を接続部材(ACF)により接合した。第1基材および第2基材のそれぞれに直径0.7mmの5つの穴部をレーザ加工により形成した。5つの穴部は第1方向に直交する方向に一列配置した。接続領域(接続部材)から穴部までの最短距離を3.0mmとした。そして、第1基材および第2基材のそれぞれの端部を把持して、配線が断線するまで第1基材および第2基材を第1方向に1mmずつ伸長させた。この結果、第1基材および第2基材を22mm伸ばした時点で、断線が確認された。
【0136】
第5実施例において、第1基材および第2基材のそれぞれに銀を含む配線をディスペンサで4本印刷した。配線幅を0.5mmとし、配線長さを15mmとし、配線間隔を1mmとした。第1基材と第2基材を接続部材(ACF)により接合した。第1基材および第2基材のそれぞれに直径0.7mmの穴部をレーザ加工により形成した。5つの穴部を4列形成した。接続領域から一列目の穴部の最短距離を3.0mmとし、接続領域から二列目の穴部の最短距離を4.5mmとし、接続領域から三列目の穴部の最短距離を5.5mmとし、接続領域から四列目の穴部の最短距離を6.7mmとした。そして、第1基材および第2基材のそれぞれの端部を把持して、配線が断線するまで第1基材および第2基材を第1方向に1mmずつ伸長させた。この結果、第1基材および第2基材を24mm伸ばした時点で、断線が確認された。
【0137】
第1比較例として、第1基材および第2基材のそれぞれに銀を含む配線をディスペンサで4本印刷した。配線幅を0.5mmとし、配線長さを15mmとし、配線間隔を0.5mmとした。第1基材と第2基材を接続部材(ACF)により接合した。そして、第1基材および第2基材のそれぞれの端部を把持して、配線が断線するまで第1基材および第2基材を第1方向に1mmずつ伸長させた。この結果、第1基材および第2基材を18mm伸ばした時点で、断線が確認された。
【0138】
第2比較例として、第1基材および第2基材のそれぞれに銀を含む配線をディスペンサで4本印刷した。配線幅を0.5mmとし、配線長さを15mmとし、配線間隔を1mmとした。第1基材と第2基材を接続部材(ACF)により接合した。第1基材および第2基材のそれぞれに直径0.7mmの5つの穴部をレーザ加工により形成した。5つの穴部は第1方向に直交する方向に一列配置した。接続領域(接続部材)から穴部までの最短距離を0.2mmとした。そして、第1基材および第2基材のそれぞれの端部を把持して、配線が断線するまで第1基材および第2基材を第1方向に1mmずつ伸長させた。この結果、第1基材および第2基材を16mm伸ばした時点で、断線が確認された。
【0139】
この結果を図20に示す。図20では、第3実施例、第5実施例、第1比較例および第2比較例のそれぞれにおいて、接続領域近傍で配線が断線した際の伸縮デバイスの伸長量を示す。図20から明らかなように、第3実施例および第5実施例では、第1比較例および第2比較例と比べて、伸縮デバイスの伸長量が大きくなって、接続領域近傍で配線の断線が起こりにくくなっていることが分かる。
【0140】
なお、上記の説明では請求項に記載の第1穴部に相当する穴部50が、第1主面上で第1穴部に対して第1方向に配置された他の穴部を含めた複数の穴部の中で最も接続部材に近いが、本発明はそのような構造に限定されず、第1穴部に相当する穴部50と接続部材との間に、異なる穴部50が配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0141】
1、1A~1E 伸縮デバイス
11 第1基材
111 第1主面
112 第2主面
12 第2基材
121 第3主面
122 第4主面
21 第1配線
22 第2配線
40 接続部材
50 穴部
50a、51a、52a、53a 1番目の穴部
50b、51b、52b、53b 2番目の穴部
50c、51c、52c、53c 3番目の穴部
510a、520a、530a 中心
55 一列目の穴部
56 二列目の穴部
60、60A 保護膜
60a 貫通孔
60b 重複部分
A 第1方向
B 第2方向
L 最短距離
L1 第1最短距離
L2 第2最短距離
L3 第3最短距離
L5 一列目の穴部の最短距離
L6 二列目の穴部の最短距離
P 穴部の間隔
Z1 接続領域
Z2 非接続領域
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